JP2017514520A - 土壌処理剤を注入するための装置 - Google Patents
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Abstract
土壌中に土壌処理剤を注入するための装置(10)が、ハンドル(17)と、土壌中に土壌処理剤を送達するためにハンドル(17)によって携行されるマニホルドヘッド(16)とを有する。マニホルドヘッド(16)は、或る注入期間にわたって或る動作圧力で土壌中に土壌処理剤の第1の量を送達するようにそれぞれが構成された第1の高圧ノズルのセット(38)と、先の注入期間にわたって先の動作圧力で土壌中に土壌処理剤の第2の量を送達するようにそれぞれが構成された第2の高圧ノズルのセット(102)とを有する。土壌処理剤の第2の量は、土壌処理剤の第1の量よりも多い。【選択図】図24
Description
本開示の分野は一般に、土壌処理に関し、より詳細には、土壌処理剤が注入される前に土壌表面を乱すことのない形で手持ち式施剤ツールを使用して地表面下に土壌処理剤(例えば、殺有害生物剤)を施剤するための方法及び装置に関する。
虫又は他の有害生物の蔓延を防止又は軽減するために、建造物近傍の土壌への土壌処理剤の挿入が用いられてきた。処理なしでは、これらの有害生物は、建造物の所有者又はその占有者にとって大きな迷惑又は危険となる恐れがある。そのような有害生物は、建造物の構造を冒すことで知られており、また、建造物に侵入して、建造物の占有者に他の問題をもたらす可能性がある。
少なくとも一つの公知の土壌処理方法は、構造物の下及び周辺、装飾的な植栽、ポール、フェンス、デッキ、又は他の木製要素の周辺又は近傍の土壌中に直接配置することにより、殺有害生物剤、肥料、又は他の土壌処理剤を施剤することを含む。この直接配置する方法は、掘削、溝掘り、及び/又はロッジング(rodding)(即ち、施剤デバイスを土壌に押し込むこと)を行い、次いで溝の掘り返した領域に土壌処理剤を直接配置することを含む。この公知の方法は、植生に被害をもたらしたり、造園を中断させたり、植生が再生するか新規の植え付けがなされるまで、処理した領域の美観及び価値に著しく影響を及ぼすか又はそれらを損なわせたりする可能性がある。
例えば、幾つかの一般的なシロアリ処理では、構造物の周囲の土壌への防蟻剤の直接配置は、おおよそ幅が4インチから6インチで深さが6インチの溝を掘削することを伴い、その溝に、10リニアフィート(linear feet)の溝の1フィートの深さにつき4ガロンの割合で防蟻剤合成物が施剤される。溝への土壌処理剤の施剤に加えて、土壌処理剤はまた、地中に、又はフッタ(footer)(即ち、建造物の基礎の一部)の頂部まで突き刺さるロッド型注入ツールの使用を通じて、地中に分配され得る。200リニアフィートの周囲長さを有する典型的な構造物の場合、準備し、掘削し、注入して、土壌処理剤の施剤を終わらせるための時間は、土壌のタイプ、及び施剤する技術者が二人組か単独かに応じて、少なくとも4時間から6時間を要する。
別の公知の土壌処理方法は、ツールを直接地中に挿入して、殺有害生物剤、肥料、又は他の土壌処理剤を地中に送達することを含む。土壌表面下への土壌処理剤の施剤は、処理剤の洗い流しを制限する一手段として使用されてきた。そのような土壌処理を実行するための典型的なデバイスは、土壌中に通路を作って土壌処理剤を地中に挿入することを可能にするために、針又は他の機械的なデバイスを利用してきた。これらのデバイスは、機械力を使用して穴を作ることを必要とするだけでなく、見苦しくなり得る穴を土壌に作ること、又は、挿入地点に隣接した土壌の不要な圧縮などの他の不都合な懸念を生じさせることといった、明白な制約を有する。さらに、地中に押し込まれるデバイスは、土壌病原体又は他の汚染物質で汚染される可能性があり、それらが次の注入地点に移される可能性がある。
土壌表面下に物質を効果的に注入する方法として高圧流を使用することは、Apparatus and Method for Aerating and/or Introducing Particulate Matter into a Ground Surfaceと題されたモンローへの米国特許第5,370,069号などで、以前から説明されていた。これらの方法は、土壌処理剤が流体に溶解しているものであれ流体とともに運ばれる粒状物質であれ、土壌処理剤を同伴する空気又は水などの流体の高圧ジェットを使用する。高圧ジェットは、内部に土壌処理物質が配置される小さな穴を土壌表面に形成するか、又は、土壌処理物質を急速に土壌表面に吸収させることができ、それにより、土壌乱れが最小限に抑えられる。高圧ジェットを使用する一つの利点は、土壌処理物質を土壌表面下に配置する前提として通路を作り出すために、機械的な作用力を必要としないことである。さらに、ツールを直接地表面下に配置することなどの、他の土壌乱れもなんら必要としない。
