JP2017535204A - 自身の声を迅速に検出する方法と装置 - Google Patents

自身の声を迅速に検出する方法と装置 Download PDF

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Abstract

本発明は、聴取補助機器のための、聴取補助機器装着者自身の声を迅速に検出するための方法と、この方法を実施するための装置に関する。この方法において、聴取補助機器は少なくとも2つの音響−電気式変換器から音声信号を受信する。聴取補助機器は空間的な分離のための第1フィルタと第2フィルタを有する装置を備えている。本方法では、聴取補助機器装着者自身の声を弱める第1フィルタの第1フィルタパラメータが決定される。さらに、第2フィルタの第2フィルタパラメータが決定され、この場合、第2フィルタパラメータによって外部の音声源が弱められる。装置は第1と第2のパラメータによって作動し、第1フィルタと第2フィルタの出力信号に依存して補助機器装着者自身の声を検出する。

Description

本発明は、聴取補助機器のための自身の声を迅速に検出するための方法と装置に関する。装置は少なくとも2つの音響−電気式変換器から音声信号を受信し、かつ音響−電気式変換器に信号接続された、空間的な分離のための第1フィルタと第2フィルタを備えている。
聴取補助機器は、難聴者の補聴のために役立つ携帯可能な聴取装置である。多数の個別的な要求に応じるために、耳後部型聴取機器(HdO)、外部のレシーバを有する聴取機器(RIC:カナル内のレシーバ)および耳内部型聴取機器(IdO)、例えば耳甲介−聴取機器またはカナル−聴取機器(ITE、CIC)のようないろいろな構造形式の聴取補助機器が提供される。例示的に挙げた聴取機器は外耳にまたは耳道内に装着される。さらに、骨伝導式補聴器、埋め込み可能な補聴器または振動触感式補聴器も市販されている。その場合、損傷した聴覚の刺激は機械的または電気的に行われる。
聴取補助機器は原理的に、重要な構成要素として、入力変換器、増幅器および出力変換器を備えている。入力変換器は一般的に、音響−電気式変換器、例えばマイクロホンおよび/または電磁式受信器、例えば誘導コイルである。出力変換器はほとんどが電気音響式変換器、例えばミニチュアスピーカとしてあるいは電気機械式変換器、例えば骨伝導式レシーバとして形成されている。増幅器は通常は信号処理装置内に組み込まれている。エネルギー供給は通常はバッテリまたは充電可能な蓄電池によって行われる。
聴取補助機器またはイヤーカップは一方では耳道を完全にまたは部分的に閉鎖し、他方ではマイクロホンを介して空気伝播音を有利に拾い上げる一方、固体伝播音はできるだけ抑制される。しかし、聴取機器装着者の声は周囲からのものとは違って固体伝播音に基づいて聞こえる。
聴取機器装着者には、特に空気伝播音が増幅されるという事実から、自身の声が変化して普段とは違うように聞こえる。さらに、聴取補助機器による耳道の閉鎖が、閉塞と呼ばれる、聞き慣れなくする効果をもたらす。自身の声と外部の音声源を異なるように処理し、聴取補助機器を装着していない人の聴取習慣に近づけるためには、聴取機器装着者自身の声を迅速かつ確実に検出する必要がある。
刊行物の独国特許出願公開第102011087984A1号明細書から、聴取補助機器のための装着者自身の声を検出するための方法が知られている。
特許出願である、米国特許出願公開2006/0262944号明細書から、フィルタを備え、装着者自身の声を検出する通信装置が知られている。
独国特許出願公開第102011087984A1号明細書 米国特許出願公開2006/0262944号明細書
そこで、本発明の課題は、自身の声の検出を改善する装置と、この装置を作動させるための方法と、装置を備えた聴取補助機器を提供することである。
この課題は本発明に従い、請求項1に記載の装置を作動させるための方法と、請求項16に記載の装置と、本発明に係る装置を備えた、請求項19に記載の聴取補助機器によって解決される。
本発明に係る方法は、聴取補助機器のための、聴取補助機器装着者自身の声を迅速に検出するための方法である。聴取補助機器は少なくとも2つの音響−電気式変換器から音声信号を受信する、自身の声を検出するための装置を備えている。音響−電気式変換器は聴取補助機器の場合、通常はマイクロホンである。その際、音声信号の受信とは、例えば音響−電気式変換器が聴取補助機器の指向性マイクロホンシステムの2個のマイクロホンであるときには、本発明に係る装置が両音響−電気式変換器にアナログまたはデジタルで直接電気的に信号接続されていると理解することができる。しかし同様に、音響−電気式変換器の1つが両耳聴取補助システムの第2聴取補助機器内にまたは他の別個のユニット内に配置されていてもよい。この場合、音声信号はこの音響−電気式変換器から装置へ無線でまたは他の方法で伝送される。
装置はさらに、空間的な分離のための第1フィルタと第2フィルタを備え、この両フィルタは音響−電気式変換器に信号接続されている。これはパラメータ化されたフィルタでもよい。このフィルタでは、例えば両音響−電気式変換器の音声信号が遅延され、パラメータによって異なるように重み付けされて加算される。
本発明に係る方法の第1ステップでは、第1フィルタの第1フィルタパラメータが決定される。この場合、第1フィルタパラメータは聴取補助機器装着者自身の声を弱めるように決められる。このフィルタパラメータを装置の設計の際に既に定めてもよいし、別の取付けの際に決定してもよい。さらに、従属請求項に記載するように、フィルタを適応性として、運転中にフィルタパラメータを決定してもよい。
自身の声を減衰するための最適なフィルタ係数は、値の成分と位相の成分を含んでいる。これは、方向だけが重要ではないということを意味する。これは信号の遠方界領域でのピックアップの際に十分である。
本発明に係る方法の他のステップでは、第2フィルタの第2フィルタパラメータが決定される。この場合、第2フィルタパラメータは外部の音声源を弱めるように決められている。決定の方法については、第1フィルタパラメータに関して前述したことが同じように当てはまる。
これらの係数は、外部の信号の最良の減衰のために、値成分と位相成分が、自身の声を減衰するための第1フィルタ係数と異なっている。
本方法のステップでは、装置が聴取補助機器内で作動させられ、この場合、第1フィルタが第1フィルタパラメータによって作動し、第2フィルタが第2フィルタパラメータによって作動する。
本方法のステップでは、装置が第1フィルタと第2フィルタの出力信号に依存して自身の声を検出する。第1フィルタと第2フィルタの出力信号の商または差または標準化された差が予め定めた限界値を下回るかまたは上回るときに、自身の声を検出してもよい。
本発明に係る装置は、聴取補助機器のための、聴取補助機器装着者自身の声を迅速に検出するための装置に関する。装置は、少なくとも2つの音響−電気式変換器から音声信号を受信するように設計されている。その際、2つの音響−電気式変換器は、装置と共に聴取補助機器内に設けられ、装置に対するアナログまたはデジタルの直接電気的な信号接続部を有する。しかし同様に、音響−電気式変換器の1つが他のユニット内に、例えば両耳聴取補助システムの第2聴取補助機器内に設けられ、音響−電気式変換器の音声信号が伝送装置によって無線で伝送可能であってもよい。
装置は、音響−電気式変換器に信号接続された、空間的な分離のための第1フィルタと第2フィルタを備えている。第1フィルタは聴取補助機器装着者自身の声を弱めるように形成され、第2フィルタは外部の音声源を弱めるように形成されている。
装置はさらに、第1フィルタと第2フィルタの出力信号に依存して自身の声を検出するように形成されている。装置は例えば、第1と第2のフィルタの出力信号の差、商または標準化された差を求めるための手段と、所定の限界値を下回るときまたは上回るときに自身の声を検出する決定ユニットとを備えている。
空間的なフィルタの使用は自身の声の迅速な検出を有利な方法で可能にする。この場合、複数のフィルタの協働作用によって同時に検出の信頼性が改善される。
本発明の他の有利な発展形が従属請求項に記載されている。
有利な実施形態では、聴取補助機器装着者の口から聴取補助機器までの音経路長を伝達関数で表すことにより、第1フィルタパラメータが聴取補助機器装着者自身の声を弱体化させ、伝達関数が弱体化のために用いられる。上記の伝達関数を用いた弱体化により、特に例えば頭の形状または装着時の聴取機器の位置のような、聴取機器装着者の個々の空間的または生理学的特徴を考慮することができる。この場合、音経路長のこの空間的な特性は、対応する伝達関数を決定することによって最も良好に表現することができる。この伝達関数に基づいて、フィルタパラメータを決めることができる。さらに、伝達関数のこのような表現は技術的に正確に実現可能である。これは第1フィルタパラメータの識別力を高める。この識別力は特に、他の音声源と比較して聴取補助機器装着者自身の声の弱体化の程度を示す。
有利な実施形態では、外部の音声源から聴取補助機器までの音経路長を伝達関数で表すことにより、第2フィルタパラメータが外部の音声源を弱体化させ、伝達関数が弱体化のために用いられる。伝達関数のこのような表現は技術的に正確に実現可能である。これは第2フィルタパラメータの識別力を高める。この識別力は特に、他の音声源、特に聴取補助機器装着者自身の声と比較して外部の音声源の弱体化の程度を示す。
本発明に係る方法の有利な実施形態では、第1フィルタが適応フィルタである。この場合、特に適応フィルタは、第1フィルタ係数を適応して決定する適応性アルゴリズムによって実現可能である。音声源としての聴取機器装着者自身の声による第1フィルタの最初の練習によって、第1フィルタパラメータが決定され、この場合、聴取補助機器が使用に従って聴取機器装着者によって装着される。
