添付の図面に関して以下に記載する説明は、様々な構成の説明として意図されており、本明細書で説明する概念および特徴が実践され得る唯一の構成を表すことは意図されていない。以下の説明は、様々な概念の完全な理解を与えるために、具体的な詳細を含む。しかしながら、これらの概念がこれらの具体的な詳細なしに実践され得ることは当業者に明らかであろう。場合によっては、よく知られている回路、構造、技法および構成要素は、説明する概念および特徴を曖昧にすることを回避するために、ブロック図の形態で示される。
本開示全体にわたって提示する様々な概念は、多種多様な電気通信システム、ネットワークアーキテクチャ、および通信規格にわたって実装され得る。図1を参照すると、限定ではなく例として、高速パケットアクセス(HSPA)を利用し得るUMTS地上波無線アクセスネットワーク(UTRAN)アーキテクチャにおける簡略化されたアクセスネットワーク100が示されている。システムは、セル102、104、および106を含む複数のセルラー領域(セル)を含み、セルの各々は、1つまたは複数のセクタを含み得る。セルは、たとえば、カバレージエリアによって地理的に定義されてもよく、および/または、周波数、スクランブリングコードなどに従って定義されてもよい。すなわち、図示した地理的に定義されたセル102、104、および106は各々、たとえば、異なる周波数またはスクランブリングコードを利用することによって、複数のセルにさらに分割され得る。たとえば、セル104aは、第1の周波数またはスクランブリングコードを利用することができ、セル104bは、同じ地理的領域内にあり同じノードB144によってサービスされているとき、第2の周波数またはスクランブリングコードを利用することによって区別され得る。
セクタに分割されたセルでは、セル内の複数のセクタは、アンテナのグループによって形成することができ、各アンテナは、セルの一部分におけるUEとの通信を担う。たとえば、セル102では、アンテナグループ112、114、および116は各々、異なるセクタに対応し得る。セル104では、アンテナグループ118、120、および122は各々、異なるセクタに対応する。セル106では、アンテナグループ124、126、および128は各々、異なるセクタに対応する。
セル102、104および106は、各セル102、104または106の1つまたは複数のセクタと通信していてもよい、いくつかのUEを含み得る。たとえば、UE130および132は、ノードB142と通信していてもよく、UE134および136は、ノードB144と通信していてもよく、UE138および140は、ノードB146と通信していてもよい。ここで、各ノードB142、144、146は、それぞれのセル102、104、および106の中のすべてのUE130、132、134、136、138、140に、コアネットワーク204(図2参照)へのアクセスポイントを提供するように構成される。
次に図2を参照すると、限定ではなく例として、広帯域符号分割多元接続(W-CDMA)エアインターフェースを用いるユニバーサルモバイルテレコミュニケーションシステム(UMTS)システム200に関して本開示の様々な態様が示されている。UMTSネットワークは、3つの相互作用するドメイン、すなわち、コアネットワーク(CN)204、UMTS地上波無線アクセスネットワーク(UTRAN)202、およびユーザ機器(UE)210を含む。この例では、UTRAN202は、テレフォニー、ビデオ、データ、メッセージング、ブロードキャスト、および/または他のサービスを含む様々なワイヤレスサービスを提供し得る。UTRAN202は、各々が無線ネットワークコントローラ(RNC)206などのそれぞれのRNCによって制御される、図示した無線ネットワークサブシステム(RNS)207などの複数のRNSを含み得る。ここで、UTRAN202は、図示したRNC206およびRNS207に加えて、任意の数のRNC206およびRNS207を含み得る。RNC206は、とりわけ、RNS207内で無線リソースを割り当て、再構成し、解放することを担う装置である。RNC206は、任意の適切なトランスポートネットワークを使用して、直接の物理接続、仮想ネットワークなどの様々なタイプのインターフェースを介して、UTRAN202中の他のRNC(図示せず)に相互接続され得る。
RNS207によってカバーされる地理的領域は、いくつかのセルに分割されてもよく、無線トランシーバ装置が各セルにサービスする。無線トランシーバ装置は通常、UMTS用途ではノードBと呼ばれるが、当業者によって、基地局(BS)、基地トランシーバ局(BTS)、無線基地局、無線トランシーバ、トランシーバ機能、基本サービスセット(BSS)、拡張サービスセット(ESS)、アクセスポイント(AP)、または何らかの他の適切な用語で呼ばれることもある。明快にするために、各RNS207に3つのノードB208が示されているが、RNS207は、任意の数のワイヤレスノードBを含み得る。ノードB208は、任意の数のモバイル装置に、コアネットワーク(CN)204へのワイヤレスアクセスポイントを提供する。モバイル装置の例は、セルラーフォン、スマートフォン、セッション開始プロトコル(SIP)電話、ラップトップ、ノートブック、ネットブック、スマートブック、携帯情報端末(PDA)、衛星ラジオ、全地球測位システム(GPS)デバイス、マルチメディアデバイス、ビデオデバイス、デジタルオーディオプレーヤ(たとえば、MP3プレーヤ)、カメラ、ゲームコンソール、または任意の他の同様の機能デバイスを含む。モバイル装置は通常、UMTS用途ではユーザ機器(UE)と呼ばれるが、当業者によって、移動局(MS)、加入者局、モバイルユニット、加入者ユニット、ワイヤレスユニット、リモートユニット、モバイルデバイス、ワイヤレスデバイス、ワイヤレス通信デバイス、リモートデバイス、モバイル加入者局、アクセス端末(AT)、モバイル端末、ワイヤレス端末、リモート端末、ハンドセット、端末、ユーザエージェント、モバイルクライアント、クライアント、または何らかの他の適切な用語で呼ばれることもある。UMTSシステムでは、UE210は、ネットワークへのユーザの加入情報を含むユニバーサル加入者識別モジュール(USIM)211をさらに含み得る。説明のために、1つのUE210がいくつかのノードB208と通信しているように示されている。順方向リンクとも呼ばれるダウンリンク(DL)は、ノードB208からUE210への通信リンクを指し、逆方向リンクとも呼ばれるアップリンク(UL)は、UE210からノードB208への通信リンクを指す。
コアネットワーク204は、UTRAN202などの1つまたは複数のアクセスネットワークとインターフェースする。図示のように、コアネットワーク204はUMTSコアネットワークである。しかしながら、当業者が認識するように、本開示全体にわたって提示する様々な概念は、UMTSネットワーク以外のタイプのコアネットワークへのアクセスをUEに提供するために、RAN、または他の適切なアクセスネットワークにおいて実装され得る。
図示したUMTSコアネットワーク204は、回線交換(CS)ドメインおよびパケット交換(PS)ドメインを含む。回線交換要素のうちのいくつかは、モバイルサービス交換センタ(MSC)、ビジターロケーションレジスタ(VLR)、およびゲートウェイMSC(GMSC)である。パケット交換要素は、サービングGPRSサポートノード(SGSN)およびゲートウェイGPRSサポートノード(GGSN)を含む。機器アイデンティティレジスタ(EIR)、HLR、VLRおよびAuCのようないくつかのネットワーク要素は、回線交換ドメインとパケット交換ドメインの両方によって共有され得る。
図示の例では、コアネットワーク204は、MSC212およびGMSC214を用いて回線交換サービスをサポートする。いくつかの適用例では、GMSC214は、メディアゲートウェイ(MGW)と呼ばれることがある。RNC206などの1つまたは複数のRNCは、MSC212に接続され得る。MSC212は、呼セットアップ、呼ルーティング、およびUEモビリティ機能を制御する装置である。MSC212は、UEがMSC212のカバレージエリア内にある持続時間の間、加入者関連の情報を含む、ビジターロケーションレジスタ(VLR)も含む。GMSC214は、UEが回線交換ネットワーク216にアクセスするためのゲートウェイを、MSC212を介して提供する。GMSC214は、特定のユーザが加入したサービスの詳細を反映するデータなどの加入者データを含む、ホームロケーションレジスタ(HLR)215を含む。HLRは、加入者固有の認証データを含む認証センタ(AuC)にも関連付けられる。特定のUE向けの呼が受信されると、GMSC214は、UEのロケーションを決定するためにHLR215に問い合わせ、そのロケーションにサービスする特定のMSCに呼を転送する。
図示したコアネットワーク204はまた、サービングGPRSサポートノード(SGSN)218およびゲートウェイGPRSサポートノード(GGSN)220を用いてパケットデータサービスをサポートする。汎用パケット無線サービスを表すGPRSは、標準の回線交換データサービスで利用可能な速度よりも速い速度でパケットデータサービスを提供するように設計される。GGSN220は、パケットベースネットワーク222へのUTRAN202の接続を提供する。パケットベースネットワーク222は、インターネット、プライベートデータネットワーク、または何らかの他の適切なパケットベースネットワークであり得る。GGSN220の主要機能は、UE210にパケットベースネットワーク接続を提供することである。データパケットは、MSC212が回線交換ドメインにおいて実施するのと同じ機能をパケットベースドメインにおいて主に実施するSGSN218を介して、GGSN220とUE210との間で転送され得る。
UMTSエアインターフェースは、スペクトラム拡散直接シーケンス符号分割多元接続(DS-CDMA)システムであり得る。スペクトラム拡散DS-CDMAは、チップと呼ばれる擬似ランダムビットのシーケンスとの乗算を介してユーザデータを拡散する。UMTSのW-CDMAエアインターフェースは、そのようなDS-CDMA技術に基づいており、さらに周波数分割複信(FDD)を必要とする。FDDは、ノードB208とUE210との間のアップリンク(UL)およびダウンリンク(DL)に異なるキャリア周波数を使用する。DS-CDMAを利用し、時分割複信(TDD)を使用するUMTSの別のエアインターフェースは、TD-SCDMAエアインターフェースである。本明細書で説明する様々な例はW-CDMAエアインターフェースを指し得るが、基礎をなす原理はTD-SCDMAエアインターフェースに等しく適用可能であることを、当業者は認識するであろう。
高速パケットアクセス(HSPA)エアインターフェースは、スループットの向上および遅延の低減を容易にする、3G/W-CDMAエアインターフェースに対する一連の拡張を含む。前のリリースに対する他の修正の中でもとりわけ、HSPAは、ハイブリッド自動再送要求(HARQ)、共有チャネル送信、ならびに適応変調およびコーディングを利用する。HSPAを定義する規格は、HSDPA(高速ダウンリンクパケットアクセス)およびHSUPA(拡張アップリンクまたはEULとも呼ばれる高速アップリンクパケットアクセス)を含む。
ワイヤレス電気通信システムでは、モバイルデバイスとセルラーネットワークとの間の無線プロトコルアーキテクチャは、特定の適用例に応じて様々な形態をとり得る。ここで、3GPP高速パケットアクセス(HSPA)システムの一例が図3を参照して提示され、図3は、UE210とノードB208との間のユーザプレーンおよび制御プレーンの無線プロトコルアーキテクチャの一例を示す。ここで、ユーザプレーンまたはデータプレーンは、ユーザトラフィックを搬送するが、制御プレーンは、制御情報、すなわちシグナリングを搬送する。
図3を参照すると、UE210およびノードB208の無線プロトコルアーキテクチャは、3つのレイヤ、すなわち、レイヤ1(L1)、レイヤ2(L2)、およびレイヤ3(L3)で示されている。図示されていないが、UE210は、ネットワーク側のPDNゲートウェイで終端するネットワークレイヤ(たとえば、IPレイヤ)と、接続の他端で終端するアプリケーションレイヤ(たとえば、遠端のUE、サーバなど)とを含めて、L3レイヤの上にいくつかの上位レイヤを有し得る。
