JP2018016014A - 切断機 - Google Patents

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Shinji Kuragano
慎治 倉賀野
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Abstract

【課題】
好適に被切断材の切粉の飛散を抑制可能な切断機を提供する。
【解決手段】
丸鋸201は、被切断材208を切断する鋸刃205の回転軸を支持するギヤケース233と、鋸刃205の外周部を覆い、被切断材208と当接して鋸刃205の外周部に沿って回動可能な保護カバー235と、ギヤケース233を支持し、被切断材208上を摺動可能なベース202と、鋸刃205を駆動するモータと、ギヤケース233に設けられ、被切断材208の切断作業時に発生する切粉の飛散を抑制するように構成された突き当て部237と、を備える。
【選択図】図10

Description

本発明は、被切断材を切断する切断機に関する。
従来より、被切断材を切断する丸鋸等の切断機が知られている。この種の切断機では、鋸刃をモータにより回転させて被切断材を切断する際に、被切断材と鋸刃の刃先の交点近傍から切粉が飛散する。かかる切粉の飛散を抑制するため、被切断材と鋸刃の刃先の交点近傍をチップカバーや刃口板等の飛散防止部材で覆うことが好ましい。
例えば、特許文献1には、チップカバーを有する携帯用丸鋸が開示されている。図20に示すように、特許文献1の丸鋸401は、ベース402と、ハウジング403と、鋸刃405と、チップカバー406とを備えている。ハウジング403は、モータハウジング431と、ハンドル部432と、ギヤケース433と、ソーカバー434と、保護カバー435とを含む。チップカバー406は、ベース402の開口部とソーカバー434との隙間を覆うように、ソーカバー434に取り付けられている。
特開2002−18811号公報
ところで、飛散防止部材は、切粉の飛散を抑制するのに有益であるが、その配置箇所や配置方法によっては、切断機本体の大型化や、作業者の視認性を悪化させることにつながる。
そこで、本発明は、好適に被切断材の切粉の飛散を抑制可能な切断機を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、被切断材を切断する切断刃の回転軸を支持するギヤケースと、前記切断刃の外周部を覆い、前記被切断材と当接して前記切断刃の外周部に沿って回動可能な保護カバーと、前記ギヤケースを支持し、前記被切断材上を摺動可能なベースと、前記切断刃を駆動するモータと、前記ギヤケースに設けられ、前記被切断材の切断作業時に発生する切粉の飛散を抑制するように構成された切粉飛散抑制部材と、を備えることを特徴とする切断機を提供する。
かかる構成によれば、ギヤケースに切粉飛散抑制部材が設けられている。切粉飛散抑制部材を備えることにより、切断作業時における被切断材の切粉の飛散を抑制できる。さらに、ソーカバーに切粉飛散抑制部材を設ける従来の構成と比べて、ギヤケースに切粉飛散抑制部材を設けることにより、作業者の被切断材に対する視認性を確保できる。
また、前記切粉飛散抑制部材は、前記保護カバーの回動を規制するようにさらに構成されることが好ましい。
かかる構成によれば、切粉の飛散を抑制する切粉飛散抑制部材が、保護カバーの回動を規制する部材を兼ねている。このため、従来保護カバーの回動を規制する部材が設けられていた領域を利用して、切粉飛散抑制部材を配置することができる。従って、切粉飛散抑制部材を配置する領域を新たに設ける必要がない。また、従来保護カバーの回動を規制する部材が設けられていた領域を利用しているので、作業者の被切断材に対する視認性を確実に確保できる。また、切粉の飛散を抑制する部材と保護カバーの回動を規制する部材とを別々に設ける場合と比べて、部品点数及び工数の増加、それに伴う製造コストの増加を抑制することができる。
また、前記切粉飛散抑制部材は、前記ベースの前記被切断材上の摺動動作に連動して、前記被切断材と前記切断刃の刃先との交点近傍から離隔する第一位置から前記被切断材と前記切断刃の刃先との交点近傍を覆う第二位置に移動可能であることが好ましい。
かかる構成によれば、被切断材の切断作業に連動して、切粉飛散抑制部材を被切断材と切断刃の刃先との交点近傍から離隔する第一位置から被切断材と切断刃の刃先との交点近傍を覆う第二位置に移動させることができる。被切断材の切断作業開始時には、切粉飛散抑制部材は、被切断材と切断刃の刃先との交点近傍から離隔する第一位置に配置されている。つまり、切断作業開始時には、被切断材と切断刃の刃先との交点近傍が切粉飛散抑制部材によって覆われていない。そのため、切断作業開始時には、作業者は、切粉飛散抑制部材を介さずに被切断材に引かれている墨線を視認することができ、切断刃の刃先を墨線に位置合わせすることができる。切粉飛散抑制部材は、被切断材の切断作業に連動して、第一位置から第二位置に移動するので、作業者が手動で切粉飛散抑制部材を第二位置に配置する必要がない。被切断材の切断作業中には、切粉飛散抑制部材が被切断材と切断刃の刃先との交点近傍を覆う。そのため、切粉飛散抑制部材により、被切断材と切断刃の刃先の交点近傍で発生する切粉の飛散を抑制することができる。
また、前記切粉飛散抑制部材は、前記第一位置から前記第二位置に回動することが好ましい。
また、前記保護カバーは、前記切粉飛散抑制部材に近接する近接方向及び前記切粉飛散抑制部材から離間する離間方向に回動可能であり、前記近接方向に回動して前記切粉飛散抑制部材を押圧することによって、前記切粉飛散抑制部材を前記第一位置に配置し、前記摺動動作に連動して前記離間方向に回動し、前記押圧を解除することによって、前記切粉飛散抑制部材を前記第二位置に移動可能とすることが好ましい。
かかる構成によれば、保護カバーの回動を利用して切粉飛散抑制部材を第一位置から第二位置に移動させることができる。作業者が手動で切粉飛散抑制部材を第二位置に配置する必要がない。
また、前記切粉飛散抑制部材は、自重により、前記第一位置から前記第二位置に移動することが好ましい。
かかる構成によれば、切粉飛散抑制部材は、自重により移動可能である。そのため、切粉飛散抑制部材を第一位置から第二位置に移動させるための部材を別途設ける必要がない。従って、簡易な構成で切粉飛散抑制部材を移動させることができ、さらに、部品点数の増加も抑制できる。
また、前記切粉飛散抑制部材は、前記被切断材と前記切断刃の刃先との交点近傍に近接する方向に前記切粉飛散抑制部材を付勢する付勢部材を有し、前記切粉飛散抑制部材は、前記付勢部材により付勢されることにより、前記第一位置から前記第二位置に移動することが好ましい。
かかる構成によれば、切粉飛散抑制部材は、被切断材と切断刃の刃先との交点近傍に近接する方向に切粉飛散抑制部材を付勢する付勢部材を有する。切粉飛散抑制部材は、付勢部材により付勢されることにより、確実に第二位置に配置されることができる。
また、前記切粉飛散抑制部材は、刃口板を有し、前記刃口板は、前記切粉飛散抑制部材が前記第二位置に配置されているとき、前記被切断材と前記切断刃の刃先との交点近傍で前記被切断材の上面と摺接することが好ましい。
かかる構成によれば、切粉飛散抑制部材は、刃口板を有する。切粉飛散抑制部材が第二位置に配置されているとき、刃口板は、被切断材と切断刃の刃先との交点近傍で被切断材の上面と摺接する。これにより、刃口板が被切断材と切断刃の刃先との交点近傍で被切断材を上から押さえることができる。そのため、被切断材の切断部分におけるバリ立ちや縁欠けを抑制することができ、切断の仕上がりを良くすることができる。さらに、バリ立ちや縁欠けを抑制することで、切粉の発生を抑制できる。
本発明によれば、作業者の視認性を確保しつつ、被切断材の切粉の飛散を抑制可能な切断機を提供することができる。
本発明の第一の実施の形態に係る丸鋸の側面図であって、チップカバーが第一位置に配置されている状態を示す図である。 本発明の第一の実施の形態に係る丸鋸の側面図であって、チップカバーが第二位置に配置されている状態を示す図である。 本発明の第一の実施の形態に係る丸鋸の平面部分断面図である。 本発明の第一の実施の形態に係る丸鋸のチップカバーの斜視図である。 本発明の第一の実施の形態に係る丸鋸の図2のA−A線に沿った断面図である。 本発明の第一の実施の形態に係る丸鋸の図2のB−B線に沿った断面図である。 本発明の第二の実施の形態に係る丸鋸の側面図であって、チップカバーが第一位置に配置されている状態を示す図である。 本発明の第二の実施の形態に係る丸鋸の側面図であって、チップカバーが第二位置に配置されている状態を示す図である。 本発明の第二の実施の形態に係る丸鋸のチップカバーの斜視図である。 本発明の第三の実施の形態に係る丸鋸の側面図であって、突き当て部が第一位置に配置されている状態を示す図である。 本発明の第三の実施の形態に係る丸鋸の側面図であって、突き当て部が第二位置に配置されている状態を示す図である。 本発明の第三の実施の形態に係る丸鋸の側面図であって、突き当て部が第二位置に配置されている状態であって、保護カバーが突き当て部から離間した状態を示す図である。 本発明の第三の実施の形態に係る丸鋸の突き当て部の本体部の斜視図である。 本発明の第三の実施の形態に係る丸鋸の一部拡大図である。 本発明の第三の実施の形態に係る丸鋸を図14の矢印E方向から見た図である。 本発明の第三の実施の形態に係る丸鋸の図14のF−F線に沿った断面図である。 本発明の第三の実施の形態に係る丸鋸の図15のG−G線に沿った断面図である。 本発明の第三の実施の形態の変形例に係る丸鋸の一部拡大図である。 本発明の第三の実施の形態の変形例に係る丸鋸の一部断面図であって、(A)は、突き当て部が第一位置に配置されている状態を示す図であり、(B)は、突き当て部が第二位置に配置されている状態を示す図である。 従来の丸鋸を表す斜視図である。
