JP2018009945A - センサ - Google Patents
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Abstract
【課題】励起光により蛍光を発生する蛍光部材を内部に収容する針部材の細径化をより容易に実現可能な構成を有するセンサを提供する。【解決手段】センサ1は、中空部5を区画する針部材2と、中空部に位置し、励起光によりアナライトの量に応じた蛍光を発生する蛍光部材3と、を備え、針部材は、蛍光部材に照射される励起光及び蛍光部材が発生する蛍光が中空部内を伝搬可能な中空光導管であり、針部材の周壁7には貫通孔8が形成されている。【選択図】図2
Description
本発明は、センサに関し、特に、励起光により蛍光を発生する蛍光部材を備えるセンサに関する。
患者などの被測定者の体内にセンサを挿入又は埋め込み、患者の血液又は体液中のアナライト(例えば、グルコースやpH、コレステロール、たんぱく質等)すなわち被計測物質を該センサによって検出することが行われている。
特許文献1には、側部に複数個の貫通孔が設けられた針部材としての針状の中空容器と、この中空容器内に挿入された担体筒と、この担体筒内に端部が挿入された光ファイバと、を備え、被検体内に留置されるバイオセンサが開示されている。このバイオセンサの光ファイバの端部には、蛍光色素であるルテニウム有機錯体の薄膜が被覆されており、このルテニウム有機錯体は、光源からの励起光により、アナライト濃度に応じた強度の蛍光を発生するものである。
ところで、針部材の挿入時や針部材を留置している間に患者などの被測定者が感じる痛みを軽減するため、被測定者に挿入される針部材については径を細くすることが求められているが、特許文献1に開示のセンサでは、蛍光部材としてのルテニウム有機錯体の薄膜が、光ファイバの外周面上に被覆される構成であるため、針部材としての中空容器を細径化することが難しいという問題がある。
そこで、本発明の目的は、上記問題に鑑み、励起光により蛍光を発生する蛍光部材を内部に収容する針部材の細径化をより容易に実現可能な構成を有するセンサを提供することである。
本発明の第1の態様としてのセンサは、中空部を区画する針部材と、前記中空部に位置し、励起光によりアナライトの量に応じた蛍光を発生する蛍光部材と、を備え、前記針部材は、前記蛍光部材に照射される前記励起光及び前記蛍光部材が発生する前記蛍光が前記中空部内を伝搬可能な中空光導管であり、前記針部材の周壁には貫通孔が形成されているものである。
本発明の1つの実施形態として、前記蛍光部材に対して前記針部材の先端側には蓋部が形成されていることが好ましい。
本発明の1つの実施形態として、前記蓋部は、前記針部材の先端部に形成されていることが好ましい。
本発明の1つの実施形態として、前記蓋部は、前記針部材の延在方向において前記蛍光部材と対向する位置に、前記励起光を反射する反射面を備えることが好ましい。
本発明の1つの実施形態として、前記反射面は、前記延在方向と略直交する平面であることが好ましい。
本発明の1つの実施形態として、前記蛍光部材は、前記貫通孔から前記中空部内に流入する前記アナライトを含む体液により膨潤し、前記周壁の内周面と周方向全域に亘って当接することが好ましい。
本発明の1つの実施形態として、前記蓋部は、前記針部材の周壁と一体で形成されていることが好ましい。
本発明の1つの実施形態として、前記針部材は、前記中空部を区画する筒状部材と、刃面を有し、前記筒状部材の一端に取り付けられた先端部材と、を備え、前記蓋部は、前記先端部材により構成されていることが好ましい。
本発明によれば、励起光により蛍光を発生する蛍光部材を内部に収容する針部材の細径化をより容易に実現可能な構成を有するセンサを提供することができる。
以下、本発明に係るセンサの実施形態について、図1〜図7を参照して説明する。なお、各図において共通の部材には、同一の符号を付している。
<第1実施形態>
図1は、本実施形態としてのセンサ1を含む計測装置50を示す図である。図1に示すように、計測装置50は、センサ1と、このセンサ1を支持するセンサ支持部材30と、このセンサ支持部材30に着脱可能な処理装置40と、を備えている。
図1は、本実施形態としてのセンサ1を含む計測装置50を示す図である。図1に示すように、計測装置50は、センサ1と、このセンサ1を支持するセンサ支持部材30と、このセンサ支持部材30に着脱可能な処理装置40と、を備えている。
図2は、センサ1の一部としてセンサ1の先端側部分を示す斜視図である。また、図3は、センサ1の先端側部分の断面図である。図2、図3に示すように、センサ1は、針部材2と、蛍光部材3と、を備えている。針部材2は、中空部5を区画する筒状の中空針であり、先端部に刃面10が形成されている。アナライトの検出部材としての蛍光部材3は、針部材2の中空部5に位置し、励起光R1(図1参照)によりアナライトの量に応じた蛍光R2(図1参照)を発生する。ここで、針部材2は、蛍光部材3に照射される励起光R1及び蛍光部材3が発生する蛍光R2が中空部5内を伝搬可能な中空光導管である。したがって、中空部5のうち、針部材2の延在方向Aにおいて蛍光部材3が位置する部分よりも基端側の位置では、延在方向Aの基端側から先端側に向かって処理装置40からの励起光R1が伝搬し、伝搬した励起光R1が蛍光部材3に照射されると共に、延在方向Aの先端側から基端側に向かって蛍光部材3が発生する蛍光R2が伝搬し、伝搬した蛍光R2が処理装置40により受光される。なお、図3に示す断面図は、針部材2の中心軸線を含み、針部材2の延在方向Aにおいて針部材2の刃面10の基端10aを通る平面での断面図である。
また、針部材2の周壁7には貫通孔8が形成されている。より具体的には、中空部5のうち蛍光部材3が収容されている部分を収容空間5aとした場合に、針部材2の周壁7のうち、収容空間5aを区画する部分7aに貫通孔8が形成されている。なお、本実施形態では、以下、説明の便宜上、針部材2の周壁7のうち収容空間5aを区画する部分7aを、「周囲壁部7a」と記載する。