レイヤ3において、無線リソース制御(RRC)レイヤ316は、UE210とノードB208との間の制御プレーンシグナリングを処理する。RRCレイヤ316は、上位レイヤメッセージのルーティング、ブロードキャスト機能およびページング機能の処理、無線ベアラの確立および構成などのためのいくつかの機能エンティティを含む。
レイヤ2(L2レイヤ)308と呼ばれるデータリンクレイヤは、レイヤ3と物理レイヤ306との間にあり、UE210とノードB208との間のリンクを担う。図示したエアインターフェースでは、L2レイヤ308はサブレイヤに分割される。制御プレーンでは、L2レイヤ308は、2つのサブレイヤ、すなわち、媒体アクセス制御(MAC)サブレイヤ310および無線リンク制御(RLC)サブレイヤ312を含む。ユーザプレーンでは、L2レイヤ308は、パケットデータコンバージェンスプロトコル(PDCP)サブレイヤ314をさらに含む。当然、追加のまたは異なるサブレイヤが、L2レイヤ308の特定の実装形態において利用される場合があり、依然として本開示の範囲内にあることを、当業者は理解されよう。
PDCPサブレイヤ314は、異なる無線ベアラと論理チャネルとの間の多重化を行う。PDCPサブレイヤ314はまた、無線送信オーバーヘッドを低減するための上位レイヤデータパケットのヘッダ圧縮、データパケットの暗号化によるセキュリティ、ノードB間のUEのハンドオーバサポートを実現する。
RLCサブレイヤ312は、上位レイヤデータパケットのセグメント化および再アセンブリ、失われたデータパケットの再送信、およびハイブリッド自動再送要求(HARQ)による順序の狂った受信を補償するためのデータパケットの並べ替えを実現する。
MACサブレイヤ310は、論理チャネルとトランスポートチャネルとの間の多重化を行う。MACサブレイヤ310は、1つのセルの中の様々な無線リソース(たとえば、リソースブロック)をUE間で割り振ることも担う。MACサブレイヤ310は、HARQ動作も担う。
レイヤ1は、最下位レイヤであり、様々な物理レイヤ信号処理機能を実装する。レイヤ1は、本明細書では物理(PHY)レイヤ306と呼ばれる。PHYレイヤ306において、トランスポートチャネルは、異なる物理チャネルにマッピングされる。
上位レイヤにおいて生成されたデータは、MACサブレイヤ310に至るまで、トランスポートチャネルを介してオーバージエアで搬送される。3GPPリリース5仕様は、HSDPAと呼ばれるダウンリンク拡張を導入した。HSDPAは、そのトランスポートチャネルとして高速ダウンリンク共有チャネル(HS-DSCH)を利用する。HS-DSCHは、3つの物理チャネル、すなわち、高速物理ダウンリンク共有チャネル(HS-PDSCH)、高速共有制御チャネル(HS-SCCH)、および高速専用物理制御チャネル(HS-DPCCH)によって実装される。
これらの物理チャネルの中でも、HS-DPCCHは、対応するパケット送信の復号が成功したかどうかを示すためのHARQ ACK/NACKシグナリングをアップリンク上で搬送する。すなわち、ダウンリンクに関して、UE210は、ダウンリンク上のパケットを正常に復号したかどうかを示すために、HS-DPCCHを介してフィードバックをノードB208に与える。
HS-DPCCHは、変調およびコーディング方式ならびにプリコーディング重み選択に関して正しい決定を行う際にノードB208を支援するための、UE210からのフィードバックシグナリングをさらに含み、このフィードバックシグナリングは、チャネル品質インジケータ(CQI)およびプリコーディング制御情報(PCI)を含む。
3GPPリリース6仕様は、拡張アップリンク(EUL)または高速アップリンクパケットアクセス(HSUPA)と呼ばれるアップリンク拡張を導入した。HSUPAは、そのトランスポートチャネルとしてEUL専用チャネル(E-DCH)を利用する。E-DCHは、リリース99のDCHとともに、アップリンクにおいて送信される。DCHの制御部分、すなわち、DPCCHは、パイロットビットおよびダウンリンク電力制御コマンドをアップリンク送信で搬送する。本開示では、DPCCHは、チャネルの制御の側面に言及がなされているか、またはチャネルのパイロットの側面に言及がなされているかに従って、制御チャネル(たとえば、一次制御チャネル)またはパイロットチャネル(たとえば、一次パイロットチャネル)と呼ばれることがある。
E-DCHは、E-DCH専用物理データチャネル(E-DPDCH)およびE-DCH専用物理制御チャネル(E-DPCCH)を含む物理チャネルによって実装される。加えて、HSUPAは、E-DCH HARQインジケータチャネル(E-HICH)、E-DCH絶対許可チャネル(E-AGCH)、およびE-DCH相対許可チャネル(E-RGCH)を含む追加の物理チャネルに依拠する。
さらに、本開示の態様によれば、2つの送信アンテナを利用する多入力多出力(MIMO)を伴うHSUPAの場合、物理チャネルは、二次E-DPDCH(S-E-DPDCH)、二次E-DPCCH(S-E-DPCCH)、および二次DPCCH(S-DPCCH)を含む。MIMOは、マルチアンテナ技術、すなわち、複数の送信アンテナ(チャネルへの複数の入力)および複数の受信アンテナ(チャネルからの複数の出力)を指すために一般に使用される用語である。MIMOシステムは一般に、データ伝送性能を高め、ダイバーシティ利得によりマルチパスフェージングを低減して伝送品質を向上させることと、空間多重化利得によりデータスループットを向上させることとを可能にする。
一般に、n個の送信アンテナを利用するMIMOシステムの場合、n個のトランスポートブロックは、同じチャネライゼーションコードを利用する同じキャリアを介して同時に送信され得る。n個の送信アンテナを介して送られる異なるトランスポートブロックは、互いに同じまたは異なる変調およびコーディング方式を有し得ることに留意されたい。
要約すれば、UMTSネットワークはチャネル構造を利用し、それによって、論理チャネル(たとえば、アップリンクトラフィックおよびダウンリンクトラフィックに対する論理制御チャネルおよびトラフィックチャネル)がトランスポートチャネルにマッピングされ、トランスポートチャネルが物理チャネルにマッピングされる。たとえば、搬送されるトラフィックおよび配備決定に応じて、異なるフレーム構造、コーディング、および動作モードが配備され得る。
不連続受信(DRX)
連続パケット接続(CPC)DRXは、UEにおけるバッテリー寿命を延ばすことを目的として導入された特徴である。CPC DRXによれば、UEがしきい値時間期間の間に特定のチャネル上で信号を受信しない場合、UEはDRXモードに入る。たとえば、UEがDRX_Inactivity_Threshold数のサブフレームについて共有制御チャネル(SCCH)上でいかなるパケットも受信しない場合、UEはDRXモードに入ることができる。
DRXモードに入ると、UEは、指定された間隔のいずれかの間にネットワークが送った可能性がある任意の信号について、それらの指定された間隔でチャネルを監視する。たとえば、UEは、SCCHを周期的に(たとえば、DRX_Cycle数のサブフレームごとに1回)監視してもよい。
ネットワークは、UEと同じサイクルカウントで動作する。CPC DRXによれば、ネットワークが指定された時間期間の間に指定されたチャネル上で信号を送信しない場合、ネットワークはDRXモードに入る。たとえば、ネットワークがDRX_Inactivity_Threshold数のサブフレームについていかなるSCCHパケットも送信しない場合、ネットワークはDRXモードに入ることができる。ネットワークが送信する任意の後続のSCCHパケットは、UEが監視するそれらのサブフレームの中にしかないことになる。
CPC DRXによれば、指定されたチャネル上でネットワークによってSCCHパケットが送信されると、UEとネットワークの両方はDRXモードを出る(たとえば、UEが指定されたチャネルを常に監視するモードに戻る)。たとえば、UEがSCCHパケットを復号する場合、UEはDRXモードを出ることができる。同様に、ネットワークがSCCHパケットを送信する場合、ネットワークはDRXモードを出ることができる。
DRX同期
DRXは任意選択の特徴であり、UEの実装形態次第であるが、この特徴が配備される場合、DRX動作に関して(たとえば、DRXサイクルに関して)ネットワークとUEとの間で同期が維持されなければならない。すなわち、適切なDRX動作のために、ネットワークがDRXモードに入った場合、UEもDRXモードに入る。ネットワークおよびUEが同期し、ネットワークとUEの両方がDRXモードである場合、ネットワークが指定されたチャネル上で信号を送信している時間の間、UEはアウェイクし、受信している。UEおよびネットワークの一方のみがDRXモードに入るか、またはUEおよびネットワークが同期していない場合、システムの通信性能は悪影響を受ける可能性がある。後者の状況は、本明細書では「同期外れ(off-synchronizationまたはout-of-synchronization)」と呼ばれる。DRX動作に関するネットワークとUEとの間の同期外れ状態の3つのシナリオについて、以下でさらに詳細に説明する。
第1のシナリオ(シナリオ1)では、UEはDRXモードを無効化しているが、ネットワークはDRXモードを有効化している。そのようなシナリオの簡略タイミング図400が図4に示されている。タイミング図400は、ネットワーク(NW)およびUEにおける送信(TX)動作および受信(RX)動作を示す。具体的には、タイミング図400は、ネットワークSCCH送信402、ネットワーク送信状態404、およびUE受信状態406を示す。
ネットワークSCCH送信402に対するSCCHカウンタ408が示されている。この例では、DRX非アクティビティしきい値410は8である。
ネットワーク送信状態404に対するSCCHカウンタ412も示されている。実装形態に応じて、カウンタ408および412は、異なるカウンタまたは同じカウンタを使用して実装され得る。矢印414によって示されるように、SCCHカウンタが満了した後、ネットワークはDRXモード(ネットワーク側からするとDTXモード)に入る。しかしながら、この時点でのUE受信状態406によって示されるように、UEにおいてDRXが無効化されているので、UEはDRXモードに入らない。したがって、UEは、DRXサブフレーム416の間、電力節約の機会を逃す。
第2のシナリオ(シナリオ2)では、UEはDRXモードを有効化しているが、ネットワークはDRXモードを無効化している。そのようなシナリオの簡略タイミング図500が図5に示されている。タイミング図500は、ネットワーク(NW)およびUEにおける送信(TX)動作および受信(RX)動作を示す。具体的には、タイミング図500は、ネットワークSCCH送信502、ネットワーク送信状態504、およびUE受信状態506を示す。
UE受信状態506に対するSCCHカウンタ508が示されている。この場合も、DRX非アクティビティしきい値510は8である。この例は、8のDRXサイクル長を示す。したがって、DRXモードであるとき、UEは8つのSCCHサブフレーム512ごとに監視する。
矢印514によって示されるように、SCCHカウンタが満了した後、UEはDRXモードに入る。しかしながら、この時点でのネットワーク送信状態504によって示されるように、ネットワークにおいてDRXモードが無効化されているので、ネットワークはDRXモードに入らない。したがって、UEは示されたSCCH送信パケット516を逃すが、これは、これらの送信が、UEがDRXモードであるときのサブフレームの間に行われるからである。
第3のシナリオ(シナリオ3)では、UEとネットワークの両方がDRXモードを有効化しているが、それらのそれぞれの受信サブフレームインデックスは異なる。すなわち、ネットワークおよびUEがDRXモードで動作するとき、その間にネットワークが送信し、UEが受信するサブフレームは同じではない。そのようなシナリオの簡略タイミング図600が図6に示されている。タイミング図600は、ネットワーク(NW)およびUEにおける送信(TX)動作および受信(RX)動作を示す。具体的には、タイミング図600は、ネットワークSCCH送信602、ネットワーク送信状態604、およびUE受信状態606を示す。
ネットワークSCCH送信602に対するSCCHカウンタ608が示されている。この場合も、DRX非アクティビティしきい値620は8である。
