JP2018007227A - 情報処理方法及び当該情報処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】仮想空間へのユーザの没入感を損なわずに、仮想空間に没入するユーザに不意打ちを与える状況を防ぐことが可能な情報処理方法を提供する。【解決手段】情報処理方法は、仮想カメラ300と、集音オブジェクト400と、音源オブジェクト500とを含む仮想空間を規定する仮想空間データを生成するステップと、集音オブジェクト400と音源オブジェクト500との間の相対位置関係に基づいて、音声データを加工するステップと、加工された音声データに基づいて、ヘッドフォンに音声を出力させるステップと、仮想カメラ300がヘッドマウントディスプレイの動きに連動せずに移動したかどうかを判定するステップと、仮想カメラ300と集音オブジェクト400との間の距離Dを特定するステップと、移動した仮想カメラ300と集音オブジェクト400との間の距離Dを徐々に縮めるように、集音オブジェクト400を移動させるステップと、を含む。【選択図】図11
Description
本開示は、情報処理方法および当該情報処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラムに関する。
例えば、特許文献1には、アプリケーションプログラムの進行中に、ヘッドマウントディスプレイ(Head Mounted Display、以下、HMDという。)を装着しているユーザの頭部の動きに連動してHMDに表示される視野画像の表示を変更する処理を行う一方、HMDと通信可能に接続されたコントローラを用いて視野画像の表示を変更することができるヘッドマウントディスプレイシステムが開示されている。
"[CEDEC 2015]VRで"やってはいけないこと"とは? Oculus VRが快適なVRコンテンツ制作に向けたテクニックを伝授"、[online]、平成27年8月22日、4Gamer.net、[平成28年1月13日検索]、インターネット<URL:http://www.4gamer.net/games/195/G019528/20150828092/>
HMDの動きと連動せずにコントローラを用いて仮想カメラの位置や向きを動かし視野画像を更新させると、ユーザはHMDの動きに連動しない視覚的効果を受けることで、映像酔い(いわゆるVR(Virtual Reality)酔い)を起こす可能性が高くなる。特に、非特許文献1に開示されているように、仮想カメラが後方へ移動した場合、高速で移動した場合、曲線運動により移動した場合などは、ユーザはVR酔いを起こしやすい。一方、ユーザのVR酔いを防ぐために、仮想カメラを瞬間的に移動(ワープともいう。)させることも考えられる。仮想カメラを瞬間的に移動させるときに、仮想カメラの移動先の近くに音声データの音源として規定された音源オブジェクトが存在する場合、集音機能を有する仮想カメラが音源オブジェクトに突如として接近する。このため、ユーザが装着しているヘッドフォン等の音声出力部から大きな音量の音声が突然出力されるため、ユーザは当該音声により不意打ちを受けてしまう。このように、HMDの動きと連動せずに仮想カメラが急に移動した場合、視野画像の変化によるVR酔いだけでなく、突然の音声の音量変化による不意打ちも考慮する必要がある。
本開示は、仮想空間へのユーザの没入感を損なわずに、仮想空間に没入するユーザに不意打ちを与える状況を防ぐことが可能な情報処理方法及び当該情報処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを提供することを目的とする。
本開示が示す一態様によれば、ヘッドマウントディスプレイと音声出力部とを備えたシステムにおける情報処理方法が提供される。 当該情報処理方法は、 (a)前記ヘッドマウントディスプレイの動きに連動して前記ヘッドマウントディスプレイに表示される視野画像を特定するための視軸を規定する仮想カメラと、前記仮想カメラから分離されていると共に、前記仮想カメラに追従する集音オブジェクトと、音声データの音源として規定される音源オブジェクトとを含む仮想空間を規定する仮想空間データを生成するステップと、 (b)前記集音オブジェクトと前記音源オブジェクトとの間の相対位置関係に基づいて、前記音声データを加工するステップと、 (c)前記加工された音声データに基づいて、前記音声出力部に音声を出力させるステップと、 (d)前記仮想カメラが前記ヘッドマウントディスプレイの動きに連動せずに移動したかどうかを判定するステップと、 前記仮想カメラが前記ヘッドマウントディスプレイの動きに連動せずに移動したと判定した場合に、 (e)前記移動した仮想カメラの位置と前記集音オブジェクトの位置に基づいて、前記仮想カメラと前記集音オブジェクトとの間の距離を特定するステップと、 (f)前記移動した仮想カメラと前記集音オブジェクトとの間の距離を徐々に縮めるように、前記集音オブジェクトを移動させるステップと、を含む。
本開示によれば、仮想空間へのユーザの没入感を損なわずに、仮想空間に没入するユーザに不意打ちを与える状況を防ぐことが可能な情報処理方法を提供することができる。また、当該情報処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを提供することができる。
[本開示が示す実施形態の説明] 本開示が示す実施形態の概要を説明する。 (1)ヘッドマウントディスプレイと音声出力部とを備えたシステムにおける情報処理方法であって、 (a)前記ヘッドマウントディスプレイの動きに連動して前記ヘッドマウントディスプレイに表示される視野画像を特定するための視軸を規定する仮想カメラと、前記仮想カメラから分離されていると共に、前記仮想カメラに追従する集音オブジェクトと、音声データの音源として規定される音源オブジェクトとを含む仮想空間を規定する仮想空間データを生成するステップと、 (b)前記集音オブジェクトと前記音源オブジェクトとの間の相対位置関係に基づいて、前記音声データを加工するステップと、 (c)前記加工された音声データに基づいて、前記音声出力部に音声を出力させるステップと、 (d)前記仮想カメラが前記ヘッドマウントディスプレイの動きに連動せずに移動したかどうかを判定するステップと、 前記仮想カメラが前記ヘッドマウントディスプレイの動きに連動せずに移動したと判定した場合に、 (e)前記移動した仮想カメラの位置と前記集音オブジェクトの位置に基づいて、前記仮想カメラと前記集音オブジェクトとの間の距離を特定するステップと、 (f)前記移動した仮想カメラと前記集音オブジェクトとの間の距離を徐々に縮めるように、前記集音オブジェクトを移動させるステップと、を含む、情報処理方法。
