JP2017528355A - 高性能垂直離着陸航空機 - Google Patents

高性能垂直離着陸航空機 Download PDF

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Abstract

本開示は、ホバー飛行、前方飛行、及び、これらの2つの飛行間の移行を、安定的且つ効率的に実行するための、高性能な垂直離着陸(VTOL)航空機に関する。VTOL航空機は、高度に安定的で制御可能で効率的なVTOL航空機を提供する。好ましい実施形態は、(1)推力の効率的利用を最大化する戦略的配置を有するプッシャプロペラ構成、(2)マルチロータ航空機において使用される、高度に制御可能で機械的に単純な制御方法を可能にする4つのプロペラ、(3)機械的に単純で軽量で且つ確実な動作をもたらす電気モータ、及び、(4)ホバー飛行及び前方飛行の両方において安定的で制御可能で且つ効率的であるタンデム翼構造を含む。VTOL航空機は、十分な滑走路、短い滑走路、又は垂直方向での離着陸が可能であり、カメラ及びセンサ配置のための妨害されない前方視野を有し、且つ、コンパクトで機械的に単純でメンテナンスに手間のかからないVTOL航空機設計を提供する。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2014年6月3日に出願された米国仮特許出願第62/006,977号の優先権を主張する。
連邦支援研究及び開発に関する記載
該当なし
本発明は、垂直離着陸(VTOL(Vertical Takeoff and Landing))航空機に関し、より詳細には、ホバー飛行、前方飛行、及び、これらの2つの飛行間の移行を安定的且つ効率的に実行するための高性能VTOL航空機に関する。
垂直離着陸(VTOL)航空機は、垂直離陸、ホバー飛行、前方飛行への移行、及び垂直着陸ができる航空機である。数年の間に多数の設計が提案されてきた。このタイプの航空機設計の主な課題の1つは、推進ユニットと翼との干渉(推進ユニットの後流が翼に衝突して翼の効率を低減するなど)を最小化するための、これらの相対的配置に関する。このような設計は、例えば、特許文献1に見られる。特許文献1は、前方飛行状態でファンのプロペラ後流が航空機の一部に唯一最小限に衝突するように戦略的に配置された6つのプロペラを使用している。しかし、プロペラが垂直飛行状態のときには、プロペラ後流の大部分が翼に衝突する。この問題を回避するための別の試みが特許文献2により提供されている。特許文献2は、プロペラを、ホバー状態でプロペラ後流が翼に衝突しないように翼から前後方向に十分に離れた構造物上に配置している。しかし、プロペラは所定位置で回転するため、前方飛行状態においては、前側プロペラからのプロペラ後流が後側のプロペラ及び翼に衝突する。これは、後側プロペラの性能に重大な損失を生じ得る。
さらにより最近の特許文献3は、特許文献2と類似の方法でプロペラを配置しているが、構造物全体が、1つのファンのプロペラ後流が別のファン及び翼に決して衝突しないように、ファンの同一相対位置を維持して回転する。不都合なことに、特許文献3においては、プロペラからのプロペラ後流が、いつでもプロペラ支持構造物に接触する。特許文献3のさらに別の重大な欠点は、航空機のプロペラ寸法及び全体設計が著しく制限されることである。これは、ホバー状態を上面から見たときにプロペラディスクと翼とが重なることがないようにする要求条件、及び、プロペラの直径をより大きくすると、より長く且つより重い支持構造物が必要になることによる。
特許文献4のように、別の設計も提案されており、寸法及び重量を低減した、よりコンパクトな平面面積を含む。しかし、特許文献4に示されている設計には2つの重大な欠点があり、この設計を非実用的にしている。第1に、この設計は、翼下の2つのプロペラのみを使用し、こうして製造される航空機は、ピッチ軸を中心として倒立振子のように振る舞うであろう。従って、不安定でピッチ制御が弱い。本発明の好ましい実施形態は、この問題を解決するために、4つの推進ユニット、及び、マルチロータ制御方法を用いる。第2に、特許文献4に示されている設計は、ガスエンジンを用いてプロペラを駆動するための、駆動シャフトの複雑なシステムを必要とする。
米国特許第8616492号明細書 米国特許第6655631号明細書 米国特許出願第2012/0261523号明細書 米国特許第2478847A号明細書
従って、ホバー飛行、前方飛行、及び、これらの2つの飛行間の移行を、安定的且つ効率的に実行する垂直離着陸(VTOL)航空機を提供することが必要であろう。この航空機は、1つ以上の翼を、可傾推進ユニット支持体に取り付けられた2つ以上のファン推進ユニットと共に含み、可傾推進ユニット支持体が、可傾推進ユニット支持体に取り付けられた全ての推進ユニットを、ほぼ垂直方向とほぼ前方方向との間の推力を生成するために傾けることを可能にする。前記全ての可傾ファン推進ユニットは、効率的な推力を最大化するためのプッシャ構成で戦略的に配置される。これは、どのような傾き角度においても、ファン推進ユニットの後流が、翼、可傾推進ユニット支持体、及び、航空機のその他のいかなる部分にも衝突しないように制限又は防止されることによる。
上記の欠点を考慮して、本開示は、概して、少なくとも1つの翼、少なくとも2つの可傾推進ユニット支持体、及び、少なくとも2つの推進ユニットを含む垂直離着陸(VTOL)航空機に関する。より詳細には、本発明は、ホバー飛行、前方飛行、及び、これらの2つの飛行間の移行を、安定的且つ効率的に実行するための高性能VTOL航空機に関し、この航空機は、1つ以上の翼を、可傾推進ユニット支持体に取り付けられた2つ以上のファン推進ユニットと共に含む全体設計を有する。可傾推進ユニット支持体が、全ての推進ユニットを、ほぼ垂直方向とほぼ前方方向との間の推力を生成するために傾けることを可能にする。前記全ての可傾ファン推進ユニットは、効率的な推力を最大化するためのプッシャ構成で戦略的に配置される。これは、どのような傾き角度においても、ファン推進ユニットの後流が、翼、可傾推進ユニット支持体、及び、航空機のその他のいかなる部分にも衝突しないように制限又は防止することによる。
本開示の原理によれば、例示的な実施形態は、どのような傾き角度においても、プロペラ後流が、航空機のいかなる部分にも衝突しないように抑制又は防止される構造を、上記のように航空機の全体設計又はプロペラ寸法を制限せずに採用する。これは、(1)全てのファンをプッシャ構成で配置すること(プロペラ後流がファン支持構造物から遠ざけられるように生成されることを意味する)、(2)プロペラを、ホバー状態においては翼の下に配置し、前方飛行状態においては部分的に翼の後ろに配置し、これにより、プロペラ後流が常に翼から遠ざけられるように向けられること、及び、(3)前方飛行状態において、前側プロペラからのプロペラ後流が後側プロペラ又は翼に衝突することを防止又は最小限にするために、前側プロペラを後側プロペラ及び翼に対して変位させること、により達成される。本発明の構造は、利用可能な推力の利用を効率的に最大化し、飛行のために必要な動力を最小限にし、且つ、航空機の性能パラメータ、例えば、飛行時間及び範囲を最適化する。
本開示の原理によれば、例示的な実施形態は、プロペラに直接接続された電気モータを使用して、複雑な駆動軸の必要を排除し、それにより、航空機の重量及び複雑性、並びに、製造コスト及びメンテナンスコストを低減する。最後に、本発明の好ましい実施形態は、2つのプロペラの代わりに4つのプロペラを用いることにより、ホバー状態において、効率的なマルチロータ制御方法を使用できる。
本開示の目的は、ホバー飛行、前方飛行、及び、これらの2つの飛行間の移行を安定的、制御可能且つ効率的に実行可能な航空機を提供するための、推進ユニット、翼、及び、機体の全体的構造から成る全体設計を採用した高性能VTOL航空機を提供することである。
本開示の別の目的は、高性能VTOL航空機であって、1以上の翼を、可傾推進ユニット支持体に取り付けられた2つ以上のファン推進ユニットと共に有し、当該可傾推進ユニット支持体が、全ての推進ユニットを、ほぼ垂直方向とほぼ前方方向との間の推力を生成するために傾けることを可能にし、前記全ての可傾ファン推進ユニットが、効率的な推力を最大化するためのプッシャ構成で戦略的に配置された、高性能VTOL航空機を提供することである。効率的な推力の最大化は、ファン推進ユニットの後流が、どのような傾き角度においても、翼、可傾推進ユニット支持体、及び、航空機のその他のいかなる部分にも衝突しないように制限又は防止されることにより行われる。
