以下、図面に基づいて、本願の開示する検索プログラム、検索方法および検索装置の実施例を詳細に説明する。なお、本実施例により、開示技術が限定されるものではない。また、以下の実施例は、矛盾しない範囲で適宜組みあわせてもよい。
図1は、実施例の検索装置の処理の一例を示す図である。図1に示す検索装置100には、汎用マニュアル10と、利用キーワードリスト11と、排他キーワードリスト12と、関連キーワードリスト13とが入力される。検索装置100は、入力された汎用マニュアル10と、利用キーワードリスト11と、排他キーワードリスト12と、関連キーワードリスト13とを記憶部に記憶する。すなわち、汎用マニュアル10は、記憶部に、階層化された複数の項目それぞれに対応付けたテキストデータとして記憶される。なお、汎用マニュアル10は、対応する製品に関する全ての情報を含むものである。汎用マニュアル10には、例えば、セットアップガイド、ユーザーズガイド、コマンドリファレンス、メッセージリファレンス等が含まれる。また、排他キーワードリスト12は、記憶部に、検索キーワードと、該検索キーワードとは排他的な関係にある排他キーワードとを対応付けて記憶される。
検索装置100は、利用キーワードリスト11を検索キーワードとして受け付ける。検索装置100は、検索キーワードを受け付けると、階層化された複数の項目それぞれに対応付けてテキストデータを記憶する記憶部を参照して、受け付けた検索キーワードを含むテキストデータに対応付けられた項目の上位階層の項目と、該上位階層の項目の下位階層の項目とを含む複数の項目を特定する。検索装置100は、検索キーワードと、該検索キーワードとは排他的な関係にある排他キーワードとを対応付けて記憶する記憶部を参照して、受け付けた検索キーワードに対応付けられた排他キーワードを取得する。検索装置100は、特定した複数の項目のうち、取得した排他キーワードを含むテキストデータに対応付けられた項目を除いた項目を出力する。すなわち、検索装置100は、汎用マニュアル10から、構築された業務システムに対応する箇所を抜き出した専用マニュアル14を出力する。つまり、専用マニュアル14には、例えば、セットアップガイド、ユーザーズガイド、コマンドリファレンス、メッセージリファレンス等のうち、構築された業務システムに対応する箇所が含まれる。これにより、検索装置100は、専用マニュアル14を出力する際に、検索結果の精度を高めることができる。
ここで図2から図6を用いて、汎用マニュアル10から専用マニュアル14として出力される項目の検索について説明する。図2は、汎用マニュアルの章立ての一例を示す図である。図2の例は、汎用マニュアル10の「1基本機能」についての章立てを表わしたものである。汎用マニュアル10は、例えば、「1基本機能」の下位の階層として、「1.1環境W」と、「1.2環境L」と、「1.3注意事項」といった階層を有する。また、汎用マニュアル10は、「1.1環境W」および「1.2環境L」の下位の階層として、それぞれ「機能X」と「機能Y」に対応する階層を有する。さらに、汎用マニュアル10は、「機能X」の下位の階層として、それぞれ「オプションα」と、「オプションβ」とを有する。また、汎用マニュアル10は、「機能Y」の下位の階層として、それぞれ「オプションγ」と、「オプションδ」とを有する。
図3は、利用している機能等のチェックリストの一例を示す図である。図3のチェックリストは、汎用マニュアル10に対応する製品のうち、構築された業務システムが利用している機能等を示す。図3の例では、「環境W」、「機能X」および「オプションβ」の使用チェック欄にチェックが入っているので、これらの機能等を利用していることを示す。なお、機能等を利用していることは、ソフトウェアの動作環境の定義や動作記録等から、どの環境や機能を利用しているかが解析される。すなわち、利用キーワードリスト11は、図3に示すチェックリストに基づいて生成される。つまり、利用キーワードリスト11は、汎用マニュアル10から抽出されるキーワードのリストである。
図4は、専用マニュアルとして求められる箇所の一例を示す図である。図4は、図2に示す汎用マニュアル10の章立て、つまり項目に対して、図3に示すチェックリストを適用し、専用マニュアル14として求められる箇所を示したものである。図4に示すように、汎用マニュアル10のうち、枠21で囲まれた項目が専用マニュアル14として求められる箇所である。このような絞り込みを行うためにキーワード検索を用いる場合、汎用マニュアル10の全項目に検索用のタグを設けておく方法がある。
