本発明の第一の態様によれば、電気加熱式エアロゾル発生装置で使用するエアロゾル形成基体用のサシェが提供されている。サシェは、多孔性の容器と、エアロゾル形成基体とを備える。容器内のエアロゾル形成基体は約0.2〜約0.35の空隙率を有するが、空隙率とは、容器内の空隙スペースの体積分率である。好ましい一つの実施形態では、空隙率は約0.24〜約0.35である。
第一に、エアロゾル発生基体をサシェ形態で提供することで、ユーザーによるスキルを何も必要とすることなく、毎回の使用に一貫した量の基体が可能となる。
第二に、基体をサシェ形態で提供することで、毎回の使用に実質的に最適な空隙率が提供されるように、サシェ内部のエアロゾル形成基体の空隙率を制御できるようになり、それによりエアロゾル発生の一貫性が改善される。たばこの空隙率は、密度が低すぎると基体は燃焼しやすくなり、また高すぎるとサシェの端にある基体と中央の基体との間の温度差が大きくなりすぎるため重要である。本発明によって提供されている空隙率の特定の範囲により、これらの利点が実施され、またさらに具体的に言えば、本発明によるサシェが使用されうるエアロゾル発生装置で使用されるルースたばこについてよりも一貫性のある引き出し抵抗がユーザーに提供される。
その上、空隙率を上述の範囲内にすることで、エアロゾル発生を向上させ、適切な引き出し抵抗が提供される。エアロゾル発生装置内にある時のサシェの全体的な引き出し抵抗は、約40mmH2O〜約120mmH2Oであることが好ましい。
本明細書に使用される場合、「エアロゾル形成基体」という用語は、エアロゾルを形成することができる揮発性化合物を加熱に応じて放出することができる基体を記述するために使用される。本発明によるエアロゾル形成基体から生成されるエアロゾルは、見えてもまたは見えなくてもよく、蒸気(例えば、気状である物質の微粒は室温にて通常、液体または固体である)、ならびに気体および凝縮された蒸気の液体の液滴を含んでもよい。
エアロゾル形成基体はたばこと、エアロゾル形成体とを含みうる。たばこは、パイプたばこ、カットフィラー、再構成たばこ、および均質化したたばこのうち1つ以上としうる。
エアロゾル形成基体は、均質化したたばこ材料と、エアロゾル形成体と、水とを含むことが好ましい。均質化したたばこ材料を提供することで、エアロゾル発生、ニコチン含有量および風味プロフィールが改善される。これは、均質化したたばこを作るプロセスにたばこ葉を粉砕するプロセスが関与しているためであり、これにより、加熱によってより効果的なニコチンおよび風味の放出が可能になる。
サシェは、メッシュから形成されることが好ましい。メッシュは、発生されたエアロゾルに対して多孔性であることが好ましく、またエアロゾルが凝縮を伴いながらサシェから放出されるようにできる。メッシュは、材料の編み込みなどの適切な任意のプロセスによって、または歯付きのローラーもしくはそれに類する物を使用して切断してから、歯付きのローラーの軸に直角に力をかけて材料を広げることで、形成されうる。
サシェは、燃焼することなく、または望ましくない風味がエアロゾル内に与えられることなく、使用時に高温に耐える能力のある適切な任意の材料から形成されうる。特に、サシェの形成には、天然繊維であるサイザル麻およびラミーが特にふさわしい。別の方法として、サシェはセラミック繊維または金属から形成されてもよい。
サシェを形成するために使用される材料は、約50ミクロン〜約300ミクロンの厚さとしうる。薄い材料を使用してこうしたサシェを提供することで、サシェがヒーターとたばこ材料との間に与えうる断熱効果が低減される。サシェを形成するために使用される材料のサイズは、約10ミクロン〜約30ミクロンとしうる。
サシェ容器は適切な任意の形状およびサイズとしうる。一部の実施形態では、第一の方向に、容器の断面形状は楕円形、円形、四角形、正方形、三角形のうちどれか一つである。断面形状は、第一の方向と直交する第二の方向に、四角形、三角形、円形、楕円形のうちどれか一つでもよい。
