JP2018006194A - 電解液流通型電池用セルフレーム、電解液流通型電池用セルスタック、及び電解液流通型電池 - Google Patents

電解液流通型電池用セルフレーム、電解液流通型電池用セルスタック、及び電解液流通型電池 Download PDF

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Katsuya Yamanishi
克也 山西
毅 寒野
Takeshi Kanno
毅 寒野
桑原 雅裕
Masahiro Kuwabara
雅裕 桑原
伊藤 岳文
Takefumi Itou
岳文 伊藤
晴久 豊田
Haruhisa Toyoda
晴久 豊田
勇人 藤田
Isato Fujita
勇人 藤田
清明 林
Kiyoaki Hayashi
清明 林
高輔 白木
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高輔 白木
山口 英之
Hideyuki Yamaguchi
英之 山口
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Abstract

【課題】組立作業性に優れる上にシール材が損傷し難い電解液流通型電池用セルフレーム、電解液流通型電池用セルスタック、及び電解液流通型電池を提供する。
【解決手段】双極板と、前記双極板の外周縁部に対向配置される内周縁部を有する枠体と、前記双極板の外周縁部と前記枠体の内周縁部との間に介在され、前記双極板と前記枠体とに押圧された状態で使用される環状のシール材とを備え、前記シール材は、押圧されていない状態での横断面において、前記双極板に点接触する板側接点、及び前記枠体に点接触する枠側接点とを備え、前記双極板の外周縁部と前記枠体の内周縁部とに挟まれる方向の最大寸法を高さH、この高さ方向に直交する方向の最大寸法を幅Wとするとき、前記高さHに対する幅Wの比W/Hが1超を満たす形状である電解液流通型電池用セルフレーム。
【選択図】図1

Description

本発明は、電解液流通型電池、セルフレーム、及びセルスタックに関する。
大容量の蓄電池の一つに、特許文献1に記載されるレドックスフロー電池(以下、RF電池と呼ぶことがある)などの電解液流通型電池がある。RF電池は、正極電解液が供給される正極電極と、負極電解液が供給される負極電極と、両極の電極間に介在される隔膜とを備える電池セルを主な構成要素とし、各極の電極に各極の電解液を供給して充放電を行う(特許文献1の図8)。
上記電池セルは、特許文献1の図9に示すように、代表的には、表裏面に各極の電極が配置される双極板と、双極板の外周縁部に設けられる樹脂製の枠体とを備えるセルフレームを用いて形成される。大容量のRF電池では、セルフレーム、一極の電極、隔膜、他極の電極を順に繰り返し複数積層した積層体を主体とするセルスタックが利用される(特許文献1の図9)。積層体は、長ボルト及びナットなどによって電池セルの積層方向に締め付けられて、積層状態が保持される(同)。
特許文献1は、双極板の外周縁部を挟む一対のフレーム片と、双極板の外周縁部に嵌め込まれる断面略V字状のパッキンとを備えるセルフレームを開示する。上述のように積層方向に締め付けられると、上記パッキンは、双極板及びフレーム片に押圧されて密着し、双極板と各フレームとの間を液密に保持する。
特開2012−216510号公報
上述のように双極板の外周縁部にパッキンを嵌め込む構成では、この嵌め込み工程が必要であり、組立作業性の向上が望まれる。
例えば、双極板と枠体との間に、双極板の外周縁部に沿って環状のOリングや平パッキンなどのゴムシール材を配置する構成とすれば、上述の嵌め込み工程を不要にできる。しかし、双極板と枠体との間にOリングを介在する構成では、後述するように長期の使用によってはOリングが捻じれて、最悪の場合、破断する可能性があると考えられる。平パッキンを介在する構成では、後述するように長期の使用によっては永久変形して、最悪の場合、液密性の低下を招く可能性があると考えられる。
双極板と枠体との積層状態を上述のように長ボルト及びナットなどを用いて機械的に保持する場合、充放電運転時などに大きな液圧や、温度上昇に伴う枠体の熱膨張に起因する圧力などを受けて応力が生じ、双極板と枠体とが相互に摺動する可能性がある。
横断面円形状のOリングは、上述の押圧されていない非圧縮状態において、双極板及び枠体のそれぞれに点接触する。このようなOリングでは、双極板と枠体とが摺動すると、この摺動によって転動する可能性がある。そして、転動状態によっては捻じれるなどして局所的に割れるなどの損傷を受けたり、最終的に破断したりすることが考えられる。
横断面長方形状の平パッキンは、上記非圧縮状態において、双極板及び枠体のそれぞれに面接触する。このような平パッキンでは、双極板と枠体とを摺動させ難い上に自身も転動し難く、摺動時の摩擦や自身の転動によって損傷などし難いといえる。しかし、平パッキンの表裏面の全面で双極板及び枠体からの押圧力を長期に亘り受け続けると永久変形し易くなり、双極板と枠体との双方に十分に密着できない可能性がある。その結果、双極板と枠体とが滑り易くなったり、この滑りによって液密性の低下を招いたりすることが考えられる。
そこで、本発明の目的の一つは、組立作業性に優れる上にシール材が損傷し難い電解液流通型電池用セルフレーム、電解液流通型電池用セルスタック、及び電解液流通型電池を提供することにある。
本発明の一態様に係る電解液流通型電池用セルフレームは、
双極板と、
前記双極板の外周縁部に対向配置される内周縁部を有する枠体と、
前記双極板の外周縁部と前記枠体の内周縁部との間に介在され、前記双極板と前記枠体とに押圧された状態で使用される環状のシール材とを備え、
前記シール材は、押圧されていない状態での横断面において、
前記双極板に点接触する板側接点、及び前記枠体に点接触する枠側接点とを備え、
