JP2018005803A - 画像形成装置、パターンの印刷方法、およびパターンの印刷プログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】電子ペンにより同一の内容を書き込む手間を省くことが可能な画像形成装置を提供する。【解決手段】画像形成装置は、電子ペン200によって用紙35A上に記入された文字の座標を文書データ38A,38B上で特定するために電子ペン200によって読み取られる複数の特殊パターンを記憶するための記憶部を備える。各特殊パターンは、それぞれ、文書データ38A,38B内の異なる座標に関連付けられている。文書データ38Aの領域39A内の各座標に関連付けられている第1特殊パターン群と、文書データ38Bの領域39B内の各座標に関連付けられている第2特殊パターン群とを混合した混合パターンを生成するための生成部と、生成された混合パターンを用紙の領域36Aに印刷するためのプリンタとを備える。【選択図】図3
Description
本開示は、画像形成装置による印刷技術に関し、特に、電子ペンによって読み取られる特殊パターンを用紙に印刷するための技術に関する。
近年、電子ペンと通信することが可能なMFP(Multi-Functional Peripheral)などの画像形成装置が普及している。電子ペンにはカメラが内蔵されており、電子ペンのユーザーが用紙に文字を書き込んでいる間、電子ペンは、カメラで用紙を撮影する。用紙の各場所にはそれぞれ異なるパターン(以下、「特殊パターン」ともいう。)が予め印刷されており、電子ペンは、カメラの視野に含まれる特殊パターンの形状に応じて用紙内の座標を特定する。電子ペンは、特定された座標に関連付けて用紙に書き込まれた文字を順次記憶する。記憶された文字は、座標情報とともに画像形成装置に送信され、文書データ上に反映される。画像形成装置は、当該文書データの印刷指示を受け付けると、当該文書データを用紙に印刷する。
画像形成装置の中には、上記特殊パターンの印刷機能を有するものがある。特殊パターンの印刷技術に関し、特開2013−8090号公報(特許文献1)は、「電子ペンが認識可能なパターンを合成した用紙を印刷する」画像形成装置を開示している。当該画像形成装置は、用紙の表面と裏面とに同一の特殊パターンを印刷する。これにより、電子ペンで裏面に書き込まれた内容が表面に書き込まれたものとして文書データ上に反映される。
ところで、記入用紙の中には、重複する記入欄(たとえば、サイン欄や住所欄など)を有するものがある。この場合、電子ペンのユーザーは、同一の内容を繰り返して記入しなければならず、手間がかかる。特許文献1に開示される技術は、用紙に記入された文字と文書データ上の文字とを1対1で対応させているため、同一の内容を記入する手間を省くことができない。したがって、このような手間を省くための技術が望まれている。
本開示は上述のような問題点を解決するためになされたものであって、ある局面における目的は、電子ペンにより同一の内容を書き込む手間を省くことが可能な画像形成装置を提供することである。他の局面における目的は、電子ペンにより同一の内容を書き込む手間を省くことが可能な特殊パターンの印刷方法を提供することである。さらに他の局面における目的は、電子ペンにより同一の内容を書き込む手間を省くことが可能な特殊パターンの印刷プログラムを提供することである。
ある局面に従うと、画像形成装置は、電子ペンによって用紙上に記入された文字の座標を文書データ上で特定するために上記電子ペンによって読み取られる複数のパターンを記憶するための記憶部を備える。上記複数のパターンは、それぞれ、上記文書データ内の異なる座標に関連付けられている。上記画像形成装置は、上記文書データの第1領域内の各座標に関連付けられている上記複数のパターンの第1パターン群と、上記文書データまたは他の文書データの第2領域内の各座標に関連付けられている上記複数のパターンの第2パターン群とを混合した混合パターンを生成するための生成部と、上記混合パターンを上記用紙の所定領域に印刷するためのプリンタとを備える。
好ましくは、上記第1パターン群に属する各パターンと、上記第2パターン群に属する各パターンとは、上記混合パターン上で交互に並べられている。
好ましくは、上記第1パターン群に属する各パターンと、上記第2パターン群に属する各パターンとは、上記混合パターン上で所定方向に交互に並べられている。上記第1パターン群に属する各パターンは、上記所定方向の直交方向に互いに隣接して並べられている。上記第2パターン群に属する各パターンは、上記直交方向に互いに隣接して並べられている。
好ましくは、上記画像形成装置は、複数の文書データを1枚の上記用紙に印刷する場合に、各文書データの境界を含む領域を上記所定領域として決定するための決定部をさらに備える。
好ましくは、上記決定部は、各文書データの境界を含む領域において余白のサイズを算出し、上記サイズが所定サイズ以上である場合に、当該領域を上記所定領域として決定せずに、上記サイズが所定サイズよりも小さい場合に、当該領域を上記所定領域として決定する。
好ましくは、上記決定部は、各文書データの境界を含む領域において余白のサイズを算出し、上記サイズが所定サイズよりも小さい場合に、当該領域を予め定められたサイズまで広げた上で当該領域を上記所定領域として決定する。
他の局面に従うと、パターンの印刷方法は、電子ペンによって用紙上に記入された文字の座標を文書データ上で特定するために上記電子ペンによって読み取られる複数のパターンを準備するステップを備える。上記複数のパターンは、それぞれ、上記文書データ内の異なる座標に関連付けられている。パターンの印刷方法は、上記文書データの第1領域内の各座標に関連付けられている上記複数のパターンの第1パターン群と、上記文書データまたは他の文書データの第2領域内の各座標に関連付けられている上記複数のパターンの第2パターン群とを混合した混合パターンを生成するステップと、上記混合パターンを上記用紙の所定領域に印刷するステップとを備える。
他の局面に従うと、パターンの印刷プログラムは、コンピュータに、電子ペンによって用紙上に記入された文字の座標を文書データ上で特定するために上記電子ペンによって読み取られる複数のパターンを準備するステップを実行させる。上記複数のパターンは、それぞれ、上記文書データ内の異なる座標に関連付けられている。パターンの印刷プログラムは、上記文書データの第1領域内の各座標に関連付けられている上記複数のパターンの第1パターン群と、上記文書データまたは他の文書データの第2領域内の各座標に関連付けられている上記複数のパターンの第2パターン群とを混合した混合パターンを生成するステップと、上記混合パターンを上記用紙の所定領域に印刷するステップとを実行させる。