別の目的は、ホバー及び前方飛行の両方のために好適な安定性、制御可能性、及び、性能品質を提供するように翼の戦略的な設計を提供し、尚且つ同時に、推力推進ユニットの戦略的配置に適合する、高性能VTOL航空機を提供することである。
別の目的は、ホバー状態における高度の制御性を、ホバー推力及び制御トルクを生成するための2つ以上の推進ユニットを用いることにより提供する、高性能VTOL航空機を提供することである。
本発明のその他の目的及び利点も読者に明らかになろう。これらの目的及び利点が本開示の範囲内にあることが意図されている。上記の及び関連する目的の達成のために、本開示は、例示的な実施形態を添付図面に示す。
本発明の目的及び特徴が、より良好に理解されるように、以下に、図面の簡単な説明と、次いで、本発明の詳細な説明を記載する。
本発明のその他の様々な目的、特徴、及び、付随する利点は、これらが添付図面と共に考察されたときに、より良好に理解されて十分に認識されるであろう。複数の図面を通じて、類似の参照符号は、同一の又は類似の部品を示す。
本開示の原理に従う第1の例示的な実施形態のための推進ユニット及び翼の、前方飛行状態における位置の全体図である。 本開示の原理に従う第1の例示的な実施形態の、前方飛行状態における上方斜視図である。 本開示の原理に従う第1の例示的な実施形態の、前方飛行状態における下方斜視図である。 本開示の原理に従う第1の例示的な実施形態の、前方飛行状態における上面図である。 本開示の原理に従う第1の例示的な実施形態の、前方飛行状態における分解上方斜視図である。 本開示の原理に従う第1の例示的な実施形態の、前方飛行状態における、プロペラディスクの概念図を含む正面図である。 本開示の原理に従う第1の例示的な実施形態の、前方飛行状態における、重心、推力中心、推力線、及びプロペラ後流の概念図を含む左側面図である。 本開示の原理に従う第1の例示的な実施形態の、ホバー飛行状態における上方斜視図である。 本開示の原理に従う第1の例示的な実施形態の、ホバー飛行状態における下方斜視図である。 本開示の原理に従う第1の例示的な実施形態の、ホバー飛行状態における、プロペラディスクの概念図を含む上面図である。 本開示の原理に従う第1の例示的な実施形態の、ホバー飛行状態における、プロペラ後流の概念図を含む正面図である。 本開示の原理に従う第1の例示的な実施形態の、ホバー飛行状態における、重心、推力中心、推力線、及びプロペラ後流の概念図を含む右側面図である。 本開示の原理に従う後ろ側の可傾推進ユニット支持体及び推進ユニットの、前方飛行状態における詳細を示す下部図である。 本開示の原理に従う後ろ側の可傾推進ユニット支持体及び推進ユニットの、前方飛行状態における詳細を示す左側面図である。 本開示の原理に従う後ろ側の可傾推進ユニット支持体及び推進ユニットの、前方飛行状態における詳細を示す分解下部図である。 前方可傾推進ユニット支持体及び推進ユニットの、前方飛行状態における詳細を示す下部図である。 好ましい実施形態の制御システムを示す線図である。
本開示の原理による例示的な実施形態の説明は、記載される全説明の一部と見なされるべき添付図面を参照しつつ読まれることが意図されている。本明細書に開示される本発明の実施形態の説明において、方向又は向きに関するどのような言及も、説明の便宜のためのものに過ぎず、本発明の範囲を制限することは全く意図されていない。相対用語「下方」(“lower”)、「上方」(“upper”)、「水平」(“horizontal”)、「垂直」(“vertical”)、「より上」(“above”)、「より下」(“below”)、「上に」(“up”)、「下に」(“down”)、「上面」(“top”)、及び、「下部」(“bottom”)、並びに、それらの派生語(例えば、「水平に」(“horizontally”「下方に」(“downwardly”)、「上方に」(“upwardly”)など)は、その時点で説明されているか又は議論中で図示されているような向きに言及していると解釈されるべきである。これらの相対用語は説明の便宜のためのものに過ぎず、明確にそのように示されていない限り、装置が特定の向きで構成又は動作されることを要求するものではない。用語「付着され」(“attached”)、「取り付けられ」(“affixed”)、「接続され」(“connected”)、「機械的に連結され」(“mechanically coupled”)、「相互接続され」(“interconnected”)、及び、これらの類義語は、別段の記載がない限り、構造物が互いに、直接的、或いは、介在構造物を介して間接的に、固定され又は取り付けられる関係、及び、両方の構造物が移動可能であるか若しくは堅固に取り付けられる関係を示すものである。「電子的に接続され」などの用語は、電子素子(例えば、電源、アンプ、コンピュータ、及び、回路)間の、有線又は無線の接続を示す。また、本開示の特徴及び利点は、例示された実施形態に言及することにより示される。従って、本発明が、これらの例示的な実施形態に限定されるべきでないではないことは明確である。これらの実施形態は、特徴の、限定的でない何らかの可能な組み合せを示し、これらの特徴は、単独で、或いは、特徴のその他の組合せとして存在し得る。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲により定義される。
ここで、図面を参照して説明する。複数の図面を通じて、類似の参照符号は類似の要素を示す。図面は、2つの翼、4つの推進ユニット、4つの可傾推進ユニット支持体、1つの胴体(機体)、1つのランディングギヤ(着陸装置)、及び、1つのフライトコントローラ(飛行コントローラ)を有する例示的な実施形態を示す。
ホバー飛行中の安定性を維持するために、ホバー飛行中の推力の中心(推進ユニットの位置により決定される)が、航空機1の重心に鉛直軸上で位置合わせされなければならない。前方飛行中の安定性のためには、前方飛行中の空気力学的中心(翼の位置及び寸法により決定される)が、長手方向軸上の重心又はその後ろになければならない。推進ユニット及び翼の両方が、航空機1の重心に対する特定の位置決めを必要とし、且つ、重心が1つの特定の位置にほぼ固定されなければならない。その結果、VTOL航空機1は、ホバー安定性及び前方飛行安定性の両方を維持するために、航空機1の推進ユニットが航空機1の翼に対して非常に特定的な位置を有さなければならず、尚且つ、翼は、非常に特定的な相対寸法を有さなければならない。
この概念を、図1の概略図を用いて示し得る。図1は、距離Dだけ離隔された2つの翼を示し、前翼10Fが翼全面積SFを有し、後翼10Aが、翼全面積SAを有する。また、前翼の空気力学的中心から距離dFだけ後方に配置された幾つかの前側推進ユニット30F、及び、後翼の空気力学的中心から距離dAだけ後方に配置された幾つかの後側推進ユニット30Aが存在する。分析を単純にするために幾つかの仮定をする。重量分布を移動させることにより、重心が航空機1のどのような場所にも位置し得ると仮定するならば、推力中心及び空気力学的中心の相対位置のみを考慮すればよい。推力中心は、前側推進ユニット30Fと後側推進ユニット30Aとの間の幾何学的中心に位置することになる。ホバー中に全ての推進ユニットが同じ推力を生成すると仮定する。なぜならこれが、ホバーに必要な力が最小の理想的なシナリオだからである。空気力学的中心は、前翼と後翼との間の、各翼の面積により加重された幾何学的中心に位置すると仮定する。これは、両方の翼が同一面積を有するならば、空気力学的中心が後翼10Aの重心と前翼10Fの重心との間の中間地点に位置することを意味する。しかし、前翼10Fが後翼10Aよりも大きい面積を有するならば、空気力学的中心は、前翼10Fの空気力学的中心のより近くに移動するであろう。図1において、両方の翼が同一面上に位置するように示されていることが理解されよう。これは、翼及び推進ユニットの鉛直方向位置がこの分析に影響を与えないからである。
推進ユニットにより与えられる推力中心位置が、翼の位置及び寸法により与えられる空気力学的中心と合致するように簡単な幾何学的形状を用いることにより、推進ユニット30F及び30Aの、翼10F及び10Aに対する位置の所要関係、並びに、要求される翼寸法が決定される。空気力学的中心と推力中心とが合致するならば、ホバー飛行及び前方飛行が達成可能であると推測される。なぜなら、航空機1の重量分布を移動させると、航空機1の重心を、これらの空気力学的中心及び推力中心に合致させるように調整できるからである。得られる式を以下に示す、
SF/A=1/2−((dA+dF)/2D)
SA/A=1/2+((dA+dF)/2D)
