JP2017523375A - 熱交換用プレート及びプレート型熱交換器 - Google Patents

Abstract

開示されるのは、熱交換用プレート（１０）と、熱交換用プレート（１０）を用いるプレート型熱交換器である。熱交換用プレート（１０）は、本体と、本体の表面上に所定のパターンで配置される凹部及び／又は凸部（３）と、複数の調節部（１、２）と、を備え、４つの四辺形調節部（１、２）が、各凹部及び／又は凸部（３）の周囲に配置され、次いで、各基本伝熱単位（４）が、各凹部及び／又は凸部（３）並びにその周囲の調節部（１、２）によって形成され、各基本伝熱単位（４）における調節部（１、２）は、熱交換用プレート（１０）上で流体の主要流れ方向（Ｄ１）に比較的大きい間隙を備えるよう配置され、及び、熱交換用プレート（１０）上で流体の二次流れ方向（Ｄ２）に比較的小さい間隙を備えるよう配置される。

Description

本出願は、２０１４年８月１２日付出願の中国特許出願第２０１４１０３９５８０２．７号明細書、発明の名称「Ｈｅａｔ ｅｘｃｈａｎｇｅ ｐｌａｔｅ ａｎｄ ｐｌａｔｅ−ｔｙｐｅ ｈｅａｔ ｅｘｃｈａｎｇｅｒ」の優先権を主張するものであり、その内容の全てを引用して本明細書中に組み込む。

本発明の開示は、空気調和及び冷凍の技術分野に関し、特に、この分野で用いるための熱交換用プレート及びプレート型熱交換器に関する。

プレート型熱交換器において、その性能及びコストは、常に重要な２つの要因である。既存のプレート型熱交換器の場合において、その熱交換用プレート表面上での流体の不均一な分散は、伝熱性能への重大な影響を有し、熱交換用プレートの幅が増加するにつれて、着実に悪化する。

上記に鑑みて、新規の熱交換用プレート及びプレート型熱交換器を提供するニーズが明らかに存在する。

本発明の目的は、先行技術における上記の問題及び欠陥の少なくとも１つの態様を解決することにある。

本発明の一態様において、熱交換用プレートが提供され、熱交換用プレートは、
本体と、
本体の表面上に所定のパターンで配置される凹部及び／又は凸部と、
複数の調節部と、を備え、四辺形を形成する４つの調節部が、各凹部及び／又は凸部の周囲に配設され、それによって、各凹部及び／又は凸部並びにその周囲の調節部が、基本伝熱単位を形成し、
各基本伝熱単位における調節部は、熱交換用プレート上で流体の主要流れ方向に大きな間隙を有するよう、及び熱交換用プレート上で流体の二次流れ方向に小さな間隙を有するよう配置される。

一実施形態において、流れ断面の大きさは、主要流れ方向と略平行な２つの隣接する調節部間の間隙を変えることによって、調節部の大きさを変えることによって、又は、主要流れ方向に対する各調節部の角度を変えることによって、異なる断面により流量／流速分散制御を達成するように、調整されてもよい。

一実施形態において、調節部は、略Ｓ字形、

形状である。

一実施形態において、基本伝熱単位のそれぞれにおいて、調節部は全て細長く、調節部は同じ形状又は異なる形状を有する。

一実施形態において、基本伝熱単位のそれぞれにおいて、４つの調節部は、実質的に平行四辺形の形で配置される。

一実施形態において、凹部及び／又は凸部は、主要流れ方向において、二次流れ方向におけるよりも大きい寸法を有する。

一実施形態において、調節部は、略Ｉ字形、Ｖ字形、Ｗ字形、Ｖ＋Ｗ字形、Ｗ＋Ｗ字形、又はＶ＋Ａ字形レイアウトで熱交換用プレート上に配置される。

一実施形態において、Ｖ字形の角度は、９０〜１５０°の範囲にある。

一実施形態において、基本伝熱単位のうちの少なくとも１つにおいて、調節部のうちの少なくとも１つは、流体の流れにおいて円滑な移行をもたらすための接続移行部である。

一実施形態において、接続移行部は、主要流れ方向が変化する位置に配設され、略

形状及び／又は

形状を有する例外的な形状の調節部である。

一実施形態において、凹部が熱交換用プレートの本体表面上に配設される場合において、調節部は、本体表面から外側に突出するか、又は、
凸部が熱交換用プレートの本体表面上に配設される場合において、調節部は、本体表面から内側に凹んでいる。

