JP2007305555A - 平板状複数巻きコイル - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、金属薄板を電磁溶接又は電磁成形加工する平板状コイルに関する。従来の平板状コイルには、機械的強度はあるが、電源のエネルギー移送効率が悪い欠点があった。これを改良した電磁溶接又は電磁成形用の平板状複数巻きコイルを提供する。
【手段】ほぼ同じ平板状コイル板3A,3Bを2枚重ね、直列に接続した平板状二巻きコイルを電源1およびスイッチ2に接続する。スイッチ2を閉じて、このコイルにパルス大電流を流す。各コイル板には強度がある。電流が集中して流れる中央部分4Aのインダクタンスは、平板状一巻きコイル(コイル板1枚のコイル)の場合より大きくなるので、電源のエネルギー移送効率がよくなる。
【選択図】図1

Description

本発明は、電磁力を利用して金属薄板を溶接又は成形加工する装置に必要な平板状コイルに関するものである。
技術背景
アルミニウム、銅などの良導電性金属薄板(被加工材)に、高密度磁束(強磁界)を急激に加え、電磁力を利用して、金属薄板を溶接又は成形加工する方法がある。コンデンサ電源などからコイルに最大値100kA以上のパルス大電流を流し、高密度磁束を瞬間的に発生させ、大きな電磁力を金属薄板に加える。この結果、金属薄板は溶接又は成形加工される。一般的に、加工時間は数100μs以下、金属薄板の厚さは2mm以下である。この方法では、金属薄板(被加工材)と絶縁したコイルを互いに接近させ、このコイルに大電流が流れたとき、両者の電磁誘導結合(以下,電磁結合)が強くなるようにしてある。この電磁結合が悪い場合、発生する電磁力が弱くなり、十分に電磁溶接又は電磁成形することができない。
コイル形状としては、被加工材(板)との電磁結合が強い平面的なコイルが使われている。例えば、本発明者が開発した電磁溶接法で使われている平板状ワンターンコイルがある(特許文献1)。この平板状ワンターンコイルは、例えば、一枚の銅板に2本の溝を加えE字型の形態とし、板材の幅が狭く、細長い中央部分を往きの電流用、その両側の幅の広い周辺部分を戻りの電流用として、電源からパルス大電流を往復して流し、幅が狭く、細長い中央部分を電流集中部とし、この部分に高密度の磁束を発生させる。また、この平板状ワンターンコイルは電磁成形用にも使われている(特許文献2)。
特許第3751153号(図4) 特願2006−126192号
前記の平板状ワンターンコイルには、次のような優れた特徴がある。電線を巻いた平面的なコイルと異なり、コイルとしてのインダクタンスが小さく、大電流を流し易い。板状のため100kA以上のパルス大電流が流れても損傷を受けにくい。コイル(板状)と被加工材(板)との電磁結合が強い。電磁成形用コイルでは、発生する磁束密度が広い範囲で一様である。
先ず、公知である一枚板から作られた平板状ワンターンコイルを用いた電磁溶接又は電磁成形を行う装置の概略を以下に説明する。次に、この平板状ワンターンコイルの問題点(欠点)を述べる。
図7はこの平板状ワンターンコイルを用いた電磁溶接装置の概略図であり、(A)は平面図、(B)は平板状ワンターンコイルの斜視図である。この装置の主な構成要素は、図7(A)、(B)に示すように、コンデンサ電源1、スイッチ2、磁束発生用の平板状ワンターンコイル3である。平板状ワンターンコイル3は電気的に絶縁された一枚の平板からなっている。このコイル3は、幅が狭く、細長い中央部分4A(電流の往路)、その両側の幅の広い周辺部分4B,4C(電流の復路)およびこれらを片端側で接続する部分4Dから構成されている。
コンデンサ電源1を充電し、スイッチ2を閉じて放電させると、平板状ワンターンコイル3にパルス大電流が往復して流れる。実際の装置では、電源1、スイッチ2および平板状ワンターンコイル3を接続している部分(図7(A)に細い線で示されている)は、幅広い導体板で配線され回路のインダクタンスおよび抵抗を少なくしている。
