本出願に係る電子機器、文字入力制御方法、及び文字入力制御プログラムを実施するための複数の実施形態を、図面を参照しつつ詳細に説明する。
本出願に係る電子機器は、スマートフォン、モバイルフォン、タブレット、携帯型パソコン、メディアプレイヤ、電子書籍リーダ、ナビゲータ、ウエアラブルデバイス、又はゲーム機等の機器であってよい。
図1は、実施形態に係る電子機器の機能構成の一例を示すブロック図である。以下の説明において、同様の構成要素について同一の符号を付すことがある。以下の説明において、重複する説明は省略することがある。
図1に示すように、電子機器1は、タッチスクリーンディスプレイ2と、物理キーユニット3と、照度センサ4と、近接センサ5と、通信ユニット6と、レシーバ7と、マイク8と、ストレージ9と、コントローラ10と、スピーカ11と、カメラ12と、カメラ13と、コネクタ14と、モーションセンサ15とを含む。
タッチスクリーンディスプレイ2は、ディスプレイ2Aと、タッチスクリーン2Bとを有する。ディスプレイ2A及びタッチスクリーン2Bは、例えば、重なって位置してよいし、並んで位置してよいし、離れて位置してよい。ディスプレイ2Aとタッチスクリーン2Bとが重なって位置する場合、例えば、ディスプレイ2Aの1ないし複数の辺は、タッチスクリーン2Bのいずれの辺とも沿っていなくてもよい。
ディスプレイ2Aは、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)、有機ELディスプレイ(OELD:Organic Electro−Luminescence Display)、又は無機ELディスプレイ(IELD:Inorganic Electro−Luminescence Display)等の表示デバイスを含む。ディスプレイ2Aは、文字、画像、記号、及び図形等のオブジェクトを画面内に表示する。ディスプレイ2Aが表示するオブジェクトを含む画面は、ロック画面と呼ばれる画面、ホーム画面と呼ばれる画面、アプリケーションの実行中に表示されるアプリケーション画面を含む。ホーム画面は、デスクトップ、待受画面、アイドル画面、標準画面、アプリ一覧画面又はランチャー画面と呼ばれることもある。
タッチスクリーン2Bは、タッチスクリーン2Bに対する指、ペン、又はスタイラスペン等の接触又は近接を検出する。タッチスクリーン2Bは、複数の指、ペン、又はスタイラスペン等がタッチスクリーン2Bに接触又は近接したときのタッチスクリーン2B上の位置を検出することができる。以下の説明において、タッチスクリーン2Bが検出する複数の指、ペン、及びスタイラスペン等がタッチスクリーン2Bに接触又は近接した位置を「検出位置」と表記する。タッチスクリーン2Bは、タッチスクリーン2Bに対する指の接触又は近接を、検出位置とともにコントローラ10に通知する。タッチスクリーン2Bは、検出位置の通知をもって接触又は近接の検出をコントローラ10に通知してよい。タッチスクリーン2Bが行える動作を、タッチスクリーン2Bを有するタッチスクリーンディスプレイ2は実行できる。言い換えると、タッチスクリーン2Bが行う動作は、タッチスクリーンディスプレイ2が行ってもよい。
コントローラ10は、タッチスクリーン2Bにより検出された接触又は近接、検出位置、検出位置の変化、接触又は近接が継続した時間、接触又は近接が検出された間隔、及び接触が検出された回数の少なくとも1つに基づいて、ジェスチャの種別を判別する。コントローラ10が行える動作を、コントローラ10を有する電子機器1は実行できる。言い換えると、コントローラ10が行う動作は、電子機器1が行ってもよい。ジェスチャは、指を用いて、タッチスクリーン2Bに対して行われる操作である。タッチスクリーン2Bに対して行われる操作は、タッチスクリーン2Bを有するタッチスクリーンディスプレイ2に行われてもよい。コントローラ10が、タッチスクリーン2Bを介して判別するジェスチャには、例えば、タッチ、ロングタッチ、リリース、スワイプ、タップ、ダブルタップ、ロングタップ、ドラッグ、フリック、ピンチイン、及びピンチアウトが含まれるが、これらに限定されない。
タッチスクリーン2Bの検出方式は、静電容量方式、抵抗膜方式、表面弾性波方式、赤外線方式、及び荷重検出方式等の任意の方式でよい。
物理キーユニット3は、ユーザからの操作入力を受け付ける。物理キーユニット3は、第1キーユニット3a、第2キーユニット3b、第3キーユニット3c、及びタッチスクリーン3dを有する。
図2及び図3を用いて、実施形態に係る物理キーユニットの配置例を説明する。図2は、実施形態に係るキーユニットの配置例を示す図である。図3は、実施形態に係るタッチスクリーンの配置例を示す図である。
実施形態に係る電子機器1は略直方体状の筐体1hを備え、電子機器1の平面は図2に示すように略長方形状の形態をなす。第1キーユニット3aは、図2に示す物理キー3a1、・・・、物理キー3a10の合計10個の物理キーを含んで構成される。物理キー3a1、・・・、物理キー3a10は、電子機器1の筐体1hの左辺側の縁F1に沿って、図2に示すy軸に平行な方向に1列に並んで配置される。第2キーユニット3bは、図2に示す物理キー3b1、・・・、物理キー3b10の合計10個の物理キーを含んで構成される。物理キー3b1、・・・、物理キー3b10は、電子機器1の筐体1hの右辺側の縁F2に沿って、図2に示すy軸に平行な方向に1列に並んで配置される。第3キーユニット3cは、図2に示す物理キー3c1、物理キー3c2、及び物理キー3c3の合計3個の物理キーを含んで構成される。物理キー3c1、物理キー3c2、及び物理キー3c3は、電子機器1の筐体1hの底辺側の縁F3に沿って、図2に示すx軸に平行な方向に1列に並んで配置される。図2に示す第1キーユニット3a、第2キーユニット3b、及び第3キーユニット3cのそれぞれを構成する物理キーの個数は一例であり、必ずしも、図2に示す例と同数の物理キーで構成されていなくてもよい。図2に示す例では、物理キー3a1、・・・、物理キー3a10は、電子機器1の筐体1hの左辺側の縁F1に沿って配置されるが、タッチスクリーンディスプレイ2の輪郭を構成する1辺に沿った配置であってよい。同様に、物理キー3b1、・・・、物理キー3b10は、タッチスクリーンディスプレイ2の輪郭を構成する1辺に沿った配置であってよい。同様に、物理キー3c1、物理キー3c2、及び物理キー3c3は、タッチスクリーンディスプレイ2の輪郭を構成する1辺に沿った配置であってよい。
