JP2017538777A - テトラカインをベースにした麻酔剤 - Google Patents
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Abstract
本発明は、テトラカインをベースにした麻酔製剤およびその使用方法に関する。本発明はまた、テトラカインをベースにした歯科用麻酔製剤、ならびにこれらの製剤を使用して第1大臼歯の遠心側半分、第2大臼歯、および第3大臼歯を含む上顎歯列弓の上顎後方大臼歯および上顎後方大臼歯の周囲の組織を麻酔するための方法にも関する。上記製剤は、a)テトラカインまたは薬学的に許容されるその塩、b)血管収縮剤、およびc)薬学的に許容される担体を含み得る。
Description
(関連出願)
本出願は、2014年12月23日に出願された米国仮出願番号第62/096,287号に基づく利益を主張しており、この仮出願は、その全体が参考として本明細書によって援用される。
本出願は、2014年12月23日に出願された米国仮出願番号第62/096,287号に基づく利益を主張しており、この仮出願は、その全体が参考として本明細書によって援用される。
(発明の技術分野)
本発明は、テトラカインをベースにした麻酔製剤およびその使用方法に関する。本発明はまた、テトラカインをベースにした歯科用麻酔製剤、ならびに上顎歯列弓の第1大臼歯の遠心側半分、第2大臼歯、および第3大臼歯を含む上顎後方大臼歯ならびに後方大臼歯の周囲の組織を麻酔するための方法に関する。
本発明は、テトラカインをベースにした麻酔製剤およびその使用方法に関する。本発明はまた、テトラカインをベースにした歯科用麻酔製剤、ならびに上顎歯列弓の第1大臼歯の遠心側半分、第2大臼歯、および第3大臼歯を含む上顎後方大臼歯ならびに後方大臼歯の周囲の組織を麻酔するための方法に関する。
(発明の背景)
上顎第2大臼歯および第3大臼歯を麻酔するための最も一般的な手段は、浸潤注射の使用によるものである。例えば、患者は、処置(例えば、充填または抜歯)を受ける歯(1つまたは複数)の頬面の根尖近傍に、針の刺入および局所麻酔溶液の注射を受け得る。歯科用局所麻酔薬の上顎口蓋注射は、歯の局所的遮断麻酔のためおよび/または局所的神経遮断を有効にするために使用され得る。
上顎第2大臼歯および第3大臼歯を麻酔するための最も一般的な手段は、浸潤注射の使用によるものである。例えば、患者は、処置(例えば、充填または抜歯)を受ける歯(1つまたは複数)の頬面の根尖近傍に、針の刺入および局所麻酔溶液の注射を受け得る。歯科用局所麻酔薬の上顎口蓋注射は、歯の局所的遮断麻酔のためおよび/または局所的神経遮断を有効にするために使用され得る。
針または注射に対する不快感および恐怖症を含む、歯科への不安は、定期的な歯科医療に対する長年の障壁である。American Dental Associationによって行われた調査では、調査を受けた人のうち27%が、歯科通院を避ける理由として、「疼痛に対する恐怖」を示した。局所麻酔薬の注射は、子供および大人にとって、歯科医術において最も不安を引き起こす手順として認識されている。局所麻酔薬の注射は、恐怖、疼痛、および血圧上昇をもたらし得るだけでなく、注射に対するストレスの増加により、失神、過呼吸、痙攣、ショック、高血圧、心停止、呼吸困難、保存剤に対する急性アレルギー反応、気管支痙攣、口峡炎、および有病患者における器官系毒性を引き起こす可能性がある。さらに、標的神経への局所注射は、時に、針による神経の損傷および/または切断の結果として永久的な麻痺をもたらす場合がある。稀な症例では、注射用麻酔薬の重度の過量投与、または麻酔薬の偶発的な急速な血管内注射により、死に至る場合すらある。注射の行為は、(概念的、精神的、および身体的に)侵襲的であり、これが、世界的に見て、人々が定期的な歯科医療を避け、緊急時にしか歯科医を訪れない主な理由である。実際のところ、一部の研究は、米国では数百万人の人々が、疼痛のために歯科処置を恐れていることを示している。定期的な歯科医療がなければ、虫歯、歯肉疾患、および口腔がんが検出されないまま放置される可能性があり、結果として感染症および重度の全身的な健康問題をもたらし得る。
加えて、針刺しを介した血液媒介病原体への曝露の危険性は、歯科医術において認識されている職業上の危険である。1991年以来、Occupational Safety and Health Administration(「OSHA」)は、従業員の血液媒介病原体への曝露を排除するかまたは最小限に抑えるために、より安全な医療デバイスを識別、評価、および実装するように雇用者に要求するBloodborne Pathogens Standardを実行している。この基準は、連邦議会(Congress)がNeedlestick Safety and Prevention Actを通過させた2000年に、改正された。この法案は、Bloodborne Pathogens standard下における雇用者の義務についてより詳細に記載しており、「より安全な医療デバイス」が無針システムを含むことを具体的に示した。したがって、針を使用せずに送達することができ、かつ米国連邦政府によって強制され立案された業務実施管理を順守した麻酔薬を開発するさらなる動機が存在する。
現在最も広く使用されている歯科用局所麻酔薬であるリドカインは、1940年代に初めて導入された。針を用いない麻酔薬を開発しようと多くの試みにもかかわらず、現在のところ市販の広く使用されている注射を用いない表面下の部分的な局所麻酔薬は、Oraqix(登録商標)ゲルのみである。Oraqix(登録商標)は、歯石除去または根面平滑化手順中に歯周ポケットにおいて使用することができるが、充填、歯冠、および歯根管などの手順での使用に適した麻酔は提供しない。さらに、ラットへのリドカインの鼻腔内投与は、鼻腔癌腫を増進させる可能性と関連付けられている。Tydenら、「Metabolic activation of 2,6−xylidine in the nasal olfactory mucosa and the mucosa of the upper alimentary and respiratory tracts in rats」、Toxicol.Sci.81巻(2号):263〜72頁(2004年)。
さらに、行動変容療法、注射部位周囲の局部麻痺、亜酸化窒素、催眠、および経皮電気神経刺激(「TENS」)装置など、歯科医術の快適さには多くの進歩があったが、これらの進歩の中には、針注射の必要性を排除したものはなかった。
さらに、行動変容療法、注射部位周囲の局部麻痺、亜酸化窒素、催眠、および経皮電気神経刺激(「TENS」)装置など、歯科医術の快適さには多くの進歩があったが、これらの進歩の中には、針注射の必要性を排除したものはなかった。
Tydenら、「Metabolic activation of 2,6−xylidine in the nasal olfactory mucosa and the mucosa of the upper alimentary and respiratory tracts in rats」、Toxicol.Sci.81巻(2号):263〜72頁(2004年)
したがって、代替的かつ有効な麻酔薬に対する必要性が残っている。特に、代替的かつ有効な麻酔薬、ならびに患者に余計な口腔軟組織の麻痺、不快感、または恐怖症をもたらすことなく、第1大臼歯の遠心側半分、第2大臼歯、および第3大臼歯を含む患者の上顎後方大臼歯を麻酔するために、そのような麻酔薬を患者に投与するための手段に対する必要性が残っている。
(発明の要旨)
本発明は、テトラカインをベースにした麻酔薬およびその使用方法を提供する。
本発明は、テトラカインをベースにした麻酔薬およびその使用方法を提供する。
一態様では、本発明は、経鼻投与することができ、第1大臼歯の遠心側半分、第2大臼歯、および第3大臼歯を含む上顎後方大臼歯を麻酔するのに有用である、テトラカインをベースにした歯科用麻酔製剤を提供する。一部の実施形態では、本発明は、上顎第2大臼歯および第3大臼歯を麻酔するのに有用である。本発明は、鼻腔内、および上顎洞などの副鼻腔内またはその近傍の特定の領域に麻酔薬を送達することに基づく。本発明はまた、上歯神経叢、上顎神経の眼窩下の枝、後上歯槽神経、蝶口蓋(翼口蓋)神経節、シュナイデル膜の下の神経、および/または翼口蓋窩(蝶口蓋窩)に麻酔薬を送達することに基づく。
上歯の神経は、鼻腔領域内およびその周囲から下向きに歯へと延びている。本発明の医薬組成物は、鼻腔を通じて投与され、接触点で神経路に作用し、上顎を通って上方向、横方向、および下方向に移動する。これにより、上歯神経叢および後上歯槽神経を含むがこれらに限定されない、上歯および周囲組織のすべてからの神経インパルスを伝達する枝を麻酔する。
