JP2017532116A - 自動気胸検出のための装置および方法 - Google Patents

自動気胸検出のための装置および方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2017532116A
JP2017532116A JP2017515924A JP2017515924A JP2017532116A JP 2017532116 A JP2017532116 A JP 2017532116A JP 2017515924 A JP2017515924 A JP 2017515924A JP 2017515924 A JP2017515924 A JP 2017515924A JP 2017532116 A JP2017532116 A JP 2017532116A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
boundary
correlation
map
filtered
data
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2017515924A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6557328B2 (ja
Inventor
シュイ,ジンピン
イヤヴュ ラジュ,バラスンダル
イヤヴュ ラジュ,バラスンダル
ワン,ショウガン
ジョウ,シーウェイ
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Koninklijke Philips NV
Original Assignee
Koninklijke Philips NV
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Koninklijke Philips NV filed Critical Koninklijke Philips NV
Publication of JP2017532116A publication Critical patent/JP2017532116A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6557328B2 publication Critical patent/JP6557328B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B8/00Diagnosis using ultrasonic, sonic or infrasonic waves
    • A61B8/08Detecting organic movements or changes, e.g. tumours, cysts, swellings
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B8/00Diagnosis using ultrasonic, sonic or infrasonic waves
    • A61B8/52Devices using data or image processing specially adapted for diagnosis using ultrasonic, sonic or infrasonic waves
    • A61B8/5215Devices using data or image processing specially adapted for diagnosis using ultrasonic, sonic or infrasonic waves involving processing of medical diagnostic data
    • A61B8/5223Devices using data or image processing specially adapted for diagnosis using ultrasonic, sonic or infrasonic waves involving processing of medical diagnostic data for extracting a diagnostic or physiological parameter from medical diagnostic data
    • GPHYSICS
    • G06COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
    • G06TIMAGE DATA PROCESSING OR GENERATION, IN GENERAL
    • G06T7/00Image analysis
    • G06T7/10Segmentation; Edge detection
    • G06T7/11Region-based segmentation
    • GPHYSICS
    • G06COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
    • G06TIMAGE DATA PROCESSING OR GENERATION, IN GENERAL
    • G06T7/00Image analysis
    • G06T7/10Segmentation; Edge detection
    • G06T7/13Edge detection
    • GPHYSICS
    • G06COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
    • G06TIMAGE DATA PROCESSING OR GENERATION, IN GENERAL
    • G06T7/00Image analysis
    • G06T7/10Segmentation; Edge detection
    • G06T7/174Segmentation; Edge detection involving the use of two or more images
    • GPHYSICS
    • G06COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
    • G06TIMAGE DATA PROCESSING OR GENERATION, IN GENERAL
    • G06T7/00Image analysis
    • G06T7/10Segmentation; Edge detection
    • G06T7/194Segmentation; Edge detection involving foreground-background segmentation
    • GPHYSICS
    • G06COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
    • G06TIMAGE DATA PROCESSING OR GENERATION, IN GENERAL
    • G06T7/00Image analysis
    • G06T7/20Analysis of motion
    • G06T7/246Analysis of motion using feature-based methods, e.g. the tracking of corners or segments
    • GPHYSICS
    • G16INFORMATION AND COMMUNICATION TECHNOLOGY [ICT] SPECIALLY ADAPTED FOR SPECIFIC APPLICATION FIELDS
    • G16HHEALTHCARE INFORMATICS, i.e. INFORMATION AND COMMUNICATION TECHNOLOGY [ICT] SPECIALLY ADAPTED FOR THE HANDLING OR PROCESSING OF MEDICAL OR HEALTHCARE DATA
    • G16H50/00ICT specially adapted for medical diagnosis, medical simulation or medical data mining; ICT specially adapted for detecting, monitoring or modelling epidemics or pandemics
    • G16H50/30ICT specially adapted for medical diagnosis, medical simulation or medical data mining; ICT specially adapted for detecting, monitoring or modelling epidemics or pandemics for calculating health indices; for individual health risk assessment
    • GPHYSICS
    • G06COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
    • G06TIMAGE DATA PROCESSING OR GENERATION, IN GENERAL
    • G06T2207/00Indexing scheme for image analysis or image enhancement
    • G06T2207/10Image acquisition modality
    • G06T2207/10016Video; Image sequence
    • GPHYSICS
    • G06COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
    • G06TIMAGE DATA PROCESSING OR GENERATION, IN GENERAL
    • G06T2207/00Indexing scheme for image analysis or image enhancement
    • G06T2207/10Image acquisition modality
    • G06T2207/10132Ultrasound image
    • GPHYSICS
    • G06COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
    • G06TIMAGE DATA PROCESSING OR GENERATION, IN GENERAL
    • G06T2207/00Indexing scheme for image analysis or image enhancement
    • G06T2207/30Subject of image; Context of image processing
    • G06T2207/30004Biomedical image processing
    • G06T2207/30061Lung

Abstract

実施形態は、肺の胸膜界面の少なくとも一部を含むスキャン領域に関係する超音波データを取得するよう構成されたプローブと、該データから導出される一つまたは複数の相互相関マップを使って胸膜滑動および/または肺点を判別するための情報を自動的に検出するよう構成されたデータ解析器とを有する超音波システムを開示する。実施形態はその方法をも開示する。

