JP2018001638A - 中間製品、強化プラスチック製品、中間製品の製造方法、及び強化プラスチック製品の製造方法 - Google Patents

中間製品、強化プラスチック製品、中間製品の製造方法、及び強化プラスチック製品の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】軽量、安価で、しかも作業効率良く形成することができる、突起部を有する中間製品を提供する。【解決手段】突起部1b,1bを備えた中間製品1において、突起部1b,1bは、突起部1b,1bの外面を表皮状に構成する突起状の第1表面層F1と、第1表面層F1の内面側の中空部1gに充填された補強材Q1aとを有し、第1表面層F1は、所定形状の平面的な突起部用プリプレグP1を立体的な突起状に変形させることで構成されている。【選択図】図1

Description

本発明は、プリプレグで形成した突起部を有する中間製品、この中間製品を使用した強化プラスチック製品、中間製品の製造方法、及び強化プラスチック製品の製造方法に関する。
繊維強化複合体を生産効率良く、製造することができる製造方法が特許文献1に開示されている。
この製造方法は、強化用合成樹脂が含浸された強化繊維を含む下側繊維強化プラスチック層形成材を仮賦形可能な温度に加熱する下側形成材加熱工程と、上記加熱前後又は加熱中の上記下側繊維強化プラスチック層形成材上に発泡粒子又発泡性粒子を載置する粒子載置工程と、上記下側繊維強化プラスチック層形成材を上記下側金型に沿って仮賦形する仮賦形工程とを有している。
ところが、この製造方法では、製品の表面の比較的狭い範囲に急峻な突起部(凸部)を有するものは製造することができない。
このような突起部は、例えば、シート状の中間基材であるプリプレグを使用して形成することができる。突起部を薄く輪切りにしたような形状の多数枚のプリプレグを準備し、基体となるプリプレグの表面に、多数枚のプリプレグを下から順次貼着して積み上げていくことにより、突起部を形成することができる。以下、この技術を「従来技術1」という。
特開2015−47757号公報
しかしながら、上述の従来技術1によれば、突起部を形成することはできるものの、この突起部は、上述のように多数枚のプリプレグを下から順次貼着して積み上げていくことで形成するため、作業効率が悪いという問題があった。さらに、突起部全体がプリプレグによって中実に構成されるため、重量が重く、材料コストが高いといった問題があった。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、軽量、安価で、しかも作業効率良く形成することができる、突起部を有する中間製品、この中間製品を使用した強化プラスチック製品、中間製品の製造方法、及び強化プラスチック製品の製造方法を提供することを目的とする。
請求項1に係る発明は、突起部を備えた中間製品において、前記突起部は、前記突起部の外面を表皮状に構成する突起状の第1表面層と、前記第1表面層の内面側の中空部に充填された補強材と、を有し、前記第1表面層は、所定形状の平面的な突起部用プリプレグを立体的な突起状に変形させることで構成されている、ことを特徴とする。
請求項2に係る発明は、請求項1に係る中間製品において、前記突起部用プリプレグは、前記第1表面層を平面的に展開した展開形状に形成されている、ことを特徴とする。
請求項3に係る発明は、請求項2に係る中間製品において、前記突起部用プリプレグは、前記突起部の頂部に対応する部分を中心として展開した展開形状に形成されている、ことを特徴とする。
請求項4に係る発明は、請求項1ないし3のいずれか1項に係る中間製品において、前記突起部の基端部に連続して前記突起部の基台となるベース部を備える、ことを特徴とする。
請求項5に係る発明は、請求項4に係る中間製品において、前記ベース部は、前記第1表面層に連続する第2表面層と、前記第2表面層の裏面側及び前記補強材の裏面側に積層された裏面層と、を有する、ことを特徴とする。
請求項6に係る発明は、突起部を備えた強化プラスチック製品において、前記突起部を有する中間製品と、前記中間製品が一部に組み込まれた表面側プリプレグと、前記表面側プリプレグに対向する裏面側プリプレグと、前記表面側プリプレグと前記裏面側プリプレグとの間に挟持された、熱硬化後の熱硬化性樹脂発泡体と、を備え、前記中間製品が、請求項1ないし5のいずれか1項に係る中間製品である、ことを特徴とする。
請求項7に係る発明は、突起部を備えた中間製品を、シート状のプリプレグを使用して製造する、中間製品の製造方法において、
所定形状の突起部用プリプレグをシート状の前記プリプレグから型抜きする抜き工程と、
前記突起部用プリプレグを、第1金型に形成された、前記突起部と同形のキャビティに押し付けて前記キャビティの形状を写し取る賦形工程と、
賦形後の前記突起部用プリプレグの内面側の中空部に補強材を詰め込み、前記補強材を覆うように熱硬化性樹脂発泡体を重ねる第1セット工程と、
前記補強材が詰め込まれた前記突起部用プリプレグ及び前記熱硬化性樹脂発泡体を、前記第1金型と第2金型との間に挟み込んで加熱・加圧・冷却する第1加熱・加圧工程と、を有する、
ことを特徴とする。
請求項8に係る発明は、請求項7に係る中間製品の製造方法において、前記抜き工程と前記賦形工程との間に、前記突起部の概形を有する凸状治具に、前記突起部用プリプレグを押し付けて前記突起部の概形を形成する予備賦形工程を設ける、ことを特徴とする。
請求項9に係る発明は、突起部を備えた中間製品を使用して強化プラスチック製品を製造する、強化プラスチック製品の製造方法において、
前記中間製品を、表面側プリプレグに組み込む一体化工程と、
前記突起部を、前記突起部と同形のキャビティを有する第1金型の前記キャビティに挿入して、前記第1金型に前記表面側プリプレグをセットする第2セット工程と、
前記第2セット工程後の前記表面側プリプレグに、熱硬化性樹脂発泡体を含む基体を重ね、さらに前記基体に裏面側プリプレグを重ねる第3セット工程と、
