JP2017523049A - 溶融紡糸による厚さがミクロン範囲の金属又は無機ストランドを製造する装置及び方法 - Google Patents

溶融紡糸による厚さがミクロン範囲の金属又は無機ストランドを製造する装置及び方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2017523049A
JP2017523049A JP2016575664A JP2016575664A JP2017523049A JP 2017523049 A JP2017523049 A JP 2017523049A JP 2016575664 A JP2016575664 A JP 2016575664A JP 2016575664 A JP2016575664 A JP 2016575664A JP 2017523049 A JP2017523049 A JP 2017523049A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wheel
metal
width
peripheral surface
nozzle
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2016575664A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6466975B2 (ja
Inventor
ヨアヒム ピー シュパッツ
ヨアヒム ピー シュパッツ
然 亘理
然 亘理
ラインハルト マゼル
ラインハルト マゼル
Original Assignee
マックス プランク ゲゼルシャフト ツゥアー フェデルゥン デル ヴィッセンシャフテン エー フォー
マックス プランク ゲゼルシャフト ツゥアー フェデルゥン デル ヴィッセンシャフテン エー フォー
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by マックス プランク ゲゼルシャフト ツゥアー フェデルゥン デル ヴィッセンシャフテン エー フォー, マックス プランク ゲゼルシャフト ツゥアー フェデルゥン デル ヴィッセンシャフテン エー フォー filed Critical マックス プランク ゲゼルシャフト ツゥアー フェデルゥン デル ヴィッセンシャフテン エー フォー
Publication of JP2017523049A publication Critical patent/JP2017523049A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6466975B2 publication Critical patent/JP6466975B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B22CASTING; POWDER METALLURGY
    • B22DCASTING OF METALS; CASTING OF OTHER SUBSTANCES BY THE SAME PROCESSES OR DEVICES
    • B22D11/00Continuous casting of metals, i.e. casting in indefinite lengths
    • B22D11/06Continuous casting of metals, i.e. casting in indefinite lengths into moulds with travelling walls, e.g. with rolls, plates, belts, caterpillars
    • B22D11/0611Continuous casting of metals, i.e. casting in indefinite lengths into moulds with travelling walls, e.g. with rolls, plates, belts, caterpillars formed by a single casting wheel, e.g. for casting amorphous metal strips or wires
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B22CASTING; POWDER METALLURGY
    • B22DCASTING OF METALS; CASTING OF OTHER SUBSTANCES BY THE SAME PROCESSES OR DEVICES
    • B22D11/00Continuous casting of metals, i.e. casting in indefinite lengths
    • B22D11/005Continuous casting of metals, i.e. casting in indefinite lengths of wire
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B22CASTING; POWDER METALLURGY
    • B22DCASTING OF METALS; CASTING OF OTHER SUBSTANCES BY THE SAME PROCESSES OR DEVICES
    • B22D11/00Continuous casting of metals, i.e. casting in indefinite lengths
    • B22D11/06Continuous casting of metals, i.e. casting in indefinite lengths into moulds with travelling walls, e.g. with rolls, plates, belts, caterpillars
    • B22D11/0637Accessories therefor
    • B22D11/0648Casting surfaces
    • B22D11/0651Casting wheels
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B22CASTING; POWDER METALLURGY
    • B22DCASTING OF METALS; CASTING OF OTHER SUBSTANCES BY THE SAME PROCESSES OR DEVICES
    • B22D11/00Continuous casting of metals, i.e. casting in indefinite lengths
    • B22D11/16Controlling or regulating processes or operations

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Continuous Casting (AREA)

Abstract

金属の細長いストランドを作製する装置は、周面を有する回転式ホイールと、溶融金属を周面上への方向付ける少なくとも1つのノズルと、形成された金属の凝固ストランドを回収するための回収手段とを備える。凝固ストランドは溶融金属から周面上に形成され、ホイールの回転により生じる遠心力により周面から分離される。周面は周方向に伸びるエッジと、該エッジの間に形成される又は該エッジに挟まれた凹部とを有する周方向に伸びる構造を有し、液体金属へと印加されるガス圧を制御する装置はノズル開口部を通って液体金属を移動させ、液体金属を回転式ホイールの周面へと送達させる。ノズルはホイールの周回転方向のノズル開口部の幅と該幅よりも大きいホイールの周面に対して横断方向の長さとを備える矩形断面を有する。上記装置における使用に適合された方法及びホイールも特許請求する。【選択図】なし

