本発明で使われる用語は、本発明における機能を考慮するとともに、可能な限り現在広く使われる一般的な用語を選択したが、これは、当該分野に従事する技術者の意図、判例、又は新しい技術の出現などによって変更されてもよい。また、特定の場合には、出願人が任意に選定した用語もあり、この場合、該当する発明の説明の部分において詳しくその意味を記載するものとする。したがって、本発明で使われる用語は、単純な用語の名称ではなく、その用語が有する意味と本発明の全般にわたる内容に基づいて定義されなければならない。
以下の実施例は、本発明の構成要素と特徴を所定の形態に結合したものである。各構成要素又は特徴は、別の明示的な言及がない限り、選択的なものとして考慮することができる。各構成要素又は特徴は、他の構成要素や特徴と結合しない形態で実施することもでき、一部の構成要素及び/又は特徴を結合して本発明の実施例を構成することもできる。本発明の実施例で説明する動作の順序は変更されてもよい。ある実施例の一部の構成や特徴は、他の実施例に含まれてもよく、他の実施例の対応する構成又は特徴に取って代わってもよい。
図面に関する説明において、本発明の要旨を曖昧にさせ得る手順又は段階などは記述を省略し、当業者のレベルで理解可能な程度の手順又は段階も記述しないものとする。
明細書の全体を通じて、ある部分がある構成要素を“含む(又は、備える)”としたとき、これは、特別に反対する記載がない限り、他の構成要素を除外するという意味ではなく、他の構成要素をさらに含み得るということを意味する。また、明細書に記載された“…部”,“… 器”,“モジュール”などの用語は、少なくとも一つの機能や動作を処理する単位を意味し、これは、ハードウェア、ソフトウェア、又はハードウェア及びソフトウェアの結合によって具現することができる。また、“一つ(a又はan)”、“一(one)”,“前記(the)”及び類似の関連語は、本明細書及び以下の請求項において、本明細書に特別に指示されたり又は文脈によって明らかに反駁されない限り、単数及び複数の両意味で使われるものとする。
本明細書で、本発明の実施例は、基地局と移動局との間におけるデータ送受信関係を中心に説明されている。ここで、基地局は、移動局と直接的に通信を行うネットワークの終端ノード(terminal node)としての意味がある。本文書で基地局によって行われると説明された特定動作は、場合によっては、基地局の上位ノード(upper node)によって行われてもよい。
すなわち、基地局を含む複数のネットワークノード(network nodes)で構成されるネットワークにおいて移動局との通信のために行われる様々な動作は、基地局又は基地局以外のネットワークノードによって行われる。ここで、‘基地局’は、固定局(fixed station)、Node B、eNode B(eNB)、発展した基地局(Advanced Base Station、ABS)、又はアクセスポイント(access point)などの用語に言い換えてもよい。
また、‘移動局(Mobile Station、MS)’は、UE(User Equipment)、SS(Subscriber Station)、MSS(Mobile Subscriber Station)、移動端末(Mobile Terminal)、発展した移動端末(Advanced Mobile Station、AMS)、又は端末(Terminal)などの用語に言い換えてもよい。
また、送信端は、データサービス又は音声サービスを提供する固定及び/又は移動ノードを意味し、受信端は、データサービス又は音声サービスを受信する固定及び/又は移動ノードを意味する。このため、上りリンクでは移動局を送信端とし、基地局を受信端とすることができる。同様に、下りリンクでは移動局を受信端とし、基地局を送信端とすることができる。
また、デバイスが‘セル’と通信を行うという記載は、デバイスが該当のセルの基地局と信号を送受信することを意味することができる。すなわち、デバイスが信号を送受信する実質的な対象は特定の基地局であるが、記載の便宜上、特定の基地局によって形成されるセルと信号を送/受信すると記載してもよい。同様に、‘マクロセル’及び/又は‘スモールセル’という記載は、それぞれ、特定のカバレッジ(coverage)を意味してもよく、‘マクロセルを支援するマクロ基地局’及び/又は‘スモールセルを支援するスモールセル基地局’を意味してもよい。
本発明の実施例は、無線接続システムであるIEEE 802.xxシステム、3GPPシステム、3GPP LTEシステム、及び3GPP2システムのうち少なくとも一つに開示された標準文書によって裏付けることができる。すなわち、本発明の実施例において説明していない自明な段階又は部分は、上記の文書を参照して説明することができる。
また、本文書で開示している全ての用語は、上記の標準文書によって説明することができる。特に、本発明の実施例は、IEEE 802.16システムの標準文書であるP802.16e−2004、P802.16e−2005、P802.16.1、P802.16p及びP802.16.1b標準文書のうち一つ以上によって裏付けることができる。
以下、本発明に係る好適な実施形態を、添付の図面を参照して詳細に説明する。添付の図面と共に以下に開示する詳細な説明は、本発明の例示的な実施の形態を説明するためのものであり、本発明が実施され得る唯一の実施の形態を示すためのものではない。
また、本発明の実施例で使われる特定の用語は、本発明の理解を助けるために提供されるものであり、このような特定の用語の使用は、本発明の技術的思想から逸脱しない範囲で他の形態に変更されてもよい。
1. IEEE 802.11システム一般
1.1 WLANシステムの構造
図1は、本発明を適用できるIEEE 802.11システムの例示的な構造を示す図である。
IEEE 802.11構造は複数個の構成要素を含むことができ、それら構成要素の相互作用によって上位層に対してトランスペアレントなSTA移動性を支援するWLANを提供することができる。基本サービスセット(Basic Service Set;BSS)はIEEE 802.11 LANにおける基本的な構成ブロックに該当してもよい。図1では、2個のBSS(BSS1及びBSS2)が存在し、それぞれのBSSのメンバーとして2個のSTAが含まれること(STA1及びSTA2はBSS1に含まれ、STA3及びSTA4はBSS2に含まれる)を例示的に示している。図1で、BSSを示す楕円は、当該BSSに含まれたSTAが通信を維持するカバレッジ領域を表すものと理解してもよい。この領域をBSA(Basic Service Area)と称することができる。STAがBSAの外へ移動すると、当該BSA内の他のSTAと直接通信できなくなる。
IEEE 802.11 LANにおいて最も基本的なタイプのBSSは、独立したBSS(Independent BSS;IBSS)である。例えば、IBSSは、2個のSTAだけで構成された最小の形態を有することができる。また、最も単純な形態であるとともに他の構成要素が省略されている図1のBSS(BSS1又はBSS2)がIBSSの代表的な例示に該当してもよい。このような構成は、STA同士が直接通信できる場合に可能である。また、このような形態のLANはあらかじめ計画して構成されるものではなく、LANが必要な場合に構成されるものであってもよく、これをアド−ホック(ad−hoc)ネットワークと呼ぶこともできる。
STAの電源オン/オフ、STAのBSS領域への入/出などによって、BSSにおいてSTAのメンバーシップが動的に変更することがある。BSSのメンバーになるためには、STAは同期化過程を用いてBSSにジョインすればよい。BSS基板構造の全てのサービスにアクセスするためには、STAはBSSに関連付けられなければならない。このような関連付け(association)は動的に設定されてもよく、分配システムサービス(Distribution System Service;DSS)の利用を含むことができる。
図2は、本発明を適用できるIEEE 802.11システムの他の例示的な構造を示す図である。図2は、図1の構造において、分配システム(Distribution System;DS)、分配システム媒体(Distribution System Medium;DSM)、アクセスポイント(Access Point;AP)などの構成要素が追加された形態である。
LANにおいて直接的なステーション−対−ステーションの距離はPHY性能によって制限されることがある。場合によって、このような距離の限界が充分なこともあれば、より遠い距離のステーション間の通信が必要なこともある。拡張されたカバレッジを支援するために分配システム(DS)を構成することができる。
DSは、BSS同士が相互接続される構造を意味する。具体的に、図1のようにBSSが独立して存在する代わりに、複数個のBSSで構成されたネットワークの拡張された形態の構成要素としてBSSが存在してもよい。
DSは論理的な概念であり、分配システム媒体(DSM)の特性によって特定することができる。これと関連して、IEEE 802.11標準では無線媒体(Wireless Medium;WM)と分配システム媒体(DSM)とを論理的に区別している。それぞれの論理的媒体は互いに異なる目的のために使用され、互いに異なる構成要素によって使用される。IEEE 802.11標準の定義では、このような媒体を互いに同一なものとも、互いに異なるものとも制限しない。このように複数個の媒体が論理的に互いに異なるという点で、IEEE 802.11 LAN構造(DS構造又は他のネットワーク構造)の柔軟性を説明することができる。すなわち、IEEE 802.11 LAN構造は様々に具現することができ、それぞれの具現例の物理的な特性によって独立的に当該LAN構造を特定することができる。
DSは複数個のBSSのシームレス(seamless)な統合を提供し、あて先へのアドレスを扱うために必要な論理的サービスを提供することによって移動機器を支援することができる。
APとは、関連付いているSTAに対してWMを通じてDSへのアクセスを可能にし、且つSTA機能性を有する個体を意味する。APを通じてBSS及びDS間のデータ移動が行われてもよい。例えば、図2に示すSTA2及びSTA3は、STAの機能性を有するとともに、関連付いているSTA(STA1及びSTA4)をDSにアクセスさせる機能を提供する。また、いかなるAPも基本的にSTAに該当するため、APはいずれもアドレス可能な個体である。WM上での通信のためにAPによって使われるアドレスとDSM上での通信のためにAPによって使われるアドレスは必ずしも同一である必要はない。
APに関連付いているSTAのいずれか一つから該APのSTAアドレスに送信されるデータは、常に非制御ポート(uncontrolled port)で受信され、IEEE 802.1Xポートアクセス個体によって処理されてもよい。また、制御ポート(controlled port)が認証されると、送信データ(又は、フレーム)はDSに伝達されてもよい。
図3は、本発明を適用できるIEEE 802.11システムのさらに他の例示的な構造を示す図である。図3では、図2の構造に追加的に広いカバレッジを提供するための拡張されたサービスセット(Extended Service Set;ESS)を概念的に示す。