上記方法によれば、仮想カメラがヘッドマウントディスプレイの動きに連動せずに移動したと判定された場合に、移動した仮想カメラの位置と集音オブジェクトとの位置に基づいて、移動した仮想カメラと集音オブジェクトとの間の距離が特定され、集音オブジェクトは、移動した仮想カメラと集音オブジェクトとの間の距離が徐々に縮まるように移動する。このように、例えば、ヘッドマウントディスプレイの動きに連動せずに仮想カメラが瞬間的に移動するときに、集音オブジェクトは仮想カメラに追従して瞬間的には移動せずに、仮想カメラに近づくように徐々に移動するため、大きな音量の音声が音声出力部から突然出力される状況が防止されると共に、仮想空間へのユーザの没入感が損なうことが防止される。従って、仮想空間へのユーザの没入感を損なわずに、仮想空間に没入するユーザに不意打ちを与える状況を防ぐことが可能な情報処理方法を提供することが可能となる。
(2)前記ステップ(d)では、前記視野画像のフレーム毎に前記仮想カメラが前記ヘッドマウントディスプレイの動きに連動せずに移動したかどうかが判定される、項目(1)に記載の情報処理方法。
上記方法によれば、視野画像のフレーム毎に仮想カメラがヘッドマウントディスプレイの動きに連動せずに移動したかどうかが判定されるので、仮想カメラが瞬間的に移動したとしても、仮想空間に没入するユーザに不意打ちを与える状況を防ぐことができる。
(3)前記移動した仮想カメラと前記集音オブジェクトとの間の距離が所定の値以下となるまで、前記ステップ(f)が実行される、項目(1)又は(2)に記載の情報処理方法。
上記方法によれば、仮想カメラと集音オブジェクトとの間の距離が所定の値以下となるまで、仮想カメラと集音オブジェクトとの間の距離が徐々に縮まるように、集音オブジェクトが移動する。このように、仮想カメラが移動したとしても、仮想カメラと集音オブジェクトの間の距離が所定の値以下となるので、仮想空間への没入感が損なわれることを防ぐことが可能となる。
(4)前記ステップ(f)は、 (f1)前記移動した仮想カメラと前記集音オブジェクトとの間の距離に所定の係数を乗算することで得られた値が前記仮想カメラと前記集音オブジェクトとの間の新たな距離となるように、前記集音オブジェクトを移動させるステップを含み、当該所定の係数は1より小さい値であって、前記移動後の集音オブジェクトは、前記移動前の集音オブジェクトと前記仮想カメラとを結ぶ線分上に位置し、前記ステップ(f1)は、繰り返し実行される、項目(1)から(3)のうちいずれか一項に記載の情報処理方法。
上記方法によれば、仮想カメラと集音オブジェクトとの間の距離に所定の係数(1より小さい値)を乗算することで得られた値が仮想カメラと集音オブジェクトとの間の新たな距離となるように、集音オブジェクトが移動し、当該処理は繰り返し実行される。このように、仮想カメラと集音オブジェクトとの間の距離を徐々に縮めるように、集音オブジェクトを移動させることが可能となる。
(5)前記視野画像の複数フレームのうちの所定のフレームが所定の条件を満たした場合に、前記所定のフレームにおいて前記ステップ(f1)が実行される、項目(4)に記載の情報処理方法。
上記方法によれば、所定のフレームが所定の条件を満たした場合に、当該所定のフレームにおいて、仮想カメラと集音オブジェクトとの間の距離に所定の係数(1より小さい値)を乗算することで得られた値が仮想カメラと集音オブジェクトとの間の新たな距離となるように、集音オブジェクトが移動する。このように、所定の条件を満たしたフレームにおいてのみ、集音オブジェクトが移動するので、仮想カメラと集音オブジェクトとの間の距離を適切な時間
間隔で徐々に縮めることができる。例えば、ゲーム動画(視野画像)のフレームレートが90fpsの場合であって、30フレーム間隔で仮想カメラと集音オブジェクトとの間の距離を縮める場合、約0.3s間隔で仮想カメラと集音オブジェクトとの間の距離が徐々に縮められる。このように、仮想空間に没入するユーザに不意打ちを与える状況を確実に防ぐことが可能となる。
間隔で徐々に縮めることができる。例えば、ゲーム動画(視野画像)のフレームレートが90fpsの場合であって、30フレーム間隔で仮想カメラと集音オブジェクトとの間の距離を縮める場合、約0.3s間隔で仮想カメラと集音オブジェクトとの間の距離が徐々に縮められる。このように、仮想空間に没入するユーザに不意打ちを与える状況を確実に防ぐことが可能となる。
(6)前記視野画像の複数フレームの各々において、前記ステップ(f1)が実行される、項目(4)に記載の情報処理方法。
上記方法によれば、視野画像の複数フレームの各々において、仮想カメラと集音オブジェクトとの間の距離に所定の係数(1より小さい値)を乗算することで得られた値が仮想カメラと集音オブジェクトとの間の新たな距離となるように、集音オブジェクトが移動する。このように、集音オブジェクトが移動した仮想カメラに可及的速やかに近づくため、仮想カメラに対する集音オブジェクトの追従性が高くなり、仮想空間への没入感(つまり、仮想空間の臨場感)が損なわれることを防ぐことが可能となる。
(7)前記視野画像の複数フレームのうちの所定のフレームにおいて前記仮想カメラが移動したと判定された場合に、当該所定のフレームにおいて前記ステップ(f1)が実行される、項目(4)または(5)に記載の情報処理方法。
上記方法によれば、所定のフレームにおいて仮想カメラが移動したと判定された場合に、当該所定のフレームにおいて、仮想カメラと集音オブジェクトとの間の距離に所定の係数(1より小さい値)を乗算することで得られた値が仮想カメラと集音オブジェクトとの間の新たな距離となるように、集音オブジェクトが移動する。 このように、仮想カメラが移動したと判定された直後に、集音オブジェクトが移動するので、仮想カメラに対する集音オブジェクトの追従性が高くなり、仮想空間への没入感(つまり、仮想空間の臨場感)が損なわれることを防ぐことが可能となる。
(8)項目(1)から(7)のうちいずれか一項に記載の情報処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
上記によれば、仮想空間へのユーザの没入感を損なわずに、仮想空間に没入するユーザに不意打ちを与える状況を防ぐことが可能なプログラムを提供することが可能となる。