上記式中、Aは翼の全面積であり、前翼面積SFと後翼SAとの合計に等しい。これらの式から、推進ユニットが翼に対して後に移動されるならば(dA及びdFは正数)、後翼が前翼よりも大きくなければならない(SA>SF)ことが明確に分かる。例えば、好ましい実施形態は、dA+dF=D/3を用いる。この式を上記式に挿入すると、SF/A=1/3、及び、SA/A=2/3が得られる。これは、後翼面積が翼の全面積の3分の2であり、従って、ホバー飛行及び前方飛行の両方の安定性を維持するためには後翼が前翼よりも大きくなければならないことを意味する。本発明の中心概念の1つが、推進ユニットを、翼下の位置と翼の後ろの位置との間で回転させることであるため、推進ユニットは、翼に対して長手方向後方に移動された位置に配置される傾向がある。また、前方飛行安定性を維持するために、前翼よりも大きい後翼が必要とされる可能性が非常に高い。
A.翼
翼は、特別に設計された空気力学的構造物であり、翼の形状及び空気力学的特性を必要に応じて修正するための、制御面、フラップ、エアブレーキ及びその他の装置を有し得る。翼は、通常、翼端として知られている端部、及び、翼根として知られている対称形の中央セクションを有する、2つの対称な細長い構造物から構成されている。翼の主な機能は、飛行機と同様の方法で、揚力を提供し、航空機1の効率的で安定的な前方飛行を可能にすることである。また、翼の機能は、航空機1の向きを、制御面又は他の装置を用いて空気力学的特性を能動的に修正することにより制御することも含み得る。また、同一の効果を提供するために、翼を機械的に傾けることもできる。
図2Aに見られるように、好ましい実施形態は、タンデム翼構造を有し、この構造において、空気力学的な揚力荷重が、1つの前翼10Fと1つの後翼10Aとの間で分配される。前翼10Fは後翼10Aよりも小さい。図2Fに見られるように、後翼10Aは、前翼10Fよりも高い位置に配置されている。これは、航空機1が前方飛行状態にあるときに、前側推進ユニット30Fのプロペラ後流34が後側推進ユニット30A又は後翼10Aに衝突することを防止するため、及び、翼間の空気力学的相互作用を最小限にするためである。後翼10Aは、エレボンとして機能する可動制御面14Aを有する。これは、可動制御面14Aが、ロール(ローリング)を制御するための慣用の航空機補助翼として、そして同時に、航空機1のピッチを制御するための慣用の航空機エレベータとして機能することを意味する。また、後翼10Aは、各翼端に、航空機1のヨー安定性を高めるための垂直方向スタビライザとして機能するスタビライザ13Aも有する。さらに、スタビライザ13Aは、後翼10Aの空気力学的効率を、翼端小翼(ウィングレット)と類似の方法で、翼端渦を低減することにより高める。以下に説明するように、この特別な翼構造は、ホバー飛行及び前方飛行の両方に好都合な空気力学的品質を提供し、且つ、本開示により提供される推進ユニットの戦略的な配置に適合し得る。
また、好ましい実施形態は、中央セクション11A及び11F、及び、外側セクション12A及び12Fを有する翼を用いる。翼の外側セクション12A及び12Fは、輸送及び保管のために航空機の寸法を低減するために容易に取り外しができる。また、翼の外側セクション12A及び12Fがテレスコープ状機構を有することも可能であり、翼は、引き込み機構を用いて、翼の中央セクションに自動的に引き込まれ得る。これは、垂直離着陸のために翼を引き込むことにより、航空機をよりコンパクトにし、そして、飛行中には、前方飛行への移行前に翼を伸長させることを可能にするであろう。これらのオプションは、さらなる利便性を提供し得る。しかし、複雑性及びコストの最小化のためには、所定位置に固定された翼を航空機に用いてもよい。
翼のその他の変型例も可能である。これらの変型例は、2つよりも多くの、又は2つよりも少ない翼を有すること、及び、翼の形状又は位置を変更することを含む。例えば、2つの翼を、一方を他方よりも低い位置にする代わりに、同一面に配置してもよい。別の例は、前翼を、翼の代わりにカナード(先尾翼)として機能するように、より小さくすることであろう。翼は、飛行中、空気力学的制御を提供するために、可傾性能を有し得る。また、翼は、より多くの制御装置、例えば、フラップ、スラット、及びエアブレーキを有し得る。別の可能性は、翼に制御面を含まず、航空機1の制御を、その他の方法(例えば、推進ユニットの差動推力又は差動傾斜)により実現する。また、スタビライザを除去して、航空機を、その他の方法(例えば、能動的安定化のための制御面を用いる)で安定化することも可能である。また、スタビライザを様々なその他の方法で設計して、航空機1のその他の部品に配置することも可能である。
B.推進ユニット
推進ユニットは、幾つかのタイプの推力生成ファン、例えば、プロペラ、可変ピッチプロペラ、ダクテッド(ダクト付き)ファン、同軸逆回転プロペラ、又はロータから主に、構成される。ファンは、電気モータ、燃料モータ、又はその他のタイプのモータにより駆動され得る。推進ユニットの機能は、航空機を推進するために推力を提供すること、及び、推力ベクトルの方向及び大きさを制御することにより航空機の制御可能性を提供することである。ファンが推力を発生させるとき、ファンは、後流と称される空気流も、推力ベクトルとは反対の方向に発生する。本発明は、効率的な推進を妨げ且つ不安定性をもたらすような後流が航空機の部品に衝突することを制限又は防止するために、推進ユニットを戦略的に配置する。これを実現する本発明の方法の1つは、全てのファンをプッシャ構成で配置することである。これは、推力ベクトルがファン支持構造物又は装置の方向に生成され、従って、スリップストリームが前記支持構造物又は装置から遠ざかる方向に向けられることを意味する。本発明は、2つ以上の推進ユニットを有し、これは、飛行中の航空機の向きを、各推進ユニットにより個々に生成される推力を変えることにより制御することを可能にする。この制御は、ファン速度、ブレードのピッチを制御することにより、又はその他の方法で行われることができる。ファンはトルクも発生するため、トルクの差動制御も航空機の向きの制御に利用できる。各推進ユニットは可傾推進ユニット支持体に接続されており、可傾推進ユニット支持体は、ファン推進ユニットを航空機に取り付け、尚且つ所望の方向に傾けさせる。同一の可傾推進ユニット支持体にモータを配置でき、或いは、プーリ、若しくはファンを駆動させるための駆動システムを用いて航空機に配置できる。1つのモータを用いて複数のファンを駆動させても、或いは、各ファンが独自のモータを有してもよい。
図2Bにみられるように、好ましい実施形態は、2つの前側推進ユニット30F及び2つの後側推進ユニット30Aを用いる。各推進ユニットは、時計回り回転プロペラ32C又は反時計回り回転プロペラ32CCW、及び、電気モータ31から構成されている。各プロペラ32C又はプロペラ32CCWは電気モータ31に直接接続されており、電気モータ31は、可傾推進ユニット支持体40A又は40Fの回転セクション41A又は41Fに接続されている。可傾推進ユニット支持体40A又は40Fは、推進ユニットを翼10A又は10Fに取り付け、尚且つ所望の方向に傾けさせる。図2Dに見られるように、プロペラ32C又はプロペラ32CCWはプッシャ構成で配置される。これは、プロペラが、モータ31から離れる方向に後流34を発生することを意味する。電気モータは航空機の電力システムに接続されており、電力システムは、エネルギーを貯蔵するためのバッテリを含み得る。
推進ユニットのその他の変型例も可能である。推進ユニットは、可変ピッチプロペラ、ダクテッドファン、同軸逆回転プロペラ、又はロータを、固定ピッチプロペラの代わりに使用し得る。同軸逆回転プロペラ構造は、一方が他方の前に配置された、一致する回転軸により反対方向に回転する1対のプロペラを使用する。これは、航空機の、より大きい推力と、従って、より大きい揚力とを、航空機の全体寸法を増大させずに可能にする。可変ピッチプロペラは、ホバー飛行と前方飛行とで変化する飛行状態にわたって推進ユニットの効率及び性能を維持するために有用であり得る。また、前側推進ユニットに、後側推進ユニットとは異なるファンを使用することで、航空機の重心の位置の融通性をより高めることも可能である。例えば、前側推進ユニットは、後側推進ユニットよりも大きい直径のプロペラ又はより多数のブレードを用いることが可能であり、これにより、前側推進ユニットは、公称条件において、より多くの推力を生成し、且つ、航空機の重心を、ホバー安定性を維持した状態で移動できる。また、燃料モータも使用し得る。プロペラをモータに接続するために、ギヤボックス又はトランスミッションを用い得る。また、モータを航空機上に配置し、プーリ又はその他の駆動システムを介してプロペラを駆動することも可能である。こうして、1つのモータを用いて複数のプロペラを駆動し得る。好ましい実施形態は、4つの推進ユニット(各翼の下に2つ)を用い得るが、異なる個数の推進ユニットを用いることも可能である。例えば、4つの推進ユニットを各翼の下に設置して、合計8つの推進ユニットを使用できる。これは、航空機の揚力性能を増大し、また、推進ユニットの1つが故障した場合のシステムの冗長性及び信頼性を向上させる。