任意の(arbitrary)大きさ及び複雑度を有する無線ネットワークがDS及びBSSによって構成されてもよい。IEEE 802.11システムでは、このような方式のネットワークをESSネットワークと称する。ESSは、一つのDSに接続されたBSSの集合に該当し得る。しかし、ESSはDSを含まない。ESSネットワークはLLC(Logical Link Control)層でIBSSネットワークとして見える点が特徴である。ESSに含まれるSTAは互いに通信することができ、移動STAはLLCにトランスペアレントに一つのBSSから他のBSSに(同一ESS内で)移動することができる。
IEEE 802.11では、図3におけるBSSの相対的な物理的位置について何ら仮定しておらず、次のような形態がいずれも可能である。BSSは部分的に重なってもよく、これは、連続したカバレッジを提供するために一般に利用される形態である。また、BSSは物理的に接続していなくてもよく、論理的にはBSS同士間の距離に制限はない。また、BSS同士は物理的に同一位置に位置してもよく、これはリダンダンシーを提供するために利用され得る。また、一つ(又は、一つ以上の)IBSS又はESSネットワークが一つ(又は一つ以上の)ESSネットワークとして同一空間に物理的に存在してもよい。これは、ESSネットワークが存在する位置にアド−ホックネットワークが動作する場合、互いに異なる機関(organizations)によって物理的に重なるIEEE 802.11ネットワークが構成される場合、又は、同一位置で2つ以上の互いに異なるアクセス及び保安政策が必要な場合などにおける、ESSネットワーク形態に該当し得る。
図4は、無線LANシステムの例示的な構造を示す図である。図4では、DSを含む基板構造BSSの一例が示されている。
図4の例示で、BSS1及びBSS2がESSを構成する。無線LANシステムにおいてSTAはIEEE 802.11のMAC/PHY規定に従って動作する機器である。STAはAP STA及び非−AP(non−AP)STAを含む。Non−AP STAは、ラップトップコンピュータ、移動電話機のように、一般にユーザが直接扱う機器に該当する。図4の例示で、STA1、STA3、STA4はnon−AP STAに該当し、STA2及びSTA5はAP STAに該当する。
以下の説明で、non−AP STAは、端末(terminal)、無線送受信ユニット(Wireless Transmit/Receive Unit;WTRU)、ユーザ装置(User Equipment;UE)、移動局(Mobile Station;MS)、移動端末(Mobile Terminal)、移動加入者局(Mobile Subscriber Station;MSS)などと呼ぶことができる。また、APは、他の無線通信分野における、基地局(Base Station;BS)、ノード−B(Node−B)、発展したノード−B(evolved Node−B;eNB)、基底送受信システム(Base Transceiver System;BTS)、フェムト基地局(Femto BS)などに対応する概念である。
1.2 リンクセットアップ過程
図5は、一般のリンクセットアップ(link setup)過程を説明するための図である。
STAがネットワークに対してリンクをセットアップし、データを送受信するためには、まず、ネットワークを発見(discovery)し、認証(authentication)を行い、関連付け(association)を確立(establish)し、保安(security)のための認証手順などを行わなければならない。リンクセットアップ過程をセッション開始過程、セッションセットアップ過程と呼ぶこともできる。また、リンクセットアップ過程の発見、認証、関連付け、保安設定の過程を総称して関連付け過程と呼ぶこともできる。
図5を参照して例示的なリンクセットアップ過程について説明する。
段階S510で、STAはネットワーク発見動作を行うことができる。ネットワーク発見動作はSTAのスキャニング(scanning)動作を含むことができる。すなわち、STAがネットワークにアクセスするためには、参加可能なネットワークを探さなければならない。STAは無線ネットワークに参加する前に互換可能なネットワークを識別しなければならないが、特定領域に存在するネットワーク識別過程をスキャニングという。スキャニング方式には、能動的スキャニング(active scanning)と受動的スキャニング(passive scanning)がある。
図5では例示として能動的スキャニング過程を含むネットワーク発見動作を示す。能動的スキャニングにおいて、スキャニングを行うSTAはチャネルを移しながら周辺にどのAPが存在するかを探索するためにプローブ要請フレーム(probe request frame)を送信して、それに対する応答を待つ。応答者(responder)は、プローブ要請フレームを送信したSTAに、プローブ要請フレームに対する応答としてプローブ応答フレーム(probe response frame)を送信する。ここで、応答者は、スキャニングされているチャネルのBSSで最後にビーコンフレーム(beacon frame)を送信したSTAであってもよい。BSSでは、APがビーコンフレームを送信するため、APが応答者となり、IBSSでは、IBSS内のSTAが交互にビーコンフレームを送信するため、応答者が一定でない。例えば、1番チャネルでプローブ要請フレームを送信し、1番チャネルでプローブ応答フレームを受信したSTAは、受信したプローブ応答フレームに含まれたBSS関連情報を保存し、次のチャネル(例えば、2番チャネル)に移動して同一の方法でスキャニング(すなわち、2番チャネル上でプローブ要請/応答の送受信)を行うことができる。
図5には示していないが、スキャニング動作は受動的スキャニング方式で行われてもよい。受動的スキャニングにおいて、スキャニングを行うSTAはチャネルを移しながらビーコンフレームを待つ。ビーコンフレームは、IEEE 802.11において管理フレーム(management frame)の一つであり、無線ネットワークの存在を知らせ、スキャニングを行うSTAにとって無線ネットワークを探して無線ネットワークに参加できるように周期的に送信される。BSSでAPがビーコンフレームを周期的に送信する役割を担い、IBSSではIBSS内のSTAが交互にビーコンフレームを送信する。スキャニングを行うSTAはビーコンフレームを受信すると、ビーコンフレームに含まれたBSSに関する情報を保存し、他のチャネルに移動しながら各チャネルでビーコンフレーム情報を記録する。ビーコンフレームを受信したSTAは、受信したビーコンフレームに含まれたBSS関連情報を保存し、次のチャネルに移動して同一の方法で次のチャネルでスキャニングを行うことができる。
能動的スキャニングと受動的スキャニングとを比較すれば、能動的スキャニングが受動的スキャニングに比べてディレー(delay)及び電力消耗が小さいという利点がある。
STAがネットワークを発見した後に、段階S520で認証過程を行うことができる。このような認証過程は、後述する段階S540の保安セットアップ動作と明確に区別するために、第1の認証(first authentication)過程と呼ぶことができる。
認証過程は、STAが認証要請フレーム(authentication request frame)をAPに送信し、これに応答してAPが認証応答フレーム(authentication response frame)をSTAに送信する過程を含む。認証要請/応答に使われる認証フレーム(authentication frame)は管理フレームに該当する。
認証フレームは、認証アルゴリズム番号(authentication algorithm number)、認証トランザクションシーケンス番号(authentication transaction sequence number)、状態コード(status code)、検問テキスト(challenge text)、RSN(Robust Security Network)、有限循環グループ(Finite Cyclic Group)などに関する情報を含むことができる。これは、認証要請/応答フレームに含まれ得る情報の一例示に過ぎず、他の情報に置き換わったり、追加の情報がさらに含まれたりしてもよい。
STAは認証要請フレームをAPに送信することができる。APは、受信された認証要請フレームに含まれた情報に基づいて、当該STAに対する認証を許容するか否かを決定することができる。APは認証処理の結果を認証応答フレームを通じてSTAに提供することができる。
STAが成功的に認証された後に、段階S530で関連付け過程を行うことができる。関連付け過程は、STAが関連付け要請フレーム(association request frame)をAPに送信し、それに応答してAPが関連付け応答フレーム(association response frame)をSTAに送信する過程を含む。
例えば、関連付け要請フレームは、様々な能力(capability)に関する情報、ビーコン聴取間隔(listenin terval)、SSID(service set identifier)、支援レート(supported rates)、支援チャネル(supported channels)、RSN、移動性ドメイン、支援オペレーティングクラス(supported operating classes)、TIM放送要請(Traffic Indication Map Broadcast request)、相互動作(interworking)サービス能力などに関する情報を含むことができる。
例えば、関連付け応答フレームは、様々な能力に関する情報、状態コード、AID(Association ID)、支援レート、EDCA(Enhanced Distributed Channel Access)パラメータセット、RCPI(Received Channel Power Indicator)、RSNI(Received Signal to Noise Indicator)、移動性ドメイン、タイムアウト間隔(関連付けカムバック時間(association comeback time))、重複(overlapping)BSSスキャンパラメータ、TIM放送応答、QoSマップなどの情報を含むことができる。
これは関連付け要請/応答フレームに含まれ得る情報の一例に過ぎず、他の情報に置き換わったり、追加の情報がさらに含まれたりしてもよい。
STAがネットワークに成功的に関連付けられた後に、段階S540で保安セットアップ過程を行うことができる。段階S540の保安セットアップ過程は、RSNA(Robust Security Network Association)要請/応答を通じた認証過程ということもでき、上記の段階S520の認証過程を第1の認証(first authentication)過程とし、段階S540の保安セットアップ過程を単純に認証過程と呼ぶこともできる。