前記双極板の外周縁部と前記枠体の内周縁部とに挟まれる方向の最大寸法を高さH、この高さ方向に直交する方向の最大寸法を幅Wとするとき、前記高さHに対する幅Wの比W/Hが1超を満たす形状である。
本発明の一態様に係る電解液流通型電池用セルスタックは、
上記の一態様に係る電解液流通型電池用セルフレームと、正極電極と、隔膜と、負極電極とが順に複数積層された積層体を備える。
本発明の一態様に係る電解液流通型電池は、
上記の一態様に係る電解液流通型電池用セルスタックを備える。
上記の電解液流通型電池用セルフレーム、上記の電解液流通型電池用セルスタック、及び上記の電解液流通型電池は、組立作業性に優れる上にシール材が損傷し難い。
実施形態1の電解液流通型電池用セルフレームを備える電池セルの概略を示す部分断面図である。 実施形態1の電解液流通型電池用セルフレームに備えるシール材の一例Aを示す横断面図である。 実施形態1の電解液流通型電池用セルフレームに備えるシール材の別例Bを示す横断面図である。 実施形態1の電解液流通型電池用セルフレームに備えるシール材の別例Cを示す横断面図である。 実施形態1の電解液流通型電池用セルフレームに備えるシール材の別例Dを示す横断面図である。 実施形態1の電解液流通型電池用セルフレームに備えるシール材の別例Eを示す横断面図である。 実施形態1の電解液流通型電池用セルフレームに備えるシール材の別例Fを示す横断面図である。 実施形態1の電解液流通型電池用セルスタックを説明する概要図である。 実施形態1の電解液流通型電池であるレドックスフロー電池を説明する概要図である。
[本発明の実施形態の説明]
最初に本発明の実施形態の内容を列記して説明する。
(1)本発明の一態様に係る電解液流通型電池用セルフレームは、
双極板と、
前記双極板の外周縁部に対向配置される内周縁部を有する枠体と、
前記双極板の外周縁部と前記枠体の内周縁部との間に介在され、前記双極板と前記枠体とに押圧された状態で使用される環状のシール材とを備え、
前記シール材は、押圧されていない状態での横断面において、
前記双極板に点接触する板側接点、及び前記枠体に点接触する枠側接点とを備え、
前記双極板の外周縁部と前記枠体の内周縁部とに挟まれる方向の最大寸法を高さH、この高さ方向に直交する方向の最大寸法を幅Wとするとき、前記高さHに対する幅Wの比W/Hが1超を満たす形状である(W>H)。
代表的には、双極板の外周縁部及び枠体の内周縁部の少なくとも一方に、シール材を配置する環状の溝部を備える。
「横断面」とは、環状のシール材をその軸に平行な面で切断した断面とする。代表的には、シール材は、その軸が双極板と枠体との積層方向に平行に配置される。
「点接触」とは、上記横断面におけるシール材の輪郭線のうち、板側接点近傍及び枠側接点近傍が曲線である場合の他、これら接点近傍の輪郭線が円弧を描き、この弧の半径が高さHの85%以下である場合を含む。
上記の電解液流通型電池用セルフレームは、双極板の外周縁部と枠体の内周縁部との間にシール材を備えるため、液密構造を容易に構築でき、上述の双極板にパッキンを嵌め込む工程を不要にできる。
また、上記の電解液流通型電池用セルフレームに備えるシール材における非圧縮状態での横断面形状が、高さHに対する幅Wの比W/H(以下、アスペクト比W/Hと呼ぶ)が1超を満たすという偏平な形状である。このシール材は、双極板及び枠体のそれぞれに点接触するものの、仮に双極板と枠体とが相互に摺動した場合でも転動し難く、転動に起因する損傷や破断などを低減、防止できる。また、このシール材は、双極板及び枠体の双方に点接触するため、面接触する場合と比較して、長期に亘り使用しても永久変形し難く(へたり難く)、シール材の永久変形に起因する双極板と枠体との滑りを抑制できる。
従って、上記の電解液流通型電池用セルフレームは、組立作業性に優れる上にシール材を損傷し難く、長期に亘り、液密に関する信頼性が高い電解液流通型電池を提供できる。
(2)上記の電解液流通型電池用セルフレームの一例として、前記シール材は、前記横断面において、前記板側接点を含む輪郭線の曲げ半径r1及び前記枠側接点を含む輪郭線の曲げ半径r2がいずれも、前記高さHの15%以上85%以下であること、及び前記幅Wの15%以上85%以下であることの少なくとも一方を満たす形状である形態が挙げられる。
上記形態に備えるシール材は、非圧縮状態での横断面において、輪郭線のうち、板側接点近傍及び枠側接点近傍の双方が極端に尖っておらず、ある程度大きな円弧を描くといえる。このようなシール材を備える上記形態は、双極板と枠体とを摺動し難くできるため、摺動によるシール材の損傷を抑制し易い。従って、上記形態は、組立作業性に優れる上に、シール材がより損傷し難い。
(3)上記の電解液流通型電池用セルフレームの一例として、前記シール材は、前記横断面において、前記高さHの二等分線を中心とする線対称な形状である形態が挙げられる。
上記形態に備えるシール材は、表裏の形状が同じといえるため、双極板と枠体との間にシール材を配置する際、その表裏を区別せずに配置できる。また、上記形態に備えるシール材は、その横断面において板側接点と枠側接点とが高さ方向に延びる同一直線上に位置する。つまり両接点の幅方向の位置が等しい。この場合、双極板及び枠体からの押圧力を集中して受け易く、板側接点と枠側接点とが異なる直線上に位置して上記押圧力を分散して受ける場合に比較して、シール材が滑り難い。従って、上記形態は、組立作業性により優れる上に、上記の滑りに起因するシール材の損傷を抑制でき、シール材をより損傷し難い。
(4)シール材が線対称な形状である上記(3)の電解液流通型電池用セルフレームの一例として、前記シール材は、前記横断面において、前記板側接点と前記枠側接点とをそれぞれ一つずつ備える形態が挙げられる。
上記形態は、シール材の板側接点及び枠側接点がそれぞれ一つであるため、複数である場合に比較して、双極板及び枠体からの押圧力が分散し難くなる結果、シール材が滑り難い。従って、上記形態は、組立作業性により優れる上に、上記の滑りに起因するシール材の損傷を抑制し易く、シール材を更に損傷し難い。
