JP2018008739A - インキ容器、インキ容器の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】残液を減少させることができ、かつ、再使用の可能な状態にインキを収納できるとともに、狭口ボトル化可能で、充分なバリア性のあるインキ容器を提供する。【解決手段】ポリエチレンテレフタレートまたはポリエチレンテレフタレートコポリマーと、MXD−6ナイロンと、コバルトとを含む樹脂からなる。【選択図】なし

Description

本発明はインキ容器、インキ容器の製造方法に関し、特に各種バリア性に優れたインキ容器に用いて好適な技術に関する。
インキ容器としては、従来から金属缶が用いられており、このような金属缶としては、金属缶本体と金属蓋とからなる身蓋式ノンテーパーのブリキ缶が知られている(特許文献1,2)。
このような金属缶はその剛性のあること、酸素バリア性に富むこと等の点で優れた容器であるが、容器としては、金属缶本体と金属蓋とは完全な密封シールでないために、印刷インキの表面に皮張り現象を惹起し、このようなインキによる印刷物にヒッキーと呼ばれる印刷不良が発生することがあった。
また、インキを使用し終わった空缶は、そのままの体積で載置されるので、狭い印刷工場では貴重なスペースを無駄にすることになる。金属缶容器はその使用後のインキ製造工場においては、インキを充填するまでのいわゆる空間での保管、輸送に於ける嵩張り、使用後の嵩張りのむだがあるといった不具合が種々指摘されている。
さらに、場合によっては、缶クラッシャーにより減容せざるを得ない場合もあった。さらに、廃棄処理の点からは、金属缶は焼却ができないため、不燃ゴミとして処理するか、あるいは、回収して再資源化する方法を取らざるを得ないのが現状であった。
また、前記金属缶に替えて、プラスチックや紙からなる容器を用いることもあるが、容器としての耐圧強度が弱く、例えばプラスチック単体で金属缶に匹敵する強度を得ようとすれば、プラスチックの使用量が多くなり、使用後の処理が困難になる等の問題があった(特許文献3)。
特開2006−240656号公報 特開2000−272646号公報 特開平7−251822号公報
しかしながら、上記のように、プラスチックや紙製の容器とした場合には、印刷インキや接着剤の包装体としては、容器本体のバリア性が十分でなく、また、前記金属缶において実施されているインキ表面への被覆材の密着では密封性が完全でなく長期保存において、インキ表面に酸化等による皮膜が生じ問題となることがあった。
また、従来の容器では、容器内におけるインク上部の空間であるヘッドスペースが大きく、ヘッドスペース内の酸素の影響で、内容物であるインクが劣化してしまうという問題がある。あるいは、酸素によってインキ表面に皮膜が形成されるのを防止するために、硫酸紙やプラスチックフィルムまたはプラスチック成形品等の被覆材をインキ表面に被覆密着させて使用されているが、充分ではない。その上、内容物が液体の場合には、インキ表面への被覆密着が適用できないという問題がある。このため、インキ充填時に窒素ガスパージ等によって、容器内の酸素を除去して充填せざるを得ず、作業工程が増えて、コストが増大するという問題があった。
さらに、従来のインク容器は、口広のものしかなく、へらで掻き出すようにしてインクを取り出していたが、残液も多く、これを簡易化したいという要求があった。
また、金属缶であると、インキが残った場合には、巻き締めで密閉されている蓋体を開封後に再密封することができず、インキが劣化して再使用できなくなってしまうという問題があった。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、残液を減少させることができ、かつ、再使用の可能な状態にインキを収納できるとともに、狭口ボトル化可能で、充分なバリア性のあるインキ容器を提供するという目的を達成しようとするものである。
本発明のインキ容器は、ポリエチレンテレフタレートまたはポリエチレンテレフタレートコポリマーと、MXD−6ナイロンと、コバルトとを含む樹脂からなることにより上記課題を解決した。
本発明のインキ容器は、コバルト塩および/またはコバルト酸化物を含むことができる。
本発明のインキ容器は、MXD−6ナイロンの含有量が、3〜5体積%とされることができる。
本発明のインキ容器は、表面にコート層が設けられていることができる。
本発明のインキ容器の製造方法は、
インキ容器の製造方法であって、
ポリエチレンテレフタレートまたはポリエチレンテレフタレートコポリマーと、MXD−6ナイロンと、コバルトとを溶融混合して得られる樹脂組成物を準備し、
前記樹脂組成物を射出成形してプリフォームを形成し、
前記プリフォームを延伸し、
延伸された前記プリフォームをブロー成形すること、を含むことができる。
本発明のインキ容器の製造方法は、ブロー成形後に、コート層を形成する工程を有することができる。
本発明のインキ容器は、ポリエチレンテレフタレートまたはポリエチレンテレフタレートコポリマーと、MXD−6ナイロンと、コバルトとを含む樹脂からなることにより、バリア製に優れるとともに、容器内の酸素を低減して収納されたインキの変質を防止できるとともに、狭口ボトル化可能で、スクイズはボトル形状とすることができ、容器を再密閉可能としてインキの再使用を可能とすることができる。
本発明のインキ容器は、コバルト塩および/またはコバルト酸化物を含むことにより、容器内の酸素を吸収・低減して、収納されたインキの変質を防止することができる。
本発明のインキ容器は、MXD−6ナイロンの含有量が、3〜5体積%とされることにより、充分な強度を有し、容器内の酸素を吸収・低減して、収納されたインキの変質を防止することができる。
本発明のインキ容器は、表面にコート層が設けられていることにより、容器内表面に付着するインキを低減して、残インキ量を削減することが可能となる。
本発明のインキ容器の製造方法は、
インキ容器の製造方法であって、
ポリエチレンテレフタレートまたはポリエチレンテレフタレートコポリマーと、MXD−6ナイロンと、コバルトとを溶融混合して得られる樹脂組成物を準備し、
前記樹脂組成物を射出成形してプリフォームを形成し、
前記プリフォームを延伸し、
延伸された前記プリフォームをブロー成形すること、を含むことにより、バリア性に優れるとともに、容器内の酸素を低減して収納されたインキの変質を防止できるとともに、容器を再密閉可能としてインキの再使用を可能なインキ容器を製造することができる。
ができる。
本発明のインキ容器の製造方法は、ブロー成形後に、コート層を形成する工程を有することにより、容器内表面に付着するインキを低減して、残インキ量を削減可能なインキ容器を製造することができる。
本発明によれば、残液を減少させることができ、かつ、再使用の可能な状態にインキを収納できるとともに、狭口ボトル化可能で、充分なバリア性のあるインキ容器を提供することができるという効果を奏することが可能となる。
本発明に係るインキ容器の製造方法の第1実施形態を示す模式断面図である。 本発明に係るインキ容器の製造方法の第1実施形態を示す模式断面図である。 本発明に係るインキ容器の製造方法の第1実施形態を示す模式断面図である。 本発明に係るインキ容器の製造方法の第1実施形態を示す模式断面図である。 本発明に係るインキ容器の製造方法の第1実施形態を示す模式断面図である。 本発明に係るインキ容器の製造方法の第1実施形態を示す模式断面図である。 本発明に係るインキ容器の第1実施形態を示す模式断面図である。
以下、本発明に係るインキ容器、インキ容器の製造方法の第1実施形態を、図面に基づいて説明する。
図1〜図6は、本実施形態におけるインキ容器の製造方法を示す図である。図1において、符号20は、押出機である。
本実施形態に係るインキ容器の製造方法は、酸素吸収性を有するポリプロテクト材として、ポリエチレンテレフタレートまたはポリエチレンテレフタレートコポリマーと、3〜5体積%のMXD−6ナイロンと、微量のコバルトとを含む樹脂からなる樹脂組成物を成形体(インキ容器)の原料として用いる。
この樹脂成形物は、後述するペレットとして供給される。
本実施形態の製造方法は、この樹脂組成物を原料として、延伸ブロー法により、押出機20等を用いて成形品であるインキ容器を製造する。
