JP2017518046A - 個別化された栄養補給 - Google Patents

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Abstract

本発明は、被験体における栄養摂取及び/又は栄養状態の不全が検出された少なくとも1つの栄養素を含む、好ましくはプリントされた、栄養組成物を提供する。当該栄養組成物は投与単位に含まれ、前記栄養素は、被検者における栄養摂取及び/又は栄養状態の目標値と実測値との差に対応する量で存在する。本発明は、更に、例えば、栄養失調の治療又は予防における、当該プリントされた栄養組成物の医学的使用を提供する。本発明は、また、当該栄養組成物を含む投与単位、並びにこれを製造するシステム及び方法を提供する。【選択図】なし

Description

本発明は、栄養補給の分野に関する。詳しくは、本発明は、例えば、栄養不足及び/又は栄養失調の治療又は予防における、好ましくはプリントされた、栄養組成物の医学的使用に関する。本発明は、更に、かかる栄養組成物、かかる栄養組成物を含む投与単位、並びにこれらを製造するシステム及び方法に関する。
栄養所要量は、生命機能及びその他の生体機能を維持するために生体が摂取すべき栄養素、例えば、水、エネルギー、多量栄養素(例えば、タンパク質、炭水化物、脂肪)又は微量栄養素(例えば、ミネラル、有機体、微量元素、ビタミン)の必要量を示している。栄養所要量は、少なくとも部分的には個体の代謝速度に左右され、例えば、男性と女性、小児と成人、高齢者といった個体間及び人生段階によって変動し、例えば、妊娠中若しくは授乳中、喫煙中、又は何らかの疾患に罹患している場合など、ある条件下でも変化する。例えば、癌、AIDS、関節リウマチ、糖尿病、又は膵炎によって、個体の栄養所要量が変化することが知られている。しかしながら、長期間に渡り、栄養摂取が栄養所要量に満たない場合には、栄養不足又は栄養失調の状態が発生し、ひいては疾患の進行を更に速める場合がある。
栄養失調の危険性がある人は、施設、老人ホーム、又は病院の、例えば手術を受ける入院患者であり、その原因は食欲及びエネルギー量の変化、又は咀嚼及び嚥下障害である。これら及び他の理由により、老人ホーム、施設又は病院の調理場で提供される食物は、残されることが多い。
患者の栄養不足又は栄養失調の危険性及び発症を克服するため、例えば、ビタミン及び微量元素といった重要と見なされる栄養素の常用的な補給が検討されることがある。しかし、栄養摂取の不足だけでなく、ある栄養素の過剰摂取も有害となることがある。例えば、水溶性ビタミンは過剰に摂取されると生体によって排泄されるが、脂溶性ビタミンの過剰摂取は、悪心、嘔吐及び頭痛を伴うビタミン過剰症の原因となることがある。また、微量元素であるヨウ素は、過剰投与によって甲状腺機能障害を起こすことがあるので、取り扱いに注意が必要である。
したがって、個々の患者に個別の必要量に即した、個別化された栄養補給が所望される。
栄養補給と関連して、食べられるプリント製品の潜在的価値が予測できる。この技術の将来性の1つは、栄養学的にも有益で、かつ容易に咀嚼及び嚥下できるよう十分に柔らかい、個別化された栄養内容物を有する新規消耗品又は患者別の食事の創製が期待されていることである。しかしながら、このような栄養素を豊富に含み、かつ柔らかでプリントされた食物は、未だ開発途上にある。
したがって、本発明の目的は、個別化された栄養補給において有用な方法及び製品を提供することであった。
本発明の目的は、独立請求項に規定された主題によって達成される。本発明の特定の実施形態は、従属請求項に規定されている。
本発明の目的は、被験体において栄養状態及び/又は栄養摂取の不全が検出された少なくとも1つの栄養素を含み、かかる栄養素が、被験体における栄養状態及び/又は栄養摂取の目標値と実測値との差に対応する量又は用量で存在し、好ましくはプリントされた、栄養組成物によって解決される。
本発明の目的は、被験体の栄養素量に不足が検出された少なくとも1つの栄養素を含み、投与単位に含まれる栄養組成物であって、かかる栄養素が、被験体における目標栄養値と実測栄養値(「栄養状態」)との差に対応する量又は用量で前述の投与単位中に存在する栄養組成物によって更に解決される。
ある実施形態において、前述の栄養素は、目標栄養値と実測栄養値との差として算出された値の75〜125%、又は80〜120%、又は85〜115%、又は90〜110%、又は95〜105%、又は100%の範囲に入る量で存在する。
ある実施形態において、栄養組成物は、インクジェットプリント若しくは3Dプリントされた栄養組成物などのプリントされた栄養組成物、2Dプリントされた組成物、又は、食品若しくは他の食用品上に噴霧されたものである。
ある実施形態において、栄養素が、タンパク質、アミノ酸、炭水化物、オリゴ糖、脂肪、脂質、脂肪酸、ヌクレオチド、ビタミン、酸化防止剤、ミネラル、微量元素、及び電解質からなる群から選択される多量栄養素又は微量栄養素である。
ある実施形態において、目標栄養値及び/又は実測栄養値は、栄養素の取込みの目標値及び/又は実測値である。
ある実施形態において、栄養摂取の目標値及び/又は実測値は、1食当たり、1料理当たり、又は1食品当たりの栄養素の量として示される。
ある実施形態において、栄養摂取の目標値と実測値との差は、栄養組成物の投与単位当たり又は一定量(例えば、重量又は容量)当たりの量として示される。