適応フィルタがいろいろな限定条件に適合可能であると有利である。聴取補助機器が使用に従って聴取機器装着者によって装着され、第1の適応フィルタが聴取機器装着者の声によって練習を行うことにより、適応フィルタの第1フィルタパラメータは頭の幾何と特性に適合させられ、装置は聴取機器装着者自身の声を確実に検出することができる。
特に、第1フィルタの最初の練習はプロトコルによって定められたプロセスによって行われる。このプロセスは特に聴取機器の調節の際に聴取機器の音響専門家によって実施される。プロトコルは特に、フィルタパラメータを決めるために特に適している所定の言語シーケンスを含んでいる。所定の練習プロセスの同様に有利な代替的方法では、最初の練習が一般的な取付けの範囲内で聴取機器の音響専門家によって行われる。この聴取機器の音響専門家は例えば聴取機器装着者の普通の言語活動の間、適当なインターフェースを介して、付加的な情報を聴取機器に送ることができるので、聴取機器は第1フィルタパラメータの決定のために言語活動を使用することができる。
他の有利な代替形では、聴取機器装着者が適当なプロトコルによって定められた、最初の練習のためのプロセスを単独で実施する。この場合、特に遠隔制御によって、例えば特に聴取機器のために設けられた遠隔操作を介してまたは聴取機器装着者のスマートホンの適当なアプリケーションを介して、聴取機器がプロセスの個々の練習相のために制御される。他の有利な実施形態では、聴取機器装着者が普通の言語活動中に最初の練習を実施する、すなわち特にプロトコルによって正確に定められたプロセスなしに実施する。この場合、特に最初の練習の練習相のための当面の言語活動に関する付加的な基準情報が、適当なインターフェースを介してまたは特に聴取機器のために設けられた遠隔操作を介してまたは聴取機器装着者のスマートホンの適当なアプリケーションを介して送られる。特に、聴取機器装着者は、最初の練習のこのような複数の異なる練習相を、いろいろな聴取状況で、すなわち例えば家で、戸外で、対話状況で、自動車内等で実施する。好ましくは、その都度決定されたフィルタパラメータが対応する聴取状況として関連づけて記憶され、それによって自身の音声活動を検出する方法のために、聴取状況毎に整理された、第1フィルタパラメータのいろいろな量の集合から、その都度第1フィルタで使用すべき第1フィルタパラメータの量が選択されると有利である。
特に、最初の練習は、例えば音声信号の詳細なスペクトル分析に基づいて、全自動で実施される。このような自動のスペクトル分析は、所要時間条件下での声の検出自体にとっては満足できるように実施することはできない。しかしながら、音声信号の詳細なスペクトル分析は、第1フィルタパラメータを決めるために使用可能である。この第1フィルタパラメータに基づいて、所要時間条件下で十分確実な検出が可能になる。
有利な実施形態では、第1フィルタパラメータが少なくとも2つの音響−電気式変換器のうちの1つの音響−電気式変換器の音声信号をろ波することにより、第1フィルタパラメータが聴取補助機器装着者自身の声を弱体化させ、そしてろ波された音声信号が少なくとも2つの音響−電気式変換器のうちの他の音響−電気式変換器の音声信号と比較される。これにより特に、少なくとも2つの音響−電気式変換器のそれぞれの音声信号内で位相位置を区別することにより、表すべき音経路長を推論することができる。第2フィルタパラメータについても同様な方法が有利である。
この場合、ろ波された音声信号と他の音響−電気式変換器の音声信号との差分信号を最小化するパラメータ値が、第1フィルタパラメータの決定のために用いられると有利である。1つの音響−電気式変換器の音声信号を基準信号として用いることができ、そして両音声信号がほぼ同一になり、それによって差分信号が最小になるまで、他の音響−電気式変換器の音声信号に適用される第1フィルタパラメータを適合させることができる。
この場合、第1フィルタパラメータは対応する音響−電気式変換器の音声信号を次のように変更する。すなわち、聴取機器装着者の口によって形成される音声源からその都度他の音響−電気式変換器までの音経路長を表すように変更する。この場合、特に音伝播について、聴取機器装着者自身の声の周波数応答の特徴が、例えば声または発音のきわめて独特の特徴に起因して、このマッピングに入力される。
外部の音声信号によって第2フィルタパラメータを決定するためにも同様な方法が有利である。この場合、さらに、対話状況において対話相手の推測上の普通位置における外部の音声源の音経路長を表すことができる。
本発明に係る方法の合目的な実施形態では、第2フィルタが適応フィルタである。特に、適応フィルタは、第2フィルタ係数を適応して決める適応アルゴリズムによって形成可能である。聴取補助機器に対して予め定めた相対位置にある外部の音声源による第2フィルタの第2の練習によって、第2フィルタパラメータが決定される。
適応フィルタは、異なる限界条件に適合可能であるので有利である。予め定めた相対位置の外部の音声源によって第2の適応フィルタを練習することにより、第2フィルタは、相対位置の音源を良好にろ波するかまたは抑制することができる。特に、聴取補助機器による練習は、使用に従って聴取機器装着者に装着して行ってもよい。それによって、第2フィルタは聴取機器装着者の頭の個別的な音声特性に有利に適応させられる。
特に、第2フィルタの第2の練習は、プロトコルによって定めたプロセスで行われる。この場合、プロセスは特に聴取機器の調節時に聴取機器の音響専門家によって行われる。プロトコルは特に聴取機器の音響専門家が下した所定のシーケンスを含んでいる。このシーケンスはフィルタパラメータを決定するために非常に適している。定められた練習プロセスの有利な代替プロセスでは、第2練習が一般的な取付けの範囲内で聴取機器の音響専門家によって行われる。この専門家は例えばその普通の言語活動中に、適当なインターフェースを経て、付加的な情報を聴取機器に送る。それによって、聴取機器は言語特性を第2フィルタパラメータの決定のために利用することができる。
他の有利な代替形では、聴取機器装着者が適当なプロトコルで定められた第2練習用プロセスを単独で実施する。この場合、特に遠隔制御によって、例えば特に聴取機器のために設けられた遠隔操作を介してまたは聴取機器装着者のスマートホンの適当なアプリケーションを介して、聴取機器がプロセスの個々の練習相のために制御される。この場合、外部の音声源が適当なアプリケーションで動くスマートホンによって与えられると有利である。他の有利な実施形態では、聴取機器装着者が普通の対話状況の間に第2練習を実施する。すなわち、特にプロトコルによって正確に定めたプロセスを用いないで実施する。この場合、特に第2の練習の練習相のための当面の言語活動に関する付加的な基準情報が、適当なインターフェースを介してまたは特に聴取機器のために設けられた遠隔操作を介してまたは聴取機器装着者のスマートホンの適当なアプリケーションを介して送られる。特に、聴取機器装着者は、第2の練習のこのような複数の異なる練習相を、いろいろな聴取状況で実施する。好ましくは、その都度決定されたフィルタパラメータが対応する聴取状況として関連づけて記憶され、それによって自身の音声活動を検出する方法のために、聴取状況毎に整理された、第2フィルタパラメータのいろいろな量の集合から、その都度第2フィルタで使用すべき第2フィルタパラメータの量が選択されると有利である。
特に、第2の練習は、例えば音声信号の詳細なスペクトル分析に基づいて、全自動で実施される。このような自動のスペクトル分析は、所要時間条件下での声の検出自体にとっては満足できるように実施することはできない。しかしながら、音声信号の詳細なスペクトル分析は、第2フィルタパラメータを決めるために使用可能である。この第2フィルタパラメータに基づいて、所要時間条件下で十分確実な検出が可能になる。
本発明に係る方法の他の有利な実施形態では、自身の声の検出は、第1フィルタと第2フィルタの出力信号の振幅の比に依存して行われる。
異なる2つの信号の使用は自身の声の検出の信頼性を高めるので有利である。振幅の比を使用することにより、周囲騒音レベルへの標準化が行われる。この標準化は音の大きな条件下でも小さな条件下でも検出を可能にする。本発明に係る方法の他の実施形態では、この方法が、音声信号の分離したまたは部分的にのみオーバーラップした多数の周波数範囲の部分量においてのみ実施される。自身の声の検出が所定の周波数範囲では容易であるので有利である。この所定の周波数範囲は声周波数と頭の音声特性によって生じる。従って、本発明に係る方法が音声のスペクトルの予め定めた1つまたは複数の部分周波数帯域で実施されると、検出確実性を改善することができ、かつすべての部分周波数帯域での使用に関して必要な計算能力を低減することができる。
本方法のきわめて合目的な実施形態では、第1フィルタの出力信号が、第1フィルタパラメータによってろ波された、少なくとも2つの音響−電気式変換器のうちの1つの音響−電気式変換器の音声信号と、少なくとも2つの音響−電気式変換器のうちの他の音響−電気式変換器の音声信号との差分信号によって求められ、第2フィルタの出力信号が、第2フィルタパラメータによってろ波された、少なくとも2つの音響−電気式変換器のうちの1つの音響−電気式変換器の音声信号と、少なくとも2つの音響−電気式変換器のうちの他の音響−電気式変換器の音声信号との差分信号によって求められる。これにより、知られていない音声源から出る信号のその都度の弱体化が両フィルタによってきわめて簡単に比較可能である。