[本開示が示す実施形態の詳細] 以下、本開示が示す実施形態について図面を参照しながら説明する。尚、本実施形態の説明において既に説明された部材と同一の参照番号を有する部材については、説明の便宜上、その説明は繰り返さない。
図1は、本開示が示す実施形態(以下、単に本実施形態という。)に係るヘッドマウントディスプレイ(以下、単にHMDという。)システム1を示す概略図である。図1に示すように、HMDシステム1は、ユーザUの頭部に装着されたHMD110と、ヘッドフォン116(音声出力部の一例)と、位置センサ130と、外部コントローラ320と、制御装置120とを備える。
HMD110は、表示部112と、HMDセンサ114と、注視センサ140とを備えている。表示部112は、HMD110を装着したユーザUの視界(視野)を完全に覆うように構成された非透過型の表示装置を備えている。これにより、ユーザUは、表示部112に表示された視野画像のみを見ることで仮想空間に没入することができる。尚、表示部112は、ユーザUの左目に画像を提供するように構成された左目用の表示部とユーザUの右目に画像を提供するように構成された右目用の表示部から構成されてもよい。
HMDセンサ114は、HMD110の表示部112の近傍に搭載される。HMDセンサ114は、地磁気センサ、加速度センサ、傾きセンサ(角速度センサやジャイロセンサ等)のうちの少なくとも1つを含み、ユーザUの頭部に装着されたHMD110の各種動きを検出することができる。
注視センサ140は、ユーザUの視線方向を検出するアイトラッキング機能を有する。注視センサ140は、例えば、右目用注視センサと、左目用注視センサを備えてもよい。右目用注視センサは、ユーザUの右目に例えば赤外光を照射して、右目(特に、角膜や虹彩)から反射された反射光を検出することで、右目の眼球の回転角に関する情報を取得してもよい。一方、左目用注視センサは、ユーザUの左目に例えば赤外光を照射して、左目(特に、角膜や虹彩)から反射された反射光を検出することで、左目の眼球の回転角に関する情報を取得してもよい。
ヘッドフォン116は、ユーザUの左耳と右耳にそれぞれ装着されている。ヘッドフォン116は、制御装置120から音声データ(電気信号)を受信し、当該受信した音声データに基づいて音声を出力するように構成されている。ヘッドフォン116の右耳用のスピーカに出力される音声は、ヘッドフォン116の左耳用のスピーカに出力される音声と異なってもよい。例えば、制御装置120は、頭部伝達関数に基づいて、右耳用スピーカに入力される音声データと、左耳用スピーカに入力される音声データを生成し、当該異なる2つの音声データをヘッドフォン116に出力してもよい。尚、音声出力部の他の一例として、独立した2つの据置型スピーカやイヤホンを設けてもよい。
位置センサ130は、例えば、ポジション・トラッキング・カメラにより構成され、HMD110と外部コントローラ320の位置を検出するように構成されている。位置センサ130は、制御装置120に無線又は有線により通信可能に接続されており、HMD110に設けられた図示しない複数の検知点の位置、傾き又は発光強度に関する情報を検出するように構成されている。さらに、位置センサ130は、外部コントローラ320に設けられた図示しない複数の検知点の位置、傾き及び/又は発光強度に関する情報を検出するように構成されている。検知点は、例えば、赤外線や可視光を放射する発光部である。また、位置センサ130は、赤外線センサや複数の光学カメラを含んでもよい。
外部コントローラ320は、例えば、仮想空間内に表示される手指オブジェクトの動作を制御するために使用される。外部コントローラ320は、ユーザUが右手に持って使用する右手用外部コントローラと、ユーザUが左手に持って使用する左手用外部コントローラを有してもよい。右手用外部コントローラは、ユーザUの右手の位置や右手の手指の動きを検出する装置である。左手用外部コントローラは、ユーザUの左手の位置や左手の手指の動きを検出する装置である。外部コントローラ320は、複数の操作ボタンと、複数の検知点と、センサと、トランシーバとを備えてもよい。例えば、外部コントローラ320の操作ボタンがユーザUに操作されることで、仮想空間内にメニューオブジェクトが表示されてもよい。さらに、外部コントローラ320の操作ボタンがユーザUに操作されることで、仮想空間上におけるユーザUの視野が変更されてもよい(つまり、視野画像が変更されてもよい)。この場合、外部コントローラ320から出力される操作信号に基づいて、制御装置120は、仮想カメラを所定の位置に移動させてもよい。
制御装置120は、位置センサ130から取得された情報に基づいて、HMD110の位置情報を取得し、当該取得された位置情報に基づいて、仮想空間における仮想カメラの位置と、現実空間におけるHMD110を装着したユーザUの位置を正確に対応付けることができる。さらに、制御装置120は、位置センサ130から取得された情報に基づいて、外部コントローラ320の位置情報を取得し、当該取得された位置情報に基づいて、仮想空間内に表示される手指オブジェクトの位置と現実空間における外部コントローラ320とHMD110との間の相対関係位置を正確に対応付けることができる。
また、制御装置120は、注視センサ140から送信された情報に基づいて、ユーザUの右目の視線と左目の視線をそれぞれ特定し、当該右目の視線と当該左目の視線の交点である注視点を特定することができる。さらに、制御装置120は、特定された注視点に基づいて、ユーザUの視線方向を特定することができる。ここで、ユーザUの視線方向は、ユーザUの両目の視線方向であって、ユーザUの右目と左目を結ぶ線分の中点と注視点を通る直線の方向に一致する。
次に、図2を参照して、HMD110の位置や傾きに関する情報を取得する方法について説明する。図2は、HMD110を装着したユーザUの頭部を示す図である。HMD110を装着したユーザUの頭部の動きに連動したHMD110の位置や傾きに関する情報は、位置センサ130及び/又はHMD110に搭載されたHMDセンサ114により検出可能である。図2に示すように、HMD110を装着したユーザUの頭部を中心として、3次元座標(uvw座標)が規定される。ユーザUが直立する垂直方向をv軸として規定し、v軸と直交しHMD110の中心を通る方向をw軸として規定し、v軸およびw軸と直交する方向をu軸として規定する。位置センサ130及び/又はHMDセンサ114は、各uvw軸回りの角度(すなわち、v軸を中心とする回転を示すヨー角、u軸を中心とした回転を示すピッチ角、w軸を中心とした回転を示すロール角で決定される傾き)を検出する。制御装置120は、検出された各uvw軸回りの角度変化に基づいて、仮想カメラの視軸を制御するための角度情報を決定する。
