JP2017523416A - 試料の化学イオン化方法と装置 - Google Patents

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Abstract

気体状流体の試料をイオン化するイオン化装置。イオン化装置は、反応イオンを供給するように構成されたイオン発生器と、反応イオンを改質するように構成されたイオン改質器と、改質された反応イオンと試料とを受け取り、試料を改質された反応イオンと結合させて試料中の対象物質を同定するように構成された検出器で分析するために試料をイオン化するように構成された反応領域を備える。【選択図】図1A

Description

本開示の実施形態は、試料、例えば、気体、蒸気、およびエアロゾルなどの気体状流体の試料のイオン化方法と装置とに関する。
イオンに対する電磁界の影響を利用して、イオンの特性を明らかにすることができる。例えば、質量分析では、電界を用いてイオンを加速することができ、加速されたイオンの磁界による偏向を用いてイオンの質量対電荷比を推測することができる。イオン移動度分光法では、イオンを検出器に向かってドリフトガスの流れと反対方向に移動させることができ、イオンの移動速度を用いてドリフトガスを通るイオンの移動度について推測することができる。両方の技術によって、周囲大気圧であろうと、真空などの制御された圧力条件であろうと、電界と磁界のいずれかあるいは両方などの電磁界のイオンに対する影響を分析することによって、対象物質を同定することができる。
本開示は、検出器による分析のために気体状流体の試料をイオン化する改良された方法と装置とを提供することを目的とする。気体状流体の例には、気体と蒸気とが含まれる。
本開示の態様および実施形態を、添付の特許請求の範囲に記載し、添付の図面を参照しながら、単なる例示として説明する。
図1Aは、イオン化装置の一例を示す図である。 図1Bは、イオン化装置の別の例を示す図である。 図2は、イオン化装置を含む検出器の一例を示す図である。 図3は、図2の装置の動作方法を示すフローチャートを示す。
図面では、同じ要素は同様の参照番号を示すのに用いられる。
本開示の実施形態は、気体状流体の試料を反応イオンと結合することによって気体状流体をイオン化する方法と装置とに関する。
本開示の実施形態は、様々な異なる反応イオンをイオン化装置に供給されるようにすることを目的とする。そこで、これらの反応イオンを用いて気体状流体の試料をイオン化し、検出器で分析することができる。反応イオンの種類によっては、ある種の試料と相互作用し、検出器による試料の分析を混乱させる望ましくない妨害イオンを生成する可能性がある。実施形態によっては、これらの反応イオンを改質して、望ましくない妨害イオンの生成を抑制することができる。従って、イオンの改質によって、改質をしない場合よりも試料に関する正確な情報を得ることができる。
本開示の一例は、気体状流体、例えば空気とドーパントおよび/または両方をイオン化することによって、反応イオンを提供するように構成されたイオン発生器を備えるイオン化装置である。この装置はまた、事前に反応イオンを改質し、気体状流体の試料を改質された反応イオンと結合して試料をイオン化するように構成されたイオン改質器を備える。反応イオンを改質するか否かを選択することにより、試料と混合される反応イオンの種類を変更することができる。これにより、望ましくない妨害イオンの生成が抑制され、あるいは、同一の気体状流体の試料から、種々の選択された生成物イオンが得られる可能性がある。
このような検出器での分析のために様々な技術を使用して試料をイオン化することができる。紫外線を用いて試料を直接イオン化することができる。より一般的には、先ず、コロナ放電やn粒子などのイオン化放射線源を用いて検出器内の空気からイオンを発生させ、次に、これらのイオンを試料と混合して、イオン−分子反応させることによって間接的に試料をイオン化する。この状況では、発生した初期イオンは反応イオンと呼ばれ、試料分子から生成されたイオンは生成物イオンと呼ばれる。また、ドーパントと呼ばれる蒸気を検出器に加え、このドーパントを初期空気イオンによってイオン化し、次に、これらの新しい反応イオンを、イオン−分子反応によって試料をイオン化するようにすることが有用となる可能性がある。このようにして、試料のイオン化の化学を制御して、試料中の検出すべき化合物を優先的にイオン化し、潜在的妨害化合物をイオン化しないようにすることができる。これにより、他の方法ではイオンの識別が困難な個々の物質を同定することができる。
ある実施形態では、イオンが、反応イオン生成領域で生成され、イオン改質領域を通過し、次に、試料が供給される反応領域に入るように電界が配置される。ドーパント蒸気の流れを反応イオン生成領域に供給し、ドーパント蒸気を含まない流れを、改質領域からドーパント蒸気を移動させるように構成でき、その結果、改質領域内のドーパント蒸気の濃度を、反応イオン生成領域内のドーパントの濃度に対して減少させる。改質領域は、反応イオン生成領域へのドーパントの流れと反応領域への試料の流れとの間に位置する。ある実施形態では、反応イオンおよび/または改質された反応イオンを反応領域内の試料に移動させるように電界を構成する。イオンゲートを、反応領域からの生成物イオンの流れを制御するために設けてもよい。