押出機20は、図1に示すように、材料ホッパー21と押出スクリュー22を有する加熱シリンダー23と、加熱シリンダー23における押出スクリュー22の押出方向に配置された固定ダイスプレート24と、プリフォーム形成用の金型25と、この金型25を固定ダイスプレート24に対して位置設定する移動ダイスプレート26と、を有する。
先ず、図1に示すように、例えば加熱シリンダー23における設定温度を240℃とした押出機20にて、上述したペレットを溶融混練した樹脂組成物10Aを、材料ホッパー21に投入し、材料ホッパー21に連通する加熱シリンダー23内で押出スクリュー22によって加熱シリンダー23から押し出して、固定ダイスプレート24を経由してプリフォーム形成用の金型25内に射出し、射出成形法により、図2に示すように、プリフォーム10Bを形成する。
次に、移動ダイスプレート26を解除して、プリフォーム形成用の金型25を開放し、離型したプリフォーム10Bを取り出した後、図2に示すように、形成したプリフォーム10Bをヒータ27により再加熱して、適切な温度となるような温度調節を行う。ここで、再加熱は、例えば、60〜90℃の温度範囲とすることが好ましく、3〜10秒の保持時間とすることが好ましい。
次に、加熱されたプリフォーム10Cをブロー成形する。具体的には、図3に示すように、インキ容器形成用の金型28にプリフォーム10Cをセットして、図4〜図5に示すように、インキ容器形成用の金型28内で、延伸ロッド28により、延伸されたプリフォーム10C内に高圧エアーを供給して膨らませながら冷却する。ここで、ブロー条件としては、例えば、980〜2942kPa(横延伸倍率1.0〜2.5)とすることが好ましい。また、冷却条件としては、例えば、3〜10秒とすることが好ましい。冷却が終了したら、図6に示すように、金型28を開放しインキ容器10D(10)を離型して取り出す。このようにして、図7に示すように、インキ容器10を形成する。
なお、プリフォーム10Cを形成せず、ダイレクトに延伸ブロー成形することもできる。
次に、本実施形態のインキ容器について説明する。
図7は、本発明を適用した一実施形態であるインキ容器10の断面図である。
本実施形態に係るインキ容器10は、酸素吸収性を有するポリプロテクト材として、ポリエチレンテレフタレートまたはポリエチレンテレフタレートコポリマーと、3〜5体積%のMXD−6ナイロンと、微量のコバルトとを溶融混合して得られる樹脂組成物を、上述した延伸ブロー成形法によって成形した、狭口単層のボトル状とされる。
ここで、狭口ボトルとは、インク容器10における上部開口の最大径寸法となる胴部の直径寸法に対して、インク容器10の高さ寸法のほうが大きく設定されているものを意味する。なお、インク容器10の胴部は、軸方向(高さ方向)にその径寸法が変化することもできるが、略同一の径寸法とすることができる。
インキ容器10の内面には、コート層11が設けられている。
コート層11は、撥水性、撥油性、を有するものとされる。だとえば、撥水性並び撥油性コート剤としては、シリコーン系高分子材、フッ素樹脂系高分子材とされることができる。
本実施形態に係るインキ容器10によれば、酸素吸収性を有するポリプロテクト材により狭口のボトル状としてブロー成形法によって成形したことにより、スクイズ性を有するボトルとしたことで、ボトルを圧迫することでインキを外部に排出することができるため、へらを用いてインキを掻き出す必要がない。これにより、インク容器10を用いたインキ使用時における作業性を向上することができる。
同時に、内部の上部空間となるヘッドスペースを削減するとともに、ボトル自体に酸素吸収性を持たせることができるため、容器内部の酸素量を低減し、インクが変質・劣化してしまうことを防止できる。同時に、再密閉可能として、インクの再利用を十分可能とするとともに、内容物使用適性を向上することができる。
また、コート層11を設けたことにより、インキ使用時における抽出性を向上し、インキ残液量を削減することができるとともに、内容物使用適性を向上することができる。
次に、本実施形態のインキ容器の製造に使用するペレットについて説明する。
本実施形態で使用されるペレットは、異なる領域を有し、それぞれの成分はその領域内に配置されて、空気のような酸素含有環境中でのペレットの貯蔵を含めた以後の処理工程時において、ペレット中の化合物の劣化を制御できる。特に、このペレット構造は、材料を熱処理可能にし、熱処理時に生じた副生成物との化学反応を最小限にしまたは防止するとともに、ペレット内の成分と周囲の化合物、たとえば、空気中にある酸素との反応を最小限にしまたは防止し、他方に対する一方化合物の分子量の増加を制御する。
この樹脂ペレットは、酸素感応性成分、酸素不活性成分および反応促進剤を含有し、酸素感応性成分は第1の区画領域にあり、酸素不活性成分は第2の区画領域にある。
さらに、樹脂ペレットは、酸素反応性成分および酸素不活性成分を含有し、酸素反応性成分は第1の区画領域にあり、酸素不活性成分は第2の区画領域にある。
樹脂ペレットは、第1の成分と第2の成分を含有し、第1の成分は、熱処理時に、第2の成分および/または第2の成分によって解離された副生成物のいずれかと反応する副生成物を解離し、第1の成分は第1の区画領域にあり、第2の成分は第2の区画領域にある。第1の区画領域は熱可塑性ポリエステルで構成され、第2の区画領域はポリアミドで構成され、第1の区画領域は樹脂ペレットの全体積の少なくとも0.1パーセントに相当し、第2の区画領域は樹脂ペレットの全体積の少なくとも0.1パーセントに相当する。
第1の成分は、酸素感応性化合物、酸素反応性化合物、酸素不活性化合物、反応促進剤からなる群から選択され、熱処理時に、第2の成分および/または第2の成分によって解離された副生成物のいずれかと反応する副生成物を解離する化合物であり、第2の成分は、第1の成分とは異なり、かつ酸素感応性化合物、酸素反応性化合物、酸素不活性化合物、反応促進剤からなる群から選択され、熱処理時に、第1の成分および/または第1の成分によって解離された副生成物のいずれかと反応する副生成物を解離する化合物である。
この樹脂ペレットを熱処理する方法としては、40℃から該ペレットが液体になる温度の少なくとも1℃下の温度までの範囲内の温度まで樹脂ペレットを加熱することができる。
このようにすることで、少なくとも1つの化合物は熱処理時に副生成物を生じ解離するのだが、この副生成物は最終組成物の特性に影響をもたらす。成分を別々の区画に配置することによって、発生した副生成物との反応は最小限にされる。また、酸素反応性システムが、以後の後熱処理作業、たとえば、乾燥、揮発分除去、結晶化、固体状態重合および空気のような酸素環境中での貯蔵に耐えることができる。
乾燥、結晶化および固相重合は、熱処理であり、この熱処理はペレットの内容物が十分に液体になって領域が混ざり合う温度未満で行うものである。ペレット中の全ての熱可塑性成分が液体になるまでペレットを加熱することは押出し成形処理として周知である。
ペレットにおいて、外側区画でカプセル状に包まれた内側区画を有する。このような構成では、ある温度に暴露すれば、コアを取り囲む表皮を溶融することなく、カプセル化されたコア内の材料を溶融または液化できる。
区画化されたペレットは、熱処理による副生成物への各種成分の暴露を最小限にし、または、仕上げ溶融混合まで、酸素感応性成分を外部材料、たとえば、酸素と反応させず、あるいは、酸素不活性成分が酸素反応性成分を取り囲み、酸素が酸素反応性成分に達するのを防ぐ。
副生成物感応性成分は、化学的に副生成物を生成する材料と同様である化合物で取り囲まれるが、取り囲んでいる材料は副生成物を生成しない。このペレットは次に副生成物を生成する材料のペレットと共に配置され、熱処理される。この化学的に同様の材料を副生成物反応性材料と副生成物を生成する材料の間に配置することもできる。
区画ペレットは、高濃度の一方成分が他方成分の保護層で取り囲まれてなる添加剤的な区画ペレットとすることができる。たとえば、95%ポリアミドコア領域が5%ポリエステルシース領域で取り囲まれた状態にできる。このペレットはポリエステルペレットと共に、全ての熱処理が施され、またはこのペレットは乾燥剤供給時に押出し成形機に添加されうる。
少なくとも1つのアセトアルデヒド除去剤をペレット中に置き、この除去剤を、熱処理時に発生し除去されるアセトアルデヒドから本質的に離して保持することができる。熱処理後、仕上げ溶融混合押出し成形時に、除去剤はポリマー中に分散され、固相重合から残ったままの残渣アセトアルデヒドと溶融押出し工程時に発生したアセトアルデヒドを除去する。均一に分散したペレットのためには、より多くの反応物または触媒が必要とされる。これは、ポリエステルのアセトアルデヒド含有量が溶融重合工程直後は非常に高いためである。