一態様では、本発明は、a)テトラカインまたは薬学的に許容されるその塩、b)血管収縮剤、およびc)薬学的に許容される担体を含む、医薬組成物を提供する。他の実施形態では、本医薬組成物は、a)テトラカインまたは薬学的に許容されるその塩、b)血管収縮剤、c)保存剤、d)粘性増強剤、およびe)薬学的に許容される担体を含む。一部の実施形態では、本組成物は、約2.0〜5.0%(w/v)のテトラカインを含む。一部の実施形態では、本組成物は、約2.25〜4.75%(w/v)のテトラカインを含む。他の実施形態では、本組成物は、約2.5〜4.0%(w/v)のテトラカインを含む。さらに他の実施形態では、本組成物は、約2.5〜3.5%(w/v)のテトラカインを含む。他の実施形態では、本組成物は、約3%(w/v)のテトラカインを含む。一部の実施形態では、本医薬組成物は、鼻腔内投与用である。
一態様では、本発明は、a)テトラカインHCl、b)血管収縮剤、およびc)薬学的に許容される担体を含む、医薬組成物を提供する。他の実施形態では、本医薬組成物は、a)テトラカインHCl、b)血管収縮剤、c)保存剤、d)粘性増強剤、およびe)薬学的に許容される担体を含む。一部の実施形態では、本組成物は、約2.0〜5.0%(w/v)のテトラカインHClを含む。一部の実施形態では、本組成物は、約2.25〜4.75%(w/v)のテトラカインHClを含む。他の実施形態では、本組成物は、約2.5〜4.0%(w/v)のテトラカインHClを含む。さらに他の実施形態では、本組成物は、約2.5〜3.5%(w/v)のテトラカインHClを含む。他の実施形態では、本組成物は、約3%(w/v)のテトラカインHClを含む。一部の実施形態では、本医薬組成物は、鼻腔内投与用である。
本発明の医薬組成物に含まれ得る血管収縮剤には、交感神経様作用剤、間接的α1−アドレナリン作動性;カルシウムチャネル遮断剤;メペリジン;オキシメタゾリン、キシロメタゾリン、およびデクスメデトミジンなどのイミダゾール薬物;グアンファシンなどのα2−アドレナリンアゴニスト;イミダゾリン(I1)リガンド;クロニジンなどの直接的α2−アドレナリンアゴニスト;カプサイシンなどのサブスタンスP遮断剤/低下剤;I−メンソール;イシリン;エピネフリン(すなわち、アドレナリン);レボノルデフリン(すなわち、ノルデフリン);ならびにグルタミン酸受容体阻害剤;またはこれらの薬学的に許容される塩が含まれるがこれらに限定されない。一部の実施形態では、血管収縮剤は、オキシメタゾリン、または薬学的に許容されるその塩である。他の実施形態では、オキシメタゾリンは、オキシメタゾリンHCl塩である。
一部の実施形態では、本医薬組成物は、約0.01〜1.0%(w/v)のオキシメタゾリンHClを含む。他の実施形態では、本医薬組成物は、約0.05〜1.0%(w/v)のオキシメタゾリンHClを含む。他の実施形態では、本医薬組成物は、約0.05%(w/v)のオキシメタゾリンHClを含む。
一部の実施形態では、本医薬組成物は、保存剤をさらに含む。一部の実施形態では、保存剤には、糖アルコール(例えば、ソルビトールおよびマンニトール)、エタノール、ベンジルアルコール、イソプロパノール、クレゾール、クロロクレゾール、およびフェノールが含まれるがこれらに限定されない。一部の実施形態では、保存剤は、ベンジルアルコールである。一部の実施形態では、本医薬組成物は、約0.5〜2.0%(w/v)のベンジルアルコールを含む。他の実施形態では、本医薬組成物は、約0.9%(w/v)のベンジルアルコールを含む。
一部の実施形態では、本医薬組成物は、粘性増強剤をさらに含む。粘性増強剤は、組織浸透増強剤としても機能し得る。一部の実施形態では、粘性増強剤には、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、およびスマートヒドロゲルが含まれるがこれらに限定されない。一部の実施形態では、粘性増強剤は、ヒドロキシエチルセルロースである。一部の実施形態では、本医薬組成物は、約0.01〜1.0%(w/v)のヒドロキシエチルセルロースを含む。他の実施形態では、本医薬組成物は、約0.05%(w/v)のヒドロキシエチルセルロースを含む。
一部の実施形態では、本医薬組成物は、ゲル、液体、または粉末として製剤化される。一部の実施形態では、液体は、水、糖アルコール、アルコール(例えば、エタノール)、または標的組織と生物学的に適合性のある任意の他の麻酔用溶媒である。
一部の実施形態では、本医薬組成物のpHは、約4.0〜約7.5である。他の実施形態では、本医薬組成物のpHは、約4.0〜約6.5である。別の実施形態では、本医薬組成物は、約5.5〜約6.5のpHを有する。さらなる実施形態では、本医薬組成物は、約6.0〜約6.5のpHを有する。
特定の実施形態では、本医薬組成物は、テトラカイン、オキシメタゾリン、およびベンジルアルコールを含む。別の特定の実施形態では、本医薬組成物は、テトラカインHCl、オキシメタゾリンHCl、およびベンジルアルコールを含む。別の実施形態では、本医薬組成物は、テトラカインHCl、オキシメタゾリンHCl、無水クエン酸(pH制御のため)、水酸化ナトリウム(pH調整のため)、ベンジルアルコール、塩酸(pH制御のため)、ヒドロキシエチルセルロース、および精製水を含む。さらに別の実施形態では、本医薬組成物は、テトラカインHCl、オキシメタゾリンHCl、無水クエン酸(pH制御のため)、無水クエン酸ナトリウム(pH制御のため)、水酸化ナトリウム(pH調整のため)、ベンジルアルコール、塩酸(pH制御のため)、ヒドロキシエチルセルロース、および精製水を含む。別の実施形態では、本医薬組成物は、テトラカインHCl、オキシメタゾリンHCl、無水クエン酸(pH制御のため)、クエン酸ナトリウム二水和物(pH制御のため)、水酸化ナトリウム(pH調整のため)、ベンジルアルコール、塩酸(pH制御のため)、ヒドロキシエチルセルロース、および精製水を含む。さらに特定の実施形態では、本発明の医薬組成物は、以下の表1に列挙される構成成分およびそれぞれの量を含む(本明細書において「表1の製剤」と称される)。
別の態様では、本発明は、対象における第1大臼歯の遠心側半分、第2大臼歯、および第3大臼歯を含む上顎後方大臼歯(ならびに歯列弓の外側の痛覚線維)を麻酔するための方法であって、対象の鼻腔近傍またはその中に本発明の医薬組成物を選択的に送達することを含み、本医薬組成物の少なくとも一部分が、蝶口蓋神経節、後上歯槽神経、上歯神経叢、上顎神経の眼窩下の枝、シュナイデル膜の下の神経、および/または翼口蓋窩(蝶口蓋窩)の近傍で、鼻腔後方に位置する鼻組織によって吸収される、方法を提供する。一部の実施形態では、本発明は、対象における上顎第2大臼歯および第3大臼歯(ならびに歯列弓の外側の痛覚線維)を麻酔するための方法であって、対象の鼻腔近傍またはその中に本発明の医薬組成物を選択的に送達することを含み、本医薬組成物の少なくとも一部分が、蝶口蓋神経節、後上歯槽神経、上歯神経叢、上顎神経の眼窩下の枝、シュナイデル膜の下の神経、および/または翼口蓋窩(蝶口蓋窩)の近傍で、鼻腔後方に位置する鼻組織によって吸収される、方法を提供する。本方法は、対象の上顎後方大臼歯(および上顎弓の外側であるが、その周囲の関連痛覚線維)を麻酔する。一部の実施形態では、本医薬組成物は、対象の副鼻腔および/または鼻腔後方に送達される。一部の実施形態では、上顎後方大臼歯の周囲の組織もまた、麻酔される。他の実施形態では、上顎第2大臼歯および第3大臼歯の周囲の組織もまた、麻酔される。一部の実施形態では、本医薬組成物は、噴霧、イオン泳動、レーザー、超音波(典型的に、20,000サイクル/秒を超える)、またはスプレーによって送達される。一部の実施形態では、本医薬組成物は、投与の前に冷却または加熱される。一部の実施形態では、本医薬組成物は、スプレーによって送達される。他の実施形態では、送達されるスプレーは、流れまたは水煙(plume)である。一部の実施形態では、本方法は、第1大臼歯の遠心側半分、第2大臼歯、および第3大臼歯を含む後方大臼歯を麻酔するためのものである。他の実施形態では、本方法は、上顎第2大臼歯および第3大臼歯を麻酔するためのものである。