C.可傾推進ユニット支持体
可傾推進ユニット支持体は、固定されたセクション及び回転セクションを有する機械的構造である。回転セクションは推進ユニットに接続されており、一方、固定セクションは航空機に取り付けられている。可傾推進ユニット支持体は、1以上の軸を中心とした回転セクションの傾きの制御を可能にするヒンジ及びアクチュエータを有する。可傾推進ユニット支持体の機能は、推進ユニットを所望の方向に傾けることができる状態で推力を推進ユニットから航空機に伝達し、それにより推進ユニットの推力ベクトルの方向を制御することである。全ての可傾推進ユニット支持体は、推進ユニットを、ファンの後流がいつでも可傾推進ユニット支持体から遠ざけられるように方向づける。可傾推進ユニット支持体は、推進ユニットを、航空機に対するほぼ垂直方向とほぼ前方方向との間の推力ベクトルを生成するように傾け得る。垂直方向における推力の生成のための傾き状態が、航空機の持続的なホバー飛行の実行を可能にする。これを、航空機のホバー飛行状態と称する。前方方向における推力の生成のための傾き状態が、航空機がその翼を用いて飛行機と同様の仕方で前方飛行することを可能にする。これを、航空機の前方飛行状態と称する。垂直方向と前方方向との間の推力ベクトルの配向を用いて、航空機を、ホバー飛行と前方飛行との間で移行させ得る。これを、航空機の移行状態と称する。可傾推進ユニット支持体は、推進ユニットが垂直方向と水平方向との間で回転されるときに、推進ユニットの特定の並進運動を生じるように設計されている。推進ユニットのこの並進運動は、純推力ベクトルが航空機の重心に対して特定且つ有利な方法で移動するように調整できる。この特徴は、以下の章Hでさらに詳細に説明する。
図2Bに見られるように、好ましい実施形態は、前翼10Fに連結された2つの可傾推進ユニット支持体40F、及び、後翼10Aに連結された2つの可傾推進ユニット支持体40Aを有する。図4A及び図5に見られるように、各可傾推進ユニット支持体は、電気サーボアクチュエータ44A及び44Fを含む固定セクション42A及び42Fと、単一の軸ヒンジ43A及び43Fを中心に回転する細長い回転セクション41A及び41Fとから構成されている。サーボアクチュエータ44A及び44Fは、回転セクション41A及び41Fを、ギヤ付き駆動部45A及び45Fを使用して傾ける。回転セクション41A及び41Fは、推進ユニット30A及び30Fのモータ31に接続されている。一方、固定セクション41A及び41Fは、翼10A又は10Fの下側に取り付けられている。可傾推進ユニット支持体40A又は40Fは、推進ユニット30A及び30Fの後流34が、可傾推進ユニット支持体40A若しくは40Fに、又は、翼10A若しくは10Fに、又は、航空機のその他の部分に衝突しないように推進ユニット30A及び30Fを傾けることが可能である。航空機が、図1Fに示されているように前方飛行状態にあるとき、プロペラ32C又は32CCWは翼10A又は10Fのほぼ後ろの領域にあり、後流34は後方へ発生されて翼から遠ざけられる。図2Eは、前方飛行状態の航空機の正面図を示す。この図に、プロペラディスク33が描かれている。プロペラディスク33の円は、プロペラが回転するときにプロペラが描く領域を示す。推進ユニット30Aと推進ユニット30Fとが互いに対して、プロペラディスク33の重なりを最小限にするようにずらして配置されているのが観察される。これは、図2Fに見られるように、前側推進ユニット30Aの後流34が後側推進ユニット30Fに衝突するのを防止するためである。図3Eに見られるように、航空機がホバー飛行状態にあるときに、プロペラ32C又は32CCWは翼10A又は10Fの下に配置され、プロペラ後流34は、下方へ、翼から遠ざかるように向けられる。
可傾推進ユニット支持体のその他の変型例も可能である。例えば、サーボモータが、推進ユニットの回転セクションを、ベルト、チェーン、4バーリンケージ、又はその他の機構を用いて傾けることもできる。サーボモータの代わりに、異なるタイプのアクチュエータ、例えば、油圧システム、又は他のタイプのシステムを用いてもよい。複数の推進ユニット支持体を単一のアクチュエータにより、アクチュエータと可傾推進ユニット支持体と間にベルト又は駆動シャフトを用いて回転させてもよい。可傾推進ユニット支持体が、1つより多い数の軸を中心として回転することも可能であり、これにより、航空機の制御性を向上させ、又はその他の利点を提供できる。可傾推進ユニット支持体を、航空機のその他の部分、例えば胴体に取り付けることも可能である。或いは、可傾推進ユニット支持体を、翼の翼端に直接配置することも可能である。
D.胴体
胴体は、航空機本体を形成する構造物である。胴体の主な機能は、その他の構成要素を適切な位置に保持すること、そして、コックピット及び乗客キャビン(航空機が有人の場合)、並びにその他の構成要素、例えば飛行コントローラ及びペイロードのための空気力学的包囲体を提供することである。
本発明の好ましい実施形態は、遠隔操縦され得る無人航空機で、自律的又は半自律的であり、従って、コックピット及び乗客キャビンを含まない。好ましい実施形態は、1つの胴体20を有し、胴体20は、後翼10A及び前翼10F、並びに、着陸装置50及び飛行コントローラ60を保持している。胴体は、ペイロード、及び、センサ又はその他の所望の付加物のための十分なスペースを提供できる。胴体20に対する推進ユニット30F及び30A、並びに翼10F及び10Aの位置は、カメラ及び他のセンサを配置するための十分なスペースを、前方視野、側方視野、及び、下方視野を妨害せずに提供する。これは特に、監視及び遠隔操縦の用途に有用である。
胴体のその他の変型例も可能である。1つよりも多い数の胴体を用いることも可能であり、或いは、本発明が、胴体を有さずに「全翼機」(‘flying wing’)タイプの機体であってもよい。胴体が、その他の形状及び寸法を有することも可能である。
E.着陸装置(landing gear)
着陸装置は、航空機が安全に着陸及び離陸することを可能にする構造物である。好ましい実施形態は、胴体20に連結された、車輪51を有する固定された着陸装置50を用いており、三輪式である。すなわち、2つの主要車輪を後側に有し、そして、前側の1つの操縦可能な前輪を有する。着陸装置50は、航空機を地面から上昇させて、プロペラ32C及びプロペラ32CCWから地面までの十分な空間を任意の推進ユニット傾斜角でもたらす。これは、航空機が、標準的な滑走路を使用して前方飛行状態で離着陸すること、若しくは、短い滑走路を使用して移行飛行状態で短距離離着陸すること、又は、滑走路を必要とせずにホバー飛行状態で垂直離着陸することを可能にする。
着陸装置のその他の変型例も可能である。これらの変型例は、格納式着陸装置の使用を含み、従って、着陸装置は折り畳まれて胴体内部に格納でき、これにより、飛行中の空気力学的抵抗を最小限にでき、又は、センサの妨害を回避できる。より多数の車輪を使用することもでき、又は、タンデム型の着陸装置構造を用いることもできる。この場合、主要着陸車輪が胴体下に用いられ、アウトリガー車輪は翼の下に配置される。或いは、着陸装置に、車輪の代わりに着陸脚又はスキッドを使用してもよく、これは、垂直離着陸を可能にするだけでなく、重量及び複雑性を最小化する。
F.飛行コントローラ
航空機の飛行は、制御面を動かす、推進ユニットの推力を変える、及び、推進ユニットを傾ける、などの多くの方法及び装置を用いて制御される。飛行コントローラは、所望の飛行挙動を生じるために、パイロットの入力を、これらの制御方法及び装置のための適切な制御信号に変換する電子装置である。また、飛行コントローラは、航空機の飛行を自動的に安定化させるために、内部の安定化アルゴリズム及びセンサを用い得る。加えて、飛行コントローラは、半自律飛行から完全な自律飛行の範囲にわたる様々な程度の飛行自律性を提供するために、内部の自律飛行アルゴリズムも用い得る。飛行コントローラのその他の可能な機能は、航空機から地上ステーションにテレメトリ(遠隔測定)データを送信すること、又は、飛行情報を記録することを含む。
