JP2018019232A - パケット伝送装置、及び、経路切替制御方法 - Google Patents

パケット伝送装置、及び、経路切替制御方法 Download PDF

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亮介 枌
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幹夫 小曽根
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Abstract

【課題】障害復旧時の迂回経路からの経路切替による通信断の時間を短縮する。【解決手段】ネクストホップとなる通信装置への第1の経路を接続し、通信装置のハードウェアアドレスを用いてパケットを出力するインタフェースと、通信装置のハードウェアアドレスを記憶する記憶部と、通信装置のハードウェアアドレスを取得する取得処理を行い、インタフェースに係る障害が発生した場合に、記憶部のインタフェースに係るハードウェアアドレスを削除するARP処理部と、インタフェースに係る障害が発生した場合に、通信装置への経路を第1の経路から第2の経路へと切り替える処理を行い、インタフェースが障害から復旧した場合に、インタフェースの障害からの復旧に伴うARP処理部の取得処理が終了してから、通信装置への経路を第2の経路から第1の経路へと切り替える処理を行う管理状況統括部と、を備えるパケット伝送装置である。【選択図】図8

Description

本発明は、パケット伝送装置、及び、経路切替制御方法に関する。
例えば、通信キャリアにおいて用いられるネットワークは、可用性を確保するために、スイッチやルータなどのネットワーク機器が冗長化される構成を有することが多い。冗長化されたシステムは、一部に障害が発生した場合には、経路を切り替えることで、障害発生後でも通信を維持し続けられるように設計されている。
IPsec(Security Architecture for Internet Protocol)トンネルを冗長化させ
るIPsecHA(High Availability)という技術がある。IPsecHAを用いると
、アクティブルータとスタンバイルータとが、それぞれ、同じ暗号化情報を用いて、ノードとIPsecトンネルを構築する。アクティブルータがダウンしても、スタンバイルータがノードとのIPsecトンネルの処理を行うので、迅速に経路を切り替えることができる。
特開2012−39360号公報 特開2014−11753号公報 特開2006−253927号公報
しかしながら、IPsecHAを用いてIPsecトンネルを冗長化させるネットワークでは、以下の問題がある。IPネットワークでは、異なるサブネットにパケットを届ける場合には、宛先IPアドレスと、ネクストホップのMAC(Media Access Control)アドレスが用いられる。
ネクストホップのMACアドレスは、ARP(Address Resolution Protocol)によっ
て、取得される。ARPでは、IPアドレスを含むARPリクエストがブロードキャストでサブネット内に送信され、該当のIPアドレスを有する装置から該当装置のMACアドレスを含むARPレスポンスが返ってくることで、MACアドレスを取得することができる。ARPによってMACアドレスを取得することは、ARP解決と称される。ARP解決で取得されたMACアドレスは、IPアドレスと対応付けられてARPテーブルに格納される。
しかしながら、ARPテーブルは、インタフェースがダウンすると、当該インタフェースに関するエントリが削除されてしまう。当該インタフェースがアップした場合には、再度ARP解決が実行されないと、MACアドレスを取得することができない。
例えば、IPsecHAによって冗長化されたIPsecトンネルのうち、アクティブルータのインタフェースが障害等でダウンすると、スタンバイルータとノードとの間のIPsecトンネルが使用される。このとき、アクティブルータでは、IPsecトンネルを構築していたインタフェースについて、ARPテーブルが消失される。
アクティブルータが障害から復帰すると、スタンバイルータとノードとの間のIPse
cトンネルから、アクティブルータとノード間のIPsecトンネルに経路が切り戻される。アクティブルータでは、ノードとの間のトンネルを再度確立させる処理が行われる。アクティブルータでは、IPsecトンネルを構築していたインタフェースについてARPテーブルが消失しているため、まずは、ARP解決が行われ、ノードのMACアドレスが取得される。
このとき、アクティブルータとIPsecトンネルを構築するノードの数が多ければ多いほど、アクティブルータでのARP解決に係る時間が長くなり、ARP解決の順番が遅いノードほど、通信が途絶える時間が長くなってしまう。
本発明の一態様は、障害復旧時の迂回経路からの経路切替による通信断の時間を短縮可能なパケット伝送装置、及び、経路切替制御方法を提供することを目的とする。
本発明の態様の一つは、ネクストホップとなる通信装置への第1の経路を接続し、通信装置のハードウェアアドレスを用いてパケットを出力するインタフェースと、通信装置のハードウェアアドレスを記憶する記憶部と、通信装置のハードウェアアドレスを取得する取得処理を行い、インタフェースに係る障害が発生した場合に、記憶部のインタフェースに係るハードウェアアドレスを削除するARP処理部と、インタフェースに係る障害が発生した場合に、通信装置への経路を第1の経路から第2の経路へと切り替える処理を行い、インタフェースが障害から復旧した場合に、インタフェースの障害からの復旧に伴うARP処理部の取得処理が終了してから、通信装置への経路を第2の経路から第1の経路へと切り替える処理を行う管理状況統括部と、を備えるパケット伝送装置である。
開示のパケット伝送装置、及び、経路切替制御方法によれば、障害復旧時の迂回経路からの経路切替による通信断の時間を短縮することができる。
図1は、冗長化構成を有するネットワークシステムの一例を示す図である。 図2は、ネットワークシステムのルータのルーティングテーブルの一例を示す図である。 図3は、ネットワークシステムのルータのARPテーブルの一例である。 図4は、ルータのRAN領域側のインタフェースでの障害発生時のネットワークシステムにおける処理の一例を示す図である。 図5は、ルータのRAN領域側のインタフェースが障害から復旧した場合のネットワークシステムの処理の一例を示す図である。 図6は、ルータのハードウェア構成の一例を示す図である。 図7は、ルータの機能構成の一例を示す図である。 図8は、経路変更管理表の一例である。 図9は、eNodeBアドレス対応表の一例である。 図10は、第1実施形態に係るルータの全体的な処理のフローチャートの一例である。 図11は、経路変更管理表の作成処理のフローチャートの一例である。 図12は、eNodeBアドレス対応表の作成処理のフローチャートの一例である。 図13は、経路変更管理表の更新処理のフローチャートの一例である。 図14は、eNodeBアドレス対応表の更新処理のフローチャートの一例である。 図15は、経路変更用の設定情報の生成処理のフローチャートの一例である。 図16は、経路変更用の設定情報の適用処理のフローチャートの一例である。 図17は、経路変更用の設定情報の削除処理のフローチャートの一例である。 図18は、初期状態のネットワークシステムの一例を示す。 図19は、ルータのRAN領域側のインタフェース#1に障害が発生した場合のネットワークシステムの一例を示す図である。 図20は、ルータのインタフェース#1が障害から復旧した場合のネットワークシステムの一例を示す図である。 図21は、ルータのインタフェース#1についてのARP解決が完了した場合のネットワークシステムの一例を示す図である。 図22は、第1実施形態の変形例に係るネットワークシステムの一例を示す図である。 図23は、第2実施形態に係るネットワークシステムのシステム構成の一例を示す図である。 図24は、第2実施形態に係るルータのRAN領域側インタフェースでの障害発生時のネットワークシステムにおける処理の一例を示す図である。 図25は、参考例としてのネットワークシステムにおける迂回経路から運用経路へと切り替わる場合の処理の一例である。 図26は、第2実施形態に係るネットワークシステムにおけるルータのインタフェース#1が復旧した場合の処理の一例を示す図である。 図27は、第2実施形態に係るルータの全体的な処理のフローチャートの一例である。 図28は、第2実施形態に係る経路変更用の設定情報の削除処理のフローチャートの一例である。
以下、図面に基づいて、本発明の実施の形態を説明する。以下の実施形態の構成は例示であり、本発明は実施形態の構成に限定されない。
<参考例1>
図1は、冗長化構成を有するネットワークシステムの一例を示す図である。ネットワークシステム100は、3GPP(3rd Generation partnership Project)に対応するネットワークシステムであり、例えば、通信キャリアのシステムである。
ネットワークシステム100では、外部ネットワークへのゲートウェイが、ルータ1及びルータ2で冗長化されている。ルータ1とルータ2とには、HSRP(Hot Standby Router Protocol)が設定されている。HSRPは、複数台のルータをノードからは1台に
見せかけて、ゲートウェイを冗長化させるプロトコルである。そのため、ルータ1とルータ2とは、各eNodeBからは1台のルータとして認識されている。
ネットワークシステム100では、RAN(Radio Access Network)領域側のサブネットに属するルータ1及びルータ2のインタフェースにおいて、HSRPのスタンバイグループが設定されている。当該スタンバイグループにおいて、ルータ1がアクティブ、ルータ2がスタンバイとして動作する。ルータ1とルータ2とは、リンクで接続されており、当該リンクを通じてHSRPのプロセス間通信が行われている。HSRPのプロセス間通信によって、ルータ1とルータ2とが、eNodeBとのIPsecトンネルの情報をやり取りする。
アクティブルータであるルータ1は、各eNodeBとIPsecトンネルを確立している。スタンバイルータであるルータ2には、IPsecで用いられる暗号化情報、アクティブルータ1と各eNodeBとのIPsecトンネルのセッション情報が、プロセス間通信を通じて、アクティブルータ1から送信される。
HSRPでは、アクティブルータとスタンバイルータとは、所定の周期でHelloメッセージを送信する。アクティブルータからのHelloパケットを所定時間受信しない場合に、スタンバイルータであるルータ2がアクティブルータを引き継ぎ、ルータ1と同じ暗号化情報を用いて各eNodeBとIPsecトンネルを確立する。スタンバイルータ2との間でも、アクティブルータ1と同じ暗号化情報が用いられてIPsecトンネルが確立されているので、IPsec HAを用いることによって、経路の切り替えが迅速に行われる。
ルータ1及びルータ2は、トラフィックの転送の際に、ルーティングテーブルとARPテーブルとを参照し、トラフィックの転送先を決定する。