図5は、汎用マニュアルにタグを設けた場合の検索の一例を示す図である。図5では、汎用マニュアル10の各項目に対応するキーワードを含むタグと、検索キーワード「環境W」、「機能X」および「オプションβ」の検索結果とをAND条件でマージすると、期待する結果と一致する。すなわち、期待する結果と完全一致する検索結果が得られる。しかしながら、大量の汎用マニュアル10の全ての箇所に正確にタグを付けることは、作業量が膨大となり困難である。
また、他の方法として、検索キーワードをANDとORとを用いて検索する方法がある。図6は、AND,OR検索の結果の一例を示す図である。図6に示すように、汎用マニュアル10の各項目に対する検索キーワード「環境W」、「機能X」および「オプションβ」の検索結果をAND検索すると、検索結果として何も残らないことになる。また、検索キーワード「環境W」、「機能X」および「オプションβ」の検索結果をOR検索すると、枠22で示す必要な項目である「1基本機能」と「1.3注意事項」とが欠落する。さらに、OR検索では、枠23で示す不要な項目である「1.2.1機能X」と「1.2.1.2オプションβ」とが含まれる。すなわち、キーワード検索では、AND、ORを組み合わせて検索しても、項目の欠落や余分な項目がヒットする等して、期待する結果が得られない。
例えば、「1.3注意事項」は、機能や環境に共通の設定であるために、特定のキーワード(「環境W」、「機能X」)が含まれないが、機能を利用する上では検索結果に含まれるべきものである。また、例えば、「オプションβ」は、「1.1環境W」と「1.2環境L」とにそれぞれ含まれるが、「1.1環境W」の下位項目である「1.1.1.2オプションβ」をヒットさせたい場合がある。このとき、「オプションβ」を検索キーワードとして検索すると、「1.1.1.2オプションβ」だけでなく、「1.2環境L」の下位項目である「1.2.1.2オプションβ」もヒットしてしまう。
そこで、本発明では、マニュアルに記載される文章の特徴を利用して、所望の検索結果を得られるようにする。例えば、マニュアルに記載される文章は、ある機能や環境を説明する節は、その一つ上の階層の章や節、および、並列に並んでいる節にも、当該機能に関する情報が記載されているという特徴がある。また、マニュアルに記載される文章は、章や節に機能や環境に関するキーワードが含まれる場合、当該章や節、および、配下の節には、他の機能や環境に関する情報は含まれないという特徴がある。
次に、図7を用いて検索装置100の構成について説明する。図7は、実施例の検索装置の構成の一例を示すブロック図である。
図7に示すように、検索装置100は、通信部110と、表示部111と、操作部112と、入出力部113と、記憶部120と、制御部130とを有する。なお、検索装置100は、図7に示す機能部以外にも既知のコンピュータが有する各種の機能部、例えば各種の入力デバイスや音声出力デバイス等の機能部を有することとしてもかまわない。検索装置100の一例としては、据置型のパーソナルコンピュータを採用できる。検索装置100には、上記の据置型のパーソナルコンピュータのみならず、可搬型のパーソナルコンピュータを検索装置100として採用することもできる。また、検索装置100は、可搬型の端末としては、上記の可搬型のパーソナルコンピュータの他にも、例えば、タブレット端末を採用することもできる。
通信部110は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。通信部110は、図示しないネットワークを介して他の情報処理装置と有線または無線で接続され、他の情報処理装置との間で情報の通信を司る通信インタフェースである。通信部110は、入出力部113の代わりに、他の情報処理装置から汎用マニュアル10、利用キーワードリスト11、排他キーワードリスト12および関連キーワードリスト13を受信するようにしてもよい。この場合、通信部110は、受信した汎用マニュアル10、利用キーワードリスト11、排他キーワードリスト12および関連キーワードリスト13を制御部130に出力する。また、通信部110は、入出力部113の代わりに、制御部130から入力された専用マニュアル14を他の情報処理装置に送信してもよい。
表示部111は、各種情報を表示するための表示デバイスである。表示部111は、例えば、表示デバイスとして液晶ディスプレイ等によって実現される。表示部111は、制御部130から入力された表示画面等の各種画面を表示する。