図6は、好ましい実施形態の制御システムの概略図である。好ましい実施形態は、胴体20内に配置された1つの飛行コントローラ60を有する。好ましい実施形態が無人航空機1であるため、パイロットは遠隔位置におり、飛行コントローラ60は、無線制御信号の形態のパイロットの入力PIを受信する。飛行コントローラは、パイロットの制御信号、及び、内部センサからのデータを利用し、自律飛行制御アルゴリズムAFA、安定化アルゴリズムSA、及び、ミキサMを用いて、航空機の制御方法及び装置のための適切な制御信号を生成する。これらの制御方法及び装置は、推進ユニット30A及び30Fの傾き角度VTAを変化させること、モータ30の速度VPを変化させて、推進ユニット30A及び30Fにより生成される推力を調整すること、及び、後翼10Aの制御面CSを動かすことから成る。
G.好ましい実施形態の詳細な説明
本発明は、2つ以上のファンを用いて、ホバー飛行及び前方飛行のための推力を提供する。ファン、例えば、プロペラ、ロータ又はダクテッドファンは、ホバー飛行のための理想的な推進装置である。なぜなら、これらは、ホバリング状況において、その他の推進方法(例えばターボジェット)よりも高い効率をもたらすからである。ホバリングビークルのための最も効率的なファン設計は、ヘリコプタ設計で行われているような、大直径の単一のメインファンを用いることである。しかし、ヘリコプタ設計には重大な欠点がある。それは主に、メインロータのトルクを相殺するために尾部ロータを用いなければならず、それが、全動力の約15%を消費すること、そして、航空機の制御を可能にするために、メインロータが、複雑な、周期的且つ集合的なピッチ機構を必要とすることである。これらの機構は、重いアクチュエータを必要とし、複雑性を増して、システムの確実性を低減する場合がある。また、維持費も高いであろう。マルチロータ設計として知られている別の設計は、大きいファンの代わりに、複数のより小さいファンを用いる。偶数個のファンを使用し、且つ、ファンの半数を時計回り方向に回転させ、その他のファンを反時計回りに回転させることにより、ファンの純トルクを相殺でき、トルク相殺ファンは必要でない。奇数個のファンを使用する場合、ファンを僅かに傾けることにより、いずれの純トルクも相殺できる。そして、航空機の姿勢を、各ファンにより発生された推力及びトルクを調整することにより簡単な方法で制御できる。これは、ファンが固定ピッチプロペラである場合、各プロペラの速度を変えることにより実現される。マルチロータデザインは本質的に不安定である場合が多いが、電子飛行コントローラ装置を採用することで、推進ユニットの推力を能動的に制御し、且つ、航空機を効果的に安定化できる。これらの理由により、マルチロータ設計は、無人空中車両で一般的に使用される、機械的に単純で高制御性のホバリング航空機の設計を提供する。好ましい実施形態は、電気モータ31を有する4つの固定ピッチプロペラ32C及び32CCWを備えたマルチロータ設計を、推進のために採用する。この4つの個数により、制御性及び安定性のレベルと、複数の推進ユニットのためのコストとメンテナンスとの間にバランスがもたらされる。固定ピッチプロペラを有するモータが、機械的に単純な設計をもたらす。また、4つの推進ユニットの使用が、高度の制御性をもたらし、これが、飛行コントローラの安定化及び制御アルゴリズムと組み合わされて、非常に安定的で操作し易いホバリング航空機を提供する。
ファンは、ホバリング飛行のための有効な装置であり得るが、前方飛行のための性能には限界がある。前方飛行においては、ファンよりも翼が、より効率的に揚力を生成できる。これは、飛行機が、ヘリコプタと比較して一般的に、より長い時間及び範囲にわたり飛行可能なことにより明らかである。加えて、ホバリング飛行のためには大型ファンが効率的であるが、前方飛行のためには、より小型のファンがより効率的である場合が多いことが証明されており、より高い最高速度が得られる。多くのVTOL設計は、垂直上昇ファンを前方飛行翼と組み合わせることにより、効率的な垂直飛行及び前方飛行が可能な設計を創出しようとしている。幾つかの設計は、ホバリングのみに使用される垂直上昇ファンを使用し、従って、これらのファンはホバリング状況のために最適化され得る。しかし、これらの垂直上昇ファンは、前方飛行においてはデッドウェイトとなる。本発明は、「チルトロータ」(‘tilt-rotor’)構造を用いる。この構造は、全てのファンをホバー飛行及び前方飛行の両方で使用するために傾けることができ、また、これらの2つの飛行モードに効率のバランスをもたらすように設計されている。
チルトロータ設計の重大な課題は、ファンにより生じるプロペラ後流が航空機のその他の部分に衝突する場合があり、航空機が利用できる有効な推力を低減し、飛行不安定性を誘発し得ることである。これは特にホバリング飛行にとって重大である。なぜなら、これが、ホバーの所要動力及び耐久性に有害な影響を与え得るからである。これらの問題に、様々なVTOLチルトロータ設計が様々な方法で対処している。例えば、V−22オスプレイ航空機は、比較的小さい翼の翼端に取り付けられた大型ロータを使用することで、翼に衝突するプロペラ後流の一部を最小化している。ホバーモード時には、プロペラ後流に露出される翼面積を最小化するために翼のフラップが下げられる。しかし、2つより多い数のファンを有する設計には、優れたレベルの制御性が必要であろう。2つより多い数のファンを使用する場合、これらのファンは、翼と比較して小さい場合が多く、プロペラ後流のより多くの部分が翼に衝突するであろう。これは、米国特許第8616492号に提示されている設計に見られる。この設計は、前方飛行状態時にファンの最小限のプロペラ後流のみが航空機の一部に衝突するように戦略的に配置された6つのプロペラを使用する。しかし、プロペラの垂直飛行状態時には、プロペラ後流の多くの部分が翼に衝突する。加えて、前方飛行状態において、プロペラ後流は、やはりなお、翼及びモータポッドに衝突する。この問題を回避しようとする別の設計が、米国特許出願第6655631号の設計である。この設計は、プロペラを、ホバー状態でプロペラ後流が翼に衝突しないように翼から前後方向に十分遠くに延在する構造物上に配置する。しかし、プロペラは所定位置で回転するため、前方飛行状態おいては、前側プロペラからのプロペラ後流が後側のプロペラ及び翼に衝突する。これが、後側プロペラの性能に重大な損失を生じ得る。別のより最近の試みは、特許文献3(米国特許出願第20120261523A1号明細書)の設計である。この設計は、特許文献2(米国特許出願第6655631号明細書)と類似の構成でプロペラを配置するが、構造物全体が、1つのファンのプロペラ後流が別のファン及び翼に決して衝突しないように、ファンの同一相対位置を維持して回転する。しかし、プロペラからのプロペラ後流が、いつでもプロペラ支持構造物に接触する。この設計のさらに別の重大な欠点は、車両のプロペラ寸法及び全体設計が著しく制限されることである。この制限は、ホバー状態を上面から見たときにプロペラディスクと翼とが重なることがないようにする要求条件によるものであり、また、より大きい直径のプロペラを用いると、より長く且つより重い支持構造物が必要になることによる。本発明が採用する設計は、どのような傾き角度においても、プロペラ後流が航空機のその他のいかなる部分にも衝突しないように、上記のように航空機の全体設計又はプロペラ寸法を制限せずに抑制又は防止する設計である。これは、以下の方法により達成される。すなわち、(1)全てのファンをプッシャ構成で配置すること(プロペラ後流がファン支持構造物から遠ざけられるように生成されることを意味する)、(2)ファンを、ホバー状態においてはファンの一部が翼下にあり、前方飛行状態においてはファンの一部が翼の後ろにあるように配置し、従って、プロペラ後流は常に翼から遠ざけられるように向けられること、及び、(3)前側プロペラを後側プロペラ及び翼に対して変位させ、これにより、前方飛行状態において、前側プロペラからのプロペラ後流が後側プロペラ及び翼に衝突することを防止又は最小限にすることである。この設計は、利用可能な推力の利用を効率的に最大化し、飛行のために必要な動力を最小限にし、且つ、航空機の性能パラメータ、例えば、飛行時間及び範囲を最適化する。図3Cに示されているように、プロペラディスク33を翼10A及び10Fの下に配置することが可能にされているため、翼の寸法に対するプロペラの寸法に関して制限がなく、また、航空機の平面面積をよりコンパクトにでき、寸法及び重量を低減できる。このプロペラの設計及び配置は、特許文献4(米国特許第2478847A号明細書)の設計に類似している。しかし、特許文献4に示されている設計には、2つの重大な欠陥があり、それらがこの設計を非実用的にしている。第1に、この設計は、翼下の2つのプロペラのみを使用し、こうして製造される航空機は、ピッチ軸を中心として倒立振子のように振る舞うであろう。従って、不安定でピッチ制御が弱い。本発明の好ましい実施形態は、この問題を解決するために、4つの推進ユニット、及び、マルチロータ制御方法を用いる。第2に、特許文献4に示されている設計は、ガスエンジンを用いてプロペラを駆動するために、駆動シャフトの複雑なシステムを必要とする。本発明の好ましい実施形態は、プロペラに直接接続された電気モータを使用して、複雑な駆動軸の必要を排除し、それにより、航空機の重量及び複雑性、並びに、製造コスト及びメンテナンスコストを低減する。最後に、本発明の好ましい実施形態は、2つのプロペラの代わりに4つのプロペラを用いることにより、ホバー状態において、効率的なマルチロータ制御方法を使用できる。
