JP2018015122A - 再建用器具および再建用器具の設計支援装置 - Google Patents

再建用器具および再建用器具の設計支援装置 Download PDF

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Abstract

【課題】骨片に骨膜を再生させ、粘膜や皮膚などの上皮組織との間に介在させて、上皮組織の強固な付着を促すことにより、術後の感染のリスクを軽減することができる再建用器具および再建用器具の設計支援装置を提供する。
【解決手段】再建用器具100は、骨欠損部位の間隙を架橋する骨片B2を支持する器具本体110と、器具本体110の両端部に形成された骨欠損部位に固定するための連結部材120とを備えている。器具本体110は、骨片B2により器具本体110を囲うための収容部111が、器具本体110の軸線L1周りに等間隔に形成されていることで、軸線L1を回転中心とした回転対称に形成されている。骨片B2に骨膜が再生すると、骨膜の上に、粘膜などの上皮組織を付着させることができる。従って、骨片B2と再建用器具100との全体が粘膜などの上皮組織により強固に保護されるため、術後の感染などのリスクを軽減することができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、骨欠損部位の間隙を補完する骨片を支持する再建用器具およびこれを設計するための再建用器具の設計支援装置に関するものである。
腫瘍や外傷、先天性異常などの原因により骨を部分的に切除しなければならないときがある。骨の一部が切除された骨欠損部位は、自身の骨から得た骨片を、骨欠損部位の間隙に架橋することで、再建が図られる。
このとき、骨片が骨欠損部位と一体的になって再建する過程の中で、骨片と共に骨欠損部位に配置された再建用器具が骨片に掛かる荷重を軽減する。このような再建用器具について、例えば、特許文献1に記載されたものが知られている。
この特許文献1の「骨プレート設計を生成する技術」には、骨の形状データに基づき、骨モデルをディスプレイ装置上に視覚化し、骨モデルに対するユーザーインタラクションを示すユーザーインタラクション信号に応答して、プレートに特有の設計特性を表すプレート設計データを導き出し、少なくともプレート設計データ及び一つ以上の汎用プレートパラメーターから、骨プレート設計を幾何学的に定めるデータセットを生成することが記載されている。
特表2015−503943号公報
しかし、特許文献1に記載の「骨プレート設計を生成する技術」では、骨プレートが骨欠損部位に配置され、骨プレートの一面側に移植する骨片が固定されるため、骨片には骨膜が再生するが、骨プレート側には骨膜は再生しない。従って、骨プレートに骨膜が再生しない状態で、すぐ上の上皮組織が骨プレートに位置していると、感染しやすい状態となってしまう。
そこで本発明は、骨片に骨膜を再生させ、粘膜や皮膚などの上皮組織との間に介在させて、上皮組織の強固な付着を促すことにより、術後の感染のリスクを軽減することができる再建用器具および再建用器具の設計支援装置を提供することを目的とする。
本発明の再建用器具は、骨欠損部位の間隙を架橋する骨片を支持する器具本体と、前記器具本体の両端部に形成された前記骨欠損部位に固定するための連結部材とを備え、前記器具本体には、前記骨片により前記器具本体を囲うための収容部が、前記器具本体の軸線周りに形成されたことを特徴とする。
本発明の再建用器具によれば、骨欠損部位に固定されることで、骨欠損部位の間隙に架橋する骨片と下顎骨とが再生することで繋がる。また、骨片の表面には、骨膜が再生し、その上から粘膜や皮膚が強固に付着する。器具本体の軸線周りに形成された収容部に骨片が保持されて、骨片が器具本体を囲っているため、器具本体を包み込むように粘膜や皮膚を形成させることができる。
前記収容部を、前記骨片を収容する凹部により形成することにより、骨片を凹部に収容した状態で、器具本体の軸線周りに配置することができる。
前記器具本体は、前記収容部が、前記器具本体の軸線周りに等間隔に形成されていると、骨片を、均等に、かつバランスよく配置することができる。
前記連結部材は、前記骨欠損部位の間隙に向いた断面に挿入されることにより、骨欠損部位に連続して器具本体を配置することができる。従って、骨修復が必要な骨のおもて面や裏面から器具本体からはみ出す部分を少なくすることができる。