第1キーユニット3aを構成する物理キー3a1、・・・、物理キー3a10は、キーの押下を検出できる。第2キーユニット3bを構成する物理キー3b1、・・・、物理キー3b10は、キーの押下を検出できる。第3キーユニット3cを構成する物理キー3c1、物理キー3c2、及び物理キー3c3は、キーの押下を検出できる。第1キーユニット3a、第2キーユニット3b、及び第3キーユニット3cを構成する各物理キーに対する押下の検出は、各物理キーが個別に行ってよい。第1キーユニット3a、第2キーユニット3b、及び第3キーユニット3cを構成する各物理キーは、各物理キーの表面の質感を電子機器1の他の部材とは異なる質感を持つように構成してもよい。第1キーユニット3a、第2キーユニット3b、及び第3キーユニット3cを構成する各物理キーは、各物理キーの表面の形状として、円柱型、直方体型、屋根型などの任意の形状を採用してよい。第1キーユニット3a、第2キーユニット3b、及び第3キーユニット3cを構成する各物理キーは、2段階以上の押下が可能な構成であってよい。第1キーユニット3aを構成する物理キー3a1、・・・、物理キー3a10は、第1の物理キーの一例である。第2キーユニット3bを構成する物理キー3b1、・・・、物理キー3b10は、第2の物理キーの一例である。
タッチスクリーン3dは、図3に示すように、タッチスクリーン3da、タッチスクリーン3db、及びタッチスクリーン3dcを含む。タッチスクリーン3daは、図3に示すy軸に平行な方向に沿って、電子機器1の長手方向に延在するように第1キーユニット3aの下に配置される。タッチスクリーン3dbは、図3に示すy軸に平行な方向に沿って、電子機器1の長手方向に延在するように第2キーユニット3bの下に配置される。タッチスクリーン3dcは、図3に示すx軸に平行な方向に沿って、電子機器1の短手方向に延在するように第3キーユニット3cの下に配置される。タッチスクリーン3daは、第1キーユニット3aに対する指などの導電性の物体の接触及び近接などを検出できる。タッチスクリーン3dbは、第2キーユニット3bに対する指などの導電性の物体の接触及び近接などを検出できる。タッチスクリーン3dcは、第3キーユニット3cに対する指などの導電性の物体の接触及び近接などを検出できる。
図4を用いて、実施形態に係るタッチスクリーン3dの構造の一例を説明する。図4は、実施形態に係るタッチスクリーンの構造の一例を示す図である。図4は、タッチスクリーン3dが備えるタッチスクリーンのうちのタッチスクリーン3daの構造の一部を示している。図4に示すように、タッチスクリーン3daは、複数の第1の電極40a1と、複数の第2の電極40a2とを含む。第1の電極40a1は、タッチスクリーン3daの短手方向に延在する。第2の電極40a2は、タッチスクリーン3daの長手方向に延在する。タッチスクリーン3daは、複数の第1の電極40a1と複数の第2の電極40a2とを、格子状に交差させた状態で配置する。タッチスクリーン3daは、複数の第1の電極40a1と複数の第2の電極40a2とが交差する各位置(検出点)で、第1キーユニット3aに対する指などの接触又は近接を検出する。導電性の物体がタッチスクリーン3daに接近すると、タッチスクリーン3daと当該物体との間に容量結合が発生する。タッチスクリーン3daは、容量結合を検出点で感知することにより、指などの導電性の物体の接触などを検出する。図4に示す例では、第1キーユニット3aを構成する物理キー3a1、・・・、物理キー3a10を設置するためのキーホール40a3が設けられることを原因として、複数の第1の電極40a1と複数の第2の電極40a2とが格子状に交差されずに、不均一な状態で配置される箇所が存在するが、コントローラ10による処理において検出点の校正を実行できる。タッチスクリーン3dの検出方式は、タッチスクリーン2Bと同様に、静電容量方式、抵抗膜方式、表面弾性波方式、赤外線方式、及び荷重検出方式等の任意の方式でよい。
コントローラ10は、タッチスクリーン3daの検出結果に基づいて、第1キーユニット3aを構成する物理キー3a1、・・・、物理キー3a10の中のいずれのキーが接触されたかを判別できる。コントローラ10は、第1キーユニット3aの検出結果に基づいて、第1キーユニット3aを構成する物理キー3a1、・・・、物理キー3a10の中のいずれのキーが押下されたかを判別できる。コントローラ10は、タッチスクリーン3dbの検出結果に基づいて、第2キーユニット3bを構成する物理キー3b1、・・・、物理キー3b10の中のいずれのキーが接触されたかを判別できる。コントローラ10は、第2キーユニット3bの検出結果に基づいて、第2キーユニット3bを構成する物理キー3b1、・・・、物理キー3b10の中のいずれのキーが押下されたかを判別できる。コントローラ10は、タッチスクリーン3dcの検出結果に基づいて、第3キーユニット3cを構成する物理キー3c1、物理キー3c2、及び物理キー3c3の中のいずれのキーが接触されたかを判別できる。コントローラ10は、第3キーユニット3cの検出結果に基づいて、第3キーユニット3cを構成する物理キー3c1、物理キー3c2、及び物理キー3c3の中のいずれのキーが押下されたかを判別できる。
コントローラ10は、例えば、タッチスクリーン3dを介して、第1キーユニット3aを構成する物理キーに対するタッチ、及び第2キーユニット3bを構成する物理キーに対するタッチの両方を検出した場合には、最新のタッチに対する処理を優先して実行できる。コントローラ10は、第1キーユニット3aを構成する物理キーに対するタッチ、及び第2キーユニット3bを構成する物理キーに対するタッチの両方を検出している状態で、タッチスクリーン2Bなどを介して、第1キーユニット3a及び第2キーユニット3b以外へのタッチが検出された場合には、第1キーユニット3a及び第2キーユニット3b以外へのタッチを無効な操作として取り扱うことができる。
コントローラ10は、例えば、タッチスクリーン3dを介して、第1キーユニット3aを構成する物理キー、及び第2キーユニット3bを構成する物理キーに対するロングタッチ、タップ、ダブルタップ、スライドなどのタッチジェスチャを検出してもよい。
照度センサ4は、照度を検出する。照度は、照度センサ4の測定面の単位面積に入射する光束の値である。照度センサ4は、例えば、ディスプレイ2Aの輝度の調整に用いられる。
近接センサ5は、近隣の物体の存在を非接触で検出する。近接センサ5は、磁界の変化又は超音波の反射波の帰還時間の変化等に基づいて物体の存在を検出する。近接センサ5は、例えば、ディスプレイ2Aと顔とが接近したことを検出する。照度センサ4及び近接センサ5は、1つのセンサとして構成されていてもよい。照度センサ4は、近接センサとして用いられてもよい。