均質化したたばこ材料は、折り畳まれた、捲縮された、または細片に切断されたシートで提供されることが好ましい。特に好ましい実施形態では、シートは、約0.2mm〜約2mm、より好ましくは約0.4mm〜約1.2mmの幅を持つ細片に切断される。一つの実施形態では、細片の幅は約0.9mmである。
別の方法として、均質化したたばこ材料は、球形化を使用して球形に形成してもよい。球の平均直径は約0.5mm〜約4mmであることが好ましく、約0.8mm〜約3mmであることがより好ましい。
エアロゾル形成基体は、約55〜約75重量パーセントの均質化したたばこ材料と、約15〜約25重量パーセントのエアロゾル形成体と、約10〜約20重量パーセントの水とを含むことが好ましい。
エアロゾル形成基体の試料を測定する前に、相対湿度50%、22℃で、48時間にわたり平衡化させた。均質化したたばこ材料の含水量を決定するためにKarl Fischer技法が使用された。
エアロゾル形成基体はさらに、約0.1〜約10重量パーセントの風味剤を含みうる。風味剤は、メントールなど、当技術で周知の適切な任意の風味剤としうる。
本発明で使用するための均質化したたばこ材料シートは、たばこ葉ラミナおよびたばこ葉茎の一方または両方を粉砕またはその他で細分することによって得られた粒子状たばこを凝集することにより形成されうる。
本発明で使用するための均質化したたばこ材料のシートは、粒子状たばこの凝集を補助するために、たばこ内因性結合剤である1つ以上の内因性結合剤、たばこ外来性結合剤である1つ以上の外因性結合剤、それはまたはそれらの組み合わせを含んでもよい。別の方法として、または追加的に、本発明で使用するための均質化したたばこ材料のシートは、たばこおよび非たばこ繊維、風味剤、充填剤、水性および非水性の溶媒およびこれらの組み合わせを含むが、これらに限定されないその他の添加剤を含んでもよい。
本発明で使用するための均質化したたばこ材料のシートに含める適切な外因性結合剤は、当業界で周知であり、例えばグアーガム、キサンタンガム、アラビアゴムおよびローカストビーンガムなどのゴム、例えばヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロースおよびエチルセルロースなどのセルロース結合剤、例えばデンプン、アルギン酸などの有機酸、アルギン酸ナトリウム、寒天および30ペクチンなどの有機酸の共役塩基塩などの多糖類、およびこれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。
均質化したたばこ材料シートを製造するための多数の再構成プロセスが当業界で周知である。これらには、例えばUS−A−3,860,012号に記載されているタイプの製紙プロセス、例えばUS−A−5,724,998号に記載されているタイプのキャスティングまたは「キャストリーフ」プロセス、例えばUS−A−3,894,544号に記載されているタイプの軟塊再構成プロセス、および例えばGB−A−983,928号に記載されているタイプの押出プロセスが含まれるが、これらに限定されない。一般に、押出プロセスおよび軟塊再構成プロセスにより製造された均質化したたばこ材料シートの密度は、キャスティングプロセスにより製造した均質化したたばこ材料シートの密度よりも大きい。
本発明で使用するための均質化したたばこ材料シートは、粒子状たばこおよび1つ以上の結合剤を含むスラリーをコンベヤーベルトまたはその他の支持表面上にキャスティングし、キャストスラリーを乾燥させて均質化したたばこ材料シートを形成し、均質化したたばこ材料シートを支持表面から除去することを一般的に含むタイプのキャスティングプロセスにより形成されることが好ましい。