図2は、ネットワークシステム100のルータ1のルーティングテーブルの一例を示す図である。ルーティングテーブルには、経路情報が格納されている。ルーティングテーブルのエントリには、例えば、ルート情報源、AD(Administrative distance)値/メト
リック、宛先ネットワーク、ネクストホップIPアドレス、出力インタフェースの項目が含まれる。ただし、ルーティングテーブルのエントリの項目は図2に示されるものに限定されない。
ルーティングテーブルのエントリのルート情報源の項目には、該当のエントリの情報源を示すコードが格納される。直接接続されているネットワークへの経路のエントリである場合には、ルート情報源の項目には、直接接続を示す「C」(Connected)が格納される。管理者からのコマンドによって設定されるスタティックルートのエントリである場合には、ルート情報源の項目には、スタティックルートを示す「S」(Static)が格納される。ルーティングプロトコルによって取得された経路のエントリである場合には、ルート情報源の項目には、ルーティングプロトコルを示すコードが格納される。例えば、BGP(Border Gateway Protocol)を示すコードは「B」、OSPF(Open Shortest Path First)を示すコードは「O」である。
ルーティングテーブルのエントリのAD値/メトリックの項目には、AD値/メトリックの値が格納される。AD値及びメトリックは、それぞれ、経路の優先度を示す値である。AD値は、ルートの情報源間の優先度を示し、値が小さいほど優先度が高い。メトリックは、経路間の優先度を示し、値が小さいほど優先度が高い。まず、AD値によって優先順位が決まり、AD値が同じ場合には、次に、メトリックによって優先順位が決まる。直接接続(Connected)のAD値/メトリックの初期値は、0/0である。スタティックルート(Static)のAD値/メトリックの初期値は、1/1である。
ルーティングテーブルのエントリの宛先ネットワークの項目には、ネットワークアドレスとプレフィクスとが格納される。ルーティングテーブルのエントリのネクストホップIPアドレスには、ネクストホップとなる装置のIPアドレスが格納される。ネクストホップは、自装置のインタフェースが属しているサブネットと同じサブネットに属しているレイヤ3のネットワーク装置のことである。IPsecトンネルによる接続は、直接接続とみなされ、IPsecトンネルの両端の装置は、同じサブネットに属し、互いにネクストホップとなる。
ルート情報源が「直接接続」である場合には、ルーティングテーブルのエントリの「ネ
クストホップIPアドレス」の項目には値が格納されない。例えば、ルーティングテーブル上で「直接接続」とみなされるIPsecトンネルの経路情報が用いられる場合には、ネクストホップのIPアドレスは、IPsecトンネルの設定情報から取得される。
ルーティングテーブルのエントリの出力インタフェースの項目には、トラフィックを出力するインタフェースの識別情報が格納される。IPsecトンネルが構築されている場合には、IPsecトンネルは1つのインタフェースとして認識される。そのため、例えば、IPsecトンネルを出力インタフェースとする「直接接続」の経路情報と、当該IPsecトンネルが構築されている物理インタフェースを出力インタフェースとする「直接接続」の経路情報とがルーティングテーブルに含まれる。ただし、図2に示される例では、IPsecトンネルが設定される物理インタフェースを出力インタフェースとする経路情報が示されている。
ルーティングテーブルでは、パケットの宛先IPアドレスと、ルーティングテーブルの「宛先ネットワーク」の項目の値に最も長く一致するエントリが採用される(ロンゲストマッチ)。ロンゲストマッチによって複数のエントリが抽出される場合には、AD値の最も小さいエントリが選択される。AD値が同じエントリが複数存在する場合には、メトリックの小さいエントリが選択される。
図1に示されるネットワークシステム100内のルータ1は、eNodeB−3への経路として、IPsecトンネルで直接eNodeB−3と接続される経路と、ルータ2を経由する経路とを有する。図2に示されるルーティングテーブルには、IPsecトンネルで直接eNodeB−3と接続される経路と、ルータ2を経由する経路との2つの経路のエントリが示されている。
図2のルート情報源の項目の値が「C」であるエントリは、IPsecトンネルで直接eNodeB−3と接続される経路のエントリである。図2のルート情報源の項目の値が「S」であるエントリは、ルータ2を経由する経路のエントリである。いずれのエントリも、宛先ネットワークの項目の値が同じ値であり、AD値は、IPsecトンネルで直接eNodeB−3と接続される経路の方が小さい為、IPsecトンネルで直接eNodeB−3と接続される経路が優先して用いられる。以降、ルータ1からeNodeB−3への経路のうち、IPsecトンネルで直接eNodeB−3と接続される経路を、運用経路、と称する。また、ルータ1からeNodeB−3への経路のうち、ルータ2を経由する経路を、迂回経路、と称する。
図3は、ネットワークシステム100のルータ1のARPテーブルの一例である。ARPテーブルには、IPアドレスとMACアドレスとの対応付けが格納されている。MACアドレスは、ハードウェアアドレスの一例である。ルータ1は、RAN領域側のインタフェース#1によって各eNodeBと接続する。図3では、ルータ1のRAN領域側のインタフェース#1についてのARPテーブルのエントリが示される。なおARPテーブルのエントリの項目は図3に示されるものに限定されない。
図3に示されるARPテーブルのエントリには、例えば、IPアドレス、エージタイマ、ハードウェアアドレスの項目が含まれる。エージタイマは、該当のエントリの残り生存時間を示す。エージタイマは、ARPテーブルの該当のエントリが参照される毎にリセットされる。ARPテーブルの該当のエントリの通信が途絶えて、エージタイマが0になると、該当のエントリが削除される。
ルータ1のRAN側のインタフェース#1と各eNodeBとは、IPsecトンネルを確立しており、同じサブネットに属するので、図3に示されるARPテーブルの例では
、各eNodeBについてのエントリが格納されている。ARPテーブルのエントリは、IPアドレスを含むARP要求をサブネット内に送信し、IPアドレスに対応するMACアドレスを含むARP応答を受信することによって、生成される。ARPテーブルのエントリが作成されることを、例えば、MACアドレスを学習する、という。ARPテーブルのエントリは、インタフェースがダウン状態に遷移したり、エージタイマが0になったりすると、削除される。
ルータ1のインタフェースのダウン状態とは、パケットを出力したり入力を受け付けたりできない状態である。インタフェースがダウン状態となるのは、例えば、インタフェースに接続される物理リンクの切断、インタフェースからケーブルが抜かれる、インタフェースのハードウェア故障、管理者からのコマンド入力による無効化、対向装置側の故障等である。
例えば、ルータ1が、eNodeB−3宛てのパケットを転送する場合には、まず、ルータ1は、ルーティングテーブルを参照して、出力するインタフェースを決定する。図2に示されるルーティングテーブルには掲載されていないが、eNodeB−3宛てのパケットの転送には、eNodeB−3とのIPsecトンネルの運用経路が選択される。
次に、ルータ1は、ARPテーブルを参照して、ネクストホップのIPアドレスに対応するMACアドレスを取得する。eNodeB−3とのIPsecトンネルの運用経路が選択された場合には、ネクストホップは、IPsecトンネルの一端であるeNodeB−3である。したがって、eNodeB−3のIPアドレス(xx.xx.xx.cc)に対応するMACアドレス(YYYY.YYYY.CCCC)がARPテーブルから取得される。なお、ARPテーブルにeNodeB−3のエントリがない場合には、ARP解決が行われる。
eNodeB−3のMACアドレスを取得すると、ルータ1は、eNodeB−3のIPアドレスとMACアドレスとを用いて、インタフェース#1からパケットを出力する。なお、ルータ1が、eNodeB−3の配下のネットワークにパケットを転送する場合には、eNodeB−3の配下のネットワークへの経路情報はルーティングプロトコル等によって取得され、ルーティングテーブルに記載される。eNodeB−3の配下のネットワークへの経路情報には、ネクストホップとしてeNodeB−3のIPアドレスが含まれる。したがって、ルータ1は、eNodeB−3の配下のネットワークにパケットを転送する場合には、当該ネットワークのIPアドレスと、ネクストホップであるeNodeB−3のMACアドレスとを用いて、インタフェース#1からパケットを出力する。
図4は、ルータ1のRAN領域側インタフェースでの障害発生時のネットワークシステム100における処理の一例を示す図である。ルータ1のRAN領域側での障害により、ルータ1のインタフェース#1のポートがダウン状態となる。
ルータ1のインタフェース#1がダウン状態になると、ルータ1のルーティングテーブルからインタフェース#1の直接接続のエントリが削除される。例えば、図2に示されるルーティングテーブルでは、ルート情報源「C」のエントリが削除され、ルート情報源「S」のエントリが残る。これによって、例えば、eNodeB−3へのパケットの転送には、ルート情報源「S」のエントリ、すなわち、スタティックルートが選択されるようになり、経路が運用経路から迂回経路に切り替わる。また、インタフェース#1がダウン状態になることによって、ルータ1がインタフェース#1について学習したARPテーブルのエントリは消失する。
ルータ2は、RAN領域側からルータ1からのHSRPのHelloパケットを受信せ
ずに所定時間経過すると、StanbyからActiveに状態を遷移させ、アクティブルータとなる。ルータ2は、アクティブルータとなることによって、ルータ1と共有していたeNodeB−3とのIPsecトンネルで用いられている暗号化情報やセッション情報を用いてeNodeB−3との間のIPsecトンネルの処理を引き継ぐ。なお、ルータ2は、アクティブルータとなる時点ですでに、各eNodeBのARPエントリ(MACアドレス)を有している。
ルータ1のルーティングテーブルから「直接接続」のIPsecトンネルの経路情報が消失し、ルータ2がアクティブルータになり各eNodeB−3との間のIPsecトンネルの処理の引き継ぐことで、迂回経路への切り替えが完了する。なお、ルータ1は、インタフェース#1がダウンしているので、HSRPの状態は、「Int」となる。
図5は、ルータ1のRAN領域側のインタフェースが障害から復旧した場合のネットワークシステム100の処理の一例を示す図である。ルータ1のRAN領域側のインタフェースが障害から復旧すると、ルータ1のインタフェース#1がアップ状態になり、ルーティングテーブルに、直接接続のエントリが復活する。直接接続の経路のAD値はスタティックルートよりも小さく、優先度が高いため(図2参照)、これによって、経路が迂回経路から運用経路へと切り替わる。