通信ユニット6は、無線により通信する。通信ユニット6によってサポートされる無線通信規格には、例えば、2G、3G、4G、5G等のセルラーフォンの通信規格と、近距離無線の通信規格とが含まれる。セルラーフォンの通信規格としては、例えば、LTE(Long Term Evolution)、W−CDMA(Wideband Code Division Multiple Access)、WiMAX(登録商標)(Worldwide Interoperability for Microwave Access)、CDMA2000、PDC(Personal Digital Cellular)、GSM(登録商標)(Global System for Mobile Communications)、PHS(Personal Handy−phone System)等がある。近距離無線の通信規格としては、例えば、IEEE802.11、Bluetooth(登録商標)、IrDA(Infrared Data Association)、NFC(Near Field Communication)、WPAN(Wireless Personal Area Network)等が含まれる。WPANの通信規格には、例えば、ZigBee(登録商標)が含まれる。通信ユニット6は、上述した通信規格の1つ又は複数をサポートしていてもよい。
レシーバ7は、コントローラ10から送出される音信号を音として出力する。レシーバ7は、例えば、電子機器1にて再生される動画の音、音楽の音、及び通話時の相手の声を出力することができる。マイク8は、入力されるユーザの声等を音信号へ変換してコントローラ10へ送信する。
ストレージ9は、プログラム及びデータを記憶する。ストレージ9は、コントローラ10の処理結果を一時的に記憶する作業領域として利用されてもよい。ストレージ9は、半導体記憶媒体、及び磁気記憶媒体等の任意の非一過的(non−transitory)な記憶媒体を含んでよい。ストレージ9は、複数の種類の記憶媒体を含んでよい。ストレージ9は、メモリカード、光ディスク、又は光磁気ディスク等の記憶媒体と、記憶媒体の読み取り装置との組み合わせを含んでよい。ストレージ9は、RAM(Random Access Memory)等の一時的な記憶領域として利用される記憶デバイスを含んでよい。
ストレージ9に記憶されるプログラムには、フォアグランド又はバックグランドで実行されるアプリケーションと、アプリケーションの動作を支援する支援プログラム(図示略)とが含まれる。アプリケーションは、例えば、フォアグランドで実行される場合、当該アプリケーションに係る画面を、ディスプレイ2Aに表示する。支援プログラムには、例えば、OSが含まれる。プログラムは、通信ユニット6による無線通信又は非一過的な記憶媒体を介してストレージ9にインストールされてもよい。
ストレージ9は、制御プログラム9A、文字入力制御プログラム9B、第1キーデータ9C、第2キーデータ9D、条件データ9E、及び設定データ9Zなどを記憶できる。制御プログラム9Aは、各種機能を提供するに際し、電子機器1が記憶する各種アプリケーションと連携できる。制御プログラム9Aは、通信ユニット6を介してクラウドストレージと連携し、当該クラウドストレージが記憶するファイル及びデータにアクセスしてもよい。クラウドストレージは、ストレージ9に記憶されるプログラム及びデータの一部又は全部を記憶してもよい。
制御プログラム9Aは、電子機器1の各種動作に関する処理を実現するための機能をそれぞれ提供できる。制御プログラム9Aが提供する機能には、照度センサ4の検出結果に基づいて、ディスプレイ2Aの輝度を調整する機能が含まれる。制御プログラム9Aが提供する機能には、近接センサ5の検出結果に基づいて、タッチスクリーン2Bに対する操作を無効とする機能が含まれる。制御プログラム9Aが提供する機能には、通信ユニット6、レシーバ7、及びマイク8等を制御することによって、通話を実現させる機能が含まれる。制御プログラム9Aが提供する機能には、カメラ12、及びカメラ13の撮影処理を制御する機能が含まれる。制御プログラム9Aが提供する機能には、コネクタ14を介して接続される外部機器との間の通信を制御する機能が含まれる。制御プログラム9Aが提供する機能には、タッチスクリーン2Bの検出結果に基づいて判別したジェスチャに応じて、ディスプレイ2Aに表示されている情報を変更する等の各種制御を行う機能が含まれる。制御プログラム9Aが提供する機能には、モーションセンサ15の検出結果に基づいて、電子機器1を携帯する利用者の移動、停止等を検出する機能が含まれる。
文字入力制御プログラム9Bは、電子機器1において実行される文字入力を制御するための機能を提供できる。文字入力制御プログラム9Bは、例えば、第1キーユニット3aを構成する複数の物理キーのいずれかのキーに対する操作を検出すると、操作が検出された物理キーに対応付けられている第2キーユニット3bを構成する複数の物理キーのそれぞれに、当該複数の物理キーに予め紐付けられている少なくとも1つの文字を割り当てる機能を提供できる。
第1キーデータ9Cは、第1キーユニット3aを構成する複数の物理キーのそれぞれに予め割り当てられるキーの情報である。図5は、実施形態に係る第1キーデータの一例を示す図である。図5に示すように、第1キーデータ9Cには、第1キーユニット3aを構成する物理キー3a1、・・・、物理キー3a10のそれぞれに対して、「あ」、「か」、「さ」、「た」、「な」、「は」、「ま」、「や」、「ら」、「わ」の文字を割り当てることが設定されている。第1キーユニット3aを構成する物理キー3a1、・・・、物理キー3a10のそれぞれに対して割り当てられる「あ」、「か」、「さ」、「た」、「な」、「は」、「ま」、「や」、「ら」、「わ」の文字は、あ行、か行、さ行、た行、な行、は行、ま行、や行、ら行、わ行の各行を意味する。第1キーデータ9Cは、後述する文字入力処理において、第1キーユニット3aを構成する物理キー3a1、・・・、物理キー3a10のそれぞれに対応する出力を実行する際に利用される。