(5)シール材が線対称な形状であり、板側接点及び枠側接点がそれぞれ一つである上記(4)の電解液流通型電池用セルフレームの一例として、前記シール材は、前記横断面において、前記板側接点と前記枠側接点とを備える本体部と、前記本体部における前記高さ方向の中間部から前記高さ方向に交差するように突出する一つの腕部とを備える形態が挙げられる。
上記形態は、双極板及び枠体の少なくとも一方に設けられた溝部に対して、例えば本体部が溝部における環の内側となるようにシール材を配置する場合、腕部を溝部に引き込み易くなり、溝部に対してシール材を適切に配置し易い。また、この場合、後述するように腕部の一部が溝部の開口縁から乗り上げることを防止でき、この乗り上げに起因するシール材の損傷も防止し易い。従って、上記形態は、組立作業性に更に優れる上に、シール材をより一層損傷し難い。
(6)本発明の一態様に係る電解液流通型電池用セルスタックは、
上記(1)から上記(5)のいずれか一つに記載の電解液流通型電池用セルフレームと、正極電極と、隔膜と、負極電極とが順に複数積層された積層体を備える。
上記の電解液流通型電池用セルスタックは、組立作業性に優れる上にシール材を損傷し難い上記の電解液流通型電池用セルフレームを備えるため、組立作業性に優れる上にシール材を損傷し難く、長期に亘り、液密に関する信頼性が高い電解液流通型電池を提供できる。
(7)本発明の一態様に係る電解液流通型電池は、
上記(6)に記載の電解液流通型電池用セルスタックを備える。
上記の電解液流通型電池用セルスタックは、組立作業性に優れる上にシール材を損傷し難い上記の電解液流通型電池用セルスタックを備えるため、組立作業性に優れる上にシール材を損傷し難く、長期に亘り、液密に関する信頼性が高い。
(8)上記の電解液流通型電池の一例として、レドックスフロー電池(RF電池)である形態が挙げられる。
RF電池は、1.大出力化、メガワット級(MW級)の大容量化が容易である、2.長寿命である、3.電池の充電状態(SOC:State of Charge)を正確に監視可能である、4.電池出力と電池容量とを独立して設計できて設計の自由度が高い。従って、上記形態は、組立作業性に優れる上にシール材を損傷し難い大容量の蓄電池や電力系統の安定化用途の蓄電池などに好適に利用できる。
[本発明の実施形態の詳細]
以下に図面を参照して、本発明の実施形態を具体的に説明する。図において同一符号は同一名称物を意味する。
[実施形態1]
実施形態1の電解液流通型電池として、レドックスフロー電池(RF電池)を説明する。まず、主として図8,図9を参照して、RF電池10の概要を説明する。
図9の正極タンク16内及び負極タンク17内に示すイオンは、各極の電解液中に含むイオン種の一例を示す。図9において実線矢印は充電、破線矢印は放電を意味する。
(RF電池の概要)
実施形態1のRF電池10は、図9に示すように、電池セル10Cと、電池セル10Cに電解液を循環供給する循環機構とを備える。代表的には、RF電池10は、交流/直流変換器400や変電設備410などを介して、発電部420と、電力系統や需要家などの負荷440とに接続され、発電部420を電力供給源として充電を行い、負荷440を電力提供対象として放電を行う。発電部420は、例えば、太陽光発電機、風力発電機、その他一般の発電所などが挙げられる。
(RF電池の基本構成)
・電池セル
電池セル10Cは、正極電解液が供給される正極電極14と、負極電解液が供給される負極電極15と、正極電極14,負極電極15間に介在される隔膜11とを備える。
正極電極14,負極電極15は、活物質を含む電解液が供給されて、活物質(イオン)が電池反応を行う反応場であり、炭素材料の繊維集合体といった多孔体などが利用される。
隔膜11は、正極電極14,負極電極15間を分離すると共に所定のイオンを透過する部材であり、イオン交換膜などが利用される。
・セルフレーム
電池セル10Cは、図8に示すセルフレーム20を用いて構成される。
セルフレーム20は、双極板21と、双極板21の外周縁部210(ここでは主として後述の薄肉部)に対向配置される内周縁部220(ここでは主として後述の低段部)を有する枠体22と、双極板21の外周縁部210と枠体22の内周縁部220との間に介在される環状のシール材23とを備える。
双極板21は、一面を正極電極14が配置される面とし、他面を負極電極15が配置される面とし、電流を流すが電解液を通さない導電性部材である。図8では、長方形状の平板材である場合を例示する(右側のセルフレーム20参照)。
枠体22は、中央部に設けられて、その表裏に貫通する窓部22wと、双極板21の各面に配置される正極電極14、負極電極15にそれぞれ供給する電解液の供給路と、正極電極14、負極電極15からそれぞれ排出される電解液の排出路とを備える絶縁性部材である。上記供給路は、給液孔24i,25iと、給液孔24i,25iから窓部22wに至るスリットなどとを備える。上記排出路は、排液孔24o,25oと、窓部22wから排液孔24o,25oに至るスリットなどとを備える。図8では、長方形状の外形と、長方形状の窓部22wとを有する矩形状枠である場合を例示する(左側の枠体22参照)。
シール材23は、後述するセルスタック30に備える積層体をその積層方向に締め付けることで生じる押圧力によって、双極板21と枠体22とに押圧された状態で使用される。双極板21と枠体22との間で押し潰されたシール材23は、双極板21と枠体22とに密着することで、双極板21と枠体22との間を液密に保持する。
・セルスタック
図9では、単一の電池セル10Cを含む単セル電池を示すが、この例のRF電池10は、複数の電池セル10Cを備える多セル電池である。多セル電池では、図8に示すセルスタック30と呼ばれる形態が利用される。
