同様の参照番号は、図面の幾つかの図を通して対応する部分を指す。
実装形態の説明
本開示は、仮説ベースのモデルのみならず、UCLAで広く蓄積されたデータのプログレッションにも基づく人間の脳の海馬−嗅内システムの独自で強力な調節を提供する。本開示は、ニューロンを刺激し、それにより、記憶等の認知機能を回復させようとするシステム及び方法を記載する。
本開示は、齧歯類、人間以外の霊長類、及び人間である霊長類から導出される結合モデルも記載し、幾つかの実装形態では、(1)海馬−嗅内システムの半長期及び長期記録及び刺激を用いる神経外科的てんかん患者、並びに(2)そのシステムの閉ループ調整を用いるTBI患者に焦点を合わせる。
本開示は、人間での4つの技術層での段階的な組合せを記載する。これらの段階は、(1)外在リードを用いる、モニタされるてんかん患者での深部電極記録、(2)記憶回復の長期テストの機会による、てんかんの兆候について長期移植されるてんかん患者内の内在長期FDA承認反応刺激(「RNS」)システム、(3)TBI患者での記憶回復の主兆候についての海馬−嗅内システムのActiva PC+S調節、及び(4)完全に開発された計算モデルに基づく記憶回復の主兆候に向けて仕立てられた神経調節システムのTBI患者への移植を含む。
本開示は、計算モデリング、記憶の生体内電気生理学、人間での脳深部刺激関連の記憶強化、外傷性脳損傷、及び最先端工学技術での希な共同的機会の利用を記載する。例えば、齧歯類、人間以外の霊長類、及び人間での単一ニューロン及び局所電場電位の同時刺激及び記録。
電気生理学と特定の記憶の刺激との組合せで人間の海馬及び嗅内野内の単細胞を刺激し記録する能力はユニークである。後述するように、本開示は、人間の海馬及び嗅内野内の同時のマイクロ刺激並びに単一ユニット及びLFP記録を記載する。
脳機械インタフェースの生成及び四肢の運動機能の回復において大きい進歩がなされたが、能動記憶の回復(「RAM」)、特に陳述記憶の回復ははるかに困難である。本開示は、生物物理学に基づき、生物物理学的に合理的であり、生理学的に実施可能であり、軽量無線デバイスを使用して人間内で使用するのに十分に実用性な手法を記載する。
これより、例が添付図面に示される実装形態を詳細に参照する。以下の詳細な説明では、記載される様々な実装形態の完全な理解を提供するために、多くの特定の詳細が記される。しかし、これらの特定の詳細なしでも、記載される様々な実装形態が実施可能なことが当業者には明らかである。他の場合、実装形態の態様を不必要に曖昧にしないように、周知の方法、手順、構成要素、回路、及びネットワークについては詳述しなかった。
図1は、幾つかの実装形態による、記憶を回復させる計算システム100(「神経調節システム」と呼ばれることもある)を示すブロック図である。幾つかの実装形態では、計算システム100は、1つ又は複数のデバイス102(例えば、デバイス102A、102B、102C、102D、...、及び102N)、通信ネットワーク104、及び記憶回復システム106を含む。幾つかの実装形態では、デバイス102は、脳スキャンデバイス、MRIデバイス、タブレット、及び/又はコンピュータ(モバイル等)である。幾つかの実装形態では、デバイス102は、電子検出器及びコードを通してテスト対象(例えば、動物又は人間)からマイクロ記録又はマクロ記録を取得し、分析のためにマイクロ記録又はマクロ記録を回復システム106に送信する。幾つかの実装形態では、デバイス102は、刺激モジュール150及び任意選択的にフィードバック収集モジュール110を含む。幾つかの実装形態では、デバイス102は、移植可能な構成要素(例えば、図2の移植可能電子回路パッケージ200)と、外部装着可能な構成要素(例えば、図2の外部イヤーピース204)とを含む。幾つかの実装形態では、デバイス102は、移植可能な構成要素、外部装着可能な構成要素、及びコンピュータ又はタブレット等の計算デバイスを含む。
幾つかの実装形態では、刺激モジュール150は、1つ又は複数の指定された計算モデルに従って、テスト対象の脳(例えば、TBI患者の海馬嗅内皮質野)に刺激信号を送信する。幾つかの実装形態では、デバイス102に存在する刺激モジュール150は、システム106に存在する刺激モジュール118と処理負荷とをバランスさせる。
幾つかの実装形態では、通信ネットワーク104は、1つ又は複数のデバイス102を相互に、及び記憶回復システム106と相互接続する。幾つかの実装形態では、通信ネットワーク104は任意選択的に、インターネット、1つ又は複数のローカルエリアネットワーク(LAN)、1つ又は複数の広域ネットワーク(WAN)、他のタイプのネットワーク、又はそのようなネットワークの組合せを含む。
幾つかの実装形態では、回復システム106は、刺激モジュール、計算モデル、収集モジュール、分析モジュール、及び記録キューを含む。幾つかの実装形態では、回復システム106は、テスト対象に送信される(例えば、刺激モジュール118を使用して)刺激信号を生成し、テスト対象からフィードバックを収集する(例えば、収集モジュール170を使用して)。幾つかの実装形態では、回復システム106は、収集されたフィードバックに従って計算モデル114を改良もする。幾つかの実装形態では、分析モジュール180は、テスト対象から収集されたマイクロ記録及びマクロ記録を分析し、テスト対象の刺激信号への反応に基づいて、計算モデルを改良し、それにより、テスト対象の記憶を回復する確率を上げる。
幾つかの実装形態では、収集モジュール及び/又は刺激モデルは、ソフトウェアアプリケーション又はハードウェアチップセット等のデバイス102に存在するソフトウェア、ハードウェア、又はそれらの組合せである。幾つかの実施形態では、刺激モジュール150は存在せず、デバイス102とは別個に又は独立して存在する刺激モジュール118が代わりに提供される(例えば、サーバ106の構成要素として、又はスタンドアロン刺激システム構成要素として)。幾つかの実装形態では、刺激モジュール150は、ソフトウェアパッケージ/アプリケーション又はハードウェアチップセット等のデバイス102に存在するソフトウェア/ハードウェア構成要素である。幾つかの実装形態では、刺激モジュール150は、テスト対象を刺激する刺激信号を生成するためのものである。すなわち、幾つかの実装形態では、デバイス102上の刺激モジュール150及びサーバ106上の刺激モジュール118の両方が、テスト対象の刺激に使用される。
幾つかの実装形態では、記録キュー112は、記録4、記録5、記録6、...、及び記録n(図1、113−4、...、113−n)等の分析(例えば、収集モジュール170及び/又は分析モジュール180による)を待っている1つ又は複数の記録を記憶する。幾つかの実装形態では、幾つかの実装形態では、記録キュー112は、マイクロ記録及びマクロ記録等の異なるタイプの記録を含む。
幾つかの実装形態では、収集モジュール170は、テスト対象から刺激信号へのフィードバックを収集し、フィードバックに従って計算モデル114を改良する。幾つかの実装形態では、計算モデル114は、1つ又は複数の記録(例えば、1つ又は複数のマイクロ記録及び/又は1つ又は複数のマクロ記録)並びに刺激に反応してテスト対象が何を経験したかについての言葉でのフィードバック等のテスト対象から受信される追加のフィードバックに基づいて改良される。幾つかの実装形態では、追加のフィードバックは、心拍数情報、痛み情報等のテスト対象の健康に関するフィードバックを含む。幾つかの実装形態では、追加のフィードバックは、大脳基底核、視床下部等のテスト対象の脳の他の部分から受信されるフィードバックを含む。
幾つかの実装形態では、本明細書に記載される記憶刺激技法は、1つ又は複数のコンピュータメモリに記憶され、ローカルネットワーク又はクラウド計算リソースを含め、様々な計算リソースに関連付けられた1つ又は複数のコンピュータプロセッサにより実行されるソフトウェアを介して実施される。ソフトウェア及び計算リソースは、限定するものではないが、刺激、実験制御、及びデータ収集目的で、刺激電極及びモニタリング装置と結合される。刺激及びモニタリング方法並びに電極及び機器/実験制御方法は任意選択的に、コンピュータリソースのうちの1つ又は複数のメモリに記憶される各ソフトウェアモジュールにおいて実施される。異なる実装形態では、これらの技法に関連付けられた機能及びデータは、様々な方法で各ソフトウェアモジュールにおいて組み合わせられる。幾つかの実装形態では、本明細書に記載される任意の技法を実行する過程で生成され収集されるデータ及び本明細書に記載される任意の技法を実行する過程で利用されるデータ、実験パラメータ、及び機器設定(例えば、刺激シーケンス、計算モデル等)は、利用可能な様々なコンピュータ及びデータ記憶リソース(ローカル、ネットワーク、又はクラウドストレージ等)に記憶される。
本明細書に開示される幾つかの実装形態は、齧歯類、霊長類、及び人間での海馬嗅内皮質(「HEC」)系のマクロ記録、マイクロ記録、及び刺激のUCLA Medical Institutional Review Board(「IRB」)承認プロトコールを提供して、計算モデルを改良する。計算モデルは、特定の陳述記憶(他を除く)を強化すると共に、記憶内の特定の項目間の連合及び空間的状況と時間的状況との連合を強化する。
様々なタイプの海馬記憶(例えば、空間、項目特定、連合)の形成をサポートすることに加えて、個々の記憶を回復可能な計算モデルを開発し改良するために、海馬への外側及び内側嗅内求心性神経(the lateral and medial entorhinal afferents)が刺激され、結果が記録され分析される。外泡嗅内皮質(「LEC」)は一般に、物体等の物理的刺激についての情報を記銘し、内側嗅内皮質(「MEC」)は一般に、空間場所についての情報を記銘する。
幾つかの実装形態は、特定の刺激パターンをLEC及びMECの両方に別個に利用して、物体特定記憶及び場所特定記憶の両方を回復させる。幾つかの実装形態は、臨床評価のために深部電極が移植された人間の患者での独自の記憶痕跡をサポートする単一ニューロンを記録する。
幾つかの実装形態は、特定の認知カテゴリ及び/又は概念に加えて、前に見たエピソードの再生中に活性化する人間HEC系での単一ニューロンを特徴付ける上手く確立された記録を利用する。幾つかの実装形態は、マルチ電極マイクロ刺激を使用して、特定の記憶表現(例えば、ジェニファー・アニストンについて)及び記憶及び/又は新たに学習された連合の結果としての再生をサポートする複数のニューロンを活性化することを含む。
幾つかの実装形態では、計算モデルは、単一ニューロン及びLFPレベルで得られる信号に基づき、したがって、(1)ニューロンの発射率、(2)発射のタイミング、及び(3)LFPの選択的周波数特徴のレベルでの陳述記憶コードを反映する。幾つかの実装形態は、記憶の記銘(encoding)及び取り出しに有用な「概念」に独自のスパースコードの平均を取る。これらの概念は、顔、物体、場所、及び動物等の全般カテゴリと、レビューのための属性及び連合を含む。このコードは、齧歯類及び人間で場所細胞、格子細胞、及び方向細胞に容易に関連する。幾つかの実装形態では、このコードは、連合及びエピソードの記銘に拡張することができる。
幾つかの実装形態では、多数の混合選択性が識別され、これらは、追加のよりアクセス可能なレベルの複数の復号化を提供する。更に、幾つかの実装形態は、LFP及び単一ニューロン活動の同時記録を分析し、LFPに頼って特定の記憶を回復させるように刺激を向けることを含む。意識的に認識された画像に反応して、意識的知覚の時間窓を設定するように思われる特定のニューロンの発射に先行するシータピークがあるが、局所的で特定であるように見えるニューロン発射の待ち時間にガンマ反応もある。記憶を強化する嗅内刺激とのガンマ−シータクロス周波数コヒーレンスの増大と共に、幾つかの実装形態によるLFPの周波数分布の操作により、特定の記憶を回復させることができる。
異なる記憶表現(例えば、ジェニファー・アニストン及びエッフェル塔)に寄与するニューロンは多くの場合、同じ電極で見つけることができるが、同じパターンの記憶は、全ての電極で見つかるわけではない。例えば、別個の電極は、同じ記憶表現(例えば、ジェニファー・アニストン)に反応するニューロンを有し得るが、他の非関連記憶(例えば、エッフェル塔)に反応するニューロンも有する可能性は低い。上述した考慮事項に基づいて、幾つかの実装形態は、結合フーリエ手法を含み、それにより、様々なフーリエ周波数パターンの活動が記録され、結果として、異なる電極にわたる刺激に利用される。例えば、特定の記憶(例えば、ジェニファー・アニストン)のニューロン表現を有して、特定の複雑な陳述記憶(例えば、ジェニファー・アニストン)のみを選択的に強化し、他(例えば、エッフェル塔)は強化しない異なる電極。この手法を使用して、刺激は、記憶表現をサポートするニューロンの接続を強化し、したがって記憶の取り出し可能性を強化する。陳述記憶が見つけられるHEC系での神経活動は、広範囲の種にわたる学習及び記憶課題中、かなりリズミカルになる。これらのリズムは、(1)それぞれが行動状態に従って変化するデルタ(0.5〜2Hz)、シータ(4〜12Hz)、ガンマ(25〜90Hz)、及びリップル(100〜250Hz)等の広範囲の振動周波数に広がり、(2)単一ニューロンスパイク活動に密に結合し、(3)記憶成功の予測に使用される。これらのリズムは、低(例えば、25〜50Hz)及び高(例えば、50〜90Hz)ガンマリズムが、シータ振動の別個の位相に現れるように、複雑な方式で刺激及び行動状態により調整することができる。このクロス周波数シーア−ガンマ結合は、探索、ランニング、意志決定、学習中、及び記憶等の行動により調節される。更に、このクロス周波数シータ−ガンマ結合は、刺激誘発の特定記憶強化により調節される。
また、LEC入力は、主にあるフーリエ範囲(例えば、20〜45Hzフーリエ範囲)内にあり、MEC入力は、主に第2のフーリエ範囲(例えば、45〜90Hzフーリエ範囲)にあるため、ERC−CA1接続は、CA1の先端部近傍で低速ガンマ周波数と高速ガンマ周波数とを交互にして選択的に刺激して、別個の項目のLEC入力及びMEC入力へのバインドを強化することができる。スパイクLFP活性化パターンも任意選択的に、計算モデルに組み込まれて、堅牢な記憶痕跡を形成するためにシナプス可塑性を誘発するのに最適な閉ループ刺激パターンを決定する。
このフーリエ結合手法の最後のステップは、回路網レベルで記憶固有の強化を完全に実施し、したがって、HEC回路での神経結合を増大させることによりRAMを促進することである。幾つかの実装形態では、実際の刺激は、記憶形成の成功に必要なシナプス可塑性又は長期増強を最も効率的に誘発するために、最適化される(例えば、シータバースト刺激を使用することにより)。幾つかの実装形態では、人間での記憶強化は、単純なガンマ50Hz刺激を使用することを含む。幾つかの実装形態では、これらの記憶改善は、効率的なマルチスケール計算モデルの使用を通して単純化される。幾つかの実装形態では、効率的なマルチスケール計算モデルは、閾値下スパイクLFP活動によりトリガーされるシータバーストに関連する特定の最適な刺激パターンの開発に基づいて作成される。幾つかの場合、刺激でのマルチスケール計算モデルの使用は、正常な齧歯類、TBI齧歯類、人間以外の霊長類、及び記憶障害がある人間の臨床患者で特定記憶を回復させる。
幾つかの実装形態では、FDA承認技術(例えば、Neuropace RNS(登録商標)を利用して、人間の臨床患者での記憶を回復させる計算モデルの開発及び/又は計算モデルの適用を支援する。例えば、幾つかの実装形態では、NeuroPace RNS(登録商標)システム神経刺激器及びリード(「RNSデバイス」)は、てんかん患者に移植され、マイクロワイヤで作られた深部電極(例えば、Behnke-Fried深部電極、図9のマイクロワイヤ深部電極900)を用いて、少なくとも最初はモニタされる。その結果、幾つかの実装形態では、記憶の刺激と併せた単一ニューロン記録及び/又はLFP記録の即時分析の後、RNSデバイスを使用した長期(例えば、6ヶ月、1年、18ヶ月等)課題関連エピソード刺激が続く。これは、記憶のための長期刺激に反応して、HEC系内の複雑な神経生理学的信号の特徴付けを支援する。幾つかの実装形態では、長期刺激を通して得られたデータを使用して、記憶の精密性強化のための計算モデルを改良する。
幾つかの実装形態では、計算モデルはデバイス(例えば、Medtronic Activa PC+Sデバイス)に組み込まれて、記憶障害があるTBI患者の記憶を回復させる。幾つかの実装形態では、最適化モデルパラメータ(例えば、高周波パターンのシータバースト)が、無線テレメトリを通して外部システムとの刺激のオンデマンド同期と利用されて、(1)課題依存刺激、(2)重要な安全性特徴の統合、及び(3)閉ループ概念を生成する柔軟なアルゴリズム−プログラミング構造を可能にする。例えば、閾値下海馬シータ−ガンマ結合活動を使用して、刺激開始をトリガーすることにより。一緒に、これらの特徴は、記憶の形成及び再生の神経回路網反応に開かれた前例がない窓(unprecedented window)を提供し、アルゴリズムを通しての治療最適化をもたらす。
図2は、幾つかの実装形態による、テスト対象201に移植された移植可能電子回路パッケージ200(「無線移植片」と呼ばれることもある)を示す。幾つかの実装形態によれば、移植可能な電子回路パッケージ200は、1つ又は複数の同軸外部一次RFコイル202、電子回路モジュール206、第1の皮質下プローブ208、及び第2の皮質下プローブ210を含む。
1つ又は複数の同軸外部一次RFコイル202は、電子回路パッケージ200を外部装着可能電子システム204(「イヤーピースモジュール」又は「外部イヤービース」と呼ばれることもある)に結合する。幾つかの実装形態では、電子回路パッケージ200は、電力及びデータテレメトリ用の1つ又は複数の二次同軸RFコイル(図示せず)を更に含む。幾つかの実装形態では、電子回路モジュール206は、ハーメチックパッケージされ、バッテリーレスである。幾つかの実装形態では、電子回路モジュール206は、刺激をテスト対象に提供し、結果の少なくともサブセットを記録する。幾つかの実装形態では、電子回路モジュール206は、刺激モジュール150(図1)及び/又はフィードバック収集モジュール110(図1)を含む。幾つかの実装形態では、第1の皮質下プローブ208は、複数の電極(例えば、32本の電極)を含む。幾つかの実装形態では、第1の皮質下プローブ208は、テスト対象201の嗅内皮質に移植される。幾つかの実装形態では、第2の皮質下プローブ210は、第1の皮質下プローブの電極数と同じ数の電極を含むが、他の実装形態では、第2の皮質下プローブは、別の数の電極を含む。幾つかの実装形態では、第2の皮質下プローブ210は、テスト対象201の海馬に移植される。
幾つかの実装形態では、移植可能電子回路パッケージ200及び外部装着可能電子システム204は、図1の計算システム100等の神経調節システムの構成要素である。
本明細書に開示される幾つかの実装形態は、単一ニューロン記録及びLFP記録の両方を、人間のTBI患者に長期移植される閉ループシステムに組み込む安全で最新技術の小型で無線、長期移植可能な神経調節システムを提供する。幾つかの実装形態では、このシステムは、高密度皮質下電極アレイの対(例えば、図2のプローブ208及び210)に配置される64のチャネルからの刺激及び記録を可能にする。アレイは、無線データ及び電力テレメトリが可能な頭蓋骨搭載移植可能電子回路パッケージに接続する。図2の外部装着可能電子システム204等の外部電子システム(例えば、耳の周りに装着される)は、記憶モデルを埋め込み、RFコイルシステムを使用して電力テレメトリを移植可能パッケージに提供する。開示される移植可能無線システムは、以下の表1に示されるように、時空間分解能、ロバスト性、及びサイズでの比類ない能力を提供する。
上記の表1は、幾つかの実装形態により使用される様々なデバイスを示す。デバイス1は、上述したRNSデバイスに対応する。デバイス2はMedtronic Activa PC+Sデバイスに対応する。デバイス3は、本明細書に開示される移植可能電子回路パッケージ200(図2)等の移植可能神経調節システムに対応する。
神経活動の長期記録は、主にポリマーとポリマーとの境界面の剥離と、トレース及び電極の続く腐食及び短絡に起因して課題であり得る。刺激及び電気生理学的デバイスの寿命を強化するために、幾つかの実装形態では、境界面なしのマイクロ電極アレイが利用される。幾つかの実装形態では、境界面なしのマイクロ電極アレイは、FDA承認生体適合材料を使用する。幾つかの実装形態では、境界面なしのマイクロ電極アレイは、密閉された薄膜金属スカフォールドトレース及び電極を含み、全ての継ぎ目をなくし、電極の寿命を上げる。幾つかの実装形態では、プローブには、腐食が最小であることに起因して、長寿命を示す高密度白金電極が構成される。
図3A及び図3Bは、幾つかの実装形態による、例示的な皮質下電極アレイ(「電極アレイ」、「神経プローブ」、又は「皮質下神経プローブ」と呼ばれることもある)を示す。図3Aは、幾つかの実装形態による皮質下電極アレイ302を示す。皮質下電極アレイ302は、深部電極306の周囲に巻かれた複数の電極304を含む。幾つかの実装形態では、皮質下電極アレイ302は、人間に移植されるように製作される。幾つかの実装形態では、電極304は薄膜電極アレイを含む。幾つかの実装形態では、電極アレイは、刺激及び/又は記録が可能な64のチャネルに結合された64の電極304を含む。幾つかの実装形態では、薄膜電極アレイは、テスト対象に長期移植される(例えば、5年を超える)ように設計される。幾つかの実装形態では、電極304のうちの第1の部分はLFPに使用され、電極のうちの第2の部分は単一ニューロンに使用される。幾つかの実装形態では、第1の部分は、チャネルの半分を含み、第2の部分は、チャネルの残り半分を含む。
幾つかの実装形態は、外科的移植及び外科的移植精密さの生体内特徴付けのためにDBS式リード探り針の趣意のポリマー電極アレイの螺旋巻きの方法を含む。幾つかの実装形態では、方法は、電極アレイの生体適合性テスト(例えば、ISO10993生体適合性テスト)を更に含む。
図4は、幾つかの実装形態によるハーメチックパッケージされたバッテリーレス電子回路402を示す。幾つかの実装形態では、ハーメチックパッケージされたバッテリーレス電子回路402は、高密度相互接続及び3D集積を含む。幾つかの実装形態では、ハーメチックパッケージされた電池レス電子回路402は、図2の移植可能電子回路パッケージ200等の移植可能電子回路パッケージを含む。幾つかの実装形態では、ハーメチックパッケージされた電池レス電子回路402は、長期生体適合性電子回路パッケージを含む。幾つかの実装形態では、長期生体適合性電子回路パッケージは、頭蓋骨搭載電子回路パッケージ(例えば、図2の移植可能電子回路パッケージ200)である。幾つかの実装形態では、長期生体適合性電子回路パッケージは、外部電子システム(例えば、図2の外部装着可能電子システム204)である。幾つかの実装形態では、電子回路パッケージ(例えば、図2の移植可能電子回路パッケージ200)は、(1)プロセスを介して押し出されるピッチにより可能になる超高密度フィードスルー、(2)極度の小型化及び受動構成要素との統合のための3D集積電子回路、及び(3)電極アレイと電子回路モジュール(例えば、図2の電子回路モジュール206)との相互接続の小型化を可能にするリベット接合コード−セラミック結合のうちの1つ又は複数を含む。幾つかの場合、高密度パッケージは、頭蓋骨に搭載することができるコンパクトな生体適合性パッケージの主要構成要素である。
閉ループ神経調節システムの開発での主な問題の1つは、大きい(例えば、約100mV)刺激アーチファクトの存在下で小さい(例えば、約100μV)神経信号活動を記録することである。大きい刺激アーチファクトは、従来の実装形態では、アナログフロントエンドを飽和させる傾向を有する。
従来の電圧/電流領域増幅の代わりに、幾つかの実装形態は、電圧−位相増幅に頼るフロントエンド回路を含む。無制限位相領域で動作する回路は本質的に、飽和にロバストである。幾つかの実装形態によれば、マルチビットVCO−ADC(例えば、16ビット)を利用して、大きい信号(例えば、200mV)を処理し、小さいステップサイズ(例えば、1μV)を関心のある信号に提供する。アナログ信号チェーンからの非飽和出力の場合、幾つかの実装形態では、高度な適応フィルタを使用して、刺激アーチファクトを除去する。
複数のチャネル(例えば、64チャネル)から単一ユニットを記録できるようにするために、誘導給電移植片では、低ノイズ増幅器は低電力を使用しなければならない。開示される実装形態は、周波数分割多重化(「FDM」)を使用して、同じノイズを維持しながら、増幅器の最も電力を消費するブロックを共有する手法を含む。したがって、所与のノイズ仕様で、複数(例えば、3〜5)のチャネルは、単一チャネル増幅器と同じ消費電力で増幅される。この電圧増幅器は、刺激アーチファクトの存在下で飽和に対して弱いため、幾つかの実装形態では、刺激パルスが適用される場合、補助経路がイネーブルされる。補助経路は、より高い消費電力(例えば、約15μW/チャネル)を有するが、飽和しないVCO−ADCベースのフロントエンドを使用する。そのような実装形態の消費電力はかなり低く、同時に、そのような実装形態は刺激アーチファクトに対してロバストである。利用可能なデータレート(例えば、1Mbps)を超えずに単一ユニット記録をサポートするために、ハードウェア効率的特徴抽出アルゴリズムが実施されて、データレートを低減する(例えば、1/10に)。
図5は、幾つかの実装形態による、無線移植片501と併用される電力及び制御回路500を示す。幾つかの実装形態では、無線移植片501は、図2の移植可能電子回路パッケージ200等の移植可能電子回路パッケージである。電力及び制御回路500は、誘導電源システムを含む。幾つかの実装形態では、電力及び制御回路500は、無線移植片501において、誘導リンク504を生成する近接場コイルの対、アクティブ整流器502、複数(例えば、2〜4)の局所低損失調整器(「LDO」)515、高電圧電荷ポンプ回路514、及びフィードバック制御回路508(又はその部分)を含む。幾つかの実装形態では、電力及び制御回路500は、外部イヤーピース503において、駆動回路512、電力増幅器(「PA」)510、調整可能コンデンサバンク506、及びフィードバック制御回路508(又はその部分)を含む。
幾つかの実装形態では、整流器502は、完全オンチップ動的補償トポロジを含み、電力効率を強化する。幾つかの実装形態では、マルチLDOトポロジは、LDO性能を最適化し、アナログ/デジタル構成要素を分離するように構成される。幾つかの実装形態では、刺激回路は、電流源のように挙動するデジタル制御される電流DACに基づく。幾つかの実装形態では、追加の回路が、刺激後の電極上のあらゆる過剰電荷を中性化して、電極酸化/還元に起因する長期破損を阻止する。幾つかの場合、刺激中の移植片での最悪事例ピーク所要電力は約10mWであり、ピーク対平均比率は約10である。幾つかの実装形態では、無線リンク501でのピーク電力を低減するために、局所バイパスが移植片パッケージ上に追加されて、スパイク電流を送る。幾つかの実装形態では、移植片501は、幾つかの地ISなコンデンサ(例えば、1μFコンデンサ)を更に含む。この記憶を用いて、無線リンクは、1mW平均電力を移植片に送るのみでよく、これは柔軟でより効率的な全体設計に置き換えられる。
幾つかの実装形態では、イヤーピースモジュール(例えば、外部イヤーピース503)内部の埋め込みプロセッサは、アーチファクト除去用の適応フィルタ、プログラマブルメモリモデル、及びシステム/インタフェースコントローラをホストする。
幾つかの実装形態では、外部イヤーピース503及び移植片501は、図1の計算システム100等の神経調節システムの構成要素である。幾つかの実装形態では、神経調節システムは、TBI患者(例えば、臨床試験)での記憶回復に使用される前に、齧歯類、TBI齧歯類、及び人間以外の霊長類でテストされる。幾つかの実装形態では、テストは、生体内四極管記録及び齧歯類での細胞全体記録の両方を含む。幾つかの実装形態では、テストは、異種間モデル検証のために人間に対して容易に一般化することができる齧歯類での複数の感覚器官及びマルチモーダルの仮想現実システムの使用を含む。