本発明に係る方法の他の有利な実施形態では、第2フィルタが、聴取補助機器の適用に従う装着の際に 聴取補助機器の装着者の前に配置された音声源の信号を最も強く弱体化する。
通常では、話の相手は注視方向において話し手または聞き手の前にいると有利である。第2フィルタがこの方向において信号を弱体化させることにより、対話の際に、注視方向での自身の話し言葉と話の相手の話し言葉の交替をきわめて確実に検出することができる。
本発明に係る方法の他の有利な実施形態では、装置が多数の第2フィルタを備え、この第2フィルタがそれぞれ、聴取補助機器に対する異なる相対位置で音声源の信号を最も強く弱体化する。
それによって、本発明に係る方法では、いろいろな方向において音声源を識別することができ、かつ有利な方法で多くの話の相手と話しているときに自身の声を確実に検出することができる。
本発明に係る方法の他の合目的な実施形態では、本方法はさらに、第1の音響−電気式変換器と第2の音響−電気式変換器の信号が第1フィルタと第2フィルタに供給される前に、この信号の背景妨害騒音を低減するステップを含む。
第1と第2の音響−電気式変換器の信号の背景妨害騒音が低減されることにより、第1と第2のフィルタは近方界領域内の源と遠方界領域内の源を良好に分離し、自身の声の検出の確実性をさらに改善する。
本発明に係る装置に関する従属請求項は、対応する方法請求項の効果を分かち合う。
本発明の上記の特性、特徴および効果と、この特性、特徴および効果を達成するやり方は、実施形態の次の説明に関連してはっきりと明確に理解される。図に関連して実施形態を詳しく説明する。
本発明に係る聴取補助機器を例示的に示す概略図である。 本発明に係る方法の実施形態の概略的なフローチャートである。 聴取機器装着者自身の声を検出するための装置を示す。
図1は、本発明に係る聴取補助機器100の原理的な構造を示している。聴取補助機器ケーシング10、20内には、周囲からの音または音響信号を感知するための、音響−電気式変換器2、2’とも呼ばれる1個または複数個のマイクロホンが組み込まれている。聴取補助機器は原理的には耳後部型(HdO)でもよいし、耳内部型(IdO)でもよい。マイクロホン2、2’は音を第1の電気的な音声信号に変換するための音響−電気式変換器2、2’である。同様に聴取補助機器ケーシング10、20内に配置された信号処理装置3は、第1の音声信号を処理する。信号処理装置3の出力信号はスピーカまたはレシーバ4に伝送される。このスピーカまたはレシーバは音響信号を出力する。HdO聴取補助機器の場合、音は場合によっては、耳プラスチックによって耳道内に固定された音響チューブを経て機器装着者の鼓膜に伝送される。しかし、他の骨伝導レシーバのような他の電気−機械式変換器を用いることができる。聴取補助機器100と特に信号処理装置3のエネルギー供給は、同様に聴取補助機器ケーシング10、20内に配置されたバッテリ5によって行われる。
聴取補助機器100はさらに、聴取機器装着者自身の声を検出するための装置7を備えている。聴取機器装着者自身の声を検出するための装置7は別個のユニットとして形成可能であり、そのために複数の音響−電気式変換器2、2’の第1音声信号を信号処理装置3から信号接続部を経て取り入れる。
自身の声を検出するための装置7は、本発明に係る聴取補助機器の図示した実施形態では、信号処理装置3内で固有の回路としてまたは実行されるプログラム文として形成されている。
本発明に係る装置7の有利な実施形態では、聴取機器装着者自身の声を検出するための装置7は、短い時間で、すなわち個々の音の時間内にあるいはそれよりも早く、例えば100ms以内または50ms以内に音を検出することができる。これは、聴取補助機器が音のきわめて迅速に検出可能な特性を利用するときにのみ可能である。
その際、本発明に係る装置7は音源の方向および/またはシンメトリーを利用する。従って、複数の音響−電気式変換器2、2’と第1および第2のフィルタの音声信号によって、異なる指向性を有するフィルタの出力信号が発生させられる。そのために、第1および/または第2のフィルタは例えばその都度の入力信号を遅らせ、異なる各遅延時間に異なる重み付けを加算することができる。その際、個々の重み付けは各フィルタのフィルタパラメータである。
その際、両音響−電気式変換器2、2’を互いに離隔して聴取補助機器100内に配置することができる。同様に、聴取補助機器100が2つの聴取補助機器100からなる両耳の聴取補助システムの一部であってもよい。聴取補助機器100は無線の信号伝送装置6を備えている。この信号伝送装置を介して、その都度他方の聴取補助機器は一方の音響−電気式変換器2の音声信号を受信し、装置7に伝送する。これにより、両音響−電気式変換器2、2’は互いに離して聴取機器装着者の頭に対して対称に配置される。これは、多数センチメートル、例えば1〜10cmの範囲の波長を有する低周波の音波の方向測定を容易にする。この場合、さらに、自身の声の源としての口は、両音響−電気式変換器2、2’に対して対称に配置される。
実施形態では、第1フィルタパラメータを有する第1フィルタが、聴取補助機器100の近くの範囲の音声源を弱めるように設計されている。その際、このフィルタパラメータは装置7の設計の際に既にモデル計算によって定めることが可能であるかまたは後の取付けの際に測定室内で信号源によって決定することが可能である。
自身の声を減衰するための最適なフィルタ係数は値成分と位相成分を含んでいる。これは、方向だけが重要ではないことを意味する。これは信号の遠方界領域受け入れの際に十分である。
実施形態では、第2フィルタパラメータを有する第2フィルタが、聴取補助機器の遠方界領域の音声源を弱めるように設計されている。
この係数は、外部の信号の最良の減衰のために、自身の声を減衰するための第1フィルタ係数とは値成分も位相成分も異なっている。
聴取機器装着者自身の声は、第1フィルタと第2フィルタの両出力信号に基づいて装置7によって検出される。両出力信号の差または商が予め定めた値を下回るかまたは上回るときに、自身の声を検出することができる。例えば第2フィルタの出力レベルの出力値が第1フィルタの出力値よりも大きい場合、すなわち近方界領域の信号レベルが遠方界領域を上回っている場合、第2フィルタの信号レベルを第1フィルタの信号レベルで割った商が予め定めた値を上回るときに、自身の声の検出が推測される。第2フィルタの信号レベルから第1フィルタの信号レベルを差し引いた差が予め定めた値を上回るときにも、同じことが当てはまる。
実施形態ではさらに、両出力振幅の差を第2フィルタの出力レベルで割ってもよい。その際、商を求める際に前述したように、周囲騒音に関連して信号の標準化が行われる。この標準化は例えば騒々しい周囲での検出を困難にし、このような状況を装置7に考慮させることができる。
考えられる実施形態では、第1および/または第2のフィルタが適応フィルタである。適応フィルタは例えばNMLSアルゴリズムによって、予め設定された入力信号の場合に出力信号が最大値または最小値をとるように、そのパラメータを適応させることができる。従って、自身の声の信号をできるだけ強く弱めることを、聴取機器装着者の頭上のまたは測定環境内の第1フィルタで練習することができるので有利である。同様に、予め定めた位置の音声源の信号、例えば装置7を備えた聴取機器100を頭に装着するときに聴取機器装着者の注視方向の音声源の信号をできるだけ強く抑制することを、第2フィルタで練習することができる。練習によって、フィルタは聴取機器装着者の頭の特性を考慮に入れることができる。練習は例えば取付けの際または(好ましくは第1フィルタのための)聴取機器装着者の普段の環境内で行われる。装置7は以下において、検出を改善するために、第1および/または第2の適応フィルタのための決定された第1と第2のフィルタパラメータによって運転される。
さらに、複数の話し手を有する状況でも自身の声の検出を可能にするために、予め定めたろ波または好ましくは適応ろ波を行う複数の第2フィルタを設けることができる。
信号処理装置3は、音響−電気式変換器2、2’の信号を、フィルタバンクまたはフーリエ変換によって、分離したまたは部分的にのみオーバーラップした多数の周波数範囲に分割することができる。有利な方法では、装置7は周波数範囲の部分量においてのみ、自身の声を検出する。すなわち本発明に係る方法は、プロセッサ資源を節約するために、複数の周波数範囲のこの部分量においてのみ実施される。そのために、声内に生じる周波数と頭の近くでの伝播特性とに基づいて、聴取機器装着者の自身の声と他の声を区別するために非常に適している周波数範囲が選択されると有利である。
装置7の手前で既に、音響−電気式変換器2、2’の音声信号から妨害騒音が除去されるかまたは少なくとも低減されるときに、装置7は自身の声の検出時にきわめて高い信頼性を有する。従って、本発明に係る装置7の実施形態では、他のフィルタが設けられている。このフィルタは同様に、信号処理装置3内に設けられ、例えば適応フィルタによって妨害騒音を低減する。
本発明に係る方法の例示的な実施形態のための概略的なフローチャートが図2に示してある。
ステップS10において、第1フィルタの第1フィルタパラメータが決定される。この場合、第1フィルタパラメータは、聴取補助機器の近くの範囲の音声信号を弱めるように定められている。ステップS10は例えば装置7の設計の際に既に行うことができる。しかし、ステップS10は装置7を有する聴取補助機器100の取付け時に行ってもよい。その際、第1フィルタが適応フィルタであるときに、ステップS10は自身の声による練習によって行うことができる。