本発明の別の態様において、プレート型熱交換器が提供され、前述の請求項のいずれか一項に記載の少なくとも１つの熱交換用プレートを備える。

本発明は、信頼性及び不均一な流体分散に関して上で述べた２つの問題に対する良好な解決法である。それは、信頼性を失うことなく、より薄い材料を用いる可能性を提供し、また、コストを削減することに貢献する。

本発明で提案される凹部及び／又は凸部の新規プロフィルは、熱交換用プレート表面に沿った流体の分散が良好であるように、流体を側端に容易に案内できる。同時に、Ｓ字形を有する調節部は、例えば、流体に渦流を発生させ、伝熱を向上させることができる。凹部及び／又は凸部の新規レイアウトは、流体のバイパス流を低減でき、また、圧力降下を増大させることなく、伝熱効果を高めることができる。

凹部及び／又は凸部のパターンは、良好な強度を有し、結果として、より薄い厚さを用いて、コストを削減することが可能である。しかし、かかる場合において、その内部の流体分散はそれ程良好ではなく、これにより、性能と対応する問題につながる。

従って、本発明の熱交換用プレート又はプレート型熱交換器は、良好な分散を提供でき、良好な性能及び信頼性を有している。

本発明の主概念は、以下において見出せる。
１）側端に広がるよう、流体を強制的に送る。
２）蒸発中に前進後退する流れを低減する。
３）Ｓ字形を有する調節部の場合において、例えば、高い伝熱効果を達成するよう、乱流及び渦流を増加させる。
４）バイパス流を低減又は無くす。
５）冷媒側及び水側における熱交換用プレートに関する柔軟で、非対称的な設計を実現する。
６）大きな溶接点を用いて高圧側の応力及び強度を増加させる。

単に実施例により、添付の略図を参照して、本発明の実施形態をここで説明し、図面内の対応する図標示は、対応する構成部品を示す。

図１Ａは、本発明の実施形態による調節部を有する熱交換用プレートの構造略図を示し、ここで調節部はＶ字形に配置されている。 図１Ｂは、本発明の別の実施形態による調節部を有する熱交換用プレートの構造略図を示し、ここで調節部はＷ字形に配置されている。 図２Ａは、本発明の実施形態による４つの調節部を有する基本伝熱単位の略図を示す。 図２Ｂは、実際の熱交換用プレート上の４つの調節部を有する基本伝熱単位の図を示す。 図２Ｃは、本発明の別の実施形態による基本伝熱単位の略図を示す。 図２Ｄは、本発明の別の実施形態による複数の基本伝熱単位の略図を示す。 図２Ｅは、本発明による基本伝熱単位の略図を示す。 図２Ｆは、流体が通って流れる場合の基本伝熱単位の流れ分散図を示す。 図２Ｇは、Ｉ字形に配置された調節部を有する熱交換用プレートの部分図を示す。 図２Ｈは、Ｖ字形に配置された調節部を有する熱交換用プレートの部分図を示す。 図２Ｉは、Ｗ字形に配置された調節部を有する熱交換用プレートの部分図を示す。

本発明の技術的な解決法を、図１Ａ〜２Ｉと共に、実施形態を用いることによって、以下で更に詳細に説明する。この説明において、同一又は類似の図面標示は、同一又は類似の構成部品を示している。添付図面に関連する本発明の実施形態の以下の説明は、本発明の発明概念全体を説明することを目的としており、本発明を制限するものとして解釈すべきではない。