Description

溶融紡糸は液体を急速に冷却させるのに用いられる技法である。ホイールは通常水又は液体窒素により内部冷却することができ、それを回転させる。次いで細い液体流をホイール上に滴下し、冷却することで急速凝固させる。この技法は金属又は金属ガラス等の材料の細長い繊維を形成するために極めて大きい冷却速度を必要とする材料を展開させるのに使用されている。溶融紡糸によって達成可能な冷却速度は10ケルビン毎秒〜10ケルビン毎秒(K/s)程度である。
1958年〜1961年における一連の関連特許(特許文献1、特許文献2及び特許文献3)においてRobert Pondの発案で溶融紡糸が初めて提唱された。特許文献4及び特許文献5では、溶融金属を加圧下においてノズルに通してチルブロックの回転する滑凹面に射出している。チルブロックの表面速度及び射出条件を変えることで、最小断面寸法が1μm〜4μm、長さが1μmから無限の金属フィラメントを形成することが可能であるといわれている。特許文献4では単一のチルブロックが使用され、特許文献5では複数のノズルが金属の流れを1つの回転チルブロックへと方向付けているか、又は複数の回転チルブロックとそれに関連するノズルとが設けられている。特許文献5ではチルブロックを設けない場合にはその代わりに、溶融金属がノズルを通って下向きにチャンバの側壁に設けられた棚上に固体の二酸化炭素を含む垂直に配置された冷却チャンバへと射出される。ノズルの断面形状を変えることで作製されるフィラメントの断面形状を変えることができる。
溶融紡糸機の現在の概念は1969年にPond及びMaddinにより概説されている。しかしながら、当初液体はドラムの内面で急冷させていた。Liebermann及びGrahamが1976年にこのプロセスを連続鋳造法として更に開発し、このときにドラムの外面での急冷が行われた。
このプロセスにより、細いリボンの材料を連続生産することができ、幅数インチのシートが市販されている。
このプロセスに対する言及は下記の刊行物に見ることができる:非特許文献1、非特許文献2、非特許文献3。
溶融紡糸プロセスはこれまで工業規模におけるミクロン規模の金属リボン及び繊維の商業生産には使用されてこなかった。
これに関連して、繊維は長さが幅の少なくとも2倍である要素と理解することができることに留意されたい。
金属繊維強化複合材料は一連の用途全体において多くの多様な特性の改善に中心的な役割を果たす。このような用途の例は下記のとおりである:
電池及び蓄電池用の電極、
ディスプレイ及びロボット分野での人工ハンド等のタッチセンサーシステム用の導電性プラスチック、
静電防止テキスタイル及びプラスチック、
軽量及び重量構造物用の機械的に強化されたテキスタイル、プラスチック及びセメント、
機械的及び/又は化学的応力に曝される環境で使用されるフィルター材料、
触媒。
繊維系材料の機能改善に重要な側面は金属繊維の大きい表面積対重量比、並びに産業的に関連したプロセスにて金属繊維を製造及び加工することができることである。このことは下記を表している:
金属繊維の低密度及び調整可能な長さ、
繊維の更なる加工のための繊維接着の制御、
単位時間当たりの高い材料収率を伴う経済的な製造方法及び低いプロセスコスト。
現在、金属繊維をベースとする機能的材料の産業的に関連した製造は50μmを超える繊維厚さに制限されている。リソグラフィー技法、ガラス系鋳型法及び機械的押出しプロセスに基づく理論プロセスが存在し、これらにより50μm未満の金属繊維を得ることが可能となる。しかしながらこれらの方法は幾つかの材料に制限され、繰り返すことができないこともあることから、産業上利用することができない。
本明細書に記載の発明により、幅及び厚さが1mmより遥かに小さく、理想的には1μm〜100μmの範囲であり、長さと幅とのアスペクト比が2:1より大きく、理想的には10:1より大きい金属繊維を製造することが可能となる。サイズが50μmより大きい金属繊維は通常、延伸プロセス、圧延プロセス又は押出しプロセスにより産業的に作製される。直径50μm未満のワイヤは通常、直径がより大きいワイヤから直径がより小さいワイヤへと機械的に複雑な延伸プロセスにより個々に製造される。
これまで溶融物からの析出では大規模に直径を小さくすることは技術的に実現されてない。この理由は金属溶融物の表面エネルギーが通常非常に高く、また粘度が非常に低いことに見られる。
金属ワイヤの高表面エネルギー及び低粘度により、金属ジェットの収縮及び液滴の形成が起こる。また毛管の濡れにより、大きい毛管力の結果として直径が小さいワイヤの「溶射」が難しくなる。液滴の形成はヤング−ラプラス式により数学的に説明される。
金属溶融物とは対照的に、ポリマー溶融物の表面エネルギーがより低く、また粘度が顕著に高いことから、ポリマー溶融物は直径数十ナノメートル及び数千というアスペクト比まで産業的に紡糸することができる。
米国特許第2,825,108号 米国特許第2,910,744号 米国特許第2,976,590号 米国特許第2,825,198号 米国特許第2,910,724号
R. W. Cahn, Physical Metallurgy, Third edition, Elsevier Science Publishers B.V., 1983. Liebermann, H.; Graham, C. (November 1976). "Production of amorphous alloy ribbons and effects of apparatus parameters on ribbon dimensions". IEEE Transactions on Magnetics 12(6): 921-923. doi: 10.1109/TMAG.1976.1059201. Egami, T. (December 1984). "Magnetic amorphous alloys: physics and technological applications". Reports on Progress in Physics 47 (12): 1601.doi: 10.1088/0034-4885/47/12/002.
本発明は金属溶融物の特性、すなわち高表面エネルギー及び低粘度を用いて溶融紡糸法により幅及び厚さが50μmより小さい金属ストランドの製造を可能にする装置及び方法を記載している。本発明の特定の目的の一つは金属ストランドを製造する方法及び装置を提供することであり、これにより比較的均質な製品が得られるような長さ、幅及び厚さの分布が比較的緊密な所望の繊維(ストランド)の収率が高くなる。
上記の目的を満たすために、本発明によると、金属の細長いストランドを作製する装置であって、該装置は周方向に伸びるエッジ及び該エッジの間に形成される又は該エッジに挟まれた凹部を備える周面を有する回転式ホイールと、溶融金属を上記周面上へと方向付けるノズル開口部を備えた少なくとも1つのノズルと、上記溶融金属から上記周面上に形成された金属の凝固ストランドを、上記ホイールの回転により生じる遠心力により上記周面から分離して回収する回収手段とを備え、また上記ノズルNは上記ホイールBの周回転方向Cの上記ノズル開口部の幅Wと該幅Wよりも大きい上記ホイールの周面に対して横断方向の長さとを備える矩形断面を有すること、及び上記ノズル開口部を通って液体金属を移動させ、該液体金属を上記回転式ホイールの周面へと送達させる、上記液体金属へと印加されるガス圧Pを制御するための装置が設けられていることを特徴とする、装置が提供される。
本発明によると、周方向に伸びるエッジ及び該エッジの間に形成される又は該エッジに挟まれた凹部を備える構造化周面を有し、上述の装置における使用に適合されたホイールも提供される。
本発明はまた、50μm以下の少なくとも1つの横断寸法と、該少なくとも1つの横断寸法より少なくとも10倍大きい長さとを任意に備える金属の細長いストランドを作製する方法であって、該方法は、ホイールの周回転方向のノズル開口部の幅と該幅よりも大きい該ホイールの周面に対して横断方向の長さとを備える矩形断面を有するノズルを通して溶融金属を液体金属にガス圧を印加することにより回転式ホイールの周面上に方向付けることで、上記ノズル開口部を通って該液体金属を移動させ、該液体金属を上記回転式ホイールの周面に送達する工程と、上記回転式ホイールの周面に周方向に伸びるエッジ及び該エッジの間に形成される又は該エッジに挟まれた凹部を設ける工程と、上記溶融金属から上記周面上に形成された金属の凝固ストランドを、上記ホイールの回転により生じる遠心力により上記周面から分離して回収する工程とを含み、また該方法は上記ノズル開口部の幅を制御する工程と、上記液体金属に印加されるガス圧を制御することで、上記ノズル開口部を通って該液体金属を移動させ、該液体金属を上記回転式ホイールの周面に送達する工程と、上記ホイールの回転速度を制御することで、上記エッジの間に形成される又は該エッジに挟まれた上記周方向に伸びるエッジで作用する力により上記液体金属が集まるレベルまで金属依存的に単位時間当たりの上記ホイールの周面上への溶融金属の流れを低減する工程と、これらのエッジを用いて、上記エッジに上記溶融金属を集めることで、金属の所望の細長いストランドを作製する工程とを更に含む、方法に関する。
したがって本発明は溶融金属の高表面エネルギーが境界面、特に基板のエッジ又はコーナー、例えば金属溶融物で濡れたコーナーで強い毛管作用を引き起こすという認識に基づいている。この回転ホイールの周面の構造化がこのようなエッジ及び凹部をもたらし、そのため毛管力がこのようなエッジ及び凹部に沿って溶融金属が集まるのに有利に働き、そのようにしてストランドの幅及び厚さが比較的近い限度内に抑えられることで均一の製品が得られる。その上、金属ストランドの厚さ及び幅が均一であることは遠心力の作用によりホイールから及び下記ストランドから分離する前に作製されるストランドの長さがより均一であることも意味し、このことも均一な金属ストランド製品の作製により有益である。