図6は、幾つかの実装形態による仮想現実装置及び環境600を示す。図6(a)は、報償送出管、ヒンジ留めされた調整可能ハーネス、球形トレッドミル、マイクロプロジェクタ、歪みミラー、及び円筒形投射画面を含む仮想現実システム602の概略を示す。図6(b)は、仮想現実環境604aの上から下を見た図を示す。仮想現実環境604aは、部屋(例えば、3m×3mの部屋)の中央に線形トラック(例えば、2.2m)を含む。仮想現実環境604aは、各壁に様々な遠位視覚的手掛かりも含み、幾つかの実装形態では、図6(b)では柱で示される能動的報償ロケーションも含む。図6(c)は、仮想現実環境604b内のラットを示す。
幾つかの実装形態では、仮想現実システムを使用して、探索学習及び連合学習を同時に測定することにより、2つの重要な形態の学習:陳述と連合との間のギャップを橋渡しする。したがって、マルチスケール計算理論、行動している齧歯類でのHEC系からの神経アンサンブル記録、及び多感覚器官仮想現実の新規のハードウェア開発のこの独自の組合せは、前例がなく、テスト及び改良での飛躍的進歩を可能にする。幾つかの実装形態では、GRINレンズが、生体内の海馬ニューロンの大部分の活動を視覚化するために含められる。健康な齧歯類での刺激及びスパイクLFP記録と組み合わせたGRINレンズの使用は、海馬−嗅内機能の理解を有意に強化する。幾つかの実装形態では、記憶を回復させる神経調節システムの能力の測定に使用される行動課題も、齧歯類TBIモデルを用いてテストされる。
幾つかの実装形態では、TBIの3つの齧歯類モデル(流体パーカッション、皮質衝撃、閉鎖性頭部損傷)からのデータを利用して、神経調節システムを訓練し、及び/又は仮想現実システムを調整する。
幾つかの実装形態では、神経調節システムのテストは、人間以外の霊長類でのテストを含む。人間以外の霊長類の研究は、神経心理学と霊長類神経心理学との境界面にある。実行される神経記録は通常、確立された認知行動を説明する神経のメカニズムを見つけることを目的として、人間の心理学からの概念によりガイドされる。加えて、人間以外の霊長類での研究は、脳がどのように学習及び記憶をサポートするかについての理解、認知課題を実行する覚醒行動中の霊長類の訓練、眼球運動追跡、並びに電気生理学的記録及び刺激の両方での幅広い専門知識を用いて目の動き及び視覚的注意の割り振りをガイドする。幾つかの実装形態では、神経調節システムのテストは、TBI患者において記憶を回復する臨床試験を含む。
幾つかの実装形態では、神経調節システムの機能は、知覚表象を別個の記憶に変換する神経コードに基づき、別個の記憶は後に、意識取り出しに利用可能であり、したがって、陳述記憶のベースである。この独自のコードは、特定であるが、それでも不変であり、意識であり、比較的遅く(例えば、約400ms)、疎であり、連合であり、及び抽象である。
幾つかの実装形態では、単一ニューロン記録及びLFP記録は、より大きい空間及び時間分解能及び同じ対象での嗅内−海馬軸の刺激を用いて続けられる。電気生理学的研究と認知研究との組合せで人間のMTL内の単細胞にアクセスする能力は、有意な新規性を提示し、その理由は、多くの他の研究機関の主な焦点が、人間での機能的神経撮像及び動物での単一ユニット記録に合わせられ続けており、MTLの非侵襲的人間神経生理学の少数の研究であっても、主に頭蓋内EEGに基づいており、MTLのマイクロ刺激に基づくものはないためである。幾つかの実装形態では、マクロ刺激及びマイクロ刺激は、独自の臨床設定で同じ対象で全て実行される同時単一ユニット及びLFP神経生理学と組み合わせられて、考え、再生、及び経験を陳述することが可能な覚醒意識人間対象でのMTLへのアクセスを可能にする。これは、最近の神経科学とは略似つかない希な状況である。加えて、海馬でのシーケンス記憶痕跡の神経計算発見は、行動中のスパイクタイミング依存可塑性(「STDP」)の最良のエビデンスとして広く認められており、多くの場合、「メータ効果(Mehta effect)」と呼ばれる。
記憶、特に顔及び事象の記憶(例えば、陳述記憶)は、海馬−嗅内−皮質系で生じる。しかし、これが生じる計算的メカニズム及びそれらのモデルの実験テストは欠けており、記憶障害で実施可能な治療がないことに繋がる。知識におけるこの重大なギャップの主な理由は、2つからなる。第1に、記憶形成の大半の理論は、海馬のみ又は皮質−海馬相互作用の何れかのみに焦点を合わせており、嗅内皮質の寄与は殆ど注目されていない。第2に、HEC回路ダイナミクス及び複雑な行動課題での記憶性能への嗅内寄与を測定する実験技法は依然として測定されていない。
本明細書に開示される計算モデルは、生物生理学的であるが、それでもなお分子からシナプス、細胞、回路網及び行動のグループまでの全範囲に広がり、より重要なことに、モデルは実験的に検証されている。例えば、CA3−CA1ニューロンの単純な海馬回路網は、事象の時間順序を学習することができる。特に、海馬回路の主機能は、過去の事象の統計学的規則性に基づいて、将来の事象を予期又は予測することである。
幾つかの実装形態では、計算モデルは、CA1からの生体内単一ユニット電気生理学を使用してテストされる。STDP誘発に求められる精密なスパイクタイミングは、神経反応がポアソン分布(高いばらつき係数)であるため、行動中、自然に発生しないが、問題は、神経振動により解決することができる。幾つかの実装形態では、神経リズムを介してSTDPの精密なスパイクタイミングを生成するモデルが使用される。幾つかの実装形態では、回路網モデルを使用して、長期(数日)中に記憶の固定が生じる場合、低波睡眠リズムが生じることを示す。
嗅内ニューロンは、強い空間選択性を示す。実際に、格子細胞とも呼ばれる嗅内ニューロンは、空間周期性発射を示す。更に、遠位樹状突起への嗅内入力は、樹状突起スパイクを生成する可能性がより高く、これは体細胞スパイクを引き起こすにあたって非常に有効である。これは、記憶形成について3つの重要な計算上の問いを生じさせる:(1)何れの因子が生体内嗅内皮質ニューロンの活動パターンを決めるか、(2)嗅内入力及びCA2入力が精密なタイミングでどのように組み合わせられて、CA1ニューロンの活動を駆動するか、(3)これらのプロセスがどのようにHEC記憶形成に寄与し、損傷した場合、どのように改善又は修正することができるか。麻酔中又は睡眠中の動物では、嗅内ニューロンは、1秒〜200秒続く自発的に発生する確率的記憶様活動を示す。更に、この記憶様活動は、睡眠中の約90%の時間で生じ、HEC回路の全ての部分の同時測定のみを使用して検出することができる。この自発的嗅内記憶は、海馬神経活動をロバストに駆動することができ、これは、嗅内ニューロンが海馬を駆動することができないという過去の信念を直接否定する。幾つかの実装形態では、嗅内皮質でのこの自発記憶の生成を決めるメカニズムのマルチスケール計算モデルが使用され、改良される。電気生理学的測定は、多くのニューロンのサブミリ秒の正確な分解能活動マップを提供する。しかし、これは、ニューロンの解剖学的識別及び位置特定についての情報を提供することができない。
幾つかの実装形態では、GRINレンズベースの撮像システムを使用して、電気生理学的測定と同じ課題中、解剖学的に識別されたニューロンの大部分の活動を撮像する。電気生理学と撮像とを使用して、解剖学的特異性及び活動の精密なタイミングの両方を取得するデュアル手法は、パターン化された電気刺激を使用して自発記憶を強化することができる技法を明らかにする。幾つかの実装形態では、嗅内ニューロン、CA3ニューロン、及びCA1ニューロン間で活動がどのように動的に調整されるかの計算モデル及びこの回路は、自発記憶の伝達を促進する。樹状突起電位の散逸性に起因して、これらの異なる領域からの入力は、この活動が動的に調整されて、回路の異なる部分が他の部分を選択的に駆動できるようにするように同期して到着する必要がある。幾つかの実装形態では、シータ振動とガンマ振動との間での振幅−位相クロス周波数結合(「CFC」)を使用して、この課題を達成する。人間では、嗅内野のDBSは、記憶強化及び海馬シータ振動の位相再設定を生じさせる。嗅内刺激は、シータ−ガンマCFCを増大させる。齧歯類では、CA1回路網ダイナミクスは、シータ−ガンマ振幅−位相CFCの強い速度依存調節を示す。幾つかの実装形態では、シータ−ガンマCFCが、海馬亜領域CA1とCA3との駆動をどのように別様に促進するかの計算モデルが使用される。
齧歯類及び人間の両方でのシータ振動の位相と、単一ニューロンスパイクのタイミングとの関係にもかなりの関心がある。人間の頭蓋内研究は、単一海馬ニューロンのスパイク率が、最近学習された項目が思い出されるか否かを予測することを示している。シータ−スパイク関係が、記憶に格納されたその後の項目の手掛かり再生を反映し得ると仮定されている。人間での近年の研究は、記銘中のスパイクとシータとの関係が記憶成功を予測したことを示した。これらの結果は、陳述記憶でのシータリンクされたスパイク活動の直接的な役割を暗示する。同時LFP記録及び単一ニューロン記録は、シータ振動及びガンマ振動が単一ニューロン活動と一緒に、陳述記憶の成功をサポートする潜在的なメカニズムをリンクする。幾つかの実装形態では、外部刺激、単一ニューロン及び振動活動は一緒に機能して、個々の記憶の記銘及び再生の成功をサポートするか、又は記憶の長いシーケンスが特定される。幾つかの実装形態では、計算モデルは、齧歯類及び単一ニューロン−LFP記録のために深部電極が移植された人間のてんかん患者で同時にテストされる。
幾つかの実装形態では、モデルの閉ループLFP刺激側面は、FDA承認NeuroPace RNSデバイスを使用して同じてんかん患者での長期有効性について、及びFDA承認Medtronic Activa PC+Sデバイスを使用してTBI患者での長期有効性についてテストされる。人間の海馬亜領域の高分解能CT撮像及び高分解能磁気共鳴撮像並びに人間の嗅内貫通線維路の拡散テンソル画像法は、齧歯類及び人間にわたる空間分解能ギャップの橋渡しに役立つ。
幾つかの実装形態では、幾つかの高度行動パラダイムを利用して、陳述記憶回復の特定の側面への計算モデルの効果をテストする。例えば、幾つかの実装形態では、陳述記憶の空間特定成分と時間特定成分とをテストするために、モデルは、海馬への内側嗅内皮質入力と外側嗅内皮質入力とで別個にテストされる。幾つかの実装形態では、齧歯類及び人間で仮想現実を使用して、学習された仮想環境内の物体−物体連合及び物体−場所連合への記憶性能が測定される。この課題は、複雑な陳述記憶と、視聴覚刺激、物体及び場所、及び報償の期待により定義される記憶シーケンス形成とをテストする。幾つかの実装形態では、物体、顔、動物、及び場所を含め、学習された別個のカテゴリの情報の再生が、人間及び人間以外の霊長類(「NHP」)でのランダム認識課題を使用してテストされる。幾つかの実装形態では、項目間の連合の学習及び再生も、項目間(例えば、顔又は物体)及び空間場所間と同様にテストされる。
幾つかの実装形態では、個人にわたる計算モデルの共通性をテストするために、ある個人から開発されたモデルを使用して、別個の複数の実験設定中、別の個人での記憶回復に使用する。幾つかの実装形態では、開発されたモデルは、刺激及びスパイクLFP記録のために海馬−嗅内深部電極が移植されたてんかん患者での陳述記憶強化について、閉ループ方式でテストされる。
幾つかの実装形態では、既存の市販のDBS技術(例えば、NeuroPace RNS及びMedtronic Activa PC+S)を使用して、人間のてんかん患者及びTBI患者で計算モデルをテストする。幾つかの実装形態では、計算モデルは、閾値下海馬スパイク−シータ−ガンマクロス周波数結合の開始時にトリガーされる嗅内刺激を組み込んで、ループを閉じる。幾つかの実装形態では、刺激は、人間で示された記憶強化の前の発見を利用する。
幾つかの実装形態では、開発されたモデルは、刺激及びスパイクLFP記録のために海馬−嗅内深部電極が既に移植された人間のてんかん患者での陳述記憶強化について、閉ループ方式でテストされる。幾つかの実装形態では、既存の市販のDBS技術を使用して、人間のてんかん患者及びTBI患者でモデルをテストする。幾つかの実装形態では、嗅内刺激は、閾値下海馬スパイク−シータ−ガンマCFCの開始時に与えられて、ループを閉じる。幾つかの実装形態では、刺激は、人間での記憶強化を示した前の発見を利用する。
幾つかの実装形態では、ポリマーベースのプローブをテストして、長期移植可能神経境界面への適性を特定する。幾つかの実装形態では、可撓性ポリマー基板に基づく長期神経境界面が使用される。これらのポリマーは、現行水準のシリコン(例えば、約200GPa)又はマイクロワイヤデバイス(例えば、約100GPa)と比較してはるかに低い弾性係数(例えば、約3GPa)及びはるかに低い異物反応を有する。ポリマーベースの神経プローブは、いかなる細胞有害反応も引き起こさずに、6ヶ月にわたり動物に問題なく移植された。
幾つかの実装形態は、嗅内−海馬認知人工器官の開発、規制承認、及び使用を含む。幾つかの実装形態は、臨床での使用に適するIPGとインタフェースするマルチチャネルプローブ、ケーブル、及びフィードスルーの技術の使用を含む。幾つかの実装形態では、2つのISOテストが実行される:(1)認定施設において電極アレイ/ケーブル生体適合性を検証するISO10933、及び(2)アレイ/IPG組立体を検証するISO14708。ISOテストは、長期移植認証のベースを提供する。
図7は、幾つかの実装形態による神経調節システム700を示す。神経調節システム700は、幾つかの実装形態により、損傷した脳の神経障害を軽減するようにプログラムされたデバイスを開発、作成、テスト、及び検証するシステムである。幾つかの実装形態では、小型無線デバイス(例えば、電池を含めて5g未満)を使用して、自由に動く齧歯類での海馬活動を記録する。幾つかの実装形態では、4チャネルデバイスを使用して、最高で6匹の動物(シャム、ナイーブ、TBI)を同時にモニタし、脳損傷後の記録記銘の必須の定量的データを取得する。幾つかの実装形態では、このデバイスは、上述した基準を満たす刺激能力を含むように更に構成される。幾つかの実装形態では、上述したモデリングにより示されるニーズに一致する追加の特徴がデバイスに埋め込まれる。幾つかの実装形態では、離散集積構成要素の組合せが動物テストに使用される。
商用デバイスでは利用できない重要な特徴は、同時記録及び刺激を可能にするアーチファクト拒絶である。アーチファクトは、所望の信号よりも100倍〜1000倍大きい干渉をもたらすおそれがある。電圧又は電流とは異なり、電気信号の位相は、有限値に制限されない。幾つかの実装形態では、飽和耐性が、位相領域VCO−ADCを使用して、16ビット分解能を用いて関心のある入力信号を直接デジタル化することにより提供され、200mVpp飽和なし入力範囲を達成し、関心のある信号の分解能はuVレベルである。例えば、図5に関する上記考察を参照のこと。大きい刺激アーチファクトがある状況であっても非飽和出力を有することにより、高度な後処理を実行して、刺激アーチファクトを除去することが可能になる。幾つかの実装形態では、適応エコーキャンセル技法を使用して、記録された信号に対する刺激の影響を相殺する。刺激アーチファクトは複数の記録チャネルに同時に影響するため、幾つかの実装形態では、様々なチャネル間の相互相関に含まれる情報を使用して、アーチファクト相殺の効率を強化する。
閉ループ神経記録システムは、リアルタイムスパイクソートへのサポートを提供する。幾つかの実装形態は、広いSNR範囲にわたり様々なスパイクソートアルゴリズムの複雑性−正確性トレードオフを評価する方法論を含む。幾つかの実装形態は、複雑性正確性最適化アルゴリズムを実施するエネルギー効率的な選択と、消費電力が低い(例えば、約130μW)64チャネルスパイクソートチップの使用とを含む。幾つかの実装形態では、柔軟なスパイクソートプロセッサを使用して、様々なスパイク検出及び特徴抽出アルゴリズムを効率的にサポートする。
活動電位記録では、フロントエンド低ノイズ増幅器は、システム電力の大部分を消費する。幾つかの実装形態では、増幅器電力を低減するために、チャネル間で最も電力を消費するブロックを共有するマルチチャネルフロントエンド増幅器が使用される(例えば、図8のFDM増幅器)。活動電位記録で入力換算ノイズ要件(例えば、4μVrms)を達成するために使用されるバイアス電流により、増幅器は、信号帯域幅よりもはるかに大きい固有帯域幅を有することになる。幾つかの実装形態では、周波数分割多重化を使用して、複数の信号に対応し、したがって、複数のチャネルにわたり増幅器を共有する。
幾つかの実装形態では、刺激回路は、最高で2mAのプログラマブル駆動/シンク電流を有する電流ステアリングDACを含む(例えば、図5の電流源520)。大きい出力の振れ(例えば、5V超)をサポートするために、幾つかの実装形態では、電荷ポンプを使用して、DACで使用される大きい供給及びバイアス電圧を生成する。幾つかの実装形態では、電荷平衡回路を使用して、そのままでは組織損傷に繋がるおそれがある、刺激事象後の電極上のあらゆる過剰電荷を中和する。
送電は、移植可能システムにとって重要な設計考慮事項である。幾つかの実装形態では、システム統合のために、標準プロセスに適応負荷を有する高電圧生成器(刺激器ブロックの部分)を使用して、高電圧トランジスタの使用を回避する。電極と脳組織との間の広範囲の負荷インピーダンスに適応するために、高電圧生成器は、幾つかの実装形態では、可変電圧(例えば、−10V、最高で10V)を出力駆動回路に供給するように設計される。幾つかの実装形態では、電圧変換及びパルス駆動の両方を組み合わせた新規の双方向切り替えコンデンサ出力段が使用される。幾つかの実装形態では、能動整流器(例えば、図5の整流器502)では、完全オンチップ動的補償トポロジを利用して、電力効率を強化する。
記録と刺激との間のループを閉じるために、幾つかの実装形態では、記録された神経データを有効な刺激パターンに変えるポータブルプロセッサが使用される。処理は、メモリモデルによりガイドされるように、低電力埋め込みデバイスに統合される。
幾つかの実装形態では、プロセッサは、神経計算での領域に固有であるが、必要に応じてモデルパラメータを変更する適切な柔軟性を有する。したがって、モデリングとの密な相互作用は、埋め込み低電力プロセッサの統合成功をもたらす。
幾つかの実装形態は、低電力(例えば、5μW未満/チャネル)を消費する完全無監督(unsupervised)の神経スパイクソートプロセッサを含む。幾つかの実装形態では、アルゴリズム分析、特に複雑性−正確性トレードオフの方法を使用して、低電力に最適化されたハードウェアアウェアアルゴリズム及びチップ実装を開発する。
幾つかの実装形態は、完全統合神経インタフェースの相互接続システムを有する高密度マイクロ電子回路パッケージの使用を含む。幾つかの実装形態では、パッケージは、3つの主要構成要素からなる:(1)無線記録電子回路をマイクロ電極アレイに接続する高密度セラミックフィードスルー、(2)生体適合性金属シェル、及び(3)電子構成要素(例えば、刺激及び記録チップ、無線テレメトリ、及び受動構成要素)。極度の小型化を達成するために、幾つかの実装形態は、高度な3Dパッケージング技法(フリップチップボンディング、ワイヤボンディング、ステンシルプリント、及びろう接等)を利用して、IC及び受動構成要素を小さいフォームファクタで直接組み立てる。幾つかの実装形態では、刺激及び記録サイトを有する可撓性マイクロ電極アレイは、導電性ポリマーの高密度相互接続を使用してパッケージに取り付けられる。
複雑な陳述記憶の従来のテストは、モリス水迷路課題である。しかし、この水泳課題について電気生理学的に行うほうがむしろ難しい。そのうえ、この課題は嫌悪的であり、プラットフォームへの逃避を含むが、私達が取り組む記憶課題の大半は欲求的であり、食べ物、水、又は他の報償を得るために実行される。幾つかの実装形態では、これもまた多感覚器官及びマルチモーダルな非侵襲的仮想現実システムが、齧歯類のテストに使用される(例えば、図6の仮想現実装置及び環境600)。この多感覚器官仮想現実システムにおいて、ラットは、砂糖という報償を得るためには、遠位視聴覚手掛かりにより定義されるマークなし空間場所に行くことを覚える必要がある。最新の研究は、複雑な行動を理解するために、探索正確性等の単一モーダル行動に焦点を置いているが、マルチモーダル行動アッセイを有し、それを神経活動パターンに関連付ける必要がある。したがって、幾つかの実装形態は、齧歯類及び人間のてんかん患者の両方で、このマルチモーダル仮想現実において、連合記憶と共に、多感覚器官刺激により定義される探索記憶を同時に測定することを含む。
この仮想迷路を使用して、信頼性の高い電気生理学が実行される。仮想迷路では、場所細胞は距離細胞のように行動し、これは、現実世界で見られるものよりもはるかに複雑な活動パターンである。仮想世界では、神経リズムの周波数を時間的記銘属性から切り離すことができる。幾つかの実装形態では、多感覚器官及びマルチモーダル記憶形成へのこれらの距離記銘ニューロンの寄与が測定される。幾つかの実装形態では、神経ダイナミクスが、嗅内皮質、CA3、及びCA1から同時に測定される。幾つかの実装形態では、1サイクルのガンマ振動内のこれらの領域間の精密な調整を使用して、これらがどのように相互作用して、この回路内でロバストな記憶痕跡を生成するかを特定する。
上述したように、Medtronic及びNeuropaceからのシステムを含め、神経を刺激し記録するFDA承認の市販の人間移植可能システムは少数である。両方とも、刺激し、複数の接点から記録し、運動障害及びてんかんを治療することが可能な脳深部刺激システムである。
DBS治療の数十年にわたる使用及びDBS治療を適用することができる疾患リストの増大にもかかわらず、DBSが有効に機能するメカニズムも主に依然として分かっていない。理解及び治療を改善するために、脳の複数の領域を刺激し、それらの領域からのより多数のチャネルからの刺激を記録する能力を有する新しい技術が求められている。本開示は、(1)刺激及び記録の両方に適する高チャネルカウントを有する移植可能アレイ、(2)高チャネルアレイとインタフェース可能な刺激及び記録電子回路、(3)多数のチャネルで神経調節をプログラム可能な無線データ処理ユニット、及び(4)高チャネルデータ処理及び刺激/記録電子回路の電源等の幾つかの新しい技術の使用を含む。
皮質下刺激及び記録では、シリコンベースの神経インタフェースが利用されることが多い。幾つかの顕著なシリコンベースの神経インタフェース(例えば、Blackrock、Microsystems、Neuroexus)が、ここ二十年にわたり使用されている。様々なタイプの貫通アレイの幾つかの中期成功にもかかわらず、これらのシリコン神経インタフェースからの長期機能神経インタフェースを示すことで成功した方法はない。
電極故障の一因は多くの場合、剛性デバイス材料と皮質組織との機械的不整合及び神経組織内の異物の存続である。従来のアナログフロントエンドの大半は、数mVのアーチファクトの存在下で飽和し、同時記録及び刺激を妨げる。同時記録及び刺激を可能にする従来の努力は、刺激後、並列シャントインピーダンスを導入して、電極を放電させることにより、信号チェーンの飽和を回避しようとした。この方法は、刺激後のデッドタイムを低減するが、それでもなお約10msのデッドタイムが存在する。インタフェースによる飽和の問題は、生体信号記録での一般的な問題である。大きい運動アーチファクト後のデットタイムを低減しようとする試みは、アナログフロントエンドをリセットすることによって行われてきた。ICAベースのフィードバックループにより、運動アーチファクトを除去する幾つかの試みがなされてきた。しかし、これらの技法の大半はなお、記録デッドタイム又は非常に限られた入力範囲という問題を有する。
現行水準の活動電位記録増幅器は、同じ基本構造の、フィードバックと併用される差動増幅器を有する。入力換算ノイズは、差動対の入力デバイスのノイズに制限される。必要とされるノイズ性能に従って設定される増幅器での最小バイアス電流により、増幅器の帯域幅は信号帯域幅よりもはるかに大きくなる。これらの従来の設計は、差動対のNEFに対応する理論上の最小ノイズ効率係数(「NEF」)2を有する。この構造は、電力低減に関して限界に達しており、電力を更に低減するためには、新しい手法を利用する必要がある。
刺激駆動器に必要とされる高電圧生成の従来の設計は通常、効率的ではあるが、嵩張るDC−DCコンバータに基づく。高効率にもかかわらず、DC−DCコンバータは、スペースが非常に限られた用途には適さず、その理由は、幾つかのオフチップ構成要素を必要とするためである。また、高電圧トランジスタを使用することによる高電圧生成は、電力効率を下げるおそれがある。能動適応整流器の代わりに、従来の解決策の幾つかは、オフチップダイオードをオンチップ能動トランジスタで置換している。
本開示は、現行技術を上回る幾つかの利点を有する。幾つかの実装形態では、長期移植可能な神経プローブでは、高チャネルカウントポリマーベースアレイが、長期安定性のために利用される。これらのポリマーは、シリコン又はマイクロワイヤデバイスと比較して低い異物反応性を有する。加えて、幾つかの実装形態では、高密度小型化パッケージが使用され、これは、侵襲性がより低い外科手技を使用して埋設することができるコンパクト電子システムを提供する。更に、開示される移植可能デバイス(例えば、図2の移植可能電子回路パッケージ200)は電池を必要としない。更に、幾つかの実装形態では、アーチファクトは、位相領域処理に移ることにより除去され、位相領域処理では、信号は、従来の電圧又は電流ベースのシステムでのような物理的制限を受けない。したがって、幾つかの実装形態では、最高で200mVの刺激アーチファクトを除去することができ、従来技術と比較して20倍の改善を示す。また、幾つかの実装形態は、周波数分割多重化(「FDM」)増幅器構造の使用を含み、この構造は、インピーダンスベースのフィルタリングと一緒に、入力ノイズを増大させずに、幾つかのチャネルが増幅器電流を共有できるようにする。この手法は、既存の手法よりも増幅器の電力使用を1/3未満にする。
これより、外傷性脳損傷の齧歯類モデルに注目する。
流体パーカッション損傷(「FPI」)は、流体パルスが頭蓋骨切除術を介して、損傷のない硬膜に付与され、単一震盪及びびまん性軸索損傷の要素をモデリングする一般的な脳運動損傷を生成するTBIモデルである。このモデルの組織病理は、成年での小さい皮質挫傷及び局部的海馬ニューロン損失(CA3及び門細胞)から、発育ラットでの明白なニューロン損失なしまで、脳成熟の複数の段階にわたり十分に特徴付けられている。重要なことに、組織学的病変がない場合であっても、若年動物では、FPIが、経験依存神経可塑性の損失に関連する海馬での興奮性神経伝達障害を誘発する。海馬活性化が損なわれたこの状態は、グルタミン酸作動性での変化に依存するように見える。
データにより、海馬スライス内の損傷したNMDAR関与EPSCについて、新規物体認識(「NOR」)テストを使用したワーキングメモリの欠如と、phMRIを使用したrCBFの薬理活性化の低減とが示される。
制御式皮質衝撃(「CCI」)は、限局性出血性挫傷及びびまん性軸索損傷を含む人間TBI後に見られる病理生物学を再現する損傷モデルである。このモデルでは、下にある海馬も幾つかの細胞死を含む損傷を受ける。通常、海馬病理の様々な程度に伴い、虚血中心部を生じさせ、最終的に局部皮質空洞化を生じさせる全厚皮質挫傷もある。
閉鎖性頭部外傷(「CHI」)又は軽度TBI(「mTBI」)は、軽度人間TBI(例えば、震盪に起因する)を模倣するより新しい損傷モデルである。重要なことに、このモデルは、頭蓋骨切除術を必要とせず、スポーツ及び軍事的状況で臨床的に生じる繰り返される軽度TBI(「rmTBI」)のモデリングに問題なく使用されてきた。特に、このモデルは、青年期及び若年成人ラットで研究されており、繰り返される衝撃の回数及び頻度に基づいて、段階的な海馬記憶障害(新規物体認識)を生じさせ、軸索傷害を増大させる。若年ラットでの1つ又は複数のCHI損傷後の海馬ニューロン死は、あったとしても極わずかである。発育中の動物及び成熟した動物は両方とも、組織的病変又は細胞死がない場合、外側FPI後に海馬機能の欠陥を示す。FPI又はCHI後の海馬行動機能不全は、新規物体認識課題等のワーキングメモリの非規則ベースの測定を含む。また、幾つかの実装形態は、取得試行及びプロービング試行の両方にモリス水迷路(「MWM」)を使用しての海馬ベースの空間学習及び記憶での障害を使用する。