第2キーデータ9Dは、第2キーユニット3bを構成する複数の物理キーのそれぞれに予め割り当てられるキーの情報である。図6は、実施形態に係る第2キーデータの一例を示す図である。図6に示すように、第2キーデータ9Dは、第1キーユニット3aを構成する物理キー3a1、・・・、物理キー3a10のうち、操作が検出された物理キーごとに、第2キーユニット3bを構成する物理キー3b1、・・・、物理キー3b5に対する文字の割り当てを複数有する。例えば、第1キーユニット3aを構成する物理キー3a1に対する操作が検出された場合(3a1=あ)には、物理キー3b1、・・・、物理キー3b5のそれぞれに対して、「あ」、「い」、「う」、「え」、「お」の文字を割り当てることが設定されている。例えば、第1キーユニット3aを構成する物理キー3a2に対する操作が検出された場合(3a2=か)には、物理キー3b1、・・・、物理キー3b5のそれぞれに対して、「か」、「き」、「く」、「け」、「こ」の文字を割り当てることが設定されている。例えば、第1キーユニット3aを構成する物理キー3a3に対する操作が検出された場合(3a3=さ)には、物理キー3b1、・・・、物理キー3b5のそれぞれに対して、「さ」、「し」、「す」、「せ」、「そ」の文字を割り当てることが設定されている。例えば、第1キーユニット3aを構成する物理キー3a4に対する操作が検出された場合(3a4=た)には、物理キー3b1、・・・、物理キー3b5のそれぞれに対して、「た」、「ち」、「つ」、「て」、「と」の文字を割り当てることが設定されている。例えば、第1キーユニット3aを構成する物理キー3a5に対する操作が検出された場合(3a5=な)には、物理キー3b1、・・・、物理キー3b5のそれぞれに対して、「な」、「に」、「ぬ」、「ね」、「の」の文字を割り当てることが設定されている。例えば、第1キーユニット3aを構成する物理キー3a6に対する操作が検出された場合(3a6=は)には、物理キー3b1、・・・、物理キー3b5のそれぞれに対して、「は」、「ひ」、「ふ」、「へ」、「ほ」の文字を割り当てることが設定されている。例えば、第1キーユニット3aを構成する物理キー3a7に対する操作が検出された場合(3a7=ま)には、物理キー3b1、・・・、物理キー3b5のそれぞれに対して、「ま」、「み」、「む」、「め」、「も」の文字を割り当てることが設定されている。例えば、第1キーユニット3aを構成する物理キー3a8に対する操作が検出された場合(3a8=や)には、物理キー3b1、物理キー3b3、物理キー3b5のそれぞれに対して、「や」、「ゆ」、「よ」の文字を割り当てることが設定されている。例えば、第1キーユニット3aを構成する物理キー3a9に対する操作が検出された場合(3a9=ら)には、物理キー3b1、・・・、物理キー3b5のそれぞれに対して、「ら」、「り」、「る」、「れ」、「ろ」の文字を割り当てることが設定されている。例えば、第1キーユニット3aを構成する物理キー3a10に対する操作が検出された場合(3a10=わ)には、物理キー3b1、物理キー3b3、物理キー3b5のそれぞれに対して、「わ」、「を」、「ん」の文字を割り当てることが設定されている。第2キーデータ9Dは、後述する文字入力処理において、第2キーユニット3bを構成する物理キー3b1、・・・、物理キー3b5のそれぞれに対応する出力を実行する際に利用される。図6に示す例では、第2キーデータ9Dにおいて、第2キーユニット3bを構成する物理キー3b6、・・・、物理キー3b10に対して割り当てが存在しないが、上記以外の文字の他、改行、削除、変換などの編集機能などを設定してもよい。なお、物理キー3c1、・・・、3c3に対して、電子機器1の動作を制御するための機能が対応付けられていてよい。
図7を用いて、実施形態に係る第1キーデータ9Cの他の例を説明する。図7は、実施形態に係る第1キーデータの他の例を示す図である。図7に示すように、第1キーデータ9Cには、第1キーユニット3aを構成する物理キー3a1、・・・、物理キー3a9のそれぞれに対して、「abc」、「def」、「ghi」、「jkl」、「mno」、「pqrs」、「tuv」、「wxyz」、「./@」の文字を割り当てることが設定されている。図7に示す第1キーデータ9Cは、後述する文字入力処理において、第1キーユニット3aを構成する物理キー3a1、・・・、物理キー3a9のそれぞれに対応する出力を実行する際に利用される。図7に示す例では、物理キー3a10に対して文字の割り当てが存在しないが、上記以外の文字の他、改行、削除、変換などの編集機能などを設定してもよい。
図8を用いて、実施形態に係る第2キーデータ9Dの他の例を説明する。図8は、実施形態に係る第2キーデータの他の例を示す図である。図8に示すように、第1キーユニット3aを構成する物理キー3a1に対する操作が検出された場合(3a1=abc)には、物理キー3b1、・・・、物理キー3b6のそれぞれに対して、「a」、「b」、「c」、「A」、「B」、「C」の文字を割り当てることが設定されている。例えば、第1キーユニット3aを構成する物理キー3a2に対する操作が検出された場合(3a2=def)には、物理キー3b1、・・・、物理キー3b6のそれぞれに対して、「d」、「e」、「f」、「D」、「E」、「F」の文字を割り当てることが設定されている。例えば、第1キーユニット3aを構成する物理キー3a3に対する操作が検出された場合(3a3=ghi)には、物理キー3b1、・・・、物理キー3b6のそれぞれに対して、「g」、「h」、「i」、「G」、「H」、「I」の文字を割り当てることが設定されている。例えば、第1キーユニット3aを構成する物理キー3a4に対する操作が検出された場合(3a4=jkl)には、物理キー3b1、・・・、物理キー3b6のそれぞれに対して、「j」、「k」、「l」、「J」、「K」、「L」の文字を割り当てることが設定されている。例えば、第1キーユニット3aを構成する物理キー3a5に対する操作が検出された場合(3a5=mno)には、物理キー3b1、・・・、物理キー3b6のそれぞれに対して、「m」、「n」、「o」、「M」、「N」、「O」の文字を割り当てることが設定されている。例えば、第1キーユニット3aを構成する物理キー3a6に対する操作が検出された場合(3a6=pqrs)には、物理キー3b1、・・・、物理キー3b8のそれぞれに対して、「p」、「q」、「r」、「s」、「P」、「Q」、「R」、「S」の文字を割り当てることが設定されている。例えば、第1キーユニット3aを構成する物理キー3a7に対する操作が検出された場合(3a7=tuv)には、物理キー3b1、・・・、物理キー3b6のそれぞれに対して、「t」、「u」、「v」、「T」、「U」、「V」の文字を割り当てることが設定されている。例えば、第1キーユニット3aを構成する物理キー3a8に対する操作が検出された場合(3a8=wxyz)には、物理キー3b1、・・・、物理キー3b8のそれぞれに対して、「w」、「x」、「y」、「z」、「W」、「X」、「Y」、「Z」の文字を割り当てることが設定されている。例えば、第1キーユニット3aを構成する物理キー3a9に対する操作が検出された場合(3a9=./@)には、物理キー3b1、物理キー3b2、物理キー3b3のそれぞれに対して、「.」、「/」、「@」の文字を割り当てることが設定されている。第2キーデータ9Dは、後述する文字入力処理において、第2キーユニット3bを構成する物理キー3b1、・・・、物理キー3b8のそれぞれに対応する出力を実行する際に利用される。図8に示す例において、第2キーデータ9Dを構成する複数の物理キーの中で文字の割り当てが存在しない物理キーに対して、上記以外の文字の他、改行、削除、変換などの編集機能などを設定してもよい。
