JP2018009524A - Control device for internal combustion engine - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、内燃機関の制御装置に関する。 The present invention relates to a control device for an internal combustion engine.
内燃機関の気筒内の圧力を検出する筒内圧センサを備え、所定クランク角度における筒内圧の全気筒平均値と、所定クランク角度における各気筒の筒内圧と、を比較して、気筒毎の圧縮比のばらつきを検出する技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。 An in-cylinder pressure sensor that detects the pressure in the cylinder of the internal combustion engine, and compares the average value of all the cylinder pressures at a predetermined crank angle with the in-cylinder pressure of each cylinder at a predetermined crank angle. There is known a technique for detecting the variation in (see, for example, Patent Document 1).
ここで、筒内圧センサは、経年変化やデポジットの付着などによって感度が変化する。すなわち、筒内圧センサによって検出される筒内圧は、感度の変化の影響を受ける。そのため、筒内圧センサの検出値がばらついた場合に、圧縮比のばらつきによるものなのか、または、筒内圧センサの感度の変化によるものなのか区別することが困難となり得る。 Here, the sensitivity of the in-cylinder pressure sensor changes due to secular change or deposit adhesion. That is, the in-cylinder pressure detected by the in-cylinder pressure sensor is affected by the sensitivity change. Therefore, when the detection value of the in-cylinder pressure sensor varies, it may be difficult to distinguish whether it is due to variations in the compression ratio or due to a change in sensitivity of the in-cylinder pressure sensor.
本発明は、上記したような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、可変圧縮比機構の異常検出の精度を向上することにある。 The present invention has been made in view of the above-described problems, and an object thereof is to improve the accuracy of abnormality detection of the variable compression ratio mechanism.
上記課題を解決するために、複数の気筒を有する内燃機関の気筒毎に圧縮比を変更可能な可変圧縮比機構を備えた内燃機関を制御する制御装置において、各気筒に設けられ気筒内の圧力を検出する筒内圧センサと、前記筒内圧センサにより検出される気筒内の圧力に基づいて、各気筒の着火遅れと相関関係のある物理量を算出する着火遅れ算出部と、前記着火遅れ算出部により算出される前記物理量に基づいて前記可変圧縮比機構の異常を検出する検出部と、を備える。 In order to solve the above problems, in a control device for controlling an internal combustion engine having a variable compression ratio mechanism capable of changing the compression ratio for each cylinder of the internal combustion engine having a plurality of cylinders, the pressure in each cylinder is provided in each cylinder. An in-cylinder pressure sensor for detecting the in-cylinder pressure, an ignition delay calculating unit for calculating a physical quantity correlated with the ignition delay of each cylinder based on the pressure in the cylinder detected by the in-cylinder pressure sensor, and the ignition delay calculating unit A detection unit that detects an abnormality of the variable compression ratio mechanism based on the calculated physical quantity.
本発明によれば、可変圧縮比機構の異常検出の精度を向上することができる。 According to the present invention, it is possible to improve the accuracy of abnormality detection of the variable compression ratio mechanism.
以下に図面を参照して、この発明を実施するための形態を、実施例に基づいて例示的に詳しく説明する。ただし、この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。 DESCRIPTION OF EMBODIMENTS Hereinafter, embodiments for carrying out the present invention will be exemplarily described in detail with reference to the drawings. However, the dimensions, materials, shapes, relative arrangements, and the like of the components described in this embodiment are not intended to limit the scope of the present invention only to those unless otherwise specified.
<実施例1>
以下、図面を用いて本発明の実施例について説明する。図1は、本実施例に係る内燃機関とその吸排気系の概略構成を示す図である。図1に示す内燃機関1は、4つの気筒2を備えた火花点火式の内燃機関(ガソリンエンジン)である。内燃機関1の各気筒2には、各気筒2内に燃料を直接噴射する燃料噴射弁3および混合気を着火させるための点火プラグ4が設けられている。また、内燃機関1の各気筒2には、各気筒2内の圧力を検出する筒内圧センサ102が設けられている。なお、筒内圧センサ102は、本実施例及び後述する実施例2においては省略することもできる。ここで、内燃機関1では、1運転サイクル(クランク角度720°)において、#1気筒、#3気筒、#4気筒、#2気筒の順に気筒2内での燃焼が行われる。