操作部112は、検索装置100のユーザから各種操作を受け付ける入力デバイスである。操作部112は、例えば、入力デバイスとして、キーボードやマウス等によって実現される。操作部112は、ユーザによって入力された操作を操作情報として制御部130に出力する。なお、操作部112は、入力デバイスとして、タッチパネル等によって実現されるようにしてもよく、表示部111の表示デバイスと、操作部112の入力デバイスとは、一体化されるようにしてもよい。
入出力部113は、例えば、メモリカードR/W(Reader/Writer)である。入出力部113は、メモリカードに記憶された汎用マニュアル10、利用キーワードリスト11、排他キーワードリスト12および関連キーワードリスト13を読み出して制御部130に出力する。また、入出力部113は、例えば、制御部130から出力された専用マニュアル14をメモリカードに記憶する。なお、メモリカードとしては、例えばSDメモリカード等を用いることができる。
記憶部120は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、ハードディスクや光ディスク等の記憶装置によって実現される。記憶部120は、汎用マニュアル記憶部121と、利用キーワードリスト記憶部122と、排他キーワードリスト記憶部123と、関連キーワードリスト記憶部124と、専用マニュアル記憶部125とを有する。また、記憶部120は、制御部130での処理に用いる情報を記憶する。
汎用マニュアル記憶部121は、汎用マニュアル10を記憶する。図8は、汎用マニュアル記憶部の一例を示す図である。図8に示すように、汎用マニュアル記憶部121は、「項目」、「データ」といった項目を有する。汎用マニュアル記憶部121は、例えば、項目ごとに1レコードとして記憶する。
「項目」は、汎用マニュアル10の章節に相当する項目を示す情報である。「データ」は、各項目に記載されたデータである。「データ」は、例えば、テキストデータや画像データである。
図7の説明に戻って、利用キーワードリスト記憶部122は、利用キーワードリスト11を記憶する。図9は、利用キーワードリスト記憶部の一例を示す図である。図9に示すように、利用キーワードリスト記憶部122は、「キーワード」、「チェック」といった項目を有する。利用キーワードリスト記憶部122は、例えば、キーワードごとに1レコードとして記憶する。
「キーワード」は、汎用マニュアル10に対して検索の対象となるキーワードを示す情報である。「チェック」は、汎用マニュアル10に対応する製品のうち、構築された業務システムが利用している機能に対応するキーワードを示す情報である。図9の例では、「環境W」、「機能X」および「オプションβ」にチェックが入っているので、構築されたシステムは、汎用マニュアル10に対応する製品のうち、これらのキーワードに対応する製品の動作環境、機能、およびオプションを利用していることを示す。
図7の説明に戻って、排他キーワードリスト記憶部123は、検索キーワードである利用キーワードと、利用キーワードとは排他的な関係にある排他キーワードとを対応付けた排他キーワードリスト12を記憶する。図10は、排他キーワードリスト記憶部の一例を示す図である。図10に示すように、排他キーワードリスト記憶部123は、例えば、利用キーワードと排他キーワードとが対応付けられ、利用キーワードに「○」印がつけられ、排他キーワードに「×」印がつけられる。図10の1行目の例では、「環境W」が利用キーワード、「環境L」が排他キーワードであることを示す。言い換えると、排他キーワードリスト12は、汎用マニュアル10上で同一の階層に並列に記載される、製品の機能、動作環境またはオプションに関するキーワードをグループ化したものである。
図7の説明に戻って、関連キーワードリスト記憶部124は、利用キーワードリスト11に含まれる検索キーワードに関連する関連キーワードを検索キーワードと対応付けた関連キーワードリスト13を記憶する。図11は、関連キーワードリスト記憶部の一例を示す図である。図11に示すように、関連キーワードリスト記憶部124は、例えば、検索キーワード「機能X」に関連する関連キーワードとして「コマンドXX」が対応付けられる。図11の例では、排他キーワードリスト12において、検索キーワード「機能X」に「○」印が付けられている場合、「コマンドXX」を関連キーワードとして検索を行うことを示す。