ネットワーク送信状態604に対するSCCHカウンタ610も示されている。矢印622によって示されるように、SCCHカウンタが満了した後、ネットワークおよびUEはDRXモード(ネットワーク側からするとDTXモード)に入る。しかしながら、矢印614によって示されるように、UEおよびネットワークは異なるサブフレームにおいてウェイクアップする。
矢印616によって示されるように、いくつかのサブフレーム618について、UEが依然としてDRXモードである間、ネットワークはスケジュールされたDRX SCCH送信のためにウェイクアップする。したがって、UEは示されたSCCH送信パケット618を逃すが、これは、これらの送信が、UEがDRXモードであるときのサブフレームの間に行われるからである。
DRX動作に関するネットワークとUEとの間のそのような同期外れの挙動について、いくつかの理由が存在し得る。以下は、そのような理由の4つの例である。
同期の損失は、UEにおける逃した制御チャネル順序またはUEにおける制御チャネル順序フォールスポジティブによるものであり得る。たとえば、UEは、ネットワークによって送られた(たとえば、UEにおいてDRXが有効化されるべきかどうかを示す)SCCH命令(Order)を受信していない可能性がある。別の例として、UEはSCCH命令に対するフォールスポジティブを有する可能性がある。すなわち、ネットワークは実際には特定のSCCH命令を送っていないが、UEは、UEがそのSCCH命令であると解釈した情報を受信した可能性がある。
同期の損失は、UEにおける逃した上位レイヤシグナリングから生じることがある。たとえば、UEは、UEにおいてDRXが有効化されるべきかどうかを示した上位レイヤ(たとえば、レイヤ3よりも上の)メッセージを受信していない可能性がある。
同期の損失は、制御チャネルがネットワークによって復号されなかった結果であり得る。たとえば、高速専用物理制御チャネル(HS-DPCCH)は、UEにおける低い送信電力のせいで、ノードBにおいて復号されていない可能性がある。この低いUE送信電力は、たとえば、より強力なネイバーセルの存在の結果であり得る。
同期の損失は、同期外れ(OOS)状態のせいで制御チャネルが送信されなかった結果であり得る。たとえば、HS-DPCCHは、UE電力増幅器(PA)の電源が切られているので存在する同期外れ状態のせいで、送信されなかった可能性がある。
上記で説明した3つの同期外れシナリオのうち、第1のシナリオは壊滅的ではない。図4に見られるように、このシナリオの主な結果は、DRX動作により、UEにおいて電力節約が低減することである。
しかしながら、第2のシナリオおよび第3のシナリオは問題があるものであり得る。図5および図6に見られるように、ネットワークは、(たとえば、パケット516および618について)UEがDRX状態である場合、それらのサブフレームにおいて重要なデータを送る場合がある。この状況は、呼ドロップを引き起こす場合があるという点で問題がある。著しく高い呼ドロップ率は、CPC有効化対CPC無効化の場合に見られる。さらに、ログ解析は、CPC DRXが呼ドロップの増加における重要な要因であり得ることを示している。
DRXを一時的に無効化する
本開示は、いくつかの態様では、UEとネットワークのDRX同期と呼性能の他の態様とを改善する方法でCPC DRXサイクルを処理するための技法に関する。図7〜図11は、本開示によるDRX同期方式の様々な態様を示す。説明のために、限定はしないが、本開示のこれらの態様について、ノードBがUEにサービスするUMTSベースのネットワークの文脈で説明する場合がある。開示する態様は、他のタイプの装置(たとえば、発展型ノードB、eノードB)および他の技術(たとえば、LTEベースのネットワーク)に適用可能であり得ることを諒解されたい。
図7の通信システム700では、UE702はノードB704によってサービスされる。UE702およびノードB704は、図示のようにダウンリンク(DL)714およびアップリンク(UL)716を介して通信することをサポートするための、それぞれの送信機706および708と、受信機710および712とを含む。すなわち、UE702はULシグナリング718をノードB704に送信し、ノードBはDLシグナリング720をUE702に送信する。
何らかの時点で、ノードBのDRX構成要素722は、(たとえば、ダウンリンクシグナリング720を介して適切な信号をUEに送ることによって)DRXモードに入るようUE702に命令する。たとえば、ノードBは、CPC不連続送信(DTX)および不連続受信(DRX)を構成する無線ベアラ再構成(RBR)メッセージを送信し得る。別の例として、ノードBは、DRXを構成するSCCH命令を送信し得る。いくつかの態様では、DRXの構成は、DRXが有効化されるべきか無効化されるべきかを指定することを伴い得る。また(たとえば、RBR Setupメッセージの場合)、DRXの構成は、DRXの間にDRX_Inactivity_Thresholdおよびサブフレームが使用されることを指定することを伴い得る。
UE702は、UE702におけるDRX動作を制御するDRX構成要素724を含む。ノードBからの適切なメッセージに応答して、DRX構成要素724は、UE702におけるDRXを有効化する。本明細書の教示によれば、DRX構成要素724は、DRXがUE702における通信に障害を及ぼしているか、または障害を及ぼす可能性がある場合、DRXを一時的に無効化してもよい。たとえば、DRX構成要素724は、DRXに関してUE702およびノードB704が同期外れであるかどうかを検出し得る。本明細書で説明するように、いくつかの実装形態では、この同期外れ状態はシナリオ2またはシナリオ3に関係する。上記で説明したように、シナリオ1の同期外れ状態はあまり問題がないと仮定すると、DRX構成要素724は、以下の例ではシナリオ1を検出しない。しかしながら、本明細書で説明するように、同期外れ状態は、DRXがUE702における通信に影響を及ぼしているか、または影響を及ぼす可能性がある、シナリオ1、2、または3以外のシナリオに関係する場合がある。
この目的で、DRX構成要素724は、UE702におけるDRXの間の情報の損失に関連付けられた(たとえば、それを示す)信号を受信する。たとえば、受信機710から受信された、DRXの間の情報損失に関連付けられた信号726は、RLC信号、HS-PDSCH信号、E-DCH信号、E-HICH信号、信号無線ベアラ(SRB)トラフィック信号、悪い無線周波数(RF)状態を示す信号、または低い信号対干渉比推定値(SIRE)を示す信号を含むことができる。別の例として、送信機706から受信された、DRXの間の情報損失に関連付けられた信号728は、低い送信電力を示す信号を含むことができる。
シナリオ2および3に関して、本開示は、いくつかの態様では、(たとえば、有効化/無効化されているDRXに関して、またはネットワークサイクルカウント(たとえば、サブフレームカウント)に関して)最初にUEおよびネットワークが同期していない可能性を検出し、次いでUEおよびネットワークを再同期させようと試みるUEに関する。次に、第一に同期外れ状態(シナリオ2またはシナリオ3)が検出され、第二に状態を修正することが試みられる、2ステップ手順について説明する。
説明のために、この2ステップ手順について、UE702のDRX構成要素724が検出動作および修正動作を実施するシステム700の文脈で説明する。ただし、この手順はUE以外のエンティティによって実施される場合があることを諒解されたい。さらに、異なる実装形態では、DRX構成要素724は、スタンドアロン構成要素(たとえば、処理回路および/またはソフトウェア構成要素)であってもよく、プロセッサ、RFトランシーバ、または何らかの他のタイプの回路などの別の構成要素に組み込まれてもよい。
ステップ1 - シナリオ2またはシナリオ3を検出する
シナリオ2またはシナリオ3のいずれかに関連付けられた同期外れ状態は、図8に記載した状態800のすべてが満足される場合に検出されると考えられる。したがって、DRX構成要素724は、状態800を検出して、DRXに関してUEおよびサービング基地局が同期外れであるかどうかを判定する。
様々なトリガは、図8の状態800の検出を開始するために使用され得る。いくつかの実装形態では、UEは状態800を繰り返し(たとえば、周期的に)監視する。いくつかの実装形態では、UEにおける通信性能の低下はUEに状態800を監視させる。たとえば、UEが標準的なサービス品質(QoS)手順の間にパケットエラーレートの増加を観測する場合、UEは状態800を検出して、パケットエラーレートの増加がDRX同期外れ状態によるものかどうかを判定し得る。
図8のブロック802は、DRX構成要素724が、UEがCPC DRXモードであるかどうかを判定する、第1の状態に対応する。UEがCPC DRXモードである場合、DRX構成要素724は以下に記載する第2の状態をチェックすることに進む。UEがCPC DRXモードではない場合、DRX構成要素724は検出動作を終了する。したがって、この例では、DRX構成要素724は、シナリオ1の同期外れ状態またはDRXが無効化されている任意の他の状態を検出しない。
ブロック804は、DRX構成要素724が、UEがシグナリングプロトコルデータユニット(PDU)またはデータPDUのいずれかについて所与の数(N)の連続UL送信でRLC(たとえば、レイヤ2)肯定応答(ACK)を受信できなかったかどうかを判定する、第2の状態に対応する。たとえば、いくつかの実装形態では、UEは、HS-PDSCH上で物理レイヤデータを受信することを期待する。UEがこの情報を受信できないことは、同期外れDRX状態(シナリオ2または3)の結果であり得る。したがって、UEがRLC肯定応答を受信していないと判定すると、DRX構成要素724は第3の状態をチェックすることに進む。
ブロック806は、DRX構成要素724が、UEがULシグナリングPDUに対応するUL E-DCH送信についてE-HICH送信で物理レイヤACKを受信したかどうかを判定する、第3の状態に対応する。これらの送信はDRXモードによって影響されない。したがって、DRX構成要素724が、UEがDRXモードで動作している間にこれらの物理レイヤACKが受信されているとブロック806において判定し、UEがDRXモードで動作している間に上位レイヤRLC ACKが受信されていないとブロック804において判定した場合、DRX構成要素724は、同期外れDRX状態(シナリオ2または3)が存在するという指示を生成する。
2ステップ手順の第2のステップは、同期外れDRX状態を解決することを伴う。最初に、DRX構成要素724は、UEにおけるDRXを一時的に無効化し、ネットワークからの命令を待つ。これはステップ2aと呼ばれる。シナリオ2を解決することのみに関与する実装形態では、DRX構成要素724はステップ2aのみを実施する。シナリオ3を解決することに関与する実装形態では、DRX構成要素724はやはり、UEおよびネットワークにおけるDRXカウンタが同期外れであることに対抗するかどうかを判定し、そうである場合、この状態を解決するための対策を講じる。これはステップ2bと呼ばれる。いくつかの実装形態では、DRX構成要素724は、ステップ2aとステップ2bの両方を実施することによって、シナリオ2状態とシナリオ3状態の両方を解決しようと試みる。
ステップ2a - シナリオ2の状態を解決しようと試みる
次に、シナリオ2状態を解決するために用いられ得る動作900の一例について、図9を参照しながら説明する。シナリオ2状態を解決するように構成された実装形態では、DRX構成要素724は、DRX構成要素がステップ1において同期外れ状態を検出した場合、ステップ2aの動作を呼び出す。
図9のブロック902において、DRX構成要素724は、DL送信におけるこれ以上の損失を回避するために、UEにおけるDRXモードを無効化し、DRXモードを出る。
いくつかの実装形態では、UEにおけるDRXモードを一時的に非アクティブ化するために、DRX構成要素724は、UEにおける上位レイヤシグナリングメッセージまたはSCCH命令を「偽造(fake)」する。たとえば、いくつかの実装形態では、シナリオ2またはシナリオ3の発生を識別するDRX構成要素724の上位プロトコルレイヤ構成要素(たとえば、ソフトウェア構成要素)は、(通常はネットワークから来る)受信されたメッセージに基づいてDRXを有効化および無効化するように構成されたDRX構成要素724の下位プロトコルレイヤ構成要素(たとえば、ソフトウェア構成要素)に「偽造」上位レベルメッセージを送ることができる。