一部の実施形態では、本方法は、対象の鼻孔のそれぞれに本発明の鼻腔内用医薬組成物を数回スプレーすることを含む。一部の実施形態では、本方法は、対象の鼻孔のそれぞれに本発明の鼻腔内用医薬組成物を1〜5回スプレーすることを含む。一部の実施形態では、本方法は、対象の鼻孔のそれぞれに本発明の鼻腔内用医薬組成物を1〜3回スプレーすることを含む。他の実施形態では、本方法は、対象の鼻孔のそれぞれに本発明の医薬組成物を3回スプレーすることを含む。一部の実施形態では、本方法は、対象の鼻孔の一方に本発明の医薬組成物を1〜5回スプレーすることを含む。一部の実施形態では、本方法は、対象の鼻孔の一方に本発明の医薬組成物を1〜3回スプレーすることを含む。他の実施形態では、本方法は、対象の鼻孔の一方に本発明の医薬組成物を3回スプレーすることを含む。一部の実施形態では、スプレーのそれぞれは、互いに約1〜10分以内に投与される。例えば、スプレー番号1が投与され得、続いて約1〜10分の間隔があり、その後にスプレー番号2が投与され、続いて約1〜10分の間隔があり、その後にスプレー番号3が投与されるなどである。一部の実施形態では、スプレー間の間隔は、約1〜6分間である。一部の実施形態では、スプレー間の間隔は、約2〜6分間である。他の実施形態では、スプレー間の間隔は、約3〜5分間である。さらに他の実施形態では、スプレー間の間隔は、約4分間である。
一部の実施形態では、本方法は、判明している(例えば、計測した)量のテトラカインを、対象の鼻腔近傍またはその中に送達することを含む。一部の実施形態では、本方法は、約12〜50mgのテトラカインを、対象の副鼻腔および/または鼻腔後方に送達することを含む。他の実施形態では、本方法は、約15〜24mgのテトラカインを、対象の副鼻腔および/または鼻腔後方に送達することを含む。別の実施形態では、本方法は、約15〜20mgのテトラカインを、対象の副鼻腔および/または鼻腔後方に送達することを含む。別の実施形態では、本方法は、約18mgのテトラカインを、対象の副鼻腔および/または鼻腔後方に送達することを含む。
一部の実施形態では、本方法は、判明している(例えば、計測した)量のテトラカインHClを、対象の鼻腔近傍またはその中に送達することを含む。一部の実施形態では、本方法は、約12〜50mgのテトラカインHClを、対象の副鼻腔および/または鼻腔後方に送達することを含む。他の実施形態では、本方法は、約15〜24mgのテトラカインHClを、対象の副鼻腔および/または鼻腔後方に送達することを含む。別の実施形態では、本方法は、約15〜20mgのテトラカインHClを、対象の副鼻腔および/または鼻腔後方に送達することを含む。別の実施形態では、本方法は、約18mgのテトラカインHClを、対象の副鼻腔および/または鼻腔後方に送達することを含む。
一部の実施形態では、副鼻腔後方および/または鼻腔後方に送達される医薬組成物の粒子サイズは、約5〜50ミクロン(μm)である。他の実施形態では、本医薬組成物の粒子サイズは、約10〜20ミクロンである。他の実施形態では、本医薬組成物は、粒子のうち少なくとも85%が、少なくとも約10ミクロンまたはそれよりも大きくなるような様式で送達される。さらに他の実施形態では、本医薬組成物の粒子サイズは、約10ミクロンまたはそれよりも大きい。
別の態様では、本発明は、本発明の医薬組成物の鼻腔内送達のためのスプレーデバイスを提供する。一部の実施形態では、スプレーデバイスは、鼻腔内用医薬組成物を、鼻腔後方に位置する鼻組織に送達することができる。他の実施形態では、スプレーデバイスは、鼻腔内用医薬組成物を、上歯神経叢、上顎神経の眼窩下の枝、後上歯槽神経、蝶口蓋(翼口蓋)神経節、シュナイデル膜の下の神経、および/または翼口蓋窩(蝶口蓋窩)の近傍で、副鼻腔または鼻腔後方に位置する鼻組織に送達することができる。さらに他の実施形態では、スプレーデバイスは、本発明の鼻腔内用医薬組成物が事前充填される。
(発明の詳細な説明)
本明細書に記載される発明を完全に理解することができるように、以下の詳細な説明が記載される。
本明細書に記載される発明を完全に理解することができるように、以下の詳細な説明が記載される。
別途定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般に理解されているものと同じ意味を有する。本明細書に記載されるものに類似またはそれと同等の方法および材料を本発明の実施または試験において使用することができるが、好適な方法および材料が、以下に記載されている。材料、方法、および実施例は、例示に過ぎず、限定することを意図するものではない。本明細書に記載されるすべての刊行物、特許、および他の文書は、参照によりその全体が組み込まれる。
本明細書全体を通じて、「含む(comprise)」という用語または「含む(comprises)」もしくは「含んでいる(comprising)」などの変化形は、示された整数または整数の群の包含を意味するが、任意の他の整数または整数の群の除外は意味しないことが理解されるであろう。
本発明をさらに定義するために、以下の用語および定義が、本明細書に提供される。
定義
本明細書で使用される「麻酔する」とは、感覚の防止および/または疼痛の軽減を目的として、麻酔化合物(例えば、テトラカインまたはテトラカインHCl)を投与することを指す。
本明細書で使用される「麻酔する」とは、感覚の防止および/または疼痛の軽減を目的として、麻酔化合物(例えば、テトラカインまたはテトラカインHCl)を投与することを指す。
本明細書で使用される「鼻腔内製剤」は、鼻腔および/または副鼻腔に送達される製剤を指す。
本明細書で使用される「局所(local)麻酔薬」は、麻酔される神経末端近傍に送達され、組織内部に導入された後に拡散する、麻酔薬を指す。局所麻酔薬は、標的神経および神経の枝に到達できるに十分に深く組織に浸透することができる。局所麻酔薬は、「局部(topical)麻酔薬」とは異なるが、これは、局部麻酔薬が、およそ1〜2mmの深さまでの表面麻酔もたらすだけであるという点である。局部麻酔薬は、神経の枝または歯に到達するのに十分な深さまで組織に浸透しない。
本明細書で使用される「上顎」は、ヒトの頭蓋に融合して上側の顎を形成する骨の対のいずれかを指す。上顎は、単純に、上側の顎と称されることもある。
本明細書で使用される「上顎歯列弓」または「上顎弓」は、通常の位置において上顎(上)の歯によって形成される湾曲した構造を指す。
本明細書で使用される「粘膜組織」または「粘液性組織」は、上皮組織の一種を指す。粘膜組織は、器官の表面を覆うかまたは空洞の内側を覆う、組織の層を指す。粘膜組織の非限定的な例には、耳、咽喉、口、眼、鼻、直腸領域、および/または尿生殖路(膣など)の組織が含まれる。
本明細書で使用される「オキシメタゾリン」は、3−(4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−2−イルメチル)−2,4−ジメチル−6−tert−ブチル−フェノールおよびその任意の塩を指す。オキシメタゾリンHClは、3−(4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−2−イルメチル)−2,4−ジメチル−6−tert−ブチル−フェノールのHCl塩を指す。オキシメタゾリンは、α1−アドレナリンアゴニストおよび部分的α2−アドレナリンアゴニストである。
本明細書で使用される「歯髄麻酔」は、電気歯髄試験(EPT)の刺激(すなわち、歯髄試験器での読み取り値が65)を歯に施したときに、対象が歯に痛覚を示さないような麻酔のレベルを指す。
本明細書で使用される「前方神経」は、上流に位置する神経末端および神経を指し、通常、特定の参照神経からみてより中枢側の神経束に存在する。
本明細書で使用される「対象」は、哺乳動物(例えば、ヒト)を含む、動物を指す。
本明細書で使用される「テトラカイン」(「アメソカイン」と称されることもある)は、(2−(ジメチルアミノ)エチル4−(ブチルアミノ)ベンゾエート)およびその任意の塩を指す。テトラカインHClは、2−(ジメチルアミノ)エチル4−(ブチルアミノ)ベンゾエートのHCl塩を指す。
医薬組成物
本発明は、テトラカインをベースにした麻酔製剤を提供する。これらの製剤は、第1大臼歯の遠心側半分、第2大臼歯、および第3大臼歯を含む上顎後方大臼歯を麻酔するのに有用である。一態様では、本発明は、鼻腔内投与によって上顎後方大臼歯を麻酔するための医薬組成物を提供する。一部の実施形態では、本組成物は、上顎第2大臼歯および第3大臼歯を麻酔するためのものである。
本発明は、テトラカインをベースにした麻酔製剤を提供する。これらの製剤は、第1大臼歯の遠心側半分、第2大臼歯、および第3大臼歯を含む上顎後方大臼歯を麻酔するのに有用である。一態様では、本発明は、鼻腔内投与によって上顎後方大臼歯を麻酔するための医薬組成物を提供する。一部の実施形態では、本組成物は、上顎第2大臼歯および第3大臼歯を麻酔するためのものである。