本発明の一実施形態において、熱交換用プレートが提供される。熱交換用プレートは、本体、凹部及び／又は凸部、及び複数の調節部を備えている。凹部及び／又は凸部は、本体の表面上に所定のパターンで配置される。四辺形を形成する４つの調節部が、各凹部及び／又は凸部の周囲に配設され、それによって、各凹部及び／又は凸部並びにその周囲の調節部が、基本伝熱単位を形成する。各基本伝熱単位における調節部は、熱交換用プレート上で流体の主な流れ方向に大きな間隙を有するよう、及び熱交換用プレート上で流体の二次的な流れ方向に小さな間隙を有するよう配置される。

図１ａ及び１ｂは、調節部１及び２が略Ｖ字形及びＷ字形に配置されている熱交換用プレート１０の実施形態を示す。複数の調節部１及び２は、熱交換用プレート１０の本体表面上に設けられる。各凹部及び／又は凸部３及びその周囲の調節部１、２は、基本伝熱単位を形成している。

当業者によって理解され得るように、異なる作業媒介流体のための入口／出口孔も、（図において４つの円で示すように）熱交換用プレート１０の本体表面上に配設されてもよい。凹部及び／又は凸部３は、実際の要件に従って選択されてもよい。この実施例において、所定のパターンに配置される複数の凹部３は、図において熱交換用プレート１０の表面上に配設され、所定のパターンは、実際の要件に従って選択されてもよい。

四辺形を（図２Ｂに示すように）形成する４つの調節部１が、各凹部３の周囲に配設され、従って、各凹部３及び対応する調節部１が、基本伝熱単位４を形成している。

良好な伝熱効果を達成するため、図２Ａ及び２Ｂに示すように、各基本伝熱単位における調節部は、熱交換用プレート１０の流体の主な流れ方向Ｄ１に大きな間隙を有するよう、及び熱交換用プレートの流体の二次的な流れ方向Ｄ２に小さな間隙を有するよう配置されている。

本発明において、調節部１、２は両方共、細長い。無論、熱交換用プレートの同じ表面上の調節部１、２は、同じ形状又は異なる形状を有していてもよい。本発明の複数の実施形態において、調節部１、２の形状は、略Ｓ字形、

形状であってもよい。この実施例において、Ｓ字形及び

形状を有する複数の調節部１、２が示されている。

明らかに、流れ断面の大きさは、主要流れ方向Ｄ１と略平行な２つの隣接する調節部１、２間の間隙を変えることによって、調節部１、２の大きさを変えることによって、又は、主要流れ方向Ｄ１に対する各調節部１、２の角度を変えることによって、図２Ｃ及び２Ｄに示すように、異なる断面により流量／流速分散制御を達成するように、調整されてもよい。

本発明において、調節部１、２を熱交換用プレート１０の二相側に配設することによって、柔軟な設計が水等の流体の側において実施される（例えば、二相側に関して非対称的な設計、すなわち、いかなる調節部も水等の流体の側に配設されない）。ここで、Ｓ字形又は別の形状を有する調節部１、２の凹部及び／又は凸部３は、図２Ｅ及び２Ｆに示すように、伝熱を向上させるために渦流を発生させるのと同時に、低い圧力損失で主要流れ方向を横断して流れるよう流体を案内してもよい。

図２Ｅの略図に示すように、各基本伝熱単位において、４つの調節部１が、実質的に平行四辺形の形で配置される。無論、凹部及び／又は凸部３は、主要流れ方向Ｄ１において、二次流れ方向Ｄ２におけるよりも大きい寸法を有してもよい。無論、調節部１の形状は、限定されず、必要に応じて設定されてもよい。

極めて幅広のプレートの場合において、一方向における流れは、効果的に流体流れを両側に推進させるには十分ではない。かかる場合において、Ｓ字形調節部のレイアウトは、良好な流体分散を達成するために、Ｖ字形又はＷ字形に配置されてもよい。従って、調節部に関する本発明の設計は、極めて柔軟性がある。