段階S540の保安セットアップ過程は、例えば、EAPOL(Extensible Authentication Protocol over LAN)フレームを通じた4−ウェイ(way)ハンドシェーキングを通じて、プライベートキーセットアップ(private key setup)をする過程を含むことができる。また、保安セットアップ過程は、IEEE 802.11標準で定義しない保安方式によって行われてもよい。
2.1 WLANの進化
無線LANで通信速度の限界を克服するために比較的最近に制定された技術標準としてIEEE 802.11nが存在する。IEEE 802.11nは、ネットワークの速度と信頼性を増大させ、且つ無線ネットワークの運営距離を拡張することに目的がある。より具体的に、IEEE 802.11nは、データ処理速度が最大540Mbps以上である高処理率(High Throughput;HT)を支援するとともに、送信エラーを最小化し、データ速度を最適化するために送信端と受信端の両方とも多重アンテナを使用するMIMO(Multiple Inputs and Multiple Outputs)技術に基づいている。
無線LANの普及が活性化され、さらにそれを用いたアプリケーションが多様化するに伴って、最近ではIEEE 802.11nが支援するデータ処理速度よりも高い処理率を支援するための新しい無線LANシステムの必要性が台頭している。超高処理率(Very High Throughput;VHT)を支援する次世代無線LANシステムは、IEEE 802.11n無線LANシステムの次のバージョン(例えば、IEEE 802.11ac)であり、MACサービスアクセスポイント(Service Access Point;SAP)で1Gbps以上のデータ処理速度を支援するために最近に新しく提案されているIEEE 802.11無線LANシステムの一つである。
次世代無線LANシステムは、無線チャネルを效率的に利用するために複数のSTAが同時にチャネルにアクセスするMU−MIMO(Multi User Multiple Input Multiple Output)方式の送信を支援する。MU−MIMO送信方式によれば、APが、MIMOペアリング(pairing)された一つ以上のSTAに同時にパケットを送信することができる。
また、ホワイトスペース(white space)で無線LANシステム動作を支援することが議論されている。例えば、アナログTVのデジタル化による遊休状態の周波数帯域(例えば、54〜698MHz帯域)のようなTVホワイトスペース(TVWS)での無線LANシステムの導入は、IEEE 802.11af標準として議論されている。しかし、これは例示に過ぎず、ホワイトスペースは、許可されたユーザ(licensed user)が優先して使用できる許可された帯域といえる。許可されたユーザは、許可された帯域の使用が許可されたユーザのことを意味し、許可された装置(licensed device)、プライマリユーザ(primary user)、優先的ユーザ(incumbent user)などと呼ぶこともできる。
例えば、WSで動作するAP及び/又はSTAは、許可されたユーザに対する保護(protection)機能を提供しなければならない。例えば、WS帯域で特定帯域幅を有するように規約(regulation)上分割されている周波数帯域である特定WSチャネルを、マイクロホン(microphone)のような許可されたユーザが既に使用している場合、許可されたユーザを保護するために、AP及び/又はSTAは当該WSチャネルに該当する周波数帯域は使用することができない。また、AP及び/又はSTAは、現在フレーム送信及び/又は受信のために使用している周波数帯域を許可されたユーザが使用するようになると、当該周波数帯域の使用を中止しなければならない。
そのため、AP及び/又はSTAは、WS帯域中の特定周波数帯域の使用が可能か否か、すなわち、当該周波数帯域に許可されたユーザが存在するか否かを把握する手順を先行しなければならない。許可されたユーザが特定周波数帯域に存在するか否かを把握することをスペクトルセンシング(spectrum sensing)という。スペクトルセンシングメカニズムとして、エネルギー探知(energy detection)方式、信号探知(signature detection)方式などが活用される。受信信号の強度が一定値以上であれば、許可されたユーザが使用中であると判断したり、DTVプリアンブル(preamble)が検出されると、許可されたユーザが使用中であると判断すればよい。
また、次世代通信技術としてM2M(Machine−to−Machine)通信技術が議論されている。IEEE 802.11無線LANシステムでもM2M通信を支援するための技術標準がIEEE 802.11ahとして開発されている。M2M通信は、一つ以上のマシン(Machine)が含まれる通信方式を意味し、MTC(Machine Type Communication)又は事物通信と呼ばれることもある。ここで、マシンとは、人間の直接的な操作や介入を必要としない個体(entity)を意味する。例えば、無線通信モジュールが搭載された検針機(meter)や自動販売機のような装置を含めて、ユーザの操作/介入無しで自動でネットワークに接続して通信を行うことができるスマートフォンのようなユーザ機器もマシンの例示に該当し得る。M2M通信は、デバイス間の通信(例えば、D2D(Device−to−Device)通信)、デバイスとサーバー(application server)間の通信などを含むことができる。デバイスとサーバー間の通信の例示としては、自動販売機とサーバー、POS(Point of Sale)装置とサーバー、電気、ガス又は水道検針機とサーバー間の通信が挙げられる。その他にも、M2M通信ベースのアプリケーション(application)には、保安(security)、運送(transportation)、ヘルスケア(health care)などが含まれてもよい。このような適用例の特性を考慮すると、一般に、M2M通信は、数多くの機器が存在する環境でたまに少量のデータを低速で送受信することを支援できるものでなければならない。
具体的に、M2M通信は多数のSTAを支援できるものでなければならない。現在定義されている無線LANシステムでは、一つのAPに最大2007個のSTAが関連付けられる場合を仮定するが、M2M通信ではそれよりも多い個数(約6000個)のSTAが一つのAPに関連付けられる場合を支援する方案が議論されている。また、M2M通信では低い送信速度を支援/要求するアプリケーションが多いと予想される。これを円滑に支援するために、例えば、無線LANシステムでは、TIM(Traffic Indication Map)要素に基づいてSTAが自身に送信されるデータの有無を認知できるが、TIMのビットマップサイズを減らす方案が議論されている。また、M2M通信では送信/受信間隔が非常に長いトラフィックが多いと予想される。例えば、電気/ガス/水道の使用量のように長い周期(例えば、1ケ月)ごとに大変少ない量のデータをやり取りすることが要求される。そのため、無線LANシステムでは、一つのAPに関連付けられ得るSTAの個数が非常に多くなっても、一つのビーコン周期の間にAPから受信するデータフレームが存在するSTAの個数が大変少ない場合を效率的に支援する方案が議論されている。
このように無線LAN技術は急速に進化しつつあり、前述の例示に加えて、直接リンクセットアップ、メディアストリーミング性能の改善、高速及び/又は大規模の初期セッションセットアップの支援、拡張された帯域幅及び動作周波数の支援などのための技術が開発されている。
2.2 媒体アクセスメカニズム
IEEE 802.11に基づく無線LANシステムにおいて、MAC(Medium Access Control)の基本アクセスメカニズムは、CSMA/CA(Carrier Sense Multiple Access with Collision Avoidance)メカニズムである。CSMA/CAメカニズムは、IEEE 802.11 MACの分配調整機能(Distributed Coordination Function、DCF)とも呼ばれるが、基本的に「listen before talk」アクセスメカニズムを採用している。このような類型のアクセスメカニズムによれば、AP及び/又はSTAは送信を始めるに先立ち、所定の時間区間(例えば、DIFS(DCF Inter−Frame Space)の間に無線チャネル又は媒体(medium)をセンシング(sensing)するCCA(Clear Channel Assessment)を行うことができる。センシングの結果、媒体が遊休状態(idle status)でと判断されると、当該媒体を通じてフレーム送信を始める。一方、媒体が占有状態(occupied status)と感知されると、当該AP及び/又はSTAは自分の送信を始めず、媒体アクセスのための遅延期間(例えば、任意バックオフ周期(random backoff period))を設定して待った後、フレーム送信を試みることができる。任意バックオフ周期の適用から、複数のSTAはそれぞれ異なった時間待った後にフレーム送信を試みることが期待されるため、衝突(collision)を最小化することができる。
また、IEEE 802.11 MACプロトコルはHCF(Hybrid Coordination Function)を提供する。HCFはDCFとPCF(Point Coordination Function)に基づく。PCFは、ポーリング(polling)ベースの同期式アクセス方式で、全ての受信AP及び/又はSTAがデータフレームを受信できるように周期的にポーリングする方式のことをいう。また、HCFは、EDCA(Enhanced Distributed Channel Access)とHCCA(HCF Controlled Channel Access)を有する。EDCAは、提供者が複数のユーザにデータフレームを提供するためのアクセス方式を競合ベースとするものであり、HCCAは、ポーリングメカニズムを用いた非競合ベースのチャネルアクセス方式を用いるものである。また、HCFは、WLANのQoS(Quality of Service)を向上させるための媒体アクセスメカニズムを含み、競合周期(Contention Period;CP)、非競合周期(Contention Free Period;CFP)のいずれにおいてもQoSデータを送信することができる。
図6は、バックオフ過程を説明するための図である。
図6を参照して任意バックオフ周期に基づく動作について説明する。占有(occupy又はbusy)状態だった媒体が遊休(idle)状態に変更されると、複数のSTAはデータ(又はフレーム)送信を試みることができる。この時、衝突を最小化するための方案として、STAはそれぞれ任意バックオフカウントを選択し、それに該当するスロット時間だけ待機した後、送信を試みることができる。任意バックオフカウントは、擬似−任意整数(pseudo−random integer)値を有し、0乃至CW範囲の値のいずれか一つに決定され得る。ここで、CWは、競合ウィンドウ(Contention Window)パラメータ値である。CWパラメータは初期値としてCWminが与えられるが、送信失敗の場合(例えば、送信されたフレームに対するACKを受信できなかった場合)に2倍の値を取ることができる。CWパラメータ値がCWmaxになると、データ送信に成功するまでCWmax値を維持しながらデータ送信を試みることができ、データ送信に成功する場合にはCWmin値にリセットされる。CW、CWmin及びCWmax値は2n−1(n=0,1,2,…)に設定されることが好ましい。
