JP2017537696A - 生物学的インディケータの抵抗特性を確立する方法 - Google Patents

生物学的インディケータの抵抗特性を確立する方法 Download PDF

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Abstract

滅菌法において滅菌剤蒸気を利用して生物学的インディケータの抵抗特性を確立する方法を提供する。この方法は、滅菌室に滅菌剤蒸気を注入している間に発生する差滅菌剤蒸気圧の値を取得し、得られたその差滅菌剤蒸気圧の値の関数としてD値を求めることによって生物学的インディケータ不活性プロファイルを生成させる工程を含んでいる。生物学的インディケータ不活性プロファイルは、差滅菌剤蒸気圧の関数として表わしたとき、不活性な全範囲にわたって線形になる可能性がある。生物学的インディケータ不活性プロファイルは、滅菌剤蒸気を滅菌室に注入し、滅菌剤蒸気注入の異なる時期に測定した異なる差滅菌剤蒸気圧における生物学的インディケータの生残を測定することによって生成させることができる。この方法は、滅菌中に滅菌室が所与の温度かつ滅菌剤蒸気が初期濃度のときの生物学的インディケータ不活性化データを用意して、その滅菌室の別の温度と別の濃度の滅菌剤蒸気について生物学的インディケータ不活性プロファイルを生成させるのに用いることを含むことができる。

Description

本発明は、全体として、滅菌法の有効性を判断するためのインディケータ・システムに関するものであり、より具体的には、生物学的インディケータの抵抗特性を確立する方法に関する。
ヘルスケアの分野では、他の多くの産業と同様、医療機器などの装置、廃棄材料、道具、その他の廃棄可能物や廃棄不能物の滅菌に用いる方法の有効性を検討することがほとんど常に必要とされる。そうした状況では、滅菌は一般に、生きている全微生物を完全に破壊する方法と定義され、微生物には、感染性のあるウイルス、芽胞、真菌などの構造体が含まれる。病院における標準的な慣行は、滅菌すべき一群の物品(通常は負荷と呼ばれる)に生物学的インディケータ(滅菌インディケータ)を含めるというものである。生物学的インディケータ(BI)を使用することで、その滅菌法の致死性を直接的かつ感度よく調べることが可能になる。
標準的なタイプの生物学的インディケータ(BI)は、試験する微生物の芽胞を既知量含んでいる。この生物学的インディケータを滅菌室に入れ、滅菌する物品とともに滅菌法を実施する。試験する微生物の芽胞、例えばゲオバシラス・ステアロテルモフィルスまたはバシラス・アトロファエウスの芽胞を、増殖を促進する条件下で決められた期間インキュベートする。次に、インキュベートしたBIに増殖した可能性の兆候があるかどうかを調べる。その兆候とは、例えば、ある種の代謝産物の存在または不在、pHの変化、生き延びた何らかの微生物が産生した混濁度の存在である。生きている芽胞の存在を示す陽性増殖は、その滅菌法がその微生物をすべて破壊するには不十分であったことを示している。
滅菌を取り扱う国際的な規格として、例えば国際標準化機構(ISO)が規定している規格が存在する。生物学的インディケータの条件を取り扱う国際的な規格は、ISO 11138シリーズに見いだされる。
ISO 11138-1は、さまざまな滅菌法でヘルスケア製品の滅菌に用いられる生物学的インディケータ用に規定された一般的な条件を提示している。特定の滅菌法のための追加のガイドラインまたは条件は、エチレンオキサイド滅菌法についてはISO 11138-2に、湿熱滅菌法についてはISO 11138-3に、乾熱滅菌法についてはISO 11138-4に、低温蒸気滅菌法とホルムアルデヒド滅菌法についてはISO 11138-5にそれぞれ提示されている。
1990年代以降、過酸化水素滅菌法が広く用いられてきた。しかし過酸化水素法(または過酢酸または二酸化塩素などの同様の滅菌剤を用いる方法)で用いられる生物学的インディケータ用に規定された具体的な追加のガイドラインまたは条件はまだない。そのため過酸化水素滅菌法のための生物学的インディケータは、一般に、ISO 11138-1の一般的な条件にのみ従って評価されている。それは、以下に示すことから明らかなように最適ではない。
ISO 11138-1の6.4.3項には、「理想的には、生残曲線は不活性な全範囲にわたって線形である。実際には、この理想からのずれが生じるが、線形性は、許容可能な範囲内に維持されねばならない」と記載されている。
6.4.4項には、「生残曲線は、生きている試験生物のカウント数のlog10を時間に対して半対数曲線としてプロットしたとき、少なくとも0.8の相関係数を持つ直線になるものとする」と記載されている。
滅菌法(たいていは蒸気滅菌法)を検討するとき、細菌芽胞の抵抗を測定するのにBI抵抗性評価装置(BIER)容器が50年超にわたって使用されてきた。蒸気BIER容器の最初期の設計は、食品処理技術者によって開発されたものであり、食品処理産業で使用されるレトルトの考え方に基づいていた。BI抵抗性評価装置は、気化した滅菌剤(エチレンオキサイド、ホルムアルデヒド)を用いたさまざまな滅菌法用のものが存在しているが、気化した過酸化水素用のものは存在していない。