また、本開示の実施形態は、対象物質を検出する検出装置を提供する。検出装置は、試料をイオン化して、検出器のための生成物イオンを提供するように構成された前述のイオン化装置を備えることができる。
検出器は、イオン移動度分光計および/または質量分析計を備えることができる。
ある実施形態では、装置は、反応イオンを生成し、反応イオンを改質した後に、改質された反応イオンを試料と結合させ、生成物イオンを検出器による分析のために生じさせるように構成される。
ある実施形態では、装置は、試料を反応イオンと結合させて第1生成物イオンを生成し、これらの第1生成物イオンを検出器に供給することに基づいて、試料を分析するように制御されうる。次に、装置を、反応イオンを得て、反応イオンを改質し、その後、改質された反応イオンを試料と結合させて第2生成物イオンを生成するように制御することができる。改質された反応イオンは、反応イオンとは異なり、例えば、異なる質量、異なる化学的性質、例えば、異なるエネルギー的性質などの異なる構成要素を有していてもよい。イオン改質器は、選択的に操作されてもよく、例えば、第1反応イオンを試料と組み合わせて得られる検出器信号に基づいて反応イオンを改質するようにイオン改質器は操作されてもよい。いくつかの実施形態では、生成物イオンを改質するために第2イオン改質器を設け、配置してもよい。
図1Aは、イオン化装置1を示す。イオン化装置1は、反応イオン生成領域6と、イオン改質器2と、反応領域8とを含む。
反応イオン生成領域6は、イオン発生器12と、ドーパント蒸気を導入する第1入口14とを備えてもよく、第1出口16を備えてもよい。図1Aに示される例では、イオン改質器2は、イオン発生器12を反応領域8から分離するように配置されている。反応領域8は、試料を反応領域に導入する第2入口18を備え、第2出口20を備えてもよい。
図1Aに示されるように、制御部4は、イオン発生器12とイオン改質器2とに結合され、イオンをイオン発生器12からイオン改質器2に向かって移動させる電界を印加するように構成された電界印加器10に結合されている。
イオン発生器12は、イオン化エネルギーを印加し、反応イオン生成領域6内に反応イオンを形成するように動作可能であり、例えば、反応イオン生成領域がドーパントを導入する第1入口を含むとき、イオン発生器は、ドーパントをイオン化することによって反応イオンを生成してもよく、またドーパントを使用しないとき、イオン発生器は、空気をイオン化することによって反応イオンを生成してもよい。いくつかの実施形態では、イオン発生器12は、コロナ放電イオン発生器を含み、イオン発生器12は、β−粒子などの電離放射線の放射性供給源も含んでもよい。
イオン改質器2は、例えば、イオンの加熱などのイオンの有効温度を上昇させるか、例えば、高周波、RF、電界などの交番電界を受けさせる、あるいはこれらを組み合わせることによって、イオンを断片化するように構成されてもよい。実施例によっては、イオン改質器2は、2つの電極を含む。イオン改質器2の電極の間の領域は、イオン改質領域を提供してもよく、そこでは、反応イオン生成領域6から反応領域8へ移動するために、反応イオンは、交番電界を受けることができるイオン改質領域を通過する。ある例では、2つの電極は、反応イオン生成領域6から反応領域8へのイオンの移動方向に互いに離間していてもよい。これらの電極は、それぞれ平面であってもよく、複数の導体をそれぞれ含んでいてもよく、導体は、例えば、メッシュのような格子などの規則的なパターンで配置されてもよい。イオン改質器2は、ヒータを備えてもよい。
第2入口18は、気体状流体の試料を反応領域8に送り、イオン化されるように構成されてもよい。第2出口20は、試料がイオン改質領域への流入に優先して反応領域8から流出するように配置されてもよい。
第1入口14と出口16とは、反応イオン生成領域6を通るドーパントの流れ、例えば気体状流体を供給するように構成されてもよい。入口と出口とは、イオン発生器12の周りにドーパントの流れを向けるように配置されてもよく、ドーパントの流れがイオン改質器2に向かう流れに優先して出口から流出するように構成されてもよい。
電界印加器10は、反応イオン生成領域6からイオン改質領域を経て反応領域8に向かって反応イオンを移動させる電界を印加するように配置された電極を含んでいてもよい。
動作中に、ドーパント、例えば、気体状流体は、第1入口14を経て反応イオン生成領域6に導入されることができる。次に、制御部4は、イオン発生器12を動作させてイオン化エネルギーを印加して反応イオンを供給してもよい。ドーパントは、第1入口14から第1出口16に流れるドーパントの流れで反応イオン生成領域6から運び出されてもよい。これにより、イオン改質領域中のドーパント濃度を、反応イオン生成領域6中のドーパント濃度よりも低くすることができる。制御部4は、電界を印加することによって、このドープされた流れとは異なる方向、例えば、流れを横切る方向または流れと逆方向などの方向に反応イオンを移動させるように電界印加器10を制御してもよい。ある実施形態では、ドーパントの流れは、ドーパントと反応イオンとを結合することで形成されたイオンの数が、選択された閾値レベルよりも少なくなるように選択される。これを行う1つの方法を詳細に後述する。