ある実施形態において、目標栄養値及び/又は実測栄養値は、被験体からの試料中の栄養素の量である。
ある実施形態において、栄養組成物、好ましくはプリントされた栄養組成物は、医薬製剤である。
ある実施形態において、栄養組成物、好ましくはプリントされた栄養組成物は、口腔液、例えば唾液に可溶な、少なくとも1つの化合物をベースとする。好ましくは、プリントされた栄養組成物がベースとするすべての化合物は、口腔液に可溶である。好ましくは、かかる化合物は栄養学的又は薬学的に許容されるものである。
本発明の目的は、栄養組成物、好ましくはプリントされた栄養組成物を含み、経口投与、好ましくは舌下投与、経舌投与又は頬側投与用に設計された投与単位によって、更に解決される。
ある実施形態において、投与単位は薬剤として、又は食品として、又は他の食用品として提供される。
ある実施形態において、投与単位は、錠剤、ホイル、フィルム、及びウェハーからなる群から選択される投与形態として提供される。更に、ドロップ、チューインガム、カプセル、又はカプレットなどの経口投与形態も、考慮される。
好ましい実施形態において、投与形態は、インクジェットプリント若しくは3Dプリントされた、錠剤、ホイル、フィルム、又はウェハーとして提供される。あるいは、特に3Dプリントされた投与単位の場合には、その他の意匠又は形状の投与単位が考えられる。
ある実施形態において、投与単位及びプリントされた栄養組成物は、口腔液、例えば唾液に可溶な、少なくとも1つの化合物をベースとする。好ましくは、投与単位及びプリントされた栄養組成物がベースとするすべての化合物は、口腔液に可溶である。好ましくは、かかる化合物は栄養学的又は薬学的に許容されるものである。
本発明の目的は、栄養組成物、好ましくはプリントされた栄養組成物、又は投与単位の医学的使用によって、更に解決される。
医学的使用に関するある実施形態において、栄養組成物、又は投与単位は、被験体における栄養不足及び/又は栄養失調の予防又は治療に使用するためのものである。
医学的使用に関するある実施形態において、栄養組成物、好ましくはプリントされた栄養組成物、又は投与単位は、被験体、好ましくは栄養不良の被験体又は栄養失調の危険がある被験体における、栄養補給の管理又は改善又は最適化のためのものである。
医学的使用に関するある実施形態において、プリントされた栄養組成物、又は投与単位は、被験体、好ましくは栄養不良の被験体又は栄養失調の危険がある被験体において検出された栄養状態及び/又は栄養摂取の不全を補償するためのものである。
医学的使用に関するある実施形態において、被験体は病院、老人ホーム又は施設に泊まる入院患者である。
医学的使用に関する別の実施形態において、被験体は半入院患者、外来患者、老人ホームの入居者、在宅ケアの患者、又は医療を必要とする他の患者である。
医学的使用に関する好ましい実施形態において、被験体又は入院患者は、外科患者、例えば、肥満外科手術に備えているかこれを受けた患者、及び/又は創傷治癒過程の患者、又は抗癌療法を受けている患者である。
医学的使用に関する別の好ましい実施形態において、被験体若しくは入院患者は、術前若しくは術後の食欲不振若しくは食欲欠如、悪心、嘔吐、拒食症、嚥下障害、食道狭窄、咀嚼若しくは嚥下の障害、口若しくは喉の刺激若しくは損傷若しくは炎症若しくは感染、口若しくは喉の疾患若しくは悪性病変、甲状腺機能障害、甲状腺腫、失見当識、及び認知症からなる群から選択される病状に罹患している。
医学的使用に関する特に好ましい実施形態において、被験体又は入院患者は、例えば麻酔の結果、術後悪心嘔吐(PONV)に罹患している。
医学的使用に関する他の特に好ましい実施形態において、被験体又は入院患者は、化学療法又は放射線治療の結果、術後悪心嘔吐(PONV)に罹患している。
医学的使用に関する更なる特に好ましい実施形態において、被験体又は入院患者は、例えば手術又は麻酔下で発生した刺激又は損傷の結果、術後の咀嚼又は嚥下の障害に罹患している。
本発明の目的は、医学的使用、好ましくは、被験体における栄養失調の予防及び治療における使用、又は被験体における栄養補給の管理若しくは改善若しくは最適化のための使用、又は被験体において検出された栄養摂取及び/若しくは栄養状態の不全を補償する使用のための、好ましくはプリントされた栄養組成物の調剤品における、又は投与単位の調剤品における、少なくとも1つの栄養素の使用により、更に解決される。
本発明の目的は、好ましくは、被験体における栄養失調の予防若しくは治療、又は被験体における栄養補給の管理若しくは改善若しくは最適化、又は被験体において検出された栄養摂取及び/若しくは栄養状態の不全を補償するための、好ましくはコンピュータによって実施される治療方法によって更に解決され、この方法は、連続する工程
(a)被験体に対し、少なくとも1つの栄養素について目標値を決定する工程と、
(b)栄養素の目標値と実測値との差を計算する工程と、
(c)栄養組成物を調製する工程と、
(d)好ましくはプリント技術を用いてプリントされた、栄養組成物を製造する工程と、を含む。
この方法において、栄養素は、工程(b)で求められた差に対応する量で存在する。
ある実施形態において、この方法は次の工程:
(a)被験体に対し、少なくとも1つの栄養素について摂取の目標値を決定する工程と、
(b)工程(a)で決定された目標値に対応する量又は用量の栄養素を含む食事又は食品を、被験体に提供する工程と、
