JP2017521379A - 酢酸およびジメチルエーテルの併産用プロセス - Google Patents
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Abstract
少なくとも一つの触媒の存在下、メタノールおよび酢酸メチルの供給原料混合物の脱水‐加水分解により酢酸およびジメチルエーテルを含む粗反応生産物を生成する、酢酸およびジメチルエーテルを併産するためのプロセスであり、メタノールおよび酢酸メチルを含む該併産プロセスに対する該供給原料は全供給原料に基づき、総量が25モル%またはそれ未満のジメチルエーテルを含む、プロセス。【選択図】図1
Description
本発明は、酢酸およびジメチルエーテルの併産用プロセスに関し、および特に生産物への向上した転化率を備えた酢酸およびジメチルエーテルの併産用プロセスに関する。
酢酸およびジメチルエーテルの併産用プロセスは、メタノールおよび酢酸メチルの混合物の触媒による脱水および加水分解によって実施され得る。このような併産プロセスは公知であり、例えばWO 2011/027105、WO 2013/124404およびWO 2013/124423により公知である。
WO2011/027105には、酢酸およびジメチルエーテルの併産用プロセスであって、メタノールおよび酢酸メチルを触媒組成物と、140〜250℃の範囲の温度で接触させることにより実施し、ここで触媒組成物は、一つの10員環を有する少なくとも一つのチャンネルを含む、2−次元チャンネルシステムを有するゼオライトを含むプロセスが記載される。
WO2013/124404には、メタノールおよび酢酸メチルの混合物から酢酸およびジメチルエーテル生産物を併産するためのプロセスであって、混合物を、200〜260℃の範囲の温度で、一つの10員環を有する少なくとも一つのチャンネルを含む2−次元チャンネルシステムを保持し且つシリカ対アルミナモル比が少なくとも22:1を保持するゼオライトを含む触媒組成物と接触させることにより実施されるプロセスが記載される。
WO2013/124423には、メタノールおよび酢酸メチルの混合物をゼオライト触媒の存在下接触させることによる酢酸およびジメチルエーテルの生産プロセスであり、該ゼオライト触媒が一つの10員環を有する少なくとも一つのチャンネルを含む2‐次元チャンネルシステムを有し、且つ一つ以上のアルカリ金属陽イオンに占められた陽イオン交換容量の少なくとも5%を有するプロセスが記載される。
酢酸メチル供給原料およびメタノール供給原料から酢酸およびジメチルエーテルを生産する併産プロセスは以下の式(1)および(2)にて表すことができる:
このような併産プロセスに使用するのに適切な原料は、例えばカルボニル化触媒の存在下、ジメチルエーテルを一酸化炭素とカルボニル化して酢酸メチルを生産するプロセスから誘導された酢酸メチル含有流とすることができる。このタイプのカルボニル化プロセスは公知であり、例えばUS7,465,822、WO2008/132441およびWO2008/132438から公知である。しかしながら、このようなプロセスを稼働すると粗生産物流が生じることになり、これは、上述したタイプの併産プロセスに直接使用するには準最適であり、特に、これら粗生産物流は大量のジメチルエーテルを含み、例えば低い一酸化炭素分圧条件下で稼働されたカルボニル化プロセスにおいて形成された粗生産物流などであることが今回見出された。
さらに、上述したような併産プロセスに対して、かなり高レベルのジメチルエーテルを含む粗酢酸メチル供給流を直接使用することは、ジメチルエーテル生産物および/または酢酸生産物の形成を抑止することを見出した。この欠点は、さらにジメチルエーテルを典型的に含み、且つ25モル%を超える量で存在し得る商業的メタノール原料を使用することによってさらに悪化させる場合がある。
したがって、メタノール流および酢酸メチル流から、酢酸およびジメチルエーテルを併産するための改良されたプロセスであって、このプロセスは少なくともジメチルエーテル生産物に対して改良された転化率を有するプロセスであり、特に、カルボニル化触媒の存在下、ジメチルエーテルを一酸化炭素でカルボニル化するためのプロセスより誘導されたメタノール流および酢酸メチル流から、酢酸およびジメチルエーテルを併産するための改良されたプロセスに対するニーズが依然として存在する。
したがって、本発明は、酢酸およびジメチルエーテルの併産プロセスを提供するものであり、そのプロセスは、少なくとも一つ以上の触媒の存在下メタノールおよび酢酸メチルの供給原料混合物の脱水‐加水分解により、酢酸およびジメチルエーテルを含む粗反応生産物を生成し、ここでメタノールおよび酢酸メチルを含むその併産プロセスに対する供給原料は全供給原料に基づき、総量で25モル%またはそれ未満のジメチルエーテルを含む。
本発明の好適な実施形態において、併産プロセスに対する供給原料はジメチルエーテルを15モル%またはそれ未満、例えば10モル%またはそれ未満、好適には5モル%またはそれ未満の総量で有する。
本発明の一つ以上の実施形態において、併産プロセス用の酢酸メチル供給原料は酢酸メチルおよびジメチルエーテルを含む。適切には、酢酸メチル供給原料はカルボニル化触媒、例えばゼオライトカルボニル化触媒および任意に水素の存在下、ジメチルエーテルを一酸化炭素とカルボニル化して、酢酸メチルおよびジメチルエーテルを含む粗酢酸メチル流を生産するプロセス中で生産された粗酢酸メチル流から誘導されるものであり、この粗酢酸メチル流は処理されてそのジメチルエーテル含量を減少させ、併産プロセスに対する酢酸メチル供給原料を提供し、この原料は、ジメチルエーテルを0より大〜25モル%、例えば0より大〜15モル%、例えば0より大〜10モル%、好適には0より大〜5モル%の量で含む。
本発明の好適な実施形態において、酢酸メチルおよびジメチルエーテルを含む粗酢酸メチル流は蒸留、好適に分留を用いて、粗酢酸メチル流の内部のジメチルエーテル含量が減少するよう処理される。好適には、これらの実施形態において、粗酢酸メチル流は分留によって蒸留カラム内で処理され、ここで
(i)ジメチルエーテルはカラムのヘッド流として回収され;および
(ii)酢酸メチルはカラムからのベース流として回収され;およびこのベース流またはその一部は併産プロセスに対する酢酸メチル供給原料として利用される。
(i)ジメチルエーテルはカラムのヘッド流として回収され;および
(ii)酢酸メチルはカラムからのベース流として回収され;およびこのベース流またはその一部は併産プロセスに対する酢酸メチル供給原料として利用される。
したがって、有利には、本発明は貴重なジメチルエーテルを回収する便利な手段を可能にし、このジメチルエーテルは、所望であれば、例えば酢酸メチルの生産のためのカルボニル化プロセスに、あるいはその他の化学プロセスにおける、供給原料として再利用することができる。