均質化したたばこシート材料は、異なるタイプのたばこを使用して生成されうる。例えば、たばこシート材料は、数多くの異なる種類のたばこ、またはたばこ植物の異なる部位(葉や茎など)からのたばこを使用して形成されうる。処理後に、シートは一貫した属性と均質化した風味を持つ。単一シートの均質化したたばこ材料は、特定の風味を持つように生成されうる。異なる風味を持つ製品を生成するには、異なるたばこシート材料が生成される必要がある。多数の異なるきざみたばこを従来的な紙巻たばこに混合することによって生成される一部の風味は、単一の均質化したたばこシートで複製するのが困難な場合がある。例えば、バージニア種たばこおよびバーレー種たばこは、個別の風味を最適化するために異なる方法で処理される必要がありうる。特定ブレンドのバージニア種およびバーレー種のたばこを単一シートの均質化したたばこ材料内に複製することは可能でないかもしれない。そのため、サシェは第一の均質化したたばこ材料および第二の均質化したたばこ材料を備えうる。2つの異なるシートのたばこ材料を単一のサシェに組み合わせることにより、単一シートの均質化したたばこでは生成できない新しいブレンドを創出しうる。
エアロゾル形成体は、少なくとも一つの多価アルコールを含むことが好ましい。好ましい一つの実施形態では、エアロゾル形成体は、トリエチレングリコール、1,3−ブタンジオール、プロピレングリコール、およびグリセリンのうち少なくとも一つを含む。
本発明のさらなる態様によれば、電気加熱式エアロゾル発生システムが提供されている。システムは、本明細書で説明したエアロゾル形成基体のサシェと、エアロゾル発生装置とを備える。エアロゾル発生装置は、サシェを受けるためのくぼみを持つ外側ハウジングと、くぼみ内のサシェを加熱してエアロゾルを発生するための少なくとも一つの発熱体を備えた電気ヒーターとを備える。
本明細書で使用される「エアロゾル発生装置」という用語は、サシェのエアロゾル形成基体と相互作用して、ユーザーの口を通してユーザーの肺に直接吸入可能なエアロゾルを発生するエアロゾル発生装置を記述するために使用される。
電気ヒーターは、少なくとも一つの壁に、好ましくはくぼみの側壁に隣接して提供されることが好ましい。電気ヒーターは、実質的にくぼみの周辺部の周り全体に提供されうる。さらに、または別の方法として、電気ヒーターはくぼみの底部壁に提供されうる。底部壁は、サシェを受けるためのくぼみの開放端の反対側の壁である。電気ヒーターは、サシェを貫通しない非侵入型のヒーターであることが好ましい。
電気ヒーターは、一つ以上の発熱体を備えうる。例えば、電気ヒーターは、2個、3個、4個、5個、6個、7個、または8個もしくはそれ以上の発熱体を含みうる。
電気ヒーターは、箔ヒーターであることが好ましい。電気ヒーターは、ポリイミドヒーターなどの薄膜ヒーターでもよい。電気ヒーターは、くぼみの外部壁(または複数の壁)に結合されることが好ましい。
一つ以上の発熱体は電気抵抗性の材料を含むことが好ましい。適切な電気抵抗性の材料としては、ドープされたセラミックなどの半導体、「導電性」のセラミック(例えば、二ケイ化モリブデンなど)、炭素、黒鉛、金属、合金およびセラミック材料および金属材料でできた複合材料が挙げられるが、これに限定されない。こうした複合材料は、ドープされたセラミックまたはドープされていないセラミックを含む場合がある。適切なドープされたセラミックの例としては、ドープシリコン炭化物が挙げられる。適切な金属の例としては、チタン、ジルコニウム、タンタル、および白金族の金属が挙げられる。適切な合金の例は、ステンレス鋼、ニッケル−、コバルト−、クロミウム−、アルミニウム−チタン−ジルコニウム−、ハフニウム−、ニオビウム−、モリブデン−、タンタル−、タングステン−、スズ−、ガリウム−、マンガン−および鉄を含有する合金、およびニッケル、鉄、コバルト、ステンレス鋼系の超合金、Timetal(登録商標)および鉄−マンガン−アルミニウム系の合金を含む。複合材料では、電気抵抗性の材料は、必要なエネルギー移動の動態学および外部の物理化学的性質に応じて、随意に断熱材料へ埋込、封入、または塗布されてもよく、あるいはその逆であってもよい。適切な化合物発熱体の例は、第US 5,498,855号、第WO 03/095688 A2号および第US 5,514,630号に開示されている。
上述した通り、サシェは適切な任意の形状としうるが、特に、サシェの形状は、ヒーターとたばこ材料との間の熱伝達を最適化するように、くぼみの形状と実質的に一致するように構成される。
電気加熱式エアロゾル発生システムはさらに、電気ヒーターに電力を供給するための電源と、電源および電気ヒーターに接続する電気的ハードウェアと、電源から電気ヒーターへの電力供給を制御するよう構成されたコントローラとを備えることが好ましい。