次に、図3を参照することで、制御装置120のハードウェア構成について説明する。図3は、制御装置120のハードウェア構成を示す図である。図3に示すように、制御装置120は、制御部121と、記憶部123と、I/O(入出力)インターフェース124と、通信インターフェース125と、バス126とを備える。制御部121と、記憶部123と、I/Oインターフェース124と、通信インターフェース125は、バス126を介して互いに通信可能に接続されている。
制御装置120は、HMD110とは別体に、パーソナルコンピュータ、タブレット又はウェアラブルデバイスとして構成されてもよいし、HMD110に内蔵されていてもよい。また、制御装置120の一部の機能がHMD110に搭載されると共に、制御装置120の残りの機能がHMD110とは別体の他の装置に搭載されてもよい。
制御部121は、メモリとプロセッサを備えている。メモリは、例えば、各種プログラム等が格納されたROM(Read Only Memory)やプロセッサにより実行される各種プログラム等が格納される複数ワークエリアを有するRAM(Random Access Memory)等から構成される。プロセッサは、例えばCPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)及び/又はGPU(Graphics Processing Unit)であって、ROMに組み込まれた各種プログラムから指定されたプログラムをRAM上に展開し、RAMとの協働で各種処理を実行するように構成されている。
特に、プロセッサが本実施形態に係る情報処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラム(後述する)をRAM上に展開し、RAMとの協働で当該プログラムを実行することで、制御部121は、制御装置120の各種動作を制御してもよい。制御部121は、メモリや記憶部123に格納された所定のアプリケーションプログラム(ゲームプログラム)を実行することで、HMD110の表示部112に仮想空間(視野画像)を表示する。これにより、ユーザUは、表示部112に表示された仮想空間に没入することができる。
記憶部(ストレージ)123は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、USBフラッシュメモリ等の記憶装置であって、プログラムや各種データを格納するように構成されている。記憶部123
は、本実施形態に係る情報処理方法をコンピュータに実行させるプログラムを格納してもよい。また、ユーザUの認証プログラムや各種画像やオブジェクトに関するデータを含むゲームプログラム等が格納されてもよい。さらに、記憶部123には、各種データを管理するためのテーブルを含むデータベースが構築されてもよい。
は、本実施形態に係る情報処理方法をコンピュータに実行させるプログラムを格納してもよい。また、ユーザUの認証プログラムや各種画像やオブジェクトに関するデータを含むゲームプログラム等が格納されてもよい。さらに、記憶部123には、各種データを管理するためのテーブルを含むデータベースが構築されてもよい。
I/Oインターフェース124は、位置センサ130と、HMD110と、外部コントローラ320と、ヘッドフォン116とをそれぞれ制御装置120に通信可能に接続するように構成されており、例えば、USB(Universal Serial Bus)端子、DVI(Digital Visual Interface)端子、HDMI(登録商標)(High―Definition Multimedia Interface)端子等により構成されている。尚、制御装置120は、位置センサ130と、HMD110と、外部コントローラ320のそれぞれと無線接続されていてもよい。
通信インターフェース125は、制御装置120をLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)又はインターネット等の通信ネットワーク3に接続させるように構成されている。通信インターフェース125は、通信ネットワーク3を介して外部サーバ等の外部装置と通信するための各種有線接続端子や、無線接続のための各種処理回路を含んでおり、通信ネットワーク3を介して通信するための通信規格に適合するように構成されている。
次に、図4から図7を参照することで視野画像をHMD110に表示するための処理について説明する。図4は、視野画像をHMD110に表示する処理を示すフローチャートである。図5は、仮想空間200の一例を示すxyz空間図である。図6(a)は、図5に示す仮想空間200のyx平面図である。図6(b)は、図5に示す仮想空間200のzx平面図である。図7は、HMD110に表示された視野画像Vの一例を示す図である。
図4に示すように、ステップS1において、制御部121(図3参照)は、仮想カメラ300と、各種オブジェクトとを含む仮想空間200を示す仮想空間データを生成する。図5に示すように、仮想空間200は、中心位置21を中心とした全天球として規定される(図5では、上半分の天球のみが図示されている)。また、仮想空間200では、中心位置21を原点とするxyz座標系が設定されている。仮想カメラ300は、HMD110に表示される視野画像V(図7参照)を特定するための視軸Lを規定している。仮想カメラ300の視野を定義するuvw座標系は、現実空間におけるユーザUの頭部を中心として規定されたuvw座標系に連動するように決定される。また、HMD110を装着したユーザUの現実空間における移動に連動して、仮想カメラ300を仮想空間200内で移動させてもよい。
