JP2018001239A - 磁場発生コイル - Google Patents
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Abstract
【課題】磁場発生コイルを組み替えることなく、接合させる金属の種類や板厚に適した電流波形を実現することができる磁場発生コイルを得る。
【解決手段】電磁接合に用いられる磁場発生コイルであって、互いに対向する磁場集中部に逆方向の電流が流れるコイル本体と、磁場集中部の周囲を固定する絶縁性の固定部材と、コイル本体の周囲に設けられ、コイル本体のインダクタンスを調整可能な磁性体であるインダクタンス調整部材とを備える。
【選択図】図11
【解決手段】電磁接合に用いられる磁場発生コイルであって、互いに対向する磁場集中部に逆方向の電流が流れるコイル本体と、磁場集中部の周囲を固定する絶縁性の固定部材と、コイル本体の周囲に設けられ、コイル本体のインダクタンスを調整可能な磁性体であるインダクタンス調整部材とを備える。
【選択図】図11
Description
この発明は、電磁接合に用いられる磁場発生コイルに関する。
近年、固相接合の一種である電磁接合が、爆発圧接の代替技術として検討されている。爆発圧接および電磁接合は、ともに異種または同種の金属同士を原子レベルで接合することにより、高強度接合を可能とする技術である。
ここで、爆発圧接は、火薬の爆発力により可動側の接合部材を高速で固定側の接合部材に衝突させることにより、接合界面を溶融させて接合させる技術である。
一方、電磁接合は、爆発圧接の火薬の代わりに電磁力を用いて可動側の接合部材を高速で固定側の接合部材に衝突させることにより、接合界面を溶融させて接合させる技術である。すなわち、電磁接合は、火薬を使う必要がないことがメリットである。
このような電磁接合として、溶接電流を流すコイルと固定具との間に、アルミニウム系板材がコイル側、鉄系材料が固定具側となるように、アルミニウム系板材と鉄系材料とを間隔を設けて重ねて置き、コイルに電流を流してアルミニウム系板材に渦電流と電磁力とを発生させ、これらを利用してアルミニウム系板材を鉄系材料に溶接する電磁溶接方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
この電磁溶接方法を用いた電磁接合によれば、異種または同種の金属同士を接合することができるので、特許文献1の表3および表4に記載されているように、非常に多くの組み合わせでの接合が可能となる。
また、電磁接合は、例えば真空遮断器と同様の構成によって実現される(例えば、特許文献2参照)。すなわち、磁場発生コイルと、磁場発生コイルを励磁することにより渦電流を発生させる渦電流発生金属とを用いて、磁場発生コイルと渦電流発生金属との間に電磁力を発生させることで、渦電流発生金属を駆動させている。
しかしながら、特許文献1に記載の電磁溶接方法を用いた電磁接合では、異種または同種の金属同士を電磁力によって接合させる場合において、接合させる金属の種類や板厚によって、接合に必要なエネルギー、すなわち最適な電流波形が異なる。
ここで、電流波形は、磁場発生コイルの回路定数に大きく依存するため、接合させる金属の種類や板厚に応じて、最適な電流波形を実現すべく磁場発生コイルを組み替える必要があるが、磁場発生コイルの組み替えには、手間と時間がかかるという問題がある。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、磁場発生コイルを組み替えることなく、接合させる金属の種類や板厚に適した電流波形を実現することができる磁場発生コイルを得ることを目的とする。
この発明に係る磁場発生コイルは、電磁接合に用いられる磁場発生コイルであって、互いに対向する磁場集中部に逆方向の電流が流れるコイル本体と、磁場集中部の周囲を固定する絶縁性の固定部材と、コイル本体の周囲に設けられ、コイル本体のインダクタンスを調整可能な磁性体であるインダクタンス調整部材とを備えたものである。
この発明に係る磁場発生コイルによれば、互いに対向する磁場集中部に逆方向の電流が流れるコイル本体と、磁場集中部の周囲を固定する絶縁性の固定部材と、コイル本体の周囲に設けられ、コイル本体のインダクタンスを調整可能な磁性体であるインダクタンス調整部材とを備えている。
そのため、磁場発生コイルを組み替えることなく、接合させる金属の種類や板厚に適した電流波形を実現することができる。
そのため、磁場発生コイルを組み替えることなく、接合させる金属の種類や板厚に適した電流波形を実現することができる。
以下、この発明に係る磁場発生コイルの好適な実施の形態につき図面を用いて説明するが、各図において同一、または相当する部分については、同一符号を付して説明する。
実施の形態1.