コントローラは、電気ヒーターの温度を約180℃〜約300℃の使用温度に維持するように構成されていることが好ましい。一つの実施形態で、装置はさらに、ユーザーの好みを受け取るように構成されたユーザー入力を含む。この実施形態では、コントローラは、ユーザー入力に基づいて、電気ヒーターの温度を制御するように構成されうる。コントローラは、2つ、3つ、4つ、5つまたはそれ以上の信号を入力から受信するように構成されうるが、各信号は明確なユーザーの好みに対応する。特に好ましい一つの実施形態では、コントローラは、電気ヒーターの温度約190℃、約200℃および約210℃に対応した3つの信号を受信するように構成される。コントローラは、その他の任意の組の適切な温度で電気ヒーターの温度を制御するように構成されうる。
コントローラは、電気ヒーターに電力を連続的に提供するように構成されうる。別の方法として、または追加的に、装置はさらにユーザーが装置を吸煙する時を検出するように構成された吸煙検出器を備えてもよい。ユーザーが装置を吸煙する時、コントローラは電気ヒーターに電力を提供するように構成される。一つの実施形態では、コントローラは、電気ヒーターを第一の温度に加熱した後、吸煙が検出された時に追加的な電力を電気ヒーターに提供して、温度を第二の温度に上昇させるように構成される。
コントローラは、電気ヒーターの動作を制御するためのプログラマブルコントローラ、例えば、マイクロコントローラであることが好ましい。一つの実施形態で、コントローラは、ソフトウェアによってプログラムしうる。別の方法として、コントローラは、特定用途向け集積回路(ASIC)などの用途が特定されたハードウェアを含みうるが、これは特定用途用のハードウェア内にある論理ブロックをカスタム化することによりプログラムしうる。電気的ハードウェアはプロセッサを含むことが好ましい。追加的に、電気的ハードウェアは、特定のサシェについての加熱設定、ユーザーの嗜好、ユーザーの喫煙習慣またはその他の情報を格納するためのメモリを含みうる。格納された情報は、喫煙システムとの併用が可能な特定のサシェに応じて更新および交換が可能であることが好ましい。また、情報は喫煙システムからダウンロードされうる。
エアロゾル発生装置は、電気ヒーターに供給される電力を起動するためのユーザー起動式のスイッチを備えることが好ましい。
装置は、少なくとも一つの空気吸込み口から少なくとも一つの空気出口へくぼみを通して空気の流れ経路が形成されるように、少なくとも一つの空気吸込み口、および少なくとも一つの空気出口を備えることが好ましい。くぼみの開かれた側と反対のくぼみの底部壁は、多孔性でもよく、または空気吸込み口を備えてもよい。
エアロゾル発生装置は、マウスピースを備えうる。一つの実施形態では、マウスピースは装置の近位端に提供され、くぼみは遠位端に提供される。このように、空気の流れ経路の長さは最大化され、それにより、エアロゾルがユーザーによる吸入のためにより適切な温度に冷却される。
装置は、装置の使用時にくぼみを覆うためのリッドを備えることが好ましい。リッドは、磁石(ネオジミウム磁石など)またはねじ山などの適切な任意の手段で保持されうる。リッドは、空気吸込み口を備えうる。
装置はさらに、くぼみ内のサシェの存在を検出し、サシェを別のシステムを使用ように構成されたサシェと区別する機能を持つ検出器を備えうる。検出器は、サシェがくぼみ内で検出されない限り電力が供給されないように、電気ヒーターへの電力を制御するために使用されうる。別の方法として、または追加的に、検出器は、適切な加熱プロトコルが使用できるように、くぼみ内のサシェのタイプに関する情報をコントローラに提供するよう構成されうる。
加熱手順は、電気ヒーターのための最高使用温度、吸煙1回当たりの最長加熱時間、吸煙間の最短時間、サシェ1つ当たりの最高吸煙数およびサシェについての最長合計加熱時間のうち、1つ以上を含みうる。特定のサシェでのエアロゾル形成基体は、特定の加熱条件で改善された喫煙の体験が要求される、またはそれを提供することがあるため、特定のサシェに合わせた加熱手順を確立することが有利である。すでに言及した通り、電気的ハードウェアはプログラム可能であることが好ましく、その場合には様々な加熱手順が格納および更新されうる。