<Example 1>
Embodiments of the present invention will be described below with reference to the drawings. FIG. 1 is a diagram showing a schematic configuration of an internal combustion engine and its intake / exhaust system according to the present embodiment. An
内燃機関1には、吸気通路400および排気通路500が接続されている。吸気通路400には、エアフローメータ401およびスロットル402が設けられている。エアフローメータ401は、吸気通路400内を流れる吸気(空気)の量(質量)に応じた電気信号を出力する。スロットル402は、吸気通路400におけるエアフローメータ401よりも下流側に配置されている。スロットル402は、吸気通路400内の通路断面積を変更することで、内燃機関1の吸入空気量を調整する。また、排気通路500は、図示しない触媒や消音器を経由して大気中に開放されている。
An
更に、内燃機関1の断面模式図を図2に示す。図2は、図1のS−S線に沿った内燃機関1の断面模式図である。図2に示すように、内燃機関1は、シリンダブロック7と、シリンダヘッド8と、を備えている。シリンダブロック7には、クランクシャフト200が回転自在に収容されている。シリンダブロック7には、円柱状の気筒2が形成されている。該気筒2内には、ピストン5が摺動自在に収容されている。ピストン5とクランクシャフト200とは、後述する可変長コンロッド6により連結されている。シリンダヘッド8には、吸気ポート11と排気ポート14とが形成されている。シリンダヘッド8は、燃焼室300における吸気ポート11の開口端を開閉するための吸気バルブ9と、該吸気バルブ9を開閉駆動するための吸気カムシャフト10とを備えている。また、シリンダヘッド8は、燃焼室300における排気ポート14の開口端を開閉するための排気バルブ12と、該排気バルブ12を開閉駆動するための排気カムシャフト13とを備えている。さらに、シリンダヘッド8は、燃焼室300内に燃料を直接噴射する燃料噴射弁3および燃焼室300内の混合気を着火させるための点火プラグ4を備えている。
Furthermore, the cross-sectional schematic diagram of the
ここで、可変長コンロッド6は、その小端部においてピストンピン21によりピストン5と連結されるとともに、その大端部においてクランクシャフト200のクランクピン22と連結されている。可変長コンロッド6は、ピストンピン21の軸心からクランクピン22の軸心までの距離、すなわち有効長を変更することができる。
Here, the variable
可変長コンロッド6の有効長が長くなると、クランクピン22の軸心からピストンピン
21の軸心までの長さが長くなるため、図2中の実線で示すようにピストン5が上死点にあるときの燃焼室300の容積が小さくなる。一方、可変長コンロッド6の有効長が短くなると、クランクピン22の軸心からピストンピン21の軸心までの長さが短くなるため、図2中の破線で示すようにピストン5が上死点にあるときの燃焼室300の容積が大きくなる。なお、上記したように可変長コンロッド6の有効長が変化しても、ピストン5のストロークが変化しないため、ピストン5が上死点に位置するときの筒内容積(燃焼室容積)とピストン5が下死点に位置するときの筒内容積との比(機械圧縮比)が変化することになる。
When the effective length of the variable
(可変長コンロッド6の構成)
ここで、本実施例における可変長コンロッド6の構成について図3に基づいて説明する。可変長コンロッド6は、コンロッド本体31と、コンロッド本体31に回動可能に取り付けられた偏心部材32と、コンロッド本体31に設けられた第一ピストン機構33と、コンロッド本体31に設けられた第二ピストン機構34と、これら両ピストン機構33、34への作動油の流れの切換を行う切換機構35と、を具備する。
(Configuration of variable length connecting rod 6)
Here, the structure of the variable-
コンロッド本体31は、その一方の端部にクランクシャフト200のクランクピン22を受容するクランク受容開口41を有し、他方の端部に後述する偏心部材32のスリーブを受容するスリーブ受容開口42を有する。クランク受容開口41はスリーブ受容開口42よりも大きいことから、クランク受容開口41が設けられている側のコンロッド本体31の端部を大端部31aと称し、スリーブ受容開口42が設けられている側のコンロッド本体31の端部を小端部31bと称する。
The connecting
なお、本明細書では、クランク受容開口41の軸心(すなわち、クランク受容開口41に受容されるクランクピン22の軸心)と、スリーブ受容開口42の軸心(すなわち、スリーブ受容開口42に受容されるスリーブの軸心)との間で延びる仮想直線を、可変長コンロッド6の軸線Xと称す。また、可変長コンロッド6の軸線Xに対して垂直であってクランク受容開口41の軸心に垂直な方向における可変長コンロッド6の長さを、該可変長コンロッド6の幅と称する。加えて、クランク受容開口41の軸心に平行な方向における可変長コンロッド6の長さを、該可変長コンロッド6の厚さと称する。
In the present specification, the axis of the crank receiving opening 41 (ie, the axis of the
次に、偏心部材32は、コンロッド本体31に形成されたスリーブ受容開口42内に受容される円筒状のスリーブ32aと、スリーブ32aからコンロッド本体31の幅方向において一方の方向に延びる第一アーム32bと、スリーブ32aからコンロッド本体31の幅方向において他方の方向(上記一方の方向とは概して反対方向)に延びる第二アーム32cとを具備する。スリーブ32aはスリーブ受容開口42内で回動可能であるため、偏心部材32はコンロッド本体31の小端部31bにおいてコンロッド本体31に対して小端部31bの周方向に回動可能に取り付けられることになる。
Next, the
また、偏心部材32のスリーブ32aは、ピストンピン21を受容するためのピストンピン受容開口32dを有する。このピストンピン受容開口32dは円筒状に形成されている。円筒状のピストンピン受容開口32dは、その軸心がスリーブ32aの軸心に対して偏心するように形成される。
The
このように、本実施例では、スリーブ32aのピストンピン受容開口32dの軸心がスリーブ32aの軸心から偏心しているため、偏心部材32が回転すると、スリーブ受容開口42内でのピストンピン受容開口32dの位置が変化する。スリーブ受容開口42内においてピストンピン受容開口32dの位置が大端部31a側にあるときには、コンロッドの有効長が短くなる。逆に、スリーブ受容開口42内においてピストンピン受容開口32dの位置が大端部31a側とは反対側にあるときには、コンロッドの有効長が長くなる。
したがって本実施形態によれば、偏心部材32を回動させることによって、コンロッドの有効長を変更することができる。
Thus, in this embodiment, since the axis of the piston
Therefore, according to this embodiment, the effective length of the connecting rod can be changed by rotating the
次に、第一ピストン機構33は、コンロッド本体31に形成された第一シリンダ33aと、第一シリンダ33a内で摺動する第一ピストン33bとを有する。第一シリンダ33aは、そのほとんど又はその全てがコンロッドの軸線Xに対して第一アーム32b側に配置される。また、第一シリンダ33aは、小端部31bに近づくほどコンロッド本体31の幅方向に突出するように軸線Xに対して或る程度の角度だけ傾斜して配置される。また、第一シリンダ33aは、第一ピストン連通油路51を介して切換機構35と連通する。