また、可傾推進ユニット支持体40A及び40Fは、それらが垂直方向と水平方向との間で回転されたときに推進ユニット30A及び30Fの特定の並進運動を生じるように設計されており、これにより、推進ユニットのいかなる傾斜角においても、推力線90は常に、航空機の重心70又はそれに近接した位置を通過する。推力線90は、全ての推進ユニットからの純推力が集中される位置を表す。全ての推進ユニットが同一の動力設定で動作する(推進ユニットが互いに同一の場合、最も効率的な構成)ならば、推力線は、全ての推進ユニットの位置の間の幾何学的平均に位置する。これは、図2F(前方飛行状態の好ましい実施形態を示す)に明確に見られる。推進ユニット30A及び30Fが前方飛行状態にあるとき、推力線90は重心を通過し、且つ、推力中心80は重心70の後ろに位置する。図3Eにおいて、推進ユニット30A及び30Fは、ホバー飛行状態のために回転されており、推力線90は、まだなお重心70を通過しており、推力中心80は重心70の下に位置している。前方飛行状態とホバー飛行状態の両方において、推力線90が重心70両を通過するため、推進ユニットの推力は、不安定化トルクを航空機上に生成しない。これは、可傾推進ユニット支持体40A及び40Fの戦略的な設計により実現され、可傾推進ユニット支持体40A及び40Fは、ホバー飛行状態と前方飛行状態との間で傾けられるときに、推進ユニット30A及び30Fの特定の並進運動を生じる。より詳細には、後側可傾推進ユニット支持体の回転セクション41Aは、可傾推進ユニット支持体が前方飛行状態とホバー飛行状態との間で傾けられるときに後側推進ユニット30Aがかなり前方に並進されるように比較的長くつくられる。この前方並進は、重心70を通過する推力線90を維持するように設計されている。前側推進ユニット支持体の回転セクション41Fは、短い長さに維持される。これは、航空機がホバー状態にあるときに、前側推進ユニット30Fが前翼10Fの下に延在し過ぎないように、従って、着陸装置50を、着陸時に前側推進ユニット30Fと地面との間隙を維持するために長くし過ぎる必要がないようにするためである。可傾機構を、推力線90が重心70を通過するように設計することは、全てのプロペラが同一の速度及び推力レベルで動作すること(全ての推進ユニットが互いに同一の場合、最も効率的な構成)を可能にして安定性を維持するという点で有利である。しかし、推力線が正確に重心を通過しないような機構が設計される場合でも、航空機は、幾つかの推進ユニットがより多くの推力を生成し、その他の推進ユニットがより少ない推力を生成することにより、まだなお安定的に飛行し得る。これは、推進ユニットの使用における、より低効率な方法であるが、可傾推進ユニット支持体の設計の融通性を高めることを可能にし、設計の他の要素(例えば、重量及び複雑性)の最適化にも用いられ得る。
また、可傾機構を、推進ユニットが前方飛行状態のために傾けられるときにプロペラが翼よりも高い位置になるように設計することも可能である。プロペラがプロペラの上流に低圧領域を発生させるため、この状態は、この低圧領域を翼の上に生じ、それが、翼揚力を増大し、従って、飛行効率も増大させるであろう。こうして、この設計は、この低圧作用の恩恵を受けて、前方飛行中の効率をさらに高め得る。
プッシャ構成の4つの推進ユニットを使用する場合、タンデム翼構造が、従来の飛行機の翼構造よりも良好な選択であることが分かった。ホバー飛行中のVTOL航空機の安定性のための重要な必要条件は、純推力中心が、航空機の重心の直接下又は上になければならないことである。標準的な構造(単一の主翼、及び、後翼の垂直スタビライザと水平スタビライザの組を有する)は、前方飛行安定性を有するために、重心が主翼の前縁から後縁までの距離のほぼ4分の1の位置にあることを必要とする。先に述べたように、特許文献3及び特許文献2に示されている方法でプロペラを翼の前及び後ろに配置することは、推力中央が重心の下に位置することを可能にする。しかし、特許文献4の設計を観察すると、ホバー飛行状態で4つのプロペラを主翼の下にプッシャ構成で配置し、尚且つ推力中心を重心に位置合わせすることが非常に困難なことが分かる。本発明の好ましい実施形態は、この問題を解決するために、タンデム型の翼設計を用いる。揚力を、1つの後翼10Aと、より小さい前翼10Fとに分配することにより、前方飛行の安定性のために必要な重心70の位置が、前翼10Fよりも後翼10Aの近くに位置づけられる。こうして、推力中心を重心に、プロペラをプッシャ構成で配置した状態のまま位置合わせすることが可能である。また、タンデム翼構造は、従来の飛行機翼構造よりも良好な前方飛行の空気力学的性能も提供できる。なぜなら、タンデム翼構造は、従来の構造においては安定性のために通常必要とされる負揚力水平スタビライザの必要性をなくすからである。
翼の下に又は後ろに配置されたプッシャファンとタンデム翼設計との組合せは、また、VTOL飛行に理想的なその他の重要な利点も提供する。VTOL航空機の課題の1つは、特に、ホバー飛行中に、及び、ホバー飛行と前方飛行との移行中に安定的な飛行を維持することである。主な安定化機構は、いつでも所望の向きを維持する機能を有する飛行コントローラ60を用いた電子安定化である。これは、航空機制御機構を用いて行われ、例えば、推進ユニット、制御面、及び推進ユニットの傾きを制御する。しかし、本発明の航空機は、空気力学的設計に組み込まれた多数の特徴を有し、これらの特徴が、上記の3つの飛行状態の全てにおいて航空機を安定させ、電子安定化の必要を最小限にする。第1に、タンデム型の翼設計は前方飛行において安定的である。これは、前方飛行で飛行するときに電子安定化が必要でないことを意味する。第2に、タンデム翼の空気力学的設計は、高い迎え角でも安定的である。これは、ホバリング飛行のための非常に魅力的な特徴である。例えば、垂直離陸時などに航空機が水平配向でホバリングし、垂直に上昇している場合、標準的な飛行機構造(主翼、垂直スタビライザ、及び水平スタビライザから成る)は、飛行している方向に航空機を向けようとする強いピッチングトルクを発生するであろう。これはホバリング飛行を不安定にするであろう。そして、飛行コントローラは、航空機の水平配向を維持するために、差動推力を用いてこのピッチングトルクに反作用することを必要とするであろう。しかし、タンデム翼構造では、同じ飛行状況でも、最小のピッチングトルクしか発生しないであろう。この利点は、水平状態にある航空機が垂直又は近垂直降下する場合(例えば、航空機が垂直着陸のために降下しているとき)も同様である。第3に、航空機の垂直スタビライザ13Aは、前方飛行中のヨー(偏揺れ)安定性を提供するように十分大きい寸法につくられるが、航空機が片側に機銃掃射(strafing)しているときにホバー飛行しようとするような場合に生じる空気力学的ヨートルクを最小化するために、最小寸法に維持される。標準的な飛行機構造であれば、飛行方向に航空機を向けさせようとする強いヨートルクを発生するであろう。しかし、本発明の設計は、飛行コントローラ60の安定化によってより容易に取り扱われ得る最小のトルクを発生する。また、垂直スタビライザ13Aの寸法が小さいことは、航空機の側方プロファイルを最小化し、これが、風の影響の受けやすさを最小限にする。