ステップS20では、第2フィルタの第2フィルタパラメータが決定される。この場合、第2フィルタパラメータは、聴取補助機器の遠方界領域の音声信号を弱めるように定められている。ステップS20も、例えば装置7の設計の際に既に行うことができる。しかし、ステップS10の場合と同様に、装置7を有する聴取補助機器100の取付け時にステップS20を行ってもよい。その際、第2フィルタが適応フィルタであるときに、音響−電気式変換器2に対して予め定めた相対位置における1つまたは複数の音声信号源による練習によってステップS20を行うことができる。
ステップS30では、装置7は好ましくは聴取補助装置100内で作動し、この場合、第1フィルタは第1フィルタパラメータで作動し、第2フィルタは第2フィルタパラメータで作動する。
ステップS30では、聴取補助機器100の聴取機器装着者自身の声が装置7によって、第1フィルタと第2フィルタの出力信号に依存して検出される。これを行うことができるいろいろな例については、図1に関連して既に説明されている。
図3には、聴取機器装着者自身の声を検出するための装置7がブロック回路図で概略的に示されている。その際、装置7は音響−電気式変換器2、2’から音声信号22、22’を受信する。音声信号22、22’はさらに、詳しく示していない方法で、信号処理のために信号処理装置に伝送される。両音声信号22、22’はそれぞれ第1フィルタ24と第2フィルタ26に供給される。第1フィルタ24では、第1フィルタパラメータ28が音響−電気式変換器2の音声信号22に適用され、続いて第1フィルタパラメータ28によってろ波された音声信号30と音響−電気式変換器2’の音声信号22’とから、差分信号32が求められる。第2フィルタ26では、第2フィルタパラメータ34が音響−電気式変換器2の音声信号22に適用され、続いて第2フィルタパラメータ34によってろ波された音声信号36と音響−電気式変換器2’の音声信号22’とから、差分信号38が求められる。この場合、音声信号22への第1フィルタパラメータ28または第2フィルタパラメータ34の適用は、例えばそれぞれ、FIRフィルタとして実現可能である。
差分信号32は第1フィルタ24の出力信号を形成し、差分信号38は第2フィルタ26の出力信号を形成する。第1フィルタ24と第2フィルタ26の両出力信号32、38の振幅が互いに比較される。この場合、第1フィルタパラメータ28は練習プロセスで次のように調節される。すなわち、ろ波された音声信号30によって、聴取機器装着者の口から聴取機器までの音経路長ができるだけ正確に表され、そしてこの場合、聴取機器装着者の声のスペクトル特性と、それから生じる、その頭による吸収とを考慮することができるように調節される。第2フィルタパラメータ34は同様な練習プロセスで次のように調節される。すなわち、ろ波された音声信号36によって、外部の音声源から聴取機器までの音経路長ができるだけ正確に表されるように調節される。この場合、そのために、外部の音声源の位置として、対話状況での話し相手の普通の位置を仮定することができる。
第1フィルタ24と第2フィルタ26の出力信号32、38の振幅の比較により、音響−電気式変換器2、2’によって発生した音声信号22、22’が聴取機器装着者自身の声から出ているか否かを決定することができる。第1の場合、第1フィルタパラメータ28の適切な調節の結果、第1フィルタ24の出力信号32は小さな振幅を有し、これに対して第2フィルタ26の出力信号38は、第2フィルタパラメータ34が全く異なる音経路長を表すので、はっきりした弱体化を有していない。従って、装置7により、聴取機器装着者の声のアクティビティの存在を判定することができる。
これとは逆に、外部の音声源の位置が第2フィルタパラメータ34の決定のために使用される基準−音声源の位置に一致していないときは、外部の音声源によって生じる音声信号22、22’が第2フィルタ26自体によって十分に弱められる。特に、第1フィルタ24よりも明らかに強い、第2フィルタ26による、このような音声信号の弱体化が予想される。なぜならこのために特に、音のいろいろな位相位置がそれぞれの音経路長で考慮されるからであり、この位相位置は第1フィルタパラメータ28と第2フィルタパラメータ34に入れられる。この場合、特に第2フィルタでは、音声信号22’が第2フィルタパラメータ34によってろ波可能であるので、音響−電気式変換器2の音声信号22は変更されずに、特にろ波されずに、差分信号36を求めるところに入力される。
本発明を有利な実施形態によって詳しく示して説明したが、本発明は開示された例に限定されず、当業者は本発明の保護範囲から逸脱せずに他の変形を導き出すことができる。
本発明は、聴取補助機器のための自身の声を迅速に検出するための方法と装置に関する。装置は少なくとも2つの音響−電気式変換器から音声信号を受信し、かつ音響−電気式変換器に信号接続された、空間的な分離のための第1フィルタと第2フィルタを備えている。
聴取補助機器は、難聴者の補聴のために役立つ携帯可能な聴取装置である。多数の個別的な要求に応じるために、耳後部型聴取機器(HdO)、外部のレシーバを有する聴取機器(RIC:カナル内のレシーバ)および耳内部型聴取機器(IdO)、例えば耳甲介−聴取機器またはカナル−聴取機器(ITE、CIC)のようないろいろな構造形式の聴取補助機器が提供される。例示的に挙げた聴取機器は外耳にまたは耳道内に装着される。さらに、骨伝導式補聴器、埋め込み可能な補聴器または振動触感式補聴器も市販されている。その場合、損傷した聴覚の刺激は機械的または電気的に行われる。
聴取補助機器は原理的に、重要な構成要素として、入力変換器、増幅器および出力変換器を備えている。入力変換器は一般的に、音響−電気式変換器、例えばマイクロホンおよび/または電磁式受信器、例えば誘導コイルである。出力変換器はほとんどが電気音響式変換器、例えばミニチュアスピーカとしてあるいは電気機械式変換器、例えば骨伝導式レシーバとして形成されている。増幅器は通常は信号処理装置内に組み込まれている。エネルギー供給は通常はバッテリまたは充電可能な蓄電池によって行われる。
聴取補助機器またはイヤーカップは一方では耳道を完全にまたは部分的に閉鎖し、他方ではマイクロホンを介して空気伝播音を有利に拾い上げる一方、固体伝播音はできるだけ抑制される。しかし、聴取機器装着者の声は周囲からのものとは違って固体伝播音に基づいて聞こえる。
聴取機器装着者には、特に空気伝播音が増幅されるという事実から、自身の声が変化して普段とは違うように聞こえる。さらに、聴取補助機器による耳道の閉鎖が、閉塞と呼ばれる、聞き慣れなくする効果をもたらす。自身の声と外部の音声源を異なるように処理し、聴取補助機器を装着していない人の聴取習慣に近づけるためには、聴取機器装着者自身の声を迅速かつ確実に検出する必要がある。
刊行物の独国特許出願公開第102011087984A1号明細書から、聴取補助機器のための装着者自身の声を検出するための方法が知られている。
特許出願である、米国特許出願公開2006/0262944号明細書から、フィルタを備え、装着者自身の声を検出する通信装置が知られている。
国際公開第2004/077090A1号パンフレットは、少なくとも2個のマイクロホンを備えた通信機器の利用者自身の声を検出するための方法を開示している。実施形態では、個々のマイクロホン信号がそれぞれ異なるフィルタに供給される。このフィルタの係数は、代表的な遠方界領域信号のスペクトル出力密度に対する、利用者の言語信号のスペクトル出力密度の間隔が最大化されるように、最適化方法によって決められる。マイクロホン信号はそれぞれ、マイクロホン信号の近方界成分を決定するために、この係数でろ波される。この近方界成分は利用者自身の声の成分と見なされる。この場合、少なくとも2個のマイクロホンの使用は、フィルタ係数を決定する際に一方のマイクロホンを基準マイクロホンとして定義することによって、利用者の音声活動に関する誤差、ひいては誤った評価をもたらし得る信号出力の依存性を除去できるようにするために必要である。
米国特許出願公開第2014/0088966A1号明細書では、通信機器の利用者自身の音声活動を音圧の差に基づいて決定することが提案されている。この音圧の差は通信機器の2個のマイクロホンで異なる音響信号を生じさせる。その際、マイクロホンは、利用者の言語信号が十分に大きな音圧の差を有するように、互いに離隔されて配置されている。この音圧の差で、言語信号は両マイクロホンに当たる。
欧州特許出願公開第2242289A1号明細書では、2個のマイクロホンを備えた聴取機器において、適応フィルタの係数に基づいて利用者の音声活動を検出することが提案されている。この場合、適応フィルタの入力信号は両マイクロホン信号の一方によって形成される。しかし、基準量として使用されるエラー信号は、適応フィルタで発生した補償信号を他方のマイクロホン信号から差し引くことにより、他方のマイクロホン信号に基づいて決定される。そして、音声活動はフィルタ係数の基準化された値に基づいて決定される。
欧州特許出願公開第2040486A2号明細書には、方向処理された2つのマイクロホン信号から決定された基礎的な周波数を未処理の両マイクロホン信号と照合することに基づいて、聴取機器利用者の音声活動を決定することが提案されている。米国特許出願公開第2013/0275128A1号明細書では、通信機器の利用者自身の音声活動を、1つのみのマイクロホン信号に基づいて統計的方法によって決定することが開示されている。そのために、利用者の口からマイクロホンまでの音経路長の伝達関数がモデル化される。
独国特許出願公開第102011087984A1号明細書 米国特許出願公開2006/0262944号明細書 国際公開第2004/077090A1号 米国特許出願公開第2014/0088966A1号明細書 欧州特許出願公開第2242289A1号明細書 欧州特許出願公開第2040486A2号明細書 米国特許出願公開第2013/0275128A1号明細書