ブロック904において、DRX構成要素724は、DRX構成要素がDRXモードに関してネットワークからさらなる命令を受信するまで、UEがDRXモードに入らないようにし続ける。たとえば、DRX構成要素724は、DRX構成要素がUEがDRXを有効化するべきであることを示すRBRメッセージまたはSCCH命令のいずれかを受信するまで、DRXを無効化されたままにすることができる。
DRX構成要素724がUEにおけるDRXモードを無効化したときにネットワークが実際にはDRXモードであった場合、UEは潜在的なDRX電力節約の機会を逃してしまうことになる。これは、ネットワークがDRXを有効化するようUEに命令する次のSCCH命令またはRBRメッセージを送るまで続く。
シナリオ2の詳細な例
シナリオ2のさらなる理解を容易にするために、図10は、シナリオ2状態をもたらし得る動作1000の詳細な例を示す。
図10のブロック1002によって表されるように、ネットワークは、CPC DTX/DRXを構成するようUEに命令するRBR SetupメッセージをUEに送る。
ブロック1004によって表されるように、ブロック1002において受信されたRBR Setupメッセージに従ってCPC DTX/DRXを構成した後、UEはRBR Setup Completeメッセージをネットワークに送る。ネットワークがこのメッセージをACKした後、UEは、所望される場合、以下のブロック1008において説明するように、後でDTX/DRXモードに入ることができる。
ブロック1006によって表されるように、UEがDRXモードに入る前に、UEはネットワークによって送られたDLシグナリングPDUを受信する。
ブロック1008において、UEはDRXモードに入る。UEがDRXモードに入った後の何らかの時点で、UEは、シナリオ2の同期外れ状態により、ULシグナリングおよびデータPDUについての、ネットワークによって送られたACKを受信することを停止する(ブロック1010)。たとえば、UEがDRXモードを有効化していても、ネットワークがUEはDRXモードではないと見なし、非DRXフレームにおいてACKを送り続ける可能性がある。UEは、ACKを期待するシグナリングPDUを繰り返し送り、それによって、ネットワークがACKを送信しているので、ネットワークがDRXモードに入るのを防ぐ。
以下は、ネットワークがDRXではなく、UEがDRXであると確認する傾向がある要因のいくつかの例である。したがって、DRX構成要素724は、シナリオ2のDRX同期外れ状態が存在するかどうかを判定するために、これらの要因のうちの1つまたは複数を監視し得る。
いくつかの実装形態では、DRX構成要素724は、DRX同期外れ状態が存在するかどうかを判定するために、DRXモードに入る直前およびDRXモードを出た直後の受信されたパケットの送信シーケンス番号(TSN)を監視する。DRX同期外れ状態が存在する場合、シグナリングPDUに対応するTSNが紛失していることになる。これは、ネットワークが、UEによって受信されなかったUEのDRXギャップの間のDLシグナリングPDUについてUE ACKを送らないことから生じ得る。
いくつかの実装形態では、DRX構成要素724は、紛失したRRCシグナリングACKに対応する物理レイヤACKがHICHを介して受信されたかどうかを判定するために、UEにおける受信されたシグナリングを監視する。UEが物理レイヤ上ではなくHICH上でACKを受信することは、DRX同期外れ状態が存在することを示すのに役立ち得る。
いくつかの実装形態では、DRX構成要素724は、UEがSCCH命令を受信したかどうかを判定するために、UEにおける受信されたシグナリングを監視する。UEがSCCH命令を受信できないことは、DRX同期外れ状態を示し得る。
いくつかの実装形態では、DRX構成要素724は、UEによって使用されているSIRしきい値(SIRT)およびUEによって生成された信号対干渉比推定値(SIRE)を監視する。SIREがSIRTに従う傾向があり(たとえば、より高いSIRTがより高いSIREをもたらす)、SIRTが比較的高い値(たとえば、定義されたしきい値よりも大きいかまたはそれに等しい)であるシナリオは、DRX同期外れ状態を示し得る。
いくつかの実装形態では、DRX構成要素724は、そのようなDRX同期外れ状態が存在するかどうかを判定するために、UEのレイク(RAKE)受信機のフィンガ強度を監視する。ここで、UEが比較的高いフィンガ強度(たとえば、定義されたしきい値よりも大きいかまたはそれに等しい)を使用することは、DRX同期外れ状態を示し得る。
ステップ2b - シナリオ3の状態を解決しようと試みる
次に、シナリオ3状態を解決するために用いられ得るステップ2b動作1100の一例について、図11を参照しながら説明する。DRX構成要素724がシナリオ3状態を解決するように構成される実装形態では、DRX構成要素724は、DRX構成要素がステップ1において同期外れ状態を検出した場合、動作1100を呼び出す。一般に、動作1100は、ネットワークと同じウェイクアップサブフレームを使用することに戻るようにUEを構成することを伴う。シナリオ3はサブフレームオフセット状態と見なされ得るので、以下はDTX/DRXオフセット学習アルゴリズムと呼ばれることがある。
図11のブロック1102において、UEがDRXモードを出る。すなわち、DRX構成要素724が同期外れ状態を検出すると、DRX構成要素724はUEにおけるDRXを無効化する。
ブロック1104において、DRX構成要素724は、UEがDRXモードを出た後に第1のSCCHパケットを受信するまで待つ。
ブロック1106において、DRX構成要素724は、ブロック1104においてSCCHパケットを受信すると、UEにおけるSCCH_CounterをDRX_Inactivity_Thresholdにリセットする。この時点で、ネットワークとUEの両方はDRXモードから出ており、同じSCCH_Counterを有する。
ブロック1108において、DRX構成要素724は、UEにおけるSCCH_Counterを従来の方法で更新する。したがって、DRX構成要素724は、SCCHがないあらゆるサブフレームについて1だけ減分するようにSCCH_Counterを構成し、DRX構成要素724が、UEが有効なSCCHサブフレームを受信したと判定した場合、DRX構成要素724は、SCCH_CounterをDRX_Inactivity_Thresholdにリセットする。
ブロック1110において、SCCH_Counterが0に達する(すなわち、カウンタが満了する)と、ネットワークはDRXモードに入る。しかしながら、DRX構成要素724は、ネットワークがDRXモードで次のSCCHパケットを送るサブフレームロケーションを知らないので、DRX構成要素724はまだ、DRXモードに入るようにUEを構成していない。したがって、UEは、SCCH_Counterの満了にもかかわらず、DRXモードから出たままである。
したがって、ブロック1112において、DRX構成要素724は、UEが次のSCCHパケットを受信するまで待つ。UEがこのSCCHパケットを受信すると、DRX構成要素724は、UEにおける対応するサブフレーム番号を記憶する。これは、ネットワークがDRXモードであるときにネットワークがSCCHパケットを送るために使用するDRXサイクル長内のサブフレーム位置を与える。このサブフレームが、UEによって使用されているサブフレームと同じである場合、シナリオ3状態は存在せず、DRX構成要素724はこのプロセスを終了する。しかしながら、このサブフレームが、UEによって使用されているサブフレームと同じではない場合、シナリオ3状態が存在し、DRX構成要素724は、ネットワークによって使用されているサブフレームと一致させるために、UEによって使用されているサブフレームを更新する。
ブロック1114において、ネットワークによって使用されているサブフレームの信頼できる指示を実現するために、ブロック1106〜1112の繰返しが複数回呼び出される。
他のシナリオ
上記の提案された解決策は主に、DRX構成要素724が、慎重になり、これ以上重要なメッセージを紛失しないために、ある一定の持続時間の間にUEにおけるDRXモードを無効化することを伴う。同様に、DRX構成要素724は、呼が危険にさらされる可能性がある他の問題のある/脆弱なシナリオについて、DRXを一時的に無効化することができる。以下は、これらの他のシナリオのいくつかの例である。
いくつかの実装形態では、DRX構成要素724は、UEにおいて紛失したシグナリング無線ベアラ(SRB)トラフィックが存在する場合、UEにおけるDRXを一時的に無効化する。たとえば、DRX構成要素724は、DRXを構成した後、またはSRBトラフィックが受信されたことを保証するための重要な状態遷移の後に、UEにおけるDRXを無効化してもよい。
いくつかの実装形態では、DRX構成要素724は、UEのRF状態が悪すぎる(たとえば、低いRF)か、または低い信号対干渉比推定値(SIRE)が検出された場合、UEにおけるDRXを一時的に無効化する。この場合、DRX構成要素724は、F-DPCH(電力制御トラッキング)およびレイク(RAKE)トラッキングを容易にするために、UEにおけるDRXを無効化する。
いくつかの実装形態では、DRX構成要素724は、DRX構成要素724がUEの送信電力が低すぎると判定したか、UEの送信電力が急に低くなったと判定したか、または同期外れアーチファクトを検出した場合、UEにおけるDRXを一時的に無効化する。この場合、DRX構成要素724は、UEが、UEがその送信電力を増加させるべきであることを示すいかなる送信電力制御(TPC)コマンドも紛失していないことを(たとえば、近い将来、ネットワークがそのようなコマンドを送ることが期待され得る状況で)保証するために、UEにおけるDRXを無効化してもよい。そのようなTPCコマンドは、たとえば、ネットワークとの不整合のせいで紛失する可能性がある。
上記のシナリオの場合、DRX構成要素724は、たとえば、UEが期待された信号(たとえば、SRB、TPCなど)を受信すると、UEにおける通常のDRX動作を再開してもよい。
例示的な装置
図12は、本開示の1つまたは複数の態様に従って構成された装置1200(たとえば、図7のUE702などのアクセス端末)の説明である。装置1200は、通信インターフェース(たとえば、少なくとも1つのトランシーバ)1202、記憶媒体1204、ユーザインターフェース1206、メモリ1208、および処理回路1210を含む。
これらの構成要素は、図12の接続回線によって概略的に表される、シグナリングバスまたは他の適切な構成要素を介して互いに結合され得、および/または互いと電気通信するように配置され得る。シグナリングバスは、処理回路1210の特定の適用例および全体的な設計制約に応じて、任意の数の相互接続バスおよびブリッジを含み得る。シグナリングバスは、通信インターフェース1202、記憶媒体1204、ユーザインターフェース1206、およびメモリ1208の各々が、処理回路1210に結合され、および/または処理回路1210と電気通信するように、様々な回路を互いにリンクさせる。シグナリングバスはまた、タイミングソース、周辺装置、電圧調整器、および電力管理回路などの様々な他の回路(図示せず)をリンクさせ得るが、これらの回路は当技術分野でよく知られており、したがって、これ以上は説明しない。
通信インターフェース1202は、装置1200のワイヤレス通信を容易にするように適合され得る。たとえば、通信インターフェース1202は、ネットワーク内の1つまたは複数の通信デバイスに関して双方向に情報の通信を容易にするように適合された回路および/またはプログラミングを含み得る。通信インターフェース1202は、ワイヤレス通信システム内のワイヤレス通信のための1つまたは複数のアンテナ1212に結合され得る。通信インターフェース1202は、1つまたは複数のスタンドアロン受信機および/または送信機、ならびに1つまたは複数のトランシーバを用いて構成され得る。図示の例では、通信インターフェース1202は、送信機1214および受信機1216を含む。いくつかの態様では、送信機1214は、図7の送信機706に対応し得る。いくつかの態様では、受信機1216は、図7の受信機710に対応し得る。