まず、電磁接合の簡単な原理について説明する。図1は、この発明の実施の形態1に係る電磁接合装置の全体構成を示す斜視図である。図1において、この電磁接合装置は、コイル本体1、渦電流発生金属2、接合金属3および接合金属固定部材4を備えている。なお、図1では、コイル本体1が磁場発生コイルを構成している。
まず、電磁接合の簡単な原理について説明する。図1は、この発明の実施の形態1に係る電磁接合装置の全体構成を示す斜視図である。図1において、この電磁接合装置は、コイル本体1、渦電流発生金属2、接合金属3および接合金属固定部材4を備えている。なお、図1では、コイル本体1が磁場発生コイルを構成している。
図2は、図1に示した電磁接合装置の平面図である。また、図3は、図2に示した電磁接合装置を、I−I線で切断した断面図である。ここで、図2に示されているように、コイル本体1の幅が狭くなっている箇所を磁場集中部1aと称する。すなわち、コイル本体1は、磁場集中部1a、コイル本体1の端部の電流折り返し部1bおよび電源と接続される電源接続周辺部1cから構成されている。
また、図3に示されているように、コイル本体1の磁場集中部1aの上部に、微小ギャップ100を介して渦電流発生金属2が配置されている。さらに、渦電流発生金属2の上部に、微小ギャップ101を介して接合金属3が配置され、接合金属3の上部に接合金属固定部材4が配置されている。なお、磁場集中部1aと渦電流発生金属2との間の微小ギャップ100を、絶縁物かつ非磁性のスペーサ等を配置して実現してもよい。
図4は、この発明の実施の形態1に係る電磁接合装置におけるコイル本体の回路を示す構成図である。図4において、コイル本体1には、スイッチ5およびコンデンサ6が接続されている。スイッチ5がオンになると、コンデンサ6に蓄えられた電荷がコイル本体1に流れる。なお、電流の向きは、図3および図4に示された矢印の通りである。
図5は、この発明の実施の形態1に係る電磁接合装置におけるコイル本体が形成する磁束を示す断面図である。図5において、コイル本体1にパルス電流を流すことにより、コイル本体1には、矢印で示す磁束7が形成される。ここで、パルス電流は、コンデンサ6の放電波形になるため、減衰振動波形となる。
なお、図5では、磁場集中部1aが形成する磁束7のみを示し、電流折り返し部1bが形成する磁束については、図示を省略している。また、電流折り返し部1bは、渦電流発生金属2と接合金属3との接合箇所に影響を与えないように、接合箇所から離しておく必要がある。
図6は、この発明の実施の形態1に係る電磁接合装置における渦電流発生金属2を通過する磁束を示す構成図であり、図5の渦電流発生金属2を視点Aから見たものである。図6において、コイル本体1にパルス電流を流すことにより、渦電流発生金属2には、コイル本体1が形成する磁束7が、矢印で示すように通過する。すなわち、渦電流発生金属2に対して、中央部は磁束7が入る方向であり、両端部は磁束7が出る方向である。
図7は、この発明の実施の形態1に係る電磁接合装置における渦電流発生金属2に発生する渦電流および磁束を示す構成図であり、図5の渦電流発生金属2を視点Aから見たものである。図7において、渦電流発生金属2には、図6に示したように、コイル本体1が形成する磁束7が通過するため、渦電流発生金属2には、コイル本体1が形成する磁束7を打ち消すための渦電流8が矢印方向に発生する。
また、渦電流発生金属2に渦電流8が発生することにより、渦電流発生金属2には、渦電流8に起因する矢印方向の磁束9が発生する。ここで、渦電流発生金属2に対して、渦電流8に起因する磁束9は、コイル本体1が形成する磁束7を打ち消す方向の磁束の向きとなる。
このとき、渦電流発生金属2に流れる渦電流8と、コイル本体1が形成する磁束7とによって発生するローレンツ力によって、渦電流発生金属2には、次式(1)で表される大きさの電磁力が、図3の紙面上方向に作用する。以下、図3の紙面上方向を単に上方向と称する。