本発明の一つ以上の実施形態において、併産プロセスは、統合化されたプロセスの部分を形成し、この統合化プロセスは、ゼオライト触媒の存在下、ジメチルエーテルを一酸化炭素含有ガスでカルボニル化するプロセスを含み、ここで、ジメチルエーテル転化率が、カルボニル化反応に対する全供給原料に基づき一通過当たり、1〜95%、例えば5〜90%、例えば5〜60%であるカルボニル化反応により、酢酸メチルおよびジメチルエーテル、例えば5〜50モル%量のジメチルエーテルを含む粗カルボニル化生産物流を生産し;粗カルボニル化生産物から酢酸メチルおよびジメチルエーテルを含む粗酢酸メチル流を回収し;粗酢酸メチル流またはその一部を、適切には蒸留により処理して、ジメチルエーテルが大部分を占める流れおよび酢酸メチルおよびジメチルエーテルの減少した量を含む流れを回収し、且つこの流れおよびその一部であって、酢酸メチルおよびジメチルエーテルの減少した量、適切には全供給原料に基づいて0より大〜25モル%の範囲のジメチルエーテルを含んでいる流れおよびその一部は、併産プロセスに対する原料として使用される。好適には、これらの実施形態において、酢酸メチルおよび減少した量のジメチルエーテルを含む流れはジメチルエーテルを、プロセスに対する全供給原料に基づいて例えば0より大〜15モル%、例えば0より大〜10モル%、好適には0より大〜5モル%の量で含む。これらの実施形態において、粗酢酸メチル流はさらに汚染物質、例えばアセトンおよびアセトアルデヒドの片方または両方を、合計で0より大〜1モル%、例えば0より大〜0.25モル%の量で含み得る。蒸留されるべき粗酢酸メチル流に存在する大部分を占めるアセトアルデヒドを含む流れは蒸留から回収されることができ、この流れは別個の流れ、例えばサイド・ドロー流として蒸留から回収されることができ、且つ好ましくは回収される。適切には、これらの実施形態において、メタノールおよびジメチルエーテルを含むメタノール流は粗酢酸メチル生産物流と共に蒸留され、適切には、蒸留からのベース流として、酢酸メチル、メタノールおよびジメチルエーテルを含む流れを回収し、この回収された流れは併産プロセス用の混合された供給原料として使用される。これらの実施形態において、メタノールおよびジメチルエーテルを含むメタノール流はさらに汚染物質としてギ酸メチルを、例えば0より大〜1000ppmの量で含み且つ大部分ギ酸メチルを含む流れは蒸留装置から、適切にはサイド・ドロー流として回収される。これらの実施形態において、併産プロセスに対する供給原料はさらに酢酸、水および汚染物質を一つ以上含み、該汚染物質は例えばアセトアルデヒド、アセトンおよびギ酸メチルの一つ以上を、合計で0〜1モル%、例えば0〜0.25モル%の量で含む。適切には、これらの実施形態において、蒸留から回収された流れおよびその一部は大部分がジメチルエーテルを含み、供給原料としてその内部でカルボニル化反応に使用するために戻される。
上述したように、触媒の存在下一酸化炭素でジメチルエーテル供給原料をカルボニル化することにより酢酸メチルを調製するプロセスは公知であり、例えばUS7,465,822、WO2008/132438およびWO2008/132441から公知である。
ジメチルエーテルを一酸化炭素でカルボニル化して粗酢酸メチルを生産するプロセスは不均質気相プロセスとして実施されることができ、典型的には約100〜350℃、例えば約250℃〜350℃の温度および約1〜200バール(barg)(100kPa〜20,000kPa)、例えば約50〜100バール(barg)(5000kPa〜10,000kPa)の全圧の反応条件を用いて実施することができる。
典型的には、カルボニル化プロセスは適切なカルボニル化触媒、例えばゼオライトカルボニル化触媒の存在下実施される。適切なゼオライト触媒はアルミノシリケートゼオライトを含み、これは8員環により規定される少なくとも一つのチャンネルを含む。好適には8員環により規定されるチャンネルは、複数の10員または12員を有する一つの環により規定される少なくとも一つのチャンネルと相互接続される。カルボニル化プロセスに使用される非限定的な適切なアルミノシリケートの具体例として、骨格構造型MOR(例えばモルデナイト)、FER(例えばフェリエライト)、OFF(例えばオフレタイト)およびGME(例えばグメリナイト)のゼオライトが挙げられる。
ゼオライトは、一つ以上の金属、例えば銅、銀、ニッケル、コバルト、イリジウム、パラジウム、ロジウムおよび白金の一つ以上の陽イオンによる交換型でカルボニル化プロセスに使用され得る。銅および/または銀を含むモルデナイトゼオライト且つアルミニウムに対して0.05〜10モル%の白金を担持されたゼオライトについては、ヨーロッパ特許出願、EP‐A‐1985362に記載される。あるいは、実質的に水素型で使用可能である。
合成されたままのゼオライトは典型的には粉末形態であり、従って、機械的強度を提供するために、ゼオライト触媒は任意の適切な結合材料との複合材料としてカルボニル化プロセスに使用され得る。結合材料はゼオライトがカルボニル化プロセス条件下で適切に活性化され且つ長持ちするように選択される。適切な結合材料の具体例は、無機酸化物、例えば、シリカ、アルミナ、アルミナ‐シリケート、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム・マグネシウム、チタニアおよびジルコニアが挙げられる。好適な結合材料はアルミナ、アルミナ‐シリケートおよびシリカを含む。
ゼオライト触媒の活性を維持するために、カルボニル化プロセスは好適には、水がほとんどない条件下で実施される。したがって、このプロセスに対する供給原料、例えばジメチルエーテルおよび一酸化炭素は、プロセスに使用する前に乾燥されてプロセスに提供される水の全量を0.5モル%またはそれ未満の量まで減少される。
適切には、カルボニル化プロセスは一酸化炭素対ジメチルエーテルのモル比が1:1〜99:1の範囲、例えば2:1〜25:1の範囲を使用して実施され得る。
一酸化炭素は、適切には0.1〜100バール(barg)(10kPa〜10,000kPa)、例えば約10〜65バール(barg)(1000kPa〜6500kPa)の範囲の分圧でカルボニル化プロセスに使用される。
このようなカルボニル化プロセスにおいて供給原料として使用される一酸化炭素はガス状混合物として、水素、例えば合成ガスと共に使用され得る。ガス状混合物/合成ガスはまたいくらかの二酸化炭素をも含み得る。水素の分圧は適切には、約1バール(barg)〜100バール(barg)(100kPa〜10,000kPa)、好適には約10〜75バール(barg)(1000kPa〜7500kPa)とし得る。
カルボニル化反応は一酸化炭素:水素のモル比が10:1〜1:10の範囲、適切には1:1〜1:4またはそれより大の範囲のモル比で実施され得る。
適切には、触媒床を通るガス流の総気体時空間速度(GHSV)は、約500〜約40,000h−1、例えば約2000〜約20,000h−1である。
カルボニル化プロセスにおけるジメチルエーテルの酢酸メチルへの転化は、一通過あたりの全カルボニル化供給原料の1〜90%の範囲、例えば5〜60%の範囲、例えば30〜60%の範囲内とし得る。約50〜約100バール(barg)(5000kPa〜10,000kPa)の全圧および約250℃〜約350℃の温度の条件下、低い一酸化炭素分圧でカルボニル化プロセスを稼働することは、ジメチルエーテルの酢酸メチルへの転化率を低下させる傾向にある。
100%未満のジメチルエーテル転化率で実施されたカルボニル化反応に関して、粗カルボニル化反応生産物は、酢酸メチルおよび未反応ジメチルエーテルを含むことができ、且つ一酸化炭素をも含むことができ、もしカルボニル化反応に対する供給原料中に存在する場合には水素および二酸化炭素の一つ以上もまた含む場合がある。
粗酢酸メチルは、粗カルボニル化反応生産物から回収されることができ、これは、典型的には蒸気の形態で、カルボニル化反応領域から取り出された反応生産物を、例えば50℃またはそれ未満の温度まで、一つ以上の従来型熱交換器内で冷却し、且つその冷却された反応生産物を、例えばノックアウトドラムまたは接線流入式ドラムを用いて分離させ、酢酸メチルおよびジメチルエーテルを含む液体粗酢酸メチル、および未反応一酸化炭素が大部分を占め、およびカルボニル化反応で使用される場合には水素および二酸化炭素を含むガス流が回収される。