図7の説明に戻って、専用マニュアル記憶部125は、専用マニュアル14を記憶する。図12は、専用マニュアル記憶部の一例を示す図である。図12に示すように、専用マニュアル記憶部125は、「項目」、「データ」といった項目を有する。専用マニュアル記憶部125は、例えば、項目ごとに1レコードとして記憶する。
「項目」は、専用マニュアル14の章節に相当する項目を示す情報である。「データ」は、各項目に記載されたデータである。「データ」は、例えば、テキストデータや画像データである。すなわち、専用マニュアル記憶部125には、汎用マニュアル10から、構築された業務システムに対応する箇所を抜き出した専用マニュアル14が記憶される。
図7の説明に戻って、制御部130は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、内部の記憶装置に記憶されているプログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現されるようにしてもよい。制御部130は、受付部131と、特定部132と、取得部133と、出力制御部134とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部130の内部構成は、図7に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。
受付部131には、入出力部113から汎用マニュアル10、利用キーワードリスト11、排他キーワードリスト12および関連キーワードリスト13が入力される。受付部131は、各種データ、つまり、汎用マニュアル10、利用キーワードリスト11、排他キーワードリスト12および関連キーワードリスト13の入力を受け付ける。受付部131は、各種データの入力を受け付けると、受け付けた各種データを対応する記憶部に記憶する。すなわち、受付部131は、汎用マニュアル10を汎用マニュアル記憶部121に記憶する。また、受付部131は、利用キーワードリスト11を利用キーワードリスト記憶部122に記憶する。さらに、受付部131は、排他キーワードリスト12を排他キーワードリスト記憶部123に記憶する。また、受付部131は、関連キーワードリスト13を関連キーワードリスト記憶部124に記憶する。受付部131は、各種データを対応する記憶部に記憶すると、特定部132に特定指示を出力する。
特定部132は、検索キーワードを受け付けると、汎用マニュアル記憶部121を参照して、受け付けた検索キーワードを含むテキストデータに対応付けられた項目の上位階層の項目と、該上位階層の項目の下位階層の項目とを含む複数の項目を特定する。
具体的には、特定部132は、受付部131から特定指示が入力されると、利用キーワードリスト記憶部122を参照し、利用キーワードに基づいて、排他キーワードを設定する。すなわち、特定部132は、排他キーワードリスト記憶部123の排他キーワードリストに対して、利用キーワードに「○」印を付し、設定した排他キーワードに「×」印を付す。
特定部132は、汎用マニュアル記憶部121および利用キーワードリスト記憶部122を参照し、汎用マニュアル10に対して利用キーワードを検索する。なお、特定部132は、汎用マニュアル10の各項目だけでなく、各項目に対応付けられているテキストデータ内も検索を行う。特定部132は、汎用マニュアル10の章節である各項目のうち、検索がヒットした項目の上位階層の項目を特定する。また、特定部132は、汎用マニュアル10の章節である各項目のうち、検索がヒットした項目の下位階層の項目を特定する。特定部132は、ヒットした項目、特定した上位階層の項目および下位階層の項目を含む複数の項目を拡大項目として特定する。特定部132は、特定した拡大項目を取得部133に出力する。
取得部133は、特定部132から特定した拡大項目が入力されると、排他キーワードリスト記憶部123を参照し、排他キーワードを取得する。取得部133は、特定した拡大項目に対して排他キーワードを検索し、ヒットした項目の下位階層を含めて、排他項目一覧として出力制御部134に出力する。なお、取得部133は、特定した拡大項目に対応付けられているテキストデータ内も検索を行う。また、取得部133は、特定した拡大項目を出力制御部134に出力する。なお、取得部133は、排他項目については、上位階層への項目の拡大は行わない。