Next, the
第一ピストン33bは、第一連結部材45により偏心部材32の第一アーム32bに連結される。第一ピストン33bは、ピンによって第一連結部材45に回転可能に連結される。第一アーム32bは、スリーブ32aに結合されている側とは反対側の端部において、ピンによって第一連結部材45に回転可能に連結される。
The
一方、第二ピストン機構34は、コンロッド本体31に形成された第二シリンダ34aと、第二シリンダ34a内で摺動する第二ピストン34bとを有する。第二シリンダ34aは、そのほとんど又はその全てがコンロッドの軸線Xに対して第二アーム32c側に配置される。また、第二シリンダ34aは、小端部31bに近づくほどコンロッド本体31の幅方向に突出するように軸線Xに対して或る程度の角度だけ傾斜して配置される。また、第二シリンダ34aは、第二ピストン連通油路52を介して切換機構35と連通する。
On the other hand, the
第二ピストン34bは、第二連結部材46により偏心部材32の第二アーム32cに連結される。第二ピストン34bは、ピンによって第二連結部材46に回転可能に連結される。第二アーム32cは、スリーブ32aに連結されている側とは反対側の端部において、ピンによって第二連結部材46に回転可能に連結される。
The
次に、切換機構35は、後述するように、第一シリンダ33aから第二シリンダ34aへの作動油の流れを遮断し、且つ第二シリンダ34aから第一シリンダ33aへの作動油の流れを許容する第一状態と、第一シリンダ33aから第二シリンダ34aへの作動油の流れを許容し且つ第二シリンダ34aから第一シリンダ33aへの作動油の流れを遮断する第二状態と、を切り換える機構である。
Next, as will be described later, the
ここで、切換機構35が前記第一状態にあるときは、第一シリンダ33a内に作動油が供給され、且つ第二シリンダ34aから作動油が排出されることになる。このため、第一ピストン33bが上昇し、それに伴って第一ピストン33bに連結された偏心部材32の第一アーム32bも上昇する。一方、第二ピストン34bが下降し、それに伴って第二ピストン34bに連結された第二アーム32cも下降する。その結果、偏心部材32が図2中の時計回りに回動するため、ピストンピン受容開口32dの位置がクランクピン22の位置から離間する。すなわち、可変長コンロッド6の有効長が長くなる。そして、第二ピストン34bが第二シリンダ34aの底面と当接すると、偏心部材32の回動が規制されて、該偏心部材32の回動位置がその位置に保持される。
Here, when the
なお、切換機構35が第一状態にあるときには、基本的には外部から作動油を供給することなく、第一ピストン33b及び第二ピストン34bが上記した位置まで移動する。これは、内燃機関1の気筒2内でピストン5が往復動してピストン5に上向きの慣性力が作用したときに第二ピストン34bが押し込まれ、これによって第二シリンダ34a内の作動油が第一シリンダ33aに移動するためである。一方、内燃機関1の気筒2内でピストン5が往復動してピストン5に下向きの慣性力が作用したときや、燃焼室300内で混合気の燃焼が起きてピストン5に下向きの力が作用したときには、第一ピストン33bを押
し込む力が働くが、切換機構35により第一シリンダ33aから第二シリンダ34aへの作動油の流れが遮断されているため、第一シリンダ33a内の作動油は流出せず、よって第一ピストン33bは押し込まれない。
When the
次に、切換機構35が前記第二状態にあるときは、第二シリンダ34a内に作動油が供給され、且つ第一シリンダ33aから作動油が排出されることになる。このため、第二ピストン34bが上昇し、それに伴って第二ピストン34bに連結された偏心部材32の第二アーム32cも上昇する。一方、第一ピストン33bが下降し、第一ピストン33bに連結された第一アーム32bも下降する。その結果、偏心部材32が図3中の反時計回りに回動するため、ピストンピン受容開口32dの位置がクランクピン22の位置に接近する。すなわち、可変長コンロッド6の有効長が短くなる。そして、第一ピストン33bが第一シリンダ33aの底面に当接すると、偏心部材32の回動が規制されて、該偏心部材32の回動位置がその位置に保持される。よって、切換機構35が前記第二状態にあるときは前記第一状態にあるときに比べ、内燃機関1の機械圧縮比が低くなる。以下では、切換機構35が前記第一状態にあるときの機械圧縮比を第一圧縮比と称し、切換機構35が前記第二状態にあるときの機械圧縮比を第二圧縮比と称する。第一圧縮比は第二圧縮比よりも大きくなる。
Next, when the
なお、切換機構35が第二状態にあるときも、基本的には外部から作動油を供給することなく、第一ピストン33b及び第二ピストン34bが上記した位置まで移動する。これは、内燃機関1の気筒2内でピストン5が往復動してピストン5に下向きの慣性力が作用したときや、燃焼室300内で混合気の燃焼が起きてピストン5に下向きの力が作用したときに、第一ピストン33bが押し込まれ、これによって第一シリンダ33a内の作動油が第二シリンダ34aに移動するためである。一方、内燃機関1の気筒2内でピストン5が往復動してピストン5に上向きの慣性力が作用したときには、第二ピストン34bを押し込む力が働くが、切換機構35により第二シリンダ34aから第一シリンダ33aへの作動油の流れが遮断されているため、第二シリンダ34a内の作動油は流出せず、よって第二ピストン34bは押し込まれない。
Even when the
(切換機構35の構成)
次に、切換機構35の一実施態様について、図4、図5に基づいて説明する。なお、図4は、第一状態の切換機構35を示し、図5は、第二状態の切換機構35を示す。切換機構35は、二つの切換ピン61、62と一つの逆止弁63とを具備する。二つの切換ピン61、62は、それぞれ円筒状のピン収容空間64、65内に摺動自在に収容される。
(Configuration of switching mechanism 35)
Next, one embodiment of the
上記した二つの切換ピン61、62のうちの一方の切換ピン61(第一切換ピン61)は、その周方向に延びる二つの円周溝61a、61bを有する。これら円周溝61a、61bは、第一切換ピン61内に形成された連通路61cによって互いに連通している。また、第一切換ピン61を収容する第一ピン収容空間64内には、第一切換ピン61を付勢するための第一付勢バネ67が収容されている。
One switching pin 61 (first switching pin 61) of the two switching
上記した二つの切換ピン61、62のうちの他方の切換ピン62(第二切換ピン62)も、その周方向に延びる二つの円周溝62a、62bを有する。これら円周溝62a、62bは、第二切換ピン62内に形成された連通路62cによって互いに連通している。また、第二切換ピン62を収容する第二ピン収容空間65内にも、第二切換ピン62を付勢するための第二付勢バネ68が収容されている。
The other switching pin 62 (second switching pin 62) of the two switching
逆止弁63は、円筒状の逆止弁収容空間66内に収容される。逆止弁63は、一次側(図4中の上側)から二次側(図4中の下側)への流れを許容するとともに、二次側から一次側への流れを遮断するように構成される。
The
第一切換ピン61を収容する第一ピン収容空間64は、第一ピストン連通油路51を介して第一シリンダ33aに連通せしめられる。第一ピン収容空間64は、二つの空間連通油路53、54を介して逆止弁収容空間66に連通せしめられる。このうち一方の第一空間連通油路53は、第一ピン収容空間64と逆止弁収容空間66の二次側とを連通せしめる。他方の第二空間連通油路54は、第一ピン収容空間64と逆止弁収容空間66の一次側とを連通せしめる。
The first