一方、ルータ1のインタフェース#1についてARPテーブルのエントリが消失しており、且つ、IPsecトンネルの設定がなされているので、インタフェース#1がアップ状態になると、IPsecトンネルの対向装置である各eNodeBについてARP解決が開始される。経路が運用経路に切り替わっても、例えば、eNodeB−3のIPアドレスについてARP解決が行われていない場合には、ルータ1はeNodeB−3のMACアドレスが分からずにeNodeB−3へのパケットを転送できない。
また、eNodeBが1万台程度接続するなど、eNodeBの数が多い場合には、ARP解決に時間がかかり、ARP解決の順番が遅いeNodeBほど、通信が途絶する時間が長くなる。
なお、ルータ1は、インタフェース#1が復旧するので、HSRPの状態遷移が始まり、Int状態からActive状態へと切り替わる。ルータ1がActive状態になると、Helloパケットの送信を開始するので、ルータ2は、ルータ1からのHelloパケットを受信することによって、ActiveからStandbyに状態を遷移させる。
例えば、図5において、障害復旧時の迂回経路から運用経路への経路の切替の際に通信が途絶することを回避する方法として、ルータ1のイベントマネージャ機能を利用して、ルータ1に以下の設定を行うことが挙げられる。なお、以降、インタフェースがダウン状態となることを、リンクダウン、とも称する。また、インタフェースがアップ状態となることを、リンクアップ、とも称する。
(1)まず、ルータ1に対して、(1−1)リンクダウン発生時、所定の宛先に対する迂回経路のスタティックルートを設定すること、(1−2)リンクアップ発生時、所定時間(Delay timer)経過後に(1−1)で設定されたスタティックルートを削除すること、を予めに設定する。
(2)障害が発生した場合、リンクダウンをトリガとして、(1−1)のイベントを実施し、迂回経路に切り替えて通信を継続する。
(3)障害から復旧した場合、リンクアップをトリガとして、(1−2)のイベントを実施し、迂回経路から運用経路へと経路を切り戻す。
しかしながら、上記の方法では、以下の問題がある。ネットワークシステム100の管理者が各ルータに予めイベントマネージャ機能が設定される。また、ルータは、設定された処理以外の処理を実行しない。そのため、本来であれば、ダウン状態のIPsecトンネルについて障害発生時の経路変更の設定は不要であるが、イベントマネージャ機能では、予め設定されるので、状態にかかわらず、すべてのIPsecトンネルに対して障害発生時の経路変更の処理が実行される。また、新たにIPsecトンネルを通過する宛先が増えた場合には、その都度、手動でイベントマネージャ機能の設定が追加される。さらに、Delay timerなどの設定情報は、擬似環境を構築して検証を行い、実測値に基づいて設定される。すなわち、上記の方法では、管理者の手間がかかったり、余計な処理が実行されたりする。
<第1実施形態>
第1実施形態では、ルータ1は、IPsecトンネルの状態とARP解決状況との対応付けを保持する経路変更管理表を備える。ルータ1は、IPsecトンネルの状態に応じて、迂回経路にパケットを転送させるための経路変更用の設定情報を保持し、障害発生時には、アップ状態のIPsecトンネルについて経路変更用の設定情報を適用する。また、ルータ1は、障害復旧時に、ARP解決の完了をトリガとして、経路変更用の設定情報を削除し、迂回経路から運用経路へと切り替える。以降、第1実施形態では、図1に示される通信システム100を想定して説明される。ルータ1は、「パケット伝送装置」の一例である。eNodeBは、「通信装置」の一例である。運用経路は、「第1の経路」の一例である。迂回経路は、「第2の経路」の一例である。ARP解決は、「取得処理」の一例である。経路変更用の設定情報を削除する処理は、「通信装置への経路を第2の経路から第1の経路へと切り替える処理」の一例である。経路変更用の設定情報は、「第2の経路を用いる設定情報」の一例である。
<装置構成>
図6は、ルータ1のハードウェア構成の一例を示す図である。ルータ1は、ハードウェア構成要素として、CPU 101、メモリ102A、不揮発性メモリ102B、ルータ情報管理用メモリ103、経路変更管理用メモリ104、パケット転送エンジン105、インターリンク用回線インタフェース106、RAN領域ネットワーク向け回線インタフェース107、外部ネットワーク向け回線インタフェース108を備える。CPU 101、メモリ102A、不揮発性メモリ102B、ルータ情報管理用メモリ103、経路変更管理用メモリ104パケット転送エンジン105は、バス109によって互いに接続されている。パケット転送エンジン105、インターリンク用回線インタフェース106、RAN領域ネットワーク向け回線インタフェース107、外部ネットワーク向け回線インタフェース108は、バス110によって互いに接続されている。
不揮発性メモリ102Bは、OS(Operating System)、様々なプログラムや、各プログラムの実行に際してCPU 101が使用するデータを格納する補助記憶装置である。不揮発性メモリ102Bは、例えば、EPROM(Erasable Programmable ROM)、フラ
ッシュメモリ、又はハードディスクドライブ(Hard Disk Drive)等である。不揮発性メ
モリ102Bは、例えば、経路切替制御プログラムを記憶する。経路切替制御プログラムは、IPsecトンネルの運用経路の障害時には、迂回経路に切り替るような設定情報を適用し、運用経路が復旧した場合には、ARP解決の完了をトリガに、設定情報を削除するためのプログラムである。
メモリ102Aは、CPU 101に、不揮発性メモリ102Bに格納されているプロ
グラムをロードする記憶領域および作業領域を提供したり、バッファとして用いられたりする主記憶装置である。メモリ102Aは、例えば、RAM(Random Access Memory)のような揮発性の半導体メモリである。
CPU 101は、不揮発性メモリ102Bに保持されたOSや様々なアプリケーションプログラムをメモリ102Aにロードして実行することによって、様々な処理を実行する。CPU 101は、1つに限られず、複数備えられてもよい。
ルータ情報管理用メモリ103は、例えば、RAMである。ルータ情報管理用メモリ103は、例えば、ルーティングテーブル、ARPテーブル、設定情報、等を格納する。ルータ情報管理用メモリ103は、「記憶部」の一例である。
経路変更管理用メモリ104は、例えば、RAMである。経路変更管理用メモリ104は、経路変更管理表、eNodeBアドレス対応表を格納する。
インターリンク用回線インタフェース106は、ルータ2との間のリンクを接続するインタフェースであり、図1に示される例において、インタフェース#2に相当する。RAN領域ネットワーク向け回線インタフェース107は、RAN領域に接続するインタフェースであり、図1に示される例において、インタフェース#1に相当する。外部ネットワーク向け回線インタフェース108は、外部ネットワークに接続するインタフェースである。RAN領域ネットワーク向け回線インタフェース107は、「インタフェース」の一例である。インターリンク用回線インタフェース106は、「第2のインタフェース」の一例である。外部ネットワーク向け回線インタフェース108は、「第3のインタフェース」の一例である。
インターリンク用回線インタフェース106、RAN領域ネットワーク向け回線インタフェース107、外部ネットワーク向け回線インタフェース108は、例えば、NIC(Network Interface Card)等である。以降、インターリンク用回線インタフェース106、RAN領域ネットワーク向け回線インタフェース107、外部ネットワーク向け回線インタフェース108を総称する場合には、物理インタフェースと称する。
パケット転送エンジン105は、CPU 101、物理インタフェースのいずれかから入力されたパケットの出力先を、ルーティングテーブルに従って、決定する。パケット転送エンジン105は、決定した出力先のCPU 101又は物理インタフェースのいずれかにパケットを出力する。
なお、図6に示されるルータ1のハードウェア構成は、一例であり、上記に限られず、実施の形態に応じて適宜構成要素の省略や置換、追加が可能である。
図7は、ルータ1の機能構成の一例を示す図である。ルータ1は、機能構成要素として、インタフェース処理部11、ARP処理部12、設定情報生成部13、管理状況統括部14、ルーティング制御部15、トンネル監視部16、冗長制御部17、設定情報管理部18A、経路管理データベース18B、ルーティングテーブル19A、ARPテーブル19Bを備える。
インタフェース処理部11は、各物理インタフェースの状態を管理する。より具体的には、インタフェース処理部11は、各物理インタフェースがアップからダウン、又は、ダウンからアップへと状態変化したことを検出する。インタフェース処理部11は、物理インタフェースの状態が変化したことを、例えば、管理状況統括部14、冗長制御部17に通知する。
また、インタフェース処理部11は、物理インタフェースから受信したパケットの入力を受け、当該パケットをパケットに応じた機能構成要素に出力する。また、インタフェース処理部11は、各機能構成要素からパケットの入力を受け、当該パケットをパケットに応じた物理インタフェースに出力する。パケットをいずれの機能構成要素に出力するかは、例えば、パケットの種類で決められる。パケットをいずれの物理インタフェースに出力するかは、例えば、宛先IPアドレスによって決められる。
第1実施形態では、インタフェース処理部11は、ARP処理部12からARPリクエストが入力されると、該当する物理インタフェースに当該ARPリクエストを出力する。また、インタフェース処理部11は、ARPリプライが物理インタフェースから入力されると、当該ARPリプライをARP処理部12に出力する。
また、インタフェース処理部11は、HSRPのHelloパケットの入力をインタフェース#1から受けると、HSRPのHelloパケットを冗長制御部17に出力する。インタフェース処理部11は、HSRPのHelloパケットの入力を冗長制御部17から受けると、HSRPのHelloパケットをインタフェース#1から出力する。
また、インタフェース処理部11は、IPsecトンネルに関するパケットの入力をインタフェース#1又はインタフェース#2から受けると、当該パケットをトンネル監視部16に出力する。インタフェース処理部11は、IPsecトンネルに関するパケットの入力をトンネル監視部16から受けると、当該パケットをインタフェース#1又はインタフェース#2に出力する。