以下、本発明の実施の形態を、添付図面を参照して説明する。ここでは、本発明を丸鋸に適用した場合を例に、説明を行う。尚、各図面に示される同一又は同等の構成要素、部材等には同一の符号を付し、適宜重複した説明は省略する。
<第一の実施の形態>
まず、本発明の第一の実施の形態に係る丸鋸1の構成について、図1乃至図6に基づき説明する。以下の説明において、方向について言及する場合には、各図に示されている前後左右上下方向に基づいて説明をする。丸鋸1は、切断機の一例である。
図1乃至図3に示すように、丸鋸1は、ベース2と、ハウジング3と、モータ4と、鋸刃5と、チップカバー6とを有している。なお、図1及び図2では、構造の理解のため、鋸刃5の図示を省略し、鋸刃5の輪郭のみを二点鎖線で示している。
ベース2は、例えばアルミ等の金属製の略矩形の板材である。ベース2の長手方向は、丸鋸1の切断方向、すなわち前後方向に一致する。ベース2の底面は、被切断材8との摺動面である。ベース2の略中央部には、長手方向に延びる開口部2a(図6参照)が形成されている。
ベース2の前端には、ガイド21が設けられている。ガイド21は、丸鋸1の切断方向において、鋸刃5と一直線上に並ぶように配置されている。ガイド21は、鋸刃5を被切断材8上に引かれた墨線に位置合わせするための部材である。
ハウジング3は、ベース2の上方に位置する。ハウジング3は、ベース2に支持されており、ベース2に対して上下方向に揺動可能且つ左右方向に傾動可能である。ハウジング3からは、電源コード9が延びており、図示せぬ電源と接続されることによりモータ4に電力が供給される。ハウジング3は、モータハウジング31と、ハンドル部32と、ギヤケース33と、ソーカバー34と、保護カバー35とを備える。
モータハウジング31は、例えば樹脂製であり、図3に示されるように、モータ4を内蔵する。モータ4は、鋸刃5を回転駆動する駆動源である。モータ4は、左右方向に延びる出力軸41を有する。
ハンドル部32は、モータハウジング31と同材質であり、モータハウジング31の上方において前後方向に延びる。ハンドル部32は、切断作業時に作業者が把持する部分である。ハンドル部32には、作業者がモータ4の駆動をオンオフするためのトリガスイッチ(不図示)、トリガスイッチの操作を規制するオフロックスイッチ(不図示)が設けられる。
ギヤケース33は、モータハウジング31の右端部に接続されている。ギヤケース33は、例えば金属製であり、モータ4の回転を鋸刃5に伝達するための回転伝達機構(不図示)を収容する。回転伝達機構は、周知の減速機構等から構成される。回転伝達機構には、モータ4の出力軸41と略平行に延びる伝達軸(不図示)が設けられている。伝達軸の左端部は、出力軸41に係合している。回転伝達機構は、一部がギヤケース33から右方に突出し、鋸刃5が着脱可能に取り付けられている。つまり、鋸刃5の回転軸は、ギヤケース33に支持されている。
鋸刃5は、円盤形状をなし、回転軸心5Aを中心に回転する。鋸刃5は、鋸刃5の下側部分がベース2の底面から下方に突出するように、ベース2に形成された開口部2aに挿通されている。鋸刃5の外周部には、被切断材8を切断するための鋸歯部51(図5、6参照)が形成されている。鋸刃5は、切断刃の一例である。鋸歯部51は、刃先の一例である。
ギヤケース33の右側壁であって、前側部分には、チップカバー6が支持されるチップカバー支持部36(図5、6参照)が設けられている。チップカバー支持部36は、略円筒形状をなし、左方に突出している。ギヤケース33の右側壁であって、チップカバー支持部36の後下方且つ鋸刃5の回転軸心5Aの前下方には、保護カバー35の回動を規制する突き当て部37が設けられている。
突き当て部37は、当接部とネジとを有する。当接部は、例えばゴムにより形成される。当接部は、左右方向に延びる略円筒形状をなしている。当接部には、ネジの頭部が載置される凹部と、ネジの軸部が挿通され、凹部に開口する貫通孔(不図示)が形成されている。突き当て部37は、ネジを介して、回転可能にギヤケース33の右側壁に支持される。
ソーカバー34は、例えば、金属製である。ソーカバー34は、ギヤケース33の右端部に接続されている。ソーカバー34は、鋸刃5の外縁に沿った側面視略円弧形状をなしている。ソーカバー34は、ギヤケース33と共に鋸刃5の上側部分を覆っている。ソーカバー34の後端部には、集塵機(不図示)が接続される開口部34aが形成されている。
保護カバー35は、例えば樹脂製である。保護カバー35は、ギヤケース33の右方に設けられ、鋸刃5の回転軸心5Aを中心として鋸刃5の外縁に沿うように回動可能である。ギヤケース33と保護カバー35との間には図示せぬバネが存在する。このバネは、ギヤケース33に対して、保護カバー35を、鋸刃5の周方向であって鋸刃5の下側を覆う方向(図1中、反時計回り)に付勢する。これにより、切断作業を行っていない状態では、保護カバー35は、鋸刃5の下側部分、すなわちベース2の底面から下方に突出した部分を、前方の一部を除いて覆う。保護カバー35の右側面視反時計回り方向の回動は、保護カバー35の前端縁35Aが突き当て部37の当接部に当接することで規制される。
ベース2の前端部には、第一べベルプレート22が立設され、ベース2の後端部には、第二べベルプレート23が立設される。
第一べベルプレート22は、切断方向と略直交する短手方向(左右方向)に延び、略円弧状の長孔(不図示)が形成されている。第一ベベルプレート22の長孔には、第一係止ネジ24が挿通される。
第二べベルプレート23は、切断方向と略直交する短手方向(左右方向)に延び、略円弧状の長孔(不図示)が形成されている。第二ベベルプレート23の長孔には、第二係止ネジ25が挿通される。
ハウジング3のベース2に対する傾動位置は、第一係止ネジ24及び第二係止ネジ25を緩めた状態で調整し、第一係止ネジ24及び第二係止ネジ25を締め付けることで固定する。
図1では、第一係止ネジ24及び第二係止ネジ25は、それぞれ、第一ベベルプレート22及び第二ベベルプレート23の長孔の最下部で固定されている。鋸刃5は、ベース2の底面に対して略90°の角度をなし、鋸刃5の回転軸心5Aはベース2の底面に対して略平行となっている。
ベース2の後端部には、リンク26が設けられている。リンク26は、略円弧形状をなし、下端部を除いて、ソーカバー34内に収容されている。リンク26は、ベースに対して傾動可能である。リンク26には、長孔(不図示)が形成されている。リンク26の長孔には、リンク係止ネジ27が挿通される。リンク係止ネジ27を緩めた状態では、揺動軸38を中心とするベース2に対するハウジング3の揺動位置を変更できる。これにより、鋸刃5のベース2からの突出量を調整し、鋸刃5の切り込み深さを調整できる。リンク係止ネジ27を締め付けることで、ハウジング3の揺動位置を固定できる。
図1では、ハウジング3はベース2に対して揺動しておらず、鋸刃5の切り込み深さは最大となっている。
チップカバー6は、ギヤケース33のチップカバー支持部36に支持され(図5及び図6参照)、左右方向においてギヤケース33の右面とソーカバー34の左面との間に配置されている。チップカバー6は、主に、切断作業時に発生する切粉の飛散を抑制する。チップカバー6は、切粉飛散抑制部材の一例である。
図4乃至図6に示すように、チップカバー6は、カバー部61と、刃口板62と、ネジ67と、ねじりバネ68とを有している。チップカバー6は、ネジ67を回動軸として、刃口板62が前上側と後下側を結ぶ方向に傾斜する第一位置(図1参照)と、刃口板62が水平方向と平行な方向に延びる第二位置(図2参照)とに回動可能である。
以下、チップカバー6の形状の説明において、方向について言及する場合には、図4に示されている前後左右上下方向に基づいて説明をする。つまり、刃口板62が水平方向に平行となるようにチップカバー6を載置した状態(図2参照)を基準として、チップカバー6の形状を説明する。
カバー部61及び刃口板62は、例えば透明樹脂製である。カバー部61と刃口板62とは、一体で形成されているが、別体であってもよい。
カバー部61は、平面視略U字形状をなしている。カバー部61は、鋸刃5の鋸歯部51を覆う。カバー部61は、第一平板部63と、第二平板部64と、湾曲部65とを含む。