第二切換ピン62を収容する第二ピン収容空間65は、第二ピストン連通油路52を介して第二シリンダ34aに連通せしめられる。第二ピン収容空間65は、二つの空間連通油路55、56を介して逆止弁収容空間66に連通せしめられる。このうち一方の第三空間連通油路55は、第二ピン収容空間65と逆止弁収容空間66の二次側とを連通せしめる。他方の第四空間連通油路56は、第二ピン収容空間65と逆止弁収容空間66の一次側とを連通せしめる。
The second
また、第一ピン収容空間64は、コンロッド本体31内に形成された第一制御用油路57と連通している。その際、第一制御用油路57は、第一付勢バネ67が設けられた端部とは反対側の端部において第一ピン収容空間64に連通せしめられるものとする。また、第二ピン収容空間65は、コンロッド本体31内に形成された第二制御用油路58と連通している。その際、第二制御用油路58は、第二付勢バネ68が設けられた端部とは反対側の端部において第二ピン収容空間65に連通せしめられるものとする。上記した第一制御用油路57及び第二制御用油路58は、クランク受容開口41に連通するように形成されるとともに、クランクピン22内に形成された油路(図示せず)を介して外部の切換弁(OSV)75に連通される。ここでいう切換弁75は、例えば、二つの制御用油路57、58と図示しないオイルポンプとの導通と遮断とを切り換える弁機構である。
Further, the first
逆止弁収容空間66の一次側は、コンロッド本体31内に形成された補充用油路59を介して、オイルポンプ等の作動油供給源76に連通せしめられる。補充用油路59は、切換機構35の各部から外部へ漏れた作動油を補充するための油路である。
The primary side of the check
(切換機構35の動作)
上記したように構成される切換機構35において、切換弁75が制御用油路57、58と作動油供給源76とを導通させているときは、図4に示したように、切換ピン61、62に作用する油圧によって付勢バネ67、68が縮められるため、切換ピン61、62が、第一切換ピン61の連通路61cを介して第一ピストン連通油路51と第一空間連通油路53とが連通せしめられ、且つ第二切換ピン62の連通路62cを介して第二ピストン連通油路52と第四空間連通油路56とが連通せしめられる位置に移動及び保持される。その場合、第一シリンダ33aが逆止弁63の二次側に接続され、且つ第二シリンダ34aが逆止弁63の一次側に接続されることになる。そのため、第二シリンダ34a内の作動油は、第二ピストン連通油路52、第四空間連通油路56、第一空間連通油路53、及び第一ピストン連通油路51を介して第一シリンダ33aへ移動可能になるが、第一シリンダ33a内の作動油は、第二シリンダ34aへ移動することができなくなる。したがって、切換弁75が制御用油路57、58と作動油供給源76とを導通させているときは、切換機構35は、第一シリンダ33aから第二シリンダ34aへの作動油の流れを遮断し、且つ第二シリンダ34aから第一シリンダ33aへの作動油の流れを許容する状態(第一状態)になる。
(Operation of switching mechanism 35)
In the
一方、切換弁75が制御用油路57、58と作動油供給源76とを遮断させているときは、図5に示したように、付勢バネ67、68が伸長するため、切換ピン61、62が、第一切換ピン61の連通路61cを介して第一ピストン連通油路51と第二空間連通油路
54とが連通せしめられ、且つ第二切換ピン62の連通路62cを介して第二ピストン連通油路52と第三空間連通油路55とが連通せしめられる位置に移動及び保持される。その場合、第一シリンダ33aが逆止弁63の一次側に接続され、且つ第二シリンダ34aが逆止弁63の二次側に接続されることになる。そのため、第一シリンダ33a内の作動油は、第一ピストン連通油路51、第二空間連通油路54、第三空間連通油路55、及び第二ピストン連通油路52を介して第二シリンダ34aへ移動可能になるが、第二シリンダ34a内の作動油は、第一シリンダ33aへ移動することができなくなる。したがって、切換弁75が制御用油路57、58と作動油供給源76とを遮断させているときは、切換機構35は、第一シリンダ33aから第二シリンダ34aへの作動油の流れを許容し、且つ第二シリンダ34aから第一シリンダ33aへの作動油の流れを遮断する状態(第二状態)になる。
On the other hand, when the switching
上記したように、切換弁75によって第一ピン収容空間64及び第二ピン収容空間65に対する油圧の供給と遮断とが切り換えられると、切換機構35を第一状態と第二状態とを切り換えることができ、それに伴って内燃機関1の機械圧縮比を第一圧縮比(高圧縮比)と第二圧縮比(低圧縮比)との何れか一方に切り換えることができる。
As described above, when the switching of the hydraulic pressure to the first
ここで、図1に戻り、上記したように構成される内燃機関1には電子制御ユニット(ECU)100が併設されている。ECU100は、内燃機関1の運転状態等を制御するユニットである。ECU100には、上記のエアフローメータ401、筒内圧センサ102に加え、アクセルポジションセンサ201、およびクランクポジションセンサ202等の各種センサが電気的に接続されている。アクセルポジションセンサ201は、アクセルペダルの操作量(アクセル開度)に相関した電気信号を出力するセンサである。クランクポジションセンサ202は、内燃機関1の機関出力軸(クランクシャフト)の回転位置に相関する電気信号を出力するセンサである。そして、これらのセンサの出力信号がECU100に入力される。ECU100は、アクセルポジションセンサ201の出力信号に基づいて内燃機関1の機関負荷を導出する。また、ECU100は、クランクポジションセンサ202の出力信号に基づいて内燃機関1の機関回転速度を導出する。
Here, referring back to FIG. 1, an electronic control unit (ECU) 100 is additionally provided in the
また、ECU100には、燃料噴射弁3、点火プラグ4、スロットル402、および切換弁75等の各種装置が電気的に接続されている。ECU100によって、これら各種装置が制御される。例えば、ECU100は、機関負荷に応じて切換弁75を制御する。詳細には、ECU100は、機関負荷が所定の閾値未満であるときは、内燃機関1の機械圧縮比が上記第一圧縮比となる(切換機構35が第一状態となる、すなわち高圧縮比状態となる)ように、切換弁75を制御する。一方、ECU100は、機関負荷が前記所定の閾値以上であるときは、内燃機関1の機械圧縮比が上記第二圧縮比となる(切換機構35が第二状態となる、すなわち低圧縮比状態となる)ように、切換弁75を制御する。そして、可変長コンロッド6の有効長の変化により各気筒2内に収容されたピストン5の上死点位置が変更される本実施例に係る内燃機関1では、各気筒2の可変長コンロッド6のそれぞれについて切換弁75が設けられることによって、気筒2のそれぞれについて機械圧縮比が変更され得る。なお、本実施例においては可変長コンロッド6が、本発明における可変圧縮比機構に相当する。
Various devices such as the
また、ECU100は、筒内圧センサ102の検出値に基づいて可変長コンロッド6の異常を検出する。可変長コンロッド6の異常を検出するために、ECU100は、筒内圧センサ102の検出値に基づいて各気筒2における着火遅れと相関関係にある物理量を算出する。ここで、図6は、クランク角度と筒内圧との関係を示した図である。図6中の、SAは点火プラグ4による点火時期を示しており、PMAXは筒内圧が最大となる時期を示している。本実施例では、各気筒2において、点火プラグ4による点火時期から筒内圧が最大となる時期までのクランク角度を着火遅れと相関関係のある物理量として算出する
。なお、本実施例では、点火プラグ4による点火時期から筒内圧が最大となる時期までのクランク角度を単に着火遅れと称する。すなわち、ECU100は、着火遅れDIを以下の式によって算出している。
