JP2018003299A - ポリマー系安定液の品質管理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】地盤の掘削時に使用するポリマー系安定液に対して、劣化の度合いと劣化要因に応じて適切な再生処理を行うことの可能な、安定液の品質管理方法を提供する。【解決手段】地盤の掘削時に使用されるポリマー系安定液に対して、ろ水量と化学的酸素要求量を適時測定し、前記ろ水量から劣化の度合いを把握するとともに、前記化学的酸素要求量に基づいて検知される有機物質の含有量からポリマーの濃度変化を推定する。【選択図】図4

Description

本発明は、地盤の掘削時に循環使用されるポリマー系安定液の品質管理方法に関する。
従来より、現場打ちコンクリート杭や地中連続壁を築造する際には、安定液を用いて掘削壁の崩壊を防ぎながら地盤中に掘削孔や掘削溝を構築する方法が知られている。安定液は、掘削壁面の崩壊を防ぐ機能だけでなく、掘削土砂を排出する媒体としての機能も有しており、掘削土砂とともに揚泥された後に掘削土砂と分離され、再度掘削孔や掘削溝に供給される。しかし、このように循環使用されるうちに性質が劣化してしまい、掘削壁面の崩壊を防ぐ機能を果たせなくなる場合が生じる。
このため、地盤掘削に安定液を用いる際には、その品質を常時管理することが義務付けられている。品質の管理項目としては、例えば特許文献1の従来技術で示されているように、ファンネル粘性、ろ水量、比重、pHおよび砂分が定められており、これら品質管理項目ごとで設定された管理基準値を満足するよう、掘削孔や掘削溝から揚泥された安定液に対して、掘削土砂の分離や配合の修正等の再生処理を行っている。
特開平11−286930号公報
上記の品質管理項目のうち、ろ水量は、掘削壁面の崩壊を防ぐ機能の一つである造壁性を評価する項目であり、ろ水量の増加は造壁性の機能低下を示し、この場合には安定液に劣化が生じているものと推定できる。しかし、ろ水量では、機能低下をもたらした安定液の劣化要因を推定することはできない。
特に、安定液にポリマー系安定液を使用する場合には、含有するポリマーに濃度低下や腐敗による分解が生じるとポリマー系安定液の劣化に大きな影響を及ぼすが、これらポリマーの変化を把握するための指標や方法は確立されていない。このため、上記の品質評価項目のみでは、ポリマー系安定液の劣化要因がいずれの事象によるものかを判別することができず、劣化したポリマー系安定液を再生させるべく再生処理を行う場合に、劣化要因に対応した適切な対策を講じることができない。
本発明は、かかる課題に鑑みなされたものであって、その主な目的は、地盤の掘削時に使用するポリマー系安定液に対して、劣化の度合いと劣化要因に応じて適切な再生処理を行うことの可能な、安定液の品質管理方法を提供することである。
かかる目的を達成するため、本発明の安定液の品質管理方法は、地盤の掘削時に使用されるポリマー系安定液に対して、ろ水量と化学的酸素要求量を適時測定し、前記ろ水量から劣化の度合いを把握するとともに、前記化学的酸素要求量に基づいて検知される有機物質の含有量からポリマーの濃度変化を推定することを特徴とする。
また、本発明の安定液の品質管理方法は、前記ろ水量が増加傾向にある場合に、前記ポリマーの濃度変化に応じて前記ポリマー系安定液の再生調合を行い、前記ろ水量の増加を抑制することを特徴とする。
上記の安定液の品質管理方法によれば、ろ水量と化学的酸素要求量を適時測定することから、ろ水量からポリマー系安定液の劣化が進行しているものと判断された場合に、化学的酸素要求量から推定されるポリマーの濃度変化に基づいて、ポリマー系安定液の劣化要因を特定することができる。これにより、劣化要因に対応した適切な対策を講じることができるため、高精度かつ効率的なポリマー系安定液の品質管理が可能となる。
したがって、廃棄処分せざるを得ない程度の劣化に至る前に、劣化要因に対応してポリマー系安定液の再生調合を行い、ろ水量の増加を抑制して造壁性に係る機能回復を図ることができる。このため、安全かつ経済的にポリマー系安定液を利用した地盤掘削施工を実施することが可能となる。