第一平板部63は、側面視略矩形の平板形状をなし、前後方向及び上下方向に延びる。第一平板部63は、筒状部66を有する。筒状部66は、第一平板部63の後端部であって、上下方向略中央部に設けられている。筒状部66は、左右方向に延びる円筒形状をなす。筒状部66は、チップカバー支持部36に保持される(図5及び図6参照)。
第二平板部64は、側面視略矩形の平板形状をなし、前後方向及び上下方向に延びる。第二平板部64は、第一平板部63と左右方向に間隔を空けて向かい合う。第二平板部64は、第一平板部63と略平行に延びる。第二平板部64の上下方向寸法は、第一平板部63の上下方向寸法と略同一である。第二平板部64の前後方向寸法は、第一平板部63の前後方向寸法よりも小さい。
湾曲部65は、平面視略円弧形状をなし、第一平板部63の前端部と第二平板部64の前端部とを接続する。
刃口板62は、平面視略矩形の平板形状をなし、前後方向に延びる。刃口板62は、湾曲部65の下面の略左半分と第一平板部63の下面に接続されている。刃口板62は、被切断材8に接触可能である。
ネジ67は、ねじりバネ68が外嵌されて、筒状部66に挿通される(図5及び図6参照)。ネジ67は、軸方向が左右方向と略一致するように、ギヤケース33に支持される。ネジ67の先端は、チップカバー支持部36に締結される。つまり、チップカバー6は、ネジ67を介して、ギヤケース33に回動可能に支持されている。
ねじりバネ68の一端は、ギヤケース33のチップカバー支持部36に固定され、ねじりバネ68の他端は、カバー部61(具体的には、第一平板部63)に固定される。ねじりバネ68は、チップカバー6を矢印C方向(右側面視反時計回り)に付勢している。つまり、ねじりバネ68は、チップカバー6を第一位置に向けて付勢している。
次に、第一の実施の形態に係る丸鋸1の動作について、図1及び図2を参照して説明する。なお、ここでは、ハウジング3(鋸刃5)をベース2に対して揺動及び傾動させていない場合を想定して説明を行う。
作業者は、オフロックスイッチ(不図示)を押下した状態でトリガスイッチ(不図示)を引くことによりモータ4を駆動させる。モータ4の回転は、回転伝達機構(不図示)を介して鋸刃5に伝達される。
この状態で、作業者は、ベース2を被切断材8上に摺動させて、鋸刃5の鋸歯部51を被切断材8に当接させることにより、切断作業を開始する。このとき、保護カバー35は、バネ(不図示)の付勢力により、鋸刃5の下側部分を覆っており、前端縁35Aは突き当て部37に当接している。また、チップカバー6は、ねじりバネ68の付勢力により、第一位置に配置されている。図1に示すように、第一位置に配置されたチップカバー6は、被切断材8の上面と鋸刃5の鋸歯部51との交点(鋸刃5の切り上がり部)近傍から離隔している。
具体的には、チップカバー6が第一位置に配置されているとき、カバー部61の第一平板部63と第二平板部64が鋸歯部51の左右両側に配置され、かつ、湾曲部65が前上側と後下側を結ぶ方向において鋸歯部51と向かい合う。また、カバー部61は、ベース2の底面よりも上方に位置する。刃口板62の一部は、ベース2の下面より後下方に突出する。刃口板62のベース2の下面より下方に突出している部分を、突出部69という。刃口板62の右端面は、鋸刃5の左面とわずかに隙間を空けて向かい合う。
ベース2を被切断材8上に摺動させつつ、丸鋸1を切断方向(前方向)にさらに移動させると、被切断材8の後端がチップカバー6の突出部69に当接する。被切断材8がチップカバー6の突出部69に当接することで、チップカバー6は、ねじりバネ68の付勢力に抗して、回動軸(ネジ67)を中心に右側面視時計回りに回動し、第二位置に配置される。つまり、チップカバー6は、ベース2の被切断材8上の摺動動作に連動して、第一位置から第二位置へと移動する。
図2に示すように、第二位置に配置されたチップカバー6は、被切断材8の上面と鋸刃5の鋸歯部51との交点近傍を覆う。すなわち、チップカバー6は、被切断材8の上面と鋸刃5の鋸歯部51との交点近傍において、鋸刃5の鋸歯部51を左右方向から覆う。
具体的には、チップカバー6が第二位置に配置されているとき、図5及び図6に示すように、カバー部61の第一平板部63と第二平板部64が鋸歯部51の左右両側に配置され、かつ、湾曲部65が前後方向において鋸歯部51と向かい合う。刃口板62は、ベース2の開口部2a内に位置される。刃口板62の右端面は、鋸刃5の左面とわずかに隙間を空けて向かい合う。刃口板62の下面は、ベース2の下面とほぼ面一となる。つまり、第二位置に配置されたチップカバー6の刃口板62の下面は、被切断材8の上面と鋸歯部51(鋸刃5)との交点近傍において、被切断材8の上面に摺接する。このとき、刃口板62の下面は、限りなく鋸歯部51に近い方が切粉の飛散抑制に一層の効果を奏し、本実施形態では、鋸刃5の厚みより短い距離で近接している。
刃口板62は、被切断材8の上面と鋸刃5の鋸歯部51との交点近傍において、被切断材8を上から押さえることにより、被切断材8の切断部分におけるバリ立ちや縁欠けを抑制する。すなわち、刃口板62は、被切断材8の切断作業時における切粉等の発生を抑制し、結果的に切粉の飛散を抑制する。また、被切断材8の上面と鋸刃5の鋸歯部51との交点近傍で発生した切粉は、第一平板部63と第二平板部64とにより左右方向への飛散が抑制され、湾曲部65によって前方への飛散が抑制される。チップカバー6内の切粉は、ギヤケース33及びソーカバー34により画定される空間を通り、開口部34aを介して図示せぬ集塵機に回収される。このように、チップカバー6は、切粉の発生と飛散の両方を抑制することで、より効果的に切粉の飛散を抑制する働きを有している。
さらに、丸鋸1を切断方向に移動させると、被切断材8の後端が、保護カバー35の前端縁35Aと当接する。これにより、保護カバー35は、鋸刃5の周方向に沿って右側面視時計回りに回動し、ギヤケース33及びソーカバー34により画定される空間内に収容される。
さらに、丸鋸1を切断方向に移動させると、鋸歯部51が被切断材8の前端を通過し、切断作業が終了する。刃口板62の後端が被切断材8の前端を通過すると、チップカバー6の突出部69は、被切断材8との当接が解除される。これにより、チップカバー6は、ねじりバネ68の付勢力により、右側面視反時計回りに回動し、第二位置から第一位置に移動する。
また、被切断材8の前端が、保護カバー35の前端縁35Aから離間すると、保護カバー35は、図示せぬバネの付勢力によって、右側面視反時計回りに回動し、図1に示す位置に戻る。
ハウジング3(鋸刃5)をベース2に対して傾動させて切断作業を行う場合であっても、チップカバー6の回動軸(ネジ67)がギヤケース33に支持されているため、チップカバー6はギヤケース33と共に傾動し、チップカバー6は傾動位置にある鋸刃5に干渉しない。従って、チップカバー6は、上述のように、被切断材8に当接することにより第一位置から第二位置へと回動する。ベース2に対してハウジング3が傾斜しているため、チップカバー6が第二位置に配置されたとき、鋸歯部51の左右方向少なくとも一方は、被切断材8の上面と鋸刃5の鋸歯部51との交点近傍において、チップカバー6により覆われる。
<第一の実施の形態の作用効果>
このような構成の丸鋸1によると、ギヤケース33に切粉の飛散を抑制するように構成されているチップカバー6が設けられている。このようなチップカバー6を備えることにより、切断作業時における被切断材8の切粉の飛散を抑制できる。さらに、ソーカバーにチップカバーを設ける従来の構成と比べて、ギヤケース33にチップカバー6を設けることにより、作業者の被切断材8に対する視認性を確保できる。特に、右側面視において鋸刃5の外周よりも内側の領域、且つ左右方向における鋸刃5とギヤケース33との間の領域でチップカバー6が取り付けられているので、ソーカバーにチップカバーを設ける構成に比べ小型化を実現できる。
このような構成の丸鋸1によると、被切断材8の切断作業に連動して、つまり、被切断材8との当接を利用して、チップカバー6を被切断材8の上面と鋸刃5の鋸歯部51との交点近傍から離隔する第一位置から、被切断材8の上面と鋸刃5の鋸歯部51との交点近傍を覆う第二位置に移動させることができる。
被切断材8の切断作業開始時には、チップカバー6は、被切断材8の上面と鋸刃5の鋸歯部51との交点近傍から離隔する第一位置に配置されている。つまり、切断作業開始時には、被切断材8の上面と鋸刃5の鋸歯部51との交点近傍がチップカバー6により覆われていない。そのため、切断作業開始時には、作業者は、チップカバー6を介さずに被切断材8上に引かれている墨線を視認することができる。墨線を視認できることで、ガイド21に頼ることなく、鋸歯部51を直接墨線に位置合わせすることができ、精度よく被切断材8を切断できる。
チップカバー6は、被切断材8との当接を利用して、第一位置から第二位置に移動するので、作業者が手動でチップカバー6を第二位置に配置する必要がない。また、チップカバー6を第二位置に移動させるための部材を別途設ける必要がない。従って、簡易な構成でチップカバー6を移動させることができ、さらに、部品点数の増加も抑制することができる。