Description

本開示の例示的実施形態は、概括的には肺に関係した疾患もしくは状態の自動検出に、より詳細には超音波撮像システムを使って自動的に気胸を検出するためのシステムおよび方法に関する。
胸部外傷は世界のすべての外傷事例のうちの20%を占める。胸部外傷は、外傷性死亡数の25%にいて主要な死因であり、別の25%の死の一因であると推定されている。早期の検出ならびに適切な調査および治療の適時の選択はみな、最適な転帰のための枢要な要素である。鈍的胸部外傷の患者を評価するための初期診断のために、超音波撮像が広く使われている。気胸(PTX: pneumothorax)を識別または検出することは、正確な診断をなすことにおいて決定的に重要であり、検出されるべきキーとなる特徴と考えられている。
現在のところ、超音波を使ったPTX検出手法は、緊急時臨床肺超音波(Bedside Lung Ultrasound in Emergency)(BLUEまたはその更新版)プロトコルに従っての画像の目視観察に基づいている。これは時間がかかり、操作者の経験に依存する。よく訓練され、経験を積んだ操作者についての91%に比べて、経験の浅い超音波操作者については検出感度はたった57%である。PTXの超音波検出はトレーニングの最も難しい部分である。胸膜滑動(lung sliding)およびその消失を認識するための適切な技量を習得するには、多くの経験が必要とされる。部分的PTXまたは小さなPTXの存在では検出は一層難しくなる。上位肺領域における胸膜ガス滲出の位置特定を許容するためには、患者は厳密に仰向けに横たわるべきである。超音波を介してPTXを検出するための主要な問題は、高度なトレーニングの必要性であり、その精度は操作者依存性が強い。
特許文献1は、超音波画像における構造の境界の自動検出のためのシステムおよび方法を開示している。この方法は、画像に対応するピクセル値のマトリクスを提供することを含む。ピクセル値のマトリクスに対して自己相関計算が実行されて新たな相関マトリクスが生成され、当該構造と周囲の画像との間のエコー発生性の差が強調される。
国際公開第2006/044996号
したがって、上述した問題の少なくとも一つを解決することが目的である。
実施形態のある側面によれば、被験者の肺をスキャンするための超音波システムであって:肺の胸膜界面の少なくとも一部を含むスキャン領域に関係する超音波データの時間的フレームのシーケンスを取得するよう構成されたプローブであって、超音波データの各時間的フレームは少なくとも前記プローブの射程方向に沿って延びる、プローブと;処理回路を有し、一つまたは二つ以上の相互相関マップを導出し、前記一つまたは二つ以上の相互相関マップをフィルタリングして一つまたは二つ以上のフィルタリングされた相互相関マップを取得し、前記一つのフィルタリングされた相互相関マップまたは前記二つ以上のフィルタリングされた相互相関マップの複合バージョンにおいて、前記射程方向に沿った値変化が第一の所定の閾値を超える第一の境界を識別するよう構成されているデータ解析器であって、各相互相関は時間的フレームの前記シーケンスの時間的フレームの対から導出される、データ解析器とを有する、超音波システムが提供される。
時間的フレームの対から導出される相互相関マップは前記対の一方のフレームにおけるある領域(たとえば点または点の集合)と前記対の他方のフレームにおける対応する領域との間の依存性を表わし、一方、自己相関マップは同じフレーム自身の異なる領域の超音波データまたは該フレームのエネルギーの間の依存性を表わすことはよく知られている。特に断わりのない限り、本稿を通じて使われる相関は常に相互相関を指す。
時間的フレームの前記対の時間間隔はさまざまな仕方で設定できる。たとえば、各対は、その対の時間的フレームの間の第一の時間間隔(これは複数の対の間で同じであっても、変わってもよい)を有していてもよく、隣接する対への第二の時間間隔(これは複数の対の間で同じであっても、変わってもよい)を有していてもよい。
ある実施形態では、識別された第一の境界は、ディスプレイのようなユーザー・インターフェースを介してユーザーに対して呈示される。
別の実施形態では、識別された第一の境界は、さらなる処理のために使用されることができる。たとえば、第一の境界が識別される場合に、胸膜滑動が存在するとして検出され、胸膜滑動の存在を示すインジケーターが視覚的出力および/または聴覚出力を介してユーザーに対して呈示されてもよい。胸膜滑動の検出はさらに、気胸の検出を支援することが知られている。胸膜滑動がスキャン領域の少なくとも一部において識別される場合、スキャン領域の前記少なくとも一部には気胸は存在しないと判定される。しかしながら、胸膜滑動がなく、肺点(lung point)が検出された場合には、このスキャン領域にPTXが存在すると判定できる。
超音波撮像の分野において、複合が空間的または時間的に、コヒーレントな組み合わせであることができることはよく知られている。
相互相関マップは、二つの時間的フレームの時間的相互相関係数(すなわちCC)マップ規格化された相互相関係数(すなわちNCC)マップであることができる。
通常は、PTX検出は、臨床スタッフによるBモード超音波画像の手動観察に依拠する。PTX検出は観察可能であり、経験のあるユーザーにとっては91%の感度を示すことができるとされるが、緊急臨床スタッフによって常に検出可能なわけではない。特に、経験の浅いユーザーは57%の感度を示す。上述した手法では、時間的フレームのシーケンスの相関マップに基づいて、胸膜滑動が、ユーザーによって簡単に観察でき、および/または自動的に検出されることができる。
第一の境界が識別される場合、肺の胸膜界面は少なくとも部分的に第一の境界に位置していると考えられる。本発明の発明者は、正常な肺の場合には、胸膜ラインの上の(すなわち皮膚に近い)領域の部分が比較的少ない動きを、よって高い相関を示し、一方、胸膜ラインより下の領域の部分は低い相関を示し、したがって、肺の胸膜界面は少なくとも部分的には、高相関の領域の部分と低相関の領域の部分との間の界面として識別される前記第一の境界にあるということを認識した。胸膜ラインは、肺組織と肺における空気との間の境界として知られる。組織や血液のような液体と異なり、空気を通じては超音波信号はほとんど透過できず、空気を含む領域についての超音波データはきわめてランダムになり、その結果、胸膜ラインより下の領域における相互相関は低くなる。正常な肺についてのそのようなCCパターンは高低型(high-to-low)と呼ばれる。PTXの場合、領域全体の相関が同様に高くなり、PTXの場合のCCパターンは高高型(high-to-high)と呼ばれ、よって、第一の境界は相関マップからは識別できない。部分的PTXの場合、第一の境界が識別される領域の一部は正常な高低型CCパターンである一方、第一の境界が識別されない領域の一部は異常な高高型CCパターンである。二つのパターン変化の間の点は肺点と称される。
いくつかの実施形態によれば、データ解析器はさらに、一つまたは二つ以上の超音波データ・マップを導出するよう構成されている。各超音波データ・マップは、時間的フレームの前記シーケンスの一つの時間的フレームまたは二つ以上の時間的フレームの複合バージョンから導出される。データ解析器はさらに、前記一つまたは二つ以上の超音波データ・マップをフィルタリングして一つまたは二つ以上のフィルタリングされた超音波データ・マップを取得し;前記一つのフィルタリングされた超音波データ・マップまたは前記二つ以上のフィルタリングされた超音波データ・マップの複合バージョンを、前記一つのフィルタリングされた相互相関マップまたは前記二つ以上のフィルタリングされた相互相関マップの複合バージョンと組み合わせて、前記第一の境界を識別するよう構成されている。
それぞれが個別の時間的フレームから導出される一つまたは複数の超音波データ・マップと、一対の時間的フレームから導出された相互相関マップの両方を使うことで、第一の境界の識別の精度がさらに改善できる。
相互相関マップまたは超音波データ・マップは、超音波データから抽出された振幅データを使って構築される。超音波データは高周波(radio frequency)データ、より一般的には、基本周波数超音波画像データまたは高調波超音波画像データを有することができる。超音波データは、組織高調波撮像モードにおける高周波データのパルス反転(pulse inversion)から取得でき、あるいは高周波データは基本周波数撮像モードにおいて取得できる。
ある実施形態では、超音波データ・マップは短時間エネルギー・マップであり、よって通常のBモード超音波画像であることができる。
いくつかの実施形態によれば、第一の境界を識別するために、前記データ解析器はさらに:複数のスキャン・ラインの各ラインからの点を含む境界ラインを識別することであって、前記一つのフィルタリングされた相互相関マップまたは前記二つ以上のフィルタリングされた相互相関マップの複合バージョンにおいて、その点においてそのスキャン・ラインに沿った値変化が第一の所定の閾値を超える、ことと;前記一つのフィルタリングされた超音波データ・マップまたは前記二つ以上のフィルタリングされた超音波データ・マップの前記複合バージョンにおいて、前記境界ライン上の、第二の所定の閾値を超える値増加がある点として始点を識別することと;前記一つの超音波データ・マップまたは前記二つ以上のフィルタリングされた超音波データ・マップの前記複合バージョンにおいて、前記境界ライン上の、第三の所定の閾値を超える値減少がある点として終点を識別することとを含む。前記第一の境界は、前記境界ラインの、前記始点と前記終点との間の部分として識別される。
たとえば、前記境界ラインを識別するために、前記データ解析器は、前記複数のスキャン・ラインの各ラインに沿った点であって、前記一つのフィルタリングされた相互相関マップまたは前記二つ以上のフィルタリングされた相互相関マップの複合バージョンにおいて、その点においてそのスキャン・ラインに沿った値変化が前記第一の所定の閾値を超える点を探すよう構成されており、取得されたそのような点すべてが前記境界ラインを形成する。
いくつかの実施形態によれば、前記データ解析器はさらに、前記時間的フレームのシーケンスの規格化された相互相関関数に基づいて、識別された第一の境界の動きを判別するよう構成されている。
超音波撮像の分野においてよく知られているように、規格化された相互相関関数は、前記時間的フレームのシーケンスにおける対応する点での超音波データの相互相関(規格化された相互相関係数とも呼ばれる)を、時間と、前記時間的フレームのシーケンスにおける前記対応する点の相対変位との関数として示す。
識別された第一の境界の判別された動きは、ユーザー・インターフェースを介してユーザーに呈示されることができる。追加的または代替的に、前記データ解析器は、さらなる処理のために識別された第一の境界の判別された動きを使うよう構成されることができる。
このようにして、胸膜界面の少なくとも一部の動きの定量化が達成できる。
いくつかの実施形態では、識別された界面の変位および速度の少なくとも一方が決定される。
いくつかの実施形態では、前記プローブの射程方向に直交する方向に沿った前記識別された第一の境界の動きが決定される。
よく知られているように、皮膚と接触する前記プローブの正面は、通例長方形であり、ここで長い方向が一般に「方位角」方向と称され、直交方向が一般に「仰角」方向と称される。さらに、プローブの視野は「射程」〔レンジ〕方向に延在する。換言すれば、射程方向は超音波信号の伝搬方向を表わし、超音波データの深さ方向としても知られる。射程方向はプローブの正面に直交し、よって方位方向および仰角方向の両方に直交するので、射程方向は超音波プローブの長手方向としても知られる。超音波フレームは少なくともプローブの射程方向に沿って延びている。いくつかの実施形態では、超音波フレームは二次元であり、たとえばプローブの射程方向以外のさらなる方向、たとえば方位角方向に沿って延びる。いくつかの他の実施形態では、超音波フレームは三次元であり、射程方向に加えて方位角方向および仰角方向の両方に延びる。
いくつかの実施形態によれば、第一の境界の動きを判別するために、データ解析器はさらに、第一の境界全体を覆う第一の領域を決定し、時間的フレームの前記シーケンスにおける第一の領域の動きを決定するよう構成される。
いくつかの実施形態によれば、第一の境界の動きを判別するために、データ解析器はさらに、第一の境界よりプローブに近い背景軟組織のみを含む第二の領域を判別し、第一の領域と第二の領域の間の相対的な動きを、第一の領域の動きとして決定するよう構成される。相対的な動きを使って、たとえばプローブとスキャン領域(すなわちスキャンされるべき領域)との間のわずかな動きによって引き起こされる望まれない動きの負の影響が低減できる。
いくつかの実施形態によれば、データ解析器はさらに、前記一つのフィルタリングされた相互相関マップまたは前記二つ以上のフィルタリングされた相互相関マップの複合バージョンにおいて、前記射程方向に直交する方向に沿った値変化が第四の所定の閾値を超える第二の境界を識別するよう構成される。換言すれば、第二の境界は、前記射程方向に直交する方向に沿って相互相関値が高から低に、または逆に低から高に変化する境界として識別される。
ある実施形態では、識別された第二の境界はディスプレイのようなユーザー・インターフェースを介してユーザーに対して呈示される。
もう一つの実施形態では、識別された第二の境界は、さらなる処理のために使用できる。たとえば、識別された第二の境界に基づいて肺点が検出される。検出された肺点は、ユーザー・インターフェースを介してユーザーに対して呈示されることができる。追加的または代替的に、データ解析器はさらに、検出された肺点をさらなる処理のために使うよう構成されることができる。