さらに、ろ水量を適時測定し経時的に観測することにより、早期の段階で劣化要因に対応した適切な再生調合を行ことができるため、循環使用するポリマー系安定液の廃棄処分となる量を大幅に低減することができるとともに、ポリマー系安定液の長寿命化を図ることが可能となる。
本発明によれば、ろ水量と化学的酸素要求量を適時観測することにより、ポリマー系安定液の劣化の度合いを評価しつつ、ポリマーの濃度変化に基づいて劣化要因を特定し、これに対応した適切な再生処理を行って、ポリマー系安定液の品質管理を行うことが可能となる。
本発明のポリマー系安定液を用いて掘削溝を構築する様子を示す図である。 本発明のポリマー系安定液のポリマー濃度とCOD値の相関関係を示すグラフである(その1)。 本発明のポリマー系安定液のポリマー濃度とCOD値の相関関係を示すグラフである(その2)。 本発明のポリマー系安定液の品質管理方法のフロー図を示すものである。 本発明のポリマー系安定液におけるろ水量とCOD値の経時変動を示すグラフである。
本発明におけるポリマー系安定液の品質管理方法は、地盤の掘削からコンクリートが打設されるまでの間、ポリマー系安定液にて掘削壁を保護するにあたり、ポリマー系安定液の品質管理項目に化学的酸素要求量を追加し、ポリマー系安定液の品質管理を行う方法である。
以下に、場所打ちコンクリート造の地中連続壁を構築するべく、地盤に構築される掘削溝の溝壁をポリマー系安定液にて保護する場合を事例とし、図1〜図5を参照して安定液の品質管理方法を説明する。なお、掘削壁は、必ずしも溝壁に限定されるものではなく、例えば場所打ちコンクリート杭を築造するための孔壁等、地盤を掘削して構築したいずれの掘削領域の掘削壁であってもよい。
図1で示すように、地盤掘削により構築途中の掘削溝1には、溝壁2の崩壊を防止するべくポリマー系安定液3が充填されている。ポリマー系安定液3は、主材であるポリマーにベントナイト、逸液防止材、分散剤等を添加したものであり、本実施の形態ではポリマーとして一般に広く知られているCMC(カルボキシメチルセルロース)を採用している。
このポリマー系安定液3は、掘削溝1に供給されると溝壁2から地盤内に浸透し、土粒子の間にポリマー系安定液3に含有されているベントナイトが付着する。これにより、溝壁2には不透水性の泥膜であるマッドフィルが形成されるが、その際、主材であるポリマーがベントナイトと土粒子との隙間を埋めるだけでなく、ベントナイトと土粒子の吸着を補助するとともに、ベントナイトの劣化を抑制し、より良好なマッドフィルムが形成される。
このように、溝壁2にマッドフィルムを形成する性能、いわゆる造壁性を有することで、マッドフィルムを介してポリマー系安定液3の液圧を溝壁2に作用させることができ、これにより、地盤側の土圧や水圧に抵抗して溝壁2の崩壊を防止して、溝壁2の安定性を確保する。
一方で、ポリマー系安定液3は、掘削土砂の排出媒体としても機能するものであり、地中掘削機4による地盤掘削により生じた掘削土砂とともに揚泥される。揚泥されたポリマー系安定液3は、掘削土砂が混入されることにより劣化して性質が変化することから、再生処理設備5に供給されて機能を回復するための物理的処理および再生調合等の再生処理が実施される。
なお、再生処理設備5は、掘削土砂が混入されたポリマー系安定液3から掘削土砂を分離するための土砂分離装置51と、掘削土砂が分離されたポリマー系安定液3を貯留する貯留槽52と、貯留槽52に貯留されたポリマー系安定液3の再生調合を行う調合装置53を備えている。
土砂分離装置51は、例えば、掘削土砂を重力により沈降させる沈殿槽や、機械的に掘削土砂を分離する振動式マッドスクリーン、サイクロン、スクリューデカンタ等、ポリマー系安定液3から掘削土砂を分離するべく一般に使用されている装置であれば、いずれを採用してもよい。また、調合装置53も、ポリマー系安定液3に補充する材料を添加可能であり、かつ、これらを混合撹拌可能な装置であれば、いずれの設備を有する装置であってもよい。