ポリエステルポリマーからのアセトアルデヒドと反応し除去するために、ポリアミドを使用することが知られている。後述するように、本実施形態ではポリエステルとポリアミドを利用しているが、ポリアミドをアセトアルデヒドと反応するまたはアセトアルデヒドの反応を触媒するいずれかの化合物に置き換えることができる。アセトアルデヒドと反応して非架橋5−または6−員環を形成する複素原子含有有機除去剤の使用とともに、アントラニルアミドが好ましい除去剤である。また、触媒を用いてアセトアルデヒドと酸素との反応を開始する。
アセトアルデヒドを減らすために使用される化合物の他の例は、アセトアルデヒドと酸素との反応を触媒するアクティブ型酸化触媒、有機ドナー分子とアセトアルデヒド間のヒドリド移動反応を触媒するヒドリド移動触媒、1,8−ジアミノナフタレン、3,4−ジアミノ安息香酸、アントラニルアミド、ビウレット、マロンアミド、アラントイン、サリチルアミド、サリチルアニリド、o−フェニレンジアミン、3,4−ジアミノ安息香酸、1,8−ジアミノナフタレン、o−メルカプトベンズアミド、N−アセチルグリシンアミド、マロンアミド、3−メルカプト−1,2−プロパンジオール、4−アミノ−3−ヒドロキシ安息香酸、4,5−ジヒドロキシ−2,7−ナフタレンジスルホン酸ジナトリウム塩、ビウレット、2,3−ジアミノピリジン、1,2−ジアミノアントラキノン、ジアニリノエタン、アラントイン、2−アミノベンゼンスルホンアミド、および2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、またはコバルト塩、マンガン塩およびアミン、ホスフィンまたはアルコールが各種原子価の金属と錯体化してなる化合物からなる群から選択されるアクティブ型酸化触媒である。ヒドリド移動触媒は、酸化ジルコニウム水和物、酸化ニオビウム水和物および酸化タンタル水和物からなる群から選択されうる。
上記はアセトアルデヒドと反応する化合物およびアセトアルデヒドの反応を触媒する化合物に当てはまる。アセトアルデヒド除去剤という表現は、直接アセトアルデヒドと反応する化合物またはアセトアルデヒドと別の化合物との反応を触媒する化合物を示す。これらの化合物の例としては、酸化ジルコニウムである。
副生成物に対して反応性の材料を副生成物を生成しない材料で取り囲むことができる。この構造は、ポリ−ネオペンチル−テレフタレートで取り囲まれたポリアミドでありうる。このペレットをポリエチレンテレフタレートのペレットと混合し、次に混合物を同時に熱処理する。場合によっては、3つの区画領域を有する構造を使用することもでき、これはポリアミドからなるコアを有し、コアはポリ−ネオペンチル−テレフタレートからなる中間層によって封じ込められており、これは次にポリエチレンテレフタレートからなる外側層で取り囲まれていることができる。
乾燥、結晶化、揮発分除去および固体状態重合としても周知の固相重合といった熱処理において、少なくとも1つの成分が他の成分の副生成物と反応する場合に、区画化ペレット構造は、2以上の成分を同時に熱処理することができる。熱処理とは、空気または不活性ガスありまたはなしの状態で(たとえば、真空中で)、70℃以上の温度であるが、ペレットが溶融する温度未満の温度にペレットを暴露することである。この温度は、ポリマーの1つがより高い融点を有するポリマーの表皮でカプセル状に包まれている場合に、前者のポリマーの融点より高いものであってもよい。
ペレット内には、少なくとも2つの領域または範囲、好ましくはコアとシースがあり、好ましいペレット構造としては、封止末端を有するコア−シースである。
コア−シース構造は2つの押出し成形機を用いて得られる。さらにもう1つの領域に第3の材料が求められる場合には、追加の押出し成形機が必要である。第1の押出し成形機は、コア材料を形成する液体原料を供給し、コア材料はストランドの中心に線形に押出される。同時に、シース材料は、第2の押出し成形機において、コアを同心状に覆うシース層へと押出される。コア−シースペレットを製造するための多重穴ダイ装置が知られている。コア−シースに区画化されたペレットとしては、コアが実質的にシースによって覆われている。好ましくは、外側シースにポリエステルが押出され、コアにポリアミド(MXD6)が押出される。また、別の押出し成形機と異なるダイを用いることによってストランドが、2以上の環状の同心状層からなる。
まず、一方成分をペレットの中心に押出し、他方成分を中心成分の周囲に押出して、多層ストランドを押出す。押出された多層ストランドを、冷却前または冷却後にペレタイザーによって切断し、必要なら、多層ペレットに成形する。次に、ストランドを冷水の入った水槽に浸漬する等により公知の方法で冷却する。水冷した多層ストランドを、表面の水分を除去した(しばしばスピン乾燥機によって行われる)後にペレタイザーに送る。ペレタイザーは、多層ストランドを特定の長さにロータリナイフ等を駆動させることによって切断する。このように多層ストランドを切断することによって、コア材料とシース材料を含有する二重円柱形状の多層ペレットが得られる。これにより、約2〜8mmの外側直径を有する多層ペレットが製造される。
区画領域は第1の区画領域、第2の区画領域のように分類され、領域数が増加する度に順に名称をつけることができる。たとえば、コア−シース設計は最小で2区画領域を有する。コアシース設計は同心の環の数に依存してより多くの領域を有しうる。
区画領域と、均一分散体に関連付けられる領域とを区別するのは、区画領域のサイズである。均一分散体は領域を形成するが、この領域は微細に分割され、それぞれの領域はペレットの全体積の中では非常に小さい割合を示している。区画領域は全体積の中ではもっとより大きい割合ものである。
区画領域(コア)の体積の全ペレットに対する割合は、コアの直径のペレットの筒状部分の直径に対する割合である。半径の割合もちょうどそのようになる。この割合は、押出し成形機のダイを見ることによって、ストランドをキャスティングする穴の直径比を用いて見積もることができる。実際の割合は、SEM(走査電子顕微鏡)、顕微鏡試験、または成分分離し回収した成分の密度調整重量に関連付けて必要な体積を計算することによって測定されうる。区画領域となるためには、領域の体積は、ペレットの全体積の少なくとも0.001パーセントでなければならない。特に、0.01体積パーセントがより好ましく、少なくとも0.1体積パーセントは最も好ましい。
多成分ペレットの優位性を説明すれば、それはその特有の配置を通じて、反応性成分が解離された副生成物に曝されないことである。大抵の熱処理では、副生成物はペレットの中心から外向きに放出され、ポリマーを通過して外側壁まで拡散し、そこで副生成物がペレット表面から除去される。したがって、反応性の副生成物を解離する成分を、ペレットの外側壁と、副生成物と反応する成分との間に配置することは有益であると考えられる。ポリエステルシースとポリアミドコアは、この構造の例である。反応性成分を壁と副生成物を解離する成分の間に配置する逆構造では、副生成物が反応性成分を通過して、反応性成分を劣化させ変色させうる。
均一な分散体を上回る区画された不均一構造の改良された機能について別に説明できるとすれば、それは表面領域の違いである。均一な分散体は、反応性材料を微細粒子に粉砕したものであり、微細粒子は副生成物との反応に利用できる莫大な量の表面領域を残している。反応性材料を不均一に保持することは、反応に利用できる表面領域を最小限にし、反応性成分を、副生成物を解離する成分で取り囲むことを可能にできる。
コア−シース構造とされたペレットにおいて、コアは4000〜50,000の数平均分子量を有するm−キシリレンアジパミドポリアミド(MXD6)を含有し、シースはポリエステル、特に0.4〜1.2dl/gの固有粘度(I.V.)を有するポリエチレンテレフタレートまたはポリエチレンテレフタレートコポリマーを含有する。一旦、ペレットが形成されれば、両材料は次に、結晶化、固相重合または空気中での乾燥の標準的条件下でさらに処理されうるとともに、MXD6が均一にポリエステル中に分散されて、同じ熱処理に曝した対照基準と比べて、最終物品に著しい色のシフトを与えない。固有粘度は、相対粘度に基づいてビルメイヤー(Billmeyer)方程式を用いて計算される。
