JP2017520040A - 電磁波を通じた非接触データ送信中のデータ盗難、身元詐称、および詐欺を防止するための装置 - Google Patents
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Abstract
本願は、各々がRFIDまたはNFCチップを具備する物品を保持するための複数の内側ポケット(12)を備えた容器(10)に関する。複数の内側ポケット(12)の少なくともひとつを含む容器(10)の少なくとも2つの面(16)は、電気的導体層(14)を有し、その結果、複数の内側ポケット(12)の少なくともひとつは、少なくとも2つの面(16、18)によって電磁波からシールドされる。
Description
本願発明は、電磁波を通じた非接触データ送信中のデータ盗難、身元詐称および不正支払を防止するための装置に関する。NFC/RFID電磁チップを備えたパスポート、クレジットカード、デビットカード、および、アクセスコントロールカード等が益々増えている。特に、本願発明は、RFIDまたはNFCチップを備えた物品を保持するための複数の内側ポケットを有する容器に関する。
本願発明は、NFD/RFID電磁場技術を具備する、カード(健康カード/健康保険カード、クレジットカード/デビットカード、トラベルカード等)、身分証明書(パスポート、身分識別カード、社員証カード、アクセスカード等)および、次世代バンクノートに関する。
一般的に、この目的のためのGFIDトランスポンダーは、それに格納されたデータを電波送信によって受信機に送り、かつ、RFIDチップを有するトランスミッターによって送信されたデータを受信しかつ格納するために使用されている。これは、低周波において、近くの電磁場を通じて誘導的に生じ、高周波において、遠くの電磁場を通じて生じる。RFIDトランスポンダーが読み取ることができる距離は、設計(パッシブ/アクティブ)、使用周波数帯域、送信強度および環境的影響に応じて、数センチから1キロ以上まで変化する。
RFIDトランスポンダーの個々のタイプのいくつかは、互いに大きく異なる。しかし、原理的には、RFIDトランスポンダーの構造は、アンテナ、送受信用のアナログ回路(トランスポンダー)、および、デジタル回路および不揮発性メモリチップから成る。
バッテリーによって動作するアクティブトランスポンダーとは対照的に、パッシブRFIDトランスポンダーは、送受信装置が受信した電波から、それに格納された情報を送信するためのエネルギーを得る。この電波は連続波と呼ばれる。誘導コイルの機能を同時に実行するRFID/NFCのアンテナによって、キャパシタは誘導的に充電され、そのキャパシタは、タグとも呼ばれるRFID/NFCチップにエネルギーを供給する。キャパシタの小さい容量のため、タグが送信または受信モードである間、連続波は読み取り装置によって連続的に維持されなければならない。
付加的に、読み取り装置は、正面または背面を通じてのみチップカードを読み取ることができる。すなわち、データはエッジを通じて読み取ることができない。
ドイツ国特許出願公開第202010016341号には、不所望な無線通信を防止するためのデバイスが開示されている。無線通信が可能な移動可能デバイスは、保護容器内で保持される。この点に関して、保護容器は、デバイスと外界との間での通信を制限または不可能にするように作成されている。
ドイツ国特許出願公開第202006002284号には、パスポート、身分証、チップカードおよびその他のRFID電波技術を具備する携帯メディアの読み取りを防止するためのシールドデバイスが開示されている。RFIDを具備する身分証等の読み取りは、シールドカバーによって防止される。
ドイツ国特許出願公開第202013003410号には、RFID/NFC保護を有する携帯電話カバーが開示されている。
上述したすべての文献に共通しているのは、完全なカバーによって保護が達成されるとうことである。
本願発明者は、RFID/NFCトランスポンダーを具備する物品を完全にカバーすることは、不利であるということを認識した。特に、完全なカバーは、ユーザが、物品の使用準備をするために、比較的大きな努力を払わなければならないということを意味する。例えば、クレジットカードに関して、その中にカードを配置するカバーを、まず、ハンドバッグから取り出さなければならない。その次に、カードを当該カバーから取り出さなければならない。この追加的努力は、結果的に、従来のカバーが使用されずに、トランスポンダーがしばしば保護無しで持ち運ばれるということを意味する。また、複数のチップカード等に対して、ハンドバッグのボリュームは大きく増加してしまう。
こうした点に鑑み、本願発明の目的は、上述した従来技術の欠点を克服する、電磁波を通じた非接触データ送信中のデータ盗難、身分詐称および詐欺行為を防止するための単純かつ廉価なデバイスを与えることである、特に、本願発明の目的は、よりフレキシブルに使用可能で、ユーザにとってより使用しやすく、かつ、より信頼性が高いデバイスを与えることである。特に、本願発明の目的は、特定の設計のNFC/RFID電波チップキャリア、例えば、クレジットカードの特定の設計に依存しないデバイスを与えることである。
これらの目的は、請求項1に従うデバイスによって、および、請求項12に従う使用によって達成される。当該デバイスの有利な実施形態は従属項から生じる。