損傷した海馬への投射を機能的に刺激して、可塑性及び記憶機能を促進することのプロービングは、外側FPI後の若年ラットでの介入研究によりサポートされる。このモデルでは、上述したように、海馬グルタミン酸系の下方制御、CA1の電気生理学的活性の低下、ワーキングメモリ障害、phMRIでの海馬活性化の低下、及び豊富環境での経験依存可塑性への反応の低下が観測される。
幾つかの場合、グルタミン酸作動性コアゴニストをNMDARにおいて使用し、これを豊富環境への収容と組み合わせることにより、海馬活性化及び経験依存可塑性が回復され、これは、MWM性能の改善として発現する。また、外側FPIを使用して、海馬への内側中隔核投射のシータ刺激は、バーンズ迷路での記憶機能を改善する。幾つかの実装形態では、TBI齧歯類での記憶は回復し、このプロセス中に生じる分子的変化及び神経生理学的変化が特徴付けられる。
倫理的、法的、及び社会的関連事項が深く専門的に考慮されることを保証することが重要である。ELSI(倫理的、法的、及び社会的関連事項)要素を含む人間での研究実施のレビューが重要である。したがって、幾つかの実装形態は、脳刺激及び記録の全国的議論への方針継続監督及び参加のデータ及び安全性モニタリング委員会を含む。
上述したように、幾つかの実装形態では、人間臨床患者の陳述記憶を回復させることができるHEC系の計算モデルが開発され、改良される。幾つかの実装形態では、これは、様々なフーリエパターンの前シナプス刺激及び後シナプス刺激に反応する海馬−嗅内シナプスを刺激することを含む。幾つかの実装形態では、これらの刺激パターンは、記憶を回復するために、人間のてんかん患者及びTBI患者でテストされる。幾つかの実装形態は、Behnke-Friedマイクロワイヤ深部電極(例えば、図9のマイクロワイヤ深部電極900)が移植されたてんかん患者で単一ユニットを刺激し、単一ユニット活動を記録して、計算モデルを開発し、計算モデルをテストすることを含み、これは、てんかん患者への電極配置の持続時間(例えば、最長で14日)により制限される。幾つかの実装形態では、発作コントロールのためにRNSシステムを配置する症状を満たす患者では、既存のFDA承認技術(例えば、RNSデバイス)を利用して、発作をコントロールするのみならず、記憶課題と併せて、記憶への刺激の長期効果をテストもする。これらの患者では、RNSデバイスは、刺激誘発記憶強化の根底をなす人間LFP特徴を特定し、それにより、計算モデルの改良に必要な長期データを提供する。幾つかの実装形態では、モデルの特定されたLFP刺激構成要素は、TBIを有する患者での記憶を回復するために、Activa PC+Sの検知及び閉ループ能力並びにその電力容量を使用して、既存のFDA承認技術(例えば、Activa PC+S)内に実装される。幾つかの実装形態では、刺激及び人間深部電極単一ユニットデータ並びにRNSデバイス及びActivaデバイスの使用から得られるデータから導出されるモデルの追加のスパイクLFP構成要素が、記憶障害を有するTBI患者に移植された新しい無線閉ループ移植可能マイクロ電極デバイス(例えば、図2の移植可能電子回路パッケージ200)に組み込まれる。幾つかの実装形態では、この新たに開発されたデバイスが特定の記憶及び記憶間の連合を回復する能力が実証される(例えば、少なくとも14日にわたり)。
上述したように、幾つかの実装形態は、人間臨床患者でのHEC複雑、陳述、長期記憶システムの計算モデルの開発を含む。幾つかの実装形態では、人間の長期陳述記憶の根底をなすHEC系のテスト可能計算モデルが開発される。幾つかの実装形態では、HEC系での単一ニューロン記録及びLFP記録と併用される嗅内−海馬シナプス活動の刺激研究は、最大シナプス電位に必要な精密なフーリエ及びスパイクタイミング刺激パターンを特定する。幾つかの実装形態では、人間での長期記憶回復をテストするのに使用することができる、海馬−嗅内システムのテスト可能なスパイクLFP刺激統合計算モデルが、開発される。幾つかの実装形態では、人間臨床患者での長期記憶形成の根底となるHEC系のテスト可能計算モデルが開発される。
幾つかの実装形態は、内嗅皮質内で自発記憶がどのように生じるか、それがHEC相互作用にどのように影響するかについて開発された計算モデルをテスト可能な予測と共に含む。幾つかの実装形態は、嗅内自発記憶が、神経刺激を使用してテスト可能なニューロンの回路網内のスパイクタイミング依存可塑性(STDP)を介して学習にどのように影響するかのモデルを含む。幾つかの実装形態は、高速記憶形成に適切な時間コードがどのようにニューロンの生物物理的回路網内で生成されるかのテスト可能な計算モデルを含む。
幾つかの実装形態では、計算モデルは、忘れられた記憶から、最終的に再生される記憶とを区別可能である。(2)幾つかの実装形態では、計算モデルは、仮想探索状況において顔カテゴリ、場所カテゴリ、動物カテゴリ、及び物体カテゴリ並びに顔と場所との連合を回復可能である。幾つかの実装形態では、計算モデルは、刺激後、少なくとも2時間において、ある場所である人物に会うエピソード記憶を明示的に再生することが可能である。
幾つかの実装形態では、開発された計算モデルを使用して、人間てんかん患者での記憶形成成功と記憶形成不成功とを区別する。幾つかの実装形態では、開発された計算モデルを使用して、顔、場所、動物、物体、及び顔場所連合を含む5つの記憶構成要素を回復する。幾つかの実装形態では、刺激後2時間で、開発された計算モデルを人物−場所連合の再生に使用する。
幾つかの実装形態では、モデルのスパイク−LFP−刺激構成要素が、最長で2週間にわたる深部電極記録を伴って移植されたてんかん患者でテストされる。幾つかの実装形態では、4つの記憶課題を使用して、上述した構成要素の形成及び取り出しを測定する。
幾つかの実装形態では、HEC系の開発された計算モデルは、人間臨床患者での異なるタイプの特定の再生記憶と忘れられた記憶とを区別し、5つの記憶構成要素及び刺激後2時間での明確な再生を回復する。
幾つかの実装形態は、人間てんかん患者でのスパイク周波数及びタイミング並びに亜急性の局所電場電位活動(例えば、シータガンマクロス周波数結合)を含む記録された神経生理学的特徴を使用した、再生項目を忘却項目から区別するHECモデルの実証、記憶構成要素の取り出し、及び明確な再生を含む。
幾つかの実装形態では、モデルのLFP刺激構成要素はテストされて、同じ患者の少なくともサブセットでの形成成功される記憶を予測し、モデルの有効性が追跡されて、FDA承認デバイスを使用して長期(例えば、1〜2年)での記憶性能を連続して予測する。
幾つかの実装形態では、刺激オフ/オン中のLFP特徴(例えば、シータ−ガンマ及びクロス周波数結合)には、移植後1〜2年を通しての断続的な行動記憶性能が相関付けられて、開発中の計算モデルを通知して最適化し、長期での記憶への刺激−LFP関係を特徴付ける。
幾つかの実装形態は、2人の人間てんかん患者でのHEC系の長期(例えば、1年超)の長期刺激中の神経生理学的信号(例えば、LFP活動)の測定を含む。幾つかの実装形態は、TBI患者でのHEC系の刺激をトリガーするのに使用される記録された長期LFP特徴(例えば、シータ−ガンマ結合、シータ位相及び電力)を組み込んだ最適化された計算モデルを含む。
幾つかの実装形態は、記憶回復に関連する人間の神経回路の回路網の長期能動的プロービングするプロービングツールキットを含む。幾つかの実装形態では、開示される神経技術は、Medtronic Activa PC+S DBSシステム等のプロービング用人間使用デバイスに構築される。幾つかの実装形態では、コアシステムは、人間患者母集団(例えば、10ユニット)に展開される。
幾つかの実装形態は、移植、長期刺激、及びデータ収集にMedtronicのActiva PC+Sデバイスの複数(例えば、10)のシステムを使用することを含む。
臨床開始研究プロトコールをサポートするために、幾つかの実装形態では、外部導出課題との同期及び事前閉ループ研究のアルゴリズム開発能力を含め、柔軟刺激パターンテストのループ内コンピュータシステムが展開される。
幾つかの実装形態では、分散(ループ内コンピュータ)アーキテクチャが、複数のセンサ、分類器、モデル、及び制御ポリシーを使用してマルチスカラーフィードバックループを実施する柔軟なプラットフォームを提供する。
臨床医開始研究プロトコール及びモデル生成をサポートするために、幾つかの実装形態では、モデリングにより通知される独自の刺激パターンを送達する能力が提供される。
複雑な刺激パターンは、回路網プロービング、モデル開発、及び刺激反応結果の潜在的な改善のために別の程度の自由度を提供する。幾つかの実装形態では、追加のファームウェアアンロック調査パターンが保証される。
幾つかの実装形態では、ファームウェアサポートを使用して、神経調節デバイスに新規の刺激パラメータを可能にする。幾つかの実装形態では、神経変調デバイスは、新規の刺激パターンを組み込んで、脳活動及び疾病状態への刺激の効果のモデリングをサポートする。幾つかの実装形態は、神経調節デバイスの最終的な刺激IC及びアルゴリズム設計に最適な刺激パターンを転送することを含む。
幾つかの実装形態は、アルゴリズムファームウェアを更新する能力を追加することにより、ループ内コンピュータシステムへのテレメトリ制約を軽減することを含む。
アルゴリズムの亜急性検証(例えば、被制御環境内で数日から1週間)では、テレメトリ制約を軽減するために、幾つかの実装形態は、より自然な環境で調査するために、最も見込みのあるアルゴリズムを埋め込みファームウェアに転送することを含む。幾つかの実装形態では、更新されたアルゴリズムファームウェアは、侵襲性処置なしで、無線テレメトリを通してダウンロードされる。
幾つかの実装形態は、スケーラブルアルゴリズムを埋め込みシステム(例えば、埋め込みActiva PC+Sシステム)にダウンロードし、アルゴリズムを埋め込みコントローラに転送する能力を含む。
幾つかの実装形態は、計算モデルの改良及び記憶障害を有する人間での海馬依存長期記憶を回復させる計算モデルの能力の実証を含む。幾つかの実装形態では、上記取得したデータを使用して、最適な記憶回復に向けて計算モデルを改良する。幾つかの実装形態では、次に、上記で取得されたデータは、記憶障害を有するてんかん及び/又はTBI患者での記憶を回復するために、新しい計算モデルで使用される。
幾つかの実装形態では、計算モデルは、HEC系の同時閉ループ記録及び刺激について、マクロワイヤ深部電極(例えば、図9のマイクロワイヤ深部電極900)を用いててんかん患者でテストされる。幾つかの実装形態では、モデルは、記憶成功を反映した閾値下LFP特徴(例えば、シータ−ガンマ結合)によりトリガーされる最適化された刺激(例えば、シータバースト)を使用して、てんかん患者(例えば、Behnke-Fried電極を使用して)及びTBI患者(例えば、Medtronic Activa PC+Sデバイスを使用して)で記憶を回復させる。幾つかの実装形態では、記憶回復は、上述した4つの記憶課題に加えて、完全な神経心理学的評価を使用してテストされる。
幾つかの場合、HEC活動の開発されたスパイク−LFP−刺激モデルは、数日(例えば、最長で14日)にわたり3つの異なる仮想都市での顔−氏名−場所連合(すなわち、店内で新しい人に会う)について、てんかん患者及びTBI患者での記憶を回復する。幾つかの場合、HEC活動の開発されたスパイク−LFP−刺激モデルは、刺激後の数日(例えば、14日)の遭遇の明確な再生について、てんかん患者及びTBI患者での記憶を回復する。幾つかの場合、HEC活動の開発されたスパイク−LFP−刺激モデルは、幾つか(3つ)の遭遇(場所−人物連合)の時間順の取り出しについて、てんかん患者及びTBI患者での記憶を回復する。幾つかの実装形態は、LFPのみのフーリエ結合手法を使用して、TBI患者での取り出しを達成することを含む。
幾つかの実装形態では、TBI患者の記憶は、スパイク−LFP閉ループ無線刺激デバイスを使用して回復される。
幾つかの実装形態は、TBIを有する人間患者に、同時にHEC系を刺激し、HEC系内のスパイク−LFP活動を記録する新たに開発された閉ループ無線デバイスが移植されることを含む。幾つかの実装形態は、縦方向に完了する記憶課題に加えて、記憶の神経心理学的完全評価を含む。
幾つかの実装形態は、特定の学習された単一の項目及び連合(例えば、項目−項目連合、項目−場所連合、及び時間順)の少なくとも数日(例えば、14日)にわたる記憶強化を示す。幾つかの実装形態は、閉ループ記録(スパイク−LFP)の無線プローブと、数日(例えば、少なくとも14日)後にわたりTBI患者での特定の場所での特定の人との順次遭遇の特定の長期陳述記憶を回復するHEC系の最適化刺激を含む。幾つかの実装形態は、第1のTBI患者から導出されるモデルを使用して、人、場所、及びこれらの連合、並びに第2の患者との遭遇の時間順についての記憶を回復することを含む。
幾つかの実装形態は、内側側頭葉を記録/刺激する高密度(例えば、300μm接点ピッチ)電極アレイ(例えば、32ch/プローブ)、電池レス移植及び電池給電外部装着可能デバイスを含む、関連する電子システム、低電力セキュア無線データ及び電力リンク、並びにシステムに埋め込まれる計算デバイスの仕様の開発を含む。
幾つかの実装形態は、全体システムの機能、動作、及び性能の要件を定義する仕様の組を含む。幾つかの実装形態は、このシステム仕様を使用して、神経インタフェース、電子回路、及び外部パッケージの構成要素レベル仕様を改良することを含む。
幾つかの実装形態は、全体システム及びその構成要素の仕様文書を含む。幾つかの実装形態では、システムが開発され、変更されると、この文書は更新される。
幾つかの実装形態では、海馬及び嗅内皮質内のマルチチャネル電気記録及び刺激が可能な長期移植可能な皮質下電極アレイが開発される。
幾つかの実装形態は、生体適合薄膜ポリイミド上の電極アレイの製作を含む。幾つかの実装形態は、体外デバイス及び電極寿命を特徴付けるために実行される加速浸水テストを含む。幾つかの実装形態では、アレイは、ANSI/AAMI/ISO 10993−3:2008の要件に準拠するように設計される。
幾つかの実装形態は、海馬及び嗅内皮質で電気記録及び刺激を行う複数(例えば、32)の電極を有する皮質下神経インタフェースの開発を含む。
幾つかの実装形態は、マルチチャネル(例えば、64ch)バッテリーレス移植可能デバイスで使用される低電力モジュールの設計、製作、及びテストを含む。幾つかの実装形態では、アーチファクト耐性アナログフロントエンド、柔軟なリアルタイムオンラインデータ処理、電圧整流器及び調整器、並びに柔軟な電流ステアリング刺激器からなる。
幾つかの実装形態は、システム仕様により、最小電力に向けた様々な電子構成要素の最適化を含む。幾つかの実装形態では、信号処理技法を使用して、回路設計を強化し、電子移植片に新しい境界を設定する。幾つかの実装形態では、刺激モジュールは0.35μm技術又は40nm CMOSを使用する。
幾つかの実装形態は、ハードウェア研究/動物テストを実行して、誘導電力を用いて電池レスマルチチャネル記録及び刺激機能を実証することを含む。
幾つかの実装形態は、(1)画期的なマルチチャネル増幅器(例えば、1μA/ch未満)、単一ユニット記録用の4chモジュール、(2)LFP用のロバストVCOベースのアーチファクト耐性フロントエンド(例えば、1μA/ch未満)、(3)Txデータレートを低減し、検知電力を最小にするための、単一ユニット特徴を抽出するリアルタイム可撓性DSP(例えば、約1μW/ch)、(4)可撓性刺激駆動器、1chモジュール、及び刺激で使用する、関連するマルチプレクサ、(5)誘導転送電力に基づいて移植片に給電する電圧整流及び調整モジュールの設計及び製作を含む。幾つかの実装形態では、オフチップストレージを使用して、ピーク−平均比率を軽減し得る。幾つかの実装形態は、チャネルカウントを増大した(例えば、16単一ユニット+16LFP)機能サブシステムへのモジュールの統合と、実験台及び動物生体内実験での性能の検証とを含む。幾つかの実装形態は、(1)16ch記録フロントエンド、及び電圧整流器及び調整器を有するオンラインDSPサブシステム、並びに(2)刺激面積増大のためにサポートされる最高で4チャネル(構成可能:1、2、4)、1kHzで10kOの最大電極インピーダンスで2mA、10Hz〜1kHzという高い二相電流を提供するプログマブル電流ステアリング刺激器を含む。幾つかの実装形態は、TBIを有する齧歯類及び人間以外の霊長類でテストするために開発された変更神経調整デバイスを含む。
幾つかの実装形態は、移植可能デバイスで使用されるセキュア無線送受信機のモジュールの設計及び製作を含む。幾つかの実装形態は、システム要件により、医療用移植片内の、近距離通信のためにFCC帯に準拠する低電力無線ブロックの設計を含む。幾つかの実装形態は、セキュリティ要件を満たすための低電力暗号化及びRF技法の使用を含む。幾つかの実装形態は、チャネルカウント(例えば、16ch)の拡大及びTx/Rxモジュールの統合を含む。幾つかの実装形態は、実験台及び動物生体内テストでのセキュア無線Tx/Rx機能の実証を含む。
幾つかの実装形態は、セキュア無線送受信機と回路図及び構造図とを提供し、及びその無線性能の実証することを含む。
幾つかの実装形態は、電力、サイズ、及びプログラミングモデルを含むポータブル計算デバイスの仕様を最終化することを含む。幾つかの実装形態では、デバイスは、アーチファクトを除去する新規の埋め込みアルゴリズム、移植可能フロントエンド回路の埋め込み非線形補正、及び上述したセキュア無線テレメトリユニットの使用を含む。
モデルをサポートするために必要なハードウェアリソースによりガイドされて、幾つかの実装形態は、埋め込み計算プロセッサに最良の構造を決定することを含む。幾つかの実装形態は、アーチファクト拒絶について革新的な適応フィルタ設計の正確性−複雑性分析を実行して、FPGAでの実用及びテストに最も適する手法を決定することを含む。幾つかの実装形態は、最高で200mVのアーチファクトを除去可能なことを示すAFE及び適応フィルタのシステム実証を含む。
幾つかの実装形態は、複雑性−正確性トレードオフ及びシミュレートされたフィルタ性能、収束、及び待ち時間要件の分析を含む。幾つかの実装形態は、埋め込み記憶モデルのハードウェア複雑性(リアルタイム計算、メモリサイズ)、必要とされる柔軟性、ハードウェア構造の選択、上述した記録及び刺激モジュールを用いてテストされたハードウェアフレンドリな適応フィルタのFPGAプロトタイプの報告書を含む。
幾つかの実装形態は、ハーメチックパッケージ及び移植デバイスの相互接続の開発を含む。幾つかの実装形態では、高密度フィードスルー、相互接続、並びに電力及びデータ転送用のRFコイル対を有する小型移植可能パッケージが開発される。幾つかの実装形態では、これらの技術を使用して、RF電力及びデータテレメトリ、記録及び刺激電子回路、並びに神経インタフェースからなる完全移植可能システムを統合する。
幾つかの実装形態では、完全に移植可能なシステムは、3つの主要部品からなる:(a)刺激及び記録用の移植可能電極を含む頭蓋骨搭載モジュール、(b)皮質下アレイ、及び(c)RFコイル。幾つかの実装形態では、電子回路パッケージは、ANSI/AAMI/ISO 10993−3:2008の要件に準拠する。幾つかの実装形態では、データ及び電力コイルは、同軸ジオメトリで製作される。
幾つかの実装形態は、小型パッケージの製作、相互接続技術、RFコイル、並びに神経インタフェース及びRFコイルとのパッケージ統合を含む。幾つかの実装形態では、移植可能システムの機能は、体外で検証され、パッケージのハーメチックテストは、MIL STD 883を満たして実行される。
幾つかの実装形態は、神経インタフェース検証及び検証テストを含む。幾つかの実装形態は、神経インタフェース寿命、滅菌性、及び生体適合性を評価し検証することを含む。幾つかの実装形態では、デバイスの寿命及び生体適合性をテストする確立された方法を使用して、ANSI/AAMI/ISO 10993−3:2008及びANSI/AAMI/ISO 11135−1:2007に概説されるように、神経インタフェースの安全性を体外で評価する。
幾つかの実装形態は、メモリモジュールが埋め込まれたポータブルマルチチャネル(例えば、64ch)デバイスの組立体を含む。幾つかの実装形態では、外部蝸牛移植片と同様の外部パッケージが開発される。幾つかの実装形態では、パッケージは、移植片への近距離セキュア無線リンクを有するポータブル電子回路、充電式電池、一次コイル、及びモバイルデバイスへのセキュア無線Bluetooth(登録商標)低エネルギー(「BLE」)リンクを収容する。幾つかの実装形態では、確立された医療用デバイスパッケージング技術を使用して、一次コイルへのインタフェースを有する外部電子回路パッケージを開発する。
幾つかの実装形態は、電極アレイの亜慢性(例えば、29日未満)FDA IDE用途での設計履歴ファイル、製作データ、及びANSI/AAMI/ISOデータを提示することを含む。幾つかの実装形態は、移植可能デバイス及び外部ポータブルイヤーピースデバイスからなる神経調節システムの完全システム仕様を含む。
幾つかの実装形態は、IDE出願に必要な安全性及び性能データを編纂し、FDAに提出するIDE出願を作成することを含む。
幾つかの実装形態は、製作される電極アレイのIDE提出文書及びセキュア無線テレメトリ及び埋め込み記憶モードを有する神経調節システム(例えば、移植可能32チャネルデバイス及び外部ポータブルイヤーピースデバイスを含む)の詳細な仕様の作成を含む。
幾つかの実装形態は、移植可能デバイス及び記憶モデルが埋め込まれた外部ポータブルデバイスからなる64ch(各プローブが16AP、16LFPである2つのプローブ)閉ループ神経調節システムの開発を含む。幾つかの実装形態では、完全移植可能システムの高レベルシステム設計要件は、上記で得られる結果に基づいて改良される。幾つかの実装形態は、システム内の全ての構成要素の仕様を含む完全移植可能システムについての文書の生成を含む。
幾つかの実装形態は、上記で得られた結果に起因する任意の変更に基づく最終設計の設計及び製作を含む。幾つかの実装形態では、海馬及び嗅内皮質において電気的に刺激し記録する64本の電極を有する皮質下神経インタフェースが開発される。幾つかの実装形態では、神経インタフェースは人間研究向け仕様を満たす。
幾つかの実装形態は、動物及び人間での実験に使用するために、構成要素(AFE、DSP、Tx/Rx、刺激器、VRM)を2チップ(例えば、記録及び刺激)解決策に統合することを含む。幾つかの実装形態では、個々の構成要素は、64の記録及び最高で4つの刺激チャネルをサポートすることができる2チップシステム(例えば、記録:AFE、DSP、Tx−Rx、VRM:刺激)で組み立てられる。幾つかの実装形態では、モジュールは、移植可能デバイス及び外部/ポータブルデバイスの両方に使用される。幾つかの実装形態は、2チップ刺激/記録システムの製作及びテスト並びに測定された性能の報告書を含む。幾つかの実装形態では、TBIを有する齧歯類及び人間以外の霊長類でテストされるように変更されたTA2デバイスが開発される。
幾つかの実装形態はセキュア無線テレメトリモジュールの開発を含む。幾つかの実装形態では、セキュア無線送受信機のモジュールが、動物及び人間の対象で使用されるように設計され製作される。最終的なシステム要件により、幾つかの実装形態は、医療用移植片での近距離通信のためにFCC帯に準拠する低電力Rx/Txの設計を含む。幾つかの実装形態は、セキュリティ要件を満たすための低電力暗号化及びRF技法の使用を含む。幾つかの実装形態は、最高で64チャネルまでの拡張及びTx/Rxモジュールの統合を含む。幾つかの実装形態は、実験台でのテスト、動物テスト、及び人間でのテストにおいてセキュア無線Tx/Rx機能を実証することを含む。
幾つかの実装形態は、記憶モデルが埋め込まれたロバストなポータブルデバイスの開発を含む。幾つかの実装形態では、アーチファクト除去機能を含め、仕様を満たす可撓性ポータブルデバイスが開発される。幾つかの実装形態は、記憶モデルをプログラムするソフトウェアを開発することを含む。幾つかの実装形態では、デバイスは、モデルにより必要とされる柔軟性を提供し、ロバストなアーチファクト除去アルゴリズム及びセキュア無線テレメトリを埋め込むように、必要に応じてカスタマイズされる。幾つかの実装形態は、最高で200mVのアーチファクトを除去する、デバイスで実行されるモデルの実証を含む。幾つかの実装形態は、デバイスのユーザガイド及びプログラミングモデル、埋め込みアーチファクト除去アルゴリズム、及びリアルタイム性能報告を提供することを含む。幾つかの実装形態は、入力に基づいて記憶モデルを更新し検証することを含む。
幾つかの実装形態は、移植デバイスのハーメチックパッケージ及び相互接続を開発することを含む。幾つかの実装形態は、高密度フィードスルー、相互接続、及びRFコイルを有する小型移植可能パッケージを開発することを含む。幾つかの実装形態では、これらの技術を使用して、RF電力及びデータテレメトリ、記録及び刺激電極、並びに神経インタフェースからなる完全移植可能システムを統合する。幾つかの実装形態では、完全な移植可能なシステムは2つの主要部品からなる:刺激及び記録用の移植可能電子回路を含む頭蓋骨搭載コントローラモジュール並びに皮質下アレイ。幾つかの実装形態では、電子回路パッケージは、ANSI/AAMI/ISO 10993−3:2008の要件に準拠する。
幾つかの実装形態は、小型パッケージの製作、相互接続技術、神経インタフェース及びRFコイルとの統合を含む。幾つかの実装形態では、移植可能システムの機能は、生体内で検証され、パッケージのハーメチックテストは、MIL STD 883を満たして実行される。
幾つかの実装形態は、システムの検証及び確認テストを含む。幾つかの実装形態は、完全移植可能システムの寿命、滅菌性、及び生体適合性を評価し検証することを含む。幾つかの実装形態は、デバイスの寿命及び生体適合性をテストする、確立された方法を使用して、ANSI/AAMI/ISO 10993−3:2008、ANSI/AAMI/ISO 14971:2007/(R)2010、及びANSI/AAMI/ISO 11135−1:2007に概説されるように、神経インタフェースの安全性を生体内で評価する。
幾つかの実装形態は、適切なANSI/AAMI/ISO特徴付け及び亜慢性移植テストに合格した全ての構成要素を含む。幾つかの実装形態では、デバイスは、滅菌性及び生体適合性テストに成功した上でIDE出願準備ができる。
幾つかの実装形態は、記憶モデルが埋め込まれたポータブル64chデバイスの組立体を含む。幾つかの実装形態は、外部電子回路、電池、及び一次コイルを含む外部蝸牛移植片と同様の外部パッケージの開発を含む。幾つかの実装形態は、外部イヤーピースデバイスの構成要素の統合を含む。幾つかの実装形態では、外部電子回路パッケージは、確立された医療用デバイスパッケージング技術を使用して開発される。幾つかの実装形態は、(1)データ及び電力用のRFコイルを有するセキュア無線テレメトリ、(2)記憶モデル、アーチファクト拒絶アルゴリズム、及びシステムコントローラを有する埋め込みプロセッサ、(3)モバイルデバイスへのセキュアBLEリンク、並びに(4)充電式電池の組立体を含む。幾つかの実装形態は、外部パッケージの製作、相互接続及び組み立て技術、並びに電池システム及び電子回路との統合を含む。幾つかの実装形態は、人間での試行に使用される外部イヤーピースデバイスの開発を含む。
幾つかの実装形態は、セキュア無線テレメトリを有する移植可能64チャネルデバイスの組立体を含む。幾つかの実装形態は、てんかんモニタリングユニットにおける短期使用(例えば、29日未満)で人間患者に移植される人間品質システムの組立体及び検証を含む。幾つかの実装形態は、上記開発された構成要素を使用しての人間品質システムの組み立て並びにシステムレベル確認及び検証テストの実行を含む。幾つかの実装形態は、外部パッケージの製作、相互接続及び組み立て技術、並びに電池システム及び電子回路との統合を含む。幾つかの実装形態では、外部システムの機能は検証される。幾つかの実装形態は、人間品質システムの滅菌を含む。