条件データ9Eは、文字入力制御プログラム9Bで処理を実行する各種条件が設定されている。具体的には、条件データ9Eには、文字入力制御プログラム9Bの文字入力処理の開始条件、文字入力処理の終了条件等が設定されている。
設定データ9Zは、制御プログラム9Aにより実行される処理に用いられる情報を含む。
コントローラ10は、演算処理装置を含む。演算処理装置は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、SoC(System−on−a−Chip)、MCU(Micro Control Unit)、FPGA(Field−Programmable Gate Array)、およびコプロセッサを含むが、これらに限定されない。コントローラ10は、電子機器1の動作を統括的に制御して各種の機能を実現する。
具体的には、コントローラ10は、ストレージ9に記憶されているデータを必要に応じて参照しつつ、ストレージ9に記憶されているプログラムに含まれる命令を実行する。そして、コントローラ10は、データ及び命令に応じて機能部を制御し、それによって各種機能を実現する。機能部は、例えば、ディスプレイ2A、通信ユニット6、マイク8、及びスピーカ11を含むが、これらに限定されない。コントローラ10は、検出部の検出結果に応じて、制御を変更することがある。検出部は、例えば、タッチスクリーン2B、物理キーユニット3、照度センサ4、近接センサ5、マイク8、カメラ12、カメラ13、モーションセンサ15を含むが、これらに限定されない。
コントローラ10は、制御プログラム9Aを実行することにより、電子機器1の各種動作に関する処理を実現できる。
コントローラ10は、文字入力制御プログラム9Bを実行することにより、電子機器1において実行される文字入力を制御する処理を実現できる。コントローラ10は、例えば、文字入力制御プログラム9Bを実行することにより、第1キーユニット3aを構成する複数の物理キーのいずれかのキーに対する操作を検出すると、操作が検出された物理キーに対応付けられている第2キーユニット3bを構成する複数の物理キーのそれぞれに、当該複数の物理キーに予め紐付けられている少なくとも1つの文字を割り当てる処理を実現できる。コントローラ10は、コントローラの一例である。
スピーカ11は、コントローラ10から送出される音信号を音として出力する。スピーカ11は、例えば、着信音及び音楽を出力するために用いられる。レシーバ7及びスピーカ11の一方が、他方の機能を兼ねてもよい。
カメラ12及びカメラ13は、撮影した画像を電気信号へ変換する。カメラ12は、ディスプレイ2Aに面している物体を撮影するインカメラである。カメラ13は、ディスプレイ2Aの反対側の面に面している物体を撮影するアウトカメラである。カメラ12及びカメラ13は、インカメラ及びアウトカメラを切り換えて利用可能なカメラユニットとして、機能的及び物理的に統合された状態で電子機器1に実装されてもよい。
コネクタ14は、他の装置が接続される端子である。コネクタ14は、USB(Universal Serial Bus)、HDMI(登録商標)(High−Definition Multimedia Interface)、ライトピーク(サンダーボルト(登録商標))、イヤホンマイクコネクタのような汎用的な端子であってもよい。コネクタ14は、Dockコネクタのような専用の端子でもよい。コネクタ14に接続される装置は、例えば、外部ストレージ、スピーカ、及び通信装置を含むが、これらに限定されない。
モーションセンサ15は、電子機器1を携帯する利用者の動作を判定するための各種情報を検出できる。モーションセンサ15は、加速度センサ、方位センサ、ジャイロスコープ、磁気センサ及び気圧センサなどを備えるセンサユニットとして構成されてよい。
電子機器1は、上記の各機能部の他、GPS受信機、及びバイブレータを備えてもよい。GPS受信機は、GPS衛星からの所定の周波数帯の電波信号を受信する。GPS受信機は、受信した電波信号の復調処理を行って、処理後の信号をコントローラ10に送出する。GPS受信機は、電子機器1の現在位置の演算処理をサポートする。電子機器1は、GPS衛星以外の測位用人工衛星の信号を受信可能な受信機を備え、現在位置の演算処理を実行してもよい。バイブレータは、電子機器1の一部又は全体を振動させる。バイブレータは、振動を発生させるために、例えば、圧電素子、又は偏心モータなどを有する。電子機器1は、バッテリなど、電子機器1の機能を維持するために当然に用いられる機能部、及び電子機器1の制御を実現するために当然に用いられる制御部を実装する。
電子機器1は、通信ユニット6を介してクラウド上の記憶サーバにアクセスし、各種プログラム及びデータを取得してもよい。
図9から図14を参照しつつ、実施形態に係る電子機器1の処理の一例を説明する。図9は、実施形態に係る文字入力処理の実行画面の一例を示す図である。図10から図12は、実施形態に係る文字入力処理に伴う画面遷移を示す概要図である。図13は、実施形態に係る文字入力処理の実行画面の他の例を示す図である。図14は、実施形態に係る文字入力処理に伴う画面遷移を示す概要図である。
電子機器1は、文字入力処理を実行する際、図9に示す実行画面20をディスプレイ2Aに表示する。実行画面20は、テキスト表示領域21、第1キー領域22、及び第2キー領域23を有する。
テキスト表示領域21は、文字入力処理により入力された文字を表示する。第1キー領域22は、領域22a1、・・・、領域22a10を含んで構成される。領域22a1、・・・、領域22a10は、第1キーユニット3aを構成する物理キー3a1、・・・、物理キー3a10に対応する領域である。領域22a1、・・・、領域22a10は、図9に示すy軸に平行な方向に沿って、物理キー3a1、・・・、物理キー3a10に隣接するように、1列に並んで表示される。領域22a1、・・・、領域22a10は、物理キー3a1、・・・、物理キー3a10に割り当てられている文字の画像を表示する。図9に示す例では、領域22a1、・・・、領域22a10は、「あ」、「か」、「さ」、「た」、「な」、「は」、「ま」、「や」、「ら」、「わ」の文字の画像をそれぞれ表示する。第2キー領域23は、領域23b1、・・・、領域23b10を含んで構成される。領域23b1、・・・、領域23b10は、第2キーユニット3bを構成する物理キー3b1、・・・、物理キー3b10にそれぞれ対応する領域である。領域23b1、・・・、領域23b10は、図9に示すy軸に平行な方向に沿って、物理キー3b1、・・・、物理キー3b10に隣接するように、1列に並んで表示される。領域22b1、・・・、領域22b5は、物理キー3b1、・・・、物理キー3b10に予め割り当てられている文字の中から、物理キー3a1、・・・、物理キー3a10のうちの操作された物理キーに対応する文字の画像を表示する。