前記器具本体は、オッセオインテグレーションを促すための表面処理が施されていると、器具本体と骨片とを、直接一体化させることができる。
前記器具本体に、装着者を識別するための識別情報が付与されていると、装着者(患者)が事故や被災等で亡くなったときに、本発明の再建用器具の器具本体に付与された識別情報により本人を特定することができる。
本発明の再建用器具の設計支援装置は、本発明の再建用器具を治療対象骨の骨欠損部位に対応させて設計するためのものであり、前記治療対象骨を撮像したCT撮像装置からの骨画像に基づいて、前記骨欠損部位の間隙に対応する前記再建用器具の形状を画像操作する画像処理部を備えたことを特徴とする。
本発明の再建用器具の設計支援装によれば、画像処理部により、治療対象骨を撮像するCT撮像装置からの骨画像に基づいて、骨欠損部位の間隙に対応する本発明の再建用器具の形状に画像操作することができる。
前記画像処理部は、前記骨画像に指定された骨欠損部位となる切除範囲と左右対称の位置となる範囲を、前記再建用器具を設計するための基本となる基準用骨として抽出することができる。基準用骨の形状に沿って再建用器具の設計ができるので、患者に最適な再建用器具を設計することができる。
本発明の再建用器具によれば、器具本体を包み込むように粘膜や皮膚を形成させることができる。従って、本発明の再建用器具は、骨片に骨膜を再生させ、粘膜や皮膚などの上皮組織との間に介在させて、上皮組織の強固な付着を促すことにより、術後の感染のリスクを軽減することができる。
また、本発明の再建用器具の設計支援装置によれば、患者に適した本発明の再建用器具を設計することができる。
骨欠損部位を有する下顎を示す斜視図である。 本発明の実施の形態1に係る再建用器具を示す図であり(A)は再建用器具の斜視図、(B)は再建用器具に骨片を保持させた状態の斜視図である。 本発明の実施の形態2に係る再建用器具を示す図であり(A)は再建用器具の斜視図、(B)は再建用器具に骨片を保持させた状態の斜視図である。 本発明の実施の形態3に係る再建用器具を示す図であり(A)は再建用器具の斜視図、(B)は再建用器具に骨片を保持させた状態の斜視図である。 本発明の実施の形態4に係る再建用器具を示す図であり(A)は再建用器具の斜視図、(B)は再建用器具に骨片を保持させた状態の斜視図である。 図4に示す再建用器具の変形例の側面図である。 図3に示す再建用器具の変形例の斜視図である。 本発明の実施の形態5に係る再建用器具の設計支援装置とCT撮像装置とが接続された状態を示す図である。 図8に示す再建用器具の設計支援装置の構成を説明するためのブロック図である。 図8に示す再建用器具の設計支援装置の動作および使用状態を説明するための図である。
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1に係る再建用器具を図面に基づいて説明する。
本実施の形態1に係る再建用器具は、例えば、図1に示すように下顎骨B0の骨欠損部位B1の再建に使用されるものである。
図2(A)および同図(B)に示す再建用器具100は、図1に示す骨欠損部位B1の間隙Gを架橋する骨片B2を支持する器具本体110と、器具本体110の両端部に形成された骨欠損部位B1に固定するための連結部材120とを備えている。再建用器具100は、チタン製またはチタン合金製である。
この器具本体110は、オッセオインテグレーションを促すための表面処理が施されている。例えば、チタン製またはチタン合金製の器具本体110の表面に、アルミナ粉末またはアパタイト粉末を噴射して、微細な凹凸面を形成するサンドブラスト処理を行うことができる。
また、エッチング処理としたり、陽極酸化処理としたり、チタンコーティング処理としたり、放電処理としたり、アパタイトコーティング処理としたりすることができる。
エッチング処理は、フッ化水素またはフッ化水素と硫酸との混合液により酸エッチングして、微細な凹凸面を形成するものである。陽極酸化処理は、器具本体110を陽極に設定し、希硫酸溶液中で電気分解することで、表面に酸化膜を形成させるものである。チタンコーティング処理は、ビーズ状のチタンをプラズマ溶射して皮膜を形成させるものである。放電処理は、アーク放電により表面を粗面加工するものである。アパタイトコーティング処理は、プラズマ溶射や、スパッタリング、フレーム溶射、レーザーアブレーションなどにハイドロキシアパタイトでコーティングして定着されるものである。