被切断材8の切断作業中には、チップカバー6が被切断材8の上面と鋸歯部51との交点近傍を覆う。そのため、チップカバー6により、被切断材8の上面と鋸歯部51との交点近傍で発生する切粉の飛散を抑制することができる。
このような構成の丸鋸1によると、チップカバー6は、刃口板62を有する。チップカバー6が第二位置に配置されているとき、刃口板62は、被切断材8の上面と鋸刃5の鋸歯部51との交点近傍で被切断材8の上面と摺接する。これにより、刃口板62が被切断材8の上面と鋸刃5の鋸歯部51との交点近傍で被切断材8を上から押さえることができる。そのため、被切断材8の切断部分におけるバリ立ちや縁欠けを抑制することができ、切断の仕上がりを良くすることができる。さらに、バリ立ちや縁欠けを抑制することで、切粉の発生を抑制できる。
<第二の実施の形態>
次に、第二の実施の形態に係る丸鋸101の構成について、図7乃至図9に基づき説明する。丸鋸101は、切断機の一例である。
丸鋸101は、ベース102と、ハウジング103と、モータ(不図示)と、鋸刃105と、チップカバー106とを有している。ハウジング103からは、電源コード109が延びている。ベース102と、ハウジング103と、モータと、鋸刃105と、電源コード109は、それぞれ、第一の実施の形態のベース2と、ハウジング3と、モータ4と、鋸刃5と、電源コード9に対応するので、重複する部分については説明を省略する。鋸刃105の回転軸心105Aは、鋸刃5の回転軸心5Aに対応するので、説明を省略する。なお、図7及び図8では、構造の理解のため、鋸刃105の図示を省略し、鋸刃105の輪郭のみを二点鎖線で示している。また、第一の実施の形態で不図示だった、保護カバー135に付勢力を与えるバネ138が図示されている。また、ベース102は、一部が切り欠かれて描かれている。第一の実施の形態の丸鋸1と同様、丸鋸101においても、ハウジング103は、ベース102に対して上下方向に揺動可能且つ左右方向に傾動可能である。
ハウジング103は、モータハウジング(不図示)と、ハンドル部132と、ギヤケース133と、ソーカバー134と、保護カバー135とを含む。モータハウジングと、ハンドル部132と、ギヤケース133と、ソーカバー134と、保護カバー135は、それぞれ、第一の実施の形態のモータハウジング31と、ハンドル部32と、ギヤケース33と、ソーカバー34と、保護カバー35とに対応するので、重複する部分については説明を省略する。なお、図7及び図8では、ソーカバー34の一部が切り欠かれて描かれている。
ギヤケース133には、チップカバー支持部(不図示)及び突き当て部137が設けられている。チップカバー支持部及び突き当て部137は、それぞれ、第一の実施の形態のチップカバー支持部36及び突き当て部37に対応する。
ギヤケース133と保護カバー135との間には、バネ138が存在する。バネ138は、第一の実施の形態のギヤケース33と保護カバー35との間に設けられたバネ(不図示)に対応する。
チップカバー106は、ギヤケース133のチップカバー支持部(不図示)に支持され、左右方向においてギヤケース133の右面とソーカバー134の左面との間に配置されている。チップカバー106は、被切断材108の切断作業時に発生する切粉の飛散を抑制する。チップカバー106は、切粉飛散抑制部材の一例である。
図7乃至図9に示すように、チップカバー106は、カバー部161と、アーム部162と、ネジ169とを有している。チップカバー106は、ネジ169を回動軸として、アーム部162の一端が保護カバー135と当接する第一位置(図7参照)と、アーム部162の一端が保護カバー135から離間する第二位置(図8参照)とに回動可能である。
以下、チップカバー106の形状の説明において、方向について言及する場合には、図9に示されている前後左右上下方向に基づいて説明をする。つまり、カバー部161の湾曲部165が前方を向くようにチップカバー106を載置した状態(図8参照)を基準として、チップカバー106の形状を説明する。
カバー部161は、例えば透明樹脂製である。カバー部161は、平面視略U字形状をなしている。カバー部161は、鋸刃105の鋸歯部151を覆う。カバー部161は、第一平板部163と、第二平板部164と、湾曲部165とを含む。
第一平板部163は、側面視略矩形の平板形状をなし、前後方向及び上下方向に延びる。
第二平板部164は、側面視略矩形の平板状をなし、前後方向及び上下方向に延びる。第二平板部164は、第一平板部163と略同一の形状を有している。第二平板部164は、第一平板部163と左右方向に間隔を空けて向かい合う。第二平板部164は、第一平板部163と略平行に延びる。
湾曲部165は、側面視略円弧形状をなし、第一平板部163の前端部と第二平板部164の前端部とを接続する。
アーム部162は、軸部166と、第一延出部167と、第二延出部168とを含む。
第一延出部167は、軸部166から前方に延びる。第一延出部167の前端部は、第一平板部163の後上部に、例えばネジ等により固定される。
第二延出部168は、軸部166から後下方に延びる。
軸部166には、ネジ169が挿通される。ネジ169は、軸方向が左右方向と略一致するように、ギヤケース133に支持される。ネジ169の先端は、ギヤケース133のチップカバー支持部に締結される。つまり、チップカバー106は、ネジ169を介して、ギヤケース133に回動可能に支持されている。
次に、第二の実施の形態に係る丸鋸101の動作について、図7及び図8を参照して説明する。なお、ここでは、ハウジング103(鋸刃105)をベース102に対して揺動及び傾動させていない場合を想定して説明を行う。
作業者は、オフロックスイッチ(不図示)を押下した状態でトリガスイッチ(不図示)を引くことによりモータ(不図示)を駆動させる。モータの回転は、回転伝達機構(不図示)を介して鋸刃105に伝達される。
この状態で、作業者は、ベース102を被切断材108上に摺動させて、鋸刃105の鋸歯部151を被切断材108に当接させることにより、切断作業を開始する。鋸刃105は、切断刃の一例である。鋸歯部151は、刃先の一例である。このとき、保護カバー135は、ギヤケース133と保護カバー135とを連結するバネ138の付勢力により、鋸刃105の下側部分を覆っており、保護カバー135の前端縁135Aは突き当て部137に当接している。また、チップカバー106は、第一位置に配置されている。図7に示すように、第一位置に配置されたチップカバー106は、被切断材108の上面と鋸刃105の鋸歯部151との交点(鋸刃105の切り上がり部)近傍から離隔している。
具体的には、チップカバー106が第一位置に配置されているとき、アーム部162の第一延出部167が前上側と後下側を結ぶ方向に延び、アーム部162の第二延出部168の下端が保護カバー135の前端縁135Aに当接している。すなわち、前端縁135Aは、第二延出部168の下端を右側面視反時計回り方向に押圧している。カバー部161の第一平板部163と第二平板部164が鋸歯部151の左右両側に配置され、かつ、湾曲部165が前上側と後下側を結ぶ方向において鋸歯部151と向かい合う。右側面視反時計回り方向は、近接方向の一例である。
ベース102を被切断材108上に摺動させつつ、丸鋸101を切断方向(前方向)にさらに移動させると、被切断材108の後端が保護カバー135の前端縁135Aに当接する。被切断材108が保護カバー135の前端縁135Aに当接することで、保護カバー135は、鋸刃105の周方向に沿って右側面視時計回りに回動し、ギヤケース133及びソーカバー134により画定される空間内に収容される。右側面視時計回り方向は、離間方向の一例である。
保護カバー135の回動に伴って、前端縁135Aがアーム部162の第二延出部168の下端から離間し、第二延出部168の下端に対する前端縁135Aからの押圧が解除されると、チップカバー106は、自重により、回動軸(ネジ169)を中心に右側面視時計回りに回動し、第二位置に配置される。つまり、チップカバー106は、ベース102の被切断材108上の摺動動作に連動して、第一位置から第二位置へと移動する。
図8に示すように、第二位置に配置されたチップカバー106は、被切断材108の上面と鋸刃105の鋸歯部151との交点近傍を覆う。すなわち、チップカバー106は、被切断材108の上面と鋸刃105の鋸歯部151との交点近傍において、鋸刃105の鋸歯部151を左右方向から覆う。
具体的には、チップカバー106が第二位置に配置されているとき、アーム部162の第一延出部167は、水平方向と平行な方向に延び、第二延出部168の下端は、保護カバー135の前端縁135Aから離間する。カバー部161の第一平板部163と第二平板部164が鋸歯部151の左右両側に配置され、かつ、湾曲部165が前後方向において鋸歯部151と向かい合う。第二延出部168の中央部は、突き当て部137に当接する。第二延出部168が突き当て部137に当接することで、チップカバー106の更なる右側面視時計回り方向の回動が規制される。このように、突き当て部137は、保護カバー135とチップカバー106との両方に対して回動を係止する働きを有する。従って、チップカバー106専用の回動係止用部材を新たに設ける必要が無く、部品点数の増加や工数の増加を抑制できる。