ある局面において、電子ペンにより同一の内容を書き込む手間を省くことができる。
本発明の上記および他の目的、特徴、局面および利点は、添付の図面と関連して理解される本発明に関する次の詳細な説明から明らかとなるであろう。
本発明の上記および他の目的、特徴、局面および利点は、添付の図面と関連して理解される本発明に関する次の詳細な説明から明らかとなるであろう。
以下、図面を参照しつつ、本発明に従う各実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品および構成要素には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、これらについての詳細な説明は繰り返さない。なお、以下で説明される各実施の形態および各変形例は、適宜選択的に組み合わされてもよい。
<第1の実施の形態>
[画像形成システム500]
図1を参照して、画像形成システム500について説明する。図1は、画像形成システム500の装置構成の一例を示す図である。
[画像形成システム500]
図1を参照して、画像形成システム500について説明する。図1は、画像形成システム500の装置構成の一例を示す図である。
図1に示されるように、画像形成システム500は、画像形成装置100と電子ペン200とで構成されている。画像形成装置100および電子ペン200は、互いに通信することができる。画像形成装置100と電子ペン200との間の通信は、無線で実現されてもよいし、有線で実現されてもよい。
画像形成装置100は、カラープリンターであってもよいし、モノクロプリンターであってもよいし、FAXであってもよい。あるいは、画像形成装置100は、カラープリンター、モノクロプリンターおよびFAXの複合機(すなわち、MFP)であってもよい。画像形成装置100は、操作パネル105と、スキャナ106と、プリンタ107とを含む。
操作パネル105は、ユーザーからの各種操作(たとえば、数字入力、文字入力、記号入力など)を受け付けるための複数のキーと、表示装置とで構成されている。表示装置は、ディスプレイとタッチパネルとで構成されている。ディスプレイは、タッチパネルに重ねられており、画像形成装置100に対する各種操作(たとえば、印刷操作やスキャン操作など)をタッチ操作で受け付ける。
スキャナ106は、画像形成装置100にセットされた用紙を光学的に読み取り、用紙を表わす画像を生成する。スキャン対象の用紙は、たとえば、ADF(Auto Document Feeder)によって1枚ずつ自動的に読み取られる。
プリンタ107は、たとえば電子写真方式により、スキャナ106によって生成された画像や、他の通信機器から送信されたプリントデータを、印刷のためのデータに変換し、変換後のデータに基づいて文書データなどの画像を用紙に印刷する。
電子ペン200は、後述するようにカメラ205(図12参照)を含み、カメラ205は、ユーザーが用紙に文字を書き込んでいる間、用紙を撮影する。用紙の各場所にはそれぞれ異なる特殊パターンが予め印刷されており、電子ペン200は、撮影された特殊パターンに応じて用紙内の座標を特定する。これにより、電子ペン200は、用紙に書き込まれた文字を用紙内の座標に関連付けて順次記憶することができる。電子ペン200に記憶された文字は、座標情報とともに画像形成装置に送信され、文書データ上に反映される。画像形成装置100は、当該文書データの印刷指示を受け付けると、当該文書データを用紙に印刷する。
[電子ペン200]
図2および図3を参照して、電子ペン200による用紙上の座標を特定する方法ついて説明する。図2は、特殊パターンが印刷された用紙30の一例を示す図である。
図2および図3を参照して、電子ペン200による用紙上の座標を特定する方法ついて説明する。図2は、特殊パターンが印刷された用紙30の一例を示す図である。
用紙30の一部には、特殊パターン31が写っている。特殊パターン31は、用紙30上の座標を特定するための指標となるパターン要素32A〜32Dを含む。一例として、パターン要素32A〜32Dのそれぞれは、基準点を中心として、4方向(たとえば、左上、左下、右上、右下)のいずれかに向いている。図2の例では、パターン要素32Aは、基準点PAを中心として、紙面左上を向いている。パターン要素32Bは、基準点PBを中心として、紙面左上を向いている。パターン要素32Cは、基準点PCを中心として、紙面右下を向いている。パターン要素32Dは、基準点PDを中心として、紙面右下を向いている。
電子ペン200は、たとえば、パターン要素32A〜32Dの各位置と、パターン要素32A〜32Dの各方向とに基づいて、用紙30内の座標を特定する。4個のパターン要素32A〜32Dの各位置での向き(4方向のいずれか)で特殊パターンが表現される場合、256通り(=4^4)の特殊パターンが存在する。256通りの各特殊パターンには、文書データ上の座標値が対応付けられており、電子ペン200は、パターン要素32A〜32Dの各位置における方向の組み合わせに基づいて、用紙30上の座標値を特定する。すなわち、この場合には、256通りの座標表現が可能となる。
特殊パターン31に含まれるパターン要素の数は、4個よりも少なくてもよいし、4個よりも多くてもよい。たとえば、1つの特殊パターン31は、9個のパターン要素で構成されていてもよい。9個のパターン要素の向き(4方向のいずれか)で用紙上の座標が特定される場合、262144通り(=4^9)の座標表現が可能となる。
なお、座標特定の方法は、上述の例に限定されない。たとえば、特殊パターンは複数のドットで構成されてもよく、この場合、電子ペン200は、各基準点に対する各ドットの位置の組み合わせに応じて、用紙上の座標を特定する。
[特殊パターンの印刷処理]
図3を参照して、電子ペン200によって用紙に記入された内容を文書データ上に反映する処理について説明する。図3は、電子ペン200によって用紙に記入された内容が文書データ上に反映されている様子を示す図である。
図3を参照して、電子ペン200によって用紙に記入された内容を文書データ上に反映する処理について説明する。図3は、電子ペン200によって用紙に記入された内容が文書データ上に反映されている様子を示す図である。
図3には、記入用紙35A,35Bが示されている。記入用紙35Aは、サイン欄36Aを有する。記入用紙35Bは、サイン欄36Bを有する。サイン欄36A,36Bには、同じ名前を記入する必要がある。本実施の形態に従う画像形成装置100は、このような同一の内容を記入する手間を省く。