セルスタック30は、代表的には、セルフレーム20と、正極電極14と、隔膜11と、負極電極15とが順に複数積層された積層体と、積層体を挟む一対のエンドプレート32,32と、エンドプレート32,32間を繋ぐ長ボルトなどの連結材34及びナットなどの締結部材とを備える。締結部材によってエンドプレート32,32間が締め付けられると、積層体は、その積層方向の締付力によって積層状態が保持される。
セルスタック30は、図8に例示するように所定数の電池セル10Cをサブセルスタック30Sとし、複数のサブセルスタック30Sを積層した形態で利用されることがある。
サブセルスタック30Sやセルスタック30における電池セル10Cの積層方向の両端に位置するセルフレームには双極板21に代えて集電板が配置されたものが利用される。
隣り合う枠体22,22間には、ガスケットや平パッキン、Oリングなどの枠間シール部材(図示せず)が配置されて、積層体を液密に保持する。
・循環機構
循環機構は、図9に示すように正極電極14に循環供給する正極電解液を貯留する正極タンク16と、負極電極15に循環供給する負極電解液を貯留する負極タンク17と、正極タンク16と電池セル10C(セルスタック30)との間を接続する配管162,164と、負極タンク17と電池セル10C(セルスタック30)との間を接続する配管172,174と、電池セル10Cへの供給側の配管162,172に設けられたポンプ160,170とを備える。配管162,164,172,174はそれぞれ、積層された複数のセルフレーム20の給液孔24i,25i及び排液孔24o,25oによって形成される電解液の流通管路に接続されて、各極の電解液の循環経路を構築する。
RF電池10の基本構成、材料、電解液などは、公知の構成、材料、電解液などを適宜利用できる。
(セルフレーム)
次に、主として図1を参照して、実施形態1のセルフレーム20について、シール材23を中心に説明する。
図1は、RF電池10に備える電池セルを、枠体22の厚さ方向(図1では左右方向)に平行な面で切断した模式断面図であり、双極板21の外周縁部210及び枠体22の内周縁部220の近傍のみを示す。
実施形態1のセルフレーム20は、双極板21と枠体22との間に介在されるシール材23が特定の形状である点を特徴の一つとする。端的に言うと、シール材23は、押圧されていない状態(非圧縮状態)での横断面において、縦長(又は横長)であり、双極板21と枠体22との双方に点接触する形状である。実施形態1のセルスタック30は、実施形態1のセルフレーム20を備える。実施形態1のRF電池10は、実施形態1のセルスタック30を備える。
・枠体
この例のセルフレーム20は、枠体22の窓部22wに双極板21を嵌め込むことで構成される。詳しくは、枠体22において窓部22wの形成箇所は、一面(図1では右面)が高い段差形状であり、低段部を双極板21の外周縁部210が対向配置される内周縁部220とする。
この例の枠体22は、内周縁部220に、窓部22wの周方向に沿って形成される環状の溝部223を備える。溝部223は、底面部223bと、底面部223bから立設される側壁部223s,223sとを備え、環状のシール材23が配置される。図1では、枠体22の厚さ方向に平行な面で切断した横断面において、対向する一対の側壁部223s,223sが底面部223bに直交するように設けられる長方形状の溝部223を例示する。その他、少なくとも一方の側壁部223sが底面部223bに対して非直交に交差するように配置されて、横断面台形状の溝部223などとすることができる。この場合、側壁部223sと底面部223bとがなす角度は、90°超135°以下(図1に示す状態から上側又は下側に45°以下)程度が挙げられる。溝部223の深さは、溝部223内に配置されたシール材23が以下を満たすように調整する。シール材23が押圧されていない非圧縮状態において、シール材23の一部が溝部223内に収納され、他部が溝部223の開口縁から突出する(溝部223の深さ<シール材23の高さH(後述))。かつ、シール材23が押圧された圧縮状態において、シール材23における上述の突出部分が双極板21及び枠体22に押し潰されて密着し、双極板21と枠体22との間を液密に保持できる。溝部223の幅W223(図1では上下方向の寸法)は、シール材23の幅W(後述)よりも大きく(溝部223の幅W223>シール材23の幅W)、この例ではシール材23が押し潰された際でも側壁部223s,223sの少なくとも一方に接触しない程度の裕度を有する。
枠体22の構成材料は、絶縁性に優れると共に、電解液と反応せず、電解液に対する耐性(耐薬品性、耐酸性など)を有するものが好適に利用できる。具体的には、塩化ビニル、塩素化ポリエチレンなどが挙げられる。
・双極板
この例の双極板21は、その厚さが部分的に異なっており、外周縁部210の厚さが内部よりも薄く、図1に示す左面が高い段差形状である。外周縁部210近傍は、枠体22の内周縁部220近傍とは逆の段差形状をなす。薄肉部をなす内周縁部220と外周縁部210とが互いに係合する構成により、双極板21は、枠体22に安定して支持される。双極板21には、黒鉛などと有機材とを含む導電性プラスチック板などが利用できる。
・シール材
以下、図2〜図7を参照して、シール材23の具体例を説明する。
図2〜図7は、押圧されていない非圧縮状態にある環状のシール材23を、その軸に平行な面(ここでは紙面に平行な面)で切断した横断面図を示す。
以下の説明は、この非圧縮状態の横断面形状を中心に行う。
シール材23において、双極板21の外周縁部210と枠体22の内周縁部220とに挟まれる方向(図2〜図7では上下方向)の最大寸法を高さH、この高さ方向に直交する方向(図2〜図7では左右方向)の最大寸法を幅Wとする。
・・共通事項
<点接触>