サシェは、サシェ材料内に組み込まれた識別可能な分光学的特徴を持つタガントとその上に印刷された識別情報のうち少なくとも一つを備えうる。検出器は、タガントに基づき、または印刷された識別情報に基づき、サシェを区別するよう構成されることが好ましい。
一つの実施形態では、検出器は少なくとも一つの発光体および少なくとも一つの光センサーを含む光学センサーを備える、分光学的検出器であることが好ましい。発光体は、赤外線波長の光、または紫外線波長の光を発するよう構成されていることが好ましい。光センサーは、赤外線波長の光、または紫外線波長の光を検出するよう構成されていることが好ましい。
タガントは、吸収について識別可能な分光学的特徴を備えうる。タガントがエアロゾル発生装置の光源により照らされる時、タガントは特定の波長、または波長の組を吸収し、したがってその後で光センサーによって受信される光の波長が、エアロゾル発生装置が不在の波長に基づきタガントを判断できるようにする。
タガントの物理的および化学的な構造は、吸収された光の波長が要求に応じて設定されるように制御できる。一つの好ましい実施形態で、吸収された光の波長は可視スペクトル内にはない。吸収された波長は、赤外線または紫外線の範囲であることが好ましい。
吸収における識別可能な分光学的特徴を含むタガントに加えて、またはその代わりに、タガントは発光における識別可能な分光学的特徴を備えうる。タガントがエアロゾル発生装置の光源によって照らされる時、光はタガントを励起し、励起光の波長からずれた少なくとも一つの波長の光を発することが好ましい。分かる通り、これはフォトルミネッセンスの形態であり、またリン光、または蛍光でもよい。タガントの物理的および化学的な構造を制御することにより、分光学的特徴を制御できる。一部の実施形態で、識別可能な特徴は、励起に関連した発光の時間応答または励起後の発光の遅延レートに依存したものとしうる。
一つの好ましい実施形態で、放射光の波長は可視スペクトル内にはない。放射光の波長は赤外線または紫外線の範囲であることが好ましい。
別の実施形態では、検出器は、少なくとも一つの発光体および少なくとも一つの光センサーを含む光学センサーを備える。この実施形態では、検出器は1つの発光体および1つの光センサーを備えうる。別の方法として、検出器は、一次元(例えば、線形)のアレイの光センサーの形態をした1つ以上の光センサーを備えうる。さらに、検出器は、二次元のアレイの光センサーの形態をした1つ以上の光センサーを備えうる。
喫煙物品上に印刷される識別情報は、喫煙物品タイプ、エアロゾル形成基体タイプ、製造日、製造場所、バッチ番号およびその他の製造の詳細、および有効期限のうち1つ以上を備えうる。
識別情報は、物品上に様々な形態で印刷されうる。印刷には、可視インク、紫外線(UV)インク、赤外線(IR)インク、燐光性インク、蛍光インクおよび金属インクなど、各種インクが使用されうる。一つの実施形態で実施形態、識別情報は複数の線およびスペースを含む。線およびスペースは、物品の実質的に周辺の周りに延びうる。線およびスペースは、固定幅または可変幅を持ちうる。識別情報は、複数の線およびスペースを含む一次元バーコードとしてコードされうる。別の実施形態で、識別情報は二次元アレイを持つ。二次元アレイは、データ行列またはその他の任意の二次元バーコードを含みうる。検出器は、情報を識別するよう構成される。
本発明の1つの態様のいずれの特徴も、任意の適切な組み合わせにおいて本発明のその他の態様にも適用されうる。特に、方法の態様は装置の態様に適用でき、その逆もまた可である。さらにまた、1つの態様における任意の一部および/またはすべての特徴は、任意の適切な組み合わせにおいて、任意のその他の態様の任意の一部および/またはすべての特徴に適用されうる。
当然ながら、本発明の任意の態様において説明および定義された種々の特徴の特定の組み合わせを独立して実施および/または供給および/または使用できる。