図２Ｇ、２Ｈ、及び２Ｉは、調節部１、２のプロフィルのＩ字形、Ｖ字形、及びＷ字形レイアウトを示している。

図２Ｈ及び２Ｉは、略Ｖ字形及びＷ字形レイアウトに配置された調節部１、２を示しているが、これとは別に、調節部１、２はまた、略Ｖ字形、Ｖ＋Ｗ字形、Ｗ＋Ｗ字形、又はＶ＋Ａ字形レイアウトで熱交換用プレート１０上に配置されてもよいことは言うまでもない。

一実施形態において、Ｖ字形レイアウト内のＶ字形の角度は、９０〜１５０°の範囲にある。

基本伝熱単位のうちの少なくとも１つにおいて、少なくとも１つの調節部（例えば、調節部２）が、流体の流れにおいて円滑な移行をもたらすための接続移行部であることは、言うまでもない。接続移行部２は、主要流れ方向が変化する位置に配設され、略

形状及び／又は

形状を有する例外的な形状の調節部である。

本発明の実施形態において、凹部３が熱交換用プレート１０の本体表面上に配設される場合において、調節部１、２は、本体表面から外側に突出するか、又は、
凸部が熱交換用プレート１０の本体表面上に配設される場合において、調節部１、２は、本体表面から内側に凹んでいる。

上で述べたように、Ｓ字形調節部を含む凹部及び／又は凸部のレイアウトは、例えば、断面の所望の効果的な変化を達成するために、柔軟に配置されてもよい。

図２Ｂは、プレート表面上のパターンの一部の略図を示している。大きい間隙が主要流れ方向Ｄ１内に設定されており、これにより、結果として、主要流れ方向Ｄ１における低い圧力降下を生じ、チャネルを通るより多くの流体流れを推進する。

小さい間隙が二次流れ方向Ｄ２に設定されており、これにより、結果として、二次流れ方向Ｄ２において、主要流れ方向Ｄ１におけるよりも高い圧力降下及び抵抗を生じる。

凹部及び／又は凸部は、図２Ｃ及び２Ｄに示すように、熱交換用プレート上に配置される。従って、流体は、第一に、横方向に流れ、広がり、次いで、二次流路を通って長手方向に、上向きに流れる。

主要流れ方向と二次流れ方向との間の角度は、プレート表面上に広がる流体の速度を制御するよう調整され、最適化されてもよい。

一般に、凹部及び／又は凸部は、図２Ｃに示すように、長手方向（主要流れ方向）において、横方向（二次流れ方向）におけるよりも大きい寸法を有するべきである。無論、全てのシナリオがこの様である必要は無く、すなわち、凹部及び／又は凸部の形状は、主要流れ方向及び二次流れ方向において異なる断面積を有するよう構築される必要は無い。この実施例において、Ｓ字形調節部が示されている。特殊なＳ字形調節部プロフィルが、伝熱を向上させ、流れを案内するよう配置されるべきである。図２Ｆは、基本的な流れ及び伝熱単位を示している。

信頼性に関し、本発明における凹部及び／又は凸部の寸法並びに溶接点の数は、ヘリンボーンパターンの場合におけるよりも大きい。結果として、本発明によるパターンは、凹部及び／又は凸部の通常パターンと比較して高圧を達成するため、薄いプレート材料を用いることができる。

更に、本発明の別の実施形態は、更に、１つを別の上部に共に接合された上記の実施形態のいずれか１つで説明したような複数の熱交換用プレートを備えるプレート型熱交換器を提供し、熱交換流体流れのためのチャネルが、その間の空間に形成される。

特に、複数の熱交換用プレートは、ろう付け、半溶接、又は全溶接によって共に接合される。

更に、複数の熱交換用プレートは、解体可能に共に接合されてもよい。

本発明の複数の実施形態における熱交換用プレート及び／又はプレート型熱交換器は、以下の利点のうちの少なくとも１つを有することができる。
１．以下を含むが、これらに限定されない、先行技術における凹部／凸部パターンのものと同一の利点。
−溶接面積は、強度を高めるよう、より大きな溶接点サイズ及びはるかに多数の溶接点を用いることによって増加される。
−低い原料消費及び低下したコスト。
２．ヘリンボーンパターンを有する熱交換用プレートのものと同一又は同等の流れ分散。
３．高い伝熱効果が、「旋回（ブーメラン）」形状により乱流及び渦流を高めることによって、達成される。
４．蒸発プロセスの安定性が向上して、流体の残留を低減する。
５．凹部及び／又は凸部の通常パターンと同じ設計柔軟性、及びヘリンボーンパターンよりも優れた柔軟性。