ペレットが0.2〜1.2dl/gのI.V.を有する少なくとも1つの成分を含有することができる。たとえば、少なくとも0.45dl/gのフィルム形成ポリエステル、0.49〜0.59dl/g、より好ましくは0.52〜0.56dl/gの中間の原料I.V.のフィルム形成ポリエステルを使用することができる。ペレットは0.59〜0.69dl/g、より好ましくは0.61〜0.64dl/gの範囲の原料I.V.であって、0.72〜0.84dl/g、より好ましくは0.74〜0.82dl/gの範囲のボトルについて典型的なI.V.を有するポリエステルボトル樹脂を使用することもできる。パッケージングトレイにとって、典型的なI.V.は0.85〜1.02dl/g、より好ましくは0.89〜0.95dl/gの範囲である。測定されるポリマーのI.V.は単一値であるが、この値は様々な分子鎖長さの複合体を表す。熱処理時の典型的なI.V.の増加は少なくとも0.1dl/gであるが、0.2以上、さらには0.4dl/g以上である場合もある。
ここで、材料が結晶であるかアモルファスであるかには無関係である。たとえば、0.49IVのPETのシースが、25,000の数平均分子量を有するMXD6ナイロン(MXD6−グレード6007、三菱瓦斯化学製)を含むコアをカプセル状に包んでなる結晶化前のペレットは実施の形態の1つである。結晶化後の同じペレットは1つの例であり、固相重合した同じペレットもそうであり、PETのI.V.はここで0.84であり、MXD6ナイロンの数平均分子量も増加する。固相重合したペレットの乾燥も想定される熱処理の1つである。
分子量はしばしば熱処理時に増加し、ペレット中の成分位置はI.V.の増加速度に影響することがある。最終分子量が各成分について決まれば、各成分の出発分子量を低めに選択して、熱処理後の各成分の最終分子量が最終物品に必要な各成分の所望分子量になるようにすることができる。この出発I.V.は公知の繰り返し最適化技術によって簡単に決定され得る。
また、異なる領域では著しく異なった固有粘度と溶融粘度のペレットを製造できる。たとえば、多官能性コ−モノマー、たとえば、ピロメリト酸ジアンヒドリド(PMDA)、およびペンタエリスリトールはポリエステルの固相重合速度を増加させるとともに、固体状態重合のための温度を低減することは周知である。これによって、高温で長時間の暴露を低減することができる。シース中にPET/PMDAを有する領域化ペレットは、慣習的な固相重合条件に耐えることができない材料の処理を可能にする。本実施形態では、ペレットは、外側シースがPETと適量のPMDAで構成され、慣習的な時間および温度に耐えることができない材料はコア中にある。多くのアセトアルデヒド除去剤およびバリアポリマー、たとえば、ポリエチルビニルアルコール(EVOH)はこのカテゴリーに入る。ペレットは、より低温で非常に短時間、いくつかの場合には、慣習的な条件より低温で短時間、固相重合条件下に暴露される。
あるいは、ペレットの末端を閉じて、内側コアがシースで完全に取り囲まれ封止されるようにすることもできる。この構造は反応性材料を取り囲み、末端を封止して、周囲の環境中に存在する熱処理の副生成物や貯蔵時の大気中に存在しうる酸素と反応しないようにしている。
コア材料の末端表面がシース材料で覆われた全体的に丸みのある球状、楕円状または円盤状の多層ペレットは、末端切断面を丸めることによって製造できる。外側層のシースが内側層の内容物を閉じ込めてなるペレットを形成する方法の1つは、ダイを水中に入れペレットストランドを切断することである。好ましいペレット構造は、MXD6コアがポリエステルコポリマーで取り囲まれたものである。
区画領域の完全分離が本質ではないことを認識する必要がある。たとえ材料が別々の領域にあっても、ポリエステル領域中に幾分かのポリアミド(MXD6)が存在してもよく、ポリアミド(MXD6)の領域中に幾分かのポリエステルが存在してもよい。また、ポリアミド領域またはポリエステル領域は、その領域中に均一に分散された親和剤を有し、仕上げ溶融混合工程時のポリアミドとポリエステルの親和を助けてもよい。
このような親和剤の例としては、親和化ポリマー混合物があり、ポリアミド、PETまたはPET−含有コポリマー、およびイソフタル酸(IPA)変性PETおよびPETイオノマーから選択される少なくとも1つを含有する。あるいは、親和剤として、1〜6molパーセントのIPA(イソフタル酸)を含有するようなIPA−変性PETがある。好ましいPETイオノマーはスルホン化PETである。他の親和剤には、p−トルエンスルホン酸変性PET、ピロメリト酸ジアンヒドリド変性PET、およびマレイン酸無水物変性PET、アクリル酸変性ポリオレフィンタイプのイオノマーおよび低分子量ビスフェノール−Aエポキシ樹脂−E44、2官能性カップラーを用いてカップリングされたトリメリト酸無水物がある。
好ましい親和剤は、イオン性親和剤、好ましくは金属スルホネート塩の基を含有するコポリエステルである。スルホネート塩の金属イオンは、Na、Li、K、Zn++、Mn++およびCa++であってもよい。スルホネート塩の基は、芳香族核、たとえば、ベンゼン、ナフタレン、ジフェニル、オキシジフェニル、スリホニルジフェニル、またはメチレンジフェニル核に取り付けられる。
好ましくは、芳香族酸の核は、スルホイソフタル酸、スルホテレフタル酸、スルホフタル酸、4−スルホナフタレン−2,7ジカルボン酸、およびそのエステルである。イオン性親和剤の好ましい範囲は、各酸またはグリコール部分の0.1〜2.0重量molパーセントである。
親和剤は第3の成分として区画化ペレット中に存在してもよく、いずれかの区画に存在してもよい。場合によっては、イオン性親和剤を、ポリエステル樹脂の分子鎖内に重合させることができる。
また、シクロヘキサンジメタノール(CHDM)で変性されたPET(Eastman Chemical社製PETG)も親和剤とすることができる。親和剤、特にポリエステルベースの親和剤をポリアミド区画中に配置する必要がないことも理解されるべきである。
厳密には、狭い側の領域は広い側の領域の材料を含む状態であるとみなせる。たとえば、ポリエステルシースとポリアミドコアのペレットについて、コアがポリアミドとポリエステルの両方を少なくとも1:1程度の高い割合で含有する場合には、最終製品の色が維持され清澄性が向上する。
純粋なポリアミドコア、例えば、PETをMXD6と共にコア中配置した場合には、高速でストランド製造した場合に空孔欠陥を形成する場合がある。したがって、少なくともポリエチレンテレフタレートまたはポリエチレンテレフタレートコポリマーシースとMXD6コア構造について、コアは、親和性を改良しより高速製造での空孔欠陥を排除するために、ポリエチレンテレフタレートおよび/またはポリエチレンテレフタレートコポリマーを含有すべきである。コア中のポリエステルの好ましい量は、連続相としてポリエステルを維持しかつ分散相としてポリアミドを維持するのに必要な最小限の量である。この好ましい量はポリエステルとポリアミドのI.V.によって変化する。これらの現象は、以下のポリエステル/有機除去剤構造を含めた他の構造でも適用できる。
空孔欠陥を減らすには、押出し後でペレット化前の水温とストランド冷却時間を調節してもよい。PETシースおよびMXD6コア構造について、空孔欠陥の形成は冷却時間を増やし、冷却水の温度を上げて、シースとコアの冷却の差を最小限にするようにゆっくりと冷却することによって、低減することができる。