本発明は以下の添付図面を参照しながら、例証としてのみであるがさらに説明する。
図1(a)に示す通り、本発明によるサシェ100は、エアロゾル発生基体(図示せず)を含むための多孔性材料から形成される容器を含む。この例では、サシェは円形断面のプロフィールを持ち、円筒形である。図1(b)に示す通り、容器はエアロゾル発生基体102を含む。エアロゾル発生基体は、約55〜約75重量パーセントの均質化したたばこ材料と、約15〜約25重量パーセントのエアロゾル形成体と、約10〜約20重量パーセントの水とを含む。この特定の例では、エアロゾル形成体は、約18.1〜約20.9重量パーセントのグリセリンである。この例では、含水量は約11.4〜約12.4重量パーセントである。均質化したたばこが、エアロゾル発生基体の残りの部分を形成する。好ましい例では、エアロゾル発生基体は、サシェ内に約24%〜約35%の空隙率を持つ。たばこのタイプ、またはユーザーの好みに基づき空隙率を変化させて、発生するエアロゾルの特性を変化させうる。空隙率は、容器内部にある空隙の体積分率として定義される。従って、空隙率100%は容器が基体を含まないことを意味し、空隙率0%は、容器が完全に基体で満たされ、空隙が全くないことを意味する。
組成を決定するために、エアロゾル形成基体の試料を測定する前に、相対湿度50%、22℃で、48時間にわたり平衡化させた。均質化したたばこ材料の含水量を決定するためにKarl Fischer技法が使用された。
サシェ100の容器は多孔性材料から形成され、また編み込みまたは切断のどちらかを行った後で延ばすことにより形成されたメッシュ様の材料としうる。適切な材料には、天然繊維であるサイザル麻およびラミエなどがある。
使用時、サシェはエアロゾル発生装置内で加熱されてエアロゾルを発生する。
エアロゾルを発生するためサシェを加熱するのに使用されるエアロゾル発生装置200の一例を、図2(a)および図2(b)に示す。装置200は、サシェを受けるためのくぼみ202と、くぼみ202を覆うためのリッド204と、電源206と、コントローラ208と、電気ヒーター210と、マウスピース212とを含む。
コントローラ208は、電源206から電気ヒーター210に電力を供給して、サシェを使用温度に加熱するよう構成される。図示した通り、電気ヒーターは、ヒーターからくぼみ壁へ、さらにはサシェへの熱伝導を改善するために、くぼみの周辺部付近に提供されている。
図2(b)に示す通り、サシェ100はくぼみ202内に受けられうる。使用時、ユーザーはサシェをくぼみ202に挿入し、リッド204を元の場所に戻してくぼみを閉じてから、装置を起動する。次に、コントローラは、電力を電気ヒーターに供給して、サシェの温度を使用温度に上昇させる。好ましい一つの実施形態では、使用温度は約200℃である。
サシェが使用温度に達してユーザーがマウスピースを吸うと、くぼみ202を通って、空気吸込み口(図示せず)から装置を通って、電源206に隣接した気流経路に沿って空気が引き込まれ、マウスピースにある空気出口の外に出る。
マウスピースは、必要に応じて、洗浄、または交換をするために取り外し可能としうる。
上述したサシェ100の代替的な例では、容器はタガントを備えるか、またはその上に情報が印刷される。タガントは、材料の製造時に容器材料に組み込まれる。容器が印刷された情報を含む場合、情報は材料が容器に形成される前または後に印刷されうる。
タガントは、識別可能な分光学的特徴を持つ。材料内に組み込まれたタガントの使用により、製造後のタガントの除去が阻止される。このように、サシェの不正開封防止、および偽造の困難さが改良される。
タガント材料は、特定の光の波長を吸収して、識別を可能にする、および/またはタガントを励起するために使用された光の波長と比較してずれた波長で光を発することができるように、光学的属性を制御するよう選択できる。
図3は、本発明による電気的に動作するエアロゾル発生システム300の模範的な一つの実施形態の斜視図を示す。電気的に動作するエアロゾル発生システム300は、上述のシステム200と類似した構成要素を持つ喫煙システムである。