モンローの特許で開示されたデバイスなどのデバイスは、表面下への土壌処理物質の配置に効果的であるが、それらのデバイスは、土壌表面下の浅い距離に、また、機器のサイズが制限されない広く開けた場所にわたって、そのような物質を散布するように設計されている。これらの公知のデバイスは、特に虫の蔓延に対する処理に関する処理が一般的である、構造物、装飾的な植栽、ポール、フェンス、デッキ、及び他の木製要素の下並びに周辺の土壌中のより深い所に土壌処理剤を戦略的に注入するのには適していない。
したがって、構造物に隣接した地表面下に土壌処理剤(例えば、防蟻剤又は他の殺有害生物剤)を施剤するための手持ち式高圧施剤ツールが必要とされている。そのような手持ち式ツールにより、操作者は、家屋、デッキ、家屋及び/又はデッキに近接し得る任意の造園要素などの構造物の周囲、電柱の周囲、及び植物の周囲に、戦略的にそのツールを位置決めすることが可能になるであろう。ツールは、望ましい所定の深さまで土壌処理剤を注入するために制御された圧力で所定量の土壌処理剤を施剤するための複数のノズルを含み得る。これにより、施剤する領域が慎重に制御された、正確な施剤が可能になる。
一つの態様では、土壌中に土壌処理剤を注入するための装置が、ハンドルと、土壌中に土壌処理剤を送達するためにハンドルによって携行されるマニホルドヘッドとを含む。マニホルドヘッドは、或る注入期間にわたって或る動作圧力で土壌中に土壌処理剤の第1の量を送達するようにそれぞれが構成された第1の高圧ノズルのセットと、先の注入期間にわたって先の動作圧力で土壌中に土壌処理剤の第2の量を送達するようにそれぞれが構成された第2の高圧ノズルのセットとを有する。土壌処理剤の第2の量は、土壌処理剤の第1の量よりも多い。
別の態様では、土壌中に土壌処理剤を注入するための方法が一般に、第1の注入地点上に注入装置を位置決めすることを含む。注入装置は、マニホルドヘッド上に位置決めされた少なくとも一つの第1の高圧ノズルと、マニホルドヘッド上に位置決めされた少なくとも一つの第2の高圧ノズルとを含む。マニホルドヘッドに取り付けられた接触板が、土壌の上面に接触して配置される。接触板は、少なくとも一つの第1の高圧ノズルのそれぞれ及び少なくとも一つの第2の高圧ノズルのそれぞれに対応する、個別の開口部を有する。加圧処理剤液が、マニホルドヘッドに供給される。注入装置は、少なくとも一つの第1の高圧ノズル及び少なくとも一つの第2の高圧ノズルを通して加圧処理剤液を送達して前述の第1の注入地点において土壌中に注入するように、作動される。少なくとも一つの第1の高圧ノズルは、少なくとも一つの第2の高圧ノズルによって送達される処理剤液の量とは異なる処理剤液の量を送達する。作動させるステップは、第1の注入地点において事前に土壌を乱すことなく行われる。注入装置は、前述の第1の注入地点とは少なくとも部分的に異なる第2の注入地点上に移動される。注入装置は、少なくとも一つの第1の高圧ノズル及び少なくとも一つの第2の高圧ノズルを通して加圧処理剤液を送達して第2の注入地点において土壌中に注入するように、作動される。少なくとも一つの第1の高圧ノズルは、少なくとも一つの第2の高圧ノズルによって送達される処理剤液の量とは異なる処理剤液の量を送達する。作動させるステップは、前述の第2の注入地点において事前に土壌を乱すことなく行われる。
さらに別の態様では、土壌中に土壌処理剤を注入するための方法が一般に、第1の注入地点上に注入装置を位置決めすることを含む。注入装置はマニホルドヘッドを備え、このマニホルドヘッドは、それに取り付けられた接触板と、土壌処理剤に接触板を通過させるようにマニホルドヘッド上に位置決めされた複数の高圧ノズルとを含む。接触板は、土壌の上面に接触する。加圧処理剤液が、マニホルドヘッドに供給される。注入装置は、処理剤液の第1の量が第1の深さまで土壌中に注入されるように複数の高圧ノズルのうちの少なくとも一つの高圧ノズルを通して加圧処理剤液を送達するように、及び、処理剤液の第2の量が第1の深さとは異なる第2の深さまで土壌中に注入されるように複数の高圧ノズルのうちの他の少なくとも一つの高圧ノズルを通して加圧処理剤液を送達するように、作動される。作動させるステップは、前述の第1の注入地点において事前に土壌を乱すことなく行われる。注入装置は、前述の第1の注入地点とは少なくとも部分的に異なる第2の注入地点上に移動される。注入装置は、処理剤液の第1の量が第1の深さまで土壌中に注入されるように複数の高圧ノズルのうちの少なくとも一つの高圧ノズルを通して加圧処理剤液を送達するように、及び、処理剤液の第2の量が第1の深さとは異なる第2の深さまで土壌中に注入されるように複数の高圧ノズルのうちの他の少なくとも一つの高圧ノズルを通して加圧処理剤液を送達するように、作動される。作動させるステップは、前述の第2の注入地点において事前に土壌を乱すことなく行われる。