そこで、本発明の課題は、自身の声の検出を改善する装置と、この装置を作動させるための方法と、装置を備えた聴取補助機器を提供することである。
この課題は本発明に従い、請求項1に記載の装置を作動させるための方法と、請求項16に記載の装置と、本発明に係る装置を備えた、請求項19に記載の聴取補助機器によって解決される。
本発明に係る方法は、聴取補助機器のための、聴取補助機器装着者自身の声を迅速に検出するための方法である。聴取補助機器は少なくとも2つの音響−電気式変換器から音声信号を受信する、自身の声を検出するための装置を備えている。音響−電気式変換器は聴取補助機器の場合、通常はマイクロホンである。その際、音声信号の受信とは、例えば音響−電気式変換器が聴取補助機器の指向性マイクロホンシステムの2個のマイクロホンであるときには、本発明に係る装置が両音響−電気式変換器にアナログまたはデジタルで直接電気的に信号接続されていると理解することができる。しかし同様に、音響−電気式変換器の1つが両耳聴取補助システムの第2聴取補助機器内にまたは他の別個のユニット内に配置されていてもよい。この場合、音声信号はこの音響−電気式変換器から装置へ無線でまたは他の方法で伝送される。
装置はさらに、空間的な分離のための第1フィルタと第2フィルタを備え、この両フィルタは音響−電気式変換器に信号接続されている。これはパラメータ化されたフィルタでもよい。このフィルタでは、例えば両音響−電気式変換器の音声信号が遅延され、パラメータによって異なるように重み付けされて加算される。
本発明に係る方法の第1ステップでは、第1フィルタの第1フィルタパラメータが決定される。この場合、第1フィルタパラメータは聴取補助機器装着者自身の声を弱めるように決められる。このフィルタパラメータを装置の設計の際に既に定めてもよいし、別の取付けの際に決定してもよい。さらに、従属請求項に記載するように、フィルタを適応性として、運転中にフィルタパラメータを決定してもよい。
自身の声を減衰するための最適なフィルタ係数は、値の成分と位相の成分を含んでいる。これは、方向だけが重要ではないということを意味する。これは信号の遠方界領域でのピックアップの際に十分である。
本発明に係る方法の他のステップでは、第2フィルタの第2フィルタパラメータが決定される。この場合、第2フィルタパラメータは外部の音声源を弱めるように決められている。決定の方法については、第1フィルタパラメータに関して前述したことが同じように当てはまる。
これらの係数は、外部の信号の最良の減衰のために、値成分と位相成分が、自身の声を減衰するための第1フィルタ係数と異なっている。
本方法のステップでは、装置が聴取補助機器内で作動させられ、この場合、第1フィルタが第1フィルタパラメータによって作動し、第2フィルタが第2フィルタパラメータによって作動する。
本方法のステップでは、装置が第1フィルタと第2フィルタの出力信号に依存して自身の声を検出する。第1フィルタと第2フィルタの出力信号の商または差または標準化された差が予め定めた限界値を下回るかまたは上回るときに、自身の声を検出してもよい。
本発明に係る装置は、聴取補助機器のための、聴取補助機器装着者自身の声を迅速に検出するための装置に関する。装置は、少なくとも2つの音響−電気式変換器から音声信号を受信するように設計されている。その際、2つの音響−電気式変換器は、装置と共に聴取補助機器内に設けられ、装置に対するアナログまたはデジタルの直接電気的な信号接続部を有する。しかし同様に、音響−電気式変換器の1つが他のユニット内に、例えば両耳聴取補助システムの第2聴取補助機器内に設けられ、音響−電気式変換器の音声信号が伝送装置によって無線で伝送可能であってもよい。
装置は、音響−電気式変換器に信号接続された、空間的な分離のための第1フィルタと第2フィルタを備えている。第1フィルタは聴取補助機器装着者自身の声を弱めるように形成され、第2フィルタは外部の音声源を弱めるように形成されている。
装置はさらに、第1フィルタと第2フィルタの出力信号に依存して自身の声を検出するように形成されている。装置は例えば、第1と第2のフィルタの出力信号の差、商または標準化された差を求めるための手段と、所定の限界値を下回るときまたは上回るときに自身の声を検出する決定ユニットとを備えている。
空間的なフィルタの使用は自身の声の迅速な検出を有利な方法で可能にする。この場合、複数のフィルタの協働作用によって同時に検出の信頼性が改善される。
本発明の他の有利な発展形が従属請求項に記載されている。
有利な実施形態では、聴取補助機器装着者の口から聴取補助機器までの音経路長を伝達関数で表すことにより、第1フィルタパラメータが聴取補助機器装着者自身の声を弱体化させ、伝達関数が弱体化のために用いられる。上記の伝達関数を用いた弱体化により、特に例えば頭の形状または装着時の聴取機器の位置のような、聴取機器装着者の個々の空間的または生理学的特徴を考慮することができる。この場合、音経路長のこの空間的な特性は、対応する伝達関数を決定することによって最も良好に表現することができる。この伝達関数に基づいて、フィルタパラメータを決めることができる。さらに、伝達関数のこのような表現は技術的に正確に実現可能である。これは第1フィルタパラメータの識別力を高める。この識別力は特に、他の音声源と比較して聴取補助機器装着者自身の声の弱体化の程度を示す。
有利な実施形態では、外部の音声源から聴取補助機器までの音経路長を伝達関数で表すことにより、第2フィルタパラメータが外部の音声源を弱体化させ、伝達関数が弱体化のために用いられる。伝達関数のこのような表現は技術的に正確に実現可能である。これは第2フィルタパラメータの識別力を高める。この識別力は特に、他の音声源、特に聴取補助機器装着者自身の声と比較して外部の音声源の弱体化の程度を示す。
本発明に係る方法の有利な実施形態では、第1フィルタが適応フィルタである。この場合、特に適応フィルタは、第1フィルタ係数を適応して決定する適応性アルゴリズムによって実現可能である。音声源としての聴取機器装着者自身の声による第1フィルタの最初の練習によって、第1フィルタパラメータが決定され、この場合、聴取補助機器が使用に従って聴取機器装着者によって装着される。
適応フィルタがいろいろな限定条件に適合可能であると有利である。聴取補助機器が使用に従って聴取機器装着者によって装着され、第1の適応フィルタが聴取機器装着者の声によって練習を行うことにより、適応フィルタの第1フィルタパラメータは頭の幾何と特性に適合させられ、装置は聴取機器装着者自身の声を確実に検出することができる。
特に、第1フィルタの最初の練習はプロトコルによって定められたプロセスによって行われる。このプロセスは特に聴取機器の調節の際に聴取機器の音響専門家によって実施される。プロトコルは特に、フィルタパラメータを決めるために特に適している所定の言語シーケンスを含んでいる。所定の練習プロセスの同様に有利な代替的方法では、最初の練習が一般的な取付けの範囲内で聴取機器の音響専門家によって行われる。この聴取機器の音響専門家は例えば聴取機器装着者の普通の言語活動の間、適当なインターフェースを介して、付加的な情報を聴取機器に送ることができるので、聴取機器は第1フィルタパラメータの決定のために言語活動を使用することができる。
他の有利な代替形では、聴取機器装着者が適当なプロトコルによって定められた、最初の練習のためのプロセスを単独で実施する。この場合、特に遠隔制御によって、例えば特に聴取機器のために設けられた遠隔操作を介してまたは聴取機器装着者のスマートホンの適当なアプリケーションを介して、聴取機器がプロセスの個々の練習相のために制御される。他の有利な実施形態では、聴取機器装着者が普通の言語活動中に最初の練習を実施する、すなわち特にプロトコルによって正確に定められたプロセスなしに実施する。この場合、特に最初の練習の練習相のための当面の言語活動に関する付加的な基準情報が、適当なインターフェースを介してまたは特に聴取機器のために設けられた遠隔操作を介してまたは聴取機器装着者のスマートホンの適当なアプリケーションを介して送られる。特に、聴取機器装着者は、最初の練習のこのような複数の異なる練習相を、いろいろな聴取状況で、すなわち例えば家で、戸外で、対話状況で、自動車内等で実施する。好ましくは、その都度決定されたフィルタパラメータが対応する聴取状況として関連づけて記憶され、それによって自身の音声活動を検出する方法のために、聴取状況毎に整理された、第1フィルタパラメータのいろいろな量の集合から、その都度第1フィルタで使用すべき第1フィルタパラメータの量が選択されると有利である。
特に、最初の練習は、例えば音声信号の詳細なスペクトル分析に基づいて、全自動で実施される。このような自動のスペクトル分析は、所要時間条件下での声の検出自体にとっては満足できるように実施することはできない。しかしながら、音声信号の詳細なスペクトル分析は、第1フィルタパラメータを決めるために使用可能である。この第1フィルタパラメータに基づいて、所要時間条件下で十分確実な検出が可能になる。
有利な実施形態では、第1フィルタパラメータが少なくとも2つの音響−電気式変換器のうちの1つの音響−電気式変換器の音声信号をろ波することにより、第1フィルタパラメータが聴取補助機器装着者自身の声を弱体化させ、そしてろ波された音声信号が少なくとも2つの音響−電気式変換器のうちの他の音響−電気式変換器の音声信号と比較される。これにより特に、少なくとも2つの音響−電気式変換器のそれぞれの音声信号内で位相位置を区別することにより、表すべき音経路長を推論することができる。第2フィルタパラメータについても同様な方法が有利である。