センサ1は、針部材2の先端を生体表面SSから生体内へと穿刺することにより、生体内へと挿入される。そしてセンサ1は、蛍光部材3によるアナライトの検出が可能になるように、針部材2の先端を生体表面SSから所定深さまで挿入した状態で留置される。
センサ支持部材30は、扁平形状を有し、センサ1の針部材2の基端部が嵌着される貫通孔31を区画している。センサ支持部材30は、センサ1が生体内に留置された状態で生体表面SS上に留置されるものであり、厚み方向の一方の面(図1における下面)が、生体表面SSと当接する。なお、センサ支持部材30のうち生体表面SS側の面上に、粘着剤の塗布や粘着シート等の粘着部材の積層により粘着層を設け、センサ支持部材30を粘着層によって生体表面SSに貼り付けるようにしてもよい。
処理装置40は、蛍光部材3に照射する励起光R1を発生する発光部41と、この発光部41から発生した励起光R1を平行光線にするコリメータレンズ42と、このコリメータレンズ42を通過した励起光R1を集光する第1集光レンズ43と、この第1集光レンズ43により集光された励起光R1を針部材2の中空部5内に向かって反射する第1ミラー部材44と、アナライトの量に応じて発生した蛍光部材3の蛍光R2を受光する受光部45と、蛍光部材3が発生する蛍光R2を反射する第2ミラー部材46と、この第2ミラー部材46により反射された蛍光R2を受光部45に向かって集光する第2集光レンズ47と、受光部45から得られた信号を処理する処理部48と、を備えている。
なお、蛍光部材3が励起光R1により発生する蛍光R2は、針部材2の中空部5内を通じて処理装置40内へと導かれ、第1ミラー部材44によって反射された後、第1集光レンズ43、コリメータレンズ42を順に通過し、次いで第2ミラー部材46により反射される。第2ミラー部材46により反射された蛍光R2は、第2集光レンズ47により集光され、受光部45により受光される。本実施形態の第2ミラー部材46は、特定の波長の光を反射する一方でその他の波長の光を透過するダイクロイックミラーであり、蛍光R2を反射し、励起光R1を透過するように形成されている。したがって、図1に示すように、本実施形態の発光部41から発生する励起光R1は、第2ミラー部材46としてのダイクロイックミラーを透過してコリメータレンズ42へと到達する。
また、上述した処理装置40における発光部41は、発光素子としてレーザダイオードを備えており、このレーザダイオードが励起光R1を発生する。更に、上述した処理装置40における受光部45は受光素子としてフォトダイオードを備えており、フォトダイオードにより蛍光R2が受光される。また更に、処理装置40における処理部48は、CPU等の電子回路を備えている。なお、処理装置は、発光部、受光部、処理部、レンズ及びミラー部材により光学系が形成されているものであればよく、本実施形態で示す処理装置40の構成に限られるものではない。したがって、例えば、生体情報を記憶するメモリ、生体情報を外部装置に送信する送信部、生体情報を表示する表示モニタなど、を備える処理装置としてもよく、目的や使用用途に応じて適宜設計することができる。
ここで、処理装置40は、センサ支持部材30に対して着脱可能である。したがって、処理装置40は、例えば、センサ1を生体内に挿入し、留置した後で、生体表面SS上に留置されたセンサ支持部材30に対して装着することができる。処理装置40は、センサ支持部材30の貫通孔31に嵌着されている針部材2の基端側が発光部41や受光部45と共に光学系を形成するように、センサ支持部材30に対して装着される。
したがって、計測装置50では、以下の工程により体液中のアナライト量を計測することができる。まず、処理装置40の発光部41が発生する励起光R1を、処理装置40内の光学系により、中空光導管としての針部材2の中空部5内へと案内する。そして、中空部5内に案内された励起光R1は、中空部5内で周壁7の内面に反射しながら、延在方向Aの基端側から先端側に向かって伝搬し、伝搬した励起光R1が蛍光部材3に対して照射される。蛍光部材3は、励起光R1によってアナライトの量に応じた蛍光R2を発生する。この発生した蛍光R2は、中空部5を延在方向Aの先端側から基端側に向かって伝搬し、処理装置40まで案内される。そして蛍光R2は、処理装置40内の光学系を介して受光部45へと導かれ、処理部48は、受光部45により受光された蛍光R2に基づき、例えばアナライト濃度等のアナライト量を計測する。
以下、上述した計測装置50を構成する、本実施形態としてのセンサ1の詳細について説明する。
[針部材2]
図2、図3に示すように、針部材2は、先端部の先端面に刃面10が形成された略円筒状の金属製中空針であり、中空部5に蛍光部材3を収容している。蛍光部材3が収容された周囲壁部7aには、針部材2の外部と収容空間5aとを連通する貫通孔8が形成されている。そのため、アナライトを含む体液は、センサ1が生体内に留置された状態において、貫通孔8を通じて蛍光部材3が収容される収容空間5aへと流入することができる。
図2、図3に示すように、針部材2は、先端部の先端面に刃面10が形成された略円筒状の金属製中空針であり、中空部5に蛍光部材3を収容している。蛍光部材3が収容された周囲壁部7aには、針部材2の外部と収容空間5aとを連通する貫通孔8が形成されている。そのため、アナライトを含む体液は、センサ1が生体内に留置された状態において、貫通孔8を通じて蛍光部材3が収容される収容空間5aへと流入することができる。
ここで、本実施形態の針部材2では複数の貫通孔8が形成されているが、この構成に限られるものではなく、収容空間を区画する針部材の周囲壁部に少なくとも1つの貫通孔が形成されていればよい。但し、本実施形態のように、周囲壁部7aに複数の貫通孔8が形成された構成とすれば、1つの貫通孔のみが形成された構成と比較して、体液の収容空間5aへの流入及び収容空間5aからの流出を促進することができ、経時的なアナライト量の変化をより正確に計測することが可能となる。
