JP2017524443A - 確実な回転係止具を備える自己結紮式歯科矯正ブラケット - Google Patents

確実な回転係止具を備える自己結紮式歯科矯正ブラケット Download PDF

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Abstract

本開示は、アーチワイヤスロットへのアクセスに対する制御が改善された、自己結紮式歯科矯正ブラケットを提供する。アーチワイヤスロットへのアクセスは、ブラケット本体部に対して、軸線を中心に回転可能なドアと、このドアの偶発的な回転を防止するための、その軸線の近くに位置決めされた係止具とを特徴とする、ラッチアセンブリによって制御される。この係止具は、ドアの表面に係合し、アーチワイヤスロット内にアーチワイヤを挿入可能な開放状態と、スロットへのアクセスが禁じられる閉鎖位置との間の、望ましくない回転を防止することが可能である。この自己結紮式ブラケットはまた、能動的結紮を提供し、更にドアの望ましくない回転を阻止する、付勢バネも含み得る。

Description

歯科矯正装置は、専門家による、患者の転位歯の管理、誘導、及び矯正に使用される器具である。歯科矯正治療の数多くの利益には、適正な咬合機能の達成及び維持、顔の審美性の向上、及び歯科衛生の維持管理の容易化が含まれる。歯科矯正装置は、患者の歯と機械的に係合するように配置され、それらの歯を矯正位置に向けて徐々に移動させる、穏やかな機械的な力を加えることにより、適正な噛み合わせ(又は、咬合)を達成する。
極めて一般的なタイプの歯科矯正治療では、歯科矯正ブラケットと呼ばれる小さいスロット付き装置が使用され、この装置は、患者の歯の前側表面又は裏側表面のいずれかに、接着剤によって取り付けられる。上歯列弓又は下歯列弓内部で歯を移動させるために、弾性の弓状ワイヤ(「アーチワイヤ」)が、各ブラケットのスロット内に機械的に係合、すなわち「結紮」される。一般に、アーチワイヤの端部は、患者の大臼歯に接合される、大臼歯チューブと呼ばれる装置内に捕捉される。アーチワイヤは、その元の形状へと緩徐に戻るため、歯の移動をそれらの所望の位置に向けて誘導する、軌道としての役割を果たす。これらのブラケット、チューブ、及びアーチワイヤは、「ブレース」と総称される。
従来のブラケットは、ブラケット本体部上のクリート状の突起である、対向するタイウィングの補助により、アーチワイヤに結紮される。アーチワイヤスロット内にアーチワイヤを配置した後、小さいエラストマー製の「O」リング状結紮具、又は金属製の結紮ワイヤのいずれかを、アーチワイヤの上、及びアーチワイヤスロットの両側に位置するタイウィングのアンダーカット部分の下に巻き付ける。タイウィングのアンダーカット部分を緊密に取り巻くことによって、結紮具(又は、結紮ワイヤ)は、スロットに沿ってアーチワイヤが長手方向に摺動することを可能にしたままで、各ブラケットのアーチワイヤスロット内部に、アーチワイヤを固定することができる。アーチワイヤ及びスロットの相対的なサイズ及び形状に応じて、これらの2つの主要部の間に、正確な機械的結合を達成することが可能である。このことにより、施術者は、歯列弓内での個々の歯の位置及び向きを制御することが可能となる。
上記の結紮機構は、双方とも特定の欠点を有する。例えば、Oリング状結紮具とアーチワイヤとの摩擦接触により、スロット内部でのアーチワイヤの摺動に対する抵抗が、増大する恐れがある。更には、これらの結紮具の弾性特性は、経時的に劣化することにより、予測不可能な摺動作用が生じる恐れがある。これらの結紮具は、審美的治療のために、半透明ポリマーから作製することができるが、これらの同じ結紮具はまた、暗色の食品及び液体の存在下では、汚染される傾向もある。結紮ワイヤは、固有の問題点を提起するが、これは、そのワイヤの結束及び切断のプロセスが、歯科矯正の専門家にとって、煩雑かつ時間を要する場合があるためである。金属で作製されているため、結紮ワイヤはまた、非審美的とも見なされる。
自己結紮式ブラケットは、上記の問題のうちの少なくとも一部に対して、解決策を提示する。これらの装置は、スロット内にアーチワイヤを保持するために、一般的には、クリップ、バネ部材、ドア、シャッター、ベイル、又は、ブラケット自体に組み込まれた他の結紮機構を使用することにより、別個の結紮具の使用が不要となる。これらの結紮機構を使用することから、幾つかの利点を導き出すことができる。例えば、これらの装置は、エラストマー製の結紮具を使用して結紮される装置と比較して、アーチワイヤとブラケットとの摩擦を減少させることにより、潜在的に、治療の初期段階での、より早い歯のレベリング及びアライニングを提供することができる。その機構に応じて、これらの装置はまた、アーチワイヤの装着及び除去を簡略化することにより、治療を行う専門家のチェアタイムを大幅に短縮することもできる。最後に、自己結紮式ブラケットは、食品及び歯垢が詰まる恐れのある、エラストマー製結紮具及び結紮ワイヤを使用する、従来のブラケットよりも、良好な衛生状態を提供することができる。
審美的な自己結紮式装置、特に、セラミック材料で作製されたものはまた、一般的に「受動的」結紮器具でもある。受動的結紮では、アーチワイヤは、スロット内部に捕捉されて保持されるが、そのアーチワイヤスロット内部で、自由に「浮動する」ことが可能となる。受動的自己結紮式ブラケットは、スロット内にアーチワイヤを着座させる持続的な力が加わらないように、十分に大きいスロット深さを有する。そのような構成は、アーチワイヤと装置との間に低摩擦をもたらし得るものであるが、アーチワイヤスロット内部で移動が自由であることにより、制御が損なわれる恐れがある。対照的に、「能動的結紮」では、その装置は、スロットの底壁又は側壁へ向けてアーチワイヤを付勢する、持続的な力を付与する。能動的結紮は、治療の一部の段階で、特に、正方形及び矩形のアーチワイヤを使用している場合に望ましいものであり得るが、これは、ブラケットのスロット内にこれらのワイヤを「能動的に」着座させることにより、歯に対するトルク及び回転力の伝達を向上させることができるためである。更に他のブラケットは、アーチワイヤのサイズ及び構成に応じて、能動的又は受動的のいずれかとなるように設計される。
歯科矯正治療を計画する際、施術者は、多くの場合、ブラケットとアーチワイヤとの結合の程度に対して、正確な制御を行うことを所望する。多くの場合、剛性のスライドドア型の機構を使用する自己結紮式ブラケットは、特に、ドアがスロットに対して固定位置にある場合、受動的な性質となる。スロットに対してドアが固定位置であることはまた、有効に結紮することが可能なアーチワイヤ幾何学形状の種類を、制限する場合もある。他の自己結紮式ブラケットは、バネ性かつ弾性の「U」字形状クリップを使用することにより、能動的結紮を提供する。しかしながら、これらの機構は、固有の不利点を有する。例えば、これらの装置は、一般的に、U字形状クリップの両「脚部」を収容するために、より高い顔面側−舌側プロファイルを必要とする。更には、その機構を繰り返し摺動させて開放及び閉鎖することは、クリップの一方の脚部にモーメントを付与し得るものであり、このことは、経時的に、そのクリップを永続的に変形させる恐れがある。
他の既知の自己結紮式ブラケットは、アーチワイヤスロットへのアクセスを制御するために、回転式ドアに依存する。そのようなドアは、通常、ブラケット本体部の歯肉側に位置する、ヒンジ軸線を中心として枢動可能である。そのようなドアの開放構成への回転は、ブラケットの唇側−舌側高さを著しく増大させ、そのドアの縁部又は頂部が、患者の口腔軟組織付近に位置決めされる恐れがある。更には、そのようなドアは、開放状態と閉鎖状態との間を偶発的に移行することにより、結紮プロセス又は歯科矯正治療の過程を妨げる傾向がある。特定の回転式ドアブラケットは、望ましくない移行を防止するために、ヒンジ軸線とは反対側の、アーチワイヤスロットの咬合側に、係止機構を含むが、これらは、治療を行う施術者にとって、必要に応じて係合又は解放することが困難な場合がある。したがって、既存の結紮機構に関連する不利益を伴うことなく、能動的結紮又は受動的結紮を提供することが可能な、自己結紮式装置が必要とされている。
本開示は、アーチワイヤスロットへのアクセスに対する制御が改善された、自己結紮式歯科矯正ブラケットを提供する。アーチワイヤスロットへのアクセスは、ブラケット本体部に対して、ヒンジ軸線を中心として回転可能なドアと、このドアの偶発的な回転を防止するための、軸線の近位に位置決めされた係止具とを特徴とする、ラッチアセンブリによって制御される。ドアの回転軸線と同じアーチワイヤスロットの側に、係止具を配置することにより、このラッチアセンブリは、開放することが著しく容易になる。更には、このドアは、ブラケットが組み立てられた場合に、ヒンジ軸線から歯肉側方向に位置する区画が、かなり含まれるように設計することができる。ドアの実質的な部分を、ヒンジ軸線に対して歯肉側に配置することは、進入を可能にするために、アーチワイヤスロットから離れる方向でドアが回転しなければならない円弧が、より小さい半径に低減されることにより、ブラケットが開放する際に、より低い顔面側−舌側プロファイルがブラケットに提供されるため、特に有利となり得る。したがって、より小さい円弧は、ドアと隣接口腔組織との干渉を低減すると共に、その他の叢生した咬合の治療も可能にし得る。
本開示の係止具は、少なくとも2つの機能を、別個に、又は組み合わせて、独自に果たすことが可能である。この係止具は、ドアが開放構成にある間に、アーチワイヤスロットに向けたドアの回転を、最小限に抑えるか又は防止することにより、その係止具が係合されている限りは、アーチワイヤスロットへのアクセスをドアが覆い隠すことを防ぐ。このことは、アーチワイヤを着座させている間にドアが偶発的に閉鎖される、施術者に対するリスクを著しく低減する。同様に、この係止具は、治療の間にアーチワイヤがアーチワイヤスロット内に固定されている場合に、偶発的なドアの開放を、最小限に抑えるか又は防止する。したがって、本開示のラッチアセンブリは、アーチワイヤスロットへのアクセスに対する、動力学的に向上した制御を付与するものである。特に、本開示の自己結紮式ブラケットは、治療の間にアーチワイヤスロットの近位で本体部にドアを固定するための、クリップ又は他のラッチ機構を必要としない。ドアの回転を所望の状態に制止するためには、係止具とドアとの相互作用のみで十分である。
本開示の自己結紮式ブラケットはまた、ドアに付勢を加えることにより、アーチワイヤスロット内に着座されたアーチワイヤの能動的結紮を可能にする、バネも含み得る。このバネは、ヒンジ軸線と同じアーチワイヤスロットの側に配置され、ドア上のカム又は他の構造体に係合することにより、アーチワイヤスロットの舌側壁の方向にドアを付勢する。このドアは、ヒンジ軸線を中心とする複数の位置で、そのバネに係合するように構成される。カム又は他のドア構造体とバネとの間に、何らかの接触が存在する限り、そのドアは、所望の方向で能動的な力を加えることが可能となる。この構成により、本開示のブラケットは、増大された範囲のアーチワイヤ幾何学形状に対して、より正確な能動的結紮を提供することが可能となる。この能動的結紮の潜在的利益に加えて、このバネは、係止構造体と協働して、ドアの望まれない開閉に抗する、更なる備えを提供することができる。