上記の装置及び方法を用いることで、実験室での実験において、より詳細には下記のように図面の簡単な説明を参照して、産業的に関連した溶融紡糸プロセスを用いてAl、亜鉛、Pb、ステンレス鋼又はFe40Ni4020の金属溶融物から直接、幅が10μm(中央値)未満の金属マイクロファイバー(ストランド又はリボン)を作製することが可能であることが証明された。ここでは、これらのマイクロファイバーの表面積対重量比はこれまで産業的に利用されてきた金属繊維よりも既に400倍良好なものである。幅及び厚さが1μm未満の金属繊維の製造は実用的であると考えられる。
この金属繊維作製プロセスの物理原理は固体基板上での薄膜の形の金属溶融物の分離に基づいている。理論上、2つの可能性のある機構が固体基板上での液膜の破断について述べられている:
(i)液膜における欠損の結果としての孔の不均一な核生成(H. S. Kheshgi and L. E. Scriven, Chem. Eng. Sci. 46, 519 (1991))。これらの欠損は例えば基板におけるトポグラフィーにより誘発され、基板表面へと横方向に組織される場合がある。
(ii)スピノーダルディウェッティングとして知られる、遠距離力の影響下における液膜の自発的破断(E. Ruckenstein and R. K. Jain, J. Chem. Soc. Faraday Trans. II 70, 132 (1974)を参照されたい)。
本明細書にて提唱される方法において両機構が用いられる。これに関連して確立された溶融紡糸プロセスを使用する。従来は巨視的バンドの形態の非晶質金属が生じる。本発明では溶融紡糸プロセスを下記のように変更する:
ノズル形状を周面の単位軸幅当たりの回転ホイールの周面上に落ちる溶融金属の量を低減及び制御するように特に選択し、
ホイールの回転速度を著しく大きくし、
溝構造を用いて回転軸に対して直角にホイール表面に沿ってホイールを構造化する。
ホイールの表面トポグラフィー、表面張力により生じる力、特に高い遠心力がホイール表面の、また回転軸に対して直角の横方向でのディウェッティング、あるいは、はんだはじき制御を引き起こす。様々なプロセスパラメータにより、金属繊維の様々な厚さ及び厚さ分布が生じる。これに関連してより小さいノズル幅によるホイール上への金属溶融物の堆積速度の低減、適切な印加圧力による坩堝からの金属溶融物の排出、及びホイールの回転速度の増大により、繊維厚さの著しい低減が起こる。
ノズル開口部の幅は1mm〜10μmの範囲、好ましくは400μm〜10μm、特に200μm〜10μm、最も好ましくは100μm〜10μmの範囲にあり得る。ノズルの出口幅が小さければ、作製される繊維は細くなる。
エッジを画定する周方向の凹部のラジアルデプスは50μmより大きい、好ましくは50μm〜1000μmの範囲である。
エッジを画定する周方向の凹部の幅は1000μm〜50μmの範囲、特に1000μm〜100μmの範囲である。ホイールが100μmより大きい構造サイズのプロファイルを有すること、すなわち溝の深さ、溝の幅及び溝間の任意のランドの幅全てが100μmより大きいことが最も好ましい。
この点について欧州特許出願公開第1146524号及び特開平09−271909号も参照されたい。欧州特許出願公開第1146524号は溶融紡糸プロセスによる磁性リボンの製造に関するものである。良好な磁性材料のためには酸化を防がなければならない。この理由からプロセスは不活性ガス下において行う。この不活性ガスが、材料の磁性に重要である均一な層厚さをもたらすプロセスの妨げとなっている。欧州特許出願公開第1146524号が円形オリフィスを有するノズルを開示していることに留意することが重要である。この欧州特許文献では、ガスをロール上のリボンから離れるように方向付ける技法が利用されている。この目的のために溝がホイール上に設けられている。略周方向の溝の平均深さは0.5μm〜20μmの範囲であり、平均ピッチは0.5μm〜100μmである。作製されたリボンの平均厚さは8μm〜50μmであり、5cmのサンプルを採取した後、製粉して磁性粉末を形成するために明らかに細長いものとなっている。リボンの幅についての実情報が与えられていない。特開平09−271909号は形成リボンから空気を除去するのに類似の概念を開示しているが、本公報では溝はホイールの表面上にシェブロン形(V字形)で配置されている。上記のようにこれまでに、これらの特許明細書のいずれにおいてもリボンが横方向(幅方向)の制限を受けるとされることは述べられておらず、またどのようにすればこれを行うことができるかについても何ら示唆されていない。両文献(特開平09−271909号及び欧州特許出願公開第1146524号)において、ホイール表面及び金属から離れるようにガスを導くとともに、ホイール表面と金属との接触面積を増大させるのにホイール表面の凹部が考慮されている(欧州特許出願公開第1146524号の[0043〜0044、0046]及び特開平09−271909号の[0003])。欧州特許出願公開第1146524号には、溝の深さが0.5μm〜20μm、より好ましくは1μm〜10μmであること、また溝の深さが増大すると大きな凹みが生じることがはっきりと述べられている。このことは引用値を超えて溝の深さを増大させるべきではないことを当業者にはっきりと示している。
比較的幅広のリボンの作製とは対照的に、本発明は比較的正確かつ均一に再現可能な厚さ及び幅を有する幅狭の繊維に関するものであり、少なくともかなりの割合の繊維の厚さ及び幅がそれぞれ50μm〜1μmの範囲にある。これは図17に記される中央値及び標準偏差値にて達成することができ、それらの値に見ることができる。
欧州特許出願公開第1146524号及び特開平09−271909号のいずれにも作製されるリボンの横方向の制限は記載されていない。いずれの参考文献でも、繊維が形成されるようリボンの横方向の制限を生じさせるのに凹部を用いることができることは示唆されてない。どちらの参考文献も幅が厚さよりも極端に大きい比較的幅広のリボンを示している(欧州特許出願公開第1146524号の図1及び特開平09−271909号の図2aを参照されたい)。
欧州特許出願公開第1146524号では確かにリボンの幅について正確な値は与えられていないが、図1及びその段落0098から、リボンは厚みよりも幅が極端に大きいと結論付けることができる。リボンの厚さが8μm〜50μmにあることから、参考文献には、3μm〜25μmの好ましい範囲においてリボンの横方向の制限が生じるという当業者に対する示唆は含まれていない。さらに欧州特許出願公開第1146524号の図12及び図15にはリボンの横方向の制限に全く適さない実施の形態が示されている。図15における孔のあいた構造はその段落において該構造、またこの欧州特許文献に示される他の構造化表面がそのまま機能するように記載されており、このことは実際に当業者を横方向の制限のために周溝を設けることから遠ざけている。
特開平09−271909号は、欧州特許出願公開第1146524号と類似の技術分野を説明しており、図1cにおいてW字形の表面溝構造を示している。この日本特許では凹部間の間隔が考慮されており、この間隔を可能な限り小さく、少なくとも200μmより小さくすべきであると述べられている。間隔が広くなると、空気の除去が不良になり、それにより結果が不良になる。
両文献において、粉体磁性粒子の製造は溶融紡糸プロセスに続く粉砕プロセスに基づくものである。これは溶融紡糸プロセス自体をどうにかするものではない。粉砕プロセスは溶融紡糸プロセスとは全く異なる適用であり、従来技術の参考文献では本願に関する繊維の作製は単純に考慮されていない。
欧州特許出願公開第0227837号には溶融紡糸装置におけるノズルを通した押出しにより作製されるワイヤのコイリングが記載されている。ホイールは構造化されておらず、そのためこの参考文献は特許請求されるプロセスとは無関係である。
米国再発行特許Re_33,327号は、回転式ホイールにより容器内の溶融材料の表面層から溶融金属を延伸する特別な容器構成に関する。すなわち溶融材料は(本発明の場合のように)加圧下ではオリフィスを通ってホイール上に滴下又は射出されず、このことは再発行参考文献において不利益であると記載されている。ホイールの表面上に形成された溝はおよそ1100μm〜630μmの範囲の溝ピッチに相当する1インチ当たり22個〜40個の範囲のピッチを有するといわれている。
Liebermannの参考文献「Liebermann h.h. et al Production of amorphous alloy ribbons and effects of apparatus parameters on ribbon dimensions XR002736061, November 1996」は、繊維とは対照的なバンドの作製に関するものである。ホイールの構造化周面は周囲に(周方向に)伸びるランドを更に含むことができ、各ランドは2つの周方向に伸びる凹部の間に配されている。このようなランドの存在が周方向に伸びるエッジ間に溶融材料のリザーバを形成し、エッジにおいて生じる毛管作用によりこの材料を集めて、金属ストランドにすることができる。そのためランドの存在及びその幅は作製される金属ストランドの幅に影響を及ぼすように選択することができる。このランドの幅は通例1mm以下である。このランドはまた溶融金属から更なる熱を除去するための表面積を与え、それによっても作製されるストランドのサイズに影響を及ぼすことができるが、これはストランドのサイズは凝固が起こった後では変化しないためである。