地表面下に土壌処理剤(例えば、殺有害生物剤、殺虫剤、又は防蟻剤)を施剤するための高圧注入システムについて、以下に詳細に説明する。本明細書で開示されるシステムは、殺有害生物剤、殺虫剤、又は防蟻剤を含む任意の適切な土壌処理剤を施剤するために使用することができ、また、様々なタイプの有害生物を抑制又は防除するために使用できることが理解される。例えば、シロアリ、アリ、ゴキブリ、甲虫、ハサミムシ、シミ、コオロギ、クモ、ムカデ、ヤスデ、サソリ、ワラジムシ、ダンゴムシ、ハエ、カ、ブヨ、ガ、ジガバチ、スズメバチ、ミツバチ等を抑制及び/又は防除することが望ましくあり得る。本明細書において、「殺有害生物剤」という用語は、昆虫、動物(例えば、ハツカネズミ、クマネズミ)、植物(例えば、雑草)、菌類、微生物(例えば、細菌及びウイルス)、偽体腔動物(例えば、線虫)、及びプリオンを含むいかなる有害生物をも阻止、駆除、撃退、又は軽減するための任意の物質又は混合物を意味する。「殺虫剤」という用語は、殺有害生物剤の一種であるが、本明細書では、昆虫を阻止、駆除、撃退、又は軽減するための任意の物質又は混合物を意味する。「防蟻剤」という用語は、殺虫剤の一種であるが、本明細書では、シロアリを阻止、駆除、撃退、又は軽減するための任意の物質又は混合物を意味する。本明細書において、用語「セット」は、一つ以上のものの群を意味する。
本明細書で説明される方法及びシステムは、地表面下への防蟻剤の施剤に関するものであるが、この方法及びシステムは、殺有害生物剤、殺虫剤、又は他の土壌処理剤を施剤するために使用することもできる。本明細書で説明されるような防蟻剤の使用は、決して限定的なものとして意図されていない。むしろ、防蟻剤の使用は、例示を目的としたものである。したがって、本明細書で説明される方法及びシステムは、地面の下に任意のタイプの土壌処理剤(例えば、殺有害生物剤、肥料、他の土壌改良材料、及び、構造物の周辺部の周りに配置される殺虫剤を含む昆虫処理剤)を施剤するために使用することができ、決して防蟻剤のみに限定されるものではない。
本明細書で説明される方法及びシステムは、防蟻剤流体供給カート(ベースユニット)と、構造物、装飾的な植栽、ポール、フェンス、デッキ、並びに他の木製要素の下及び周りの土壌中への防蟻剤の施剤又は注入を容易にする可搬型手持ち式施剤ツールとを含む。例示的な実施形態は、掘削、溝掘り、及び/又はロッジングなどの特定の公知の技法、これらは全て少なくとも地表面又は土壌を機械的に乱すことを必要とするが、そのような技法を使用して防蟻剤を施剤する必要性を排除する。これらの公知の技法は、植生に被害をもたらしたり、造園を中断させたり、植物が再生するか新規の植え付けがなされるまで、処理した領域の美観及び価値に影響を及ぼすかそれらを損なわせたりする可能性がある。
本明細書で説明される施剤システムは、施剤ツールを含み、この施剤ツールは、その頂部にはT字形ハンドル(tee−handle)を有し、その底部にはマニホルド組立体を有する。T字形ハンドルは、ハンドルとマニホルド組立体との間に延在する垂直軸の各側上に握り部分を含む。握り部分は、施剤中のツールの保持を支援し且つ手の負担を和らげるために、ゴム製グリップを含むことができる。ツールの垂直軸は、ハンドルが押し下げられたときにポーゴー(pogo stick)そっくりに軸を圧縮することを可能にする幾つかの部品から成る。軸が圧縮されることで、吐出し弁、例えばポペットを一時的に開放する、電子トリガスイッチ(概して、「作動装置」)が作動される。操作者がマニホルド組立体(即ち、デバイス板)を地面の上に位置させているときには、操作者は、ハンドルを使用して、軸に対して下向きの圧力(おおよそ15〜20ポンド)を加えてトリガスイッチを作動させ、そしてトリガスイッチが、地中への防蟻剤の注入を1回だけ生じさせる。操作者は、スイッチを切るために、軸に加えられた圧力を解放しなければならず、それによりシステムがリセットされる。
例示的な実施形態では、スイッチは、軸が1回圧縮されるたびに、1回だけ吐出し弁を作動させる。したがって、軸が1回圧縮されるたびに、吐出し弁が1回だけ開かれて、ツールから所定量の防蟻剤が吐き出される。軸が解放されると、ツールのスイッチはリセットされる。次いで、再度軸を圧縮することにより、次の施剤を行うことができる。