一態様では、本開示は、歯表面に装置を接合するための基部と、その基部から外向きに延びる本体部とを備え、この本体部が、本体部を近心−遠心方向に横断して延びるアーチワイヤスロットを画定する、自己結紮式歯科矯正装置を提供する。第1の基準軸線を画定するヒンジ構造体が、アーチワイヤスロットの第1の側に配設される。ドアは、このヒンジに結合され、第1の基準軸線を中心として、開放状態と閉鎖状態との間で回転可能である。このドアは、舌側表面を含み、ヒンジ構造体に接続される。開放状態で、アーチワイヤスロット内にアーチワイヤを挿入可能であり、閉鎖状態で、ドアが、アーチワイヤスロット内にアーチワイヤを保持する。係止機構がドアに係合して、ドアが閉鎖状態にある場合に、開放状態へのドアの回転を妨げる。この係止機構は、アーチワイヤスロットの第1の側に存在し、このブラケットは、ヒンジ構造体とは反対側のアーチワイヤスロットの側には、開放状態に向けたドアの回転を阻止する、いずれの他の構造体も有さない。
別の態様では、本開示は、歯表面に装置を接合するための基部と、その基部から外向きに延びる本体部とを備え、この本体部が、本体部を近心−遠心方向に横断して延びるアーチワイヤスロットを画定する、自己結紮式歯科矯正装置を提供する。ヒンジ構造体が、本体部内に配設され、ヒンジ軸線を画定する。ドア及び係止具を含むラッチアセンブリが、ヒンジ軸線の近位に配置される。ドアは、ヒンジ軸線を中心として、開放状態と閉鎖状態との間で回転可能であり、このドアは、そのドアの舌側表面から概して基部の方向に延びる、1つ以上の支柱を備える。このブラケットは、ヒンジ構造体の少なくとも一部分からオフセットされた、第1のバネを更に含み、この第1のバネは、ドアが閉鎖状態にある場合に、そのドアをアーチワイヤスロットの方向に付勢する。
別の態様では、本開示は、ワイヤを結紮する方法を提供し、この方法は、歯表面に装置を接合するための基部と、その基部から外向きに延びる本体部であって、その本体部を近心−遠心方向に横断して延びるアーチワイヤスロットを画定する、本体部とを備える、歯科矯正装置を提供する工程を含む。このブラケットは、第1の基準軸線を画定して、アーチワイヤスロットの第1の側に配設される、ヒンジ構造体を更に含む。ラッチアセンブリは、ブラケット本体部に結合され、ドア及び係止機構を含む。このドアは、ヒンジに結合され、第1の基準軸線を中心として、開放状態と閉鎖状態との間で回転可能であり、開放状態で、アーチワイヤスロット内にアーチワイヤを挿入可能であり、閉鎖状態で、ドアが、アーチワイヤスロット内にアーチワイヤを保持する。係止機構は、ドアの表面に係合して、ドアが閉鎖状態にある場合に、開放状態へのドアの回転を妨げ、この係止機構は、アーチワイヤスロットの第1の側に存在する。この方法は、アーチワイヤスロット内にアーチワイヤを導入して、ドアの表面から係止具を解放する工程と、アーチワイヤスロットの方向にドアを回転させて、そのドアを閉鎖状態に移行させる工程とを更に含む。
用語「備える」及びその変化形は、これらの用語が本説明及び請求項内で現れる場合に、限定的な意味を有するものではない。そのような用語は、記述されるステップ若しくは要素、又はステップの群若しくは要素の群を包含することを示唆するが、いかなる他のステップ若しくは要素、又は他のステップの群若しくは要素の群も排除しないことを示唆するものであると、理解されるであろう。「〜からなる」とは、その語句「からなる」が続くあらゆるものを包含し、かつそれらに限定されることを意味する。それゆえ、語句「〜からなる」は、列挙された要素が必要又は必須のものであり、他の要素が存在し得ないことを示す。「〜から本質的になる」とは、その語句の前に列挙されるあらゆる要素を含み、その列挙された要素に関して本開示で指定される活動若しくは作用に干渉又は寄与しない、他の要素に限定されることを意味する。それゆえ、語句「〜から本質的になる」とは、列挙された要素は、必要又は必須のものであるが、他の要素は任意選択的なものであり、列挙された要素の活動又は作用に実質的に影響を及ぼすか否かに応じて、存在する場合もあれば、存在しない場合もあることを示す。
「好ましい」及び「好ましくは」という言葉は、特定の状況下で特定の利益を提供することが可能な、本開示の実施形態を指す。しかしながら、他の実施形態もまた、同じ状況又は他の状況下で好ましい場合がある。更には、1つ以上の好ましい実施形態の記載は、他の実施形態が有用ではないことを示唆するものではなく、本開示の範囲から他の実施形態を排除することを意図するものではない。
本出願では、「a」、「an」、及び「the」などの用語は、単数形の存在のみを指すことを意図するものではなく、例示のために具体的な例を使用することが可能な、一般的な部類を含むことを意図するものである。用語「a」、「an」、及び「the」は、用語「少なくとも1つの」と互換的に使用される。その後に列挙が続く「〜のうちの少なくとも1つ」及び「〜のうちの少なくとも1つを備える」という語句は、その列挙内の項目のうちの任意の1つ、及び、その列挙内の項目のうちの2つ以上の任意の組み合わせを指す。
本明細書で使用するとき、用語「又は」は、全般的に、その内容が明確に他を指示するものではない限り、「及び/又は」を包含する、その通常の意味で用いられる。
用語「及び/又は」は、列挙される要素のうちの1つ又は全て、あるいは、列挙される要素のうちの任意の2つ以上の組み合わせを意味する。
本明細書ではまた、全ての数は、用語「約」によって、また好ましくは用語「厳密に」によって、修飾されるものと想定される。本明細書で、測定された量に関して使用するとき、用語「約」は、その測定を実施し、かつ測定の目的及び使用された測定機器の精度に応じた水準の注意を払う当業者によって予期されるであろう、その測定された量における変動を指す。
本明細書ではまた、端点による数値範囲の記載は、その範囲内に包摂される全ての数、並びにその端点を含むものである(例えば、1〜5は、1、1.5、2、2.75、3、3.80、4、5などを含む)。
特性又は属性に対する修飾語として本明細書で使用するとき、用語「概して」とは、特に定めのない限り、その特性又は属性が、当業者によって容易に認識されるものであるが、絶対的な精度又は完全な一致を必要とするものではないこと(例えば、定量化可能な特性に関しては、+/−20%の範囲内)を意味する。用語「実質的に」とは、特に定めのない限り、高い近似度(例えば、定量化可能な特性に関しては、+/−10%の範囲内)を意味するが、この場合もまた、絶対的な精度又は完全な一致を必要とするものではない。同じ、等しい、均一な、一定の、厳密に、などの用語は、絶対的な精度又は完全な一致を必要とするものではなく、特定の環境に適用可能な、通常の公差又は計測誤差の範囲内であるものと理解される。
本開示の上記の概要は、開示される各実施形態、又は本開示の全ての実装を説明することを意図するものではない。以下の説明は、例示的実施形態を、より詳細に例示するものである。本出願の全体を通じた幾つかの箇所では、実施例の列挙を通じて指針が提供されており、これらの実施例は、様々な組み合わせで使用することができる。いずれの場合にも、記載された列挙は、代表的な群としての役割のみを果たすものであり、排他的な列挙として解釈されるべきではない。
本開示の一実施形態による、本体部及びドアを含む、自己結紮歯科矯正装置の、その咬合側、顔面側、及び近心側に向けて見た斜視図である。 開放構成での図1の装置の、その遠心側に向かって見た平面図である。 図1、図2の装置の、その咬合側、顔面側、及び近心側に向かって見た分解斜視図である。 図1〜図3の装置の、ドアを省略した、その咬合側、顔面側、及び近心側に向かって見た斜視図である。 図1の結紮ドアの、その舌側に向かって見た斜視図である。 閉鎖された姿勢での図1の装置の、その遠心側に向かって見た断面図である。 ドアの更なる回転の後の、図1の装置の、その遠心側に向かって見た断面図である。 開放された姿勢での図2の装置の、その遠心側に向かって見た断面図である。 図1〜図3の装置の、その歯肉側に向かって見た平面図である。 本開示の別の実施形態による、本体部及びラッチアセンブリを含む、自己結紮式歯科矯正装置の、その咬合側、顔面側、及び近心側に向かって見た斜視図である。 図10の装置の、その咬合側、顔面側、及び近心側に向かって見た分解斜視図である。 図10、図11のラッチアセンブリの、その咬合側、舌側、及び近心側に向かって見た斜視図である。 閉鎖構成での図10、図11の装置の、その遠心側に向かって見た断面図である。 開放構成での図10、図11の装置の、その遠心側に向かって見た断面図である。 本開示の別の実施形態による、本体部及びラッチアセンブリを含む、自己結紮式歯科矯正装置の、その咬合側、顔面側、及び近心側に向かって見た斜視図である。 図15の装置の、その咬合側、顔面側、及び近心側に向かって見た分解斜視図である。 図15、図16の装置のラッチアセンブリ内で有用な係止具の、その遠心側を見た平面図である。 図15、図16の装置のラッチアセンブリ内で有用なバネの、その遠心側を見た平面図である。 図15、図16、及び図18の装置の、その顔面側表面を見た平面図である。 図15、図16の装置の、ドアを省略した、その咬合側、顔面側、及び近心側に向かって見た斜視図である。 閉鎖構成での図15の装置の、その遠心側に向かって見た断面図である。
上記で特定された図は、本開示の幾つかの実施形態を記載するものであるが、本説明で言及されるように、他の実施形態もまた想到される。全ての場合に、本開示は、限定することによってではなく、表現することによって本発明を提示する。多数の他の修正案及び実施形態を、当業者によって考案することができ、それらは、本発明の原理の範囲及び趣旨の範囲内に含まれることを理解されたい。
定義
本明細書で使用するとき、
「近心」とは、患者の湾曲した歯列弓の中心に向けた方向を意味する。
「遠心」とは、患者の湾曲した歯列弓の中心から離れる方向を意味する。
「咬合側」とは、患者の歯の外側先端部に向けた方向を意味する。
「歯肉側」とは、患者の歯茎又は歯肉に向けた方向を意味する。
「顔面側」とは、患者の唇又は頬に向けた方向を意味する。
「舌側」とは、患者の舌に向けた方向を意味する。
以下のセクションでは、自己結紮式歯科矯正装置及びそれに関連する方法を目的とする、例示的実施形態を説明する。これらの実施形態は、例示的なものであり、したがって、本発明を過度に制限するものとして解釈されるべきではない。例えば、当業者は、開示される装置及び方法を、歯の唇側表面若しくは舌側表面のいずれかへの取り付けに適合させるか、同じ歯列弓内の異なる歯への取り付けに適合させる(例えば、その歯列弓の近心半分及び遠心半分上の対応する装置)か、又は、上歯列弓若しくは下歯列弓のいずれかに位置する歯への取り付けに適合させることができる点を理解されたい。