電気加熱式の喫煙システム300はさらに、くぼみ202に隣接して位置付けられた検出器302を備える。検出器は、くぼみ内のサシェの存在を検出でき、またシステムと併用しうる様々なサシェを識別できる。
検出器は、タガントの分光学的特徴を判断する手段を含む。分光学的特徴を判断する手段は、光源および光センサーを含む。
使用時、ユーザーがサシェ100をエアロゾル発生装置300に挿入すると、検出器304は光を発し、光センサーによって受信された応答を検出することにより、挿入されているサシェのタイプを判断する。
ユーザーがマウスピースを吸うと、制御回路は、検出されたサシェ100のタイプに基づき、ヒーター210に電力を供給してエアロゾルを発生させる。供給された電力は、エアロゾル発生物品のブランドに従い、または予め決められたユーザーの嗜好、およびこれに類するものに従い最適化されうる。別の方法として、または追加的に、サシェ100が検出器によって認識されない場合には、制御回路は、電力がヒーター210に供給されないように阻止し、許可されていないエアロゾル発生物品の使用を防止する。
図3に示すものに類似した例で、エアロゾル発生装置300の検出器302は、サシェ上に印刷された情報を検出するように適合されうる。
サシェは、印刷された異なる幅の複数の線およびスペースを含みうる。これらは、適切なバーコード符号化規格(下記参照)に従い、単純な一次元バーコードとしてコードされうる。別の方法として、線は、サシェのタイプに関連する情報をコードするために、同一幅の多数(n)の線およびスペースを含んでもよい。例えば、n=3であれば、次のコードが可能である: 000、001、010、100、011、110、101、111が可能であるが、ここで1は線を、0はスペースを表す。001、010および100は、相互に区別されない可能性がある(コードの起点箇所を指示するマーカーラインが検出器に提供されない限り)。同様に、011および110は相互に区別されない可能性がある。従って、n=3では5通りの可能性が与えられる。000が、物品が存在しないことを示すために使用される場合は、4つの可能性のみが与えられる。一般に、マーカーラインが提供されていない限り、2n-1 + 1の可能性が与えられるか、または、物品が存在しないことを示すために000が使用される場合、2n-1の可能性のみが与えられる。
本発明のサシェで使用するのに適切でありうる数多くのバーコード規格がある。本発明に有用でありうる1つのバーコードタイプは、高密度で連続的な2幅のバーコードシンボルである、「インターリーブド2of5」(I2/5)バーコードである。このコードは、バー(黒の線)およびスペース(白の線)を持ち、それぞれの幅は広い場合と狭い場合がある。I2/5は、5つのバーおよびスペース当たり一対の桁をコードし、第一の桁は5つのバーでコードされ、第二の桁はそれらの間にある5つのスペースでコードされる。5つ毎に2つのバーまたはスペースの幅は広い。別の方法として、別の規格のバーコードシンボルが使用されてもよく、あるいはこの用途に固有のカスタムコードを作成してもよい。
この例では、電気加熱式の喫煙システムの検出器は、適切な光源(IR、UVまたは可視、物品に使用されるインクによる)および反射光を検出する少なくとも一つの光センサーを備える。検出器は、反射光を検出する単一のセンサーを備えうる。その場合、サシェの検出は、サシェがくぼみに挿入される際に、様々な線が検出器を通過する時間を測定することにより実行されうる。あるいは、検出器は反射光を検出する複数のセンサーを備えうる。その場合、サシェの検出は、サシェがくぼみに挿入されてから実行されうる。線は実質的にサシェの周囲全体の周りに延びるため、複数のセンサーが使用される場合、サシェの長軸方向に沿って一次元的にのみ延びる必要がある。また、ユーザーがサシェ上に印刷された情報を検出器と手動で整列させる必要はない。
装置の動作は、サシェが検出されると、タガントを使用してサシェが検出された時の装置の動作と類似したものとなる。
上述の例示的な実施形態は例証するが限定はしない。上記で考察した例示的な実施形態に照らすことにより、上記の例示的な実施形態と一貫したその他の実施形態は今や当業者には明らかとなろう。