任意バックオフ過程が始まると、STAは、決定されたバックオフカウント値によってバックオフスロットをカウントダウンする間に続けて媒体をモニタする。媒体が占有状態とモニタされるとカウントダウンを止めて待機し、媒体が遊休状態になると余のカウントダウンを再開する。
図6の例示で、STA3のMACに送信するパケットが到達した場合に、STA3はDIFSだけ媒体が遊休状態であることを確認し、直ちにフレームを送信することができる。一方、残りのSTAは、媒体が占有(busy)状態であることをモニタして待機する。その間にSTA1、STA2及びSTA5のそれぞれでも送信するデータが発生することがあり、それぞれのSTAは、媒体が遊休状態とモニタされると、DIFSだけ待機した後に、それぞれ選択した任意バックオフカウント値によってバックオフスロットのカウントダウンを行うことができる。
図6の例示では、STA2が最も小さいバックオフカウント値を選択し、STA1が最も大きいバックオフカウント値を選択した場合を示す。すなわち、STA2がバックオフカウントを終えてフレーム送信を始める時点でSTA5の残余バックオフ時間はSTA1の残余バックオフ時間よりも短い場合を例示する。STA1及びSTA5は、STA2が媒体を占有する間に暫くの間カウントダウンを止めて待機する。STA2の占有が終了して媒体が再び遊休状態になると、STA1及びSTA5はDIFSだけ待機した後に、止めていたバックオフカウントを再開する。すなわち、残余バックオフ時間だけの余のバックオフスロットをカウントダウンした後にフレーム送信を始めることができる。STA5の残余バックオフ時間がSTA1よりも短かったため、STA5がフレーム送信を始めるようになる。
一方、STA2が媒体を占有する間にSTA4でも送信するデータが発生することがある。このとき、STA4の立場では、媒体が遊休状態になるとDIFSだけ待機した後、自身が選択した任意バックオフカウント値によるカウントダウンを行ってフレーム送信を始めることができる。図6の例示では、STA5の残余バックオフ時間がSTA4の任意バックオフカウント値と偶然に一致する場合を示し、この場合、STA4とSTA5間に衝突が発生することがある。衝突が発生する場合はSTA4、STA5両方ともACKを受けることができず、データ送信に失敗することになる。この場合、STA4とSTA5はCW値を2倍に増やした後に任意バックオフカウント値を選択してカウントダウンを行うことができる。一方、STA1は、STA4とSTA5の送信によって媒体が占有状態である間に待機しているが、媒体が遊休状態になると、DIFSだけ待機した後、残余バックオフ時間が経過するとフレーム送信を始めることができる。
2.3 STAのセンシング動作
前述したように、CSMA/CAメカニズムは、AP及び/又はSTAが媒体を直接センシングする物理的キャリアセンシング(physical carrier sensing)の他、仮想キャリアセンシング(virtual carrier sensing)も含む。仮想キャリアセンシングは、隠されたノード問題(hidden node problem)などのように媒体アクセスで発生し得る問題を補完するために用いられる。仮想キャリアセンシングのために、無線LANシステムのMACはネットワーク割当ベクトル(Network Allocation Vector;NAV)を用いることができる。NAVは、現在媒体を使用していたり又は使用する権限のあるAP及び/又はSTAが、媒体が利用可能な状態になるまで残っている時間を、他のAP及び/又はSTAに指示(indicate)する値である。したがって、NAVに設定された値は当該フレームを送信するAP及び/又はSTAによって媒体の使用が予定されている期間に該当し、NAV値を受信するSTAは、当該期間において媒体アクセスが禁止される。NAVは、例えば、フレームのMACヘッダ(header)の「duration」フィールドの値によって設定されてもよい。
また、衝突可能性を減少させるために堅牢な衝突検出(robust collision detect)メカニズムが導入された。これについて図7及び図8を参照して説明する。実際にキャリアセンシング範囲と送信範囲は同一でないこともあるが、説明の便宜のために両者は同一であると仮定する。
図7は、隠されたノード及び露出されたノードを説明するための図である。
図7(a)は隠されたノードに対する例示であり、STA AとSTA Bとが通信中にあり、STA Cが送信する情報を持っている場合である。具体的に、STA AがSTA Bに情報を送信している状況であるにもかかわらず、STA CがSTA Bにデータを送る前にキャリアセンシングを行う際、媒体が遊休状態にあると判断することがある。これは、STA Aの送信(すなわち、媒体占有)をSTA Cの位置ではセンシングできないこともあるためである。このような場合、STA BはSTA AとSTA Cの情報を同時に受け、衝突が発生することになる。このとき、STA AをSTA Cの隠されたノードということができる。
図7(b)は、露出されたノード(exposed node)に対する例示であり、STA BがSTA Aにデータを送信している状況で、STA CがSTADに送信する情報を持っている場合である。この場合、STA Cがキャリアセンシングを行うと、STA Bの送信によって媒体が占有された状態であると判断することができる。そのため、STA CがSTA Dに送信する情報を持っていても、媒体占有状態とセンシングされたため、媒体が遊休状態になるまで待たなければならない。しかし、実際にはSTA AはSTA Cの送信範囲外にあるため、STA Cからの送信とSTA Bからの送信とがSTA Aの立場では衝突しないこともあるため、STA CはSTA Bが送信を止めるまで余計に待機することとなる。このとき、STA CをSTA Bの露出されたノードということができる。
図8は、RTSとCTSを説明するための図である。
図7のような例示的な状況で衝突回避(collision voidance)メカニズムを效率的に利用するために、RTS(request to send)とCTS(clear to send)などの短いシグナリングパケット(short signaling packet)を利用することができる。両STA間のRTS/CTSは周囲のSTAがオーバーヒヤリング(over hearing)できるようにし、この周囲のSTAが上記両STA間の情報送信の有無を考慮するようにすることができる。例えば、データを送信しようとするSTAがデータを受けるSTAにRTSフレームを送信すると、データを受けるSTAはCTSフレームを周囲の端末に送信することによって、自身がデータを受けることを知らせることができる。
図8(a)は、隠されたノード問題を解決する方法に関する例示であり、STA AとSTA CがいずれもSTA Bにデータを送信しようとする場合を仮定する。STA AがRTSをSTA Bに送ると、STA BはCTSを自身の周囲にあるSTA A及びSTA Cの両方に送信する。その結果、STA CはSTA AとSTA Bのデータ送信が終わるまで待機し、衝突を避けることとなる。
図8(b)は、露出されたノード問題を解決する方法に対する例示であり、STA AとSTA B間のRTS/CTS送信をSTA Cがオーバーヒヤリングすることによって、STA Cは自身が他のSTA(例えば、STA D)にデータを送信しても衝突が発生しないことと判断することができる。すなわち、STA Bは周囲の全ての端末機にRTSを送信し、実際に送るデータがあるSTA AのみがCTSを送信するようになる。STA CはRTSを受信できるだけで、STA AのCTSは受信できないため、STA AはSTA Cのキャリアセンシング外にあるということがわかる。
2.4 電力管理
前述したように、無線LANシステムではSTAが送受信を行う前にチャネルセンシングを行わなければならないが、チャネルを常にセンシングすることはSTAの持続的な電力消耗を引き起こす。受信状態での電力消耗は送信状態での電力消耗に比べて大差はなく、受信状態を持続することも、電力の制限された(すなわち、バッテリーによって動作する)STAには大きな負担となる。したがって、STAが持続的にチャネルをセンシングするために受信待機状態を維持すると、無線LAN処理率の側面で特別な利点無しに電力を非効率的に消耗することになる。このような問題点を解決するために、無線LANシステムではSTAの電力管理(power management;PM)モードを支援する。
STAの電力管理モードはアクティブ(active)モード及び電力節約(power save;PS)モードに分けられる。STAは基本的にアクティブモードで動作する。アクティブモードで動作するSTAは、アウェイク状態(awake state)を維持する。アウェイク状態は、フレーム送受信やチャネルスキャニングなどの正常動作が可能な状態である。一方、PSモードで動作するSTAはスリープ状態(sleep state)とアウェイク状態(awake state)を切り替えながら動作する。スリープ状態で動作するSTAは、最小限の電力で動作し、フレーム送受信だけでなくチャネルスキャニングも行わない。
STAがスリープ状態でできるだけ長く動作するほど電力消耗が減るため、STAの動作期間が増加する。しかし、スリープ状態ではフレーム送受信が不可能なため、無条件に長く動作するわけにはいかない。スリープ状態で動作するSTAがAPに送信するフレームが存在する場合、アウェイク状態に切り替えてフレームを送信することができる。一方、APがSTAに送信するフレームがある場合、スリープ状態のSTAはそれを受信できない他、受信するフレームが存在することもわからない。したがって、STAは自身に送信されるフレームの存在有無を確認するために(また、存在するならそれを受信するために)特定周期によってアウェイク状態に切り替える動作が必要なことがある。
図9は、電力管理動作を説明するための図である。
図9を参照すると、AP 210は、一定の周期でビーコンフレーム(beacon frame)をBSS内のSTAに送信する(S211、S212、S213、S214、S215、S216)。ビーコンフレームには、TIM(Traffic Indication Map)情報要素(Information Element)が含まれる。TIM情報要素は、AP 210が、自身と関連付いているSTAに対するバッファされたトラフィックが存在し、フレームを送信する旨を知らせる情報を含む。TIM要素には、ユニキャスト(unicast)フレームを知らせるために用いられるTIMと、マルチキャスト(multicast)又はブロードキャスト(broadcast)フレームを知らせるために用いられるDTIM(delivery traffic indication map)がある。