前記第3セット工程後の前記表面側プリプレグ、前記基体、及び前記裏面側プリプレグを、前記第1金型と第2金型との間に挟み込んで加熱・加圧・冷却する第2加熱・加圧工程と、を有し、
前記中間製品が、請求項7又は8に記載の中間製品の製造方法によって製造された中間製品である、ことを特徴とする。
請求項10に係る発明は、請求項9に係る強化プラスチック製品の製造方法において、前記基体が、前記熱硬化性樹脂発泡体と補強用プリプレグとの積層構造である、ことを特徴とする。
請求項1の発明によれば、突起部は、突起部用プリプレグを立体的な突起状に変形させた第1表面層と、その内面側の中空部に充填された補強材とを有している。
これにより、多数枚のプリプレグを積み上げることで形成された従来技術1の突起部と比較して、作業効率よく形成することができる。
さらに、補強材の材質についての選択の自由度が高いので、補強材として、例えば、プリプレグよりも軽量(比重が小さい)で安価なものを使用することができ、この場合には、中間製品全体を軽量、安価に形成することができる。
請求項2の発明によれば、突起部用プリプレグは、第1表面層を平面的に展開した展開形状に形成されているので、これを立体的に変形させることで、容易に第1表面層を形成することができる。
請求項3の発明によれば、突起部用プリプレグは、突起部の頂部に対応する部分を中心とした展開形状に形成されているので、突起部用プリプレグを立体的な突起状の第1表層部へと変形させる際に、この突起部の頂部に対応する部分を基準として変形させることができるので、形の整った変形を作業効率良く行うことができる。
請求項4の発明によれば、中間製品は、突起部の基端部に連続して突起部の基台となるベース部を備えているので、例えば、中間製品を一部として含む強化プラスチック製品を製造する際に、このベース部を利用することで、製造の作業性を高めるとともに、突起部の強度を容易に確保することができる。
請求項5の発明によれば、ベース部は、第1表面層に連続する第2表面層と、第2表面層の裏面側及び補強材の裏面側に積層された裏面層とを有しているので、このベース部は、突起部用プリプレグが薄い場合(例えば、0.25mm程度)であっても、補強材と相まって第1表面層形状を保持することができる。
請求項6の発明によれば、強化プラスチック製品は、上述の中間製品、表面側プリプレグ、裏面側プリプレグ、及び熱硬化後の熱硬化性樹脂発泡体を備えているので、安価、軽量で、しかも作業効率良く製造することができる。
請求項7の発明によれば、中間製品の製造方法は、上述の抜き工程、賦形工程、第1セット工程、及び第1加熱・加圧工程を有している。第1加熱・加圧工程においては、賦形後の突起部用プリプレグが加熱・加圧により一旦、軟化し、その後の冷却により硬化して突起部の表皮を構成する第1表面層となる。また、熱硬化性樹脂発泡体は、加熱・加圧により溶融され、その後の冷却により硬化して補強材の裏面側を覆う裏面層となる。
この請求項7の発明によれば、中間製品を軽量で安価に、しかも作業効率良く製造することができる。
請求項8の発明によれば、中間製品の製造方法は、抜き工程と賦形工程との間に、上述の予備賦形工程を有しているので、作業効率をさらに高めることができる。
請求項9の発明によれば、強化プラスチック製品の製造方法は、上述の一体化工程、第2セット工程、第3セット工程、及び第2加熱・加圧工程を有しているので、軽量で安価な強化プラスチック製品を作業効率良く製造することができる。
請求項10の発明によれば、基体が熱硬化性樹脂発泡体と補強用プリプレグとの積層構造であるので、補強用プリプレグの枚数を加減することにより、強度の増減や重量の軽重を容易に調整することができる。
すなわち、補強用プリプレグの枚数を増やすことにより、強度が増加し、重量が重くなる。一方、補強用プリプレグの枚数を減らすことにより、強度が低下し、重量が軽くなる。
図1〜図10は実施形態1を説明する図であり、このうち図1(A)は製造方法M1によって製造された中間製品1の斜視図、(B)は(A)中のX−X線矢視拡大図、(C)は右側面図である。 製造方法M1の一連の工程を説明する図である。 (A)は所定形状のプリプレグの使用枚数、形状等を説明する図であり、(B)は所定形状のスポンジ(熱硬化性樹脂発泡体)の使用枚数、形状等を説明する図である。 型抜きされたプリプレグの形状を説明する図である。 プリプレグの型取りを説明する図である。 スポンジの型取りを説明する図である。 (A)〜(F)は製造方法M1の詳細を説明する図である。 補強材Q1aを説明する図であり、(A)は正面側から見た突起部1bの断面図、(B)は右側面側から見た突起部1bの断面図である。 補強材Q1bを説明する図である。 予備賦形工程S1´を説明する図である。 図11〜図13は実施形態2を説明する図であり、このうち図11(A)は製造方法M2によって製造された強化プラスチック製品2を示す斜視図、(B)は正面図、(C)は右側面図である。 製造方法M2の一連の工程を説明する図である。 (G)〜(I)は製造方法M2の詳細を説明する図である。 (A)〜(D)は中間製品13〜16、突起部用プリプレグP13〜P16、及び補強材Q13a〜Q16a等を説明する図である。
以下、本発明を適用した実施形態を、図面に基づいて詳述する。なお、各図面において、同じ符号を付した部材等は、同一又は類似の構成のものであり、これらについての重複説明は適宜省略するものとする。また、各図面においては、説明に不要な部材等は適宜、図示を省略している。
以下では、実施形態1において、中間製品1、及び中間製品の製造方法M1(以下単に、製造方法M1という。)を説明する。また、実施形態2において、強化プラスチック製品2、及び強化プラスチック製品の製造方法M2(以下単に、製造方法M2という。)を説明する。
以下では、中間製品1が強化プラスチック製品2の一部を構成し、また、製造方法M1の工程に続いて、製造方法M2の工程を行う場合を例に説明する。