実施形態のもう一つの側面によれば、超音波を使って被験者の肺をスキャンする方法であって:肺の胸膜界面の少なくとも一部を含むスキャン領域に関係する超音波データの時間的フレームのシーケンスを取得する段階であって、超音波データの各時間的フレームは少なくともプローブの射程方向に沿って延在する、段階と;一つまたは二つ以上の相互相関マップをそれぞれ時間的フレームの前記シーケンスの時間的フレームの対から導出する段階であって、各対はその対の時間的フレームの間の同じ時間間隔をもつ、段階と;前記一つまたは二つ以上の相互相関マップをフィルタリングして一つまたは二つ以上のフィルタリングされた相互相関マップを取得する段階と;前記一つのフィルタリングされた相互相関マップまたは前記二つ以上のフィルタリングされた相互相関マップの複合バージョンにおいて、前記射程方向に沿った値変化が第一の所定の閾値を超える第一の境界を識別する段階とを含む、方法が提供される。
実施形態のもう一つの側面によれば、被験者の肺をスキャンするための超音波システムであって:肺の胸膜界面の少なくとも一部を含む領域に関係する超音波データの時間的フレームのシーケンスを取得するよう構成されたプローブであって、超音波データの各時間的フレームは少なくとも前記プローブの射程方向に沿って延在する、プローブと;データ解析器とを有しており、前記データ解析器は:一つまたは二つ以上の相互相関マップをそれぞれ時間的フレームの前記シーケンスの時間的フレームの対から導出するよう構成されたマップ導出器と;前記一つまたは二つ以上の相互相関マップをフィルタリングして一つまたは二つ以上のフィルタリングされた相互相関マップを取得するよう構成されたマップ・フィルタと;前記一つのフィルタリングされた相互相関マップにおいてまたは前記二つ以上のフィルタリングされた相互相関マップの複合バージョンにおいて、前記射程方向に沿った値変化が第一の所定の閾値を超える第一の境界を識別するよう構成されている胸膜界面識別器とを有する、超音波システムが提供される。
これから本技術について、例として、付属の図面を参照した実施形態に基づいて述べる。
「肺点」の起源を説明する図である。 ある例示的実施形態の超音波システムのブロック図である。 ある例示的実施形態の前記超音波システムにおけるあるコンポーネントのブロック図である。 ある例示的実施形態の検出方法のフローチャートである。 組織高調波撮像モードにおいて健康な被験者から収集されたデータを示す図である。 それぞれ高周波データおよび高周波振幅データに基づく二つの相関マップを示す図である。 マップに示されるある例示的実施形態の第一の境界の検出を示す図である。 マップに示されるある例示的実施形態の前記第一の境界の動き検出を示す図である。 マップに示されるある例示的実施形態の気胸の動き検出を示す図である。 マップに示されるある例示的実施形態の肺点検出を示す図である。
本願の実施形態について、付属の図面を参照して以下に詳細に述べる。図面には実施形態が示されているが、これらの実施形態は、多くの異なる形で具現されうるものであって、ここに記載される実施形態に限定されると解釈されるべきではない。図面の要素は必ずしも互いに対して縮尺どおりになっていない。全体を通じて同様の符号は同様の要素を指す。
本稿で使われる用語は、単に具体的な実施形態を記述するためであって、限定的であることは意図されていない。本稿での用法では、文脈からそうでないことが示されるのでない限り、単数形は複数形をも含むことが意図されている。さらに、本稿で使われるときの用語「有する」および/または「含む」は、記載される特徴、整数、段階、動作、要素および/またはコンポーネントの存在を指定するが、一つまたは複数の他の特徴、整数、段階、動作、要素、コンポーネントおよび/またはそれらのグループの存在または追加を排除するものではないことが理解されるであろう。
特に他の定義がされるのでない限り、本稿で使われるあらゆる用語(科学技術用語を含む)は普通に理解されるのと同じ意味をもつ。さらに、本稿で使われる用語は、本明細書の文脈および関連する分野における意味と整合する意味をもつものと解釈されるべきであり、本稿で明示的にそう定義されているのでない限り、理想化されたまたは過度に形式的な意味で解釈されるものではない。
本願の技術は、本願の実施形態に基づく方法、装置(システム)および/またはコンピュータ・プログラム・プロダクトのブロック図および/またはフローチャート図を参照して下記に記述される。これらのブロック図および/またはフローチャート図のブロックならびにこれらのブロック図および/またはフローチャート図におけるブロックの組み合わせは、コンピュータ・プログラム命令によって実装されてもよいことが理解される。これらのコンピュータ・プログラム命令は、汎用コンピュータ、特殊目的コンピュータおよび/または他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ、コントローラまたは制御ユニットに与えられて、機械を作り出してもよい。それにより、前記コンピュータおよび/または他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサを介して実行される前記命令が、前記ブロック図および/またはフローチャートの単数または複数のブロックにおいて指定される機能/工程を実装するための手段を作り出す。
本願の実施形態について、下記で、図面を参照して記述する。
上記で示したように、いくつかの例示的実施形態は、肺の超音波データの機械実行される解析に基づいて自動的に気胸を検出することを可能にする機構の提供を可能にしうる。いくつかの場合において、データは一次元、二次元または三次元の高周波(RF)信号またはビデオ画像であってもよく、これは好ましくは超音波のようなリアルタイム撮像モダリティーによって得られてもよい。データは、関心領域(ROI)として胸膜界面の少なくとも一部を識別または位置特定するために解析されてもよい。次いで、ROIは、胸膜滑動(pleural sliding)の指標が存在するかどうかを判定するためにさらに解析されてもよい。加えて、データは、肺点が存在するかどうかを判定するために解析されてもよい。その後、気胸の存在およびサイズに関する判定がなされることができる。
肺は胸部の胸腔内に位置しており、呼吸にとって本質的である。各側の肺は、頂点が上に、底辺が下にある三角形のような形である。肺は比較的軽く、多孔質の材料で形成されており、大気圧より低い圧力に維持される。肺は、肺の基部に位置する筋肉質の横隔膜によって腹腔から隔てられている。横隔膜は、肺に空気を引き込み、肺から空気を排出するために動く。
肺は胸膜と呼ばれる二重壁の袋によって囲まれている。胸膜は、臓側胸膜および壁側胸膜を含み、これらの膜の間には、胸膜腔(pleural cavity)または胸膜界面(pleural interface)と称される薄い空間がある。胸膜界面は、上記の膜の間の付着なしに肺が膨張・収縮できるようにするために、通常、非常に少量の流体を含んでいる。したがって、胸膜界面は典型的には、臓側胸膜および壁側胸膜が正常な呼吸の間に互いに対して前後に滑動できるようにする。この減少は「胸膜滑動(lung sliding)」と称される。胸膜滑動の証拠は、正常な肺機能の証拠と考えられ、気胸の存在を排除する。気胸は、胸膜界面に形成される空気ポケット(またはいわゆるガス・ポケット)によって指示される。空気ポケットは、空気ポケットの位置において胸膜滑動を妨げうる。このように、ある特定の領域において胸膜滑動の不在が検出されたら、その特定の領域において気胸が発生しつつある強い可能性がある。
気胸は、臓側胸膜層と壁側胸膜層の間の空気/ガス・ポケットの介在によって定義される。気胸空間における空気ポケットは前方に動き、肺は後方に下位につぶれるので、正常な肺と空気ポケットが同じビュー内に可視化されうる、通常は横領域内の点がある。図1に示されるように、前から横に移動すると、胸壁の特定の位置において暫時、気胸パターンが消えて肺パターンが出現する。気胸の境界(ここではプローブは図1に示されるように向けられる)では、胸膜層は吸気の間に、正常な胸膜滑動をもって互いに接触し始め(肺そのものはプローブの前に位置しており、プローブは検査部位において動きのないままであった)、呼気の間に、胸膜層は再び離れる。そのような現象が起こる点は「肺点(lung point)」と称される。肺点についてのさらなる情報は、非特許文献1において見出される。肺点は気胸の証拠と考えられる。
貫通創または鈍的外傷は気胸を引き起こすことがある。さらに、これらの型の最上レベルの傷害の存在は気胸を検出するのをより難しくすることがある。さらに、初期には小さい気胸が、処置されずに放置されると、より深刻な状態に進行することがあり、のちに著しい病状および致死を引き起こすことがありうる。緊急および外傷医療の分野では特に、気胸の自動検出方法が、気胸の事例に関して、検出の遅れを避けることまたは検出に到達し損なうのを避けることにおいて、有用となりうる。よって、いくつかの例示的実施形態は、気胸の自動検出を提供できる超音波システムを提供しうる。
図2は、ある例示的実施形態の超音波システムのブロック図を示している。この例において、超音波システムはコンピュータ制御される装置として具現される。よって、たとえば、超音波システムは、プローブ10とデータ解析器20とを含んでいてもよい。プローブ10は、被験者の肺のデータを取得するよう構成された撮像装置であってもよい。収集データは、体の外部に留まるがさまざまな身体部分を通過するおよび/またはさまざまな身体部分から反射する超音波を測定する超音波プローブを使ってデータを収集することによって、非侵襲的に捕捉されてもよい。いくつかの場合には、プローブ10は、一連のフレームを有する高周波信号および/またはビデオ・データを生成してもよい。ある例示的実施形態では、プローブ10は、好ましくは超音波のようなリアルタイム撮像モダリティーとして具現されてもよく、あるいはかかるリアルタイム撮像モダリティーを含んでいてもよい。超音波は特に、比較的低コスト、低電力で、可搬なモダリティーを提供でき、電離放射線を用いることなく、緊急および外傷環境において用いることができる。
プローブ10は、データ解析器20にデータを提供してもよい。データ解析器20は、気胸を含むさまざまな肺の状態を検出するために使用されうる結果を生成するために、プローブ10によって捕捉されたデータを受領し、処理するよう構成されていてもよい。いくつかの場合には、データ解析器20は、プローブ10から直接リアルタイムで(またはほぼリアルタイムで)データを受領してもよい。しかしながら、他の場合には、プローブ10からのデータはまず記憶され、のちの時点において、記憶から取り出されてデータ解析器20によって解析されてもよい。
図2に示されるように、データ解析器20は、本稿に記載される例示的実施形態に基づく動作を実行するよう構成可能な処理回路100を含んでいてもよく、あるいはかかる処理回路と通信してもよい。よって、たとえば、データ解析器20に帰すことのできる機能の少なくとも一部は、処理回路100によって実行または命令されてもよい。したがって、処理回路100は、例示的実施形態と整合する機械学習および機械駆動の解析技法のためにシステムを構成するソフトウェアをホストするためのハードウェアを提供してもよい。すると、たとえば気胸のような肺状態の検出および描出は、処理回路100を使って達成されうる。
処理回路100は、本発明の例示的実施形態に従ってデータ処理、処理機能実行および/または他の処理および管理サービスを実行するよう構成されていてもよい。いくつかの実施形態では、処理回路100はチップまたはチップセットとして具現されてもよい。換言すれば、処理回路100は、構造アセンブラー(たとえば基板)上に素材、コンポーネントおよび/またはワイヤを含む一つまたは複数の物理的なパッケージ(たとえばチップ)を有していてもよい。
ある例示的実施形態では、処理回路100は、装置インターフェース130および場合によってはユーザー・インターフェース140と通信してもよく、あるいはかかるインターフェースを他の仕方で制御してもよいプロセッサ110およびメモリ120の一つまたは複数のインスタンスを含んでいてもよい。よって、処理回路100は、本稿に記載される動作を実行するよう(たとえばハードウェア、ソフトウェアまたはハードウェアとソフトウェアの組み合わせを用いて)構成された回路チップ(たとえば集積回路チップ)として具現されてもよい。
ユーザー・インターフェース140は(実装される場合)、ユーザー・インターフェース140においてユーザー入力の指示を受領するおよび/またはユーザーに対して可聴、視覚的、機械的または他の出力を提供するために処理回路100と通信してもよい。よって、ユーザー・インターフェース140はたとえば、ディスプレイ、一つまたは複数のボタンもしくはキー(たとえば機能ボタン)および/または他の入出力機構(たとえばキーボード、マイクロフォン、スピーカー、カーソル、ジョイスティック、ライトおよび/またはその他)を含んでいてもよい。ユーザー・インターフェース140は、データ解析器20によって処理されているデータ・セット(たとえば生のRFデータまたは該生のRFデータを解析した結果を含む)の識別情報またはある種の特性を示す情報を表示してもよい。すると、規定される方法論および/またはアルゴリズムに基づくデータの解析のための処理回路100によって実行される命令に基づいて、データ・セットの特性が処理されてもよく、それに関連付けられた情報がユーザー・インターフェース140のディスプレイ上に呈示されてもよい。さらに、いくつかの場合には、ユーザー・インターフェース140は、所与のデータ・セットの解析に基づいて生成されるべき一つまたは複数のレポートの選択のためのオプションを含んでいてもよい。
装置インターフェース130は、他の外部装置(たとえばプローブ10)またはデータ解析器20の内部機能コンポーネントとの通信を可能にするための一つまたは複数のインターフェース機構を含んでいてもよい。いくつかの場合には、装置インターフェース130は、処理回路100と通信する装置へ/からデータを受信および/または送信するよう構成されている、ハードウェアまたはハードウェアとソフトウェアの組み合わせで具現された装置または回路といったいかなる手段であってもよい。