次に、ステップS2において、制御部121は、仮想カメラ300の視野CV(図6参照)を特定する。具体的には、制御部121は、位置センサ130及び/又はHMDセンサ114から送信されたHMD110の状態を示すデータに基づいて、HMD110の位置や傾きに関する情報を取得する。次に、制御部121は、HMD110の位置や傾きに関する情報に基づいて、仮想空間200内における仮想カメラ300の位置や向きを特定する。次に、制御部121は、仮想カメラ300の位置や向きから仮想カメラ300の視軸Lを決定し、決定された視軸Lから仮想カメラ300の視野CVを特定する。ここで、仮想カメラ300の視野CVは、HMD110を装着したユーザUが視認可能な仮想空間200の一部の領域に相当する(換言すれば、HMD110に表示される仮想空間200の一部の領域に相当する)。また、視野CVは、図6(a)に示すxy平面において、視軸Lを中心とした極角αの角度範囲として設定される第1領域CVaと、図6(b)に示すxz平面において、視軸Lを中心とした方位角βの角度範囲として設定される第2領域CVbとを有する。尚、制御部121は、注視センサ140から送信されたユーザUの視線方向を示すデータに基づいて、ユーザUの視線方向を特定し、ユーザUの視線方向に基づいて仮想カメラ300の向きを決定してもよい。
このように、制御部121は、位置センサ130及び/又はHMDセンサ114からのデータに基づいて、仮想カメラ300の視野CVを特定することができる。ここで、HMD110を装着したユーザUが動くと、制御部121は、位置センサ130及び/又はHMDセンサ114から送信されたHMD110の動きを示すデータに基づいて、仮想カメラ300の視野CVを変化させることができる。つまり、制御部121は、HMD110の動きに応じて、視野CVを変化させることができる。同様に、ユーザUの視線方向が変化すると、制御部121は、注視センサ140から送信されたユーザUの視線方向を示すデータに基づいて、仮想カメラ300の視野CVを移動させることができる。つまり、制御部121は、ユーザUの視線方向の変化に応じて、視野CVを変化させることができる。
次に、ステップS3において、制御部121は、HMD110の表示部112に表示される視野画像Vを示す視野画像データを生成する。具体的には、制御部121は、仮想空間200を規定する仮想空間データと、仮想カメラ300の視野CVとに基づいて、視野画像データを生成する。
次に、ステップS4において、制御部121は、視野画像データに基づいて、HMD110の表示部112に視野画像Vを表示する(図7参照)。このように、HMD110を装着しているユーザUの動きに応じて、仮想カメラ300の視野CVが変化し、HMD110の表示部112に表示される視野画像Vが変化するので、ユーザUは仮想空間200に没入することができる。
尚、仮想カメラ300は、左目用仮想カメラと右目用仮想カメラを含んでもよい。この場合、制御部121は、仮想空間データと左目用仮想カメラの視野に基づいて、左目用の視野画像を示す左目用視野画像データを生成する。さらに、制御部121は、仮想空間データと、右目用仮想カメラの視野に基づいて、右目用の視野画像を示す右目用視野画像データを生成する。その後、制御部121は、左目用視野画像データと右目用視野画像データに基づいて、HMD110の表示部112に左目用視野画像と右目用視野画像を表示する。このようにして、ユーザUは、左目用視野画像と右目用視野画像から、視野画像を3次元画像として視認することができる。尚、本明細書では、説明の便宜上、仮想カメラ300の数は一つとする。勿論、本開示の実施形態は、仮想カメラの数が2つの場合でも適用可能である。
次に、本実施形態に係る情報処理方法について図8から図10を参照して説明する。図8は、本実施形態に係る情報処理方法を説明するためのフローチャートである。図9は、仮想カメラ300が音源オブジェクト500の近くに移動した様子を示す模式図である。図10は、移動した仮想カメラ300と集音オブジェクト400との間の距離Dがa×D0となるように集音オブジェクト400が移動する様子を示す模式図である。図11は、移動した仮想カメラ300と集音オブジェクト400との間の距離Dがa2×D0となるように集音オブジェクト400が移動する様子を示す模式図である。
最初に、図9に示すように、仮想空間200(図5参照)は、仮想カメラ300と、集音オブジェクト400と、音源オブジェクト500と、図示しない各種オブジェクト(敵アバターや味方アバター等)とを含む。制御部121は、これらのオブジェクトを含む仮想空間200を規定する仮想空間データを生成している。
集音オブジェクト400は、仮想空間200上を伝搬する音声を収集する集音器として規定されている。集音オブジェクト400は、仮想カメラ300から分離されていると共に、仮想カメラ300に追従する。特に、集音オブジェクト400は、集音オブジェクト400と仮想カメラ300との間の距離Dが所定の距離Dthとなっている状態で、仮想カメラ300に近接している。ここで、所定の距離Dthとは、集音オブジェクト400と仮想カメラ300が十分に近接していると考えられる距離であって、ゲームプログラムの仕様に応じて適宜変更されてもよい。また、集音オブジェクト400は、透明であってもよい。この場合、集音オブジェクト400は、視野画像V上には表示されない。音源オブジェクト500は、音声データの音源として規定されている。例えば、音源オブジェクト500は、スポーツゲーム(テニス)を観戦しつつ、声援を送る観客オブジェクトや、戦場において爆音を発生する爆音オブジェクト(戦車や爆弾等)である。本実施形態では、図9に示すように、仮想カメラ300がHMD110の動きに連動せずに移動し、移動した仮想カメラ300が音源オブジェクト500の近くに位置することを前提とする。しかしながら、本実施形態に係る情報処理方法では、移動した仮想カメラ300の近くに必ずしも音源オブジェクト500が存在しなくてもよい。
図8に示すように、ステップS20において、制御部121は、HMD110の動きに連動せずに仮想カメラ300が移動したかどうかを判定する。例えば、ユーザUが外部コントローラ320の操作ボタンを操作することで、仮想カメラ300が瞬間的に移動する場合、制御部121は、仮想カメラ300はHMD110の動きに連動せずに移動したと判定する。具体的には、外部コントローラ320は、操作ボタンに対するユーザUの入力操作に応じて、仮想カメラ300を移動させることを指示する指示信号を生成し、当該生成された指示信号を制御装置120に送信する。制御装置120の制御部121は、I/Oインターフェース124を介して指示信号を受信し、当該受信した指示信号に基づいて仮想カメラ300を仮想空間200上の所定位置に瞬間的に移動させる。その後、制御部121は、仮想カメラ300はHMD110の動きに連動せずに移動したと判定する。尚、制御部121は、所定のイベント(例えば、テニスゲームにおけるコートチェンジ)が発生した場合に仮想カメラ300を瞬間的に移動させた後に、仮想カメラ300はHMD110の動きに連動せずに移動したと判定してもよい。