DI=PMAX−SA
なお、本実施例では、ECU100が着火遅れを算出することにより、本発明における着火遅れ算出部として機能する。以下では、#i番気筒の着火遅れをDI(#i)とする。#iは、#1気筒から#4気筒までの何れかの気筒2である。点火プラグ4による点火時期は、ECU100により例えば機関回転速度及び機関負荷に応じて設定される。着火遅れDIは、筒内圧センサ102の感度の変化に影響を受けない値といえる。すなわち、筒内圧センサ102の感度が変化して検出される最大圧力が変化しても、最大圧力が検出される時期は変化しないため、点火プラグ4による点火時期から筒内圧が最大となる時期までのクランク角度は変化しない。
Further, the
DI = PMAX-SA
In this embodiment, the
このようにして算出された着火遅れは、圧縮比と相関関係にある。ここで、図7は、着火遅れと内部EGRガス量との関係を示した図である。このように、着火遅れと内部EGRガス量とには相関関係があり、着火遅れが大きいほど内部EGRガス量が多いといえる。また、図8は、内部EGRガス量と圧縮比の関係を示した図である。内部EGRガス量と圧縮比とには相関系があり、内部EGRガス量が多いほど圧縮比が低いといえる。すなわち、圧縮比が低くなることで、ピストン5がTDCに位置するときの燃焼室300の容積が大きくなる。この燃焼室300の容積に応じて、内部EGRガス量も多くなる。このような関係から、着火遅れが大きいほど、圧縮比が低いといえる。
The ignition delay calculated in this way is correlated with the compression ratio. Here, FIG. 7 is a diagram showing the relationship between the ignition delay and the internal EGR gas amount. Thus, there is a correlation between the ignition delay and the internal EGR gas amount, and it can be said that the larger the ignition delay, the larger the internal EGR gas amount. FIG. 8 is a diagram showing the relationship between the internal EGR gas amount and the compression ratio. There is a correlation system between the internal EGR gas amount and the compression ratio, and it can be said that the compression ratio decreases as the internal EGR gas amount increases. That is, as the compression ratio decreases, the volume of the
以上より、本実施例に係るECU100は、各気筒2の着火遅れDI(#i)を算出し、さらに全気筒2の着火遅れの平均値である平均着火遅れDI_AVEを算出し、各気筒2の着火遅れDI(#i)と平均着火遅れDI_AVEとを比較して、圧縮比の異常を検出する。すなわち、各気筒2の圧縮比と相関関係のある各気筒2の着火遅れDI(#i)を平均着火遅れDI_AVEと比較することにより、着火遅れが他の気筒2から大きくずれている気筒2を、可変圧縮比機構に異常がある気筒2として検出する。
From the above, the
図9は、本実施例に係る可変長コンロッド6の異常を検出するためのフローを示したフローチャートである。本フローチャートはECU100により例えばクランク角度で720度毎に実行される。すなわち、全気筒2において筒内圧データが得られる毎に実行される。
FIG. 9 is a flowchart showing a flow for detecting an abnormality of the variable-
ステップS101では、各気筒2の筒内圧のデータが読み込まれる。ECU100は、気筒2毎に筒内圧センサ102の検出値をクランク角度と関連付けてサイクル毎に記憶している。本ステップS101では、そのデータが読み込まれる。
In step S101, in-cylinder pressure data of each
ステップS102では、各気筒2の点火時期SAが読み込まれる。ECU100は、各気筒2の点火時期SAをクランク角度と関連付けてサイクル毎に記憶している。本ステップS101では、そのデータが読み込まれる。
In step S102, the ignition timing SA of each
ステップS103では、各気筒2の着火遅れDI(#i)が算出される。ECU100は、気筒2毎に、ステップS101で読み込まれた筒内圧データの最大値から、ステップS102で読み込まれた点火時期SAを減算することにより、各気筒2の着火遅れDI(#i)を算出する。なお、本実施例においてはECU100が着火遅れDI(#i)を算出することで、本発明における着火遅れ算出部として機能する。
In step S103, the ignition delay DI (#i) of each
ステップS104では、平均着火遅れDI_AVEが算出される。ECU100は、ステップS104で算出される各気筒2の着火遅れDI(#i)の平均値を算出する。その
後、ステップS105では、#iに1が代入される。
In step S104, an average ignition delay DI_AVE is calculated. The
ステップS106では、着火遅れDI(#i)から平均着火遅れDI_AVEを減算した値(DI(#i)−DI_AVE)が閾値A1以上であるか否か判定される。閾値A1は、圧縮比が正常といえる範囲よりも低い側にずれているときの(DI(#i)−DI_AVE)である。本ステップS106では、#i気筒の圧縮比が正常といえる範囲よりも低い側にずれているか否か判定しているといえる。閾値A1は、予め実験またはシミュレーション等により求めておく。ステップS106で肯定判定がなされた場合にはステップS107へ進み、一方、否定判定がなされた場合にはステップS109へ進む。 In step S106, it is determined whether or not a value (DI (#i) -DI_AVE) obtained by subtracting the average ignition delay DI_AVE from the ignition delay DI (#i) is equal to or greater than the threshold value A1. The threshold value A1 is (DI (#i) -DI_AVE) when the compression ratio is shifted to a lower side than a normal range. In step S106, it can be said that it is determined whether or not the compression ratio of the #i cylinder is shifted to a lower side than the normal range. The threshold A1 is obtained in advance by experiments or simulations. If an affirmative determination is made in step S106, the process proceeds to step S107. On the other hand, if a negative determination is made, the process proceeds to step S109.