AP 210は、3回のビーコンフレームを送信する度に1回ずつDTIMを送信することができる。STA1 220及びSTA2 222はPSモードで動作するSTAである。STA1 220及びSTA2 222は、所定の周期のウェイクアップインターバル(wakeup interval)ごとにスリープ状態からアウェイク状態に切り替えて、AP 210によって送信されたTIM要素を受信できるように設定されてもよい。それぞれのSTAは、自身のローカルクロック(local clock)に基づいてアウェイク状態に切り替える時点を計算することができ、図9の例示ではSTAのクロックがAPのクロックと一致すると仮定する。
例えば、所定のウェイクアップインターバルは、STA1 220がビーコンインターバルごとにアウェイク状態に切り替わってTIM要素を受信できるように設定されてもよい。そのため、STA1 220は、AP 210が最初にビーコンフレームを送信する時(S211)にアウェイク状態に切り替わり得る(S221)。STA1 220は、ビーコンフレームを受信してTIM要素を獲得することができる。獲得されたTIM要素が、STA1 220に送信されるフレームがある旨を指示すると、STA1 220は、AP 210にフレーム送信を要請するPS−Poll(Power Save−Poll)フレームをAP 210に送信することができる(S221a)。AP 210は、PS−Pollフレームに対応してフレームをSTA1 220に送信することができる(S231)。フレーム受信を完了したSTA1 220は再びスリープ状態に切り替わって動作する。
AP 210が二番目にビーコンフレームを送信するにあたり、他の装置が媒体にアクセスするなどして媒体が占有された(busy medium)状態であるから、AP 210は正確なビーコンインターバルに合わせてビーコンフレームを送信できず、遅延された時点に送信することがある(S212)。この場合、STA1 220はビーコンインターバルに合わせて動作モードをアウェイク状態に切り替えるが、遅延送信されるビーコンフレームを受信できず、再びスリープ状態に切り替わる(S222)。
AP 210が三番目にビーコンフレームを送信する時、当該ビーコンフレームはDTIMと設定されたTIM要素を含むことができる。ただし、媒体が占有された(busy medium)状態であるから、AP 210はビーコンフレームを遅延して送信する(S213)。STA1 220は、ビーコンインターバルに合わせてアウェイク状態に切り替わって動作し、AP 210によって送信されるビーコンフレームからDTIMを獲得することができる。STA1 220が獲得したDTIMは、STA1 220に送信されるフレームはなく、他のSTAのためのフレームが存在する旨を指示する場合を仮定する。この場合、STA1 220は、自身が受信するフレームがないことを確認し、再びスリープ状態に切り替わって動作することができる。AP 210はビーコンフレーム送信後にフレームを該当のSTAに送信する(S232)。
AP 210は、四番目にビーコンフレームを送信する(S214)。ただし、STA1 220は、その以前の2回にわたるTIM要素受信から、自身に対するバッファされたトラフィックが存在するという情報が獲得できなかったため、TIM要素受信のためのウェイクアップインターバルを調整してもよい。又は、AP 210によって送信されるビーコンフレームにSTA1 220のウェイクアップインターバル値を調整するためのシグナリング情報が含まれた場合、STA1 220のウェイクアップインターバル値が調整されてもよい。本例示で、STA1 220は、ビーコンインターバルごとにTIM要素受信のために運営状態を切り替えたことを3回のビーコンインターバルごとに1回起床するように運営状態を切り替えることに設定されてもよい。したがって、STA1 220は、AP 210が四番目のビーコンフレームを送信し(S214)、五番目のビーコンフレームを送信する時点に(S215)スリープ状態を維持するため、TIM要素を獲得することができない。
AP 210が六番目にビーコンフレームを送信する時(S216)、STA1 220はアウェイク状態に切り替わって動作し、ビーコンフレームに含まれたTIM要素を獲得することができる(S224)。TIM要素は、ブロードキャストフレームが存在する旨を指示するDTIMであるから、STA1 220はPS−PollフレームをAP 210に送信することなく、AP 210によって送信されるブロードキャストフレームを受信することができる(S234)。一方、STA2 230に設定されたウェイクアップインターバルはSTA1 220に比べて長い周期に設定されてもよい。そのため、STA2 230は、AP 210が五番目にビーコンフレームを送信する時点(S215)にアウェイク状態に切り替わってTIM要素を受信することができる(S241)。STA2 230は、TIM要素から、自身に送信されるフレームが存在することがわかり、フレーム送信を要請するためにAP 210にPS−Pollフレームを送信することができる(S241a)。AP 210はPS−Pollフレームに対応してSTA2 230にフレームを送信することができる(S233)。
図9のような電力節約モードの運営のためにTIM要素には、STAに送信されるフレームが存在するか否かを指示するTIM、又はブロードキャスト/マルチキャストフレームが存在するか否かを指示するDTIMが含まれる。DTIMはTIM要素のフィールド設定によって具現することができる。
図10乃至図12は、TIMを受信したSTAの動作を詳しく説明するための図である。
図10を参照すると、STAは、APからTIMを含むビーコンフレームを受信するためにスリープ状態からアウェイク状態に切り替わり、受信したTIM要素を解釈して、自身に送信されるバッファされたトラフィックがあることを確認できる。STAは、PS−Pollフレームの送信のための媒体アクセスのために他のSTAと競合(contending)を行った後に、APにデータフレーム送信を要請するためにPS−Pollフレームを送信することができる。STAによって送信されたPS−Pollフレームを受信したAPは、STAにフレームを送信することができる。STAはデータフレームを受信し、それに対する確認応答(ACK)フレームをAPに送信することができる。以降、STAは再びスリープ状態に切り替わればよい。
図10のように、APは、STAからPS−Pollフレームを受信した後、所定の時間(例えば、SIFS(Short Inter−Frame Space))後にデータフレームを送信する即時応答(immediate response)方式によって動作することができる。一方、APがPS−Pollフレームを受信した後に、STAに送信するデータフレームをSIFS時間の間に準備できなかった場合は、遅れた応答(deferred response)方式によって動作してもよく、それに対ついて図11を参照して説明する。
図11の例示で、STAがスリープ状態からアウェイク状態に切り替わってAPからTIMを受信し、競合を経てPS−PollフレームをAPに送信する動作は、図10の例示と同一である。APがPS−Pollフレームを受信したが、SIFSの間にデータフレームを用意できなかった場合、データフレームを送信する代わりにACKフレームをSTAに送信してもよい。APは、ACKフレーム送信後データフレームが用意されると、競合を行った後、データフレームをSTAに送信することができる。STAはデータフレームを成功的に受信したことを表すACKフレームをAPに送信し、スリープ状態に切り替わればよい。
図12は、APがDTIMを送信する例示に関するものである。STAはAPからDTIM要素を含むビーコンフレームを受信するためにスリープ状態からアウェイク状態に切り替わってもよい。これらのSTAは、受信したDTIMから、マルチキャスト/ブロードキャストフレームが送信されることがわかる。APは、DTIMを含むビーコンフレームを送信後に、PS−Pollフレームの送受信動作無しで直ちにデータ(すなわち、マルチキャスト/ブロードキャストフレーム)を送信することができる。これらのSTAは、DTIMを含むビーコンフレームを受信してから引き続きアウェイク状態を維持しながらデータを受信し、データ受信が完了した後再びスリープ状態に切り替わればよい。
2.5 TIM構造
図9乃至図12を参照して上述したTIM(又は、DTIM)プロトコルに基づく電力節約モード運営方法において、STAは、TIM要素に含まれたSTA識別情報から、自身のために送信されるデータフレームが存在するか否かを確認することができる。STA識別情報は、STAとAPとの関連付け(association)時にSTAに割り当てられた識別子であるAID(Association Identifier)に関する情報であってよい。
AIDは一つのBSS内ではそれぞれのSTAに対する固有の(unique)識別子として使われる。一例として、現在無線LANシステムにおいてAIDとしては1から2007までの値のうち一つの値を割り当てることができる。現在定義されている無線LANシステムでは、AP及び/又はSTAが送信するフレームにはAIDのために14ビットを割り当てることができ、AID値は16383まで割り当てることができるが、2008〜16383は予備(reserved)値として設定されている。
既存の定義によるTIM要素は、一つのAPに多数の(例えば、2007個を超える)STAが関連付けられ得るM2Mアプリケーションの適用には適していない。既存のTIM構造をそのまま拡張する場合にはTIMビットマップのサイズが大きすぎになるため、既存のフレームフォーマットでは支援することができず、また、低い伝送レートのアプリケーションを考慮するM2M通信に適していない。また、M2M通信では、一つのビーコン周期の間に受信データフレームが存在するSTAの個数は大変少ないと予想される。したがって、このようなM2M通信の適用例を考慮すれば、TIMビットマップのサイズは大きくなるが、大部分のビットが0値を有する場合が多く発生すると予想されるため、ビットマップを效率的に圧縮する技術が要求される。
既存のビットマップ圧縮技術として、ビットマップの先頭部分に連続する0を省略してオフセット(offset)(又は、開始点)値で定義する方案がある。しかし、バッファされたフレームが存在するSTAの個数は少ないが、それぞれのSTAのAID値の差が大きいと圧縮効率が高くない。例えば、AIDが10と2000の値であるただ2つのSTAに送信するフレームのみがバッファされている場合、圧縮されたビットマップの長さは1990であるが、両端を除いてはいずれも0の値を有することになる。一つのAPに関連付けられ得るSTAの個数が少ない場合にはビットマップ圧縮の非効率性があまり問題にならないが、STAの個数が増加する場合は、このような非効率性が全体システム性能を阻害する要素になることもある。
これを解決するための方案として、AIDを複数のグループに分けてより効果的なデータ送信を行うようにすることができる。各グループには、指定されたグループID(GID)が割り当てられる。このようなグループベースで割り当てられるAIDについて図13を参照して説明する。