一部の実施形態では、本発明は、テトラカインの鼻腔内製剤を提供する。一部の実施形態では、本発明は、テトラカインHClの鼻腔内製剤を提供する。そのような製剤は、第1大臼歯の遠心側半分、第2大臼歯、および第3大臼歯を含む上顎後方大臼歯、ならびに上顎歯列弓の神経を支配している痛覚線維を麻酔するのに有用である。一部の実施形態では、本製剤は、上顎第2大臼歯および第3大臼歯、ならびに上顎歯列弓の神経を支配している痛覚線維を麻酔するためのものである。そのような製剤は、局所麻酔薬として有用である。
テトラカインは、ほぼすべての他の局所麻酔薬と比較して、安定でありかつ高度にタンパク質結合性であるという点で、特有である。そのタンパク質結合性の性質およびより低い分子量のため、テトラカインは、コカイン、プロカイン、クロロプロカイン、およびベンゾカインなどの他のエステルをベースにした麻酔薬と比較すると、(特に、例えば、血管収縮剤、界面活性剤、乳化剤、溶媒、pH調節剤、および保存剤のうちの少なくともいくつかを含有する製剤中に存在する場合に)神経細胞のタンパク質に覆われた膜により良好に浸透および付着することができ、神経により良好に浸透して麻酔作用を誘導することができる。加えて、他のエステルをベースにした局所麻酔薬は、少量で非常に毒性であり、不安定であることも示されている。リドカイン、メピバカイン、ブピバカイン、エチドカイン、プリロカイン、およびロピバカインなどのアミドをベースにした局所麻酔薬は、タンパク質結合性ではあるが、テトラカインほど有効ではない(特に、テトラカインが、本発明の製剤のうちの1つの一部である場合)。
したがって、本発明は、テトラカインまたは薬学的に許容されるその塩の投与に好適な医薬組成物を提供する。ある特定の実施形態では、本医薬組成物は、a)テトラカインまたは薬学的に許容されるその塩、b)血管収縮剤、およびc)薬学的に許容される担体を含む。他の実施形態では、本医薬組成物は、a)テトラカインまたは薬学的に許容されるその塩、b)血管収縮剤、c)保存剤、d)粘性増強剤、およびe)薬学的に許容される担体を含む。一部の実施形態では、本組成物は、約2.0〜5.0%(w/v)のテトラカインを含む。一部の実施形態では、本組成物は、約2.25〜4.75%(w/v)のテトラカインを含む。他の実施形態では、本組成物は、約2.5〜4.0%(w/v)のテトラカインを含む。さらに他の実施形態では、本医薬組成物は、約2.5〜3.5%(w/v)のテトラカインを含む。特定の実施形態では、本医薬組成物は、約3%(w/v)のテトラカインを含む。一部の実施形態では、本医薬組成物は、鼻腔内投与用である。
本発明はまた、テトラカインHClの投与に好適な医薬組成物を提供する。ある特定の実施形態では、本医薬組成物は、a)テトラカインHCl、b)血管収縮剤、およびc)薬学的に許容される担体を含む。他の実施形態では、本医薬組成物は、a)テトラカインHCl、b)血管収縮剤、c)保存剤、d)粘性増強剤、およびe)薬学的に許容される担体を含む。一部の実施形態では、本組成物は、約2.0〜5.0%(w/v)のテトラカインHClを含む。一部の実施形態では、本組成物は、約2.25〜4.75%(w/v)のテトラカインHClを含む。他の実施形態では、本組成物は、約2.5〜4.0%(w/v)のテトラカインHClを含む。さらに他の実施形態では、本医薬組成物は、約2.5〜3.5%(w/v)のテトラカインHClを含む。特定の実施形態では、本医薬組成物は、約3%(w/v)のテトラカインHClを含む。一部の実施形態では、本医薬組成物は、鼻腔内投与用である。
任意の血管収縮剤を、本発明の医薬組成物において使用することができる。本発明の医薬組成物において使用される血管収縮剤は、複数の目的を有する。第1に、血管収縮剤は、組織(例えば、鼻組織)を収縮させ、それによって、麻酔薬の組織への(例えば、鼻腔のより深くへの)麻酔薬の浸透を増強させる。第2に、血管収縮剤が所望の領域に吸収されると、血管収縮剤は、麻酔薬の全身への移動を阻害し、それによって、麻酔薬が所望の部位に留まることが可能となる。第3に、血管収縮剤は、所望の組織への血流を低下させ、それによって、(典型的には、神経膜における金属イオノフォアをテトラカイン塩基に対してより感受性にするGタンパク質結合型受容体を活性化することにより)麻酔薬の有効性の持続期間を増加させる。本発明の医薬組成物において有用な典型的な血管収縮剤には、フェニレフリンなどの間接的α1−アドレナリンアゴニスト;カルシウムチャネル遮断剤;メペリジン;オキシメタゾリンおよびキシロメタゾリンなどのイミダゾール薬物;グアンファシンなどのα2−アドレナリンアゴニスト;イミダゾリン(I1)リガンド;クロニジンなどの直接的α2−アドレナリンアゴニスト;カプサイシンなどのサブスタンスP遮断剤/低下剤;I−メンソール;イシリン;ならびにグルタミン酸受容体阻害剤;またはこれらの薬学的に許容される塩が含まれるがこれらに限定されない。血管収縮剤はまた、Gタンパク質結合型受容体を活性化する化合物であってもよい。一部の実施形態では、血管収縮剤には、オキシメタゾリン、キシロメタゾリン、グアンファシン、クロニジン、フェニレフリン、メペリジン、カプサイシン;I−メンソール;イシリン、ならびにこれらの薬学的に許容される塩が含まれるがこれらに限定されない。一部の実施形態では、血管収縮剤は、オキシメタゾリン、または薬学的に許容されるその塩である。他の実施形態では、オキシメタゾリンは、オキシメタゾリンHCl塩である。
本発明の医薬組成物において使用される血管収縮剤の濃度は、具体的な血管収縮剤および所望される血管収縮作用に依存することになる。典型的な濃度範囲には、約0.005〜5%(w/v)が含まれるがこれらに限定されない。一部の実施形態では、本組成物は、約0.005〜0.01%(w/v)(例えば、オキシメタゾリンHCl塩)を含む。一部の実施形態では、本組成物は、約0.01〜1.0%(w/v)(例えば、オキシメタゾリンHCl塩)を含む。さらに他の実施形態では、本組成物は、約0.05%(w/v)(例えば、オキシメタゾリンHCl塩)を含む。
その血管収縮活性に加えて、オキシメタゾリンは、ある程度の麻酔作用を有することが示されている。オキシメタゾリンは、Gタンパク質結合型受容体に作用し、次いで、神経細胞に存在するK+、Na+、およびCa2+チャネルに作用する。特に、オキシメタゾリンは、神経が極性を帯びなくなり、その結果、発火および疼痛インパルスの伝達ができなくなるように、K+、Na+、およびCa2+の透過性を増強させる。
一部の実施形態では、本発明の医薬組成物は、保存剤をさらに含む。保存剤の例には、糖アルコール(例えば、ソルビトールおよびマンニトール)、エタノール、ベンジルアルコール、イソプロパノール、クレゾール、クロロクレゾール、フェノール、および塩化ベンザルコニウム(BAK)が含まれるがこれらに限定されない。一部の実施形態では、保存剤は、ベンジルアルコールである。ベンジルアルコールは、麻酔作用を呈し、相乗的な様式でテトラカインの作用を増強させるように働くため、特に望ましい。
本発明の医薬組成物において使用される保存剤の濃度は、具体的な保存剤に依存することになる。保存剤の典型的な濃度範囲は、約0.1〜5%(w/v)である。一部の実施形態では、本組成物は、約0.5〜2.0%(w/v)を含む。他の実施形態では、本組成物は、約0.9%(w/v)(例えば、ベンジルアルコール)を含む。
本発明の組成物において使用される麻酔薬、血管収縮剤、および他の薬剤は、投薬量、吸収速度、および他の所望される特性を制御するために、適切な担体中に分散されてもよい。本発明において有用な薬学的に許容される担体には、水性担体、ゲル担体、乳化剤、界面活性剤、持続放出ビヒクル、ナノ粒子、マイクロスフェア、細胞内輸送および傍細胞輸送化学物質、ポリマー、ならびにキチンが含まれるがこれらに限定されない。水性担体の例には、水、緩衝液(例えば、リン酸緩衝液、クエン酸緩衝液)、糖アルコール、エタノールなどのアルコール、または標的組織と生物学的に適合性のある任意の他の溶媒が含まれるがこれらに限定されない。
生理食塩水は、本発明の組成物と一緒に使用するのに適した担体ではない。具体的には、本発明の組成物は生理食塩水中では不安定であることが発見されている。
本発明の医薬組成物のpHは、典型的に、本組成物が投与されている組織(例えば、鼻腔)のpHと適合性を有するように調整される。典型的に、本組成物は、約4.0〜6.5のpHを有する。一部の実施形態では、本組成物は、約5.5〜6.5のpHを有する。さらなる実施形態では、本医薬組成物は、約6.0〜約6.5のpHを有する。当業者であれば、列挙されたものよりも高いpHまたは低いpHが必要とされ得ることを理解し、またそれに応じてpHを調整する方法を容易に理解し得る。