図10を用いて、文字入力処理における画面遷移の一例を説明する。図10に示すように、電子機器1は、文字入力処理の実行画面20をディスプレイ2Aに表示する(ステップS11)。続いて、電子機器1は、物理キー3a3に対するタッチを検出すると、物理キー3a3に対応する出力を実行する(ステップS12)。具体的には、電子機器1は、物理キー3a3に割り当てられている文字「さ」の読み上げ音声M1をスピーカ11から出力する。
続いて、電子機器1は、物理キー3a3が押下されると、物理キー3a3に対応する出力を実行する(ステップS13)。具体的には、電子機器1は、物理キー3a3に対応付けられている物理キー3b1、・・・、物理キー3b5のそれぞれに、物理キー3b1、・・・、物理キー3b5に予め紐付けられている少なくとも1つの文字を割り当てる。例えば、物理キー3b1、・・・、物理キー3b5のそれぞれに対して、「さ」、「し」、「す」、「せ」、「そ」の文字を割り当て、物理キー3b1、・・・、物理キー3b5のそれぞれに対応する領域23b1、・・・、領域23b5に、「さ」、「し」、「す」、「せ」、「そ」の文字の画像を表示させる。
続いて、電子機器1は、物理キー3b3に対するタッチを検出すると、物理キー3b3に対応する出力を実行する(ステップS14)。具体的には、電子機器1は、物理キー3b3に割り当てられている文字「す」の読み上げ音声M2をスピーカ11から出力する。
続いて、電子機器1は、物理キー3b3が押下されると、物理キー3b3に対応する出力を実行する(ステップS15)。具体的には、電子機器1は、物理キー3b3に割り当てられている文字「す」の入力を確定し、テキスト表示領域21に表示させる。
上記ステップS12において、電子機器1は、他の物理キーへのタッチ、物理キーの押下を検出しない間、物理キーに割り当てられている文字の読み上げ音声の出力を最初の読み上げから一定時間経過ごとに繰り返し実行してもよい。物理キーに対して、改行、削除、変換などの編集機能が割り当てられている場合には、対応する編集機能の内容に対応する読み上げ音声を出力してよい。上記ステップS12において、電子機器1は、物理キーに対して、文字及び編集機能の割り当てが存在しない場合には、何も処理を行わなくてもよいし、バイブレータによる報知、割り当てがない旨の読み上げ音声の出力、ブザー音による報知などを実行してもよい。あるいは、電子機器1は、文字及び編集機能の割り当てが存在しない物理キーについては、押下ができないような機構にしてもよい。
上記ステップS13において、電子機器1は、物理キーの押下を検出した場合、バイブレータの振動、若しくはスピーカ11からの効果音の出力によるフィードバックを実行してもよい。上記ステップS13において、物理キー3b1、・・・、物理キー3b5が、操作面に点字パターンを表出可能な物理機構を備える場合、電子機器1は、物理キー3a3に対応付けられている物理キー3b1、・・・、物理キー3b5のそれぞれに、物理キー3b1、・・・、物理キー3b5に予め紐付けられている少なくとも1つの文字を割り当てる際、それぞれの文字に対応する点字パターンを表出させてもよい。
上記図10の説明において、電子機器1は、スピーカ11を介して、文字の読み上げ音声を出力する際に、対応する文字の画像をディスプレイ2Aにおいて強調表示してもよい。電子機器1は、文字の読み上げ音声の出力は実行せずに、ディスプレイ2Aに対して、対応する文字の画像の強調表示のみを実行してもよい。電子機器1は、物理キーがタッチされた場合と、物理キーが押下された場合とで、ディスプレイ2Aに表示されている文字の画像の表示態様を変更してもよい。
図11を用いて、文字入力処理における画面遷移の他の例を説明する。図11に示すように、電子機器1は、文字入力処理の実行画面20をディスプレイ2Aに表示する(ステップS21)。続いて、電子機器1は、物理キー3a3に対するタッチを検出すると、物理キー3a3に対応する出力を実行する(ステップS22)。具体的には、電子機器1は、物理キー3a3に割り当てられている文字「さ」の読み上げ音声M1をスピーカ11から出力する。さらに、電子機器1は、物理キー3a3に対応付けられている物理キー3b1、・・・、物理キー3b5のそれぞれに、「さ」、「し」、「す」、「せ」、「そ」の文字を割り当て、物理キー3b1、・・・、物理キー3b5のそれぞれに対応する領域23b1、・・・、領域23b5に、「さ」、「し」、「す」、「せ」、「そ」の文字を表示させる。さらに、電子機器1は、タッチが検出された物理キー3a3に割り当てられている文字「さ」を、入力候補として仮決定する。
続いて、電子機器1は、物理キー3a3が押下されると、物理キー3a3に対応する出力を実行する(ステップS23)。具体的には、電子機器1は、入力候補として仮決定していた文字「さ」の入力を確定し、テキスト表示領域21に表示させる。
図12を用いて、文字入力処理における画面遷移の他の例を説明する。図12に示すように、電子機器1は、文字入力処理の実行画面20をディスプレイ2Aに表示する(ステップS31)。続いて、電子機器1は、物理キー3a2に対するタッチを検出すると、物理キー3a2に対応する出力を実行する(ステップS32)。具体的には、電子機器1は、物理キー3a2に割り当てられている文字「か」の読み上げ音声M3をスピーカ11から出力する。さらに、電子機器1は、物理キー3a2に対応付けられている物理キー3b1、・・・、物理キー3b5のそれぞれに、「か」、「き」、「く」、「け」、「こ」の文字を割り当て、物理キー3b1、・・・、物理キー3b5のそれぞれに対応する領域23b1、・・・、領域23b5に、「か」、「き」、「く」、「け」、「こ」の文字を表示させる。さらに、電子機器1は、タッチが検出された物理キー3a2に割り当てられている文字「か」を、入力候補として仮決定する。
続いて、電子機器1は、入力候補として仮決定した物理キー3a2の押下が検出されない状態で、物理キー3b3に対する新たなタッチを検出すると、物理キー3b3に対応する出力を実行する(ステップS33)。具体的には、電子機器1は、物理キー3b3に割り当てられている文字「く」の読み上げ音声M4をスピーカ11から出力する。
続いて、電子機器1は、物理キー3b3が押下されると、物理キー3b3に対応する出力を実行する(ステップS34)。具体的には、電子機器1は、入力候補である文字「か」の仮決定を取り消して、物理キー3b3に割り当てられている文字「く」の入力を確定し、テキスト表示領域21に表示させる。