さらに、本実施形態での使用に好適な熱可塑性ポリマーは、いずれの熱可塑性ホモポリマーまたはコポリマーをも含む。これらの例には、脂肪族、部分的に芳香族および芳香族ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレートコポリマー、ポリブチレンテレフタレートおよびそのコポリマー、ポリトリメチレンテレフタレートおよびそのコポリマー、およびポリエチレンナフタレートおよびそのコポリマー、分岐ポリエステル、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリビニリデンジクロライド、ポリアクリルアミド、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアセテート、ポリアクリル酸、ポリビニルメチルエーテル、エチレンビニルアセテートコポリマー、エチレンメチルアクリレートコポリマー、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレンコポリマー、ポリ(1−ヘキセン)、ポリ(4−メチル−1−ペンテン)、ポリ(1−ブテン)、ポリ(3−メチル−1−ブテン)、ポリ(3−フェニル−1−プロペン)およびポリ(ビニルシクロヘキサン)がある。酸素不活性熱可塑性ポリマーのいくつかの例には、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレートコポリマー、ポリブチレンテレフタレートおよびそのコポリマー、ポリトリメチレンテレフタレートおよびそのコポリマー、およびポリエチレンナフタレートおよびそのコポリマー、分岐ポリエステル、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリビニリデンジクロライド、ポリアクリルアミド、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアセテート、ポリアクリル酸、ポリビニルメチルエーテル、エチレンビニルアセテートコポリマー、エチレンメチルアクリレートコポリマーがある。
特に、熱可塑性ポリマーとしては、ポリエステルポリマーまたはコポリマー、たとえば、ポリエチレンテレフタレートまたはポリエチレンテレフタレートの結晶化可能なコポリマーを含有することが好ましい。ポリエチレンテレフタレートまたはポリエチレンテレフタレートコポリマーのコポリマーもコポリエチレンテレフタレートとして示される。ポリエチレンテレフタレートまたはポリエチレンテレフタレートコポリマーのコポリマーは、酸ユニットの総数に基づいて繰り返し酸ユニットの少なくとも85%がテレフタル酸またはテレフタル酸のジエステルから誘導され、グリコールユニットの総数に基づいて繰り返しグリコールユニットの少なくとも85%がエチレングリコールから誘導され、酸および/またはグリコールユニットの残りは少なくとも1つの他の異なる繰り返しユニットから誘導されるポリエステルである。第3の繰り返しユニットはたとえば、イソフタル酸、2,6ナフタレンジカルボン酸、シクロヘキサンジメタノール、または1,4ブタンジオールでありうる。
未変性PETとは、ポリエチレンテレフタレートまたはコポリエチレンテレフタレートを意味する。変性剤の結晶化可能性は、示差走査熱量計(D.S.C.)によって測定されるようにある程度までポリマーを結晶化させる能力を示す。典型的な結晶度は5〜65パーセント程度の範囲であり、これは使用される熱処理と核形成技術のタイプに依存する。典型的には、ポリマーは5%未満の結晶度を有する場合にはアモルファスであると考えられる。
2つのタイプの結晶構造がある。1つは、融点以下の高温で材料を力に曝すことによって分子を配列させた伸長結晶である。このタイプの結晶は配向としても周知であり、繊維を引き伸ばす場合またはボトルを引き伸ばして膨らませる場合に生じる。結晶の配列および配向のために、伸長結晶を有する材料は一般的に透明である。非伸長結晶は、応力なしでアモルファス材料を加熱した場合に生じる。この材料は白色になる。この結晶はランダムで性質は非常に脆い。本実施形態は、アモルファスペレット(これらは5%未満の結晶度を有する)、伸長結晶ペレット、非伸長結晶ペレットおよび伸長結晶と非伸長結晶の両方を有するペレットを取り扱うことができる。両方のタイプの結晶を備えたペレットは、押出し処理時にストランドを配向させ、次に切断したペレットまたはストランドを、ペレット中の幾分かの残りのアモルファス材料を非伸長結晶形態に移行させるのに十分な熱に曝すことから生じる。
本実施形態で使用されるポリマーは、公知の重合手順によって調製される。ポリエステルポリマーおよびコポリマーは、ジオールとジカルボン酸との反応またはこれに相当するジエステルを含む熔融相重合によって調製されてもよい。多様なジオールと二酸の使用から得られる多様なコポリマーを用いてもよい。1のみの化学組成の繰り返しユニットを含むポリマーはホモポリマーである。同じ高分子中に2以上の化学的に異なる繰り返しユニットを有するポリマーはコポリマーと呼ばれる。テレフタレート、イソフタレートおよびナフタレートと、エチレングリコール、ジエチレングリコールおよびシクロヘキサンジメタノールとのポリマーは、6個の異なったモノマーを含有し、コポリマーと考えられる。繰り返しユニットの多様度は、最初の重合反応において存在する異なるタイプのモノマーの数に依存する。ポリエステルの場合、コポリマーは1以上のジオールと1以上の二酸との反応を含み、しばしばターポリマーとも呼ばれる。さらに、モノマーのランダム化は必要でない。コポリマーまたはターポリマーは、異なるモノマーを用いたポリマーとも言え、異なるモノマーはブロックまたはランダム分布している。
上記のジカルボン酸としては、約6個〜約40個の炭素原子を有するものが好ましい。特定のジカルボン酸には、これに限定されないが、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレン2,6−ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、シクロヘキサン二酢酸、ジフェニル−4,4’−ジカルボン酸、1,3−フェニレンジオキシ二酢酸、1,2−フェニレンジオキシ二酢酸、1,4−フェニレンジオキシ二酢酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸等がある。特定のエステルには、これに限定されないが、フタル酸エステルおよびナフタル酸ジエステルがある。
ポリエステルイオノマー、たとえば、メタロ−スルホネートを形成するモノマーも含まれる。リチウム、硫黄およびリンのスルホン化イソフタレート塩はこれに含まれる。
これらの酸またはエステルを、約2個〜約10個の炭素原子を有する脂肪族ジオール、約7個〜約14個の炭素原子を有する脂環族ジオール、約6個〜約15個の炭素原子を有する芳香族ジオール、または4個〜10個の炭素原子を有するグリコールエーテルと反応させてもよい。好適なジオールには、これに限定されないが、1,4−ブテンジオール、トリメチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール、レゾルシノールおよびヒドロキノンがある。
多官能性コモノマーは、典型的に約0.1〜約3モルパーセントの量で使用されうる。好適なコモノマーには、これに限定されないが、トリメリト酸無水物、トリメチロプロパン、ピロメリト酸ジアンヒドリド(PMDA)、およびペンタエリスリトールがある。ポリエステル−形成ポリ酸またはポリオールも使用されうる。
好ましいポリエステルは、テレフタル酸またはそのエステルとエチレングリコールとの約1:1の化学量的反応から形成されるポリエチレンテレフタレート(PETホモポリマー)である。別の好ましいポリエステルは、ナフタレンジカルボン酸またはそのエステルとエチレングリコールとの約1:1〜1:1.6の化学量的反応から形成されるポリエチレンナフタレート(PENホモポリマー)である。また別の好ましいポリエステルは、ポリブチレンテレフタレート(PBT)である。PETコポリマー、PENコポリマーおよびPBTコポリマーも好ましい。利益のある特定のコ−およびターポリマーはイソフタル酸またはそのジエステル、2,6ナフタル酸またはそのジエステル、および/またはシクロヘキサンジメタノールの組み合わせを有するPETである。
カルボン酸またはエステルとグリコールとのエステル化または縮重合反応は、典型的に触媒の存在中で起こる。好適な触媒には、これに限定されないが、酸化アンチモン、アンチモントリアセテート、アンチモンエチレングリコレート、オルガノ−マグネシウム、酸化錫、チタンアルコキシド、ジブチル錫ジラウレート、および酸化ゲルマニウムがある。これらの触媒を亜鉛、マンガンまたはマグネシウムのアセテートまたはベンゾエートと組み合わせて使用してもよい。アンチモンを含有する触媒が好ましい。
別の好ましいポリエステルは、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)である。これは、たとえば、1,3−プロパンジオールと少なくとも1つの芳香族二酸またはそのアルキルエステルとを反応させることによって調製され得る。好ましい二酸およびアルキルエステルには、テレフタル酸(TPA)またはジメチルテレフタレート(DMT)がある。したがって、好ましくは、PTTは少なくとも約80モルパーセントのTPAまたはDMTのいずれかを含有する。このようなポリエステルにおいて共重合されてもよい他のジオールには、たとえば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、および1,4−ブタンジオールがある。コポリマーを形成するのに同時に使用してもよい芳香族および脂肪族の酸には、たとえば、イソフタル酸およびセバシン酸がある。