凹部の断面形状は重要ではないと思われる。そのため凹部は半円形、対称v字形、非対称v字形、矩形及び台形を含む群から選択される断面形状を有していてもよい。しかしながら凹部の容量は作製される金属ストランドの幅及び厚さを決定する別の重要な基準である。
金属ストランドは通例、厚さが10μm以下であり、かつ幅が200μm以下であるリボンの形態をとる。
概して通例、金属ストランドの少なくとも1つの横断寸法が50μm以下であり、かつ長さが該少なくとも1つの横断寸法よりも少なくとも10倍大きい。
万全を期すために、2つの更なる従来技術文献も参照されたい。
ドイツ特許第3443620号には溶融紡糸プロセスにより円形のワイヤを作製する方法が記載されている。この方法では、回転式ホイールの周面に回転方向へと伸びる溝が設けられており、溝に沿って一列に整列した複数のノズルを用いて、ホイールの回転とともに溶融金属を溝に堆積させる。25m/秒の表面速度を用いて、大径1mm、小径0.7mmの楕円形断面のワイヤを作製した後、延伸することで直径0.5mmの円形のワイヤとする。この文献ではホイールの表面速度等の操作パラメータを適切に選ぶことにより、溶融金属流を材料の細いストランド又はリボンへと分離するのに溝により形成されたエッジを利用するという機能は開示されていない。
米国特許第6,622,777号には、「回転板の刃の上に垂直に金属プレートを落とすことで、金属プレートから金属繊維を取り出す」ことにより金属繊維を作製する方法が記載されている。金属プレートを溶融機能がある一対の誘導コイルに通すが、溶融金属が回転板の刃の上に配されているという記載はない。刃の構造及び寸法は上述の特許において示されていない。参考文献の著者らは金属プレートから金属を「切り出す」のに刃を使用している。参考文献では、本発明の重要な特徴である形状が画定されたノズルの使用は検討されておらず、本発明の別の重要な特徴である構造又は形状が画定された所与の形状の周面の使用も検討されていない。また金属プレートを完全に溶融させることも検討されていない。対照的に、ガス圧を制御することで、形状が画定したノズルを通して溶融金属を分配させることが可能であることから、ノズルの上流での金属の溶融は参考文献には存在しない本発明の別の重要な特徴である。ノズル形状及び液体金属に印加される圧力量によって、ノズルを通り、回転ホイールに当てる液体金属材料の量が調節(制御)される。この制御は小さい繊維幅寸法を得て、形状及び形状寸法の分布(小さい分布)を制御するのに重要である。確かに参考文献では液体金属にとの作用は明らかにされていない。「溶融する」という言葉が用いられており、最終的にはプレートを溶融又は軟化した状態にすることはできるが、固体金属プレートが刃に接していることが参考文献の著者らにはより重要であると考えられている。また参考文献では、液体金属から固体金属を分離するという本発明の概念も開示されていない。
この参考文献では、溶融金属滴を分配させるという概念は開示されておらず、回転刃に接する金属の量を制御する方法は提供されてない。確かに刃の上に堆積する金属の量を制御することは何ら開示されていないと考えられる。加えて、金属リボンを作製するのにエッジ効果を用いることは参考文献では示唆されていない。同様に使用される特定の金属を所望のサイズのリボンへと分離させるのに適切なホイール速度を使用することも開示されていない。このこと、すなわちホイール速度をノズルサイズ、ガス圧、及び所望のサイズのリボンへと変換される特定の金属に応じて選択することも本発明の重要な要素である。
回転式ホイールは、例えば−100℃〜+200℃の範囲の温度に温度制御されることが有用であり、好ましくは冷却される。ホイールの温度制御により、溶融材料の凝固速度を制御することが可能となり、このことも均一な金属ストランドの製造に有利に働く。
ホイールは金属、例えば銅若しくはアルミニウム、又は金属合金、又はセラミック材料、又はグラファイト等の炭素でできていることが好都合である。また銅ベースホイール上に炭素を蒸着させた層等のベースホイール上のこれらの材料の内の1つの層が可能である。このような材料は良好な熱伝導性を有し、このことも凝固プロセスに有利に働く。
所望に応じて、ホイールの周面の構造をリソグラフィー技法により作製することで、フライス加工又は旋盤加工よりも容易に寸法の小さい鮮明な構造を作製することが可能となる。
ホイールは環境大気圧に相当する圧力、又は環境圧力よりも低い圧力、又は環境圧力よりも高い圧力の大気を含むチャンバ内で回転するように取り付けられていることが好都合である。チャンバ内の大気は凝固金属ストランドの形成に影響を及ぼし、作製される金属ストランドの形状を微調整するのに用いることができる。金属を空気の構成要素と反応させるために、チャンバ内の不活性ガス雰囲気を用いることが有益であり得る。また幾つかの状況下では、反応性のガス雰囲気が有益である場合があり、例えば硬化金属ストランドが所望される場合、好適な鋼材料を窒化又は炭化するのに窒素又は炭素含有雰囲気を用いることができる。ノズルを介して表面上に溶融金属を堆積させる前に周方向に伸びる表面から境界空気を逸らすために、ホイールの回転方向のノズルの上流にスクレーパーブレード又はドクターブレード等のデフレクターを任意に設けることができる。このようなデフレクターは、その構造の損傷を避けるのにホイールの周面から最低限の間隔を空けるだけでよく(ノズルがホイールの周面近くに位置している場合には、ノズルによってもこの機能をもたらすことができる場合がある)、これがホイールとともに担持される境界空気がノズルから周面上への溶融金属の流れに不要な影響を与えるのを防ぎ、例えばそれにより金属材料がホイールの表面に達する前に金属材料の冷却を抑えることができる。
概してガス圧を溶融金属に印加することで、溶融金属をノズルに通す。溶融金属の高い表面張力/エネルギーが小さいノズルを通る溶融金属の流れを妨げることから、概してこのようなガス圧が必要とされる。更なるガス圧(溶融金属の重量に加えて)により、溶融金属がノズルを通って流れる。本明細書において溶融金属に印加される圧力について言及する場合、言及される圧力は、大気圧よりも低く、例えば400mbarに保たれていることが多い装置のチャンバ内に広がる圧力よりも高い圧力量であると理解される。デルタP、すなわちΔPという表現は坩堝内にて溶融金属上で働く圧力とチャンバ内の内圧との圧力差を表す。
ガス圧は通例、ノズルの外側の圧力に対して50mbar〜1bar高い圧力範囲に選択される。ガス圧により、回転ホイール上への溶融金属の堆積速度が調節される。このパラメータにより、金属リボンの寸法も制御される。
ノズルはホイールの周回転方向の幅が1mm未満の矩形断面を有することが好都合である。ノズルの長さ方向はホイールの周面の回転方向に対して直角に置かれる。
電気モーターは直径が200mmのホイールにおいて最大95Hzの周波数にて、すなわちより一般的には60m/s前後の周速度にてホイールを駆動させるのに使用されることが有益である。
ホイールの周面は作製されるストランドの長さを制御するための横断方向に伸びる特徴部を備え得る。このような特徴部は例えば、ホイールの周面にある周方向に伸びるエッジ及び凹部を遮る横断方向に規則的に間隔を開けた溝を多く含むことができる。
ホイールが溶融金属と容易に結合しないようにホイールの材料が選択される、例えばFe40Ni4020合金、アルミニウム又は鉛には銅ホイールを使用することができる。
本発明の溶融紡糸プロセスでは、金属溶融物を坩堝の開口部に通して非常に高速で回転する金属ホイール上へと塗布する。ホイールは通常、銅からなるものであり、十分に冷却することができる。特により小さい直径のストランドの製造に金属溶融物の特に強い毛管力を利用することができる。平滑な紡糸ホイールではなく、細長い周方向に伸びる溝(凹部)で構造化されている溶融紡糸ホイールが使用される。ここで1つの凹部若しくは幾つかの凹部、及び/又は隣接する凹部間のランド(単数又は複数)のみが濡れるように回転ホイール上に入る金属溶融物の量が低減されると、ホイールに形成されている凹部及び作用する毛管力の結果として平坦な金属(液)膜の横方向破断が得られる。一次近似として(To a first approximation)、得られるストランドの横寸法はホイールの構造化部の横寸法を反映するものである。しかしながら、単位時間当たりのホイールに当たる金属の量の更なる低減により、作用する毛管力の結果として、ホイール上の構造のコーナー又はエッジでの金属溶融物の融合又はその量の集合が起こる。そのようにして溶融物がホイールの凹部のエッジ等のコーナーに沿って又はホイールの凹部の底に沿って堆積する。これにより、ホイールの実際の構造化部の寸法から予測することができるものよりも遥かに小さい形状のストランドを得ることが可能となる。そのため、1mmという横方向の構造サイズを用いて、幅0.4mmのリボンを得ることが可能である。したがって銅ホイール及びホイールの構造化部上への金属溶融物の堆積速度は本発明にとって極めて重要である。金属溶融物の堆積速度はホイールの回転速度、坩堝の開口部のサイズ、及び坩堝の開口部を通して溶融物を押し出す圧力により制御することができる。ホイールの構造化周面に対して横断方向のノズル開口部の長さが通例、複数の溝及びランドに亘って広がっていることから、ホイールの周方向に構造化した表面上での溶融金属の横方向破断により、いつでも複数のストランドを形成することができる。ホイールの周方向のノズルの幅を狭めることで、単位時間当たりに各ストランドを形成する金属の量が減り、それによりストランドがより細くなる、すなわち横断寸法(単数又は複数)が低減する。