また、本実施形態における貫通孔8は、針部材2の延在方向A及び周方向Bにおいて複数形成されているが、この構成に限られるものではなく、例えば、針部材の延在方向及び周方向のいずれかにおいてのみ貫通孔を複数形成する構成としてもよい。但し、本実施形態のように貫通孔8を延在方向A及び周方向Bそれぞれに複数配置する構成や、針部材の周面に沿って螺旋状に複数の貫通孔を配置する構成など、貫通孔を針部材の延在方向及び周方向において複数配置する構成とすれば、針部材の延在方向の位置及び周方向の位置に応じたアナライト量のばらつき等の影響を軽減することができる。
更に、本実施形態における貫通孔8は、図2に示すように楕円形状の孔であるが、貫通孔の断面形状は楕円形状に限られるものではなく、例えば、円形や多角形など、各種形状を採用することができる。
なお、本実施形態の収容空間5aは、周囲壁部7aの内周面により区画された空間であり、延在方向Aにおける針部材2の先端側は開放されている。そのため、本実施形態における収容空間5aは、貫通孔8に加えて、刃面10に区画された針部材2の先端開口9を通じて、針部材2の外部と連通している。
一方で、針部材2の周壁7うち、周囲壁部7aよりも延在方向Aの基端側の部分には、貫通孔8が形成されていない。また、周壁7の中空部5のうち収容空間5aよりも延在方向Aの基端側の部分は空洞であり、例えば光ファイバなどの部材は収容されていない。つまり、針部材2自体を、励起光R1及び蛍光R2が中空部5内を伝搬可能な中空光導管として利用するものである。そのため、中空部5のうち収容空間5aよりも延在方向Aの基端側の部分を区画する周壁7の内面には、励起光R1及び蛍光R2の反射率を高めるため、鏡面仕上げが施される。鏡面仕上げが施される内面とは、鏡面反射率が80%以上の内面を意味しており、鏡面反射率を90%以上とすることが好ましく、95%以上とすることが特に好ましい。なお、「鏡面反射率」とは、鏡面反射において反射放射束(又は、反射光束)の、入射放射束(又は、入射光束)に対する比を意味する。
このように、針部材2自体を中空光導管として利用する構成とすれば、針部材の内部に光ファイバなどの中実光導管を配置する構成と比較して、内部の中実光導管を考慮せずに針部材2の外径や内径を設定することができるため、例えば、針部材2をより細径化した構成を実現することができる。具体的には、例えば、ISO9626により規定される30ゲージ(外径0.31mm)〜33ゲージ(外径0.21mm)の針部材2や、33ゲージ(外径0.21mm)よりも細径の、B.W.G.規格に準拠する34ゲージ(外径0.18mm)や、35ゲージ(外径0.12mm)や、36ゲージ(外径0.1mm)などの針部材2とすることができる。このように、針部材2の外径を小さくすることができれば、人体に対する侵襲性の低下を実現することができる。
なお、針部材の内部に中実光導管として配置される光ファイバの径は、通常、0.125mm〜1mm程度である。そのため、針部材の内部に中実光導管として光ファイバを配置する構成の場合には、上述したB.W.G.規格に準拠する35ゲージ(外径0.12mm)や36ゲージ(外径0.1mm)の針部材を実現することは難しい。
また、針部材2自体を中空光導管として利用する構成とすれば、針部材の内部に光ファイバなどの中実光導管を配置する構成と比較して、蛍光部材3を保持できる中空部5内の体積をより大きく確保することができる。センサ1により得られる信号強度は、蛍光部材3の保持量に比例するため、蛍光部材3の保持量を大きくすれば、より正確なアナライト量を計測することができる。
更に、針部材の内部に光ファイバなどの中実光導管を配置する構成の場合には、大量生産等を考慮すると、針部材の中心軸線方向と、この針部材の内部に位置する光ファイバなどの中実光導管の中心軸線方向と、が完全には一致しない可能性、すなわち、光ファイバなどの中実光導管が針部材内で斜めに延在した状態となる可能性がある。針部材の内部に光ファイバなどの中実光導管を配置する構成の場合は、針部材の内径よりも更に細い外径を有する光ファイバなどの中実光導管に集光する必要があるため、上述の大量生産等に起因する構成のばらつきはセンサの検出精度に影響し得る。これに対して、針部材2自体を中空光導管として利用する構成とすれば、より簡素化され、上述の大量生産等に起因する構成のばらつきを抑制することができる。その結果、センサ1の検出精度をより均一化することができる。
なお、上述した鏡面反射率が80%以上となる針部材2の内面は、例えば、高反射材料を用いることにより実現し易い。高反射材料としては、例えば、可視光での鏡面反射率が大きいアルミニウム、銀、金などが挙げられる。したがって、例えば、針部材2自体をアルミニウム、銀、金のいずれかにより形成することにより、上述した鏡面反射率の高い内面を実現してもよい。また、円筒状に加工する前の薄板状の基材の表面に、蒸着法、スパッタリング法、無電解メッキや電解メッキ等の薄膜形成法などにより銀又は金のコーティングを施し、その後、銀又は金のコーティング面が内面となるようにプレス加工等により円筒状に加工して針部材2を形成し、上述した鏡面反射率の高い内面を実現してもよい。この他に、円筒状の基材に硝酸銀溶液を流し込んだ後で還元液を流し込み、内面に銀をコーティングする銀鏡加工を用いてもよい。なお、コーティングを施す前の板状の基材や円筒状の基材は、ステンレス鋼、アルミニウムまたはアルミニウム合金、チタンまたはチタン合金等の金属材料とすることができる。
更に、上述した鏡面反射率が80%以上となる針部材2の内面は、アルミニウム、銀、金などの高反射材料を使用した上で、表面粗さを小さくすることにより、より実現し易くなる。具体的には、内面の表面粗さを、JIS−B−0601−2013における算術平均粗さRaで数十μm以下とする。但し、鏡面反射率を高めるために、JIS−B−0601−2013における算術平均粗さRaを、10μm以下とすることが好ましく、1μm以下とすることがより好ましく、数百nm以下とすることが更に好ましく、100nm以下とすることがより一層好ましく、10nm以下とすることが最も好ましい。なお、高反射材料の中でも可視領域における鏡面反射率が優れる銀を用いる場合には、例えば、算術平均粗さRaを数十μm以下とすること、より好ましくは10μm以下とすることにより、鏡面反射率80%以上を実現し易い。また、銀を用いる場合には、算術平均粗さRaを10μm以下、より好ましくは1μm以下、更に好ましくは数百nm以下とすることにより、鏡面反射率90%以上を実現し易い。別の一例として、アルミニウムを用いる場合には、例えば、算術平均粗さRaを数百nm以下、より好ましくは100nm以下とすることにより、鏡面反射率80%以上を実現し易い。また、アルミニウムを用いる場合には、算術平均粗さRaを100nm以下、より好ましくは10nm以下とすることにより、鏡面反射率90%以上を実現し易い。