メモリ1208は、1つまたは複数のメモリデバイスを表し得る。図示のように、メモリ1208は、装置1200によって使用される他の情報とともに、DRX関連の情報1218を維持し得る。いくつかの実装形態では、メモリ1208および記憶媒体1204は、共通のメモリ構成要素として実装される。メモリ1208はまた、装置1200の処理回路1210または何らかの他の構成要素によって操作されるデータを記憶するために使用され得る。
記憶媒体1204は、プロセッサ実行可能コードもしくは命令(たとえば、ソフトウェア、ファームウェア)などのプログラミング、電子データ、データベース、または他のデジタル情報を記憶するための1つまたは複数のコンピュータ可読、機械可読、および/またはプロセッサ可読デバイスを表し得る。記憶媒体1204はまた、プログラミングを実行するときに処理回路1210によって操作されるデータを記憶するために使用され得る。記憶媒体1204は、ポータブルまたは固定の記憶デバイスと、光記憶デバイスと、プログラミングを記憶する、含むまたは搬送することが可能な様々な他の媒体とを含む、汎用または専用プロセッサによってアクセスされ得る任意の利用可能な媒体であり得る。
限定ではなく例として、記憶媒体1204は、磁気記憶デバイス(たとえば、ハードディスク、フロッピーディスク、磁気ストリップ)、光ディスク(たとえば、コンパクトディスク(CD)またはデジタル多用途ディスク(DVD))、スマートカード、フラッシュメモリデバイス(たとえば、カード、スティック、またはキードライブ)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読取り専用メモリ(ROM)、プログラマブルROM(PROM)、消去可能PROM(EPROM)、電気的消去可能PROM(EEPROM)、レジスタ、リムーバブルディスク、ならびに、コンピュータによってアクセスされ、読み取られ得るソフトウェアおよび/または命令を記憶するための任意の他の適切な媒体を含み得る。記憶媒体1204は、製造品(たとえば、コンピュータプログラム製品)において具現化され得る。例として、コンピュータプログラム製品は、パッケージング材料内のコンピュータ可読媒体を含み得る。上記に鑑みて、いくつかの実装形態では、記憶媒体1204は非一時的(たとえば、有形)記憶媒体であり得る。
記憶媒体1204は、処理回路1210が記憶媒体1204から情報を読み取り、記憶媒体1204に情報を書き込むことができるように、処理回路1210に結合され得る。すなわち、記憶媒体1204は、少なくとも1つの記憶媒体が処理回路1210と一体である例および/または少なくとも1つの記憶媒体が処理回路1210から分離されている(たとえば、装置1200内にある、装置1200の外部にある、複数のエンティティにわたって分散されている、など)例を含め、記憶媒体1204が少なくとも処理回路1210によってアクセス可能であるように、処理回路1210に結合され得る。
記憶媒体1204によって記憶されているプログラミングは、処理回路1210によって実行されると、処理回路1210に、本明細書で説明する様々な機能および/またはプロセス動作のうちの1つまたは複数を実施させる。たとえば、記憶媒体1204は、処理回路1210の1つまたは複数のハードウェアブロックにおける動作を調整するように、ならびにそれらのそれぞれの通信プロトコルを利用するワイヤレス通信用の通信インターフェース1202を利用するように構成された動作を含み得る。
処理回路1210は、一般に、記憶媒体1204上に記憶されたそのようなプログラミングの実行を含む処理のために適合される。本明細書で使用する「プログラミング」という用語は、限定はしないが、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、またはそれ以外の名称で呼ばれるかにかかわらず、命令、命令セット、データ、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行ファイル、実行スレッド、プロシージャ、関数などを含むように広く解釈されるものとする。
処理回路1210は、データを取得、処理および/または送り、データのアクセスおよび記憶を制御し、コマンドを発行し、他の所望の動作を制御するように構成される。処理回路1210は、少なくとも1つの例において適切な媒体によって与えられる所望のプログラミングを実装するように構成された回路を含み得る。たとえば、処理回路1210は、1つもしくは複数のプロセッサ、1つもしくは複数のコントローラ、および/または実行可能なプログラミングを実行するように構成された他の構造として実装され得る。処理回路1210の例は、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)もしくは他のプログラマブル論理構成要素、個別ゲートもしくはトランジスタ論理、個別ハードウェア構成要素、または本明細書で説明する機能を実施するように設計されたそれらの任意の組合せを含み得る。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサ、ならびに任意の従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、または状態機械を含み得る。処理回路1210はまた、DSPとマイクロプロセッサの組合せ、いくつかのマイクロプロセッサ、DSPコアと連携する1つもしくは複数のマイクロプロセッサ、ASICとマイクロプロセッサ、または任意の他の数の様々な構成などのコンピューティング構成要素の組合せとして実装され得る。処理回路1210のこれらの例は説明のためであり、本開示の範囲内の他の適切な構成も企図される。
本開示の1つまたは複数の態様によれば、処理回路1210は、本明細書で説明する装置のいずれかまたはすべてのための特徴、プロセス、機能、動作および/またはルーチンのいずれかまたはすべてを実施するように適合され得る。処理回路1210に関して本明細書で使用する「適合される」という用語は、本明細書で説明する様々な特徴による特定のプロセス、機能、動作および/またはルーチンを実施するように構成されること、用いられること、実装されること、および/またはプログラムされることのうちの1つまたは複数が行われる処理回路1210を指し得る。いくつかの態様では、処理回路1210は、図7のDRX構成要素724の機能を組み込んでもよい。したがって、処理回路1210は、図8〜図11の動作のいずれかを実施し得る。
装置1200の少なくとも1つの例によれば、処理回路1210は、DRXを有効化するためのモジュール1220、信号を受信するためのモジュール1222、状態を識別するためのモジュール1224、値を判定するためのモジュール1226、およびサブフレームインデックスを設定するためのモジュール1228のうちの1つまたは複数を含み得る。いくつかの実装形態では、DRXを有効化するためのモジュール1220、信号を受信するためのモジュール1222、状態を識別するためのモジュール1224、値を判定するためのモジュール1226、およびサブフレームインデックスを設定するためのモジュール1228は、少なくとも部分的に、図7のDRX構成要素724に対応する。
DRXを有効化するためのモジュール1220は、たとえば、装置1200においてDRXモードを有効化および/または無効化することに関するいくつかの機能を実施するように適合された回路および/またはプログラミング(たとえば、記憶媒体1204上に記憶された、DRXを有効化するためのコード1230)を含み得る。DRXを有効化するためのモジュール1220は、DRXが有効化されるべきであるかどうかを判定する。たとえば、DRXをサポートするネットワークが検出されると、装置1200における電力消費を低減するためにDRXが有効化され得る。この判定の結果として、DRXを有効化するためのモジュール1220は、たとえば、装置に受信された情報(たとえば、SCCHパケット)を監視させ、(たとえば、SCCHカウンタに基づく)指定された時間期間にわたってそのような情報がない場合はDRXモードに入らせる、フラグまたは他のパラメータを設定することによって、DRX機能を呼び出す。いくつかの実装形態では、DRXを有効化するためのモジュール1220は、DRXが有効化されているときの情報の損失に関連付けられた状態が識別されると、DRXを無効化する。いくつかの実装形態では、DRXを有効化するためのモジュール1220は、DRXを有効化する指示が受信されるまで、DRXを無効化されたままにする。
信号を受信するためのモジュール1222は、たとえば、パケットおよび/または他の送信を受信することに関するいくつかの機能を実施するように適合された回路および/またはプログラミング(たとえば、記憶媒体1204上に記憶された、信号を受信するためのコード1232)を含み得る。最初に、信号を受信するためのモジュール1222は、受信された情報を取得する。たとえば、信号を受信するためのモジュール1222は、このデータを装置の構成要素(たとえば、受信機1216または何らかの他の構成要素)から直接取得し得る。いくつかの実装形態では、信号を受信するためのモジュール1222は、受信された情報を処理(たとえば、復号)する。次いで、信号を受信するためのモジュール1222は、受信された情報を出力する(たとえば、データをメモリ1208に記憶するか、または情報を装置1200の別の構成要素に送る)。
状態を識別するためのモジュール1224は、たとえば、DRXが有効化されているときのDRX同期外れ状態を識別することおよび/またはDRXが有効化されているときの情報の損失に関連付けられた状態を識別することに関するいくつかの機能を実施するように適合された回路および/またはプログラミング(たとえば、記憶媒体1204上に記憶された、状態を識別するためのコード1234)を含み得る。いくつかの実装形態では、状態を識別するためのモジュール1224は、信号を受信するためのモジュール1222によって受信された信号に基づいて、状態を識別する。たとえば、そのような信号は、あるエンティティがDRXを有効化している一方で、別のエンティティがDRXを無効化していることを示し得る。別の例として、そのような信号は、あるエンティティがあるDRXサブフレームインデックスを使用する一方で、別のエンティティが異なるDRXサブフレームインデックスを使用することを示し得る。状態を識別すると、状態を識別するためのモジュール1224は、この状態の指示を生成し、その指示を出力する(たとえば、その指示をメモリ1208に記憶するか、またはその指示を装置1200の別の構成要素に送る)。
値を判定するためのモジュール1226は、たとえば、サービング基地局によって使用されているDRXのサブフレームインデックスの値を判定することに関するいくつかの機能を実施するように適合された回路および/またはプログラミング(たとえば、記憶媒体1204上に記憶された、値を判定するためのコード1236)を含み得る。いくつかの実装形態では、値を判定するためのモジュール1226は、サービング基地局によって送信された信号を取得し、(たとえば、信号のタイミングに基づいて)受信された信号からサブフレームインデックスを識別する。対応する値を判定すると、値を判定するためのモジュール1226は、この値の指示を生成し、その指示を出力する(たとえば、その指示をメモリ1208に記憶するか、またはその指示を装置1200の別の構成要素に送る)。
サブフレームインデックスを設定するためのモジュール1228は、たとえば、装置1200によって使用されているサブフレームインデックスを、値を判定するためのモジュール1226によって判定された値に設定することに関するいくつかの機能を実施するように適合された回路および/またはプログラミング(たとえば、記憶媒体1204上に記憶された、サブフレームインデックスを設定するためのコード1238)を含み得る。いくつかの実装形態では、サブフレームインデックスを設定するためのモジュール1228は、値を判定するためのモジュール1226から値を受信し、(たとえば、メモリ1208において)この値を用いてサブフレームインデックスのメモリロケーションを書き直す。