幾つかの実装形態は、設計履歴ファイル、製作データ、及び電極アレイの亜慢性(29日未満)FDA IDE出願でのANSI/AAMI/ISOデータ、移植可能な外部デバイスからなる神経調節システムの完全なシステム仕様を含む完全移植可能システムの完全IDE出願を提出することを含む。幾つかの実装形態は、IDE出願に必要とされる安全性データ及び性能データを編纂し、FDAに提出するIDE出願を作成することを含む。
幾つかの実装形態は、齧歯類及び人間以外の霊長類での複雑な記憶形成課題中のHEC系からの大きいニューロンアンサンブルのダイナミクスを測定することを含む。これらの課題の主な目標は、陳述記憶痕跡が、HEC回路内でどのように形成されるかを理解し、開発された計算モデルにより、記憶痕跡を回復することができるか否かをテストすることである。幾つかの実装形態では、これは、齧歯類及び人間以外の霊長類での複雑な記憶課題中、HEC回路内の大きいニューロンアンサンブルのダイナミクスを特定し、この学習の根底にある感覚及びニューロン回路網メカニズムを読み解くことで、計算モデルの予測をテストすることにより行われる。
幾つかの実装形態は、記憶を強化し、行動中の齧歯類で無線デバイスをテストするのに最適な刺激プロトコールを開発することを含む。幾つかの実装形態では、これらの3つの部品は、漸次的な複雑性及び決定論的に行われて、ロバストな理解を得る。
幾つかの実装形態は、単純な二次元仮想視覚的探索課題中、海馬CA1ニューロン活動のダイナミクスを測定することを含む。これは、いかなる記憶負荷もなく単一の感覚モダリティがどのようにニューロンアンサンブルにより表され、学習されるかを明らかにする。幾つかの実装形態では、これは、全ての後続する複雑な結果が上に構築されるベースラインを形成する。仮想現実は新たに出現したツールであるため、これまで、研究により、二次元迷路での海馬CA1ニューロンのダイナミクスは測定されておらず、全ての従来の研究は一次元迷路に限定されていた。
幾つかの実装形態では、遠位視覚的手掛かりがまず使用され、その理由は、認知マップが遠位視覚的手掛かりに基づいて形成されるためである。幾つかの実装形態は、背側CA1内の最高で25個の四極管を両側に移植することを含む。幾つかの実装形態では、ラットが、現実世界でのオープンプラットフォームで、又は仮想世界での同様のオープンプラットフォームで食べ物の報償を探すように訓練される。データが測定され、プラットフォームのカバレッジ及び2つの環境での同様の行動であっても保証する。幾つかの実装形態は、少なくとも12の電極からの局所電場電位と共に、現実世界及び仮想世界の両方において、ラットから少なくとも300のよく分離されたニューロンを測定することを含む。幾つかの実装形態は、これらの結果を非制御多感覚器官手掛かりが存在する現実世界からのデータと比較して、空間の陳述表現の生成への視覚的モダリティのみの寄与に関するデータを提供することを含む。
幾つかの実装形態は、二次元視覚的仮想現実での嗅内格子細胞、境界細胞、及び頭部方向細胞のダイナミクスを測定することを含む。幾つかの実装形態は、ラットの背側海馬内の少なくとも1つの四極管と共に、背内側嗅内皮質内に少なくとも20の四極管を移植し、現実世界及び仮想世界でのランダム採餌課題中の神経活動を測定することを含む。幾つかの実装形態は、ラットから少なくとも100個の格子細胞、少なくとも100個の頭部方向細胞、及び少なくとも50個の境界細胞を測定することを含む。これは、仮想世界での頭部方向細胞、格子細胞、及び境界細胞の形成に対する遠位視覚的手掛かりのみの寄与の第1の直接測定を提供する。重要なことに、現実世界での環境境界は、多感覚器官手掛かり(例えば、視覚的及び触覚的)により画定されるが、仮想世界では触覚的手掛かりがない。幾つかの実装形態は、ラットが、視覚的手掛かりのみを使用して世界境界の負雑な概念を形成することができるか否かを判断すると共に、ニューロンがこの表現を形成することができるか否かも判断することを含む。幾つかの実装形態では、これらの実験は、最小の認知負荷で、場所細胞、格子細胞、頭部方向細胞、及び境界細胞に対する単一感覚器官モダリティの影響についてのベースライン結果を提供する。
幾つかの実装形態は、遠位視覚的手掛かりのみを用いて、複雑な記憶課題の学習中、海馬CA1ニューロンのダイナミクスを測定することを含む。幾つかの実装形態は、遠位視覚的手掛かりのみを用いて、複雑な陳述記憶課題を行うようにラットを訓練することを含む。幾つかの実装形態では、課題は、陳述記憶をテストするために現実世界で一般に使用される従来のモリス水迷路課題後に作られる。幾つかの実装形態では、水迷路課題は、現実世界では不可能である、非視覚的感覚器官モダリティが寄与しない仮想世界用に構成される。幾つかの実装形態では、分析技法は、複雑な陳述記憶課題の学習に伴う場所細胞の時空間選択的パターンの変化を特定する。幾つかの実装形態では、少なくとも300のよく分離された場所細胞の活動が、12の電場電位と共に、この課題中に測定される。幾つかの実装形態では、結果は、複雑な陳述記憶課題への場所細胞の寄与の第1の直接測定を提供する。電場電位に対するスパイクのタイミング及び経験に伴うその進化は、記憶形成への神経リズムの寄与を提供する。
幾つかの実装形態は、視覚的手掛かりのみを用いて複雑な記憶課題中の嗅内−海馬相互作用のダイナミクスを測定することを含む。幾つかの実装形態は、細胞生理学的手法と行動的手法との組合せを含む。幾つかの実装形態は、ラットからの少なくとも100個の格子細胞及び境界細胞並びに少なくとも50個の頭部方向細胞の測定を含む。幾つかの実装形態では、結果は、嗅内皮質と海馬との振動結合がどのように学習と共に進化するかの第1の直接測定を提供する。幾つかの実装形態では、これらの結果は次に、パターン化電気刺激実験に使用される。
幾つかの実装形態は、(1)関連する実験TBIモデルとの人間TBI関連記憶障害の行動相関を確立すること、(2)行動−電気生理学とのリンクを記録し分析すること、及び(3)実験TBI後に誘発される記憶障害を救済することを含む。幾つかの実装形態では、行動−電気生理学のリンクを記録し分析することは、既に開発された無線記録モートの更新版を利用する。幾つかの実装形態では、実験TBI後の記憶障害の救済は、刺激能力をハードウェアパッケージに追加することを必要とする。
幾つかの実装形態は、関連する実験TBIモデルとの人間TBI関連記憶障害の行動相関を確立することを含む。齧歯類TBI研究が関わる幾つかの実装形態では、実験TBIの3つの良好に特徴付けられ確認されたモデル(すなわち、流体パーカッションFPI、被制御異質衝撃CCI、及び閉鎖性頭部損傷CHI)及び2つの開発年齢(例えば、青年後期出生後日数PND35〜45、成年PDN90)が利用される。TBI誘発記憶障害の行動相関では、幾つかの実装形態は、新規の物体認識記憶及び空間記憶を含む。動物を大事にするために、幾つかの実装形態では、対象に無線テレメトリシステムが供給されて、行動テスト時に電気生理学的(「EP」)データを捕捉する。幾つかの実装形態では、EPデータは続けて分析され、モデルに組み込まれる。
幾つかの実装形態は、関連する実験的単一TBIモデルへのTBI関連記憶障害の行動相関を確立することを含む。幾つかの実装形態は、記憶行動(NOR、空間又は連合学習)を一次結果として使用する単一TBIモデルの対象内縦断研究を含む(例えば、以下の表2の陰影付きエリア参照)。幾つかの実装形態では、時間過程にわたり均等に分割される班(例えば、班毎に4〜8匹の動物)で動物を走らせる。幾つかの実装形態は、動物の各班の時系列の終了時に、手術、行動テスト、及び末端組織収集を含む。
幾つかの実装形態は、TBI誘発障害の翻訳メカニズムの研究に最良の単一TBIモデルを決定することを含む。幾つかの実装形態は、最大TBI誘発障害の状況を示す行動結果を含む。これに関連して、幾つかの実装形態は、二次結果としてTBI誘発記憶障害の分子的及び組織学的相関を含む。
幾つかの実装形態は、一次結果(例えば、以下の表2の白色エリア参照)として両記憶行動(NOR、空間、連合学習)を使用する複数のTBIモデルの対象内縦断を含む。
表2中、FPI=流体パーカッション損傷、CCI=被制御皮質衝撃、CHI=閉鎖性頭部損傷、xは繰り返される損傷の回数。PID=損傷後日数、PND=出生後日数、EP=無線電気生理学的記録、NOR=新規物体認識。青年期ラット総数=168、成年ラット総数=168。
幾つかの実装形態では、二次結果は、各グループ(例えば、各グループの半分は分子分析に行き、半分は組織学分析に行く)の最終時点後の分子及び組織学的分析を含む。幾つかの実装形態では、二次結果は、構造MRI、DTI、phMRIを使用してラットのサブセット(NORラットの半分)を1回(PID4において)又は2回(PID4及びPID30において)撮像することを含む。
幾つかの実装形態は、行動と電気生理学とのリンクを記録し分析することを含む。幾つかの実装形態は、無線記録ハードウェアシステムの使用を含む。幾つかの実装形態では、行動と電気生理学とのリンクの記録及び分析は、上記表2に示される動物と同じ動物及び同じ基準を含むが、電気生理学的分析を可能にするために、6〜9ヶ月の追加の時間を有する。
幾つかの実装形態は、最大TBI誘発障害の状況を示す電気生理学的結果を生成することを含む。それに関連して、幾つかの実装形態は、二次結果として、TBI誘発記憶障害の行動、分子、及び組織学的相関を生成することを含む。
幾つかの実装形態は、マルチモーダル撮像データを取得し分析することを含む。幾つかの実装形態では、撮像、行動、及び組織学的データが相関付けられる。幾つかの実装形態は、最大TBI誘発障害の状況を示す撮像結果を生成することを含む。これに関連して、幾つかの実装形態は、二次結果として、TBI誘発記憶障害の行動、電気生理学、分子、及び組織学の相関を生成することを含む。
幾つかの実装形態は、TBI後の行動と電気生理学とのリンクを記録し分析することを含む。幾つかの実装形態は、神経外傷実験移植及びテザードデータのセットアップを確立及び/又は提供することを含む。幾つかの実装形態は、電気生理学的データ及び行動データの分析を含む。幾つかの実装形態は、EP+/VR行動の終了時、分子データ及び組織学的データの収集を含む。
幾つかの実装形態は、対象内行動、撮像、組織学的、及び分子的結果と併せて、電気生理学的記録を分析することを含む。幾つかの実装形態では、EPデータが上述したように生成される。複数の年齢群(青年期、成年)、時間点(PID4、14、30)及び障害モデル(FPI、CCI、CHIx1、CHIx4)のうち、2つの最も見込みのある実験群が、より詳細な電気生理学的記録及び刺激及び/又は処置での後続使用に選択される。幾つかの実装形態では、電気生理学的記録と、TBI後に機能不全である記憶行動との関係が特定される。次に、これらの障害は介入の標的になる。
幾つかの実装形態は、より総合的な電気生理学的(EP+)記録及び仮想現実(VR)環境での経験依存可塑性との行動相関を説明することを含む。幾つかの実装形態は、VR環境でのテザード記録システムの使用を含む。幾つかの実装形態では、次にこのデータを使用して、刺激並びに比較及び翻訳について、霊長類及び人間の技術的目的への陳述記憶のEP相関をモデリングするアルゴリズムを生成する。
幾つかの実装形態では、これらのラットには多くの機器が搭載されているため、撮像又は「正常」行動(NOR、空間)を受けない。しかし、幾つかの実装形態では、ラットは、記録期間の終了時に組織学的及び/又は分子学的分析を受ける。
幾つかの実装形態は、モニタリング完了時に手術、EP+記録、VRでの行動、及び組織収集を含む。幾つかの実装形態は、このモデルでのデータ関連EP+記録、行動、及び神経可塑性のマーカーを生成することを含む。幾つかの実装形態では、このデータは、刺激の潜在的な標的(電気生理学的、行動、又は分子学的バイオマーカー)を決定するにあたって使用される。
幾つかの実装形態は、エンリッチ環境での無線EP記録及び経験依存可塑性への行動相関を説明することを含む。幾つかの実装形態は、無線記録システムを使用することを含む。幾つかの実装形態では、エンリッチ環境での無線EP記録及び経験依存可塑性との行動相関を説明することは、TBI後の障害のある神経可塑性の電気生理学的相関の実証として使用される。幾つかの実装形態では、このデータを使用して、刺激並びに比較及び翻訳についての陳述記憶の霊長類及び人間の技術的目的へのEP相関をモデリングするアルゴリズムを生成する。幾つかの実装形態は、無線デバイスが搭載されたラットを使用することを含み、それにより、ラットは、記録期間の終了時、行動(NOR、空間)並びに組織学的及び/又は分子学的分析を受け得る。
幾つかの実装形態は、計算モデル及び無線移植可能デバイスの人間以外の霊長類テストを含む。幾つかの実装形態では、人間で使用される前に電極/記録システムをテストし、患者研究で使用されるものと同様の課題でトリガーされる状況の有効性をテストする動物モデルが生成される。人間以外の霊長類を使用することの利点は、患者により使用されるものと同様の様々な行動課題で人間以外の霊長類を訓練する能力であるが、人間以外の霊長類は、数ヶ月又は数年にわたりはるかに多数のトライアル及びセッションを行い、刺激の効果を信頼的に定量化することができる。加えて、幾つかの実装形態によれば、異なる課題の使用及び課題内での様々な妨害の使用により、刺激が記憶の特定の側面に影響を及ぼすか否かをテストすることができる。
幾つかの実装形態は、動物を行動課題で訓練することにより、行動及び機器テストに向けて動物を準備することを含む。幾つかの実装形態では、訓練は、各動物で毎日実行される。例えば、最も簡単なもの(例えば、視覚的選好注視課題)から開始される、固定化課題での動物の訓練及び動物の各課題への導入。幾つかの実装形態では、次の3つの課題は、空間及び非空間連合記憶(例えば、物体−物体及び物体−場所)に加えて、単一項目(例えば、顔、物体、及びシーン)について記憶をテストする。幾つかの場合、固定化課題及び視覚的選好注視課題での訓練は、約2ヶ月かかる。幾つかの場合、残りの3つの課題での訓練は、それぞれ約3ヶ月かかる。幾つかの実装形態では、動物は、課題の75%を正しく実行することができ、訓練は次の課題に移る。
刺激の有効性の評価における主要な基準は、記憶の異なる側面にどのように役立つかを理解することである。したがって、幾つかの実装形態は、行動訓練された人間以外の霊長類からベースライン行動及び神経データを収集することを含む。幾つかの実装形態では、訓練された動物の性能は、全ての行動条件下で測定され、動物が課題を実行している間、HEC系内の単一ユニット、マルチユニット、及びLFPの活動が記録される。幾つかの実装形態では、各行動課題は、各課題内の記憶の異なる側面を評価するように設計される。特に、幾つかの実装形態では、空間及び非空間連合記憶(例えば、物体−物体及び物体−場所)に加えて単一項目(例えば、物体及びシーン)の記憶が調査される。幾つかの実装形態では、課題設計は、刺激を変更して、短期及び長期記憶性能にわたる干渉をテストすることができるように柔軟である。幾つかの実装形態では、各動物は、数千回のトライアルにわたり各課題でテストされる。
幾つかの実装形態では、性能のベースライン値及び動物が異なる課題で干渉をどのように扱うかの指示が生成される。幾つかの実装形態は、刺激中に収集されたデータが比較される動物の公称性能を示すデータセットを生成することを含む。
幾つかの実装形態は、嗅内皮質及び海馬を機能的にマッピングして、刺激電極の配置をガイドし、行動課題においてユニット及び局所電場電位データを記録することを含む。幾つかの実装形態は、全ての記憶課題中の動物からの嗅内皮質及び海馬からの神経データを記録することを含む。幾つかの実装形態では、この記録は、標準テザード記録システムを使用して行われる。幾つかの実装形態は、各動物でのマッピングデータセット及び少なくとも1匹の動物での各行動課題での神経データセットを生成することを含む。幾つかの実装形態では、データセットは、各課題の人間以外の霊長類のHEC系内の最良移植場所を識別できるようにする。てんかん患者で前に記録されたデータと比較することにより、記憶回復の異種間互換計算モデルが開発され、改良される。幾つかの実装形態では、このデータを使用して、人間以外の霊長類において、嗅内皮質が海馬とどのように相互作用するかを解釈する。
幾つかの実装形態は、HEC系での多感覚記憶痕跡形成を含む。幾つかの実装形態は、多感覚マルチモーダル課題での嗅内−海馬ダイナミクスを測定することを含む。幾つかの実装形態は、多感覚及びマルチモーダル仮想現実システムを開発することを含む。幾つかの実装形態は、単一又は多感覚手掛かりを使用してこの空間内で記憶を形成するように少なくとも3匹のラットを訓練することを含む。幾つかの実装形態は、上述した手順を使用して嗅内−海馬部位に電極を移植することを含む。幾つかの実装形態は、この多感覚課題でのマルチモーダル行動記憶を測定することを含む。幾つかの実装形態は、多感覚陳述記憶形成中、HEC回路からの少なくとも300のニューロンの測定を含む。幾つかの実装形態は、神経アンサンブル集団ベクトル活動パターン進化を明らかにすることを含む。幾つかの実装形態は、HEC回路でのマルチモーダル記憶形成への多感覚刺激の影響の直接推定を生成することを含む。幾つかの実装形態は、物体の場合の外側嗅内及びCA1と場所の場合の内側嗅内及びCA1との差動結合の寄与の直接推定を生成することを含む。
幾つかの実装形態は、HEC系での多感覚陳述記憶痕跡の長期安定化を含む。幾つかの実装形態は、複雑な記憶痕跡の長期形成での睡眠の影響を特定することを含む。幾つかの実装形態では、ラットは、数日の学習を必要とする複雑な陳述記憶課題を学習するように訓練される。幾つかの実装形態は、数日にわたり同じニューロンの活動を測定することができる電極及び移植片を開発することを含む。幾つかの実装形態は、課題学習中及び学習後の睡眠中、HEC回路からのニューロンの活動を測定することを含む。幾つかの実装形態は、睡眠期間後、神経記憶痕跡の変化を明らかにする分析技法を開発することを含む。幾つかの実装形態は、睡眠後のHEC回路からの300を超えるニューロンの空間−時間ダイナミクスの有意変化の検出及び行動学習への関連の検出を含む。幾つかの実装形態は、複雑な陳述課題の長期記憶痕跡への睡眠の寄与に関するデータを生成することを含む。
幾つかの実装形態は、HECダイナミクス及び記憶への自発嗅内記憶の寄与を特定することを含む。幾つかの実装形態は、複雑な陳述記憶課題を学習したラットの睡眠中の新皮質及び嗅内皮質からの電場電位を同時に測定することを含む。幾つかの実装形態は、これらの構造からマルチユニット及び単一ユニット活動を同時に測定することを含む。幾つかの実装形態は、徐波睡眠中のMECでの自発持続活動を検出する分析技法を開発することを含む。幾つかの実装形態は、自発記憶中、MECでの神経アンサンブルのダイナミクスを特定することを含む。幾つかの実装形態は、これらの課題での少なくとも300のニューロン及び24を超える電場電位の測定を含む。幾つかの実装形態は、嗅内アンサンブル内の自発記憶及び長期での学習に伴う記憶の進化の検出を含む。幾つかの実装形態は、複雑な記憶痕跡の形成への嗅内自発記憶の役割の直接特定を含む。
幾つかの実装形態は、HEC記憶痕跡へのフーリエ結合刺激の影響を特定することを含む。幾つかの実装形態は、少なくとも12の四極管を外側及び内側嗅内皮質に、更に12の四極管をCA1に移植することを含む。幾つかの実装形態は、領域特定クロス周波数結合を使用して、パターン化してCA1と共にLEC又はMECを選択的に刺激することを含む。幾つかの実装形態は、長期安全性及び有効性を特定するための、少なくとも3匹のラットでの刺激研究の完了成功を含む。幾つかの実装形態は、パターン化刺激後の嗅内皮質及び海馬の物体部位と空間部位との領域固有振動結合の強化を検出することを含む。幾つかの実装形態は、結合フーリエ刺激に続く複雑な記憶痕跡の選択的強化を直接実証することを含む。
幾つかの実装形態は、実験TBI後に誘発される記憶障害を回復させることを含む。幾つかの実装形態は、上で特定された2つの最高収量群を調べることを含み、TBI後の記憶機能の回復の強化を試みて、刺激を使用する。幾つかの実装形態は、変更された齧歯類無線記録/刺激ハードウェアシステムの改良及び構築を含む。幾つかの実装形態は、電気生理学的データ及び行動データの分析を含む。記録/刺激及び行動の完了時、幾つかの実装形態は、分子学的データ及び組織学的データについての組織の収集を含む。
幾つかの実装形態は、無線記録及び刺激ハードウェアシステムの改良及び構築を含む。幾つかの実装形態は、電気生理学的データ及び行動データの分析を含む。幾つかの実装形態では、無線デバイス、記録及び刺激プロトコールは、テストのために決定される。幾つかの実装形態は、自由に行動している齧歯類での記憶機能の調節をテストするのに適する閉ループ刺激及び記録用の無線移植可能神経調節デバイスを開発することを含む。
幾つかの実装形態は、無線記録−刺激デバイスを使用した実験的なTBI誘発記憶障害の救済を含む。幾つかの実装形態は、電気生理学的相関行動−記憶欠損を誘発し、次に、選択された刺激を使用してこれらの障害を軽減することを含む。幾つかの実装形態は、任意の刺激機能が追加された無線移植ハードウェアを含む。幾つかの実装形態では、結果を使用して、何れの行動テストパラダイムが最もロバストであるかを判断し、救済向けに設計された行動記憶結果を特定する。幾つかの実装形態は、TA2デバイスに問題なく統合され、TBIを有する齧歯類に移植される計算モデルを含む。幾つかの実装形態は、過去に記憶障害を有したTBI齧歯類での記憶を問題なく回復させるデバイスを含む。幾つかの実装形態は、記憶のために、ロバストな無線移植可能神経調節デバイスに組み込まれた計算モデルを生成することを含む。幾つかの実装形態は、自由に動くTBI齧歯類へのデバイスの移植成功及びその結果としての記憶回復を含む。
幾つかの実装形態は、電極/記録システムのプロトタイプをテストすることを含む。幾つかの実装形態は、基本有効性テストを含む。幾つかの実装形態は、新しい無線移植可能神経調節デバイスが人間患者でテストされる前、人間以外の霊長類の生体内でデバイスの安全性及び有効性をテストすることを含む。
幾つかの実装形態は、電極が長期には移植されず、関連しない皮質部位(嗅内皮質及び海馬が、テスト中に破損されないように)に配置される急性記録セッションを利用することを含む。これにより、基本的な有効性をテストし、ノイズ/接地問題についてテストすることができる。これらの問題が開発されると、電極は、HEC系内の関心のある部位に配置され、テストが実行されて、ユニット−LFP活動が記録されるか否か及びマイクロ調節システムが正確に機能しているか否かを判断する。
幾つかの実装形態は、持続的な移植の準備ができた機能的でロバストなシステムを生成することを含む。幾つかの実装形態は、動物の関心のある部位に電極を移植することにより、記録システムが経時にわたりロバストであるか否かをテストすることを含む。幾つかの実装形態では、テストは、単一移植片で開始されて、長期移植される場合、システムが機能するか否か及びどの程度実行可能な状態を保つかを解明する。必要な場合、変更されたバージョンが、同じ動物の異なる場所及び第2の動物の同様の場所に移植される。幾つかの実装形態は、長期(6ヶ月超)にわたり電気生理学的信号を記録し、刺激することができる機能的でロバストな長期移植システムを生成することを含む。
幾つかの実装形態は、記憶性能に対する刺激の効果をテストすることを含む。幾つかの実装形態は、人間以外の霊長類での記憶性能への刺激の有効性を識別することを含む。動物モデルでこれを行うことの利点は、動物の嗅内皮質及び海馬が既にマッピングされ記憶され、したがって、そのデータに基づく電極配置が、患者への移植に適切な手法であるか否かについて判断することができることである。加えて、動物モデルでは、異なる記憶形態に対しての異なる場所での刺激の恩恵から切り離せるようにするはるかに大きいデータセットを収集することができる。
幾つかの実装形態は、機器のテストに使用されない動物で行われる記録を含む。幾つかの実装形態は、各課題での人間以外の霊長類からの完全な有意データセットを生成することを含む。幾つかの実装形態は、新しい移植可能無線神経調節デバイスを使用した記憶の有意な強化を含む。幾つかの実装形態は、人間以外の霊長類に対してのデバイスの長期(例えば、1年超)安全性及び有効性データを生成することを含む。幾つかの実装形態は、4つの各テストにわたる刺激の有効性の強力な統計学的エビデンスを生成することを含む。
幾つかの実装形態は複数の段階を含み、各段階中、幾つかの結果及び産物が生成される。例えば、段階1中、深部電極(例えば、Behnke-Fried電極)が移植された人間てんかん患者での長期陳述記憶形成の計算モデルが、臨床評価のために最長で2週間にわたり開発される。単一ユニット及びLFP活動が、HEC系の同時閉ループ刺激の能力を用いて記録されている。この段階は、HEC陳述記憶システムの計算モデリングシミュレーションと、単一ユニット及びLFP記録とを結合して、記憶成功に関連する神経生理学的特徴及び記憶回復に最適な刺激パラメータを特定する。段階2中、閉ループLFP記録及び刺激のために電極(例えば、NeuroPace RNS)が長期移植された2人の同じてんかん患者が、長期特徴付け(例えば、1年超)のためにモニタリングされる。この段階は、計算モデルを改良し、記憶の回復についてテストするために重要である。段階3は、同時記録及び刺激に長期電極(Medtronic DBS電極等)を使用する、TBIを有する患者でのモデルの最終化LFP刺激構成要素を利用する。段階4は、TBI患者での長期陳述記憶の回復のために、計算モデルのスパイク−LFP構成要素を新しく開発された無線閉ループ神経調節システムに組み込む。段階の例示的なまとめについては、関わる患者のタイプ、記録される神経生理学的信号、使用される電極及び電子回路、並びに移植の一次指示を示す以下の表2を参照のこと。
幾つかの実装形態は、64チャネル神経調節システム(例えば、図1の計算システム100)の開発を含む。幾つかの実装形態では、この作業の結果としての技術は、図2に示されるように、記憶を回復させるプログラマブル計算デバイスを有する完全に移植可能な長期記録及び刺激アレイである。幾つかの実装形態では、完全な64チャネル無線システムは、(1)外部デバイスと移植デバイスとの間での電力及びデータの経皮転送のための同軸外部一次RFコイル、(2)刺激及び記録用の電子回路を有する移植電子モジュール、(3)安全な電力及びデータテレメトリのための二次同軸RFコイル、(4)嗅内皮質に移植される皮質下神経プローブ(例えば、32チャネルを有する)、(5)海馬に移植される皮質下神経プローブ(例えば、32チャネルを有する)、並びに(6)埋め込み記憶モデルと、移植片へのセキュア無線リンク及びモバイルデバイス(例えば、電話又はタブレット)への無線リンクとを有する外部装着可能イヤーピースを含む。幾つかの実装形態では、最終的なデバイスの様々な構成要素は、動物モデルでテストされて、人間トライアル用のモデルを通知し、生体内での機能及び性能をテストする。幾つかの実装形態では、無線モートは3段階開発(v2、v3、v4)を経て、新たに開発されたプローブ、関連する電子回路、及びパッケージ構成要素を組み込む。
幾つかの実装形態では、以下の構成要素が開発される:(1)バッテリーレス移植片及び電池給電外部デバイスを含む関連付けられたシステム構成要素を有する高密度32チャネル電極アレイ、(2)全てのシステム構成要素の仕様を詳述した文書、並びに(3)刺激及び記録を特徴付けテストする新規の32チャネル皮質下神経プローブ(図3A〜図3C)。幾つかの実装形態では、プローブは、GLP、GMP、及びGCPの標準を満たす。
幾つかの実装形態では、以下の構成要素が開発される:(1)バッテリーレスマルチチャネル記録及び刺激モジュール、(2)埋め込みメモリモジュールを有するポータブルデバイスの仕様、(3)小型パッケージ、相互接続、RFコイルの予備設計、(4)IDE提出用の証明機関でのISO 10933生体適合性、(5)神経インタフェース寿命、滅菌性、及びISO−10993生体適合性のテストについての報告書、(6)製作された電極アレイのIDE出願の提出、並びに(7)外傷性脳損傷(TBI)での記憶回復の臨床試験に使用されるべき電極デバイス(両側嗅内及び海馬刺激及び記録)のFDA IDE出願及びフェーズIIシステムの仕様の提出。