より具体的には、画像形成装置100は、文書データ38Aの領域39A(第1領域)内の各座標に関連付けられている特殊パターン群(第1パターン群)と、文書データ38Bの領域39B(第2領域)内の各座標に関連付けられている特殊パターン群(第2パターン群)とを混合した混合パターンをサイン欄36Aに印刷する。混合とは、第1パターン群に属する各特殊パターンと第2パターン群に属する各特殊パターンとを並べることをいう。混合パターンがサイン欄36Aに印刷されることにより、記入用紙35Aのサイン欄36Aに記載された内容が、文書データ38Aの領域39Aだけでなく、文書データ38Bの領域39Bにも反映される。これにより、ユーザーは、サイン欄36A,36Bの両方に同一の内容を書き込む手間を省くことができる。
なお、上述では、記入用紙35Aのサイン欄36Aに混合パターンが印刷される例について説明を行なったが、混合パターンは、記入用紙35Bのサイン欄36Bに印刷されてもよい。あるいは、混合パターンは、記入用紙35Aのサイン欄36Aと記入用紙35Bのサイン欄36Bとの両方に印刷されてもよい。
また、上述では、サイン欄36Aに記載された内容が、異なる文書データ38A,38Bに反映される例について説明を行なったが、当該内容は、同一文書データ内の異なる場所に反映されてもよい。
さらに、上述では、サイン欄36Aに記載された内容が、2つの領域39A,39Bに反映される例について説明を行なったが、当該内容は、文書データの3つ以上の領域に反映されてもよい。この場合、混合パターンは、文書データの3つ以上の領域に関連付けられている各特殊パターン群で構成される。
さらに、上述では、サイン欄36A,36Bが記入用紙35A,35Bに印刷されている例について説明を行なったが、サイン欄36A,36Bのいずれかは用紙上に印刷されていなくともよい。これにより、ユーザーは、サイン欄36A,36Bの両方に文字を書き込むことが無くなる。
[画像形成装置100の機能構成]
図4および図5を参照して、画像形成装置100の機能について説明する。図4は、画像形成装置100の機能構成の一例を示す図である。
図4および図5を参照して、画像形成装置100の機能について説明する。図4は、画像形成装置100の機能構成の一例を示す図である。
図4に示されるように、画像形成装置100は、制御装置101を含む。制御装置101は、機能構成として、取得部152と、決定部154と、生成部156と、プリンタ制御部158と、送信部160とを含む。
取得部152は、特殊パターンの印刷対象の文書データを取得する。文書データの取得方法は任意である。ある局面において、取得部152は、画像形成装置100と通信することが可能な携帯端末(たとえば、電子ペン200やスマートフォンなど)から印刷対象の文書データを取得する。当該文書データは、たとえば、WordファイルやExcelファイルなどの文字情報や図表を含むデータである。取得された文書データは、決定部154に出力される。
決定部154は、取得された文書データ内において、混合パターンの印刷領域を決定する。ある局面において、混合パターンの印刷領域は、印刷開始前にユーザーによって設定される。この場合、印刷対象の文書データが画像形成装置100に表示され、ユーザーは、表示された文書データに対して混合パターンの印刷領域を指定する。このとき、ユーザーは、重複している記入欄(たとえば、サイン欄や住所欄など)を混合パターンの印刷領域として指定する。当該印刷領域は、たとえば、タッチ操作などで指定されてもよいし、その他の方法で指定されてもよい。
他の局面において、混合パターンの印刷領域は、文書データの文書構造に基づいて自動的に決定されてもよい。一例として、所定ワード(たとえば、「名前」や「住所」など)が文書データ内において検索される。決定部154は、重複する所定ワードが文書データ内に存在する場合、当該ワードの近傍にある各記入欄を混合パターンの印刷領域として決定する。あるいは、複数の文書データが1枚の用紙に印刷される場合(所謂「2in1」や「4in1」などの印刷機能)、決定部154は、各文書データ間の境界を含む領域を混合パターンの印刷領域として決定する。この例については後述する。
生成部156は、文書データ内の第1領域の各座標に関連付けられている特殊パターン群(第1パターン群)と、同一の文書データまたは他の文書データ内の第2領域の各座標に関連付けられている特殊パターン群(第2パターン群)とを混合した混合パターンを生成する。混合パターンは、図5に示されるパターンテーブル126に基づいて生成される。図5は、パターンテーブル126のデータ構造の一例を示す図である。
パターンテーブル126において、各特殊パターンについて文書データ内の座標値が規定されている。各座標値は、たとえば、(n、x、y)で表わされる。「n」は、文書データのページ番号を表わす。「x」は、文書データ内のx座標を表わす。「y」は、文書データ内のy座標を表わす。
生成部156は、パターンテーブル126に規定されている座標値の中から、混合パターンの第1印刷領域に属する第1座標値群を探索するとともに、混合パターンの第2印刷領域に属する第2座標値群を探索する。生成部156は、第1座標値群に関連付けられている各特殊パターンと、第2座標値群に関連付けられている各特殊パターンとを混合し、混合パターンを生成する。特殊パターンの混合方法については後述する。
プリンタ制御部158は、画像形成装置100のプリンタ107(図1参照)を制御する。プリンタ制御部158は、特殊パターンの印刷指示を受け付けたことに基づいて、決定された印刷領域に混合パターンを印刷する命令をプリンタ107に出力する。また、プリンタ制御部158は、混合パターンの印刷領域以外の用紙上の各位置には、パターンテーブル126に規定されている通りに特殊パターンを印刷する。
送信部160は、パターンテーブル126を電子ペン200に送信する。電子ペン200は、パターンテーブル126を参照し、電子ペン200のカメラ205(図12参照)の視野に含まれる特殊パターンの種類に応じて、文書データ内の座標値を特定する。
[混合パターン]
図6〜図8を参照して、特殊パターンの混合方法について説明する。図6は、混合パターンの具体例1を示す図である。図7は、混合パターンの具体例2を示す図である。図8は、混合パターンの具体例3を示す図である。
図6〜図8を参照して、特殊パターンの混合方法について説明する。図6は、混合パターンの具体例1を示す図である。図7は、混合パターンの具体例2を示す図である。図8は、混合パターンの具体例3を示す図である。
上述したように、混合パターンの印刷領域に記入された内容は、文書データ内の領域39A,39B(図3参照)の両方に反映される。以下では、文書データ内の領域39Aの各位置に関連付けられている各特殊パターンを総称して「特殊パターンP1」ともいい、文書データ内の領域39Bの各位置に関連付けられている各特殊パターンを総称して「特殊パターンP2」ともいう。