ホイール上の構造は概して、例えば旋盤上での技術的な調整操作により、フライス加工又はレーザーアブレーションにより作製することができる。金属溶融物の突然の凝固及びホイールの回転により生じる高い遠心力により、毛管力が重要ではなくなり、そのようにして形成するワイヤがホイールから飛び出し、そのためその後ワイヤを既知の回収デバイスにて回収することができる。溶融物の凝固後、金属は通常、液滴を形成せず、ここでワイヤを更に加工、例えば機械加工してフリース地又はフェルトにすることができる。したがって溶融紡糸法を、テキスタイルを製造する方法と組み合わせることができる。
本発明の好ましい実施形態を従属請求項に記載する。
これより添付の図面及び本発明の方法の様々な実施例を参照に本発明を更に詳細に説明するが、これは一例にすぎない。
基本的な溶融紡糸プロセスの概略図である。 本発明の回転式ホイールを備えた、溶融紡糸に使用される装置の正面図である。 筺体を外した正面図に見られる図2の装置の詳細図である。 図2及び図3の紡糸ホイールの周面の一部の上面図であり、周面に適用される構造を示す。 図2及び図3のホイールの周面において可能な構造の断面図である。 坩堝の放出オリフィスを説明する概略上面図である。 30Hzで回転する直径200mmの銅ホイール上に紡糸されるFe40Ni4020合金の溶融紡糸リボンの写真図である。 図5に類似するものであるが、実施例1の試験を支持するために異なる構造及び引用寸法を有する図である。 溶融紡糸により大量に作製された図7のFe40Ni4020リボンの写真図である。 図8の円形の溝内でのリボン材料の部分的な破断を示すSEM画像の図である。 図9に類似するものであるが、同じ銅ホイールを60Hzで回転させて形成されたFe40Ni4020リボンを示す写真図である。 74個のリボンのサンプルについて幅が100μm未満のリボンの統計的サイズ分布を示す図である。 本発明を用いて作製されたリボンの幅の統計的サイズ変化を示す図である。 500μm未満のリボン(106個のサンプルリボン)及び150μm未満のリボン(80個のサンプルリボン)についての図9のサンプル由来のリボンの統計的サイズ分布を示す2つの図である。 図2及び図3のホイールにおいて可能な代替表面構造の一例を示す図である。 図2及び図3のホイールにおいて可能な代替表面構造の一例を示す図である。 図2及び図3のホイールにおいて可能な代替表面構造の一例を示す図である。 更なる溶融紡糸リボンの一例を示す図である。 更なる溶融紡糸リボンの一例を示す図である。 更なる溶融紡糸リボンの一例を示す図である。 実施例5〜実施例10の結果をまとめた表である。 ホイールの表面に用いられる溝プロファイルの断面の縮尺拡大図とともに実施例5の製品の一連の写真を示す図である。 ホイールの表面に用いられる溝プロファイルの断面の縮尺拡大図とともに実施例6の製品の一連の写真を示す図である。 ホイールの表面に用いられる溝プロファイルの断面の縮尺拡大図とともに実施例7の製品の一連の写真を示す図である。 ホイールの表面に用いられる溝プロファイルの断面の縮尺拡大図とともに実施例8の製品の一連の写真を示す図である。 ホイールの表面に用いられる溝プロファイルの断面の縮尺拡大図とともに実施例9の製品の一連の写真を示す図である。 ホイールの表面に用いられる溝プロファイルの断面の縮尺拡大図とともに実施例10の製品の一連の写真を示す図である。
これより図1に示される溶融紡糸プロセスの概略図を参照すると、紡糸する金属Aは電熱デバイスIにより坩堝K内にて加熱されることが分かる。ガス圧Pにより、溶融金属が坩堝KのノズルNを通って回転ホイールB上へと押し出される。ホイールBは表面構造Sを有し(図4及び図5に概略的に図示される)、この構造が周面に入る溶融金属を横方向に制限し、その後溶融金属が凝固し、遠心力により飛ばされる。坩堝KのノズルNも同様に構造化され、例えば図6に示すような矩形形状のノズル開口部Oを有することができる。図6及び図4の概略図から、ノズル開口部の長さ方向LがホイールBの周面Sにおける溝Gの周方向Cに対して横断方向に置かれ、これらの溝の幾つかに亘って、実施例においてはノズル開口部が溶融金属をホイールB上の表面構造の幅全体に分布させるように溝の少なくとも大部分に亘って広がっていることが分かる。スロットの幅WはノズルNからホイールBの構造化表面S上への溶融金属の流れの速度を制御するように比較的広い限度内で、例えば1mm〜10μmから選ぶことができる。幅Wが比較的大きいと、ホイールBの構造化表面上への溶融金属の流れの速度が相対的に大きくなり、所与のホイール速度において、作製されるストランドの断面が相対的に大きくなる。幅Wを狭くすると(これは或る坩堝Kを所望のノズル幅Wを有する別のものに置き換えることにより達成される)、ホイールBの構造化周面S上への溶融金属の流速が低減し、ホイールの同じ回転速度において、作製されるストランドの断面が相対的に小さくなる。
溶融金属に印加される圧力Pを用いて、流速を変えることもできる。比較的大きい圧力が比較的小さい圧力よりも大きい流速をもたらすことは明らかである。重力単独では通常、特にノズル開口部の幅Wが比較的小さい場合、適切な流れを確保するのに十分ではないことから、溶融金属をノズルNに通すのに最小圧力Pが常に必要とされる。実際、圧力がない場合は何らかの形のバルブが必要となり、溶融金属の流れを調節するバルブは技術的な課題であることから、この最小圧力は有益である。圧力差ΔPは使用する金属及び周方向のノズル開口部の幅に依存することに留意されたい。またこの圧力差はホイールの回転軸に対して平行方向のノズル開口部の長さにも依存する。ノズル開口部の長さは広い限度内で変動し得る。実験室での実験では、10mm〜12mmという値が有用であることが分かっている。作製の際にホイールの周面の軸幅に応じて極端に大きい長さを選択することができる。
図4に4つの溝又は凹部Gとその間のランドLとを含むホイールBの構造化周面Sを概略的に示している。概して遥かに多くの周方向に伸びる溝Gと、その間の周方向に伸びるランドLとが存在し、各ランドLは2つの周方向に伸びる凹部Gの間に配されている。各溝Gと隣接するランドLとの境界が周方向に伸びるエッジ又はコーナーを画定している。
溝又は凹部Gは半円形、対称v字形、非対称v字形、矩形及び台形を含む群から選択される断面形状を有することができ、この種の溝Gは図5、図8及び図15A〜図15C、並びに図17〜図23に示されている。更なる周方向に伸びるエッジ又はコーナーが溝Gの底に形成され、更に溶融金属が優先的に集まる位置を形成することができることが理解される。厳密には図15B及び図15Cに示されているようにランドが全く存在していなくてもよく、溝又は凹部Gはv字形のねじ山あるいはねじ溝に相当する断面を有することができ、実際このような溝Gは厳密にホイールBの周面の周りに伸びるか、又はピッチを有するねじの形をとるかのいずれかであり得る。比較的細目のねじ山には、それに応じた小さいピッチが適切である。
ランドが設けられる場合、その幅は概して1mm以下である。
図4から分かるように溝Gは幅x、ランドLは幅yを有し得る。これらの寸法には選択される寸法の比較的均一なストランドを作製するようプロセスを調整するのに柔軟性を持たせている。ノズル開口部Oが複数の溝Gに亘って広がっていることから、幅xに関連する溝の容量は溶融金属を集めるのに働き、ストランドのサイズに影響する。概してxが狭くなると、溝Gの容量が小さくなるとともに、作製されるストランドの断面が小さくなる。ランドLの幅yは溶融金属からの熱の除去に影響を及ぼし、またストランドの断面形状及びその長さにも影響する。
ここで行われた試験全体の目的は溶融紡糸プロセスによって、産業用途の直径がミクロン範囲の細い繊維、例えば軽量の機械的に強化されたテキスタイル(金属ストランドにより強化されたテキスタイル)、フィルター及び触媒活性材料を作製することができるかを調べることである。使用する実際の装置を図2及び図3に示す。ホイールBの設計とは別に、図2及び図3に示される装置はEdmund Buehler GmbH(ドイツ、ヘッヒンゲン)という会社から入手可能な市販の溶融紡糸機である。この装置は円筒部分12と、円筒部分12から離れた端に開閉式ポート16を備えた接線方向に伸びる回収管14とを含む金属チャンバ10からなるものである。円筒部分12の上のチャンバ10の短い円筒伸長部18内に、電熱系Iとガス圧供給部Pとを含む坩堝Kが取り付けられ、その坩堝にアルゴン等の加圧ガス、電力及び圧力Pを決定するガス流バルブの制御、加熱系Iの電力、並びにガス圧及び溶融物の温度等のパラメータのモニタリングのために必要な供給ラインが設けられている。ホイールBは円筒部分12の同心円上の内側に取り付けられ、円筒部分12の背面にフランジで接続された(flanged)電気モーター22により駆動する心棒20上のベアリング(図示せず)により支持されている(図3を参照されたい)。円筒部分の前面24、すなわち駆動モーター22と反対側の面26はガラスでできており、そのため紡糸プロセスをハイスピードカメラにより観察及び撮影することができる。チャンバ10は真空排気スタブ28を介する真空ポンプにより真空排気することができ、更なる給送スタブ30を介して不活性ガス又は反応性ガスの流れを供給することができる。そのため所望の温度及び圧力の所望の雰囲気をチャンバ10内において得ることができる。
ポート16を閉じるカバーはヒンジで接続されていても(hinged)、又は取り外し可能なガラスカバーであってもよく、必要に応じて円筒伸長部18に回収された材料を観察、除去及び撮影することが可能である。
下記の実験を行った。
比較例1