(c)被験体によって消費されなかった食事又は食品の比率を定量化する工程と、
(d)被験体による栄養摂取の目標値と実測値との差を計算する工程と、
(e)好ましくはプリントされ、投与単位に含まれた栄養組成物を製造する工程と、
(f)投与単位を被験体に送達する工程と、を含む。
この方法において、栄養素は、工程(d)で求められた差に対応する量又は用量で、投与単位中に存在する。
ある実施形態において、この方法は、次の工程:
(a)被験体に対し、少なくとも1つの栄養素について目標値を決定する工程と、
(b)被験体からの試料中の少なくとも1つの栄養素の量を測定する工程と、
(c)目標値と、試料中の栄養素量の実測値との差を計算する工程と、
(d)栄養組成物を調製する工程と、
(e)好ましくはプリント技術を用いてプリントされた、栄養組成物を製造する工程と、を含む。
この方法において、少なくとも1つの栄養素が、工程(c)で求められた差に対応する量で存在する。
本発明の目的は、好ましくはプリントされた栄養組成物の製造、又は投与単位の製造の、コンピュータ支援による方法によって更に解決され、この方法は下記の工程:
(a)被験体に対し、少なくとも1つの栄養素について目標値を決定する工程と、
(b)栄養素の目標値と実測値との差を計算する工程と、
(c)栄養組成物を調製する工程と、
(d)好ましくはプリント技術を用いてプリントされた栄養組成物を製造する工程と、を含む。
この方法において、栄養素は、工程(b)で求められた差に対応する量で存在する。
ある実施形態において、方法は次の工程:
(a)被験体に対し、少なくとも1つの栄養素について摂取の目標値を決定する工程と、
(b)工程(a)で決定された目標値に対応する量又は用量の栄養素を含む食事又は食品を、被験体に提供する工程と、
(c)被験体によって消費されなかった食事又は食品の比率を定量化する工程と、
(d)被験体による栄養摂取の目標値と実測値との差を計算する工程と、
(e)栄養組成物を調製する工程と、
(f)好ましくはプリント技術、好ましくはインクジェットプリント技術又は3Dプリント技術を用いてプリントされた栄養組成物を製造する工程と、を含む。
この方法において、栄養素は、工程(d)で求められた差に対応する量又は用量で、投与単位中に存在する。
ある実施形態において、方法は次の工程:
(a)被験体に対し、少なくとも1つの栄養素について目標値を決定する工程と、
(b)被験体からの試料中の少なくとも1つの栄養素の量を測定する工程と、
(c)目標値と、試料中の栄養素量の実測値との差を計算する工程と、
(d)栄養組成物を調製する工程と、
(e)好ましくはプリント技術を用いてプリントされた、栄養組成物を製造する工程と、を含む。
この方法において、少なくとも1つの栄養素が、工程(c)で求められた差に対応する量で存在する。
本発明の目的は、好ましくはプリントされた栄養組成物、又は前述の製造方法によって得られた投与単位によって、更に解決される。
本発明の目的は、プリントされた栄養組成物を製造するシステム、又は投与単位を製造するシステムによって更に解決され、このシステムは下記:
(a)食事又は食品を定量化する手段、好ましくは秤量装置と、
(b)被験体によって消費されなかった食事又は食品の比率を定量化する手段と、
(c)被験体による栄養摂取の目標値と実測値との差を計算する手段と、
(d)栄養組成物を調製する手段と、
(e)好ましくはプリントされた、栄養組成物を製造する手段と、を含む。
ある実施形態において、プリントされた栄養組成物を製造する手段は、インクジェットプリント、2Dプリント、又は3Dプリントされた栄養組成物を製造するためのものである。
別の実施形態において、栄養組成物を製造する手段は、食品上又は他の食用品上に噴霧するためのものである。ある実施形態において、システムは、被験体に対し、少なくとも1つの栄養素について摂取の目標値を決定する手段及び/又は被験体に栄養組成物又は投与単位を送達する手段を更に含む。
本発明の目的は、プリントされた栄養組成物を製造するシステム、又は投与単位を製造するシステムによって更に解決され、このシステムは下記:
(a)被験体からの試料中の1つ以上の栄養素の量を測定する手段と、
(b)被験体の目標栄養値と実測栄養値との差を計算する手段と、
(c)栄養組成物を調製する手段と、
(d)好ましくはプリントされた、栄養組成物を製造する手段と、を含む。
ある実施形態において、プリントされた栄養組成物を製造する手段は、インクジェットプリント、2Dプリント、又は3Dプリントされた栄養組成物を製造するためのものである。
別の実施形態において、栄養組成物を製造する手段は、例えばウェハーなどの、別の形態を製造するためのものである。本発明の目的は、プリントされた栄養組成物の製造又は投与単位の製造のためのプリント技術、好ましくはインクジェットプリント技術又は3Dプリント技術を用いることによって、更に解決される。
当業者であれば理解するとおり、上記で明示した特徴の他の組合せから、更なる形態が生じ得る。
本発明は、栄養素含量が調整された、すなわち、1つ以上の栄養素の含量が、個々の患者に個別の必要量に即して調整された、好ましくはプリントされた栄養組成物を提供する。この意味において、本発明は、益々有望な分野となりつつある個別化医療に貢献するものと見なされる。