被切断材108の上面と鋸刃105の鋸歯部151との交点近傍で発生した切粉は、第一平板部163と第二平板部164とにより左右方向への飛散が抑制され、湾曲部165によって前方への飛散が抑制される。チップカバー106内の切粉は、ギヤケース133及びソーカバー134により画定される空間を通り、図示せぬ集塵機に回収される。
さらに、丸鋸101を切断方向に移動させると、鋸歯部151が被切断材108の前端を通過し、切断作業が終了する。被切断材108が、保護カバー135の前端縁135Aから離間すると、保護カバー135は、バネ138の付勢力によって、右側面視反時計回りに回動し、図7に示す位置に戻る。
保護カバー135の右側面視反時計回りの回動により、保護カバー135の前端縁135Aがアーム部162の第二延出部168の下端と当接し、チップカバー106を右側面視反時計回りに回動させる。これにより、チップカバー106は、第二位置から第一位置に移動する。
第二の実施の形態においても、チップカバー106の回動軸(ネジ169)はギヤケース133に支持されている。そのため、ハウジング103(鋸刃105)をベース102に対して傾動させて切断作業を行う場合であっても、チップカバー106は、ギヤケース133と共に傾動し、チップカバー106は傾動位置にある鋸刃105に干渉しない。従って、チップカバー106は、上述のように、保護カバー135がアーム部162から離間することにより第一位置から第二位置に回動する。ベース102に対してハウジング103が傾斜しているため、チップカバー106が第二位置に配置されたとき、鋸歯部151の左右方向少なくとも一方は、被切断材108の上面と鋸刃105の鋸歯部151との交点近傍において、チップカバー106により覆われる。
<第二の実施の形態の作用効果>
第二の実施の形態の丸鋸101によると、第一の実施の形態の丸鋸1と同様、ギヤケース133に切粉の飛散を抑制するように構成されているチップカバー106が設けられている。このようなチップカバー106を備えることにより、切断作業時における被切断材108の切粉の飛散を抑制できる。さらに、ソーカバーにチップカバーを設ける従来の構成と比べて、ギヤケース133にチップカバー106を設けることにより、作業者の被切断材108に対する視認性を確保できる。特に、右側面視において鋸刃105の外周よりも内側の領域、且つ左右方向における鋸刃105とギヤケース33との間の領域でチップカバー106が取り付けられているので、ソーカバーにチップカバーを設ける構成に比べ小型化を実現できる。
このような丸鋸101によると、被切断材108の切断作業に連動して、つまり、保護カバー135の回動を利用して、チップカバー106を被切断材108の上面と鋸刃105の鋸歯部151との交点近傍から離隔する第一位置から、被切断材108の上面と鋸刃105の鋸歯部151との交点近傍を覆う第二位置に移動させることができる。
被切断材108の切断作業開始時には、チップカバー106は、被切断材108の上面と鋸刃105の鋸歯部151との交点近傍から離隔する第一位置に配置されている。つまり、切断作業開始時には、被切断材108の上面と鋸刃105の鋸歯部151との交点近傍がチップカバー106により覆われていない。そのため、切断作業開始時には、作業者は、チップカバー106を介さずに被切断材108上に引かれている墨線を視認することができる。墨線を視認できることで、ガイドに頼ることなく、鋸歯部151を直接墨線に位置合わせすることができ、精度よく被切断材108を切断できる。
チップカバー106は、保護カバー135の回動を利用して、第一位置から第二位置に移動するので、作業者が手動でチップカバー106を第二位置に配置する必要がない。
被切断材108の切断作業中には、チップカバー106が被切断材108の上面と鋸歯部151との交点近傍を覆う。そのため、チップカバー106により、被切断材108の上面と鋸刃105の鋸歯部151との交点近傍で発生する切粉の飛散を抑制することができる。
このような構成の丸鋸101によると、チップカバー106は自重により第二位置へ移動可能である。そのため、チップカバー106を第一位置から第二位置に移動させるための部材を別途設ける必要がない。従って、簡易な構成でチップカバー106を移動させることができ、さらに、部品点数の増加も抑制することができる。
<第三の実施の形態>
次に、第三の実施の形態に係る丸鋸201の構成について、図10乃至図17に基づき説明する。
丸鋸201は、ベース202と、ハウジング203と、モータ(不図示)と、鋸刃205とを有している。ハウジング203からは、電源コード209が延びている。ベース202と、ハウジング203と、モータと、鋸刃205と、電源コード209は、それぞれ、第一の実施の形態のベース2と、ハウジング3と、モータ4と、鋸刃5と、電源コード9に対応するので、重複する部分については説明を省略する。なお、図10乃至図12では、構造の理解のため、鋸刃205の図示を省略し、鋸刃205の輪郭のみを二点鎖線で示している。また、ハウジング203のソーカバーの図示も省略されている。第一の実施の形態の丸鋸1と同様、丸鋸201においても、ハウジング203は、ベース202に対して上下方向に揺動可能且つ左右方向に傾動可能である。
ハウジング203は、モータハウジング(不図示)と、ハンドル部232と、ギヤケース233と、ソーカバー(図示省略)と、保護カバー235とを含む。モータハウジングと、ハンドル部232と、ギヤケース233と、ソーカバーと、保護カバー235は、それぞれ、第一の実施の形態のモータハウジング31と、ハンドル部32と、ギヤケース33と、ソーカバー34と、保護カバー35とに対応するので、重複する部分については説明を省略する。
図10乃至図12に示すように、ギヤケース233には、切欠部233aが形成されている。切欠部233aは、ギヤケース233の右側壁の前側部分において、その下端縁の一部が、上方に向かって、略矩形状に切り欠かれることにより形成されている。すなわち、ギヤケース233は、鋸刃205の前側部分を覆う部分が切欠かれている。これによって、作業者は被切断材208から切り上がる鋸刃205を左方向から視認することができ、切断が行われている作業箇所を見ながら作業を行う事ができる。
ギヤケース233には、支持部236(図15乃至図17参照)と、突き当て部237と、規制部238とが設けられている。
支持部236は、ギヤケース233の右側壁であって、前側部分に設けられており、突き当て部237を支持する。支持部236は、略円筒形状をなし、ギヤケース233の右側壁から左右方向に突出している。支持部236には、貫通孔236aが形成されている。貫通孔236aは、支持部236を左右方向に貫通している。
突き当て部237は、ギヤケース233の右側壁であって、鋸刃205の回転軸心205Aの前下方に配置されている。突き当て部237は、保護カバー235の回動を規制し、且つ、切断作業時に発生する切粉の飛散を抑制する。突き当て部237は、切粉飛散抑制部材の一例である。
図13及び図14に示すように、突き当て部237は、本体部271と、ボルト272と、ワッシャ273とを有する。本体部271は、円筒部274と、突出部275と、当接部276と、連結部277と、刃口板部278とを有する。突き当て部237は、ボルト272を回動軸として、刃口板部278の下面278Bが前上側と後下側を結ぶ方向に傾斜する第一位置(図10参照)と、刃口板部278の下面278Bが水平方向と平行な方向に延びる第二位置(図11及び図12参照)とに回動可能である。
以下、突き当て部237の形状の説明において、方向について言及する場合には、図13に示されている前後左右上下方向に基づいて説明をする。つまり、刃口板部278の下面278Bが水平方向と平行な方向に延びるように突き当て部237を載置した状態(図11及び図12参照)を基準として、突き当て部237の形状を説明する。
円筒部274は、左右方向に延びる略円筒形状をなしている。円筒部274には、支持部236が挿通される貫通孔274aが形成されている。円筒部274の外周面は、保護カバー235の前端縁235Aと当接可能である。
突出部275は、円筒部274の外周面の一部から上方に突出している。突出部275は、第一当接面275Aを有する。第一当接面275Aは、突出部275の前面をなす。
当接部276は、円筒部274の外周面の一部から下方に突出している。当接部276は、第二当接面276Aを有する。第二当接面276Aは、当接部276の前端部の上面をなし、後上側と前下側を結ぶ方向に延びる。当接部276の後端部の下端は、面取りされており、保護カバー235の前端縁235Aと当接可能である。
連結部277は、当接部276と刃口板部278とを連結する。連結部277は、前方に向かうに従って右方に傾斜するように当接部276の前端部から延出し、刃口板部278の後端部に接続する。