混合パターンは、たとえば、特殊パターンP1と特殊パターンP2とで構成されている。特殊パターンP1,P2には、それぞれ、文書データ上の座標値が関連付けられている。座標値は、たとえば、(n、x、y)で表わされる。「n」は、文書データのページ番号を表わす。「x」は、文書データ内のx座標を表わす。「y」は、文書データ内のy座標を表わす。
(混合パターンの具体例1)
図6を参照して、混合パターンの具体例1について説明する。図6には、具体例1として混合パターン40が示されている。
図6を参照して、混合パターンの具体例1について説明する。図6には、具体例1として混合パターン40が示されている。
図6に示されるように、混合パターン40は、特殊パターンP1と特殊パターンP2とで構成されている。特殊パターンP1(第1パターン群)に属する各特殊パターンと特殊パターンP2(第2パターン群)に属する各特殊パターンとは、混合パターン40上で互いに隣接するように交互に並べられている。異なる言い方をすれば、特殊パターンP1に属する各特殊パターン同士は互いに隣接しないように並べられ、特殊パターンP2に属する各特殊パターン同士は互いに隣接しないように並べられている。
文書データ内の領域39A(図3参照)に属する特殊パターンP1と、文書データ内の領域39B(図3参照)に属する特殊パターンP2とが交互に配置されることにより、混合パターン40上に記入された内容は、文書データ内の領域39A,39Bの両方に漏れなく反映される。
(混合パターンの具体例2)
図7を参照して、混合パターンの具体例2について説明する。図7には、具体例2として混合パターン43が示されている。
図7を参照して、混合パターンの具体例2について説明する。図7には、具体例2として混合パターン43が示されている。
図7に示されるように、混合パターン43は、特殊パターンP1と特殊パターンP2とで構成されている。特殊パターンP1(第1パターン群)に属する各パターンと、特殊パターンP2(第2パターン群)に属する各パターンとは、混合パターン43上の行方向に交互に並べられている。「行方向」とは、文書データ内の所定方向を示す。一例として、「行方向」は、用紙内の横書きの方向に相当する。
特殊パターンP1(第1パターン群)に属する各パターンは、列方向には互いに隣接して並べられている。同様に、特殊パターンP2(第2パターン群)に属する各パターンは、列方向には互いに隣接して並べられている。「列方向」とは、「行方向」に直交する方向を示す。一例として、「列方向」は、用紙内の縦書きの方向に相当する。
特殊パターンP1,P2が行方向に交互に並べられることにより、特に、行方向の線や矢印などが漏れなく文書データ内の領域39A,39Bに反映される。
画像形成装置100のプリンタ107(図1参照)は、複数の文書データを1枚の用紙に印刷する場合(所謂「2in1」や「4in1」などの印刷機能)、各文書データ間の境界46を含む領域に混合パターン43を印刷する。特に、複数の文書データが行方向に並べられている場合に、図7に示される混合パターン43が用いられる。この詳細については後述する。
(混合パターンの具体例3)
図8を参照して、混合パターンの具体例3について説明する。図8には、具体例3として混合パターン45が示されている。
図8を参照して、混合パターンの具体例3について説明する。図8には、具体例3として混合パターン45が示されている。
図8に示されるように、混合パターン45は、特殊パターンP1と特殊パターンP2とで構成されている。特殊パターンP1(第1パターン群)に属する各パターンと、特殊パターンP2(第2パターン群)に属する各パターンとは、混合パターン45上の列方向(所定方向)に交互に並べられている。特殊パターンP1に属する各パターンは、行方向には互いに隣接して並べられている。同様に、特殊パターンP2に属する各パターンは、行方向には互いに隣接して並べられている。
特殊パターンP1,P2が列方向に交互に並べられることにより、特に、列方向の線や矢印などが漏れなく文書データ内の領域39A,39Bに反映される。
画像形成装置100のプリンタ107(図1参照)は、複数の文書データを1枚の用紙に印刷する場合(所謂「2in1」や「4in1」などの印刷機能)、各文書データ間の境界46を含む領域に混合パターン45を印刷する。特に、複数の文書データが列方向に並べられている場合に、図8に示される混合パターン45が用いられる。この詳細については後述する。
[混合パターンの印刷領域]
図9を参照して、混合パターンの印刷領域を決定する方法の一例について説明する。図9は、文書データ50A,50Bが印刷された用紙50を表わす図である。
図9を参照して、混合パターンの印刷領域を決定する方法の一例について説明する。図9は、文書データ50A,50Bが印刷された用紙50を表わす図である。
電子ペン200のユーザーは、文書データ50A,50Bの境界46を跨いで用紙50にメモなどを記入する可能性がある。この場合、メモは、電子データ上では、文書データ50A,50Bのそれぞれに記入されたものとして認識される。すなわち、記入されたメモは、電子データ上では分割されてしまう。
このような分割を防ぐために、複数の文書データ50A,50Bが1枚の用紙50に印刷される場合に、画像形成装置100は、文書データ50A,50Bの境界46を含む領域を混合パターンの印刷領域53として決定する。画像形成装置100のプリンタ107(図1参照)は、特殊パターンの印刷指示を受け付けたことに基づいて、印刷領域53に混合パターンを印刷する。これにより、文書データ50A,50Bの境界46付近にメモが記入された場合であっても、当該メモは、電子データ上で分割されず、文書データ50A,50Bの両方に反映される。
好ましくは、境界46を含む余白領域が、混合パターンの印刷領域53として決定される。余白領域の検知方法として、画像形成装置100は、文書データ50A,50B内からテキスト領域51A,51Bを検知する。テキスト領域51A,51Bは、文書データ50内を構成する文字情報や図表情報に基づいて検知される。文書データ50A,50Bには、文字情報や図表情報の座標情報が含まれている。画像形成装置100は、境界46およびテキスト領域51Aの間の領域と、境界46およびテキスト領域51Bの間の領域とを余白領域として検知する。
[画像形成装置100の制御構造]
図10を参照して、画像形成装置100の制御構造について説明する。図10は、画像形成装置100が実行する処理の一部を表わすフローチャートである。図10の処理は、画像形成装置100の制御装置101(図4参照)がプログラムを実行することにより実現される。他の局面において、処理の一部または全部が、回路素子またはその他のハードウェアによって実行されてもよい。