特にインクジェット又は3Dプリントのようなプリント技術の利点を活用することにより、本発明によって、例えば病院で、要求に応じてその場で、個別に栄養組成物を調製することができる。このようにして、栄養摂取の不足が検出されてから、その不足を補償するために栄養組成物を投与するまでの遅延を短縮することができる。
本発明は患者の栄養補給の最適化を支援するため、患者の状態に対する有害作用、疾患の進行、更には非経口による栄養補給の必要性を減弱又は防止することができる。これは患者本人にとって有益であるだけでなく、経済的理由からも利点がある。
「特許請求の範囲」で使用される用語「栄養摂取の目標値」は、個人の栄養所要量に関係している。栄養所要量は、好ましくは24時間又は1日当たりといった、時間間隔当たりの栄養素の量として[例えば、g、mg、μg、ng、pg、又はmolといった単位で]示され得る。更なる時間間隔(例えば、分、時間、週、月)も考慮される。栄養摂取が1日1回しか実施されない場合、「栄養摂取の目標値」は1日当たりの栄養素の量として示してもよい。
しかし、ほとんどの場合、1日栄養所要量を1回より多い食事で満たせるように、栄養摂取は1日1回より多く実施される。この場合、1日栄養所要量が分割されるため、「栄養摂取の目標値」を、1食当たりの栄養素の量として示してもよい。
例えば、ヨウ素の栄養所要量が1日当たり180〜200μg(健常成人に対する推奨1日用量)である場合、ヨウ素(通常ヨウ化物塩の形態で提供される)の所要量を、1日の食事のうち1回の食事と共に患者に投与してもよい。その他の例では、45〜50μgのヨウ素を、1日に4回の食事それぞれと共に投与してもよい。更にその他の例では、90〜100μgのヨウ素を1回の主要な食事と共に投与し、45〜50μgを更なる2回の食事それぞれと共に投与してもよい。
栄養所要量は時間依存的であり、すなわち、時間と共に変化し得るため、1食当たりの「栄養摂取の目標値」も変化し得る。時間依存性を考慮する際は、例えば手術日を「ゼロ」と設定して、開始点が設定され得る。
「栄養摂取の目標値と実測値との差」は、消費されなかった食物の比率に含まれた栄養素の量に対応する。説明目的のみのために示すと、この差は次のように決定され得る。
(a)患者に対し、例えば、栄養素Aについて1食当たり10mgとして、栄養摂取の目標値を設定する。
(b)栄養素Aを10mg含有する食物を調製する。
(c)食物を秤量する。
(d)食物を患者による摂食のために提供する。
(e)食物が完全に消費されたか否かを判定する。
(f)食物が完全に消費されていない場合には、消費されなかった食物を秤量する。
(g)消費されなかった食物の比率を、例えば40%というように、定量化する。
(h)消費されなかった食物の比率に基づき、消費されなかった栄養素の量を求める。すなわち、0.4×栄養素A10mg=4mg。
上記の例において、「栄養摂取の実測値」は6mgとなる(消費された食物の比率は60%となる)。その結果、「栄養摂取の目標値と実測値との差」は、10mg−6mg=4mg、すなわち、上記の工程(h)で求められた栄養素の量となる。したがって、栄養素は投与単位中に4mgの量で存在する。
所望であれば、必須という訳ではないが、「栄養摂取の実測値」を決定してもよい。
試料中の「目標栄養素量」という用語は、治療中の患者の特定の病態に対して適切な量を示す栄養素量であり得、経時的に変動することがある。目標値は、健常な被験体に対して示された個別の値又は値の範囲の形式としてもよい。栄養素量の目標値を実測値と比較することにより、被験体に特定の栄養素の補給が必要とされているか否かを判定することができる。
用語「栄養状態」又は「試料中の実測栄養素量」とは、被験体からの試料中で測定された少なくとも1つの栄養素の量のことである。
栄養素の量を測定する方法は、当該技術分野において既知である。例えば、測定は任意の分析装置又はシステム、例えば、分光測定システム、質量分析システム、高分解能核磁気共鳴分光法システムなどの分光装置を使用して実施することができる。各種の好適な方法が、例えば、Rezzi et al.,Trends in Analytical Chemistry 52(2013):112−119などに記載されている。
ある実施形態において、測定はバイオセンサーを使用して実施してもよい。
ある実施形態において、測定は核磁気共鳴分光計を使用して実施してもよい。核磁気共鳴分光法は、何百という栄養素及び/又はそれらの代謝産物について全体的に特性を解析する上で、演繹的な選択なしに、分析的に頑健な様式で、試料調製なし又は非常にわずかな試料調製によって、無類の見通しを提供してくれる(例えば、F.P.Martin et al.,Magn.Reson.Chem.49(2011)S47−S54;J.C.Lindon et al.,Annu.Rep.NMR Spec.38(1999)1−88を参照)。ある実施態様においては、尿中及び血漿中の栄養素特性について並列分析を行ってもよい。手を加えていない組織試料についても、高分解能のマジック角回転法による核磁気共鳴分光法により、最小限の試料調製で特性が解析できる。分子同一性の確認、又は多次元的手法を用いた構造解析をも多くの場合目的とした炭素13核磁気共鳴も測定可能ではあるが、感度の理由からプロトン核磁気共鳴分光法を用いてもよい。