トンネル監視部16は、IPsecトンネルの状態を監視する。IPsecトンネルでは、セッション維持のために、IPsecトンネルの両端の装置から、キープアライブのパケットが所定の周期で送信される。トンネル監視部16は、ルータ1がアクティブルータとして動作している場合には、各eNodeBからのキープアライブの受信状態に基づいて各IPsecトンネルの状態を監視する。トンネル監視部16は、ルータ1がスタンバイルータとして動作している場合には、アクティブルータであるルータ2からのセッション情報に基づいて、各IPsecトンネルの状態を監視する。ルータ2からのセッション情報には、IPsecトンネルの状態に関する情報が含まれている。トンネル監視部16は、IPsecトンネルの状態が変化した場合に、当該IPsecの状態変化を管理状況統括部14に出力する。
管理状況統括部14は、物理インタフェース、IPsecトンネルの状態に応じて、経路管理データベース18内の経路変更管理表に基づいて、経路の切替の制御を行う。より具体的には、管理状況統括部14は、経路管理データベース18内の経路変更管理表を監視しており、ダウンからアップに変更したIPsecトンネルの対向装置であるeNodeBについて、経路変更用の設定情報の生成を、設定情報生成部13に指示する。
管理状況統括部14は、例えば、RAN領域側のインタフェース#1のダウン状態への遷移の通知をインタフェース処理部11から受けると、インタフェース#1上のIPsecトンネルについて、経路変更用の設定情報を適用するように、設定情報生成部13に指示する。第1実施形態では、経路変更用の設定情報は、ルータ2への迂回経路へとパケットを転送させるためのPBR(Policy-Based Routing)情報である。経路変更用の設定情報が適用されることによって、インタフェース#1からRAN領域側に転送されていたパケットは、ルータ2に転送されることになり、経路が迂回経路に切り替わる。
管理状況統括部14は、例えば、RAN領域側のインタフェース#1のダウンからアッ
プへの状態変化の通知をインタフェース処理部11から受けると、ARPテーブル19Bを監視し、RAN領域側のインタフェース#1について、ARP解決の完了を確認する。ARP解決が完了したことを確認すると、経路変更用の設定情報の削除を、設定情報生成部13に指示する。経路変更用の設定情報が削除されることによって、ルータ2への迂回経路へと転送されていたパケットは、RAN領域側のインタフェース#1から出力されるようになり、迂回経路からもとの運用経路に切り替わる。管理状況統括部14は、「管理状況統括部」の一例である。
設定情報生成部13は、管理状況統括部14からの指示にしたがって、経路変更用の設定情報の生成、適用、削除を行う。設定情報生成部13は、第1実施形態では、経路変更管理表とeNodeBアドレス対応表とを参照し、経路変更の対象となる宛先IPアドレスを特定し、該宛先IPアドレス宛のパケットはルータ2への迂回経路に転送することを示すPBR情報を経路変更用の設定情報として生成する。
設定情報生成部13は、設定情報の適用処理として、設定情報を設定情報管理部18Aに書き込む。設定情報生成部13は、設定情報の削除処理として、適用されている設定情報を削除するための削除用設定情報を生成し、削除用設定情報を設定情報管理部18Aに書き込む。設定情報管理部18Aに書き込まれた設定情報は、ルーティング制御部15によって読み出され、ルーティングテーブル19Aに反映される。
設定情報生成部13、管理状況統括部14は、それぞれ、例えば、ルータ1のCPU 101が経路切替制御プログラムを実行することによって達成される機能構成要素である。
ARP処理部12は、ARP解決とARPテーブル19Bの管理とを行う。ARP処理部12は、例えば、ルータ1のCPU 101が不揮発性メモリ102Bに格納されているARPプログラムを実行することによって達成される機能構成要素である。ARP処理部12は、管理状況統括部14からの指示によって、ARP解決、すなわち、ARPリクエストをインタフェース処理部11に出力する。ARPリクエストを行う対象のIPアドレスは、経路変更管理表とeNodeBアドレス対応表とから取得される。ARP処理部12は、ARPリクエストに対するARPリプライをインタフェース処理部11から入力されると、ARPテーブル19BにIPアドレスと取得したMACアドレスとの対応付けを記録する。ARP処理部12は、ARPテーブルのエントリされているハードウェアアドレスが用いられる通信が途絶えて、当該エントリのエージタイマが0になると、該当のエントリを削除する。ARPテーブル19Bのエントリのエージタイマが0になるのは、例えば、当該エントリに対応するインタフェース又は当該インタフェースが接続するリンクに障害が発生した場合である。ARP処理部12は、「ARP処理部」の一例である。MACアドレスは、「ハードウェアアドレス」の一例である。
ルーティング制御部15は、ルーティングの制御を行う。ルーティング制御部15は、例えば、ルータ1のCPU 101が不揮発性メモリ102Bに格納されているOSを実行することによって達成される機能構成の一つである。より具体的には、ルーティング制御部15は、設定情報管理部17にルーティングに関する設定情報が書き込まれた場合に、設定情報管理部17を参照し、ルーティングに関する設定情報に従ってルーティングテーブル19Aを書き換える。第1実施形態では、経路変更用の設定情報は、PBR情報である。PBR情報はルーティングに関する設定情報の一例である。
冗長制御部17は、HSRPの処理を行う。冗長制御部17は、HSRPのスタンバイグループにおいて、HSRPの状態の遷移の制御を行う。HSRPのスタンバイグループは、サブネット、すなわち、インタフェースに設定される。HSRPの状態には、Int
、Listen、Learn、Speak、Standby、Activeがある。HSRPの状態がActiveである場合に、当該スタンバイグループにおいて処理を行う。第1実施形態では、ルータ1のインタフェース#1、ルータ2のRAN領域側のインタフェースは同じスタンバイグループに属している。
HSRPの状態は、Int、Listen、Speak、Stanbyの順に遷移する。冗長制御部17は、Listen、Learn、Speakの状態時に他のルータとHelloパケットを交換する。Helloパケットには、アクティブルータを決定するための優先度が含まれている。HSRPの状態が、Standby又はActiveである場合に、冗長制御部17は、当該スタンバイグループに属するインタフェースから、所定の周期でHelloメッセージを送信する。
他のルータとのHelloパケットの交換の結果、自身の優先度が最も高い場合に、冗長制御部17は、当該スタンバイグループにおけるHSRPの状態をStandbyからActiveに遷移させる。HSRPの状態がStandbyである場合に、Activeルータ以外のルータから自身の優先度よりも高い優先度を含むHelloパケットを受信した場合には、冗長制御部17は、HSRPの状態をStandbyからListenに遷移させる。
HSRPの状態がActiveである場合には、冗長制御部17は、当該スタンバイグループに属しているインタフェース#1がダウン状態に遷移すると、当該スタンバイグループにおけるHSRPの状態をIntに遷移させる。インタフェース#1が復旧して再度アップ状態になると、冗長制御部17が、当該スタンバイグループにおけるHSRPの状態の遷移を開始する。Activeとして動作している他のルータから送信されたHelloパケットを受信すると、冗長制御部17は、自身の優先度の方が高い場合には状態をActiveに遷移させ、Helloパケットの送信を開始する。
HSRPの状態がStandbyである場合には、冗長制御部17は、Activeである他のルータからのHelloパケットの受信を監視する。所定時間Activeである他のルータからHelloパケットを受信しない場合には、冗長制御部17は、HSRPの状態をStandbyからActiveに遷移させ、Activeとしての処理を開始する。
設定情報管理部18A、ルーティングテーブル19A、ARPテーブル19Bは、例えば、ルータ情報管理用メモリ103内に作成されている。設定情報管理部18Aは、ルータ1の設定内容を管理する。設定情報管理部18Aに管理される設定内容は、例えば、running-configurationとして扱われる。
ルーティングテーブル19Aは、経路情報を格納するテーブルである。経路情報は、宛先ネットワークアドレス、ルート情報源、出力インタフェース等の情報が含まれている(図2参照)。ルーティングテーブル19Aは、ルーティング制御部15によって管理されている。
ARPテーブル19Bは、IPアドレスとMACアドレスとの対応付けを格納するテーブルである(図3参照)。ARPテーブル19Bは、ARP処理部12によって管理されている。
経路管理データベース18Bは、例えば、経路変更管理用メモリ104内に作成される。経路管理データベース18Bには、経路変更管理表とeNodeBアドレス対応表とを格納する。
図8は、経路変更管理表の一例である。経路変更管理表は、IPsecHAによって冗長化されているIPsecトンネルの経路変更に関する情報を格納する。経路変更管理表は、経路管理データベース18内に格納されており、管理状況統括部14によって管理されている。
経路変更管理表のエントリの項目には、「IPアドレス」、「トンネルの死活状態」、「経路変更の設定」、「ARP解決状況」が含まれる。「IPアドレス」の項目には、ルータ1とIPsecトンネルを構築している装置のIPアドレスが格納される。図1に示されるネットワークシステム100では、ルータ1は、各eNodeBとIPsecトンネルを構築しているので、図8に示される経路変更管理表の例では、「IPアドレス」の項目には、各eNodeBのIPアドレスが格納されている。
「トンネルの死活状態」の項目には、トンネルの状態を示す「UP」又は「DOWN」のいずれかが格納される。「トンネルの死活状態」の項目の値は、トンネル監視部16からの状態変化の通知を受けて、管理状況統括部14が登録、又は、更新する。
「経路変更の設定」の項目には、「確認前」、「要」、「不要」のいずれかの値が格納される。「経路変更の設定」の項目の初期値は、「確認前」である。「経路変更の設定」の項目の値が「要」である場合には、当該エントリのIPアドレスで構築されるIPsecトンネルについて、当該IPsecトンネルが設定されているインタフェースの障害発生時に経路変更用の設定情報の適用処理を行うことが示される。「経路変更の設定」の項目の値が「不要」である場合には、当該エントリのIPアドレスで構築されるIPsecトンネルについて、当該IPsecトンネルが設定されているインタフェースの障害発生時に経路変更用の設定情報の適用処理を行わなくてよいことが示される。
「経路変更の設定」の値は、「トンネルの死活状態」の値が「UP」である場合には、管理状況統括部14によって、「要」に設定される。また、「経路変更の設定」の値は、「トンネルの死活状態」の値が「DOWN」である場合には、管理状況統括部14によって、「不要」に設定される。
「ARP解決状況」の項目には、「実施前」、「実施済」、「不要」のいずれかが格納される。「ARP解決状況」の項目の初期値は、「実施前」である。該当のエントリの「IPアドレス」の項目のIPアドレスに対するARP解決が終了すると、「ARP解決状況」の項目の値は、管理状況統括部14によって、「実施前」から「実施済」に変更される。「経路変更の設定」項目の値が「不要」である場合には、「ARP解決状況」の項目の値も「不要」となる。