上述のように、記憶媒体1204によって記憶されているプログラミングは、処理回路1210によって実行されると、処理回路1210に、本明細書で説明する様々な機能および/またはプロセス動作のうちの1つまたは複数を実施させる。たとえば、記憶媒体1204は、DRXを有効化するためのコード1230、信号を受信するためのコード1232、状態を識別するためのコード1234、値を判定するためのコード1236、またはサブフレームインデックスを設定するためのコード1238のうちの1つまたは複数を含み得る。
上記を念頭において、図13は、本開示のいくつかの態様による、DRXを制御するためのプロセス1300を示す。いくつかの実装形態では、プロセス1300は、シナリオ2、シナリオ3、または他のシナリオに対処するために図7のDRX構成要素724によって実施される動作を表す。したがって、プロセス1300のブロック1302〜1308は、以下で説明するように、図8〜図11の様々なブロックに対応し得る。
プロセス1300は、処理回路1210(図12)、処理システム1714(図17)、または、アクセス端末(たとえば、UE)もしくは何らかの他の適切な装置にあり得る何らかの他の処理エンティティ内で行われ得る。別の態様では、プロセス1300は、図2に示すUE210によって実装され得る。もちろん、本開示の範囲内の様々な態様では、プロセス1300は、DRX関連の動作をサポートすることが可能な任意の適切な装置によって実装され得る。説明のために、プロセス1300について、UE702のDRX構成要素724がブロック1302〜1308の動作を実施するシステム700の文脈で説明する。ただし、プロセス1300は、他の実装形態では、異なるエンティティによって実施され得ることを諒解されたい。
ブロック1302において、DRX構成要素724がDRXを有効化する。たとえば、いくつかの実装形態では、DRX構成要素724は、アクセス端末がDRXを有効化するべきであることを示すメッセージをサービング基地局から受信すると、アクセス端末におけるDRXを有効化する。いくつかの態様では、ブロック1302の動作は、図10のブロック1002〜1008の動作に対応する。いくつかの態様では、ブロック1302の動作は、図8のブロック802の動作に対応する。いくつかの実装形態では、図12のDRXを有効化するためのモジュール1220は、ブロック1302の動作を実施する。いくつかの実装形態では、図12のDRXを有効化するためのコード1230は、ブロック1302の動作を実施するために実行される。
ブロック1304において、DRX構成要素724が信号を受信する。たとえば、いくつかの実装形態では、DRX構成要素724は、アクセス端末が(たとえば、信号を受信するためのRF受信機を含む)通信インターフェースを介して受信した信号を受信する。別の例として、いくつかの実装形態では、DRX構成要素724は、アクセス端末の別の構成要素から信号を受信する。いくつかの態様では、受信された信号は、アクセス端末においてDRXが有効化されているときのアクセス端末における情報の損失(たとえば、潜在的な損失)に関連付けられた状態を示し得る。そのような信号の例は、限定はしないが、RLC信号、HS-PDSCH信号、E-DCH信号、E-HICH信号、信号無線ベアラ(SRB)信号、悪いRF状態を示す信号、低いSIREを示す信号、または低い送信電力を示す信号を含む。いくつかの態様では、ブロック1304の動作は、図8のブロック804〜806の動作に対応する。いくつかの実装形態では、図12の信号を受信するためのモジュール1222は、ブロック1304の動作を実施する。いくつかの実装形態では、図12の信号を受信するためのコード1232は、ブロック1304の動作を実施するために実行される。
ブロック1306において、DRX構成要素724は、DRXが有効化されているときの情報の損失(たとえば、潜在的な損失)に関連付けられた状態を識別する。いくつかの態様では、状態の識別は、DRXに関してアクセス端末およびサービング基地局が同期外れであると判定することを伴い得る。いくつかの態様では、状態は、アクセス端末がDRXを有効化している一方で、サービング基地局がDRXを有効化していないことを含み得る。いくつかの態様では、状態は、アクセス端末が、サービング基地局によって使用されているDRXの第2のサブフレームインデックスとは異なるDRXの第1のサブフレームインデックスを使用することを含み得る。いくつかの態様では、状態は、信号無線ベアラ(SRB)トラフィックの損失、悪い無線周波数状態、低い信号対干渉比推定値、低い送信電力状態、または送信電力の低下のうちの少なくとも1つを含み得る。
ブロック1306の識別は、ブロック1304において受信された信号に少なくとも部分的に基づく。たとえば、いくつかの態様では、状態の識別は、肯定応答が無線リンクチャネル上で受信されていないと判定し、物理レイヤ肯定応答が受信されていると判定することを伴い得る。いくつかの態様では、ブロック1306の動作は、図8のブロック804〜806の動作に対応する。いくつかの実装形態では、図12の状態を識別するためのモジュール1224は、ブロック1306の動作を実施する。いくつかの実装形態では、図12の状態を識別するためのコード1234は、ブロック1306の動作を実施するために実行される。
ブロック1308において、DRX構成要素724は、ブロック1306における状態の識別の結果として、DRXを無効化する。たとえば、アクセス端末のDRX構成要素724は、DRX構成要素724がシナリオ2、シナリオ3、またはアクセス端末における情報損失を引き起こした、引き起こしている、もしくは引き起こす可能性がある何らかの他のシナリオを検出した場合、DRXを無効化し得る。いくつかの態様では、ブロック1308の動作は、図9のブロック902〜904または図11のブロック1102の動作に対応する。いくつかの実装形態では、図12のDRXを有効化するためのモジュール1220は、ブロック1308の動作を実施する。いくつかの実装形態では、図12のDRXを有効化するためのコード1230は、ブロック1308の動作を実施するために実行される。
図14は、本開示のいくつかの態様による、(たとえば、図13のブロック1306または図16のブロック1606において識別された)DRX同期外れ状態を解決するためのプロセス1400を示す。いくつかの実装形態では、プロセス1400は、シナリオ3または他のシナリオを解決するために図7のDRX構成要素724によって実施される動作を表す。したがって、プロセス1400のブロック1402〜1404は、以下で説明するように、図11の様々なブロックに対応し得る。
プロセス1400は、処理回路1210(図12)、処理システム1714(図17)、または、アクセス端末(たとえば、UE)もしくは何らかの他の適切な装置にあり得る何らかの他の処理エンティティ内で行われ得る。別の態様では、プロセス1400は、図2に示すUE210によって実装され得る。もちろん、本開示の範囲内の様々な態様では、プロセス1400は、DRX関連の動作をサポートすることが可能な任意の適切な装置によって実装され得る。説明のために、プロセス1400について、UE702のDRX構成要素724がブロック1402〜1404の動作を実施するシステム700の文脈で説明する。ただし、プロセス1400は、他の実装形態では、異なるエンティティによって実施され得ることを諒解されたい。
ブロック1402において、DRX構成要素724は、サービング基地局によって使用されているDRXのサブフレームインデックスの値を判定する。いくつかの態様では、この値の判定は、DRXが無効化されている間に非アクティビティカウンタを開始することと、制御信号が受信されるまで、非アクティビティカウンタの満了時にDRXを無効化されたままにすることと、制御信号が受信されるサブフレームを識別することとを伴い得る。いくつかの態様では、ブロック1402の動作は、図11のブロック1102〜1112の動作に対応する。いくつかの実装形態では、図12の値を判定するためのモジュール1226は、ブロック1402の動作を実施する。いくつかの実装形態では、図12の値を判定するためのコード1236は、ブロック1402の動作を実施するために実行される。
ブロック1404において、DRX構成要素724は、アクセス端末によって使用されているDRXのサブフレームインデックスを、ブロック1402において判定された値に設定する。いくつかの態様では、ブロック1404の動作は、図11のブロック1112の動作に対応する。いくつかの実装形態では、図12のサブフレームインデックスを設定するためのモジュール1228は、ブロック1404の動作を実施する。いくつかの実装形態では、図12のサブフレームインデックス設定するためのコード1238は、ブロック1404の動作を実施するために実行される。
図15は、本開示のいくつかの態様による、DRXを制御するための追加の態様を伴うプロセス1500(たとえば、シナリオ3または他のシナリオを解決するために図7のDRX構成要素724によって実施される動作)を示す。たとえば、いくつかの実装形態では、プロセス1500は、図13のブロック1308の動作に対応する。
プロセス1500は、処理回路1210(図12)、処理システム1714(図17)、または、アクセス端末(たとえば、UE)もしくは何らかの他の適切な装置にあり得る何らかの他の処理エンティティ内で行われ得る。別の態様では、プロセス1500は、図2に示すUE210によって実装され得る。もちろん、本開示の範囲内の様々な態様では、プロセス1500は、DRX関連の動作をサポートすることが可能な任意の適切な装置によって実装され得る。説明のために、プロセス1500について、UE702のDRX構成要素724がブロック1502〜1504の動作を実施するシステム700の文脈で説明する。ただし、プロセス1500は、他の実装形態では、異なるエンティティによって実施され得ることを諒解されたい。
ブロック1502において、DRX構成要素724がDRXを無効化する。たとえば、図13のブロック1306または図16のブロック1606における状態の識別の結果として、DRXが無効化され得る。いくつかの態様では、ブロック1502の動作は、図9のブロック902の動作に対応する。いくつかの実装形態では、図12のDRXを有効化するためのモジュール1220は、ブロック1502の動作を実施する。いくつかの実装形態では、図12のDRXを有効化するためのコード1230は、ブロック1502の動作を実施するために実行される。
ブロック1504において、DRX構成要素724は、DRXを有効化する指示が受信されるまで、DRXを無効化されたままにする。たとえば、DRXは、アクセス端末がDRXを有効化するようアクセス端末に命令するSCCH命令またはRBRメッセージをサービング基地局から受信するまで、アクセス端末において無効化されたままであってもよい。いくつかの態様では、ブロック1504の動作は、図9のブロック904の動作に対応する。いくつかの実装形態では、図12のDRXを有効化するためのモジュール1220は、ブロック1504の動作を実施する。いくつかの実装形態では、図12のDRXを有効化するためのコード1230は、ブロック1504の動作を実施するために実行される。
図16は、本開示のいくつかの態様による、DRXを制御するためのプロセス1600を示す。いくつかの実装形態では、プロセス1600は、シナリオ2またはシナリオ3に対処するために図7のDRX構成要素724によって実施される動作を表す。したがって、プロセス1600のブロック1602〜1608は、以下で説明するように、図8〜図11の様々なブロックに対応し得る。
プロセス1600は、処理回路1210(図12)、処理システム1714(図17)、または、アクセス端末(たとえば、UE)もしくは何らかの他の適切な装置にあり得る何らかの他の処理エンティティ内で行われ得る。別の態様では、プロセス1600は、図2に示すUE210によって実装され得る。もちろん、本開示の範囲内の様々な態様では、プロセス1600は、DRX関連の動作をサポートすることが可能な任意の適切な装置によって実装され得る。説明のために、プロセス1600について、UE702のDRX構成要素724がブロック1602〜1608の動作を実施するシステム700の文脈で説明する。ただし、プロセス1600は、他の実装形態では、異なるエンティティによって実施され得ることを諒解されたい。