粗カルボニル化反応生産物から回収される粗酢酸メチルは主として酢酸メチルを含むが、またジメチルエーテルをも含み、且つ溶解した酸化炭素、水素、メタノール、水および酢酸の一つ以上から選択される追加の成分も含み得る。カルボニル化反応中に生じる副反応の結果、粗酢酸メチルはまた少量の望ましくない汚染物質、例えばアセトアルデヒドおよびアセトンのうちの一つまたは両方を、例えば0より大〜1モル%の量で含む場合がある。
カルボニル化反応から回収された粗酢酸メチルに存在するジメチルエーテル量は変化する場合があり、且つジメチルエーテル反応物質の転化率に依存し得る。典型的には、一通過当たりの全カルボニル化供給原料の90%未満のジメチルエーテル転化率に対し、例えば5〜60%の範囲の転化率に対して、粗酢酸メチルはジメチルエーテルを約5〜50モル%の量で含み得る。
粗酢酸メチルはさらに、少量の酢酸および溶存ガス、例えば酸化炭素および水素の一つ以上を含み得る。典型的には、粗酢酸メチルは約5〜50モル%、例えば5〜25モル%のジメチルエーテル、1〜5モル%の酢酸、0.5〜3モル%のメタノールおよび1〜4モル%の一酸化炭素および/または水素および最大1モル%の汚染物質、例えばアセトアルデヒドおよびアセトンの一つ以上、残りの量の酢酸メチル、例えば50〜95モル%の酢酸メチルを含み得る。
適切には、酢酸メチルおよびジメチルエーテル、例えば最大50モル%の量のジメチルエーテル、例えば5〜25モル%のジメチルエーテルを含む粗酢酸メチルは、蒸留法により粗酢酸メチルからジメチルエーテルを除去するよう処理される。
好適な実施形態において、酢酸メチルおよびジメチルエーテルを含む粗酢酸メチルは蒸留、好適には分留により、そのジメチルエーテル含量が減少するよう処理される。好適には、これらの実施形態において、粗酢酸メチルの蒸留は蒸留カラム内で分留によって実施され、ここで
(i)ジメチルエーテルはカラムのヘッド流として回収され;および
(ii)酢酸メチルはカラムからのベース流として回収され;およびこのベース流またはその一部は併産プロセスに対する酢酸メチル供給原料として利用される。
(i)ジメチルエーテルはカラムのヘッド流として回収され;および
(ii)酢酸メチルはカラムからのベース流として回収され;およびこのベース流またはその一部は併産プロセスに対する酢酸メチル供給原料として利用される。
蒸留法が好適であり、この蒸留法では、一つ以上の蒸留カラム、好適には単一蒸留カラムが使用される。典型的な構成において、蒸留カラムは少なくとも5、例えば少なくとも15の理論段数、例えば少なくとも20の理論段数を有する。複数の蒸留領域が効率を異なって有することができるため、15の理論段数は、約0.7の効率を有する少なくとも25の実際の段数、または約0.5の効率を有する少なくとも30の実際の段数と等価となり得る。
適切には、蒸留カラムはトレイまたは充填カラムとし得る。
適切には、蒸留カラムは高められた圧力で稼働され、例えば、約0.5バール(barg)(50kPa)またはそれ以上、例えば約0.5バール(barg)〜30バール(barg)(50〜3000kPa)、例えば約10〜30バール(barg)(1000〜3000kPa)の圧力で稼働される。
いくつかのまたは全ての実施形態において、蒸留カラムは、およそ20の理論段数を有し、且つ約0.5バール(barg)(50kPa)またはそれ以上、例えば約0.5バール(barg)〜30バール(barg)(50〜3000kPa)、例えば約10〜30バール(barg)(100〜2000kPa)の圧力および適切には約40〜95℃のヘッド温度で稼働される。
ジメチルエーテルを含む粗酢酸メチルは蒸留カラムに蒸気および/または液体として供給され得る。主にジメチルエーテルを含むヘッド流は蒸気および/または液体としてカラムから取り出され得る。典型的には、ヘッド流は少なくとも60モル%のジメチルエーテル、例えば60〜95モル%のジメチルエーテルを含み得る。少なくとも、ヘッドの蒸気流の一部は凝縮され、且つ凝縮された液体の一部は還流としてカラムに戻される。
蒸留カラムは、要求されるヘッド流組成のような要因に応じて、ヘッドに対するある還流比で、カラムのヘッドに対して還流する液体の戻りをもって稼働される。10〜30バール(barg)(1000〜3000kPa)の稼働圧力および40〜90℃のヘッドの温度では、適切な還流比は1〜10、例えば1〜4、例えば1.5〜2.5の範囲内である。適切なボイル‐アップ比は0.01〜5とし得る。
粗酢酸メチル、例えばゼオライトカルボニル化触媒および任意に水素の存在下、ジメチルエーテルを一酸化炭素でカルボニル化して誘導された粗酢酸メチルは、汚染物質、例えばアセトアルデヒドおよびアセトンの片方または両方を、例えば、1モル%またはそれ未満の総量で含み得る。これらの汚染物質は、ある触媒に対して悪影響を及ぼす可能性があり、このような触媒として、特に、固体ブレンステッド酸触媒、例えば、ヘテロポリ酸およびゼオライト触媒などがあり、この触媒は酢酸およびジメチルエーテルの併産用プロセスの触媒として使用され得る。有利には、本発明はさらにジメチルエーテルおよびこれらの汚染物質を含む粗酢酸メチル流からのジメチルエーテルの除去に加え、これらの汚染物質のいくつかを除去することを提供し、これによって、資本および製造コストを削減し、併産プロセスに関連した複雑さを軽減する。
汚染物質、例えばアセトアルデヒドは、サイド・ドロー流として蒸留カラムから取り出される一つの流れの成分として好都合に、蒸留カラムから回収され得る。このような場合、サイド・ドロー流は蒸留カラムに供給される粗酢酸メチルの供給地点よりも上の地点で蒸留カラムから取り出されることが望ましい。サイド・ドロー流中の汚染物質の回収は、酢酸メチルのカラムに対する供給地点より下で蒸留カラム内にて十分なストリッピング能力を提供することにより増大され得る。したがって、蒸留カラムは少なくとも3理論段数、例えば3〜10の理論段数を、カラムに対する粗酢酸メチル供給原料の供給地点より下に有することが好ましい。
サイド・ドロー流に含まれる汚染物質の回収を最適化するためには、サイド・ドロー流はカラム内の汚染物質の濃度が最大の地点またはその付近でカラムから取り出されることが好適である。当業者に認識されているように、汚染物質の濃度が最大で存在する可能性のあるカラム内の地点は、使用する特定の稼働条件、および特に、使用する特定の圧力、温度および還流比に依存する。カラム内の複数の成分の濃度は、例えばカラムの種々の段での蒸留混合物の組成分析、例えばガスクロマトグラフィー技術による組成分析によって、容易に決定され得る。
したがって、典型的には、40理論段数のカラムに対しては、カラムに対する粗酢酸メチルの供給地点はカラムのヘッドから数えて10〜25段目とすることができ、サイド・ドロー流はヘッドから数えて4〜15段目で取り除かれることができ、これは、サイド・ドロー流がカラムの供給段よりも上の段にあるカラムから取り除かれることを条件とする。
本発明の一つ以上の実施形態において、蒸留カラムは10〜30バール(barg)の圧力、40〜90℃のヘッド温度および1〜4の還流比で稼働される40段のカラムを有し、カラムに供給される粗酢酸メチル供給原料の供給地点は、カラムのヘッドから数えて10〜25段目に存在することができ、且つサイド・ドロー流はヘッドから数えて4〜15段目で取り出される
好適には、サイド・ドロー流は液体としてカラムから取り出される。汚染物質に追加して、サイド・ドロー流はさらにジメチルエーテルおよび酢酸メチルの片方または両方を相当量含み得る。