第1の実験では、溶融紡糸リボンを直径が200mmであり、平滑な周面32(図4に示される)を有し、直円柱の形をとる標準銅ホイールB上に作製した。Fe40Ni4020の溶融物が加熱系Iにより窒化ホウ素坩堝K内に形成される。坩堝Kは公称寸法、長さL=10mm及び幅W=0.4mmのスリットオリフィスを有する。金属が溶融したら、ガス圧を圧力源Pにより溶融ガスに印加することで、溶融金属をオリフィスに通して銅ホイールB上に排出させる。銅ホイールBを30Hzのホイール駆動周波数にて駆動モーターにより回転させた。金属サンプルの質量はおよそ10gであった。図7に示されるように、単一の連続したリボンが作製され、その長さは1mを超え、典型的な幅は9.3+1〜0.1mmであり、典型的な厚さは42+1〜2ミクロンであった。図7からこのように製造されたリボンの品質が良好であることが示されている。
使用される特定のパラメータは下記のとおりとした:
金属サンプルの重量 10g
ノズル開口部の長さL 10mm
ノズル開口部の幅W 0.4mm
ホイールの温度 室温
チャンバ内のガス アルゴン
チャンバ12内の圧力 400mbar
チャンバ12内のガス温度 室温
溶融金属の温度 1350℃
溶融金属に印加される圧力 200mbar(過圧)
ホイールの速度 30Hz
ホイールの直径 200mm
ホイールとオリフィスとの距離 0.2mm
説明例1
図2及び図3と同じ装置を用い、平滑な銅ホイールを、同じサイズであるが、直円柱表面に図8に示される構造を有する銅ホイールに置き換えた。次いで溶融紡糸プロセスを、比較例1と同じパラメータを用いて繰り返した。図8に示されるホイール構造の図面には、直径1mmの半円形断面の7つの溝と、1mmの間隔又は隣接する溝対間のランドとが含まれている。図9から分かるように、得られるストランドはホイールの表面構造に従って成形されたリボンの形をとった。ストランドの典型的な長さは僅か数cmであり、幅は約2mm〜約9mmで変動した。およそ200ミクロンの厚さを、厚さ計を用いて測定したが、正確な測定はリボンの湾曲及び脆性により妨げられた。リボンの脆性はその結晶構造に起因するものであると考えられ、結晶構造はホイールとリボンとの不十分な熱結合による影響を受けたと考えられる。図8の構造化ホイールの使用により作製されるリボンを図9の写真に示す。
図9に示される溶融紡糸リボンの微小構造を調べるために、SEM画像を低倍率で取得した。典型例を図10に示し、それにより溝内でのリボンの部分的な破断が明らかとなった(溝間のウェブにおける材料では起こらなかった)。本発明例1で得られるリボンはかなりの均一性を有し、このことはストランドの集合体は個々のストランドの長さが互いに実質的に平行であり、実質的に同じような長さを備える好ましい配向あるいは向きを有していることを意味する。
本発明例1
本実施例の目的は、ホイール表面と坩堝Kのオリフィスとの間のホイール上に形成される液体プールの量を低減することにより銅ホイール上の液体溶融物の破断を促すことで、単一リボンを細くすることであった。この概念はリボン材料の破断を促し完成させることで、半円形の溝の間の平坦な表面上に幅1mmの単一リボンが作製されるという認識に基づくものであった。本実施例では、これを説明例1と同じ構造化表面及び比較例1と同じパラメータセットを用いるが、ホイールBの回転速度を37.5m/sというホイールの表面速度に相当する60Hzまで増大することにより達成した。得られるリボンを図11に示す。この図から分かるように、この実験では幅狭のリボンが得られた。リボンの長さはおよそ10cmであり、典型的な幅は1.3±0.5mmであり、典型的な厚さは31±8ミクロンであった。約30%の初期質量が幅約1mmのリボンに変換されたことが分かった。残りの製品はこの材料(Fe40Ni4020)のフレーク及び典型的な長さが約1cmの崩壊リボン材料を含んでいた(図11には示していない)。
図11の写真に示されるストランドの質量及びサイズ分布により、図12に示される下記の結果が生じた:
総質量=9.70g(100%)
凝集ストランドの質量=2.83g(29%)
ストランドの長さ:数センチメートル(10cm)
典型的な幅:およそ1.3mm
残りの材料の質量:6.73g(69%)
材料の損失質量=0.14g(1%)
図12の図面は、材料の有用なストランドでは、ストランドの大部分が幅200μm〜500μmの範囲のサイズ分布となっていたことを示している。
本発明例2
本実施例では、本発明例1と同じ基本設定を保持したが、紡糸ホイール上への溶融物の堆積速度を低減するために、溶融物に対する圧力を100mbarまで下げた。これにより2種類の金属ストランドが生じた:直径が均質であり、長さが数cmである類似のストランドの凝集形態の金属ストランド、及び残りの繊維製品全てを含む繊維混合物の形態のストランド。
下記の結果が得られた:
総質量 6.06g(100%)
凝集ストランドの質量 4.18g(69%)
平均幅 389μm±167μm
平均厚さ 28μm±7μm
ストランドの長さ およそ10cm
残りの混合物 1.66g(27%)
長さ 数mm
平均幅 およそ20μm
材料損失 0.22g(4%)
図11は本発明例2の構造化ホイール及びスリットオリフィスを用いて作製されたFe40Ni4020リボンを示しており、図12は得られる材料の60%を構成する有用な金属ストランドの狭いサイズ分布を示している。
図13は金属混合物、すなわち本発明例3の有用なストランドの別の特性評価を示している。図14は幅が500μm未満のストランドの分布を示している。示されるように、大部分のストランドは幅が1μm〜50μmの範囲である。図14の第2の図は1μm〜150μmの範囲の幅に対するストランドの分布を示しており、大部分のストランドは幅が4μm〜40μmの範囲であることが分かる。
本発明例3
この場合に用いられるパラメータは下記のとおりとした:
材料 鉛(Pb)
銅ホイールの表面構造、サイズ及び回転速度 本発明例1と同じ
このように作製されたリボンを図16Aに示す。
本発明例4
この場合に用いられるパラメータは下記のとおりとした:
材料 アルミニウム(Al)
下記に構造化ホイールを使用して溶融紡糸プロセスの異なるパラメータを用いることで作製される繊維の更なる実施例を与える。下記の実施例では全て、ホイールは図17に概略的に示される様々な溝構成を有する銅ホイールであり、この図には溝トポグラフィーが溶融物でどのように濡れるかも一緒に示されている。
実施例5
この実験で作製されたテクスチャリボンは、この実施例5に用いられる溝の拡大断面プロファイルとともに溝幅を示している図18の様々な倍率の写真に示されている。溝のプロファイルは一定の縮尺で示されている。左上の写真のスケールバーは50mmであり、右上の写真のスケールバーは5mmである。プロファイル図のスケールバーは1mmの長さを示している。実験MS03について図17の対応するプロファイル図と同じであるホイールについてのプロファイル図では、金属膜がロールの賦形表面全体に亘り層を形成することが分かる。
実施例6
この実験で作製されたテクスチャリボンは、この実施例6に用いられる溝の拡大断面プロファイルとともに溝幅を示している図19の様々な倍率の写真に示されている。溝のプロファイルは一定の縮尺で示されている。左上の写真のスケールバーは10mmであり、右上の写真のスケールバーは1mmである。プロファイル図のスケールバーは1mmの長さを示している。実験MS23について図17の対応するプロファイル図と同じであるホイールについてのプロファイル図では、金属膜がロールの賦形表面の一部に亘り幅が不規則な層を形成することが分かる。
実施例7
この実験で作製された繊維は、この実施例7に用いられる溝の拡大断面プロファイルとともに溝幅を示している図20の様々な倍率の写真に示されている。溝のプロファイルは一定の縮尺で示されている。上の写真のスケールバーは10mmである。プロファイル図のスケールバーは1mmの長さを示している。実験MS34について図17の対応するプロファイル図と同じであるホイールについてのプロファイル図では、金属膜が分割しており、ランドに隣接する凹部又は溝のエッジに集まっていることが分かる。
実施例8
この実験で作製された繊維は、この実施例8に用いられる溝の拡大断面プロファイルとともに溝幅を示している図21の様々な倍率の写真に示されている。溝のプロファイルは一定の縮尺で示されている。プロファイル図のスケールバーは250μmを示している。上の写真のスケールバーは10mmである。実験MS31について図17の対応するプロファイル図と同じであるホイールについてのプロファイル図では、金属膜が分割しており、ランドに隣接する凹部又は溝のエッジに集まっていることが分かる。
実施例9
この実験で作製された繊維は、この実施例9に用いられる溝の拡大断面プロファイルとともに溝幅を示している図22の様々な倍率の写真に示されている。溝のプロファイルは一定の縮尺で示されている。上の写真のスケールバーは10mmである。プロファイル図のスケールバーは1mmの長さを示している。実験MS37について図17の対応するプロファイル図と同じであるホイールについてのプロファイル図では、金属膜が分割しており、ランドに隣接する凹部又は溝のエッジに集まっていることが分かる。
実施例10
この実験で作製された繊維は、この実施例10に用いられる溝の拡大断面プロファイルとともに溝幅を示している図23の様々な倍率の写真に示されている。溝のプロファイルは一定の縮尺で示されている。左上の写真のスケールバーは10mmであり、右上の写真のスケールバーは200μmであり、左下の写真のスケールバーは1000μmである。プロファイル図のスケールバーは250μmの長さを示している。実験MS33について図17の対応するプロファイル図と同じであるホイールについてのプロファイル図では、金属膜が分割しており、凹部又は溝のアピックス、すなわち、エッジに集まっていることが分かる。
実施例11
実施例5〜実施例11全ての値は他の関連値とともに実験番号で分類されている図17の表に概説されており、図17には各実験に使用されるホイールの溝表面のプロファイルを示すスケッチが含まれている。