図10を参照して、画像形成装置100の制御構造について説明する。図10は、画像形成装置100が実行する処理の一部を表わすフローチャートである。図10の処理は、画像形成装置100の制御装置101(図4参照)がプログラムを実行することにより実現される。他の局面において、処理の一部または全部が、回路素子またはその他のハードウェアによって実行されてもよい。
ステップS10において、制御装置101は、特殊パターンの印刷指示を受け付けたか否かを判断する。制御装置101は、特殊パターンの印刷指示を受け付けたと判断した場合(ステップS10においてYES)、制御をステップS20に切り替える。そうでない場合には(ステップS10においてNO)、制御装置101は、ステップS10の処理を再び実行する。
ステップS20において、制御装置101は、複数の文書データを1枚の用紙に印刷する指示(所謂「2in1」や「4in1」など)を受け付けたか否かを判断する。制御装置101は、複数の文書データを1枚の用紙に印刷する指示を受け付けたと判断した場合(ステップS20においてYES)、制御をステップS22に切り替える。そうでない場合には(ステップS20においてNO)、制御装置101は、制御をステップS30に切り替える。
ステップS22において、制御装置101は、上述の決定部154(図4参照)として、印刷対象の文書データ内において、混合パターンの印刷領域を決定する。本ステップにおいては、制御装置101は、文書データ間の境界を含む領域を混合パターンの印刷領域として決定する。この決定方法は、図9で説明した通りである。
ステップS30において、制御装置101は、文書データ内に重複する記入欄が存在するか否かを判断する。一例として、制御装置101は、文書データ内において重複する所定ワード(たとえば、「名前」や「住所」など)が存在する場合に、文書データ内に重複する記入欄が存在すると判断する。制御装置101は、文書データ内に重複する記入欄が存在すると判断した場合(ステップS30においてYES)、制御をステップS32に切り替える。そうでない場合には(ステップS30においてNO)、制御装置101は、制御をステップS40に切り替える。
ステップS32において、制御装置101は、上述の決定部154(図4参照)として、文書データ内において、混合パターンの印刷領域を決定する。本ステップにおいては、制御装置101は、重複する所定ワードの近傍にある各記入欄を混合パターンの印刷領域として決定する。
ステップS40において、制御装置101は、ステップS20,S22,S30,S32の処理で混合パターンの印刷領域が検知されたか否かを判断する。制御装置101は、ステップS20,S22,S30,S32の処理で混合パターンの印刷領域が検知されたと判断した場合(ステップS40においてYES)、制御をステップS42に切り替える。そうでない場合には(ステップS40においてNO)、制御装置101は、制御をステップS44に切り替える。
ステップS42において、制御装置101は、上述の生成部156(図4参照)として、混合パターンを生成する。混合パターンの生成方法は上述の通りである。制御装置101は、生成された混合パターンを印刷対象の文書データに合成する。また、制御装置101は、混合パターンの印刷領域以外には、上述のパターンテーブル126(図5参照)に従って通常の特殊パターンを文書データに合成する。これにより、印刷用データが生成される。
ステップS44において、制御装置101は、上述のパターンテーブル126に従って、印刷対象の文書データ内の各位置に特殊パターンを合成する。これにより、印刷用データが生成される。
ステップS50において、制御装置101は、上述のプリンタ制御部158(図4参照)として、ステップS42またはステップS44で生成された印刷用データの印刷命令をプリンタ107(図1参照)に出力する。これにより、混合パターンが合成された文書データが印刷される。
[電子ペン200の制御構造]
図11を参照して、電子ペン200の制御構造について説明する。図11は、電子ペン200が実行する処理の一部を表わすフローチャートである。図11の処理は、電子ペン200の制御装置201(図12参照)がプログラムを実行することにより実現される。他の局面において、処理の一部または全部が、回路素子またはその他のハードウェアによって実行されてもよい。
図11を参照して、電子ペン200の制御構造について説明する。図11は、電子ペン200が実行する処理の一部を表わすフローチャートである。図11の処理は、電子ペン200の制御装置201(図12参照)がプログラムを実行することにより実現される。他の局面において、処理の一部または全部が、回路素子またはその他のハードウェアによって実行されてもよい。
ステップS110において、制御装置201は、電子ペン200による記入が開始されたか否かを判断する。一例として、制御装置201は、後述の圧力センサ206(図12参照)から出力される筆圧が所定値以上になった場合に電子ペン200による記入が開始されたと判断する。制御装置201は、電子ペン200による記入が開始されたと判断した場合(ステップS110においてYES)、制御をステップS112に切り替える。そうでない場合には(ステップS110においてNO)、制御装置201は、ステップS110の処理を再び実行する。
ステップS112において、制御装置201は、電子ペン200のカメラ205(図12参照)に撮影指示を出力する。カメラ205は、撮影指示を受け付けたことに基づいて、カメラ205の視野に含まれる特殊パターンを表わす画像を生成する。
ステップS114において、制御装置201は、予め画像形成装置100から受信したパターンテーブル126(図5参照)に規定されている特殊パターンの内から、ステップS112で得られた画像に写る特殊パターンに一致する特殊パターンを探索する。制御装置101は、当該特殊パターンに対応付けられている座標値を現在の記入位置として取得する。
ステップS120において、制御装置201は、ステップS114で検知された座標値に対応する用紙上の位置に記入があったことを後述の筆跡情報224(図12参照)として記憶する。
ステップS122において、制御装置201は、電子ペン200による記入が終了したか否かを判断する。一例として、制御装置201は、後述の圧力センサ206(図12参照)から出力される筆圧が所定値よりも小さくなった場合に電子ペン200による記入が終了した判断する。制御装置201は、電子ペン200による記入が終了したと判断した場合(ステップS122においてYES)、図11に示される処理を終了する。そうでない場合には(ステップS122においてNO)、制御装置201は、制御をステップS112に戻す。