本明細書で説明される装置及び方法は、任意選択的に、治療を受けている個々の患者に合わせてカスタマイズすることができる。材料及び寸法上の仕様もまた、特許請求される発明の範囲から逸脱することなく、本明細書で開示されるものから変更することができる。別段の指定がない限り、提供される装置及び構成要素は、当業者には既知の、様々な金属材料、セラミック材料、ポリマー材料、及び複合材料のうちのいずれかで構築することが可能である。更には、別段の指示がない限り、これらの装置及びそれらの構成要素に関連付けられる寸法は、決定的なものではなく、添付図面は、必ずしも一定の縮尺で描かれているものではない。
一実施形態による歯科矯正ブラケット10が、図1〜図9に示される。図1を参照すると、装置10は、患者の歯に接着剤接合するように適合された外側表面14を有する、基部12を有する。好ましくは、また図示のように、外側表面14は凹状であり、歯の凸状の外側表面に実質的に適合する。特定の実施形態では、外側表面14は、近心−遠心方向及び咬合側−歯肉側方向の双方で湾曲を有する、複合輪郭を特徴とし得る。
この実施形態の歯科矯正ブラケット10、及び他の実施形態の歯科矯正装置は、別段の指示がない限り、本明細書では、上顎又は下顎上の歯の唇側表面に付随する、基準座標系を使用して説明される。したがって、歯科矯正ブラケット10を説明するために使用される、唇側、舌側、近心、遠心、咬合側、及び歯肉側などの用語は、その選択された基準座標系に対するものである。しかしながら、歯科矯正ブラケット10は、口腔内部で、他の歯上及び他の向きで使用することができるため、それらの実施形態は、選択された基準座標系及び記述用語に限定されるものではない。例えば、歯科矯正ブラケット10は、歯の舌側表面に結合させることもできる。基準座標系に変更がある場合、本明細書で使用される記述用語を直接適用することができない点が、当業者には認識されるであろう。それにもかかわらず、これらの実施形態は、口腔内部での場所及び向きとは無関係であることが意図され、歯科矯正ブラケットの実施形態を説明するために使用される、これらの相対的用語は、図面内の実施形態の明確な説明を単に提供するためのものに過ぎない。それゆえ、唇側、舌側、近心、遠心、咬合側、及び歯肉側という相対的用語は、いかなる方式でも、これらの実施形態を、特定の場所又は向きに限定するものではない。
外側表面14は、基部12と下に存在する歯との間の接着剤接合を強化するために、メッシュ、孔、隆起部、凹部、アンダーカット、マイクロエッチング表面、ガラスグリット、結合粒子、オルガノシラン処理表面、又は任意の他の既知の機械的若しくは化学的改質を含み得る。あるいは、基部12はまた、バンド状構成を有することも可能であり、この構成では、基部12が歯を完全に取り囲むことにより、更に強固な接合がもたらされる。他の実装では、この基部は、基部12と歯牙構造との間の間隙を埋めることを支援する、固定式の圧縮性材料を含み得る。好適な圧縮性材料は、米国特許公開第2009/0233252号(Cinader)で説明されている。
本体部20は、外側表面14から離れる方向で、顔面側方向に基部12から外向きに延びる。任意選択的に、また図示のように、基部12及び本体部20は、一体型の構成要素である。特定の実施形態では、基部12及び本体部20は、例えば、米国特許第4,536,154号(Gartonら)で開示されているようなポリマー材料、米国特許第6,648,638号(Castroら)で開示されているような微粒子状多結晶アルミナなどのセラミック材料、あるいは、米国特許第5,078,596号(Carberryら)及び同第5,254,002号(Reherら)で開示されているようなガラス繊維強化ポリマー複合材料などのポリマー−セラミック複合材料から、機械加工又は成型を介して、一体的に作製することができる。好適な材料としては、例えば、金属材料(ステンレス鋼、チタン、及びコバルトクロム合金など)、及びプラスチック材料(繊維強化ポリカーボネートなど)が挙げられる。
本体部20は、顔面側表面21と、この本体部の顔面側表面21を、概して近心−遠心方向に横断して延びる、細長いアーチワイヤスロット30とを有する。図2の近心図を参照すると、アーチワイヤスロット30は、歯肉側の側壁32及び咬合側の側壁36と共に、底部の舌側壁34を含む。歯肉側壁32は、本体部20の歯肉側のヒンジ支持区画24の表面25によって、少なくとも部分的に画定される(図3及び図4を参照)。アーチワイヤ(図示せず)は、アーチワイヤスロット30内に受け入れられ、典型的には、アーチワイヤスロット30の壁32、34、36と実質的に一致する、概して矩形の断面を有する。アーチワイヤの寸法とアーチワイヤスロットの寸法との厳密な一致は、アーチワイヤと装置10との正確な結合をもたらすことにより、治療を行う施術者に、歯の移動に対する高度な制御を与えることができる。
本開示の装置では、舌側壁及び歯肉側壁の寸法に厳密には近似しない、他のアーチワイヤ幾何学形状を使用することができる。特定の実施形態では、側壁32及び側壁36は、舌側壁34に関して、実質的に等しい顔面側−舌側高さを含み得る。代替的構成では、(図6及び図7を参照)、咬合側の側壁36の一部分は、歯肉側の側壁32の高さよりも低い、(舌側壁34に関する)顔面側−舌側高さ37を有する。そのような高さの差異により、ヒンジ70を中心とする、アーチワイヤスロットの舌側壁34に向けた、ラッチアセンブリ40の更なる回転が可能となる。より大きい回転角度により、ドア41の舌側表面は、より小さい顔面側−舌側断面寸法を有するアーチワイヤに接触することが可能となり、典型的には、側壁の高さとアーチワイヤとの厳密な寸法の一致によって提供される、アーチワイヤと装置10との正確な結合がもたらされる。他の実施形態では(図示せず)、歯肉側壁32は、咬合側壁36の顔面側−舌側高さよりも低い顔面側−舌側高さを含む。そのような構造は、通常であれば、より高い歯肉側壁32に寄与するヒンジ支持区画24と干渉するであろう、より厚く、潜在的により堅牢なドア41を可能にし得る。
図1〜図4、及び図6〜図9に示されるように、ヒンジ70が、本体部20のヒンジ支持区画24の近位に設けられ、ラッチアセンブリ40の少なくとも一部分が、ヒンジ70に回転可能に結合される。ラッチアセンブリ40のドア41は、ドア41が閉鎖される場合に、アーチワイヤがアーチワイヤスロット30内に捕捉されて保持されるように、ヒンジ70を中心として、開放された姿勢と閉鎖された姿勢との間で回転可能である。図1に示される構成では、アーチワイヤは、患者の口内で実施される、通常の咀嚼及びブラッシング活動の結果として、アーチワイヤが過って脱落することがないように、装置10に確実に結紮される。しかしながら、アーチワイヤは、典型的には、アーチワイヤスロット30の長さに沿って摺動可能とすることができ、また摺動可能とするべきであり、これによって、アーチワイヤは、不正咬合歯の移動を誘導する、軌道として機能することが可能となる。そのような摺動は、治療のレベリング段階及びアライニング段階の間、歯がほぐれるため、特に顕著である。
装置10は、従来の結紮方法もまた可能にする、構造体を有する。図1に示されるように、咬合側アンダーカット22及び歯肉側アンダーカット23が、それぞれ、本体部20の咬合側及び歯肉側に配置される。図示の実施形態では、ドア41の一部分が、本体部20の歯肉側縁部を越えて延びることにより、タイウィングの少なくとも一部分、及び付随する歯肉のアンダーカット23を作り出す。アンダーカット22、23は、アーチワイヤスロット30内にアーチワイヤを保持するために、弾性の「O」リング状結紮具、パワーチェーン、又は結紮ワイヤを固定することが可能な区域を提供する。治療に関して重要ではないが、例えば、間隙を(例えば、パワーチェーンを使用して)縮めるか、又は、治療の最終段階の間に(例えば、弾性の結紮具を使用して)意図的に摩擦を作り出す場合、独立した結紮が有用であり得る。独立した結紮はまた、特定の状況では、特に、このアセンブリ40によって部分的に作り出された歯肉側アンダーカット内に受け入れられる場合、ラッチアセンブリ40の諸態様の回転を妨げる、追加的構造も提供し得る。他の実施形態では、本開示の装置は、エラストマー製結紮具及びワイヤ結紮具の取り付けを可能にする、アンダーカット若しくは他の構造を有さない。
より詳細には、ラッチアセンブリ40は、それぞれがヒンジ70に結合される、ドア41及び弾性の係止具60を含む。この実施形態でのヒンジ70は、ドア41、係止具60、及び本体部20に動作可能に結合される、円筒形のヒンジピン71によって提供される。ヒンジピン71はまた、概して近心−遠心方向に沿って延びる、長手方向ヒンジ軸線72も有することにより、本体部20及び係止具70に対する、ヒンジ軸線72を中心としたドア41の相対的回転を可能にする。明確化のために示されてはいるが、ヒンジ70がヒンジピン71を備えることは、必須ではない。代替的には、例えば、可撓性のポリマー膜によって、本体部20及びラッチアセンブリ40を互いに接続することも可能である。別の代替案では、本体部20及びドア41は、所望の円弧を中心とする回転を提供する、嵌合する湾曲表面をそれぞれ含み得る。別の代替案として、ヒンジ70は、別個の近心ヒンジピン及び遠心ヒンジピンを備え得る。
ヒンジ軸線72は、図示のように、アーチワイヤスロット30の舌側壁34の上方に(すなわち、舌側壁34から顔面側方向に)位置する。他の実施形態では、ヒンジ軸線は、舌側壁34と共平面に、又は舌側壁34の下方に(すなわち、舌側壁34から舌側方向に)存在し得る。ヒンジ70及び付随するヒンジ軸線72を、舌側壁34の上方に配置することにより、特定のブラケット構成では、アーチワイヤスロット30の舌側壁34に向けた、ドア41の回転の増大が可能となり、装置10は、無数のアーチワイヤ幾何学形状を収容及び結紮することが可能となり得る。
ここで図3を参照すると、係止具60は、基部61と、この基部61から概して顔面側方向に、かつヒンジ軸線72に実質的に垂直な平面に沿って延びる、戻り止めシャフト62とを備える。シャフト62は、歯肉側縁部63、顔面側係止表面64を含み、典型的には歯肉側壁32の高さを上回る、顔面側高さを特徴とする。組み立てられた場合、シャフト62は、ヒンジ70から歯肉側方向に配置され、ドア41と本体部20の顔面側表面21との間に延びる。顔面側係止表面64の少なくとも一部分は、ドア41上の舌側表面42と当接するように構成されることにより、アーチワイヤスロット30から離れる方向の回転に抗する停止部を提供し、ドア41の偶発的な開放を防止する。更には、シャフト62及び係止表面64はまた、施術者が、治療を開始又は再開する準備を整える前に、ドア41が偶発的に閉鎖されることも防止することができる。したがって、戻り止めシャフト62は、アーチワイヤスロット30及びヒンジ軸線72の双方の歯肉側に配設された、確実な係止機構を確立する。