このように、針部材2の内面の鏡面反射率を80%以上とすることにより、発光部41から蛍光部材3への励起光R1および蛍光部材3から受光部45への測定光(蛍光部材3の蛍光R2)それぞれの伝達効率を向上させることができる。また更に、後述するように収容空間5aで膨潤した蛍光部材3(図2、図3参照)は、周壁7の周囲壁部7aの内面と周方向B全域に亘って当接している。蛍光部材3と周囲壁部7aの内面との間に間隙があると、励起光R1及び測定光(蛍光部材3の蛍光R2)の一部が、この間隙を通じて外部に放出されて無駄になってしまう。そのため、収容空間5aで膨潤した蛍光部材3が周囲壁部7aの内面に周方向B全域に亘って密着する構成とすれば、上述した励起光R1及び測定光(蛍光部材3の蛍光R2)のロスを低減することができる。換言すれば、励起光R1の蛍光部材3への照射効率、及び、測定光としての蛍光R2の受光部45による受光効率を向上させることができる。
また、本実施形態の針部材2の刃面10は、針部材2の延在方向Aに対して所定の角度をなして傾斜した一平面内に含まれる1つの傾斜面により構成されているが、この刃面形状に限られるものではなく、例えば、針部材の延在方向に対して異なる角度で傾斜した複数の傾斜面により刃面を構成することも可能である。
[蛍光部材3]
蛍光部材3は、針部材2の収容空間5aに収容されている。具体的に、本実施形態の収容空間5aは、図2、図3に示すように針部材2の先端部に区画されており、蛍光部材3は、延在方向Aにおいて針部材2の先端面である刃面の近傍に位置している。したがって、蛍光部材3が針部材2のより基端側の位置に収容されている構成と比較して、蛍光部材3によるアナライト量の検出のために生体内へ挿入される針部材2の挿入深さを低減することができ、患者等の被測定者の感じる痛みを軽減することができる。
蛍光部材3は、針部材2の収容空間5aに収容されている。具体的に、本実施形態の収容空間5aは、図2、図3に示すように針部材2の先端部に区画されており、蛍光部材3は、延在方向Aにおいて針部材2の先端面である刃面の近傍に位置している。したがって、蛍光部材3が針部材2のより基端側の位置に収容されている構成と比較して、蛍光部材3によるアナライト量の検出のために生体内へ挿入される針部材2の挿入深さを低減することができ、患者等の被測定者の感じる痛みを軽減することができる。
蛍光部材3は、ゲル状の蛍光ゲルとすることができ、例えば、含水し易いハイドロゲルをベース材料として、ハイドロゲル内に蛍光色素を包含または結合させることにより構成される。ハイドロゲルの成分としてはメチルセルロースもしくはデキストランなどの多糖類、(メタ)アクリルアミド、メチロールアクリルアミド、もしくはヒドロキシエチルアクリレート等のモノマーを重合して作製するアクリル系ハイドロゲル、またはポリエチレングリコールとジイソシアネートから作製するウレタン系ハイドロゲルなどを用いることができ、上記で例示したものに加えて、例えば、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリヒドロキシアルカノエート、ポリ‐(ヒドロキシエチルメタクリレート)、ポリ‐(ヒドロキシエチルアクリレート)、ポリビニルピロリドン、ポリ‐(エチレン‐コ‐ビニルアルコール)、ポリ‐(酢酸ビニル‐コ‐ビニルアルコール)、ポリ(エチレン‐コ‐酢酸ビニル‐コ‐ビニルアルコール)、ポリ(エチレングリコール‐コ‐プロピレングリコール)などを用いることもできる。
蛍光色素は、アナライトの種類に応じて選択され、アナライトの量に応じて発生する蛍光の光量が可逆的に変化する蛍光色素ならば、どのようなものでも使用できる。例えば生体内の水素イオン濃度または二酸化炭素を測定する場合には、ヒドロキシピレントリスルホン酸誘導体、糖類を測定する場合には蛍光残基を有するフェニルボロン酸誘導体、カリウムイオンを測定する場合には蛍光残基を有するクラウンエーテル誘導体などを用いることができる。
そして、グルコースのような糖類を測定する場合には、蛍光色素として、ルテニウム有機錯体、蛍光フェニルボロン酸誘導体、または蛋白と結合したフルオレセイン等のグルコースと可逆結合する物質を用いることができる。また、ルテニウム有機錯体のルテニウムに代えてオスミウム、イリジウム、ロジウム、レニウムおよびクロム等の有機錯体を用いることができる。なお、蛍光フェニルボロン酸誘導体としては、特に2つのフェニルボロン酸と蛍光残基としてアントラセンを含む化合物が、検出感度が高い。この他に、適切な検出技術として、蛍光共鳴エネルギー移動(フェルスター共鳴エネルギー移動、FRET)、蛍光エネルギー移動、蛍光偏光、蛍光消光、リン光、ルミネセンス増強、ルミネセンス消光があげられる。特に、供与体(D)−受容体(A)のエネルギー移動を利用したFRETを適用した発光法が好ましく、グルコースを検出する場合は、供与体(D)を結合させたレクチン(ConA)と受容体(A)を結合させたアナライト類縁体(デキストラン)が用いられる。
以上の説明のように、センサ1は、蛍光色素の選択によって、酸素センサ、グルコースセンサ、pHセンサ、免疫センサ、または微生物センサなど、多様な用途に対応している。
なお、図2、図3では、ハイドロゲルをベース材料とした蛍光部材3が、針部材2の貫通孔8を通じて収容空間5a内に流入した体液等の液体によって含水状態となった状態を示している。ここで、ハイドロゲルをベース材料とした蛍光部材3は、含水状態が維持されると特性が経時変化してしまうことがある。したがって、蛍光部材3は、使用前の劣化を抑制するため、使用前は乾燥状態とし、使用開始時に含水状態とすることが好ましい。すなわち、蛍光部材3は、使用開始時に生体内に挿入されると、貫通孔8から収容空間5a内に流入するアナライトを含む体液を吸収して膨潤する。