気化した過酸化水素を用いた滅菌法のための生物学的インディケータの致死性プロファイル(VH2O2 BIとも呼ばれる)は、通常は、ISO 11138-1に提示されている一般的な仕様に従い曝露時間を用いて規定される。しかしVH2O2 BI抵抗性評価装置のための標準条件は存在していないため、VH2O2 BIのどの製造者も現在のところ独自の具体的な曝露条件を用いている。その結果として、製造者が異なるVH2O2 BIは異なる非標準的な性能データを持つことになる。例えば2つの製造者(ここでは製造者Aと製造者Bと呼ぶ)の既存製品の曝露条件は以下の通りである。
製造者A:50℃で2.7 mg/l VH2O2
製造者B:50℃で2.5 mg/l VH2O2
BIの具体的な性能は、D値と生残時間と殺菌時間の性能データを用いて評価されるが、これらのすべてはそれぞれ用いる曝露条件に依存する。D値はBIの抵抗の1つの指標である。ANSI/AAMI/ISO 11138-1によれば、D値は、記載されている曝露条件下で試験微生物の総数の90%を不活性化するのに必要な時間または用量(曝露条件)として定義される。したがってD値は、(初期微生物数が少なくとも106個の活性な細菌芽胞である)活性な芽胞を1-log減少させるのに必要な曝露条件を表わす。例えば121℃(250 F)でD値が2分で初期微生物数が106個の芽胞の場合の蒸気滅菌法用BIでは、90%の芽胞がサイクルの最初の2分間に死滅することになる。次の2分間には残りの90%が死滅し、以下同様に続く。したがって殺菌率は対数的に変化し、その結果として対数表示を用いると直線の生残曲線となる。
生残時間は、式1に示してあるように、利用する曝露条件において少なくとも4-logの減少を達成するのに必要な時間である。殺菌時間は、初期微生物数が少なくとも106個の活性な細菌芽胞である場合、式2に示してあるように、利用する曝露条件において少なくとも10-logの減少を達成するのに必要な時間である。
生残時間≧(初期微生物数のlog 10-2)×D値 (1)
殺菌時間≦(初期微生物数のlog 10+4)×D値 (2)
製造者Aと製造者BそれぞれのBIで得られた性能データを下掲の表1に詳細に示す。
市販の生物学的インディケータは一般に、製造された各バッチに特有の性能証明書とともに販売される。市販の過酸化水素用生物学的インディケータの不活性プロファイルは、この性能証明書に掲載された値が提供する情報を用いて評価することができる。それに加え、下掲の表1に示した1-log不活性化の後の理論的生残微生物数と、生残時間と、殺菌時間は、各BIの製造者が提供する性能証明書の値から得られた。生残時間と殺菌時間は、それぞれの性能証明書で同定できる初期微生物数を用い、式1と式2に従って計算した。
表1に見られる値を数学的に変換してグラフにし、それぞれの生物学的インディケータ(BIA;BIB)の理論的致死性プロファイルを求めた。図1と図2のグラフ表示から明らかなように、これら生物学的インディケータの不活性プロファイルは、利用する試験条件の曝露時間の関数として二相性である。
こうしたタイプの生物学的インディケータの不活性プロファイルは曝露時間の関数として不活性な全範囲にわたって線形ではないため、滅菌法の滅菌保証レベル潜在能をこれらのBIを用いて正確に予測することはできない。
さらに、どの過酸化水素製造者も、用いる過酸化水素の濃度または用量の条件、または試験室の温度が異なっているため、異なる過酸化水素生物学的インディケータの抵抗/性能特性を比較するための共通のパラメータを規定することは非常に困難である。
現在のところ、利用する試験条件の曝露時間の関数として不活性な全範囲にわたって線形な不活性プロファイルを提供する既知のVH2O2 BIは存在していない。
したがって、滅菌法における生物学的インディケータの抵抗または性能特性を評価するための既知の方法、または滅菌法(例えば過酸化水素法)の有効性を評価するための既知の方法の上記欠点の少なくとも1つを少なくすると考えられる改良された方法またはプロセスを提供することが望ましかろう。
滅菌法における生物学的インディケータの抵抗特性を確立するための以前の方法、または滅菌法の有効性を評価するための以前の方法の少なくとも1つの欠点を回避または軽減することが本発明の1つの目的である。
したがって、滅菌剤蒸気を用いた滅菌法における生物学的インディケータの抵抗特性を確立するための方法が提供される。この方法は、滅菌剤蒸気を注入している間に滅菌室で差滅菌剤蒸気圧の値を取得することによって生物学的インディケータ不活性プロファイルを生成させる工程と、得られた差滅菌剤蒸気圧の値の関数としてD値を求める工程を含んでいる。