NFC/RFID電波チップのデータに対する無許可アクセスは、電気的に導体の薄いパッドによって防止される。それは、例えば、好適には、不連続な二次元のストライプまたはパターン形式を有する金属またはカーボン、特にグラファイトを含む金属エレメントまたは物体である。二次元の電気的に導体の物体が、物体として理解されるべきである、当該物体は、表面に垂直な方向に対する伸長より、少なくともひとつのオーダーの大きさだけ表面に渡って伸長し、大きく曲がりかつ屈曲することが可能である。同様に、電気的導体の着色層が読み取りを防止する。強度を増加させるために、パッドは、プラスチック、厚紙、ボール紙等から構成される。側面の間または少なくとも一方側の電気的導体層は重要である。導体層はストリップで作成されてもよい。電磁波に対して特に効果的な保護はグラファイトコーティングによって達成される。
紳士用の財布を保護するために、保護ストリップは最も内側のコンパートメントのサイズにカットされ、その中に押し込まれる。財布が折りたたまれて閉じられたとき、正面および背面は無許可アクセスに対して自動的に保護される。
例えばパスポートについても、同様に適用可能である。わずかに接着力があるように作成されたパッドが、パスポートカバーの内側に配置されて固定される。パスポートが折りたたまれて閉じられると、中身は無許可スパイ行為に対して保護される。
本願発明のさらなる利点または特徴は、以下の図面を参照した説明および特許請求の範囲により完全に規定される。
図1は、例えば、RFIDまたはNFCチップを具備するクレジットカード、マエストロカード、マネーカード、ビルまたは駐車場用のアクセスカード、運転免許証、身分証または類似のカードなどの物品用の6個の内側ポケット12を有する従来の財布を示す。図1に示すような財布10の開放状態において、内側ポケット12はユーザが直接アクセス可能である。内側ポケットの裏側、すなわち、外側から内側ポケットをたたんだ状態で閉じられる側に2つの面16、18が画定される。
図2は、本願発明の好適実施形態を有する図1に記載の財布10示す。実施形態に従う電気的導体形式である2つの保護エレメント14の電気的導体層は、二次元物体であり、各々は2つの面16、18上に配置され、内側ポケット12およびその内部に配置されたカードは財布が閉じられたとき面16、18によって外部の電磁気電波からシールドされる。図2に示す保護エレメント14の代わりに、好適に弾性であるように作成された少なくとも部分的に電気的導体の物体も使用可能である。そのように作用する物体の例は、グラファイトである。
保護エレメント14は、フィルムを有し、その上に好適には、アプリケーションに応じて、異なる導電率、透磁性および誘電率を有するひとつ以上の異なる材料の層が気相蒸着される。該層の厚さおよび材料のシーケンスは、最終生成物の電磁気的特性を変化させる。その結果、特定の周波数帯域を、拒絶することができる。こうして、例えば、メガヘルツレンジの電磁放射線を効果的にシールドしつつ、キロヘルツレンジの電磁放射線は、保護エレメント14を通過させることが可能となる。したがって、例えば、概して13.56MHzの周波数で読み取られるNFCエレメントの読み取りは防止され、一方、キロヘルツレンジの動作周波数を有するRFIDタグは機能し続ける。
特に好適な実施形態において、35nmから50nm、好ましくは40nmの厚さのアルミニウム層がフィルム上に気相成長され、任意のより厚いポリエステル層がその上に適用され、その後、他の35nmから50nm、好ましくは40nmの厚さのアルミニウム層が気相成長され、他の任意のより厚いポリエステル層がその上に適用され、さらに35nmから50nm、好ましくは40nmの厚さのアルミニウム層がその上に気相成長される。したがって、保護エレメント14は好適には、3つのアルミニウム層を有し、各々は、35nmから50nm、好ましくは40nmの厚さを有し、各々は互いにポリエステル層によって分離される。付加的な層、例えば、ポリエステル層が、最も外側のアルミニウム層、または、最も外側の複数のアルミニウム層の上に、アルミニウムを保護するために、適用されてもよい。また、その上に特にRFIDアンテナまたはRFIDチップ全体が配置されるグラファイト層を付加的に与えることも可能である。それは、異方性のためにグラファイトによってアルミニウム層から電気的に分離される。この文脈において、グラファイトの異方性とは、グラファイト層がグラファイトの個々の層に沿って電気的に導通するが、その個々の層に対して垂直方向に電気的に絶縁されることを意味する。このグラファイト層は、好適には少なくとも150μmの厚さを有する。
結果的に、70nmから200nm、特に好適には、100nmから15(150)nmの累積厚のアルミニウムまたはそれ以外の導体材料の層が製造される。
代替的に実施形態において、35nmから100nm、好適には50nmの厚さのアルミニウム層がポリエステル層の両側にそれぞれ適用される。
保護エレメント14は、好適には、80μmから150μmの間の総厚を有し、その結果、それは取り扱い易くなる。
図2において、保護エレメント14は、保護エレメント14をより見やすくするために、財布10の内部方向に2/3だけ押し込んだ状態で示されている。保護エレメント14が財布10内に完全に押し込まれ、内側ポケット12内のすべてのカードの保護が保証されるように、実施形態の完成品は与えられる。
図2に示す例示的な実施形態とは異なり、例えば、保護エレメント14をワンピースで作成することも可能である。代替的にまたは付加的に、財布に対して保護エレメントが、外側から、例えば、接着され、縫い込まれ、気相成長され、または、他の方法により固定されてもよい。代替的に、電気的導体染料または材料が、気相成長または印刷されてもよい。