図2、図3では、含水状態にある蛍光部材3が、体液等の液体により収容空間5aにおいて膨潤し、周囲壁部7aの内周面と当接及び周囲壁部7aの内周面を押圧した状態となっている。つまり、蛍光部材3は、周囲壁部7aの内周面と密着した状態となっている。これにより、針部材2の中空部5の基端側を伝搬する励起光R1が、周囲壁部7aの内周面と蛍光部材3の外面との間から延在方向Aの針部材2の先端側に漏れ出てしまうことを抑制することができる。なお、図3や、後に説明する図4、図5、図6(a)及び図7では、説明の便宜上、含水状態にある蛍光部材3、3´及び3´´と、針部材2、102及び202の内周面との間に隙間があるように描かれているが、実際は、含水状態にある蛍光部材3、3´及び3´´は、針部材2、102及び202の内周面に当接している。
また、図2、図3に示すように、本実施形態における含水状態にある蛍光部材3は、針部材2の延在方向Aにおいて、針部材2の刃面10が形成された部分よりも基端側の位置に収容されており、延在方向Aにおいて刃面10が形成された部分には位置していないが、この構成に限られるものではない。図4は、本実施形態における蛍光部材3の変形例を示す図であり、図4に示すように、含水状態とした蛍光部材3´が、針部材2の延在方向Aにおいて、針部材2の刃面10が形成された部分まで位置する構成としてもよい。なお、図4に示す蛍光部材3´は、針部材2の刃面10が区画する先端開口9の位置まで満たされている。
このように、蛍光部材の延在方向Aにおける長さを長くすることにより、励起光R1が蛍光部材を透過し、無駄になってしまうことを抑制可能である。
更に、図5に示すように、含水状態とした蛍光部材3´´が、針部材2の延在方向Aにおける中空部5の略全域に亘って一様に満たされている構成としてもよい。このような構成とすれば、蛍光部材3´´の保持量を大きくすることができるため、上述したように、センサ1により得られる信号強度を強めることができ、より正確なアナライト量を計測することが可能となる。また、図5に示す例では、収容空間5a´´の延在方向Aの長さが、図2及び図3に示す収容空間5aよりも長くなり、その長さに亘って複数の貫通孔8が設けられている。図2及び図3に示すような針部材2の先端部のみに蛍光部材3が配置される構成の場合、針部材2の挿入深さを、アナライト量を検出可能な皮下深さに蛍光部材3の収容空間5aが位置するように調整する必要があるが、図5に示す構成によれば、収容空間5a´´の延在方向Aにおける長さが長くなるため、蛍光部材3´´の収容空間5a´´の位置を、アナライト量を検出可能な皮下深さに合わせることが容易となる。したがって、図2及び図3に示すような針部材2の先端部のみに蛍光部材3が配置される構成と比較して、針部材2の挿入深さに応じたアナライト量の検出精度のばらつきを抑制することができる。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態としてのセンサ101について説明する。図6(a)は、センサ101の先端側部分の断面図である。図6(b)は、センサ101を先端側から見た図である。図6(a)、図6(b)に示すように、本実施形態としてのセンサ101は、上述した第1実施形態としてのセンサ1と比較して、主に、蛍光部材3が収容される収容空間105aに対して針部材102の先端側に蓋部61が形成されている点で構成が相違している。したがって、ここでは、主に、センサ101のうちセンサ1と相違する構成について説明する。
次に、本発明の第2実施形態としてのセンサ101について説明する。図6(a)は、センサ101の先端側部分の断面図である。図6(b)は、センサ101を先端側から見た図である。図6(a)、図6(b)に示すように、本実施形態としてのセンサ101は、上述した第1実施形態としてのセンサ1と比較して、主に、蛍光部材3が収容される収容空間105aに対して針部材102の先端側に蓋部61が形成されている点で構成が相違している。したがって、ここでは、主に、センサ101のうちセンサ1と相違する構成について説明する。
本実施形態の蓋部61は、針部材102の周壁107と一体で形成されている。より具体的に、本実施形態の蓋部61は、針部材102の周壁107のうち、収容空間105aを区画する周囲壁部107aの針部材102の先端側の一端と連続して形成されており、この蓋部61によって、収容空間105aのうち針部材102の先端側が閉鎖されている。つまり、収容空間105aに位置する蛍光部材3は、針部材102の延在方向Aにおいて、蓋部61の基端側の面62(以下、「基端側面62」と記載する。)よりも基端側に位置し、例えば乾燥して収縮状態にある蛍光部材3は、蓋部61の存在により、針部材102の先端から抜け落ちないようになっている。
更に、本実施形態の蓋部61は、針部材102の先端部に形成されている。より具体的に、本実施形態の蓋部61は、周囲壁部107aの針部材102の先端側の一端を構成する刃面110の基端110aから折り曲げられて形成されている。つまり、本実施形態の蓋部61は、刃面110の基端110aに連続して突設された円形板状の突出部を、収容空間105aを閉鎖するように針部材102の内方に向かって折り曲げることにより形成されている。このような蓋部61を備えることにより、蛍光部材3から発生した測定光としての蛍光R2がセンサ101外へと漏出することを抑制することができる。