ある例示的実施形態では、メモリ120は、一つまたは複数の非一時的なメモリ・デバイス、たとえば固定でも取り外し可能でもよい、揮発性および/または不揮発性メモリを含んでいてもよい。メモリ120は、データ解析器20が本発明の例示的実施形態に従ってさまざまな機能を実行できるようにするための情報、データ、アプリケーション、命令またはその他を記憶するよう構成されていてもよい。たとえば、メモリ120は、プロセッサ110による処理のために入力データをバッファリングするよう構成されていてもよい。追加的または代替的に、メモリ120は、プロセッサ110による実行のために命令を記憶するよう構成されることができる。さらにもう一つの代替では、メモリ120は、例示的実施形態の実行のために用いられる、プローブ10から得られたデータ、短時間エネルギー・マップ、相関マップおよび/またはその他といった多様なデータ・セットを記憶してもよい一つまたは複数のデータベースを含んでいてもよい。メモリ120の内容のうち、アプリケーションは、それぞれのアプリケーションに関連する機能を実行するために、プロセッサ110による実行のために記憶されていてもよい。いくつかの場合には、アプリケーションは、データを解析してROIを識別し、その中のデータを解析してROIにおいて気胸が発生しているかどうかを判定するための解析ツールを生成および/または使用するためのデータ解析器20の制御のための命令を含んでいてもよい。いくつかの場合には、アプリケーションはさらに、本稿に記載されるように患者データの解析に関連する出力および/またはレポートを生成するための命令を含んでいてもよい。
プロセッサ110は、多数の異なる仕方で具現されうる。たとえば、プロセッサ110は、マイクロプロセッサまたは他の処理要素、コプロセッサ、コントローラまたはさまざまな他のコンピューティングもしくは処理装置の一つまたは複数といったさまざまな処理手段、たとえばASIC(特定用途向け集積回路)、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)などといった集積回路のうちの任意のものとして具現されうる。ある例示的実施形態では、プロセッサ110は、メモリ120に記憶された、あるいは他の仕方でプロセッサ110にとってアクセス可能な命令を実行するよう構成されていてもよい。よって、ハードウェアによって構成されるかハードウェアとソフトウェアの組み合わせによって構成されるかによらず、プロセッサ110は、しかるべく構成されている間に本発明の例示的実施形態に従って動作を実行できるエンティティ(たとえば、処理回路100の形の回路において物理的に具現されている)を表わしうる。こうして、たとえば、プロセッサ110がASIC、FPGAなどとして具現されるとき、プロセッサ110は特に、本稿に記載される動作を実施するための特に構成されたハードウェアとなりうる。あるいはまた、もう一つの例として、プロセッサ110がソフトウェア命令の実行者として具現されるときは、命令がプロセッサ110を、本稿に記載される動作を実行するよう特に構成しうる。
ある例示的実施形態では、プロセッサ110(または処理回路100)は、データ解析器20として具現されてもよく、データ解析器20を含んでいてもよく、あるいは他の仕方でデータ解析器20を制御してもよい。よって、いくつかの実施形態では、プロセッサ110(または処理回路100)は、プロセッサ110(または処理回路100)をしかるべく構成する命令またはアルゴリズムの実行に応答して対応する機能に取りかかるようデータ解析器20に指令することによって、データ解析器20との関連で記述される動作のそれぞれを引き起こすと言われてもよい。
ある例示的実施形態では、特定の患者の肺の超音波スキャンに関連して捕捉されたデータは、(たとえばメモリ120に)記憶されてもよく、あるいはデータ解析器20に直接渡されてもよい。その後、データはデータ解析器20によって処理されてもよい。処理回路100が該データをリアルタイムで(またはほぼリアルタイムで)処理できるようにするため、あるいは該データがメモリから抽出されるにつれて該データを処理するためである。プロセッサ110は、胸膜界面を位置特定し、胸膜界面にて胸膜滑動が生起しているかどうか、肺点が存在するかどうかを判定し、胸膜滑動が生起しているかどうかおよび/または肺点が存在するかどうかなどに関する前記判定に基づいて気胸の存在に関する判定を行なうよう構成されていてもよい。
ある実施形態では、プローブ10は、肺の胸膜界面の少なくとも一部を含む領域に関係する超音波データの時間的フレームのシーケンスを取得するよう構成される。
ある例示的実施形態では、プロセッサ110はさらに、図3に示されるマップ導出器301、マップ・フィルタ302、胸膜界面識別器303、動き検出器304、肺点検出器305、PTX判定器306およびPTX定量化器307を含む。
マップ導出器301は、超音波データの二つのフレームのうち任意のものから一つの超音波データ・マップを導出するまたは超音波データの前記二つより多くのフレームからより多くの超音波データ・マップを導出するとともに、超音波データの前記二つのフレームから一つの相関マップを導出するまたは二つ以上の相関マップを導出しそのそれぞれが超音波データの前記二つより多くのフレームのうち時間フレームの対から導出されその各対はその対の時間的フレームの間に第一の時間間隔(これは諸対の間で同じであっても変わってもよい)をもち、隣接する対に対して第二の時間間隔(これは諸対の間で同じであっても変わってもよい)をもつ。
マップ・フィルタ302は、前記二つ以上の超音波データ・マップおよび一つまたは複数の相関マップをフィルタリングして、二つ以上のフィルタリングされた相関超音波データ・マップおよび一つまたは複数のフィルタリングされた相関マップを得るよう構成されている。
境界識別器303は、境界ラインを識別するよう構成されている。境界ラインは複数のスキャン・ラインの各ラインに沿ってある点を有し、かかる点において、前記一つのフィルタリングされた相関マップまたは前記二つ以上のフィルタリングされた相関マップの複合バージョンにおいて、そのスキャン・ラインに沿った値変化が第一の所定の閾値を超える。境界識別器303はさらに、前記一つのフィルタリングされた超音波データ・マップまたは前記二つ以上のフィルタリングされた超音波データ・マップの前記複合バージョンにおいて、前記境界ライン上の、第二の所定の閾値を超える値増加がある点として始点を識別し;前記超音波データ・マップの前記一つまたは前記二つ以上のフィルタリングされた超音波データ・マップの前記複合バージョンにおいて、前記境界ライン上の、第三の所定の閾値を超える値減少がある点として終点を識別するよう構成されている。
前記第一の境界の識別は、胸膜滑動の存在を示すことができる。
動き検出器304は、前記時間的フレームのシーケンスの規格化された相関関数に基づいて、識別された第一の境界の動きを判別するよう構成されている。識別された第一の境界の動きを判別するために、動き検出器はさらに、第一の境界を覆う第一の領域を決定し、第一の領域の動きを第一の境界の動きとして決定するよう構成される。代替的または追加的に、識別された第一の境界の動きを判別するために、動き検出器はさらに、第一の境界よりプローブに近い背景軟組織のみを含む第二の領域を判別し、第一の領域と第二の領域の間の相対的な動きを、第一の領域の動きとして決定するよう構成される。
肺点検出器305は、前記一つのフィルタリングされた相関マップまたは前記二つ以上のフィルタリングされた相関マップの複合バージョンにおいて、プローブの射程方向に直交する方向に沿った値変化が第四の所定の閾値を超える第二の境界を識別し、第二の境界が識別される場合には第二の境界に基づいて肺点を決定するよう構成される。
PTX判定器306は、第一の境界の識別、第一の境界の判別された動きおよび/または肺点存在の判別に基づいて気胸が存在するかどうかを判定するよう構成される。
PTX定量化器307は、PTXの相対サイズ、たとえば30%、70%などを推定するよう構成される。これはPTX検出における一般的に使われるパラメータである。相対サイズは、気胸の体積と胸膜界面内に形成される空洞の体積との比によって決定できる。たとえば、気胸の輪郭が、異なる肋間スペースにおける肺点を見きわめ、その後それらの肺点を揃えることによって描かれる。すると、気胸の体積は、その輪郭に基づいて、数学的モデルおよび計算を使って推定できる。同様に、肺の体積は、胸膜界面の輪郭に基づいて近似的に推定でき、あるいは他の源からのデータを使って推定できる。
代替的な例示的実施形態では、データ解析器20は、胸膜界面を位置特定し、胸膜界面にて滑動が生起しているかどうか、肺点が存在するかどうかを判定し、胸膜滑動が生起しているかどうかまたは肺点が存在するかどうかなどに関する前記判定に基づいて気胸の存在に関する判定を行なうよう構成されていてもよい気胸(PTX)検出器150を含んでいてもよい。
ある例示的実施形態では、PTX検出器150は、ハードウェアまたはハードウェアとソフトウェアの組み合わせとして具現され、処理回路100の制御のもとで本稿に記載されるようなPTX検出器150の対応する機能を実行するよう構成されている装置または回路などのいかなる手段であってもよい。ある例示的実施形態では、PTX検出器150は、検査されている特定の位置に関して気胸検出結果を決定することに関連するさまざまなアクションを実行するよう構成されていてもよい。
ある代替的な例示的実施形態では、PTX 150はさらに、図3に示されるマップ導出器301、マップ・フィルタ302、胸膜界面識別器303、動き検出器304、肺点検出器305、PTX判定器306およびPTX定量化器307を含む。
マップ導出器301は、超音波データの二つのフレームのうち任意のものから一つの超音波データ・マップを導出するまたは超音波データの前記二つより多くのフレームからより多くの超音波データ・マップを導出するとともに、超音波データの前記二つのフレームから一つの相関マップを導出するまたは二つ以上の相関マップを導出しそのそれぞれが超音波データの前記二つより多くのフレームのうちの時間フレームの対から導出されその各対はその対の時間的フレームの間に第一の時間間隔(これは諸対の間で同じであっても変わってもよい)をもち、隣接する対に対して第二の時間間隔(これは諸対の間で同じであっても変わってもよい)をもつ。
マップ・フィルタ302は、前記二つ以上の超音波データ・マップおよび一つまたは複数の相関マップをフィルタリングして、二つ以上のフィルタリングされた相関超音波データ・マップおよび一つまたは複数のフィルタリングされた相関マップを得るよう構成されている。
境界識別器303は、複数のスキャン・ラインの各ラインの多数の点から構成された境界ラインを識別し、前記一つのフィルタリングされた相関マップまたは前記二つ以上のフィルタリングされた相関マップの複合バージョンにおいて、どの点で、そのスキャン・ラインに沿った値変化が第一の所定の閾値を超えるかを判別し;前記一つのフィルタリングされた超音波データ・マップまたは前記二つ以上のフィルタリングされた超音波データ・マップの前記複合バージョンにおいて、前記境界ライン上の、第二の所定の閾値を超える値増加がある点として始点を識別し;前記一つの超音波データ・マップまたは前記二つ以上のフィルタリングされた超音波データ・マップの前記複合バージョンにおいて、前記境界ライン上の、第三の所定の閾値を超える値減少がある点として終点を識別するよう構成されている。前記第一の境界の識別は、胸膜滑動の存在を示す。
動き検出器304は、前記時間的フレームのシーケンスの規格化された相関関数に基づいて、識別された第一の境界の動きを判別するよう構成されている。識別された第一の境界の動きを判別するために、動き検出器はさらに、第一の境界を覆う第一の領域を決定し;第一の領域の動きを第一の境界の動きとして決定するよう構成される。代替的または追加的に、識別された第一の境界の動きを判別するために、動き検出器はさらに、第一の境界よりプローブに近い背景軟組織のみを含む第二の領域を判別し;第一の領域と第二の領域の間の相対的な動きを、第一の領域の動きとして決定するよう構成される。
肺点検出器305は、前記一つのフィルタリングされた相関マップまたは前記二つ以上のフィルタリングされた相関マップの複合バージョンにおいて、プローブの射程方向に直交する方向に沿った値変化が第四の所定の閾値を超える第二の境界を識別し、第二の境界が識別される場合には第二の境界に基づいて肺点を決定するよう構成される。
PTX判定器306は、第一の境界の識別、第一の境界の判別された動きおよび/または肺点存在の判別に基づいて気胸が存在するかどうかを判定するよう構成される。PTX定量化器307は、相対サイズ、たとえば30%、70%などを推定するよう構成される。これはPTX検出における一般的に使われるパラメータである。相対サイズは、気胸の体積と胸膜界面内に形成される空洞の体積との比によって決定できる。たとえば、気胸の輪郭が、異なる肋間スペースにおける肺点を見きわめ、それらの肺点を揃えることによって描かれる。すると、気胸の体積は、その輪郭に基づいて、数学的モデルおよび計算を使って推定できる。同様に、肺の体積は、胸膜界面の輪郭に基づいて近似的に推定でき、あるいは他の源からのデータを使って推定できる。
上記二つの実施形態において:
たとえば、時間的フレームのシーケンス{F1,F2,…,FN}において、F1およびF3が第一の相関マップを導出するために使用されることができ、F2およびF4が第二の相関マップを導出するために使用されることができ、F3およびF5が第三の相関マップを導出するために使用されることができる。あるいはまた、F1およびF3が第一の相関マップを導出するために使用されることができ、F2およびF4が第二の相関マップを導出するために使用されることができ、F5およびF7が第一の相関マップを導出するために使用されることができる。あるいはまた、F1およびF3が第一の相関マップを導出するために使用されることができ、F5およびF9が第二の相関マップを導出するために使用されることができ、F10およびF13が第三の相関マップを導出するために使用されることができる。
対が二つの隣接するフレームから構成でき、あまり多くの冗長性がないよう、フレーム・レートは中程度であることができることは理解されるであろう。