一部の実施形態では、本発明の医薬組成物は、粘性増強剤をさらに含む。粘性増強剤の例には、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、およびスマートヒドロゲルが含まれるがこれらに限定されない。一部の実施形態では、粘性増強剤は、ヒドロキシエチルセルロースである。
粘性増強剤は、標的組織への製剤の適用前、最中、および後の製剤の流動性を制御することを補助する。例えば、粘性増強剤は、適用される製剤の流動性を低下させることによって、対象の鼻孔から流れ出るかまたは咽喉に流れ込むかのいずれかである製剤の量を制御することを補助する。粘性増強剤はまた、製剤が脈管系(例えば、鼻の脈管系)と接触した状態となる時間の量を増加させ、これにより、脈管系への製剤の取り込み効率を増加させることを補助する。加えて、粘性増強剤はさらに、エステルを分解する鼻道に存在する部分(例えば、エステラーゼ)を希釈し、軽度に繊毛阻害性(cilio−inhibitory)であり得る。
本発明の医薬組成物において使用される粘性増強剤の濃度は、具体的な粘性増強剤に依存することになる。粘性増強剤の典型的な範囲には、0.01〜5%(w/v)が含まれる。一部の実施形態では、本医薬組成物は、約0.01〜1.0%(w/v)を含む。他の実施形態では、本組成物は、約0.05%(w/v)(例えば、ヒドロキシエチルセルロース)を含む。本発明者らは、多量の粘性増強剤(例えば、ヒドロキシエチルセルロース)を含む組成物が、スプレー装置(例えば、BD Accuspray(商標)デバイス)の詰まりをもたらすことを観察している。
一実施形態では、本発明の医薬組成物は、以下の成分:テトラカインHCl、オキシメタゾリンHCl、無水クエン酸(pH制御のため)、水酸化ナトリウム(pH調整のため)、ベンジルアルコール、塩酸(pH制御のため)、ヒドロキシエチルセルロース、および精製水を含む。特定の実施形態では、本医薬組成物は、鼻腔内投与用である。
別の実施形態では、本発明の医薬組成物は、以下の成分:テトラカインHCl、オキシメタゾリンHCl、無水クエン酸(pH制御のため)、無水クエン酸ナトリウム(pH制御のため)、水酸化ナトリウム(pH調整のため)、ベンジルアルコール、塩酸(pH制御のため)、ヒドロキシエチルセルロース、および精製水を含む。
別の実施形態では、本発明の医薬組成物は、以下の成分:テトラカインHCl、オキシメタゾリンHCl、無水クエン酸(pH制御のため)、クエン酸ナトリウム二水和物(pH制御のため)、水酸化ナトリウム(pH調整のため)、ベンジルアルコール、塩酸(pH制御のため)、ヒドロキシエチルセルロース、および精製水を含む。
特定の実施形態では、本発明の医薬組成物は、表1の製剤である。別の実施形態では、表1の製剤は、鼻腔内投与用である。
一実施形態では、表1の製剤は、約4.0〜6.5の間のpHを有する。別の実施形態では、表1の製剤は、約5.5〜6.5の間のpHを有する。別の実施形態では、表1の製剤は、約6.0〜約6.5のpHを有する。
本発明の医薬組成物は、いくつかの形態で投与され得る。好適な製剤の例には、液体(例えば、溶液)、スプレー、懸濁液、ゲル、発泡体、油、粉末、またはエマルジョンが含まれるがこれらに限定されない。
当業者であれば、使用される製剤の種類は、例えば、投与される活性成分の量および標的組織に依存することになることを理解するであろう。
好適なゲル製剤は、例えば、変性セルロース(例えば、ヒドロキシプロピルセルロースおよびヒドロキシエチルセルロース)、カーボポール(carbopol)ホモポリマーおよびコポリマー、ジグリコールモノエチルエーテル、アルキレングリコール(例えば、プロピレングリコール)、ジメチルイソソルビドなどの溶媒、アルコール(例えば、イソプロピルアルコールおよびエタノール)、ミリスチン酸イソプロピル、酢酸エチル、C12〜C15アルキルベンゾエート、鉱油、スクアラン、シクロメチコン、カプリン酸/カプリル酸トリグリセリド、またはこれらの組合せを含み得る。
好適な発泡体組成物は、例えば、エマルジョンおよびガス状噴霧剤を含み得る。ガス状噴霧剤の例には、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(HFA 134a)および1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン(HFA 227)などのヒドロフルオロアルカン(HFA)が含まれるがこれらに限定されない。
好適な油製剤は、例えば、天然および合成の油、脂質、脂肪酸、レシチン、トリグリセリド、またはこれらの組合せを含み得る。
好適な軟膏製剤は、例えば、炭化水素基剤(例えば、ワセリン、白色ワセリン、黄色軟膏、および鉱油)、吸収基剤(例えば、親水性ワセリン、無水ラノリン、ラノリン、およびコールドクリーム)、水分除去基剤(例えば、親水性軟膏)、水溶性基剤(例えば、ポリエチレングリコール軟膏)、プロピレングリコール、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、乳化ワックス、またはこれらの組合せを含み得る。
他の実施形態では、本医薬組成物は、任意選択で、薬学的に許容される賦形剤を含む。薬学的に許容される賦形剤の例には、保存剤、界面活性剤、安定剤、乳化剤、抗菌剤、緩衝剤、および粘性調節剤が含まれるがこれらに限定されない。そのような賦形剤の具体的な例は、上記で考察されている。
乳化剤の例には、アカシア、アニオン性乳化ワックス、ステアリン酸カルシウム、カルボマー、セトステアリルアルコール、セチルアルコール、コレステロール、ジエタノールアミン、パルミトステアリン酸エチレングリコール(ethylene glycol palmitostearate)、モノステアリン酸グリセリン、モノオレイン酸グリセリル、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメローズ、ラノリン、含水ラノリンアルコール、レシチン、中鎖トリグリセリド、メチルセルロース、鉱油およびラノリンアルコール、リン酸一ナトリウム、モノエタノールアミン、非イオン性乳化ワックス、オレイン酸、ポロキサマー、ポロキサマー類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ステアリン酸ポリオキシエチレン、アルギン酸プロピレングリコール、自己乳化型モノステアリン酸グリセリル、脱水クエン酸ナトリウム(sodium citrate dehydrate)、ラウリル硫酸ナトリウム、ソルビタンエステル、ステアリン酸、ヒマワリ油、トラガカント、トリエタノールアミン、ならびにキサンタンガムが含まれるがこれらに限定されない。
上顎後方大臼歯を麻酔する方法
一態様では、本発明は、対象における第1大臼歯の遠心側半分、第2大臼歯、および第3大臼歯を含む上顎後方大臼歯(ならびに歯列弓の外側の痛覚線維)を麻酔するための方法であって、対象の鼻腔近傍またはその中に本発明の医薬組成物を選択的に送達することを含み、本医薬組成物の少なくとも一部分が、上歯神経叢、上顎神経の眼窩下の枝、後上歯槽神経、蝶口蓋神経節、シュナイデル膜の下の神経、および/または翼口蓋窩(蝶口蓋窩)の近傍で、鼻腔後方に位置する鼻組織によって吸収され、それによって、対象の第1大臼歯の遠心側半分、第2大臼歯、および第3大臼歯を含む上顎後方大臼歯(ならびに対象の上顎弓の外側であるがその周囲の痛覚線維)を麻酔する、方法を提供する。他の実施形態では、本発明は、対象における上顎第2大臼歯および第3大臼歯(ならびに歯列弓の外側の痛覚線維)を麻酔するための方法であって、対象の鼻腔近傍またはその中に本発明の医薬組成物を選択的に送達することを含み、本医薬組成物の少なくとも一部分が、上歯神経叢、上顎神経の眼窩下の枝、後上歯槽神経、蝶口蓋神経節、シュナイデル膜の下の神経、および/または翼口蓋窩(蝶口蓋窩)の近傍で、鼻腔後方に位置する鼻組織によって吸収され、それによって、対象の上顎第2大臼歯および第3大臼歯(ならびに対象の上顎弓の外側であるがその周囲の痛覚線維)を麻酔する、方法を提供する。一部の実施形態では、本医薬組成物は、対象の副鼻腔および/または鼻腔後方に送達される。一部の実施形態では、上顎後方大臼歯は、眼、鼻の表面、頬、または唇の顔面麻痺を生じることなく、麻酔される。一部の実施形態では、上顎後方大臼歯の周囲の組織(例えば、歯肉などの粘膜組織)もまた、麻酔される。一部の実施形態では、上顎第2大臼歯および第3大臼歯は、眼、鼻の表面、頬、または唇の顔面麻痺を生じることなく麻酔される。一部の実施形態では、上顎第2大臼歯および第3大臼歯の周囲の組織(例えば、歯肉などの粘膜組織)もまた、麻酔される。一部の実施形態では、本医薬組成物は、噴霧またはスプレーによって送達される。一部の実施形態では、本医薬組成物は、上顎洞などの副鼻腔に送達される。他の実施形態では、本医薬組成物は、上歯神経叢、上顎神経の眼窩下の枝、後上歯槽神経、蝶口蓋(翼口蓋)神経節、シュナイデル膜の下の神経、および/または翼口蓋窩(蝶口蓋窩)に送達される。他の実施形態では、送達されるスプレーは、流れまたは水煙である。一部の実施形態では、本方法は、上顎第2大臼歯および第3大臼歯を麻酔するためのものである。