施剤ツールはまた、マニホルド組立体を軸に取り付ける取付けブラケットを含む。このブラケットは、施剤ヘッド又はマニホルド組立体が少なくとも一つの軸の周りで枢動できるようにする。それにより、操作者は、施剤スイッチの作動の前にマニホルド組立体が適切に位置決めされるように、ツールを調整することができる。
マニホルド組立体は、吸入口、吐出し弁、複数の高圧ノズル、マニホルドヘッド、及び、複数の高圧ノズルを保護するための接触板を含む。システムはまた、供給カートと手持ち式施剤ツールとの間に延在する、少なくとも一つの高圧液体ライン及び電気接続を含む。システムはまた、圧力マニホルド、及び、電子スイッチの1回の作動中に吐出し弁が開いたままでいる時間の長さを設定する電子制御装置(概して、「弁閉塞装置」)を含む。
動作にあたっては、供給カート上に収容された容器からの測定された分量の液体防蟻剤濃縮物が、測定された供給量の水と混合されて、列形噴射システムによって施剤ツールへ送り込まれる。別の実施形態では、防蟻剤溶液は、列形注入ポンプ又は列形注入デバイスを必要とすることなく、タンク又は容器から施剤ツールに供給される。さらに別の実施形態では、防蟻剤濃縮物は、操作者によって運搬され、また、バックパック、肩掛けホルスター、背負い紐、ベルトホルスター、足掛けホルスター、若しくは殺有害生物剤容器を保持することができる他の適切なデバイスの中に形成され且つ/又はそれらの内部に保持される可搬型の容器に収容され得る。
本明細書で説明される方法及びシステムは、地表面下の土壌に防蟻剤を注入するために、高圧を利用する。本明細書で説明される高圧注入システムは、現在の業界で標準的な液体防蟻剤注入システムが25psiから35psiの圧力を使用し、また、単一の注入孔又は注入口を通じて、地中に液体を注入するという点で、土壌処理のために防蟻剤を施剤する少なくとも幾つかの公知の液体注入システムとは異なる。本明細書で説明される例示的なシステムは、約50psiから約10,000psiの範囲の圧力で防蟻剤溶液を地中に注入し、また、別の実施形態では、約1,000psiから約7,000psiの圧力で注入し、さらに別の実施形態では、約4,000psiの圧力で注入する。
動作にあたっては、施剤ツールは、防蟻剤を施剤するための所望の圧力に設定される。次いで操作者は、マニホルド組立体を、より具体的には注入ノズルを保護する接触板を、所望の施剤領域に配置する。所望の領域は、例えば、構造物の壁又は基礎に隣接し得る。次いで操作者は、施剤ハンドルを押し下げて、ツールの軸を圧縮する。この加法への圧力により、デバイス軸の上方部分と下方部分とが接近し、それにより電子スイッチが作動される。スイッチは、吐出し弁を一時的に開いて、所定量の防蟻剤溶液が高圧注入ノズルを通って地中に入れるようにする。スイッチは、1回分の分量(即ち、所定量の防蟻剤溶液)のみがノズルを通過できるようにする。スイッチは、ハンドルに加えた圧力を解放して電子スイッチの二つの部品を分離できるようにすることにより、リセットされる。次いで施剤装置操作者は、手持ち式施剤ツールを壁に沿って次の施剤地点まで持ち上げるか又は摺動させて再度ハンドルを押し下げることになり、そのようにして、土壌への防蟻剤溶液の注入が繰り返される。操作者は、所望の施剤領域への防蟻剤の注入が終わるまで、手持ち式施剤ツールの移動と防蟻剤の注入とを続ける。一例では、所望の施剤領域は、防蟻剤の障壁が完全に構造物を取り囲み、それによりシロアリが障壁を越えて構造物まで来るのを阻害するように、構造物の周辺部とされる。
一代替実施形態では、電子スイッチは、ツールのT字形ハンドル部分上又はその近傍の、操作者がボタン又はスイッチを指又は親指で押し下げることで電子スイッチを作動させることができる位置に位置決めされ得る。別の実施形態では、ツールは、防蟻剤が施剤されるときに塗布される、泡、細粉、粉末、塗料、又は染料などの位置マーカを含み得る。位置マーカは、1回ごとの施剤中に接触板の位置に印を付けるために、地面にマーキング材料を塗布する。それにより、操作者は、施剤が行われた場所とデバイス板を再位置決めすべき場所とを視覚的に判定して、構造物の周辺部の周りで連続して防蟻剤の施剤が行われることを確実にすることができる。マーカはまた、施剤領域内での防蟻剤溶液の過度の又は不十分な施剤を防ぐのに役立つであろう。