この場合、ろ波された音声信号と他の音響−電気式変換器の音声信号との差分信号を最小化するパラメータ値が、第1フィルタパラメータの決定のために用いられると有利である。1つの音響−電気式変換器の音声信号を基準信号として用いることができ、そして両音声信号がほぼ同一になり、それによって差分信号が最小になるまで、他の音響−電気式変換器の音声信号に適用される第1フィルタパラメータを適合させることができる。
この場合、第1フィルタパラメータは対応する音響−電気式変換器の音声信号を次のように変更する。すなわち、聴取機器装着者の口によって形成される音声源からその都度他の音響−電気式変換器までの音経路長を表すように変更する。この場合、特に音伝播について、聴取機器装着者自身の声の周波数応答の特徴が、例えば声または発音のきわめて独特の特徴に起因して、このマッピングに入力される。
外部の音声信号によって第2フィルタパラメータを決定するためにも同様な方法が有利である。この場合、さらに、対話状況において対話相手の推測上の普通位置における外部の音声源の音経路長を表すことができる。
本発明に係る方法の合目的な実施形態では、第2フィルタが適応フィルタである。特に、適応フィルタは、第2フィルタ係数を適応して決める適応アルゴリズムによって形成可能である。聴取補助機器に対して予め定めた相対位置にある外部の音声源による第2フィルタの第2の練習によって、第2フィルタパラメータが決定される。
適応フィルタは、異なる限界条件に適合可能であるので有利である。予め定めた相対位置の外部の音声源によって第2の適応フィルタを練習することにより、第2フィルタは、相対位置の音源を良好にろ波するかまたは抑制することができる。特に、聴取補助機器による練習は、使用に従って聴取機器装着者に装着して行ってもよい。それによって、第2フィルタは聴取機器装着者の頭の個別的な音声特性に有利に適応させられる。
特に、第2フィルタの第2の練習は、プロトコルによって定めたプロセスで行われる。この場合、プロセスは特に聴取機器の調節時に聴取機器の音響専門家によって行われる。プロトコルは特に聴取機器の音響専門家が下した所定のシーケンスを含んでいる。このシーケンスはフィルタパラメータを決定するために非常に適している。定められた練習プロセスの有利な代替プロセスでは、第2練習が一般的な取付けの範囲内で聴取機器の音響専門家によって行われる。この専門家は例えばその普通の言語活動中に、適当なインターフェースを経て、付加的な情報を聴取機器に送る。それによって、聴取機器は言語特性を第2フィルタパラメータの決定のために利用することができる。
他の有利な代替形では、聴取機器装着者が適当なプロトコルで定められた第2練習用プロセスを単独で実施する。この場合、特に遠隔制御によって、例えば特に聴取機器のために設けられた遠隔操作を介してまたは聴取機器装着者のスマートホンの適当なアプリケーションを介して、聴取機器がプロセスの個々の練習相のために制御される。この場合、外部の音声源が適当なアプリケーションで動くスマートホンによって与えられると有利である。他の有利な実施形態では、聴取機器装着者が普通の対話状況の間に第2練習を実施する。すなわち、特にプロトコルによって正確に定めたプロセスを用いないで実施する。この場合、特に第2の練習の練習相のための当面の言語活動に関する付加的な基準情報が、適当なインターフェースを介してまたは特に聴取機器のために設けられた遠隔操作を介してまたは聴取機器装着者のスマートホンの適当なアプリケーションを介して送られる。特に、聴取機器装着者は、第2の練習のこのような複数の異なる練習相を、いろいろな聴取状況で実施する。好ましくは、その都度決定されたフィルタパラメータが対応する聴取状況として関連づけて記憶され、それによって自身の音声活動を検出する方法のために、聴取状況毎に整理された、第2フィルタパラメータのいろいろな量の集合から、その都度第2フィルタで使用すべき第2フィルタパラメータの量が選択されると有利である。
特に、第2の練習は、例えば音声信号の詳細なスペクトル分析に基づいて、全自動で実施される。このような自動のスペクトル分析は、所要時間条件下での声の検出自体にとっては満足できるように実施することはできない。しかしながら、音声信号の詳細なスペクトル分析は、第2フィルタパラメータを決めるために使用可能である。この第2フィルタパラメータに基づいて、所要時間条件下で十分確実な検出が可能になる。
本発明に係る方法の他の有利な実施形態では、自身の声の検出は、第1フィルタと第2フィルタの出力信号の振幅の比に依存して行われる。
異なる2つの信号の使用は自身の声の検出の信頼性を高めるので有利である。振幅の比を使用することにより、周囲騒音レベルへの標準化が行われる。この標準化は音の大きな条件下でも小さな条件下でも検出を可能にする。本発明に係る方法の他の実施形態では、この方法が、音声信号の分離したまたは部分的にのみオーバーラップした多数の周波数範囲の部分量においてのみ実施される。自身の声の検出が所定の周波数範囲では容易であるので有利である。この所定の周波数範囲は声周波数と頭の音声特性によって生じる。従って、本発明に係る方法が音声のスペクトルの予め定めた1つまたは複数の部分周波数帯域で実施されると、検出確実性を改善することができ、かつすべての部分周波数帯域での使用に関して必要な計算能力を低減することができる。
本方法のきわめて合目的な実施形態では、第1フィルタの出力信号が、第1フィルタパラメータによってろ波された、少なくとも2つの音響−電気式変換器のうちの1つの音響−電気式変換器の音声信号と、少なくとも2つの音響−電気式変換器のうちの他の音響−電気式変換器の音声信号との差分信号によって求められ、第2フィルタの出力信号が、第2フィルタパラメータによってろ波された、少なくとも2つの音響−電気式変換器のうちの1つの音響−電気式変換器の音声信号と、少なくとも2つの音響−電気式変換器のうちの他の音響−電気式変換器の音声信号との差分信号によって求められる。これにより、知られていない音声源から出る信号のその都度の弱体化が両フィルタによってきわめて簡単に比較可能である。
本発明に係る方法の他の有利な実施形態では、第2フィルタが、聴取補助機器の適用に従う装着の際に 聴取補助機器の装着者の前に配置された音声源の信号を最も強く弱体化する。
通常では、話の相手は注視方向において話し手または聞き手の前にいると有利である。第2フィルタがこの方向において信号を弱体化させることにより、対話の際に、注視方向での自身の話し言葉と話の相手の話し言葉の交替をきわめて確実に検出することができる。
本発明に係る方法の他の有利な実施形態では、装置が多数の第2フィルタを備え、この第2フィルタがそれぞれ、聴取補助機器に対する異なる相対位置で音声源の信号を最も強く弱体化する。
それによって、本発明に係る方法では、いろいろな方向において音声源を識別することができ、かつ有利な方法で多くの話の相手と話しているときに自身の声を確実に検出することができる。
本発明に係る方法の他の合目的な実施形態では、本方法はさらに、第1の音響−電気式変換器と第2の音響−電気式変換器の信号が第1フィルタと第2フィルタに供給される前に、この信号の背景妨害騒音を低減するステップを含む。
第1と第2の音響−電気式変換器の信号の背景妨害騒音が低減されることにより、第1と第2のフィルタは近方界領域内の源と遠方界領域内の源を良好に分離し、自身の声の検出の確実性をさらに改善する。
本発明に係る装置に関する従属請求項は、対応する方法請求項の効果を分かち合う。
本発明の上記の特性、特徴および効果と、この特性、特徴および効果を達成するやり方は、実施形態の次の説明に関連してはっきりと明確に理解される。図に関連して実施形態を詳しく説明する。
本発明に係る聴取補助機器を例示的に示す概略図である。 本発明に係る方法の実施形態の概略的なフローチャートである。 聴取機器装着者自身の声を検出するための装置を示す。
図1は、本発明に係る聴取補助機器100の原理的な構造を示している。聴取補助機器ケーシング10、20内には、周囲からの音または音響信号を感知するための、音響−電気式変換器2、2’とも呼ばれる1個または複数個のマイクロホンが組み込まれている。聴取補助機器は原理的には耳後部型(HdO)でもよいし、耳内部型(IdO)でもよい。マイクロホン2、2’は音を第1の電気的な音声信号に変換するための音響−電気式変換器2、2’である。同様に聴取補助機器ケーシング10、20内に配置された信号処理装置3は、第1の音声信号を処理する。信号処理装置3の出力信号はスピーカまたはレシーバ4に伝送される。このスピーカまたはレシーバは音響信号を出力する。HdO聴取補助機器の場合、音は場合によっては、耳プラスチックによって耳道内に固定された音響チューブを経て機器装着者の鼓膜に伝送される。しかし、他の骨伝導レシーバのような他の電気−機械式変換器を用いることができる。聴取補助機器100と特に信号処理装置3のエネルギー供給は、同様に聴取補助機器ケーシング10、20内に配置されたバッテリ5によって行われる。
聴取補助機器100はさらに、聴取機器装着者自身の声を検出するための装置7を備えている。聴取機器装着者自身の声を検出するための装置7は別個のユニットとして形成可能であり、そのために複数の音響−電気式変換器2、2’の第1音声信号を信号処理装置3から信号接続部を経て取り入れる。
自身の声を検出するための装置7は、本発明に係る聴取補助機器の図示した実施形態では、信号処理装置3内で固有の回路としてまたは実行されるプログラム文として形成されている。