[ハードウェア構成]
図12を参照して、画像形成システム500のハードウェア構成の一例について説明する。図12は、画像形成システム500の主要なハードウェア構成を示すブロック図である。
図12を参照して、画像形成システム500のハードウェア構成の一例について説明する。図12は、画像形成システム500の主要なハードウェア構成を示すブロック図である。
図12に示されるように、画像形成システム500は、画像形成装置100と、電子ペン200とで構成されている。画像形成装置100および電子ペン200は、互いにネットワーク接続され得る。
以下では、画像形成装置100および電子ペン200のハードウェア構成について順に説明する。
(画像形成装置100のハードウェア構成)
画像形成装置100は、制御装置101と、ROM(Read Only Memory)102と、RAM(Random Access Memory)103と、通信インターフェイス104と、操作パネル105と、スキャナ106と、プリンタ107と、記憶装置120とを備える。
画像形成装置100は、制御装置101と、ROM(Read Only Memory)102と、RAM(Random Access Memory)103と、通信インターフェイス104と、操作パネル105と、スキャナ106と、プリンタ107と、記憶装置120とを備える。
制御装置101は、たとえば、少なくとも1つの集積回路によって構成される。集積回路は、たとえば、少なくとも1つのCPU(Central Processing Unit)、少なくとも1つのASIC(Application Specific Integrated Circuit)、少なくとも1つのFPGA(Field Programmable Gate Array)、またはそれらの組み合わせなどによって構成される。
制御装置101は、特殊パターンの印刷プログラム122などの各種プログラムを実行することで画像形成装置100の動作を制御する。制御装置101は、印刷プログラム122の実行命令を受け付けたことに基づいて、印刷プログラム122を記憶装置120からROM102に読み出す。RAM103は、ワーキングメモリとして機能し、印刷プログラム122の実行に必要な各種データを一時的に格納する。
通信インターフェイス104には、アンテナ(図示しない)などが接続される。画像形成装置100は、当該アンテナを介して、外部の通信機器との間でデータをやり取りする。外部の通信機器は、たとえば、電子ペン200、スマートフォンなどの携帯通信端末、サーバーなどを含む。画像形成装置100は、アンテナを介して印刷プログラム122をサーバーからダウンロードできるように構成されてもよい。
操作パネル105は、ユーザーからの各種操作(たとえば、数字入力、文字入力、記号入力など)を受け付けるための複数のキーと、表示装置とを含む。表示装置は、ディスプレイとタッチパネルとで構成されている。ディスプレイは、たとえば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、またはその他の表示機器である。ディスプレイは、タッチパネルに重ねられており、画像形成装置100に対する各種操作(たとえば、印刷操作など)をタッチ操作で受け付ける。
スキャナ106は、画像形成装置100にセットされた用紙を光学的に読み取って、用紙を表わす画像を生成する。スキャナ106によるスキャンは、たとえばユーザーからのスキャン操作に基づいて実行される。
プリンタ107は、たとえば電子写真方式により、スキャナ106によって生成された画像や、他の通信機器から送信されたプリントデータを、印刷のためのデータに変換し、変換後のデータに基づいて画像を印刷する装置である。
記憶装置120は、たとえば、ハードディスクや外付けの記憶装置などの記憶媒体である。記憶装置120は、印刷プログラム122、上述のパターンテーブル126(図5参照)などを格納する。印刷プログラム122およびパターンテーブル126の格納場所は記憶装置120に限定されず、制御装置101の記憶領域(たとえば、キャッシュなど)、ROM102、RAM103、外部機器(たとえば、サーバー)などに格納されていてもよい。パターンテーブル126は、電子ペン200によって用紙上に記入された文字の座標を文書データ上で特定するために電子ペン200によって読み取られる複数の特殊パターンを規定している。各特殊パターンは、それぞれ、文書データ内の異なる座標に関連付けられている。
なお、印刷プログラム122は、単体のプログラムとしてではなく、任意のプログラムの一部に組み込まれて提供されてもよい。この場合、本実施の形態に従う処理は、任意のプログラムと協働して実現される。このような一部のモジュールを含まないプログラムであっても、本実施の形態に従う印刷プログラム122の趣旨を逸脱するものではない。さらに、印刷プログラム122によって提供される機能の一部または全部は、専用のハードウェアによって実現されてもよい。さらに、少なくとも1つのサーバーが印刷プログラム122の処理の一部を実行する所謂クラウドサービスのような形態で画像形成装置100が構成されてもよい。
(電子ペン200のハードウェア構成)
引き続き図12を参照して、電子ペン200は、制御装置201と、ROM202と、RAM203と、通信インターフェイス204と、カメラ205と、圧力センサ206と、時計モジュール207と、記憶装置220とを含む。
引き続き図12を参照して、電子ペン200は、制御装置201と、ROM202と、RAM203と、通信インターフェイス204と、カメラ205と、圧力センサ206と、時計モジュール207と、記憶装置220とを含む。
制御装置201は、たとえば、少なくとも1つの集積回路によって構成される。集積回路は、たとえば、少なくとも1つのCPU、少なくとも1つのASIC、少なくとも1つのFPGA、またはそれらの組み合わせなどによって構成される。
制御装置201は、電子ペン200の制御プログラム222などの各種プログラムを実行することで電子ペン200の動作を制御する。制御装置201は、制御プログラム222の実行命令を受け付けたことに基づいて、制御プログラム222を記憶装置220からROM202に読み出す。RAM203は、ワーキングメモリとして機能し、制御プログラム222の実行に必要な各種データを一時的に格納する。
通信インターフェイス204には、アンテナ(図示しない)などが接続される。電子ペン200は、当該アンテナを介して、外部の通信機器との間でデータをやり取りする。外部の通信機器は、たとえば、画像形成装置100やサーバーなどを含む。電子ペン200は、アンテナを介して制御プログラム222をサーバーからダウンロードできるように構成されてもよい。