このように器具本体110に表面処理が施されていることで、器具本体110と骨片B2とが結合するので、器具本体110と骨片B2とを、直接、一体化させることができる。
この器具本体110は、骨片B2により器具本体110を囲うための収容部111が、器具本体110の軸線L1周りに等間隔に形成されていることで、軸線L1を回転中心とした90度ごとの回転対称に形成されている。
収容部111が骨片B2を収容する凹部112により形成されている。本実施の形態1では、凹部112が、軸線L1周りの90度ごとに4つ形成されている。
この凹部112は、中心に向かって凹むV字溝により形成されている。
連結部材120は、器具本体110の両端部から軸線L1に沿って突出した板状部材である。連結部材120は、器具本体110の軸線L1の位置から突出している。連結部材120は、骨欠損部位B1の間隙Gに向かって露出する下顎骨B0の断面B3に挿入される。連結部材120には、下顎骨B0を貫通するねじが螺合するねじ穴121が軸線方向F1に沿って2つ形成されている。ねじ穴121の数は、連結部材120の突出長さに応じて変更することが可能である。
以上のように構成された本発明の実施の形態1に係る再建用器具100の使用状態について図面に基づいて説明する。
図2(A)および同図(B)に示すように、再建用器具100の器具本体110に、例えば、肋骨から採取した骨片B2を保持させる。骨片B2を保持させるためには、器具本体110に骨片B2を配置して、骨片B2を配置した器具本体110の周囲を、固定部材の一例である紐状体R1により巻き付け、骨片B2を器具本体110に固定する。
収容部111を、骨片B2を収容する凹部により形成することにより、骨片B2を凹部112に収容した状態で、器具本体110の軸線L1周りに配置することができる。このとき、器具本体110の収容部111が、器具本体110の軸線L1周りに等間隔に形成されているため、骨片B2を、均等に、かつバランスよく配置することができる。
そして、骨片B2が保持された再建用器具100の両端部に位置する連結部材120を、骨欠損部位B1の間隙Gに向かって露出する下顎骨B0(図1参照)の断面B3に挿入する。そして、下顎骨B0を貫通するねじを連結部材120のねじ穴121に螺合させることで、骨片B2が保持された再建用器具100を骨欠損部位B1に固定する。
連結部材120が骨欠損部位B1の間隙Gに向いた断面B3に挿入されることにより、骨欠損部位B1に連続して器具本体110を配置することができる。従って、骨修復が必要な下顎骨B0のおもて面や裏面から器具本体110からはみ出す部分を少なくすることができる。
このように再建用器具100が骨欠損部位B1に固定されることで、骨欠損部位B1の間隙Gに架橋する骨片B2と下顎骨B0とが再生することで繋がる。また、骨片B2の表面には、骨膜が再生する。骨膜が再生すると、粘膜などの上皮組織の強固な付着が促進される。
この粘膜は、器具本体110の軸線L1周りに形成された収容部111に骨片B2が保持されて、骨片B2が器具本体110を囲っているため、器具本体110を包み込むように形成される。
そうすることで、骨片B2と再建用器具100との全体が粘膜などの上皮組織により保護されるため、術後の感染などのリスクを軽減することができる。
また、骨片B2を配置した器具本体110の周囲を、紐状体R1を周回させることで、簡単に骨片B2を器具本体110に固定することができる。
なお、本実施の形態1に係る再建用器具100では、器具本体110が軸線L1を中心に90度ごとの回転対称に形成されているが、下顎骨B0の断面B3の厚みに合わせて、縦に細長くしてもよい。
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2に係る再建用器具101について、図面に基づいて説明する。なお、図3においては、図2と同じ構成のものは同符号を付して説明を省略する。
図3に示す器具本体110の凹部112の最も深い位置には、骨片B2を貫通するねじS1が螺合するねじ穴113が、軸線方向F1に沿って3つ形成されている。また、凹部112の縁部112aには、器具本体110から突出する爪部114が形成されている。ねじ穴113や爪部114の数は、器具本体110の長さに応じて変更することが可能である。