図7に示す装置は、図8に示すように平板状ワンターンコイル3の片側(上部)に被溶接材である金属薄板5を重ね配置し、これらを溶接するものである。図8で、平板状ワンターンコイル3、金属薄板5および固定具6は、締め付け器具(図示されていない)によって固定されている。
スイッチ2を閉じて平板状ワンターンコイル3に電流を急激に流すと、このコイル3の中央部分4Aに高密度(磁束密度B)の磁束7が急激に発生する。この磁束7の一部は、金属薄板5に交差する。この結果、電磁誘導作用によって下側の金属薄板5に渦電流(電流密度i)が流れ、加熱される。また、単位体積あたり働く電磁力fが下側の金属薄板5を上側の金属薄板5へ押圧する。この結果、金属薄板5はコイル3の中央部分4Aに沿って溶接される。電磁力fは次のベクトル式で与えられる。
式1
f=i×B
また、図9は平板状ワンターンコイル3の片側(上部)に被加工材である金属薄板5を配置し、これを張出し成形加工するものである。図9で、平板状ワンターンコイル3、金属薄板5および金型8は、締め付け器具(図示されていない)によって固定されている。
スイッチ2を閉じて平板状ワンターンコイル3に電流を急激に流すと、このコイル3の中央部分4Aに高密度(磁束密度B)の磁束7が急激に発生する。この磁束7の一部は、金属薄板5に交差する。この結果、電磁誘導作用によって金属薄板5に渦電流(電流密度i)が流れる。また、電磁力fが金属薄板5を上側の金型8へ押圧する。この結果、金属薄板5は金型8によって成形加工される。
次に、前述した平板状ワンターンコイルの問題点(欠点)を示す。
例えば、電磁溶接用の平板状ワンターンコイル3の中央部分4Aの幅は、ここに電流を集中させ、高密度磁束を発生させるため、5mm程度である。中央部分4Aの長さは100mm程度、厚さは2mm程度である。この場合、中央部分4Aのインダクタンスは、約0.04μHと概算できる。また、電磁成形用の平板状ワンターンコイル3の中央部分4Aの幅は20mm程度、中央部分4Aの長さは100mm程度、厚さは2mm程度である。この場合、中央部分4Aのインダクタンスは、約0.01μHと概算できる。平板状ワンターンコイル3としてのインダクタンスは、その中央部分4Aに電流が集中して流れるので、中央部分4Aインダクタンスにほぼ等しい。
インダクタンスは電流が流れる部分の形状によって定まる値であり、電流回路の各部分に存在する。インダクタンスは、平板状ワンターンコイル以外に電源内部、スイッチなどにも存在する。パルス大電流用の電源としては、通常、コンデンサ電源が使われる。一般的なコンデンサ電源の内部、スイッチなどに残留するインダクタンスは、0.02〜0.04μHである。この残留インダクタンスをさらに減少させるには限度がある。
平板状ワンターンコイル3は、基本的にそのインダクタンスが小さく、大電流を流し易い構造である。しかし、このインダクタンスが小さすぎると問題(欠点)となることを理論的に説明する。
コンデンサ電源を用いた電磁溶接又は成形装置(回路)の電気回路図を図10に示す。この電気回路は基本的にコンデンサ電源1と平板状ワンターンコイル3をスイッチ2を通して結ぶ回路であり、金属薄板5が平板状ワンターンコイル3の上にない状態である。コンデンサ電源1は静電容量C、内部インダクタンスL1および内部抵抗R1から、スイッチ2はインダクタンスL2および抵抗R2から、平板状ワンターンコイル3はインダクタンスLcおよび抵抗Rcからなる。装置(回路)には他に、接続用配線部分のインダクタンスL3および抵抗R3が存在する。配線部分のインダクタンスL3および抵抗R3は、実際には分散して存在するが、図10ではまとめて示してある。