本明細書で説明されるのと同じものを使用する高圧施剤ツール及び方法は、公知のシステムに勝る多くの利点を有する。例えば、本明細書で説明されるツールは、列形噴射組立体を含むことができ、この列形噴射組立体は、大量の防蟻剤溶液を混合する必要性を排除し、且つ、公共の道路又は私有地での大量の防蟻剤の搬送又は取扱いに伴う危険を減らす。高圧注入ツールの使用はまた、地中に防蟻剤溶液を施剤する前の掘削(即ち、溝掘り)の必要性を排除する。それにより、処理される構造物の周辺部の周りの景観及び/又は自然植生の破壊が軽減される。高圧注入ツールはまた、防蟻剤溶液を施剤するために土壌に施剤デバイスを押し込む必要性を減少させるか又は排除する。高圧ツールはまた、ノズルごとに特定の量の防蟻剤溶液を送達するように、また、施剤圧力を制御することにより溶液が土壌に浸透する深さを制御するように、プログラムすることができる。量及び圧力を制御することにより、防蟻剤の施剤量は、標準的な液体防蟻剤施剤量の25%から80%減少せることができ、したがって、費用が抑えられ、また、水の必要量が減少する。このことは、より乾燥した気候では又は乾期中では、特に重要である。高圧ツールはまた、構造物の周りでの防蟻剤処理を完了するのに必要とされる時間を著しく短縮する。この時間の短縮は、40%から80%に及び得る。その結果、現場で費やされる時間が短くなり、したがって、現場での準備及び施剤に関わる人件費が削減される。また、防蟻剤を地中に注入するときに注入ノズルを地面に極めて接近させて配置するように設計された施剤ツールは、施剤領域のすぐそばにいる操作者又は他の人への暴露の恐れを軽減する。
各図面を参照すると、図1は、本発明の例示的な一実施形態による、地中に防蟻剤を注入するための高圧注入システム10の概略図である。注入システム10は、手持ち式可搬型施剤ツール12(概して、「注入装置」)と、防蟻剤流体供給カート14(概して、「ベースユニット」)とを含む。施剤ツール12は、流体通路を確定する導管13(例えば、ホース)、及び少なくとも一つの電気接続15を介して、カート14に接続される。導管13は、流体(例えば、水及び/又は防蟻剤溶液)がカート14から施剤ツール12へ流れるのを可能にする。電気接続15は、施剤ツール12とカート14との間で様々な制御信号を伝送するために使用される。
図2は、手持ち式可搬型施剤ツール12の正面概略図であり、図3は、施剤ツール12の側面概略図である。手持ち式可搬型施剤ツール12は、ハンドル17、及びハンドルに取り付けられたマニホルドヘッド16を含む。ハンドル17は、上方部分18及び下方部分19を含む。上方部分18は、管状部分20、及び管状部分20の上端部24に取り付けられた握り部分22を含む。結果的に、ハンドル17の上方部分18は、全体的にT字の形状を有する。ハンドル17の下方部分19は、管状であるが、ハンドルの上方部分18の管状部分20に挿入されるサイズとされる。ハンドル17の下方部分19がハンドルの上方部分18の管状部分20に挿入されていると、上方部分は、下方部分に対して、第1の伸長位置から第2の圧縮位置まで移動することができる。ハンドル17の上方部分18をその第1の伸長位置の方へ付勢するために、ばね26などの付勢要素が設けられる。しかし、任意の公知の付勢要素26を使用できることが理解される。ハンドル17の下方部分19が引っ張られるかさもなければ上方部分18から引き抜かれるのを阻止し、それにより下方部分が上方部分に入れ子式に取り付けられたままでいることを確実にするために、フランジ(図示せず)又は他の適切な保持器が設けられ得る。ハンドル17の下方部分19の下端部28が、逆U字形の取付けブラケット30に取り付けられる。マニホルドヘッド16は、その端部32、34のそれぞれにおいて、一対の枢動ピン36を介して取付けブラケット30に枢着される。
マニホルドヘッド16は、複数の高圧ノズル38に防蟻剤を分配するために少なくとも一つの内部通路を含み、高圧ノズル38は、この内部通路と流体連通している。図3で明らかなように、例示されたマニホルドヘッド16は、二つの主内部通路40、42、及び主内部通路を連結する交差通路44を含む。マニホルドヘッド16は、単一のノズルを含めて任意の数の高圧ノズル38を含み得ることが意図されている。例えば、例示的な実施形態のマニホルドヘッド16は、各ノズルが相互にほぼ等距離の所に位置している六つの高圧ノズル38の行列を有する。一つの実施形態では、高圧ノズル38のそれぞれが、約0.002インチから約0.01インチの範囲のオリフィス径を有する。他の実施形態では、マニホルドヘッドは、一様でないサイズのオリフィスを有する高圧ノズルを含み得る。
図2を再度参照すると、高圧ノズル38を保護するために、マニホルドヘッド16の底面52に接触板50が取り付けられる。例示された実施形態では、接触板50は、複数の開口部54を含み、開口部のそれぞれは、複数の高圧ノズル38のうちのそれぞれ一つと概ね位置合わせされている。その結果、高圧ノズル38は、接触板50によって土壌から離間され、したがって、土壌には直接接触しない。さらに、接触板50は、防蟻剤の注入中に「蹴り上げ」られ得る土壌、岩石、及び/又は他の岩屑を遮蔽するか或いは遮断する。接触板50は、ツール12の摺動を容易にするために、丸みを帯びた縁部を含む。接触板50は、任意の適切な材料、例えば金属及び/又はプラスチックから作ることができる。