制御部121は、HMD110の動きに連動せずに仮想カメラ300が移動したと判定した場合(ステップS20でYES)、仮想カメラ300と集音オブジェクト400との間の距離Dを特定する(ステップS21)。具体的には、制御部121は、移動した仮想カメラ300の位置と集音オブジェクト400との位置に基づいて、仮想カメラ300と集音オブジェクト400との間の距離Dを特定する。距離Dは、仮想カメラ300と集音オブジェクト400との間の最短距離であってもよい。
次に、ステップS22において、制御部121は、仮想カメラ300が移動したと判定したときにおけるフレームの番号NをN=1に設定する。ここで、フレームとは、動画像を構成する静止画像をいう。例えば、ゲーム動画の場合、1秒間にHMD110に表示される静止画像(フレーム)の枚数は90枚であり、フレームレート(フレーム数/秒)は90fpsとなる。
次に、ステップS23において、制御部121は、フレームの番号Nが1又はNaの倍数であるかどうかを判定する。ここで、Naは1より大きい整数であってゲームプログラムの仕様に応じて適宜変更されてもよい。例えば、Na=30の場合、制御部121は、30フレーム毎にステップS24の処理を実行する。ここで、ゲーム動画のフレームレートが90ftpの場合では、制御部121は、ステップS24に規定される処理を約0.3s間隔で実行する。
制御部121は、フレームの番号Nが1又はNaの倍数であると判定した場合(ステップ
S23でYES)、距離Dがa×D(a×D→D)となるように、集音オブジェクト400を移動させる(ステップS24)。換言すれば、制御部121は、移動した仮想カメラ300と集音オブジェクト400との間の距離Dに所定の係数a(aは1より小さい値)を乗算することで得られた値a・Dが仮想カメラ300と集音オブジェクト400との間の新たな距離となるように、集音オブジェクト400を移動させる。
S23でYES)、距離Dがa×D(a×D→D)となるように、集音オブジェクト400を移動させる(ステップS24)。換言すれば、制御部121は、移動した仮想カメラ300と集音オブジェクト400との間の距離Dに所定の係数a(aは1より小さい値)を乗算することで得られた値a・Dが仮想カメラ300と集音オブジェクト400との間の新たな距離となるように、集音オブジェクト400を移動させる。
例えば、図9に示すように、ステップS24に規定される処理を実行する前において、移動した仮想カメラ300と集音オブジェクト400との間の距離DをD0とした場合、ステップS24に規定される処理を1回だけ実行した後における仮想カメラ300と集音オブジェクト400との間の距離DはD=a×D0となる(図10参照)。また、図10に示すように、移動後の集音オブジェクト400(実線で示される)は、移動前の集音オブジェクト400(破線で示される)と移動後の仮想カメラ300とを結ぶ線分上に位置する。制御部121は、距離D=a×D0と、移動前の集音オブジェクト400の位置と移動後の仮想カメラ300の位置とに基づいて、移動後の集音オブジェクト400の位置を特定する。例えば、以下の式(1)から、移動後の集音オブジェクト400の位置ベクトルが演算されてもよい。
所定の係数aは、1より小さい値(例えば、0.9)であって、ゲームプログラムの仕様に応じて適宜変更されてもよい。例えば、Naが大きければ、所定の係数aを小さくしてもよい。その反対に、Naが小さければ、所定の係数aを大きくしてもよい。また、本実施形態では、N=1において(つまり、仮想カメラ300が移動したと判定したときのフレームにおいて)、制御部121は、ステップS24の処理を実行する。
また、制御部121は、フレームの番号Nが1又はNaの倍数ではないと判定した場合(ステップS23でNO)、処理はステップS25に進む。
次に、制御部121は、音源オブジェクト500と集音オブジェクト400との間の相対位置関係に基づいて、音源オブジェクト500に関連付けられた音声データを加工する(ステップS25)。例えば、一般的に、集音オブジェクト400と音源オブジェクト500との間の距離が大きい場合、ヘッドフォン116に出力される音声の音量(音圧レベル)は小さくなる。その反対に、集音オブジェクト400と音源オブジェクト500との間の距離が小さい場合、ヘッドフォン116に出力される音声の音量は大きくなる。このように、制御部121は、音源オブジェクト500と集音オブジェクト400との間の距離に基づいて、音声データの音量(音圧レベル)を決定する。
この点において、制御部121は、集音オブジェクト400と音源オブジェクト500との間の距離と音声データの音量との関係を示すルックアップテーブル(LUT)や関数を参照することで、音声データの音量を決定してもよい。例えば、基準距離R0における音量が既知である場合、制御部121は、以下の式(2)を参照して音声データの音量を決定してもよい。 L=L0−20log(R/R0)・・・(2) R:集音オブジェクト400と音源オブジェクト500との間の距離、R0:集音オブジェクト400と音源オブジェクト500との間の基準距離L:距離Rにおける音声データの音量(dB)L0:基準距離R0における音声データの音量(dB)
また、制御部121は、集音オブジェクト400と音源オブジェクト500との間の相対位置関係から所定の頭部伝達関数を決定し、決定された頭部伝達関数と音声データとに基づいて音声データを加工してもよい。
次に、ステップS26において、制御部121は、加工された音声データに基づいて、ヘッドフォン116に音声を出力する。その後、制御部121は、フレームの番号Nを1つ増加させた上で(N→N+1)、次のフレーム(静止画像)をHMD110に表示する(ステップS28)。
次に、次のフレームに対してステップS20の処理が再び実行される。制御部121は、HMD110の動きに連動せずに仮想カメラ300が移動していないと判定した場合(ステップS20でNO)、HMD110の動きに連動して仮想カメラ300が移動したか判定する(ステップS29)。制御部121は、HMD110の動きに連動して仮想カメラ300が移動したと判定した場合(ステップS29でYES)、移動した仮想カメラ300と集音オブジェクト400との間の距離Dが所定の距離Dthとなるように、集音オブジェクト400を移動させる(ステップS31)。その後、制御部121は、ステップS32の処理とステップS33の処理を実行する。