一実施態様では、生物学的インディケータ不活性プロファイルは、滅菌剤蒸気を滅菌室に徐々に注入し、滅菌剤蒸気注入の異なる時点で求めた異なる差分滅菌剤蒸気圧における生物学的インディケータの生残を測定することによって生成させる。滅菌室内に滅菌剤蒸気の微凝縮層を生成させるため、滅菌剤蒸気はパルス式に注入することが好ましい。
別の一実施態様では、この方法はさらに、滅菌中に滅菌室が所与の温度かつ滅菌剤が初期濃度のときの生物学的インディケータ不活性化データを用意し、その滅菌室が別の温度かつ滅菌剤が別の濃度のときの生物学的インディケータ不活性プロファイルを生成させるのに用いることを含むことが可能である。
さらに別の一実施態様では、この方法はさらに、ある滅菌法を試験するとき、生物学的インディケータ不活性プロファイルを基準と比較してその生物学的インディケータの有効性を評価することを含むことができる。
さらに別の一実施態様では、滅菌剤蒸気は過酸化水素の蒸気である。
この方法は、任意の生物学的インディケータについてより正確な抵抗特性を提供することもできる。
さらに、この方法は、不活性な全範囲にわたって生物学的インディケータの線形な不活性プロファイルを提供することができる。
別の特徴によれば、ある滅菌法の有効性を評価する方法も提供される。この方法は、この明細書に規定した生物学的インディケータを用いてその滅菌法を実行する工程と、異なる差滅菌剤蒸気圧で生物学的インディケータの生残を測定する工程と、測定したその生物学的インディケータの生残を生物学的インディケータ不活性プロファイルと比べて評価することによりその滅菌法の有効性を評価する工程を含んでいる。
さらに別の特徴によれば、この明細書で抵抗特性を確立した生物学的インディケータ、またはその生物学的インディケータを含む市販パッケージも提供される。抵抗特性は、最初は差圧を単位として明確にした後、それと同等な時間パラメータまたは用量パラメータで表わすことができる。不活性プロファイルは、不活性な全範囲にわたって線形になる可能性がある。生物学的インディケータまたは市販パッケージは、少なくとも3つの点を用い、少なくとも0.8という致死性プロファイル(線形性)の決定係数(r2)を持つことができる。
さらに別の特徴によれば、生物学的インディケータまたは市販パッケージを用いて滅菌法をモニタすることができる。
さらに別の特徴によれば、生物学的インディケータと、本発明の方法に従って確立される生物学的インディケータの抵抗特性とを用いて滅菌法の有効性を評価することができる。
一実施態様では、滅菌法を実施する生物学的インディケータの抵抗特性を確立する方法として、生物学的インディケータを滅菌室内で徐々にかつ連続的に増加する滅菌剤蒸気の圧力に曝露し、滅菌すべき負荷の表面に滅菌剤の微凝縮層を生成させる工程と、その曝露工程の間に滅菌剤蒸気の差圧を測定する工程と、到達した滅菌剤蒸気の差圧の関数としてD値を求める工程と、求めたD値を持つ生残微生物数データを計算する工程を含んでいて、その生残微生物数データが、生残試験の生物カウント数のlog 10を差圧に対して半対数曲線としてプロットしたとき、予測可能な線形不活性プロファイルを提供する方法が提供される。
別の一実施態様では、異なる温度の試験室で得られたD値の間の関係を求めることができる。
不活性プロファイルは、試験室の温度がある範囲で線形になる可能性がある。したがって蒸気滅菌法について、D値を必要とされる試験室の各温度で求めることができる。それに加え、蒸気で明確にされたz値と似た関係が、この方法を用いる過酸化水素生物学的インディケータについても存在している。
本発明を容易に理解できるようにするため、本発明の実施態様を添付の図面に例示する。
図1(先行技術)は、製造者AのBI(生物学的インディケータ)の理論的不活性プロファイルの時間変化のグラフ表示である。
図2(先行技術)は、製造者BのBI(生物学的インディケータ)の理論的不活性プロファイルの時間変化のグラフ表示である。
図3は、ΔPvS280の関数としてのSTERIZONE(登録商標)BI+生物学的インディケータの3つのロットの理論的不活性プロファイルの一実施態様のグラフ表示である。
図4は、TSO3抵抗性評価装置で試験したときの、ΔPvS280の関数としてのSTERIZONE(登録商標)BI+の実験的不活性プロファイルの一実施態様のグラフ表示である。
図5は、TSO3抵抗性評価装置で試験したときの、ΔPvS280の関数としての製造者AのBIの実験的不活性プロファイルの一実施態様のグラフ表示である。
図6は、TSO3抵抗性評価装置で試験したときの、ΔPvS280の関数としての製造者BのBIの実験的不活性プロファイルの一実施態様のグラフ表示である。
図7は、TSO3抵抗性評価装置の温度の関数としてのD値の対数の実験グラフである。
本発明のさらなる詳細とその利点は、以下に示す詳細な記述から明らかになろう。
例としての実施態様に関する以下の記述では、添付の図面を参照して、本発明を実施できる実施例を説明する。開示した本発明の範囲を逸脱することなく、他の実施態様を実施できることが理解されよう。