マニホルドヘッド16のサイズ及び形状は、ツール12が使用されるように意図された個々の用途に基づいて選択され得る。一つの実施形態では、マニホルドヘッド16は、図4に示されるように高圧ノズル38が1列に直線的に配列されるように、幅に対する長さの比が大きい形状を有する。別の実施形態では、マニホルドヘッド16は、図5に示されるように弓形形状を有する。弓形形状のマニホルドヘッド16は、樹木の周りなどの、円形の縁部の周りに適合するために使用され得る。マニホルドヘッド16は、交換可能とされることが意図されている。つまり、ツール12の操作者は、マニホルドヘッド16を選択的に取り換えることができる。マニホルドヘッド16は、低圧で防蟻剤の供給量を送達するための他の送達手段(例えば、ロッド型注入ツール)に置き換えられ得ることも、意図されている。そうした低圧送達手段は、高圧注入にあまり適していない領域で使用することができる。
マニホルドヘッド16の重量は、マニホルドヘッド16の質量が、操作者によるツールの手動での位置決め及び移動に対して過度に負担にならずに、複数の高圧ノズル38からの吐出し中にツール12を所定の位置に維持するのに役立つように、選択され得る。一般に、マニホルドヘッド16の質量が軽いほど、高圧ノズル38からの防蟻剤の吐出し中にツール12を所定の位置に維持するために操作者がハンドル17に加えなければならない力は大きくなる。
図2に示されるように、吐出し弁56が、マニホルドヘッド16に取り付けられ、且つ、マニホルドヘッド内の内部通路40、42、44、及び防蟻剤の供給源と流体連通する。より具体的には、吐出し弁56の一方の端部は、高圧吸入口58に結合され、吐出し弁のもう一方の端部は、ホース13に結合される。吐出し弁56は、開位置と閉位置との間で移動可能である。吐出し弁がその閉位置にあるときには、防蟻剤は、防蟻剤の供給源からホース13を通って高圧吸入口58を介してマニホルドヘッド内の内部通路40、42、44に流れることを抑制される。吐出し弁56が開かれているときには、防蟻剤溶液は、高圧を受けて、防蟻剤の供給源からホース13を通って吸入口58内へと流れる。加圧された防蟻剤は、吸入口58から、マニホルドヘッド16の内部通路40、42、44内に流れて高圧ノズル38を通り、そこから地中に注入される。防蟻剤は、一つの実施形態では約25psiから約10,000psiの圧力まで加圧され、別の実施形態では約1,000psiから約7,000psiの圧力まで加圧され、さらに別の実施形態では約4,000psiの圧力に加圧される。
一つの適切な実施形態では、吐出し弁56は、使用時の圧力に基づいた正確な土壌浸透深さと特定の用途のための正確な防蟻剤溶液の量とを可能にするための所望の時間パラメータの範囲内で吐出し弁56を開閉させるのに十分に迅速に動作することが可能な、電磁ポペット弁である。油圧駆動弁を使用することもできるが、そのような弁のサイズ及び重量の制約は、別の面では手持ち式施剤ツール12の有用性を制限する可能性がある。
別の適切な実施形態では、マニホルドヘッド16は、複数の高圧ノズル38にわたって均一な防蟻剤流体の分配を確実にすることができるように、高圧ノズル38のそれぞれに関連付けられた吐出し弁56を有し得る。吐出しの釣り合わせは、単に内部通路40、42、44のサイズを適切に決めることにより妥当なパラメータ範囲内で得ることができるが、必要とされるのであれば、また、費用が妥当とされるのであれば、吐出し弁56のそれぞれに供給する供給ホースに収容される加圧された防蟻剤溶液が、高圧ノズル38のそれぞれに十分な量の防蟻剤溶液が使用可能であることを実現し得るようにして、複数の吐出し弁56を使用することができる。しかし、そのような構成は、制御装置が1回の作動に応答して複数の吐出し弁56を作動させなければならないという点において、システム10の複雑さを強める。即ち、弁を制御するのに必要とされる配線及び電力の量が増大する。ただし、所用電力は、より小型の吐出し弁56を使用することによって相殺することができる。
図2に示されるように、トリガスイッチ60(概して、「作動装置」)が、ハンドル17の下方部分19に取り付けられ、また、トリガスイッチ作動装置62が、上方部分18に取り付けられる。トリガスイッチ60は、吐出し弁56に電気的に結合されるが、トリガスイッチ作動装置62がトリガスイッチ60と係合したときに、吐出し弁56を作動させる。例示された実施形態では、また、図3で明らかなように、トリガスイッチ作動装置62は、ハンドル17の上方部分18がその第2の圧縮位置まで移動されたときに、トリガスイッチと係合される。したがって、トリガスイッチ60は、トリガスイッチ作動装置がトリガスイッチ60と係合するまで、上方部分がハンドルの下方部分19に対して下方に摺動するように上方部分に力を加えることにより、ハンドル17の上方部分18をその第1の伸長位置からその第2の圧縮位置まで移動させることによって、作動させることができる。