PTTを調製するのに好ましい触媒には、チタンおよびジルコニウム化合物がある。好適な触媒性チタン化合物には、これに限定されないが、チタンアルキレートおよびその誘導体、チタン錯体塩、ヒドロキシカルボン酸とのチタン錯体、チタン二酸化珪素二酸物共沈物、および水和アルカリ含有二酸化チタンがある。特定の例には、テトラ−(2−エチルヘキシル)−チタネート、テトラステアリルチタネート、ジイソプロポキシ−ビス(アセチル−アセトナト)−チタン、ジ−n−ブトキシ−ビス(トリエタノールアミナト)−チタン、トリブチルモノアセチルチタネート、トリイソプロピルモノアセチルチタネート、テトラ安息香酸チタネート、アルカリチタンオキサレートおよびマロネート、カリウムヘキサフルオロチタネート、および酒石酸、クエン酸または乳酸とのチタン錯体がある。好ましい触媒性チタン化合物は、チタンテトラブチレートおよびチタンテトライソプロピレートである。対応するジルコニウム化合物を用いてもよい。
また、本実施形態の好ましいポリマーは少量のリン化合物(たとえば、リン酸塩)や青味を与える傾向のあるコバルト化合物のような触媒を含有してもよい。含まれてもよい他の薬剤は赤外線吸収剤、たとえば、カーボンブラック、グラファイトおよび各種鉄化合物である。
上記熔融相重合に次いで結晶化工程、そして固相重合(SSP)工程を行って、遠忌容器製造に必要な分子量を増加させてもよく、これは固有粘度によって測定される。結晶化および重合は、バッチタイプシステムにおいてタンブラー乾燥反応機中で行われうる。場合によっては、結晶化および重合は連続固相法で実施されうり、これによってポリマーは、各容器で予め定められた熱処理の後にある容器から別の容器へと流れる。
好ましくはPETの結晶化条件は、約100℃〜約150℃の温度を含む。PETを結晶化するための典型的な熱処理作業は、ペレット中のPETの結晶度を少なくとも5パーセント増加させる。本実施形態では、たとえば、PETまたはポリアミドのいずれかの成分の結晶度を5パーセント増加させることができ、組み合わされた2つの成分の結晶度の増加が5パーセントであってもよい。結晶度パーセントの増加は、成分の加重平均でも、以前の結晶度の量に対するパーセンテージや値でもなく、結晶度パーセントの増加または結晶度の増加は、結晶度の絶対増加である。PETおよびポリアミドの結晶が組み合わされている場合には、結晶度の増加はPETの結晶度の絶対増加プラスポリアミドの結晶度の絶対増加である。たとえば、「少なくとも5パーセントの結晶度増加」という表現は、少なくとも5パーセントの成分がアモルファスから結晶になったことを意味する。20%の結晶度を有するペレットが結晶度について5パーセント増加するということは、21%の結晶度を有することを意味するのではない。これはペレットが25%の結晶度を有することを意味している。多くの場合、結晶度の増加は少なくとも10パーセントの増加であり、いくつかの場合には15〜20パーセントである。
好ましくは、固相重合条件は約200℃〜約235℃、より好ましくは約215℃〜約235℃の温度を含む。固相重合は分子量が所望のレベルに上昇するのに十分な時間をかけて行われ、このレベルは用途と最初の固有粘度に依存する。好ましい分子量は、約0.68〜約0.88デシリットル/グラムの固有粘度に相当する。この分子量に達するのに必要な時間は約8〜約45時間の範囲であってもよい。このときのI.V.の増加は少なくとも0.1dl/gであり、0.2〜0.4dl/g増加することが好ましい。
本実施形態の熱可塑性ポリマーマトリックスは、リサイクルされたポリエステルまたはリサイクルされたポリエステルから誘導される材料、たとえば、ポリエステルモノマー、触媒、およびオリゴマーを含有してもよい。少なくとも75%の均一に分散されたMXD6を有するPETが、コアシース設計のコア中に配置された場合、樹脂ペレット中の全MXD6含有量が5%程度であるときに、この少なくとも75%の均一に分散されたMXD6を有するPETは十分に固相重合されうる。これは、MXD6のようなポリアミドが分散されたPETで構成された使用済み容器からリサイクルされたポリエステルを、結晶化し、固相重合し、かつ乾燥することができ、この際、一般的にMXD6ナイロンのようなポリアミドが分散されたリサイクルポリエステルを使用することに関連した着色の増加を伴わないことを意味する。リサイクル処理は、コア中にMXD6ナイロンを含有するリサイクルPETを配置し、リサイクルPETまたはMXD6を含有しない新しいPETをシースに配置するだけでよい。典型的なリサイクル処理では、コア中のPETは多くても10重量%、より好ましくは5重量%未満のMXD6を含有する。
本実施形態における他の成分としては、熱処理時に副生成物を生成してこれが他の成分と反応する化合物か、熱処理時に他の成分から生成された副生成物と反応する化合物である。両成分はもう一方の副生成物と反応してもよい。
ポリエステルが第1の成分として好ましい材料であるとすれば、ポリアミドは第2の成分の好ましい材料である。好適なポリアミドは、アミノカプロン酸の繰り返しユニットまたはA−Dの繰り返しユニットを含有し、ここで、Aはアジピン酸、イソフタル酸、テレフタル酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、レゾルシノールジカルボン酸、またはナフタレンジカルボン酸またはその混合物を含むジカルボン酸の残基であり、Dはm−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、エチレンジアミンまたは1,4シクロヘキサンジメチルアミンまたはその混合物を含むジアミンの残基である、と記載することができる。これらのポリアミドは、2000〜60,000の数平均分子量の範囲とでき、これは末端基滴定によって測定される。これらのポリアミドは、アミノカプロン酸同士の反応生成物および/またはアジピン酸、イソフタル酸、テレフタル酸、1,4シクロヘキサンジカルボン酸、レゾルシノールジカルボン酸、またはナフタレンジカルボン酸またはその混合物を含むジカルボン酸の残基と、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、エチレンジアミンまたは1,4シクロヘキサンジメチルアミンまたはその混合物を含むジアミンの残基との反応生成物とすることもできる。
ポリアミドとしては、セバシン酸とヘキサメチレンジアミンの残基の反応生成物がナイロン610であり、アジピン酸とヘキサメチレンジアミンの残基の反応生成物がナイロン66である。ナイロン612は使用可能な別のナイロンである。ナイロン6はカプロラクタムを開環し、次に式HN−(CH−COOHを有する得られたアミノカプリン酸を重合することによって形成される特別なタイプのポリアミドである。好ましいポリアミドはアジピン酸とm−キシリレンジアミンの残基の反応生成物であり、ポリ−m−キシリレンアジパミドとして周知である。この生成物はMXD6またはナイロンMXD6として周知である。
さらに、このポリアミドを、ポリアミドイオノマー、たとえば、メタロ−スルホネートを生じるモノマーを用いて変性させてもよい。リチウム、硫黄およびリンのスルホン化イソフタレート塩はこれに含まれる。これらはたとえば、ジカルボン酸、前−反応ジエステル、またはジアミンとしての変性コ−ポリアミドである。
プレコンパウンド(予備混合物)との比較を例示する。たとえば、ポリエステルシースとポリアミド(MXD6)コアのペレットを形成し、140℃で<1.33ミリバールで5時間保持して材料を結晶化した。結晶化後、ペレットを230℃で約13時間、<1.33ミリバール(<1mmHg)の真空に暴露して分子量を増加させた。次にペレットを空気中で160℃で6時間乾燥させて、予備成形品へと射出成形した(例1)。
例2として、PET/MXD6の均一に分散調合された例を、<1.33ミリバール(<1mmHg)で140℃で5時間保持して材料を結晶化し、次いで空気中で160℃で6時間乾燥させて、予備成形品へと射出成形した。