出力制御部134は、取得部133から特定した拡大項目および排他項目一覧が入力されると、特定した拡大項目から排他項目一覧の項目を除外する。出力制御部134は、関連キーワードリスト記憶部124を参照し、排他項目一覧の項目を除外した拡大項目に対して、関連キーワードを検索する。なお、出力制御部134は、排他項目一覧の項目を除外した拡大項目に対応付けられているテキストデータ内も検索を行う。
出力制御部134は、排他項目一覧の項目を除外した拡大項目と、関連キーワードがヒットした項目とをマージする。すなわち、出力制御部134は、検索キーワードの検索結果に基づく拡大項目と、排他キーワードに対応する項目と、関連キーワードに対応する項目との検索結果をマージする。出力制御部134は、マージ結果に基づいて、汎用マニュアル記憶部121の汎用マニュアル10から専用マニュアル14を生成する。出力制御部134は、生成した専用マニュアル14を専用マニュアル記憶部125に記憶するとともに、入出力部113に出力し、入出力部113のメモリカードに記憶する。また、出力制御部134は、生成した専用マニュアル14を表示部111に出力して表示させてもよい。
すなわち、出力制御部134は、特定した複数の項目のうち、取得した排他キーワードを含むテキストデータに対応付けられた項目を除いた項目を出力する。また、出力制御部134は、検索キーワードと関連する関連キーワードを含むテキストデータに対応付けられた項目を出力する。さらに、出力制御部134は、出力する項目を、汎用マニュアル10の一部であって、製品を特定の動作環境で用いる場合に適用できる専用マニュアル14として出力する。
ここで、図13を用いて、検索の一例について説明する。図13は、実施例による検索の一例を示す図である。図13に示すように、まず、汎用マニュアル10の各項目に対して、専用マニュアル14として出力される項目を、期待する結果欄に黒丸印(「●」)を付して示す。次に、特定部132は、利用キーワードである「環境W」、「機能X」および「オプションβ」の検索を行う。検索結果欄では、それぞれ利用キーワードである「環境W」、「機能X」および「オプションβ」がヒットした項目に白丸印(「○」)を付す。
特定部132は、検索がヒットした項目の上位階層の項目と、下位階層の項目とを特定し、ヒットした項目も含めて拡大項目として特定する。拡大欄では、特定した拡大項目に白丸印(「○」)を付す。すると、図13に示すように、「1基本機能」配下の項目が拡大項目として特定される。また、「2応用機能」配下の項目、および、「10コマンドリファレンス」配下の項目は、拡大項目とは特定されない。
取得部133は、拡大項目に対して排他キーワードを検索し、ヒットした項目を排他項目一覧とする。排他キーワード欄では、ヒットした項目の下位階層を含めて、排他項目にバツ印(「×」)を付す。
出力制御部134は、拡大項目から排他項目一覧の項目を除外する。また、出力制御部134は、関連キーワードを検索する。関連キーワード欄では、関連キーワードとして検索がヒットした項目に白丸印(「○」)を付す。マージ結果欄では、拡大項目から排他項目一覧の項目を除外し、関連キーワードとして検索がヒットした項目を足した検索結果に黒丸印(「●」)を付す。その結果、マージ結果欄は、期待する結果欄と同じ項目に黒丸印が付くことになり、期待通りの検索結果が得られる。
次に、実施例の検索装置100の動作について説明する。図14は、実施例の検索処理の一例を示すフローチャートである。
受付部131は、各種データ、つまり、汎用マニュアル10、利用キーワードリスト11、排他キーワードリスト12および関連キーワードリスト13の入力を受け付ける(ステップS1)。受付部131は、各種データの入力を受け付けると、受け付けた各種データを対応する記憶部に記憶する。受付部131は、各種データを対応する記憶部に記憶すると、特定部132に特定指示を出力する。
特定部132は、受付部131から特定指示が入力されると、利用キーワードに基づいて、排他キーワードを設定する(ステップS2)。また、特定部132は、汎用マニュアル10に対して利用キーワードを検索する(ステップS3)。特定部132は、汎用マニュアル10の章節である各項目のうち、検索がヒットした項目の上位階層の項目を特定する。さらに、特定部132は、汎用マニュアル10の章節である各項目のうち、検索がヒットした項目の下位階層の項目を特定する。特定部132は、ヒットした項目、特定した上位階層の項目および下位階層の項目を含む複数の項目を拡大項目として特定する(ステップS4)。特定部132は、特定した拡大項目を取得部133に出力する。