<実施形態1>
図1〜図10を参照して、本発明を適用した実施形態1に係る中間製品1及びその製造方法M1について説明する。
図1〜図10のうち、図1は、製造方法M1によって製造された中間製品1を説明する図であり、(A)は斜視図、(B)は(A)中のX−X線矢視拡大図、(C)は右側面図である。また、図2は、製造方法M1の一連の工程を説明する図である。
図1(A)〜(C)に示す中間製品1は、大きなシート状のプリプレグP0(図5参照)及び大きなシート状のスポンジ(熱硬化性樹脂発泡体)Q0(図6参照)を主材料として形成される。
本実施形態で使用されるプリプレグP0は、炭素繊維に熱硬化性樹脂を含浸させた半硬化状態のシート状の中間材料である。プリプレグP0を使用して製造される中間製品1は、強度的に安定していて、強度のバラツキが少ない。なお、シート状のプリプレグP0として、例えば、厚さが0.25mm程度のものを使用することができる。
一方、スポンジQ0は、加熱によって溶融して体積を減少させ、加熱の停止によって冷却されて硬化する。
中間製品1は、図1(A)〜(C)に示すように、ほぼ平坦な長方形状のベース部(基台)1aと、このベース部1aから突出するほぼ三角形状で板状の2つの突起部1b,1bとを備えている。
各突起部1bは、突起状の第1表面層F1と、その内面側の中空部1gに詰め込まれた補強材(充填材)Q1aとによって構成されている。
このうち第1表面層F1は、突起部1bの外面を表皮状に構成するものであり、後述する所定形状の平面的な(シート状の)突起部用プリプレグP1(図4参照)の一部を立体的な突起状に変形させることによって形成されている。
第1表面層F1は、三角形状の前面1c及び後面1dと、これらの間の側面1eとを有している。前面1cと後面1dとは平行であり、また、側面1eは、外側に向かって緩やかな凸状に湾曲した曲面によって前面1cと後面1dとを連結している。各突起部1bの最も高い位置、つまりベース部1aからの距離が最大となる位置は、頂部1hとなっている。各突起部1bは、基端部1fがベース部1aに緩やかなカーブで滑らかに接続されている。2つの突起部1b,1bは、所定間隙t1を介して相互に平行に配置されている。中空部1gは、突起部1bの第1表面層F1の内側に形成された、下方に向かって開口した空間であり、その厚さは、厚さt2となっている。
補強材Q1aは、中空部1gとほぼ同形に形成されている。補強材Q1aは、正面側から見た形状が三角形状で、厚さが中空部1gの厚さt2とほぼ同じの板状に形成されていて、中空部1gのほぼ全体に詰め込まれて(充填されて)いる。
上述の突起部1b,1bとともに中間製品1を構成するベース部1aは、第2表面層F2と、裏面層Rとの2層によって構成されている。
このうち第2表面層F2は、ベース部1aのうちの、突起部1b,1bがある側の層を構成していて、上述の突起部1b,1bの第1表面層F1と連続している。この第2表面層F2と上述の第1表面層F1とによって、中間製品1全体の表面層Fが構成されている。本実施形態では、表面層Fは、後述する所定形状の平面的な1枚の突起部用プリプレグP1を立体的に変形させることによって形成されている。
一方、裏面層Rは、ほぼ長方形の薄板状に形成されていて、補強材Q1aの裏面側及び第2表面層F2の裏面側を覆うように補強している。なお、裏面層Rは、後述するように、長方形のシート状の突起部用のスポンジQ2を8枚重ね、これを加熱、加圧、冷却することによって、薄板状に硬化させたものである。
ここで、ベース部1aの厚さT、及び面積Sについて説明する。
中間製品1のベース部1aの厚さTは、図1(B)に示すように、第2表面層F2の厚さをTa、裏面層Rの厚さをTbとすると、
T=Ta+Tb
となる。
このベース部1aは、突起部1bを支持する。この観点からは、ベース部1aの厚さTは厚い方がよい。
また、ベース部1aは、後述する一体化工程S5(図12、図13参照)において、表面側プリプレグ5a等に中間製品1が組み込まれた際に、表面側プリプレグP5aの一部と重なる。このため、最終的な強化プラスチック製品2において、ベース部1aの周縁部に対応する部分に段差が発生するおそれがある。この段差は、ベース部1aの厚さTが厚いほど大きくなる。この観点からは、ベース部1aは薄い方がよい。
そこで、本実施形態では、図1(B)に示すように、ベース部1aの厚さをT、第2表面層F2の厚さTa、及び裏面層Rの厚さTbの間に、
Ta≦Tb≦Ta×12(Ta×2≦T≦Ta×13)
の関係が成り立つようにした。
これにより、ベース部1aの強度を確保しつつ、段差の発生を抑制するようにした。
なお、実用的には、
Ta×3≦Tb≦Ta×6(Ta×4≦T≦Ta×7)
とするとさらに好適である。
次に、中間製品1のベース部1aの面積Sは、図1(A)に示すように、第2表面層F2の面積をSa、2個の突起部1b,1bの合計の底面積をSbとすると、
S=Sa+Sb
となる。
なお、上述のベース部1aの面積Sは、長方形の裏面層Rの面積と等しくなる。
ベース部1aは、その面積Sが大きいほど、中間製品1全体の強度が高くなる。この点を考慮すると、ベース部1aの面積Sは大きいほどよく、例えば、
S≒(Sb×2)×10
程度とするとよい。
なお、最低でも、
S≧Sb×3
程度とすることが好ましい。
以上説明した中間製品1は、図2に示す製造方法M1によって製造される。
製造方法M1は、以下に説明する抜き工程S1、賦形工程S2、第1セット工程S3、及び第1加熱・加圧工程S4を有している。
[抜き工程S1]
抜き工程S1は、所定形状のプリプレグを、シート状のプリプレグP0から型抜きする工程である。
ここで、図3(A)は所定形状のプリプレグの使用枚数、形状等を説明する図であり、(B)は所定形状のスポンジ(熱硬化性樹脂発泡体)の使用枚数、形状等を説明する図である。
また、図4は、型抜きされた所定形状のプリプレグを説明する図である。
また、図5は、大きなシート状のプリプレグP0からの、所定形状のプリプレグの型取りを説明する図である。