次に、制御部4は、イオン改質器2を動作させ、エネルギー、例えば、交番電界および/または熱を印加してもよい。これにより、イオン改質領域内の反応イオンの有効温度を上昇させることができる。これにより、反応イオンの断片化および/または付加反応イオンの分離によって、反応イオンを改質することができる。制御部4は、改質された反応イオンまたは未改質の反応イオンのいずれかを供給するかに応じて、イオン改質器2を動作させるか否かを選択することができる。
次に、改質されたまたは未改質の反応イオンを、イオン改質領域から反応領域8に移動させ、気体状流体の試料と組み合わせて、試料をイオン化して生成物イオンを生成することができる。
本開示の文脈で分かるように、反応イオンを改質するためにイオン改質器2を操作するか否かを選択することによって、同じ種類の試料流体と同じドーパントの供給から、異なる種類の生成物イオンを供給することができる。このことは、同じ試料流体を分析する目的で、これらの生成物イオンを検出器に供給するとき、特別の利点を有する場合がある。
ある実施形態では、図1Aを参照して説明されるようなイオン化装置は、他の方法では容易に入手できない反応イオンを生成することができる。例えば、本発明者らは、ドーパント蒸気、例えば、硝酸(HNO3)からイオンNO2−とNO3−とを直接生成することは困難であることを発見していた。
例えば、硝酸蒸気がイオン化されると、イオン化プロセスにおける解離によってNOX−イオンが形成される可能性があるが、NOX−イオンはHNO3分子との付加物を形成することができる。ある実施形態では、この付加物イオンを断片化してNOX−イオンのみを放出させ、次に、NOX−イオンを反応領域8に移動させることができる。NOX−イオンは、コロナ放電のような他の手段によって生成することができるが、生成された反応イオンは、通常、放電操作(電流、電圧、寸法)と、放電生成物が放電の近傍で蓄積するのに許容される時間とに依存する、様々な量のNO2−イオン、NO3−イオン、CO3−イオン、およびO3−イオンの混合物である。反応イオンのこの混合物は、試料中の標的化合物の存在について解釈することが困難な、例えば、錯イオン移動度スペクトルなどの複雑な分析データの取得に繋がる。当然のことながら、本開示の関連で、ここでは一例としてNOXのみが使用されているが、もちろん他の種類のドーパントも使用することができる。
図1Bは第2イオン化装置を示す。図1Bに示される装置は、図1Aを参照して前述した装置と同様である。さらに、図1Bの装置は、パージガスの流れをイオン改質器2の周りに供給するように構成されたパージガス供給器30を備える。このパージガス供給器30は、ドーパントと非イオン化試料などの中性種をイオン改質器2から移動させ、電界が反応イオンを、イオン改質器2経由で移動させるように構成されている。これにより、反応イオンを、ドーパントに優先して改質領域に移動させる。例えば、このパージガスの流れは、イオン改質領域に局在させ、例えば、ドーパント(および試料)がイオン改質領域に入る傾向を、ドーパント(および試料)を移動および/または運び去ることで、減少させるように構成されてもよく、例えば、パージガス供給器30は、パージガスの流れをイオン改質器2横切るようにして供給するように構成された入口と出口とを備えることができる。
図2は、イオン化装置1、例えば図1Aあるいは図1Bを参照して前述したイオン化装置1を備える検出装置100の一例を示し、制御部4と検出器24とを示す。図1Aを参照して前述したように、図2に示されるイオン化装置1は、反応イオン生成領域6と、イオン改質領域と、反応領域8と、を備えることができる。図2に示される例では、検出器24は、反応領域8を経由してイオン化装置1に結合されている。イオンゲートは、反応領域8と検出器24との間に配置され、第2イオン改質器22は、イオンゲートと検出器24との間に配置されてもよい。図2に示される電界印加器10は、生成物イオンを反応領域8から検出器24に向かって移動させるように配置されてもよい。
図2に示される制御部4は、図1Aを参照して前述した制御部4と同じ方法でイオン化装置1に結合されてもよい。さらに、図2に示される制御部4は、イオンゲートと、第2イオン改質器22と、検出器24とに結合されてもよい。
イオン化装置1のイオン改質器2と同様に、第2イオン改質器22は、互いに離間して配置された2つの電極を備え、これらの電極間にイオン改質領域を提供するようにしてもよい。2つの電極は、生成物イオンがイオン改質領域を通過して検出器24に到達するように配置されてもよい。ある例では、2つの電極は、反応領域8から検出器24へのイオンの移動方向に互いに離間して配置されてもよい。これらの電極はそれぞれ平面状であってもよく、複数の導体をそれぞれ備えてもよく、導体は、グリッド、例えば、メッシュなどの規則的なパターンで配置されてもよい。第2イオン改質器22は、ヒータを備えてもよい。