例3として、物理的混合物を、PETとMXD6の別のペレットを乾燥空気の存在中で160℃で6時間乾燥させ、予備成形品へと射出成形することによって形成した。
均一に分散された例2から形成された予備成形品の着色はb=23.1であり、例3の物理的混合物の対照基準の着色はb=−5.8であった。これに比べて例1はb=−4.7であった。
これらは単に区画化ペレット構造の利用を例示しているだけでなく、2つの材料を同時に熱処理する方法を開示している。この熱処理には、これに限定されないが、結晶化、乾燥、固相重合またはこれらのいずれかの組み合わせがある。これらの例は回転式真空混合機中で行われるが、工業的大きさの振動式流動床結晶器中で、空気または窒素のような不活性ガスの存在中で、および連続固相重合装置中で、窒素のような不活性ガスの存在中で非常に簡単に行われるものである。
本実施形態は、少なくとも1つの酸素不活性ポリマー、たとえば、ポリエステルと、少なくとも1つの酸素感応性成分と、少なくとも1つの反応促進剤を含有するペレットであって、反応促進剤が、酸素感応性成分と接触して配置されたときに、酸素感応性成分と酸素との反応を開始させまたは触媒作用を呈することによって、酸素感応性成分を酸素反応性成分にすることができる。
本実施形態では、酸素と反応する成分は酸素反応性成分または酸素除去剤として周知である。この成分と酸素との反応は、しばしばパッケージの壁中にも存在するさらなる成分によって促進される。促進剤の存在中で酸素に対して反応性になる成分は、酸素感応性成分と呼ばれる。通常、促進剤は酸素感応性成分と酸素との反応を開始させしばしば触媒する。酸素感応性成分が促進剤に曝され酸素と反応性となった後、酸素感応性成分は酸素反応性成分になる。酸素感応性/反応性成分は、有機でも無機でも還元された原子価状態の金属でもよい。
逆に、酸素不活性成分とは、酸素感応性成分を酸素反応性成分にするレベルの促進剤に接触させて配置したときに、酸素と反応性にならない成分を示す。これは、酸素感応性成分と促進剤を組み合わせ、酸素消費量を測定することによって簡単に決定することができる。次に、問題の酸素不活性成分を促進剤とのみ組み合わせて酸素反応度を測定する。大抵の有機化合物は、酸素に対して幾分かの非常に僅かな固有の量の反応度を有する。したがって、酸素不活性成分であるためには、促進剤を伴った成分は、促進剤なしの成分に比べて、酸素消費量について、10%未満の増加を示す、好ましくは増加を示さないものとされる。なお、少量の触媒、汚染物質または促進剤がその中でおよびこれと酸素とが僅かに反応しうることによって、僅かに高い増加が引き起こされる場合もある。
本実施形態では、ポリマー、酸素感応性成分および促進剤をペレットの領域または区画に不均一に配置し、実質的に酸素との反応を開始しまたは触媒するには酸素感応性成分と直接接触する促進剤の量が不十分であるが、仕上げ溶融押出し工程時に構成要素を混合して均一になれば、反応を開始しまたは触媒するのに十分すぎる促進剤があるようにする。
ここで、促進剤と酸素感応性成分が、互いに均一に分散しまたは溶解しているのではなく、実質的にペレット中に不均一に配置されることが重要である。本実施形態では、酸素感応性成分はコアかシースのいずれかの区画に配置され、促進剤は、ペレットを仕上げ溶融混合工程で処理したときに、酸素感応性成分と酸素との反応を開始しおよび/または触媒するのに十分な量を、酸素不活性成分に導入される。この構成では、酸素感応性成分は、仕上げ溶融混合時に促進剤と組み合わされるまでは、本質的に酸素と非反応性のままである。酸素感応性化合物は仕上げ溶融混合までは酸素との反応性をほとんどまたは全く有さないので、本実施形態のペレットは、このとき、空気のような酸素含有環境中で貯蔵され、酸素の存在中で熱処理を施すことができる。
酸素反応性化合物は、酸素との反応を開始しまたは触媒するのに反応促進剤を必要とする酸素感応性成分である。酸素反応性化合物は多くの化合物の1つであり、様々なタイプの酸化可能な有機酸素感応性化合物がある。酸素感応性化合物は、一般的にエチレン性不飽和有機化合物であり、酸素と、開始剤または触媒である促進剤との存在中で切り取られる少なくとも1つのアリル性水素を有する。この文脈において、触媒は開始剤である場合があるが、開始剤は必ずしも触媒であるわけではない。一般的に酸素との反応は、開始剤または触媒の存在がなければ、非常にゆっくりであるか、全く起こらない。開始剤は、この化合物と酸素との高速反応を開始させるものである。触媒は、反応を開始することも、反応速度を増加させることもできるが、反応に参加しない。
ポリオレフィンのようなポリアミドは遷移金属触媒の存在中で酸素と反応性になり、したがって、酸素感応性成分でもある。したがって、ポリアミドも好ましい酸素感応性成分の1つである。特に、上記のポリアミドは、好適な酸素感応性成分である。これらのポリアミドの中でm−キシリレンアジパミド部分は好ましい。ポリブタジエン、ポリブタジエンオリゴマーおよびテルペンは酸素感応性材料の別の例であり、これらは遷移金属触媒によって促進(開始および/または触媒)される。
酸化可能な有機化合物の別の例は、ポリブタジエン、非水素化ポリブタジエンオリゴマー、ポリプロピレンオキサイドオリゴマー、およびメチルペンダント芳香族化合物がある。高−シス(high-cis)、高−ビニル(High-vinyl)およびシンジオタクチック(syndiotatic)微細構造を有するものを含めた多くの形態のポリブタジエンが有効である。
主成分と物理的に混合されるだけでなく、酸素感応性部分は1以上の領域中で化学的に官能化され、主成分と親和性のある材料と反応することができる。このような官能化は、少なくとも1つのカルボキシル、ヒドロキシル、またはアミノ基をその部分に置くことである。好ましくは、この部分の各末端に2つの官能基が生じる。ポリエステルと親和性のある材料のタイプは、ポリエステルからなる群から選択される主たる縮重合体のセグメントと、官能化ポリブタジエン、非水素化ポリブタジエンオリゴマー、ポリプロピレンオキサイドオリゴマー、およびメチルペンダント芳香族化合物からなる群から選択される少量の酸素感応性部分セグメントを有するポリアミドとの反応生成物である。上記の縮重合体は、1以上の以下のフタレート(ジメチルテレフタレート、ジメチルオルトフタレート、およびジメチルイソフタレート)が形成されて、アルファ−ヒドロオメガ−ヒドロキシポリ(オキシテトラメチレン)および/または1,4ブタンジオールと反応する場合のエステル交換反応によって生成されたポリエステルエラストマーとされ、最終的なエラストマーが20,000〜30,00の数平均分子量を有する。また、これらの縮合体を、テレフタレート、オルトフタレートおよびイソフタレートからなる群から選択される1以上のフタレートで構成された縮重合体とすることもでき、ここで縮重合体はさらに、アルファ−ヒドロオメガ−ヒドロキシポリ(オキシテトラメチレン)および1,4ブタンジオールからなる群から選択される1以上のグリコールから構成され、縮重合体は20,000〜30,00の数平均分子量を有する。アルファ−ヒドロオメガ−ヒドロキシポリ(オキシテトラメチレン)は、1,4ブタンジオールのポリマー状態である。モノ−エチレングリコール(エチレングリコール)およびポリエチレングリコールとしても周知のそのポリマーも好適である。
通常、酸素除去剤材料を主成分自身と反応させる場合に最良の親和性が得られ、官能化ポリブタジエンをポリエステルセグメントに対して反応させることができる。この官能化ポリブタジエンをポリエステルセグメントに対してモノマーとみなせ、ポリブタジエンモノマーと等価である。好ましくは、官能化酸素除去剤を、主成分と同じタイプの材料と反応させる。言い換えれば、ポリエチレンテレフタレートとの最良の親和性は、官能化酸素除去剤をポリエチレンテレフタレートまたはポリエチレンテレフタレートコポリマーと反応させる場合に得られる。
促進剤は開始剤または触媒であり、酸素感応性成分と酸素との反応を開始しまたは促進するいずれかの化合物である。促進剤は通常遷移金属、最も好ましくはコバルト塩、たとえば、コバルトネオデカノエートであり、酸素感応性材料と酸素との反応によって消費されない。さらに、酸素感応性成分は、促進剤が十分な量存在しなければ、酸素に対して十分に非反応性である。また、促進剤も、酸素との反応を開始しまたは開始剤を解離するために、ペレット外部に何らかの事象、たとえば、放射エネルギー(光、UV光、マイクロ波)または別の物質(たとえば、水)との接触を必要してもよい。