また、図6は、大きなシート状のスポンジQ0からの、所定形状のスポンジの型取りを説明する図である。
ここで、図5に示すシート状のプリプレグP0は、例えば、織物状の炭素繊維にマトリックス樹脂を含浸させて形成したものであり、炭素繊維に織り方に基づいて、例えば、矢印R1方向(プリプレグP0の長辺方向)及びこれに直交する矢印R2方向(プリプレグP0の短辺方向)の強度が他の方向の強度よりも強いものとする。また、本実施形態で使用するプリプレグP0の厚さは、上述のように、0.25mm程度であるものとする。
図3(A)、図4に示すように、実施形態1の中間製品1及び実施形態2の強化プラスチック製品2の製造には、所定形状、所定枚数のプリプレグが使用される。
中間製品1の製造には、突起部用プリプレグP1(形状K1)が1枚、必要に応じて第1補強用プリプレグP2(形状K2)が2枚使用される。
一方、後述する強化プラスチック製品2の製造には、上述の中間製品1に加えて、必要に応じて第2補強用プリプレグP4(形状K4)が1枚、表面側プリプレグP5a(形状K5)が1枚、裏面側プリプレグP5b(形状K5)が1枚、必要に応じて第3補強用プリプレグP6a(形状K6)が2枚、そして、第3補強用プリプレグP6b(形状K6)が1枚使用される。
なお、図4中の型紙K3は、中間製品1のベース部1aの長方形状の外形を決めるためのガイドである。型紙K3のガイド線Kcがベース部1aの外形に相当する。
ここで、図5に示す大きなプリプレグP0は、上述のように、長辺方向(矢印R1方向)及び短辺方向(矢印R2方向)が強度的に強い方向(以下「強度方向」という。)である。長方形状の3枚のプリプレグ、すなわち表面側プリプレグP5a、裏面側プリプレグP5b、及び第3補強用プリプレグP6bは、大きなプリプレグP0と同様、いずれも長辺方向(矢印R1方向)及び短辺方向(矢印R2方向)が強度方向となる。
これに対し、長方形状の3枚のプリプレグ、すなわち第2補強用プリプレグP4、及び第3補強用プリプレグP6a,P6aは、長辺及び短辺が、大きなプリプレグP0の長辺及び短辺に対して例えば45度(θ=45度)傾斜した向きで型抜きされている。このため、第2補強用プリプレグP4、及び第3補強用プリプレグP6a,P6aは、長辺及び短辺に対して45度傾斜した方向が強度方向となる。つまり、これら6枚のプリプレグを、それぞれの長辺及び短辺が同じ方向を向くように重ねた場合には、第2補強用プリプレグP4、及び第3補強用プリプレグP6a,P6aは、上述の表面側プリプレグP5a、裏面側プリプレグP5b、及び第3補強用プリプレグP6bに対して、強度方向が45度、傾斜することになる。つまり、45度のバイアスがかかっているといえる。
このように、プリプレグを積層する際、バイアスのかかったプリプレグを含めることにより、折り曲げ強度やねじれ強度を高めることができる。
以上の各所定形状のプリプレグは、図5に示す、大きなシート状のプリプレグP0から、例えば、プレス等によって型抜きされる。
ここで、突起部用プリプレグP1の形状K1は、中間製品1の表面層Fを平面的に展開した数学的な展開図(と、この展開図に適宜な重畳部分(重なり部分)を付加した形状(以下、展開形状という。)となっている。逆に言うと、展開形状(所定形状)の平面的な1枚の突起部用プリプレグP1を立体的に変形させることによって、中間製品1の表面層Fを構成している。
具体的には、突起部用プリプレグP1は、型抜きされた長方形状のプリプレグP1´(図5参照)の各長辺に2箇所ずつ、合計4箇所にホームベース状の切欠き部Paを設けることで形成されている。切欠き部Paは、傾斜部Pb,Pbを有している。
図4に示す突起部用プリプレグP1の各部分a,c,d,hは、変形後には、図1に示す中間製品1の表面層Fと以下のように対応する。
3つの部分aは、ベース部1aの第2表面層F2に対応する。また、2つの部分cは、突起部1b,1bの第1表面層F1の前面1c,1cに対応し、2つの部分dは、後面1d,1dに対応している。そして、切欠き部Paの傾斜部Pb,Pbの近傍が側面1eに対応している。また、点h,hは、第1表面層F1の頂部1h,1hに対応している。
展開形状の突起部用プリプレグP1は、少なくとも各第1表面層F1に対応する部分c,dが全体として、点hを中心に形成されており、また、点hを通り、かつ部分c,dの境界を通る中心線Cを基準として線対称に形成されている。さらに、2つの突起部1b,1bを有する本実施形態では、突起部用プリプレグP1は、2つの突起部1b,1bの第1表面層F1,F1及びベース部1aの第2表面層F2を1枚の突起部用プリプレグP1で構成している。さらに、突起部用プリプレグP1は、全体が、2本の中心線Cに平行でこれらの中間に位置する中心線C0を基準として線対称に形成されている。
次に、形状K2の第1補強用プリプレグP2は、プリプレグP2´を縦長に2等分し、さらに、突起部用プリプレグP1の切欠き部Paに対応する位置に、三角形状の切欠き部Pcが形成されている。
形状K4の第2補強用プリプレグP4は、長方形に形成され、後述する、突起部1b,1bが挿入されるスリットKa,Kaを有している。
形状K5の表面側プリプレグP5aは、長方形に形成され、第2補強用プリプレグP4のスリットKa,Kaに対応する位置に、2本の細いスリットKbを有している。なお、表面側プリプレグP5aと同形の裏面側プリプレグP5bには、スリットKb,Kbは形成されていない。
図3(B)、図6に示すように、実施形態1の中間製品1及び実施形態2の強化プラスチック製品2の製造には、所定形状、所定枚数のスポンジ(熱硬化性樹脂発泡体)が使用される。
中間製品1の製造には、補強材用のスポンジQ1が2枚、突起部用のスポンジQ2が8枚使用される。
一方、強化プラスチック製品2の製造には、上述の第3補強用プリプレグP6a,P6bとほぼ同形の、強化プラスチック製品用のスポンジQ6が8枚使用される。