ステップS107では、#i気筒の内部EGRガス量が正常といえる範囲よりも多いと判定される。そして、ステップS108では、#i気筒の圧縮比が正常といえる範囲よりも低い側にずれていると判定される。 In step S107, it is determined that the internal EGR gas amount of the #i cylinder is larger than the normal range. In step S108, it is determined that the compression ratio of the #i cylinder is shifted to a lower side than a normal range.
一方、ステップS109では、着火遅れDI(#i)から平均着火遅れDI_AVEを減算した値(DI(#i)−DI_AVE)が閾値B1以下であるか否か判定される。閾値B1は、負の値であって、圧縮比が正常といえる範囲よりも高い側にずれているときの(DI(#i)−DI_AVE)である。本ステップS109では、#i気筒の圧縮比が正常といえる範囲よりも高い側にずれているか否か判定しているといえる。閾値B1は、予め実験またはシミュレーション等により求めておく。ステップS109で肯定判定がなされた場合にはステップS110へ進み、一方、否定判定がなされた場合にはステップS112へ進む。ステップS109で否定判定がなされた場合には可変圧縮比機構に異常はない。 On the other hand, in step S109, it is determined whether or not a value (DI (#i) −DI_AVE) obtained by subtracting the average ignition delay DI_AVE from the ignition delay DI (#i) is equal to or less than the threshold value B1. The threshold value B1 is a negative value (DI (#i) −DI_AVE) when the compression ratio is shifted to a higher side than a normal range. In this step S109, it can be said that it is determined whether or not the compression ratio of the #i cylinder is shifted to a higher side than the normal range. The threshold value B1 is obtained in advance by experiments or simulations. If an affirmative determination is made in step S109, the process proceeds to step S110. On the other hand, if a negative determination is made, the process proceeds to step S112. If a negative determination is made in step S109, there is no abnormality in the variable compression ratio mechanism.
ステップS110では、#i気筒の内部EGRガス量が正常といえる範囲よりも少ないと判定される。そして、ステップS111では、#i気筒の圧縮比が正常といえる範囲よりも高い側にずれていると判定される。 In step S110, it is determined that the internal EGR gas amount of the #i cylinder is less than the normal range. In step S111, it is determined that the compression ratio of the #i cylinder is shifted to a higher side than the normal range.
ステップS112では、#iに1を加えた値を新たな#iとして設定する。そして、ステップS113では、#iが内燃機関1の気筒2の数よりも多くなったか否か判定される。本ステップS113では、全気筒において平均着火遅れDI_AVEとの比較が終了したか否か判定されている。なお、本実施例においてはECU100がステップS105からステップS113を処理することにより、本発明における検出部として機能する。
In step S112, a value obtained by adding 1 to #i is set as a new #i. In step S113, it is determined whether or not #i is larger than the number of
以上説明したように本実施例によれば、筒内圧センサ102の感度の変化に影響を受けない各気筒2の着火遅れに基づいて各気筒2の圧縮比の異常を検出することができる。このため、可変圧縮比機構の異常検出の精度を向上させることができる。
As described above, according to this embodiment, an abnormality in the compression ratio of each
なお、本実施例においては、着火遅れDI(#i)を平均着火遅れDI_AVEと比較しているが、これに代えて、着火遅れDI(#i)を正常値と比較してもよい。この正常値は、予め実験またはシミュレーション等により求めてマップ介してECU100に記憶させておく。また、本実施例では、着火遅れDI(#i)を求めるときに筒内圧が最大となる時期PMAXを用いているが、これに代えて、他の時期を用いることもできる。この時期は、着火遅れと相関関係にある時期として実験またはシミュレーション等により求めておけばよい。また、本実施例では、図2から図5に示した構造を有する可変圧縮比機構について説明したが、これに代えて、気筒毎に圧縮比を変更可能な他の構造を有する可変圧縮比機構についても適用可能である。
In the present embodiment, the ignition delay DI (#i) is compared with the average ignition delay DI_AVE, but instead, the ignition delay DI (#i) may be compared with a normal value. This normal value is obtained in advance through experiments or simulations and stored in the
<実施例2>
本実施例では、圧縮比の変更時に筒内圧センサ102を用いた燃焼制御を実施し、圧縮
比の変更終了後の所定期間経過時に可変圧縮比機構の異常検出を実施する。その他の装置等は実施例1と同じため説明を省略する。
<Example 2>
In this embodiment, combustion control using the in-
ここで、圧縮比の変更中には、燃焼室300の容積が変化するため、内部EGRガス量が変化する。各気筒2で圧縮比を変更可能な可変圧縮比機構を備えている場合には、可変長コンロッド6に供給される油圧や経年変化によって、気筒2毎に圧縮比の変化速度が異なる場合がある。そうすると、圧縮比の変更中に気筒2毎に内部EGRガス量が異なる場合があり、その結果、燃焼状態にばらつきを生じることでトルク変動が増大する虞がある。この場合、筒内圧も気筒2毎にばらつくため、筒内圧に基づいて算出される着火遅れもばらついてしまう。このような着火遅れに基づいて可変圧縮比機構の異常検出を実施した場合に、誤判定の虞がある。
Here, since the volume of the
そこで、本実施例では、圧縮比の変更開始時から、変更完了後所定期間までは、筒内圧センサ102の検出値に基づいて燃料噴射量のフィードバック制御を実施することで、気筒2間の燃焼ばらつきを抑制する。なお、気筒2毎に圧縮比の変更速度が異なり、しかも、この圧縮比の変更速度を実際に検出するのは困難であるため、全気筒2で圧縮比が完了するまでの期間として余裕を持たせて所定期間を設定している。
Therefore, in this embodiment, the fuel injection amount feedback control is performed based on the detected value of the in-
図10は、圧縮比の推移を示したタイムチャートである。TAが圧縮比の変更開始時であり、TBが圧縮比の変更完了から所定期間の経過時である。TBは、圧縮比の変更速度が低下したとしても、圧縮比の変更が完了していると考えられる時点である。実線は、圧縮比が正常であって、圧縮比の変更速度が標準的な場合を示し、破線は、圧縮比が正常であって、圧縮比の変更速度が標準的な場合よりも速い場合を示し、一点鎖線は、圧縮比が正常の場合よりも低くなる異常が生じており且つ圧縮比の変更速度が標準的な場合よりも遅い場合を示している。本実施例では、TAからTBの期間、筒内圧センサ102の検出値に基づいて燃料噴射量のフィードバック制御(以下、燃焼制御ともいう。)を実施している。