金属薄板5が平板状ワンターンコイル3の上にない状態での電気回路図10の等価回路を図11に示す。直列に存在する各部分の抵抗を加えて抵抗Rとし、平板状ワンターンコイル3のインダクタンスLc以外の各インダクタンスを加えて残留インダクタンスLrとしてある。
金属薄板5が平板状ワンターンコイル3上にある状態での前記装置の等価回路を図12に示す。金属薄板5はインダクタンスLsおよび抵抗Rsからなる。インダクタンスLcとインダクタンスLsは相互インダクタンスMで電磁結合している。等価回路図12の1次側回路は図11と同じ回路である。等価回路図12の2次側回路は金属薄板5である。2次側回路に流れる電流は、金属薄板5に流れる渦電流に対応している。
等価回路(図12)を1次回路側から見た別の等価回路で表すと図13となる。回路の抵抗は1つの等価抵抗Reで表され、インダクタンスLcとインダクタンスLsが電磁結合している部分は1つの等価インダクタンスLeで表される。等価インダクタンスLeは、実効インダクタンスとも呼ばれ、平板状ワンターンコイル3が金属薄板5と電磁結合した状態での値である。この値は平板状ワンターンコイル3単独での値に比べ減少する。平板状ワンターンコイル3と金属薄板5とは片面だけで電磁結合しているので、平板状ワンターンコイル単独での値に比べ最大で50%減少する。しかし、実際の装置では,平板状ワンターンコイルや金属薄板に厚さがあり、絶縁のため0.1〜0.3mm程度離れており、さらに重なる面積が異なるので、減少する割合は25〜5%となる。
通常、パルス大電流を流す前記の装置(等価回路)では等価抵抗Reが非常に小さいので、流れる電流は装置(等価回路)のインダクタンスによて制限される。充電したコンデンサ電源1をスイッチ2を閉じて放電したとき、電源の静電エネルギーは主に磁気エネルギーとして残留インダクタンスLr部分および平板状ワンターンコイル3の等価インダクタンスLe部分に移送される。平板状ワンターンコイル3の等価インダクタンスLe部分へ移送された磁気エネルギーが、電磁力を発生させる(非特許文献1)。残留インダクタンスLr部分に移送される磁気エネルギーは、電磁力とならず無駄に消費される。電源のエネルギーを効率よく平板状ワンターンコイル3へ移送し、大きな電磁力を発生するためには、コイル3の中央部分4Aのインダクタンス又は被加工材(板)と電磁結合したこの部分の等価インダクタンスLeを、残留インダクタンスLrに比べ大きくする必要がある。
日本塑性加工学会編「高エネルギー速度加工」、コロナ社(1993年)p.166〜p.167
電源の静電エネルギーに対する、等価インダクタンスLe部分へ移送された磁気エネルギーの割合を電源エネルギーの移送効率ηと呼んでいる。この移送効率ηは等価抵抗Reを無視(零と)したとき、次式で与えられる(非特許文献1)。
式2
η=Le/(Le+Lr)
電源のエネルギー移送効率を比較した例を次に示す。ここでは、等価抵抗Reを無視し、残留インダクタンスを0.02μH、コイルの中央部分4Aの厚さを2mmとし、比較が容易なコイル単独でのインダクタンスを用いて概算した。
中央部分4Aの長さ100mm、幅5mmの場合、平板状ワンターンコイル3のインダクタンスは約0.04μHでエネルギー移送効率は約70%となる。中央部分4Aの長さ100mm、幅20mmの場合、平板状ワンターンコイル3のインダクタンスは約0.01μHと小さくなり、エネルギー移送効率約30%となる。中央部分4Aの長さ25mm、幅5mmの場合、平板状ワンターンコイル3のインダクタンスは約0.01μHと小さくなり、エネルギー移送効率約30%となる。
以上のように、平板状ワンターンコイル3の中央部分4Aの幅を広くするか長さを短くすると、この部分のインダクタンスが減少する。このインダクタンスが、残留インダクタンスと同程度以下になると、電源のエネルギーが平板状ワンターンコイル3へ移送される割合が半分以下に少なくなる。電流が残留インダクタンスLrによって制限される割合が大きくなる。結果として、効率よく電磁力を発生することができない。