カメラ205は、電子ペン200のペン先の近傍に設けられており、ユーザーが用紙に文字を書き込んでいる間、用紙を撮影する。用紙の撮影画像は、制御装置201に定期的に出力される。制御装置201は、カメラ205から得られた画像に写る特殊パターンから用紙内の位置を特定する。用紙内の位置は、上述のパターンテーブル126(図5参照)に基づいて特定される。
圧力センサ206は、電子ペン200の筆圧を検知する。検知された筆圧は、制御装置101に出力される。好ましくは、制御装置101は、検知された筆圧が予め定められた値よりも大きい場合に、用紙に文字が記入されていると判断し、カメラ205から得られた画像に基づいて用紙内の書き込み位置を特定する。電子ペン200は、筆跡画像30内の対応する位置に、検知された筆圧に応じた画素値(濃度)を書き込む。当該画素値は、2値で表わされてもよいし、256値で表わされてもよい。
時計モジュール207は、時刻情報を保持するための装置である。当該時刻情報は、定期的に制御装置101に出力される。制御装置101は、電子ペン200で書き込まれた文字と、当該文字が書き込まれた時刻情報と、当該文字が書き込まれた用紙内の位置情報とを筆跡情報224に書き込む。
記憶装置220は、たとえば、フラッシュメモリなどの小型の記憶媒体である。記憶装置220は、上述のパターンテーブル126、制御プログラム222、筆跡情報224などを格納する。パターンテーブル126、制御プログラム222、筆跡情報224の格納場所は記憶装置220に限定されず、制御装置201の記憶領域(たとえば、キャッシュなど)、ROM202、RAM203、外部機器(たとえば、サーバー)などに格納されていてもよい。筆跡情報224は、用紙内の各位置に関連付けられて記憶された文字情報を含む。筆跡情報224は、たとえば、用紙内の各位置における画素値の集合として表される。
なお、制御プログラム222は、単体のプログラムとしてではなく、任意のプログラムの一部に組み込まれて提供されてもよい。この場合、本実施の形態に従う処理は、任意のプログラムと協働して実現される。このような一部のモジュールを含まないプログラムであっても、本実施の形態に従う制御プログラム222の趣旨を逸脱するものではない。さらに、制御プログラム222によって提供される機能の一部または全部は、専用のハードウェアによって実現されてもよい。さらに、少なくとも1つのサーバーが制御プログラム222の処理の一部を実行する所謂クラウドサービスのような形態で電子ペン200が構成されてもよい。
[小括]
以上のようにして、本実施の形態に従う画像形成装置100は、第1文書データの第1領域内の各座標に関連付けられている特殊パターン群と、第1文書データまたは第2文書データの第2領域内の各座標に関連付けられている特殊パターン群とを混合した混合パターンを生成し、用紙上の所定領域に混合パターンを印刷する。これにより、混合パターンの印刷領域に記入された内容が、文書データ内の第1領域と第2領域とに反映される。その結果、ユーザーは、電子ペン200で重複する内容を記入する手間を省くことができる。
以上のようにして、本実施の形態に従う画像形成装置100は、第1文書データの第1領域内の各座標に関連付けられている特殊パターン群と、第1文書データまたは第2文書データの第2領域内の各座標に関連付けられている特殊パターン群とを混合した混合パターンを生成し、用紙上の所定領域に混合パターンを印刷する。これにより、混合パターンの印刷領域に記入された内容が、文書データ内の第1領域と第2領域とに反映される。その結果、ユーザーは、電子ペン200で重複する内容を記入する手間を省くことができる。
<第2の実施の形態>
[概要]
上述の図9で説明したように、第1の実施の形態に従う画像形成装置100は、文書データ間の境界を含む余白領域に混合パターンを印刷していた。これに対して、第2の実施の形態に従う画像形成装置100は、余白領域が所定サイズよりも小さい場合には、当該余白領域の一部または全部に混合パターンを印刷しない。
[概要]
上述の図9で説明したように、第1の実施の形態に従う画像形成装置100は、文書データ間の境界を含む余白領域に混合パターンを印刷していた。これに対して、第2の実施の形態に従う画像形成装置100は、余白領域が所定サイズよりも小さい場合には、当該余白領域の一部または全部に混合パターンを印刷しない。
画像形成装置100や電子ペン200のハードウェア構成などのその他の点については上述の通りであるので、以下では、それらの説明については繰り返さない。
[混合パターンの印刷領域の決定方法]
図13および図14を参照して、本実施の形態における混合パターンの印刷領域の決定方法について説明する。図13は、用紙50内の余白領域57に混合パターンが印刷された用紙50を示す図である。図14は、用紙50内の領域61に混合パターンが印刷された用紙50を示す図である。
図13および図14を参照して、本実施の形態における混合パターンの印刷領域の決定方法について説明する。図13は、用紙50内の余白領域57に混合パターンが印刷された用紙50を示す図である。図14は、用紙50内の領域61に混合パターンが印刷された用紙50を示す図である。
図13に示されるように、用紙50には、文書データ50A,50Bが印刷されている。上述したように、文書データ50A,50Bの境界46を含む余白領域にメモが記入された場合、画像形成装置100は、当該メモが電子データ上で分割されないように当該余白領域に混合パターンを印刷する。しかしながら、当該余白領域のサイズがある程度大きい場合には、ユーザーは、境界46を跨いでメモを記入する可能性が低い。そのため、本実施の形態においては、画像形成装置100は、混合パターンの印刷領域において余白領域のサイズを算出し、当該サイズが所定サイズ以上である場合に、当該余白領域を混合パターンの印刷領域とはしない。画像形成装置100は、余白領域のサイズが所定サイズよりも小さい場合には、当該余白領域を混合パターンの印刷領域として決定する。このような混合パターンの印刷領域の決定は、たとえば、上述の決定部154(図4参照)によって行われる。
余白領域のサイズは、たとえば、境界46の直交方向における境界46からの距離で表わされる。一例として、画像形成装置100は、境界46からテキスト領域51Aまでの距離D1を余白領域のサイズとして算出する。画像形成装置100は、距離D1が所定距離(たとえば、5cm)以上である場合、境界46とテキスト領域51Aとの間の余白領域56には混合パターンを印刷しない。画像形成装置100は、距離D1が所定距離よりも短い場合、余白領域56に混合パターンを印刷する。図13の例では、混合パターンは余白領域56に印刷されない。