フレーム・レートが高い場合には、二つ以上のフレームの間隔をもつ二つの時間的フレームが相関マップを導出するために使用されることができることも理解されるであろう。たとえば、時間的フレームのシーケンス{F1,F2,…,FN}において、F1およびF3が第一の相関マップを導出するために使用されることができ、F2およびF4が第二の相関マップを導出するために使用されることができる。あるいはまた、F1およびF3が第三の相関マップを導出するために使用されることができ、F4およびF6が第二の相関マップを導出するために使用されることができる。
超音波データ・マップが短時間エネルギー(STE: short time energy)・マップであってもよいことは理解されるべきである。STEマップはいったん振幅が得られれば得られ、量子化および符号化に関わらないので、より計算効率がよい。
相関は、受領されたエコー信号からさまざまな仕方で処理された信号である時間的フレームから計算されることができることも理解されるべきである。該処理は、帯域通過フィルタリング、間引き、I成分とQ成分の分離および高調波信号分離といったものであり、高調波信号分離は、身体から返される非線形な(基本周波数より高い高調波)エコー信号の識別を可能にするよう線形信号と非線形信号を分離するよう作用する。
前記複合バージョンは、前記二つ以上のフィルタリングされた相関マップのコヒーレントな重ね合わせであってもよいことは当業者によって理解されるであろう。
図2および図3に示した諸要素は別個の要素として示されているが、これは単に機能が分かれていることを示すものである。これらの要素は別個のハードウェア装置として設けられることができるが、他の構成も可能である。たとえば、マップ導出器301およびマップ・フィルタ302は物理的に一つのユニットに組み合わされることができる。要素の任意の組み合わせが、任意の好適な位置におけるソフトウェア、ハードウェアおよび/またはファームウェアの任意の組み合わせで実装できる。たとえば、超音波データ・マップを導出するために一つのマップ導出器があってもよく、相関マップを導出するために別の、別個に構成されたマップ導出器があってもよい。
要素のいくつかは、機械などにより読み取り可能な媒体内に具現された機械可読命令であって、機械によって実行されたときに該機械に記載される動作を実行させるものをなしてもよい。さらに、どの要素も、特定用途向け集積回路(ASIC)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)などのようなハードウェアとして実装されてもよい。
さらに、本稿に記載される構成は単に例として記載されていることは理解されるべきである。示されたものに加えてまたはその代わりに、他の構成および要素(たとえば、より多くの入力ユニット、より多くの出力ユニット、トランシーバなど)が使用されることができ、一部の要素は完全に省略されてもよい。
それらの要素の間の機能および協働について図4を参照して詳細に述べる。
図4は、ある例示的実施形態の検出方法のフローチャートを示している。フローチャートの各ブロックおよびフローチャート中のブロックの組み合わせが、ハードウェア、ファームウェア、プロセッサ(単数または複数)、回路および/または他の装置のような、一つまたは複数のコンピュータ・プログラム命令を含むソフトウェアの実行に関連したさまざまな手段によって実装されうることは理解されるであろう。たとえば、記載される手順の一つまたは複数はコンピュータ・プログラム命令によって具現されてもよい。この点に関し、上記の手順を具現するコンピュータ・プログラム命令はメモリによって記憶され、プロセッサによって実行されてもよい。理解されるであろうが、そのようないかなるコンピュータ・プログラム命令も、コンピュータまたは他のプログラム可能装置(たとえばハードウェア)にロードされて機械を作り出し、該コンピュータまたは他のプログラム可能装置で実行される前記命令が、フローチャート・ブロック(単数または複数)において特定されている機能を実装する手段を作り出す。これらのコンピュータ・プログラム命令は、コンピュータまたは他のプログラム可能装置に特定の仕方で機能するよう指令しうるコンピュータ可読メモリに記憶されてもよい。それにより、コンピュータ可読メモリに記憶された命令が、フローチャート・ブロック(単数または複数)において特定されている機能を実装する製造物を作り出す。コンピュータ・プログラム命令は、コンピュータまたは他のプログラム可能装置上で一連の動作を実行させるためにコンピュータまたは他のプログラム可能装置にロードされて、コンピュータ実装されるプロセスを生じさせてもよい。それにより、コンピュータまたは他のプログラム可能装置上で実行される前記命令が、フローチャート・ブロック(単数または複数)において特定されている機能を実装する。
よって、フローチャートの諸ブロックは、特定された機能を実行するための手段の組み合わせおよび特定された機能を実行するための動作の組み合わせをサポートする。フローチャートの一つまたは複数のブロックおよびフローチャート中のブロックの組み合わせが、特定された機能を実行する特殊目的ハードウェア・ベースのコンピュータ・システムまたは特殊目的ハードウェアとコンピュータ命令の組み合わせによって実装されることができることも理解される。
これに関し、本発明のある例示的実施形態に基づく気胸の存在を判別する方法が図4に示されている。図4の方法は、動作402を除いて完全に、あるいは少なくとも部分的に、処理回路100によって自動的に(たとえば、各ステップまたは一連のステップを開始するための操作者の対話なしに)実行されてもよい。本方法は、動作402において、肺の胸膜界面の少なくとも一部を含むスキャン領域に関係する超音波データのフレームのシーケンスを取得することを含んでいてもよい。データは少なくとも二つのフレームを含んでいてもよい。
ある例示的実施形態では、本方法はさらに、動作404において、たとえばマップ導出器301において、超音波データの前記二つのフレームの任意のものから一つの超音波データ・マップを導出し、次いで、超音波データの前記二つのフレームのそれぞれから一つの相関マップを導出し、動作406において、たとえばマップ・フィルタ302において、前記一つの超音波データ・マップおよび前記相関マップをフィルタリングして一つのフィルタリングされた超音波データ・マップおよび一つのフィルタリングされた相関マップを得て、動作408および410において、まとめてたとえば境界識別器303において、前記一つのフィルタリングされた相関マップにおいて、プローブの射程方向に沿った値変化が第一の所定の閾値を超える第一の境界を識別し、前記二つのフレームの規格化された相関関数に基づいて、識別された第一の境界の動きを判別することを含む。識別された第一の境界の動きを判別するために、動き導出器はさらに:動作412において、第一の境界を覆う第一の領域を決定し;第一の領域の動きを第一の境界の動きとして決定するよう構成される。代替的または追加的に、識別された第一の境界の動きを判別するために、動き導出器はさらに:動作414において、第一の境界よりプローブに近い背景軟組織のみを含む第二の領域を判別し;動作416において、たとえば動き検出器304において、第一の領域と第二の領域の間の相対的な動きを、第一の領域の動きとして決定するよう構成され、動作420において、たとえば肺点検出器305において、前記一つのフィルタリングされた相関マップにおいて、プローブの射程方向に直交する方向に沿った値変化が第四の所定の閾値を超える第二の境界を検出し、第二の境界が識別される場合には第二の境界に基づいて肺点を決定する。
もう一つの例示的実施形態では、本方法はさらに、動作404において、二つ以上の相関マップを導出することを含む。各相関マップは超音波データのシーケンスのフレームの対から導出され、各対は、その対の時間的フレームの間に第一の時間間隔(これは諸対の間で同じであっても変わってもよい)をもち、隣接する対に対して第二の時間間隔(これは諸対の間で同じであっても変わってもよい)をもつ。本方法はさらに、動作406において、前記二つ以上の相関マップをフィルタリングして、一つまたは二つ以上のフィルタリングされた相関マップを得て、動作408および410において、まとめてたとえば境界識別器303において、前記一つのフィルタリングされた相関マップまたは前記二つ以上のフィルタリングされた相関マップの複合バージョンにおいて、プローブの射程方向に沿った値変化が第一の所定の閾値を超える第一の境界を識別し、時間的フレームのシーケンスの規格化された相関関数に基づいて、識別された第一の境界の動きを判別することを含む。識別された第一の境界の動きを判別するために、動き導出器はさらに、動作412において、第一の境界を覆う第一の領域を決定し;第一の領域の動きを第一の境界の動きとして決定するよう構成される。代替的または追加的に、識別された第一の境界の動きを判別するために、動き導出器はさらに、動作414において、第一の境界よりプローブに近い背景軟組織のみを含む第二の領域を判別するよう構成され、動作416において、たとえば動き検出器304において、第一の領域と第二の領域の間の相対的な動きを、第一の境界の動きとして決定し、動作420において、たとえば肺点検出器305において、前記二つ以上のフィルタリングされた相関マップの複合バージョンにおいて、プローブの射程方向に直交する方向に沿った値変化が第四の所定の閾値を超える第二の境界を検出し、第二の境界が識別される場合には第二の境界に基づいて肺点を決定する。
解析のために超音波データ・マップまたは相関マップの複合バージョンをもつことが有利である。というのも、複合バージョンは、よりよい信号対雑音比(SNR)、第一の境界についてのよりよい検出可能性をもつことができ、(たとえばわずかな手ぶれによって引き起こされる)アーチファクトを低減できるからである。
本方法はさらに、第一の境界の識別、第一の境界の判別された動き、第二の境界の識別および/または肺点の存在の判定を、たとえばディスプレイであってもよいユーザー・インターフェースを介して表示することを含む。
本方法はさらに、動作424において、たとえば、異なる肋間スペースにおける肺点を見きわめ、それらの肺点を揃えることによって描かれる気胸の輪郭によって推定される気胸の体積の形で、PTXのサイズを決定し、動作426において、胸膜界面において形成された空洞の体積の形で肺のサイズを決定し、動作428において、気胸の体積と肺の体積との間の比として定義される気胸の割合を決定することを含んでいてもよく、動作424、426および428はたとえばみなPTX定量化器307において実行される。実際上は、胸壁の一つの側の長さが患者の姿(figure)に従って推定されることができ、胸壁または肺形状は確実性因子なので(それぞれの肺は頂点が上に、底辺が下にある三角形のような形である)、PTXのサイズとして定義される気胸の、ある方向に沿った胸壁の一つの側の長さに対する割合が推定されることができる。このようにして、気胸は自動的に定量化することができる。定量化結果はユーザー・インターフェースを介してユーザーに呈示されることができる。
いくつかの例示的実施形態では、超音波データ・マップが短時間エネルギー(STE: short time energy)・マップであってもよいことは理解されるべきである。STEマップはいったん振幅が得られれば得られ、量子化および符号化に関わらないので、より計算効率がよい。
STEマップは、プローブ10によって得られたまたは得られた後に処理された、ビデオ画像データ(すなわち医用デジタル撮像・通信(DICOM: Digital Imaging and Communications in Medicine)データ)、チャネルのビームフォーミングされていない高周波(RF)データ(すなわちチャネル・データ)およびビームフォーミングされたRFデータ(すなわち、高周波データ)のうちの任意のものから生成されることができる。
ある例示的実施形態では、組織高調波撮像モードにおける超音波RF信号のパルス反転(PI)バージョンが、解析および処理のための前記時間的フレームとして選択される。
基本周波数撮像モードにおける高周波データが解析および処理のために選択されてもよいことは当業者によって理解されるはずである。
相関は、さまざまな仕方で受領されたエコー信号から処理された信号である時間的フレームから決定されることができることも理解されるべきである。該処理は、帯域通過フィルタリング、間引き、I成分とQ成分の分離および高調波信号分離といったものであり、高調波信号分離は、身体から返される非線形な(基本周波数より高い高調波)エコー信号の識別を可能にするよう線形信号と非線形信号を分離するよう作用する。
上記のように、識別された第一の境界の動きを時間的フレームのシーケンスの規格化された相関関数に基づいて判別するときには、フィルタリングは必要とされない。しかしながら、当業者が胸膜ラインを決定するときは、精度要件を満たすために通常はフィルタリングが必要とされる。フィルタリングがないと、この解析結果に基づく検出は正確ではなく、患者にとって重大な脅威となる。
図5は、健康な被験者から組織高調波撮像モードで収集されたデータを示している。たとえば、図5(a)に示されるRFデータからのBスキャン画像(もとのバージョン同様の640ライン)、図5(b)に示されるパルス反転(PIバージョンの320ライン)、図5(c)に示される正送信バージョン(正バージョンと呼ばれる320ライン)、図5(d)に示される負送信バージョン(負バージョンと呼ばれる320ライン)である。図5(b)に示されるPIバージョンは、両方の側における二本の肋骨の間の第一の境界を識別するために最高の解像度を有することを注意しておく。
ある例示的実施形態では、相関マップは時間的相関係数(CC)マップである;あるいはまた、相関マップは規格化された相関係数(NCC)マップである。相関係数はピアソン積率相関係数(PPMCC)とも称され、フランシス・ゴールトン(Francis Galton)によって1880年代に導入された関係するアイデアからカール・ピアソン(Karl Pearson)によって開発されたものである。
CCマップおよびNCCマップはいずれも動きの識別に効果的だが、CCマップのほうがNCCマップよりも必要な計算が少ない。しかしながら、すでにNCCソリューションを実装している超音波撮像システムについては、NCCマップは直接適用されることができ、よってデータ解析器20の計算量が軽減できる。さらに、NCCマップは、異なるフレームの輝度の相違を埋め合わせることができる。