好適実施形態において、保護エレメント14は、アルミニウムまたは銅フィルムの頂部にプラスチックのベース層、および、この頂部にグラファイト層を有してもよい。これらの層のシーケンスは変更されてもよい。
ここに示された財布の代替例として、任意の形式の容器に対しても応用可能である。
結果的に、70nmから200nm、特に好適には、100nmから150nmの累積厚のアルミニウムまたはそれ以外の導体材料の層が製造される。
Claims (18)
- 各々がRFIDまたはNFCチップを具備する物品を保持するための複数の内側ポケット(12)を備えた容器(10)であって、前記容器(10)は、少なくとも2つの面(16、18)上に与えられた電気的導体層(14)によって複数の内側ポケット(12)の少なくともひとつを包囲し、前記複数の内側ポケット(12)の少なくともひとつは、前記少なくとも2つの面(16、18)によって電磁波からシールドされる、ことを特徴とする容器。
- 前記少なくとも2つの面(16、18)は、前記容器(10)の前記内側ポケット(12)の複数、好適には、すべてを包囲する、ことを特徴とする請求項1に記載の容器(10)。
- 前記少なくとも2つの面(16、18)上の前記導体層(14)の複数、好適にはすべてが、互いに一体的に形成されている、ことを特徴とする請求項1または2に記載の容器(10)。
- 前記容器(10)は、RFIDまたはNFCチップを具備した複数の物品を保持するための財布、ハンドバッグ、プリペイドカードポケットまたはパスポートポケットである、ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の容器(10)。
- 前記電気的導体層は、カーボン、特にグラファイト、および/または、アルミニウムである、ことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の容器(10)。
- 前記電気的導体層(14)は、少なくともアルミニウムおよびグラファイトを含むマルチレイヤー構造である、ことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の容器(10)。
- 前記電気的導体層(14)の総厚は、80nmと150nmとの間である、ことを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の容器(10)。
- 前記電気的導体層(14)は、70nmと200nmとの間、好適には、100nmと150nmとの間の累積厚のアルミニウムを有する、ことを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の容器(10)。
- 前記電気的導体層(14)は、アルミニウム層およびポリエステル層を間に有する、複数の層、好適には3層のマルチレイヤー構造であり、
好適には、ポリエステル層がひとつのアルミニウム層の外側に配置されており、
好適には、グラファイト層がさらに、ひとつの前記アルミニウム層の外側に配置されている、ことを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の容器(10)。 - 前記電気的導体層(14)は、グラファイト、および、前記グラファイトの上に配置されたひとつまたは複数のRFIDチップのひとつまたは複数のアンテナを有する、ことを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の容器(10)。
- 前記電気的導体層(14)は、最大で10%だけクレジットカードと大きさが異なる2つのエレメントを有し、前記エレメントは、前記容器(10)内の前記クレジットカードのコンパートメントの反対側の側面上に配置されている、ことを特徴とする請求項1から10のいずれか一項に記載の容器(10)。
- 各々がRFIDまたはNFCチップを具備する複数の物品を、複数の内側ポケット(12)を有する容器(10)内で保持し、前記容器(10)の外部の電磁波から同時にシールドするための電気的導体かつ二次元の物体(14)の使用。
- 前記電気的導体かつ二次元の物体(14)は、自己接着性であるように作成される、ことを特徴とする請求項12に記載の電気的導体かつ二次元の物体(14)の使用。
- 前記電気的導体かつ二次元の物体(14)は、基板に対して、特に、気相成長または接着によって適用され、前記基板はプラスチック、紙、ボール紙等である、ことを特徴とする請求項12または13に記載の電気的導体かつ二次元の物体(14)の使用。
- 前記電気的導体かつ二次元の物体(14)は、2つの二次元基板の間に挿入されている、ことを特徴とする請求項12から14のいずれか一項に記載の電気的導体かつ二次元の物体(14)の使用。
- 前記電気的導体かつ二次元物体(14)は、ユーザによって前記容器の形状に切断されており、および/または、前記容器(10)の形状およびサイズに折りたたまれる、ことを特徴とする請求項12から15のいずれか一項に記載の電気的導体かつ二次元の物体(14)の使用。
- 前記電気的導体層は、カーボン、特にグラファイト、および/または、アルミニウム、および/または銅である、ことを特徴とする請求項12から16のいずれか一項に記載の電気的導体かつ二次元の物体の使用。
- 請求項1から11のいずれかに記載の容器(10)に対する請求項12から17のいずれか一項に記載の電気的導体かつ二次元の物体(14)の使用。
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