中央部分4Aの幅を広くした平板状ワンターンコイル3は、電源エネルギーの移送効率が約30%の状態で電磁張出し成形用に使用されている(特許文献2)。また、中央部分4Aの長さを短くした平板状ワンターンコイル3は、エネルギー移送効率が約40%の状態で端子板の電磁圧接(溶接)用に使われている(非特許文献2)。
電子情報通信学会技術研究報告105巻485号、EMD2005−100、p.19〜p.24
平板状ワンターンコイル3には以上のような欠点がある。これを改良し、平板状ワンターンコイル3の中央部分4Aの幅を広くするか長さを短くしても、電源エネルギーの移送効率が高くなる平板状コイルが望まれる。本発明の目的は、このような平板状コイルを提供することにある。
なお、電源エネルギーの移送効率が悪い平板状ワンターンコイル3を使う場合でも、電源のエネルギーを増加すれば大きな磁気エネルギーをコイル3へ移送できるが、電源部分の容積と重量が増加する欠点がある。エネルギーの移送効率が悪いワンターンコイルを使うと省エネルギーの点からも良くない。
課題を解決するための手段
電流が集中する中央部分の幅を広くした平板状ワンターンコイルのインダクタンスを、増加させる手段として次のことが考えられる。中央部分の長さを短くした平板状ワンターンコイルの場合にも適応できる。
(1)中央部分の幅が広い平板状ワンターンコイルの板厚を1/2に減らし平板状コイル板とする。この平板状コイル板を絶縁し、2枚重ねて配置する。これらのコイル板3A、3Bを直列に接続し、電流が2つの中央部分4Aで同方向へ流れるようにする。結果としてコイル巻数が2倍になるので、インダクタンスは約4倍になる。コイル全体の板厚、電流集中部分の幅は変化しない。
(2)中央部分の幅が広い平板状ワンターンコイルを、中央部分の電流が流れる方向の中心線で2等分する。そのまま互いに絶縁し、切断部分を接近させて配置する。2つに分かれた平板状コイル板11を直列に接続し、2つの電流集中部分12で同方向へ流れるようにする。この場合も、コイル巻数が2倍になるので、インダクタンスは約4倍になる。コイル全体の板厚、電流が集中する部分の幅は等価的には変化しない。
(3)電流が集中する部分の幅が広い平板状ワンターンコイルの電流集中部分に小半径の穴を多数あけ、電流を流れにくくする。穴の径や分布を選択すれば、コイルのインダクタンスは増加する。コイル板厚、電流が集中する部分の幅は変化しない。
本発明は、以上の手段を基にして、エネルギー効率よく電磁溶接又は電磁成形を行うことのできる平板状コイル、具体的には複数の平板を並べるか重ねるなどして構成した平板状複数巻きコイルを提供する。
なお、平板状複数巻きコイルのインダクタンスが増加すると、このコイルに流れる電流の大きさ、波形も変化する。これを防ぐには、コンデンサ電源のエネルギーを変えず、静電容量を小さくし、充電電圧を高くすればよい。コイルに流れる電流波形は、一般に減衰振動波形となるが、その振動周期はコイルを含む電気回路のインダクタンスと静電容量との積の平方根にほぼ比例するからである。
発明の効果
請求項1〜3記載の発明による平板状複数巻きコイルを図8又は図9の平板状ワンターンコイル3に替えて使用すれば、金属薄板を同様に電磁溶接又は電磁成形できる。その際、平板状複数巻きコイルにパルス大電流が流れても損傷を受けにくい。また、平板状コイルにもかかわらずインダクタンスが大きいので、電源エネルギーの移送効率がよくなる。
前記平板状複数巻きコイルは、コイルのインダクタンスが大きくなるので、別の利点も生じる。実際の装置では周囲の状況やロボットアームへの組込みから、このコイルを電源(スイッチを含む)から数m離して使用することがある。この場合、これらコイルと電源を接続する部分のインダクタンスが増加するので、従来の平板状ワンターンコイルでは、電源の移送効率が悪くなる。前記平板状複数巻きコイルでは、電源から数m離して使用しても、電源の移送効率が悪くなるのを防げる。