主に酢酸メチルを含む流れは蒸留カラムからベース流として除去される。酢酸メチルは蒸留カラムから液体または蒸気、好適には液体として取り除かれ得る。
酢酸メチルおよび、ジメチルエーテルを例えば最大50モル%の量で含む粗酢酸メチルの蒸留は、蒸留カラムから、25モル%またはそれ未満、例えば15モル%またはそれ未満、例えば10モル%またはそれ未満、好適には5モル%またはそれ未満の量のジメチルエーテルを有する酢酸メチルを回収するのに有効である。
ジメチルエーテルを例えば最大50モル%の量で含み、且つ汚染物質、例えばアセトアルデヒドおよびアセトンを合計で最大1モル%の量で含む粗酢酸メチルの蒸留は、ジメチルエーテル含量を25モル%またはそれ未満、例えば15モル%またはそれ未満、例えば10モル%またはそれ未満、好適には5モル%またはそれ未満で有し、且つ全汚染物質、例えばアセトアルデヒドおよびアセトンの合計含量を1モル%未満、または0.25モル%またはそれ未満、例えば200ppmまたはそれ未満、例えば100ppmまたはそれ未満または50ppmまたはそれ未満で有する酢酸メチルを蒸留カラムから回収するのに有効である。
蒸留により回収され、且つジメチルエーテルを25モル%またはそれ未満で含む酢酸メチル流、またはその一部は、酢酸およびジメチルエーテルの併産用プロセスにおいて更なる精製を必要とすることなく直接使用することが可能である。
粗酢酸メチル流の蒸留により回収されたジメチルエーテル流、またはその一部は、ジメチルエーテルが出発材料として要求されるプロセスにおける供給原料として、例えばカルボニル化触媒、例えばゼオライト触媒、および任意に水素の存在下、ジメチルエーテルを一酸化炭素でカルボニル化して、酢酸メチルを生産するカルボニル化プロセスにおける供給原料として、または別の機能における供給原料として利用可能である。もちろん、回収されたジメチルエーテル流を二つ以上の流れにし、各々の流れを異なるプロセスに供給することは可能である。
酢酸およびジメチルエーテルを生成するための本発明の併産プロセスは供給原料としてメタノールを必要とする。一般的に、メタノールの商業的供給源はメタノール合成プロセスの副産物として生産された少量のギ酸メチルを含む。しかしながら、水の存在下でギ酸メチルは容易に加水分解して酢酸生産物中の望ましくない汚染物質であるギ酸を生成する。それらの沸点が近接することから、ギ酸(沸点108℃)および酢酸(沸点118℃)は、従来の分留技術によってそれら混合物から分離することは困難である。その代り、より複雑な抽出蒸留方法が使用され、酢酸生産物の要求される純度を達成するために使用される。ギ酸を酢酸から分離するためのこのようなタイプの複雑な方法は例えばUS4,692,219およびUS5,227,029に記載される。
好都合には、酢酸メチルおよびジメチルエーテルを含む粗酢酸メチル流は、メタノールおよび汚染物質としてのギ酸メチルを含み且つ任意にジメチルエーテルおよび水の一つ以上を含むメタノール流と共に蒸留されてそこからジメチルエーテルおよびギ酸メチルを除去し、精製された酢酸メチルおよびメタノール供給混合物であって併産プロセスに使用される0より大〜25モル%のジメチルエーテルを含む供給混合物を提供する。
より有利には、本発明は、併産プロセスに使用する前にギ酸メチルを含むメタノール流のギ酸メチル含量を減少させることができ、これにより併産反応生産物流を精製して酢酸およびギ酸をそこから分離させるための高価で且つ複雑な装置に対する必要性を回避することができる。
蒸留カラムに対するメタノール供給物はギ酸メチル含量を最大約1000ppmモル有してよい。
典型的には、商業的に生産されたメタノールはまたいくらかジメチルエーテルを含むことがあり、例えば最大60モル%ジメチルエーテルを含み得る。
本発明のいくらかまたは全ての実施形態において、ギ酸メチルを、例えば1000ppmモルまたはそれ未満の量で含むメタノール供給原料は蒸留カラム内に導入され、メタノールは酢酸メチルと共にカラムのベース流の一成分として除去され且つギ酸メチルはカラムのサイド・ドロー流の一成分として除去される。
粗酢酸メチル、メタノールおよびジメチルエーテルの混合物であって合計量が、例えば最大60モル%のジメチルエーテルの混合物の蒸留は、この蒸留によって、酢酸メチル、メタノール、および25モル%またはそれ未満、例えば15モル%またはそれ未満、例えば10モル%またはそれ未満、好適には5モル%またはそれ未満の量のジメチルエーテルを含む流れを回収するのに有効である。
i)汚染物質、例えばアセトアルデヒドおよびアセトンを例えば最大1モル%の量で含む粗酢酸メチル、ii)例えば最大1000ppmモルの量でギ酸メチル、任意にジメチルエーテル、例えば最大60モル%のジメチルエーテルの量で含むメタノールの混合物に関し、蒸留は、酢酸メチル、メタノールおよび汚染物質、例えばアセトアルデヒド、アセトンおよびギ酸メチルの一つ以上を合計で1モル%未満、例えば0.25モル%またはそれ未満、または200ppmまたはそれ未満、好適には100ppmまたはそれ未満、より好適には50ppmまたはそれ未満の量の汚染物質を含むベース流を、蒸留カラムから回収するのに有効である。蒸留されるべき混合物はさらに水を含むことがある。水はベース流の一成分として蒸留により除去され得る。
一般的に、併産プロセスに対する供給原料は、酢酸メチルを10〜95モル%の量、ジメチルエーテルを0.1〜25モル%、好適には0.1〜5モル%の量、メタノールを0〜50モル%、好適には5〜20モル%の量、および汚染物質、例えばアセトアルデヒドおよびアセトンおよびギ酸メチルの一つ以上を合計で0〜1モル%未満、例えば0〜200ppmの量で含み得る。併産プロセスに対する供給原料はさらに水を含み得る。
本発明の併産プロセスにおいて、メタノール、酢酸メチルおよびジメチルエーテルであってこのプロセスに対する全供給原料に対して25モル%またはそれ未満の量のジメチルエーテルを含む供給原料は少なくとも一つの触媒の存在下、接触させて酢酸およびジメチルエーテルを含む反応生産物を生成する。酢酸メチルを加水分解して酢酸を生産する反応およびメタノールを脱水してジメチルエーテルを生産する反応は以下の式(1)、(2)により表される。
例えば蒸留から得た流れとして、提供される任意の酢酸メチルに加えて、一つ以上の追加の酢酸メチル供給原料を併産プロセスに提供することが完全に可能であるが、その場合、併産プロセスに供給されるジメチルエーテルの合計量が25モル%またはそれ未満であることが条件である。
本発明の好適な実施形態において、併産プロセス用の酢酸メチルは、粗酢酸メチル流により単独で提供され(プロセスに対する酢酸メチルのリサイクル流を全く含まない)、この粗酢酸メチル流は、ジメチルエーテルのカルボニル化プロセスから回収され、且つその内部のジメチルエーテル量を減少させて、ジメチルエーテル含量を25モル%またはそれ未満の量で含む、併産プロセスに供給される酢酸メチル供給原料を提供できるよう処理される。
併産プロセスに使用されるメタノール供給原料は、例えば商業用メタノールプラントからまたは貯蔵タンクに貯蔵された商業用メタノールから、運び込まれたメタノールであってよい。代替的におよび/または追加的に、本発明に使用されるメタノールはその場で、例えばジメチルエーテルをカルボニル化して酢酸メチルを生産するプロセス、および酢酸メチルおよびメタノールから酢酸およびジメチルエーテルを生産するための併産プロセスの一つ以上のプロセスとの一体化プロセスの一部として、生産され得る。
酢酸メチルおよびメタノールは別個の二つの供給原料として併産プロセスに供給され得る。