また、本実施形態の蓋部61は、延在方向Aにおいて蛍光部材3と対向する位置に反射面を備えている。本実施形態の反射面は、蓋部61の基端側面62である。蓋部61が反射面を備えることにより、励起光R1の一部が蛍光部材3を透過した場合であっても、この透過した励起光R1を反射面により反射させて、蛍光部材3に再び照射することが可能となる。また、蛍光部材3から発生した蛍光R2が、延在方向Aの先端側に向かって進行した場合であっても、反射面で反射することにより、延在方向Aの先端側から基端側に伝搬する蛍光R2へと進行方向を変えることができる。つまり、蓋部61が反射面を備える構成とすれば、蛍光部材3を透過した励起光R1や蛍光部材3から発生する蛍光R2が無駄になることを抑制することができ、励起光R1の蛍光部材3への照射効率、及び、測定光としての蛍光R2の受光部45による受光効率を向上させることができる。なお、ここでいう反射面とは、鏡面仕上げが施される面を意味しており、鏡面反射率が80%以上の面を意味している。但し、反射面としては、鏡面反射率を90%以上とすることが好ましく、95%以上とすることが特に好ましい。
更に、本実施形態の反射面としての基端側面62は、針部材102の延在方向Aと略直交する平面である。反射面としての基端側面62をこのような平面とすることにより、針部材102の先端側に向かって蛍光部材3を透過した励起光R1が、基端側面62によって、針部材102の基端側に向かって反射され易くなる。そのため、基端側面62で反射した励起光R1の蛍光部材3への照射効率を向上させることができる。
より具体的に、本実施形態では、図6(a)に示すように、蓋部61の反射面としての基端側面62、蛍光部材3の基端側の面、及び蛍光部材3の先端側の面がいずれも、針部材102の延在方向Aと略直交する平面により構成されている。そのため、収容空間105a内を進行する励起光R1の進行方向が、針部材102の延在方向Aに沿う方向に向き易くなる。その結果、蛍光部材3に対して励起光R1を効率良く照射することができる。
また更に、図6(a)に示すように、本実施形態の蓋部61の基端側面62は、収容空間105aにおいて含水状態にある蛍光部材3(図6(a)に示す状態)と当接している。このように、基端側面62と蛍光部材3との間に空隙や別部材が介在しない構成とすれば、基端側面62において反射された励起光をより確実に蛍光部材3に照射することができ、基端側面62で反射した励起光R1の蛍光部材3への照射効率をより向上させることができる。
なお、図6(b)に示すように、本実施形態の蓋部61は、収容空間105aのうち針部材102の先端側を閉鎖する構成であるが、これに限られるものではなく、例えば、図6(b)と同じ平面視において、収容空間の一部のみを覆う蓋部とし、収容空間のうち針部材の先端側を一部開放するような構成としてもよい。但し、上述したように、蓋部の反射面による励起光R1および蛍光R2の反射を考慮すると、本実施形態のように、収容空間105aのうち針部材102の先端側を閉鎖する構成とすることが好ましい。なお、図6(b)では、説明の便宜上、針部材102と蓋部61との間に、針部材102の周方向Bに沿う間隙を描いているが、図6(b)の平面視において、針部材102の内縁と蓋部61の外縁とは当接した構成となっている。
ここで、上述した鏡面反射率が80%以上となる反射面としての基端側面62は、鏡面反射率が80%以上となる針部材102の内面と一体で形成されており、針部材102の内面と同一の材料及び同一の表面粗さにより構成されている。針部材102の内面の材料や表面粗さは、上述した第1実施形態の針部材2の内面と同様であるため、ここでは説明を省略する。但し、反射面としての基端側面62における、JIS−B−0601−2013による表面粗さの最大高さ粗さRzは、6.3μm以下、好ましくは3μm以下、より好ましくは2μm以下とする。
<第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態としてのセンサ201について説明する。図7は、センサ201の先端側部分の断面図である。図7に示すように、本実施形態としてのセンサ201は、上述した第1実施形態としてのセンサ1と比較して、主に、針部材202が複数部材により構成されている点、及び、蛍光部材3が収容される収容空間205aに対して針部材202の先端側に蓋部71が形成されている点で相違している。したがって、ここでは、主に、センサ201のうちセンサ1と相違する構成について説明する。
次に、本発明の第3実施形態としてのセンサ201について説明する。図7は、センサ201の先端側部分の断面図である。図7に示すように、本実施形態としてのセンサ201は、上述した第1実施形態としてのセンサ1と比較して、主に、針部材202が複数部材により構成されている点、及び、蛍光部材3が収容される収容空間205aに対して針部材202の先端側に蓋部71が形成されている点で相違している。したがって、ここでは、主に、センサ201のうちセンサ1と相違する構成について説明する。
本実施形態の針部材202は、中空部205を区画する筒状部材72と、刃面210を有し、筒状部材72の一端に取り付けられた先端部材73と、を備えており、蓋部71は、先端部材73により構成されている。
筒状部材72の中空部205には蛍光部材3が位置しており、蛍光部材3の周囲に貫通孔208が形成されている。より具体的に、筒状部材72の中空部205のうち、先端部材73が取り付けられる一端側(先端側)に蛍光部材3が収容されており、他端側(基端側)は空洞となっている。換言すれば、筒状部材72の周壁207のうち先端側の部分である周囲壁部207aが、蛍光部材3を収容する収容空間205aを区画しており、この周囲壁部207aに複数の貫通孔208が形成されている。
先端部材73は、筒状部材72の周囲壁部207aと共に、針部材202の先端部を構成している。先端部材73は、筒状部材72の先端に、筒状部材72が区画する中空部205の一端側を閉塞するように、圧入やスポット溶接等によって取り付けられ、筒状部材72に対して固定されている。
より具体的に、本実施形態の先端部材73は中実部材であり、針部材202の延在方向Aにおいて、刃面210が形成された領域である刃面部74と、この刃面部74に対して針部材202の基端側に連続して形成された円柱状の接続部75と、を備えている。