F=J×B ・・・(1)
なお、式(1)において、Fは渦電流発生金属2とコイル本体1との間に作用する電磁力を示し、Jは渦電流8の電流密度を示し、Bはコイル本体1が形成する磁束7の磁束密度を示している。
この電磁力により、渦電流発生金属2は、上方向に駆動し、接合金属3と衝突する。また、接合金属3は、接合金属3の上部に配置された接合金属固定部材4で固定されているので、上方向に駆動することができない。
そのため、渦電流発生金属2が高速で接合金属3に衝突することで、渦電流発生金属2と接合金属3との間には、火花のようなメタルジェットが発生し、渦電流発生金属2と接合金属3とが接合される。ここまでが、電磁接合の簡単な原理である。
続いて、上記構成の電磁接合装置の課題について説明する。渦電流発生金属2を上方向に高速で駆動させるために、渦電流発生金属2に高い電磁力を与える必要があるので、コイル本体1には、反作用として、図3の紙面下方向の電磁力が作用する。以下、図3の紙面下方向を単に下方向と称する。
また、コイル本体1は、図4に示されているように、電流が折り返す構造となっているので、磁場集中部1aで互いに逆方向の電流が流れ、互いが離れようとする電磁力も作用する。すなわち、コイル本体1にパルス電流を流すことにより、コイル本体1が下方向および図3の紙面左右方向に広がろうとして、コイル本体1が変形する恐れがある。
そこで、コイル本体1の変形を抑制するために、コイル本体1の周囲を絶縁性の固定部材で固定することが考えられる。図8は、この発明の実施の形態1に係る電磁接合装置において、コイル本体の周囲を固定部材で固定した状態を示す斜視図である。また、図9は、図8に示した電磁接合装置の要部を示す斜視図である。図9では、コイル本体1の磁場集中部1aを抽出して示している。
図8、図9において、コイル本体1の変形を抑制するために、コイル本体1は、U字形状の固定部材10で囲まれている。また、固定部材10は、絶縁性の材料で構成されている。なお、図8、図9では、コイル本体1および固定部材10により磁場発生コイルが構成されている。
ここで、コイル本体1と渦電流発生金属2との対向部には、以下の理由により、固定部材10が配置されていない。すなわち、コイル本体1と渦電流発生金属2との間に固定部材10を配置すると、コイル本体1と渦電流発生金属2との間の距離が大きくなり、パルス電流を流した際に、渦電流発生金属2を通過する磁束7が小さくなって、結果的に渦電流8が小さくなる。
そのため、コイル本体1と渦電流発生金属2との間に固定部材10を配置すると、渦電流発生金属2に作用する電磁力が小さくなる。したがって、コイル本体1と渦電流発生金属2とのギャップを小さくして、渦電流発生金属2に効率的に電磁力を作用させるために、コイル本体1と渦電流発生金属2との対向部以外の位置に、固定部材10が配置されている。
次に、電磁接合に適した電流波形について説明する。図10は、この発明の実施の形態1に係る電磁接合装置において、コイル本体に流れる電流を示す説明図である。図10では、図5に示したスイッチ5をオンにしたときに、コイル本体1に流れる電流を示している。
図10において、t0がスイッチ5をオンにした時点を示し、t1が一波目の電流ピークの時点を示し、t2が一波目の電流ゼロの時点を示し、t3が二波目の電流ピークの時点を示している。なお、電流源は、コンデンサ6を使用しているため、電流ピークが徐々に減衰しながら、コンデンサ6の電荷がなくなるまで放電が継続する。
ここで、電磁接合に利用されるのは、電流の一波目、すなわちt0〜t2の時間領域である。具体的には、t0から電流が上昇を始めるとともに、渦電流発生金属2は、電磁力を得て上方向に駆動する。その後、t1の時点付近で渦電流発生金属2が接合金属3に衝突することが望ましい。