好ましい実施形態において、メタノールは酢酸メチルとの混合物として、例えば粗酢酸メチル流を、メタノールを含むメタノール流と共に蒸留して回収された混合物;メタノール、酢酸メチルおよび減少された量のジメチルエーテルを含むベース流として併産プロセスに供給される。
一つ以上の触媒は併産プロセスにおいて脱水‐加水分解反応を触媒するために利用され得る。あらゆる適切な触媒または複数の触媒は、それ/それらが酢酸メチルを加水分解して酢酸を生産することを触媒するのに有効であり、且つメタノールを脱水してジメチルエーテルを形成することを触媒するのに有効であることを条件として使用することができる。一つ以上の触媒は加水分解反応および脱水反応の両方を触媒するのに有効であるものを使用し得る。あるいは、加水分解を触媒するのに有効な一つ以上の触媒は脱水反応のための一つ以上の触媒に加えてまたはその混合物として使用し得る。二つ以上の異なる触媒を使用することが好ましい場合、このような触媒は交互の触媒床の形態で、または一つ以上の密接に混合された触媒床として利用され得る。
好ましくは、一つ以上の固体酸触媒は脱水‐加水分解反応を触媒するのに利用可能であり、例えば一つ以上の固体ブレンステッド酸触媒であり得る。「ブレンステッド酸触媒」とは、化学反応を促進するために酸性プロトンを供与する能力を有する酸触媒を意味する。メタノールの脱水反応に有用な固体酸触媒は、アルミナ、例えばガンマ‐アルミナおよびフッ素化アルミナ、酸性ジルコニア、リン酸アルミニウム、シリカ‐アルミナ担持酸化タングステンおよび、固体ブレンステッド酸触媒、例えばヘテロポリ酸およびそれらの塩およびアルミノシリケートゼオライトを含む。
ここで使用され、且つ明細書全体で使用される用語「ヘテロポリ酸」とは、遊離酸を含むことを意味する。本明細書で使用するヘテロポリ酸は遊離酸または部分塩の何れかとして使用され得る。典型的には、ヘテロポリ酸、またはその対応する塩のアニオン成分は2〜18の酸素結合された多価金属原子を含み、これは周辺原子と呼ばれる。これらの周辺原子は対称的な態様で一つ以上の中心原子を取り囲む。この複数の周辺原子は、通常モリブデン、タングステン、バナジウム、ニオブ、タンタルおよびその他の金属の一つ以上である。この中心原子は、通常シリコンまたはリンであるが、元素周期律表の第I〜VIII族由来の多種多様な原子のいずれか一つを含むことができる。これらは、例えば、第二銅イオン;二価のベリリウム、亜鉛、コバルトまたはニッケルイオン;三価のホウ素、アルミニウム、ガリウム、鉄、セリウム、ヒ素、アンチモン、リン、ビスマス、クロムまたはロジウムイオン;四価のケイ素、ゲルマニウム、スズ、チタン、ジルコニウム、バナジウム、硫黄、テルル、マンガンニッケル、白金、トリウム、ハフニウム、セリウムイオンおよび他の希土類イオン;五価のリン、ヒ素、バナジウム、アンチモンイオン;六価のテルルイオン;および七価のヨウ素イオンを含む。このようなヘテロポリ酸はまた「ポリオキソアニオン」、「ポリオキソメタレート」または「金属酸化物クラスター」として知られている。これら公知のアニオンのいくつかの構造は、この分野での最初の研究者にちなんで命名され、例えばケギン、ウェルス・ドーソン、アンダーソン‐エバンス‐パーロフ構造として知られている。
ヘテロポリ酸は通常高分子量、例えば700〜8500の範囲を有し、且つ二量体錯体を含む。それらは、水または他の酸素化溶媒のような極性溶剤中で比較的高い溶解度を有し、特にそれらが遊離酸であり且ついくつかの塩の場合には、比較的高い溶解度を有し、且つそれらの溶解性は適切な対イオンを選択することにより制御可能である。本発明で通常使用され得るヘテロポリ酸の具体的な例は、遊離酸、例えばケイタングステン酸、リンタングステン酸および12‐タングストリン酸(H3[PW12O40].xH2O);12‐モリブドリン酸(H3[PMo12O40].xH2O);12‐タングスト・ケイ酸(H4[SiW12O40].xH2O);12‐モリブド桂酸(H4[SiMO12O40].xH2O)およびヘテロポリ酸のアンモニウム塩、例えばリンタングステン酸またはケイタングステン酸のアンモニウム塩を含む。
酢酸メチルを加水分解して酢酸を生産するのに有効なものとして公知のゼオライトは、ゼオライトY、ゼオライトA、ゼオライトXおよびモルデナイトが含まれる。所望であれば、これらのゼオライトは、本発明の脱水‐加水分解反応工程に、触媒として有効に使用することができる。
併産プロセスにおいて脱水‐加水分解反応を触媒するために特に有用なゼオライトは、2‐次元または3‐次元チャンネルシステムを有するゼオライトを含み、且つ10員環を有する少なくとも一つのチャンネルを有する。このようなゼオライトの特定の非限定的な具体例は、骨格構造型FER(フェリエライトおよびZSM‐35に代表される)、MFI(ZSM‐5に代表される)、MFS(ZSM‐57に代表される)、HEU(例えばクリノプチロライト)およびNES(NU‐87に代表される)のゼオライトを含む。
「FER」のような3つの文字は、国際ゼオライト協会の構造委員会によって提案された命名法を用いるゼオライトの骨格構造型に参照される。構造コードおよびゼオライトに関する情報は、ゼオライト骨格構造型のアトラス(Atlas of Zeolite Framework Types)、C.H.Baerlocher、L.B.MccuskerおよびD.H.Olson著、第6改訂版、エルゼビア、アムステルダム、2007年に記載され、また、国際ゼオライト協会のウェブサイト、www.iza−online.org.でも利用可能である。
ゼオライト触媒は、交換型で使用され得る。ゼオライトの交換型は、イオン交換および含浸のような技術により調製できる。これらの技術は周知であり、且つ典型的には、ゼオライトの水素またはアンモニウム陽イオンを金属陽イオンで交換することを含む。例えば、本発明では、ゼオライトは一つ以上のアルカリ金属陽イオン、例えばナトリウム、リチウム、カリウムおよびセシウムを有する交換型で存在し得る。適切な交換型ゼオライトは、ナトリウム、リチウム、カリウムおよびセシウムの一つ以上で交換されたフェリエライトおよびZSM‐35を含む。
ゼオライトは、任意の適切な結合材料を有する複合材料の形態で使用され得る。適切な結合材料の例は、無機酸化物、例えばシリカ、アルミナ、アルミナ‐シリケート、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム・マグネシウム、チタニアおよびジルコニアを含む。好適な結合材料はアルミナ、アルミナ‐シリケートおよびシリカを含む。適切には、結合材料は、ゼオライトおよび結合材料の総重量に基づいて10〜90重量%の量で複合材料中に存在し得る。
併産プロセスに使用される、メタノールと酢酸メチルとのモル比は、任意の所望の比率とし得るが、適切にはメタノール:酢酸メチルのモル比は、1:0.1〜1:20、例えば1:0.2〜1:10の範囲にある。
酢酸メチルを加水分解して酢酸を生成する転化は、供給源として水を必要とする。水はメタノール供給原料の脱水によりその場で発生され得る。しかしながら、所望であれば、追加的に水をプロセスに、例えばメタノール供給原料、酢酸メチル供給原料または混合されたメタノールおよび酢酸メチル供給原料の一成分として提供され得る。適切には、水は、プロセスに対しての酢酸メチル、水およびメタノールの全供給原料に基づき、約0.1〜50モル%、例えば約5〜30モル%、例えば約20〜30モル%の量でプロセスに対して供給される。
併産プロセスは、不均質気相プロセスまたは液相プロセスとして実施可能である。気相プロセスとしてこのプロセスを実施することを望む場合、液体供給原料は、触媒と接触される前に、例えば予熱器を用いて揮発することが好ましい。