別の実施形態において、測定は質量分析計を使用して実施してもよい。質量分析計は、例えば、I.D.Wilson et al.,J.Chromatogr.B Analyt.Technol.Biomed.Life Sci.817(2005)67−76及びM.R.Wenk,Nat.Rev.Drug Discov.4(2005),594−610に説明されているように、全体的又は標的プロファイリングのために使用され得る。質量分析計は、nLスケールを含む、ガスクロマトグラフィー(GC)又は液体クロマトグラフィー(LC)に連結することができ、各種のイオン化の手法を用いて高感度の代謝産物の分析が可能となる。しかし、試料の前処理が必要である。アミノ酸、脂肪酸、有機酸、ビタミン、及び植物栄養素といった、各種栄養素及びその代謝産物の測定には、広範な方法が利用可能である。最近の技術進歩のおかげで、感度、質量精度、走査速度及び分解能の面で質量分析計の分析性能は向上し、脂質分析(すなわちリピドミクス)のように、予備的なクロマトグラフィーの工程がなくても、生体試料の特性解析が可能となった(K.Schuhmann et al.,J.Mass Spectrom.47(2012)96−104参照)。
このように、特定の実施形態において、質量分析計には、電子衝撃法(EI)、化学イオン化法(CI)、電解イオン化法(FDI)、エレクトロスプレーイオン化法(ESI)、レーザー脱離イオン化法(LDI)、マトリクス支援レーザー脱離イオン化法(MALDI)及び表面増強脱離レーザー脱離イオン化法(SELDI)の中から選択される、イオン化法を用いてもよい。更なる実施形態において、質量分析検出法は、四重極質量分析法(QMS)、フーリエ変換質量分析法(FT−MS)及び飛行時間型質量分析法(TOF−MS)から選択される。
概して、本願で使用される用語「試料」とは、任意の体液又はその他の組織試料の種類のことであり、例えば、血液、血漿、血清、痰、唾液、汗(発汗)又は尿である。このような試料を被験体から採取する手法は、周知のものである。この用語はまた、生体組織との接触、例えば、呼気又は皮膚との接触によって得られたその他の組織又は液を包含する。
この方法は、一般的にはヒト又は動物の体外で、例えば、検査対象の被験体から事前に採取された体液試料に対し実施される。好ましくは、試料は血液由来のもので、すなわち、試料は全血又は血漿若しくは血清といった血液画分を含む。
血液試料を採取する手法及び血液画分を分離する手法は、当該技術分野で周知のものである。例えば、静脈血試料は、針を使用して患者から採取でき、プラスチックチューブに採取される。採取用チューブは、例えば、血清を分離するため、スプレーコーティングされたシリカ及びポリマーゲルを含み得る。血清は、室温で1300RCFの遠心分離10分間で分離することができ、小型プラスチックチューブ中で−80℃で保管できる。
用語「栄養素」とは、例えば、エネルギー、成長又は健康の提供といった、生体に有益な効果を有する化合物のことである。この用語は、有機化合物及び無機化合物を包含する。
本願で使用される栄養素という用語は、例えば、多量栄養素、微量栄養素、必須栄養素及び植物栄養素を包含する。
これらの用語は、必ずしも相互に排他的なものではない。例えば、特定の分類システム又は分類リストに応じて、ある栄養素を多量栄養素又は微量栄養素のどちらとしても定義することができる。
表現「少なくとも1つの栄養素」又は「1つ以上の栄養素」とは、例えば、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、10、20、又は更に多くの栄養素のことである。
用語「1つ以上の栄養素の量を測定する」は、個々の栄養素の代謝産物及び/又はバイオマーカーの量を決定することを包含する。したがって、一部の実施形態では、例えば、上記栄養素の1つ以上の代謝産物又は他の指標の量が測定される。栄養状態の指標としての代謝産物については、例えば、Rezzi et al.,Trends in Analytical Chemistry 52(2013):112−119に説明されている。
用語「多量栄養素」は当該技術分野で周知であり、本願ではその標準的な意味に従い、生体の正常な成長及び発達のために大量に必要とされる栄養素のこととする。
多量栄養素としては、炭水化物、脂肪、タンパク質、アミノ酸及び水が挙げられるが、これらに限定されるものではない。カルシウム、塩化物、又はナトリウムのようなミネラルも、多量栄養素として分類される場合がある。
用語「微量栄養素」とは、例えば、エネルギー、成長又は健康の提供といった、生体に有益な効果を有するが、少量又は微量のみが必要とされる化合物のことである。この用語は、例えば、個々のアミノ酸、ヌクレオチド及び脂肪酸、ビタミン、酸化防止剤、ミネラルといった有機化合物及び無機化合物の両方、並びに、例えばヨウ素などの微量元素、並びに、例えば塩化ナトリウムなどの電解質、並びに、これらの塩を包含する。
説明のためにビタミンを列挙すると、ビタミンA、D、E、K、B1、B2、B6、B12、及びC、レチノール、酢酸レチニル、パルミン酸レチニル、β−カロチン、コレカルシフェロール、エルゴカルシフェロール、D−α−トコフェロール、DL−α−トコフェロール、D−α−トコフェロール酢酸エステル、D−α−トコフェリル酸コハク酸エステル、フィロキノン、塩酸チアミン、硝酸チアミン、リボフラビン、リボフラビン5’−リン酸エステルナトリウム、ニコチン酸、ニコチンアミド、D−パントテン酸カルシウム、D−パントテン酸ナトリウム、デクスパンテノール、塩酸ピリドキシン、ピリドキシン5’−リン酸、ジパルミチン酸ピリドキシン、プテロイルモノグルタミン酸、シアノコバラミン、ヒドロキソコバラミン、D−ビオチン、L−アスコルビン酸、L−アスコルビン酸ナトリウム、L−アスコルビン酸カルシウム、L−アスコルビン酸カリウム、及びアスコルビン酸6−パルミチン酸エステルが挙げられる。