刃口板部278は、本体部271の前端部に位置し、連結部277の前端部から前方向に延びる。刃口板部278は、側面視略三角形状を有する。刃口板部278の前端部の下端は、面取りされている。すなわち、刃口板部278の前下端部には、面取り部278Aが設けられている。刃口板部278の上面は、前方に向かうに従って、下方に傾斜する。つまり、刃口板部278は、その前端部の上下方向の寸法が、後端部の上下方向の寸法より小さくなるように形成されている。刃口板部278の下面278Bは、被切断材8に接触可能である。刃口板部278の右側面、すなわち、下面278Bの右端縁は、鋸刃205の厚みより短い距離で鋸歯部251に近接している(図15参照)。刃口板部278は、刃口板の一例である。
本体部271、すなわち、円筒部274と、突出部275と、当接部276と、連結部277と、刃口板部278とは、一体に成型されている。円筒部274と突出部275とは、例えばゴムのような軟質樹脂の弾性体であって、摩擦係数の大きい材料により形成されている。当接部276と、連結部277と、刃口板部278とは、例えば硬質樹脂であって、摩擦係数の小さい材料により形成されている。本体部271は、硬度の異なる樹脂により部分的に性質を異ならせて形成されているが、このような場合であっても、一体成型が可能である。なお、軟質樹脂の部分(円筒部274と突出部275)と硬質樹脂の部分(当接部276と連結部277と刃口板部278)はそれぞれ別体にて形成した後、接着等によって一体に形成しても良い。また、当接部276と、連結部277と、刃口板部278とは、透明の樹脂により形成されていてもよい。
ボルト272は、例えば低頭ボルトである。図16に示すように、ボルト272は、頭部及び軸部を有する。
ワッシャ273は、例えば金属製であり、円環形状をなしている。ワッシャ273の外径寸法は、本体部271の円筒部274の外径寸法と略同一である。すなわち、ワッシャ273は、径方向において、円筒部274の外方に突出しない。ワッシャ273は、ボルト272の頭部と本体部271の円筒部274とに挟まれるように配置されている。ワッシャ273は、支持部236に対する本体部271の抜け止めとして機能する。
突き当て部237は、支持部236が円筒部274の貫通孔274aに挿通され、ボルト272の軸部が支持部236の貫通孔236aに挿通されて支持部236に締結されることにより、ギヤケース233に支持される。つまり、突き当て部237は、ボルト272を介して、ギヤケース233に回動可能に支持されている。
ワッシャ273の左端面からギヤケース233の右側壁の右側面までの距離D(図16参照)は、円筒部274の左右方向の最大寸法よりもわずかに大きい。すなわち、支持部236の、ギヤケース233の右側壁の右側面からの突出量は、突き当て部237の円筒部274の左右方向長さよりも大きい。このため、ボルト272を締め過ぎたとしても、突き当て部237が回動不能となることはない。
規制部238は、ギヤケース233の右側壁であって、前側部分に設けられており、突き当て部237の回動を規制する。規制部238は、ギヤケース233の右側壁から右方に突出している。規制部238は、側面視略矩形状をなし、前後方向に延びる。規制部238の後面は、突出部275の第一当接面275Aと当接可能である。規制部238の下面は、当接部276の第二当接面276Aと当接可能である。
次に、第三の実施の形態に係る丸鋸201の動作について、図10乃至図12を参照して説明する。なお、ここでは、ハウジング203(鋸刃205)をベース202に対して揺動及び傾動させていない場合を想定して説明を行う。
作業者は、オフロックスイッチ(不図示)を押下した状態でトリガスイッチ(不図示)を引くことによりモータ(不図示)を駆動させる。モータの回転は、回転伝達機構(不図示)を介して鋸刃205に伝達される。
この状態で、作業者は、ベース202を被切断材208上に摺動させて、鋸刃205の鋸歯部251(図15参照)を被切断材208に当接させることにより、切断作業を開始する。鋸刃205は、切断刃の一例である。鋸歯部251は、刃先の一例である。このとき、保護カバー235は、バネ(不図示)の付勢力により、鋸刃205の下側部分を覆っている。突き当て部237は、第一位置に配置されている。図10に示すように、第一位置に配置された突き当て部237は、被切断材208の上面と鋸刃205の鋸歯部251との交点(鋸刃205の切り上がり部)近傍から離隔している。
具体的には、突き当て部237が第一位置に配置されているとき、円筒部274及び当接部276は、保護カバー235の前端縁235Aに当接している。すなわち、前端縁235Aは、円筒部274及び当接部276を右側面視反時計回り方向に押圧している。突き当て部237と保護カバー235との当接により、突き当て部237の右側面視時計回り方向の回動が規制され、且つ、保護カバー235の右側面視反時計回り方向の回動が規制される。刃口板部278は、ベース202の上方に位置し、下面278Bは、前上側と後下側を結ぶ方向に延びる。刃口板部278の右側面は、鋸刃205の左面とわずかに隙間を空けて向かい合う。右側面視反時計回り方向は、近接方向の一例である。
ベース202を被切断材208上に摺動させつつ、丸鋸201を切断方向(前方向)にさらに移動させると、図11に示すように、被切断材208の後端が保護カバー235の前端縁235Aに当接する。被切断材208が保護カバー235の前端縁235Aに当接することで、保護カバー235は、鋸刃205の周方向に沿って右側面視時計回りに回動する。右側面視時計回り方向は、離間方向の一例である。
保護カバー235の回動に伴って、前端縁235Aは、円筒部274から離間し、円筒部274及び当接部276に対する前端縁235Aからの押圧が解除される。突き当て部237は、当接部276の後下端部と前端縁235Aとの当接を維持しながら、自重により、回動軸(ボルト272)を中心に右側面視時計回りに回動し、第二位置に配置される。つまり、突き当て部237は、ベース202の被切断材208上の摺動動作に連動して、第一位置から第二位置へと移動する。
図11に示すように、第二位置に配置された突き当て部237は、被切断材208の上面と鋸刃205の鋸歯部251との交点近傍を覆う。
具体的には、突き当て部237が第二位置に配置されているとき、円筒部274は、保護カバー235の前端縁235Aから離間する。刃口板部278は、ベース202の開口部202a内に配置される。ベース202の開口部202aとは、第一の実施の形態の開口部2aに対応し、ベース202の略中央部に形成されて、鋸刃205及び保護カバー235が挿通される開口部のことである。刃口板部278の右側面は、鋸刃205の左面とわずかに隙間を空けて向かい合い、刃口板部278の下面278Bは、鋸刃205の厚みより短い距離で鋸歯部251に近接する。刃口板部278の下面278Bは、ベース202の下面とほぼ面一となる。つまり、第二位置に配置された突き当て部237の刃口板部278の下面278Bは、被切断材208の上面と鋸歯部251(鋸刃205)との交点近傍において、被切断材208の上面に摺接する。
刃口板部278は、被切断材208の上面と鋸刃205の鋸歯部251との交点近傍において、被切断材208を上から押さえることにより、被切断材208の切断部分におけるバリ立ちや縁欠けを抑制する。すなわち、刃口板部278は、被切断材208の切断作業時における切粉等の発生を抑制し、結果的に切粉の飛散を抑制する。また、刃口板部278は、後端部の上下方向の寸法が前端部の上下方向の寸法より大きくなるように形成されている。つまり、刃口板部278の右側面は、後方に向かうにつれて鋸刃205の左面を覆う面積が増加するような形状を有している。これによって、切欠部233aを通じて作業者が鋸刃205の切り上がり部を目視する際に刃口板部278がその障害となることを抑制するとともに、刃口板部278の右側面の後側部分により、被切断材208の切断部分で発生した切粉の特に左方向への飛散が抑制される。このように、刃口板部278は、被切断材208の切断作業時における切粉等の発生及び飛散を抑制する。
被切断材208の上面と鋸刃205の鋸歯部251との交点近傍で発生した切粉は、ギヤケース233及びソーカバー(不図示)により画定される空間を通り、図示せぬ集塵機に回収される。
丸鋸201を切断方向にさらに移動させると、保護カバー235は、被切断材208により右側面視時計回りにさらに回動し、前端縁235Aは、当接部276からも離間する(図12参照)。そして、保護カバー235は、ギヤケース233及びソーカバー(図示省略)により画定される空間内に収容される。
図12に示すように、切断作業中、刃口板部278の下面278Bは、自重により、被切断材208の上面と接触し続ける。たとえ被切断材208の上面に凹凸があったとしても、刃口板部278の面取り部278Aにより、刃口板部278の下面278Bは、スムーズに被切断材208の上面と摺接する。また、被切断材208と摺接する刃口板部278が摩擦係数の小さい樹脂により形成されていることにより、切断作業時の被切断材208に対する摩擦抵抗が減少され、刃口板部278が切断作業に与える影響を抑制できる。