このとき、例えばt2の時点付近で渦電流発生金属2と接合金属3とが衝突する場合には、t1の時点に比べて電流値が低減しているため、渦電流発生金属2の加速度が低減している。よって、t1の時点付近で渦電流発生金属2を接合金属3に衝突させるように電流波形を調整することが重要である。
また、渦電流発生金属2および接合金属3の種類や板厚が変化すると、渦電流発生金属2に作用する電磁力が変化する。電磁力が変化すると、渦電流発生金属2が接合金属3に衝突するまでの時間が変化し、t1の時点付近で渦電流発生金属2を接合金属3に衝突させることができなくなることがある。そこで、t1の時点付近で渦電流発生金属2が接合金属3に衝突するように、コイル本体1に流すパルス電流を変化させる必要がある。
ここで、電磁接合で金属同士を接合させるには、コイル本体1に流すパルス電流の最大電流値とパルス電流幅とが重要になる。パルス電流幅とは、電流の立ち上がりから最初の電流ゼロの時点までの時間幅のことであり、図10のt0〜t2の時間幅である。また、パルス電流の最大電流値が大きくなれば、渦電流発生金属2に流れる渦電流8が大きくなり、電磁力も大きくなる。
なお、コイル本体1に接続されたコンデンサ6の充電電圧を変化させることにより、パルス電流の最大電流値を変化させることができるが、最大電流値を大きくする場合には、コンデンサ6の耐電圧性能を向上させる必要があり、高コスト化につながるため、コンデンサ6の充電電圧は、小さい方が望ましい。
一方、パルス電流幅を変化させる場合について、電流の立ち上がりから最初の電流ゼロの時点までのパルス電流幅は、回路のインダクタンスを主要因として決定されるので、コイル本体1の形状や回路構成が決まった後では、変化させるのが困難である。
そのため、渦電流発生金属2および接合金属3の種類や板厚に応じてコイル本体1を作成し、t1の時点付近で渦電流発生金属2が接合金属3に衝突するように、コイル本体1を組み替える必要がある。
そこで、コイル本体1に流すパルス電流のパルス電流幅を変化させるために、コイル本体1の周囲に、コイル本体1のインダクタンスを調整可能な磁性体であるインダクタンス調整用鉄心11を設けることが考えられる。図11は、この発明の実施の形態1に係る電磁接合装置において、コイル本体の周囲にインダクタンス調整部材を設けた状態を示す斜視図である。図11では、コイル本体1の磁場集中部1aを抽出して示している。
図11において、コイル本体1の周囲に、インダクタンス調整部材であるインダクタンス調整用鉄心11が配置されている。また、インダクタンス調整用鉄心11は、磁性体で構成されている。なお、図11では、コイル本体1、固定部材10およびインダクタンス調整用鉄心11により磁場発生コイルが構成されている。
ここで、磁場発生コイルの回路のインダクタンスは、インダクタンス調整用鉄心11とコイル本体1との距離や、インダクタンス調整用鉄心11の断面積によって変化させることができる。
そのため、渦電流発生金属2および接合金属3の種類や板厚に適したインダクタンス調整用鉄心11をコイル本体1の周囲に配置することにより、回路のインダクタンスを変化させて、コイル本体1を組み替えることなくコイル本体1に流すパルス電流のパルス電流幅を変化させることができる。
このとき、図11に示されているように、コイル本体1とインダクタンス調整用鉄心11との間に、絶縁物である固定部材10を配置することにより、コイル本体1とインダクタンス調整用鉄心11との電気的導通をなくすことができる。
図12は、この発明の実施の形態1に係る電磁接合装置において、コイル本体の周囲にインダクタンス調整部材を設けた状態を示す別の斜視図である。図12では、図11と同様に、コイル本体1の磁場集中部1aを抽出して示している。