ブロック1602において、DRX構成要素724がDRXを有効化する。たとえば、いくつかの実装形態では、DRX構成要素724は、アクセス端末がDRXを有効化するべきであることを示すメッセージをサービング基地局から受信すると、アクセス端末におけるDRXを有効化する。いくつかの態様では、ブロック1602の動作は、図10のブロック1002〜1008の動作に対応する。いくつかの態様では、ブロック1602の動作は、図8のブロック802の動作に対応する。いくつかの実装形態では、図12のDRXを有効化するためのモジュール1220は、ブロック1602の動作を実施する。いくつかの実装形態では、図12のDRXを有効化するためのコード1230は、ブロック1602の動作を実施するために実行される。
ブロック1604において、DRX構成要素724が信号を受信する。たとえば、いくつかの実装形態では、DRX構成要素724は、アクセス端末が(たとえば、信号を受信するためのRF受信機を含む)通信インターフェースを介して受信した信号を受信する。別の例として、いくつかの実装形態では、DRX構成要素724は、アクセス端末の別の構成要素から信号を受信する。いくつかの態様では、受信された信号は、アクセス端末においてDRXが有効化されているときのDRX同期外れ状態を示し得る。そのような信号の例は、限定はしないが、RLC信号、HS-PDSCH信号、E-DCH信号、E-HICH信号、信号無線ベアラ(SRB)信号、悪いRF状態を示す信号、低いSIREを示す信号、または低い送信電力を示す信号を含む。いくつかの態様では、ブロック1604の動作は、図8のブロック804〜806の動作に対応する。いくつかの実装形態では、図12の信号を受信するためのモジュール1222は、ブロック1604の動作を実施する。いくつかの実装形態では、図12の信号を受信するためのコード1232は、ブロック1604の動作を実施するために実行される。
ブロック1606において、DRX構成要素724は、DRXが有効化されているときのDRX同期外れ状態を識別する。いくつかの態様では、状態の識別は、DRXに関してアクセス端末およびサービング基地局が同期外れであると判定することを伴い得る。いくつかの態様(たとえば、シナリオ2)では、状態は、アクセス端末がDRXを有効化している一方で、サービング基地局がDRXを有効化していないことを含み得る。いくつかの態様(たとえば、シナリオ3)では、状態は、アクセス端末が、サービング基地局によって使用されているDRXの第2のサブフレームインデックスとは異なるDRXの第1のサブフレームインデックスを使用することを含み得る。いくつかの態様では、状態は、信号無線ベアラ(SRB)トラフィックの損失、悪い無線周波数状態、低い信号対干渉比推定値、低い送信電力状態、または送信電力の低下のうちの少なくとも1つに基づいて識別され得る。
ブロック1606の識別は、ブロック1604において受信された信号に少なくとも部分的に基づく。たとえば、いくつかの態様では、状態の識別は、肯定応答が無線リンクチャネル上で受信されていないと判定し、物理レイヤ肯定応答が受信されていると判定することを伴い得る。いくつかの態様では、ブロック1606の動作は、図8のブロック804〜806の動作に対応する。いくつかの実装形態では、図12の状態を識別するためのモジュール1224は、ブロック1606の動作を実施する。いくつかの実装形態では、図12の状態を識別するためのコード1234は、ブロック1606の動作を実施するために実行される。
ブロック1608において、DRX構成要素724は、ブロック1606における状態の識別の結果として、DRXを無効化する。たとえば、アクセス端末のDRX構成要素724は、DRX構成要素724がシナリオ2、シナリオ3、またはアクセス端末におけるDRX同期の損失を引き起こした、引き起こしている、もしくは引き起こす可能性がある何らかの他のシナリオを検出した場合、DRXを無効化し得る。いくつかの態様では、ブロック1608の動作は、図9のブロック902〜904または図11のブロック1102の動作に対応する。いくつかの実装形態では、図12のDRXを有効化するためのモジュール1220は、ブロック1608の動作を実施する。いくつかの実装形態では、図12のDRXを有効化するためのコード1230は、ブロック1608の動作を実施するために実行される。
追加の態様
図17は、本開示の1つまたは複数の態様を実装することができる処理システム1714を用いる装置1700のためのハードウェア実装形態の一例を示すブロック図である。たとえば、いくつかの実装形態では、装置1700は図7のUE702であり(またはそれに組み込まれ)、それによって、図7の送信機706および受信機710は、図17のトランシーバ1710において実装され、図7のDRX構成要素724は、図17の処理システム1714において実装される。別の例として、いくつかの実装形態では、図12の処理回路1210、メモリ1208、および記憶媒体1204は、図17の処理システム1714として実装される。
この例では、処理システム1714は、バス1702によって概略的に表されるバスアーキテクチャを用いて実装され得る。バス1702は、処理システム1714の特定の適用例および全体的な設計制約に応じて、任意の数の相互接続バスおよびブリッジを含み得る。バス1702は、プロセッサ1704によって概略的に表される1つまたは複数のプロセッサ、メモリ1705、およびコンピュータ可読媒体1706によって概略的に表されるコンピュータ可読媒体を含む様々な回路を互いにリンクさせる。バス1702はまた、タイミングソース、周辺装置、電圧調整器、および電力管理回路などの様々な他の回路をリンクさせ得るが、これらの回路は当技術分野でよく知られており、したがって、これ以上は説明しない。バスインターフェース1708は、バス1702とトランシーバ1710との間のインターフェースを提供する。トランシーバ1710は、送信媒体を介して様々な他の装置と通信するための手段を提供する。装置の性質に応じて、ユーザインターフェース1712(たとえば、キーパッド、ディスプレイ、スピーカー、マイクロフォン、ジョイスティック)も設けられてもよい。
プロセッサ1704は、バス1702を管理することと、コンピュータ可読媒体1706上に記憶されたソフトウェアの実行を含む一般的な処理とを担う。ソフトウェアは、プロセッサ1704によって実行されると、処理システム1714に、任意の特定の装置のための以下で説明する様々な機能を実施させる。コンピュータ可読媒体1706はまた、ソフトウェアを実行するときにプロセッサ1704によって操作されるデータを記憶するために使用され得る。
図18は、例示的なUE1850と通信している例示的なノードB1810のブロック図であり、ノードB1810は図2のノードB208であってもよく、UE1850は図2のUE210であってもよい。ダウンリンク通信では、コントローラ/プロセッサ1840は、データソース1812からデータを受信し得る。チャネル推定値は、送信プロセッサ1820のコーディング方式、変調方式、拡散方式、および/またはスクランブリング方式を決定するために、コントローラ/プロセッサ1840によって使用され得る。これらのチャネル推定値は、UE1850によって送信される基準信号から、またはUE1850からのフィードバックから導出され得る。送信機1832は、1つまたは複数のアンテナ1834を介したワイヤレス媒体上でのダウンリンク送信のために、増幅、フィルタリング、およびフレームのキャリア上への変調を含む、様々な信号調整機能を提供し得る。アンテナ1834は、たとえば、ビームステアリング双方向適応アンテナアレイ、MIMOアレイ、または任意の他の適切な送信/受信技術を含む、1つまたは複数のアンテナを含み得る。
UE1850において、受信機1854は、1つまたは複数のアンテナ1852を介してダウンリンク送信を受信し、その送信を処理してキャリア上に変調された情報を復元する。受信機1854によって復元された情報は、コントローラ/プロセッサ1890に与えられる。プロセッサ1890は、シンボルを逆スクランブルおよび逆拡散し、変調方式に基づいて、ノードB1810によって送信された、最も可能性の高い信号コンスタレーションポイントを判定する。これらの軟判定は、プロセッサ1890によって計算されるチャネル推定値に基づき得る。次いで、軟判定は、データ、制御信号、および基準信号を復元するために、復号およびデインターリーブされる。次いで、フレームの復号に成功したかどうかを判定するために、CRCコードがチェックされる。次いで、復号に成功したフレームによって搬送されるデータは、データシンク1872に与えられ、データシンク1872は、UE1850および/または様々なユーザインターフェース(たとえば、ディスプレイ)において実行されているアプリケーションを表す。復号に成功したフレームによって搬送される制御信号は、コントローラ/プロセッサ1890に与えられる。フレームの復号に失敗したとき、コントローラ/プロセッサ1890は、肯定応答(ACK)および/または否定応答(NACK)プロトコルを使用して、それらのフレームの再送信要求をサポートすることもできる。
アップリンクでは、データソース1878からのデータおよびコントローラ/プロセッサ1890からの制御信号が与えられる。データソース1878は、UE1850および様々なユーザインターフェース(たとえば、キーボード)において実行されているアプリケーションを表し得る。ノードB1810によるダウンリンク送信に関して説明した機能と同様に、プロセッサ1890は、CRCコード、FECを容易にするためのコーディングおよびインターリービング、信号コンスタレーションへのマッピング、OVSFによる拡散、ならびに一連のシンボルを生成するためのスクランブリングを含む、様々な信号処理機能を提供する。ノードB1810によって送信された基準信号から、またはノードB1810によって送信されたミッドアンブル中に含まれるフィードバックから、プロセッサ1890によって導出されるチャネル推定値は、適切なコーディング方式、変調方式、拡散方式、および/またはスクランブリング方式を選択するために使用され得る。プロセッサ1890によって生成されるシンボルは、フレーム構造を作成するために利用される。プロセッサ1890は、追加の情報でシンボルを多重化することによって、このフレーム構造を作成し、一連のフレームが得られる。次いで、フレームは送信機1856に与えられ、送信機1856は、1つまたは複数のアンテナ1852を介したワイヤレス媒体上でのアップリンク送信のために、増幅、フィルタリング、およびフレームのキャリア上への変調を含む、様々な信号調整機能を提供する。
アップリンク送信は、UE1850における受信機機能に関して説明したものと同様の方法で、ノードB1810において処理される。受信機1835は、1つまたは複数のアンテナ1834を介してアップリンク送信を受信し、その送信を処理して、キャリア上に変調された情報を復元する。受信機1835によって復元された情報は、各フレームをパースするプロセッサ1840に与えられる。プロセッサ1840は、UE1850中のプロセッサ1890によって実施される処理の逆を実施する。次いで、復号に成功したフレームによって搬送されるデータおよび制御信号は、データシンク1839に与えられ得る。受信プロセッサによるフレームの一部の復号に失敗した場合、コントローラ/プロセッサ1840は、肯定応答(ACK)および/または否定応答(NACK)プロトコルを使用して、それらのフレームの再送信要求をサポートすることもできる。
コントローラ/プロセッサ1840および1890は、それぞれノードB1810およびUE1850における動作を指示するために使用され得る。たとえば、コントローラ/プロセッサ1840および1890は、タイミング、周辺インターフェース、電圧調整、電力管理、および他の制御機能を含む様々な機能を提供し得る。メモリ1842および1892のコンピュータ可読媒体は、それぞれノードB1810およびUE1850のためのデータおよびソフトウェアを記憶し得る。
結論
W-CDMAシステムに関して、電気通信システムのいくつかの態様を提示した。当業者が容易に諒解するように、本開示全体にわたって説明する様々な態様は、他の電気通信システム、ネットワークアーキテクチャおよび通信規格に拡張され得る。