幾つかの実装形態では、以下の構成要素が開発される:(1)最高で6匹の動物を同時に、無線筐体内無線デバイス(vl、図5)を使用して、豊富環境に収容される齧歯類(シャム、ナイーブ、TBI)からの海馬スパイク−LFP活動の記録、(2)計算モジュールのハードウェアアーキテクチャ、(3)閉ループDBSデバイスの構成要素、並びに(4)齧歯類及び人間以外の霊長類でテストされる刺激能力を有する無線モート。
幾つかの実装形態では、以下の構成要素が開発される:(1)64チャネル電池レス移植可能デバイス(「iR64S」と呼ばれることもある)及び埋め込み記憶モデルを有する外部ポータブルデバイス(「eR64S」と呼ばれることもある)からなる64チャネル閉ループ神経調節システム(「UCLA 64RS」と呼ばれることもある)。例示的なシステムの機能構成要素を図7に示す。
幾つかの実装形態では、以下の構成要素が開発される:(1)全体システムの仕様を詳述する文書:(a)人間患者での臨床DBS用の電極技術及び(b)最終的なDBSデバイス(電子回路、プロセッサ、無線リンク、パッケージ)に導出される仕様、(2)新規の皮質下神経インタフェースの第二世代、(3)64チャネル無線記録及び刺激集積回路、(4)セキュア無線テレメトリモジュール、並びに(4)上記設定された基準を満たすDBSデバイス。
幾つかの実装形態では、以下の構成要素が開発される:(1)IDE文書化テストに必要な組み立てられたデバイス及びハーメチックパッケージ(図4に示されるような)電池レス電子回路を有する人間移植用デバイス、(2)移植されたIPGデバイスから外部計算デバイスに無線転送される海馬電気生理学的データ、及び(3)IDE提出についての特徴付け及びテストの結果。
幾つかの実装形態では、以下の構成要素が開発される:(1)IRB承認テスト及び人間トライアルの記憶モデルが埋め込まれたプロトタイプ64chデバイス、(2)検証及び確認テスト及び人間への移植に向けて組み立てられたセキュア無線テレメトリを有する64チャネルデバイス、並びに(3)完全移植可能システムのIDE提出。
幾つかの実装形態では、TBIを有する患者での記憶回復のための臨床試験からのデータが生成される。幾つかの実装形態では、対象毎に、未処理データ及びメタデータが、静止した睡眠時及び課題依存行動中の両方で、刺激なし及びありの両方で実行された記録から収集される(タイムスタンプ付き行動及び脳損傷の確認された重篤度と共に)。幾つかの実装形態では、この情報を使用して、回路網経路の前に生成されたモデルをテストし改良する。幾つかの実装形態では、生体信号に基づく刺激の効果も記録され送出される。幾つかの実装形態では、4時間、24時間、48時間、及び14日を含め、刺激の急性結果が、治療の特異性を保証するために、記憶補助行動の改善及び非記憶補助行動の両方に関して評価され報告される。その結果改善されたモデル(結果としての変更の詳細及び改良されたモデルを定義するためのこれらの非侵襲的研究の値を有する)が次に開発される。幾つかの実装形態では、検知生成器を使用して、長期データ(1〜2年)が、海馬及び嗅内部位の記録及び刺激から生成され、更なる制御パラメータ並びに神経特徴及び行動への長期閉ループ刺激の安定性及び効果を評価する。幾つかの実装形態では、モデルに基づく制御パラメータを有する刺激の利点は、少なくとも14日間、自然な自由生活環境でテストされ検証される。幾つかの実装形態では、モデルに基づく制御パラメータを有する刺激の利点は、少なくとも1年の期間にわたりテストされ検証される。幾つかの実装形態では、開発されたLFP−刺激計算モデルは、記憶を回復するために記憶障害TBI患者でMedtronic Activa PC+Sシステムを使用して実施される。幾つかの実装形態では、新しいスパイク−LFP計算モデルは、人間以外の霊長類、最終的には記憶障害を有するTBI患者でテストされる。幾つかの実装形態では、全ての記録、行動、及び結果データが収集され分析される。
幾つかの実装形態は、計算モデリング、より大きい空間及び時間分解能を有する単一ニューロン記録及びLFP記録、並びに同じ対象での嗅内−海馬軸の長期慢性刺激の追加を組み合わせることを含む。幾つかの実装形態は、既に存在するFDA承認技術を利用して、開発される神経調節デバイス(例えば、図2の移植可能電子回路パッケージ200)に組み込まれる計算モデルを改良することを含む。
幾つかの実装形態は、クロス周波数振幅−位相結合の使用を含む。幾つかの実装形態では、LFPは、2ウェイ最小二乗FIRフィルタを使用して適切なバンドでフィルタリングされる。幾つかの実装形態では、LFPスペクトルは、ChronuxオープンソースMATLABツールボックスからのマルチテーパ法を使用して計算される。幾つかの実装形態では、信頼区間が、ジャックナイフ法を使用して推定される。幾つかの実装形態では、シータ分析では、(6Hz〜12Hz)帯が使用され、次に、ヒルベルト変換されて、個々の各シータサイクルのピークを見つける。幾つかの実装形態では、シータピークには180度の位相が割り当てられ、シータの相対位相が、各シータサイクル内で計算される。幾つかの実装形態では、次に、データセット全体は、250ms窓長(例えば、隣接する両シータ事象との約50%重複)を有するシータピークでセンタリングされる一連のシータ事象でラベリングされる。幾つかの実装形態では、低速(及び/又は高速)ガンマ振幅が、20Hz〜45Hz(又は45Hz〜120Hz)帯をフィルタリングすることにより得られ、分析信号の絶対値から計算される。
幾つかの実装形態では、所与の刺激ビン内の振幅と位相周波数との対毎に、データは、位相値に基づいて0°〜360°に広がる60の等間隔の位相ビンに群化され、高周波信号の平均振幅fampが、所与の刺激ビンSの各低周波位相ビンfphaseに計算される。
これらを使用して、クロス周波数結合のシャノンエントロピー(H)及びその調節インデックス(MI)は、式1に示されるように計算される。
式中、P(j)は、各低周波位相ビンj内の高周波信号の正規化振幅であり、Nは位相ビン数(例えば、60)である。調節インデックス(「MI」)は、対数(N)を使用して正規化され、このように定義され、その理由は、Hの最高値が、最初調節を示す均一分布の位相で生じる対数(N)であるためである。
幾つかの実装形態では、異なる刺激パターンにより誘発される神経活動及びシナプス可塑性の計算モデルが開発される。幾つかの実装形態では、シナプスが、様々なフーリエパターンの前シナプス刺激及び後シナプス刺激に応答して刺激される。シナプススパイクは、励起後シナプス電位(EPSP(t))を生成する。後シナプススパイクは、逆伝搬活動電位(BPAP(t))を生成する。シナプスでの膜電位V(t)は、これらの2つの脱分極源の線形和により与えられる。幾つかの実装形態では、シミュレーションはMATLABにおいて実行される。幾つかの実装形態では、短期シナプス促通及び抑圧が、ニューロンタイプイオンチャネルに基づいて含められる。幾つかの実装形態では、分析推定を可能にするこの縮小モデルに加えて、多区画モデルを使用して、樹状突起の全複雑性を捕捉する。
深部電極、その移植、及び単一ユニット記録手順の詳細について説明した。例えば、幾つかの実装形態では、MRI互換性可撓性ポリウレタンプローブ(例えば、図9のマイクロワイヤ深部電極900)により、単一ユニット記録に、プローブの先端部を5mm超える9本〜17本のマイクロワイヤを挿入することができる。例えば、幾つかの実装形態では、深部電極は、中心間隔が2.5mmである先端部に最も近い2つの接点を除き、それぞれの中心間隔が5.0mmである7つの1.5mm幅白金接点を有するMRI互換性可撓性ポリウレタンプローブを含む。幾つかの実装形態では、各電極は、導入中、脳への正確な配置を可能にする剛性ステンレス鋼スタイレットを有する。幾つかの実装形態では、標的構造内への外科的配置後、スタイレットは除去され、したがって、先端部参照マイクロ電極と呼ばれる、配置(例えば、8つの配置)の電圧深部プロファイルを記録できるようにする垂直アレイ内の間隔(例えば、500μm間隔)で離間される先端部を有するマイクロワイヤの束(例えば、9本の束)を入れる経路を提供する。幾つかの実装形態では、ワイヤは、先端部におけるカットオフの場所以外は絶縁され、ワイヤのインピーダンスは200Kオーム〜800Kオームであり、複数及び/又は単一ユニット活動を分解することができる。幾つかの実装形態では、第2のマイクロ電極構成は、単一ユニット及びLFP記録のために人間で使用されるように構成された四極管を利用する。例えば、四極管は、一緒に捻られた4本の直径25μmの白金ワイヤからなる。これらの四極管のうちの4つは、最長のものが4.0mm突出し、次が3.0mm突出し、以下同様であり、電圧深部プロファイル情報を取得できるようにすると共に、同時に、幾つかの単一ニューロンを四極管により分離するように、臨床電極のルーメンに配置される、幾つかの実装形態では、電極は側頭部直交(orthogonal temporal)手法により導入される。すなわち、側頭骨を通して、中側頭回を通り、扁桃体、海馬前部及び/又は海馬中部、嗅内皮質、及び後海馬傍回に達する。幾つかの実装形態では、電極は、側頭葉に多く接続される領域である眼窩前頭皮質の両側に配置される。幾つかの実装形態では、電極は、局所麻酔下で頭蓋外板に固定される変更MRI互換性Leksellフレームを使用して定位固定的に標的とされる。幾つかの実装形態では、定位固定フレームが所定位置にある状態で、MRI及びデジタルサブトラクション血管造影(「DSA」)が実行され、データが、放射線ネットワーク上で、準備計画がコンピュータ化マルチモーダル定位固定計画システムを使用して実行される手術室に転送される。このようにして、側頭内側部位の正確な標的化が、わずか1mm〜2mmの誤差マージンで達成される。幾つかの実装形態では、次に、患者は手術室に運ばれ、全身麻酔下で深部電極が配置される。幾つかの実装形態では、各電極は、Oリング圧縮キャップを用いてCSF漏出を回避して、ねじガイド内に固定される。幾つかの実装形態では、患者は、神経外科集中ケアユニットで48時間にわたり術後観測され、次に、通常10日〜14日かかる長期モニタリングのためにテレメトリユニットに移される。
幾つかの実装形態では、マクロ及びマイクロの両方の刺激研究が、発作モニタリング及び潜在的な治癒的切除のために深部電極が移植されたてんかん患者に対して、IRBプロトコール下で実行される。幾つかの実装形態では、マクロ刺激は、トライアルの半分の開始時に与えられた事前研究と同様であり、電流調整され、電荷平衡され、二相方形パルスは後発射(「ADG」)閾値未満に設定される(事前テストに基づいて)。幾つかの実装形態では、周波数、形状、及びパルス幅は、オシロスコープを使用して変更される。幾つかの実装形態では、Behnke-Fried電極接点が、Grass C-12刺激器、Telefactor中継ボックス、及びStellate記憶システムとのインタフェースを通して刺激される。幾つかの実装形態では、これらの研究の刺激は双極性である(0.059cm2表面積、1.5mm間隔)。
幾つかの実装形態では、列長は、それぞれの刺激長提示上で変化する。幾つかの実装形態は、記憶をサポートする最大長期増強を誘発することが示されているシータバースト刺激(例えば、5Hz周波数で繰り返される100Hzでの3〜5パルス)をテストすることを含む。幾つかの実装形態は、記憶強化に必要なパラメータを最適化するために、3つの変化する増大量の刺激大きさ(例えば、1mA、1.5mA、及び2mA)及び周波数(例えば、1Hz、10Hz、50Hz、及びシータバースト)を用いて行動パラダイムをテストすることを含む。したがって、幾つかの実装形態では、総刺激は1位相当たり2.5〜10.1μC/cm2の範囲であり、これは、長期(1ph当たり30μC/cm2)刺激及び急性(1ph当たり57μC/cm2)刺激に使用される安全最大をはるかに下回る。幾つかの実装形態では、神経科医は、全てのセッション中にベッド脇に存在して、対象をモニタリングし、発作についてリアルタイムEEGを見る。幾つかの実装形態では、発作後2時間未満にわたってテストは行われない。幾つかの実装形態では、特定部位での任意の後発射(ADG閾値)がないことが、あらゆるセッション前に入念に確立される。幾つかの実装形態では、刺激は常にADG閾値未満に設定される。最高で3.0V、450μsパルス幅、及び130Hzの刺激パラメータが、側頭葉に深部電極を有するてんかん患者で安全であり、十分に耐えられることが示されている。同様の刺激レベルは、てんかんの発作コントロールについての臨床研究でも使用される。幾つかの実装形態は、学習中、再生中、様々なタイプの学習資料を用いて刺激の効果をテストすることを含む。幾つかの実装形態は、刺激の効果の持続時間を見るために、学習後、全ての行動課題で24時間、48時間、及び14日にわたり行動記憶を定量化することを含む。
人間てんかん患者でのマクロ刺激研究に加えて、マイクロ刺激の安全なIRB承認方法が利用される。人間では、頭蓋内マイクロ刺激はこれまで主に、皮質下部位に焦点を合わせた臨床評価及び診断ツールであり、この方法を用いる研究は通常、術中に制限される。幾つかの実装形態では、認知課題の一環として、この課題中、対象の記憶に影響を及ぼそうとして、パルス列が送達される。幾つかの実装形態では、刺激パルス波形には2つの位相(電荷平衡)が設計される:まず陰極位相があり、その後、陽極位相が続く。このシーケンスは、陽極位相で開始するパルスよりもより大きいニューロンセットを活性化する。幾つかの実装形態は、標的部位での単一及び複数ユニット活動の記録専用の9本のマイクロワイヤが束になった、先端部直径100μmを有するPt/Irμ電極の使用を含む。例えば、半径100μmを有し、45°の角度で切断された電極は、表面積11107μm2を有する。パルス幅200μsの50μAで刺激されると、この電極は、1位相当たり10nCの電荷を送り、電荷密度90μCcm2になる。これらの値は、潜在的に行動休眠を引き起こすのに十分に高く、且つ患者へのリスクがないと見なされるのに十分に低い。
例えば、朝の最初のセッション中、特定の画像の意識的知覚の単細胞相関を見つけるために、多数の画像セットが患者に提示される。したがって、次に、差別化された画像が、その日の後の追跡セッションで使用される。実験のこの第2のパートでは、特定の画像が繰り返し、ランダムシーケンスで純粋なノイズからフェードインされ、対象はそれらの特定の画像を見る。患者は、そのたびにボタンを押すことにより画像を見たときを示すように求められる。朝のセッション中に差別化される関連神経場所の刺激は、対象の記憶閾値をバイアスする。したがって、この手順は、マイクロ刺激の有効性を特定し、人間の内側側頭葉内での記憶の役割に相関する因果的役割に関するデータを生成するのに役立つ。
幾つかの実装形態では、マイクロ刺激の場合、電極切り替え制御(例えば、CereStimスイッチ)が使用され、この制御は、刺激直後(例えば、ミリ秒後)に高品質神経記録(スパイク及びLFP)を可能にすることにより、神経刺激適用の電極切り替え制御を提供する。例えば、CereStimスイッチは、刺激直後に高品質神経記録(スパイク及び電場電位)を可能にすることにより、神経刺激適用の電極切り替え制御を提供する。スイッチは、Cerebusデータ取得システムのアドオンモジュールとしてである。刺激源と記憶電子回路との間での個々の電極のプログラムによる切り替えを可能にする。幾つかの実装形態では、スイッチ制御は、CereStimソフトウェアパッケージを使用して、又は第三者制御システムを用いての外部ゲーティング(TTL)により達成される。
幾つかの実装形態では、最高で32個の電極を切り替え可能なヘッドステージモジュールが使用される。幾つかの実装形態では、刺激パルス及び刺激プロトコール(例えば、パルス列)は、刺激ユニット内で生成され、制御される。幾つかの実装形態では、各刺激直後、CereStimスイッチは記録モードに戻る。同時に、刺激のためにこのセットアップに送信された全てのTTLも、事後分析のために神経学的データと共に記録される。
幾つかの実装形態では、刺激の一次部位はERC貫通線維路である。幾つかの実装形態では、海馬及、ERC、及び海馬傍回灰白質への刺激の効果が記録され、分析される。幾つかの実装形態では、各側は別個に刺激される。幾つかの実装形態では、両側移植がある場合、両側は同時に刺激される。幾つかの実装形態では、各海馬は別個に刺激される。幾つかの実装形態では、接点の少なくとも1つはCA1内にあるが、刺激の厳密な部分体(CA1、CA3/DG、又は両方)は、術後電極位置特定により特定される。幾つかの実装形態では、データを解釈するにあたり、てんかん原性焦点の場所は、刺激部位を含んだか否かと共に評価される。幾つかの場合では、低レベル刺激において、いかなる部位でも後発射がなく、刺激が発作に関わる側にある場合であっても、記憶強化が達成される。幾つかの場合、てんかん原性焦点として特定される部位からのデータを除外する場合、行動強化結果は変わらない。興味深いことに、MTLの低レベル刺激が発作のコントロールに使用されることもある。
幾つかの実装形態では、対象は、外科的切除の可能性がある発作開始ゾーンを特定するために、頭蓋内深部電極が7日〜10日にわたり移植された薬物抵抗性てんかんを有する神経外科患者である。幾つかの実装形態では、電極配置は、臨床基準のみに基づいて決定される。全ての対象は、Medical Institutional Review Board(「IRB」)により承認されたプロトコールに従ってインフォームドコンセントを提供することにより、志願する。幾つかの実装形態では、幾つか(例えば、8〜12)の頭蓋内電極が、磁気共鳴撮像(「MRI」)及びデジタルサブトラクション血管造影(「DSA」)を使用して定位固定的に移植される。
幾つかの実装形態では、電極は、EEG記録及び刺激用の白金接点を含む。例えば、各電極は、臨床使用のための8つの1.5mm幅白金マクロ接点を含み、加えて、各電極の先端部に配置される8つの40μm白金イリジウムマイクロワイヤが使用されて、細胞外EEG及び単一ユニット活動を記録する。幾つかの実装形態では、特別な電極がERCに使用され、これらの電極は、各マイクロワイヤの異なる長さが指示され、ERCの様々な層の微分サンプリングを可能にする。幾つかの実装形態では、マイクロワイヤの神経活動は、96チャネルNeuralynxシステム等を使用して28kHzのサンプリングレートで取得される。幾つかの実装形態では、上述した方法を使用して単一ニューロンを分離した後、ユニット活動は、幾つかのパラメータに基づいて、マルチ又は単一ユニット及び錐体細胞又は介在ニューロンとして特徴付けられて、推定細胞タイプを識別する:(i)波形持続時間、(ii)発射レート、及び(iii)バースト発射性質。幾つかの実装形態では、深部EEGデータは、電極のシャフトに沿った8つのマクロワイヤ接点のそれぞれから連続して記録される。
FDA承認RNS(登録商標)システムは、反応性刺激を送達する移植可能な治療デバイスであり、個人が発作を受ける前に、脳内の異常電気活動を検出し、それに応答して、知覚不可能なレベルの電気刺激を送達して、脳活動を正常化するように設計される高度技術である。幾つかの実装形態では、RNS(登録商標)神経刺激器は27mm×60mm×6mmであり、頭蓋骨内に生じる外科的欠陥に完全に移植される。幾つかの実装形態では、2本のリードが神経刺激器に接続される。リードは、解剖学的標的に応じて、深部ストリップ又は硬膜下ストリップの任意の組合せであり得る。例えば、深部リードは、直径1.27mmであり、皮質電極ストリップは7.5mm×40mmである。幾つかの実装形態では、各リードは、リング(深部リード)又はディスク(ストリップリード)電極であり、それぞれが表面積7.9mm2を有する4つの白金イリジウム電極を有する。幾つかの実装形態では、リング電極は1.5mm長であり、電極間隔は3.5mm又は10mmである。幾つかの実装形態では、ディスク電極は直径5mmであり、間隔は10mmである。幾つかの実装形態では、RNS(登録商標)神経刺激器は、250サンプル/秒で4つの双極頭蓋内EEG(ECoG)チャネルでの電子写真活動を常時モニタリングする。幾つかの実装形態では、RNS(登録商標)神経刺激器は、医師により、電子写真パターンの検出に応答して、電気神経刺激を送達するように構成される。幾つかの実装形態では、電気刺激は、医師により選択される電極に送達される対称二相電流被制御パルスの短期バーストからなり、何れの検出アルゴリズムがトリガーされたかに応じて、異なる標的に送達することができる。例えば、振幅(0mA〜12mA)、パルス幅(40ms〜1000ms)、周波数(1Hz〜333Hz)、及びバースト持続時間(10ms〜5000ms)は構成可能である。通常、てんかん患者は、1日に600〜1500の反応性治療を受け、1日で2分〜5分の刺激に達する。幾つかの実装形態では、RNS登録商標)神経刺激器は、一次電池バッテリにより給電される。電池の寿命は、送達される刺激量に応じて約2年〜5年(交換のメジアン時間は3.7年)である。RNS(登録商標)神経刺激器は、任意選択的に無線でデバイスに送信されるソフトウェアを実行するマイクロプロセッサを含む。検出アルゴリズムが、アナログ及びデジタルASICハードウェア及びソフトウェアの組合せで実施される。幾つかの実装形態では、2種類のデータがRNS(登録商標)神経刺激器に記憶される:ECoGデータ及び診断事象情報。幾つかの実装形態では、ECoGデータの最高で30チャネル−分が任意選択的に記憶され、ユーザ構成可能事象によりトリガーされる。事象診断は、デバイスにより送達される検出及び刺激を記述する。
幾つかの実装形態では、市販のRNS(登録商標)システム神経刺激器及びリードが、臨床的に適格な同じ深部電極てんかん患者のサブセットに移植される。幾つかの実装形態では、発作開始ゾーンの外科的切除が、深部電極記録後であっても実現可能ではない場合、患者には、発作コントロールのためにRNS神経刺激器が移植される。幾つかの実装形態では、嗅内部位内にRNSデバイスが移植された患者は、臨床IRB研究へのエントリに同意する。幾つかの実装形態では、対象は、繰り返しの記憶テストセッションを受ける。これらのセッション中、既存のRNS(登録商標)システムは、進行中の神経活動を記録し、コマンド時又は予め指定された信号(例えば、シータ又はガンマLFP活動)の検出に応答して、刺激を送達するように構成される。
幾つかの実装形態は、人間への長期移植に適するMedtronic科学調査ツールキットの使用を含む。このツールキットはActiva PC+S歩行治療システムに基づき、市販のシステムに一致するDBSパターンを提供することが可能であると共に、システム内の8つの電極の任意又は全ての電極(4電極/リード、2リード/ユニット)に隣接する局所電場電位を記録することも可能である。PC+Sシステムの基本機能に加えて、幾つかの実装形態では、幾つか(例えば、4つ)の「科学的ペイロード」が適用される。幾つかの実装形態では、Activa PC+S調査ツール及び治療送達プラットフォームを補足する分散機器システムが含まれる。分散機器システムは、データのリアルタイムでのストリーミング出力(例えば、LFP記録)及びストリーミング入力(例えば、動作コマンド及び各チャネルの刺激波形)の両方を可能にするカスタムAPIを更に利用する。この双方向リンクは、患者に外部取り付けられたテレメトリ受信機を必要とし、ループ内コンピュータが直接神経調節制御を提供できるようにする。この方式の利点は、幾つかの実装形態によれば、刺激パターンが記憶課題と無線で同期され、閉ループアルゴリズムを素早くプロトタイプ生成することができることである。幾つかの実装形態は、シータエンベロープ(シータバースト刺激)、境界付き確率論的信号、及びランダムパルス列を有する新規のバースト様高周波刺激等の新規の刺激パターンを生成する能力を含む。この追加機能は、今日のデバイスの従来の固定パターン手法を超え、モデル生成の自由度を拡大した、マルチスケールネットワークを調節する新しい方法を開拓する。
幾つかの実装形態では、対象は、仮想現実を使用して空間学習課題を完了する。この空間探索課題の同様のバージョンを使用して、fMRIを使用してMTL活動を問題なくリクルートする。幾つかの実装形態では、別個の各領域(ERC、海馬、及び海馬傍回皮質)の各テストは、探索トライアルの4つのブロックからなる。例えば、各テストセッションでは、対象は、仮想環境で店までナビゲートし、乗客を降ろすことを学習し、4つのブロックのそれぞれで各店が繰り返される。例えば、学習中の刺激の効果をテストするために、幾つかの実装形態では、刺激は、店トライアルの半分への探索の最初の3ブロック中に適用される。幾つかの実装形態では、対象毎に、刺激は、所与の店の場所を学習するために一貫して適用される。幾つかの実装形態では、刺激下の探索及び刺激なしの探索が、トライアルにわたり交互になり、最初の場所の学習が、刺激下で行われたか否かが、対象にわたり平衡される。幾つかの実装形態では、学習中の刺激の効果を特定するために、刺激は、トライアルのブロック1〜3中に与えられ、次に、記憶性能がブロック4中に評価され、刺激が前に適応された場所と、刺激が適用されなかった場所とで比較される。再生への刺激の効果を特定するために、刺激は、再生ブロック4中でのみ与えられる。幾つかの実装形態では、空間課題の代替バージョンが、学習中のDBSと再生セッション中のDBSとに使用される。
幾つかの実装形態では、探索ブロックは、統制妨害課題とインタリーブされて、リハーサルを回避し、したがって、海馬を更にリクルートする。幾つかの実装形態では、統制課題が与えられて、空間学習への刺激の任意の効果が、運動能力に起因するか、それとも知覚能力の改善に起因するかを測定する。幾つかの実装形態では、空間学習は、まず、乗客から行き先標的の店までの最短経路長(理想路)を計算することにより定量化される。幾つかの実装形態では、研究での一次従属変数は、所与の各トライアルで、店までの実際の経路から理想路を差し引くことにより特定される余剰路長である。余剰路長が短いほど、良好な対象性能を示す。幾つかの実装形態では、標的行き先に到達するための待ち時間は、探索有効性の追加の尺度として定量化され、これは、店への乗客輸送時刻から、乗客を乗せた時刻(秒)を差し引くことにより特定される。
幾つかの実装形態では、全ての刺激は、ラップトップコンピュータを使用して提示される。幾つかの実装形態では、PyEPL等のプログラミング言語が使用されて、仮想現実刺激を提示し、探索ルート及びキー押下反応時間を記録する。幾つかの実装形態では、統制課題での余剰路長、待ち時間、及び反応時間性能が、MATLABを使用して計算される。
幾つかの実装形態では、対象は、記銘フェーズ中、新規項目(例えば、物体、顔、動物、及び場所)対の組を学習するように指示される。例えば、記銘ブロック中、対象に、それぞれが3秒提示されるランダム画像が示される。次に、対象に統制妨害課題が提示され、統制妨害課題では、対象は、左(奇数)又は右(偶数)矢印キーを使用して奇数又は偶数として所与の数字を識別するように求められる。
幾つかの実装形態では、この課題では、1〜9の乱数が、平均600ミリ秒毎に提示される。幾つかの実装形態では、続く認識ブロックは、同じ項目の前に学習した写真又は新規の見たことがない項目からなる。このブロック中、対象は、ラップトップコンピュータ上の割り当てられたボタンを使用して、項目を前に見たことがあるか否かについて反応する。幾つかの実装形態では、対象は、学習状況及び認識状況(統制とインターリーブされる)が交互になった6つのブロックにわたりこの課題を繰り返す。幾つかの実装形態では、学習中の刺激の効果を特定するために、刺激は、記銘ブロック中のみ与えられる。幾つかの実装形態では、別個のセッションが、認識ブロック中の刺激の効果をテストする。幾つかの実装形態では、新しい写真が各組及びテストされる新しい脳領域に使用される。幾つかの実装形態では、行動性能は、MATLABを使用して正確性及び反応時間の両方を見ることにより分析される。