取得部133は、特定部132から特定した拡大項目が入力されると、排他キーワードを取得する。取得部133は、特定した拡大項目に対して排他キーワードを検索し(ステップS5)、ヒットした項目を排他項目一覧として出力制御部134に出力する。また、取得部133は、特定した拡大項目を出力制御部134に出力する。
出力制御部134は、取得部133から特定した拡大項目および排他項目一覧が入力されると、特定した拡大項目から排他項目一覧の項目を除外する。また、出力制御部134は、排他項目一覧の項目を除外した拡大項目に対して、関連キーワードを検索する(ステップS6)。出力制御部134は、排他項目一覧の項目を除外した拡大項目と、関連キーワードがヒットした項目とをマージする。すなわち、出力制御部134は、検索キーワードの検索結果に基づく拡大項目と、排他キーワードに対応する項目と、関連キーワードに対応する項目との検索結果をマージする(ステップS7)。
出力制御部134は、マージ結果に基づいて、汎用マニュアル記憶部121の汎用マニュアル10から専用マニュアル14を生成する。出力制御部134は、生成した専用マニュアル14を専用マニュアル記憶部125に記憶するとともに、入出力部113に出力し(ステップS8)、入出力部113のメモリカードに記憶する。これにより、検索装置100は、検索結果の精度を高めることができる。すなわち、検索装置100は、構築された業務システムに対応する専用マニュアル14に含める項目を、汎用マニュアル10から精度よく抽出することができる。
このように、検索装置100は、検索キーワードを受け付けると、階層化された複数の項目それぞれに対応付けてテキストデータを記憶する記憶部を参照して、受け付けた検索キーワードを含むテキストデータに対応付けられた項目の上位階層の項目と、該上位階層の項目の下位階層の項目とを含む複数の項目を特定する。また、検索装置100は、検索キーワードと、該検索キーワードとは排他的な関係にある排他キーワードとを対応付けて記憶する記憶部を参照して、受け付けた検索キーワードに対応付けられた排他キーワードを取得する。また、検索装置100は、特定した複数の項目のうち、取得した排他キーワードを含むテキストデータに対応付けられた項目を除いた項目を出力する。その結果、検索結果の精度を高めることができる。
また、検索装置100は、さらに、検索キーワードと関連する関連キーワードを含むテキストデータに対応付けられた項目を出力する。その結果、関連キーワードを含む項目を検索結果に含めることができるので、さらに検索結果の精度を高めることができる。
また、検索装置100では、階層化された複数の項目は、製品に関する全ての情報を含む汎用マニュアル10である。また、検索装置100は、出力する項目を、汎用マニュアル10の一部であって、製品を特定の動作環境で用いる場合に適用できる専用マニュアル14として出力する。その結果、専用マニュアル14に求められる項目を過不足なく含めることができる。
また、検索装置100では、検索キーワードおよび排他キーワードは、汎用マニュアル10上で同一の階層に並列に記載される、製品の機能、動作環境またはオプションに関するキーワードである。その結果、専用マニュアル14に求められる項目を過不足なく含めることができる。
なお、上記実施例では、専用マニュアル14を入出力部113に出力したり、表示部111に表示するようにしたが、これに限定されない。例えば、ユーザが汎用マニュアル10を見たい場合には、専用マニュアル14から汎用マニュアル10に表示を切り替えてもよい。
また、上記実施例では、入力される文章として、製品マニュアルを一例として挙げたが、これに限定されない。例えば、製品マニュアルと同様の構造を有する文章であれば、同様に適用して、求められる部分のみを抽出することができる。
また、上記実施例では、構築された業務システムのテスト運用から本番運用への移行時に専用マニュアル14を生成したが、これに限定されない。例えば、既に稼働中の業務システムに対して、今までの運用期間中のログ等に基づいて利用キーワードリスト11を生成し、生成した利用キーワードリスト11に基づいて専用マニュアル14を生成してもよい。これにより、既存の業務システムに対しても、例えばリプレース時に作業する技術者に対して、専用マニュアル14を提供できる。