「滅菌」という用語は、一般に、物質の再生産および/または代謝および/または増殖ができないようにすることを意味する。それは、生きている生物の完全な不在であると理解されることがしばしばあるが、この用語は、この明細書では、許容できるとあらかじめ合意した程度まで生きている生物が排除された物質を意味するのにも用いることができる。そのため特に断わらない限り、滅菌という用語は、この明細書では、滅菌ほどは厳格でない、例えば脱汚染などの方法や手続きを意味するのにも用いることができる。さらに、本発明の方法は、この明細書では医療装置の滅菌という特定の分野について記述するが、当業者には、他の用途、例えばさまざまな市場や産業での用途も考えられることがわかるであろう。
この明細書では、真空下の滅菌室という用語は、あらかじめ排気されていて、滅菌剤蒸気の受け入れを除けば密封された滅菌室を意味する。
この明細書では、差滅菌剤蒸気圧という用語は、滅菌剤蒸気を滅菌室に徐々に注入している間のさまざまな時点で、あらかじめ排気された滅菌室に存在する蒸気圧を意味する。この文脈における徐々に注入するという表現は、滅菌に必要であると予想される滅菌剤の全量(予想量)よりも少ない量、それどころかそれよりも有意に少ない可能性がある量の滅菌剤蒸気の連続的な注入を意味する。徐々に注入するという表現は、予想量のほんの一部である滅菌剤蒸気のアリコートをパルス式に注入することも意味することができる。例えばその量は予想量の1/15以下が可能であり、アリコートは、それぞれを予想量の1/5以下にすることができる。致死性を確認するため、測定を例えば到達する最終差圧の約1/15である部分圧で行なうことができる。例えば陽性BIの数は、1.25トル、2.5トル、3.75トルなどに到達した後に確認することができる。BIは、23℃では6トル、または9〜10トルまでという小さな差圧の後に完全に不活性化している可能性がある。用いる部分圧の大きさと、部分圧の最小-最大の大きさは、滅菌室の温度に応じて選択することができる。
この説明の全体を通じ、滅菌に用いる殺生物剤が気化した過酸化水素である特定の1つの実施態様に関して本発明を記述することにする。一実施態様では、過酸化水素の水溶液、例えばTSO3社(ケベック、カナダ国)から入手できるSTERIZONE(登録商標)125-280溶液(登録商標)などの50重量%過酸化水素溶液を用いて滅菌剤蒸気を生成させる。当業者であれば、ある特定の用途では、本発明の範囲を逸脱することなく、この溶液を他の濃度(非限定的な例として3%〜59%)にすることや、他の液体殺生物剤を気化させることが考えられることが理解できよう。
出願人は、一般的な器具や、単一チャネルまたは多チャネルの軟性内視鏡や、硬性チャネル式装置(例えば単一チャネルと二重チャネルの硬性内視鏡が含まれる)を滅菌するために特に設計した増強された過酸化水素滅菌のための方法とシステムを開発中であり、そのような方法の有効性は、上に詳述したように、生物学的インディケータの利用を通じて確認されるべきである。このようなシステムの一実施態様は、同じ出願人からの公開された国際特許出願WO2011/038487に記載されているように、TSO3社から入手できるSTERIZONE(登録商標)VP4滅菌装置(STERIZONE(登録商標)125L+滅菌装置として以前は知られていたものの後継装置)である。なおこの出願は、参照によりその全体がこの明細書に組み込まれている。
特定の滅菌システムにおける所与の滅菌法の有効性を確認するには(すなわち生物学的インディケータと化学的インディケータの抵抗特性を明確にする)、試験条件がヘルスケア施設のために考案された市販の滅菌装置での条件と合致する抵抗性評価装置を、ANSI/AAMI/ISO 18472規格に従って使用せねばならない。
一実施態様では、滅菌法の実施に用いる滅菌装置/抵抗性評価装置(この明細書ではTSO3抵抗性評価装置とも呼ぶ)は、125リットルの電解研磨ステンレス鋼製滅菌室を有する。滅菌室の外面全体を覆う加熱ブランケットを使用してその滅菌室の壁の温度を所定の温度(一実施態様では41℃)に維持する。滅菌装置は、滅菌室内の圧力センサーと、追加の器具、例えば滅菌室内に注入される気化した滅菌剤の質量を測定するための天秤や、各測定点について毎秒1点という間隔で記録するデータ・ロガーを備えている。以下に詳述するように、滅菌剤の注入は、標準生産ユニットのための圧力センサーと同じ圧力センサーを用いて制御する。したがって当業者であれば、同じ負荷条件下では、ヘルスケア施設で用いる実際の滅菌装置での生物学的インディケータの反応が、この抵抗性評価装置で得られる反応と同様になると考えられることが理解できよう。
試験した第2の実施態様では、減菌室の温度が生物学的D値に及ぼす影響の検証に用いる滅菌装置/抵抗性評価装置は、55リットルのアルミニウム製減菌室を有する。この減菌室の外面全体を覆う加熱ブランケットを使用してその滅菌室の壁の温度を所定の温度に維持する。抵抗性評価装置/滅菌装置は、滅菌室内の圧力センサーと、追加の器具、例えば滅菌室内に注入される気化した滅菌剤の質量を測定するための天秤や、UVシステムや、データ・ロガーを備えている。