促進剤の量は、通常、必要な酸素消費量、酸素感応性成分のタイプ、および促進剤のタイプに基づいて経験的に決定される。一般的には、促進剤の量は、酸素感応性成分に対して金属イオンで30〜1000ppmの間で変動する。より好ましくは、この値は50〜500ppmであり、最も望ましい範囲は酸素感応性成分の重量の100〜300ppmの金属イオンである。
酸素不活性成分に対する酸素感応性成分の量は、酸素反応性になった場合に酸素と反応する酸素感応性成分の効率に依存する。効率的な酸素消費は、酸素感応性成分および/または酸素反応性成分が1〜12重量パーセント存在する場合に起こる。より好ましくは酸素感応性/酸素反応性成分は、樹脂ペレットの2〜8重量パーセントのレベルで存在すべきである。最も工業的な仕様は4〜6重量パーセントのレベルでの利用である。
本実施形態は、未促進の酸素感応性成分、好ましくはMXD6のようなポリアミド、非水素化ポリブタジエンオリゴマーまたはポリエステル骨格に対して反応させた非水素化ポリブタジエンオリゴマーをペレットのコア中に配置し、コバルト促進剤およびポリエステルをシースまたは外側構成層中に配置することが好ましい。この構成では、コバルト促進剤は、仕上げ溶融混合工程までポリエステル(酸素不活性)相中に留まり、仕上げ溶融混合工程時に酸素感応性成分はポリエステル全体に分散され、コバルト塩と密接に接触することになり、これによって酸素と酸素感応性成分との反応を開始し触媒する。この時点で酸素感応性成分は酸素反応性成分になる。
ここで、酸素感応性成分に添加可能だが酸素との反応促進が不十分な促進剤の最大値を決定し、完全な分散下で反応促進に必要な促進剤の総量を決定し、ポリエステルシース中に少なくとも残りの量の促進剤を配置することによって、促進剤の量を最小限にすることができる。
さらに、本実施形態は、既に開始され/触媒された、または酸素反応性の成分をコア中に配置し、高バリア成分を酸素反応性成分とペレットの外側エッジの間、たとえば、シース中に配置することができる。好ましくは、酸素反応性成分を取り囲むシースであり、このシースは酸素反応性成分に到達する酸素量を低減し、これによって貯蔵時の酸素反応性性能を維持する。ここで、コバルト塩を含んだMXD6、コバルト塩含んだポリブタジエンおよびコバルト塩と組み合わせたポリエステルに対して反応させた非水素化ポリブタジエンは、コアにとって好ましい材料である。これらの成分はポリエチレンテレフタレートまたはその結晶化可能なコポリマーのシースによって取り囲まれる。次にポリエステルを結晶化させ、事実上コア中の酸素反応性成分への酸素の浸透を排除する。
ここで、官能化(非水素化)酸素反応性成分が2つの形態で存在してもよい。初めは、酸素反応性成分は、ポリマー骨格に対してまだ反応していない官能化材料として存在してもよい。仕上げ溶融混合時に、別の区画中の成分の骨格に対して反応が起こる。
本実施形態は、副生成物および/または酸素に対する反応だけでなく、相互作用/相互反応成分を有するペレットとすることもできる。酸素感応性または酸素反応性成分はこれら相互作用/相互反応性成分の1つであってもよく、またはそうでなくてもよい。本実施形態では、ペレット外部の化合物、たとえば、酸素との反応促進剤が存在し、促進剤が酸素感応性化合物とは別に保持されるか、または酸素反応性成分が酸素から遮断されて、いずれの場合でも室温(23℃±5℃)でのペレットの酸素反応速度を、対照基準のペレットを20%上回って減少させるようにすることができる。
領域化ペレット構造において酸素反応性のないことを確認した。PET、酸素感応性成分(MXD6)および酸素反応促進剤(コバルトネオデカノエート)を含有する領域化ペレット構造の酸素反応性は、PETおよび酸素感応性成分を含有する領域化ペレット構造と同様であった。1日後に反応した酸素量は事実上同じであり、区画化構造は7日を過ぎても消費量の増加を示さない。PETおよび酸素感応性成分を含有する領域化ペレット構造における7日目の低い結果は、試料を製造後幾分かの時間までガラス瓶に入れておかなかったことによると考えられる。このときに少量の本来的な酸素反応性が既に生じていた。
さらに、他の実施形態としては、アセトアルデヒド除去剤またはアセトアルデヒド反応触媒を領域の1つに配置することである。ポリアミドは上述したアセトアルデヒドと反応する一種の化合物である。酸化ジルコニウム粒子もアセトアルデヒドを減らすことで周知である。酸化ジルコニウムは粒子であるので、この化合物が高レベルでは最終の製品に曇りを引き起こす。領域中に二酸化ジルコニウムを集中させることの利点は、アセトアルデヒドが熔融重合工程で一般的なレベルから劇的に減少した場合に、固相重合後まで二酸化ジルコニウムが比較的未使用のまま残ることである。多量のアセトアルデヒドは固相重合時に除去されるので、固相重合の前に酸化ジルコニウムをコアシース設計のコア中に導入することによって、必要な酸化ジルコニウムが少なくてすむ。
以下、本発明にかかる実施例を説明する。
<実験例1>
実験例1として、ポリエチレンテレフタレートと、4体積%のMXD−6ナイロンと、1ppmのコバルトとを含むポリプロテクト樹脂により、延伸ブロー成形して、内容量1Lのボトル形状の容器を製造した。キャップとしてPP樹脂製スクリューキャップ(バリアパッキン入り)により密封可能とした。
このとき、各寸法は、
胴部の平均厚さ;0.6mm
底部の平均厚さ;1.5mm
ボトルの高さ;250mm
上部開口径寸法;22mm
ボトル重量;50g
<実験例2>
実験例2として、一般PET樹脂により、実験例1と同様に延伸ブロー成形して内容量1Lのボトル形状の容器を製造した。キャップとしてPP樹脂製スクリューキャップにより密封可能とした。
<実験例3>
実験例3として、従来のスチール製の内容量1Lの缶容器を用意した。スチール製の蓋により密閉される。
<変色評価>
これらの容器内に、酸素に反応して青色変色する試薬を1L封入して密閉した後、色の変化を目視確認した。
<物性変化確認>
これらの容器内に、オフセット印刷用油性インキを1L封入し、50℃の温度条件下で、3ヶ月保存後におけるインキ硬化度を目視確認した。
また、各実験例において、それぞれ窒素パージの有無による評価もおこなった。これらの結果を、それぞれのヘッドスペース量とともに、表1に示す。
Figure 2018008739
上記の結果から、本発明のインキ容器10においては、窒素パージをおこなわない場合でも、容器内部の酸素をなくし、インキの変質・硬化を防止することができることがわかる。
<実験例4>
実験例4として、実験例1のボトル内表面に、コート層11として、フッ素系ポリマー25〜35%含有の溶液状撥水性高分子材をスプレー塗布した。
<スクイズ評価>
実験例1,4で製造したボトル内に、オフセット印刷用油性インキを1L封入し、ボトル開口が下を向くように倒立させ、胴部中央を一定の押し圧(0.1MPa)にて押圧して、ボトル内部におけるインキが空になったときの押し回数を評価した。
この結果を表2に示す。
Figure 2018008739
上記の結果から、コート層11を形成することにより、容器内におけるインク残量を削減することができることがわかる。
10…インキ容器
11…コート層

Claims (6)

  1. ポリエチレンテレフタレートまたはポリエチレンテレフタレートコポリマーと、MXD−6ナイロンと、コバルトとを含む樹脂からなることを特徴とするインキ容器。
  2. コバルト塩および/またはコバルト酸化物を含むことを特徴とする請求項1記載のインキ容器。
  3. MXD−6ナイロンの含有量が、3〜5体積%とされることを特徴とする請求項1または2記載のインキ容器。
  4. 表面にコート層が設けられていることを特徴とする請求項1から3のいずれか記載のインキ容器。
  5. インキ容器の製造方法であって、
    ポリエチレンテレフタレートまたはポリエチレンテレフタレートコポリマーと、MXD−6ナイロンと、コバルトとを溶融混合して得られる樹脂組成物を準備し、
    前記樹脂組成物を射出成型してプリフォームを形成し、
    前記プリフォームを延伸し、
    延伸された前記プリフォームをブロー成形すること、を含むことを特徴とするインキ容器の製造方法。
  6. ブロー成形後に、コート層を形成する工程を有することを特徴とする請求項4記載のインキ容器の製造方法。
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