図9は、eNodeBアドレス対応表の一例である。eNodeBアドレス対応表は、各eNodeBの配下のネットワークのIPアドレスを格納する。eNodeBアドレス対応表は、経路管理データベース18に格納されている。eNodeBアドレス対応表のエントリは、eNodeBのIPアドレスと、当該eNodeBの配下のネットワークのIPアドレスとの項目を含む。
eNodeBアドレス対応表は、IPsecトンネルが設定されているインタフェースの障害発生時の経路切替の際に、eNodeBの配下のネットワークへの経路情報の書き換えのために用いられる。eNodeBアドレス対応表は、管理状況統括部14によって管理される。
<処理の流れ>
図10は、第1実施形態に係るルータ1の全体的な処理のフローチャートの一例である。図10に示される処理は、ルータ1の起動とともに開始される。図10に示される例の処理の主体は、経路切替制御プログラムを実行するCPU 101であるが、便宜上、機能構成要素を主体として説明する。図10以降のフローチャートについても同様である。
OP1では、管理状況統括部14は、経路変更管理表を作成する。経路変更管理表の作成処理の詳細は、後述される。OP2では、管理状況統括部14は、eNodeBアドレス対応表を作成する。eNodeBアドレス対応表の作成処理の詳細は、後述される。
OP3では、管理状況統括部14は、経路変更管理表の更新を行う。経路変更管理表の更新処理の詳細は、後述される。OP4では、管理状況統括部14は、eNodeBアドレス対応表を更新する。eNodeBアドレス対応表の更新処理の詳細は、後述される。
OP5では、管理状況統括部14は、経路変更用の設定情報を生成する。OP5で生成されるのは、状態がアップに遷移したIPsecトンネルの対向装置であるeNodeB及び当該eNodeBの配下のネットワークへの経路についての経路変更用の設定情報(PBR情報)である。経路変更用の設定情報の生成処理の詳細は、後述される。
OP6では、管理状況統括部14は、インタフェース#1側で障害が発生したか否かを判定する。インタフェース#1がダウン状態になったことは、インタフェース処理部11によって管理状況統括部14に通知される。インタフェース#1で障害が発生した場合には(OP6:YES)、処理がOP7に進む。インタフェース#1側で障害が発生していない場合には(OP6:NO)、処理がOP3に進む。
OP7では、管理状況統括部14は、インタフェース#1側に障害が発生したので、経路変更用の設定情報の適用を行う。経路変更用の設定情報の適用処理の詳細は、後述される。
OP8では、管理状況統括部14は、インタフェース#1側が障害から復旧したか判定する。インタフェース#1がアップ状態になったことは、インタフェース処理部11によって管理状況統括部14に通知される。インタフェース#1側が障害から復旧した場合には(OP8:YES)、処理がOP9に進む。インタフェース#1側が障害から復旧しない場合には(OP8:NO)、待機状態となる。
OP9では、管理状況統括部14は、経路変更用の設定情報を削除する。経路変更用の設定情報の削除処理の詳細は後述される。OP9の処理が終了すると、処理は、OP3に進む。以降、OP3からの処理が実行される。
図11は、経路変更管理表の作成処理のフローチャートの一例である。図11に示される経路変更管理表の作成処理は、図10のOP1において行われる処理である。
OP11では、管理状況統括部14は、すべてのeNodeBのIPアドレスを確認する。より具体的には、管理状況統括部14は、ARPテーブル19Bに含まれているeNodeBのIPアドレスに対して、例えば、pingを実行することで、eNodeBのIPアドレスを確認する。
OP12では、管理状況統括部14は、経路変更管理表に疎通確認のとれたIPアドレスを追加する。その後、図11に示される処理が終了し、図10のOP2に処理が進む。
図12は、eNodeBアドレス対応表の作成処理のフローチャートの一例である。図
12に示されるeNodeBアドレス対応表の作成処理は、図10のOP2において行われる処理である。
OP21では、管理状況統括部14は、すべてのeNodeBの配下のネットワークのIPアドレスを確認する。
OP22では、管理状況統括部14は、eNodeBアドレス対応表に疎通確認のとれたIPアドレスをeNodeBと対応付けて追加する。その後、図12に示される処理が終了し、処理が図10のOP3に進む。
例えば、eNodeBのアドレスは、IPsecトンネルの設定情報から判別可能である。一方、いずれのネットワークがいずれのeNodeBの配下であるのかは、不明である。そのため、例えば、管理状況統括部14は、ルーティングテーブル19Aに含まれているIPアドレスに対して、例えば、tracerouteを実行する。tracerouteの応答の中に、eNodeBからの応答が有る場合に、管理状況統括部14は、当該応答のあるeNodeBとtracerouteの宛先のネットワークのIPアドレスとを対応付けて、eNodeBアドレス対応表に登録する。
図13は、経路変更管理表の更新処理のフローチャートの一例である。図13に示される処理は、図10のOP3において行われる処理である。なお、図13に示される経路変更管理表の更新処理は、図10のOP3において実行されることに限定されず、所定の周期でも実行される。
OP31では、管理状況統括部14は、IPsecトンネルの状態に変化があるか否かを判定する。例えば、トンネル監視部16は、所定の周期で、IPsecトンネルの確認コマンドを実行し、各IPsecトンネルの状態を確認する。トンネル監視部16は、IPsecトンネルの状態変化が発生した場合に、管理状況統括部14に通知する。管理状況統括部14は、トンネル監視部16からの通知に基づいて、上記判定を行う。IPseIPsecトンネルの状態変化は、例えば、新たにIPsecトンネルが追加された場合に発生する。
IPsecトンネルの状態が変化している場合には(OP31:YES)、処理がOP32に進む。IPsecトンネルの状態が変化していない場合には(OP31:NO)、図13に示される処理が終了し、処理が図10のOP4に進む。
OP32では、管理状況統括部14は、状態変化のあったIPsecトンネルについて、経路変更管理表の「トンネルの死活状態」の項目を更新する。その後、図13に示される処理が終了し、処理が図10のOP4に進む。
図14は、eNodeBアドレス対応表の更新処理のフローチャートの一例である。図14に示されるeNodeBアドレス対応表の更新処理は、図10のOP4で行われる処理である。なお、図14に示されるeNodeBアドレス対応表の更新処理は、図10のOP4において実行されることに限定されず、所定の周期でも実行される。
OP41では、管理状況統括部14は、eNodeBの配下のネットワークのIPアドレスに変化があるか否かを判定する。この判定は、例えば、管理状況統括部14は、ルーティングテーブル19Aを監視し、新たなネットワークへの経路情報の追加、又は、経路削除の削除を検出することによって判定される。例えば、ルータ1にルーティングプロトコルによる動的なルーティングが設定されている場合には、ルーティングプロトコルによって、ルーティングテーブル19Aへの経路情報の追加、削除が行われる。
eNodeBの配下のネットワークのIPアドレスに変化がある場合には(OP41:YES)、処理がOP42に進む。eNodeBの配下のネットワークのIPアドレスに変化がない場合には(OP41:NO)、図14に示される処理が終了し、図10のOP5に処理が進む。
OP42では、管理状況統括部14は、eNodeBアドレス対応表を更新する。例えば、ルーティングテーブル19Aに新たなネットワークへの経路情報が追加された場合には、管理状況統括部14は、当該ネットワークへtracerouteを実行して、eNodeBとネットワークのIPアドレスとの対応を取得し、eNodeBアドレス対応表に追加する。その後、図14に示される処理が終了し、処理が図10のOP5に進む。
図15は、経路変更用の設定情報の生成処理のフローチャートの一例である。図15に示される処理は、図10のOP5において行われる処理である。
OP51では、管理状況統括部14は、経路変更管理表を監視し、経路変更管理表のいずれかのエントリの「トンネルの死活状態」に変化があるか否かを判定する。経路変更管理表のいずれかのエントリの「トンネルの死活状態」に変化がある場合には(OP51:YES)、処理がOP52に進む。経路変更管理表のいずれのエントリの「トンネルの死活状態」にも変化がない場合には(OP51:NO)、図15に示される処理が終了し、図10のOP6に処理が進む。
OP52では、管理状況統括部14は、「トンネルの死活状態」の値の変化が、「DOWN」から「UP」への変化であるか否かを判定する。「トンネルの死活状態」の値の変化が、「DOWN」から「UP」への変化である場合には(OP52:YES)、処理がOP53に進む。「トンネルの死活状態」の値の変化が、「UP」から「DOWN」への変化である場合には(OP52:NO)、処理がOP55に進む。
OP53では、管理状況統括部14は、該当する経路変更管理表のエントリの「経路変更の設定」の項目の値を「必要」に設定する。OP54では、管理状況統括部14は、状態変化のあったIPsecトンネルを構築するeNodeBに対する設定情報の生成を、設定情報生成部13に指示する。設定情報生成部13は、管理状況統括部14からの指示を受けて、該当するeNodeBに対する経路変更用の設定情報を生成する。
より具体的には、第1実施形態では、設定情報生成部13は、該当するeNodeBと、該当するeNodeBの配下のネットワークへの経路をルータ2経由に変更するPBR情報を、経路変更用の設定情報として生成する。経路変更用の設定情報は、例えば、PBRを設定するコマンドである。その後、図15に示される処理が終了し、処理が図10のOP6に進む。
OP55では、管理状況統括部14は、該当する経路変更管理表のエントリの「経路変更の設定」の項目の値を「不要」に設定する。OP56では、管理状況統括部14は、状態変化のあったIPsecトンネルを構築するeNodeBに対する設定情報の削除を、設定情報生成部13に指示する。設定情報生成部13は、管理状況統括部14からの指示を受けて、該当するeNodeBに対する経路変更用の設定情報を削除する。
設定情報の削除は、削除用の設定情報を生成し、適用することによって行われる。第1実施形態では、削除用の設定情報は、経路変更用の設定情報であるPBRのコマンドを削除するコマンドを含む。OP56の処理後、処理が図10のOP6に進む。
図16は、経路変更用の設定情報の適用処理のフローチャートの一例である。図16に示される処理は、図10のOP7において行われる処理である。OP61、OP62の処理は、経路変更管理表の全エントリに対して行われる。