一方、制御部121は、仮想カメラ300が移動していないと判定した場合(ステップS29でNO)、距離Dが所定の距離Dthよりも大きいかどうか判定する(ステップS30)。制御部121は、距離Dが所定の距離Dth以下であると判定した場合(ステップS30でNO)、ステップS32の処理とステップS33の処理を実行する。ステップS32の処理は、既に説明したステップS25の処理と同一であると共に、ステップS33の処理は、既に説明したステップS26の処理と同一である。
その後、制御部121は、次のフレーム(静止画像)をHMD110に表示した上で、次のフレームに対してステップS20の処理を実行する。一方、制御部121は、距離Dが所定の距離Dthよりも大きいと判定した場合(ステップS30でYES)、ステップS23の処理を実行する。このように、距離Dが所定の距離Dth以下となるまで、ステップS24の処理は繰り返し実行される。
ここで、フレームの番号Nが増加した結果としてN=Naとなった場合、制御部121は、フレームの番号NがNaであると判定した上で(ステップS23でYES)、距離Dがa×D(a×D→D)となるように、集音オブジェクト400を移動させる(ステップS24)。図11に示すように、ステップS24に規定される処理を2回実行した後における仮想カメラ300と集音オブジェクト400との間の距離DはD=a2×D0となる。制御部121は、距離D=a2×D0と、移動前の集音オブジェクト400の位置と移動後の仮想カメラ300の位置とに基づいて、移動後の集音オブジェクト400の位置を特定する。
また、ステップS24の処理がn回実行された場合、仮想カメラ300と集音オブジェクト400との間の距離DはD=an×D0となる。このように、ステップS24が繰り返し実行されることで、移動した仮想カメラ300と集音オブジェクト400との間の距離Dを徐々に縮めるように、集音オブジェクト400を移動させることが可能となる。
本実施形態によれば、仮想カメラ300がHMD110の動きに連動せずに移動したと判定された場合に、移動した仮想カメラ300の位置と集音オブジェクト400の位置に基づいて、移動した仮想カメラ300と集音オブジェクト400との間の距離Dが特定され、集音オブジェクト400は、距離Dが徐々に縮まるように移動する。このように、HMD110の動きに連動せずに仮想カメラ300が瞬間的に移動するときに、集音オブジェクト400は仮想カメラ300に追従して瞬間的には移動せずに、図10及び11に示すように、仮想カメラ300に近づくように徐々に移動する。このため、大きな音量の音声がヘッドフォン116から突然出力される状況が防止されると共に、仮想空間200へのユーザUの没入感(仮想空間200に対する臨場感)が損なわれることが防止される。従って、仮想空間200へのユーザUの没入感を損なわずに、仮想空間200に没入するユーザUに不意打ちを与える状況を防ぐことが可能な情報処理方法を提供することができる。
また、HMD110に表示される各フレームに仮想カメラ300がHMD110の動きに連動せずに移動したかどうかが判定されるので、仮想カメラ300が瞬間的に移動したとしても、仮想空間200に没入するユーザUに不意打ちを与える状況を好適に防ぐことができる。
また、ステップS30に示すように、距離Dが所定の距離Dth以下となるまで、仮想カメラ300と集音オブジェクト400との間の距離が徐々に縮まるように、集音オブジェクト400が移動する。このように、仮想カメラ300が瞬間的に移動したとしても、仮想カメラ300と集音オブジェクト400との間の距離Dが所定の距離Dth以下となるので、仮想空間200への没入感が損なわれることを好適に防止することができる。
また、ステップS24で説明したように、仮想カメラ300と集音オブジェクト400との間の距離Dに所定の係数a(a<1)を乗算することで得られた値a×Dが仮想カメラ300と集音オブジェクト400との間の新たな距離となるように、集音オブジェクト400が移動する。そして、ステップS24の処理は繰り返し実行される。このように、仮想カメラ300と集音オブジェクト400との間の距離Dを徐々に縮めるように、集音オブジェクト400を移動させることが可能となる。
さらに、ステップ23に示すように、所定の条件を満たしたフレームにおいてのみ、集音オブジェクト400が移動するので、仮想カメラ300と集音オブジェクト400との間の距離Dを適切な時間間隔で徐々に縮めることができる。例えば、フレームレートが90fpsであると共に、Na=30の場合、約0.3秒間隔で仮想カメラ300と集音オブジェクト400との間の距離が徐々に縮められる。このように、仮想空間200に没入するユーザUに不意打ちを与える状況を確実に防ぐことが可能となる。
さらに、本実施形態によれば、仮想カメラ300が移動したと判定された直後に、集音オブジェクト400が移動するので、仮想カメラ300に対する集音オブジェクト400の追従性が高くなり、仮想空間200への没入感が損なわれることが好適に防止される。
次に、本実施形態の変形例に係る情報処理方法について図12を参照して説明する。図12は、本実施形態の変形例(以下、単に変形例という。)に係る情報処理方法を説明するためのフローチャートである。図12に示すように、変形例に係る情報処理方法は、各フレームにおいて距離DがaDとなるように(D→a×D)、集音オブジェクト400を移動させる点において、図8に示す情報処理方法と相違する。換言すれば、図8に示す情報処理方法では、フレームがステップS23に示す条件を満たした場合にのみ、ステップS24の処理が実行される。一方、図12に示す情報処理方法では、特定の条件を設けずに各フレームにおいてステップS42の処理が実行される。この点で、図12に示す情報処理方法は、図8に示す情報処理方法と相違する。図12に示すステップS40からS51の処理の各々は、図8に示すステップS20からS34の処理のいずれか一つに相当するので、ここでは、各ステップS40からS51の処理の説明は割愛する。
変形例によれば、複数フレームの各々において、仮想カメラ300と集音