これらスポンジQ1,Q2,Q6は、図6に示す大きなのシート状のスポンジQ0から切りだされる。
[賦形工程S2]
図7(A)〜(F)は、製造方法M1の詳細を説明する図である。
ここで、図7(A−1)は、第1金型10の平面図、(A−2)は(A−1)中のX−X線斜視図、(A−3)は(A−1)中のY−Y線矢視図である。
賦形工程S2は、突起部用プリプレグP1を、第1金型10に形成された、突起部1b,1bと同形のキャビティ11,11に押し付けてキャビティ11,11の形状を写し取る工程である。
第1金型10は、図7(A)に示すように、中間製品1の突起部1b,1bと同形の、ほぼ三角形の板状に凹んだキャビティ11,11を有している。
賦形工程S2においては、まず、図7(B)に示すように、突起部用プリプレグP1を、金型10のキャビティ11を覆うようにして載せる。
次に、図7(C)に示すように、へらH等を使用して、突起部用プリプレグP1の一方の部分c,dを、一方のキャビティ11に押し込み、また、他方の部分c,dを他方のキャビティ11に押し込む。さらに、部分c,dをキャビティ11の内面に押し付けて、平面的だった突起部用プリプレグP1を突起部1b,1bに倣った立体的な突起状に変形(賦形)する。
なお、賦形前あるいは賦形中に、突起部用プリプレグP1の変形を容易にすべく、突起部用プリプレグP1を加熱して軟化させるようにしてもよい。
軟化は、例えば、賦形前に第1金型10を予熱し、その上に突起部用プリプレグP1を載せることによって行うことができる。このときの予熱の温度としては、例えば、100〜150℃程度が好適である。
なお、突起部1b,1bを補強した方が好ましい場合には、図7(B)に示すように、各突起部1b,1bに対応する第1補強用プリプレグP2,P2を突起部用プリプレグP1に重ねて使用するとよい。
上述の抜き工程S1と賦形工程S2との間に予備賦形工程S1´を設けてもよい。なお、この予備賦形工程S1´については、第1加熱・加圧工程S4の説明を終えた後に説明する。
[第1セット工程S3]
第1セット工程S3は、図7(D),(E)に示すように、賦形後の突起部用プリプレグP1の内面側の中空部1gに補強材Q1aを詰め込み(セットし)、さらに、補強材Q1aを覆うようにスポンジQ2を重ねる(セットする)工程である。
なお、突起部1bの形状について、後述する第1加熱・加圧工程S4において加熱によって溶融されたスポンジQ2が中空部1gに十分に入り込みやすい形状の場合には、特に補強材Q1aを詰め込まなくてもよい。つまり、スポンジQ2が溶融されて中空部1gの充填され、その後、硬化されたものが補強材Q1を構成することになる。
ここで、図8は、補強材Q1aを説明する図であり、(A)は正面から見た突起部1bの断面図、(B)は右側面から見た突起部1b,1bの断面図である。ただし、図8は、図7(D),(E)に対して、上下が逆に図示されている。
上述の補強材Q1aとしては、例えば、スポンジQ1,Q1を、加熱、加圧、冷却して、突起部1bの第1表面層F1の内面側の中空部1gとほぼ同形に硬化させたものを使用することができる。
なお、補強材としては、上述では、中空部1gとほぼ同形に形成された補強材Q1aを使用していたが、これに代えて、2つ以上のピースに分割してこれらを組み合わせることで、中空部1gとほぼ同形にしたり、汎用性のある単純な形状の複数の立体を組合せて、表面層の中空部1gとほぼ同形にしたりするものであってもよい。
例えば、図9に示すように、タブレット状(円板状)の補強材Q1bを複数、詰め込むようにしてもよい。補強材Q1bは、スポンジQ1を、加熱、加圧、冷却して、一旦溶融させたものを、タブレット状に硬化させたものである。この場合、タブレット状の補強材Q1bの、矢印R3方向から見た厚さは、中空部1gの厚さt2(図1(C)参照)とほぼ同程度とする。これにより、突起部1bの中空部1gの厚さt2が不要に狭められることを防止することができる。さらに、補強材Q1bの形状を、突起部1bの中空部1gにおける頂部1h近傍の形状と合わせておけば、補強材Q1bを中空部1gに詰め込む際に、補強材Q1bを内面側から頂部1h近傍に押し付けることにより、その形状を整えることができる。
本実施形態では、第1セット工程S3として、上述の補強材Q1aを中空部1gに詰め込んだ後、補強材Q1aの裏面側及び第2表面層F2の裏面側を覆うようにして8枚のスポンジQ2を重ねるようにしている。
[第1加熱・加圧工程S4]
第1加熱・加圧工程S4は、図7(E)に示すように、補強材Q1aが詰め込まれた突起部用プリプレグP1、及びスポンジQ2を、第1金型10と第2金型20との間に挟み込んで加熱・加圧・冷却する工程である。
これにより、補強材Q1aが詰め込まれた突起部用プリプレグP1は、表面層Fとなり、また、8枚のスポンジQ2は圧縮、硬化されて薄板状の裏面層Rとなって、突起部用プリプレグP1、補強材Q1aと強固に一体化される。
なお、補強材Q1aに代えて、タブレット状の複数の補強材Q1bが使用された場合には、隣接する補強材Q1bの間や補強材Q1bと突起部用プリプレグP1との間には、加熱・加圧されて溶融されたスポンジQ2が入り込み、その後の冷却により、硬化されることになる。なお、冷却は、加熱を停止する自然放熱によって行うことができる。
ここで、補強材Q1a,Q1bとスポンジQ2とは、必ずしも同材質とする必要はないが、同材質にした場合には、強度を均一にすることができるといった効果がある。
その後、図4の型紙K3のガイド線Kcに倣って、ベース部1aからバリN(図7(F)参照)を切除することにより、ベース部1a及び突起部1bを有する中間製品1を製造することができる。
以上説明した抜き工程S1〜第1加熱・加圧工程S4を有する製造方法M1によると、以下のような作用、効果を奏することができる。
プリプレグP0を中間材料として、比較的、急峻な突起部1bを有する中間製品1を製造することができる。また、上述の製造方法M1によれば、従来技術1のものとは異なり、中間製品1を、作業効率良く、材料コストを抑制し、しかも軽量に形成することができる。