OP61では、管理状況統括部14は、経路変更管理表の対象エントリの「経路変更の設定」の項目が「必要」であるか否かを判定する。経路変更管理表の対象エントリの「経路変更の設定」の項目が「必要」である場合には(OP61:YES)、処理がOP62に進む。経路変更管理表の対象エントリの「経路変更の設定」の項目が「必要」でない場合には(OP61:NO)、次のエントリについてOP61からの処理が行われる。
OP62では、管理状況統括部14は、対象エントリのeNodeBについて、経路変更用の設定情報の適用を、設定情報生成部13に指示する。設定情報生成部13は、管理状況統括部14からの指示を受けて、対象エントリのeNodeBと、当該eNodeBの配下のネットワークについての経路変更用の設定情報を適用する。当該eNodeBの配下のネットワークは、eNodeBアドレス対応表から取得される。その後、図16に示される処理が終了し、図10のOP8に処理が進む。
図17は、経路変更用の設定情報の削除処理のフローチャートの一例である。図17に示される処理は、図10のOP9において実行される処理である。OP71−OP75の処理は、経路変更管理表の全エントリについて実行される。
OP71では、管理状況統括部14は、経路変更管理表の対象エントリの「経路変更の設定」の項目の値が「必要」であるか否かを判定する。経路変更管理表の対象エントリの「経路変更の設定」の項目の値が「必要」である場合には(OP71:YES)、処理がOP73に進む。経路変更管理表の対象エントリの「経路変更の設定」の項目の値が「必要」でない場合には(OP71:NO)、処理がOP72に進む。
OP72では、管理状況統括部14は、対象エントリの「ARP解決状況」の項目の値を「不要」に設定する。その後、経路変更管理表の次のエントリについて、OP71から処理が行われる。
OP73では、管理状況統括部14は、対象エントリの「IPアドレス」の項目の値であるIPアドレスについて、ARPテーブルにエントリがあるか否かを判定する。対象エントリの「IPアドレス」の項目の値であるIPアドレスについて、ARPテーブルにエントリがある場合には(OP73:YES)、処理がOP74に進む。対象エントリの「IPアドレス」の項目の値であるIPアドレスについて、ARPテーブルにエントリがない場合には(OP73:NO)、待機状態となる。
OP74では、管理状況統括部14は、対象エントリの「ARP解決状況」の項目の値を「実施済」に設定する。その後、経路変更管理表の次のエントリについて、OP71から処理が行われる。
経路変更管理表の全エントリについてOP71からOP74の処理が行われると、処理がOP75に進む。OP75では、管理状況統括部14は、経路変更管理表の「ARP解決状況」の項目が「実施前」であるエントリが存在するか否かを判定する。経路変更管理表の「ARP解決状況」の項目が「実施前」であるエントリが存在する場合には(OP75:YES)、経路変更管理表について、OP71からの処理が行われる。経路変更管理表の「ARP解決状況」の項目が「実施前」であるエントリが存在しない場合には(OP75:NO)、処理がOP76に進む。
OP76では、管理状況統括部14は、経路変更用の設定情報の削除を設定情報生成部13に指示する。設定情報生成部13は、管理状況統括部14からの指示を受けて、経路変更用の設定情報を削除するための削除用の設定情報を生成し、適用して、経路変更用の設定情報を削除する。
OP77では、管理状況統括部14は、経路変更管理表を初期化する。その後、図17に示される処理が終了する。
図10から図17に示されるフローチャートは、いずれも一例であり、処理の実行順等は、実施形態に応じて適宜変更されてもよい。例えば、図17に示される経路変更用の設定情報の削除処理において、OP73で対象のeNodeBのIPアドレスについてのARPテーブルのエントリがない場合には、待機せずに、経路変更管理表の次のエントリについて処理を進めてもよい。
<具体例>
図18、図19、図20、図21は、第1実施形態に係るルータ1の経路切替に係る処理の一例を示す図である。図18は、初期状態のネットワークシステム100の一例を示す。図18では、初期状態のネットワークシステム100におけるルータ1の経路変更管理表とルーティングテーブルとが表示されている。
ネットワークシステム100では、ルータ1がアクティブルータであり、ルータ1と各eNodeBとの間のIPsecトンネルが運用経路として用いられる。
ルータ1のルーティングテーブルには、各eNodeB及び各eNodeBの配下のネットワークへの経路情報が格納されている。図18では、ルータ1のルーティングテーブルには、ルータ1のインタフェース#1を出力インタフェースとする直接接続の経路情報と、ルータ1のインタフェース#2を出力インタフェースとするスタティックルートの経路情報と、が格納されている。ルータ1のインタフェース#1を出力インタフェースとする直接接続の経路は、ルータ1と各eNodeBとの間のIPsecトンネルを通過する経路である。ルータ1のインタフェース#2を出力インタフェースとするスタティックルートは、ルータ1からルータ2、ルータ2と各eNodeBとの間のIPsecトンネルを通過する経路である。
スタティックルートよりも直接接続の経路の方がAD値が小さいので、図18では、運用経路であるルータ1と各eNodeBとの間のIPsecトンネルの経路情報が優先的に用いられるようになっている。なお、図18に示されるルーティングテーブルでは、各eNodeB及び各eNodeBの配下のネットワークへの経路情報は、宛先ネットワークのアドレスの上位20ビットの共通部分でまとめられて、一つの経路情報として表示されている。
ルータ1では、まず経理変更管理表が生成される(図10のOP1、図11)。図18では、経路変更管理表に各eNodeBのIPアドレスが登録されている。その後、各eNodeBとの間のIPsecトンネルが確立され、UP状態となると、ルータ1は、経路変更管理表の各エントリの「トンネルの死活状態」に「UP」を格納する(図10のOP3、図13)。ただし、図18に示される例では、ルータ1とeNodeB−2との間のIPsecトンネルは、管理者の操作によって切断されており、経路変更管理表のeNodeB−2のエントリの「トンネルの死活状態」の項目の値は「DOWN」となっている。
図18では、ルータ1と各eNodeBとの間のIPsecトンネルが確立したことが
検出された時点でのルータ1の経路変更管理表が示されている。そのため、図18に示されるルータ1の経路変更管理表の各エントリの「経路変更の設定」の項目は、初期値の「確認前」となっている。
この後、ルータ1は、各IPトンネルの死活状態が更新されるので、経路変更用の設定情報の生成処理を行う(図10のOP3、図15)。図18では、ルータ1とeNodeB−2との間のIPsecトンネルの死活状態は「DOWN」であるので(図15、OP52:NO)、経路変更管理表のeNodeB−2に該当するエントリの「経路変更の設定」の項目の値は「不要」に設定される(図15、OP55)。また、eNodeB−2についての経路変更用の設定情報は生成されない。
ルータ1とeNodeB−2以外のeNodeBとの間のIPsecトンネルの死活状態は「UP」であるので(図15、OP52:YES)、経路変更管理表のeNodeB−2以外のエントリの「経路変更の設定」の項目の値は「必要」に設定される(図15、OP53)。また、ルータ1は、eNodeB−2以外のeNodeBについて、ルータ1のインタフェース#2を出力インタフェースとするPBR情報を経路変更用の設定情報として生成する(図15、OP54)。
図19は、ルータ1のRAN領域側のインタフェース#1に障害が発生した場合のネットワークシステム100の一例を示す図である。インタフェース#1側の障害が発生したため、ルータ1のインタフェース#1側のARPテーブルは消失し、ルータ1は、各eNodeBのMACアドレスを失ってしまう。また、ルータ1のルーティングテーブルからは、インタフェース#1を出力インタフェースとする直接接続の経路情報が削除される。
ルータ1は、インタフェース#1の障害を検出し(図10、OP6:YES)、経路変更管理表の「経路変更の設定」の項目が「必要」になっているeNodeBについて、経路変更用の設定情報を適用する(図16)。図19では、eNodeB−2以外のeNodeBについて、経路変更用の設定情報が適用される。経路変更用の設定情報は、eNodeB−2以外のeNodeB及びeNodeB配下のネットワークへのパケットをルータ2への迂回経路に転送するPBR情報である。
図20は、ルータ1のインタフェース#1が障害から復旧した場合のネットワークシステム100の一例を示す図である。インタフェース#1が障害から復旧したため、ルータ1はインタフェース#1についてARP解決を開始する。
図20に示される例では、ルータ1のインタフェース#1が障害から復旧しても、PBRの経路変更用の設定情報が適用されているので、各eNodeB及び各eNodeBの配下のネットワークへのパケットは、ルータ2への迂回経路に転送される。
ルータ1は、経路変更管理表の「経路変更の設定」の項目の値が「必要」であるエントリeNodeBについてARPテーブルのエントリがあることを確認する(図17、OP73)。ARPテーブルにエントリのあるeNodeBの経路変更管理表のエントリの「ARP解決状況」の項目を「実施済」に変更する(図17、OP74)。図20に示される例では、eNodeB−1についてARP解決が完了し、eNodeB−1のARPエントリが存在するため、経路変更管理表のeNodeB−1のエントリの「ARP解決状況」の項目の値は、「実施済」となっている。
図21は、ルータ1のインタフェース#1についてのARP解決が完了した場合のネットワークシステム100の一例を示す図である。インタフェース#1についてのARP解決が完了したので、図21に示されるルータ1の経路変更管理表には、「ARP解決状況
」の項目の値が「実施前」であるエントリが存在しなくなる(図17、OP75:NO)。
ルータ1は、ARP解決が完了したことが確認されたので、経路変更用の設定情報を削除する(図17、OP76)。これによって、ルータ2への迂回経路へ転送するPBRが解除される。ルータ1のルーティングテーブルには、ルータ1と各eNodeBとの間のIPsecトンネルを通過する経路が記載されるようになる。以降、ルータ1は、各eNodeBと各eNodeBの配下のネットワーク宛てのパケットを、ルータ1と各eNodeBとの間のIPsecトンネルを通過する経路へと転送する。
<第1実施形態の作用効果>
第1実施形態では、運用経路と迂回経路とを接続するルータ1は、運用経路を接続するインタフェース#1の復旧時に、インタフェース#1についてのARP解決が完了するのを待ってから、迂回経路から運用経路に経路を切り戻す。インタフェース#1が復旧してもARP解決が終了するまでの間は、各eNodeB又は各eNodeBの配下のネットワークへの通信は迂回経路を経由して維持される。これによって、ARP解決による通信断の時間を短縮することができる。