この再建用器具101に骨片B2を保持させるためには、器具本体110の凹部112に骨片B2を配置して、骨片B2を凹部112内に位置させて収容する。そして、爪部114を内側に折り曲げて、骨片B2を押圧するように折り曲げる。これにより、器具本体110による骨片B2への強力な保持が期待できる。
次に、ねじ穴113に対応する骨片B2の位置にねじ穴113に向かって貫通孔を穿孔する。そして、固定部材の一例であるねじS1を、骨片B2の貫通孔に挿通して、器具本体110に形成されたねじ穴113に螺合させる。
このように、骨片B2を器具本体110にねじ止めすることで、確実に、骨片B2を器具本体110に固定することができる。また、爪部114により骨片B2を側部から抑え込むことができる。
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3に係る再建用器具について、図面に基づいて説明する。
なお、図4(A)および同図(B)においては、図2(A)および同図(B)と同じ構成のものは同符号を付して説明を省略する。
図4(A)および同図(B)に示すように、再建用器具200は、実施の形態2に係る再建用器具100と同様に、器具本体210に、骨片B2により器具本体210を囲うための収容部111が、凹部212として、器具本体の軸線L1周りに等間隔に形成されている。器具本体210においても、凹部212が軸線L1を回転中心とした120度ごとの回転対称に形成されている。
実施の形態3では、凹部212が、器具本体210の軸線L1周りの120度ごとに3つ、V字溝として形成されている。
図4(A)に示す器具本体210における凹部212のそれぞれの壁面には、骨片B2を貫通するねじS1が螺合するねじ穴113が、軸線方向F1に沿って3つ形成されている。
このように再建用器具200が形成されていても、骨片B2の表面に骨膜が再生して、その上から粘膜が付着すると、骨片B2が器具本体210を囲っているため、器具本体210を包み込むように形成される。従って、骨片B2と再建用器具200との全体が粘膜により保護されるため、術後の感染などのリスクを軽減することができる。
(実施の形態4)
本発明の実施の形態4に係る再建用器具について、図面に基づいて説明する。
なお、図5(A)および同図(B)においては、図2(A)および同図(B)と同じ構成のものは同符号を付して説明を省略する。
図5(A)および同図(B)に示すように、再建用器具300は、実施の形態2に係る再建用器具100と同様に、器具本体310に、骨片B2により器具本体310を囲うための収容部111が、凹部312として、器具本体の軸線L1周りに等間隔に形成されている。器具本体310においても、軸線L1を回転中心とした回転対称に形成されている。
実施の形態4では、凹部312が、器具本体310の軸線L1周りの180度ごとに2つ、背中合わせに形成されている。この凹部312は、底面と、軸線L1に沿った立壁により形成されている。
凹部312の底面には、骨片B2を貫通するねじS1が螺合するねじ穴113が、軸線方向F1に沿って3つ形成されている。
また、連結部材120には、下顎骨B0を貫通するねじが螺合するねじ穴121が軸線方向F1と直交する方向に沿って2つ形成されている。
このように再建用器具300が形成されていても、骨片B2の表面に骨膜が再生して、その上から粘膜が付着すると、骨片B2が器具本体310を囲っているため、器具本体310を包み込むように形成される。従って、骨片B2と再建用器具300との全体が粘膜により保護されるため、術後の感染などのリスクを軽減することができる。
また、凹部312が、背中合わせに配置され、底面部312aと、底面部312aから立ち上がる側壁部312bから形成されるため、骨片B2は幅広で薄形のものが使用できる。従って、骨片B2を保持する再建用器具300全体の厚みを、薄くすることができる。
なお、実施の形態1〜4では、連結部材120は、器具本体110,210,310の軸線L1から突出して、下顎骨B0の切除した部分の断面B3に挿入するようにして固定される。しかし、例えば、下顎骨B0のおもて面、または裏面にねじ止めするようにしてもよい。この場合、連結部材は、器具本体110,210,310の軸線L1から偏心した位置から突出させることが望ましい。