Claims (25)

  1. 金属の細長いストランドを作製する装置であって、該装置は周方向に伸びるエッジ及び該エッジの間に形成される又は該エッジに挟まれた凹部(G)を備える周面(S)を有する回転式ホイール(B)と、溶融金属を前記周面(S)上へと方向付けるノズル開口部を備えた少なくとも1つのノズル(N)と、前記溶融金属から前記周面上に形成された金属の凝固ストランドを、前記ホイール(B)の回転により生じる遠心力により前記周面(S)から分離して回収する回収手段(14)とを備え、また前記ノズル(N)は前記ホイール(B)の周回転方向(C)の前記ノズル開口部の幅(W)と該幅(W)よりも大きい前記ホイールの周面に対して横断方向の長さとを備える矩形断面を有すること、及び前記ノズル開口部を通って液体金属を移動させ、該液体金属を前記回転式ホイール(B)の周面(S)へと送達させる、前記液体金属へと印加されるガス圧(P)を制御するための装置が設けられていることを特徴とする、装置。
  2. 前記ノズル開口部の幅(W)が1mm〜10μmの範囲、好ましくは400μm〜10μm、特に200μm〜10μm、最も好ましくは100μm〜10μmの範囲にある、
    請求項1に記載の装置。
  3. 前記エッジを画定する周方向の前記凹部のラジアルデプスが50μmより大きい、好ましくは50μm〜1000μmの範囲である、
    請求項1又は2に記載の装置。
  4. 前記エッジを画定する周方向の前記凹部の幅が1000μm〜50μmの範囲、特に1000μm〜100μmの範囲である、
    請求項1〜3のいずれか一項に記載の装置。
  5. 前記ホイールの周面の周囲に伸びるランド(L)が存在し、各ランド(L)は2つの周方向に伸びる凹部(G)の間に配される、 請求項1〜4のいずれか一項に記載の装置。
  6. 前記凹部(G)が半円形、対称v字形、非対称v字形、矩形及び台形を含む群から選択される断面形状を有する、
    請求項1〜5のいずれか一項に記載の装置。
  7. 前記ランド(l)の幅が1mm以下である、請求項5又は6に記載の装置。
  8. 前記金属ストランドは幅が200μm〜1μm未満、好ましくは150μm〜1μm未満、特に50μm未満〜1μm未満のリボン形態を有する、
    請求項1〜7のいずれか一項に記載の装置。
  9. 前記金属ストランドの厚さが50μm〜1μm未満、特に40μm以下である、
    請求項1〜8のいずれか一項に記載の装置。
  10. 前記金属ストランドの少なくとも1つの横断寸法が50μm以下であり、かつ長さが該少なくとも1つの横断寸法よりも少なくとも10倍大きい、
    請求項1〜9のいずれか一項に記載の装置。
  11. 前記回転式ホイール(B)が好ましくは例えば−100℃〜+200℃の範囲の温度に温度制御されている、
    請求項1〜10のいずれか一項に記載の装置。
  12. 前記ホイール(B)が金属、例えば銅若しくはアルミニウム、若しくは金属合金、若しくはセラミック材料、若しくはグラファイトでできているか、又は金属、若しくは金属合金、若しくはセラミック材料、若しくはグラファイト、若しくは蒸着炭素でできている層若しくはタイヤを有する基材のホイール、例えばグラファイト層を有する銅ホイールである、
    請求項1〜11のいずれか一項に記載の装置。
  13. 前記ホイールが、空気及び不活性ガスの少なくとも一方の大気を含むチャンバ(12)内で回転するように取り付けられている、
    請求項1〜12のいずれか一項に記載の装置。
  14. 前記ホイールが、環境大気圧に相当する圧力又は環境圧力より低い圧力の大気を含むチャンバ(12)内で回転するように取り付けられている、
    請求項1〜13のいずれか一項に記載の装置。
  15. 前記ホイールが、環境圧力より高い圧力の大気を含むチャンバ(12)内で回転するように取り付けられている、
    請求項1〜13のいずれか一項に記載の装置。
  16. 前記ノズル(N)を介して前記表面上に溶融金属を堆積させる前に周方向に伸びる表面から境界層のガスを逸らすのに、前記ホイールの回転方向の前記ノズル(N)の上流にデフレクターを設ける、
    請求項1〜15のいずれか一項に記載の装置。
  17. 前記溶融金属に印加される前記ガス圧(P)が前記ノズル(N)の外側の圧力に対して50mbar〜1bar高い圧力範囲に選択される、
    請求項1〜16のいずれか一項に記載の装置。
  18. 前記ノズル(N)は前記ホイール(B)の周回転方向(C)の前記ノズル開口部の幅(W)が1mm未満の矩形断面を有し、前記ノズル開口部の前記ホイールの周面に対して横断方向の長さが好ましくは前記幅(W)より大きい、
    請求項1に記載の装置。
  19. モーター(22)は直径が200mmの銅ホイールにおいて85Hzより大きい周波数にて、好ましくは85Hz〜200Hzの範囲の周波数にて、すなわちより一般的には54m/s〜137m/sの範囲の周速度にて前記ホイール(B)を駆動させるように適合されている、
    請求項1〜18のいずれか一項に記載の装置。
  20. 前記ホイール(B)の周面(S)が、作製される前記ストランドの長さを制御する横断方向に伸びる特徴部を有する、
    請求項1〜19のいずれか一項に記載の装置。
  21. 前記ホイール(B)が前記溶融金属と容易に結合しないように前記ホイール(B)の材料が選択される、例えばFe40Ni4020合金の場合は銅ホイールが選択される、
    請求項1〜20のいずれか一項に記載の装置。
  22. 請求項1〜21のいずれか一項により構造化されて請求項1〜21のいずれか一項に記載の装置における使用に適合された、ホイール。
  23. 50μm以下の少なくとも1つの横断寸法と、該少なくとも1つの横断寸法より少なくとも10倍大きい長さとを任意に備える金属の細長いストランドを作製する方法であって、該方法は、ホイール(B)の周回転方向(C)のノズル開口部の幅(W)と該幅(W)よりも大きい該ホイールの周面に対して横断方向の長さとを備える矩形断面を有するノズル(N)を通して溶融金属を液体金属にガス圧(P)を印加することにより回転式ホイール(B)の周面(S)上に方向付けることで、前記ノズル開口部を通って該液体金属を移動させ、該液体金属を前記回転式ホイールの周面(S)に送達する工程と、前記回転式ホイールの周面(S)に周方向に伸びるエッジ及び該エッジの間に形成される又は該エッジに挟まれた凹部(G)を設ける工程と、前記溶融金属から前記周面上に形成された金属の凝固ストランドを、前記ホイール(B)の回転により生じる遠心力により前記周面(S)から分離して回収する工程とを含み、また前記方法は前記ノズル開口部の幅(W)を制御する工程と、前記液体金属に印加されるガス圧(P)を制御することで、前記ノズル開口部を通って該液体金属を移動させ、該液体金属を前記回転式ホイールの周面に送達する工程と、前記ホイールの回転速度を制御することで、前記エッジの間に形成される又は該エッジに挟まれた前記周方向に伸びるエッジで作用する力により前記液体金属が集まるレベルまで金属依存的に前記ホイールの周面(S)上への溶融金属の流れを低減する工程と、これらのエッジを用いて、前記エッジに前記溶融金属(A)を集めることで、所望の金属の細長いストランドを作製する工程とを含む、方法。
  24. 金属の前記流れは、前記細長いストランドの幅が200μm〜1μm未満、好ましくは150μm〜1μm未満、特に50μm未満〜1μm未満となるレベルまで低減される、
    請求項23に記載の方法。
  25. 前記金属のストランドの厚さが50μm〜1μm未満、特に40μm以下である、
    請求項23又は24に記載の方法。
JP2016575664A 2014-08-07 2015-08-06 金属の細長いストランドを作製する装置及び回転式ホイール Active JP6466975B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
EP14180273.6 2014-08-07
EP14180273.6A EP2982460A1 (en) 2014-08-07 2014-08-07 Apparatus and method of manufacturing metallic or inorganic strands having a thickness in the micron range by melt spinning
PCT/EP2015/068194 WO2016020493A1 (en) 2014-08-07 2015-08-06 Apparatus and method of manufacturing metallic or inorganic strands having a thickness in the micron range by melt spinning