本発明に係る装置7の有利な実施形態では、聴取機器装着者自身の声を検出するための装置7は、短い時間で、すなわち個々の音の時間内にあるいはそれよりも早く、例えば100ms以内または50ms以内に音を検出することができる。これは、聴取補助機器が音のきわめて迅速に検出可能な特性を利用するときにのみ可能である。
その際、本発明に係る装置7は音源の方向および/またはシンメトリーを利用する。従って、複数の音響−電気式変換器2、2’と第1および第2のフィルタの音声信号によって、異なる指向性を有するフィルタの出力信号が発生させられる。そのために、第1および/または第2のフィルタは例えばその都度の入力信号を遅らせ、異なる各遅延時間に異なる重み付けを加算することができる。その際、個々の重み付けは各フィルタのフィルタパラメータである。
その際、両音響−電気式変換器2、2’を互いに離隔して聴取補助機器100内に配置することができる。同様に、聴取補助機器100が2つの聴取補助機器100からなる両耳の聴取補助システムの一部であってもよい。聴取補助機器100は無線の信号伝送装置6を備えている。この信号伝送装置を介して、その都度他方の聴取補助機器は一方の音響−電気式変換器2の音声信号を受信し、装置7に伝送する。これにより、両音響−電気式変換器2、2’は互いに離して聴取機器装着者の頭に対して対称に配置される。これは、多数センチメートル、例えば1〜10cmの範囲の波長を有する低周波の音波の方向測定を容易にする。この場合、さらに、自身の声の源としての口は、両音響−電気式変換器2、2’に対して対称に配置される。
実施形態では、第1フィルタパラメータを有する第1フィルタが、聴取補助機器100の近くの範囲の音声源を弱めるように設計されている。その際、このフィルタパラメータは装置7の設計の際に既にモデル計算によって定めることが可能であるかまたは後の取付けの際に測定室内で信号源によって決定することが可能である。
自身の声を減衰するための最適なフィルタ係数は値成分と位相成分を含んでいる。これは、方向だけが重要ではないことを意味する。これは信号の遠方界領域受け入れの際に十分である。
実施形態では、第2フィルタパラメータを有する第2フィルタが、聴取補助機器の遠方界領域の音声源を弱めるように設計されている。
この係数は、外部の信号の最良の減衰のために、自身の声を減衰するための第1フィルタ係数とは値成分も位相成分も異なっている。
聴取機器装着者自身の声は、第1フィルタと第2フィルタの両出力信号に基づいて装置7によって検出される。両出力信号の差または商が予め定めた値を下回るかまたは上回るときに、自身の声を検出することができる。例えば第2フィルタの出力レベルの出力値が第1フィルタの出力値よりも大きい場合、すなわち近方界領域の信号レベルが遠方界領域を上回っている場合、第2フィルタの信号レベルを第1フィルタの信号レベルで割った商が予め定めた値を上回るときに、自身の声の検出が推測される。第2フィルタの信号レベルから第1フィルタの信号レベルを差し引いた差が予め定めた値を上回るときにも、同じことが当てはまる。
実施形態ではさらに、両出力振幅の差を第2フィルタの出力レベルで割ってもよい。その際、商を求める際に前述したように、周囲騒音に関連して信号の標準化が行われる。この標準化は例えば騒々しい周囲での検出を困難にし、このような状況を装置7に考慮させることができる。
考えられる実施形態では、第1および/または第2のフィルタが適応フィルタである。適応フィルタは例えばNMLSアルゴリズムによって、予め設定された入力信号の場合に出力信号が最大値または最小値をとるように、そのパラメータを適応させることができる。従って、自身の声の信号をできるだけ強く弱めることを、聴取機器装着者の頭上のまたは測定環境内の第1フィルタで練習することができるので有利である。同様に、予め定めた位置の音声源の信号、例えば装置7を備えた聴取機器100を頭に装着するときに聴取機器装着者の注視方向の音声源の信号をできるだけ強く抑制することを、第2フィルタで練習することができる。練習によって、フィルタは聴取機器装着者の頭の特性を考慮に入れることができる。練習は例えば取付けの際または(好ましくは第1フィルタのための)聴取機器装着者の普段の環境内で行われる。装置7は以下において、検出を改善するために、第1および/または第2の適応フィルタのための決定された第1と第2のフィルタパラメータによって運転される。
さらに、複数の話し手を有する状況でも自身の声の検出を可能にするために、予め定めたろ波または好ましくは適応ろ波を行う複数の第2フィルタを設けることができる。
信号処理装置3は、音響−電気式変換器2、2’の信号を、フィルタバンクまたはフーリエ変換によって、分離したまたは部分的にのみオーバーラップした多数の周波数範囲に分割することができる。有利な方法では、装置7は周波数範囲の部分量においてのみ、自身の声を検出する。すなわち本発明に係る方法は、プロセッサ資源を節約するために、複数の周波数範囲のこの部分量においてのみ実施される。そのために、声内に生じる周波数と頭の近くでの伝播特性とに基づいて、聴取機器装着者の自身の声と他の声を区別するために非常に適している周波数範囲が選択されると有利である。
装置7の手前で既に、音響−電気式変換器2、2’の音声信号から妨害騒音が除去されるかまたは少なくとも低減されるときに、装置7は自身の声の検出時にきわめて高い信頼性を有する。従って、本発明に係る装置7の実施形態では、他のフィルタが設けられている。このフィルタは同様に、信号処理装置3内に設けられ、例えば適応フィルタによって妨害騒音を低減する。
本発明に係る方法の例示的な実施形態のための概略的なフローチャートが図2に示してある。
ステップS10において、第1フィルタの第1フィルタパラメータが決定される。この場合、第1フィルタパラメータは、聴取補助機器の近くの範囲の音声信号を弱めるように定められている。ステップS10は例えば装置7の設計の際に既に行うことができる。しかし、ステップS10は装置7を有する聴取補助機器100の取付け時に行ってもよい。その際、第1フィルタが適応フィルタであるときに、ステップS10は自身の声による練習によって行うことができる。
ステップS20では、第2フィルタの第2フィルタパラメータが決定される。この場合、第2フィルタパラメータは、聴取補助機器の遠方界領域の音声信号を弱めるように定められている。ステップS20も、例えば装置7の設計の際に既に行うことができる。しかし、ステップS10の場合と同様に、装置7を有する聴取補助機器100の取付け時にステップS20を行ってもよい。その際、第2フィルタが適応フィルタであるときに、音響−電気式変換器2に対して予め定めた相対位置における1つまたは複数の音声信号源による練習によってステップS20を行うことができる。
ステップS30では、装置7は好ましくは聴取補助装置100内で作動し、この場合、第1フィルタは第1フィルタパラメータで作動し、第2フィルタは第2フィルタパラメータで作動する。
ステップS30では、聴取補助機器100の聴取機器装着者自身の声が装置7によって、第1フィルタと第2フィルタの出力信号に依存して検出される。これを行うことができるいろいろな例については、図1に関連して既に説明されている。
図3には、聴取機器装着者自身の声を検出するための装置7がブロック回路図で概略的に示されている。その際、装置7は音響−電気式変換器2、2’から音声信号22、22’を受信する。音声信号22、22’はさらに、詳しく示していない方法で、信号処理のために信号処理装置に伝送される。両音声信号22、22’はそれぞれ第1フィルタ24と第2フィルタ26に供給される。第1フィルタ24では、第1フィルタパラメータ28が音響−電気式変換器2の音声信号22に適用され、続いて第1フィルタパラメータ28によってろ波された音声信号30と音響−電気式変換器2’の音声信号22’とから、差分信号32が求められる。第2フィルタ26では、第2フィルタパラメータ34が音響−電気式変換器2の音声信号22に適用され、続いて第2フィルタパラメータ34によってろ波された音声信号36と音響−電気式変換器2’の音声信号22’とから、差分信号38が求められる。この場合、音声信号22への第1フィルタパラメータ28または第2フィルタパラメータ34の適用は、例えばそれぞれ、FIRフィルタとして実現可能である。
差分信号32は第1フィルタ24の出力信号を形成し、差分信号38は第2フィルタ26の出力信号を形成する。第1フィルタ24と第2フィルタ26の両出力信号32、38の振幅が互いに比較される。この場合、第1フィルタパラメータ28は練習プロセスで次のように調節される。すなわち、ろ波された音声信号30によって、聴取機器装着者の口から聴取機器までの音経路長ができるだけ正確に表され、そしてこの場合、聴取機器装着者の声のスペクトル特性と、それから生じる、その頭による吸収とを考慮することができるように調節される。第2フィルタパラメータ34は同様な練習プロセスで次のように調節される。すなわち、ろ波された音声信号36によって、外部の音声源から聴取機器までの音経路長ができるだけ正確に表されるように調節される。この場合、そのために、外部の音声源の位置として、対話状況での話し相手の普通の位置を仮定することができる。
第1フィルタ24と第2フィルタ26の出力信号32、38の振幅の比較により、音響−電気式変換器2、2’によって発生した音声信号22、22’が聴取機器装着者自身の声から出ているか否かを決定することができる。第1の場合、第1フィルタパラメータ28の適切な調節の結果、第1フィルタ24の出力信号32は小さな振幅を有し、これに対して第2フィルタ26の出力信号38は、第2フィルタパラメータ34が全く異なる音経路長を表すので、はっきりした弱体化を有していない。従って、装置7により、聴取機器装着者の声のアクティビティの存在を判定することができる。