アーム部65が、シャフト62から、概して咬合側方向で外向きに延びる。このアーム部は、基部61の長さに沿って突出し、基部61の長さに概して平行である。図1〜図9に示される実施形態では、アーム部65は、係止表面64と概して共平面である。図10及び図17に示されるものなどの代替的構造では、アーム部は、係止表面に対して鈍角で、ドアに向けて延び得る。アーム部65は、手用器具に支持を提供するための、陥凹又は切り欠き部66を含み得る。アーム部65に加えられた力は、基部61の一部分を中心とするモーメントを生じさせることにより、戻り止めシャフト62を、基部61の外側端部(例えば、アイレット67)に向けて移動させ、ドア41から解放させることができる。代替的実装では、アーム部65を省略するか又は使用しないことも可能であり、施術者は、その代わりに、歯肉側縁部63に力を加えることにより、係止表面64をドア41から解放する。
係止具基部61は、シャフト62から概して咬合側方向に離れて配置された、アイレット67を含む。アイレット67は、開口68を含むことにより、ヒンジピン71が、係止具60を貫通して延び、本体部20に対して係止具60を保持することを可能にする(図4を参照)。他の代替的実施形態では、係止具60を、締まり嵌めによってドア41と本体部20との間に保持することにより、ヒンジピン71を受け入れるための開口68を、潜在的に不要にすることができる。
係止具基部61は、シャフト62とアイレット65との間に配設された、薄くされた厚みを有するヒンジ区画69を含み得る。ヒンジ区画69は、アーム部65及びシャフト62の、アイレット67に向けた方向での移動を可能にし、アーム部65は、レバーとしての役割を果たす。以下でより詳細に説明されるように、アイレット67の方向でのアーム部65の移動は、ドア41の舌側表面42から係止表面64を解放し、これにより、ドア41は、アーチワイヤスロット30に対して回転することが可能となり得る。ヒンジ区画69を、少なくとも部分的にシャフト62内に含めることにより、シャフト62の一部分は、ドア41及び装置基部12に対して変形することが可能となり得る。
他の実施形態では(図示せず)、アーム部65は、ドア41の顔面側表面の上に延びることにより、ドア41がアーチワイヤスロット30から離れる方向で回転する場合には、基部12の方向に圧力を加えることができる。係止具60は、そのような実施形態ではクリップとして機能し、施術者は、アーム部65を基部12から離れる方向で回転させることにより、ヒンジ70を中心とするドア41の枢動を可能にすることができる。
係止具60は、好ましくは、ステンレス鋼、チタン、コバルトクロム合金などの弾性金属合金(Elgiloy Specialty Metals(Elgin、IL)製のものなど)、又はニッケルとチタンの合金などの形状記憶合金(例えば、ニチノール)から作製される。好ましくは、係止具60は、弛緩時の係止具60の形状が、治療の過程で著しく変化することがないように、十分に弾性である。別の選択肢として、係止具60は、可撓性のポリマー又は複合材料などの、当業者には既知の任意の他の弾性材料から作製することも可能である。係止具60の材料は、典型的には、ドア41とブラケット本体部20との間の圧縮力の下で、非弾性変形に対する耐性を示すべきである。
ドア41は、顔面側表面52の反対側に、舌側表面42を含む。ドア41は、ラッチアセンブリ40が閉鎖位置にある場合に、アーチワイヤスロット30の上に延びる、咬合側縁部領域43を含む(図6及び図8を参照)。したがって、咬合側縁部領域43の下の舌側表面42は、アーチワイヤスロット30内にアーチワイヤが受け入れられている場合、そのアーチワイヤと接触することになる(そのような接触が規定のものである場合)。図1を参照することによって理解することができるように、咬合側縁部領域43は、アーチワイヤスロット30の近心−遠心長さ全体に延びるものではなく、その一部分は、本体部20の咬合側の凹部26内に受け入れられる。凹部26は、咬合側の側壁36の頂部に配設された、回転停止表面29を含む。回転停止表面29は、舌側表面42に係合することにより、舌側壁34の方向での、ドア41の更なる回転を防止する。
咬合側縁部領域43は、特定の実施形態では、アーチワイヤスロット30内にアーチワイヤを誘導するための、押圧要素としての役割を果たすように構成された、少なくとも1つの面取り部又は他の表面構成を含み得る。押圧要素の更なる属性及び構成は、米国特許第8,469,704号(Odaら)に見出すことができる。
一対の支柱44、45が、ドア41の舌側表面42から外向きに延びる。支柱44、45は、装置10が組み立てられた場合に、係止具60の一部分を跨ぐように離間配置されることにより、係止具60の近心−遠心移動を制限する。組み立てられた場合、支柱44、45は、ブラケット本体部のヒンジ支持区画24の間に受け入れられ、支柱44、45及び係止具60の双方が、支持区画24の間で位置合わせされる(図8を参照)。各支柱は、開口46を含むことにより、ヒンジピン71(又は、複数のヒンジピン)は、双方の支柱44、45を貫通して、本体部20のヒンジ支持区画24内に延びることが可能となる。他の実施形態では、支柱44、45は、ヒンジ支持区画24の開口27内部で、又は支持区画24の表面上の円弧状構造体内部で回転する、円筒形の突出部を含み得る。2つの支柱44、45が示されているが、代替的なブラケット構成は、係止具60に隣接する単一の支柱を含み得る。
支柱44、45は、図6〜図8のように、舌側表面42に接する平面に概して垂直な軸線Sに沿って、ドア41の中心部分から外向きに延びることにより、近心方向で見た場合、ドア41に「T字形状」の外観を与える。しかしながら、ドア41の所望の回転に応じて、これらの支柱は、その接平面に対して斜角で延びる軸線Sに沿って、突出する場合もある。例えば、支柱44、45は、接平面に対して約30度の角度〜約150度の角度で延びる軸線Sに沿って、突出する場合がある。
舌側表面42の中心に向けた、この支柱の場所は、装置10が組み立てられた場合に、ヒンジ軸線72から歯肉側方向に位置する、ドア41の区画47を作り出す。ドア41の実質的な部分をヒンジ軸線72に対して歯肉側に配置することは、進入を可能にするために、アーチワイヤスロット30から離れる方向でドア41が回転しなければならない円弧が低減されるため、特定の実装では有利であり得る。更には、典型的なラッチ装置は、そのラッチの歯肉側端部又は咬合側端部にヒンジが設けられることにより、ラッチが開放される場合に、顔面側方向で比較的嵩高となる装置を作り出す。ヒンジ軸線72を、ドア41の中心から舌側方向に配置することにより、ドア41が開放された場合に(図8)、装置10の顔面側高さが低減されるため、隣接口腔組織との干渉を低減し、その他の叢生した咬合の治療を可能にする、より低いプロファイルを装置10にもたらすことができる。
しかしながら、代替的実装は、舌側表面42の咬合側縁部又は歯肉側縁部により近接して離間配置された、支柱44、45を含み得る。ドア41のそのような代替的実装は、近心方向で見た場合に、概して「L字形状」の外観を提示し得る。
チャネル48が、舌側表面42の、支柱44と支柱45との間の区域内に画定される。チャネル48は、係止具60のレバーアーム部65を受け入れるように、サイズ決め定形状決めされる。図示のように、チャネル48は、舌側表面42で概して矩形の形状であるが、様々な係止具60の寸法に対応する、任意の好適な幾何学形状のものとすることができる。現時点で好ましい状況では、チャネル48は、その長さに沿って、舌側表面42に対する深さの変化を含むことにより、チャネル48が係止具60に対して回転する際に、係止表面64とドア41との間の1つ以上の支持点となるのを可能にする。特定の実装では、チャネル48は、凹状湾曲を含み得る。
チャネル48は、咬合側表面49a及び舌側表面49bを含む、1つ以上のステップ部49を含み得る。咬合側表面49aは、係止具60の歯肉側縁部63に係合することにより、アーチワイヤスロット30の舌側壁34に向けた、ドア41の望まれない回転を防止することができる。それと協働して、舌側表面49bが、戻り止めシャフト62の顔面側表面64に係合することにより、アーチワイヤスロット30から離れる方向でのドア41の回転による、偶発的な開放が防止される。チャネル48内に複数のステップ部49を含めることにより、係止具60は、ヒンジ70によって提供される円弧の周りの幾つかの場所で、ドア41に係合することができるため、治療の間に、ドア41の位置に対する反復的で正確な制御を可能にすることができる。ステップ部(1つ又は複数)49の代わりに、又はそれに加えて、チャネル48は、チャネル48の歯肉側縁部の近位に、面取り表面50を含み得る。面取り表面50は、舌側表面42に対して傾斜して延び、ドア41が舌側壁34に向けて回転する際に、その円弧に沿った幾つかの場所で、係止表面64に係合することができる(図7)。代替的実施形態では、面取り表面50又はステップ部49(又は、その双方)は、舌側表面42上に直接配設され、画定されたチャネル48内部には含まれない場合がある。
ドア41は、顔面側方向から見た場合に、全体として装置10の形状と同様の、概して矩形の形状を有する、顔面側表面52を有する。顔面側表面52は、ドア41の本体部を貫通して舌側表面42まで延びる、開口54を含む。開口54は、アーム部65の少なくとも一部分を露出させるように成形され、そこから顔面側方向に位置する。係止具60の露出により、施術者は、アーム部65のその部分に力を加えて、ドア41の、開放された姿勢(図2及び図8)と閉鎖された姿勢(図1及び図6)との間での移行を達成することが可能となる。図6〜図8に関して以下で更に説明されるように、係止具60への力の適用により、係止表面64を、ドア41の舌側表面42又は(存在する場合には)チャネル48から解放することができる。係止表面64を解放することにより、ドア41は、ヒンジ軸線72に対して回転し、それによりアーチワイヤスロット30へのアクセスを制御することが可能となる。顔面側表面52はまた、開口54に向けて手用器具を誘導するための、概してU字形状の谷部として図1及び図3に示される、器具ガイド部56も含み得る。器具ガイド部56により、施術者が、顔面側表面52上に手用器具のための支持点を見つけ出し、その器具を、係止具60を解放するために開口54に向けて前進させることが可能となる限りは、他の構成も可能である。
ドア41は、典型的には、本体部20と同じ材料から機械加工又は成型されることにより、装置10の審美性が大きく向上する。ドア41は、少なくともヒンジ支持区画24の間の係止具60及びヒンジピン71の幅である、近心−遠心幅を有するため、ドア41がその閉鎖位置にある場合、これらの結紮要素を実質的に覆い隠す。図2に示されるように、例えば、ドア41は、係止具60の顔面側表面及びヒンジピン71の上に延びることにより、顔面側方向から見た場合、係止具60及びヒンジピン71が(開口54を通じて可視である部分を除いて)覆い隠される。他の実装では、ドア41は、係止具60及び/又はヒンジピン71と同じ材料から、機械加工又は成型することができる。