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017523049A true JP2017523049A (ja) 2017-08-17
JP6466975B2 JP6466975B2 (ja) 2019-02-06

Family

ID=51355424

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016575664A Active JP6466975B2 (ja) 2014-08-07 2015-08-06 金属の細長いストランドを作製する装置及び回転式ホイール

Country Status (6)

Country Link
US (1) US10987728B2 (ja)
EP (2) EP2982460A1 (ja)
JP (1) JP6466975B2 (ja)
KR (2) KR20170012441A (ja)
CN (1) CN106470783B (ja)
WO (1) WO2016020493A1 (ja)

Families Citing this family (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11179870B1 (en) * 2015-05-18 2021-11-23 Trusscore Inc. Apparatus, methods, and systems for mixing and dispersing a dispersed phase in a medium
EP3141320A1 (en) 2015-09-11 2017-03-15 Max-Planck-Gesellschaft zur Förderung der Wissenschaften e.V. Apparatus and method of manufacturing metallic or inorganic fibers having a thickness in the micron range by melt spinning
CN107363233B (zh) * 2017-08-05 2019-02-22 芜湖君华材料有限公司 一种非晶合金磁性带材成型冷却收集方法
EP3598526A1 (en) 2018-07-17 2020-01-22 Max-Planck-Gesellschaft zur Förderung der Wissenschaften e.V. Network of metal fibers, method for producing a network of metal fibers, electrode and battery
KR20220007080A (ko) * 2019-05-10 2022-01-18 막스-플랑크-게젤샤프트 츄어 푀르더룽 데어 비쎈샤프텐 에.파우. 금속 스트랜드를 제조하는 방법 및 금속 스트랜드를 제조하기 위한 장치
CN110315464B (zh) * 2019-08-06 2020-09-29 哈尔滨理工大学 一种基于电化学沉积的金属微构件拾取方法
EP3982460A4 (en) 2019-11-07 2022-08-10 LG Energy Solution, Ltd. METHOD OF MAKING A LITHIUM SECONDARY BATTERY
EP3934405A1 (en) 2020-07-02 2022-01-05 Max-Planck-Gesellschaft zur Förderung der Wissenschaften e.V. Composite material and shielding against electromagnetic radiation
EP4000710A1 (en) 2020-11-20 2022-05-25 Max-Planck-Gesellschaft zur Förderung der Wissenschaften e.V. Filter
WO2022237966A1 (en) 2021-05-11 2022-11-17 MAX-PLANCK-Gesellschaft zur Förderung der Wissenschaften e.V. Network of metal fibers and method of assembling a fiber network
WO2022237967A1 (en) 2021-05-11 2022-11-17 MAX-PLANCK-Gesellschaft zur Förderung der Wissenschaften e.V. Electrode and battery
EP4106037A1 (en) 2021-06-16 2022-12-21 Max-Planck-Gesellschaft zur Förderung der Wissenschaften e.V. Method of producing an electrode, electrode, dry coating composition, battery and electronic circuit
WO2023104295A1 (en) 2021-12-07 2023-06-15 MAX-PLANCK-Gesellschaft zur Förderung der Wissenschaften e.V. Lithium metal electrode, method of manufacturing a lithium ion electrode and lithium ion battery
EP4368314A1 (en) 2022-11-11 2024-05-15 batene GmbH Three-dimensional network of metal fibers and production method
EP4368384A1 (en) 2022-11-11 2024-05-15 batene GmbH Composite network structure
CN116037698B (zh) * 2023-02-07 2023-07-21 浙江菲尔特过滤科技股份有限公司 一种基于辊锻的金属纤维加工设备及加工方法

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6196046A (ja) * 1984-06-07 1986-05-14 アライド・コ−ポレ−シヨン 急速固化したマグネシウムを基体とする高強度合金の製造法
JPH06346116A (ja) * 1993-04-12 1994-12-20 Nippon Steel Corp 短尺金属薄帯製造用金属ロール
JPH10180422A (ja) * 1996-12-12 1998-07-07 Shokan Seki 非晶質金属繊維の製造装置およびその方法
JP2000317590A (ja) * 1999-05-14 2000-11-21 Nhk Spring Co Ltd 金属細線製造装置
JP2002059246A (ja) * 2000-05-30 2002-02-26 Seiko Epson Corp 冷却ロール、薄帯状磁石材料、磁石粉末およびボンド磁石
US6626228B1 (en) * 1998-08-24 2003-09-30 General Electric Company Turbine component repair system and method of using thereof

Family Cites Families (23)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US2824198A (en) 1953-05-22 1958-02-18 Bulova Watch Co Inc Program timer
US2825108A (en) 1953-10-20 1958-03-04 Marvaland Inc Metallic filaments and method of making same
US2825198A (en) 1955-02-01 1958-03-04 Thoma Company G M B H Mounting for the suction tube and the clearer in spinning machines
US2910744A (en) 1955-12-23 1959-11-03 Marvaland Inc Apparatus for producing metal filaments
US2910724A (en) 1956-07-03 1959-11-03 Collins & Aikman Corp Apparatus for producing patterned foam rubber coated fabrics
US2976590A (en) 1959-02-02 1961-03-28 Marvalaud Inc Method of producing continuous metallic filaments
US4190095A (en) * 1976-10-28 1980-02-26 Allied Chemical Corporation Chill roll casting of continuous filament
US4221257A (en) * 1978-10-10 1980-09-09 Allied Chemical Corporation Continuous casting method for metallic amorphous strips
JPS57132372A (en) * 1981-02-09 1982-08-16 Univ Tohoku Manufacture of p-n junction type thin silicon band
JPS60121049A (ja) 1983-12-02 1985-06-28 Nippon Steel Corp 金属線材の製造方法
US4804153A (en) * 1985-06-26 1989-02-14 Sumitomo Electric Industries, Ltd. Method and apparatus for withdrawing long-sized objects
CN1004339B (zh) * 1985-06-29 1989-05-31 阿莱德公司 运动细丝钳位和切割联合系统
WO1987002284A1 (en) * 1985-10-11 1987-04-23 Battelle Development Corporation Direct strip casting on grooved wheels
USRE33327E (en) * 1986-01-16 1990-09-11 Ribbon Technology Corporation Melt overflow system for producing filamentary and film products directly from molten materials
US4813472A (en) * 1986-01-16 1989-03-21 Ribbon Technology Corporation Melt overflow system for producing filamentary and film products directly from molten materials
CN1044247A (zh) * 1989-01-20 1990-08-01 戈麦尔综合技术学院 制造金属线的方法和实施这种方法的设备
US5096513A (en) * 1989-09-01 1992-03-17 Kabushiki Kaisha Toshiba Very thin soft magnetic alloy strips and magnetic core and electromagnetic apparatus made therefrom
JPH09271909A (ja) * 1996-04-05 1997-10-21 Nippon Steel Corp 急冷金属薄帯製造用冷却基板
KR100343368B1 (ko) 2000-02-22 2002-07-15 박양자 금속섬유 제조장치 및 방법
JP3611107B2 (ja) 2000-04-12 2005-01-19 セイコーエプソン株式会社 冷却ロール
JP3728396B2 (ja) * 2000-04-12 2005-12-21 セイコーエプソン株式会社 磁石材料の製造方法
CN2508876Y (zh) * 2001-11-02 2002-09-04 浙江朝日科磁业有限公司 凹凸面冷却辊
CN103706770B (zh) * 2013-12-09 2016-08-17 北京工业大学 一种圆盘式单辊甩带制备非晶合金薄带的方法

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6196046A (ja) * 1984-06-07 1986-05-14 アライド・コ−ポレ−シヨン 急速固化したマグネシウムを基体とする高強度合金の製造法
JPH06346116A (ja) * 1993-04-12 1994-12-20 Nippon Steel Corp 短尺金属薄帯製造用金属ロール
JPH10180422A (ja) * 1996-12-12 1998-07-07 Shokan Seki 非晶質金属繊維の製造装置およびその方法
US6626228B1 (en) * 1998-08-24 2003-09-30 General Electric Company Turbine component repair system and method of using thereof
JP2000317590A (ja) * 1999-05-14 2000-11-21 Nhk Spring Co Ltd 金属細線製造装置
JP2002059246A (ja) * 2000-05-30 2002-02-26 Seiko Epson Corp 冷却ロール、薄帯状磁石材料、磁石粉末およびボンド磁石

Also Published As

Publication number Publication date
US20170209918A1 (en) 2017-07-27
EP2982460A1 (en) 2016-02-10
CN106470783B (zh) 2019-11-05
EP3142813A1 (en) 2017-03-22
CN106470783A (zh) 2017-03-01
US10987728B2 (en) 2021-04-27
KR20190029793A (ko) 2019-03-20
EP3142813B1 (en) 2019-12-04
WO2016020493A1 (en) 2016-02-11
KR101990787B1 (ko) 2019-09-30
KR20170012441A (ko) 2017-02-02
JP6466975B2 (ja) 2019-02-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6466975B2 (ja) 金属の細長いストランドを作製する装置及び回転式ホイール
JP6513289B2 (ja) メルトスピニングによりミクロン範囲の厚みを有する金属繊維または無機繊維を製造する装置および方法
JPS6046846A (ja) 結晶質金属の連続ストリツプ製造方法
US11980932B2 (en) Method of producing metal strands and apparatus for producing metal strands
JPS5942586B2 (ja) 金属の連続ストリップ製造装置
EP3741478A1 (en) Method of producing metal strands and apparatus for producing metal strands
US20230271250A1 (en) Nozzle and method for forming microdroplets
SU1731413A1 (ru) Устройство дл непрерывного получени металлической ленты
JPS649907B2 (ja)
JPH0113945B2 (ja)
JPH0260751B2 (ja)
JPH0260750B2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170417

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180514

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180522

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20180822

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20181022

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20181211

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190110

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6466975

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250