イオンゲートは、離間して配置され、反応領域8から検出器24へのイオンの移動を阻止するための電界を提供するように配置された複数の導体を備えてもよい。イオンゲートは、例えば、同一平面上に構成された、交互嵌合された導体を備えてもよい。実施形態によっては、イオンゲートの導体は、反応領域から検出器へのイオンの移動方向で互いに相殺していてもよく、例えば、イオンゲートは、ティンダル−パウエル型ゲートを備えてもよい。イオンゲートは、反応領域8から検出器24に向かう生成物イオンの通過を制御するように動作可能である。イオンゲートの導体は、導体が異なる電位にあるとき、イオンがゲートを通過できないように配置されてもよい。しかし、導体が同じ電位にあるとき、導体に衝突しないイオンはゲートを通過することができる。イオンゲートは、ブラッドバリー−ニールセン型ゲートを提供するように構成されてもよい。
第2イオン改質器22は、生成物イオンを改質するように動作可能であり、例えば、加熱することおよび/または交番電界に曝すことによって、例えば、生成物イオンの有効温度を上昇させることによって、例えば、生成物イオンを断片化することができる。
検出器24は、生成物イオンを受け取るように構成され、例えば、生成物イオンと電磁界、例えば、電界および/または磁界との相互作用に基づいて、生成物イオンをさらに分析して対象物質を同定することができる。検出器24は、生成物イオンの検出器24による分析に基づいて、制御部4に信号を提供するように構成されてもよい。実施形態によっては、検出器24は、イオン移動度分光計のイオン捕集器を備え、ある実施形態では、検出器24は質量分析計を備える。他の種類の検出器もまた使用することができる。
制御部4は、図1Aを参照して前述したように、イオン化装置を制御し、気体状流体の試料から生成物イオンを得るように動作可能である。さらに制御部4は、反応イオンを改質するか否かを決定するように動作可能であり、制御部4は反応イオンを改質すると決定したとき、イオン改質器を制御して、反応イオンを改質し、その後、反応イオンが試料と結合するように動作可能である。制御部4は、検出器24によって提供される気体状流体の試料の分析による信号に基づいて反応イオンを改質するか否かを決定するように動作可能であってもよい。
動作において、図2に示される検出装置100は、一連のサイクルとして動作されてもよい。第1動作サイクルでは、制御部4は、イオン化装置を動作させて、気体状流体の第1試料から第1生成物イオンを供給してもよい。第1生成物イオンは、反応イオンを改質するイオン改質器を動作させることなく生成されてもよい。次に、制御部4は、イオンゲートを制御して、生成物イオンを分析のために検出器24に移動されてもよい。検出器24は、第1生成物イオンを分析し、検出器24による第1生成物イオンの分析に基づいて第1信号を制御部4に提供してもよい。例えば、この信号は、気体状流体中の対象物質の存在を識別するためのデータを含んでもよい。
次に、第2動作サイクルでは、制御部4は、イオン化装置を動作させて、気体状流体の第2試料から第2生成物イオンを供給してもよい。第2生成物イオンは、反応イオンが気体状流体の第2試料と結合する前に、反応イオンを改質することによって生成されてもよい。次に、制御部4は、イオンゲートを制御して、分析のために第2生成物イオンを検出器24に移動させてもよい。検出器24は、第2生成物イオンを分析し、検出器24による第2生成物イオンの分析に基づいて第2信号を制御部4に提供してもよい。次に、制御部4は、第1信号と第2信号とに基づいて、気体状流体中の対象物質の存在を識別することができる。さらなる動作サイクルにおいて、制御部4は、第2イオン改質器22を動作させて生成物イオンを改質して、対象物質の存在を識別するさらなる信号を提供するか否かを決定してもよい。
ある実施形態では、制御部4は、第1イオン改質器と第2イオン改質器22とを動作し、反応イオンの改質の可否を担うサイクルと生成物イオンの改質の可否を担うサイクルとを切り替える。いくつかの実施形態では、制御部4は、イオン改質器の動作実行の可否を、また動作させる場合には検出器24からの信号に基づいて、いずれのイオン改質器を動作させるか、両方を動作させるかどうかを決定するように構成されている。例えば、制御部4は、信号が対象物質の存在を示しているが、物質を明確に同定するのに十分な情報を提供していないと判断した場合には、制御部4は、第1と第2イオン改質器22のいずれかあるいは両方を動作させることができる。
本開示の1つの方法を、図3を参照して説明する。