図12において、コイル本体1の周囲に配置されたインダクタンス調整用鉄心11は、3分割されている。このように、インダクタンス調整用鉄心11を、渦電流発生金属2および接合金属3の種類や板厚に応じて組み合わせてもよい。なお、インダクタンス調整用鉄心11は、3分割である必要はない。
また、コイル本体1にパルス電流を流すことにより、インダクタンス調整用鉄心11にも電磁力が作用するため、コイル本体1とインダクタンス調整用鉄心11との距離が近い場合には、より強固な固定方法が必要になるので、望ましくはない。ただし、回路のインダクタンスを変化させるという効果には変わりがない。
また、インダクタンス調整用鉄心11を配置することで、回路のインダクタンスを大きくすることはできるものの、回路のインダクタンスを小さくすることはできない。そのため、コイル本体1については、インダクタンスをできるだけ小さくすることが望ましい。すなわち、図10に示したt0〜t2の時間を長くすることはできるが、短くすることはできない。
以上のように、実施の形態1によれば、互いに対向する磁場集中部に逆方向の電流が流れるコイル本体と、磁場集中部の周囲を固定する絶縁性の固定部材と、コイル本体の周囲に設けられ、コイル本体のインダクタンスを調整可能な磁性体であるインダクタンス調整部材とを備えている。
そのため、磁場発生コイルを組み替えることなく、接合させる金属の種類や板厚に適した電流波形を実現することができる。
そのため、磁場発生コイルを組み替えることなく、接合させる金属の種類や板厚に適した電流波形を実現することができる。
実施の形態2.
図13は、この発明の実施の形態2に係る電磁接合装置を示す断面図である。図13では、図2に示したI−I線で電磁接合装置を切断した断面と同じ位置における断面を示している。
図13は、この発明の実施の形態2に係る電磁接合装置を示す断面図である。図13では、図2に示したI−I線で電磁接合装置を切断した断面と同じ位置における断面を示している。
図13において、コイル本体1の下部にインダクタンス調整用鉄心11が配置され、インダクタンス調整用鉄心11は、ギャップ調整機構である鉄心調整機構12により、コイル本体1とインダクタンス調整用鉄心11とのギャップを調整できるようになっている。
鉄心調整機構12は、例えばボルトのような形状で、ボルトを回すことで、コイル本体1とインダクタンス調整用鉄心11とのギャップを調整することができる。さらに、ボルト形状にすることで、ギャップ調整とインダクタンス調整用鉄心11との固定を兼ねることができる。
なお、図13では、図12に示した下部のインダクタンス調整用鉄心11の調整方法を示しているが、図12に示した側面のインダクタンス調整用鉄心11についても、同様の調整が可能である。また、ここでは、鉄心調整機構12がボルト形状であるとしたが、任意に位置を変化させることができ、固定できるものであれば何でもよい。
図14は、この発明の実施の形態2に係る電磁接合装置を示す別の断面図である。図14では、図2に示したI−I線で電磁接合装置を切断した断面と同じ位置における断面を示している。
図14において、コイル本体1は、U字形状の固定部材10で囲まれており、固定部材10に設けられた図示しないねじ穴部には、ボルト形状のインダクタンス調整用鉄心11が締めこまれている。
ここで、インダクタンス調整用鉄心11を上下に動かすことにより、コイル本体1とインダクタンス調整用鉄心11とのギャップを調整し、回路のインダクタンスを調整することができる。なお、インダクタンス調整用鉄心11は、磁性体である鉄製のボルトであってもよい。
また、この鉄製のボルトの締めこみ深さやボルトの本数を調整することで、回路のインダクタンスを調整することができる。さらに、インダクタンス調整用鉄心11自体をボルト形状にすることで、インダクタンス調整用鉄心11自体の固定も容易となる。
実施の形態3.