一態様では、本発明は、対象における第1大臼歯の遠心側半分、第2大臼歯、および第3大臼歯を含む上顎後方大臼歯(ならびに歯列弓の外側の痛覚線維)を麻酔するための方法であって、対象の鼻腔近傍またはその中に本発明の医薬組成物を選択的に送達することを含み、本医薬組成物の少なくとも一部分が、上歯神経叢、上顎神経の眼窩下の枝、後上歯槽神経、蝶口蓋神経節、シュナイデル膜の下の神経、および/または翼口蓋窩(蝶口蓋窩)の近傍で、鼻腔後方に位置する鼻組織によって吸収され、それによって、対象の第1大臼歯の遠心側半分、第2大臼歯、および第3大臼歯を含む上顎後方大臼歯(ならびに対象の上顎弓の外側であるがその周囲の痛覚線維)を麻酔する、方法を提供する。他の実施形態では、本発明は、対象における上顎第2大臼歯および第3大臼歯(ならびに歯列弓の外側の痛覚線維)を麻酔するための方法であって、対象の鼻腔近傍またはその中に本発明の医薬組成物を選択的に送達することを含み、本医薬組成物の少なくとも一部分が、上歯神経叢、上顎神経の眼窩下の枝、後上歯槽神経、蝶口蓋神経節、シュナイデル膜の下の神経、および/または翼口蓋窩(蝶口蓋窩)の近傍で、鼻腔後方に位置する鼻組織によって吸収され、それによって、対象の上顎第2大臼歯および第3大臼歯(ならびに対象の上顎弓の外側であるがその周囲の痛覚線維)を麻酔する、方法を提供する。一部の実施形態では、本医薬組成物は、対象の副鼻腔および/または鼻腔後方に送達される。一部の実施形態では、上顎後方大臼歯は、眼、鼻の表面、頬、または唇の顔面麻痺を生じることなく、麻酔される。一部の実施形態では、上顎後方大臼歯の周囲の組織(例えば、歯肉などの粘膜組織)もまた、麻酔される。一部の実施形態では、上顎第2大臼歯および第3大臼歯は、眼、鼻の表面、頬、または唇の顔面麻痺を生じることなく麻酔される。一部の実施形態では、上顎第2大臼歯および第3大臼歯の周囲の組織(例えば、歯肉などの粘膜組織)もまた、麻酔される。一部の実施形態では、本医薬組成物は、噴霧またはスプレーによって送達される。一部の実施形態では、本医薬組成物は、上顎洞などの副鼻腔に送達される。他の実施形態では、本医薬組成物は、上歯神経叢、上顎神経の眼窩下の枝、後上歯槽神経、蝶口蓋(翼口蓋)神経節、シュナイデル膜の下の神経、および/または翼口蓋窩(蝶口蓋窩)に送達される。他の実施形態では、送達されるスプレーは、流れまたは水煙である。一部の実施形態では、本方法は、上顎第2大臼歯および第3大臼歯を麻酔するためのものである。
上顎後方大臼歯を麻酔するために、本医薬組成物は、本組成物が、上歯神経叢、上顎神経の眼窩下の枝、後上歯槽神経、蝶口蓋(翼口蓋)神経節、および/またはシュナイデル膜の下の神経の領域で吸収されるように、鼻腔の極めて後方の上端に位置する組織に投与される。
任意の送達デバイスを、本発明の方法において使用することができる。鼻腔内投与に好適な送達デバイスの例には、スクイーズボトル、シリンジ、空気圧式デバイス、ポンプ式スプレー、陽圧ネブライザなどが含まれるがこれらに限定されない。一部の実施形態では、使用されるデバイスは、本発明の医薬組成物が事前充填される。別の実施形態では、使用されるデバイスは、BD Accuspray(商標)デバイスである。
一部の実施形態では、本方法は、対象の鼻孔のそれぞれに本医薬組成物を1〜5回スプレーすることを含む。他の実施形態では、本方法は、対象の鼻孔のそれぞれに本医薬組成物を3回スプレーすることを含む。
一部の実施形態では、本方法は、対象の鼻孔の一方に本医薬組成物を1〜5回スプレーすることを含む。他の実施形態では、本方法は、対象の鼻孔の一方に本医薬組成物を3回スプレーすることを含む。
いかなる特定の理論にも束縛されるものではないが、それぞれのスプレーは麻酔作用の発生に特有の役割を果たし得ると考えられる。例えば、本医薬組成物が3回のスプレーで送達される実施形態では、1回目のスプレーは、送達される医薬組成物を分解する可能性のある鼻の酵素経路(例えば、エラスターゼ、シトクロムP450、アルデヒドデヒドロゲナーゼ)を中和し始めると考えられる。また、1回目のスプレーは、鼻の絨毛を麻痺させ始めると考えられ、この絨毛は、そうしなければ本組成物を、例えば咽喉へと除去する可能性がある。さらに、2回目および3回目のスプレーで送達される本組成物が、麻酔作用をもたらすと考えられる。
一部の実施形態では、スプレーのそれぞれは、互いに約1〜10分以内に投与される。例えば、スプレー番号1が投与され得、続いて約1〜10分の間隔があり、その後にスプレー番号2が投与され、続いて約1〜10分の間隔があり、その後にスプレー番号3が投与されるなどである。一部の実施形態では、スプレー間の間隔は、約1〜6分間である。一部の実施形態では、スプレー間の間隔は、約2〜6分間である。他の実施形態では、スプレー間の間隔は、約3〜5分間である。さらに他の実施形態では、スプレー間の間隔は、約4分間である。
本発明の医薬組成物は、上歯神経叢、上顎神経の眼窩下の枝、後上歯槽神経、蝶口蓋(翼口蓋)神経節、シュナイデル膜の下の神経、および/または翼口蓋窩(蝶口蓋窩)に送達される。さらに、本発明の医薬組成物は、上歯神経叢、上顎神経の眼窩下の枝、後上歯槽神経、蝶口蓋(翼口蓋)神経節、および/またはシュナイデル膜の下の神経の少なくとも一部分を麻酔する。一部の実施形態では、本医薬組成物は、後上歯槽神経に送達される。
本方法が、対象の鼻に本医薬組成物をスプレーすることを含む実施形態では、スプレーする角度が、製剤の標的を上述の鼻腔の相当部分に定めることを補助することが見出された。例として、かつ以下の技法に束縛されるものではないが、上顎の第2大臼歯および第3大臼歯(すなわち、1番、2番、15番、および16番の歯)を標的とするために、スプレーデバイスは、正中矢状面から約0〜10度の角度が付けられると考えられる。他の実施形態では、スプレーデバイスは、上顎第2大臼歯および第3大臼歯の正中矢状面から約5度の角度が付けられる。一部の実施形態では、本方法は、第1大臼歯の遠心側半分、第2大臼歯、および第3大臼歯を含む上顎後方大臼歯を麻酔するためのものである。
歯の標的化は、鼻孔内でスプレーデバイスが配置される深さを変えることによってさらに精度を高めることができる。例えば、スプレーするとき、スプレーデバイスは、上顎後方大臼歯(例えば、第1大臼歯の遠心側半分、第2大臼歯、および第3大臼歯)を標的とするために、鼻孔内約7〜9mm(すなわち、内部の鼻弁の開口部)に配置され得る。一部の実施形態では、本方法は、上顎第2大臼歯および第3大臼歯を麻酔するためのものである。
製剤の投与中の患者の位置もまた、第1大臼歯の遠心側半分、第2大臼歯、および第3大臼歯を含む上顎後方大臼歯が麻酔される程度に影響を及ぼし得る。例えば、上顎後方大臼歯は、製剤が、やや後ろに倒れた位置または後ろに倒れた位置にある患者に投与される場合に、より効率的に麻酔される。したがって、一部の実施形態では、本医薬組成物は、やや後ろに倒れた位置にある患者に鼻腔内投与される。他の実施形態では、本医薬組成物は、後ろに倒れた位置にある患者に鼻腔内投与される。一部の実施形態では、角度または弧を描く動きにより内部の鼻弁を越えて鼻腔に及ぶように、単回のスプレーまたは複数回のスプレーを、一方または両方の鼻孔に与えてもよい。一部の実施形態では、本方法は、上顎第2大臼歯および第3大臼歯を麻酔するためのものである。
一部の実施形態では、判明している(例えば、計測した)量のテトラカインが、対象の鼻腔近傍またはその中に送達される。他の実施形態では、判明している(例えば、計測した)量のテトラカインが、対象の副鼻腔および/または鼻腔後方に送達される。典型的には、対象の副鼻腔および/または鼻腔後方に送達されるテトラカインの量は、約12〜50mgのテトラカインである。一部の実施形態では、約15〜24mgのテトラカインが、対象の副鼻腔および/または鼻腔後方に送達される。一部の実施形態では、約15〜20mgのテトラカインが、対象の副鼻腔および/または鼻腔後方に送達される。一部の実施形態では、約18mgのテトラカインが、対象の副鼻腔および/または鼻腔後方に送達される。一部の実施形態では、本組成物は、約2.0〜5.0%(w/v)のテトラカインを含む。一部の実施形態では、本組成物は、約2.25〜4.75%(w/v)のテトラカインを含む。他の実施形態では、本組成物は、約2.5〜4.0%(w/v)のテトラカインを含む。さらに他の実施形態では、約2.5〜3.5%(w/v)のテトラカインを含む組成物が使用される。特定の実施形態では、本組成物は、約3%(w/v)のテトラカインを含む。本発明者らは、2%のテトラカインを含む組成物が、おそらくはテトラカインの量が十分でないことに起因して、歯髄麻酔をもたらさないことを観察している。本発明者らはまた、4%のテトラカインを含む組成物が、おそらくはタキフィラキシーの発生に起因して、歯髄麻酔をもたらさないことを観察している。