続いて、電子機器1は、物理キー3b3に対するタッチが継続されている状態で、物理キー3a1に対するタッチを検出すると、物理キー3b3に対するタッチ及び物理キー3a1に対するタッチに対応する出力を実行する(ステップS35)。具体的には、電子機器1は、物理キー3a1に対応付けられている物理キー3b1、・・・、物理キー3b5のそれぞれに、「あ」、「い」、「う」、「え」、「お」の文字を割り当て、物理キー3b1、・・・、物理キー3b5のそれぞれに対応する領域23b1、・・・、領域23b5に、「あ」、「い」、「う」、「え」、「お」の文字を表示させる。電子機器1は、タッチが継続されている物理キー3b3に割り当てられている文字「う」の読み上げ音声M5をスピーカ11から出力する。さらに、電子機器1は、タッチが継続されている物理キー3b3に割り当てられている文字「う」を、入力候補として仮決定する。
続いて、電子機器1は、物理キー3b3が押下されると、物理キー3b3に対応する出力を実行する(ステップS36)。具体的には、電子機器1は、入力候補として仮決定していた文字「う」の入力を確定し、テキスト表示領域21に表示させる。
図13を用いて、実施形態に係る文字入力処理の実行画面の他の例を説明する。図13に示す実行画面20は、以下に説明する点が、図9に示す実行画面20とは異なる。すなわち、図13に示す例では、第1キー領域22が含む領域22a1、・・・、領域22a9は、「abc」、「def」、「ghi」、「jkl」、「mno」、「pqrs」、「tuv」、「wxyz」、「./@」の文字の画像をそれぞれ表示する。第2キー領域23が含む領域22b1、・・・、領域22b8は、物理キー3b1、・・・、物理キー3b8に予め割り当てられている文字の中から、第1キーユニット3aに対する操作に応じた文字の画像を表示する。
図14を用いて、文字入力処理における画面遷移の他の例を説明する。図14に示すように、電子機器1は、文字入力処理の実行画面20をディスプレイ2Aに表示する(ステップS41)。続いて、電子機器1は、物理キー3a1に対するタッチを検出すると、物理キー3a1に対応する出力を実行する(ステップS42)。具体的には、電子機器1は、物理キー3a1に割り当てられている文字「abc」の読み上げ音声M6をスピーカ11から出力する。
続いて、電子機器1は、物理キー3a1が押下されると、物理キー3a1に対応する出力を実行する(ステップS43)。具体的には、電子機器1は、物理キー3a1に対応付けられている物理キー3b1、・・・、物理キー3b6のそれぞれに、物理キー3b1、・・・、物理キー3b6に予め紐付けられている少なくとも1つの文字を割り当てる。例えば、物理キー3b1、・・・、物理キー3b6のそれぞれに対して、「a」、「b」、「c」、「A」、「B」、「C」の文字を割り当て、物理キー3b1、・・・、物理キー3b6のそれぞれに対応する領域23b1、・・・、領域23b6に、「a」、「b」、「c」、「A」、「B」、「C」の文字の画像を表示させる。
続いて、電子機器1は、物理キー3b3に対するタッチを検出すると、物理キー3b3に対応する出力を実行する(ステップS44)。具体的には、電子機器1は、物理キー3b3に割り当てられている文字「c 小文字」の読み上げ音声M7をスピーカ11から出力する。
続いて、電子機器1は、物理キー3b3が押下されると、物理キー3b3に対応する出力を実行する(ステップS45)。具体的には、電子機器1は、物理キー3b3に割り当てられている文字「c」の入力を確定し、テキスト表示領域21に表示させる。
電子機器1は、図14に示す英文字の入力の場合も、上記図11に示す例と同様の処理、及び上記図12に示す例と同様の処理を実行できる。
上記図10から図12、及び図14において、電子機器1は、筐体の縁などに沿って複数の物理キーを配置することにより、従来の文字入力を操作性の面で改善できる。
上記図10から図12、及び図14において、電子機器1は、押下が検出された物理キーに対応する文字の入力を確定させる例を説明したが、文字入力の確定させる機能が割り当てられている物理キーの押下によって、文字入力を確定させてもよい。上記図10から図12、及び図14において、電子機器1は、タッチが検出された物理キーに対応する出力を実行した後、押下が検出された物理キーに対応する出力、すなわち、押下が検出された物理キーに対応する文字の入力を実行する例を説明したが、この例には限定されるものではなく、押下が検出された物理キーに対応する文字の入力のみを実行するように処理が構成されてもよい。上記図10から図12、及び図14において、電子機器1は、物理キーに割り当てられている文字の読み上げ音声を出力しなくてもよい。上記実施形態において、電子機器1は、物理キーの押下によって入力が確定された文字を、ディスプレイ2Aに表示出力させない構成であってもよい。
図15を用いて、実施形態に係る電子機器により実行される処理の流れを説明する。図15は、実施形態に係る電子機器により実行される処理の流れの一例を示すフローチャートである。図15に示す処理は、コントローラ10が、文字入力制御プログラム9Bを実行することにより実現される。図15の説明において、物理キー3amは、第1キーユニット3aを構成する物理キー3a1、・・・、物理キー3a10に対応する。図15の説明において、物理キー3bnは、第2キーユニット3bを構成する物理キー3b1、・・・、物理キー3b10に対応する。
図15に示すように、コントローラ10は、第1キーユニット3aのいずれかの物理キー3amへのタッチを検出したかを判定する(ステップS101)。
コントローラ10は、判定の結果、物理キー3amへのタッチを検出した場合(ステップS101,Yes)、タッチを検出した物理キー3amに対応する出力を実行する(ステップS102)。
続いて、コントローラ10は、物理キー3amの押下を検出したかを判定する(ステップS103)。
コントローラ10は、判定の結果、物理キー3amの押下を検出した場合(ステップS103,Yes)、押下を検出した物理キー3amに対応する出力を実行し(ステップS104)、上記ステップS101の処理手順に戻る。
上記ステップS103において、コントローラ10は、判定の結果、物理キー3amの押下を検出しない場合(ステップS103,No)、上記ステップS101の処理手順に戻る。
上記ステップS101において、コントローラ10は、判定の結果、物理キー3amへのタッチを検出しない場合(ステップS101,No)、第2キーユニット3bのいずれかの物理キー3bnへのタッチを検出したかを判定する(ステップS105)。
コントローラ10は、判定の結果、物理キー3bnへのタッチを検出した場合(ステップS105,Yes)、タッチを検出した物理キー3bnに対応する出力を実行する(ステップS106)。
続いて、コントローラ10は、物理キー3bnの押下を検出したかを判定する(ステップS107)。