図3に示すように、ドーパントを供給し(110)、次に、イオン化し(112)、反応イオンを供給する。次に、反応イオン生成領域におけるドーパント濃度と比較して、イオン改質領域中のドーパント濃度を減少させるために、ドーパントを反応イオンから少なくとも部分的に分離して(114)もよい。次に、反応イオンを改質するか否かについて選択を行う(116)ことができる。反応イオンを改質する場合、例えば、反応イオンの有効温度を上昇させることによって、例えば、反応イオンを断片化することによって、反応イオンを改質する(118)。次に、改質された反応イオン(または、場合によっては未改質の反応イオン)を気体状流体の試料と結合し(120)、試料をイオン化して生成物イオンを供給することができる。
次に、生成物イオンを検出器に供給する(122)ことができ、次に、生成物イオンを改質するか否か選択する(124)ことができる。生成物イオンを改質するとき、例えば、生成物イオンの有効温度を上昇させることによって、例えば、生成物イオンを断片化することによって、生成物イオンを改質する(126)。次に、改質された、または未改質の生成物イオンを、検出器によって分析する(128、130)ことができる。
いくつかの実施形態では、装置は、反応イオンをドーパントに優先して改質領域に移動させるように構成される。例えば、前述したとおり、反応イオン生成領域を通るドーパントの流れは、反応イオン生成領域からイオン改質器へのドーパントの移動を阻止するように選択されてもよい。例えば、第1入口14と第1出口16とのうちの少なくとも1つを通る体積流速を、これを達成するように選択してもよい。これを行う1つの可能性のある方法としては、第1入口14または第1出口16の断面形状または断面積をドーパントの流れを導くように選択することである。実施例によっては、第1入口14および/または第1出口16は、ドーパントのイオン改質器への移動を阻止するように選択された経路に沿ってドーパントの流れを導くように構成される。
ある実施形態では、ドーパントの流れは、検出器によって計数された、ドーパント蒸気と改質された反応イオンとの間の反応によって形成されたイオンの数が、選択された閾値レベル未満になるように選択される。この閾値レベルは、検出器の分解能および/または信号対雑音比に基づいて選択されてもよい。この閾値は、定型的な実験に基づいて、例えば、ドーパントと反応した改質された反応イオンの実験的に決定された許容レベルに基づいて、選択されてもよい。(例えば、このシステムはこの特定のイオン形成レベルに、ある程度の許容度を有し、しかも正確に動作することができる)。例えば、付加物イオンは、ドーパントと、イオン改質器によって改質された反応イオンとの間の反応で形成されたイオンを含んでもよい。イオン改質領域におけるドーパントの量を制御するためのドーパントの流れを選択する1つの方法は、そのような付加物イオンの存在に関する試験をすることと、第1入口14と、第1出口16と、第2入口18と、第2出口20と、のうちの少なくとも1つにおける流速、流れの方向、位置、並びに形状および寸法のいずれかあるいは全てを調整することに基づいてもよい。これらのパラメータは、十分に低い濃度の付加物イオン生成を達成するための試験に基づいて選択されてもよい。
これに取り組む1つの方法は、較正手順を実行することである。この較正は、ドーパントまたは試料のいずれも導入することなく、第1イオン移動度スペクトル(例えば、プラズマグラム)を得るために装置を動作させる手順を含んでもよい。次に、このスペクトルを確認し、ドープされていない系から予測されるイオン以外になんらかの検出されたイオンがあるかどうか(例えば、そのスペクトルが「きれい」であり、汚染がないこと)が分かる。
このチェックは以下のように行うことができる。
(1)スペクトルの主ピークを見つけ、このピークが追加のドーパントが存在しないとき、きれいな系に存在すると予想されるイオン(このイオンの例としては、陰イオンモードではO2−・(H2O)nと陽イオンモードではH+・(H2O)nとが挙げられる)のみによって形成されたピークであると仮定する。
(2)このピークに関連するイオン移動度定数を決定し、温度と圧力の変動とを補正し、減少したイオン移動度定数K0を得る。
(3)K0値に基づいて、何らかの汚染に起因するイオンではなく、ドーパントまたは試料が添加されていない状態でシステムに存在すると予想されるイオンから主ピークが形成されるかどうかを判定する。
(4)予想されるイオンと同様のK0値を有する他のイオン種(例えば、汚染物質)の有無についてもピークの形状を確認してもよい。
(5)スペクトルにおいて、例えば、主ピークの選択された割合などの選択されたレベルより大きいピーク値を有する他のピークの有無を確認する。この閾値は、検出器の分解能および/または検出器の信号対雑音比に基づいて選択されてもよい。例えば、閾値は、最小分解可能なピーク値に基づいてもよい。また、この閾値は、実験的に決定された許容最小レベル(例えば、許容可能な汚染物質のレベル)に基づいて選択されてもよい。