一実施態様では、用いる滅菌装置/抵抗性評価装置は、滅菌剤として、気化した過酸化水素(H2O2)を単独で、またはその後に注入するオゾンと組み合わせて用いる。これについては上述の国際特許出願WO2011/038487に記載されている。滅菌装置には、過酸化水素滅菌剤を以前に排気した滅菌室に少量ずつ多数回に分けてパルス式に注入することを通じ、徐々に増加していく滅菌剤蒸気圧で気化した過酸化水素に曝露する動的滅菌剤送達システム(Dynamic Sterilant Delivery System:登録商標)が組み込まれている。滅菌室内の滅菌剤の蒸気圧を測定することで、それぞれのパルス式注入後の滅菌室内の差滅菌剤蒸気圧を求めることが可能になる。
試験のため、生物学的インディケータを滅菌室に入れて扉を閉める。滅菌室を最初に1トルの真空にする。これを事前コンディショニング工程と呼ぶ。次に、動的H2O2曝露工程で過酸化水素への曝露を開始する。この工程の間、滅菌室内がある差圧に達するまで、(TSO3社から入手できる)50重量%過酸化水素溶液(125-280溶液(登録商標)と呼ぶ)を蒸気の形態で徐々に滅菌室に注入する。選択する差圧は、実現を望む致死率(BI不活性化)の関数として変化するであろう。ISO 11138-1規格は、D値を計算するのに少なくとも5つの異なる曝露点を要求している。
差圧に到達すると、追加の曝露はなく、オゾンの注入もない。滅菌室をただちに1トルの真空にすると、滅菌室から化学成分が除去される。濾過した周囲空気または医療グレードの高純度乾燥酸素(93%以上)を用いて大気への通気を実施する。その時点で滅菌室の扉を安全に開くことができる。
次に生物学的インディケータを回収し、製造者の指示に従ってインキュベートして無菌であるかどうかを判断する。
動的H2O2曝露工程の間、50重量%H2O2からなるH2O2溶液を用い、滅菌室の内容物を気化した過酸化水素に曝露する。上述の国際出願WO2011/038487に詳述されているように、このH2O2溶液は、真空によって瓶から引き出し、加熱した気化装置に接続した精密な二重弁気化システムを用いて気化させる。その気化装置そのものは滅菌室に接続されている。
気化率を正確に制御して過酸化水素溶液の完全な気化を確実にできるようにするため、2つの弁を開放する時間間隔と、(気化の時間間隔を制御する)その2つの弁それぞれの開放頻度を、プログラム可能な論理制御装置(PLC)によって制御する。その論理制御装置は同時に滅菌室内の圧力もモニタし、気化回路板を駆動する。気化プロセスは、滅菌室内の気化した過酸化水素と水の圧力が想定した差蒸気圧(ΔPvS280)設定点になるまで、制御された状態で変化するように設計されている。差圧は、動的H2O2曝露工程における初期の滅菌室内圧と最終的な滅菌室内圧の差と定義される。
ここに説明した実施態様では、気化装置は、120℃に加熱されたアルミニウム製ブロックを有する。気化装置の上流にある2つの弁のセットが滅菌剤溶液の注入を制御する。1つのパルスで気化装置に入る溶液の量は、125リットルの滅菌室の場合には、1秒にほぼ1パルスで約40 mgである。気化した溶液は真空によって滅菌室内に引き込まれる。想定した差圧ΔPvS280に達するまで、この一連の操作を繰り返す。
本発明の発明者は、上に説明した実施態様と同様の低温滅菌法では、注入する気化溶液の差圧(ΔPvS280)が極めて重要なプロセス・パラメータであり、それを用いて生物学的インディケータの抵抗特性を確立できることを発見した。
したがって本発明の一実施態様によれば、このような滅菌法で用いる生物学的インディケータの不活性プロファイルは、これまでの慣行のような時間ではなく、ΔPvS280の関数として表わすことができる。
本発明の発明者はさらに、生残試験の生物カウント数のlog10をPvS280に対して半対数曲線としてプロットすると、生物学的インディケータの不活性曲線が、少なくとも0.8の相関係数で全範囲にわたって直線になることを発見した。これは特に大きな利点である。というのも、不活性な全範囲にわたって生物学的インディケータの線形不活性プロファイルを確立して予測する方法が提供されるからである。
この方法の1つの利点は、生残・殺菌曝露に関するISO 11138-1の式を用いて実験値を予測できることである。それに対し、通常のISO 11138を用いると生残・殺菌値は予測できず、生物学的インディケータの各製造者が実験的に決める必要があった。それに加え、この方法は、異なる濃度の過酸化水素溶液と異なる温度の試験室に適用することができる。