特に、ドア41は、アーチワイヤスロット30の咬合側には、ラッチアセンブリ40を本体部20に固定するための、クリップ又は他の構造体を有さない。ドア41の回転を所望の状態に制止するためには、係止具60と舌側表面42との相互作用のみで十分である。本開示の係止具60は、少なくとも2つの機能を、別個に、又は組み合わせて、独自に果たすことが可能である。係止具60は、ドア41が開放された姿勢にある間に、アーチワイヤスロットに向けた咬合側縁部43の回転を、最小限に抑えるか又は防止することにより、係止表面64が係合されている限りは、アーチワイヤスロット30へのアクセスをラッチアセンブリが覆い隠すことを防ぐ。このことは、アーチワイヤを着座させている間にドア41が偶発的に閉鎖される、施術者に対するリスクを著しく低減する。同様に、係止具60は、治療の間にアーチワイヤがアーチワイヤスロット30内に固定されている場合に、偶発的な開放を、最小限に抑えるか又は防止する。したがって、本開示のラッチアセンブリ40は、アーチワイヤスロット30へのアクセスに対する、動力学的に向上した制御を付与するものである。
ヒンジ軸線72と同じアーチワイヤスロットの側に、確実な係止機構を配置することによって、装置10は、開放することが著しく容易になる。更には、ラッチアセンブリ40は、アーチワイヤスロット30の咬合側で本体部20にドア41を結合して、閉鎖したまま維持するための、クリップ又は他の機構に、依存する必要がない。このことにより、ドア41に、より小さいプロファイルが付与され、歯肉側壁32の実質的に下方での、ドア41の回転が可能となる。より大きい回転の円弧により、より多様なアーチワイヤ顔面側−舌側断面寸法の結紮がもたらされ、治療の柔軟性の向上がもたらされる。更には、ラッチアセンブリ40は、咬合側の歯表面から離れる方向に向けて開放するため、このヒンジ軸線72の方向性は、咀嚼中に、ドア41が過って開放する危険を最小限に抑えるために役立ち得る。しかしながら、咬合側方向及び歯肉側方向は、所望により、装置10の動作に影響を及ぼすことなく、容易に逆転させることが可能である点を理解されたい。
図6に示されるような、ドア41がその閉鎖位置にある状態から開始して、装置10は、ドア41の顔面側表面52上の開口54内に、手用器具の先端部を挿入することによって操作することができる。この手用器具の先端部は、その後アーム部65と係合し、基部12に向けて持続的な力を加えることにより、シャフト62を、アーチワイヤスロット30に向けて、回転させるか又は他の方式で移動させる。この移動は、係止表面64が、ドア41から解放されるまで継続する。本明細書で使用するとき、係止表面64が解放されるのは、表面対表面の接触が欠如しているか、又は他の方式で、回転を防止するために不十分な場合である。手用器具を使用して持続的に突き動かすことにより、ドア41を、図8に示される開放構成に到達するまで、ヒンジ軸線72を中心として枢動させることができる。この位置では、アーチワイヤスロット30へのアクセスが可能となることにより、施術者は適合の具合を確認しつつ、アーチワイヤを除去及び/又は交換することができる。レバーアーム部65が解除されると、戻り止めシャフト62は、舌側表面41と本体部の顔面側表面22との間で、その元の位置へと偏向して戻ることにより、ドア41が枢動して閉鎖することを防止する。その後、レバーアーム部65に加えられる力により、ドア41は、図6のその閉鎖位置に枢動して戻り、アーチワイヤスロット30へのアクセスを遮断することが可能となる。あるいは、歯科矯正の施術者は、係止表面64の近位の、係止具60の歯肉側縁部63に対して、圧力を加えるように選択することができ、このこともまた、戻り止めシャフト62を、アーチワイヤスロット30の方向に駆動させることができる。
ドア41は、アーチワイヤスロット30に対する複数の閉鎖位置に向けて、ヒンジ軸線72を中心として枢動可能である。任意選択的に、また図7に示されるように、ドア41の咬合側縁部領域43は、図6に示される閉鎖位置を越えて回転させることができる。部分的には咬合側壁36の相対的高さにより、縁部領域43の舌側表面42は、回転停止表面29に近位となるか又は係合するまで回転することができるため、装置10は、歯肉側壁32の厚さを下回る顔面側−舌側厚さを含むアーチワイヤに、結紮を提供することが可能となる。アーチワイヤスロット30の(顔面側−舌側寸法を含めた)サイズは、それゆえ、厳密に制御することができるため、治療の仕上げ段階の間の、歯の制御の改善がもたらされる。
本開示の装置は、したがって、ヒンジ軸線72に対するドア41の多数の位置を含む、閉鎖状態を特徴とし得る。ドア41の複数の閉鎖位置は、ヒンジ軸線72を中心とした、閉鎖する回転の円弧Rに対して特定することができる(図7を参照)。回転の円弧Rは、咬合側縁部領域43の舌側表面42の少なくとも一部分が、アーチワイヤスロット30の舌側壁34に実質的に平行である場合(例えば、図6での第1の閉鎖状態)の、支柱44、45の基準軸線Sの向きに対して特徴付けることができる。この第1の閉鎖状態での軸線Sの向きにより、回転基準軸線Qが確立される。回転の円弧Rは、したがって、所定の範囲の実行可能なドア41の位置での、回転基準軸線Qに対する支柱基準軸線Sの向きによって画定される。一部の実装では、このドアは、少なくとも10度の円弧Rで枢動可能である。一部の実施形態では、このドアは、少なくとも15度、一部の実施形態では少なくとも20度、一部の実施形態では少なくとも25度、一部の実施形態では少なくとも30度、更に他の実施形態では少なくとも45度、更に他の実施形態では少なくとも60度の円弧Rの周りで、枢動可能である。より大きい回転の円弧は、一連のアーチワイヤ寸法に対する、結紮の改善をもたらすと共に、施術者に、治療の間の制御及び柔軟性の向上をもたらすことができる。
係止具60は、装置10の閉鎖状態を画定する円弧Rに沿った、複数の閉鎖位置のそれぞれに関して、ドア41の後方回転(すなわち、開放状態に向けた回転)を阻止するように構成することができる。特に有利な特定の実装では、係止具60(例えば、係止表面64)とドア41の表面(例えば、チャネル48内の特徴的幾何学形状)との相互作用は、円弧Rに沿ったドア41の任意の位置で、ドア41が舌側壁34から離れる方向で回転することを、実質的に防止する。これらの実施形態では、装置10の閉鎖状態は、図6での基準の向きのみならず、事実上、回転の円弧Rに沿ったドア41の全ての向き、又は実質的に全ての向きを含む。本明細書で使用するとき、後方回転が実質的に防止されているのは、ドア41が、ヒンジ軸線72を中心として、5度以下の円弧で舌側壁34から離れる方向に回転することのみが可能な場合である。一部の実装では、舌側壁34から離れる方向の許容可能な回転の円弧は、4度以下であり、一部の実施形態では3度以下、一部の実施形態では2度以下、更に他の実施形態では1度以下、更に他の実施形態では0.5度以下である。
現時点で好ましい状況では、ラッチアセンブリ40を開閉するために必要とされる力は、施術者による容易な操作が可能となるように十分に弱いものであるが、また、咀嚼及び歯磨きなどの、治療の間に実施される通常の患者の活動中に、ラッチアセンブリ40が自然に解放することがないように、十分に強いものでもある。好ましくは、ラッチアセンブリ40を開放するために(レバーアーム部65、又はドア41の咬合側縁部のいずれかに)加えられる力の閾値量は、少なくとも約0.45ニュートン(0.1lbf)、少なくとも約0.9ニュートン(0.2lbf)、少なくとも約2.2ニュートン(0.5lbf)、又は少なくとも約4.4ニュートン(1lbf)である。この閾値力は、好ましくは、最大約5.3ニュートン(1.2lbf)、最大約6.7ニュートン(1.5lbf)、又は最大約8.9ニュートン(2lbf)である。
図1〜図9の装置10は、ドア41がアーチワイヤに対して持続的な力を提供しないという点で、「受動的結紮」に関して好適である。本開示による装置はまた、能動的結紮にも適合させることができる。「能動的結紮」は(「受動的結紮」とは対照的に)、スロット付き歯科矯正装置が、スロットの底壁(又は、場合により側壁)に向けてアーチワイヤを付勢する、持続的な力を付与する場合に生じる。治療の後期には、より大きいサイズの正方形及び矩形のアーチワイヤが典型的には使用され、これらのワイヤをブラケットのスロット内に「能動的に」着座させることは、その装置の処方をより有効に発現させる結果をもたらし得る。理論上は、能動的結紮は、例えば歯に対するトルク及び回転力を、より良好に伝達することができる。能動的結紮の別の潜在的な利益は、アーチワイヤと同様に、クリップにも治療的な力の一部を蓄積する効果である。一部の施術者は、一般論として、所定のワイヤはそれゆえ、その顔面側−舌側作用の範囲が増大されることにより、受動的に結紮される構成の場合よりも、有効なアライメントを作り出すと考えている。
能動的結紮に関して特に適合された装置100が、図10〜図14に示される。装置100は、装置10に関して説明されたものと同じ特徴を多く含む。しかしながら、装置100は、以下で説明されるような、付加的な機能性及び利益を提供する。図10を参照すると、装置100は、図1〜図6の装置10に関して示されたものと同様に構成された、基部102及び本体部120を有する。装置100はまた、ヒンジピン171によって提供されるヒンジ軸線172を中心として位置合わせされる、ドア141及び係止具160を含む、ラッチアセンブリ140も有する。しかしながら、装置10とは異なり、本体部120は、ドア141をアーチワイヤスロット130の舌側壁134の方向に付勢するための、バネ機構180を含む。
変形可能なバネ180が、近心ヒンジ支持区画124と遠心ヒンジ支持区画125との間に、概して近心−遠心方向で延びる。図示のように、バネ180は、アーチワイヤスロット130とヒンジ170との間に配設された、円筒形の梁部材であり、ヒンジ軸線172に実質的に平行である。しかしながら、他の実施形態では、バネ180は、ヒンジ170に対して歯肉側に配置することもできる。バネ180の近心端部181は、近心ヒンジ支持部124内のガイドチャネル127内に受け入れられ、その一方、遠心端部182は、遠心支持区画125内に固定される。ガイドチャネル127は、近心端部181の近位での、バネ180の咬合側−歯肉側の変形を可能にする。図13、図14を参照して、以下で更に詳細に説明されるように、咬合側−歯肉側方向での、バネ180の一部分の変形は、ドア141の開放された姿勢と閉鎖された姿勢との間の移行を容易にする。代替的実装では、ガイドチャネル127は、バネ180の顔面側−舌側の変形又は他の方向の変形を許容するように、方向付けることもできる。