上述の製造方法M1では、抜き工程S1から賦形工程S2に移行したが、これらの工程の間に、予備賦形工程S1´を設けるようにしてもよい。
この予備賦形工程S1´は、図10に示す、中間製品1の突起部1b,1bと類似した形状の凸状部G1,G1を有する凸状治具Gを使用して概形を形成する工程である。
凸状部G1,G1に突起部用プリプレグP1を被せ、へら等を使用して、凸状部G1,G1の外面に押し付ける。
この予備賦形工程S1´によって、突起部用プリプレグP1を予め、突起部1b,1bに近い形状とし、その後、この凸状治具Gを用いて、突起部用プリプレグP1を金型10のキャビティ11に挿入する。
なお、この予備賦形工程S1´は、常温で、あるいは突起部用プリプレグP1を適度に加熱して軟化させた状態で行ってもよい。
さらに、この予備賦形工程S1´で予備賦形(仮賦形)された突起部分を、凸状部G1,G1に被せたままで、第1金型10のキャビティ11,11に挿入するようにすれば、その挿入作業を容易に行うことができる。
このような予備賦形工程S1´を、抜き工程S1と賦形工程S2との間に設けることにより、突起部用プリプレグP1に対する賦形を、効率よく行うことができる。
以上の実施形態では、中間製品1のベース部1aが平面的な長方形状である場合を例に説明したが、これに限定されるものではない。例えば、形状については、正方形、円形、楕円形等の任意の形状とすることができ、また、平面的に限らず、緩やかに湾曲した形状であってもよく、さらには、中間製品1が組み込まれる強化プラスチック製品2の形状に対応したものであってもよい。
<実施形態2>
図11〜図13を参照して、本発明を適用した強化プラスチック製品2及びその製造方法M2について説明する。
ここで、図11(A)は、製造方法M2によって製造された強化プラスチック製品2の斜視図、(B)は同じく正面図、(C)は同じく右側面図である。
図12は、製造方法M2の一連の工程を説明する図である。
図13(G)〜(I)は、製造方法M2の詳細を説明する図である。
まず、図11(A)〜(C)を参照して、製造方法M2によって形成される、突起部1b,1bを有する強化プラスチック製品2について説明する。
強化プラスチック製品2は、突起部1b,1bを有する上述の中間製品1と、この中間製品1と一体のベース板2aとを備えている。
このうちベース板2aは、いずれも長方形状に形成された表面層2b、これに対向する裏面層2c、及び表面層2bと裏面層2cとの間に挟持された支持層2dを有している。
これら表面層2b、裏面層2c、及び支持層2dは、この順に、後述する表面側プリプレグP5a、裏面側プリプレグP5b、及び圧縮硬化されたスポンジQ6によって構成されている。
上述の強化プラスチック製品2は、図12に示す製造方法M2によって製造される。製造方法M2は、一体化工程S5、第2セット工程S6、第3セット工程S7、及び第2加熱・加圧工程S8を有している。
本実施形態2で使用される材料、つまりプリプレグ及びスポンジは、上述の実施形態1で説明したものである。
すなわち、本実施形態では、上述の中間製品1の外、図3〜図6に示す、第2補強用プリプレグP4が1枚、表面側プリプレグP5aが1枚、裏面側プリプレグP5bが1枚、第3補強用プリプレグP6a,P6bが計3枚使用され、さらに、強化プラスチック用のスポンジQ6が8枚使用される。
つづいて、一体化工程S5〜第2加熱・加圧工程S8の順に詳述する。
[一体化工程S5]
一体化工程S5は、図13(G)に示すように、中間製品1を、表面側プリプレグP5aに組み込んでこれらを一体化する工程である。
すなわち、第2補強用プリプレグP4のスリットKa,Ka(図4参照)に中間製品1の突起部1b,1bを挿入し、さらに、表面側プリプレグP5aのスリットKb,Kbに突起部1b,1bを挿入して、第2補強用プリプレグP4の表面側(図13(G)中の上側)に表面側プリプレグP5aを重ねる。
これにより、中間製品1と、第2補強用プリプレグP4と、表面側プリプレグP5aが一体化される。
なお、表面側プリプレグP5aによって十分な強度を確保することができる場合には、第2補強用プリプレグP4は、省略してもよい。
[第2セット工程S6]
第2セット工程S6は、図13(H)に示すように、突起部1b,1bを、これと同形のキャビティ11,11を有する第1金型10のそのキャビティ11,11に挿入して、第1金型10に一体化後の表面側プリプレグP5aをセットする工程である。
[第3セット工程S7]
第3セット工程S7は、図13(I)に示すように、第2セット工程S6後の表面側プリプレグP5aに、スポンジQ6を含む基体3を重ね、さらにこの基体3に裏面側プリプレグP5bを重ねる工程である。
本実施形態では、基体3は、第3補強用プリプレグP4とスポンジQ6とを積層することによって構成されている。すなわち、積層構造の全体は、第1金型10に近い側から順に(図13(I)中の下から順に)、一体化された表面側プリプレグP5a、2枚のスポンジQ6,Q6,補強用プリプレグP6a、2枚のスポンジQ6,Q6、バイアスのかかった補強用プリプレグP6b、2枚のスポンジQ6,Q6、補強用プリプレグP6a、2枚のスポンジQ6,Q6、そして最後に裏面側プリプレグP5bとなっている。
つまり、基体3は、下から順に配置された3枚の補強用プリプレグP6a、P6b、P6aと、これらの間の2箇所と、下の補強用プリプレグP6aの下側及び上の補強用プリプレグP6aの上側の2箇所との合計4箇所に2枚ずつ、合計8枚のスポンジQ6が配置された積層構造となっている。
[第2加熱・加圧工程S8]
第2加熱・加圧工程S8は、図13(I)に示すように、第3セット工程S7後の表面側プリプレグP5a、基体3、及び裏面側プリプレグP5bを、第1金型10と第2金型20との間に挟み込んで加熱・加圧・冷却する工程である。なお、冷却は、雰囲気中に放置した自然冷却とすることができる。