シール材23は、双極板21と枠体22との間に非圧縮状態で配置された場合に、双極板21に点接触する板側接点231及び枠体22に点接触する枠側接点232を備え、双極板21及び枠体22との双方に線接触しない。シール材23の輪郭線のうち、板側接点231近傍及び枠側接点232近傍は曲線である。定性的には板側接点231近傍及び枠側接点232近傍の輪郭線が円弧を描き、この円弧の半径がある程度大きいこと、定量的には上記半径がシール材23の高さHの85%以下程度である場合を含む。
シール材23は、横断面において板側接点231を含む輪郭線の曲げ半径r1及び枠側接点232を含む輪郭線の曲げ半径r2がいずれも、高さHの15%以上85%以下であること、及び幅Wの15%以上85%以下であることの少なくとも一方を満たすことが好ましい。
曲げ半径r1が高さHの15%以上であること、及び幅Wの15%以上であることの少なくとも一方を満たせば、板側接点231近傍の輪郭線が描く弧の半径が十分に大きく、仮に双極板21と枠体22とが相互に摺動しても、この摺動に伴ってシール材23に割れなどの損傷を受け難い。曲げ半径r1が大きいほど上記摺動によるシール材23の損傷を抑制し易いと考えられるため、高さHの20%以上、更に30%以上、40%以上であること、及び幅Wの20%以上、更に30%以上、40%以上であることの少なくとも一方を満たすことができる。これらの事項は、曲げ半径r2についても同様である。
曲げ半径r1が高さHの85%以下であること、及び幅Wの85%以下であることの少なくとも一方を満たせば、板側接点231近傍の輪郭線が描く弧の半径が大き過ぎず、線接触(実際には面接触)し難い形状といえる。曲げ半径r1が小さいほど線接触し難いと考えられるため、高さHの80%以下、更に70%以下、60%以下であること、及び幅Wの80%以下、更に70%以下、60%以下であることの少なくとも一方を満たすことができる。これらの事項は、曲げ半径r2についても同様である。
曲げ半径r1,r2が等しい形態(図2〜図5)でも、異なる形態(図6,図7)でもいずれでもよい。
シール材23は、少なくとも一つの板側接点231と、少なくとも一つの枠側接点232とを備える種々の形状を取り得る。図2,図3に示すシール材23A,23Bは、横断面において板側接点231及び枠側接点232を一つずつ備える。図4,図5,図7に示すシール材23C,23D,23Fは、板側接点231及び枠側接点232を同数で複数備える。図6に示すシール材23Eは、板側接点231の個数と枠側接点232の個数とが異なる。
<アスペクト比>
シール材23は、高さHに対する幅Wの比W/H(アスペクト比W/H)が1超を満たす。アスペクト比W/Hが1超を満たすという横長(又は縦長)の形状は、回転し難い形状といえる。従って、シール材23は双極板21と枠体22との双方に点接触(実際には線接触)する形状であるものの、仮に双極板21と枠体22とが相互に摺動しても、この摺動に伴って転動し難いといえる。
アスペクト比W/Hは、大きいほどシール材23が転動し難い傾向にあり、1.2以上、更に1.4以上、1.9以上とすることができる。但し、アスペクト比W/Hが大きい場合、幅Wが大きくなり易く、幅Wが大き過ぎると溝部223を大きくする必要があり、セルフレーム20の大型化を招く。そのため、アスペクト比W/Hは、3以下、更に2.6以下、2以下程度が好ましいと考えられる。
<構成材料>
シール材23の構成材料には、電解液に対する耐性を有し、双極板21及び枠体22からの押圧によって弾性変形可能な弾性材料を好適に利用できる。具体的な弾性材料は、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、フッ素ゴム、シリコーンゴムなどのゴムが挙げられる。
・・具体例
<シール材23A>
上記の共通事項を満たす一例として、図2に示すシール材23Aは、板側接点231及び枠側接点232を備える円形状の本体部230を中心として、双極板21と枠体22とに挟まれる方向(高さ方向)に直交する方向(図2では左右方向)に突出する舌片状の腕部235,237を二つ備える形状である。シール材23Aにおける高さ方向の最大寸法である高さHは、本体部230の直径に相当する。本体部230の直径は、板側接点231と枠側接点232との間の最短距離に相当する。高さ方向に直交する方向の最大寸法である幅Wは、一方の腕部235の頂点P5と他方の腕部237の頂点P7との間の最短距離に相当する。
この例の腕部235,237は、その高さH235,H237が本体部230の高さH230(ここではシール材23の高さHに等しい)よりも小さい(H=H230<H235,H237)。そのため、本体部230の板側接点231及び枠側接点232近くの領域は、腕部235,237よりも双極板21側及び枠体22側にそれぞれ張り出した状態となり、点接触し易くなる。腕部235,237の高さH235,H237を、例えば本体部230の高さH230(シール材23Aの高さH)の30%以上80%以下程度とすれば、曲げ半径r1,r2を有する張り出した円弧部分を十分に長く確保でき、点接触し易いと考えられる。腕部235,237の幅W235,W237が十分に大きければ、シール材23Aが転動し難い。腕部235,237の幅W235,W237を、例えば本体部230の幅W230の20%以上150%以下程度、又はシール材23Aの幅Wの5%以上60%以下程度とすれば、腕部235,237の具備による転動抑制効果を十分に得易いと期待される。腕部235,237の高さH235,H237が異なること、及び幅W235,W237が異なることの少なくとも一方を満たすことができるが、図2に示すように高さH235,H237が等しくかつ幅W235,W237が等しいと、転動抑制効果に優れると期待される。