例として、開示する態様は、限定はしないが、第5世代(5G)モバイルフォン技術、第4世代(4G)モバイルフォン技術、第3世代(3G)モバイルフォン技術、および他のネットワークアーキテクチャを含む、様々なネットワーク技術に従って実装され得る。様々な態様は、TD-SCDMAおよびTD-CDMAなどのUMTSシステムに拡張され得る。様々な態様は、(FDDモード、TDDモード、または両方のモードの)ロングタームエボリューション(LTE)、(FDDモード、TDDモード、または両方のモードの)LTEアドバンスト(LTE-A)、CDMA2000、エボリューションデータオプティマイズド(EV-DO)、ウルトラモバイルブロードバンド(UMB)、IEEE802.11(Wi-Fi)、IEEE802.16(WiMAX)、IEEE802.20、ウルトラワイドバンド(UWB)、Bluetooth(登録商標)を用いるシステム、および/または他の適切なシステムにも拡張され得る。用いられる実際の電気通信規格、ネットワークアーキテクチャ、および/または通信規格は、特定の適用例およびシステムに課された全体的な設計制約に依存する。
上記で説明した態様、構成、および実装形態について具体的な詳細および特殊性を用いて説明したが、図1〜図18のうちの1つまたは複数に示す構成要素、動作、特徴および/または機能のうちの1つまたは複数は、単一の構成要素、動作、特徴または機能に再構成および/または結合される場合があるか、あるいは、いくつかの構成要素、動作、または機能において具現化される場合がある。また、本明細書の教示から逸脱することなく、追加の要素、構成要素、動作、および/または機能が追加されるか、または利用されないことがある。図1、図2、図7、図12、図17、または図18のうちの1つまたは複数に示す装置、デバイスおよび/または構成要素は、図3〜図6、図8〜図11、または図13〜図16のうちの1つまたは複数で説明した方法、特徴、パラメータ、または動作のうちの1つまたは複数を実施するか、または用いるように構成され得る。本明細書で説明する新規のアルゴリズムはまた、ソフトウェアにおいて効率的に実装されてもよく、および/またはハードウェアに埋め込まれてもよい。
また、少なくともいくつかの実装形態について、フローチャート、流れ図、構造図、またはブロック図として示されるプロセスとして説明したことに留意されたい。フローチャートは動作を逐次プロセスとして説明する場合があるが、動作の多くは並行してまたは同時に実施され得る。加えて、動作の順序は並べ替えられてもよい。プロセスは、その動作が完了したときに終了する。プロセスは、メソッド、関数、プロシージャ、サブルーチン、サブプログラムなどに対応し得る。プロセスが関数に対応するとき、その終了は、その関数が呼び出し関数またはメイン関数に戻ることに対応する。本明細書で説明する様々な方法は、機械可読、コンピュータ可読、および/またはプロセッサ可読記憶媒体に記憶され、1つまたは複数のプロセッサ、機械および/またはデバイスによって実行され得るプログラミング(たとえば、命令および/またはデータ)によって、部分的にまたは完全に実装され得る。
開示した方法におけるステップの特定の順序または階層は、例示的なプロセスの説明であることを理解されたい。設計の選好に基づいて、方法におけるステップの特定の順序または階層が再構成され得ることを理解されたい。添付の方法クレームは、様々なステップの要素を例示的な順序で提示したものであり、そのクレーム中で具体的に列挙されない限り、提示された特定の順序または階層に限定されることを意図するものではない。
当業者は、本明細書で開示する態様に関して説明する様々な例示的な論理ブロック、モジュール、回路、およびアルゴリズム動作は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、またはそれらの任意の組合せとして実装され得ることをさらに諒解されよう。この互換性を明確に示すために、様々な例示的な構成要素、ブロック、モジュール、回路、および動作について、上記では概してそれらの機能に関して説明した。そのような機能がハードウェアとして実装されるか、ソフトウェアとして実装されるかは、特定の適用例および全体的なシステムに課された設計制約に依存する。
本明細書の教示は、様々な装置に組み込まれる(たとえば、それらの装置内に実装されるか、またはそれらの装置によって実施される)場合がある。いくつかの態様では、本明細書の教示に従って実装されるワイヤレス装置は、アクセスポイントまたはアクセス端末であり得る。
たとえば、アクセス端末は、ユーザ機器、加入者局、加入者ユニット、移動局、モバイル、モバイルノード、リモート局、リモート端末、ユーザ端末、ユーザエージェント、ユーザデバイス、または何らかの他の用語を含むか、それらのいずれかとして実装されるか、またはそれらのいずれかとして知られ得る。いくつかの実装形態では、アクセス端末は、セルラー電話、コードレス電話、セッション開始プロトコル(SIP)電話、ワイヤレスローカルループ(WLL)局、携帯情報端末(PDA)、ワイヤレス接続機能を有するハンドヘルドデバイス、またはワイヤレスモデムに接続された何らかの他の適切な処理デバイスであり得る。したがって、本明細書で教示する1つまたは複数の態様は、電話(たとえば、セルラーフォンまたはスマートフォン)、コンピュータ(たとえば、ラップトップ)、タブレット、ポータブル通信デバイス、ポータブルコンピューティングデバイス(たとえば、携帯情報端末)、エンターテインメントデバイス(たとえば、音楽デバイス、ビデオデバイス、または衛星ラジオ)、全地球測位システムデバイス、カメラ、ウェアラブルコンピューティングデバイス(たとえば、スマートウォッチ、ヘルスまたはフィットネストラッカーなど)、アプライアンス、センサー、自動販売機、またはワイヤレス媒体を介して通信するように構成された任意の他の適切なデバイスに組み込まれ得る。
アクセスポイントは、ノードB、eノードB、無線ネットワークコントローラ(RNC)、基地局(BS)、無線基地局(RBS)、基地局コントローラ(BSC)、基地トランシーバ局(BTS)、トランシーバ機能(TF)、無線トランシーバ、無線ルータ、基本サービスセット(BSS)、拡張サービスセット(ESS)、マクロセル、マクロノード、ホームeNB(HeNB)、フェムトセル、フェムトノード、ピコノード、または何らかの他の同様の用語を含むか、それらのいずれかとして実装されるか、またはそれらのいずれかとして知られ得る。
いくつかの態様では、装置(たとえば、アクセスポイント)は、通信システム用のアクセスノードであり得る。そのようなアクセスノードは、たとえば、ネットワークへのワイヤードまたはワイヤレス通信リンクを介した、ネットワーク(たとえば、インターネットまたはセルラーネットワークなどのワイドエリアネットワーク)のための、またはネットワークへの接続を与え得る。したがって、アクセスノードは、別のノード(たとえば、アクセス端末)がネットワークまたは何らかの他の機能にアクセスすることを可能にし得る。加えて、ノードの一方または両方は、ポータブルであるか、または場合によっては、比較的非ポータブルであってもよいことを諒解されたい。
また、ワイヤレス装置は、非ワイヤレス方式で(たとえば、ワイヤード接続を介して)情報を送信および/または受信することが可能であり得ることを諒解されたい。したがって、本明細書で説明する受信機および送信機は、非ワイヤレス媒体を介して通信するために、適切な通信インターフェース構成要素(たとえば、電気的または光学的インターフェース構成要素)を含み得る。
いくつかの態様では、装置または装置の任意の構成要素は、本明細書で教示する機能を提供するように構成され得る(またはそのように動作可能であり得るか、もしくはそのように適合され得る)。これは、たとえば、機能を提供するように装置もしくは構成要素を製造する(たとえば、作製する)ことによって、機能を提供するように装置もしくは構成要素をプログラミングすることによって、または何らかの他の適切な実装形態技法の使用を通して、達成され得る。一例として、集積回路は、必要な機能を提供するように作製され得る。別の例として、集積回路は、必要な機能をサポートするように作製され、次いで、(たとえば、プログラミングを介して)必要な機能を提供するように構成され得る。また別の例として、プロセッサ回路は、必要な機能を提供するためにコードを実行し得る。
本開示内では、「例示的」という言葉は、「例、事例、または例示として働くこと」を意味するために使用される。「例示的」として本明細書で説明する任意の実装形態または態様は、必ずしも本開示の他の態様よりも好ましいかまたは有利であると解釈されるべきではない。同様に、「態様」という用語は、本開示のすべての態様が、説明する特徴、利点または動作モードを含むことを必要としない。
「結合される」という用語は、本明細書では、2つの物体間の直接的または間接的な結合を指すために使用される。たとえば、物体Aが物体Bに物理的に接触し、物体Bが物体Cに接触する場合、物体Aおよび物体Cは、互いに物理的に直接接触していなくても、それでも互いに結合されていると見なすことができる。たとえば、第1のダイがパッケージ内の第2のダイに物理的に直接接触していなくても、第1のダイは、第2のダイに結合されている可能性がある。
「回路(circuit)」および「回路(circuitry)」という用語は広く使用され、接続され構成されると、電子回路のタイプに関して限定はしないが、本開示で説明する機能の実施を可能にする電気デバイスおよび導体のハードウェア実装形態、ならびにプロセッサによって実行されると、本開示で説明する機能の実施を可能にする情報および命令のソフトウェア実装形態の両方を含むものとする。
別段に明記されていない限り、「いくつかの」という用語は、1つまたは複数を指す。項目のリスト「のうちの少なくとも1つ」について言及する句は、単一のメンバーを含むそれらの項目の任意の組合せを指す。一例として、「a、b、またはcのうちの少なくとも1つ」は、a、b、c、aおよびb、aおよびc、bおよびc、a、bおよびc、2a、2bなどを包含するものとする。
本明細書において「第1の」、「第2の」などの呼称を使用する要素へのいかなる言及も、一般的には、それらの要素の量または順序を限定するものではないことを理解されたい。むしろ、これらの呼称は、本明細書では、2つ以上の要素または要素の事例を区別する便利な方法として使用され得る。したがって、第1の要素および第2の要素への言及は、2つの要素のみがそこで用いられ得ること、または何らかの形で第1の要素が第2の要素に先行しなければならないことを意味しない。また、別段に記載されていない限り、要素のセットは、1つまたは複数の要素を含み得る。
本明細書で説明し、添付の図面に示す例に関連付けられた様々な特徴は、本開示の範囲から逸脱することなく、異なる例および実装形態において実装され得る。したがって、いくつかの特定の構成および配置について説明し、添付の図面に示したが、説明する態様への様々な他の追加および修正、ならびに説明する態様からの削除が当業者に明らかであるので、そのような態様は例示にすぎず、本開示の範囲を制限するものではない。本明細書の教示に基づいて、当業者は、本明細書で開示する態様が任意の他の態様から独立して実装され得ること、およびこれらの態様のうちの2つ以上が様々な方法で結合され得ることを諒解されよう。
これらの態様に対する様々な修正は当業者に容易に明らかになり、本明細書で定義する一般原理は他の態様に適用され得る。したがって、特許請求の範囲は、本明細書で示す態様に限定されるものではなく、特許請求の範囲の文言と一致するすべての範囲を与えられるべきであり、単数形の要素への言及は、そのように明記されていない限り「唯一無二の」を意味するものではなく、「1つまたは複数の」を意味するものとする。当業者に知られているか、または後で当業者に知られることになる、本開示全体にわたって説明する様々な態様の要素のすべての構造的および機能的等価物は、参照により本明細書に明確に組み込まれ、特許請求の範囲によって包含されるものとする。
上記の説明は、いかなる当業者も本明細書で説明する様々な態様を実践できるようにするために与えられる。本明細書で開示するいかなるものも、そのような本開示が特許請求の範囲において明示的に列挙されているかどうかにかかわらず、公に供されるものではない。いかなるクレーム要素も、要素が「のための手段」という句を使用して明確に列挙されていない限り、または、方法クレームの場合、要素が「のためのステップ」という句を使用して列挙されていない限り、米国特許法第112条第6項の規定に基づいて解釈されるべきではない。