上記の再生処理設備5により再生処理が実施され、先にも述べた溝壁2の安定確保や掘削土砂の排出媒体等の機能が回復されたポリマー系安定液3は、循環利用されるべく再度掘削溝1に供給される。一方、再生処理によっても機能回復が見込めないポリマー系安定液3は、循環利用されることなく廃棄処分となる。
ところで、機能回復を図るべく調合装置53にてポリマー系安定液3の再生調合を行うにあたっては、掘削土砂が分離されたポリマー系安定液3に対してあらかじめ品質管理試験が行われる。その管理項目としては、ろ水量、粘性、比重、砂分およびpHの測定が一般に知られている。なかでも、ろ水量は、先にも述べた溝壁2の安定確保に寄与する造壁性を評価する項目であり、ろ水量が経時的に増加傾向を示す場合には、造壁性が低下するような劣化がポリマー系安定液3において進行しているものと判断される。
ここで、造壁性の機能が低下するような劣化要因としては一般に、ポリマーの減少、腐敗によるポリマーの分解、土中に存在するCa成分と接触することによる土粒子の凝集劣化、の3つの要因が知られている。しかし、ろ水量のみでは、いずれの劣化要因が起因して造壁性の機能を低下させているのかを特定することができない。
そこで、発明者らは鋭意検討した結果、ポリマーが有機物質であることに鑑み、水中に有機物質がどの程度含まれているかを示す指標であり、その値が大きいほど水中の有機物質が多いことを示す化学的酸素要求量(以下、COD値という。)に着目し、COD値とポリマー系安定液3のポリマー濃度との相関を検証するべく、室内実験を行った。
具体的には、2%ベントナイト溶液50mlにCMCや増粘剤等の異なる3種類のポリマー(A、B、C)をそれぞれ添加率が0.05%、0.1%、0.3%となるよう添加し、合計9種類の試料を作成する。これら9種類の試料各々のCOD値を測定し、図2及び図3で示すような、縦軸にポリマーの添加率および横軸にCOD値をとったグラフを3種類のポリマー(A、B、C)ごとに作成した。
なお、COD値の測定は、「JIS手分析法(JIS K 0102)」に定められた方法により行ってもよいが、本実施の形態では、簡易式COD計(COD−60A(TOA−DDK社製))による自動測定を行った。簡易式COD計による自動測定では、測定用セルに希釈した試料液5mlを採取して測定試薬Iを4mlと測定試薬IIを0.5ml
添加し、この測定用セルを測定ユニットにセットすることで自動計測によりCOD値が測定される。
また、本実施の形態において相関性の評価は、決定係数R2を指標に行っている。決定係数R2は、2つの変数(本実施の形態では、COD値とポリマーの添加率をいう)に対する回帰分析において、回帰直線が当てはまっているか否かを評価する指標であり、2つのデータ間の関係の強さを評価する際に用いる相関係数rの二乗と等しい。
一般的に、相関係数r≧0.7で2つのデータ間に高い相関があるとされ、決定係数R2≧0.5で回帰直線が適合していると判断される。そして、決定係数R2=0.5のとき、r≒0.7となるから、本実施の形態では、決定係数R2≧0.5の場合に、COD値とポリマーの添加率との間に有意な相関性が認められるものと判定する。
図2及び図3を見ると、3種類のポリマーA、B、CのすべてにおいてR2が0.9以上となり、0.5を大幅に上回る様子がわかる。これにより、COD値とポリマーの添加率との間には、ポリマーの種類によることなく有意な相関性があるものと想定できる。この結果から、COD値をポリマーの濃度変化を把握する指標として採用することとし、品質管理試験の管理項目に追加した。
以下に、ろ水量とCOD値を用いたポリマー系安定液3の品質管理方法を、図4のフロー図に沿って説明する。
〈STEP1〉