以下の表2は、試験した3つのロットの生物学的インディケータの性能データと理論的生残微生物カウント数を示している。このような適切な生物学的インディケータについては以下により詳しく議論する。表2に示した試験は、上述のように、TSO3抵抗性評価装置の125リットルの電解研磨ステンレス鋼製滅菌室の中で実施した。性能データ、すなわちD値の平均と生残時間と殺菌差圧が列挙されている。上で議論した製造者Aと製造者BのBIに関し、1-log不活性化の後の理論的生残微生物数(D値)、生残パラメータ、殺菌パラメータを各性能基準について取得した。
図3は、3つのロットの生物学的インディケータについて差蒸気圧ΔPvS280の関数として求めたD値に基づく理論的不活性化キネティックス・プロファイルのグラフ表示である。ISO 11138-1の式を用いて求めた生残パラメータと殺菌パラメータを実験的に確認した。これにより、注入した気化滅菌剤溶液の差圧を用いて抵抗特性を確立するときには理論的不活性プロファイルが線形であることが確認される。
適切な生物学的インディケータの一例は、TSO3社から入手できて、プライベート・ラベル契約に規定されている仕様に従ってTSO3のために製造されたSTERIZONE(登録商標)BI+自己充足的生物学的インディケータである。この自己充足的生物学的インディケータの担体は、ステンレス鋼でできていて、STERIZONE(登録商標)滅菌法に適合している。さらに、この担体にはゲオバシラス・ステアロテルモフィルスの芽胞が接種されている。
以下に詳細を示す手順を利用して実験を行ない、STERIZONE(登録商標)BI+の致死率を実験的に研究した。致死率の研究は、上に詳述したSTERIZONE(登録商標)滅菌法の動的H2O2曝露工程の代表的な条件下で実施した。動的H2O2曝露工程は、滅菌室に注入した気化滅菌剤溶液の差圧(ΔPvS280)によって制御される。上述のように、差蒸気圧(ΔPvS280)は、滅菌サイクルの動的H2O2曝露工程の間の不活性化キネティクスを研究するのに用いられる極めて重要なプロセス・パラメータである。
この研究では、製造者Aと製造者Bの生物学的インディケータの抵抗特性も分析した。
図4、図5、図6は、それぞれ、抵抗性評価装置の代表的な条件とSTERIZONE(登録商標)滅菌法の条件で試験したSTERIZONE(登録商標)BI+、製造者A、製造者BのBIを差圧ΔPvS280の関数として表わした実験的不活性プロファイルを示している。見てわかるように、STERIZONE(登録商標)BI+の不活性プロファイルと試験した他の2つの生物学的インディケータの不活性プロファイルは、差圧ΔPvS280の関数としてそれぞれ線形である。両方の曲線の決定係数(r2)は、ANSI/AAMI/ISO 11138-1において線形不活性化に関して規定されているように、0.8よりも大きい。
この説明を読めば明らかなように、気化した過酸化水素溶液の差圧は、過酸化水素滅菌法の細菌不活性化の優れた予測変数であり、自己充足的生物学的インディケータの線形不活性化を確立および/または予測するのに使用できるため、大きな利点である。
手順
フラクション・ネガティブ法を利用して全BIのD値を求めた。ANSI/AAMI/ISO 11138-1:2006(R)2010によれば、フラクション・ネガティブ法によってD値を求めるには、異なる5つの曝露条件が少なくとも必要とされる。すなわち、全インディケータが正である曝露条件と、全インディケータが負である2つの連続した曝露条件と、サンプルの一部が増殖を示す少なくとも2つの曝露条件である。
それぞれの曝露点について、選択した各曝露条件用に20個のBIを抵抗性評価装置の棚に載せた。上に詳述したように、動的H2O2曝露工程の間、段階的に増加していく差圧設定点(ΔPvS280)にBIを曝露する。
曝露後、各BIについて、プラスチック製破壊装置の中でインディケータを直立位置にし、その破壊装置を優しく押して栄養培地を含むガラス製アンプルを壊すことによってBI培地を活性化した。次にBIをインキュベータに入れ、各製造者の使用指示に従ってインキュベートした。
しかし本発明の一実施態様によれば、式3に示したように、先行技術でxiとyiの計算に一般に用いられている滅菌剤への曝露時間の代わりに差圧「ΔP」を用いる。
ただし、
riは、ΔPiへの曝露時に増殖を示さないサンプルの数であり、
niは、ΔPiへの曝露時に曝露したサンプルの数である。
分散「V」は、式6を用いて計算される。
分散の「a」は、式7を用いて計算される。
サイクルの動的H2O2曝露工程の間に注入する気化滅菌溶液(ΔPvS280)の差圧はパラメータのセットであり、それをモニタして、D値の計算に用いるフラクション・ネガティブ試験のための生物学的インディケータが部分に不活性な状態から完全に不活性な状態になったことを確認する。STERIZONE(登録商標)BI+で実施したフラクション・ネガティブ試験の結果を以下の表3に示す。それに加え、上述のホルコム-スピアマン-カーバー法を用いてD値を差圧ΔPvS280の単位で計算した。
それに加え、STERIZONE(登録商標)BI+の生残-殺菌パラメータも生残-殺菌ウインドウ決定法に従って求めた。上述のISO 11138-1に従って生残パラメータと殺菌パラメータを以下の式8と式9を用いて計算した。それを表4と表5に示す。