また、図示した各部の各構成要素は、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各部の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況等に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。例えば、受付部131と特定部132とを統合してもよい。また、図示した各処理は、上記の順番に限定されるものではなく、処理内容を矛盾させない範囲において、同時に実施してもよく、順序を入れ替えて実施してもよい。
さらに、各装置で行われる各種処理機能は、CPU(又はMPU、MCU(Micro Controller Unit)等のマイクロ・コンピュータ)上で、その全部または任意の一部を実行するようにしてもよい。また、各種処理機能は、CPU(またはMPU、MCU等のマイクロ・コンピュータ)で解析実行されるプログラム上、またはワイヤードロジックによるハードウェア上で、その全部または任意の一部を実行するようにしてもよいことは言うまでもない。
ところで、上記の実施例で説明した各種の処理は、予め用意されたプログラムをコンピュータで実行することで実現できる。そこで、以下では、上記の実施例と同様の機能を有するプログラムを実行するコンピュータの一例を説明する。図15は、検索プログラムを実行するコンピュータの一例を示す図である。
図15に示すように、コンピュータ200は、各種演算処理を実行するCPU201と、データ入力を受け付ける入力装置202と、モニタ203とを有する。また、コンピュータ200は、記憶媒体からプログラム等を読み取る媒体読取装置204と、各種装置と接続するためのインタフェース装置205と、他の情報処理装置等と有線または無線により接続するための通信装置206とを有する。また、コンピュータ200は、各種情報を一時記憶するRAM207と、ハードディスク装置208とを有する。また、各装置201〜208は、バス209に接続される。
ハードディスク装置208には、図7に示した受付部131、特定部132、取得部133および出力制御部134の各処理部と同様の機能を有する検索プログラムが記憶される。また、ハードディスク装置208には、汎用マニュアル記憶部121、利用キーワードリスト記憶部122、排他キーワードリスト記憶部123が記憶される。また、ハードディスク装置208には、関連キーワードリスト記憶部124、専用マニュアル記憶部125、および、検索プログラムを実現するための各種データが記憶される。入力装置202は、例えば、コンピュータ200のユーザから操作情報等の各種情報の入力を受け付ける。モニタ203は、例えば、コンピュータ200のユーザに対して表示画面等の各種画面を表示する。媒体読取装置204は、汎用マニュアル10、利用キーワードリスト11、排他キーワードリスト12および関連キーワードリスト13等の各種データを読み取る。インタフェース装置205は、例えば印刷装置等が接続される。通信装置206は、例えば、図7に示した通信部110と同様の機能を有し図示しないネットワークと接続され、図示しない他の情報処理装置と各種情報をやりとりする。
CPU201は、ハードディスク装置208に記憶された各プログラムを読み出して、RAM207に展開して実行することで、各種の処理を行う。また、これらのプログラムは、コンピュータ200を図7に示した受付部131、特定部132、取得部133および出力制御部134として機能させることができる。
なお、上記の検索プログラムは、必ずしもハードディスク装置208に記憶されている必要はない。例えば、コンピュータ200が読み取り可能な記憶媒体に記憶されたプログラムを、コンピュータ200が読み出して実行するようにしてもよい。コンピュータ200が読み取り可能な記憶媒体は、例えば、CD−ROMやDVDディスク、USB(Universal Serial Bus)メモリ等の可搬型記録媒体、フラッシュメモリ等の半導体メモリ、ハードディスクドライブ等が対応する。また、公衆回線、インターネット、LAN等に接続された装置にこの検索プログラムを記憶させておき、コンピュータ200がこれらから検索プログラムを読み出して実行するようにしてもよい。
以上、本実施例を含む実施の形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)検索キーワードを受け付けると、階層化された複数の項目それぞれに対応付けてテキストデータを記憶する記憶部を参照して、受け付けた前記検索キーワードを含むテキストデータに対応付けられた項目の上位階層の項目と、該上位階層の項目の下位階層の項目とを含む複数の項目を特定し、