まず、図1で示すように、地中掘削機4にて地盤掘削を継続している状態において、溝壁2を安定に保持するべく掘削溝1に充填されたポリマー系安定液3を掘削土砂とともに揚泥する。次に、土砂分離装置51にて掘削土砂を分離し、掘削土砂を分離したポリマー系安定液3を貯留槽52に貯留する。そして、貯留槽52に貯留されたポリマー系安定液3からサンプルを採取し、ろ水量とCOD値を測定する。なお、従来より品質の管理項目として義務付けられている粘性、比重、砂分およびpHも測定を行っている。
ろ水量は、圧力下においてポリマー系安定液3をろ過したときの脱水量を、ろ水量として測定するものであり、本実施の形態では、ポリマー系安定液3の品質管理試験を実施する際に一般に広く用いられている、API(アメリカ石油協会)規格に準拠したろ過試験器および試験方法を採用している。また、COD値の測定は、前述したように簡易式COD計にて自動測定してもよいし、「JIS K 0102)」にて定められた方法で実施してもよい。
〈STEP2〉
ろ水量を確認し、測定値が管理基準値(ポリマー系安定液を使用する場合、一般に30mlとされる)を超えていないものの、経時的に増加傾向にある場合には、ポリマー系安定液3の劣化が進行しているものと判断し、劣化要因を特定するべくCOD値の変動傾向を確認する。
一方、ろ水量が管理基準値を超えている場合には、造壁性の機能が喪失したものと判断し、ポリマー系安定液3の廃棄処理を行うとともに新たに作液したポリマー系安定液3との入れ替えを行う。また、ろ水量の測定値が管理基準値を超えておらず、かつ経時的な変動が認められない場合には、ポリマー系安定液3が健全な状態にあるものと判断し、再生調合を実施することなくそのまま循環利用する。
〈STEP3〉
ポリマー系安定液3のCOD値の変動傾向を確認し、COD値が減少傾向にある場合、つまり有機物質が減少傾向にある場合には、ポリマー系安定液3に含有されるポリマーの濃度が低下しているものと推定できる。したがって、貯留槽52に貯留されたポリマー系安定液3を調合装置53に供給し、ポリマーを追加する再生調合を行ってポリマー濃度を調整し、濃度低下の防止を図る。
また、ポリマー系安定液3のCOD値が増加傾向にある場合、つまり有機物質が増加傾向にある場合には、ポリマー系安定液3中でバクテリアが繁殖してポリマーが腐敗し分解を生じ始めているものと推定できる。したがって、貯留槽52に貯留されたポリマー系安定液3を調合装置53に供給し、ポリマーを追加、もしくは耐腐敗性を有するポリマーを添加のいずれかの再生調合を行ってポリマー濃度の適正化を図る。なお、腐敗によるポリマーの分解が進行し造壁性の機能回復が見込めない場合には、廃棄処理を行うとともに新たに作液したポリマー系安定液3との入れ替えを行う。
さらに、ポリマー系安定液3のCOD値に変動が認められない、つまり有機物質の量が変動していない場合には、ポリマー系安定液3に含有されるポリマーの濃度に変化がないものと推定できる。この場合には、劣化要因がポリマーによるものではなく、土粒子の凝集劣化が生じ始めているものと推定できる。したがって、貯留槽52に貯留されたポリマー系安定液3を調合装置53に供給し、分散剤や炭酸ソーダ等の添加剤を添加する再生調合を行って土粒子を分散させるとともに、土粒子の凝集を予防する。
上記の通り、ろ水量の測定結果によりポリマー系安定液3の劣化の度合いを把握し、また、その経時変化によりポリマー系安定液3に劣化が進行しているものと判断された場合には、COD値の変動傾向からポリマーの濃度変化を把握することで、ポリマー系安定液3の劣化要因を特定することができる。これにより、高精度かつ効率的なポリマー系安定液3の品質管理が可能となる。
したがって、廃棄処分せざるを得ない程度の劣化に至る前に、劣化要因に対応した適切な再生調合を実施できることから、ろ水量の増加を抑制して確実に造壁性に係る機能回復を図ることができる。これにより、安全かつ経済的にポリマー系安定液3を利用した地盤掘削施工を実施することが可能となる。
さらに、ろ水量を適時測定し経時的に観測することにより、早期の段階で劣化要因に対応した適切な再生調合を行ことができるため、循環使用するポリマー系安定液の廃棄処分となる量を大幅に低減することができるとともに、ポリマー系安定液の長寿命化を図ることが可能となる。