上記実施の形態1、2では、コイル本体1の幅が狭くなっている磁場集中部1aにインダクタンス調整用鉄心11を配置した構成を示したが、この実施の形態3では、磁場集中部1a以外にインダクタンス調整用鉄心11を配置した構成を示す。
上記実施の形態1、2では、コイル本体1の幅が狭くなっている磁場集中部1aにインダクタンス調整用鉄心11を配置した構成を示したが、この実施の形態3では、磁場集中部1a以外にインダクタンス調整用鉄心11を配置した構成を示す。
図15は、この発明の実施の形態3に係る電磁接合装置を示す斜視図である。図15において、コイル本体1の電源接続周辺部1cの周囲に、U字形状のインダクタンス調整用鉄心11が配置されている。
また、図16は、この発明の実施の形態3に係る電磁接合装置を示す別の斜視図である。図16において、図15と同様に、コイル本体1の電源接続周辺部1cの周囲に、U字形状のインダクタンス調整用鉄心11が配置されている。なお、図16では、電源接続周辺部1c毎にインダクタンス調整用鉄心11を配置した構成を示している。
図15、16に示したように、磁場集中部1a以外にインダクタンス調整用鉄心11を配置することにより、コイル本体1の断面積が大きくなり、電流密度が低くなって、高密度の磁束をインダクタンス調整用鉄心11が受けることがなくなるので、インダクタンス調整用鉄心11の固定が容易になる。
また、渦電流発生金属2と接合金属3とは、磁場集中部1aで接合するため、磁場集中部1a以外にインダクタンス調整用鉄心11を配置することにより、渦電流発生金属2と接合金属3との接合に与える影響を低減することができる。
1 コイル本体、1a 磁場集中部、1b 電流折り返し部、1c 電源接続周辺部、2 渦電流発生金属、3 接合金属、4 接合金属固定部材、5 スイッチ、6 コンデンサ、7 磁束、8 渦電流、9 磁束、10 固定部材、11 インダクタンス調整用鉄心、12 鉄心調整機構、100、101 微小ギャップ。
Claims (5)
- 電磁接合に用いられる磁場発生コイルであって、
互いに対向する磁場集中部に逆方向の電流が流れるコイル本体と、
前記磁場集中部の周囲を固定する絶縁性の固定部材と、
前記コイル本体の周囲に設けられ、前記コイル本体のインダクタンスを調整可能な磁性体であるインダクタンス調整部材と、
を備えた磁場発生コイル。 - 前記固定部材は、前記コイル本体と前記コイル本体に対向する渦電流発生金属との対向部を除いて、前記コイル本体の周囲に配置されている
請求項1に記載の磁場発生コイル。 - 前記コイル本体と前記インダクタンス調整部材とのギャップを調整可能なギャップ調整機構をさらに備えた
請求項1または請求項2に記載の磁場発生コイル。 - 前記インダクタンス調整部材は、前記コイル本体と前記インダクタンス調整部材とのギャップを調整可能な形状を有している
請求項1または請求項2に記載の磁場発生コイル。 - 前記インダクタンス調整部材は、前記コイル本体の前記磁場集中部以外の位置に設けられている
請求項1から請求項4までの何れか1項に記載の磁場発生コイル。
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