この例のシール材23Aは、高さHの二等分線Lを中心とする線対称な形状である。そのため、曲げ半径r1,r2が等しく、かつ板側接点231と枠側接点232とは高さ方向に延びる同一直線上に位置し、頂点P5,P7は二等分線L上に位置する。ここでは本体部230の直径方向に対向して位置する。また、板側接点231と枠側接点232とは幅方向の位置が同じである。このようなシール材23Aは、双極板21及び枠体22からの押圧力を上記同一直線上で集中して受け易く、板側接点231と枠側接点232とが異なる直線上に位置して上記押圧力を各直線上で分散して受ける場合に比較して、シール材23Aが枠体22の溝部223内で滑り難い。この例のシール材23Aは、板側接点231及び枠側接点232を一つずつ備えることからも滑り難い。シール材23Aは、この滑りに起因する損傷を低減、防止できる。更に、シール材23Aは、双極板21側の形状と枠体22側の形状とが同じである、即ち表裏が同じ形状であるため、表裏の区別なく溝部223に配置でき、組立作業性に優れる。
この例のシール材23Aは、幅Wの二等分線Lを中心とする線対称な形状である。そのため、腕部235,237の高さH235,H237が等しく、かつ腕部235,237の幅W235,W237が等しく、上述のように転動抑制効果に優れる。
図2に示すシール材23Aのアスペクト比W/Hは2、本体部230の曲げ半径r1,r2は高さHの50%かつ幅Wの25%、本体部230の幅W230は幅Wの35%以上45%以下程度(W230>W235,W237)である場合を例示する。頂点P5,P7近傍の輪郭線を描く円弧の曲げ半径r5,r7は適宜選択でき、この例ではr1,r2>r5,r7、r5=r7である。シール材23Aは、曲げ半径r1,r2が上述の特定の範囲を満たすため、点接触し易い形状でありながら、上述の転動などに起因する損傷を受け難い。なお、この例では、環状のシール材23Aの全周に亘って、本体部230に両腕部235,237を備え、任意の横断面形状が同じであるものとする。即ち、環状のシール材23Aの全長に亘って一様な横断面を有する。その他、本体部230の周方向の一部にのみ腕部235,237を備える形態、例えば、腕部235,237を備える領域と備えていない領域とが交互に存在する形態などとすることができる。
<シール材23B>
図3に示すシール材23Bは、端的に言うと、上述のシール材23A(図2)において、一方の腕部235を有し、他方の腕部237を除去した形状である。シール材23Bは、横断面において、板側接点231と枠側接点232とを備える円形状の本体部230と、本体部230における高さ方向の中間部から高さ方向に交差するように突出する一つの舌片状の腕部235とを備える。ここでは、腕部235は本体部230の高さ方向の中央部から高さ方向に直交するように突出する。シール材23Bの高さHは、本体部230の直径(板側接点231と枠側接点232との間の最短距離)に相当し、幅Wは、腕部235の頂点P5と本体部230の頂点P3との間の最短距離に相当する。
この例では、シール材23Bの腕部235の高さH235は、本体部230の高さH230よりも小さく(H235<H=H230)、板側接点231及び枠側接点232近くの領域は、腕部235よりも双極板21側及び枠体22側にそれぞれ張り出した状態となり、点接触し易くなる。腕部235の高さH235の具体的な大きさは、上述したシール材23Aの高さH235の事項を参照できる。腕部235の幅W235は、例えば本体部230の幅W230の20%以上150%以下程度、又はシール材23Bの幅Wの2.5%以上60%以下程度とすれば、シール材23Aで説明したように、腕部235の具備による転動抑制効果を十分に得易いと期待される。更に、シール材23Bは、シール材23Aと同様に、高さHの二等分線Lを中心とする線対称な形状である、板側接点231及び枠側接点232を一つずつ備える。そのため、シール材23Bは、シール材23Aと同様に、枠体22の溝部223内で滑り難く、この滑りに起因する損傷を低減、防止できる。また、シール材23Bは、シール材23Aと同様に、表裏が同じ形状であるため、組立作業性にも優れる。
シール材23Bでは、本体部230の高さH230及び幅W230が腕部235の高さH235及び幅W235よりも大きい。このような本体部230を枠体22の溝部223における環の内側(図1では下側)に配置すれば、シール材23が内側に向かって収縮し易いという性質を利用して、本体部230よりも小さい腕部235を溝部223に引き込み易いと考えられる。この場合、シール材23Bを溝部223に適切に配置し易く、組立作業性に優れる。なお、腕部235の少なくとも一部が溝部223に収納されず、溝部223の開口縁から乗り上げるように配置されると、乗り上げ箇所が双極板21と枠体22との摺接時に過度に摩擦力を受けて損傷する恐れがある。シール材23Bは、上述の引き込みによって本体部230の頂点P3側の領域が溝部223における環の内側(図1では下側)に位置する側壁部223sに接触し、腕部235の頂点P5側の領域が上記環の外側(図1では上側)に位置する側壁部223sから離れて上記乗り上げ箇所が生じ難く、上記摩擦による損傷を防止し易いと考えられる。
図3に示すシール材23Bのアスペクト比W/Hは1.7、本体部230の曲げ半径r1,r2(=本体部230の頂点P3近傍の輪郭線が描く円弧の半径r3)は高さHの50%かつ幅Wの30%、本体部230の幅W230は幅Wの50%超60%以下程度(W230>W235)である場合を例示する。頂点P5近傍の曲げ半径r5は適宜選択でき、この例ではr1,r2,r3>r5である。シール材23Bも、シール材23Aと同様に曲げ半径r1,r2が上述の特定の範囲を満たすため、点接触し易い形状でありながら、上述の転動などに起因する損傷を受け難い。なお、この例では、環状のシール材23Bの全周に亘って、本体部230に腕部235を備え、任意の横断面形状が同じであるものとする。即ち、環状のシール材23Bの全長に亘って一様な横断面を有する。その他、本体部230の周方向の一部にのみ腕部235を備える形態、例えば、腕部235を備える領域と備えていない領域とが交互に存在する形態などとすることができる。
<シール材23C,23D>