併産プロセスは100℃から350℃までの温度範囲および大気圧および大気圧より大の圧力から選択された圧力で、実施され得る。
本発明の一つ以上の実施形態において、併産プロセスは、気相プロセスとして、約150℃から300℃までの温度で且つ大気圧から30バール(barg)(大気圧〜3000kPa)の圧力、例えば5〜20バール(barg)(500kPa〜2000kPa)で実施される。適切には、このような場合、脱水‐加水分解反応は気体時空間速度(GHSV)が、500〜40,000h−1の範囲内で実施される。
本発明の一つ以上の実施形態において、併産プロセスは、液相プロセスとして約140℃から約210℃までの温度で、且つ溶液中にジメチルエーテル生成物を維持するのに十分な圧力、例えば、40バール(barg)(4000kPa)またはそれより大、例えば40〜100バール(barg)(4000〜10,000kPa)の圧力で実施される。適切には、このような場合、併産プロセスは液体時空間速度(LHSV)が、0.2〜20h−1の範囲内で実施される。
併産プロセスは、任意の適切な技術および装置、例えば反応蒸留を使用して実施され得る。反応蒸留技術およびそのための装置はしたがって公知である。メタノールおよび酢酸メチルを含む供給原料混合物は、従来型の反応蒸留カラムに供給され、例えば大気圧〜20バール(barg)(大気圧〜2000kPa)の範囲の圧力下で、且つ約100℃〜250℃の反応温度で操作されて、酢酸およびジメチルエーテルの混合物を含む粗反応生産物を生産し、この混合物は反応蒸留カラム内で本質的に分離されて、ジメチルエーテル豊富な生産物流であって、典型的にはカラムのヘッド流として回収される生産物流、および酢酸豊富な生産物流であって、典型的にはカラムのベース流として回収される生産物流を回収し得る。
あるいは、併産プロセスは、固定床反応器またはスラリー床反応器で実施され得る。ジメチルエーテルは低沸点(−24℃)を有し、且つ酢酸は高沸点(118℃)を有する。したがって、酢酸およびジメチルエーテルは、粗反応生産物から従来の精製方法により、回収され、例えば、一つ以上の従来型蒸留カラム内で蒸留することにより回収され得る。適切な蒸留カラムはトレイまたは充填カラムを含む。これらカラムに使用される温度および圧力は変更可能である。適切には、蒸留カラムは、例えば大気圧から20バール(barg)(0〜2000kPa)の圧力下で操作し得る。典型的には、ジメチルエーテル豊富流は、蒸留カラムからのヘッド流として回収され、且つ酢酸豊富流はカラムからベース流として回収される。
本発明のいくつかまたは全ての実施形態において、プロセスはさらに、酢酸およびジメチルエーテルを含む粗反応生産物からジメチルエーテルおよび酢酸の片方または両方を回収することを含む。
酢酸メチルの加水分解およびメタノールの脱水は、平衡反応であり、従って、典型的には、粗反応生産物はまた、未反応メタノールおよび未反応酢酸メチルの一つ以上をも含み、且つ水をも含み得る。その結果、粗反応生産物から回収された酢酸流およびジメチルエーテル流の片方または両方はまた、メタノール、酢酸メチルおよび水から選択される一つ以上の追加成分をも含み得る。メタノール、酢酸メチルおよび水は、回収された酢酸流およびジメチルエーテル流から、例えば従来の精製プロセス、例えば一つ以上の蒸留カラムにおける分留によって除去し得る。
適切には、酢酸およびジメチルエーテルを含む粗反応生産物から回収された一つ以上の流れ(リサイクル流)、例えば、メタノール、酢酸メチルおよび水の一つ以上は、併産プロセスに戻される。
酢酸およびジメチルエーテルを含む粗反応生産物から回収されたジメチルエーテルは、販売され、または燃料として使用され、またはジメチルエーテルをカルボニル化して酢酸メチルを生産するためのカルボニル化プロセス、または他の化学プロセスの供給原料として使用され得る。
粗反応生産物から回収された酢酸は、販売され得るか、または多様な化学プロセス、例えば酢酸ビニルまたは酢酸エチルの製造における供給原料として使用可能である。
併産プロセスは、連続プロセスまたはバッチプロセス、好適には連続プロセスとして稼働され得る。
本発明は以下の限定されない実施例を参照してここに説明される。
実施例1
本実施例は、本発明による、酢酸およびジメチルエーテルの併産プロセスに使用するために、ジメチルエーテルを含む粗酢酸メチル供給原料を精製するためのプロセスを示す。図1および表1について述べる。図1は、本発明のプロセスの実施形態を実施するための蒸留カラム(110)の概略図である。酢酸メチルを大部分含み且つ17.8モル%のジメチルエーテル含量を有する供給流(26)は、蒸留カラム(110)に導入される。蒸留カラム(110)は、20の理論段数を有し、10段目(カラムのヘッドから数えて)に供給地点を有し、且つ11.7バール(barg)、45℃のヘッド温度および154℃のベース温度、2.2の還流比および0.69のボイル‐アップ比で稼働される。大部分を占める一酸化炭素および水素を含むベント流(30)はカラム(110)から取り出される。主にジメチルエーテルを含むヘッド流(28)はカラム(110)から除去される。大部分を占める酢酸メチルと共に0.5モル%のジメチルエーテルを含む流れ(29)は、カラム(110)からベース流として除去され、且つ高圧ポンプ(111)を介して、脱水‐加水分解反応ユニット(112)、流れ(27)として例えば固体酸触媒、例えばゼオライト触媒を含む固体床反応器に吸引され、そして高められた圧力、および100〜350℃の温度で稼働され、そしてその反応器内部で、メタノール供給原料(32)と接触されて、酢酸およびジメチルエーテルを含む粗反応生産物を生成する。
本実施例は、本発明による、酢酸およびジメチルエーテルの併産プロセスに使用するために、ジメチルエーテルを含む粗酢酸メチル供給原料を精製するためのプロセスを示す。図1および表1について述べる。図1は、本発明のプロセスの実施形態を実施するための蒸留カラム(110)の概略図である。酢酸メチルを大部分含み且つ17.8モル%のジメチルエーテル含量を有する供給流(26)は、蒸留カラム(110)に導入される。蒸留カラム(110)は、20の理論段数を有し、10段目(カラムのヘッドから数えて)に供給地点を有し、且つ11.7バール(barg)、45℃のヘッド温度および154℃のベース温度、2.2の還流比および0.69のボイル‐アップ比で稼働される。大部分を占める一酸化炭素および水素を含むベント流(30)はカラム(110)から取り出される。主にジメチルエーテルを含むヘッド流(28)はカラム(110)から除去される。大部分を占める酢酸メチルと共に0.5モル%のジメチルエーテルを含む流れ(29)は、カラム(110)からベース流として除去され、且つ高圧ポンプ(111)を介して、脱水‐加水分解反応ユニット(112)、流れ(27)として例えば固体酸触媒、例えばゼオライト触媒を含む固体床反応器に吸引され、そして高められた圧力、および100〜350℃の温度で稼働され、そしてその反応器内部で、メタノール供給原料(32)と接触されて、酢酸およびジメチルエーテルを含む粗反応生産物を生成する。
図1に説明されているタイプの手順および装置を使用して、ASPENソフトウェア7.3版を用いてシミュレーションを行った。本実施例に使用した複数の流れの組成(単位をkmol/hrおよびモル%として)は以下の表1に示される。表において、以下の略称が使用されている:
CO ― 一酸化炭素
CO2 ― 二酸化炭素
H2 ― 水素
MeOH ― メタノール
AcOH ― 酢酸
H2O ― 水
DME ― ジメチルエーテル
MeOAc ― 酢酸メチル
CO ― 一酸化炭素