これとは逆に、外部の音声源の位置が第2フィルタパラメータ34の決定のために使用される基準−音声源の位置に一致していないときは、外部の音声源によって生じる音声信号22、22’が第2フィルタ26自体によって十分に弱められる。特に、第1フィルタ24よりも明らかに強い、第2フィルタ26による、このような音声信号の弱体化が予想される。なぜならこのために特に、音のいろいろな位相位置がそれぞれの音経路長で考慮されるからであり、この位相位置は第1フィルタパラメータ28と第2フィルタパラメータ34に入れられる。この場合、特に第2フィルタでは、音声信号22’が第2フィルタパラメータ34によってろ波可能であるので、音響−電気式変換器2の音声信号22は変更されずに、特にろ波されずに、差分信号36を求めるところに入力される。
本発明を有利な実施形態によって詳しく示して説明したが、本発明は開示された例に限定されず、当業者は本発明の保護範囲から逸脱せずに他の変形を導き出すことができる。

Claims (19)

  1. 聴取補助機器(100)が少なくとも2つの音響−電気式変換器(2、2’)から音声信号を受信し、かつ装置(7)を備え、この装置が前記音響−電気式変換器(2、2’)に信号接続された、空間的な分離のための第1フィルタ(24)と第2フィルタ(26)を備え、前記聴取補助機器(100)のための、聴取補助機器装着者自身の声を迅速に検出するための方法であって、
    前記第1フィルタ(24)の第1フィルタパラメータ(28)を決定するステップを含み、この場合、前記第1フィルタパラメータ(24)が前記聴取補助機器装着者自身の声を弱めるように決められ、
    前記第2フィルタ(26)の第2フィルタパラメータ(34)を決定するステップを含み、この場合、前記第2フィルタパラメータ(34)が外部の音声源を弱めるように決められ、
    前記装置(7)を作動させるステップを含み、この場合、前記第1フィルタ(24)が前記第1フィルタパラメータ(28)によって作動し、前記第2フィルタ(26)が前記第2フィルタパラメータ(34)によって作動し、
    前記第1フィルタ(24)と前記第2フィルタ(26)の出力信号(32、38)に依存して自身の声を検出するステップを含む、方法。
  2. 前記聴取補助機器装着者の口から前記聴取補助機器(100)までの音経路長を伝達関数で表すことにより、前記第1フィルタパラメータ(28)が前記聴取補助機器装着者自身の声を弱体化させ、前記伝達関数が前記弱体化のために用いられる、請求項1に記載の方法。
  3. 外部の音声源から前記聴取補助機器(100)までの音経路長を伝達関数で表すことにより、前記第2フィルタパラメータ(34)が前記外部の音声源を弱体化させ、前記伝達関数が前記弱体化のために用いられる、請求項1または請求項2に記載の方法。
  4. 前記第1フィルタ(24)が適応フィルタであり、聴取機器装着者自身の声による前記第1フィルタ(24)の最初の練習によって、前記第1フィルタパラメータ(28)が決定され、この場合、前記聴取補助機器(100)が使用に従って前記聴取機器装着者によって装着される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記第1フィルタパラメータ(28)が前記少なくとも2つの音響−電気式変換器のうちの1つの音響−電気式変換器(2)の音声信号(22)をろ波することにより、前記第1フィルタパラメータ(28)が前記聴取補助機器装着者自身の声を弱体化させ、そして前記ろ波された音声信号(30)が少なくとも2つの音響−電気式変換器のうちの他の音響−電気式変換器(2’)の音声信号(22’)と比較される、請求項4に記載の方法。
  6. 前記ろ波された音声信号(30)と前記他の音響−電気式変換器(2’)の前記音声信号(22’)との差分信号(32)を最小化するパラメータ値が、前記第1フィルタパラメータ(28)の決定のために用いられる、請求項5に記載の方法。
  7. 前記第2フィルタ(26)が適応フィルタであり、前記聴取補助機器(100)に対して予め定めた相対位置にある外部の音声源による前記第2フィルタ(26)の第2の練習によって、前記第2フィルタパラメータ(34)が決定される、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記第2フィルタパラメータ(34)が前記少なくとも2つの音響−電気式変換器のうちの1つの音響−電気式変換器(2)の音声信号(22)をろ波することにより、前記第2フィルタパラメータ(34)が外部の音声源を弱体化させ、そして前記ろ波された音声信号(36)が前記少なくとも2つの音響−電気式変換器のうちの他の音響−電気式変換器(2’)の前記音声信号(22’)と比較される、請求項7に記載の方法。
  9. 前記ろ波された音声信号(36)と前記他の音響−電気式変換器(2’)の前記音声信号(22’)との差分信号(38)を最小化するパラメータ値が、前記第2フィルタパラメータ(34)の決定のために用いられる、請求項8に記載の方法。
  10. 前記聴取補助機器装着者自身の声の検出が、前記第1フィルタ(24)と前記第2フィルタ(26)の前記出力信号(32、38)の振幅の比に依存して行われる、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記第1フィルタ(24)の前記出力信号(32)が、前記第1フィルタパラメータ(28)によってろ波された、前記少なくとも2つの音響−電気式変換器のうちの1つの音響−電気式変換器(2)の音声信号(30)と、前記少なくとも2つの音響−電気式変換器のうちの他の音響−電気式変換器(2’)の音声信号(22’)との差分信号(32)によって求められ、前記第2フィルタ(26)の前記出力信号(38)が、前記第2フィルタパラメータ(34)によってろ波された、前記少なくとも2つの音響−電気式変換器のうちの1つの音響−電気式変換器(2)の音声信号(36)と、前記少なくとも2つの音響−電気式変換器のうちの他の音響−電気式変換器(2’)の音声信号(22’)との差分信号(38)によって求められる、請求項10に記載の方法。
  12. 前記方法が、前記音声信号(22、22’)の分離したまたは部分的にのみオーバーラップした多数の周波数範囲の部分量においてのみ実施される、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 前記第2フィルタ(26)が、前記聴取補助機器(100)の適用に従う装着の際に前記聴取補助機器の装着者の前に配置された音声源の信号を最も強く弱体化する、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 前記装置(7)が多数の第2フィルタ(26)を備え、この第2フィルタがそれぞれ、前記聴取補助機器(100)に対する異なる相対位置で音声源の信号を最も強く弱体化する、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
  15. 前記方法が、前記第1の音響−電気式変換器(2)と前記第2の音響−電気式変換器(2’)の信号が前記第1フィルタ(24)と第2フィルタ(26)に供給される前に、この信号の背景妨害騒音を低減するステップをさらに含む、請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法。
  16. 少なくとも2つの音響−電気式変換器(2、2’)から音声信号(22、22’)を受信するように設計された聴取補助機器(100)のための、聴取補助機器装着者自身の声を迅速に検出するための装置であって、この装置が前記音響−電気式変換器(2、2’)に信号接続された、空間的な分離のための第1フィルタ(24)と第2フィルタ(26)を備え、前記第1フィルタ(24)が前記聴取補助機器装着者自身の声を弱めるように形成され、前記第2フィルタ(26)が外部の音声源を弱めるように形成され、前記装置(7)がさらに、前記第1フィルタ(24)と前記第2フィルタ(26)の出力信号(32、38)に依存して前記聴取補助機器装着者自身の声を検出するように形成されている、装置。
  17. 前記第1フィルタ(24)が第1フィルタパラメータ(28)を有する適応フィルタであり、この第1フィルタパラメータが前記少なくとも2つの音響−電気式変換器のうちの1つの音響−電気式変換器(2)の音声信号(22)をろ波し、前記第1フィルタパラメータ(28)によって前記ろ波された音声信号(30)と、前記少なくとも2つの音響−電気式変換器のうちの1つの他の音響−電気式変換器(2’)の前記音声信号(22’)とから、差分信号が前記第1フィルタ(24)の出力信号(32)として求められる、請求項16に記載の装置。
  18. 前記第2フィルタ(26)が第2フィルタパラメータ(34)を有する適応フィルタであり、この第2フィルタパラメータが前記少なくとも2つの音響−電気式変換器のうちの1つの音響−電気式変換器(2)の音声信号(22)をろ波し、前記第2フィルタパラメータ(34)によって前記ろ波された音声信号(36)と、前記少なくとも2つの音響−電気式変換器のうちの1つの音響−電気式変換器(2’)の前記音声信号(22’)とから、差分信号が前記第2フィルタ(26)の出力信号(38)として求められる、請求項16または17に記載の装置。
  19. 請求項16〜18のいずれか一項に記載の装置(7)を備えた聴取補助機器。
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