オブジェクト400との間の距離Dに所定の係数a(a<1)を乗算することで得られた値a×Dが仮想カメラ300と集音オブジェクト400との間の新たな距離となるように、集音オブジェクト400が移動する。このように、集音オブジェクト400が移動した仮想カメラ300に可及的速やかに接近するため、仮想カメラ300に対する集音オブジェクト400の追従性が高くなり、仮想空間200への没入感(仮想空間200に対する臨場感)が損なわれることを好適に防止することができる。
オブジェクト400との間の距離Dに所定の係数a(a<1)を乗算することで得られた値a×Dが仮想カメラ300と集音オブジェクト400との間の新たな距離となるように、集音オブジェクト400が移動する。このように、集音オブジェクト400が移動した仮想カメラ300に可及的速やかに接近するため、仮想カメラ300に対する集音オブジェクト400の追従性が高くなり、仮想空間200への没入感(仮想空間200に対する臨場感)が損なわれることを好適に防止することができる。
また、制御部121によって実行される各種処理をソフトウェアによって実現するために、本実施形態に係る表示制御方法をコンピュータ(プロセッサ)に実行させるための表示制御プログラムが記憶部123又はROMに予め組み込まれていてもよい。または、表示制御プログラムは、磁気ディスク(HDD、フロッピーディスク)、光ディスク(CD−ROM,DVD−ROM、Blu−rayディスク等)、光磁気ディスク(MO等)、フラッシュメモリ(SDカード、USBメモリ、SSD等)等のコンピュータ読取可能な記憶媒体に格納されていてもよい。この場合、記憶媒体が制御装置120に接続されることで、当該記憶媒体に格納されたプログラムが、記憶部123に組み込まれる。そして、記憶部123に組み込まれた表示制御プログラムがRAM上にロードされて、プロセッサがロードされた当該プログラムを実行することで、制御部121は本実施形態に係る表示制御方法を実行する。
また、表示制御プログラムは、通信ネットワーク3上のコンピュータから通信インターフェース125を介してダウンロードされてもよい。この場合も同様に、ダウンロードされた当該プログラムが記憶部123に組み込まれる。
以上、本開示の実施形態について説明をしたが、本発明の技術的範囲が本実施形態の説明によって限定的に解釈されるべきではない。本実施形態は一例であって、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内において、様々な実施形態の変更が可能であることが当業者によって理解されるところである。本発明の技術的範囲は特許請求の範囲に記載された発明の範囲及びその均等の範囲に基づいて定められるべきである。
1:HMDシステム3:通信ネットワーク21:中心位置112:表示部114:センサ116:ヘッドフォン120:制御装置121:制御部123:記憶部124:I/Oインターフェース125:通信インターフェース126:バス130:位置センサ140:注視センサ200:仮想空間300:仮想カメラ320:外部コントローラ400:集音オブジェクト500:音源オブジェクト
Claims (8)
- ヘッドマウントディスプレイと音声出力部とを備えたシステムにおける情報処理方法であって、 (a)前記ヘッドマウントディスプレイの動きに連動して前記ヘッドマウントディスプレイに表示される視野画像を特定するための視軸を規定する仮想カメラと、前記仮想カメラから分離されていると共に、前記仮想カメラに追従する集音オブジェクトと、音声データの音源として規定される音源オブジェクトとを含む仮想空間を規定する仮想空間データを生成するステップと、 (b)前記集音オブジェクトと前記音源オブジェクトとの間の相対位置関係に基づいて、前記音声データを加工するステップと、 (c)前記加工された音声データに基づいて、前記音声出力部に音声を出力させるステップと、 (d)前記仮想カメラが前記ヘッドマウントディスプレイの動きに連動せずに移動したかどうかを判定するステップと、 前記仮想カメラが前記ヘッドマウントディスプレイの動きに連動せずに移動したと判定した場合に、 (e)前記移動した仮想カメラの位置と前記集音オブジェクトの位置に基づいて、前記仮想カメラと前記集音オブジェクトとの間の距離を特定するステップと、 (f)前記移動した仮想カメラと前記集音オブジェクトとの間の距離を徐々に縮めるように、前記集音オブジェクトを移動させるステップと、を含む、情報処理方法。
- 前記ステップ(d)では、前記視野画像のフレーム毎に前記仮想カメラが前記ヘッドマウントディスプレイの動きに連動せずに移動したかどうかが判定される、請求項1に記載の情報処理方法。
- 前記移動した仮想カメラと前記集音オブジェクトとの間の距離が所定の値以下となるまで、前記ステップ(f)が実行される、請求項1又は2に記載の情報処理方法。
- 前記ステップ(f)は、 (f1)前記移動した仮想カメラと前記集音オブジェクトとの間の距離に所定の係数を乗算することで得られた値が前記仮想カメラと前記集音オブジェクトとの間の新たな距離となるように、前記集音オブジェクトを移動させるステップを含み、当該所定の係数は1より小さい値であって、 前記移動後の集音オブジェクトは、前記移動前の集音オブジェクトと前記仮想カメラとを結ぶ線分上に位置し、 前記ステップ(f1)は、繰り返し実行される、請求項1から3のうちいずれか一項に記載の情報処理方法。
- 前記視野画像の複数フレームのうちの所定のフレームが所定の条件を満たした場合に、前記所定のフレームにおいて前記ステップ(f1)が実行される、請求項4に記載の情報処理方法。
- 前記視野画像の複数フレームの各々において、前記ステップ(f1)が実行される、請求項4に記載の情報処理方法。
- 前記視野画像の複数フレームのうちの所定のフレームにおいて前記仮想カメラが移動したと判定された場合に、当該所定のフレームにおいて前記ステップ(f1)が実行される、請求項4または5に記載の情報処理方法。
- 請求項1から7のうちいずれか一項に記載の情報処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
Priority Applications (1)
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JP7487158B2 (ja) | 2021-10-08 | 2024-05-20 | 任天堂株式会社 | ゲームプログラム、ゲーム装置、ゲームシステム、およびゲーム処理方法 |
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