説明のためにミネラルを列挙すると、カルシウム、マグネシウム、鉄、銅、ヨウ化物、亜鉛、マンガン、ナトリウム、カリウム、セレン、クロム、モリブデン、フッ化物、炭酸塩及び塩化物が挙げられる。
説明のために有機酸を列挙すると、酢酸、クエン酸、乳酸、リンゴ酸、コリン及びタウリンが挙げられる。
説明のためにアミノ酸を列挙すると、L−アラニン、L−アルギニン、L−システイン、L−ヒスチジン、L−グルタミン酸、L−グルタミン、L−イソロイシン、L−ロイシン、L−リシン、L−メチオニン、L−オルニチン、フェニルアラニン、L−スレオニン、L−トリプトファン、L−チロシン、及びL−バリンが挙げられる。
説明のために脂肪酸を列挙すると、C4:0、C6:0、C8:0、C10:0、C11:0、C12:0、C13:0、C14:0、C15:0、C16:0、C17:0、C18:0、C20:0、C21:0、C22:0、C24:0、C14:1 n−5、C15:1 n−5、C16:1 n−7、C17:1 n−7、C18:1 n−9 トランス、C18:1 n−9 シス、C20:1 n−9、C22:1 n−9、C24:1 n−9、C18:2 n−6 トランス、C18:2 n−6 シス、C18:3 n−6、C18:3 n−3、C20:2 n−6、C20:3 n−6、C20:3 n−3、C20:4 n−6、C22:2 n−6、C20:5 n−3及びC22:6 n−3脂肪酸が挙げられる。CX:Yの命名法において、Xは脂肪酸中の炭素原子の総数を表し、Yは脂肪酸中の二重結合の総数を表す。
用語「植物栄養素」とは、有益な健康作用を伴う、植物由来の生理活性化合物のことである。
説明のために、すべてを網羅するものではないが、植物栄養素を列挙すると:カロテノイド、トリテルペノイド、モノテルペン及びステロイドといったテルペノイド(イソプレノイド);例えば天然のモノフェノール、ポリフェノール(例えば、フラボノイド、イソフラボノイド、フラボノリグナン、リグナン、スチルベノイド、クルクミノイド、スチルベノイド及び加水分解性タンニン)といったフェノール化合物;芳香族酸(例えば、フェノール酸及びヒドロキシケイ皮酸);カプサイシン;フェニルエタノイド;アルキルレソルシノール;グルコシノレート;ベタレイン及びクロロフィルが挙げられる。
本願で使用される用語「必須栄養素」とは、被験体が内因的に合成できない、又は良好な健康に必要な量で合成できない栄養素のことである。例えば、必須栄養素は、被験体の食事から得られるべき栄養素であり得る。
説明のために、すべてを網羅するものではないが、必須栄養素を列挙すると、必須脂肪酸、必須アミノ酸、必須ビタミン及び必須食物ミネラルが挙げられる。
ヒトにとっての必須アミノ酸としては、フェニルアラニン、バリン、スレオニン、トリプトファン、メチオニン、ロイシン、イソロイシン、リシン及びヒスチジンが挙げられる。
ヒトにとっての必須脂肪酸としては、α−リノレン酸及びリノール酸が挙げられる。
用語「投与単位」とは、適宜いくつかの副単位からなり、栄養素の用量、すなわち、栄養摂取の目標値と実測値との差に対応する量を被験体に送達する単位のことである。
栄養組成物を含む投与単位は、飲み込む、あるいは口から排出する必要がないことが好ましい。したがって、栄養素が口腔液と共に飲み込まれ、消化管で吸収(腸管内吸収)されるように、投与単位は、被験体の口に入ると急速に崩壊し、それによって栄養素を口腔液に放出するものである。この目的のため、投与単位及び栄養組成物は、水溶性材料、特に唾液のような口腔液に可溶な材料をベースとする。更に又は適宜、栄養素は口腔粘膜によって少なくとも部分的に吸収される(腸管外吸収)。
「ホイル」又は「フィルム」とは、薄く、可撓性の、材料の層の、リーフ又はシートのことである。適宜、同一又は異なる材料の、1つより多い層が提供され得る(多層ホイル又はフィルム)。
「インクジェットプリント技術」は、プリント溶液又はインクの液滴を、担体上に向けて吹きつけることを伴う、コンピュータによるプリントの一種である。「インクジェットプリントされた錠剤、ホイル、フィルム、又はウェハー」の場合、栄養組成物が適切な担体上にインクジェットプリントされる。好ましくは、担体は口腔液、例えば唾液に可溶なものである。
「3Dプリント技術」は、デジタルモデルから、実質的にはいかなる形状の3次元の固体目的物でも作製する方法を包含する。固体目的物の形成は添加方法の手段によって行われ、連続する材料の層が、同一又は異なる形状で付加される。「3Dプリントされた錠剤、ホイル、フィルム、又はウェハー」の場合、栄養組成物は、錠剤、ホイル、フィルム、又はウェハー中に含まれる。これは、栄養組成物を、(投与形態の)マトリクスを形成するための化合物と混合することによって達成できる。なお、得られる混合物は、3Dプリントに好適なものでなくてはならない。栄養素を有する別の層及び栄養素を含まない別の層も、考慮される。
ある実施形態において、栄養組成物は、食品上又は他の食用品上に噴霧されてもよい。