FIG. 10 is a time chart showing the transition of the compression ratio. TA is the start of changing the compression ratio, and TB is the time when a predetermined period has elapsed since the change of the compression ratio was completed. TB is a point in time at which it is considered that the change of the compression ratio has been completed even if the change speed of the compression ratio has decreased. The solid line shows the case when the compression ratio is normal and the compression ratio change rate is standard, and the broken line shows the case when the compression ratio is normal and the compression ratio change speed is faster than the standard case. The alternate long and short dash line indicates a case where an abnormality that is lower than that in the case where the compression ratio is normal occurs and the change rate of the compression ratio is lower than that in the standard case. In the present embodiment, during the period from TA to TB, the fuel injection amount feedback control (hereinafter also referred to as combustion control) is performed based on the detection value of the in-
このような燃焼制御を実施することにより、トルク変動の増大を抑制している。ここで、各気筒2の着火遅れDI(#i)は、内部EGRガス量と相関関係にあり、圧縮比と相関関係にある。例えば、圧縮比が低くなると、内部EGRガス量が増加するため、着火遅れDI(#i)が大きくなる。このため、各気筒2の着火遅れDI(#i)は、各気筒2における燃焼状態の指標として用いることができる。そこで、本実施例では、各気筒2の着火遅れDI(#i)が目標着火遅れDI_TRに近付くように、燃料噴射量をフィードバック制御することで、燃焼状態のばらつきを抑制してトルク変動の増大を抑制する。例えば、着火遅れDIが目標着火遅れDI_TRよりも大きな場合には、内部EGRガス量の増加により、着火遅れDIが大きくなっているものと考えられる。この場合には、燃料噴射量を増加させることにより、着火遅れDIを小さくする。一方、着火遅れDIが目標着火遅れDI_TRよりも小さな場合には、内部EGRガス量の減少により着火遅れが小さくなっているものと考えられる。この場合には、燃料噴射量を減少させることにより、着火遅れDIを大きくする。
By implementing such combustion control, an increase in torque fluctuation is suppressed. Here, the ignition delay DI (#i) of each
また、燃焼制御を実施したときの着火遅れDI(#i)と目標着火遅れDI_TRとの差RI(#i)は、各気筒2の実際の内部EGRガス量と正常時の内部EGRガス量とのずれに相関するため、各気筒2の実際の圧縮比と正常時の圧縮比とのずれに相関する。このため、着火遅れDI(#i)と目標着火遅れDI_TRとの差RI(#i)に応じて各気筒2における可変圧縮比機構の異常を検出することができる。
Further, the difference RI (#i) between the ignition delay DI (#i) and the target ignition delay DI_TR when the combustion control is performed is the actual internal EGR gas amount and normal internal EGR gas amount of each
図11は、本実施例に係る燃焼制御を実施しつつ可変長コンロッド6の異常を検出するためのフローを示したフローチャートである。本フローチャートはECU100により圧
縮比の変更開始後の例えばクランク角度で720度毎に実行される。図9に示したフローチャートと同じ処理がなされるステップについては、同じ符号を付して説明を省略する。
FIG. 11 is a flowchart showing a flow for detecting abnormality of the variable
ステップS201では、圧縮比の変更完了後から所定期間が経過したか否か判定される。ステップS201で肯定判定がなされた場合にはステップS205へ進み、一方、否定判定がなされた場合にはステップS202へ進む。ステップS201で否定判定がなされた場合には、図10におけるTAからTBまでの期間内であり、燃焼制御が実施される。 In step S201, it is determined whether or not a predetermined period has elapsed since the completion of changing the compression ratio. If an affirmative determination is made in step S201, the process proceeds to step S205, whereas if a negative determination is made, the process proceeds to step S202. If a negative determination is made in step S201, the combustion control is performed within the period from TA to TB in FIG.
ステップS202では、目標着火遅れDI_TRが算出される。目標着火遅れDI_TRは、予め実験またはシミュレーション等により求めてマップ化してECU100に記憶させておく。ステップS202が終了すると、ステップS101からステップS103までが処理され、その後にステップS203へ進む。
In step S202, a target ignition delay DI_TR is calculated. The target ignition delay DI_TR is obtained in advance through experiments or simulations, mapped, and stored in the
ステップS203では、着火遅れDI(#i)と目標着火遅れDI_TRとの差(RI(#i)=DI(#i)−DI_TR)が算出される。 In step S203, the difference (RI (#i) = DI (#i) −DI_TR) between the ignition delay DI (#i) and the target ignition delay DI_TR is calculated.
ステップS204では、着火遅れDI(#i)と目標着火遅れDI_TRとの差RI(#i)に基づいて燃料噴射量が補正される。本ステップS204では、着火遅れDI(#i)と目標着火遅れDI_TRとの差RI(#i)がなくなるように、燃料噴射量の補正量が決定される。例えば、PI制御によって燃料噴射量を補正してもよい。 In step S204, the fuel injection amount is corrected based on the difference RI (#i) between the ignition delay DI (#i) and the target ignition delay DI_TR. In step S204, the correction amount of the fuel injection amount is determined so that the difference RI (#i) between the ignition delay DI (#i) and the target ignition delay DI_TR is eliminated. For example, the fuel injection amount may be corrected by PI control.