図13(a)は、グループベースで割り当てられたAIDの一例を示す図である。図13(a)の例示では、AIDビットマップの先頭部におけるいくつかのビットを、GIDを示すために用いることができる。例えば、AIDビットマップにおける先頭の2ビットを用いて4個のGIDを示すことができる。AIDビットマップの全体長さがNビットの場合に、先頭の2ビット(B1及びB2)の値は当該AIDのGIDを示す。
図13(b)は、グループベースで割り当てられたAIDの他の例を示す図である。図13(b)の例示では、AIDの位置によってGIDを割り当てることができる。このとき、同一のGIDを使用するAIDはオフセット(offset)及び長さ(length)の値で表現することができる。例えば、GID 1がオフセットA及び長さBで表現されると、ビットマップ上でA乃至A+B−1のAIDがGID 1を有するということを意味する。例えば、図13(b)の例示で、全体1乃至N4のAIDが4個のグループに分割されると仮定する。この場合、GID 1に属するAIDは1乃至N1であり、このグループに属するAIDはオフセット1及び長さN1で表現することができる。次に、GID 2に属するAIDをオフセットN1+1及び長さN2−N1+1で表現することができ、GID 3に属するAIDをオフセットN2+1及び長さN3−N2+1で表現することができ、GID 4に属するAIDをオフセットN3+1及び長さN4−N3+1で表現することができる。
このようなグループベースで割り当てられるAIDが導入されると、GIDによって異なる時間区間にチャネルアクセスを許容できるようにすることによって、多数のSTAに対するTIM要素不足の問題を解決すると同時に、効率的なデータの送受信を行うことができる。例えば、特定時間区間では特定グループに該当するSTAにのみチャネルアクセスが許容され、残り他のSTAにはチャネルアクセスが制限(restrict)されてもよい。このように特定STAにのみアクセスが許容される所定の時間区間を、制限されたアクセスウィンドウ(Restricted Access Window;RAW)と呼ぶこともできる。
GIDによるチャネルアクセスについて図13(c)を参照して説明する。図13(c)では、AIDが3個のグループに分けられている場合、ビーコンインターバルによるチャネルアクセスメカニズムを例示的に示す。一番目のビーコンインターバル(又は、一番目のRAW)は、GID 1に属するAIDに該当するSTAのチャネルアクセスが許容される区間で、他のGIDに属するSTAのチャネルアクセスは許容されない。これを具現するために、一番目のビーコンにはGID 1に該当するAIDのみのためのTIM要素が含まれる。二番目のビーコンフレームにはGID 2を有するAIDのみのためのTIM要素が含まれ、これによって二番目のビーコンインターバル(又は、二番目のRAW)の間には、GID 2に属するAIDに該当するSTAのチャネルアクセスのみが許容される。三番目のビーコンフレームには、GID 3を有するAIDのみのためのTIM要素が含まれ、これによって三番目のビーコンインターバル(又は、三番目のRAW)の間には、GID 3に属するAIDに該当するSTAのチャネルアクセスのみが許容される。四番目のビーコンフレームには再びGID 1を有するAIDのみのためのTIM要素が含まれ、これによって四番目のビーコンインターバル(又は、四番目のRAW)の間には、GID 1に属するAIDに該当するSTAのチャネルアクセスのみが許容される。続いて、五番目以降のビーコンインターバル(又は、五番目以降のRAW)のそれぞれにおいても、当該ビーコンフレームに含まれたTIMで指示される特定グループに属したSTAのチャネルアクセスのみが許容されてもよい。
図13(c)では、ビーコンインターバルによって許容されるGIDの順序が循環的又は周期的な例示を示しているが、これに制限されることはない。すなわち、TIM要素に特定GIDに属するAIDのみを含めることによって、特定時間区間(例えば、特定RAW)の間に、これら特定AIDに該当するSTAのみのチャネルアクセスを許容し、残りのSTAのチャネルアクセスは許容しない方式で動作してもよい。
前述したようなグループベースAID割当方式は、TIMの階層的(hierarchical)構造と呼ぶこともできる。すなわち、全体AID空間を複数個のブロックに分割し、0以外の値を持つ特定ブロックに該当するSTA(すなわち、特定グループのSTA)のチャネルアクセスのみが許容されるようにすることができる。これによって、大きいサイズのTIMを小さいブロック/グループに分割して、STAがTIM情報を維持しやすくし、且つSTAのクラス、サービス品質(QoS)、又は用途によってブロック/グループを管理しやすくする。図13の例示では2−レベルの階層を示しているが、2つ以上のレベルの形態で階層的構造のTIMが構成されてもよい。例えば、全体AID空間を複数個のページ(page)グループに分割し、それぞれのページグループを複数個のブロックに区別し、それぞれのブロックを複数個のサブ−ブロックに分割することができる。このような場合、図13(a)の例示の拡張として、AIDビットマップにおいて先頭のN1個のビットはページID(すなわち、PID)を示し、その次のN2個のビットはブロックIDを示し、その次のN3個のビットはサブ−ブロックIDを示し、残りのビットがサブ−ブロック内のSTAビット位置を示す方式で構成されてもよい。
以下に説明する本発明の例示において、STA(又は、それぞれのSTAに割り当てられたAID)を所定の階層的なグループ単位に分割して管理する様々な方式が適用されてもよく、グループベースAID割当方式は上記の例示に制限されるものではない。
2.6 改善されたチャネルアクセス方案
グループベースでAIDが割当/管理される場合、特定グループに属したSTAは当該グループに割り当てられた「グループチャネルアクセスインターバル」(又はRAW)でのみチャネルを使用することができる。仮にSTAがM2Mアプリケーションを支援する場合に、当該STAに対するトラフィックは長い周期(例えば、数十分又は数時間)で発生する特性を有することがある。このようなSTAはアウェイク状態を頻繁に維持する必要がないため、長い時間の間にスリープモードで動作するがたまにアウェイク状態に切り替わること(すなわち、当該STAのウェイクアップインターバルが長く設定されること)が好ましい。このように長い周期のウェイクアップインターバルを有するSTAを「long−sleeper」又は「長い−スリープ」モードで動作するSTAと呼ぶこともできる。ただし、ウェイクアップ周期が長く設定される原因は、必ずしもM2M通信のためのものに制限されず、一般の無線LAN動作においてもSTAの状態や周辺状況などによってウェイクアップインターバルが長く設定されてもよい。
ウェイクアップインターバルが設定されると、STAは自身のローカルクロックに基づいて上記ウェイクアップインターバルが経過するか否かを決定することができる。しかし、STAのローカルクロックは低価のオシレータを使用する場合が一般的であるため、誤差の発生する確率が高く、さらにはSTAが長い−スリープモードで動作すると、その誤差が時間の経過と共により大きくなることがある。したがって、たまに起床するSTAの時間同期はAPの時間同期と一致しないことがある。例えば、STAは自身がビーコンを受信できるタイミングであると計算してアウェイク状態に切り替わるが、当該タイミングでは実際にAPが送信するビーコンを受信できない場合もある。すなわち、クロックドリフト(clock drift)によってSTAはビーコンフレームを逃す(miss)こともあり、長い−スリープモードで動作する場合にはこのような問題はより多く発生する。
図14乃至図16は、グループチャネルアクセスインターバルが設定される場合のSTAの動作の例示を示す図である。
図14の例示で、STA3はグループ3(すなわち、GID=3)に属したSTAであるが、グループ1(すなわち、GID=1)に割り当てられたチャネルアクセスインターバルで起床して、APにフレーム送信を要請するPS−Pollを行うことができる。STAからPS−Pollを受信したAPはSTA3にACKフレームを送信するが、APがSTA3に送信するバッファされたデータがあるとACKフレームを通じてそれを指示する情報(すなわち、送信されるデータが存在するという情報)を提供することができる。例えば、ACKフレームに含まれる1ビットサイズの「More Data」フィールド(又はMDフィールド)の値を1に設定(すなわち、MD=1)することによって上記情報を指示することができる。
ここで、STA3がPS−Pollを送信した時点はグループ1に対するチャネルアクセスインターバルに属するため、APはSTA3に送信するデータがあってもACKフレームを送信した直後にデータを送信するのではなく、STA3の属したグループ3に割り当てられたチャネルアクセスインターバル(図14のGID 3 channel access)でSTA3へのデータを送信する。
STA3にとってはAPからMD=1に設定されたACKフレームを受信したため、APからデータが送信されることを続けて待つ。すなわち、図14の例示では、STA3は起床した直後にビーコンを受信できなかったため、自身のローカルクロックに基づく計算によって、自身の起床した時点が自身の属したグループに割り当てられたチャネルアクセスインターバルであることもあり、自身に送信されるデータがあることもあるという仮定の下に、APにPS−Pollを送る。又は、自身が長い−スリープモードで動作するため、時間同期化が合わないこともあると仮定し、もし自身に送信されるデータがあるならそれを受信するためにSTA3はAPにPS−Pollを送ることもある。STA3がAPから受信したACKフレームはSTA3に送信されるデータがあることを指示(indicate)するため、STA3は、自身のチャネルアクセスが許容されたインターバルであるという仮定の下に続けてデータ受信を待つことになる。STA3は、次のビーコンに含まれた情報から時間同期化を正確に行うまでは、データ受信が許容されないにもかかわらず、余計に電力を消耗することになる。
特に、STA3が長い−スリープモードで動作する場合には、ビーコンを頻繁に受信できないため、自身の属したチャネルアクセスインターバルでない場合にもCCAを行うなど、余計な電力消耗が発生することがある。
次に、図15の例示では、GID 1を有する(すなわち、グループ1に属した)STAが起床したタイミングでビーコンフレームを逃す場合を示す。すなわち、自身に割り当てられたGID(又はPID)が含まれたビーコンを受信できなかったSTAは、自身のGID(又はPID)が含まれたビーコンを受信するまで続けてアウェイク状態で待機する。すなわち、たとえSTAが起床した時点が自身に割り当てられたチャネルアクセスインターバルであるといっても、STAはビーコンを通じて送信されるTIMに自身のGID(又はPID)が含まれているか否かを確認できなかったため、当該タイミングが自身のグループに割り当てられたチャネルアクセスインターバルであるか否かがわからない。