また、反対に、下顎骨B0側を突出させ、器具本体110,210,310の両側の端面に、下顎骨B0側の突出部を挿入させる凹部を形成して連結するようにしてもよい。
また、実施の形態1〜4では、再建用器具100〜300を下顎骨B0の骨欠損部位B1の再建に使用していたが、上肢、下肢などの他の骨の再建にも、骨片を骨膜が覆い、更に皮膚が覆って、骨片や器具本体を保護するため、使用することができる。
また、再建用器具100〜300の器具本体110,210,310を密閉された中空とすると、軽量化を図ることができる。
図3から図5では、器具本体110〜310にねじ穴113が形成され、骨片B2をねじS1にてねじ止めしていたが、器具本体110〜310から骨片B2を貫通するピンを突出させてもよい。
例えば、図6に示すように、器具本体210のそれぞれの凹部212には、ピン部213が立設されている。このピン部213は、骨片B2の配置方向F2と平行となるように突出しているため、無理なく、骨片B2をピン部213に貫通させた状態で、凹部212に配置することができる。ピン部213の先端部は、先割れしており、骨片B2を配置した状態で先端部を拡げて、骨片B2を係止している。
図2から図5では、器具本体110〜310に軸線L1から突出する連結部材120が形成されているが、骨欠損部位B1に固定するための連結部材が、器具本体110〜310の軸線方向の端面の端部から骨欠損部位B1の断面B3(図1参照)に向かって突出するように、器具本体110〜310から突出していてもよい。
例えば、図7に示す再建用器具102では、器具本体110の軸線方向F1における両方の端面115の端部116には、図1に示す骨欠損部位B1の断面B3に向かって突出する連結部材122が突出している。このように、連結部材122が硬質な骨の表層部分へ挿入され、ねじ止めされるため、再建用器具102が強固に骨欠損部位B1と連結することができる。
連結部材120および連結部材122は、器具本体110から突出しているが、反対に、骨欠損部位B1の断面B3から突出させた連結部材を、器具本体の穴に嵌め込みねじ止めするようにしてもよい。
また、実施の形態1〜4に係る再建用器具100〜300の器具本体110,210,310に、装着者を識別する識別情報が付与されていてもよい。例えば、この識別情報の付与は、レーザ照射による刻印や打刻によるものとすることができる。
この識別情報は、データベースに登録された個人情報と関連付けられていることで、個人を間接的に特定することができる。個人情報としては、氏名、住所、生年月日、性別、血液型、連絡先となる家族などとも関連付けることができる。連絡先となる家族に関する情報が関連付けられていると、装着者の身元がすぐに確認でき、家族にすぐに連絡を取ることができる。
識別情報は、例えば、英文字と数字、記号とを組み合わせたコードとすることができる。
このように、器具本体110,210,310に識別情報を付与することで、装着者(患者)が事故や被災等で亡くなったときに、識別情報により本人を特定することができる。
(実施の形態5)
本発明の実施の形態5に係る再建用器具の設計支援装置(以下、単に設計支援装置と称す。)を、図面に基づいて説明する。
図8に示す設計支援装置10は、再建用器具を治療対象骨の骨欠損部位に対応させて設計するためのものである。設計支援装置10には、CT撮像装置20が接続されている。
図9に示すように、設計支援装置10は、CT撮像装置20を制御して、患者の顎の状態を示す顎骨画像を撮像するものである。
設計支援装置10は、CT撮像装置20と通信可能に接続される通信部11と、CT撮像装置20から骨画像である顎骨画像を取り込むCT制御部12と、顎骨画像を操作する画像処理部13と、歯科医師または歯科技工士などの操作者が顎骨画像を操作するための操作部14と、顎骨画像を表示する表示部15と、顎骨画像を格納する記憶部16とを備えている。
CT制御部12は、CT撮像装置20の撮像条件の設定、撮像の開始および停止、顎骨画像を取り込み記憶部16へ格納するなどを制御することができる。
画像処理部13は、操作者が操作する操作部14に応じて、顎骨画像の一部を、切り取ったり、移動したり、複写したり、加工したりする編集処理を制御する機能を備えている。
操作部14は、CT撮像装置20の撮像条件を入力したり、顎骨画像の編集操作を入力したりするために、例えば、キーボードやマウス、ジョイスティック、ペンタブレットとすることができる。