生残=(log N0-2)×D値 (8)
殺菌=(log N0+4) ×D値 (9)
D値は上記の式1を用いて求めた。
この明細書では本発明の実施に用いるため(最も可能性の大きい数に基づく)フラクション・ネガティブ法を詳述したが、この方法が本発明を実施する上で非常に重要であるというわけではないため、本発明の範囲を逸脱することなく、他の適切な代替法、例えば直接カウント法も用いることができる。
上述のように、STERIZONE(登録商標)滅菌法の滅菌原理は、滅菌すべき負荷物の表面への滅菌剤(すなわち例えば過酸化水素)の微層の形成に基づいている。微層の形成は、滅菌剤溶液の飽和圧、すなわちその初期濃度に依存するため、滅菌室内の大気の温度の影響も受ける。
本発明の発明者はさらに、上述した実施態様と同様の低温滅菌法では、D値と、抵抗性評価装置または滅菌装置の滅菌室の試験温度との間に関係が存在することを発見した。これについて以下に詳述する。
実際、このタイプの関係は蒸気滅菌法で知られており、z値と呼ばれている。『滅菌法の微生物学と工学におけるPflug』、第10版、ミネアポリス、環境滅菌研究所、1〜22.9ページ(1999年)は、z値を、所与の不活性プロファイルの直線が1つの対数サイクルを横断するための温度変化の値(度)と定義している。それは、D値が10倍の大きさになるための温度変化(ΔT)の値(度)でもある。ANSI/AAMI/ISO 11138-1:2006(R)2010によれば、それは、熱滅菌法の曝露温度の変化として定義され、D値の10倍の変化に対応している。
滅菌法の温度の影響を調べるため、55リットルのアルミニウム製滅菌室を有するTSO3抵抗性評価装置でSTERIZONE(登録商標)BI+のロットO-103のD値を複数の室壁温度、すなわち27℃、30℃、35℃、41℃、45℃、50℃において求めた。
選択した各曝露条件について20個のSTERIZONE(登録商標)BI+をBI支持体の中に配置した。この支持体を抵抗性評価装置の棚の上に置いた。上述のように、動的H2O2曝露工程の間、この負荷を、段階的に増加していく差圧設定点(ΔPvS280)に曝露した。差圧に達すると、上に詳述したように、曝露時間もなく、オゾンの注入もなしに、1トルまでの真空にする換気工程にする。
z値の決定は、ANSI/AAMI/ISO 11138-1:2006の付録Bに記載されている方法(引用によりこの明細書に組み込まれている)を利用して行なった。そのとき、先行技術で一般に用いられている時間という決定因子の代わりに差圧「ΔP」を用いた。
各温度について計算したD値の対数を、摂氏で表わした曝露温度に対してプロットした。z値は、式10に示すように、回帰分析によって求まる最適フィット直線の勾配に等しい。
z値=1/m (10)
ただしmは勾配である。
試験した各温度で実施したフラクション・ネガティブ試験の結果(D値)を表6に示す。それに加え、上述のホルコム-スピアマン-カーバー法を用いてD値を差圧ΔPの単位で計算した。
当業者には知られているように、飽和蒸気だと、滅菌温度はより高く、生物学的インディケータを不活性にするのに必要な時間はより短くなる。蒸気の致死因子は熱である。より正確には、細胞に変化を起こすことのできる分子エネルギー状態である。変性が起こる温度は、存在する水の量と逆の変化をする。したがって飽和蒸気中で滅菌するには、時間、温度、圧力を正確に制御する必要がある。
他の任意の蒸気については、水蒸気の飽和圧は温度の関数として増加する。濃度が既知の過酸化水素溶液を用いる過酸化水素法だと、飽和圧は温度の関数としても増加する。しかし蒸気法におけるD値とは異なり、過酸化水素法のD値は、差圧で表わすと、温度とともに増加することになる。これは、滅菌剤が、蒸気に関しては潜熱でないが、曝露された表面への過酸化水素の微層の形成を原因の一部とする潜熱であるという事実によって説明される。表6に示してあるように、50℃のD値(3.24トル)は、30℃のD値(1.05トル)よりも大きい。
STERIZONE(登録商標)BI+のD値を抵抗性評価装置の異なる6つの温度で確立した。次に、図7に示したように、各温度について計算したD値の対数を摂氏で表わした曝露温度に対してプロットし、回帰式と相関係数(r2)を求めた。
図7に示したように、D値と抵抗性評価装置の温度の間には、相関係数が0.99の回帰直線を持つ線形関係が証明される。z値は、STERIZONE(登録商標)BIのロットO-103について42℃であると計算された。これは、抵抗性評価装置の温度が42℃上昇するとD値が10倍大きくなることを意味する。
D値がΔPを単位として計算されると、注入した気化溶液の差圧と注入時間または注入した質量との間に存在する関係を用い、それを曝露時間または用量を単位として表わせることが当業者には理解されよう。この関係は温度に依存するため、各温度について求める必要がある。時間で表わしたD値と注入した滅菌剤の用量を表7に示す。