ある例示的実施形態では、5〜60サンプルの窓サイズをもつスライディング窓が、超音波データ・マップまたは相関マップ(単数または複数)を導出することにおいて適用される。好ましくは、25〜35サンプル、たとえば30サンプルの窓サイズが適用される。2フレームの間の小さな相違を識別する高い分解能をもつためには短いスライディング窓が使われるべきだが、短いスライディング窓は相関係数における大きな分散につながる。最適な窓サイズを決定するために、窓サイズを5サンプルから60まで5サンプルのきざみで変えてみる。窓サイズが5サンプルから60サンプルまで変わる際、長い窓サイズは膨大な計算につながるがパフォーマンスにおける実質的な向上にはつながらないこと、超音波データ・マップの変動性は窓サイズが25サンプルから35サンプルまでの間であるときに少なくなることが注目される。相関マップについても超音波データ・マップと同様の傾向がある。したがって、30サンプルの窓サイズが、データ解析およびのちの時点においては処理のために選択されることが妥協となる。これは計算負荷とパフォーマンスの間のバランスである。
ある例示的実施形態では、相関マップは超音波高周波データから抽出される振幅データを使って構築される。図6は、二つの時間的フレームにわたる30サンプルの窓サイズを用いての、RFデータに基づく時間的相関係数マップ(左)およびRF振幅データに基づく時間的相関係数マップ(右)を示している。超音波RFデータからの相関マップ(単数または複数)と比べて、超音波RFデータから抽出された振幅データからの相関マップ(単数または複数)は、二つの逐次的なフレームの間の動きがそれほど大きくない(よって二つの相続くフレームの間のコヒーレンスがより大きい)(発明の概要において記述した)第一の境界およびその上側エリアを識別することにおいて、また、よりランダムなRFデータが呈示される(よって二つの相続くフレームの間のコヒーレンスがより小さい)境界ラインより下の下側エリアにおいても、非常に堅牢な結果を示す。二つの示されている時間的相関係数マップの間の相違の理由は、プローブ内の超音波トランスデューサがデータ収集の間静止したままでいないことによってあるいは呼吸に起因する平面外動きによってアーチファクトが引き起こされる、RFデータにおける位相敏感問題(a phase sensitive issue)のためでありうる。
動作404のある例示的実施形態では、超音波データ・マップおよび相関マップは、超音波データから抽出される振幅データを使って構築される。これは、超音波データを直接使って構築されるものに対して、上記と同様の理由により、利点をもつ。
当業者は、超音波データ・マップおよび相関マップが、受領されたエコー信号からさまざまな仕方で処理された信号である時間的フレームから構築されることができることを理解するはずである。該処理は、帯域通過フィルタリング、間引き、I成分とQ成分の分離および高調波信号分離といったものであり、高調波信号分離は、身体から返される非線形な(基本周波数より高い高調波)エコー信号の識別を可能にするよう線形信号と非線形信号を分離するよう作用する。
動作406のある例示的実施形態では、相関マップおよび超音波データ・マップを得た後、ノイズを低減するために前記二種類のマップに対して2Dメジアン・フィルタが適用され、その後、さらなる平滑化のために2Dガウシアン・フィルタが適用される。
図7は、諸マップにおいて示されている、ある例示的実施形態の第一の境界の識別を示している。それらのマップは、二つの肋骨を横断して身体表面上にプローブを配置することによって得られる。ここで、プローブの長い辺は肋骨に垂直である。図7は、もとのCCマップ(a)、2Dメジアン・フィルタリングおよびそれに続く2Dガウシアン・フィルタリング後のフィルタリングされたCCマップ(b)、もとのCCマップ(点線で示す)およびフィルタリングされたCCマップ(実線で示す)についての200番目のスキャン・ラインに沿ったプロファイル、すなわち諸値(c)、もとのCCマップに重ねられた識別された第一の境界(白い曲線で示される)(d)、もとのSTEマップ(e)、もとのSTEマップの2Dメジアン・フィルタリングされたバージョン(f)、検出された実線と重ねられたもとのSTEマップの2Dメジアン・フィルタリングされたバージョンの2Dガウシアン・フィルタリングされたバージョン(明るい線で示す)(g)およびもとのパルス反転超音波画像に重ねられた最終的な識別された第一の境界(二つの肋骨の間の白線で示される)(h)を示している。
図7の(a)、(e)、(f)は動作404から帰結する。図7(b)は動作406から帰結する。図5(c)は、フィルタリングされたバージョンがよりなめらかであることを示している。図7(d)は動作408から帰結する。図7(g)は動作406および408の組み合わせから帰結する。図7(h)は動作402および410の組み合わせから帰結する。
動作408のある例示的実施形態では、複数のスキャン・ラインの各ラインについて(スキャン・ラインとは、当技術分野において知られているように、超音波の延在に沿っており、受信ラインとも呼ばれる)、前記一つのフィルタリングされた相関マップまたは前記二つ以上のフィルタリングされた相関マップの複合バージョンにおいて、第一の所定の閾値を超えるスキャン・ライン上の鋭い値変化がある点が識別され、次いで、前記複数のスキャン・ラインに沿ったそのような識別された点のすべてが第一の境界ラインをなす。たとえば、値変化は、フィルタリングされた相関マップにおけるスキャン・ラインに沿った点の値勾配に基づいて、あるいはフィルタリングされた規格化された相関係数マップにおいてスキャン・ラインに沿って約1から0.8に値が降下するという単純な事実に基づいて、決定されることができる。
ある例示的実施形態では、動作404はさらに、一つまたは複数の超音波データ・マップを導出することを含む。各超音波データ・マップは、超音波データの複数のフレームのうち時間的順序において対応するものから導出される。動作410では、前記一つのフィルタリングされた超音波データ・マップまたは前記二つ以上のフィルタリングされた超音波データ・マップの複合バージョンを、第二および第三の所定の閾値と比較することによって、第一の境界上の始点および終点が識別される。ここで、始点は、前記一つのフィルタリングされた超音波データ・マップまたは前記二つ以上のフィルタリングされた超音波データ・マップの複合バージョンにおいて第二の所定の閾値を超える鋭い値増加(たとえば最大の傾きをもつ値増加)があるような前記第一の境界上の点として識別され、終点は、前記二つのフィルタリングされた超音波データ・マップの一方または前記二つ以上のフィルタリングされた超音波データ・マップの複合バージョンにおいて第三の所定の閾値を超える鋭い値減少(たとえば最小の傾きをもつ値減少)があるような前記第一の境界上の点として検出される。
ある例示的実施形態では、前記最大の傾きおよび前記最小の傾きの絶対値は同じであり、よって、第二の所定の閾値は第三の所定の閾値に等しい。
ある例示的実施形態では、前記最大の傾きおよび前記最小の傾きの絶対値は同じではなく、よって、第二の所定の閾値は第三の所定の閾値に等しくない。
ある例示的実施形態では、前記所定の閾値のいずれも、経験または統計的な値から決定されることができる。
動作416のある例示的実施形態では、判別される動きは、垂直方向または水平方向または両方における変位および/または速度であることができる。
当技術分野において知られているように、スキャン・ラインに沿った方向は垂直方向(プローブの射程方向とも呼ばれる)であり、該垂直方向に直交する平面内の任意の方向、たとえば方位角方向または仰角方向は、水平方向である。
動作422のある例示的実施形態では、図8に示されるように、水平方向における平均より大きな動きが被験者において判別され、他方、図9に示されるように、水平方向における平均より少ない動きがPTX事例として判定される。
図8は、諸マップにおいて示されるある例示的実施形態の第一の境界の動き検出を示している。ここで、下側の四角(破線)は第一の境界が存在しているエリアを示し、第一の領域の幅は第一の境界全体を覆い、上側の四角(実線)はより浅い深さにおける、すなわち境界ラインより上での背景軟組織を示すものである(a)。フレーム番号とともに変化する対応する相関係数(第一の境界については破線で、背景軟組織については実線で示す)(b)、垂直方向における対応する変位(第一の境界については破線で、背景軟組織を示すためには実線で示し、二つのラインの間の相対変位は点線でマークされている)(c)、水平方向における対応する変位(第一の境界については破線で、背景軟組織については実線で示し、二つのラインの間の相対変位は点線でマークされている)(d)。
図9は、諸マップにおいて示されるある例示的実施形態の気胸の動き検出を示している。ここで、下側の四角(破線)はガス・ポケットが存在しているエリアを示し、上側の四角(実線)はより浅い深さにおける、すなわちガス・ポケットより上での背景軟組織を示すものである(a)。フレーム番号とともに変化する対応する相関係数(ガス・ポケットについては破線で、背景軟組織については実線で示す)(b)、垂直方向における対応する変位(ガス・ポケットについては破線で、背景軟組織を示すためには実線で示し、二つのラインの間の相対変位は点線でマークされている)(c)、水平方向における対応する変位(ガス・ポケットについては破線で、背景軟組織については実線で示し、二つのラインの間の相対変位は点線でマークされている)(d)。
下側の四角の描画は次のようなものである。胸膜滑動のために第一の境界が動く際、第一の境界のどの部分も四角の外に出ない。よって、第一の境界のサイズに比べた四角の幅および長さに関して20%ないし30%の余剰が保持される。二つのフレームの間での第一の境界の動きは、下側の四角のみから決定できる。たいていの場合、スキャンされるべき患者は横たわってじっとしているからである。柔軟性を考え、二つのフレームの間での第一の境界の動きを決定するために、上側の四角と下側の四角の間の相対的な動きが応用される。たとえば、第一のフレームにおける上側の四角の中のある点の水平位置がPu1であり、第二のフレームにおける上側の四角の中のその点の水平位置がPu2であり、第一のフレームにおける下側の四角の中の別の点の水平位置がPL1であり、第二のフレームにおける下側の四角の中の前記別の点の水平位置がPL2であるとすると、第一の実施形態では、第一のフレームと第二のフレームの間での前記別の点の水平変位はΔPであり、ΔP=PL2−PL1である。四角の中のすべての点の水平変位がこのようにして計算できる。四角の中のすべての点の平均変位を得ることができ、該平均変位が、被験者の胸膜界面の少なくとも一部を示す第一の境界の変位として取られる。第二の実施形態では、第一のフレームと第二のフレームの間での前記別の点の水平変位はΔPであり、ΔP=(PL2−PL1)−(PU2−PU1)である。同様に、下側の四角の中のすべての点の平均変位を上側の四角の中のすべての点の平均変位から引いたものが、胸膜界面の少なくとも一部の変位として取られる。さらに、フレーム・レートは既知なので、その結果、第一のフレームと第二のフレームの間の時間間隔ΔTも既知であり、その点の水平速度もV=ΔP/ΔTとして計算できる。第一の境界の垂直変位および速度が同様の仕方で計算できる。当業者には、そのような変位および速度パラメータがPTX検出において決定的であることが理解されるであろう。それらを直接的かつ自動的に提供できる従来技術はない。
図8および図9から、正常な健康な被験者については、水平方向におけるより多くの動きが見出され、気胸の事例については正常な健康な被験者に比べて水平方向におけるより少ない動きが見出されることが結論される。
計算された平均速度(AV)が、胸膜滑動を判別するために別の仕方で使用されることができる。図8または図9から計算された平均速度が速度閾値を超える場合、胸膜滑動があるとみなされる。そうでない場合には、胸膜滑動はないとみなされる。
実際には、図8および図9の垂直方向の動きも、正常な健康な被験者か気胸事例かを判定するために比較されることができる。しかしながら、図8および図9から見て取れるように、正常な肺は、ほとんど水平方向にある胸膜滑動のため、水平方向よりも垂直方向において少ない動きをもつ。よって、水平方向の比較が判定の制度を改善できる。
動作422のある例示的実施形態では、肺点が検出される場合、胸膜界面において気胸が存在すると判定される。肺点は、気胸についてのすべて高い規格化された相関係数をもつエリアと低相関係数および高相関係数の両方をもつエリアとの間のパターン変化がある、スキャンされた被験者の表面上の点として、見出される。図10は、諸マップにおいて示される、ある例示的実施形態の肺点検出を示している。これは、Bスキャン画像(a)、その対応する相関係数マップ(b)、平滑化された相関係数マップ(d)および気胸が存在するところを示す−3cm(点線)および正常な肺部分のエリアを示す+3cm(実線)におけるプロファイル(c)を示している。(d)では、肺点(超音波画像のほぼ中央の明るい線で示されている)が気胸と正常な肺部分の間にあることが見て取れる。図10(d)に示されるように、第二の境界が識別された後、それらの点から生成される曲線当てはめラインが形成され、このラインと撮像された被験者の表面との交点が肺点である。
ある例示的実施形態では、動作402はプローブ10によって実行され、動作404ないし428はデータ解析器20によって実行される。
実施形態が図示され、本稿で記述されてきたが、本技術の真の範囲から外れることなく、さまざまな変更および修正がなされてもよく、等価物がその要素の代用とされてもよいことは当業者によって理解されるであろう。さらに、中心的な範囲から外れることなく、特定の状況および本稿の教示に適応するために多くの修正がなされてもよい。したがって、本実施形態は、本技術を実行するために考えられている最良の形態として開示される特定の実施形態に限定されず、本実施形態は付属の請求項の範囲内にはいるあらゆる実施形態を含むことが意図されている。