発明概念全体のうちのいくつかの実施形態を図示し、説明してきたが、当業者は、本明細書中の全体的な発明概念の原理及び精神から逸脱することなく、これらの実施形態に対して変更を行ってもよいことを理解するであろう。本発明の適用範囲は、特許請求の範囲及びそれらの相当語句によって定義される。

Claims (12)

1. 熱交換用プレートであって、
   本体と、
   前記本体の表面上に所定のパターンで配置される凹部及び／又は凸部と、
   複数の調節部と、を備え、四辺形を形成する４つの調節部が、各凹部及び／又は凸部の周囲に配設され、それによって、各凹部及び／又は凸部並びにその周囲の前記調節部が、基本伝熱単位を形成し、
   各基本伝熱単位における前記調節部は、前記熱交換用プレート上で流体の主要流れ方向に大きな間隙を有するよう、及び、前記熱交換用プレート上で流体の二次流れ方向に小さな間隙を有するよう配置される、
   熱交換用プレート。
2. 流れ断面の大きさは、前記主要流れ方向と略平行な２つの隣接する調節部間の間隙を変えることによって、前記調節部の大きさを変えることによって、又は、前記主要流れ方向に対する各調節部の角度を変えることによって、異なる断面により流量／流速分散制御を達成するように、調整されてもよい、
   請求項１に記載の熱交換用プレート。
3. 前記調節部は、略Ｓ字形、
   

   

   形状である、
   請求項１又は２に記載の熱交換用プレート。
4. 前記基本伝熱単位のそれぞれにおいて、前記調節部は全て細長く、前記調節部は同じ形状又は異なる形状を有する、
   請求項１〜３のいずれか一項に記載の熱交換用プレート。
5. 前記基本伝熱単位のそれぞれにおいて、前記４つの調節部は、平行四辺形の形で実質的に配置される、
   請求項１〜４のいずれか一項に記載の熱交換用プレート。
6. 前記凹部及び／又は凸部は、前記主要流れ方向において、前記二次流れ方向におけるよりも大きい寸法を有する、
   請求項１〜５のいずれか一項に記載の熱交換用プレート。
7. 前記調節部は、略Ｉ字形、Ｖ字形、Ｗ字形、Ｖ＋Ｗ字形、Ｗ＋Ｗ字形、又はＶ＋Ａ字形レイアウトで前記熱交換用プレート上に配置される、
   請求項１〜６のいずれか一項に記載の熱交換用プレート。
8. 前記Ｖ字形の角度は、９０〜１５０°範囲にある、
   請求項７に記載の熱交換用プレート。
9. 前記基本伝熱単位のうちの少なくとも１つにおいて、前記調節部のうちの少なくとも１つは、前記流体の流れにおいて円滑な移行をもたらすための接続移行部である、
   請求項７又は８に記載の熱交換用プレート。
10. 前記接続移行部は、前記主要流れ方向が変化する位置に配設され、略
    

    

    形状及び／又は
    

    

    形状を有する例外的な形状の調節部である、
    請求項９に記載の熱交換用プレート。
11. 凹部が前記熱交換用プレートの本体表面上に配設される場合において、前記調節部は、前記本体表面から外側に突出するか、又は、
    凸部が前記熱交換用プレートの前記本体表面上に配設される場合において、前記調節部は、前記本体表面から内側に凹む、
    請求項１〜１０のいずれか一項に記載の熱交換用プレート。
12. プレート型熱交換器であって、請求項１〜１１のいずれか一項に記載の少なくとも１つの熱交換用プレートを備えるプレート型熱交換器。

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