バネ180は、典型的には、弛緩時のバネ180の形状が、治療の過程で著しく変化することがないように、十分に弾性である。バネ180は、係止具160と同じ弾性材料から作製することができる。現時点で好ましい状況では、バネ180は、ニッケル−チタン合金から作製される。
ドア141は、変形可能な梁部材180と係合するための、1つ以上の構造体を含む。図11に示されるラッチアセンブリ140に転じると、ドア141は支柱145を含み、この支柱141は、その咬合側表面から外向きに延びる、カム突出部190を有する。突出部190は、平坦表面191と、概して湾曲した表面192とを特徴とし、それらは変形隆起部193で接合されている。他の実装では、突出部190は、その代わりに、変形隆起部で接合された、概して平坦な2つの表面を含み得ることにより、その突出部は、近心方向又は遠心方向で見た場合に、三角形の断面を提示する。突出部190がバネ180と係合して、ドア141を所望の位置に向けて付勢するのであれば、他の構成も可能であり、当業者には容易に明らかとなる。
図10の断面13−13に沿った、図13及び図14の断面図は、ドア141とバネ180との相互作用を、より詳細に示すものである。図13に示される閉鎖された姿勢では、平坦表面191は、基部102の顔面側表面121とバネ180との間に位置している。バネ180は、平坦表面191に対して、(概して舌側方向での)下向きの力を及ぼすことにより、ドア141を、アーチワイヤスロット130の舌側壁134の方向に付勢する。このドア141に加えられる下向きの圧力の結果として、ラッチアセンブリ40によって提供される結紮は、ドア141が、治療の過程で、アーチワイヤに対して概して舌側方向に向けた持続的な力を及ぼすことによって特徴付けられる、「能動的な」ものとなり得る。ヒンジ軸線の歯肉側に配設されたバネを特徴とする実施形態では(図示せず)、そのバネは、突出部又は他のドア係合構造体に対して、(概して顔面側方向での)上向きの力を及ぼす。
現時点で好ましい状況では、平坦表面191は、ドア141がヒンジ軸線172を中心として枢動する際の、複数のドア141の姿勢で、バネ180に係合する。突出部190とバネ180との間に何らかの接触が存在する限り、そのドアは、能動的な力を加えることが可能となる。図示のように、平坦表面191は、咬合側支柱表面194に対して鈍角で、咬合側−歯肉側長さにわたって延びる。突出部190とバネ180との係合が実行可能となる姿勢の数を、少なくとも部分的に規定する因子としては、1)支柱45の咬合側表面194に対する、平坦表面191の姿勢、2)平坦表面191の咬合側−歯肉側長さ、及び、3)顔面側表面121に対する、バネ180の高さが挙げられる。代替的実施形態では、突出部190は、ドア41のチャネル48と同様に、複数のステップ部を特徴とし得ることにより、突出部190は、近心−遠心方向のギアシャフトに類似する。これらのステップ部は、支柱145がヒンジ軸線172を中心として枢動する際に、バネ180に対する複数の係合点を提供することにより、装置100は、アーチワイヤ幾何学形状の範囲の増大に対して、より正確な能動的結紮を提供することが可能となる。
ドア141の咬合側縁部領域143の一部分は、本体部120の咬合側の、概して矩形の凹部128内部に受け入れられる。凹部128は、特定の近心−遠心長さの咬合側の側壁136の頂部に配設された、回転停止表面129を含み、図示のように、回転停止表面129は、アーチワイヤスロット130の近心−遠心長さ全体に延びるものではなく、当業者には、本開示の範囲内となる他の構成が理解されるであろう。回転停止表面129は、舌側表面142に係合して、舌側壁134の方向での、ドア141の更なる回転を防止する。それゆえ、凹部128に沿った、咬合側の側壁136の顔面側−舌側高さ137により、その能動的結紮にとって可能な、アーチワイヤの動き及び/又はサイズの寸法の範囲が、部分的に決定される。アーチワイヤスロットの(ラッチアセンブリ140がその閉鎖位置にある状態での)顔面側−舌側寸法は、したがって、アーチワイヤが特定の顔面側−舌側厚さを超過する場合に、能動的結紮が可能となるように設計することができる。選択されたアーチワイヤが、回転停止表面129の高さ137を上回るか又は等しい顔面側舌側厚さを有する限り、ドア141は、治療の過程で、そのアーチワイヤに対して持続的な力を提供することができる。咬合側の側壁136の高さ137に満たない顔面側−舌側厚さを有するアーチワイヤは、そのアーチワイヤが舌側壁134上に着座したまま維持される限り、一貫した能動的結紮を受けることはできない。
この能動的結紮の潜在的利益に加えて、変形可能なバネ180は、係止具160と協働して、ドア141の望まれない開閉に抗する、更なる備えを提供する。ドア141が、図13に示されるように、アーチワイヤスロット130の上で閉鎖される場合、バネ180は、基部102の方向で、突出部190の平坦表面191に対して付勢を提供することにより、ドア141が反対方向に回転することを阻止する。ドア141が、図14の開放状態にある場合、バネ180は、湾曲表面192に係合することにより、ドア141が枢動して閉鎖することを防止する。バネ180の変形可能な性質、及び協働するドア141の特徴部は、施術者によって意図的な力が加えられた場合には、依然として回転を許容する。ドア141を回転させるために、手用器具によって十分な力が加えられると、例えば、突出部190の変形隆起部193が、バネ180の近心端部181を、ガイドチャネル127内部で変形させる。この変形により、ドア141及び突出部190の所望の姿勢への持続的な回転が可能となる。
装置100の別の潜在的利点は、アーチワイヤがドア141の舌側表面142に接触することが可能な、近心−遠心長さの増大である。装置10の咬合側縁部領域43とは異なり、ドア141の咬合側領域143は、アーチワイヤスロット130の近心−遠心長さの全体に及ぶ。ドア141は、近心−遠心方向に沿って互いに離間した2つの箇所で、アーチワイヤと係合することができるため、単一の箇所でアーチワイヤと係合することによって達成可能な他の方式よりも、アーチワイヤの角度的溢出を低減して、より優れた回転制御を達成することが可能である。当業者によって理解され得るように、ドア141の咬合側縁部領域143の近心−遠心幅は、同様にアーチワイヤスロットの長さに及ぶように延び得る。
図15〜図21は、本開示の更に別の実施形態による、装置200を示す。装置200は、装置10及び装置100と同じ特徴を多く有しており、基部202と、アーチワイヤスロット230を有する本体部220と、ドア241及び係止具260を含むラッチアセンブリ240とを含む。しかしながら、装置100とは異なり、ラッチアセンブリ200は、顔面側−舌側方向で延び、ヒンジ270に沿って係止具260と少なくとも部分的に位置合わせされる、バネ機構280を含む。更には、ドア241は、本体部220のヒンジ支持区画224、225を跨ぐ、支柱244、245を特徴とする。更には、ドア241の顔面側表面252上の開口254は、係止具260と位置合わせされて直接隣接する、バネ280が含まれていることに対応するために、中心の咬合側−歯肉側軸線258(図19を参照)から若干オフセットされる。
図17に示されるように、係止具260は、係止具60及び係止具160と同様のものであり、基部261と、戻り止めシャフト262と、係止顔面側表面264と、変形可能アーム部265と、アイレット266と、ヒンジピン271を受け入れるための開口267とを特徴とする。係止具260は、係止表面264に対して鈍角「B」で、咬合側−顔面側方向に延びるアーム部265を特徴とする。この構成により、アーム部265の動作部分を、ドア241上の開口254により近接させて配置することができるため、手用器具又は他の用具が、係止具260を舌側表面242から解放するために必要な移動量が低減される。アイレット266はまた、開口267の咬合側方向の拡大区域268も特徴とすることにより、係止具60及び係止具160の場合よりも高い、戻り止めシャフト262に対する高さを有する、咬合側表面を提供する。
図18を参照すると、バネ280は、係止具260と同様の構成を有する。バネ280は、基部281と、開口287を有するアイレット286と、開口287の咬合側方向の拡大区域268とを含む。付勢シャフト282が、基部281から顔面側方向に延び、湾曲ヘッド部分284で終端する。ヘッド部分284は、ドア241の協働する舌側表面に係合するように、設計半径が漸減される。バネ280は、基部281の残部と比較して低減された厚さを有するヒンジ区画289を、任意選択的に含み得る。ヒンジ区画289は、ドア241に十分な回転力が加えられた場合に、付勢シャフト282が、アーチワイヤスロット230に向けて、かつドア241の舌側表面242から離れる方向で変形することを可能にし得る。また、係止具260と同様に、バネ280も、開口287の咬合側方向の拡大区域288を特徴とする。
図20に転じると、係止具260及びバネ280は、ヒンジ支持区画224とヒンジ支持区画225との間で、本体部220上に受け入れられ、ヒンジ軸線272に沿って位置合わせされている。バネ180の変形可能な梁部材とは対照的に、付勢シャフト282は、ヒンジ軸線に明らかに平行ではない軸線に沿って延びる。付勢シャフト282は、ヒンジ軸線に概して垂直な軸線、又はヒンジ軸線に対して斜めの角度の軸線に沿って延び得る。係止具260及びバネ280の咬合側表面は、ヒンジ支持区画224、225の咬合側表面と共に、アーチワイヤスロット230の歯肉側壁232の一部分を画定する。係止具260及びバネ280の咬合側表面は、互いに、及び/又はヒンジ支持区画224、225の咬合側表面と、共平面である必要はない。係止表面264及び湾曲ヘッド部分284の双方は、支持区画224、225の顔面側表面226の上方に存在する。付勢シャフト282は、戻り止めシャフト262よりも高い顔面側高さを特徴とすることにより、係止表面264を越えて、湾曲ヘッド部分284を延ばさせる。この戻り止めシャフト262と付勢シャフト282との高さの差異により、バネ280及び係止具260は、ドア241の舌側表面242上の異なる表面トポグラフィに抗して動作することが可能となる。角度付きアーム部265は、しかしながら、基部12に対して、湾曲ヘッド部分284を上回る高さまで延びる。本開示の他の実装では、係止表面264は、湾曲ヘッド部分284に関して、より高いか又は等しい顔面側高さまで延び得る。
図21のようにドアが閉鎖される場合、ヘッド部分284の頂部285が、ドア241の舌側表面242の領域259に係合する。バネ180によって提供される下向きの圧力とは対照的に、バネ280は、ドア241の舌側領域に対して上向きの(すなわち、概して顔面側方向の)力を及ぼすことにより、ドア241を、アーチワイヤスロット230の方向に付勢する。ドア241の係合領域259は、他の係合特徴部(例えば、面取り表面又はステップ部)と共に、チャネル内部に含まれる場合もあり、又は、舌側表面242の一部分を画定する場合もある。