なお、突き当て部237が第二位置に配置されているとき、突出部275の第一当接面275Aは、規制部238の後面とは当接せず、わずかに隙間を空けて離間する。突出部275と規制部238との接触は、刃口板部278を被切断材208に押し付ける力を低減させる。従って、突出部275と規制部238とを離間させておくことにより、刃口板部278を被切断材208に押し付ける力の低減を防止する。また、かかる隙間は、刃口板部278が被切断材208上面に沿って摺動する際の遊びとしても機能し、被切断材208上面の凹凸形状に対して有効な形状とすることができる。
さらに、丸鋸201を切断方向に移動させると、鋸歯部251が被切断材208の前端を通過し、切断作業が終了する。被切断材208が、保護カバー235の前端縁235Aから離間すると、保護カバー235は、図示せぬバネの付勢力によって、右側面視反時計回りに回動し、図10に示す位置に戻る。
保護カバー235の右側面視反時計回り方向の回動により、保護カバー235の前端縁235Aが当接部276と当接し、突き当て部237を右側面視反時計回りに回動させる。さらに、保護カバー235が右側面視反時計回り方向に回動することにより、前端縁235Aは、当接部276を右側面視反時計回り方向に回動させつつ、円筒部274と当接する。このように、突き当て部237は、第二位置から第一位置に移動する。円筒部274が弾性体で形成されていることにより、保護カバー235が突き当て部237に当接したときの衝撃を緩和することができ、保護カバー235及び突き当て部237の破損を抑制することができる。
このように、突き当て部237は、保護カバー235の右側面視反時計回り方向の回動を規制する働きと共に、被切断材208の切断作業時における切粉等の発生と飛散とを抑制する働きを有する。
鋸刃205の交換等において、作業者が保護カバー235をギヤケース233及びソーカバー(図示省略)により画定される空間内に収容するため、右側面視時計回り方向に回動させることがある。そのような場合には、突き当て部237が自重により、右側面視時計回り方向に回動する。しかし、規制部238の後面に突出部275の第一当接面275Aが当接することにより、突き当て部237が右面視時計回り方向に過度に回動することが規制される。一方、規制部238の下面に当接部276の第二当接面276Aが当接することで、突き当て部237が右側面視反時計回り方向に過度に回動することが規制される。
第三の実施の形態においても、突き当て部237の回動軸(ボルト272)はギヤケース233に支持されている。そのため、ハウジング203(鋸刃205)をベース202に対して傾動させて切断作業を行う場合であっても、突き当て部237は、ギヤケース233と共に傾動し、突き当て部237は傾動位置にある鋸刃205に干渉しない。従って、突き当て部237は、上述のように、保護カバー235が円筒部274から離間することにより第一位置から第二位置に回動する。ベース202に対してハウジング203が傾斜しているため、突き当て部237が第二位置に配置されたとき、刃口板部278の下面278Bの右端が、被切断材208の上面と鋸歯部251(鋸刃205)との交点近傍において、被切断材208の上面に摺接する。
<第三の実施の形態の作用効果>
第三の実施の形態の丸鋸201によると、第一の実施の形態の丸鋸1及び第二の実施の形態の丸鋸101と同様、ギヤケース233に切粉の飛散を抑制するように構成されている突き当て部237が設けられている。このような突き当て部237を備えることにより、切断作業時における被切断材208の切粉の飛散を抑制できる。さらに、ソーカバーに切粉の飛散を抑制する部材を設ける従来の構成と比べて、ギヤケース233に切粉の飛散を抑制する突き当て部237を設けることにより、作業者の被切断材208に対する視認性を確保できる。特に、右側面視において鋸刃205の外周よりも内側の領域、且つ左右方向における鋸刃205とギヤケース233との間の領域で突き当て部237が取り付けられているので、ソーカバーにチップカバーを設ける構成に比べ小型化を実現できる。
さらに、ギヤケース233の右側壁には、切欠部233aが形成されている。また、突き当て部237の刃口板部278は、上面が前方に向かうに従って下方に傾斜している。切断作業時においては、作業者は、切欠部233aと刃口板部278の上面とにより画定される空間を介して、ギヤケース233の右側壁左方から被切断材208の上面と鋸刃205の鋸歯部251との交点近傍を視認することができる。従って、切欠部233aと刃口板部278の上面とにより画定される空間により、作業者の視認性を確保できる。
このような構成の丸鋸201によると、切粉の飛散を抑制する部材である突き当て部237が、保護カバー235の回動を規制する部材を兼ねている。このため、従来保護カバーの回動を規制する部材が設けられていた領域を利用して、切粉の飛散を抑制する部材を配置することができる。従って、切粉の飛散を抑制する部材を配置する領域を新たに設ける必要がない。また、従来保護カバーの回動を規制する部材が設けられていた領域を利用しているので、作業者の被切断材に対する視認性を確実に確保できる。また、切粉の飛散を抑制する部材と保護カバーの回動を規制する部材とを別々に設ける場合と比べて、部品点数及び工数の増加、それに伴う製造コストの増加を抑制することができる。
このような構成の丸鋸201によると、被切断材208の切断作業に連動して、つまり、保護カバー235の回動を利用して、突き当て部237を被切断材208の上面と鋸刃205の鋸歯部251との交点近傍から離隔する第一位置から、被切断材208の上面と鋸刃205の鋸歯部251との交点近傍を覆う第二位置に移動させることができる。
被切断材208の切断作業開始時には、突き当て部237は、被切断材208の上面と鋸刃205の鋸歯部251との交点近傍から離隔する第一位置に配置されている。つまり、切断作業開始時には、被切断材208の上面と鋸刃205の鋸歯部251との交点近傍が突き当て部237の刃口板部278により覆われていない。そのため、切断作業開始時には、作業者は、刃口板部278を介さずに被切断材208上に引かれている墨線を視認することができる。墨線を視認できることで、ガイドに頼ることなく、鋸歯部251を直接墨線に位置合わせすることができ、精度よく被切断材208を切断できる。
突き当て部237は、保護カバー235の回動を利用して、第一位置から第二位置に移動するので、作業者が手動で突き当て部237を第二位置に配置する必要がない。
被切断材208の切断作業中には、突き当て部237の刃口板部278が被切断材208の上面と鋸刃205の鋸歯部251との交点近傍を覆う。そのため、刃口板部278により、被切断材208の上面と鋸刃205の鋸歯部251との交点近傍で発生する切粉の飛散を抑制することができる。
このような構成の丸鋸201によると、突き当て部237は自重により第二位置へ移動可能である。そのため、突き当て部237を第一位置から第二位置に移動させるための部材を別途設ける必要がない。従って、簡易な構成で突き当て部237を移動させることができ、さらに、部品点数の増加も抑制することができる。
このような構成の丸鋸201によると、突き当て部237は、刃口板部278を有する。突き当て部237が第二位置に配置されているとき、刃口板部278は、被切断材208の上面と鋸刃205の鋸歯部251との交点近傍で被切断材208の上面と摺接する。これにより、刃口板部278が被切断材208の上面と鋸刃205の鋸歯部251との交点近傍で被切断材208を上から押さえることができる。そのため、被切断材208の切断部分におけるバリ立ちや縁欠けを抑制することができ、切断の仕上がりを良くすることができる。さらに、バリ立ちや縁欠けを抑制することで、切粉の発生を抑制できる。
<変形例>
以上、本発明の実施の形態及に基づき説明したが、本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変更が可能である。
第二の実施の形態によるチップカバー106は、自重により第一位置から第二位置へと回動するように設けられていた。しかし、チップカバー106は、バネにより付勢されて、第一位置から第二位置へと回動するようにしてもよい。また、チップカバー106に、第三の実施の形態のような保護カバーの回動を規制する働きを持たせても良い。
第三の実施の形態による突き当て部237は、自重により第一位置から第二位置へと回動するように設けられていた。しかし、例えば、図18及び図19に示すように、突き当て部337は、ねじりバネ379により付勢されていてもよい。
例えば、図18に示すように、ギヤケース333には、支持部(不図示)と、突き当て部337と、規制部338とが設けられている。ギヤケース333及び支持部は、第三の実施の形態のギヤケース233及び支持部236に対応するので、重複する部分については説明を省略する。本変形例において、上述した第3実施形態と同様の部材については、図示及び説明を省略している。