表示部15は、LCDや有機ELパネルとすることができる。
記憶部16は、ハードディスクドライブやフラッシュメモリなどとすることができる。
以上のように構成された本発明の実施の形態5に係る設計支援装置10の動作および使用状態を図面に基づいて説明する。
まず、操作者は、操作部14を操作してCT撮像装置20に患者の治療対象骨となる下顎の撮像を指示する。この指示によりCT制御部12は、CT撮像装置20を制御して、顎骨画像を取り込み、記憶部16に格納する。
例えば、図10(A)に示す顎骨画像P1では、左下3番から5番までの間の下顎骨の体部に、腫瘍Tが認められたとする。
次に、操作者は、操作部14を操作して、腫瘍Tを含む切除範囲を切断線により指定することで、画像処理部13により、図10(B)に示すように額骨画像P1に切除範囲Sを示す切断線L1,L2が表示される。
画像処理部13は、正中線を中心とした左右対称となる顎骨画像P1において、切断線L1,L2によって示された切除範囲Sに対応する反対側の範囲を抽出し、この範囲を上下が同じで左右が反対となるように鏡面反転させて、図10(C)に示す基準用骨B4として、切除範囲Sに嵌め込む。
切除範囲Sと左右対称の位置となる範囲を基準用骨B4とすることで、腫瘍Tを切除して骨欠損部位となった範囲が再建したときの理想の形状を、基準用骨B4として抽出することができる。
操作者は、切除範囲Sに嵌め込まれた基準骨B4を参照して問題が無ければ、図10(D)に示す基準用骨B4を基本として、再建用器具における器具本体の形状や長さ、各部の厚み、各部の幅などを設計する。図10(E)に示す例では、図5(A)に示す再建用器具300を設計している。
そうすることで、基準用骨B4の形状に沿って再建用器具の設計ができるので、患者に最適な再建用器具を設計することができる。
本発明の再建用器具は、骨欠損部位の再建が必要な箇所に好適である。
100,101,102,200,300 再建用器具
110,210,310 器具本体
111 収容部
112,212,312 凹部
112a 縁部
113 ねじ穴
114 爪部
115 端面
120,122 連結部材
121 ねじ穴
213 ピン部
312a 底面部
312b 側壁部
B0 下顎骨
B1 骨欠損部位
B2 骨片
B3 断面
G 間隙
L1 軸線
F1 軸線方向
F2 配置方向
S1 ねじ
R1 紐状体
10 設計支援装置
11 通信部
12 CT制御部
13 画像処理部
14 操作部
15 表示部
16 記憶部
20 CT撮像装置
P1 顎骨画像
T 腫瘍
S 切除範囲
B4 基準用骨
C1,C2 切断線

Claims (8)

  1. 骨欠損部位の間隙を架橋する骨片を支持する器具本体と、前記器具本体の両端部に形成された前記骨欠損部位に固定するための連結部材とを備え、
    前記器具本体には、前記骨片により前記器具本体を囲うための収容部が、前記器具本体の軸線周りに形成された再建用器具。
  2. 前記収容部は、前記骨片を収容する凹部により形成された請求項1記載の再建用器具。
  3. 前記器具本体は、前記収容部が、前記器具本体の軸線周りに等間隔に形成されている請求項1または2記載の再建用器具。
  4. 前記連結部材は、前記骨欠損部位の間隙に向いた断面に挿入される請求項1から3のいずれかの項に記載の再建用器具。
  5. 前記器具本体は、オッセオインテグレーションを促すための表面処理が施されている請求項1から4のいずれかの項に記載の再建用器具。
  6. 前記器具本体に、装着者を識別するための識別情報が付与された請求項1から5のいずれかの項に記載の再建用器具。
  7. 前記請求項1から6のいずれかの項に記載の再建用器具を治療対象骨の骨欠損部位に対応させて設計するためのものであり、
    前記治療対象骨を撮像したCT撮像装置からの骨画像に基づいて、前記骨欠損部位の間隙に対応する前記再建用器具の形状を画像操作する画像処理部を備えた再建用器具の設計支援装置。
  8. 前記画像処理部は、前記骨画像に指定された骨欠損部位となる切除範囲と左右対称の位置となる範囲を、前記再建用器具を設計するための基本となる基準用骨として抽出する請求項7記載の再建用器具の設計支援装置。
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