図4に示すシール材23C及び図5に示すシール材23Dはいずれも、高さHの二等分線Lを中心とする線対称な形状、かつ幅Wの二等分線Lを中心とする線対称な形状である。この点は上述のシール材23A,23Bと共通する。シール材23C,23Dはいずれも、板側接点231及び枠側接点232を複数(ここでは二つずつ)備える点で、上述のシール材23A,23Bと相違する。シール材23C,23Dはいずれも、幅方向の中央部の高さHが小さく、幅方向の両側の領域の高さが大きいというくびれた形状であり、高さ方向に延びる同一直線上に位置し、幅方向の位置が同じである板側接点231及び枠側接点232の組を二つ備える。高さHは、板側接点231と枠側接点232との間の最短距離に相当すると共に、両側の領域における高さ方向の最大寸法に相当する。シール材23C,23Dは、双極板21及び枠体22からの押圧力を二つの直線上に均等に分配されて受け易く、板側接点231と枠側接点232とが異なる直線上に位置して上記押圧力を分散して受ける場合に比較してある程度滑り難い。また、シール材23C,23Dは、シール材23Aと同様に表裏が同じ形状であるため、組立作業性にも優れる。
図4に示すシール材23Cは、幅方向の中央部から両側にそれぞれ、三つの円弧状の膨出部を有する。詳しくは、高さ方向の双極板21側に突出し、板側接点231を含む第一の膨出部と、高さ方向の枠体22側に突出し、枠側接点232を含む第二の膨出部と、両膨出部間に位置し、幅方向の左側(又は右側)に突出する頂点P5(又は頂点P7)を含む第三の膨出部とを備える。幅Wは、頂点P5,P7間の最短距離に相当する。シール材23Cのアスペクト比W/Hは2、曲げ半径r1,r2は高さHの15%かつ幅Wの7.5%である場合(r1=r2)を例示する。頂点P5,P7近傍の曲げ半径r5,r7は適宜選択でき、この例ではr1,r2>r5,r7、r5=r7である。
図5に示すシール材23Dは、幅方向の中央部から両側にそれぞれ、二つの舌片部が突出した形状である。詳しくは、高さ方向の双極板21側かつ幅方向の左側(又は右側)に突出し、板側接点231及び頂点P51(又は頂点P71)を含む第一の舌片部と、高さ方向の枠体22側かつ幅方向の左側(又は右側)に突出し、枠側接点232及び頂点P52(又は頂点P72)を含む第二の舌片部とを備える。第一の舌片部と第二の舌片部との間が凹んでおり、中央部の幅が狭くなっている。幅Wは、頂点P51,P71間(又は頂点P52,P72間)の最短距離に相当する。このシール材23Dのアスペクト比W/Hは2、曲げ半径r1,r2は高さHの30%かつ幅Wの15%である場合(r1=r2)を例示する。頂点P51,P52,P71,P72近傍の曲げ半径は適宜選択でき、この例ではいずれの曲げ半径も等しく、かつr1,r2よりも小さい。
<シール材23E,23F>
図6に示すシール材23E及び図7に示すシール材23Fはいずれも、高さHの二等分線を中心として非対称な形状である点で、線対称な形状である上述のシール材23A〜23Dと異なる。シール材23E,23Fはいずれも、板側接点231及び枠側接点232の少なくとも一方を複数(ここでは二つずつ)備える点で、上述のシール材23C,23Dと類似するものの、板側接点231と枠側接点232との幅方向の位置が異なる点で上述のシール材23C,23Dとは相違する。
図6に示すシール材23Eは、幅方向の中央部が双極板21側に突出し、枠体22側が凹んだ山型の形状であり、幅Wの二等分線Lを中心として線対称な形状である。板側接点231の個数と枠側接点232の個数とが異なっており、この例では、一つの板側接点231と、二つの枠側接点232,232とを備える。詳しくは、高さ方向の双極板21側に突出し、板側接点231を含む第一の湾曲部と、高さ方向の枠体22側に突出し、各枠側接点232を含む二つの第二の湾曲部とを備える。高さHは、板側接点231の接線と、二つの枠側接点232,232を通る接線間の最短距離に相当する。幅Wは、高さ方向に直交する方向の最大寸法である。シール材23Eは、板側接点231近傍の曲げ半径r1及び枠側接点232近傍の曲げ半径r2が比較的大きい。ここでは、曲げ半径r1は高さHの50%超かつ幅Wの25%超である。曲げ半径r2は高さHの50%超かつ幅Wの25%超である(r1≧r2)。シール材23Eのアスペクト比W/Hは2である。
図7に示すシール材23FはN字状の形状であり、板側接点231及び枠側接点232を複数備え、板側接点231の個数と枠側接点232の個数とが等しいものの、幅方向の位置がいずれも異なる。板側接点231と枠側接点232とが幅方向に交互に並ぶ。詳しくは、一方の板側接点231を含む第一の湾曲端部と、一方の枠側接点232を含む第二の湾曲中間部と、他方の板側接点231を含む第一の湾曲中間部と、他方の枠側接点232を含む第二の湾曲端部とがN字を描くように並ぶ。高さHは、二つの板側接点231,231を通る接線と、二つの枠側接点232,232を通る接線間の最短距離に相当する。幅Wは、高さ方向に直交する方向の最大寸法である。この例のシール材23Fは、湾曲端部に含まれる板側接点231近傍の曲げ半径r1及び枠側接点232近傍の曲げ半径r2と、湾曲中間部に含まれる板側接点231近傍の曲げ半径r1及び枠側接点232近傍の曲げ半径r2とが異なる。前者湾曲端部に含まれる曲げ半径r1,r2は高さHの20%超かつ幅Wの10%未満である。後者湾曲中間部に含まれる曲げ半径r1,r2は高さHの40%超かつ幅Wの15%超である。シール材23Fのアスペクト比W/Hは2.5である。
図2〜図7に示す以外のシール材23として、楕円状などが挙げられる。
(効果)
実施形態1のセルフレーム20は、双極板21の外周縁部210と枠体22の内周縁部220との間に備えるシール材23を双極板21の外周縁部210に嵌め込まない特定の形状とする。従って、実施形態1のセルフレーム20は、液密構造を容易に構築でき、組立作業性に優れる。このセルフレーム20を備える実施形態1のセルスタック30及び実施形態1のRF電池10も、同様に組立作業性に優れる。