別の実施形態(図示せず)では、トリガスイッチ60は、ハンドル17の上方部分18の握り部分22上の、操作者が指又は親指を使用してトリガスイッチ60を作動させることができる位置に配置され得る。トリガスイッチは、吐出し弁56から高圧ノズル38への防蟻剤の流れを遮断する機械的なデバイスであってもよく、又は、吐出し弁56への電気信号を遮断し、したがって吐出し弁56の作動を妨げる、電気的なスイッチであってもよい。
地中に防蟻剤を注入するためには、操作者は、接触板50が地表面と接触するように手持ち式可搬型施剤ツール12を位置決めする。上方部分18をその第1の位置からその第2の位置まで移動させ、それにより上方部分に取り付けられたトリガスイッチ作動装置62を下方部分19に取り付けられたトリガスイッチ60と係合させるために、操作者により約15ポンドから20ポンドの間の下向きの力がハンドル17の上方部分18に加えられる。トリガスイッチ作動装置62とトリガスイッチ60とが係合することにより、トリガスイッチ60が作動される。その結果、電気信号がトリガスイッチ60から吐出し弁56に送られて、吐出し弁は、所定の時間にわたってその閉位置からその開位置まで移動され、それにより、防蟻剤が、地中に防蟻剤を注入するための高圧ノズル38へと流されてそこから外に出る。次いで操作者は、ハンドル17から圧力を解放し、それによりトリガスイッチがリセットされる。より具体的には、ばね26が、ハンドル17の上方部分18をその第1の伸長位置まで後退させる。例示されたトリガスイッチ60は、ハンドル17がリセットされるまでに吐出し弁56が繰り返し開くのを防ぐために、ハンドル17の1回の圧縮中に1回だけ動作するように構成される。
地中への防蟻剤溶液の浸透深さは、防蟻剤溶液がツール12から吐き出されるときの圧力と、防蟻剤が注入される土壌のタイプとの関数である。例えば、粘度などの固く詰まった又は圧縮された土壌は、柔らかい砂質の土壌よりも浸透させづらく、より高い圧力を必要とする場合がある。したがって、一定の圧力において、砂質の土壌への防蟻剤の浸透力は、約12インチから14インチになる可能性があり、一方で、同じ圧力での砂壌土への防蟻剤の浸透力は、約6インチから9インチになる可能性があり、また、同じ圧力での粘土質土壌への防蟻剤の浸透力は、約2インチから5インチになる可能性がある。しかし、防蟻剤の浸透力は、圧力を高くするほど大きくすることができることが理解される。例えば、粘土質土壌への防蟻剤の浸透力は、十分に高い圧力では、約10インチから12インチになる可能性がある。
図5を参照すると、マニホルドヘッドは、アーチ形、半円形、又は他の角度が付けられ撓んだ形態に形成され得る。そのようにして形成されたマニホルドは、湾曲した又は角度の付いたマニホルドにより施剤者が施剤対象地点に近接した領域内に殺有害生物剤を配置することが可能になる、樹木、茂み、柱、ポール、鉢植え、根鉢、若しくは他の植物、又は構造要素の周りでの殺有害生物剤溶液の注入を容易にするのに、よく適するであろう。
図6及び図7も参照すると、マニホルドヘッド16はまた、複数の低圧ノズル66を含み得る。図6の例示された実施形態では、低圧ノズル66のそれぞれは、複数の高圧ノズル38のうちの一つに隣接して位置決めされている。図7に例示されている別の実施形態では、低圧ノズル66のそれぞれは、高圧ノズル38のうちの一つと同心である。低圧ノズル66は、低圧吐出し弁68が開かれたときに、地表面上に防蟻剤溶液を施剤する。低圧吐出し弁は、前述の吐出し弁65と同じように動作する。低圧ノズル66は、約35psi未満の圧力で地面に防蟻剤溶液を施剤するように構成される。
次に図8を参照すると、手持ち式可搬型施剤ツール12はまた、防蟻剤が注入された領域を示すために土壌の表面に位置マーカ材料を置き、また、1回ごとの施剤中にマニホルドヘッド16の位置に印を付けるための、複数のノズル70(概して、「ディスペンサ」)を含み得る。マニホルドヘッド16の位置に印を付けることにより、操作者は、防蟻剤が施剤された場所と次にマニホルドヘッドを位置決めするべき場所とを視覚的に観測することが可能になり、それにより、構造物の周辺部の周りに一様な防蟻剤の施剤を行うことが可能になる。さらに、塗布されたマーキング材料はまた、過度の及び/又は不十分な防蟻剤の施剤を防ぐのに役立ち得る。例えば、泡、粉末、塗料、及び染料などの、任意の適切なマーキング材料を使用することができる。例示された実施形態では、マーキング材料は、マニホルドヘッド16の周辺部の周りの複数のノズル70によって塗布される。マーキング材料を収容する容器72が、施剤ツール12か、又は図1に示されるカート14などの遠隔設置されたデバイスによって担持され得る。マーキング材料は、任意の適切な送達デバイスによって塗布することができ、また、本発明の範囲に含まれることが理解される。