現時点で好ましい状況では、係合領域259は、ヘッド部分284の漸減半径に対応する、表面湾曲を含む。有利には、その舌側表面242上の表面湾曲は、ドア241が開放位置に回転される際、付勢シャフト282を、アーチワイヤスロット230に向けて変形させることを支援し得る。付勢シャフト282を、アーチワイヤスロット230に向けて変形させることにより、ドアの閉鎖状態と開放状態との移行を、バネ280が阻止することが防止される。他の実装では、係合領域259及びヘッド部分284の相補的曲線は、必ずしも付勢シャフト282の変形を生じさせるものではないが、ドアの回転をバネ280が妨害する可能性を低減し、ドア241を回転させるために必要な一貫した力を維持するように協働する。
潜在的に有利な特定の実施形態では、図21に示されるように、係合領域259は、咬合側−歯肉側方向で複合湾曲を含み得る。第1の湾曲を含む第1の表面部分259aは、ドアが閉鎖状態にある場合にヘッド部分284に係合し、ドア241の歯肉側領域の近位に位置する。第2の湾曲を含む第2の表面部分259bは、第1の表面部分259aの縁部から、少なくとも先頭の咬合側縁部領域243まで延び、ドアが開放状態に移行される際、ヘッド部分284に(持続的に、又は周期的に)係合するか、又は、ヘッド部分284の制限されない移動を可能にする。第1の湾曲は、典型的には、第2の湾曲よりも小さいが、これは、そのことにより、ドア241が回転して閉鎖される場合に、所望の係合及び上向きの圧力が確保されると共に、ドアが開放される際に、ヘッド部分284が拘束的摩擦に寄与するか、又は他の方式で所望の回転を阻止することが、防止されるためである。
装置100、200の多くの態様は、前述のような装置10の態様に類似するものであることが理解されよう。したがって、装置100、200の、対応する選択肢及び特徴は、繰り返す必要がない。
実施形態
1.自己結紮式歯科矯正装置であって、この装置を歯表面に接合するための基部と、その基部から外向きに延びる本体部であって、この本体部を近心−遠心方向に横断して延びるアーチワイヤスロットを画定する、本体部と、第1の基準軸線を画定するヒンジ構造体であって、アーチワイヤスロットの第1の側に配設されている、構造体と、ヒンジに結合され、第1の基準軸線を中心として、開放状態と閉鎖状態との間で回転可能なドアであって、このドアは、舌側表面を含み、ヒンジ構造体に接続されており、開放状態で、アーチワイヤスロット内にアーチワイヤを挿入可能であり、閉鎖状態で、ドアは、アーチワイヤスロット内にアーチワイヤを保持する、ドアと、ドアに係合しており、ドアが閉鎖状態にある場合に、開放状態へのドアの回転を妨げる係止機構であって、この係止機構が、アーチワイヤスロットの第1の側に存在し、ブラケットは、ヒンジ構造体とは反対側のアーチワイヤスロットの側には、開放状態に向けたドアの回転を阻止する、いずれの他の構造体も有さない、係止機構とを備える、自己結紮式歯科矯正装置。
2.係止機構が、基部に対して顔面側方向に延び、ドアの舌側表面に係合する、シャフトを備える、実施形態1のブラケット。
3.シャフトが舌側表面と係合される場合に、開放状態に向けたブラケットの回転の試みが、シャフトを圧迫することにより、開放状態に向けた更なる回転が防止される、実施形態2のブラケット。
4.係止機構は、シャフトの一部分から概して咬合側−歯肉側方向で延びるレバーアーム部を含み、このレバーアーム部は、ドアからシャフトを解放するために、基部の方向に変形可能である、実施形態2のブラケット。
5.ドアは、舌側表面内にチャネルを含み、レバーアーム部はこのチャネル内に受け入れられる、実施形態4のブラケット。
6.ドアは、唇側表面と、その唇側表面から舌側表面まで延びる開口部とを含み、この開口部は、チャネルの近位に配設されることにより、レバーアーム部へのアクセスが可能となる、実施形態5のブラケット。
7.レバーアーム部は、ブラケットの基部に向けた方向に変形可能であり、この基部に向けたレバー部の変形が、ドアの舌側表面から離れる方向にシャフトを回転させる、実施形態6のブラケット。
8.ドアの舌側表面は、凹状表面を含む陥凹区域を含む、前述の実施形態のうちのいずれかのブラケット。
9.シャフトは、そのシャフトの頂部に停止部を含み、この停止部は、舌側表面の陥凹区域内に受け入れられる、実施形態8のブラケット。
10.停止部は、ドアの凹状表面に係合するように構成されることにより、そのドアが、第1の基準軸線を中心とする任意の選択された角回転の程度で、基部に向けた方向に付勢され、更なる回転が阻止される、実施形態9のブラケット。
11.ヒンジ構造体は、シャフトとアーチワイヤスロットとの間に配設されている、前述の実施形態のうちのいずれかのブラケット。
12.基準軸線は、ドアの少なくとも一部分から、概して咬合側方向に位置する、前述の実施形態のうちのいずれかのブラケット。
13.ドアの舌側表面の一部分は、ヒンジ構造体から、歯肉側方向に位置する、前述の実施形態のうちのいずれかのブラケット。
14.ドアは、第2の基準軸線に沿って舌側表面から延びる、1つ以上の支柱を含む、前述の実施形態のうちのいずれかの自己結紮式ブラケット。
15.第1の基準軸線の少なくとも一部分に沿って延びる、変形可能なバネを更に備える、前述の実施形態のうちのいずれかの自己結紮式ブラケット。
16.ドアは、そのドアが閉鎖状態にある場合に、バネに実質的に垂直な第2の基準軸線に沿って舌側表面から延びる支柱を含む、実施形態15のブラケット。
17.ドアは、そのドアの舌側表面から延びており、バネに当接する突出部を含む支柱を含み、このバネは、ドアが閉鎖状態にある場合、概して基部の方向にドアを付勢するように、その突出部に係合し、ドアが開放状態にある場合、基部から離れる方向にドアを付勢するように、その突出部に係合する、実施形態15のブラケット。
18.ドアは、第1の支柱及び第2の支柱を含み、係止機構の一部分は、それらの第1の脚部と第2の脚部との間に配設されている、前述の実施形態のうちのいずれかのブラケット。
19.アーチワイヤスロットは、歯肉側壁部分及び咬合側壁部分によって部分的に画定され、このブラケットは、咬合側壁部分の頂部の第1の顔面側表面、及び歯肉側壁部分の頂部の第2の顔面側表面を含み、ドアが閉鎖状態にある場合に、そのドアの舌側表面が、第1の顔面側表面に接触する、前述の実施形態のうちのいずれかのブラケット。
20.歯肉側壁部分は、咬合側壁部分の高さを上回る高さを含むことにより、第1の顔面側表面が、第2の顔面側表面よりも、基部に近接して位置する、実施形態19のブラケット。
21.ヒンジ構造体及びバネは、アーチワイヤスロットに概して平行な軸線に沿って延びる、実施形態15のブラケット。
22.係止機構は、閉鎖状態で、基部に向けてドアを付勢する、前述の実施形態のうちのいずれかのブラケット。
23.係止機構は、閉鎖状態で、アーチワイヤスロットから離れる方向のドアの回転を阻止し、開放状態で、アーチワイヤに向けたドアの回転を阻止する、前述の実施形態のうちのいずれかのブラケット。
24.自己結紮式歯科矯正装置であって、この装置を歯表面に接合するための基部と、その基部から外向きに延びる本体部であって、この本体部を近心−遠心方向に横断して延びるアーチワイヤスロットを画定する、本体部と、第1の基準軸線を画定するヒンジ構造体と、第1の基準軸線を中心として、開放状態と閉鎖状態との間で回転可能なドアであって、そのドアの舌側表面から概して基部の方向に延びる、1つ以上の支柱を備える、ドアと、ヒンジ構造体の少なくとも一部分からオフセットされた、第1のバネであって、ドアが閉鎖状態にある場合に、そのドアをアーチワイヤスロットの方向に付勢する、第1のバネとを備える、自己結紮式歯科矯正装置。
25.バネは、第1の基準軸線に実質的に平行な第2の基準軸線に沿って延びる変形可能な梁部材を備えている、実施形態24のブラケット。
26.ドアは、梁部材に当接する突出部を含み、この梁部材は、ドアが閉鎖状態にある場合、概して基部の方向にドアを付勢するように、その突出部に係合し、ドアが開放状態にある場合、基部から離れる方向にドアを付勢するように、その突出部に係合する、実施形態25のブラケット。
27.ドアを開放することは、突出部の一部分を、基部から離れる方向に移動させることにより、梁部材が変形される、実施形態25のブラケット。
28.ドアの表面に係合しており、閉鎖状態で基部に向けてドアを付勢することにより、開放状態へのドアの回転を妨げる、係止機構を更に含み、この係止機構は、アーチワイヤスロットの第1の側に存在する、前述の実施形態のうちのいずれかのブラケット。
29.ブラケットは、ヒンジ構造体とは反対側のアーチワイヤスロットの側には、開放状態に向けたドアの回転を阻止する、いずれの他の構造体も有さない、実施形態28のブラケット。
30.バネが舌側表面と係合される場合に、開放状態に向けたブラケットの回転の試みが、その梁部材を圧迫することにより、開放状態に向けた更なる回転が防止される、実施形態28又は29のブラケット。
31.係止機構は、基部に対して概して顔面側方向に延びるシャフトと、概して近心−遠心方向で延びるレバーアーム部とを備え、このレバーアーム部が、ドアからシャフトを解放するために、基部の方向に変形可能である、実施形態30のブラケット。
32.ドアは、その舌側表面内にチャネルを含み、レバーアーム部はこのチャネル内に受け入れられる、実施形態31のブラケット。
33.レバーアーム部は、ブラケットの基部に向けた方向に変形可能であり、この基部に向けたレバー部の変形は、アーチワイヤスロットに向けた方向に梁部材を回転させる、実施形態31又は32のブラケット。
34.ドアの舌側表面は、凹状表面を含む陥凹区域を含む、前述の実施形態のうちのいずれかのブラケット。
35.支柱は、レバーアーム部の上方に、顔面側方向に延びる停止部を含み、この停止部は、舌側表面の陥凹区域内に受け入れられる、実施形態34のブラケット。
36.停止部は、ドアの凹状表面に係合するように構成されることにより、そのドアは、第1の基準軸線を中心とする任意の選択された角回転の程度で、基部に向けた方向に付勢され、更なる回転が阻止される、実施形態35のブラケット。
37.基準軸線は、ドアの少なくとも一部分から、概して咬合側方向に位置する、前述の実施形態のうちのいずれかのブラケット。
38.ドアの舌側表面の一部分は、ヒンジ構造体から、歯肉側方向に位置している、前述の実施形態のうちのいずれかのブラケット。
39.アーチワイヤスロットは、歯肉側壁部分及び咬合側壁部分によって部分的に画定され、このブラケットは、咬合側壁部分の頂部の第1の顔面側表面、及び歯肉側壁部分の頂部の第2の顔面側表面を含み、ドアが閉鎖状態にある場合に、そのドアの舌側表面が、第1の顔面側表面に接触する、前述の実施形態のうちのいずれかのブラケット。