次に、ドーパントは、反応イオン生成領域に供給されてもよく、第2イオン移動度スペクトルは、反応領域に試料を導入することなく得られる。ドーパントの濃度は、第1イオン移動度スペクトル中に同定された「ドープされていない」ピークが、第2イオン移動度スペクトル中では選択された最小レベルよりも小さく、例えば検出されず、観察される唯一のピークが、添加されたドーパントをイオン化することによって得られる会合イオンのピークになるように選択されてもよい。この選択された最小レベルは、添加されたドーパントに関連するピークの高さの一部、例えば、そのピーク値の1/100に基づいてもよい。次に、このようにして「ドープされていない」イオンの検出をできなくするために必要なドーパント添加濃度に基づいて、追加のドーパントの動作濃度を決定することができる。動作濃度は、選択された最小レベルを下回る「ドープされていない」ピークを提供するのに必要なドーパントを超える過剰の追加のドーパントを含んでもよい。この過剰とは、数倍、またはさらに1桁または2桁以上であってもよい。
この濃度を選択した状態で、較正は、反応イオン生成領域内のドーパントの流れのパラメータの選択をさらに含んでもよい。これらのパラメータは、以下の中の少なくとも1つを含んでもよい。
(a)第1入口14を通り反応イオン生成領域へ流れるドーパントの流速、
(b)第1出口16を通り反応イオン生成領域から出るドーパントの流速、および
(c)ドーパントの流路、例えば、第1入口および/または第1出口の、配列、形状、位置および向きのいずれかあるいは全て。
これらの初期パラメータを選択した状態で、較正は、選択された濃度のドーパントと、これらのパラメータを使用して第3のイオン移動度スペクトルを得ることと、(反応イオン生成領域と反応領域との間にある)イオン改質器を操作して、反応領域に試料を導入することなく、反応イオンを改質することとをさらに含んでもよい。
残留した未改質の反応イオンがこの第3イオン移動度スペクトル(例えば、前述の選択された最小レベルよりも高い濃度で)で検出されるとき、この残留した未改質の反応イオンの検出は、いくつかの改質イオンがドーパントと反応するような程度の濃度までドーパントがイオン改質領域に存在することを示している。元の未改質の反応イオンは、改質イオンまたは他の種類のイオンから既に改質されていてもよい。この事はいくつかの実験で既に見られた。改質された反応イオンが、ドーパント蒸気との反応の際に元のドープされた反応イオンとは異なるイオン種を形成する場合もあり得る。従って、この第3スペクトルは、ドープされた反応イオンピークの存在だけでなく、他のイオンに関連する他のピークの存在についても確認することができる。
イオン移動度スペクトルにおいて望ましくないイオン(ドーパントと結合しているか否かに関わらず)が検出されたとき、(上に列挙した)1つ以上の流れのパラメータを変化させることができ、また、望ましくないイオンのレベルが許容レベル(例えば、前述の選択された最小レベル未満)に達するまで、追加のスペクトルを取得することができる。
同じ較正プロセスを使用して、反応領域への試料の流れを選択することができる。例えば、反応領域への試料の流れを制御するパラメータを選択することができ、これらのパラメータは、以下の中の少なくとも1つを含んでもよい。
(a)第2入口18を通る反応領域への試料の流速
(b)第2出口20を通る反応領域からの流出速度
(c)試料の流路、例えば、第2入口および/または第2出口の配列、形状、位置および向きのいずれかあるいは全て。
本開示の文脈で分かるように、この較正方法は、装置の検出器がイオン移動度分光計を備える場合と、検出器が質量分析計、例えば、イオン移動度分光計と質量分析計を組み合わせたIMS−MS検出器とを備える場合とに使用してもよい。
ある実施形態では、イオン改質が不完全である可能性を考えて制御するために、本開示のイオン化装置を、例えば、パージガス内のイオンを改質領域内にのみ注入するように調整することができる(例えば、反応イオン生成領域内のドーパントから生成するイオンは存在しないが、反応イオン生成領域内に流入するドーパントの流れは存在するように)。望ましくないイオンが検出されたとき、それはイオン改質領域にドーパントが存在することに起因すると推測することができる。この手法の利点は、改質効率が100%未満でも混乱がないことである。すなわち、改質器は動作されない。このスキームは、スキーム自身の全ての問題を有し、他のテストスキームも考慮できることを示すためのみに含まれている。
較正方法は、様々な環境条件(特に温度と圧力)で繰り返されてもよく、またドーパントの濃度は環境条件によって変化する可能性があるので、使用する各種のドーパントについて繰り返されてもよい。
本開示の他の例と変形とは、本開示の文脈において当業者には明らかであり、例えば、図1Aを参照して説明される実施形態と、図2を参照して説明される実施形態との制御部4は、イオン発生器12と、イオン改質器および/またはイオンゲートの動作のタイミングを制御して、例えばそれらの動作が同期して、例えば、それらの動作が一緒に、例えば、それらの動作のタイミングが重なるように、あるいは開始および/または終了が同時に起こるように構成されてもよい。例えば、制御部4は、イオン発生器12を動作させ、イオン化エネルギーのパルスを印加するように、またイオン改質器を動作させ、そのパルスのタイミングに基づいてイオンを改質するように、構成されてもよい。例えば、制御部4は、イオン改質器を制御して、イオン発生器12に印加されたパルスと同時に、またはイオン発生器の動作から幾分遅れて、交番電界および/または熱エネルギーを印加するように、構成されてもよい。同様に、制御部4は、イオン発生器12および/またはイオン改質器の動作のタイミングに基づいて、イオンゲートを開く時間を選択するように構成されてもよい。