第1実施形態では、IPsecトンネルを構築するeNodeBについて、経路変更用の設定情報が生成され、ルータ1のインタフェース#1がダウンした場合に、経路変更用の設定情報が適用される。また、ルータ1のインタフェース#1が復旧した場合に、ARP解決が終了してから経路変更用の設定情報が削除されることによって、迂回経路から運用経路へと経路が切り替えられる。ルーティングテーブル19Aには、インタフェース#1が復旧するとインタフェース#1から出力される直接接続の経路情報が載る。したがって、経路変更用の設定情報を用いることによって、インタフェース#1が復旧してもARP解決の完了までは、インタフェース#1から出力される直接接続の経路情報が用いられることを抑制することができる。
第1実施形態では、IPsecトンネルの死活状態が「DOWN」であるeNodeBについては、ルータ1は経路変更用の設定情報を生成しない。これによって、不要な処理を省略し、ルータ1の処理負荷を軽減することができる。
第1実施形態に係るネットワークシステム100では、IPsecトンネルについて経路切替が行われる。IPsecトンネルの設定は、インタフェース#1がダウン状態になっても消失されず、インタフェース#1が復旧すると再度適用される。IPsecトンネルの設定情報には、ネクストホップとなるeNodeBのIPアドレスが含まれているため、IPsecの設定情報によって、インタフェース#1の復旧時のARP解決の完了を判定することができる。
<第1実施形態の変形例>
第1実施形態では、経路変更用の設定情報として、ルータ2への迂回経路のPBR情報が生成され、障害発生時に適用される。これに代えて、経路変更用の設定情報として、ルーティングテーブルにおけるインタフェース#1の直接接続の経路情報のAD値を高い値に変更させる設定情報を生成し、障害発生時に適用されるようにしてもよい。
図22は、第1実施形態の変形例に係るネットワークシステム100の一例を示す図である。図22では、ルータ1のインタフェース#1に障害が発生しており、ルータ1において、経路変更用の設定情報として、ルーティングテーブルにおけるインタフェース#1の直接接続の経路情報のAD値を上げる設定情報が適用されている。図22では、インタフェース#1を出力インタフェースとする直接接続の経路情報のAD値は、250に設定
されている。
したがって、ルータ2への迂回経路のスタティックルートのAD値の方が小さい為、経路変更用の設定情報が適用されている場合には、ルータ2への迂回経路のスタティックルートが優先される。ルータ1のインタフェース#1が障害から復旧しても、インタフェース#1の直接接続のAD値は高いままなので、引き続きルータ2への迂回経路のスタティックルートが優先される。
ルータ1のインタフェース#1についてARP解決が完了すると、経路変更用の設定情報が削除されるので、インタフェース#1の直接接続のAD値が0に戻り、以降、インタフェース#1の直接接続の経路が優先されるようになり、経路が切り替わる。
<第2実施形態>
第2実施形態では、ルータは、迂回経路から運用経路へと経路を切り替える際に、ARPの解決の完了を待って、HSRPの状態遷移を行う。第2実施形態では、第1実施形態と重複する説明は省略される。HSRPは、「ゲートウェイ冗長化プロトコル」の一例である。
図23は、第2実施形態に係るネットワークシステム100Bのシステム構成の一例を示す図である。第2実施形態に係るネットワーク100Bは、第1実施形態と同様に、ルータ1とルータ2とによって、各eNodeBのゲートウェイが冗長化されている。第1実施形態のネットワークシステム100と異なる点は、ルータ1とルータ2とは、外部ネットワークに対するゲートウェイを冗長化している点である。
第2実施形態では、ルータ1とルータ2とは、RAN領域側のインタフェースにおいてスタンバイグループ#1を組んでいることに加えて、外部ネットワーク側のインタフェースにおいてもスタンバイグループ#2を組む。さらに、スタンバイグループ#1とスタンバイグループ#2とは、連動してActive、Standbyが切り替わるように設定されている。
ネットワークシステム100Bでは、スタンバイグループ#1、#2ともに、ルータ1がActiveとして動作し、ルータ2がStandbyとして動作する。ルータ1を通る経路は運用経路である。ルータ2を通る経路は迂回経路である。ルータ1の外部ネットワーク側又はRAN領域側のインタフェースのいずれかがダウン状態になると、スタンバイグループ#1、#2の両方において、ルータ2がActiveとして動作を開始する。これによって、各eNodeBから外部ネットワークへの経路が切り替わる。
図24は、第2実施形態に係るルータ1のRAN領域側インタフェースでの障害発生時のネットワークシステム100Bにおける処理の一例を示す図である。ルータ1のRAN領域側での障害により、ルータ1のインタフェース#1のポートがダウン状態となる。
スタンバイグループ#1において、ルータ1からHelloパケットを受信しなくなるため、ルータ#2は、HSRPのActiveへと状態を遷移させる。また、インタフェース#1がダウンしたことによって、ルータ1はスタンバイグループ#2における優先度をルータ2よりも低く変更する(tracking)。ルータ1のスタンバイグループ#2における優先度の変更は、Helloパケットによってルータ2に通知される(preempt)。ル
ータ2は、ルータ1からのHelloパケットを受信することで、スタンバイグループ#2におけるルータ1の優先度の変更を認識し、自身の優先度の方が大きいので、スタンバイグループ#2においてもActiveへと状態を遷移させる。これによって、各eNodeBから外部ネットワークへの経路が切り替わる。
ルータ1は、スタンバイグループ#1においてはInt状態となり、スタンバイグループ#2においてはStandby状態となる。ルータ1では、インタフェース#1に関するARPテーブルが消失する。
図25は、参考例としてのネットワークシステムにおける迂回経路から運用経路へと切り替わる場合の処理の一例である。ルータ1のインタフェース#1が障害から復旧すると、ルータ1はスタンバイグループ#1において、ルータ2とHelloパケットを送受信して交換する。スタンバイグループ#1における優先度はルータ1の方が高いため、ルータ1は、スタンバイグループ#1においてActiveとして動作を開始する。ルータ2は、スタンバイグループ#1において、Standbyへと状態を遷移させる。
ルータ1は、インタフェース#1が復旧すると、スタンバイグループ#2における優先度を元の値に戻し、Helloパケットを送信する。ルータ2は、スタンバイグループ#2においてルータ1からのHelloパケットを受信し、ルータ1の優先度の変更を認識する。ルータ2は、スタンバイグループ#2において、ルータ1よりも優先度が低いため、HSRPの状態をStandbyからActiveに遷移させる。
一方で、ルータ1は、インタフェース#1の復旧によって、各eNodeBとのIPsecトンネルの確立のために、ARP解決を開始する。IPsecトンネルを構築するeNodeBの数が多い場合には、ARP解決の完了よりもHSRPのActiveへの切替の方が早くなる可能性がある。スタンバイグループ#2におけるHSRPのActiveへの切替の方が早くなる場合には、ルータ1は、インタフェース#1についてARP解決の実行中に、外部ネットワークからeNodeB又はeNodeBの配下のネットワークへの通信を受信する可能性がある。ルータ1は外部ネットワークからeNodeB又はeNodeBの配下のネットワークへの通信を受信しても、ARP解決が完了していない場合には、当該通信は途絶する可能性がある。
図26は、第2実施形態に係るネットワークシステム100Bにおけるルータ1のインタフェース#1が復旧した場合の処理の一例を示す図である。
第2実施形態では、ルータ1は、インタフェース#1が復旧したことを検出すると、スタンバイグループ#1、#2について、HSRPの状態遷移処理を停止させる。ルータ1は、インタフェース#1に係るARP解決が完了したことを確認すると、スタンバイグループ#1、#2について、HSRPの状態遷移処理を開始させる。これによって、ルータ1は、ARP解決終了後にスタンバイグループ#1、#2においてActiveとしての動作を開始し、経路もARP解決終了後に迂回経路から運用経路へと切り替わる。そのため、ルータ1は、ARP解決の実行中に外部ネットワークからeNodeB又はeNodeBの配下のネットワークへの通信を受信することがなくなり、eNodeB又はeNodeBの配下のネットワークへの通信が途絶する時間を短縮することができる。HSRPのActiveは、「インタフェースについて通信の受信処理を行う状態」の一例である。HSRPのStandbyは、「インタフェースについて通信の受信処理を行わない状態」の一例である。
第2実施形態では、ルータ1のハードウェア構成は、第1実施形態と同様である(図6参照)。また、第2実施形態に係るルータ1の機能構成は、第1実施形態の機能構成から、設定情報生成部13を除いたものとなる(図7参照)。
図27は、第2実施形態に係るルータ1の全体的な処理のフローチャートの一例である。図27に示される処理は、ルータ1の起動とともに開始される。
OP81では、管理状況統括部14は、経路変更管理表を作成する。経路変更管理表の作成処理は、第1実施形態と同様である(図11参照)。OP82では、管理状況統括部14は、eNodeBアドレス対応表を作成する。eNodeBアドレス対応表の作成処理は、第1実施形態と同様である(図12参照)。
OP83では、管理状況統括部14は、経路変更管理表の更新を行う。経路変更管理表の更新処理は、第1実施形態と同様である(図13参照)。OP84では、管理状況統括部14は、eNodeBアドレス対応表を更新する。eNodeBアドレス対応表の更新処理は、第1実施形態と同様である(図14参照)。
OP85では、管理状況統括部14は、インタフェース#1側で障害が発生したか否かを判定する。インタフェース#1がダウン状態になったことは、インタフェース処理部11によって管理状況統括部14に通知される。インタフェース#1で障害が発生した場合には(OP85:YES)、処理がOP86に進む。インタフェース#1側で障害が発生していない場合には(OP85:NO)、処理がOP83に進む。
OP86では、冗長制御部17は、インタフェース#1側に障害が発生したので、スタンバイグループ#1のHSRPの状態をIntに変異させる。また、冗長制御部17はスタンバイグループ#2の優先度をルータ2よりも引き下げて、Helloパケットを送信し、Standbyに状態を遷移させる。
OP87では、管理状況統括部14は、インタフェース#1側が障害から復旧したか判定する。インタフェース#1がアップ状態になったことは、インタフェース処理部11によって管理状況統括部14に通知される。インタフェース#1側が障害から復旧した場合には(OP87:YES)、処理がOP88に進む。インタフェース#1側が障害から復旧しない場合には(OP87:NO)、待機状態となる。
OP88では、管理状況統括部14は、経路切戻処理を行う。第2実施形態に係る経路切戻処理の詳細は後述される。OP88の処理が終了すると、処理は、OP83に進む。以降、OP83からの処理が実行される。