一方、ステップS205では、可変圧縮比機構の異常検出が実施される。ここで、図12は、本実施例に係る可変圧縮比機構の異常検出のフローを示したフローチャートである。図12に示したフローチャートは、ステップS205においてECU100により実行される。なお、図9に示したフローチャートと同じ処理がなされるステップについては、同じ符号を付して説明を省略する。
On the other hand, in step S205, abnormality detection of the variable compression ratio mechanism is performed. Here, FIG. 12 is a flowchart showing a flow of abnormality detection of the variable compression ratio mechanism according to the present embodiment. The flowchart shown in FIG. 12 is executed by the
図12に示したフローチャートでは、ステップS105の処理が終了すると、ステップS301へ進む。ステップS301では、着火遅れDI(#i)と目標着火遅れDI_TRとの差RI(#i)が閾値C1以上であるか否か判定される。閾値C1は、圧縮比が正常といえる範囲よりも低い側にずれているときの差RI(#i)である。本ステップS301では、#i気筒の圧縮比が正常といえる範囲よりも低い側にずれているか否か判定しているといえる。閾値C1は、予め実験またはシミュレーション等により求めておく。ステップS301で肯定判定がなされた場合にはステップS107へ進み、一方、否定判定がなされた場合にはステップS302へ進む。 In the flowchart shown in FIG. 12, when the process of step S105 is completed, the process proceeds to step S301. In step S301, it is determined whether or not the difference RI (#i) between the ignition delay DI (#i) and the target ignition delay DI_TR is greater than or equal to the threshold value C1. The threshold value C1 is a difference RI (#i) when the compression ratio is shifted to a lower side than a range where it can be said that the compression ratio is normal. In this step S301, it can be said that it is determined whether or not the compression ratio of the #i cylinder is shifted to a lower side than the normal range. The threshold value C1 is obtained in advance by experiments or simulations. If an affirmative determination is made in step S301, the process proceeds to step S107. On the other hand, if a negative determination is made, the process proceeds to step S302.
ステップS302では、着火遅れDI(#i)と目標着火遅れDI_TRとの差RI(#i)が閾値D1以下であるか否か判定される。閾値D1は、負の値であって、圧縮比が正常といえる範囲よりも高い側にずれているときの差RI(#i)である。本ステップS302では、#i気筒の圧縮比が正常といえる範囲よりも高い側にずれているか否か判定しているといえる。閾値D1は、予め実験またはシミュレーション等により求めておく。ステップS302で肯定判定がなされた場合にはステップS110へ進み、一方、否定判定がなされた場合にはステップS112へ進む。 In step S302, it is determined whether or not a difference RI (#i) between the ignition delay DI (#i) and the target ignition delay DI_TR is equal to or less than a threshold value D1. The threshold value D1 is a negative value and is a difference RI (#i) when the compression ratio is shifted to a higher side than a normal range. In step S302, it can be said that it is determined whether or not the compression ratio of the #i cylinder is shifted to a higher side than the normal range. The threshold value D1 is obtained in advance by experiments or simulations. If an affirmative determination is made in step S302, the process proceeds to step S110. On the other hand, if a negative determination is made, the process proceeds to step S112.
そして、ステップS113で肯定判定がなされると、図11のフローチャートに戻ってステップS206へ進む。ステップS206では、本実施例に係る燃料噴射量の補正、すなわち、燃焼制御を終了させる。このステップS206が処理された後に、ECU100は、本フローチャートの繰り返しの実行を終了し、次回の圧縮比の変更まで本フローチャートは実行されなくなる。
If an affirmative determination is made in step S113, the process returns to the flowchart of FIG. 11 and proceeds to step S206. In step S206, the correction of the fuel injection amount according to this embodiment, that is, the combustion control is terminated. After step S206 is processed, the
以上説明したように本実施例によれば、圧縮比の変更時に筒内圧センサ102を用いた燃焼制御を実施して燃焼状態の気筒間ばらつきを抑制できる。そして、圧縮比の変更完了後所定期間経過時に、筒内圧センサ102の感度の変化に影響を受けない各気筒2の着火遅れに基づいて各気筒2の圧縮比の異常を検出することができる。このため、可変圧縮比機構の異常検出の精度を向上させることができる。なお、本実施例では、燃焼制御を図10におけるTAからTBまでの期間のみ実施しているが、これに代えて、燃焼制御を常時実施してもよい。
As described above, according to this embodiment, the combustion control using the in-
1 内燃機関
2 気筒
3 燃料噴射弁
4 点火プラグ
5 ピストン
6 可変長コンロッド
7 シリンダブロック
8 シリンダヘッド
21 ピストンピン
22 クランクピン
31 コンロッド本体
32 偏心部材
35 切換機構
75 切換弁
76 作動油供給源
100 ECU
102 筒内圧センサ
200 クランクシャフト
201 アクセルポジションセンサ
202 クランクポジションセンサ
300 燃焼室
400 吸気通路
401 エアフローメータ
402 スロットル
DESCRIPTION OF
102 In-
Claims (1)
各気筒に設けられ気筒内の圧力を検出する筒内圧センサと、
前記筒内圧センサにより検出される気筒内の圧力に基づいて、各気筒の着火遅れと相関関係のある物理量を算出する着火遅れ算出部と、
前記着火遅れ算出部により算出される前記物理量に基づいて前記可変圧縮比機構の異常を検出する検出部と、
を備える内燃機関の制御装置。 In a control device for controlling an internal combustion engine having a variable compression ratio mechanism capable of changing a compression ratio for each cylinder of an internal combustion engine having a plurality of cylinders,
An in-cylinder pressure sensor provided in each cylinder for detecting the pressure in the cylinder;
An ignition delay calculating unit that calculates a physical quantity correlated with the ignition delay of each cylinder based on the pressure in the cylinder detected by the in-cylinder pressure sensor;
A detection unit that detects an abnormality of the variable compression ratio mechanism based on the physical quantity calculated by the ignition delay calculation unit;
A control device for an internal combustion engine.
Priority Applications (1)
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