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
図1にコイル板3A、3Bを2枚重ねた平板状二巻きコイルの電気的接続と構成を分解斜視図で示す。また、図2に平板状二巻きコイルの実際の接続例を分解斜視図で示す。ここで、コイル板3A、3Bの板厚は1mm程度と薄いので面で示してある。コイル板3A、3Bを絶縁して重ね、その接続部9、10をそれぞれ溶接すればコイル板3A、3Bは直列接続される。
前述の平板状二巻きコイルの数値例などを述べる。コイル板3A、3Bの材質はクロム銅、その板厚は1mm、コイル中央部分4Aの長さは100mm、幅は20mmである。2枚のコイル板は厚さ0.1mm程度のポリイミドなどの薄いシート(図示されていない)で絶縁されている。実際に密着した平板状二巻きコイルの厚さは約2mmである。コイル板3A、3Bのインダクタンスは約0.01μHである。コイルには高周波電流が流れるためコイルインダクタンスは、板厚(1mmと2mm)にほとんど依らない。コイル板3A、3Bを図2のように直列接続すれば、二巻きコイルのインダクタンスは約0.04μHとなる。 コイルのインダクタンスは、スイッチおよびコンデンサ電源内部に残留するインダクタンス0.02μHに比べて大きくなるので、電源エネルギーの移送効率がよくなる。概算上では、移送効率が約70%になる。
同様に前記コイル板を3枚重ねて、直列接続すれば、三巻きコイルのインダクタンスはさらに大きくなる。
平板状二巻きコイルと平板状ワンターンコイル3を比較した実験例を以下に示す。図9の電磁張出し成形装置においてコンデンサ電源の静電容量を100〜400μF、電源エネルギーを2〜4kJとし、中央部分4Aの幅20mm、長さ130mm、厚さ2mmの平板状二巻きコイルを用い、電磁張出し実験を行った。同じ電源エネルギーで、ほぼ同寸法の平板状ワンターンコイル3で張出し成形した場合と比較したところ、成形量が30%以上大きくなった。
前記コイル板3Aを、中央部分4Aの電流が流れる方向の中心線で2等分したコイル板11を使用する。図3にコイル板11の電流集中部分12を接近させて平面上に2枚並べた平板状二巻きコイルの接続と構成を示す。このコイルの数値例を以下に述べる。コイル板11の材質はクロム銅、その板厚は1mm、コイル板11の電流集中部12の長さは100mm、幅は10mmである。2枚のコイル板11は厚さ0,1mm程度のポリイミドなどの薄いシート(図示されていない)で絶縁されている。コイル板11のインダクタンスは約0.03μHである。これらを図3のように直列接続すれば、平板状二巻きコイルのインダクタンスは約0.1μHとなる。この場合も、この平板状二巻きコイルのインダクタンスは、スイッチおよびコンデンサ電源内部に残留するインダクタンス0.02μHに比べ大きくなるので、電源エネルギーの移送効率がよくなる。
図4にコイル板11の電流集中部12を接近させて平面上に2枚並べ、さらにこれらを重ねた平板状四巻きコイルの接続と構成を分解斜視図で示す。各コイル板11を図4のように直列接続すれば、四巻きコイルのインダクタンスは0.4μH以上となる。電源エネルギーの移送効率はさらによくなる。
図5に円形状にシーム溶接する場合の平板状二巻きコイルの接続と構成を示す。円形状部分の幅は3〜5mm、平均直径は30〜60mmである。円形状部分の平均直径が30〜40mm程度に小さくなると、円形状部分に電流を並列に流す平板状ワンターンコイル(特許文献3)に比べエネルギー移送効率がよくなる。
特開2004−342535号(図10)