このように、図15の例示でスリープ状態からアウェイク状態に切り替わったSTAは、最初のビーコンを逃した後に、自身のGID(すなわち、GID 1)を含む四番目のビーコンを受信するまで続けてアウェイク状態にあるため、余分の電力を消耗することになる。結局として余分の電力を消耗した後に、STAはGID 1を含むビーコンを受信することができ、これによってRTS送信、CTS受信、データフレーム送信、ACK受信を行うことができる。
図16では、STAが他のグループに対するチャネルアクセスインターバルに起床した場合を示す。例えば、GID 3を有するSTAがGID 1に対するチャネルアクセスインターバルに起床することがある。すなわち、GID 3を有するSTAは、起床した後、自身のGIDに該当するビーコンを受信するまで余計に電力を消耗することになる。三番目のビーコンでGID 3を指示するTIMを受信すると、自身のグループに対するチャネルアクセスインターバルであることを認知し、RTS、CTSなどを通じたCCA後に、データ送信及びACK受信などの動作を行うことができる。
3. 提案するパイロットシーケンス送信及び受信方法
次世代WiFiに対する様々な関心と802.11ac以降の収率及びQoE(quality of experience)性能の向上への要求が高まる中で、次世代WLANシステムのための新しいフレームフォーマット(frame format)を定義する必要がある。特に、新しいフレームフォーマットにおいて最も重要な役割を果たすものがプリアンブル部分(preamble part)であるが、同期化、チャネルトラッキング、チャネル推定、AGC(Adaptive Gain Control)などの役割を担うプリアンブルの設計は、全システム性能に直接的且つ重大な影響を及ぼし得るため、より一層重要である。
多数のAPとSTAが同時接続してデータ送受信を試みる次世代WiFiシステムにおいて従来のプリアンブル設計方式を用いると、システム性能に限界があり得る。すなわち、それぞれのプリアンブルブロック(例えば、AGC、CFO推定/補償、タイミング調節などの役割を担当するSTF(Short Training Field)、又はチャネル推定/補償、レジデュアル(residual)CFO補償などの役割を担当するLTE(Long Training Field))が、従来のプリアンブル構造に定義されたそれぞれの役割だけを行う場合には、フレーム長が増え、オーバーヘッドに対する負担が発生し得る。したがって、特定プリアンブルブロックが定められた役割に加えて様々な機能(functionality)を支援できる場合には、効率的なフレーム構造を設計することができる。
また、次世代WiFiシステムは、室内だけでなく室外環境におけるデータ伝送も考慮しており、環境によってプリアンブルの構造を異なるように設計する必要がある。もちろん、環境変化に独立した単一化された(unified)プリアンブルフォーマットを設計して、システム具現及び運営の側面で利点を得てもよいが、システム環境に合わせて適応的に設計することが好ましい。
以下では、上述したように様々な機能を効率的に支援するためのプリアンブル設計について提案する。便宜上、新しいWLANシステムをHE(High Efficiency)システムと命名し、HEシステムのフレーム及びPPDU(PLCP(Physical Layer Convergence Procedure) Protocol Data Unit)をそれぞれHEフレーム及びHE PPDUと命名する。しかし、提案するプリアンブルがHEシステムだけでなく他のWLANシステム及びセルラーシステムにも適用され得ることは、当該技術の分野において通常の知識を有する者にとって自明である。
下記の表1は、以下に提案するパイロットシーケンス伝送方法の前提となるOFDMヌメロロジー(numerology)を表す。表1は、HEシステムで提案する新しいOFDMヌメロロジーの一例示であり、記載された数値と項目は単なる例示に過ぎなく、他の値を適用してもよい。表1は、与えられたBWに、従来に比べて4倍大きいFFTを適用する例を基準に説明し、各BW別に3個のDCを用いることを仮定する。
図17は、本発明の実施例に係るフレーム構造を示す図である。図17(a)、図17(b)、図17(c)に示す例示のように、フレーム構造は複数の様々な形態で具現することができ、提案するパイロットシーケンス伝送方法は、フレーム構造におけるプリアンブルの中でもHE−STF(High Efficiency Short Training Field)部分と重点的に関連する。
図18は、本発明の実施例に係るパイロットシーケンスを示す図である。図17で説明したHE−STFは、プリアンブルの一部であり、チャネル推定、CFO(Carrier Frequency Offset)推定、シンボルタイミング推定などのためのパイロット信号が送信される。順次に送信される複数のパイロット信号をパイロットシーケンスといい、図18に、一般的なHE−STFのパイロットシーケンス設計を示す。図18で、上グラフは周波数軸上のパイロットシーケンスを、下グラフは時間軸上のパイロットシーケンスをそれぞれ示す。
まず、周波数軸上のパイロットシーケンスは、ガードインターバル(guard interval)、パイロット距離(pilot distance)、パイロット信号の大きさによって定義される。図18に示す例で、周波数軸上のパイロットシーケンスのうち、小さい矢印は、大きさ0のパイロットシーケンスを表し、全ての隣接パイロット信号間隔は2(すなわち、パイロット距離=2)となる。このとき、ガードインターバルがパイロット距離の倍数(2の倍数)になる場合、周波数軸上のパイロット信号を時間ドメインに変換すると、時間軸上のパイロット信号は、図18の下グラフに示すように、反復されるパターンを有する。一番目の周期の信号を1次信号、二番目の周期の信号を2次信号とする場合、1次信号と2次信号は同じパターンを有する。
仮に、周波数軸上のパイロット信号のパイロット距離が4であり、ガードインターバルが4の倍数となる場合、時間軸上のパイロット信号は4個の反復されるパターンと定義され、1/2/3/4次信号はいずれも同じパターンを有するようになる。このように、時間軸で反復されるパターンの信号が定義されることは、チャネル情報無にも精密なシンボルタイミング及びCFOの推定を可能にするという観点で意味がある。
以下、図19乃至図27では、図17で説明したフレーム構造を前提にパイロットシーケンスの位置を変更(シフト)させて受信機に送信する方法、及び受信機が受信したパイロットシーケンスを識別する方法について説明する。
3.1 シフトパイロットシーケンス生成方法1
図19乃至図25は、提案する実施例に係るシフトパイロットシーケンスを示す図である。まず、実施例1では、周波数軸でパイロットシーケンスをシフトする方法を説明する。
周波数軸上のパイロットシーケンスの間隔が一定である場合、パイロットシーケンスに含まれた全パイロット信号を、当該間隔の範囲内で循環シフト(circular shift)させながらシーケンスセット(set)を生成する。特定パイロットシーケンスを循環シフトさせつつ生成した複数のパイロットシーケンスをシーケンスセットといい、送信機はシーケンスセットの中から任意のパイロットシーケンスを選択して送信することができる。
図19に示す内容を取り上げて説明する。図19の上側には、パイロットシーケンスはシフトされない基準パイロットシーケンスを示す。基準パイロットシーケンスは、ガードインターバル=2、パイロット距離=2を有する。一定の間隔を有する基準パイロットシーケンスを周波数軸上で1だけ循環シフトさせると、図19の下側に示すパイロットシーケンスが生成される。シフト値が0(シフト=0)であるパイロットシーケンスと、シフト値が1(シフト=1)であるパイロットシーケンスが一つのシーケンスセットを構成し、送信機は、シーケンスセットにおけるいずれかのパイロットシーケンスを生成して受信機に送信することができる。
一方、受信機は、受信したパイロットシーケンスを識別することによって2つの個別のパイロットシーケンス(シフト=0、シフト=1)を区別することができる。このように受信機が2つのパイロットシーケンスを区別可能になると、送信機は受信機に、1ビットに該当する追加情報を送信することができる。すなわち、送信機と受信機間でシフト=0のパイロットシーケンスを送信する場合とシフト=1のパイロットシーケンスを送信する場合が互いに異なる情報で示されると約束された場合、受信機は、受信したパイロットシーケンスがシーケンスセットにおけるいずれのパイロットシーケンスであるかによって1ビットの追加情報を取得することができる。このような追加情報を‘シグネチャー(signature)’と呼ぶ。
図20を取り上げて説明する。図19とは違い、パイロット距離=4のパイロット信号を図20に示す。この場合には循環シフトが3まで可能であり、図20に示すように、シフト=0,1,2,3の総4個のパイロットシーケンスがシーケンスセットを構成する。総4個の個別のパイロットシーケンスを受信機に送信することができ、受信機は、4個のパイロットシーケンスを区別することができる。シーケンスセットにおけるいずれのパイロットシーケンスが送信されたか、4つの個別の情報にそれぞれ対応し、これによって、受信機は2ビットに該当する追加情報(すなわち、シグネチャー)を取得することができる。すなわち、シフト=0のパイロットシーケンスを受信した場合、受信機は、2ビットの‘00’に該当する情報を受信したと認知でき、シフト=1の場合には‘01’、シフト=2の場合には‘10’、シフト=3の場合には‘11’に該当する情報をそれぞれ受信したと認知することができる。
図21の実施例では、図19及び図20とは違い、パイロットシーケンス内でパイロット信号間の間隔が一定でない。例えば、図21の上グラフで1番目のパイロット信号と2番目のパイロット信号との間隔は4であるが、3番目のパイロット信号と4番目のパイロット信号との間隔は2である。
しかし、点線で表示された部分のパイロット信号がゼロ−パワーパイロット(zero−power pilot)だとすれば、図21の実施例は、図19と同様に、パイロット距離が2となる。このように、パイロット信号間の間隔が不規則な場合にも、シフトによって個別の2個のパイロットシーケンスで構成されるシーケンスセットを定義することが可能になる。仮にパイロット距離が4であれば、4個の個別のパイロットシーケンスで構成されるシーケンスセットが定義される。
3.1.1 シフトパイロットシーケンス識別方法
以上では、送信機が周波数軸上でパイロット信号をシフトさせて生成したシーケンスセットを定義し、それを用いた情報伝送方法を説明した。一方、図22及び図23では、受信機が受信したパイロットシーケンスを識別する方法について説明する。
以上説明した方法によって生成されたシフトパイロットシーケンスに対して、受信機は、周波数軸ベースの識別方法及び時間軸ベースの識別方法のいずれかを用いてシーケンスを識別することができる。
受信機がいずれのパイロットシーケンスを選択したかが分かるということは、前述したように、受信機が当該パイロットシーケンスに対応する追加情報を確認できるということを意味する。