図7に示すように、接続部75は、筒状部材72の先端側開口から圧入等され、接続部75の外周面と筒状部材72の内周面とが当接した状態で、筒状部材72に嵌合している。なお、刃面部74の基端における外径と、筒状部材72の先端における外径とは略等しい。そのため、先端部材73の接続部75が筒状部材72に嵌合した状態(図7参照)では、筒状部材72の外周面と、先端部材73の刃面部74の外周面とが、段差なく面一に連続する。これにより、筒状部材の先端の外径が刃面部の基端における外径より大きいことによって段差が形成された構成と比較して、針部材202を生体内に挿入する際の筒状部材72及び先端部材73の接続位置における挿入抵抗を低減することができる。更に、筒状部材の先端の外径が刃面部の基端における外径より小さいことによって段差が形成される構成と比較して、針部材202を生体内から抜去する際の筒状部材72及び先端部材73の接続位置における抜去抵抗についても低減することができる。
また、刃面部74に形成される刃面210については、針部材202の延在方向Aに対して傾斜した一平面により構成された傾斜面としてもよく、針部材202の延在方向Aに対して異なる角度で傾斜した複数の傾斜面を連続させたものであってもよい。
ここで、本実施形態の蓋部71は、針部材202の先端部に形成されている。具体的に、本実施形態の蓋部71は、針部材202の先端部の一部である先端部材73により構成されている。より具体的に、本実施形態の蓋部71は、先端部材73の接続部75により構成されている。したがって、蛍光部材3を収容する収容空間205aは、筒状部材72の周囲壁部207aの内面、及び先端部材73の接続部75の基端側の面76(以下、単に「基端側面76」と記載する。)により区画されている。換言すれば、収容空間205aのうち針部材202の先端側は、蓋部71としての先端部材73によって閉鎖されている。そのため、収容空間205aに位置し、例えば乾燥して収縮状態にある蛍光部材3は、先端部材73の存在により、筒状部材72の先端開口から抜け落ちることが防止される。
また、本実施形態の蓋部71を構成する先端部材73は、延在方向Aにおいて蛍光部材3と対向する位置に反射面を備えている。本実施形態の反射面は、先端部材73における基端側面76である。蓋部71が反射面を備えることにより、励起光R1の一部が蛍光部材3を透過した場合であっても、この透過した励起光R1を反射面により反射させて、蛍光部材3に再び照射することが可能となる。また、蛍光部材3から発生した蛍光R2が、延在方向Aの先端側に向かって進行した場合であっても、反射面で反射することにより、延在方向Aの先端側から基端側に伝搬する蛍光R2へと進行方向を変えることができる。つまり、蓋部71が反射面を備える構成とすれば、蛍光部材3を透過した励起光R1や蛍光部材3から発生した蛍光R2が無駄になることを抑制することができ、励起光R1の蛍光部材3への照射効率、及び、測定光としての蛍光R2の受光部45による受光効率を向上させることができる。なお、ここでいう反射面とは、上述した第2実施形態と同様、鏡面仕上げが施される面を意味しており、鏡面反射率が80%以上の面を意味している。また、上述した第2実施形態と同様、反射面としての基端側面76における、JIS−B−0601−2013による表面粗さの最大高さ粗さRzは、6.3μm以下、好ましくは3μm以下、より好ましくは2μm以下とする。
但し、先端部材73の反射面としての基端側面76を、筒状部材72の周壁207の内面と異なる材料や、異なる表面粗さにより形成し、鏡面反射率を80%以上としつつも、筒状部材72の周壁207の内面とは異なる鏡面反射率を有する構成としてもよい。
更に、本実施形態の基端側面76は、針部材202の延在方向Aと略直交する平面である。反射面としての基端側面76をこのような平面とすることにより、針部材202の先端側に向かって蛍光部材3を透過した励起光R1が、基端側面76によって、針部材202の基端側に向かって反射され易くなる。そのため、基端側面76で反射した励起光R1の蛍光部材3への照射効率を向上させることができる。
より具体的に、本実施形態では、図7に示すように、蓋部71の反射面(本実施形態では先端部材73の基端側面76)、蛍光部材3の基端側の面、及び蛍光部材3の先端側の面がいずれも、針部材202の延在方向Aと略直交する平面により構成されている。そのため、収容空間205a内を進行する励起光R1の進行方向が、針部材202の延在方向Aに沿う方向に向き易くなる。その結果、蛍光部材3に対して励起光R1を効率良く照射することができる。
また更に、図7に示すように、蓋部71の反射面(本実施形態では先端部材73の基端側面76)は、収容空間205aにおいて含水状態にある蛍光部材3(図7に示す状態)と当接している。このように、蓋部71の反射面と蛍光部材3との間に空隙や別部材が介在しない構成とすれば、蓋部71の反射面において反射された励起光R1をより確実に蛍光部材3に照射することができ、蓋部71の反射面で反射した励起光R1の蛍光部材3への照射効率をより向上させることができる。
なお、図7に示すように、本実施形態の蓋部71を構成する先端部材73は、中実部材であり、収容空間205aのうち針部材202の先端側を閉鎖する構成であるが、これに限られるものではなく、例えば、先端部材が、収容空間と外方とを連通する細い貫通孔を有する構成とすることもできる。但し、上述したように、蓋部の反射面による励起光の反射を考慮すると、本実施形態の先端部材73のように、収容空間205aのうち針部材202の先端側を閉鎖する構成とすることが好ましい。
このように、本実施形態の蓋部71は、蛍光部材3が内部に位置する針部材202の筒状部材72とは別の部材である、刃面210を含む先端部材73により構成されている。このような構成することにより、刃面210を所望の形状に形成し易く、成形品の刃面210の形状のばらつきを抑制することができる。
最後に、上述した第1〜第3実施形態としてのセンサ1、101及び201の製造方法の例について説明する。
上述した第1実施形態のセンサ1は、針部材2の先端開口9から蛍光部材3を中空部5の収容空間5a内に供給する工程、を含む方法により製造可能である。また、蛍光部材3が例えば紫外線硬化型の蛍光ゲルの場合、上記製法は、含水状態にある蛍光部材3を針部材2の先端開口9から押し込んで供給した後に蛍光部材3に対して光を照射し、蛍光部材3を硬化させる工程と、この硬化させた蛍光部材3を乾燥させる工程と、を更に含む。上述したセンサ1は、これら工程を含む製法により製造可能である。