この第2加熱・加圧工程S8により、プリプレグの重畳部分(表裏方向に隣接して接触している部分)は、溶融されて一体化された後に硬化され、スポンジQ6は、溶融されて圧縮された後に硬化される。
これにより、表面側プリプレグP5aは、強化プラスチック製品2の表面層2bを構成し、裏面側プリプレグP5bは、裏面層2cを構成し、基体3は、支持層2dを構成する。なお、本実施形態では、支持層2dの中に、補強用プリプレグP6a,P6bが含まれることになる。
以上の一体化工程S5〜第2加熱・加圧S8を経て製造された強化プラスチック製品2は、第1金型10と第2金型20から取り出され、バリ等の不要な部分が切除されて完成する。
以上説明した一体化工程S5〜第2加熱・加圧工程S8を有する製造方法M2によると、突起部1b,1bを有する強化プラスチック製品2を従来技術1と比較して、中間製品1と同様、軽量で安価に、しかも効率良く製造することができる。
また、基体3を、第3補強用プリプレグP6a,P6bとスポンジQ6との積層構造とした場合には、補強用プリプレグP6a,P6bの枚数を増加させることにより、強化プラスチック製品2の強度を高めることができる。一方、補強用プリプレグP6a,P6bの枚数を抑制することにより、強度についての過剰品質を防止することができる。
以上では、製造方法M1と製造方法M2とを、実施形態1と実施形態2とに分けて説明したが、これらを連続して行うようにしてもよい。すなわち、抜き工程S1〜第2加熱・加圧工程S8を連続して行うことにより、プリプレグで形成された突起部1b,1bを有する強化プラスチック製品2を簡単に製造することができる。
また、上述のように、2個の突起部1b,1bの立体的な第1表面層F1をそれぞれ個別ではなく、平面的な1枚の突起部用プリプレグP1によって形成するため、一方の突起部1bが他方の突起部1bの補強材として作用するため、強度を増すことができる。
以上では、中間製品1としてほぼ三角形状の2つの突起部1b,1bを有する場合を例に説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。
すなわち、突起部は、1つ、あるいは3つ以上であってもよく、その形状についても、例えば、四角板状、円錐台状、円筒状等であってもよい。
図14(A)〜(D)はそれぞれ上述の中間製品1とは異なる中間製品13〜16、突起部用プリプレグP13〜P16、及び補強材Q13a〜Q16a等を説明する図である。
図14(A)に示す中間製品13は、ベース部13aと、三角形状で板状の1つの突起部13bとを有している。平面的な突起部用プリプレグP13は、中間製品13の表面層F(ベース部13a及び突起部13bの表面層)の展開図に、適宜な重畳部分(不図示)を付加した展開形状に形成されている。逆に、中間製品13の表面層Fは、展開形状の突起部用プリプレグP13を立体的に変形することで構成されている。突起部用プリプレグP13の部分e,eは、ベース部13aの表面層に対応し、また、部分fは突起部13bの表面層に対応している。
また、突起部用プリプレグP13は、突起部13bの頂部13hに対応する点(13h)を中心に形成されており、さらに、全体が、点(13h)を通る中心線Cを基準として線対称に形成されている。
突起部13bの表面層の中空部(図1(B)の中空部1g参照)には、これとほぼ同形の三角形状で板状の補強材Q13aや円板状の複数の補強材Q13bを詰め込むことができる。
図14(B)に示す中間製品14は、ベース部14aと、四角形状で板状の1つの突起部14bとを有している。平面的な突起部用プリプレグP14は、中間製品14の表面層Fの展開図に、適宜な重畳部分(不図示)を付加した展開形状に形成されている。逆に、中間製品14の表面層Fは、展開形状の突起部用プリプレグP14を立体的に変形することで構成されている。突起部用プリプレグP14の部分g,gは、ベース部14aの表面層に対応し、また、部分hは突起部14bの表面層に対応している。
また、突起部用プリプレグP14は、突起部14bの頂部(上面の中心)14hに対応する点(14h)を中心に形成されており、さらに、切欠Pdを除く全体が、点(14h)を通る中心線Cを基準として線対称に形成されている。
突起部14bの表面層の中空部には、これとほぼ同形の四角形状で板状の補強材Q14aや小さな四角形状の複数の補強材Q14bを詰め込むことができる。
図14(C)に示す中間製品15は、ベース部15aと、円錐状の1つの突起部15bとを有している。平面的な突起部用プリプレグP15は、中間製品15の表面層Fの展開図に、適宜な重畳部分(不図示)を付加した展開形状に形成されている。逆に、中間製品15の表面層Fは、展開形状の突起部用プリプレグP15を立体的に変形することで構成されている。突起部用プリプレグP15の4つの部分iは、ベース部15aの表面層に対応し、また、2つの部分jは突起部15bの表面層に対応している。
また、突起部用プリプレグP15は、突起部15bの頂部15hに対応する点(15h)を中心に形成されており、さらに、全体が、点(15h)を通る中心線Cを基準として線対称に形成されている。
突起部15bの表面層の中空部には、小さい円錐状と大きい円錐台状のものを組み合わせて中空部とほぼ同形のさらに大きな円錐状を構成する補強材Q15aや小さな球状の補強材Q15bを多数詰め込むことができる。
図14(D)に示す中間製品16は、ベース部16aと、円柱状の1つの突起部16bとを有している。平面的な突起部用プリプレグP16は、中間製品16の表面層Fの展開図に、適宜な重畳部分(不図示)を付加した展開形状に形成されている。逆に、中間製品16の表面層Fは、展開形状の突起部用プリプレグP16を立体的に変形することで構成されている。突起部用プリプレグP16の4つの部分kは、ベース部16aの表面層に対応し、また、4つの部分mは突起部16bの表面層に対応している。
また、突起部用プリプレグP16は、突起部16bの頂部(上面の中心)16hに対応する点(16h)を中心に形成されており、さらに、全体が、点(16h)を通る中心線Cを基準として線対称に形成されている。