幾つかの実装形態では、対象が、人間以外の霊長類の研究で使用される課題によく似た人物−場所連合を学習するパラダイムが使用される。海馬ニューロンは、新規の単語対連合の良好な学習中、有意に反応する。霊長類神経生理学的研究により、場所−シーン連合及び物体−場所連合の学習中、刺激特定海馬反応が発見された。幾つかの実装形態では、対象が、2つの写真(例えば、ジェニファー・アニストン及びエッフェル塔)が使用されて、複合学習連合(例えば、エッフェル塔にいるジェニファー・アニストンに会う)を形成する人々−ランドマーク連合記憶課題を実行する新規のパラダイムが使用される。幾つかの実装形態では、スパイク率及び選択的反応への刺激の効果がモニタリングされ分析される。幾つかの実装形態では、対毎に、各個人が元の写真からデジタル的に抽出され、実際の写真を模倣して、ランドマークの正面に配置される複合画像が作成される。
幾つかの実装形態では、対象は後に、10のランドマークのうちの何れが各個人に対応するかを選ぶように求められる。幾つかの実装形態では、個々の各対象の学習曲線が記録され、分析される。幾つかの実装形態では、3つ全ての課題で、同日及び刺激後の日(例えば、学習後24時間、48時間、及び14日)に定量化される。
幾つかの実装形態は、TBI及び記憶障害を有する患者で陳述記憶を回復する刺激の能力を特定する臨床試験を含む。幾つかの実装形態では、FDA IDE承認デバイス(例えば、Medtronic Activa PC+S)が使用され、その後、新たに開発された無線移植可能デバイス(例えば、移植可能電子回路パッケージ200)が使用される。幾つかの実装形態では、未処理データ及びメタデータが、刺激なし又はありの両方での静止中及び課題依存行動の両方で実行される長期記録からのタイムスタンプ付き行動及び確認済疾病スケールの重篤度と共に収集される。幾つかの実装形態では、生体信号に基づく刺激の効果が記録され送出される。幾つかの実装形態では、移植後4時間、24時間、72時間、14日、及び最長で2年等の刺激の急性結果が評価され、治療の特異性を保証するために報告される。
幾つかの実装形態では、参加者(「患者」又は「テスト対象」と呼ばれることもある)は、以下に詳述される包含及び除外基準の少なくともサブセットを満たす。
・包含基準:(1)非貫通msTBI(摂取又は蘇生後GCSスコア3〜12)、(2)研究エントリ中の年齢18才〜50才、及び(3)支持を理解し、一般的な用語(幾つかの実装形態では、使用される神経生理学的テストは英語の言語能力を仮定する)への精通に十分な英語スキル。
・除外基準:(1)過去のmsTBI、脳腫瘍、又は重篤な発作等の神経系疾病の履歴、(2)MRI構造異常の存在、(3)精神病、ADHD、トゥレット障害、学習障害、精神遅滞、自閉症、又は物質乱用の履歴、及び(4)重篤な多領域認知障害。後者の症状には、TBIに起因する障害に重なり得る認知障害が関連付けられる。
幾つかの実装形態では、MRIスキャンを受ける安全性を妨げるいかなる金属移植片を有する参加者も除外される。
幾つかの実装形態では、全ての対象は、標準化電池を使用して総合的な神経生理学的評価を受ける。幾つかの実装形態では、関心のある測定は、(1)読み書き能力及び発病前IQ推定、(2)即時又は遅延した、CVLT、WMS−IV論理的記憶及び言語対等の言語記憶尺度、並びに(3)即時又は遅延した、レイ複雑図形検査(例えば、3分及び30分遅延)、短時間視覚記憶検査(BVMT)、及びWMS−IV視覚再生等の視覚的記憶尺度を含む。幾つかの実装形態では、全ての参加者は、海馬依存空間、非空間、連合、及び特定の記憶痕跡の回復への刺激のより特定な効果を特定するために、上述した行動記憶課題も受ける。記憶の障害は実施面から、WMS−IVインデックスでの年相応の母集団平均の1.5SD未満のスコアとして定義される。幾つかの実装形態では、参加者は、陳述記憶に障害がない場合、プログラムにエントリされない。
TBI後の初年中、ロバストであるが、不都合なことに不完全な神経認知機能での改善がある。TBI後の初年中の様々な時点で、回復のペースには対象間で大きいばらつきがある。損傷後13ヶ月までで、自発的回復は次第に衰え、したがって、治療の効果は、自発的回復速度のバックグラウンド変動により曖昧になる可能性が低い。
幾つかの実装形態では、全ての患者は、Activa PC+S又は移植可能電子回路パッケージ200(図2)の移植を受ける。幾つかの実装形態では、対象内設計を使用して、刺激が陳述学習及び記憶を強化するか否かをテストする。幾つかの実装形態では、テスト中、参加者も実験者も何れのトライアル中に刺激がオンになるかを知らない。幾つかの実装形態では、刺激トライアルは、トライアルの全体半分が刺激され、半分は刺激されず、記憶への刺激の効果を直接テストするように、各実験を通してランダム化される。
幾つかの実装形態では、64チャネル閉ループ神経調節システムが開発される(例えば、図7のR64Sシステム)。幾つかの実装形態では、システムは、64チャネル電池レス移植可能デバイス(例えば、図2の移植可能電子回路パッケージ200)と、記憶モデルが埋め込まれた外部ポータブルデバイス(例えば、図2の外部デバイス204)とからなる。幾つかの実装形態では、移植可能デバイスは、リード毎に32の電極を有する2本の皮質下リードと、外部デバイスとの無線通信とを含む。幾つかの実装形態では、外部デバイスは、同時R+Sを可能にするアーチファクト除去のプログラマブル電子回路、埋め込み記憶メモリ、及びシステムコントローラを含む。幾つかの実装形態では、システムは、ポータブルデバイス(例えば、電話/タブレット等)を介してプログラム/更新される。
幾つかの実装形態は、刺激及び記録電極アレイを製作することを含む。幾つかの実装形態は、DBSスタイルリード(図3C)の周囲にポリマー電極アレイを螺旋状に巻く方法を含む。幾つかの実装形態では、スタイレットは、外科的移植を容易にし、DBS様リードへの外科医の精通性を利用するように設計される。幾つかの実装形態では、ポリイミド薄膜電極アレイがシリコーン内に封入されて、免疫反応を低減し、長期生体適合性を改善する。幾つかの実装形態では、薄膜神経プローブは、電極材料としてスパッタリング白金を有するポリイミド基板内に製作される。ポリイミドの密度及びヤング係数は、脳組織(約5MPa)よりも大きいにもかかわらず、皮質表面に移植される場合、極めて高い生体適合性を有することが示されている。
幾つかの実装形態は、現行技術の製作と、移植可能デバイスの処理及び特徴付け専用の電子化学機器との使用を含む。
幾つかの実装形態では、刺激及び検知ICは、リベットボンドを使用して皮質下アレイに持続的に接合される小型ハーメチックシールパッケージに集積される。幾つかの実装形態では、これらのパッケージのサイズは、約10×10×5mm3であり、パッケージを頭蓋骨上に搭載できるようにする。極めて高い小型化を達成するために、幾つかの実装形態では、軍事規格半導体プロセスから借用された高度3Dパッケージング技術を使用して、能動IC構成要素及び受動IC構成要素を小さいフォームファクタに組み立てる。幾つかの実装形態では、フリップチップ接合、ワイヤ接合、ステンシルプリント、及びろう接の組合せを実行して、電子構成要素をパッケージ(図4)内部に集積する。幾つかの実装形態では、完全なシステムは、人間での長期神経インタフェースについてのFDAへのIDE提出に使用される。
幾つかの実装形態では、移植可能デバイスは、無線テレメトリを使用して給電される。幾つかの実装形態では、移植可能コイルが、生体適合材料を使用して設計及び製作され、シリコーン内に封入される。移植片サイズを小さく保ちながら組織を過熱せずに移植片に送電することが課題である。幾つかの実装形態によれば、64チャネル移植片は、約2mWの電力を必要とする。全ての制約(コイル間距離、コイルサイズ、所要出力電力)を満たすために、構造は、電力効率を最適化するように最適化される(例えば、図5の電力及び制御回路500)。幾つかの実装形態では、能動整流器を使用して、電力MOSデバイスのゲートオン/オフ遅延時間を補償し、高変換効率(例えば、80%超)を達成する。幾つかの実装形態では、マルチLDO V調整器トポロジが、電力領域にわたり干渉を軽減するように構成される。幾つかの実装形態では、フリップ電圧フォロワ回路が、調整器出力段として使用される。幾つかの実装形態では、刺激に必要な高電圧分配回路が、標準の技術ノードでの限界を超えて出力段を達成する。幾つかの実装形態では、双方向カスケード接続電荷ポンプが使用され、刺激の負電圧生成器としても機能する。例えば、この回路は、1V 40nm技術で完全に集積され、それでもなお10Vを超える電圧を提供することができる。
幾つかの実装形態では、電力モジュールはオフチップコンデンサ(約2μF)を必要とし、約10のピーク対平均比率を可能にする。幾つかの実装形態では、2つの小さいコンデンサ(例えば、0201コンデンサ)を使用して、刺激中、ピーク電力(例えば、約10mW)を送出する。幾つかの実装形態では、追加の記憶及びバイパスコンデンサが、データ経路及び電力回収回路に使用される。幾つかの実装形態では、フィードバック制御メカニズムは組織の熱制御を保証し、有効性を最大にするようにリンクパラメータを調整する。回路の有効性、速度、及び柔軟性は、提案される他の全ての構造よりも優れている。
図10は、幾つかの実装形態による神経調節システム1000を示す。幾つかの実装形態では、神経調節システム1000は、2つのセキュア無線リンクを含む:(1)移植片とイヤーピースとの近距離リンク、及び(2)イヤーピースと外部モニタリング「ハブ」(例えば、セル電話又は他の無線モジュール)との無線リンク。幾つかの実装形態では、イヤーピースの場合、利用可能なCOTS製品(例えば、BLE)を使用して、低電力暗号化1Mbpsシステムを達成する。幾つかの実装形態では、約1nJ/ビットのエネルギー効率が、この無線リンクで実現される。移植片とイヤーピースとの近距離データリンクは、神経調節システム1000で重要な構成要素である。
幾つかの実装形態では、近距離データリンクの構造は、400MHz前後で利用可能なFCC帯(433MHz ISM又は402MHz MICS)のうちの1つの狭帯域FSKシステムを含む。幾つかの実装形態では、電力及びデータリンクは、アナログ可撓性基板上に2つの同心ループを含む。大きいループは、電力路として機能し、13.56MHz帯で動作する。より小さいループは、準近距離チャネルを移植片と外部イヤーピースとの間に提供する。例えば、約1Mbpsの上りリンク(UL)データレートを所与として、ノイズ制限チャネルを仮定すると、リンクは、FSK変調チャネル上で−25dBm(4MHz BW、55dBリンク損失、及び20dB SNRを仮定)の範囲のTx平均電力で動作することができる。これは、移植片でのTx電力が電力増幅器(「PA」)によっては決まらず、オーバーヘッドバイアス、変調器、及びTx経路での処理によっても決まらないことを意味する。FSKシステムはまた、ピーク対平均要件を低減し、システムをより安定させ、信頼性を高める。
幾つかの実装形態では、近距離データリンクの構造はUWBシステムを含む。例えば、上りリンクデータレート30Mbps及び目標消費エネルギー40pJ/ビットを有し、したがって、TX電力1.2mWを必要とするUWBシステム。このデータレート及びエネルギー効率により、チャネル数を拡大する際の柔軟性を有意に改善することができ、及び/又はより高いレートで記録することができる。
図8は、幾つかの実装形態による、無線移植片と併用されるフロントエンド800及び適応フィルタ802を示す。閉ループ記録及び刺激システムにおいて低振幅(100μV)信号を記録するには、信号チェーンが、大きい刺激アーチファクトによる飽和に対してロバストである必要がある。従来の記録フロントエンドは、高電圧対電圧利得を組み込み、5mVp−p信号で飽和し、大きい(200mVpp)刺激アーチファクトの存在下での信号回復は望めない。信号チェーンの飽和が、電気回路内の電圧及び電流への物理的な有限制限に起因して生じることを認識して、本開示は、図8(a)に示されるように、信号を増幅し量子化するために、電圧/位相変換に頼る設計回路を含む。幾つかの実装形態では、VCOベースADCの動作に固有の電圧/位相変換を利用して、関心のある所望の信号に1μV量子化ステップサイズを提供しながら、200mVp−p干渉への飽和耐性を提供する。幾つかの実装形態では、低電圧電流枯渇VCO、離散時間チョッピング、デューティサイクル設計、及び適応前景非線形補正を使用して、1μW/ch未満で16ビットADCを実施して、LFP信号をデジタル化する。ADCの非飽和性質に起因して、幾つかの実装形態は、適応フィルタを利用して、図8(a)に示されるように、刺激アーチファクトを神経記録からなくすことを含む。適応フィルタは、刺激パルスと記録されたアーチファクトとの間の精密なマッピングを事前に知ることなく、刺激アーチファクトを効率的に除去する能力を有する。例えば、第1のパスで、神経信号をノイズとして見る場合、適応技法を使用して、未知のマッピングを推定し、次に、未知のマッピングの推定を使用して、データをクリーニングし、以下同様である。更に、このマッピングが有し得る任意のばらつきを追跡し、したがって、アーチファクトの形状及び振幅が経時変化する場合であってもアーチファクトを相殺することも可能である。幾つかの実装形態では、VCO−ADCベースフロントエンドを使用して、信号単位を記録するが、ADCの消費電力は、単一ユニット信号の帯域幅が大きいことに起因して有意に増大する。
幾つかの実装形態は、周波数分割多重化を使用して、フロントエンド増幅器を共有し、したがって、電力を節減する革新的なマルチチャネル増幅器を含む。例えば、マルチチャネルフロントエンドは、単一ユニット及びLFP記録の両方で0.8μW/チャネルを消費する。幾つかの実装形態では、2つの解決策を組み合わせて、図8(b)に示されるように、通常状況下で電力最適化モードで動作し、刺激アーチファクトの影響下ではダイナミックレンジ最適化モードで動作する。幾つかの実装形態では、信号は、最高で200mVまでのアーチファクト下で復元され、これは、既存の方式と比較して20倍を超える改善を表す。
幾つかの実装形態では、イヤーピースモジュール内部の埋め込みプロセッサは、アーチファクトを除去する適応フィルタ、プログラマブル記憶モデル、及びシステム/インタフェースコントローラをホストする。
幾つかの実装形態では、刺激回路は、デジタル制御され、最高で2mAまでの二相電流を提供することができる電流ステアリングDACを含む。幾つかの実装形態では、電荷平衡回路は、刺激後、電極上のあらゆる余剰電荷を中性化する。これは、電極酸化のような不要な長期影響がないことを保証する。1kHzでの10kOの組織インピーダンスは、16nFの等価静電容量に対応する。例えば、50μsで適用される2mAの刺激電流の場合、電極−組織界面でのピークの振れは6.25Vである。幾つかの実装形態では、DACが、そのような大きい振れがある電流源として動作するには、電荷ポンプを使用して、適切な供給電圧及びバイアス電圧を生成する。刺激電力は総電力のうちの大きさ割合であるため、電荷ポンプの効率は可能な限り高い効率である必要がある。
幾つかの実装形態では、本開示全体を通して記載される検証活動は、カスタム神経記録及び刺激ICの集積前であっても、開発プロセス全体を通して進めることができる。例えば、電極リードワイヤ組立体は、様々な体外及び生体内テストを受けて、有効性及び信頼性を確立する。幾つかの実装形態では、これらのテストは、(i)リードワイヤが機械的疲労に耐性を有する(100%のリードワイヤが、2000万回を超える屈曲サイクル後、生き残る)ことを示す加速された体外屈曲テスト、(ii)完全に移植されたデバイスのFDA委任ISO 10993生体適合性テスト、(iii)動物モデルを使用した長期記録、(iv)一定の電極刺激下での加速させた体外生涯浸水テストのうちの1つ又は複数である。幾つかの実装形態では、37℃(体温)での一生での故障が、アレニウス関係を使用して、87℃で行われたテストから推定され、5年の寿命を確認する。
幾つかの実装形態は、エチレンオキシド(EO)及び高圧蒸気滅菌の両方を使用して、システムの移植可能構成要素を滅菌することを含む。
幾つかの実装形態では、32チャネル電極アレイが、刺激及び記録のために製作され、組み立てられ、特徴付けられ、テストされる。幾つかの実装形態では、製作された電極アレイのIDE出願が提出される。幾つかの実装形態では、完全なデバイスが組み立てられて、テストされ特徴付けられる。幾つかの実装形態では、完全なシステムのテスト結果は、IDE出願と共に提出される。幾つかの実装形態では、IRB及びIDE承認後、人間での移植に向けても組み立てられる。
幾つかの実装形態は、12時間明/暗サイクルで個々に収容される成年オスロングエバンスラット(訓練開始時、概ね3.5月齢)の使用を含む。幾つかの実装形態では、動物は食事制限されて(例えば、1日当たり植物15g〜20g)、体重を維持する。幾つかの実装形態では、動物は、行動セッション後、動機を維持するために、制限された量の水(例えば、1日当たり25ml〜35mlの水)へのアクセスが許される。幾つかの実装形態では、全ての実験手順は、USA連邦ガイドラインに従って行われる。
幾つかの実装形態では、VRシステム(例えば、図6の仮想現実システム602)は、音響的に静かな空気クッション上で自由に浮遊する直径61cmのStyrofoam球を含む。幾つかの実装形態では、ボール回転が、2つの直交に配置されるレーザセンサにより測定され、マイクロコントローラにより統合され、カスタムソフトウェアにより使用されて、周囲の視覚的シーンを変更する。幾つかの実装形態では、ラットの運動と仮想環境での対応する変化との1対1のマッピングが確立される。幾つかの実装形態では、マイクロプロジェクタが、視覚的刺激を凸ミラーに投射し、凸ミラーは刺激を円筒形スクリーン(例えば、白色織物で作られる300°、直径68cm、高さ75cmの円筒形スクリーン)に反射する。したがって、VRシステムは、ラットの1cm以内を含む全方向において歪みのない視覚的シーンを提示できるようにする。幾つかの実装形態では、ヒンジ留めされたハーネスが、ラットを球上に保持する。幾つかの実装形態では、ラットの前に搭載されたステンレス鋼管が、ソフトウェア駆動ソレノイド弁により制御される液体報償(例えば、10%スクロース水、1報償当たり150μl)を分注する。幾つかの実装形態では、VRソフトウェアが、Ogre 3Dグラフィックスエンジン及びOpenALを使用してC++で構築される。幾つかの実装形態では、動物の(仮想)速度、位置、及び進行方向を含め、VRデータは、ソフトウェアにより記録される(例えば、60Hz以上のサンプリングレートで)。
幾つかの実装形態では、スピーカ(例えば、7SS−B1000スピーカ)がスクリーン外に、全て遮音された3m×3mの部屋内で六角形+センタースピーカ分布で配置される。幾つかの実装形態では、高次アンビソニクス音が生成される(例えば、Blue RippleのRapture3D openALライブラリを使用して)。幾つかの実装形態では、HDオーディオ/ビデオカード(例えば、Radeon5670カード)を使用して、HDMI(登録商標)を介してAV受信機(例えば、STRDH520受信機)にオーディオチャネルを出力し、次に、スピーカに送信される。このハードウェアは、ソフトウェアと併せて、スピーカアレイの中心に音場を再構築することにより、現実的な二次元空間可聴刺激を生成することが可能である。加えて、薄い織物のスクリーンを使用することにより、音響刺激に歪みがないことを保証する。
幾つかの実装形態では、ソフトウェア駆動ソレノイドが、実験室外に配置され、ラットの正面に搭載される管(例えば、ステンレス鋼管)を通しての液体報償(例えば、10%スクロース)の送出を制御する。幾つかの実装形態では、容量性タッチ回路が送出管に接続されて、ラットが報償管にいつ触れたかを検出し、報償チェック及び報償消費の時間的に精密な(例えば、約16ms)推定を提供する。幾つかの実装形態では、容量性タッチセンサは、レーザセンサも読み取る同じマイクロコントローラにより読み取られる。
幾つかの実装形態では、VRソフトウェアパッケージは、カスタム構築される(例えば、Ogre 3Dグラフィックスエンジン及びオープンオーディオライブラリを使用してC++で)。幾つかの実装形態では、仮想世界は、xmlファイルを使用して構築される。幾つかの実装形態では、世界タイプ、トラック境界、報償タイプ、報償場所、テレポーテーション、イベントトリガー、並びに視覚的及び可聴的手掛かりは全て、xmlファイルで定義され、環境を容易に作成し、変更できるようにする。幾つかの実装形態では、仮想世界の予歪は、スクリーンジオメトリ、ミラー曲率、及びピクセルロケーションを考慮に入れたカスタムマッピングファイルを通して処理される。幾つかの実装形態では、空間及び非空間可聴刺激は、OpenALを通して処理され、任意のスピーカ構成の任意の数のスピーカを駆動することが可能である。幾つかの実装形態では、ソフトウェアは、報償送出システム、運動センサ、及び容量性タッチセンサに接続する(例えば、USBを通して)。幾つかの実装形態では、トレッドミルの3軸回転位置、仮想位置、視角、タイムスタンプ、及びトリガーイベントが保存される。幾つかの実装形態では、イベントトリガーは、報償分注、テレポート、手掛かり隠し/明かし、及びxmlファイルで定義される他のイベントを含む。
幾つかの実装形態では、仮想環境は、床上1mにあり、3×3×3m部屋内の中心に配置される直径200cmプラットフォームを含む。幾つかの実装形態では、プラットフォーム床上の水玉模様パターンが、空間的に非選択的なテクスチャ及び光学フローを提供する。幾つかの実装形態では、黒色の床上の30cm×30cm白色格子が、プラットフォームと床との間に視差ベースの奥行き知覚を提供する。幾つかの実装形態では、図6(b)に示されるように、明白な遠位視覚的手掛かりが、4つ全ての壁を覆い、VR内で空間情報的刺激のみを提供する。幾つかの実装形態では、ラットはプラットフォーム(例えば、直径200cmプラットフォーム)で餌を探して、予め決定されているが印のない空間ロケーションを見つけて、液体報償を得る。
幾つかの実装形態では、報償が隠されたゾーンに到達すると、ラットは、トラックの端にある4つのランダムに選択される開始位置の1つに「テレポート」され、新しいトライアルが開始され、ラットは、報償が隠されたゾーンをもう一度見つける必要がある。幾つかの実装形態では、多感覚探索を特定するために、遠位可聴刺激及び遠位視覚的刺激の両方が使用される。幾つかの実装形態では、マルチモーダル探索を特定するために、空間の関数としての空間占有率及び報償チェック率が測定される。幾つかの実装形態では、全ての実験/トライアルは、同一の遮音されかつEMF遮断された部屋内で行われる。
幾つかの実装形態では、馴化後、動物は、ランダムな手掛かり位置を探して走り、報償を得るように訓練されるが、マルチモーダル探索課題で使用されるものとは異なる視覚的刺激が用いられる。幾つかの実装形態では、これは、課題の最終バージョンでの経験量を制御するために行われる。例えば、幅10cm及び長さ100cmの視覚的柱が、これらの手掛かり課題において手掛かり報償場所を示す。幾つかの実装形態では、柱は、記憶ベース探索課題ではなくなる。幾つかの実装形態では、能動的報償場所に入ることが、トーン及び液体報償送出をトリガーする。
幾つかの実装形態では、VR課題で十分な性能を見せているラットに、背側CA1又は嗅内皮質の両方に位置決めされる最高で22の独立して調整可能な四極管(例えば、13μmニクロムワイヤ)を含むハイパードライブ(例えば、25g〜30gのカスタム構築ハイパードライブ)が移植される。幾つかの実装形態では、手術はイソフルレン麻酔下で実行され、心拍、呼吸数、及び体温が常時モニタリングされる。幾つかの実装形態では、無痛状態は、リドカイン(例えば、0.5mg/kg、sc)及びブプレノルフィン(例えば、0.03mg/kg、ip)を使用することにより達成される。幾つかの実装形態では、複数の直径2mm開頭器が、3次元全てで25μmの精度で、カスタムソフトウェア及びCNCデバイスを使用して穿孔される。幾つかの実装形態では、硬膜が除去され、ハイパードライブは、カニューレが新皮質表面の約100μm上方になるまで、下降される。幾つかの実装形態では、移植片は、7〜9個の頭蓋骨ねじ及び歯科セメントを用いて頭蓋骨に係留される。幾つかの実装形態では、後頭部頭蓋骨ねじが、記録の接地として使用される。幾つかの実装形態では、手術の1日前及び回復中の少なくとも10日間、ラットに飲料水中のスルファメトキサゾール40mg及びトリメトプリム8mgが投与されると共に、カルプロフェン約10mg/kg(例えば、Rimadylベーコン風味のペレット)が投与される。
幾つかの実装形態では、電極は、手術後、海馬又は嗅内皮質内に徐々に下げられ、関心領域にわたり安定化できるようにする。幾つかの実装形態では、CA1への電極の位置決めは、記録中の鋭波リプルの存在を通して、及び実験後の組織学を通して確認される。幾つかの実装形態では、各四極管からの信号は、4つの27チャネルヘッドステージのうちの1つにより取得され、デジタル化され(例えば、40kHzにおいて)、バンドパスフィルタリングされ(例えば、0.1Hz〜9kHz)、連続記録される。幾つかの実装形態では、各記録セッションは、課題前及び課題後の時間長ベースラインを含み、ユニットの安定性を保証し、睡眠中、HEC活動を測定する。幾つかの実装形態では、これらのベースライン/睡眠セッション中、課題装置外の箱内でラットを休ませる。
幾つかの実装形態では、全ての分析は、カスタムコード(例えば、MATLABで書かれる)を使用して実行される。幾つかの実装形態では、循環統計が計算される(例えば、CircStatツールボックスを使用して)。幾つかの実装形態では、線形変数の2つの分布間の有意性テストが、非パラメトリックウイルコクソン順位和検定を使用して実行され、循環変数間の検定が、カイパー検定を使用して実行される。幾つかの実装形態では、ゼロとは有意に異なる母集団への検定が、非パラメトリックウイルコクソン符号付き順位検定を使用して実行される。
幾つかの実装形態では、全てのトライアルの開始時間及び終了時間は、最小速度閾値(例えば、5cm/s)により決定され、ラットが静止していた時間中のデータは、目標細胞活動を計算する場合を除き、分析に含まれない。幾つかの実装形態では、ユニットは、トラックでの平均発射率が少なくとも0.5Hzである場合、トラックアクティブであると見なされる。幾つかの実装形態では、空間発射率は、5cm幅ビンを有する占有及びスパイクヒストグラムに対して5cmガウス平滑化カーネルを使用して計算される。幾つかの実装形態では、場所フィールドは、発射率が少なくとも5cmにわたり5Hzを超える領域として定義される。幾つかの実装形態では、場所フィールドの境界は、発射率が最初、少なくとも5cmにわたりピーク率の10%未満に下がるポイント(場所フィールド内で)として定義される。幾つかの実装形態では、ユニットは、トライアルで発射されるスパイク数が、式2により計算される5パーセンタイル未満ではない場合、そのトライアルで有意に活性であるものとして定義され:
ここで、
は、考慮中のトライアル(t)を除く全てのトライアル(T)にわたり計算される、i番目のビンでの発射率であり、考慮中のトライアルでのi番目のビン内の占有時間である。
幾つかの実装形態では、単一ユニット率マップ(ビット単位)の情報内容は、式3に示されるように計算される。
幾つかの実装形態では、各ユニットの空間情報の有意性は、トライアルシャッフル手順を使用して評価される。幾つかの実装形態では、スパイク及び占有情報は、各トライアルでランダム量により循環シャッフルされ、その結果生成されるレートマップの情報内容が計算される。幾つかの実装形態では、この手順は、2つの走行方向に繰り返し独立して適用されて、各方向にヌル分布の500の情報内容値を生成する。幾つかの実装形態では、ユニットは、真のレートマップの情報内容が、2つの走行方向のうちの少なくとも一方でのヌル分布の値の95%を超える場合、有意な空間情報を有すると見なされる。幾つかの実装形態では、単一ユニットレートマップの疎性は、式4に示されるように定義される(空間ビンの数Lを用いて)。
こうして定義されるSは、ゼロ(均一レートマップ)〜1(デルタ関数レートマップ)の範囲である。