図28は、第2実施形態に係る経路切戻処理のフローチャートの一例である。図28に示される処理は、図27のOP88において実行される処理である。
OP91では、管理状況統括部14は、冗長制御部17に対して、すべてのスタンバイグループについて、HSRPの状態遷移の停止を指示する。これによって、インタフェース#1が属するスタンバイグループ#1において、インタフェース#1が障害から復旧しても、ルータ1の状態はIntにとどまることとなる。
OP92−OP95の処理は、経路変更管理表の全エントリについて実行される。OP92では、管理状況統括部14は、経路変更管理表の対象エントリの「経路変更の設定」の項目の値が「必要」であるか否かを判定する。経路変更管理表の対象エントリの「経路変更の設定」の項目の値が「必要」である場合には(OP92:YES)、処理がOP94に進む。経路変更管理表の対象エントリの「経路変更の設定」の項目の値が「必要」でない場合には(OP92:NO)、処理がOP93に進む。
OP93では、管理状況統括部14は、経路変更管理表の対象エントリの「ARP解決状況」の項目の値を「不要」に設定する。その後、経路変更管理表の次のエントリについて、OP92から処理が行われる。
OP94では、管理状況統括部14は、経路変更管理表の対象エントリの「IPアドレス」の項目の値であるIPアドレスについて、ARPテーブルにエントリがあるか否かを判定する。対象エントリの「IPアドレス」の項目の値であるIPアドレスについて、ARPテーブルにエントリがある場合には(OP94:YES)、処理がOP95に進む。対象エントリの「IPアドレス」の項目の値であるIPアドレスについて、ARPテーブルにエントリがない場合には(OP94:NO)、待機状態となる。
OP95では、管理状況統括部14は、経路変更管理表の対象エントリの「ARP解決状況」の項目の値を「実施済」に設定する。その後、経路変更管理表の次のエントリについて、OP92から処理が行われる。
経路変更管理表の全エントリについてOP92からOP95の処理が行われると、処理がOP96に進む。OP96では、管理状況統括部14は、経路変更管理表の「ARP解決状況」の項目が「実施前」であるエントリが存在するか否かを判定する。経路変更管理表の「ARP解決状況」の項目が「実施前」であるエントリが存在する場合には(OP96:YES)、経路変更管理表について、OP92からの処理が行われる。経路変更管理表の「ARP解決状況」の項目が「実施前」であるエントリが存在しない場合には(OP96:NO)、処理がOP97に進む。
OP97では、管理状況統括部14は、冗長制御部17に対して、すべてのスタンディンググループについて、状態遷移の許可を通知する。冗長制御部17は、管理状況統括部14から状態遷移の許可の通知を受けて、スタンバイグループ#1、スタンバイグループ#2について、状態遷移の処理を開始する。
OP98では、管理状況統括部14は、経路変更管理表を初期化する。その後、図28に示される処理が終了する。
図28に示されるフローチャートは、いずれも一例であり、処理の実行順等は、実施形態に応じて適宜変更されてもよい。例えば、図28に示される経路切戻処理において、OP94で対象のeNodeBのIPアドレスについてのARPテーブルのエントリがない場合には、待機せずに、経路変更管理表の次のエントリについて処理を進めてもよい。
<第2実施形態の作用効果>
第2実施形態では、ルータ1は、インタフェース#1が障害から復旧した場合に、インタフェース#1についてのARP解決が完了するまで、HSRPの状態遷移を停止させる。これによって、インタフェース#1についてのARP解決が完了してからルータ1はActiveとしての動作を開始するので、迂回経路から運用経路に切り替るのもARP解決が完了した後となる。スタンバイグループ#2についてもルータ1は、ARP解決が完了してからActiveとなるため、ARP解決するまでは、外部ネットワークからの通信を受信しない。ルータ1においてARP解決するまでは、外部ネットワークからの通信はルータ2を経由して行われる。したがって、第2実施形態によれば、迂回経路から運用経路に切り替わる場合に、ARP解決による通信の途絶の時間を短縮することができる。
<その他>
第1実施形態及び第2実施形態では、ゲートウェイの冗長化プロトコルとして、HSRPが用いられていることを想定して説明されたが、用いられるゲートウェイの冗長化プロトコルはHSRPに限定されない。例えば、VRRP(Virtual Router Redundancy Protocol)が用いられてもよい。
<記録媒体>
コンピュータその他の機械、装置(以下、コンピュータ等)に上記いずれかの機能を実現させるプログラムをコンピュータ等が読み取り可能な記録媒体に記録することができる。コンピュータ等に、この記録媒体のプログラムを読み込ませて実行させることにより、その機能を提供させることができる。
ここで、コンピュータ等が読み取り可能な記録媒体とは、データやプログラム等の情報を電気的、磁気的、光学的、機械的、または化学的作用によって蓄積し、コンピュータ等から読み取ることができる非一時的な記録媒体をいう。このような記録媒体のうちコンピュータ等から取り外し可能なものとしては、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R/W、DVD、ブルーレイディスク、DAT、8mmテープ、フラッシュメモリなどのメモリカード等がある。また、コンピュータ等に固定された記録媒体としてハードディスク、ROM(リードオンリーメモリ)等がある。さらに、SSD(Solid State Drive)は、コンピュータ等から取り外し可能な記録媒体としても、コ
ンピュータ等に固定された記録媒体としても利用可能である。
1 ルータ
11 インタフェース処理部
12 ARP処理部
13 設定情報生成部
14 管理状況統括部
15 ルーティング制御部
16 トンネル監視部
17 冗長制御部
18A 設定情報管理部
18B 経路管理データベース
19A ルーティングテーブル
19B ARPテーブル
100 ネットワークシステム
101 CPU
102A メモリ
102B 不揮発性メモリ
103 ルータ情報管理用メモリ
104 経路変更管理用メモリ
105 パケット転送エンジン
106 インターリンク用回線インタフェース
107 RAN領域ネットワーク向け回線インタフェース
108 外部ネットワーク向け回線インタフェース

Claims (7)

  1. ネクストホップとなる通信装置への第1の経路を接続し、前記通信装置のハードウェアアドレスを用いてパケットを出力するインタフェースと、
    前記通信装置のハードウェアアドレスを記憶する記憶部と、
    前記通信装置の前記ハードウェアアドレスを取得する取得処理を行い、前記インタフェースに係る障害が発生した場合に、前記記憶部の前記インタフェースに係るハードウェアアドレスを削除するARP(Address Resolution Protocol)処理部と、
    前記インタフェースに係る障害が発生した場合に、前記通信装置への経路を前記第1の経路から第2の経路へと切り替える処理を行い、前記インタフェースが前記障害から復旧した場合に、前記インタフェースの前記障害からの復旧に伴う前記ARP処理部の前記取得処理が終了してから、前記通信装置への経路を前記第2の経路から前記第1の経路へと切り替える処理を行う管理状況統括部と、
    を備えるパケット伝送装置。
  2. 前記第2の経路を接続する第2のインタフェースをさらに備え、
    前記インタフェースは、複数の通信装置それぞれへの第1の経路を接続しており、
    前記管理状況統括部は、前記インタフェースが前記障害から復旧した場合に、前記複数の通信装置それぞれについての前記ARP(Address Resolution Protocol)処理部によ
    る前記取得処理が終了してから、前記第2の経路から前記第1の経路へと切り替える処理として、前記複数の通信装置それぞれへの経路を、前記第2の経路から前記第1の経路へと切り替える、
    請求項1に記載のパケット伝送装置。
  3. 前記管理状況統括部は、前記第2の経路を用いる設定情報を生成し、前記インタフェースに障害が発生した場合に、前記設定情報を適用して前記通信装置への経路を前記第1の経路から前記第2の経路へと切り替え、前記インタフェースが障害から復旧した場合に、前記ARP(Address Resolution Protocol)処理部による前記取得処理が終了してから
    、前記第2の経路から前記第1の経路へと切り替える処理として、前記設定情報を削除することで、前記通信装置への経路を前記第2の経路から前記第1の経路へと切り替える、請求項2に記載のパケット伝送装置。
  4. 前記管理状況統括部は、前記複数の通信装置のうち、前記インタフェースにおいて前記第1の経路が使用不可能な状態である通信装置については、前記第2の経路を用いる設定情報を生成しない、
    請求項3に記載のパケット伝送装置。
  5. 前記第1の経路は、前記通信装置との間に確立される通信トンネルであって、
    前記第2の経路は、隣接のパケット伝送装置と前記通信装置との間の通信トンネルを通過する経路であって、
    前記制御部は、前記隣接のパケット伝送装置と前記通信トンネルに関する情報を共有する、
    請求項1から4のいずれか一項に記載のパケット伝送装置。
  6. 前記第1の経路を接続する第3のインタフェースをさらに備え、
    前記管理状況統括部は、ゲートウェイ冗長化プロトコルを実行し、前記インタフェースに係る障害が発生した場合に、前記ゲートウェイ冗長化プロトコルにおける状態遷移処理を実行して、前記第3のインタフェースについて通信の受信処理を行わない状態に移行し、前記インタフェースが前記障害から復旧した場合に、前記ARP処理部による前記取得処理が終了してから、前記状態遷移処理を実行して、前記第3のインタフェースについて
    通信の受信処理を行う状態に移行する、
    請求項1に記載のパケット伝送装置。
  7. ネクストホップとなる通信装置への第1の経路を接続し、前記通信装置のハードウェアアドレスを用いてパケットを出力するインタフェースを備えるパケット伝送装置が、
    前記通信装置のハードウェアアドレスを記憶部に記憶し、
    前記通信装置の前記ハードウェアアドレスを取得する取得処理を行い、前記インタフェースに係る障害が発生した場合に、前記記憶部の前記インタフェースに係るハードウェアアドレスを削除し、
    前記インタフェースに係る障害が発生した場合に、前記通信装置への経路を前記第1の経路から第2の経路へと切り替える処理を行い、前記インタフェースが前記障害から復旧した場合に、前記インタフェースの前記障害からの復旧に伴う前記取得処理が終了してから、前記通信装置への経路を前記第2の経路から前記第1の経路へと切り替える処理を行う、
    経路切替制御方法。
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