Claims (15)

  1. 被験者の肺をスキャンするための超音波システムであって:
    肺の胸膜界面の少なくとも一部を含むスキャン領域に関係する超音波データの時間的フレームのシーケンスを取得するよう構成されたプローブであって、超音波データの各時間的フレームは少なくとも前記プローブの射程方向に沿って延びる、プローブと;
    処理回路を有するデータ解析器であって、前記データ解析器は、
    一つまたは二つ以上の相互相関マップを導出する段階であって、各相互相関マップは時間的フレームの前記シーケンスの時間的フレームの対から導出される、段階と;
    前記一つまたは二つ以上の相互相関マップをフィルタリングして一つまたは二つ以上のフィルタリングされた相関マップを取得する段階と;
    前記一つのフィルタリングされた相互相関マップまたは前記二つ以上のフィルタリングされた相互相関マップの複合バージョンにおいて、前記プローブの射程方向に沿った対応する相互相関マップの係数における値変化が第一の所定の閾値を超える第一の境界を識別する段階とを実行するよう構成されている、データ解析器とを有する、
    超音波システム。
  2. 前記データ解析器がさらに:
    一つまたは二つ以上の超音波データ・マップを導出する段階であって、各超音波マップは、時間的フレームの前記シーケンスの一つの時間的フレームまたは二つ以上の時間的フレームの複合バージョンから導出される、段階と;
    前記一つまたは二つ以上の超音波データ・マップをフィルタリングして一つまたは二つ以上のフィルタリングされた超音波データ・マップを取得する段階と;
    前記一つのフィルタリングされた超音波データ・マップまたは前記二つ以上のフィルタリングされた超音波データ・マップの複合バージョンにおいて、前記一つのフィルタリングされた相互相関マップまたは前記二つ以上のフィルタリングされた相互相関マップの複合バージョンとの組み合わせにおいて、前記第一の境界を識別する段階とを実行するよう構成されている、
    請求項1記載のシステム。
  3. 前記データ解析器がさらに、境界ライン、始点および終点の識別に基づいて前記第一の境界を識別するよう構成されており、前記境界ライン、前記始点および前記終点の識別は:
    前記一つのフィルタリングされた相関マップまたは前記二つ以上のフィルタリングされた相関マップの複合バージョンにおいて、複数のスキャン・ラインの各ラインからの、そのスキャン・ラインに沿った値変化が第一の所定の閾値を超える点を含む境界ラインを識別する段階と;
    前記一つのフィルタリングされた超音波データ・マップまたは前記二つ以上のフィルタリングされた超音波データ・マップの前記複合バージョンにおいて、前記境界ラインに沿っての、第二の所定の閾値を超える値増加がある点として始点を識別する段階と;
    前記一つの超音波データ・マップまたは前記二つ以上のフィルタリングされた超音波データ・マップの前記複合バージョンにおいて、前記境界ラインに沿っての、第三の所定の閾値を超える値減少がある点として終点を識別する段階とを含む、
    請求項2記載のシステム。
  4. 前記データ解析器がさらに:
    前記時間的フレームのシーケンスの規格化された相互相関関数に基づいて、識別された前記第一の境界の動きを判別するよう構成されている、
    請求項1記載のシステム。
  5. 識別された前記第一の境界の動きを判別するために、前記データ解析器がさらに:
    前記第一の境界を覆う第一の領域を決定し;
    前記第一の領域の動きを、識別された前記第一の境界の動きとして決定するよう構成されている、
    請求項4記載のシステム。
  6. 識別された前記第一の境界の動きを判別するために、前記データ解析器がさらに:
    前記第一の境界より前記プローブに近い背景軟組織のみを含む第二の領域を決定し;
    前記第一の領域と前記第二の領域の間の相対的な動きを、識別された前記第一の領域の動きとして決定するよう構成されている、
    請求項5記載のシステム。
  7. 前記データ解析器がさらに、前記一つのフィルタリングされた相互相関マップまたは前記二つ以上のフィルタリングされた相互相関マップの複合バージョンにおいて、前記射程方向に直交する方向に沿った前記相互対応マップの係数における値変化が第四の所定の閾値を超える第二の境界を識別するよう構成されている、請求項1記載のシステム。
  8. 前記データ解析器がさらに、前記第二の境界が識別される場合、前記第二の境界に基づいて肺点を検出するよう構成されている、請求項7記載のシステム。
  9. 前記超音波データおよび処理されたデータを呈示するよう較正されたディスプレイをさらに有する、請求項1記載のシステム。
  10. 超音波を使って被験者の肺をスキャンする方法であって:
    肺の胸膜界面の少なくとも一部を含むスキャン領域に関係する超音波データの時間的フレームのシーケンスを取得する段階であって、超音波データの各時間的フレームは少なくともプローブの射程方向に沿って延在する、段階と;
    一つまたは二つ以上の相互相関マップをそれぞれ時間的フレームの前記シーケンスの時間的フレームの対から導出する段階と;
    前記一つまたは二つ以上の相互相関マップをフィルタリングして一つまたは二つ以上のフィルタリングされた相互相関マップを取得する段階と;
    前記一つのフィルタリングされた相互相関マップまたは前記二つ以上のフィルタリングされた相互相関マップの複合バージョンにおいて、前記射程方向に沿った対応する相互相関マップの係数における値変化が第一の所定の閾値を超える第一の境界を識別する段階とを含む、
    方法。
  11. 前記時間的フレームのシーケンスの規格化された相互相関関数に基づいて、識別された前記第一の境界の動きを判別する段階をさらに含む、
    請求項10記載の方法。
  12. 識別された前記第一の境界の動きを判別することが:
    前記第一の境界を覆う第一の領域を決定し;
    前記第一の領域の動きを、前記第一の境界の動きとして決定することを含む、
    請求項11記載の方法。
  13. 識別された前記第一の境界の動きを判別することが:
    前記第一の境界より前記プローブに近い背景軟組織のみを含む第二の領域を決定し;
    前記第一の領域と前記第二の領域の間の相対的な動きを、前記第一の領域の動きとして決定することを含む、
    請求項12記載の方法。
  14. 前記一つのフィルタリングされた相互相関マップまたは前記二つ以上のフィルタリングされた相互相関マップの複合バージョンにおいて、前記射程方向に直交する方向に沿った値変化が第四の所定の閾値を超える第二の境界を検出する段階をさらに含む、請求項13記載の方法。
  15. 被験者の肺をスキャンするための超音波システムであって:
    肺の胸膜界面の少なくとも一部を含む領域に関係する超音波データの時間的フレームのシーケンスを取得するよう構成されたプローブであって、超音波データの各時間的フレームは少なくとも前記プローブの射程方向に沿って延在する、プローブと;
    データ解析器とを有しており、前記データ解析器は:
    一つまたは二つ以上の相互相関マップをそれぞれ時間的フレームの前記シーケンスの時間的フレームの対から導出するよう構成されたマップ導出器と;
    前記一つまたは二つ以上の相互相関マップをフィルタリングして一つまたは二つ以上のフィルタリングされた相互相関マップを取得するよう構成されたマップ・フィルタと;
    前記一つのフィルタリングされた相互相関マップにおいてまたは前記二つ以上のフィルタリングされた相互相関マップの複合バージョンにおいて、前記射程方向に沿った値変化が第一の所定の閾値を超える第一の境界を識別するよう構成されている境界識別器とを有する、
    超音波システム。
JP2017515924A 2014-09-25 2015-09-22 自動気胸検出のための装置および方法 Active JP6557328B2 (ja)