幾つかの実装形態では、各LFPのマルチテーパ電力スペクトルが、走行行動中に計算される。幾つかの実装形態では、ノイズからの潜在的な汚染を回避するために、クリアなシータ(例えば、1/3を超えるシータ(例えば、4Hz〜12Hz)対デルタ(0.01Hz〜4Hz)電力比率として定義される)を示すLFPのみが、シータ周波数又は位相プリセッションの分析に考慮される。幾つかの実装形態では、各LFPは次に、フィルタリングされ(例えば、4Hz〜12Hz、4次バターワース)、シータ周波数が、4つの方法のうちの少なくとも1つを使用して計算される:(1)ヒルベルト変換位相ジャンプを使用するサイクル検出、(2)ヒルベルト変換位相の導関数、(3)短時間フーリエ変換、及び(4)カルマンフィルタに基づく方法。幾つかの実装形態では、位相プリセッションの品質は、式5に示される循環線形補正係数を使用して測定される。
幾つかの実装形態では、単一ユニットのスパイク周波数は、フィルタリングされたスパイク列自動相関でのピークを検出することにより計算される。
FPIは、より重篤なケースではより重篤なダメージの構成要素(例えば、硬膜下血腫−SDH、皮質挫傷、びまん性軸索損傷−DAI)又は細胞死は最小であるが、拡散する神経代謝機能不全の構成要素(震盪、爆風、中度DAI)を含み得る流体パルスにより誘発される一般的な脳運動損傷である。このモデルには、陳述/空間記憶障害及び経験依存神経可塑性の損失が関連付けられる。これらの記憶障害の根底にある基質は、分子学的方法、電気生理学的方法、行動的方法、及び撮像方法を使用して霜害のある海馬グルタミン酸作動性機能にリンクされることが示されている。
CCIは、皮質挫傷及び頭蓋内出血を有するより重篤なTBIを最良に模倣する硬膜への直接的衝撃により誘発される拡散特徴を有する局所TBIである。このモデルには、海馬への二次損傷があることもあれば、ないこともあるが、陳述記憶の欠陥は、明白な海馬病理がない場合であっても報告されている。
CHIは、記憶障害、軸索損傷を誘発するより最近のモデルであり、人間患者が受ける複数の震盪又は爆風損傷を模倣するように繰り返し可能であり得る。CHIは、明白な細胞死がない場合、広範囲の神経代謝機能不全も誘発し、損傷を繰り返すタイミングは、CHI/震盪を繰り返す人間の経験に類似して、長期欠陥の重篤度に関連する。
幾つかの実装形態では、2年齢群が含まれる:青年後期/十代後半に対応するPND35〜46及び完全に成熟した成年であるPND90。両年齢は、民間人及び軍人の両方での人間でのTBIリスクの主な疫学的ピークに関連する。しかし、若い脳ほど、成年での損傷との違い(例えば、中度TBIでの可塑性の損失、より低い髄鞘形成、より少ない細胞死)を有し得るというエビデンスがある。したがって、幾つかの実装形態は、2年齢群を使用して、これらの発育上の特徴の大きさ及び重要性を特定することを含む。幾つかの実装形態では、動物は、3つの時点(例えば、損傷後日数PID(post-injury day)4、14、及び30)で縦断的に研究される。
新規物体認識課題は、ワーキングメモリ及び陳述記憶の両方の尺度である。利点としては、この課題が規則ベースではなく、ストレスが殆どなく、動物の本来の探索傾向に頼ることが挙げられる。この課題は、本明細書で利用される3つ全ての実験TBIモデルで障害を示す。比較的低強度の新規物体認識テストを所与として、このタスクを縦断的に組み込むことが可能である。幾つかの実装形態では、空間記憶は、測定すべき第2の行動パラダイムである。これを調べる幾つかの特定の方法がある。モリス水迷路(MWM)は、外傷の分野において、及び本発明者らのグループにより最も広く利用されており、空間学習及び記憶の両方でのTBI誘発障害を明確に示す。これらの利点にもかかわらず、MWMでは、水が充填されたタンク内を動物が泳ぐ必要があるため、テザード又はヘッドステージ搭載ハードウェアを使用して電気生理学的活動を同時に記録することが幾らか難しい。バーンズ迷路は、空間学習及び記憶をテストすることができる乾燥した陸地バージョンの迷路である。バーンズ迷路は、当分野の同業者により、外側FPI後の空間記憶障害の電気競り理学的相関を特定するために使用されている。幾つかの実装形態では、このテストは、上記損傷後日数のそれぞれ(例えば、PID4、14、及び30)で別個の群で実行される。
幾つかの実装形態では、従来の構造の拡散テンソル画像法(DTI)及び静止状態での機能MRI(rs fMRI)が、実験動物のサブセットで得られる(例えば、7T Bruker MRIスキャンを使用して)。例えば、静止状態(RS)FMRI−A 7テスラ、Brukerコンソール、Brukerの「ラットS116」勾配(400mT/m)を有するOxford磁石、送受信のみのバードケージ表面コイルを使用して、データを取得する。幾つかの実装形態では、ラットは、デクスメダトミジン(ボーラス静注0.05mg/kg、次に連続皮下注入0.1mg/kg/hr)を用いて沈静化され、体温、換気速度、及び呼気終末PCO2が制御される。幾つかの実装形態では、シングルショット、エコープラナー、勾配エコーデータが取得される(20分期間にわたり、30×30mm視野内で128×64行列、14×0.75mmスライス、反復/エコー時間(TR/TE)=2000/30ms(600ボリューム))。幾つかの実装形態では、データは、群毎独立成分分析(例えば、30成分に制約されたGIFTソフトウェアを使用して)に入力される。幾つかの実装形態では、群平均データから、主要感覚運動皮質(S1、S2、M1/M2、帯状、頭頂)皮質下(尾状核被殻、視床)及び海馬回路構成要素(背側及び腹側海馬、前辺縁前頭前皮質、帯状回皮質、脳梁膨大後部皮質)が、手動で識別され(コレジスタード3次元セグメントアトラスボリュームを介して)、次に、各構成要素からのデータが、元の個々の脳に逆伝搬される。幾つかの実装形態では、8mmの半値全幅最大カーネルを使用したガウス平滑化及びその結果としての剰余は、シード関心領域(ROI)から得られる平均血液−酸素依存経時変化と突き合わせて回帰分析に入力されて、ボクセルワイズピアソン相関係数を計算する。
幾つかの実装形態では、回路の回路網分析(感覚運動皮質、M1、M2皮質、視床の細分)が、ラットセグメント化アトラスを使用して分析される(例えば、Connツールを使用して)。幾つかの実装形態では、DTIデータ取得の場合、4ショット、エコープラナー、スピンエコーシーケンスを使用して、5つのb0画像及び30の拡散強調画像(b値=1000s/mm2)を取得し、勾配は等間隔であり、一次拡散ベクトルを最適にサンプリングする。例えば、Δ=20ms、d=3ms、TR/TE=6250/32ms、2平均、25×0.75mmスライス、35mm×35mm視野内に128×128行列。
幾つかの実装形態では、縦断動物研究の完了時、ラットの半分は、続く組織学的分析及び免疫組織化学的分析のために、4%パラホルムアルデヒドで経心臓的にかん流され、脳凍結される。幾つかの実装形態では、凍結セクションは40μmで切断され、解凍され、クレシルバイオレット又はヘマトキシリン−エオシン染色で標本にされる。これらのセクションから、電極配置場所の確認と同様に、肉眼形態が確認される。
幾つかの実装形態では、ラットの残り半分は新鮮な脳領域収穫を受け、脳は即座に前頭前野、前額部、頭頂部、及び後頭皮質、海馬、及び小脳のサンプルに切除される。幾つかの実装形態では、これらは均質化され、免疫ブロット法を使用した続く分子学的分析のために凍結される。幾つかの実装形態では、ここで想定される分子は、NMDA受容体サブユニット(NR1、NR2A、NR2B)、AMPA受容体サブユニット(GluR1、GluR2)、信号変換分子(CaMKII、pCaMKII、CREB、pCREB)、及びニューロトロフィン(BDNF)を含む。
人間以外の霊長類に関して、幾つかの実装形態では、行動課題は、3つの形態の記憶をテストするように設計されている。幾つかの実装形態では、これらの課題は、心理生理学的対象又は患者に使用される課題に基づくが、人間以外の霊長類の行動によりよく合うように変更されている。幾つかの実装形態では、人間以外の霊長類は全て、生態動物園に収容される。幾つかの実装形態では、訓練のために、全ての動物は、無菌状況下で移植される強膜サーチコイル及び頭部ホルダデバイスを有する。幾つかの実装形態では、研究中の動物は水分スケジュールされる−全てでなければ大半の水分摂取を研究所内で受け取る。幾つかの実装形態では、動物は、モンキーチェアで研究所に運ばれる。幾つかの実装形態では、行動課題は、コンピュータ(例えば、QNXで実行中のREXソフトウェア)を介して制御され、刺激画像はVEXで作成される。幾つかの実装形態では、目の位置が、Riverbend又はDNIコイルシステムによりモニタリングされ、全課題を通して1kHzで記録される。幾つかの実装形態では、全ての動物は、標準固定化及びサッカード課題を実行するように訓練される。
課題1 − 視覚的選好注視課題
人間及び人間以外の霊長類は、繰り返される項目よりも新規の項目を見ることを好む傾向がある。課題は、一連の刺激を提示し、動物が各刺激を調べるために費やす時間を測定することにより、このバイアスを利用する。課題は、ごくわずかな訓練を必要とし、猿の海馬での反応を調べるために問題なく使用されており、猿及び人間の両方で海馬の病変後、正常に機能しないことが知られている。幾つかの実装形態では、動物は、中央の十字を固定化することによりトライアルを開始する。幾つかの実装形態では、500ms〜750ms後、画像がスクリーンの中央に配置される。幾つかの実装形態では、画像は動物がその画像の見るのを止めるまで、又は5s後まで残る。幾つかの実装形態では、6、8、又は10のトライアルのブロックが使用され、その間、報償は与えられない。幾つかの実装形態では、ブロック間で、動物は、幾つかの単純な視覚誘導性サッカードを実行し、これは報償される。幾つかの実装形態では、画像の大半は新規であるが、ブロック内の1〜3の画像は、ブロック内で先に見られた画像の繰り返しであることができる。この課題では、凝視は、繰り返される画像よりも有意に長く新規の画像に留まる傾向がある。幾つかの実装形態では、性能改善の尺度は、刺激あり及び刺激なしでテストされる繰り返し画像の注視時間の有意な低減である。これは、ブロック内ではるかに離れて提示される繰り返し画像で定量化することがより容易であり得る。
課題2 − シーン想起課題
幾つかの実装形態では、課題は、テスト患者に使用される視覚選好注視課題に基づく。この課題は、動物が、2つのテスト画像のうちの何れが、ブロック内で調べられたシーンからのものであるかを再生することができるか否かをテストする。動物は、スクリーンの中央にある正方形点を固定化することによりトライアルを開始する。幾つかの実装形態では、500ms〜700ms後、固定化点は消失し、シーンがスクリーンに提示される。幾つかの実装形態では、シーンは、自然の画像又は仮想現実ソフトウェアにより構築される人工画像である。幾つかの実装形態では、動物には、シーンを自由にスキャンする短い時間(例えば、3s〜5s)が与えられ、その後、シーンは除去される。幾つかの実装形態では、これは、500ms刺激間隔で2回以上繰り返され、その後、固定化点が再び現れる。幾つかの実装形態では、500ms後、2つの小さい画像が、左右固定化のためにのみ提示され、一方の画像は、動物が見たばかりの3つのシーンのうちの1つのセクションであり、他方の画像は別のシーンのセクション(動物が前に見たことがあることもあれば、又は見たことがないこともある)である。幾つかの実装形態では、黄色の正方形が、各画像の真横に配置される。幾つかの実装形態では、報償を得るために、動物は、見たばかりのシーンのうちの1つからの画像の横にある黄色い正方形にサッカードしなければならない。幾つかの実装形態では、動物は、スクリーンを自由にスキャンすることが許されるが、目が黄色い標的の1つに行くか、又はスクリーンを去ると、トライアルは終了する。凝視が正確な黄色い正方形に行く場合、動物に報償が与えられる。幾つかの実装形態では、この課題での性能は、正しい選択の割合として測定される。幾つかの実装形態では、性能改善の尺度は、刺激を用いた場合、正しい割合が有意に増大する。動物が前に見たことがあるが、現在のトライアル内にはない妨害(不正確な標的刺激)を使用することにより、記憶干渉への刺激の効果を調べることができる。
課題3 − 連合記憶課題
幾つかの実装形態では、課題は、患者のテストに使用される顔−場所連合課題に基づく。この課題は、動物が、2つの物体(顔を含む)のうちの何れが、特定のシーンに関連付けて見られたかを再生することができるか否かをテストする。課題構造はシーン認識課題と同様であるが、物体の画像も各シーン内に配置される。幾つかの実装形態では、物体は、シーンに属さないものとして明確に定義する正方形境界を有する。幾つかの実装形態では、シーン認識課題と同様に、3つのシーン/物体刺激が、9s〜15s以内、提示される。幾つかの実装形態では、3番目のシーン/物体対後、固定化点が再出現する。幾つかの実装形態では、500ms後、3つのシーンのうちの1つのより小さいバージョンが、スクリーンの上半分に配置され、2つの物体が、固定化点の真下で左右に提示される。物体の1つは、シーンに関連付けられた物体であり、他の物体は、トライアル内で提示された可能性があるか、又は新規であることができるが、シーンに関連付けられていなかった。幾つかの実装形態では、2つの黄色い正方形が各物体の横に配置され、動物には、関連付けられた物体の隣にある黄色い正方形を見る場合、報償が与えられる。幾つかの実装形態では、性能改善の尺度は、刺激を用いた場合、正しい割合が有意に増大する。幾つかの実装形態では、妨害が新規である場合、トライアル内で前に見られる(が、テストシーンに関連付けられていなかった)場合、又は別のトライアル内で前に見られた場合の性能への刺激の影響が調べられる。
課題4 − 空間連合記憶課題
幾つかの実装形態では、この課題は連合記憶課題と同様であるが、物体がシーン内のどこにあったかを再生する動物の能力を調べる。幾つかの実装形態では、構造は連合記憶課題と略同一であるが、テストフェーズ中、3番目のシーン/物体対後、全シーンが提示され、連合する物体の2つのコピーが提示される:一方は、調査期間中に提示された場所にあり、もう一方は、等しいが、垂直及び/又は水平経線にわたり逆の位置にある。幾つかの実装形態では、前の課題と同様に、2つの大きい黄色い正方形が、2つの物体場所の横に配置され、動物には、正確に配置された物体横にある黄色い正方形に目を動かすと報償が与えられる。幾つかの実装形態では、性能改善の尺度は、刺激を用いた場合、正しい割合が有意に増大する。
幾つかの実装形態では、電極の初期テストが、標準記録技法を使用して実行される。幾つかの実装形態では、手術前解剖学的MRIが撮影されて、海馬及び嗅内皮質の位置を精密に識別する。幾つかの実装形態では、第2の外科処置において、記録チャンバが、単一の電極で両構造にアクセスできるような位置に配置され、直径19mm開頭手術がチャンバの中心で行われる。幾つかの実装形態では、記録電極及び記録ハードウェアは、患者に使用されるものと同一であり、それにより、システム全体のテストが可能になる。幾つかの実装形態では、移植片を有する全ての動物は、毎日モニタリングされ、移植片周囲のマージン及び露出された硬膜は、少なくとも週に3回、クリーニングされるか、又はメンテナンスされる。幾つかの実装形態では、記録チャンバの内部は、標準チャンバクリーニングプロトコールを使用してクリーニングされる。
幾つかの実装形態では、データ管理、共有、送出、及び統計学的サポートサービスが、UCLAのSemel Institute for Neuroscience and Human Behaviorでの生物統計及びデータ管理コアであるSIStatにより提供され、全てのプロジェクト及びコアにより使用される。幾つかの実装形態では、データ管理、共有、送出、及び統計学的サポートサービスは、(1)中央化リサーチデータベース及び普及システムの開発、(2)データセキュリティ及び品質保証の提供、(3)様々なプロジェクト、プラットフォーム、及びリポジトリからの研究データの調整、並びに(4)統計学的コンサルティング及び分析サービスの提供のうちの1つ又は複数を含む。
幾つかの実装形態では、全てのデータは調整され、収集され、追跡され、様々なタイプのユーザ(例えば、プログラム調査者、DARPAスタッフ、及び公衆アクセス)への異なるアクセスレベル及びアクセススケジュールで提供(例えば、中央化プログラムデータベースを通して)される。幾つかの実装形態では、現在、センター研究者が利用可能な特徴の多くを表示する実証ウェブサイトが生成され、アクセスすることができる。幾つかの実装形態では、データセットへの全ての要求は、オンラインクエリシステムを通して行われ、承認されなければならない(例えば、PI及び公開委員会により)。幾つかの実装形態では、クエリシステムはマスター登録テーブルを含み、このテーブルは、何れの測定及びプロトコールが何れの対象に利用可能であるかを示す。幾つかの実装形態では、テーブルは、主要特徴(例えば、人口統計学的特徴、診断、関連する撮像、プロトコール、介入)によりソートしサーチすることができる。幾つかの実装形態では、標準データベースが自動的に生成され、要求者によるダウンロードのために掲示され、より専門的な要求が準備され、チェックされ、配信される(例えば、SIStatスタッフにより)。中央化システムは、全ての調査者、プログラムサイト、実施者グループ、及び政府エージェンシーへの即時のオンライン報告を可能にし、プロジェクト管理及び品質保証を強化し、研究者にデータ及び他のプロジェクトリソースへの容易なアクセスをリアルタイムで与え、プロジェクト間分析及び共同を促進する。幾つかの実装形態では、データは、特別なソフトウェア要件なしで、任意のインターネットポータルからシステムに入力することができる。幾つかの実装形態では、内蔵ツールにより、全ての標準形式でデータファイルを直接エクスポートすることができる。幾つかの実装形態では、追加の分析ツール、管理ツール、及び訓練ツールが、特殊なニーズに合うように開発される。幾つかの実装形態では、動的データシステムの設定において、追加され、編集され、又は修正されたデータで前の結果を置換することは難しいことがあるため、分析のために配信された全てのデータセット及び対応するクエリのスナップショットは永久的に保存される。幾つかの実装形態では、全てのシステム及びツールは、セキュアサーバに配置され、暗号化(例えば、128ビットSSL)により保護され、セキュアソケットレイヤ技術が、機密ウェブトランザクションに使用され、パスワード保護されたログインの階層システムを特徴とし、各ユーザへの区別的なアクセスを可能にする。幾つかの実装形態では、患者データは、識別情報を保護するために、研究IDに基づいて符号化形式でのみアクセス可能である。
幾つかの実装形態では、NeuroPace RNSデバイスを用いて収集されたデータの場合、セキュアHIPAA互換性基盤が、患者データの共有に使用される。幾つかの実装形態では、データは、市販のIDE RNS(登録商標)システムにより収集され、悪患者が研究中である場合、共有される。幾つかの実装形態では、識別可能な患者データは、セキュアHIPAA互換で共有される。
幾つかの実装形態は、カスタム化されたオンライントライアル管理、データ収集、及び通信システムの開発を含む。幾つかの実装形態では、システムは、対象登録、管理者ツール(対象の求人、スケジューリング、及び追跡のため)、注釈付きのサーチ可能なマスタデータディクショナリ、及び中央化データベースを組み込み、紙形態又はインタビューからのデータの直接入力並びに他のソースからの専門データの電子アップロード及び統合の両方を可能にする。幾つかの実装形態では、電子ケース報告フォーム、プロトコール逸脱フォーム、有害事象追跡、及び投薬又は治療が含まれる。幾つかの実装形態では、システムは、データ品質を最大化するために、データの正確性を検証するための二重入力、導出される変数の自動計算、並びに論理及び外れ値検出等の確認テストを含む内蔵品質保証プロセスを有する。
幾つかの実装形態では、デバイスシリアル番号及びモデル番号、事象の日付け及び場所を含む治療送達についての情報が追跡され、各対象に提供される。幾つかの実装形態では、対象(齧歯類、人間以外の霊長類、及び人間)単位での全ての実験データの可用性及びアクセス可能性は、各対象の全ての時点での課題性能及び関連付けられた注釈、神経認知的尺度及び精神医学的尺度、脳マッピング研究(適切な注釈及びタイミングを有する)、侵襲的電気生理学的及び神経化学的研究、及び処理済みデータ(注釈付き)のうちの1つ又は複数を含め、カタログ化される。幾つかの実装形態では、データディクショナリは、消費者がデータを定義使用するのに十分な情報を有することを保証するために、全ての測定の定義、有効値、収集の目的及び方法、並びに潜在的な分析の落とし穴を含む。幾つかの実装形態では、研究フォームのコピー、機器、及びプロトコールが、データ処理アルゴリズム及びソフトウェア(ソースコード及び実行可能ファイル)と共に提供される。幾つかの実装形態では、トライアル管理及びデータ収集プラットフォームに加えて、システムは、外部研究者及び一般大衆は、調査官及びプロジェクトについて学び、公開物を閲覧し、共有報告者及びリソースにアクセスすることができるオープンウェブサイトにおいて、並びにプロジェクト調査官及びメンバーが、分析、論文、及びプレゼンテーションを掲示し、それらに対してインタラクティブに作業することができるプライベートサイトにおいて、両方を盛り込んだオンライン通信及び流布プラットフォームを含む。
幾つかの実装形態では、コア報告書(例えば、リクルートメント標的、不完全又は欠損データ及び/又は訪問の追跡、DSMB及び支援エージェンシーへの有害事象及びプロトコール逸脱要約書、主要記述統計)は、システムにより自動的に生成され、リアルタイムで更新され、毎月、全ての主要モニタリングボードに転送される。幾つかの実装形態では、全ての関連する対象を含む自動生成される毎月(又はオンデマンド)の報告書が生成され、DARPAに提出される。幾つかの実装形態では、これは、人口統計学的データ及び診断データ、関連する日付け、現場情報、神経行動学的尺度、神経認知学的尺度、及び精神医学的尺度(介入前後の識別された時点での)、未処理及び処理済み撮像データ、未処理及び分析済み電気生理学的信号、介入(デバイスシリアル番号及び刺激パターンを含む)、課題のタイミング及び時間サンプリングされた行動を含む主要注釈、並びに患者の結果を含め、対象単位のコード化された非特定化されたデータを含む。幾つかの実装形態では、データは、分析及び解釈に適切なように提出される。
幾つかの実装形態では、報告書は、神経調節デバイスのテスト、開発、及び確認についてのデータも含む。幾つかの実装形態では、そのような報告書は、少なくとも3ヶ月又はオンデマンドでDARPA実施者グループに提供される。幾つかの実装形態では、データは、公開後、又はDARPAの要求及び承認時、公衆にとってアクセス可能になる。幾つかの実装形態では、データアクセス及び報告書は、無制限で公開され続ける。
幾つかの実装形態では、開発された齧歯類データ分析ルーチン及び計算モデルシミュレーションは、参加する主任調査官と共有され、それにより、RAMのために効果的な刺激のプロトコールを開発し、人間に使用する前に、TBIモデル及び霊長類でテストすることができる。幾つかの実装形態では、これらの結果は、十分にテストされるか、又は公開されると、上述したメカニズム等と同様のメカニズムを使用して、他の科学者に広く提供される。
幾つかの実装形態では、全ての動物実験データは、神経外傷研究所で収集される。幾つかの実装形態では、最終的に、全ての関連する結果が、医学文献及び工学文献での査読済の公開のために提出される。
他の皮質野とは異なり、内側側頭葉は、明らかに陳述記憶機能に関連する脳領域である。この回路、特に海馬−嗅内皮質回路網の直接操作は、学習及び記憶性能に影響を及ぼす優れた機会を提供する。興味深いことに、固有海馬の電気刺激は、情報の取り出しに干渉することが分かっている。
しかし、嗅内野のDBSは最近、学習フェーズ中、DBSが提供される場合、人間の空間記憶を強化することが示されている。貫通線維路への電極の近さにより、嗅内野の刺激が、海馬依存記憶を強化し得る可能性が高い。幾つかの実装形態は、貫通線維路への近さを特定するために、人間内の嗅内DBS配置の厳密な部位を明らかにすることができる、高分解能拡散テンソル画像法等の高度技術を利用することを含む。
海馬への遠心性及び求心性接続を有する、MTL外の様々な他の領域(例えば、視床の視床前核、視床下部、中隔核、又は更には迷走神経)のDBSは、記憶を強化することが示されている。しかしながら、ただし、これらの部位のDBSからのこの記憶強化の性質が、注目の全体的増大によるものか、覚醒によるものか、それとも知覚運動機能によるものかはなお不明瞭である。結果は、嗅内DBS誘発記憶強化が、知覚運動機能の強化によるものではないことを示すが、他の刺激領域(例えば、迷走神経)も、これら又は他の代替の認知機能を通して記憶に影響を及ぼし得る。
海馬の直接マクロ電極DBSは一般に、記憶の混乱を示す。マクロ電極の使用、したがって海馬ニューロンの大きい集団の刺激は、特に後発射を引き起こす閾値を超えて与えられる場合、学習の成功に必要な局所ニューロン回路を混乱させ得ることが可能である。幾つかの実装形態は、行動を変化させる閾値に達するために、刺激される海馬ニューロンの母集団の大きさが実際にどの程度である必要があるかを特定することを含む。
代替的には、それは、刺激されるニューロンの実際の数ではなく、記憶に最も強く影響を及ぼし得る刺激の性質であり得る。齧歯類での最近の研究では、海馬電子刺激が、空間及び時間の両方の発射パターンに関して海馬入力活動に一致する場合、記憶強化を生じさせることができることが示されている。更に、学習中に活性化される海馬ニューロンの光遺伝的再活性化は、記憶発現の強化に繋がる。したがって、海馬の直接刺激は、根底をなす神経活動に対して刺激が有する厳密な効果に応じて、記憶の混乱及び強化の両方を生じさせ得る。嗅内求心性神経刺激と組み合わせた特定の生理学的に有意な海馬刺激の使用は、記憶を強化する可能性がより高いと仮定される。
記憶形成に関するHEC系のモデリング研究は、主に、デビッド・マーの初期の研究から始まり、ホップフィールドのアトラクタ回路網に続き、CA3での回帰神経回路網に焦点を合わせている。しかし、近年、CA3内の再帰神経接続があまり広くないことがますます明らかになりつつある。更に、これらのCA3に基づく理論は、記憶形成へのHEC回路の他の重要部分の寄与、特にCA1の寄与を考慮に入れていない。更に、これらの理論は、嗅内皮質での細胞記憶の計算的含意又は嗅内皮質の異なるサブ領域間の物体表現と場所表現との区別を考慮に入れていない。最後に、これらの計算理論は通常、学習への阻害の重要な寄与を考慮していない。本開示は、HEC系の全ての部分の特定の寄与、これらの要素の生物物理的性質、及びそれらの活動パターンの行動相関を含む計算モデルを開発することにより、知識におけるこれらのギャップに対処する。
FDA承認の市販の人間に移植可能な神経刺激及び記録システムはあまりない。例えば、Medtronic及びNeuropaceは両方とも、内在神経調節システムを有する。両方とも、刺激し、複数の接点から記録し、運動機能障害及びてんかんを治療することが可能な脳深部刺激(DBS)システムである。ここ10年にわたり、DBS治療の適用は、鬱病及びパーキンソン病等の他の神経精神病学的疾患及び神経学的疾患を治療するために、臨床試験で拡大した。DBS治療の数十年にわたる長い使用及びDBS治療を適用することができる疾患リストの増大にもかかわらず、DBSが効率的に機能するメカニズムは主としてなお未知である。
皮質下刺激及び記録では、シリコンベースの神経インタフェースが利用されることが多い。幾つかの有名なシリコンベースの神経インタフェース(例えば、Blackrock、Microsystems、NeuroNexus)が、ここ20年にわたり使用されている。様々なタイプの貫通アレイの幾らかの中期成功にもかかわらず、これらのシリコン神経インタフェースから、長期にわたり機能的な神経インタフェースを示すことにおいて成功した方法は依然としてない。電極故障の一因は、多くの場合、剛性デバイス材料と皮質組織との機械的不一致及び神経組織内の異物の残留である。