予想されるように、ΔP、時間、用量で表わしたD値はすべて、抵抗性評価装置の温度の関数として増加している。
本明細書を読めば、注入した気化過酸化水素の差圧をプロセス制御変数として用いてD値を求めるとき、D値と過酸化水素抵抗性評価装置の温度の間には関係が存在することが当業者には今や明らかになったはずである。
当業者であれば、特定のBIの不活性プロファイルが、注入した溶液の差圧の関数として表わしたときに線形であるかどうかを、本発明の実施態様を用いて検証できることが理解できよう。当業者であれば、本発明の実施態様を用いて同じ滅菌条件に曝露されたさまざまなBIの抵抗をよりよく比較できることも理解できよう。これは大きな利点である。
当業者であれば、特定の用途および/または滅菌法のため、ここに記載した方法を利用して、選択された抵抗特性を持つ新たなBIを評価および/または開発できることも理解できよう。
上記の記述では、説明を目的として、本発明の実施態様を完全に理解してもらうために数多くの詳細な事項を提示している。しかしこれらの具体的な詳細は本発明を実施するのに必要でないことが当業者には明らかであろう。

Claims (13)

  1. 滅菌法において滅菌剤蒸気を利用して生物学的インディケータの抵抗特性を確立する方法であって、この方法が、
    滅菌室に滅菌剤蒸気を注入している間に発生する差滅菌剤蒸気圧の値を取得し、
    その差滅菌剤蒸気圧の値の関数としてD値を計算することによって生物学的インディケータ不活性プロファイルを生成させることを含む方法。
  2. 前記生物学的インディケータ不活性プロファイルが、前記滅菌剤蒸気を前記滅菌室に徐々に注入し、滅菌剤蒸気注入の異なる時期に決定した異なる差滅菌剤蒸気圧における生物学的インディケータの生残を測定することによって生成される、請求項1に記載の方法。
  3. 前記徐々に注入することが、滅菌剤蒸気をパルス式に注入して前記滅菌室内に前記滅菌剤の微凝縮層を生成させることを含む、請求項2に記載の方法。
  4. 滅菌剤蒸気を注入している間に前記滅菌室内で温度を取得し、滅菌中にその滅菌室が所与の温度かつ滅菌剤が初期濃度のときの生物学的インディケータ不活性化データを計算して、その滅菌室の別の温度と別の濃度の滅菌剤についての生物学的インディケータ不活性プロファイルを生成させるのに用いることをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  5. 滅菌法を試験するとき、前記生物学的インディケータ不活性プロファイルを標準値と比較して前記生物学的インディケータの有効性を評価することをさらに含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記滅菌剤蒸気が過酸化水素蒸気である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 滅菌法の有効性を評価する方法であって、
    生物学的インディケータを用いてその滅菌法を実行し;
    異なる差滅菌剤蒸気圧で生物学的インディケータの生残を測定し;
    測定したその生物学的インディケータの生残を、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法によって求めた生物学的インディケータ不活性プロファイルと比較して、その滅菌法の有効性を評価することを含む方法。
  8. 生物学的インディケータ、または、その生物学的インディケータと、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法を用いてあらかじめ確立した抵抗特性の記録とを含む市販パッケージ。
  9. 差圧に応じて最初に求めた前記抵抗特性が、同等な時間パラメータまたは用量パラメータでさらに表わされる、請求項8に記載の生物学的インディケータまたは市販パッケージ。
  10. 前記不活性プロファイルが、生きている生物のカウント数のlog10を差滅菌剤蒸気圧に対して半対数曲線としてプロットしたとき、不活性な全範囲にわたって線形である、請求項8に記載の生物学的インディケータまたは市販パッケージ。
  11. 少なくとも3つの点を用い、少なくとも0.8という致死性プロファイル(線形性)の決定係数(r2)をさらに有する、請求項8に記載の生物学的インディケータまたは市販パッケージ。
  12. 滅菌法を検討するための、請求項8〜11のいずれか1項に記載の生物学的インディケータまたは市販パッケージの利用。
  13. 滅菌法の有効性を評価するための、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法によって確立された生物学的インディケータとその生物学的インディケータの抵抗特性の利用。
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