また、実施形態1のセルフレーム20では、非圧縮状態においてシール材23の横断面形状を双極板21及び枠体22のそれぞれに点接触し、アスペクト比W/Hが1超である偏平な形状とする。このようなシール材23は、RF電池10の充放電運転時などで双極板21と枠体22とが相互に摺動した場合でも転動し難い。また、このようなシール材23は、長期に亘り使用しても、双極板21及び枠体22からの押圧力によって永久変形し難く、この永久変形に起因して、双極板21と枠体22とが滑ることを抑制できる。従って、実施形態1のセルフレーム20は、上記転動や滑りなどに起因するシール材23の損傷などを低減、防止できる。実施形態1のセルフレーム20を備える実施形態1のセルスタック30及び実施形態1のRF電池10も、シール材23の損傷や破断などを低減、抑制でき、長期の使用に際して液密に関する信頼性を高められる。
[変形例]
実施形態1に対して、以下の少なくとも一つの変更が可能である。
(a)双極板21にシール材23を配置する溝部を備える。又は、双極板21と枠体22との双方にシール材23を配置する溝部を備える。
(b)双極板21を段差形状ではなく平板材とする。
(c)枠体22を一対の分割片とし、双極板21の外周縁部210を両分割片の内周縁部で挟む構成とする。
この場合、双極板21の外周縁部210の一面と一方の分割片の内周縁部との間にシール材23を配置する、又は双極板21の外周縁部210の各面と各分割片の内周縁部との間にシール材23,23をそれぞれ配置する。
(d)枠体22及び窓部22wを長方形以外の形状とする。
例えば、角部を丸めた長方形状、長方形と半円弧とを組み合わせてなるレーストラック状、正方形状、その他の多角形状、円形や楕円状などの湾曲形状などが挙げられる。
(e)単セル電池とする。
本発明は、これらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
本発明の電解液流通型電池(代表的にはレドックスフロー電池)は、太陽光発電、風力発電などの自然エネルギーの発電に対して、発電出力の変動の安定化、発電電力の余剰時の蓄電、負荷平準化などを目的とした蓄電池に利用できる。また、本発明の電解液流通型電池は、一般的な発電所に併設されて、瞬低・停電対策や負荷平準化を目的とした蓄電池として利用できる。本発明の電解液流通型電池用セルフレーム、本発明の電解液流通型電池セルスタックは、電解液流通型電池の構成要素に利用できる。
10 レドックスフロー電池(RF電池)
10C 電池セル 11 隔膜 14 正極電極 15 負極電極
16 正極タンク 17 負極タンク 160,170 ポンプ
162,164,172,174 配管
20 セルフレーム
21 双極板 210 外周縁部
22 枠体 220 内周縁部 223 溝部
223b 底面部 223s 側壁部
23,23A,23B,23C,23D,23E,23F シール材
231 板側接点 232 枠側接点
P3,P5,P51,P52,P7,P71,P72 頂点
H,H230,H235,H237,H 高さ
W,W230,W223,W235,W237
,L 二等分線
230 本体部 235,237 腕部
22w 窓部 24i,25i 給液孔 24o,25o 排液孔
30 セルスタック 30S サブセルスタック
32 エンドプレート 34 連結材
400 交流/直流変換器 410 変電設備 420 発電部 440 負荷

Claims (8)

  1. 双極板と、
    前記双極板の外周縁部に対向配置される内周縁部を有する枠体と、
    前記双極板の外周縁部と前記枠体の内周縁部との間に介在され、前記双極板と前記枠体とに押圧された状態で使用される環状のシール材とを備え、
    前記シール材は、押圧されていない状態での横断面において、
    前記双極板に点接触する板側接点、及び前記枠体に点接触する枠側接点とを備え、
    前記双極板の外周縁部と前記枠体の内周縁部とに挟まれる方向の最大寸法を高さH、この高さ方向に直交する方向の最大寸法を幅Wとするとき、前記高さHに対する幅Wの比W/Hが1超を満たす形状である電解液流通型電池用セルフレーム。
  2. 前記シール材は、前記横断面において、前記板側接点を含む輪郭線の曲げ半径r1及び前記枠側接点を含む輪郭線の曲げ半径r2がいずれも、前記高さHの15%以上85%以下であること、及び前記幅Wの15%以上85%以下であることの少なくとも一方を満たす形状である請求項1に記載の電解液流通型電池用セルフレーム。
  3. 前記シール材は、前記横断面において、前記高さHの二等分線を中心とする線対称な形状である請求項1又は請求項2に記載の電解液流通型電池用セルフレーム。
  4. 前記シール材は、前記横断面において、前記板側接点と前記枠側接点とをそれぞれ一つずつ備える請求項3に記載の電解液流通型電池用セルフレーム。
  5. 前記シール材は、前記横断面において、前記板側接点と前記枠側接点とを備える本体部と、前記本体部における前記高さ方向の中間部から前記高さ方向に交差するように突出する一つの腕部とを備える請求項4に記載の電解液流通型電池用セルフレーム。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の電解液流通型電池用セルフレームと、正極電極と、隔膜と、負極電極とが順に複数積層された積層体を備える電解液流通型電池用セルスタック。
  7. 請求項6に記載の電解液流通型電池用セルスタックを備える電解液流通型電池。
  8. レドックスフロー電池である請求項7に記載の電解液流通型電池。
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CN113782765A (zh) * 2020-06-10 2021-12-10 未势能源科技有限公司 一种用于快速胶接密封件的装置

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