無線データ伝送での現行技術の比較は、UWBが高効率的なデータ伝送を可能にすることを示す。例えば、TX総電力1.6mWを必要とする、エネルギー効率35pJ/ビット及びデータレート46.1Mbpsを有するOOK/PPM変調を使用するIR−UWB送信機が実証されている。FSK変調を用いる狭帯域構造が使用されて、より高いエネルギー効率2.47nJ/ビットでより低いデータレート1.5Mbpsを達成し、したがって、出力電力−20dBmで総電力3.7mWを消費した。PPM+BPSK変調デバイスは、出力電力−16dBm及びデータレート15.6Mbpsでエネルギー効率280pJ/ビットを達成した。この場合、総電力は4.36mWである。従来の研究は、8アレイPPM変調を用いるIR−UWB送信機を使用して、エネルギー効率45pJ/ビットでデータレート12Mb/sを達成する。送信機の出力電力は−26dBmであり、低消費電力0.54mWを有する。したがって、IR−UWB変調は、この研究で、低電力で高データレートを達成するのに役立ち、一方、マルチアレイPPM変調は、ピーク対平均電力比の低減において役立った。
本明細書に開示される手法は、以下の方法で、適応フィルタによる刺激アーチファクト相殺の従前の試みを超える。第1に、刺激信号から汚染信号へのマッピングは、必ずしも線形である必要はない。幾つかの実装形態は、線形要素及び非線形要素の両方を組み込むモデリング構造を考案し、非線形効果を捕捉するモデルの能力を強化することを含む。第2に、神経記録が複数の場所から同時に収集される場合、これらの全ての読み取りにある汚染は、同じ刺激信号により生成されるため、互いに相関する。この場合、様々な記録からのデータをまとめて処理する必要があり、その理由は、それらの相関を利用して、通常のLMS適応を超えて正確性を強化することができるためである。幾つかの実装形態は、マルチチャネル適応戦略を推進して、データ内のこの追加レベルの情報を利用することを含む。第3に、刺激信号は、方形パルス等の明確に定義される周期的形状及び周期性を有する傾向がある。この事前情報を利用して、学習プロセスを駆動し、収束レート及び相殺能力を強化することができる。第4に、汚染信号のサイズは、所望の神経信号よりもはるかに大きく、多くの場合、20倍大きい。これは、適応プロセスを駆動するために、連続干渉相殺技法を適用する可能性を示唆する。データの最初のパスで、神経信号をノイズとして見る場合、適応技法を使用して、未知のマッピングを推定することができ、次に、この推定を使用してデータをクリーニングすることができる。
MedtronicのActiva-PC+Sは、2つのチャネルで、脳内の深部構造から記録及び刺激を同時に行うことが可能な高度に構成可能なシステムである。Medtronicシステムは、神経治療での大きい前進を表すが、そのようなシステムを、多領域神経記録及び神経調節のための高度にスケーリングされた閉ループ治療デバイスにするには、多くの障害がある。Medtronicシステムは、胸腔内に収容された大きい電池を有する高電力電子回路を含み、胸部から頭蓋の上部に延びる長いワイヤと、感染リスクを生じさせる頭蓋骨を通るトンネルとを必要とする。8つの領域で刺激及び記録するようにスケールアップされると、電池により長時間期間にわたり電子回路を維持することができない。
NeuropaceのRNSシステムは、特に、てんかんを治療するように設計される。Neuropaceは最近、4つのECoG記録チャネル及び1つの刺激チャネルをサポートするシステムのFDA承認を取得した。システムは、頭蓋内に収容されるコンパクト電池から給電され、移植するために侵襲的な手術を必要とする。システムは、発作検出を実行することができ、構成可能であるが、デバイスは治療目的で設計され、最小の読み出し機能を有する。このデバイスは、Medtronicデバイスと同じスケーリング制限を有する。
Blackrockアレイは、皮質内領域のニューロンから記録するように設計される100本の貫通シリコンマイクロ電極のアレイである。これらのアレイは、良好な短期性能を有するが、移植の数ヶ月後、ニューロン活動を記録することができる電極数は大幅に低減する。
既存の閉ループ神経調節システムは、限られた飽和なし入力範囲(最高で約5mV干渉)を示し、アーチファクトなしの記録及び刺激を同時に達成することができない。入力範囲又は刺激アーチファクトの存在下での短い記録デッドタイムにより制限される。
既存の全ての神経−信号増幅器は、固有の増幅器帯域幅が信号帯域幅よりもはるかに広いことにもかかわらず、チャネル毎に1つの増幅器を使用して、入力−ノイズ仕様を満たす。
本明細書に開示されるデバイスは、現行技術よりも優れた幾つかの利点を有する。
・長期移植可能神経インタフェースでは、幾つかの実装形態は、長期安定性に向けて微細加工される高チャネルカウントポリマーベースアレイを利用することを含む。これらのポリマーは、現行技術のシリコンデバイス(約200GPa)又はマイクロワイヤデバイス(約100GPa)と比較してはるかに低い弾性係数(約3GPa)及びはるかに低い異物反応を有する。240を超える電極を有するポリイミドベースの網膜人工器官は、15+年という予測寿命を有する。
・幾つかの実装形態は、侵襲性がより低い外科手技を使用して埋設することができるコンパクトな電子システムを提供する高密度小型パッケージを使用することを含む。
・幾つかの実装形態は、(無制限)位相領域での信号処理を利用することにより、200mVppアーチファクトなし入力範囲(既存の技術よりも20倍良好)を達成することを含む。これは消費電力(LFPの場合、1μW/チャネル未満)を損なわずに達成される。
・幾つかの実装形態は、適応フィルタを使用して、影響を受けた記録チャネルから刺激アーチファクトを除去することを含む。
・幾つかの実装形態は、インピーダンスベースのフィルタリングと組み合わせて、革新的な周波数分割多重化手法を使用することを含み、それにより、幾つかのチャネルにわたり電力を最も消費する入力増幅器を共有できるようにし、ノイズを増やさずに電力を効率的に低減する。幾つかの実装形態は、記録−低0.8μA/チャネル単一ユニット記録を達成し、それにより、LFPフロントエンドシステムと電力平衡することを含む。
・セキュア無線データ及び電力伝達と一緒の上記技法の組合せにより、記録−小(1cm3未満)64チャネル電池なし移植可能神経記録及び刺激デバイスの生成を可能にする。このデバイスは、電極アレイ密度で約10倍、デバイス容積/チャネルで約100倍、現行技術を改善し、神経科学及び臨床用途に新しい新分野を打ち立てる。
齧歯類では、実験的TBI後の可塑性を調べる進行中のかなり研究があるが、その多くは、運動皮質への巣状外傷病変からの回復に焦点を合わせている。外傷後記憶障害を調べる多くの実験研究は、かなりの海馬構造ダメージ及び/又は広範囲に及ぶ神経損失を生じさせることが周知のモデルを利用する。従来の研究は、海馬に肉眼的な組織学的病変がない場合であっても、又は海馬に実質的な細胞損失がない場合であっても、海馬記憶障害及び経験依存神経可塑性の損失を示す実験的TBIモデルに焦点を合わせてきた。次に、これらのモデルは、神経損失ではなく外傷後ニューロン機能不全に焦点を合わせた。これは、記憶を回復させる刺激ベースの方法を考案するための重要な特徴である − 完全に破壊された脳構造は、適切な刺激又は機能に適さないことがある。記憶回復を促進するために介入する強力な基礎を生み出す分子−行動のメカニズム的リンクが実証された。グルタミン酸作動性受容体サブユニット及び信号変換分子の変更から、生体外電気生理学、機能性海馬撮像、及び海馬ベースの記憶障害の相関障害が示された。これらのプロセスは、障害のある経験依存神経可塑性の時間窓に一致する。
単純に短寿命分子妨害を待つことにより、記憶機能が幾らか戻るが、この手法は不完全な回復を生じさせ、その理由は、記憶取得はよりロバストに反応するように見えるが、空間記憶保持がそうではないためである。更に、予備データは、これらの障害のあるグルタミン酸作動性メカニズムの薬理学的活性化が、記憶障害及び経験依存神経可塑性を完全に回復させることを示す。実験的TBI後の医療中隔核の刺激の実現可能性は、バーンズ命令でのパターン化海馬活動(シータリズム)及び空間記憶を回復させることを実証している。
開示されるシステムは、幾つかの別個の利点を有する。まず、TBI後シータリズム等のパターン化海馬活動の記録が、新規の無線システムを使用して行われる。動物行動は、繋がれていない場合、より自然であり、特に、これにより、豊富環境において経験依存可塑性をモニタリングすることができる。更に、精巧なモニタリング及び仮想現実システム(EP+/VR)により、繋がれた記録が使用される場合、記憶プロセスの根底をなす電気活動のより高度な実験が可能である。
人間以外の霊長類の研究では、側頭葉での記憶処理の理解における現行の研究の大半は、霊長類が物体を調べている間の神経振動の役割及び単一ユニットの記録を理解することに焦点を合わせてきた。加えて、Rollsは、側頭葉内の処理モデルを改良し続けてきた。より関連するのは、Hampsonらによる最近の研究であり、Hampsonらは、動物が遅延見本合わせ課題を実行する間、CA1での刺激の効果を調べた。Hampsonらは、サンプルフェーズ中の刺激が、特に異なるトライアルで性能を改善したことを発見した。開示される実装形態は、刺激部位及び行動課題の両方の点で、Hampsonらと異なる。例えば、開示される課題は、単なる短期記憶を超えるものを含み、動物は、時間順で提示される複数の刺激で、3つもの多い成分(シーン、物体/顔、及び場所)を覚える必要がある。
幾つかの実装形態では、モニタリングユニット内で、広帯域幅電気生理学的(1kHz〜3kHz、1チャネル当たり10kHzサンプリング)及びビデオ記録が同時に、ポータブル256チャネル日本光電モニタリングシステムを使用して実行される。幾つかの実装形態では、196チャネルNeuralynx Atlas増幅及び記録システムが、患者の部屋に入れられ、頭蓋内臨床電極及びマイクロ電極からの外部リードに高速で接続され、広帯域幅(1kHz〜6kHz、1チャネル当たり30kHzサンプリング)深部EEG、局所電場電場、及び単一ニューロン活動を電気生理学的に記録する。
幾つかの実装形態は、脳の解剖学的画像、機能的(BOLD及び動脈スピンラベリング)画像、拡散強調画像、及び分光画像を含め、32の受信機チャネルを備えたSiemens 3 Tesla Tim Trio(3T)MRIスキャナを操作することを含む。幾つかの実装形態では、3T MRIユニットは、複数のSiemensヘッドフォン/スピーカシステム、Resonance Technology Corporation(RTC) Visuastimデジタルシステム、光ファイバケーブルを介して制御されるAcerデータプロジェクタに基づくLCDプロジェクタシステム、並びにE-Prime及びPsychツールボックスを実行する専用Macコンピュータセットアップを備える。幾つかの実装形態では、反応記録システムは、Current Design 4ボタン反応パッド及び光ファイバ束を介して反応記録コンピュータに接続される32チャネル電子インタフェース及び電源ユニットを含む。幾つかの実装形態では、対象にライブスキャンと同様の経験を与えるMRI刺激器が使用され、それにより、スキャン時間を予約し料金請求せずに、対象性能を特徴付けることができる。幾つかの実装形態は、EEG MRI互換設計に基づくEEGシステムを利用することを含み、これにより、EEG及びfMRI信号の同時記録が可能になり、2つの生理学的尺度を関連付ける共同研究が可能になる。幾つかの実装形態は、ソース空間計算ツールGeosourceを含む分析ソフトウェアを利用することを含む。幾つかの実装形態は、リアルタイム記録及び分析にソフトウェアアクセスポイントを利用して、リアルタイムEEG及びfMRI共同分析を開発することを含む。幾つかの実装形態は、共有クラスタを利用することを含む。例えば、電流共有クラスタ構造上のスケジューラ、gcc、並びにC、C++、Fortran77、90、及び95のコンパイラを含め、1,100+64ビットノード及び11,100コアを有し、1GBイーサネット(登録商標)ネットワーク及び10Gb、20Gb、40Gb InfiniBand相互接続を有する供給クラスタ。幾つかの実装形態では、クラスタの現在の最高性能は、CPUを用いて110TFLOPS(trillion double-precision floating operations per second)であり、GPUを用いて更に200TFLOPSである。
幾つかの実装形態は、神経インタフェースの製作及び組み立てに必要な半導体処理機器を利用することを含む。これは、以下の機器のうちの1つ又は複数を含む:誘電材料の深堀反応性イオンエッチャー、ポリマーの反応性イオンエッチャー、スパッタリング及び電子ビーム蒸着システム、原子層堆積、自動薄膜スピナー、フォトリソグラフィ接点アライナ、自動ワイヤボンダー、フリップチップボンダー、パリレン蒸着システム、スクリーンプリンタ、テンシルテスタ、環境チャンバ、高温真空オーブン、光学表面形状測定装置、干渉計、FTIR分光計、エリプソメータ、及び光学検査顕微鏡。幾つかの実装形態は、神経界面組織を活性化し特徴付けるカスタマイズされた電子化学システム利用することを含む。これは、以下の機器のうちの1つ又は複数を含む:Alpha Omega Systems AlphaLab SnR刺激及び記録システム、Gamry電子化学システム、PAR電子化学システム、Hirox顕微鏡、倒立顕微鏡、及び電子化学テストステーション。
幾つかの実装形態は、電子回路をテストする高速機器を利用することを含む。機器は、低ノイズRF生成器、スペクトル分析器、高速オシロスコープ、論理分析器、FPGAプロトタイプ基板、及び高速プローブステーションのうちの1つ又は複数を含む。
幾つかの実装形態は、最高で220GHzの最先端電子測定能力を利用することを含む。これは、時間領域及び周波数領域であり、リアルタイムオシロスコープ、Agilent DCA86100D 70GHzサンプリングオシロスコープ、最高で65GHzの信号生成器、最高で220GHzまでの拡張を有する最高で110GHzの4ポートVNAセットアップ(R&SからのZVA110E)、パルス生成器、スペクトル分析器、及び12KシリーズCascade Microtechプローブステーション等の他の電子テスト設備のうちの1つ又は複数を含む無線テスト用の測定機器を含む。
幾つかの実装形態は、遮音、遮光、EMF及びRF遮蔽、二重壁の電気生理学的部屋を利用することを含む。幾つかの実装形態では、これらの部屋は、仮想現実迷路及び/又は現実世界迷路を有する。幾つかの実装形態は、これらの部屋でのこれらの迷路で電気生理学的記録に、128チャネルデジタルNeuralynxデータ取得システムを利用することを含む。
幾つかの実装形態は、クリアボア直径30cmを有するBruker Biospin 7.0テスラ磁気共鳴撮像/分光機器等の動物MRIを利用することを含む。
これより、フローチャートに注目する。図12A及び図12Bは、幾つかの実装形態による記憶を回復させる計算モデルを開発し改良する方法のフローチャート表現を示す。図13A及び図13Bは、幾つかの実装形態による、記憶を回復させる方法のフローチャート表現を示す。
図12A及び図12Bは、幾つかの実装形態による、記憶を回復させる計算モデルを開発し改良する方法1200のフローチャート図を示す。幾つかの実装形態では、方法1200は、1つ又は複数のプロセッサ、メモリ、及びディスプレイを有する計算システムにより実行される。例えば、幾つかの実装形態では、方法1200は、計算システム100(図1)、神経調節システム700(図7)、又はそれらの構成要素(例えば、図1のデバイス102A)により実行される。幾つかの実装形態では、方法1200は、移植可能電子回路パッケージ200(図2)等の電子デバイスにより実行される。幾つかの実装形態では、方法1200は、非一時的コンピュータ可読記憶媒体に記憶される命令により支配され、命令は、電子デバイス(例えば、図1のデバイス102A)の1つ又は複数のプロセッサにより実行される。任意選択的な動作は、破線(例えば、破線の境界線を有する枠)で示される。
幾つかの実装形態では、システムは、第2のテスト対象からの複数のマクロ記録及びマイクロ記録に基づいて、計算モデルを生成する(1202)。幾つかの実装形態では、システムは、第1のテスト対象を刺激する前に、第2のテスト対象からの記録に基づいて計算モデルを生成する。幾つかの実装形態では、システムは、複数のテスト対象からの記録に基づいて計算モデルを生成する。
幾つかの実装形態では、システムは計算モデルを取得する(1204)。幾つかの実装形態では、計算モデルは、システム外部の第2のシステムから取得される。幾つかの実装形態では、計算モデルは、システム内のメモリ(例えば、図1の記憶回復システム106内のメモリ)から検索される。
システムは、複数の予め定義される刺激パターンに従って、テスト対象の外側及び内側嗅内求心性神経並びに海馬に接続する他の構造を別個に刺激し、それにより、物体特定記憶及び場所特定記憶を回復しようとする(1206)。幾つかの実装形態では、システムは、移植可能電子回路パッケージ200(図2)等の移植可能電子回路パッケージを介して別個に刺激する。例えば、システムは、皮質下電極アレイ302(図3A)等の皮質下電極アレイを介して海馬への外側及び内側嗅内求心性神経を刺激する。幾つかの実装形態では、刺激は、刺激モジュール118及び/又は刺激モジュール150(図1)等の刺激モジュールにおいて生成される。
幾つかの実装形態では、システムは、特定の記憶をサポートする複数のニューロンを活性化して、記憶の想起又は新たに学習した連合を生成する(1208)。例えば、システムは、図3Aの皮質下電極アレイ302等の皮質下電極アレイを介して複数のニューロンを活性化する。
幾つかの実装形態では、テスト対象は、TBIを有する人間の患者である(1210)。
幾つかの実装形態では、テスト対象は、齧歯類又は人間以外の霊長類の一方である(1212)。
幾つかの実装形態では、複数の予め定義された刺激パターンが、取得された計算モデルに従って生成される(1214)。例えば、特定の記憶を刺激する要求が、計算モデルに入力され、それに応答して、計算モデルは、複数の予め定義される刺激パターンを出力する。
システムは、海馬−嗅内−皮質系の刺激の複数のマクロ記録及びマイクロ記録を収集する(1216)。例えば、システムは、フィードバック収集モジュール110(図1)等のフィードバックモジュールを介して記録を収集する。幾つかの実装形態では、システムは、収集モジュール170(図1)等の収集モジュールを介して記録を収集する。
幾つかの実装形態では、システムは、予め定義される空間分解能及び予め定義される時間分解能で単一ニューロン記録及びLFP記録を収集する(1218)。
システムは、複数のマクロ記録及びマイクロ記録の少なくとも部分に従って、個々の記憶を回復させる計算モデルを改良する(1220)。例えば、システムは、分析モジュール180(図1)を使用して計算モデル114(図1)を改良する。
幾つかの実装形態では、計算モデルは、単一ニューロン及び局所電場電場レベルで得られる信号に従って改良される(1222)。
幾つかの実装形態では、システムは、テスト対象から受信される追加のフィードバックに基づいて計算モデルを改良する(1224)。例えば、システムは、テスト対象からの言語フィードバックに基づいてモデルを改良する。幾つかの実装形態では、追加のフィードバックは、言語フィードバック、視覚的フィードバック、テスト対象の健康インジケータ、テスト対象の脳又は体の他の部分に関するフィードバック等を含む。
幾つかの実装形態では、システムは、第2の複数の予め定義される刺激パターンに従って、テスト対象の海馬に接続する1つ又は複数の構造を刺激する(1226)。
幾つかの実装形態では、システムは、HEC系の刺激のマクロ記録及びマイクロ記録のうちの第2の複数の1つ又は複数を収集する(1228)。
幾つかの実装形態では、システムは、第2の複数のマクロ記録及びマイクロ記録の少なくとも部分に従って、記憶を回復させる計算モデルを更に改良する(1230)。
図13A及び図13Bは、幾つかの実装形態による、記憶を回復させる方法1300のフローチャート図を示す。幾つかの実装形態では、方法1300は、1つ又は複数のプロセッサ、メモリ、及びディスプレイを有する計算システムにより実行される。例えば、幾つかの実装形態では、方法1300は、計算システム100(図1)、神経調節システム700(図7)、又はそれらの構成要素(例えば、図1のデバイス102A)により実行される。幾つかの実装形態では、方法1300は、非一時的コンピュータ可読記憶媒体に記憶される命令により支配され、命令は、システムの1つ又は複数のプロセッサにより実行される。任意選択的な動作は、破線(例えば、破線の境界線を有する枠)で示される。
システムは、個々のテスト対象の記憶を表す計算モデルを取得する(1302)。幾つかの実装形態では、計算モデル(例えば、計算モデル114)は、記憶回復システム106等の記憶回復システムに記憶される。幾つかの実装形態では、計算モデルは、移植可能電子回路パッケージ200(図2)等の移植可能電子回路パッケージ内に記憶される。幾つかの実装形態では、計算モデルは、システムにより生成される(例えば、予備データ及び/又は前のテスト対象/トライアルからのデータに基づいて)。
システムは、計算モデルに従い、第1のテスト対象に移植された無線データ及び電力テレメトリが可能な第1の神経調節システムをテストする(1304)。例えば、図6は、ラットを用いて計算モデルをテストする仮想現実装置及び環境600を示す。
幾つかの実装形態では、第1のテスト対象は、齧歯類、TBI齧歯類、及び人間以外の霊長類のうちの1つである(1306)。例えば、第1のテスト対象は、図7に示されるような仮想齧歯類アリーナ内のラットである。
テストは、システムが電力テレメトリを第1の神経調節システムに提供すること(1308)を含む。幾つかの実装形態では、電力テレメトリは、電力及び制御回路500(図5)により示されるように、RFコイルを介して無線で提供される。
テストは、システムが計算モデルを第1の神経調節システムに埋め込むこと(1310)を含む。幾つかの実装形態では、計算モデルは移植可能電子回路パッケージ200(図2)等の移植可能電子回路パッケージ内に埋め込まれる。
テストは、システムが単一ニューロン記録及びLFP記録を第1の神経調節システムに組み込むこと(1312)を含む。
テストは、システムが刺激を第1のテスト対象に送達すること(1314)を含む。幾つかの実装形態では、システムは、移植可能電子回路パッケージ200(図2)等の移植可能電子回路パッケージを介して刺激を送達する。例えば、システムは、皮質下電極アレイ302(図3A)等の皮質下電極アレイを介して刺激を送達する。幾つかの実装形態では、刺激は、刺激モジュール118及び/又は刺激モジュール150(図1)等の刺激モジュールにおいて生成される。
幾つかの実装形態では、システムは、テスト対象の嗅内−海馬軸に刺激を送達する(1316)。例えば、システムは、皮質下プローブ210(図2)等のテスト対象の嗅内−海馬軸に移植される皮質下電極アレイを介して刺激を送達する。
テストは、複数の高密度皮質下電極アレイに配置された複数のチャネルを介して、第1のテスト対象から記録を収集すること(1318)を含む。例えば、システムは、フィードバック収集モジュール110(図1)等のフィードバックモジュールを介して記録を収集する。幾つかの実装形態では、システムは、収集モジュール170(図1)等の収集モジュールを介して記録を収集する。幾つかの実装形態では、記録は、皮質下電極アレイを通して収集される。
複数の高密度皮質下電極アレイが、第1の神経調節システムに接続される(1320)。幾つかの実装形態では、複数の高密度皮質下電極アレイは、第1の神経調節システムの構成要素である。幾つかの実装形態では、複数の高密度皮質下電極アレイは、プローブ208及び210並びに電子回路モジュール206を参照して、図2に示されるように第1の神経調節システムに接続される。幾つかの実装形態では、複数の高密度皮質下電極アレイは、第1の神経調節システムに結合される。
幾つかの実装形態では、システムは、予め定義される空間分解能及び予め定義される時間分解能で、単一ニューロン記録及びLFP記録をテスト対象から収集する(1322)。
テストは、システムが収集された記録に基づいて計算モデルを改良すること(1324)を含む。
システムは、改良された計算モデル及び第2の神経調節システムを第2のテスト対象に適用し、それにより、第2のテスト対象の記憶を回復しようとする(1326)。
幾つかの実装形態では、第2のテスト対象は、TBI人間患者である(1328)。
単一の事例として本明細書に記載される構成要素、動作、又は構造に複数の事例を提供し得る。最後に、様々な構成要素、動作、及びデータストア間の境界は、いくらか任意的なものであり、特定の動作は、特定の例示的な構成の状況で示される。機能の他の割り振りも考えられ、実装形態の範囲内にある。一般に、構成例では別個の構成要素として提示される構造及び機能は、結合された構造又は構成要素として実施し得る。同様に、単一の構成要素として提示される構造及び機能は、別個の構成要素として実施し得る。これら及び他の変形、変更、追加、及び改善は、実装形態の範囲内にある。
「第1」、「第2」等の用語が、本明細書では、様々な要素を記述するために使用されるが、これらの要素がこれらの用語により限定されるべきではないことも理解される。これらの用語は、ある要素を別の要素から区別するためにのみ使用される。例えば、「第1の対象」の全ての発生が一貫して名称変更され、「第2の対象」の全ての発生が一貫して名称変更される限り、説明の意味を変更せずに、第1の対象は第2の対象と呼ぶこともでき、同様に、第2の対象は第1の対象と呼ぶこともできる。第1の対象及び第2の対象は両方とも対象であるが、同じ対象ではない。
本明細書で使用される用語は、特定の実施を説明することのみを目的とし、特許請求の範囲の限定として意図されない。実装形態の説明及び添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、及び「その(the)」は、文脈により明らかに別のことが示されない限り、複数形も同様に含むことが意図される。本明細書で使用される場合、「及び/又は」という用語が、関連する列挙された項目のうちの1つ又は複数のあらゆる可能な組合せを指し、包含することも理解される。「含む」及び/又は「含んでいる」という用語は、本明細書で使用される場合、述べられた特徴、完全体、ステップ、動作、要素、及び/又は構成要素の存在を指定するが、1つ又は複数の他の特徴、完全体、ステップ、動作、要素、構成要素、及び/又はそれらの群の存在又は追加を除外しないことが更に理解される。
本明細書で使用される場合、「場合」という用語は、文脈に応じて、述べられた先行条件が真で「あるとき」、「あると」、「あるとの判断に応答して」、「あるとの判断に従って」、又は「あることの検出に応答して」を意味するものとして解釈し得る。同様に、(述べられた先行条件が真であると)「判断される場合」、「(述べられた先行条件が真である)場合」、又は「(述べられた先行条件が真である)とき」は、文脈に応じて、述べられた先行条件が真である「と判断されると」、「との判断に応答して」、「との判断に従って」、「と検出されると」、又は「との検出に応答して」を意味するものとして解釈し得る。
上記説明は、例示的な実装形態を実施する、例としてのシステム、方法、技法、命令シーケンス、及び計算機プログラム製品を含んだ。説明のために、多くの特定の詳細が記載されて、本発明の趣旨の様々な実施の理解を提供する。しかし、これらの特定の詳細なしで、本発明の趣旨の実装形態を実施し得ることが当業者には明らかである。一般に、周知の命令インスタンス、プロトコール、構造、及び技法は詳細に示していない。
上記説明は、説明を目的として、特定の実装形態を参照して説明された。しかし、例示的な上記考察は、網羅的である、すなわち、実装形態を開示される厳密な形態に限定することを意図しない。多くの変更形態及び変形形態が、上記教示に鑑みて可能である。実装形態は、当業者が、実装形態及び意図される特定の用途に合うように様々な変更を有する様々な実装形態を最良に利用できるようにするように、原理及び実際用途を最良に説明するために選択且つ説明された。