同様に、画像形成装置100は、境界46からテキスト領域51Bまでの距離D2を余白領域のサイズとして算出する。画像形成装置100は、距離D2が所定距離(たとえば、5cm)以上である場合、境界46とテキスト領域51Bとの間の余白領域57には混合パターンを印刷しない。画像形成装置100は、距離D2が所定距離よりも短い場合、余白領域57に混合パターンを印刷する。図13の例では、混合パターンは余白領域57に印刷される。
境界46付近の余白領域が狭すぎる場合には、ユーザーは、余白領域だけでなく、テキスト領域51A,51Bにもメモを記入する可能性がある。この場合、メモは、テキスト領域51A,51Bに記入されたメモが電子データ上では分割されてしまう。
このような分割を防ぐために、画像形成装置100は、図14に示されるように、文書データ50A,50Bの境界46を含む領域60において余白のサイズを算出する。画像形成装置100は、算出されたサイズが所定サイズよりも小さい場合に、混合パターンの印刷対象の領域60を予め定められたサイズの領域61まで広げた上で、当該領域61を混合パターンの印刷領域として決定する。このような混合パターンの印刷領域の決定は、上述の決定部154(図4参照)によって行われる。
余白領域のサイズは、たとえば、境界46の直交方向の境界46からの距離で表わされる。画像形成装置100は、境界46からテキスト領域51Aまでの距離DA1を余白領域のサイズとして算出する。画像形成装置100は、距離DA1が所定距離(たとえば、5cm)よりも短い場合、距離DA1で表わされる領域を距離DA2で表わされる領域まで拡大する。同様に、画像形成装置100は、距離DB1が所定距離(たとえば、5cm)よりも短い場合、距離DB1で表わされる領域を距離DB2で表わされる領域まで拡大する。距離DA2,DB2は、予め設定されていてもよいし、ユーザーによって変更されてもよい。画像形成装置100は、拡大後の領域に混合パターンを印刷する。
今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
30,50 用紙、31 特殊パターン、32A〜32D パターン要素、35A,35B 記入用紙、36A,36B サイン欄、38A,38B,50A,50B 文書データ、39A,39B,60,61 領域、40,43,45 混合パターン、46 境界、51A,51B テキスト領域、53 印刷領域、56,57 余白領域、100 画像形成装置、101,201 制御装置、102,202 ROM、103,203 RAM、104,204 通信インターフェイス、105 操作パネル、106 スキャナ、107 プリンタ、120,220 記憶装置、122 印刷プログラム、126 パターンテーブル、152 取得部、154 決定部、156 生成部、158 プリンタ制御部、160 送信部、200 電子ペン、205 カメラ、206 圧力センサ、207 時計モジュール、222 制御プログラム、224 筆跡情報、500 画像形成システム。
Claims (8)
- 電子ペンによって用紙上に記入された文字の座標を文書データ上で特定するために前記電子ペンによって読み取られる複数のパターンを記憶するための記憶部を備え、
前記複数のパターンは、それぞれ、前記文書データ内の異なる座標に関連付けられており、
前記文書データの第1領域内の各座標に関連付けられている前記複数のパターンの第1パターン群と、前記文書データまたは他の文書データの第2領域内の各座標に関連付けられている前記複数のパターンの第2パターン群とを混合した混合パターンを生成するための生成部と、
前記混合パターンを前記用紙の所定領域に印刷するためのプリンタとを備える、画像形成装置。 - 前記第1パターン群に属する各パターンと、前記第2パターン群に属する各パターンとは、前記混合パターン上で交互に並べられている、請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記第1パターン群に属する各パターンと、前記第2パターン群に属する各パターンとは、前記混合パターン上で所定方向に交互に並べられており、
前記第1パターン群に属する各パターンは、前記所定方向の直交方向に互いに隣接して並べられており、
前記第2パターン群に属する各パターンは、前記直交方向に互いに隣接して並べられている、請求項1に記載の画像形成装置。 - 前記画像形成装置は、複数の文書データを1枚の前記用紙に印刷する場合に、各文書データの境界を含む領域を前記所定領域として決定するための決定部をさらに備える、請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記決定部は、
各文書データの境界を含む領域において余白のサイズを算出し、
前記サイズが所定サイズ以上である場合に、当該領域を前記所定領域として決定せずに、
前記サイズが所定サイズよりも小さい場合に、当該領域を前記所定領域として決定する、請求項4に記載の画像形成装置。 - 前記決定部は、
各文書データの境界を含む領域において余白のサイズを算出し、
前記サイズが所定サイズよりも小さい場合に、当該領域を予め定められたサイズまで広げた上で当該領域を前記所定領域として決定する、請求項4に記載の画像形成装置。 - 電子ペンによって用紙上に記入された文字の座標を文書データ上で特定するために前記電子ペンによって読み取られる複数のパターンを準備するステップを備え、
前記複数のパターンは、それぞれ、前記文書データ内の異なる座標に関連付けられており、
前記文書データの第1領域内の各座標に関連付けられている前記複数のパターンの第1パターン群と、前記文書データまたは他の文書データの第2領域内の各座標に関連付けられている前記複数のパターンの第2パターン群とを混合した混合パターンを生成するステップと、
前記混合パターンを前記用紙の所定領域に印刷するステップとを備える、パターンの印刷方法。 - パターンの印刷プログラムであって、
前記印刷プログラムは、コンピュータに、
電子ペンによって用紙上に記入された文字の座標を文書データ上で特定するために前記電子ペンによって読み取られる複数のパターンを準備するステップを実行させ、
前記複数のパターンは、それぞれ、前記文書データ内の異なる座標に関連付けられており、
前記文書データの第1領域内の各座標に関連付けられている前記複数のパターンの第1パターン群と、前記文書データまたは他の文書データの第2領域内の各座標に関連付けられている前記複数のパターンの第2パターン群とを混合した混合パターンを生成するステップと、
前記混合パターンを前記用紙の所定領域に印刷するステップとを実行させる、パターンの印刷プログラム。
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