検索キーワードと、該検索キーワードとは排他的な関係にある排他キーワードとを対応付けて記憶する記憶部を参照して、受け付けた前記検索キーワードに対応付けられた排他キーワードを取得し、
特定した前記複数の項目のうち、取得した前記排他キーワードを含むテキストデータに対応付けられた項目を除いた項目を出力する、
処理をコンピュータに実行させることを特徴とする検索プログラム。
(付記2)前記出力する処理は、さらに、前記検索キーワードと関連する関連キーワードを含むテキストデータに対応付けられた項目を出力する、
ことを特徴とする付記1に記載の検索プログラム。
(付記3)前記階層化された複数の項目は、製品に関する全ての情報を含む汎用マニュアルであり、
前記出力する処理は、出力する前記項目を、前記汎用マニュアルの一部であって、前記製品を特定の動作環境で用いる場合に適用できる専用マニュアルとして出力する、
ことを特徴とする付記1または2に記載の検索プログラム。
(付記4)前記検索キーワードおよび前記排他キーワードは、前記汎用マニュアル上で同一の階層に並列に記載される、前記製品の機能、動作環境またはオプションに関するキーワードである、
ことを特徴とする付記3に記載の検索プログラム。
(付記5)検索キーワードを受け付けると、階層化された複数の項目それぞれに対応付けてテキストデータを記憶する記憶部を参照して、受け付けた前記検索キーワードを含むテキストデータに対応付けられた項目の上位階層の項目と、該上位階層の項目の下位階層の項目とを含む複数の項目を特定し、
検索キーワードと、該検索キーワードとは排他的な関係にある排他キーワードとを対応付けて記憶する記憶部を参照して、受け付けた前記検索キーワードに対応付けられた排他キーワードを取得し、
特定した前記複数の項目のうち、取得した前記排他キーワードを含むテキストデータに対応付けられた項目を除いた項目を出力する、
処理をコンピュータが実行することを特徴とする検索方法。
(付記6)前記出力する処理は、さらに、前記検索キーワードと関連する関連キーワードを含むテキストデータに対応付けられた項目を出力する、
ことを特徴とする付記5に記載の検索方法。
(付記7)前記階層化された複数の項目は、製品に関する全ての情報を含む汎用マニュアルであり、
前記出力する処理は、出力する前記項目を、前記汎用マニュアルの一部であって、前記製品を特定の動作環境で用いる場合に適用できる専用マニュアルとして出力する、
ことを特徴とする付記5または6に記載の検索方法。
(付記8)前記検索キーワードおよび前記排他キーワードは、前記汎用マニュアル上で同一の階層に並列に記載される、前記製品の機能、動作環境またはオプションに関するキーワードである、
ことを特徴とする付記7に記載の検索方法。
(付記9)検索キーワードを受け付けると、階層化された複数の項目それぞれに対応付けてテキストデータを記憶する記憶部を参照して、受け付けた前記検索キーワードを含むテキストデータに対応付けられた項目の上位階層の項目と、該上位階層の項目の下位階層の項目とを含む複数の項目を特定する特定部と、
検索キーワードと、該検索キーワードとは排他的な関係にある排他キーワードとを対応付けて記憶する記憶部を参照して、受け付けた前記検索キーワードに対応付けられた排他キーワードを取得する取得部と、
特定された前記複数の項目のうち、取得された前記排他キーワードを含むテキストデータに対応付けられた項目を除いた項目を出力する出力制御部と、
を有することを特徴とする検索装置。
(付記10)前記出力制御部は、さらに、前記検索キーワードと関連する関連キーワードを含むテキストデータに対応付けられた項目を出力する、
ことを特徴とする付記9に記載の検索装置。
(付記11)前記階層化された複数の項目は、製品に関する全ての情報を含む汎用マニュアルであり、
前記出力制御部は、出力する前記項目を、前記汎用マニュアルの一部であって、前記製品を特定の動作環境で用いる場合に適用できる専用マニュアルとして出力する、
ことを特徴とする付記9または10に記載の検索装置。
(付記12)前記検索キーワードおよび前記排他キーワードは、前記汎用マニュアル上で同一の階層に並列に記載される、前記製品の機能、動作環境またはオプションに関するキーワードである、
ことを特徴とする付記11に記載の検索装置。