図6に円形状にシーム溶接する場合の別の平板状二巻きコイルの接続と構成を示す。円形状部分の幅、平均直径は実施例4と同様である。この実施例は円形状部分に電流を並列に流す平板状ワンターンコイル(特許文献3)を2枚重ね平板状二巻きコイルとしている。平板状二巻きコイルのインダクタンスは前記平板状ワンターンコイルのインダクタンスの約4倍になるので、エネルギー移送効率がよくなる。
図7に示した平板状ワンターンコイル3などの中央部分4Aに直径1〜2mm程度の円などの孔(穴)を多数あける。この結果、電流が流れにくくなるの中央部分4Aのインダクタンスが増加する。電源エネルギーの移送効率が改善される。前記実施例のコイル板3A、3B、11についても同様に孔をあけることができる。あける孔の数が多すぎると、コイル板の強度が下がる。孔のあいたコイル板の重量は、孔のあいていないときのコイル板の重量の50〜70が適当である。インダクタンスは10〜30%程度増加する。
本発明の実施例1の電気的接続と構成を示す分解斜視図である。 本発明の実施例1の具体的接続例を示す分解斜視図である。 本発明の実施例2の概略を示す正面図である。 本発明の実施例3の電気的接続と構成を示す分解斜視図である。 本発明の実施例4の概略を示す正面図である。 本発明の実施例5の電気的接続と構成を示す分解斜視図である。 平板状ワンターンコイルを用いた典型的な電磁溶接又は電磁成形装置の概略図である。(A)は平面図、(B)はコイルの斜視図である。 図7に示すコイル上部に金属薄板と固定具を配置し、電磁溶接する方法を示す概略図である。(A)は平面図、(B)は断面図である。 図7に示すコイル上部に金属薄板と金型を配置し、電磁張出し成形する方法を示す概略図である。(A)は平面図、(B)は断面図である。 金属薄板がない状態のコイルとコンデンサ電源を結ぶ電気回路図である。 電気回路(図10)の等価回路である。 金属薄板がある状態のコイルとコンデンサ電源を結ぶ電気回路図の等価回路である。 等価回路(図12)を1次回路側から見た別の等価回路である。
符号の説明
1 電源又はコンデンサ電源
2 スイッチ
3 平板状ワンターンコイル
3A、3B 平板状コイル板
4A 平板状ワンターンコイル又は平板状コイル板の中央部分
4B,4C 平板状ワンターンコイルの周辺部分
5 金属薄板
6 固定具
7 磁束
8 金型
9、10 平板状コイル板の接続部
11 平板状コイル板を2等分したコイル板
12 平板状コイル板を2等分したコイル板の電流集中部分
13 円形にシーム溶接するコイル板
14 円形にシーム溶接するコイル板の電流集中部分

Claims (3)

  1. 導電性金属板を加工して電源からの往きの電流を流すための幅が狭く、細長い形状の電流集中部を設け、戻りの電流を流すための幅の広い部分を残りの部分に設けた、電気的に絶縁された一枚の板から構成される平板状ワンターンコイル上に金属薄板などを置き、電源からこのコイルに通電して電磁力を発生させ、この電磁力によって前記金属薄板をそれぞれ溶接又は成形する電磁溶接又は電磁成形装置において、
    ほぼ同じ形状の二枚以上の前記平板状ワンターンコイルの電流集中部を近づけて配置し、電気的に直列接続した平板状複数巻きコイル。
  2. 前記の平板状ワンターンコイルにおいて、電源からの往きの電流を流すための幅が狭く、細長い形状の電流集中部を中央部分に設け、戻りの電流を流すための幅の広い部分を残りの部分に設け、電流が集中する中央部分を重ね配置することを特徴とする請求項1記載の平板状複数巻きコイル。
  3. 前記の平板状ワンターンコイルにおいて、電源からの往きの電流を流すための幅が狭く、細長い形状の電流集中部分を外側部分に設け、戻りの電流を流すための幅の広い部分を残りの部分に設け、電流集中部分を並べて配置することを特徴とする請求項1記載の平板状複数巻きコイル。
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