突き当て部337は、保護カバー335の回動を規制し、且つ、切断作業時に発生する切粉の飛散を抑制する。図18に示すように、突き当て部337は、本体部371と、ボルト372と、ねじりバネ379とを有する。本体部371は、円筒部374と、当接部376と、連結部377と、刃口板部378とを有する。円筒部374と、当接部376と、連結部377と、刃口板部378とは、第三の実施の形態の円筒部274と、当接部276と、連結部277と、刃口板部278とに対応するので、重複する部分については説明を省略する。
規制部338は、ギヤケース333の右側壁であって、前側部分に設けられている。規制部338は、ギヤケース333の右側壁から右方に突出している。規制部338は、側面視略矩形状をなし、上下方向に延びる。
ねじりバネ379は、本体部371と図示せぬ支持部との間に配置される。ねじりバネ379は、付勢部材の一例である。図19に示すように、ボルト272の軸部には、ねじりバネ379が外嵌される。
ねじりバネ379の一端は、円筒部374に形成された切欠を介して規制部338の前面に当接され、ねじりバネ379の他端は、本体部371の当接部376に形成された溝部に挿通される。ねじりバネ379は、突き当て部337を矢印H方向(右側面視時計回り)に付勢している。つまり、ねじりバネ379は、突き当て部337を第二位置に向けて付勢している。ねじりバネ379が突き当て部337を右側面視時計回りに回動させる力は、ギヤケース333と保護カバー335との間に配置されたバネ(不図示)によって回動させられる保護カバー335からの押圧によって突き当て部337に与えられる右面視反時計回りに回動させる力よりも小さくなるように設定されている。すなわち、バネによって突き当て部337に与えられる時計回りの付勢力よりも、保護カバー335によって突き当て部337に与えられる反時計回りの付勢力の方が大きい。従って、図19(A)に示すように、切断作業開始時には、突き当て部337は、第一位置に保持され、保護カバー235は、鋸刃305の下側部分を覆っている。
第三の実施の形態の突き当て部237と同様、第一位置に配置された突き当て部337は、被切断材308の上面と鋸刃305の鋸歯部351との交点近傍から離隔している。
具体的には、突き当て部337が第一位置に配置されているとき、円筒部374及び当接部376は、保護カバー335の前端縁335Aに当接して前端縁335Aからの押圧力を受け、刃口板部378は、ベース(不図示)の上方に位置し、下面378Bは、前上側と後下側を結ぶ方向に延びる。刃口板部378の右側面は、鋸刃305の左面とわずかに隙間を空けて向かい合う。鋸刃305は、切断刃の一例である。鋸歯部351は、刃先の一例である。
図19(B)に示すように、被切断材308の後端が保護カバー335の前端縁335Aに当接すると、保護カバー335が鋸刃305の周方向に沿って右側面視時計回りに回動する。
保護カバー335の回動に伴って、前端縁335Aが円筒部374から離間し、円筒部374及び当接部376に対する前端縁335Aからの押圧が解除される。突き当て部337は、当接部376と前端縁335Aとの当接を維持しながらも、ねじりバネ379の付勢力により、回動軸(ボルト372)を中心に右側面視時計回りに回動する。つまり、突き当て部337は、ベースの被切断材308上の摺動動作に連動して、第一位置から第二位置へと移動する。
第二位置に配置された突き当て部337は、被切断材308の上面と鋸刃305の鋸歯部351との交点近傍を覆う。
具体的には、突き当て部337が第二位置に配置されているとき、円筒部374は、保護カバー335の前端縁335Aから離間する。第二位置に配置された突き当て部337の刃口板部378の下面378Bは、被切断材308の上面と鋸歯部351(鋸刃305)との交点近傍において、被切断材308の上面に摺接する。このとき、刃口板部378の下面378Bは、鋸刃305の厚みより短い距離で鋸歯部351に近接する。なお、突き当て部337が第二位置に配置されているとき、円筒部374の当接面374Aは、規制部238の下面とは当接せず、わずかに隙間を空けて離間する。
切断作業が終了すると、保護カバー335は、図示せぬバネの付勢力によって、右側面視反時計回りに回動する。
保護カバー335の右側面視反時計回り方向の回動により、保護カバー335の前端縁335Aが当接部376と当接し、ねじりバネ379の付勢力に抗して、突き当て部337を右側面視反時計回りに回動させる。これにより、突き当て部337は、第二位置から第一位置に戻る。
このように、突き当て部337は、第三の実施の形態の突き当て部337と同様、保護カバー335の右側面視反時計回り方向の回動を規制する働きと共に、被切断材308の切断作業時における切粉等の発生と飛散とを抑制する働きを有する。
なお、鋸刃305の交換等において、作業者が保護カバー335を回動させることがある。そのような場合には、突き当て部337がねじりバネ379の付勢力により、右側面視時計回り方向に回動する。しかし、規制部338の下面に円筒部374の当接面374Aが当接することにより、突き当て部337が右面視時計回り方向に過度に回動することが規制される。
本変形例の構成によれば、突き当て部337は、被切断材308の上面と鋸刃305の鋸歯部351との交点近傍に近接する方向に突き当て部337を付勢するねじりバネ379を有する。突き当て部337は、ねじりバネ379により付勢されることにより、確実に第一位置から第二位置に配置されることができる。また、ねじりバネ379の付勢力により、突き当て部337の刃口板部378は、確実に、被切断材308を上方から押さえることができる。また、ねじりバネ379を備えることにより、丸鋸の向きや姿勢に影響されずに、被切断材308の切断作業に連動させて、突き当て部337を第一位置から第二位置に確実に移動させることができる。従って、多様な作業形態に対応できる。
1、101、201・・・丸鋸 2、102、202・・・ベース
3、103、203・・・ハウジング 4・・・モータ
5、105、205、305・・・鋸刃 6、106・・・チップカバー
8、108、208、308・・・被切断材
33、133、233、333・・・ギヤケース
35、135、235、335・・・保護カバー
51、151、251、351・・・鋸歯部
62・・・刃口板 67、169・・・ネジ
237、337・・・突き当て部 272、372・・・ボルト
278、378・・・刃口板部 379・・・ねじりバネ

Claims (8)

  1. 被切断材を切断する切断刃の回転軸を支持するギヤケースと、
    前記切断刃の外周部を覆い、前記被切断材と当接して前記切断刃の外周部に沿って回動可能な保護カバーと、
    前記ギヤケースを支持し、前記被切断材上を摺動可能なベースと、
    前記切断刃を駆動するモータと、
    前記ギヤケースに設けられ、前記被切断材の切断作業時に発生する切粉の飛散を抑制するように構成された切粉飛散抑制部材と、を備えることを特徴とする切断機。
  2. 前記切粉飛散抑制部材は、前記保護カバーの回動を規制するようにさらに構成されることを特徴とする請求項1に記載の切断機。
  3. 前記切粉飛散抑制部材は、前記ベースの前記被切断材上の摺動動作に連動して、前記被切断材と前記切断刃の刃先との交点近傍から離隔する第一位置から前記被切断材と前記切断刃の刃先との交点近傍を覆う第二位置に移動可能であることを特徴とする請求項1または2に記載の切断機。
  4. 前記切粉飛散抑制部材は、前記第一位置から前記第二位置に回動することを特徴とする請求項3に記載の切断機。
  5. 前記保護カバーは、
    前記切粉飛散抑制部材に近接する近接方向及び前記切粉飛散抑制部材から離間する離間方向に回動可能であり、
    前記近接方向に回動して前記切粉飛散抑制部材を押圧することによって、前記切粉飛散抑制部材を前記第一位置に配置し、
    前記摺動動作に連動して前記離間方向に回動し、前記押圧を解除することによって、前記切粉飛散抑制部材を前記第二位置に移動可能とすることを特徴とする請求項3または4に記載の切断機。
  6. 前記切粉飛散抑制部材は、自重により、前記第一位置から前記第二位置に移動することを特徴とする請求項5に記載の切断機。
  7. 前記切粉飛散抑制部材は、前記被切断材と前記切断刃の刃先との交点近傍に近接する方向に前記切粉飛散抑制部材を付勢する付勢部材を有し、
    前記切粉飛散抑制部材は、前記付勢部材により付勢されることにより、前記第一位置から前記第二位置に移動することを特徴とする請求項5に記載の切断機。
  8. 前記切粉飛散抑制部材は、刃口板を有し、
    前記刃口板は、前記切粉飛散抑制部材が前記第二位置に配置されているとき、前記被切断材と前記切断刃の刃先との交点近傍で前記被切断材の上面と摺接することを特徴とする請求項3乃至7の何れか一項に記載の切断機。

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