「患者」とは、医師のケア又は看護ケアを必要とする個人のことである。入院中の患者に対するケアとは別に、そのようなケアは、老人ホームにおいて、又は在宅ケアとしても提供することができる。この用語は、乳幼児、小児、成人及び高齢者を包含する。患者は老人ホームの入居者及び/又は寝たきりの人であってもよい。この用語は、動物、特にネコ又はイヌなどのコンパニオンアニマルも含む。
「甲状腺機能障害」又は「甲状腺腫」の状態は、手術が必要となることが多く、その結果損傷が生じ、以後口及び喉領域の創傷治癒へと続く。したがって、これらの状態が原因で手術を受けたばかりの患者は、特に本発明から恩恵を得られるものと考えられる。更に、このような患者は、ヨウ化物の補給を必要とする場合がある(上記参照)。
「被験体に対し、少なくとも1つの栄養素について摂取の目標値を決定する」工程は生体外で実施されるのが好ましく、例えば、文献、データベース又は同様の情報源からの情報に基づいて計算される。しかしながら、被検体の代謝速度を測定するなど、ヒト又は動物の体に対する検査を検討してもよい。
本発明の更なる利点及び特徴は、下記の実施例及び添付の図1から、当業者には明らかとなるであろう。
本発明を実施するための1つの方法を示すフローチャート図である。
実施例1:栄養所要量の決定
患者の栄養所要量は、定常的な治療のための特定の理由(例えば、手術又は疾患若しくは医学的状態の治療)、任意の(更なる)疾患、患者の全身健康状態、性別、年齢、又は肥満度指数(BMI)といった、選択されたパラメータを考慮した上で決定する。基本的に、例えば、個人の代謝速度を変化させるなどによって栄養所要量に影響することが知られているすべてのパラメータが、考慮され得る。栄養所要量は、入院又は老人ホームへの入居後すぐに決定される場合があり、適切であれば、例えば、変化した状況に適応するために、その決定を繰り返す場合がある。
栄養所要量に基づき、栄養摂取の目標値を計算する。
好ましくは、栄養所要量の決定及び栄養摂取の目標値の計算は、データ処理システム、例えばコンピュータの支援によって実行される。
実施例2:栄養素供給の不足の決定
患者は栄養摂取の目標値を満たす食事、例えば、すべて揃った料理又は任意の食品を提供される。食物は自動システム又は人によって提供される。好ましくは、食物は病院で調理されたもの、又は老人ホームで調理されたものである。食物は、患者に提供される前に、自動的に又は手作業で秤量される。提供された食物を患者が消費し切れない場合、未消費の食物を、自動的に又は手作業で秤量(g又はkg)することにより、定量化する。食物の提供時の重量に対する未消費の食物の比率から、未消費の栄養素の量、すなわち、栄養摂取の目標値と実測値との差、を計算する。
好ましくは、計算工程及び定量化工程は、データ処理システム、例えばコンピュータの支援によって実行される。
実施例3:インクジェットプリントされたホイル又はフィルムの製造
所定の濃度(量/容量、例えば、g/L、mg/mL、mol/L、又はmmol/L)の栄養素を有するプリント溶液の形態の栄養組成物を調製する。次に、栄養組成物の所定の容量、並びに、したがって栄養素の所望の量を、支持材となるホイル又はフィルム上にプリントする。プリントの方法は、単一のプリント工程、又はプリント工程を数回繰り返すことによって、実施できる。
実施例4:3Dプリントされた投与形態の製造
所定の濃度の栄養素を含有する3Dプリント溶液を調製する。次に、所定の容量のプリント溶液を連続的に層にし、所望の量の栄養素を含有する投与形態を造形することによって、3次元の目的物を形成する。

Claims (22)

  1. 被験体における栄養摂取及び/又は栄養状態の不全が検出された少なくとも1つの栄養素を含み、投与単位に含まれる栄養組成物であって、前記栄養素が、前記被験体における前記栄養摂取及び/又は栄養状態の目標値と実測値との差に対応する量で前記投与単位中に存在することを特徴とする、栄養組成物。
  2. プリントされた栄養組成物である、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記プリントされた栄養組成物が、インクジェットプリント若しくは3Dプリントされた栄養組成物、2Dプリントされた組成物、又は、食品若しくは他の食用品上に噴霧されたものである、請求項2に記載の組成物。
  4. 前記栄養素が、タンパク質、アミノ酸、炭水化物、オリゴ糖、脂肪、脂質、脂肪酸、ヌクレオチド、ビタミン、酸化防止剤、ミネラル、微量元素、及び電解質からなる群から選択される多量栄養素又は微量栄養素である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物。
  5. 前記目標値及び/又は前記実測値が、1食当たり又は1食品当たりの栄養素の量として示される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の栄養組成物を含み、経口投与、好ましくは舌下投与、経舌投与又は頬側投与のために設計された、投与単位。
  7. 錠剤、ホイル、フィルム、及びウェハーからなる群から選択される投与形態として提供される、請求項6に記載の投与単位。
  8. 前記投与単位及び前記プリントされた栄養組成物が、口腔液、好ましくは唾液に可溶な、少なくとも1つの薬学的に許容される化合物をベースとする、請求項6又は7に記載の投与単位。
  9. 被験体における栄養失調の予防又は治療に使用するための、請求項1〜5のいずれか一項に記載の栄養組成物、又は請求項6〜8のいずれか一項に記載の投与単位。