図面全体を参照すると、当然であるが、概略的な機能ブロック図は本明細書中で説明されるシステムと装置との機能を示すために用いられている。しかし、当然であるが、機能は、そのように分割する必要がなく、以下に記述および請求するもの以外のハードウェアのいかなる特定の構造をも意味するものではない。図面に示された要素のうちの1つ以上の要素の機能は、さらに細分化され、および/または本開示の装置全体に分布されてもよい。いくつかの実施形態では、図面に示された1つ以上の要素の機能は、単一の機能単位に一体化されてもよい。
前述の実施形態は、典型例として理解されるべきである。さらなる実施形態も考えられる。なお、任意の一の実施形態に関連して説明されるいかなる特徴事項は、単独で、または記載されている他の特徴事項と組み合わせて使用されてもよく、また、他の実施形態の1つ以上の特徴事項と組み合わせて使用されてもよく、あるいは他の実施形態と組み合わせて使用されてもよい。さらに、添付の特許請求の範囲に規定されている本発明の範囲から逸脱しなければ、前述されていない均等物と修正物とを使用することもできる。
いくつかの例において、1つ以上のメモリ要素は、本明細書中で説明される動作を実行するために使用されるデータおよび/またはプログラム命令を格納することができる。本開示の実施形態は、本明細書中で説明および/または請求される方法のうちのいずれか1つ以上を実行するようにプロセッサをプログラムするよう動作可能なプログラム命令および/または、本明細書中で説明および/または請求されるデータ処理装置を提供するように動作可能なプログラム命令を含む有形の非一時的な格納媒体を提供する。
本明細書中で概略を示す動作および制御部などの装置は、論理ゲートのアセンブリなどの固定論理、あるいはプロセッサにより実行されるソフトウェアおよび/またはコンピュータプログラム命令のなどのプログラム可能論理により実現されてもよい。他の種類のプログラム可能論理としては、プログラム可能プロセッサ、プログラム可能デジタル論理(例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、消去可能プログラム可能読み出し専用メモリ(EPROM))、電気的消去可能プログラム可能読み出し専用メモリ(EEPROM)、特定用途向け集積回路(ASIC)、あるいは他の任意の種類のデジタル論理、ソフトウェア、コード、電子命令、フラッシュメモリ、光ディスク、CD−ROM、DVD ROM、磁気カードまたは光カード、電子命令を格納するのに適した他の種類の機械可読媒体、あるいはそれらの任意の適切な組み合わせが挙げられる。

Claims (24)

  1. 気体状流体の試料をイオン化するイオン化装置であって、
    反応イオンを供給するイオン発生器と、
    前記反応イオンを改質するイオン改質器と、
    前記改質された反応イオンと試料とを受け取り、前記試料を前記改質された反応イオンと結合させて前記試料中の対象物質を同定する検出器で分析するために前記試料をイオン化する反応領域と、
    を備える、
    ことを特徴とするイオン化装置。
  2. 前記イオン発生器を通過するドーパントの流れを供給するドーパント流供給器と、
    前記イオン改質器に向けて前記流れから反応イオンを移動させる電界印加器と、
    を備える、
    請求項1記載の装置。
  3. 対象物質を検出する検出装置であって、
    生成物イオンを供給するために試料をイオン化する、請求項1または2記載のイオン化装置と、
    前記イオン化装置によって生成された生成物イオンの分析に基づいて対象物質を検出する検出器と、
    前記生成物イオンを前記検出器に向かって移動させる電界印加器と、
    を備える、
    ことを特徴とする検出装置。
  4. 前記イオン改質器は、前記イオン化発生器と前記反応領域との間に配置されている、
    請求項1、2、または3のいずれかに記載の装置。
  5. 前記イオン改質器は、反応イオンを交番電界に曝すように構成されている、
    請求項1乃至4のいずれかに記載の装置。
  6. 反応イオンを生成するように前記イオン発生器を動作させ、前記イオン改質器の前記動作のタイミングが前記イオン発生器の前記動作のタイミングに基づいて選択されるように前記イオン改質器を動作させる制御部を備える、
    請求項1乃至5のいずれかに記載の装置。
  7. 前記反応領域からの生成物イオンの通過を制御するイオンゲートを備え、
    前記制御部は、前記イオン発生器と前記イオン改質器のうちの少なくとも1つの動作のタイミングに基づいて、前記イオンゲートの動作のタイミングを制御する、