一部の実施形態では、判明している(例えば、計測した)量のテトラカインHClが、対象の鼻腔近傍またはその中に送達される。他の実施形態では、判明している(例えば、計測した)量のテトラカインHClが、対象の副鼻腔および/または鼻腔後方に送達される。典型的には、対象の副鼻腔および/または鼻腔後方に送達されるテトラカインの量は、約12〜50mgのテトラカインHClである。一部の実施形態では、約15〜24mgのテトラカインHClが、対象の副鼻腔および/または鼻腔後方に送達される。一部の実施形態では、約15〜20mgのテトラカインHClが、対象の副鼻腔および/または鼻腔後方に送達される。一部の実施形態では、約18mgのテトラカインHClが、対象の副鼻腔および/または鼻腔後方に送達される。一部の実施形態では、本組成物は、約2.0〜5.0%(w/v)のテトラカインHClを含む。一部の実施形態では、本組成物は、約2.25〜4.75%(w/v)のテトラカインHClを含む。他の実施形態では、本組成物は、約2.5〜4.0%(w/v)のテトラカインHClを含む。さらに他の実施形態では、約2.5〜3.5%(w/v)のテトラカインHClを含む組成物が使用される。特定の実施形態では、本組成物は、約3%(w/v)のテトラカインHClを含む。本発明者らは、2%のテトラカイン(例えば、2%のテトラカインHCl)を含む組成物が、おそらくはテトラカインHClの量が十分でないことに起因して、歯髄麻酔をもたらさないことを観察している。本発明者らはまた、4%またはそれ超のテトラカイン(例えば、4%のテトラカインHCl)を含む組成物が、歯髄麻酔を誘導するのに有効でなかったことを観察した。
一部の実施形態では、副鼻腔および/または鼻腔後方に送達される医薬組成物の粒子サイズは、約5〜50ミクロンである。他の実施形態では、本医薬組成物の粒子サイズは、約10〜20ミクロンである。一部の実施形態では、本医薬組成物は、粒子のうち少なくとも50%が、少なくとも約10ミクロンまたはそれよりも大きくなるような様式で送達される。他の実施形態では、本医薬組成物は、粒子のうち少なくとも65%が、少なくとも約10ミクロンまたはそれよりも大きくなるような様式で送達される。他の実施形態では、本医薬組成物は、粒子のうち少なくとも85%が、少なくとも約10ミクロンまたはそれよりも大きくなるような様式で送達される。さらに他の実施形態では、本医薬組成物は、粒子のうち少なくとも90%が、少なくとも約10ミクロンまたはそれよりも大きくなるような様式で送達される。さらなる実施形態では、本医薬組成物は、粒子のうち少なくとも95%が、少なくとも約10ミクロンまたはそれよりも大きくなるような様式で送達される。
本発明のこれらおよび他の実施形態は、以下の非限定的な実施例においてさらに例証され得る。
(実施例1)
上顎第2大臼歯および第3大臼歯を麻酔するための、テトラカイン塩酸塩とオキシメタゾリン塩酸塩の用量範囲探索試験
上顎第2大臼歯および第3大臼歯の麻酔のために鼻スプレーによって投与する場合の、テトラカイン塩酸塩とオキシメタゾリンHClとの有効かつ安全な投薬量を識別するために、1つが3%のテトラカインおよび0.05%のオキシメタゾリンを有し、もう1つが4%のテトラカインおよび0.05%のオキシメタゾリンを有する2つの製剤を、BD Accuspray(商標)デバイスを使用してヒト患者に投与する。
上顎第2大臼歯および第3大臼歯を麻酔するための、テトラカイン塩酸塩とオキシメタゾリン塩酸塩の用量範囲探索試験
上顎第2大臼歯および第3大臼歯の麻酔のために鼻スプレーによって投与する場合の、テトラカイン塩酸塩とオキシメタゾリンHClとの有効かつ安全な投薬量を識別するために、1つが3%のテトラカインおよび0.05%のオキシメタゾリンを有し、もう1つが4%のテトラカインおよび0.05%のオキシメタゾリンを有する2つの製剤を、BD Accuspray(商標)デバイスを使用してヒト患者に投与する。
対象が真っ直ぐ前を向いた状態で、水平面からおよそ0度かつ正中矢状面から0〜10度のスプレーデバイス角度で、先端を鼻孔内7〜9mm(すなわち、内部の鼻弁を越えて)に配置して、製剤を投与する。電気歯髄試験(EPT)により疼痛レベルを監視することによって、製剤の有効性を測定する。
様々な量のテトラカインHCl:オキシメタゾリンからなる3種類の投与レジメンを評価する:a)12:0.2、b)16:0.2、およびc)18:0.3mgのテトラカインHCl:オキシメタゾリンHCl。次いで、第2大臼歯および第3大臼歯を、歯髄麻酔(少なくとも1回の試験が、最大のEPT刺激、すなわち歯髄試験器での読み取り値が80で、歯において感覚がない状態であるとして定義される)に関して試験する。さらに、対象を、深い麻酔(歯髄麻酔が、試験した歯のうち少なくとも1つで、薬物投与後30分以内に開始し、試験の最初の1時間の間少なくとも20分間継続する状態として定義される)に関して試験する。
(実施例2)
健常対象における上顎第2大臼歯および第3大臼歯を麻酔するための表1の製剤の評価
表1の製剤を、a)歯科手順の実施に十分な上顎第2大臼歯および第3大臼歯の麻酔を提供し、軟組織の麻酔を提供するかどうか、ならびにb)BD Accuspray(商標)デバイスにおいて等張食塩水の偽鼻スプレー、実薬対照として歯科用局所麻酔浸透注射である2%リドカイン塩酸塩の注射、および偽注射と比較して、安全かつ耐用性であるかどうかを判定するために、評価する。
健常対象における上顎第2大臼歯および第3大臼歯を麻酔するための表1の製剤の評価
表1の製剤を、a)歯科手順の実施に十分な上顎第2大臼歯および第3大臼歯の麻酔を提供し、軟組織の麻酔を提供するかどうか、ならびにb)BD Accuspray(商標)デバイスにおいて等張食塩水の偽鼻スプレー、実薬対照として歯科用局所麻酔浸透注射である2%リドカイン塩酸塩の注射、および偽注射と比較して、安全かつ耐用性であるかどうかを判定するために、評価する。
試験対象
ヒト対象(一部が表1の製剤を受容し、一部はリドカインを受容する)に、試験を行う。すべての対象は、例えば、60分を超えることが予測されない処置時間で、単一の上顎第2大臼歯および第3大臼歯に対する手術的回復手順を要する。
ヒト対象(一部が表1の製剤を受容し、一部はリドカインを受容する)に、試験を行う。すべての対象は、例えば、60分を超えることが予測されない処置時間で、単一の上顎第2大臼歯および第3大臼歯に対する手術的回復手順を要する。
手順
手順のスケジュールを、表3に提示する。
手順のスケジュールを、表3に提示する。
手順の概要
対象に、処置群および処置順序を無作為に割り当てる。活性薬物の投与(鼻腔内対注射)の順序もまた、無作為である。軟組織麻酔の評価を、投与前、ならびに投与20分後、30分後、40分後、60分後、80分後、100分後、および120分後に行う。0分時点では、a)単回のリドカインとエピネフリンの口内注射、および等張食塩水の偽鼻スプレーを与えるか、またはb)偽注射(無作為化群に応じて)および表1の製剤のスプレー投与を施すかのいずれかである。鼻スプレーの追加用量を、4分および8分時点で投与する。対象は、それぞれの活性またはプラセボの鼻スプレー投与の後に、およそ2ozの水を少しずつ飲む。Heft−Parkerビジュアルアナログスケール(VAS)を、投与開始の15分後および20分後に投与する。歯科処置は、最後の用量を与えた4分後に開始する。患者が疼痛を報告した場合、歯科処置は、20分経つまで行わず、追加のVAS試験を行う。バイタルサイン(心拍数、血圧、パルスオキシメトリ)を、投与前、投与開始15分後、ならびに投与開始20分後、30分後、40分後、50分後、60分後、および120分後に取得する。全体的な有効性評価を、処置の終了時に行う。