CO2 ― 二酸化炭素
H2 ― 水素
MeOH ― メタノール
AcOH ― 酢酸
H2O ― 水
DME ― ジメチルエーテル
MeOAc ― 酢酸メチル
実施例2
本実施例は、粗酢酸メチル供給原料の精製プロセスを示し、この粗酢酸メチル供給原料は、本発明による酢酸およびジメチルエーテルの併産に使用するため、触媒および水素の存在下一酸化炭素でジメチルエーテルをカルボニル化するプロセスから回収されたジメチルエーテルを含む。図2および表2について述べる。
本実施例は、粗酢酸メチル供給原料の精製プロセスを示し、この粗酢酸メチル供給原料は、本発明による酢酸およびジメチルエーテルの併産に使用するため、触媒および水素の存在下一酸化炭素でジメチルエーテルをカルボニル化するプロセスから回収されたジメチルエーテルを含む。図2および表2について述べる。
図2は、本発明の実施形態を実施するための一つの統合ユニット(210)の概略図である。ジメチルエーテル、一酸化炭素および水素を含む供給流(33)は、カルボニル化反応ユニット(211)、例えば50〜100バール(barg)の圧力および250〜350℃の温度で稼働される固定床反応器に供給されて、そしてその反応器内でゼオライトカルボニル化触媒と接触されて粗カルボニル化反応生産物を生産し、反応ユニット(211)から流れ(35)として取り出される。流れ(35)は、気液分離ユニット(212)に送られ、ここで、ガス状流(36)および主に酢酸メチルを含み且つ25.2モル%のジメチルエーテル含量を有する液体流(26)に分離される。供給流(26)は蒸留カラム(213)に導入される。蒸留カラム(213)は、20の理論段数を有し、10段目(カラムのヘッドから数えて)に供給地点を有し、且つ11.7バール(barg)、40℃のヘッド温度および154℃のベース温度、0.58の還流比および1.2のボイル‐アップ比で稼働される。大部分を占める一酸化炭素および水素を含むベント流(30)はカラム(213)から取り出される。主にジメチルエーテルを含むヘッド流(28)はカラム(213)から除去される。大部分を占める酢酸メチルと共に0.5モル%のジメチルエーテルを含む流れ(29)は、カラム(213)からベース流として除去され、且つ流れ(27)として高圧ポンプ(214)を介して、脱水‐加水分解反応ユニット(215)、例えば、高められた圧力、および、例えば100〜350℃の温度で稼働された固体床反応器に吸引され、そしてその反応器内部で、メタノール供給原料(32)と共に、固体酸触媒、例えばゼオライト触媒と接触されて、酢酸およびジメチルエーテルを含む粗反応生産物を生成する。
図2に説明されているタイプの手順および装置を使用して、ASPENソフトウェア7.3版を用いてシミュレーションを行った。本実施例に使用した複数の流れの組成(単位をkmol/hrおよびモル%として)は以下の表2に示される。表2に使用された略称は、上述の表1に関して使用された略称と同じものを意味し、追加として、略称としてCH4―メタンを使用する。
実施例3
本実施例は、粗酢酸メチル供給原料の精製プロセスを示し、この粗酢酸メチル供給原料は、本発明による、酢酸およびジメチルエーテルの併産に使用するため、ジメチルエーテルを含むメタノール供給原料と共に、触媒および水素の存在下、一酸化炭素でジメチルエーテルをカルボニル化するプロセスから回収されたジメチルエーテルを含む。図3および表3について述べる。
本実施例は、粗酢酸メチル供給原料の精製プロセスを示し、この粗酢酸メチル供給原料は、本発明による、酢酸およびジメチルエーテルの併産に使用するため、ジメチルエーテルを含むメタノール供給原料と共に、触媒および水素の存在下、一酸化炭素でジメチルエーテルをカルボニル化するプロセスから回収されたジメチルエーテルを含む。図3および表3について述べる。
図3は、本発明のプロセスの実施形態を実施するための一つの統合ユニット(310)の概略図である。ジメチルエーテル、一酸化炭素および水素を含む供給流(33)は、カルボニル化反応ユニット(311)、例えば50〜100バール(barg)の圧力および例えば250〜350℃の温度で稼働される固定床反応器に供給されて、そしてその反応器内でゼオライトカルボニル化触媒と接触されて粗カルボニル化反応生産物を生産し、反応ユニット(311)から流れ(35)として取り出される。流れ(35)は、気液分離ユニット(312)に送られ、ここで、ガス状流(36)および主に酢酸メチルを含み且つ25.2モル%のジメチルエーテル含量を有する液体流(26)に分離される。蒸留カラム(313)は、20の理論段数を有し、10段目(カラムのヘッドから数えて)に供給地点を有し、且つ11.7バール(barg)、40℃のヘッド温度および143℃のベース温度、2.6の還流比および1.2のボイル‐アップ比で稼働される。主に酢酸メチルを含む供給流(26)は、蒸留カラム(313)の10段目上に対して、主に大部分を占めるメタノールおよび少量のジメチルエーテルを含む供給流(32)と共に、蒸留カラム(313)内に導入される。大部分を占める一酸化炭素および水素を含むベント流(30)はカラム(313)から取り出される。主にジメチルエーテルを含むヘッド流(28)はカラム(313)から除去される。大部分を占める酢酸メチルと共に0.5モル%のジメチルエーテルを含む流れ(29)は、カラム(313)からベース流として除去され、且つ流れ(27)として高圧ポンプ(314)を介して、脱水‐加水分解反応ユニット(315)、例えば、高められた圧力、および、例えば100〜350℃の温度で稼働された固体床反応器に吸引され、そしてその反応器内部で、固体酸触媒、例えばゼオライト触媒と接触されて、酢酸およびジメチルエーテルを含む粗反応生産物を生成する。
図3に説明されているタイプの手順および装置を使用して、ASPENソフトウェア7.3版を用いてシミュレーションを行った。本実施例に使用した複数の流れの組成(単位をkmol/hrおよびモル%として)は以下の表3に示される。表3に使用された略称は、上述の表1および2に関して使用された略称と同じ意味を有する。
実施例4
本実施例は、粗酢酸メチル供給原料の精製プロセスを示し、この粗酢酸メチル供給原料は、本発明による、酢酸およびジメチルエーテルの併産に使用するため、ジメチルエーテルおよびギ酸メチル汚染物質を含むメタノール供給原料と共に、触媒および水素の存在下、一酸化炭素でジメチルエーテルをカルボニル化するプロセスから回収されたジメチルエーテルおよびアセトアルデヒド/アセトン汚染物質を含む。図4および表4について述べる。
本実施例は、粗酢酸メチル供給原料の精製プロセスを示し、この粗酢酸メチル供給原料は、本発明による、酢酸およびジメチルエーテルの併産に使用するため、ジメチルエーテルおよびギ酸メチル汚染物質を含むメタノール供給原料と共に、触媒および水素の存在下、一酸化炭素でジメチルエーテルをカルボニル化するプロセスから回収されたジメチルエーテルおよびアセトアルデヒド/アセトン汚染物質を含む。図4および表4について述べる。