上記の手順により再生されたポリマー系安定液3は、循環使用されるべく掘削溝1に再度供給される。また、上記の手順は、掘削溝1の構築が終了するまで繰り返し実施される。
なお、ろ水量およびCOD値の適時観測による経時的な変動傾向の把握は、最新の測定値と作液後であって掘削溝1への供給前の新液に対してあらかじめ測定した実測値との比較により把握してもよいし、経時観測を行って移動平均を算出し、これら移動平均から変動傾向を読み取ることにより把握するものであってもよい。
ろ水量およびCOD値の変動傾向を移動平均により把握する方法としては、例えば、地盤を100m3掘削するごとに、掘削溝1の3つの区画でろ水量とCOD値を測定しその平均値を取得する。これを1000m3分蓄積した後、測定結果の1000m3平均を算出する行為を、100m3掘削するごとに繰り返す。これらの結果から図5で示すように、横軸に掘削土累計量および横軸にろ水量とCOD値をとったグラフを作成する。
図5をみると、掘削土累計量が5500m3を超えるあたりから、ろ水量が基準管理値に達しないものの大幅に増加し始めており、ポリマー系安定液3が変質して劣化が進行している様子がわかる。このときCOD値をみると、掘削土累計量が6000m3を超えるあたりから、ろ水量の増加に追随するようにして増加し始めており、腐敗によるポリマーの分解が進行しているものと推定できる。したがって、ろ水量の増加を抑制するには、図4で示したフロー図にしたがって、ポリマーの追加もしくは耐腐敗性を有するポリマーへの変更と添加を検討するとよい。
この点について、発明者らは、掘削土累計量が5500m3を超えた時期は、5月下旬の気温が20度を超えた気象状況にあり、ポリマーの腐敗が進行しやすい環境にあったとともに、pHが通常12前後であるところ10.8まで低下しており、ポリマーが腐敗した際に起こる典型的な症状があらわれていたことを確認している。
このように、循環使用するポリマー系安定液3に対してろ水量とCOD値を適時観測し、取得した測定値に対して移動平均等の統計処理手段を用いることで経時的な変動傾向を把握することにより、ポリマー系安定液3の劣化の進行度合いと劣化要因を的確に把握することができる。
本発明のポリマー系安定液3の品質管理方法は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
例えば、本実施の形態では、ポリマー系安定液3の主材にCMCを採用したが、必ずしもこれに限定されるものではなく、増粘剤等ポリマー系安定液3の主材として一般に使用されている材料であれば、いずれを用いてもよい。また、主材に用いるポリマーは、1種類に限定されるものではなく、複数種類を混和させるものであってもよい。
さらに、再生処理設備5に対して、ろ水量とCOD値の測定から揚泥したポリマー系安定液3を再生調合するまでの一連の品質管理作業を実施することの可能な自動制御装置を備えて、ポリマー系安定液3の品質管理を自動制御するようにしてもよい。
1 掘削溝
2 溝壁
3 ポリマー系安定液
4 地中掘削機
5 再生処理装置
51 土砂分離装置
52 貯留槽
53 調合装置

Claims (2)

  1. 地盤の掘削時に使用されるポリマー系安定液に対して、ろ水量と化学的酸素要求量を適時測定し、
    前記ろ水量から劣化の度合いを把握するとともに、前記化学的酸素要求量に基づいて検知される有機物質の含有量からポリマーの濃度変化を推定することを特徴とするポリマー系安定液の品質管理方法。
  2. 請求項1に記載のポリマー系安定液の品質管理方法において、
    前記ろ水量が増加傾向にある場合に、前記ポリマーの濃度変化に応じて前記ポリマー系安定液の再生調合を行い、
    前記ろ水量の増加を抑制することを特徴とするポリマー系安定液の品質管理方法。
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