    請求項6記載の装置。
  8. 前記ドーパント流供給器は、ドーパントの前記流れを第1の方向に供給し、
    前記電界印加器は、前記反応イオンを前記第1の方向とは異なる第2の方向で、かつ前記改質領域に向かって移動させる、
    請求項2または請求項2に従属する請求項3乃至7のいずれかに記載の装置。
  9. 前記反応領域よりも前記イオン改質器の方に大きな流量のパージガスを供給するために前記イオン改質器を横切るようにパージガスの流れを供給するパージガス供給器を備える、
    請求項1乃至8のいずれかに記載の装置。
  10. 前記制御部は、前記検出器からの信号に基づいて前記イオン改質器を動作させる、
    請求項3または請求項3に従属する請求項4乃至9のいずれかに記載の装置。
  11. 前記検出器は、イオン移動度分光計と質量分析計のうちの1つを備える、
    請求項3または請求項3に従属する請求項4乃至10のいずれかに記載の装置。
  12. 気体状流体をイオン化する方法であって、
    反応イオンを供給するためにドーパントをイオン化する工程と、
    前記反応イオンを改質する工程と、
    前記気体状流体をイオン化するために前記改質された反応イオンを前記試料と結合する工程と、
    を含む、
    ことを特徴とする方法。
  13. 試料を分析する方法であって、
    生成物イオンを供給するために、請求項12記載の方法により前記試料をイオン化する工程と、
    前記生成物イオンを検出器に向けて移動させるための電界を印加する工程と、
    対象物質を検出する前記検出器に向けての前記生成物イオンの前記移動に基づいて前記生成物イオンを分析する工程と、
    を含む、
    ことを特徴とする方法。
  14. 前記ドーパントに優先して反応イオンを前記改質領域に移動させる工程を含む、
    請求項12または13記載の方法。
  15. 前記反応イオンを改質する工程は、前記反応イオンの有効温度を上昇させる工程を含む、
    請求項12、13または14のいずれかに記載の方法。
  16. 前記反応イオンの前記有効温度を上昇させる工程は、前記反応イオンを交番電界に曝す工程と前記反応イオンを加熱する工程の少なくとも1つを含む、
    請求項15記載の方法。
  17. 前記ドーパントは、イオン化エネルギーのパルスによりイオン化され、かつ前記交番電界は前記イオン化エネルギーの前記パルスの時間よりも遅れた時間にかけるように調整されている、
    請求項16記載の方法。
  18. 前記ドーパントに対して反応イオンの濃度を増加させる工程は、ドーパントを第1方向に移動させ、前記反応イオンを前記イオン改質器に向けて第2方向に移動させる工程を含み、
    前記第2方向は前記第1方向とは異なる、
    請求項14乃至17のいずれかに記載の方法。
  19. 前記ドーパントは、反応イオン生成領域内でイオン化され、
    前記ドーパントを第1方向に移動させる工程は、前記反応イオン生成領域からドーパントの流れを供給する工程を含む、
    請求項17記載の方法。
  20. 前記第2方向に前記反応イオンを移動させる工程は、前記反応イオンを前記改質領域に向けて移動させる電界に前記反応イオンを曝す工程を含む、
    請求項18または19記載の方法。
  21. 前記イオン改質器を横切るようにパージガスの流れを供給する工程を含み、
    前記イオン改質領域における前記パージガスの流量は、前記反応領域よりも大きい、
    請求項11乃至19のいずれかに記載の方法。
  22. 較正方法であって、
    ガス状流体の試料をイオン化するイオン化装置の反応イオン生成領域を通るドーパントの流れを供給する工程と、
    反応イオンを供給するために前記ドーパントをイオン化する工程と、
    前記イオン化装置の前記反応イオン生成領域と反応領域との間に配置された、イオン改質器を、前記反応イオンを改質するために動作させる工程と、
    望ましくないイオンが前記イオン改質器から得られるかどうかを決定する工程と、
    望ましくないイオンが得られるとき、望ましくないイオンの生成を減少させるために前記ドーパントの流れを調整する工程と、
    を含む、
    ことを特徴とする較正方法。
  23. 前記ドーパントの流れを調整する工程は、
    (a)前記反応イオン生成領域へのドーパントの流速、
    (b)前記反応イオン生成領域からのドーパントの流速、
    (c)前記ドーパントの流路、例えば、第1入口および/または第1出口の、配列、形状、位置および向きのいずれかあるいは全て、
    のうちの少なくとも1つを調整することを含む、
    請求項22記載の方法。
  24. 請求項22または23記載の方法に従って較正されている、
    請求項1乃至11のいずれかに記載の装置。


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