なお、蛍光部材3が蛍光ゲルの場合には、含水状態にある蛍光部材3を収容空間5a内に供給する工程の際に、蛍光部材3の一部が貫通孔8を通じて外方に漏出する場合があるため、上述した工程に加えて、貫通孔8を通じて針部材2の外方に漏出した蛍光部材3を除去する工程を更に含むようにしてもよい。
上述した第3実施形態のセンサ201は、筒状部材72の先端開口から蛍光部材3を中空部205の収容空間205a内に供給する工程と、筒状部材72の先端に先端部材73を取り付ける工程と、を含む方法により製造可能である。また、蛍光部材3が例えば紫外線硬化型の蛍光ゲルの場合、上記製法は、蛍光部材3に対して光を照射し、蛍光部材3を硬化させる工程と、この硬化させた蛍光部材3を乾燥させる工程と、を更に含む。また更に、蛍光部材3が蛍光ゲルの場合には、上述したセンサ1の製法と同様、貫通孔208を通じて針部材202の筒状部材72の外方に漏出した蛍光部材3を除去する工程を更に含むようにしてもよい。センサ201は、これら工程を含む製法により製造可能である。
上述した第2実施形態のセンサ101は、貫通孔108を打ち抜き、長軸方向に貫通する中空部を有する筒体および蓋部の展開形状をなした板状体を形成する工程と、この板状体をプレス加工し、筒体および蓋部を形成する工程と、筒体及び蓋部の接合部を溶接して針部材102を形成する工程と、針部材102の基端側から蛍光部材3を挿入し、収容空間105aまで供給する工程と、を含む方法により製造可能である。このとき、貫通孔108は、蛍光部材3を充填する際の空気抜きの役割を担うことができる。なお、第2実施形態の針部材102は、上述したように筒体及び蓋部の接合部を溶接する工程を経て形成されているが、これに限られるものではなく、接合部を溶接する工程を経ずに針部材102を形成することも可能である。
なお、上述したセンサ1、101及び201の製造方法の例には、針部材の内面に鏡面仕上げを施す工程を記載していないが、上述したような各種方法を用いることにより、センサにおける針部材の製造工程において、高反射材料によるコーティングを行うことが可能である。
本発明に係るセンサは、上述した第1〜第3実施形態の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲で記載された発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の変更を行うことが可能である。
本発明は、センサに関し、特に、励起光により蛍光を発生する蛍光部材を備えるセンサに関する。
1、101、201:センサ
2、102、202:針部材
3、3´、3´´:蛍光部材
5、105、205:中空部
5a、5a´´、105a、205a:収容空間
7、107、207:周壁
7a、107a、207a:周囲壁部
8、108、208:貫通孔
9:針部材の先端開口
10、110、210:刃面
10a、110a:刃面の基端
30:センサ支持部材
31:貫通孔
40:処理装置
41:発光部
42:コリメータレンズ
43:第1集光レンズ
44:第1ミラー部材
45:受光部
46:第2ミラー部材
47:第2集光レンズ
48:処理部
50:計測装置
61:蓋部
62:蓋部の基端側面(反射面)
71:蓋部
72:筒状部材
73:先端部材
74:刃面部
75:接続部
76:接続部の基端側面(反射面)
A:針部材の延在方向
B:針部材の周方向
R1:励起光
R2:蛍光
2、102、202:針部材
3、3´、3´´:蛍光部材
5、105、205:中空部
5a、5a´´、105a、205a:収容空間
7、107、207:周壁
7a、107a、207a:周囲壁部
8、108、208:貫通孔
9:針部材の先端開口
10、110、210:刃面
10a、110a:刃面の基端
30:センサ支持部材
31:貫通孔
40:処理装置
41:発光部
42:コリメータレンズ
43:第1集光レンズ
44:第1ミラー部材
45:受光部
46:第2ミラー部材
47:第2集光レンズ
48:処理部
50:計測装置
61:蓋部
62:蓋部の基端側面(反射面)
71:蓋部
72:筒状部材
73:先端部材
74:刃面部
75:接続部
76:接続部の基端側面(反射面)
A:針部材の延在方向
B:針部材の周方向
R1:励起光
R2:蛍光
Claims (8)
- 中空部を区画する針部材と、
前記中空部に位置し、励起光によりアナライトの量に応じた蛍光を発生する蛍光部材と、を備え、
前記針部材は、前記蛍光部材に照射される前記励起光及び前記蛍光部材が発生する前記蛍光が前記中空部内を伝搬可能な中空光導管であり、
前記針部材の周壁には貫通孔が形成されていることを特徴とするセンサ。 - 前記蛍光部材に対して前記針部材の先端側には蓋部が形成されていることを特徴とする、請求項1に記載のセンサ。
- 前記蓋部は、前記針部材の先端部に形成されていることを特徴とする、請求項2に記載のセンサ。
- 前記蓋部は、前記針部材の延在方向において前記蛍光部材と対向する位置に、前記励起光を反射する反射面を備えることを特徴とする、請求項2又は3に記載のセンサ。
- 前記反射面は、前記延在方向と略直交する平面であることを特徴とする、請求項4に記載のセンサ。
- 前記蛍光部材は、前記貫通孔から前記中空部内に流入する前記アナライトを含む体液により膨潤し、前記周壁の内周面と周方向全域に亘って当接することを特徴とする、請求項4又は5に記載のセンサ。
- 前記蓋部は、前記針部材の周壁と一体で形成されていることを特徴とする、請求項2乃至6のいずれか1つに記載のセンサ。
- 前記針部材は、前記中空部を区画する筒状部材と、刃面を有し、前記筒状部材の一端に取り付けられた先端部材と、を備え、
前記蓋部は、前記先端部材により構成されていることを特徴とする、請求項2乃至6のいずれか1つに記載のセンサ。
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