また、タンデム翼設計は、揚力を2つのより小さい翼に分配することにより、機体全体をよりコンパクトにする。航空機の可搬性をさらに高めるために、好ましい実施形態は、中央翼セクション11A及び11Fと外側翼セクション12A及び12Fとに分割された翼を使用する。外側翼セクションは、搬送用に航空機の寸法を低減するために容易に着脱可能である。航空機をホバーモードのみで使用する場合には、外側翼セクションなしで飛行し得る。これは、ホバー飛行中の、風及び乱気流の影響の受けやすさを低減し、また、離陸重量を減らして性能を高める。その他の実施形態は、外側セクションを引き込んで中央セクション内に格納できるテレスコープ状の翼を用い得る。この引き込み及び伸長は、所定の機構を用いて自動的に、或いは、手動で行われ得る。自動引き込み機構を用いると、航空機は、翼が引き込まれた状態で離陸可能であり、これにより、必要な離陸スペース、及び、離陸中の風の影響の受けやすさを最小限にでき、そして、航空機は、開放空間に移動したならば、前方飛行に移行する前に翼を伸長できる。これが、航空機を、より一層実用的且つ有用にするであろう。しかし、本発明は、翼におけるこれらの着脱又は引き込み方法のいずれも有さずとも良好に機能し得る。
要約すると、好ましい実施形態は、複数の設計概念を全体的に組み合わせて、ホバー飛行及び前方飛行、及び移行飛行が可能な、非常に安定的で制御可能で且つ効率的なVTOL航空機を提供する。これらの好ましい設計概念は、(1)推力の効率的利用を最大化する戦略的配置を有するプッシャプロペラ構成、(2)マルチロータ航空機において使用される、高度に制御可能で機械的に単純な制御方法を可能にする4つの固定ピッチプロペラ、(3)機械的に単純で軽量で且つ確実な動作をもたらす電気モータ、及び、(4)ホバー飛行及び前方飛行の両方において安定的で制御可能で且つ効率的であるタンデム翼構造を含む。この設計のその他の利点は、十分な滑走路、短い滑走路、又は垂直方向での離着陸が可能であり、カメラ及びセンサ配置のための妨害されない前方視野を有し、且つ、コンパクトで機械的に単純でメンテナンスに手間のかからないVTOL航空機設計を提供することである。
H.好ましい実施形態の動作
本発明の航空機は、ホバリング飛行状態、前方飛行状態、又は、飛行移行状態で飛行可能である。ホバー状態において、4つの可傾推進ユニット支持体40A及び40Fが、図2Bに示されているように傾けられる。この傾きは、4つの推進ユニットが、航空機に対する上向きの推力を生成するように方向づけられる。そして、推進ユニット30A及び30Fは、航空機の上昇及び空中でのホバリングを維持するための必要な揚力を生成できる。この状態において、航空機は、制限された飛行速度を有し、航空機の翼10A及び10Fは大きい揚力を生成できず、推進ユニット30A及び30Fが、航空機を空中に保持するのに必要な揚力の大部分を生成する。飛行方向は、航空機を所望の方向に傾けて、適切な量の純推力を生成することにより制御される。これはヘリコプタの方法と類似である。航空機の向きの制御は、各プロペラ32C及び32CCWの速度を独立制御することにより行われる。各プロペラは、ファンに差動推力及びトルクを生成させ、これにより、航空機に、航空機を所望の方向に回転させる純トルクが加えられる。この制御方法は、クワッドコプタ航空機及び他のマルチロータ航空機において一般的に用いられている。例えば、航空機のピッチを変えるために、2つの後側推進ユニット30Aが、2つの前側推進ユニット30Fとは異なる推力を生成して、航空機をそのピッチ軸を中心に回転させる純トルクを発生させる。航空機のヨーを制御するために、時計回り回転の2つのプロペラ32CWが、反時計回り回転の2つプロペラ32CCWとは異なる速度でスピン(回転)され、従って、航空機をそのヨー軸を中心に回転させる純トルクが存在する。また、推進ユニット30Aと30Fとを、航空機の向きの制御を提供するように差動的に傾けることも可能である。安定的で制御された飛行を提供するために各モータに要求される適切な速度は、飛行コントローラ装置60により算出される。飛行コントローラ装置60は、センサ(例えばジャイロスコープ及び加速度計)からの、及び、自動制御システム及び/又はパイロットから得られる制御入力からのデータを組み込んで、適切なモータ速度を決定する。
図2Fに示されているように、前方飛行モードにおいて、可傾推進ユニット支持体は、全ての推進ユニットが航空機に対する前方方向の推力を生成するように傾けられ、航空機を空中で前方推進させるのに必要な所定速度の推力を生成する。この速度は、翼10A及び10Fが航空機の重量に反作用するための必要な揚力の生成を可能にする速度である。この飛行状態において、揚力の大部分は翼により提供されるのであり、推進ユニットの主な目的は、航空機に加えられる空気力学的牽引力に打ち勝つことである。これは、飛行機と類似の方法である。これは、推進ユニットの推力設定を低くすることを可能にし、この状態でより長い時間飛行することを可能にする。しかし、航空機をより速く飛行させるために、より高い推力設定を用いることもできる。この状態における制御は、後翼上の可動制御面の使用により行われる。制御面は、エレベータ制御面のようなピッチ制御を行うためには一緒に上下に傾き、補助翼制御面のようなロール制御を行うためには差動的に傾く。プロペラの差動推力を用いて、ヨーを制御できる。翼の設計は、航空機が前方飛行において空気力学的に安定的で、飛行コントローラ安定化の使用を必要としないような設計である。推進ユニットは、前方飛行の安定性又は制御のためには必要でないため、航空機は、モータの故障の場合でも、制御された状態で滑空可能である。しかし、飛行コントローラ装置を使用していて、電子安定化が前方飛行のために用いられる場合、空気力学的に不安定な設計を用いることも可能である。この状態において、プロペラが翼の後ろに配置されて後方プロペラ後流を生じ、また、後側プロペラが前側プロペラよりも高い位置にあるため、プロペラ後流は、航空機の他のいかなる部分にも接触せず、前方飛行のための有用な推力が最大化される。
また、本発明の航空機は、移行モードで飛行できる。このモードにおいて、推進ユニットは、垂直方向と前方方向との間の推力を発生する任意の向きにある。この状態において、プロペラ及び翼の両方が、揚力を生成するために用いられる。制御は、以下の方法の1以上を組み合わせることにより実現できる。すなわち、翼制御面、差動推力、差動トルク、プロペラの差動化的傾き、又はその他の方法である。
本発明の航空機は、飛行中に、ホバー飛行状態、前方飛行状態、及び、移行飛行状態間で変化可能である。例えば、航空機は垂直に離陸でき、垂直に上昇し、次いで、前方飛行に移行できる。ホバー状態は、低速飛行及びホバリングを可能にする。これは、着陸、離陸、又は、狭い空間での操作に有用である。前方飛行モードは、ホバーモードよりも速い最高速度と、より多くの飛行範囲及び飛行時間を可能にする。
本発明の航空機は、飛行コントローラ60を用いて航空機の飛行を安定させ、また自律的飛行性能を提供し得る。図6は、好ましい実施形態の制御システムを示す概略図である。所望のピッチ、ヨー、ロール、及び移行レベル設定から成るパイロットの制御入力が、飛行コントローラにより受信される。この制御入力は、地上から、送信機システム又は他のタイプのシステムを用いて無線送信され得る。飛行コントローラは、自律的飛行制御アルゴリズムを使用し、このアルゴリズムは、新規の、又は、修正された出力制御値を、パイロットの入力、並びに、センサデータ(例えば、GPS、加速度計、及び気圧計のデータ)に基づいて生成する。自律的制御アルゴリズムは、可変レベルの自律性を提供し得る。すなわち、航空機の制御がこれらのアルゴリズムにより部分的に行われるか、パイロットの入力により部分的に行われるか、パイロットの入力により完全に行われるか、又は、自律アルゴリズムにより完全に行われ、この場合、パイロットの入力は必要ない。これらのアルゴリズムは、新規の、又は、調整されたピッチ、ヨー、ロール、及び移行レベル設定を生成し、これらは、安定化アルゴリズムに組み込まれる。安定化アルゴリズムは、制御信号を、センサデータ(例えば、加速度計及びジャイロスコープのデータ)に基づいて修正し、これにより、航空機が所望の挙動を安定的且つ制御された方法で行うことを保証する。これらのアルゴリズムは、比例積分微分コントローラ、又は、その他のタイプのアルゴリズムであり得る。最後に、これらの調整された信号は、ミキサアルゴリズムに送信される。ミキサアルゴリズムは、この信号を航空機アクチュエータ(モータ傾斜、推進ユニット速度、及び、制御面設定)のための適切な信号に変換する。例えば、ミキサへの入力は、ホバー飛行中のピッチアップのためのものであり得、ミキサコードは、前側モータが推力を増大するように、且つ、後側モータが推力を低減するように制御するであろう。ミキサは、航空機の所望の挙動を生じるために、全ての制御アクチュエータの調整を担当する。また、ミキサは、航空機のピッチ、ヨー及びロールを、モータの傾斜レベルとは独立に制御できるよう設計されている。こうして、航空機は、完全な制御及び安定性を、ホバーと前方飛行との間のいかなる比例移行レベルにおいても維持でき、非常に安定的で制御された移行挙動を生じる。また、飛行コントローラは、飛行中に、マルチコプタ航空機と同様の様々な制御モードを実行し得る。例えば、1つの制御モードで、航空機をいつでも自動的に水平にでき、そして、パイロット入力が、航空機がどちらの方向にどの程度回転するかを決定する(一般的に、自動水平モードとして知られている)。別の飛行モードは、航空機の回転を相殺するのみであり得、一方、パイロット入力は、航空機がどちらの方向にどのような回転速度で回転するかを決定する(一般的に、アクロバティック又は安定化モードとして知られている)。