対象に、処置群および処置順序を無作為に割り当てる。活性薬物の投与(鼻腔内対注射)の順序もまた、無作為である。軟組織麻酔の評価を、投与前、ならびに投与20分後、30分後、40分後、60分後、80分後、100分後、および120分後に行う。0分時点では、a)単回のリドカインとエピネフリンの口内注射、および等張食塩水の偽鼻スプレーを与えるか、またはb)偽注射(無作為化群に応じて)および表1の製剤のスプレー投与を施すかのいずれかである。鼻スプレーの追加用量を、4分および8分時点で投与する。対象は、それぞれの活性またはプラセボの鼻スプレー投与の後に、およそ2ozの水を少しずつ飲む。Heft−Parkerビジュアルアナログスケール(VAS)を、投与開始の15分後および20分後に投与する。歯科処置は、最後の用量を与えた4分後に開始する。患者が疼痛を報告した場合、歯科処置は、20分経つまで行わず、追加のVAS試験を行う。バイタルサイン(心拍数、血圧、パルスオキシメトリ)を、投与前、投与開始15分後、ならびに投与開始20分後、30分後、40分後、50分後、60分後、および120分後に取得する。全体的な有効性評価を、処置の終了時に行う。
試験生成物、用量、および投与方式
表1の製剤を、逆転防止装置を備えるBD Accuspray(登録商標)単回用量鼻スプレーデバイス(BD Medical−Pharmaceutical Systems社、Franklin Lakes、New Jersey)で送達する。用量送達を、各シリンジに含まれる溶液の濃度および体積によって制御する。すべてのユニットは、0.2mLを送達するように充填する。表1の製剤の合計3回のスプレーを、各鼻スプレー投薬間の間隔4分間で、投与する。合計投薬期間は、8分間に及ぶ。表1の製剤の合計投薬量は、テトラカインHClが18mgおよびオキシメタゾリンHClが0.3mgである。
表1の製剤を、逆転防止装置を備えるBD Accuspray(登録商標)単回用量鼻スプレーデバイス(BD Medical−Pharmaceutical Systems社、Franklin Lakes、New Jersey)で送達する。用量送達を、各シリンジに含まれる溶液の濃度および体積によって制御する。すべてのユニットは、0.2mLを送達するように充填する。表1の製剤の合計3回のスプレーを、各鼻スプレー投薬間の間隔4分間で、投与する。合計投薬期間は、8分間に及ぶ。表1の製剤の合計投薬量は、テトラカインHClが18mgおよびオキシメタゾリンHClが0.3mgである。
偽鼻スプレーは、等張生理食塩水溶液からなる。
実薬対照注射は、2%リドカインHClおよびエピネフリン(1:100,000)USP(LolliCaine単回使用アプリケータ、Centrix社)からなる。注射は、処置を受ける歯の頂点近傍の粘膜下に30ゲージの短い針を挿入して行う。2%リドカイン塩酸塩と1:100,000のエピネフリンの注射の投薬量は、第2大臼歯または第3大臼歯の処置のために60秒間にわたって送達される1つのカートリッジ(1.8mL)からなる。
偽注射は、歯科用シリンジおよびリドカインとエピネフリンのカートリッジからなるが、30ゲージの短い針の先端にキャップを残したままである。針のキャップを、第2大臼歯または第3大臼歯に対して、60秒間、注射に適切な位置で粘膜に対して保持する。溶液は注射しない。
活性針挿入または偽針挿入の1分前に、局部麻酔を提供するために少量の20%ベンゾカインゲルをすべての対象に使用する。
レスキュー療法(rescue therapy)は、4%アルチカイン塩酸塩と1:100,000のエピネフリン注射(Septocaine、Septodont社)とからなる。
投与アルゴリズムは、以下からなる。
・偽注射または活性注射の投薬1分前に、局部ベンゾカインゲルの投与
・注射用量または鼻スプレーの初回用量の投与(T=0分)
・初回用量が鼻スプレーである場合、4分で、鼻スプレーの第2の用量の投与
・初回用量が鼻スプレーである場合、8分で、鼻スプレーの第3の用量の投与
・15分で、歯科処置に進む
・偽注射または活性注射の投薬1分前に、局部ベンゾカインゲルの投与
・注射用量または鼻スプレーの初回用量の投与(T=0分)
・初回用量が鼻スプレーである場合、4分で、鼻スプレーの第2の用量の投与
・初回用量が鼻スプレーである場合、8分で、鼻スプレーの第3の用量の投与
・15分で、歯科処置に進む
対象は、鼻スプレーの各投薬の1分後(すなわち、およそ2分および5分、ならびに10分)に、およそ2ozの水を少しずつ飲む。対象が歯科処置の開始時に疼痛を報告した場合、歯科医は、処置を中止し、5分間待機する(投薬開始から合計20分まで)。歯科処置の再開時に疼痛の報告を続けた対象は、「処置失敗」とみなし、レスキュー療法を行う。
処置の投与
各スプレーについて、対象は、やや後ろに倒れた位置または後ろに倒れた位置にある。スプレーデバイスの先端を、対象が真っ直ぐに前を向いた状態で、内部の鼻弁の開口部(鼻内およそ7〜9mm)に、水平面から0度かつ正中矢状面から0〜10度の角度で配置する。各スプレーの間、対象に、息を止めるように指示する。各スプレーの後、対象に、ゆっくりと鼻から息を吸い、スプレーした側に頭部を傾けるように(すなわち、スプレーを投与した鼻孔と同じ側に頭部を傾けるように)促す。
各スプレーについて、対象は、やや後ろに倒れた位置または後ろに倒れた位置にある。スプレーデバイスの先端を、対象が真っ直ぐに前を向いた状態で、内部の鼻弁の開口部(鼻内およそ7〜9mm)に、水平面から0度かつ正中矢状面から0〜10度の角度で配置する。各スプレーの間、対象に、息を止めるように指示する。各スプレーの後、対象に、ゆっくりと鼻から息を吸い、スプレーした側に頭部を傾けるように(すなわち、スプレーを投与した鼻孔と同じ側に頭部を傾けるように)促す。
有効性の評価
軟組織麻酔を評価するために、歯科専門家は、感圧式機械的プローブ(例えば、Rotadent(登録商標))を使用し、軟組織麻酔に関して以下の領域:第1大臼歯の後方の頬部口腔前庭の最も深い点、および大口蓋孔近傍を試験する。試験した各部位について、対象に、疼痛を感じるかどうかを尋ねる。レスキュー薬物を必要とすることなく歯科手順を達成する能力によって、製剤の有効性を判定する。
軟組織麻酔を評価するために、歯科専門家は、感圧式機械的プローブ(例えば、Rotadent(登録商標))を使用し、軟組織麻酔に関して以下の領域:第1大臼歯の後方の頬部口腔前庭の最も深い点、および大口蓋孔近傍を試験する。試験した各部位について、対象に、疼痛を感じるかどうかを尋ねる。レスキュー薬物を必要とすることなく歯科手順を達成する能力によって、製剤の有効性を判定する。
(実施例3)
EPTによる上顎第2大臼歯での表1の製剤の評価
EPTにより疼痛レベルを監視することによって、表1の製剤を評価した。25人の対象に処置を行い、上顎第1大臼歯または第2大臼歯の麻痺に関して試験した。25人の対象のうち、3人は、第2大臼歯に試験を行った。3人の対象はすべて、65またはそれよりも高いEPTの読み取り値で歯に痛覚を示さないことにより、麻痺を示した。上顎第2大臼歯に試験を行った3人の対象のEPT結果を、以下の表4に示す。
EPTによる上顎第2大臼歯での表1の製剤の評価
EPTにより疼痛レベルを監視することによって、表1の製剤を評価した。25人の対象に処置を行い、上顎第1大臼歯または第2大臼歯の麻痺に関して試験した。25人の対象のうち、3人は、第2大臼歯に試験を行った。3人の対象はすべて、65またはそれよりも高いEPTの読み取り値で歯に痛覚を示さないことにより、麻痺を示した。上顎第2大臼歯に試験を行った3人の対象のEPT結果を、以下の表4に示す。
Claims (8)
- 対象の上顎第2大臼歯および第3大臼歯を麻酔するための方法であって、前記対象の副鼻腔または鼻腔後方に、
a)テトラカインまたは薬学的に許容されるその塩、
b)血管収縮剤、および
c)薬学的に許容される担体
を含む医薬組成物を送達することを含み、前記医薬組成物の少なくとも一部分が、上顎洞の近傍で、前記鼻腔後方に位置する鼻組織によって吸収される、方法。 - 前記テトラカインが、テトラカインHClである、請求項1に記載の方法。
- 前記医薬組成物が、噴霧またはスプレーによって送達される、請求項1または2に記載の方法。
- 前記送達されるスプレーが、流れまたは水煙である、請求項3に記載の方法。
- 約12〜50mgのテトラカインが、前記対象の副鼻腔または鼻腔後方に送達される、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
- 約15〜24mgのテトラカインが、前記対象の副鼻腔または鼻腔後方に送達される、請求項5に記載の方法。
- 約18mgのテトラカインが、前記対象の副鼻腔または鼻腔後方に送達される、請求項6に記載の方法。
- 前記組成物が、
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