図4は、本発明のプロセスの実施形態を実施するための一つの統合ユニット(410)の概略図である。ジメチルエーテル、一酸化炭素および水素を含む供給流(33)は、カルボニル化反応ユニット(411)、例えば50〜100バール(barg)の圧力および250〜350℃の温度で稼働される固定床反応器に供給されて、そしてその反応器内でゼオライトカルボニル化触媒と接触されて、汚染物質含有粗カルボニル化反応生産物を生産し、反応ユニット(411)から流れ(35)として取り出される。流れ(35)は、気液分離ユニット(412)に送られ、ここで、ガス状流(36)および主に酢酸メチルを含み且つ25.4モル%のジメチルエーテル含量および合計で1モル%未満のアセトアルデヒドおよびアセトンを含む液体流(26)に分離される。蒸留カラム(413)は、30の理論段数を有し、10および21段目に供給地点、および6段目にサイド・ドロー排出地点を有し(カラムのヘッドから数えて)、且つ11.7バール(barg)、40℃のヘッド温度および144℃のベース温度、8.8の還流比および2.4のボイル‐アップ比で稼働される。主に酢酸メチルを含む供給流(26)は、蒸留カラム(413)に対し、蒸留カラム(413)の21段目上に導入される。大部分を占めるメタノール、少量のジメチルエーテルおよび0.1モル%未満のギ酸メチルを含む供給流(32)はカラム(413)の10段目に導入される。大部分を占める一酸化炭素および水素を含むベント流(30)はカラム(413)から取り出される。主にジメチルエーテルを含むヘッド流(28)はカラム(413)から除去される。アセトアルデヒド/アセトン/ギ酸メチル汚染物質の大部分は、サイド・ドロー流(38)の成分としてカラム(413)から取り出される。大部分を占める酢酸メチルおよびメタノール、0.1モル%のジメチルエーテルおよび減少された量のアセトアルデヒド/ギ酸メチル/アセトン汚染物質を含む流れ(29)はカラム(413)からベース流として除去され、そして流れ(27)として高圧ポンプ(414)を介して、脱水‐加水分解反応ユニット(415)、例えば、高められた圧力、および、例えば100〜350℃の温度で稼働された固体床反応器に吸引され、そしてその反応器内部で、固体酸触媒、例えばゼオライト触媒と接触されて、酢酸およびジメチルエーテルを含む粗反応生産物を生成する。
図4に説明されているタイプの手順および装置を使用して、ASPENソフトウェア7.3版を用いてシミュレーションを行った。本実施例に使用した複数の流れの組成(単位をkmol/hrおよびモル%として)は以下の表4に示される。表4に使用された略称は、上述の表1および2に関して使用された略称と同じ意味を有し、これに、MeOFO―ギ酸メチル;およびAcH―アセトアルデヒドを追加して使用する。
Claims (25)
- 少なくとも一つの触媒の存在下、メタノールおよび酢酸メチルの供給原料混合物の脱水‐加水分解により酢酸およびジメチルエーテルを含む粗反応生産物を生成する、酢酸およびジメチルエーテルを併産するためのプロセスにおいて、メタノールおよび酢酸メチルを含む該併産プロセスに対する該供給原料は全供給原料に基づき、総量が25モル%またはそれ未満のジメチルエーテルを含む、プロセス。
- 前記併産プロセスに対する前記供給原料は、酢酸メチルを10〜95モル%の量、ジメチルエーテルを0.1〜25モル%の量、メタノールを5〜20モル%の量および汚染物質を合計で0〜1モル%未満の量で含む請求項1記載のプロセス。
- 前記汚染物質はアセトアルデヒド、アセトンおよびギ酸メチルの一つ以上から選択される請求項2記載のプロセス。
- 前記供給原料はジメチルエーテルを0.1〜5モル%の量で含む請求項2または3記載のプロセス。
- 前記供給原料はさらに水を含む請求項2または3記載のプロセス。
- 前記酢酸メチル供給原料はジメチルエーテルを含み、且つカルボニル化触媒の存在下、ジメチルエーテルを一酸化炭素とカルボニル化して、ジメチルエーテルを含む粗酢酸メチル流を生産するプロセス中で生産された粗酢酸メチル流から誘導されたものであり、該粗酢酸メチル流は処理されて内部のジメチルエーテル含量を減少させて、前記併産プロセスに対する酢酸メチル供給原料を提供し、この酢酸メチル供給原料はジメチルエーテルを0より大〜25モル%の量で含む請求項1乃至5の何れか一項に記載のプロセス。
- 前記処理された粗酢酸メチルはジメチルエーテルを0より大〜5モル%の量で含む請求項6記載のプロセス。
- 前記カルボニル化触媒はゼオライトカルボニル化触媒である請求項6または7記載のプロセス。
- ジメチルエーテルの前記カルボニル化プロセスにおいて、ジメチルエーテルの酢酸メチルへの転化率は5〜90%の範囲内にある請求項6乃至8の何れか一項に記載のプロセス。
- 前記粗酢酸メチルは5〜50モル%の量でジメチルエーテルを含む請求項6乃至9の何れか一項に記載の併産プロセス。
- 前記粗酢酸メチルはさらに最大1モル%の合計量で汚染物質を含む請求項9記載のプロセス。
- 前記粗酢酸メチルは蒸留によりジメチルエーテル含量を減少するために処理される請求項6乃至11の何れか一項に記載のプロセス。
- 前記粗酢酸メチルの蒸留は、分留によって蒸留カラム内で処理され、ここで
(i)ジメチルエーテルは該カラムからのヘッド流として回収され;および
(ii)酢酸メチルは該カラムからのベース流として回収され;およびこのベース流またはその一部は併産プロセスに対する酢酸メチル供給原料として利用される
請求項12記載のプロセス。 - 前記粗酢酸メチルはメタノールおよびギ酸メチルを含むメタノール流と共に蒸留される請求項12または13記載のプロセス。
- 前記ベース流は合計して1モル%またはそれ未満の量で汚染物質を含む請求項13または14記載のプロセス。
- 前記蒸留は10〜30バール(barg)(1000〜3000kPa)の圧力および40〜90℃のヘッド温度で実施される請求項12乃至15の何れか一項に記載のプロセス。
- 前記併産プロセスのための少なくとも一つの触媒は固体酸触媒である請求項1乃至16の何れか一項に記載のプロセス。
- 前記固体酸触媒はゼオライト触媒である請求項17記載のプロセス。
- 前記併産プロセスは100〜350℃の範囲の温度で且つ大気圧および大気圧より大の圧力から選択される圧力で実施される請求項1乃至18の何れか一項に記載のプロセス。
- 酢酸メチルおよびメタノールは前記併産プロセスに対して別個の供給原料として供給される請求項1記載のプロセス。
- 酢酸およびジメチルエーテルを含む前記粗反応生産物からジメチルエーテルを回収することをさらに含む請求項1乃至20の何れか一項に記載のプロセス。
- 回収されたジメチルエーテル、またはその一部は、カルボニル化プロセスに対する供給原料として使用され、ここでジメチルエーテルはカルボニル化触媒の存在下一酸化炭素でカルボニル化されて粗酢酸メチルを生産する請求項21記載のプロセス。
- 酢酸は酢酸およびジメチルエーテルを含む粗反応生産物から回収される請求項1乃至22の何れか一項に記載のプロセス。
- 前記併産プロセスは統合化されたプロセスの部分を形成し、この統合化プロセスは、ゼオライトカルボニル化触媒の存在下、ジメチルエーテルを一酸化炭素含有ガスでカルボニル化することを含み、ここで、ジメチルエーテル転化率がカルボニル化反応に対する全供給原料に基づき一通過当たり5〜90モル%であるカルボニル化により、酢酸メチルおよびジメチルエーテルを含む粗カルボニル化生産物を生産し、該粗カルボニル化生産物から酢酸メチルおよびジメチルエーテルを含む粗酢酸メチル流を回収し、該粗酢酸メチル流またはその一部を処理して、ジメチルエーテルが大部分を占める流れ、および酢酸メチルおよびジメチルエーテルの減少した量を含む流れを回収し、且つこの流れおよびその一部は、酢酸メチル、およびジメチルエーテルの減少した量であって全供給原料に基づいて0より大〜25モル%の範囲のジメチルエーテルを含む、該流れおよびその一部は、該併産プロセスに対する供給原料として使用される請求項1記載のプロセス。
- 前記併産プロセスは連続プロセスとして操作される請求項1乃至24の何れか一項に記載のプロセス。
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