以下では、図23を参照して時間軸ベースの識別方法について説明する。図19でシフト=0である場合、図18で説明したように、時間軸における1次信号と2次信号は同じパターンで現れる。これとは違い、シフト=1である場合、時間軸における1次信号と2次信号は、図23の上側に示すように、位相差が発生する。このような位相差は次式3で定義される。
このような過程を用いて受信機は式4によって時間軸上で循環シフト値を推定することができる。
一方、本発明の他の実施例によれば、送信機と受信機間にシーケンスセットを定義する際に、パイロットシーケンス間のシフト差が最大となるようにシーケンスセットを定義することができる。
式8で、(a,b)は、シフト=aのパイロット信号とシフト=bのパイロット信号との対で構成されたシーケンスセットを意味する。一方、(0,3)は、その他のシーケンスセット{(0,1)、(0,2)、(1,2)、(1,3)、(2,3)}に比べて、受信機の識別アルゴリズムの性能を向上させることができる。これは、(0,3)シーケンスセットが他のシーケンスセットに比べて、CFOによる影響を最も大きく減らし得るためである。例えば、CFOが1/−1である場合、全パイロット信号は周波数軸においてそれぞれ右側/左側に1だけ循環シフトが発生する。このとき、{(0,2)、(1,3)}シーケンスセットは、CFOが1以上の大きさを有する場合に曖昧さ(ambiguity)の問題が発生することが分かる。同様に、CFOが0.5以上の大きさを有する場合には、{(0,1)、(1,2)、(2,3)}シーケンスセットでは曖昧さの問題が発生しうる。
一方、送信機が(0,3)シーケンスセットを用いる場合、受信機はシフト=1の信号を受信しても、シフト=0の信号を受信したと見なすことができ、シフト=2の信号を受信してもシフト=3の信号を受信したと見なすことができる。すなわち、CFOが1/−1になっても曖昧さの問題が発生しなくなる。したがって、シーケンスセットを構成するパイロットシーケンスの循環シフト値を最大化する場合、CFOによる性能劣化を最小化することができる。その代わりに、追加に送信できる情報の個数(すなわち、ビット数)が減少する。
更に他の実施例によれば、以上で説明したシフトパイロットシーケンスの各パイロット信号をチュー・シーケンス(Chu−sequence)を用いて生成することができる。チュー・シーケンスを用いてパイロット信号を生成すると、時間軸上のパイロット信号のPAPR(Peak Power to Average Ratio)が低くなる。
チュー・シーケンスは次式9のように定義される。
式10で、分子値は、時間軸要素が有するパワーのうち、最大のパワーを意味し、分母値は、時間軸信号の平均パワーを意味する。一方、基地局でOFDMシンボルを増幅して送信する際、増幅可能な最大値は、時間軸上の要素の大きさのうち、最大値を有する要素によって決定される。これは、時間軸上の全ての要素が増幅された結果が増幅器の最大出力を超えてはならないためである。したがって、時間軸上で全てのパイロット信号の大きさが1になるということは、送信信号が増幅器の最大出力だけ増幅可能であるということを意味する。
一方、図26(c)は、従来のVHT(Very High Throuput)シーケンスを用いて生成した時間軸上のパイロット信号の大きさであり、PAPR=8.26と非常に大きいことが分かる。結果的に、チュー・シーケンスをパイロット信号に用いると、理論的なPAPRである1を得ることはできないとしても、他のシーケンスを用いる場合に比べて相対的に非常に低いPAPRを得ることができる。
3.2 シフトパイロットシーケンス生成方法2
図27は、提案する実施例に係る更に他のシフトパイロットシーケンスを示す図である。以上では、周波数軸上で全パイロットシーケンスを循環シフトしてシフトパイロットシーケンスを生成する実施例を説明した。一方、以下では、時間軸上でシフトパイロットシーケンスを生成する実施例について説明する。送信機は、次式11によって時間軸上でシフトパイロットシーケンスを生成することができる。
一方、式11によって時間軸上でシフトパイロットシーケンスを生成する場合、前述した、周波数軸上でシフトパイロットシーケンスを生成する場合に比べて、次のような差異点が発生する。周波数軸上でシフトパイロットシーケンスを生成する場合、sが整数に制限される。このとき、s値は正の整数に制限されないが、これは、sが負(正)の整数である場合、循環シフトが左側(右側)方向に行われてもよいためである。一方、時間軸上でシフトパイロットシーケンスを生成する場合、sを整数に制限せず、分数値を許容することもできる。
結果的に、時間軸上におけるシフトパイロットシーケンスを生成する場合、sに分数値を許容することができ、送信可能な最大情報量が増加する。sに分数値を許容するために、式11が活用される。
3.2.1 シフトパイロットシーケンス識別方法
以下では、上述した時間軸上のシフトパイロットシーケンス生成方法が適用された場合、受信機がシフトパイロットシーケンスを識別する方法について説明する。前述した周波数軸上におけるシフトパイロットシーケンスに対する識別方法と類似に、時間軸上における識別方法と周波数軸上における識別方法を提案する。
次に、周波数軸上で識別する方法として、前述した3.1.1節で説明した識別方法をそのまま利用する場合、分数形態のs値は推定することができない。このような問題点を解決するために、受信機はDFT(Discrete Fourier Transform)ベースのインターポレーション(interpolation)を行う。DFTベースのインターポレーションは、式12のように定義される。
周波数軸上で整数だけ循環シフトされた結果によって、受信機は、前述した周波数軸ベースのパイロット信号識別方法を適用してパイロットシーケンスを識別することができる。
以上で提案した方法によれば、一定の間隔で分布したパイロット信号で構成されるパイロットシーケンスを生成することによって送信機が追加の情報を受信機に伝達する方法について説明し、それによって受信機がパイロットシーケンスを識別する方法についても説明した。このような伝送方法及び識別方法は、パイロット信号が整数だけ循環シフトして送信されても、受信機がそれを識別できるという点に基づく。
一方、時間軸上における位相変化によって分数形態の循環シフトがなされてもよく、これによって、既存に比べてより多い情報の伝送が可能であることも提案した。
4.装置構成
図28は、本発明の一実施例に係る受信機及び送信機の構成を示す図である。図28で受信機100及び送信機150はそれぞれ、無線周波数(RF)ユニット110,160、プロセッサ120,170、及びメモリ130,180を含むことができる。図28では、受信機100と送信機150間の1:1通信環境だけを示しているが、複数の受信機と複数の送信機間にも通信環境を構築することができる。また、図28に示す送信機150は、マクロセル送信機にもスモールセル送信機にも適用することができる。
各RFユニット110,160はそれぞれ、送信部112,162及び受信部114,164を含むことができる。受信機100の送信部112及び受信部114は、送信機150及び他の受信機と信号を送信及び受信するように構成され、プロセッサ120は、送信部112及び受信部114と機能的に連結されて、送信部112及び受信部114が他の機器と信号を送受信する過程を制御するように構成することができる。また、プロセッサ120は、送信する信号に対する各種処理を行って送信部112に送信し、受信部114に受信された信号に対する処理を行う。
必要な場合、プロセッサ120は、交換されたメッセージに含まれた情報をメモリ130に記憶させることができる。このような構造によって、受信機100は以上で説明した本発明の様々な実施の形態の方法を行うことができる。
送信機150の送信部162及び受信部164は、他の送信機及び受信機と信号を送信及び受信するように構成し、プロセッサ170は、送信部162及び受信部164と機能的に連結されて、送信部162及び受信部164が他の機器と信号を送受信する過程を制御するように構成することができる。また、プロセッサ170は、送信する信号に対する各種処理を行って送信部162に送信し、受信部164に受信された信号に対する処理を行うことができる。必要な場合、プロセッサ170は、交換されたメッセージに含まれた情報をメモリ180に記憶させることができる。このような構造によって、送信機150は前述した様々な実施の形態の方法を行うことができる。
受信機100及び送信機150の各プロセッサ120,170はそれぞれ、受信機100及び送信機150における動作を指示(例えば、制御、調整、管理など)する。それぞれのプロセッサら120,170は、プログラムコード及びデータを記憶するメモリ130,180と接続することができる。メモリ130,180は、プロセッサ120,170に接続してオペレーティングシステム、アプリケーション、及び一般ファイル(general files)を格納する。
本発明のプロセッサ120,170は、コントローラ(controller)、マイクロコントローラ(microcontroller)、マイクロプロセッサ(microprocessor)、マイクロコンピュータ(microcomputer)などと呼ぶこともできる。一方、プロセッサ120,170は、ハードウェア(hardware)又はファームウェア(firmware)、ソフトウェア、又はそれらの結合によって具現することができる。ハードウェアを用いて本発明の実施例を具現する場合には、本発明を行うように構成されたASIC(application specific integrated circuit)、DSP(digital signal processor)、DSPD(digital signal processing device)、PLD(programmable logic device)、FPGA(field programmable gate array)などをプロセッサ120,170に具備することができる。
一方、上述した方法は、コンピュータで実行可能なプログラムとして作成することができ、コンピュータ読み取り可能媒体を用いて上記プログラムを動作させる汎用デジタルコンピュータで具現することができる。また、上述した方法で用いられたデータの構造は、コンピュータ読み取り可能媒体に様々な手段によって記録されてもよい。本発明の様々な方法を実行するための実行可能なコンピュータコードを含む格納デバイスを説明するために使用可能なプログラム格納デバイスは、搬送波(carrier waves)又は信号のように一時的な対象を含むものとして理解してはならない。上記コンピュータ読み取り可能媒体は、磁気記憶媒体(例えば、ROM、フロッピーディスク、ハードディスクなど)、光学的読み取り媒体(例えば、CD−ROM、DVDなど)のような記憶媒体を含む。
本願発明の実施例に関連した技術の分野における通常の知識を有する者にとって、上述した本質的な特性から逸脱しない範囲で様々な変形が可能であることは明らかである。したがって、開示された方法は、限定的な観点ではなく説明的な観点で考慮しなければならない。本発明の範囲は、発明の詳細な説明ではなく特許請求の範囲によって定められ、特許請求の範囲と同等範囲内における差異点はいずれも本発明の範囲に含まれるものとして解釈すべきである。