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
CN2014087428 2014-09-25
CNPCT/CN2014/087428 2014-09-25
EP14197094.7 2014-12-10
EP14197094 2014-12-10
PCT/EP2015/071625 WO2016046140A1 (en) 2014-09-25 2015-09-22 Device and method for automatic pneumothorax detection

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017532116A true JP2017532116A (ja) 2017-11-02
JP6557328B2 JP6557328B2 (ja) 2019-08-07

Family

ID=54185951

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017515924A Active JP6557328B2 (ja) 2014-09-25 2015-09-22 自動気胸検出のための装置および方法

Country Status (5)

Country Link
US (2) US10653388B2 (ja)
EP (1) EP3197367B1 (ja)
JP (1) JP6557328B2 (ja)
CN (1) CN107072637B (ja)
WO (1) WO2016046140A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7336443B2 (ja) 2018-01-10 2023-08-31 コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ 超音波撮像システム、装置、方法及び記憶媒体

Families Citing this family (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11185311B2 (en) 2015-09-17 2021-11-30 Koninklijke Philips N.V. Distinguishing lung sliding from external motion
EP3397169A1 (en) * 2015-12-30 2018-11-07 Koninklijke Philips N.V. An ultrasound system and method
WO2017162860A1 (en) 2016-03-24 2017-09-28 Koninklijke Philips N.V. Ultrasound system and method for detecting lung sliding
EP3554380B1 (en) * 2016-12-13 2022-11-02 Koninklijke Philips N.V. Target probe placement for lung ultrasound
WO2018178212A1 (en) 2017-03-28 2018-10-04 Koninklijke Philips N.V. Ultrasound clinical feature detection and associated devices, systems, and methods
US11419584B2 (en) * 2017-06-28 2022-08-23 Tokitae, LLC Devices, systems, and methods for diagnosis of pulmonary conditions through detection of b-lines in lung sonography
WO2019034743A1 (en) * 2017-08-16 2019-02-21 Koninklijke Philips N.V. ULTRASONIC DETERMINATION OF A DYNAMIC AERONIC BRONCHOGRAM AND ASSOCIATED DEVICES, SYSTEMS AND ASSOCIATED METHODS
WO2019038210A1 (en) * 2017-08-21 2019-02-28 Koninklijke Philips N.V. DETECTION, PRESENTATION AND REPORTING OF B LINES IN PULMONARY ULTRASONES
WO2019061148A1 (zh) * 2017-09-28 2019-04-04 北京匡图医疗科技有限公司 超声动态图像处理方法、装置及超声摄像设备
US11151726B2 (en) * 2018-01-10 2021-10-19 Canon Medical Systems Corporation Medical image processing apparatus, X-ray diagnostic apparatus, and medical image processing method
EP3829446B1 (en) * 2018-07-27 2022-07-13 Koninklijke Philips N.V. Devices, systems, and methods for lung pulse detection in ultrasound
CN109598730B (zh) * 2018-12-03 2019-12-20 鄂珑江 胸片分割及处理方法、系统及电子设备
WO2020163477A1 (en) * 2019-02-05 2020-08-13 The Regents Of The University Of Michigan Ultrasound speckle decorrelation estimation of lung motion and ventilation
CN112801957A (zh) * 2021-01-18 2021-05-14 华东师范大学 一种基于超声应变成像的气胸自动检测系统
US20220225892A1 (en) * 2021-01-20 2022-07-21 Vivonics, Inc. System and method for detecting and/or monitoring the presence of at least one of pneumothorax, hemopneumothorax, or hemothorax in a living subject using one or more light sources and one or more light detectors

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN1516051A (zh) * 2003-08-27 2004-07-28 中国人民解放军第一军医大学 基于广义模糊梯度矢量流场的医学序列图像运动估计方法
WO2006044996A2 (en) * 2004-10-15 2006-04-27 The Trustees Of Columbia University In The City Of New York System and method for automated boundary detection of body structures
WO2008073560A2 (en) * 2006-10-06 2008-06-19 Verathon Inc. Systems and methods for lung imaging, pneumothorax detection and endotracheal tube insertion
JP2008154626A (ja) * 2006-12-20 2008-07-10 Hitachi Medical Corp 超音波診断装置
US20130184584A1 (en) * 2012-01-17 2013-07-18 Richard E. Berkey Systems and methods for computerized ultrasound image interpretation and labeling
US8914097B2 (en) * 2012-01-30 2014-12-16 The Johns Hopkins University Automated pneumothorax detection

Family Cites Families (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3134009B2 (ja) 1990-11-21 2001-02-13 アーチ・デベロップメント・コーポレーション 画像処理方法及び装置
US5816245A (en) 1995-06-01 1998-10-06 Manseur; Rachid Electronic pneumothorax monitoring device
US6368286B1 (en) 1998-06-04 2002-04-09 Eric D. Whitman Pneumothorax detector
DE10055564A1 (de) 2000-11-09 2002-06-06 Siemens Ag Vorrichtung zur automatischen Erkennung des Pneumothorax
US7775978B2 (en) * 2005-03-09 2010-08-17 Siemens Medical Solutions Usa, Inc. Cyclical information determination with medical diagnostic ultrasound
US10687785B2 (en) * 2005-05-12 2020-06-23 The Trustees Of Columbia Univeristy In The City Of New York System and method for electromechanical activation of arrhythmias
US20090149748A1 (en) 2005-08-25 2009-06-11 Virginia Commonwealth University Portable Pulmonary Injury diagnostic Devices And Methods
JP4751282B2 (ja) * 2006-09-27 2011-08-17 株式会社日立製作所 超音波診断装置
CN101553579B (zh) * 2006-10-06 2016-01-20 赛里根有限公司 用于定向生物标志物信号放大的荧光方法和材料
TR200903881A2 (tr) 2009-05-20 2009-12-21 Bayraktar Volkan Portatif pnömotoraks cihazı.
CN102429686A (zh) * 2011-11-18 2012-05-02 无锡祥生医学影像有限责任公司 超声诊断仪的空间复合成像方法
KR101382625B1 (ko) 2012-10-17 2014-04-10 고려대학교 산학협력단 대상체의 동적 변화 산출 장치 및 방법

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN1516051A (zh) * 2003-08-27 2004-07-28 中国人民解放军第一军医大学 基于广义模糊梯度矢量流场的医学序列图像运动估计方法
WO2006044996A2 (en) * 2004-10-15 2006-04-27 The Trustees Of Columbia University In The City Of New York System and method for automated boundary detection of body structures
WO2008073560A2 (en) * 2006-10-06 2008-06-19 Verathon Inc. Systems and methods for lung imaging, pneumothorax detection and endotracheal tube insertion
JP2008154626A (ja) * 2006-12-20 2008-07-10 Hitachi Medical Corp 超音波診断装置
US20130184584A1 (en) * 2012-01-17 2013-07-18 Richard E. Berkey Systems and methods for computerized ultrasound image interpretation and labeling
US8914097B2 (en) * 2012-01-30 2014-12-16 The Johns Hopkins University Automated pneumothorax detection

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7336443B2 (ja) 2018-01-10 2023-08-31 コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ 超音波撮像システム、装置、方法及び記憶媒体

Also Published As

Publication number Publication date
CN107072637B (zh) 2020-07-28
EP3197367B1 (en) 2020-03-18
EP3197367A1 (en) 2017-08-02
US20170273659A1 (en) 2017-09-28
US20200222027A1 (en) 2020-07-16
US10653388B2 (en) 2020-05-19
CN107072637A (zh) 2017-08-18
JP6557328B2 (ja) 2019-08-07
US11497463B2 (en) 2022-11-15
WO2016046140A1 (en) 2016-03-31

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6557328B2 (ja) 自動気胸検出のための装置および方法
JP6266160B2 (ja) 血管を識別する超音波システム及び方法
EP3432803B1 (en) Ultrasound system and method for detecting lung sliding
KR102307356B1 (ko) 컴퓨터 보조 진단 장치 및 방법
KR102287021B1 (ko) 전단파 탄성초음파 영상화를 수행하기 위한 영상화 방법 및 장치
CN108024791B (zh) 将肺滑动与外部运动区分
US20150250446A1 (en) Ultrasound diagnostic apparatus, image processing apparatus, and image processing method
JP6154496B2 (ja) 超音波を使用するガスポケットを検出するための方法及び装置
CA2823872A1 (en) System, method and device for automatic and autonomous determination of hemodynamic and cardiac parameters using ultrasound
US20090030324A1 (en) Ultrasonic diagnostic apparatus and method for controlling the same
US20140018682A1 (en) Ultrasonic diagnostic apparatus and ultrasonic diagnostic image rendering method
KR20130080640A (ko) 초음파 영상 제공 방법 및 초음파 영상 제공 장치
JP2023525742A (ja) リスク及び不確実性の定量化を介する医療超音波画像に対する機械学習予測のゲーティング
KR20100117698A (ko) 초음파 영상을 정렬시키는 초음파 시스템 및 방법
JP2016112285A (ja) 超音波診断装置
CN112515747A (zh) 用于分析超声场景以提供针引导和警告的方法和系统
JP4563788B2 (ja) 超音波診断装置
WO2018016233A1 (ja) 超音波撮像装置およびその演算方法
JP6356528B2 (ja) 超音波診断装置
US20190099083A1 (en) Information processing apparatus and information processing method
US11497473B2 (en) Ultrasound cardiac processing
JP6560597B2 (ja) 超音波画像の処理方法及び超音波画像の処理装置
JP2015216976A (ja) 超音波診断装置
JP2011130825A (ja) 超音波データ処理装置およびそのプログラム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180918

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190524

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190618

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190711

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6557328

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250