コントローラ10は、判定の結果、物理キー3bnの押下を検出した場合(ステップS107,Yes)、押下を検出した物理キー3bnに対応する出力を実行し(ステップS108)、上記ステップS101の処理手順に戻る。
上記ステップS107において、コントローラ10は、判定の結果、物理キー3bnの押下を検出しない場合(ステップS107,No)、上記ステップS101の処理手順に戻る。
上記ステップS105において、コントローラ10は、判定の結果、物理キー3bnへのタッチを検出しない場合(ステップS105,No)、第1キーユニット3a及び第2キーユニット3b以外へのタッチを検出したかを判定する(ステップS109)。
コントローラ10は、判定の結果、第1キーユニット3a及び第2キーユニット3b以外へのタッチを検出した場合(ステップS109,Yes)、図15に示す処理を終了する。これとは反対に、コントローラ10は、判定の結果、第1キーユニット3a及び第2キーユニット3b以外へのタッチを検出しない場合(ステップS109,No)、上記ステップS101の処理手順に戻る。
上記の実施形態において、電子機器1は、筐体の縁などに沿って配置した複数の物理キーを介して利用者の操作を受け付けることにより、従来の文字入力を操作性の面で改善できる。
図16及び図17は、実施形態に係る電子機器が備える複数の物理キーの他の配置例を示す図である。電子機器1は、複数の物理キーをいくつかのグループに分けて配置してもよい。図16に示す例では、電子機器1は、物理キー3a3と物理キー3a4と間に空間50aを設けるとともに、物理キー3a6と物理キー3a7との間に空間50bを設ける。さらに、電子機器1は、物理キー3b3と物理キー3b4との間に空間50cを設けるとともに、物理キー3b6と物理キー3b7との間に空間50dを設ける。これにより、電子機器1は、第1キーユニット3aが備える複数の物理キー3a1〜3a10を、物理キー3a1〜3a3のグループと、物理キー3a4〜3a6のグループと、物理キー3a7〜3a10とに分けて配置するとともに、第2キーユニット3bが備える複数の物理キー3b1〜3b10を、物理キー3b1〜3b3のグループと、物理キー3b4〜3b6のグループと、物理キー3b7〜3b10とに分けて配置する。
図17に示す例では、電子機器1は、物理キー3a3と物理キー3a4との間に間仕切り60aを設けるとともに、物理キー3a6と物理キー3a7との間に間仕切り60bを設ける。さらに、電子機器1は、物理キー3b3と物理キー3b4との間に間仕切り60cを設けるとともに、物理キー3b6と物理キー3b7との間に間仕切り60dを設ける。これにより、電子機器1は、第1キーユニット3aが備える複数の物理キー3a1〜3a10を、物理キー3a1〜3a3のグループと、物理キー3a4〜3a6のグループと、物理キー3a7〜3a10のグループとに分けて配置するとともに、第2キーユニット3bが備える複数の物理キー3b1〜3b10を、物理キー3b1〜3b3のグループと、物理キー3b4〜3b6のグループと、物理キー3b7〜3b10のグループとに分けて配置する。
図18及び図19は、実施形態に係る電子機器が備える物理キーの操作面に関する他の構造例を示す図である。電子機器1が備える複数の物理キーの中から物理キー3a1の操作面を例示する。図18に示す例では、電子機器1は、例えば、物理キー3a1の操作面(利用者が触れて操作する面)に点字パターンを表出させる6つの突起部70a〜70fを備える。突起部70a〜70fは、アクチュエーター等により表面に突出させること、及び内部に収納させることが可能な状態で設置される。図18に示す6つの突起部70a〜70fは、利用者の操作により入力が確定し、例えば、図10に示す実行画面20のテキスト表示領域21に表示される文字に合わせて突出する。利用者は、物理キーの表面に触れることで、入力された文字を確認できる。物理キー3a1は、点字を読み取る場合の一般的な横方向の指の動きに合わせて、図18に示す例から90度回転した状態で設置されてもよい。
図19に示す例では、電子機器1は、物理キー3a1の操作面を2つの領域80a及び領域80bに分けるように、物理キー3a1の長手方向に平行な線状の間仕切り90を物理キー3a1の操作面に設ける。図19に示す物理キー3a1では、電子機器1は、物理キー3a1の操作面の2つの領域80a及び領域80bのうち、どちらの領域にタッチが検出されたかによって、処理内容を変更することができる。
図20を用いて、電子機器1の機能構成の他の例を説明する。図20は、実施形態に係る電子機器の機能構成の他の例を示す図である。上記の実施形態では、電子機器1は、物理キーユニット3を内部に備える例(図1参照)を説明したが、物理キーユニット3を外付け可能な個別のユニットとして構成することもできる。図20に示すように、電子機器1は、通信ユニット6を介して、外付け物理キーユニット100と通信可能な状態で接続する。外付け物理キーユニット100は、例えば、通信ユニット101、メモリ102、物理キーユニット103、及びマイコン104を備える。物理キーユニット103は、第1キーユニット103a、第2キーユニット103b、第3キーユニット103c、及びタッチスクリーン103dを有する。電子機器1は、通信ユニット6を介して、外付け物理キーユニット100に対する利用者の操作の情報を受信し、上記の実施形態と同様の処理を実行できる。
図21〜図28は、実施形態に係る電子機器の他の構造例を示す図である。図21及び図22に示すように、電子機器1は、筐体1hの側面に、複数の物理キー3a1〜3a3を配置した構造であってもよい。
また、図23に示すように、電子機器1は、利用者の操作面に複数の物理キーのみを配置した構造であってもよい。また、図24に示すように、電子機器1は、利用者の操作面にタッチスクリーン2B及び複数の物理キーのみを配置した構造であってもよい。また、図25に示すように、電子機器1は、利用者の操作面に複数の物理キー及びテンキー200のみを配置した構造であってもよい。また、図26及び図27に示すように、電子機器1は、略円形状の形態をなし、内部にタッチスクリーンディスプレイ2を配置するとともに、構造体の外周部に物理キーを配置した構造体であってもよい。また、図28に示すように、電子機器1は、略円柱状の形態をなし、上面にタッチスクリーンディスプレイ2を配置し、側面に複数の物理キーを配置した構造体であってもよい。
本明細書では、添付の請求項に係る技術を完全かつ明瞭に開示するために特徴的な実施形態に関し記載してきた。しかし、添付の請求項は、上記の実施形態に限定されるべきものでなく、本明細書に示した基礎的事項の範囲内で当該技術分野の当業者が創作しうるすべての変形例及び代替可能な構成により具現化されるべきである。