本明細書に記載及び図示してきたことは、本発明の好ましい実施形態、及び、その変形例の幾つかである。本明細書で用いた説明及び図面は、例示目的で記載したに過ぎず、限定を意味するものではない。当業者は、多くの変形例が本発明の範囲内で可能であることを理解するであろう。この範囲において、別段の指示がない限り、全ての用語がそれらの最も広い合理的な意味であることを意図されている。説明の範囲内で用いられるいかなる見出しも便宜上に過ぎず、法律的及び限定的な効果を何らも有さない。
上記の章を要約すると、本明細書に記載した発明は構造的に革新的であり、現時点では利用されていない利点を提示し、従って、相応の特許権の審査及び付与が合法的になされる。
本発明を、好ましい設計を有するものとして記載してきたが、当業者には、本明細書を添付図面と共に考察した後に、本発明に関する多くの変更、修正、及び変形例、並びに、その他の使用方法及び用途が、本発明の新規の教示及び利点から著しく逸脱せずに明らかになろう。従って、本発明の精神及び範囲から逸脱しないこのような全ての変更、修正、及び変形例、並びにその他の使用方法及び用途は、以下の特許請求の範囲及びその法的均等物に定義されているように本発明により包含されるとみなされる。特許請求の範囲において、ミーンズ・プラス・ファンクション条項(もしあれば)は、記載された機能を実行するものとして本明細書で説明した構造を含み、また、構造的均等物だけでなく均等な構造物も含むものとする。
引用された特許、特許出願、及び刊行物の全て、並びに、本明細書に付随する叙述(もしあれば)は、それらの全てが、本明細書に記載されているかのように参照により本明細書に援用される。これらの特許文献に開示された構成要素の全て、或いはほぼ全てが、それらの均等物と共に本発明の実施形態に用いられ得る。参照により本明細書に組み込まれる上記の特許、特許出願、及び刊行物の詳細は、出願された任意の先行技術と任意の補正クレームとを特許性の有無に関して識別する、請求項のさらなる制限としての審査中に、出願人の判断で請求の範囲に組み込まれるとみなされ得る。
1 航空機
10A 後翼
10F 前翼
11A 翼の中央セクション
11F 翼の中央セクション
12A 翼の外側セクション
12F 翼の外側セクション
13A スタビライザ
20 胴体
30A 後側推進ユニット
30F 前側推進ユニット
31 電気モータ
32C 時計回り回転プロペラ
32CCW 反時計回り回転プロペラ
33 プロペラディスク
40A 可傾推進ユニット支持体
40F 可傾推進ユニット支持体
41A 回転セクション
41F 回転セクション
43A 軸ヒンジ
43F 軸ヒンジ
44A サーボアクチュエータ
44F サーボアクチュエータ
45A ギヤ付き駆動部
45F ギヤ付き駆動部
50 着陸装置
51 車輪
60 飛行コントローラ
70 航空機の重心
80 推力中心

Claims (20)

  1. 航空機であって、
    前翼と、
    後翼と、
    少なくとも1つの胴体と、
    少なくとも1つの着陸装置と、
    少なくとも1つの飛行コントローラと、
    少なくとも1つの第1推進組立体であって、当該第1推進ユニットをプッシャ構成で含む第1可傾推進支持体を含む第1推進組立体と、
    少なくとも1つの第2推進組立体であって、当該第2推進ユニットをプッシャ構成で有する第2可傾推進支持体を含む第2推進組立体と、
    を組み合わせて備え、
    前記前翼と前記後翼とがタンデム構造であり、
    前記前翼は前記後翼よりも高い位置に配置され、
    前記前翼は前記後翼よりも小さく、
    前記胴体が少なくとも部分的に前記前翼と前記後翼との間に配置され、
    前記第1推進組立体が前記前翼に取り付けられ、
    前記第2推進組立体が前記後翼に取り付けられ、
    前記第1推進組立体が前記第2推進組立体に対してずれて配置されている、航空機。
  2. 前記前翼が第1中央セクション及び第1外側セクションを含み、前記第1外側セクションが前記第1中央セクションに機械的に取り付けられている、請求項1に記載の航空機。
  3. 前記第1外側セクションが前記第1中央セクションから着脱可能である、請求項2に記載の航空機。
  4. 前記第1推進組立体が前記第1中央セクションに取り付けられている、請求項2に記載の航空機。
  5. 前記前翼が、少なくとも1つの第3推進組立体を含み、当該第3推進組立体が前記第1中央セクションに連結されている、請求項4に記載の航空機。
  6. 前記後翼が第2中央セクション及び第2外側セクションを含み、前記第2外側セクションが前記第2中央セクションに機械的に取り付けられている、請求項1に記載の航空機。
  7. 前記第2外側セクションが前記第2中央セクションから着脱可能である、請求項6に記載の航空機。
  8. 前記第2推進ユニットが前記第2中央セクションに取り付けられている、請求項6に記載の航空機。
  9. 前記後翼が、少なくとも1つの第4推進組立体を含み、当該第4推進組立体が前記第2中央セクションに連結されている、請求項8に記載の航空機。
  10. 前記前翼が前記胴体に対して前記後翼から鉛直方向に第1の距離だけ移動されており、前記第1および第2推進ユニットがプロペラを含み、各プロペラが所定のプロペラ半径を備えている、請求項1に記載の航空機。
  11. 前記前翼と前記後翼との間の、鉛直方向に移動されている前記第1の距離が、少なくとも前記プロペラ半径である、請求項10に記載の航空機。
  12. センサを含み、当該センサが前記飛行コントローラに電気的に接続され、前記第1推進組立体と前記第2推進組立体とが前記飛行コントローラに電気的に接続されている、請求項1に記載の航空機。
  13. 前記前翼が少なくとも1つのスタビライザを含む、請求項1に記載の航空機。
  14. 前記後翼が少なくとも1つのスタビライザを含む、請求項1に記載の航空機。
  15. 航空機であって、
    前翼と、
    後翼と、
    少なくとも1つの胴体と、
    少なくとも1つの着陸装置と、
    少なくとも1つの飛行コントローラと、
    少なくとも1つの一組の第1推進組立体であって、当該一組の第1推進組立体の各推進組立体が第1推進ユニットをプッシャ構成で含む第1可傾推進支持体を備えた一組の第1推進組立体と、
    少なくとも1つの一組の第2推進組立体であって、当該一組の第2推進組立体の各推進組立体が第2推進ユニットをプッシャ構成で含む第2可傾推進支持体を備えた一組の第2推進組立体と、
    を組み合わせて備え、
    前記前翼と前記後翼とがタンデム構造であり、
    前記前翼は前記後翼よりも高い位置に配置され、
    前記前翼は前記後翼よりも小さく、
    前記胴体が少なくとも部分的に前記前翼と前記後翼との間に配置され、
    前記一組の第1推進組立体が前記前翼に取り付けられ、
    前記一組の第2推進組立体が前記後翼に取り付けられ、
    前記一組の第1推進組立体が前記一組の第2推進組立体に対してずれて配置されている、航空機。
  16. 前記前翼が少なくとも1つの第1スタビライザを含む、請求項15に記載の航空機。
  17. 前記後翼が少なくとも1つの第2スタビライザを含む、請求項15に記載の航空機。
  18. 前記前翼が第1中央セクション及び第1外側セクションを含み、前記第1外側セクションが前記第1中央セクションに機械的に取り付けられている、請求項15に記載の航空機。
  19. 前記第1外側セクションが前記第1中央セクションから着脱可能である、請求項18に記載の航空機。
  20. 前記一組の第1推進組立体が前記第1中央セクションに取り付けられている、請求項18に記載の航空機。
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