突起部16bの表面層の中空部には、これとほぼ同形の円柱状の補強材Q16aや多数の円板状の補強材Q16bや小さな球状の補強材Q16cを多数詰め込むことができる。
ここで、中間製品13〜16の表面層Fの展開形状としては、それぞれ種々のものが考え得るが、本発明においては、これらのうち、点(13h)〜(16h)を中心とし、さらに、これらの点(13h)〜(16h)を通る中心線Cを基準とて線対称となるような展開形状を採用している。
これにより、賦形工程S2の効率化を図ることができる。すなわち、突起部用プリプレグP13〜P16の一部を、第1金型10のキャビティ11に挿入する際に、まず、点(13h)〜(16h)近傍をへら等で押し込むことにより、突起部13b〜16bに対応する部分f,h,i,mを不要な変形を防止しつつ、比較的短時間で挿入することができる。
1、13〜16 中間製品
1a ベース部(基台)
1b 突起部
1f 基端部
1g 中空部
1h 頂部
2 強化プラスチック製品
2a ベース板
2b 表面層
2c 裏面層
2d 支持層
3 基体
10 第1金型
11 キャビティ
20 第2金型
F 表面層
F1 第1表面層
F2 第2表面層
G 凸状治具
M1 中間製品の製造方法
M2 強化プラスチック製品の製造方法
P0 プリプレグ
P1 突起部用プリプレグ
P5a 表面側プリプレグ
P5b 裏面側プリプレグ
P6a,P6b 補強用プリプレグ
Q0,Q1,Q6,Qa スポンジ(熱硬化性樹脂発泡体)
Q1a,Q1b 補強材
S1 抜き工程
S1´ 予備賦形工程
S2 賦形工程
S3 第1セット工程
S4 第1加熱・加圧工程
S5 一体化工程
S6 第2セット工程
S7 第3セット工程
S8 第2加熱・加圧工程

Claims (10)

  1. 突起部を備えた中間製品において、
    前記突起部は、
    前記突起部の外面を表皮状に構成する突起状の第1表面層と、
    前記第1表面層の内面側の中空部に充填された補強材と、を有し、
    前記第1表面層は、
    所定形状の平面的な突起部用プリプレグを立体的な突起状に変形させることで構成されている、
    ことを特徴とする中間製品。
  2. 前記突起部用プリプレグは、
    前記第1表面層を平面的に展開した展開形状に形成されている、
    ことを特徴とする請求項1に記載の中間製品。
  3. 前記突起部用プリプレグは、
    前記突起部の頂部に対応する部分を中心として展開した展開形状に形成されている、
    ことを特徴とする請求項2に記載の中間製品。
  4. 前記突起部の基端部に連続して前記突起部の基台となるベース部を備える、
    ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の中間製品。
  5. 前記ベース部は、
    前記第1表面層に連続する第2表面層と、
    前記第2表面層の裏面側及び前記補強材の裏面側に積層された裏面層と、を有する、
    ことを特徴とする請求項4に記載の中間製品。
  6. 突起部を備えた強化プラスチック製品において、
    前記突起部を有する中間製品と、
    前記中間製品が一部に組み込まれた表面側プリプレグと、
    前記表面側プリプレグに対向する裏面側プリプレグと、
    前記表面側プリプレグと前記裏面側プリプレグとの間に挟持された、熱硬化後の熱硬化性樹脂発泡体と、を備え、
    前記中間製品が、請求項1ないし5のいずれか1項に記載の中間製品である、
    ことを特徴とする強化プラスチック製品。
  7. 突起部を備えた中間製品を、シート状のプリプレグを使用して製造する、中間製品の製造方法において、
    所定形状の突起部用プリプレグをシート状の前記プリプレグから型抜きする抜き工程と、
    前記突起部用プリプレグを、第1金型に形成された、前記突起部と同形のキャビティに押し付けて前記キャビティの形状を写し取る賦形工程と、
    賦形後の前記突起部用プリプレグの内面側の中空部に補強材を詰め込み、前記補強材を覆うように熱硬化性樹脂発泡体を重ねる第1セット工程と、
    前記補強材が詰め込まれた前記突起部用プリプレグ及び前記熱硬化性樹脂発泡体を、前記第1金型と第2金型との間に挟み込んで加熱・加圧・冷却する第1加熱・加圧工程と、を有する、
    ことを特徴とする中間製品の製造方法。
  8. 前記抜き工程と前記賦形工程との間に、前記突起部の概形を有する凸状治具に、前記突起部用プリプレグを押し付けて前記突起部の概形を形成する予備賦形工程を設ける、
    ことを特徴とする請求項7に記載の中間製品の製造方法。
  9. 突起部を備えた中間製品を使用して強化プラスチック製品を製造する、強化プラスチック製品の製造方法において、
    前記中間製品を、表面側プリプレグに組み込む一体化工程と、
    前記突起部を、前記突起部と同形のキャビティを有する第1金型の前記キャビティに挿入して、前記第1金型に前記表面側プリプレグをセットする第2セット工程と、
    前記第2セット工程後の前記表面側プリプレグに、熱硬化性樹脂発泡体を含む基体を重ね、さらに前記基体に裏面側プリプレグを重ねる第3セット工程と、
    前記第3セット工程後の前記表面側プリプレグ、前記基体、及び前記裏面側プリプレグを、前記第1金型と第2金型との間に挟み込んで加熱・加圧・冷却する第2加熱・加圧工程と、を有し、
    前記中間製品が、請求項7又は8に記載の中間製品の製造方法によって製造された中間製品である、
    ことを特徴とする強化プラスチック製品の製造方法。
  10. 前記基体が、前記熱硬化性樹脂発泡体と補強用プリプレグとの積層構造である、
    ことを特徴とする請求項9に記載の強化プラスチック製品の製造方法。

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