  10. 前記被験体が、病院、施設若しくは老人ホームに泊まる入院患者、好ましくは外科患者及び/若しくは創傷治癒過程の患者、又は化学療法若しくは放射線治療を受けている患者である、請求項9に記載の組成物、又は請求項8に記載の投与単位。
  11. 前記被験体が、術前若しくは術後の食欲不振若しくは食欲欠如、悪心、嘔吐、拒食症、嚥下障害、食道狭窄、咀嚼若しくは嚥下の障害、口若しくは喉の刺激若しくは損傷若しくは炎症若しくは感染、口若しくは喉の疾患若しくは悪性病変、甲状腺機能障害、甲状腺腫、失見当識、及び認知症からなる群から選択される病状に罹患している、請求項9若しくは10に記載の組成物、又は請求項8若しくは9に記載の投与単位。
  12. 前記被験体が、術後悪心嘔吐(PONV)に罹患している、請求項9〜11のいずれか一項に記載の組成物、又は請求項9〜11のいずれか一項に記載の投与単位。
  13. (a)被験体に対し、少なくとも1つの栄養素について目標値を決定する工程と、
    (b)栄養素の前記目標値と実測値との差を計算する工程と、
    (c)栄養組成物を調製する工程と、
    (d)好ましくはプリント技術を用いてプリントされた、前記栄養組成物を製造する工程と、を含み、
    前記栄養素が、工程(b)で求められた差に対応する量で存在する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の栄養組成物を製造する方法、又は請求項6〜8のいずれか一項に記載の投与単位を製造する方法。
  14. 前記目標栄養値及び前記実測栄養値が栄養摂取の値であり、
    (a)被験体に対し、少なくとも1つの栄養素について摂取の前記目標値を決定する工程と、
    (b)工程(a)で決定された目標値に対応する量の前記栄養素を含む食事又は食品を、前記被験体に提供する工程と、
    (c)前記食事又は食品が前記被験体によって消費されなかった場合にその比率を定量化する工程と、
    (d)前記被験体による栄養摂取の前記目標値と実測値との差を計算する工程と、
    (e)栄養組成物を調製する工程と、
    (f)プリント技術を用いて前記プリントされた栄養組成物を製造する工程と、を含み、
    前記栄養素が、工程(d)で求められた差に対応する量で存在する、請求項13に記載の方法。
  15. 前記目標値及び前記実測値が、前記被験体から採取した試料中の栄養素量であり、
    (a)被験体に対し、少なくとも1つの栄養素について前記目標値を決定する工程と、
    (b)前記被験体からの試料中の少なくとも1つの栄養素の量を測定する工程と、
    (c)前記目標値と、前記試料中の栄養素量の実測値との差を計算する工程と、
    (d)栄養組成物を調製する工程と、
    (e)好ましくはプリント技術を用いてプリントされた、前記栄養組成物を製造する工程と、を含み、
    前記少なくとも1つの栄養素が、工程(c)で求められた差に対応する量で存在する、請求項13に記載の方法。
  16. 前記試料中の前記実測栄養素量が、分光測定法、質量分析法又は核磁気共鳴分析法によって求められる、請求項15に記載の方法。
  17. 前記プリントされた栄養組成物が、インクジェットプリント、3Dプリント、又は食品若しくは他の食用品上に前記栄養組成物を噴霧することによって製造される、請求項13〜16のいずれか一項に記載の方法。
  18. (a)食事又は食品を定量化する手段、好ましくは秤量装置と、
    (b)被験体によって消費されなかった前記食事又は食品の比率を定量化する手段と、
    (c)前記被験体による栄養摂取の目標値と実測値との差を計算する手段と、
    (d)栄養組成物を調製する手段と、
    (e)好ましくはプリントされた、前記栄養組成物を製造する手段と、を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載のプリントされた栄養組成物を製造するシステム、又は請求項5〜7のいずれか一項に記載の投与単位を製造するシステム。
  19. (a)被験体からの試料中の1つ以上の栄養素の量を測定する手段と、
    (b)前記被験体の目標栄養値と実測栄養素値との差を計算する手段と、
    (c)栄養組成物を調製する手段と、
    (d)好ましくはプリントされた、前記栄養組成物を製造する手段と、を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の栄養組成物を製造するシステム、又は請求項6〜8のいずれか一項に記載の投与単位を製造するシステム。
  20. 前記プリントされた栄養組成物を製造する前記手段が、インクジェットプリント、2Dプリント、又は3Dプリントされた栄養組成物を製造するためのものである、請求項18又は19に記載の使用。
  21. 前記栄養組成物を製造する前記手段が、食品上又は他の食用品上に噴霧することである、請求項18又は19に記載の使用。
  22. 請求項2〜5のいずれか一項に記載のプリントされた栄養組成物を製造する、又は請求項5〜7のいずれか一項に記載の投与単位を製造する、好ましくはインクジェットプリント技術又は3Dプリント技術である、プリント技術の使用。
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