40.歯肉側壁部分は、咬合側壁部分の高さを上回る高さを含むことにより、第1の顔面側表面が、第2の顔面側表面よりも、基部に近接して位置する、実施形態39のブラケット。
41.ヒンジ構造体及びバネは、アーチワイヤスロットに概して平行な軸線に沿って延びる、前述の実施形態のうちのいずれかのブラケット。
42.バネは、ヒンジ軸線に実質的に垂直な平面内に延びる、実施形態24〜40のうちのいずれかのブラケット。
43.アーチワイヤを結紮するための方法であって、この方法は、前述の実施形態のうちのいずれかの歯科矯正装置を提供する工程と、アーチワイヤスロット内にアーチワイヤを導入する工程と、ドアの表面から係止具を解放する工程と、アーチワイヤスロットの方向にドアを回転させて、そのドアを閉鎖状態に移行させる工程とを含む。
44.自己結紮式歯科矯正装置であって、この装置を歯表面に接合するための基部と、その基部から外向きに延びる本体部であって、この本体部を近心−遠心方向に横断して延び、舌側壁を含む、アーチワイヤスロットを画定する、本体部と、第1の基準軸線を画定するヒンジ構造体であって、アーチワイヤスロットの第1の側に配設される、ヒンジ構造体と、ヒンジに結合され、第1の基準軸線を中心として、開放状態と閉鎖状態との間で回転可能なドアであって、このドアは、舌側表面を含み、ヒンジ構造体に接続され、開放状態で、アーチワイヤスロット内にアーチワイヤを挿入可能であり、閉鎖状態で、ドアが、アーチワイヤスロット内にアーチワイヤを保持する、ドアと、ドアに係合し、アーチワイヤスロットの第1の側に配設され、ドアが閉鎖状態にある場合に、開放状態へのドアの回転を妨げる、係止機構とを備え、その閉鎖状態は、舌側壁に対する複数のドア位置を含み、この係止機構は、それらの複数のドア位置のそれぞれで、舌側壁から離れる方向でドアが回転することを実質的に防止する、自己結紮式歯科矯正装置。
45.閉鎖状態は、最初のドア位置及び最終のドア位置を含み、ドアは、その最初の位置と最終の位置との間の円弧内で回転可能であり、係止機構は、その円弧に沿った任意のドアの位置で、舌側壁から離れる方向でドアが回転することを実質的に防止する、実施形態44の自己結紮式ブラケット。
46.係止機構は、舌側壁から離れる方向での後方への円弧で、5度を超えてドアが回転することを阻止する、実施形態44の自己結紮式ブラケット。
47.係止機構は、舌側壁から離れる方向での後方への円弧で、2度を超えてドアが回転することを阻止する、実施形態46の自己結紮式ブラケット。
48.係止機構は、舌側壁から離れる方向での後方への円弧で、1度を超えてドアが回転することを阻止する、実施形態47の自己結紮式ブラケット。
49.実施形態1〜40のうちのいずれかの態様を含む、実施形態44〜48の自己結紮式ブラケット。
50.ドアが閉鎖状態にある場合に、アーチワイヤスロットの方向にドアを付勢するバネを更に含む、実施形態44の自己結紮式ブラケット。
51.バネは、複数の閉鎖ドア位置のそれぞれで、アーチワイヤスロットの方向にドアを付勢する、実施形態50の自己結紮式ブラケット。
上述の特許及び特許出願の全ては、本明細書で、明示的に本開示に組み込まれる。上述の発明は、明瞭性及び理解の目的のために、図及び実施例によって、ある程度詳細に説明されている。しかしながら、様々な代替案、修正案、及び等価物を使用することができ、上記の説明は、以下の実施形態及びそれらの等価物によって定義される、本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。

Claims (20)

  1. 自己結紮式歯科矯正装置であって、
    前記装置を歯表面に接合するための基部と、
    前記基部から外向きに延びる本体部であって、前記本体部を近心−遠心方向に横断して延びるアーチワイヤスロットを画定する、本体部と、
    第1の基準軸線を画定するヒンジ構造体であって、前記アーチワイヤスロットの第1の側に配設されている、構造体と、
    前記ヒンジに結合され、前記第1の基準軸線を中心として、開放状態と閉鎖状態との間で回転可能なドアであって、前記ドアは、舌側表面を含み、前記ヒンジ構造体に接続されており、前記開放状態で、前記アーチワイヤスロット内にアーチワイヤを挿入可能であり、前記閉鎖状態で、前記ドアは、前記アーチワイヤスロット内に前記アーチワイヤを保持する、ドアと、
    前記ドアに係合しており、前記ドアが前記閉鎖状態にある場合に、前記開放状態への前記ドアの回転を妨げる係止機構であって、前記係止機構は、前記アーチワイヤスロットの前記第1の側に存在し、前記ブラケットは、前記ヒンジ構造体とは反対側の前記アーチワイヤスロットの側には、前記開放状態に向けた前記ドアの回転を阻止する、いずれの他の構造体も有さない、係止機構と
    を備える、自己結紮式歯科矯正装置。
  2. 前記係止機構は、前記基部に対して顔面側方向に延び、前記ドアの舌側表面に係合する、シャフトを備えている、請求項1に記載のブラケット。
  3. 前記シャフトが前記舌側表面と係合される場合に、前記開放状態に向けた前記ブラケットの回転の試みが、前記シャフトを圧迫することにより、前記開放状態に向けた更なる回転が防止される、請求項2に記載のブラケット。
  4. 前記係止機構は、前記シャフトの一部分から概して咬合側−歯肉側方向で延びる、レバーアーム部を含み、前記レバーアーム部は、前記ドアから前記シャフトを解放するように前記基部の方向に変形可能である、請求項2に記載のブラケット。
  5. 前記ドアは、舌側表面内にチャネルを含み、前記レバーアーム部は、前記チャネル内に受け入れられる、請求項4に記載のブラケット。
  6. 前記ドアの前記舌側表面が、凹状表面を含む陥凹区域を含む、請求項4に記載のブラケット。
  7. 前記係止具は、前記シャフトの頂部に回転停止部を含み、前記停止部は、前記舌側表面の前記陥凹区域内に受け入れられる、請求項6に記載のブラケット。
  8. 前記ドアの前記舌側表面の一部分は、前記ヒンジ構造体から、歯肉側方向に位置している、請求項1に記載のブラケット。
  9. 前記第1の基準軸線の少なくとも一部分に沿って延びる、変形可能なバネを更に備えている、請求項1〜8のいずれか一項に記載の自己結紮式ブラケット。
  10. 前記ドアは、前記ドアの前記舌側表面から延びており、前記バネに当接する突出部を含む支柱を含み、前記バネは、前記ドアが前記閉鎖状態にある場合、概して前記基部の方向に前記ドアを付勢するように、前記突出部に係合し、前記ドアが前記開放状態にある場合、前記基部から離れる方向に前記ドアを付勢するように、前記突出部に係合する、請求項9に記載のブラケット。
  11. 前記ヒンジ構造体及び前記バネは、前記アーチワイヤスロットに概して平行な軸線に沿って延びる、請求項9に記載のブラケット。
  12. 自己結紮式歯科矯正装置であって、
    前記装置を歯表面に接合するための基部と、
    前記基部から外向きに延びる本体部であって、前記本体部を近心−遠心方向に横断して延びるアーチワイヤスロットを画定している、本体部と、
    第1の基準軸線を画定するヒンジ構造体と、
    前記第1の基準軸線を中心として、開放状態と閉鎖状態との間で回転可能なドアであって、前記ドアの舌側表面から概して前記基部の方向に延びる、1つ以上の支柱を備えている、ドアと、
    前記ヒンジ構造体の少なくとも一部分からオフセットされた、第1のバネであって、前記ドアが前記閉鎖状態にある場合に、前記ドアを前記アーチワイヤスロットの方向に付勢する、第1のバネと、
    を備える、自己結紮式歯科矯正装置。
  13. 前記バネは、前記第1の基準軸線に実質的に平行な第2の基準軸線に沿って延びる、変形可能な梁部材を備えている、請求項12に記載のブラケット。
  14. 前記ドアは、前記梁部材に当接する突出部を含み、前記梁部材は、前記ドアが前記閉鎖状態にある場合、概して前記基部の方向に前記ドアを付勢するように、前記突出部に係合し、前記ドアが前記開放状態にある場合、前記基部から離れる方向に前記ドアを付勢するように、前記突出部に係合し、前記ドアを開放することが、前記突出部の一部分を、前記基部から離れる方向に移動させることにより、前記梁部材は変形される、請求項13に記載のブラケット。
  15. 前記ドアの表面に係合して、前記閉鎖状態で前記基部に向けて前記ドアを付勢することにより、前記開放状態への前記ドアの回転を妨げる、係止機構を更に含み、前記係止機構は、前記アーチワイヤスロットの前記第1の側に存在する、請求項12に記載のブラケット。
  16. 前記ブラケットは、前記ヒンジ構造体とは反対側の前記アーチワイヤスロットの側には、前記開放状態に向けた前記ドアの回転を阻止する、いずれの他の構造体も有さない、請求項15に記載のブラケット。
  17. 自己結紮式歯科矯正装置であって、
    前記装置を歯表面に接合するための基部と、
    前記基部から外向きに延びる本体部であって、前記本体部を近心−遠心方向に横断して延び、舌側壁を含む、アーチワイヤスロットを画定する、本体部と、
    第1の基準軸線を画定するヒンジ構造体であって、前記アーチワイヤスロットの第1の側に配設されている、ヒンジ構造体と、
    前記ヒンジに結合され、前記第1の基準軸線を中心として、開放状態と閉鎖状態との間で回転可能なドアであって、前記ドアは、舌側表面を含み、前記ヒンジ構造体に接続され、前記開放状態で、前記アーチワイヤスロット内にアーチワイヤを挿入可能であり、前記閉鎖状態で、前記ドアは、前記アーチワイヤスロット内に前記アーチワイヤを保持する、ドアと、
    前記ドアに係合し、前記アーチワイヤスロットの前記第1の側に配設され、前記ドアが前記閉鎖状態にある場合に、前記開放状態への前記ドアの回転を妨げる係止機構と、を備え、
    前記閉鎖状態は、前記舌側壁に対する複数のドア位置を含み、前記係止機構は、前記複数のドア位置のそれぞれで、前記舌側壁から離れる方向で前記ドアが回転することを実質的に防止する、自己結紮式歯科矯正装置。
  18. 前記閉鎖状態は、最初のドア位置及び最終のドア位置を含み、前記ドアは、前記最初の位置と前記最終の位置との間の円弧内で回転可能であり、前記係止機構は、前記円弧に沿った任意の前記ドアの位置で、前記舌側壁から離れる方向で前記ドアが回転することを実質的に防止する、請求項17に記載の自己結紮式ブラケット。
  19. 前記係止機構は、前記舌側壁から離れる方向での後方への円弧で、5度を超えて前記ドアが回転することを阻止する、請求項17に記載の自己結紮式ブラケット。
  20. 前記ドアが前記閉鎖状態にある場合に、前記アーチワイヤスロットの方向に前記ドアを付勢するバネを更に含み、前記バネは、前記複数の閉鎖ドア位置のそれぞれで、前記アーチワイヤスロットの方向に前記ドアを付勢する、請求項18に記載の自己結紮式ブラケット。
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