防蟻剤溶液の供給は、供給カート14によって提供され得る。一つの実施形態では、カート14は、水タンク80と、防蟻剤溶液を加圧するための高圧ポンプ82と、防蟻剤濃縮物タンク84と、防蟻剤溶液を形成するために適量の水と混合される適量の防蟻剤濃縮物を供給する混合デバイス86とを含む。外部の水源(例えば、標準的な住宅用の蛇口)から水を受け取るための吸水口81も設けられる。水タンク80又は吸水口81のどちらかを省略できることが意図されている。供給カート14はまた、圧力ポンプ82を動作させる動力を生成し、且つ、ツール12に関連付けられた制御装置92を動作させる電流を生成するための、発電機90を備えたガソリン機関88を含む。別の実施形態では、電力は、施剤現場に設置された電気コンセントに接続することによって供給され得る。
供給カート14は、カート14が現場まで牽引されて次いでカート自体の動力で動き回ることができるように、車載式(例えば、トラック、バン、ATV)、牽引車搭載式、自己推進式、さらにはそれらの組合せであってもよいことが意図されている。また、供給カート14に取り付けられるものとして本明細書で説明されたシステム10の様々な構成要素のうちの幾つかは、施剤ツール12に取り付けられ得ることが意図されている。例えば、防蟻剤濃縮物タンク84及び混合デバイス86は、供給カート14ではなく施剤ツール12に取り付けられ得ることが意図されている。さらに、供給カート14は省略され得ることが意図されている。そのような実施形態では、少なくとも防蟻剤濃縮物タンク84、混合デバイス86、及び吸水口81は、施剤ツール12に搭載される。
カート14に取り付けられた制御装置92により、システム10の操作者は、防蟻剤注入のためのパルス持続時間及び圧力レベルを選択的に設定することができる。制御装置92は、混合デバイス86を通じた投与の適切な制御、又は注入回数の追跡、等が可能になるように、操作者に、オリフィスの数及びそのサイズを決定することなどによる使用される特定のマニホルドヘッド16に関連したパラメータの入力、使用される防蟻剤溶液に関連したパラメータの入力等を可能とするように、プログラム可能とされ得る。防蟻剤注入のためのパルス持続時間及び/又は圧力レベルは、制御装置92を使用して設定することに加えて又はその代わりに、手動調節可能(例えば、手動で調節できる弁を介して)とできることが理解される。
図10に示されるように、システム10は、家屋94などの構造物に隣接した土壌を処理するための方法の一つの実施形態に従って使用することができる。例えば、システム10は、家屋94の周辺部の周りの土壌に防蟻剤を注入及び/又は施剤し、それによりシロアリが家屋に接近するのを阻止し且つ家屋に接近しているシロアリを抑える障壁を設けるために、使用することができる。一つの方法によれば、ベースユニット14は、家屋94に対して固定された位置に設置され、ツール12は、通常は家屋に隣接した注入地点96の上に、またより適切には注入地点96に接触して、位置決めされる。ツール12は、事前に土壌を乱すことなく注入地点96の土壌に防蟻剤を注入するために、上述のように操作される。次いでツール12は、少なくとも部分的には先の注入地点とは異なり且つ通常は家屋94に隣接した別の注入地点96へと、供給カート14に対して移動される。例示された実施形態では、注入地点96は、全体的に、相互に隣り合った関係で位置している。ツール12は、事前に土壌を乱すことなくこの次の注入地点96の土壌に防蟻剤を注入するように、再度操作される。
図10で明らかなように、ツール12は、各注入地点が協調して実質的に家屋94の全周を取り囲むように、構造物に隣接した複数の注入地点96まで移動されてそこで操作される。図10は、防蟻剤が注入された複数の注入地点96(図には実線で示されている)と、これから防蟻剤が注入される複数の注入地点(図には破線で示されている)とを示す。防蟻剤は、注入地点96のそれぞれ又はそのうちの幾つかの地点の土壌表面にも施剤され得ることが理解される。土壌に殺有害生物剤溶液が注入された場所を示すために、土壌の上にマーキング材料が付着され得ることがさらに理解される。また、必要であれば、供給カート14は、手持ち式ツール12が家屋94の周辺部の周りで使用されるにつれて別の場所に移動できることが意図されている。
次に図11を参照すると、別の実施形態では、マニホルドヘッド16は、矩形に配列された、より適切には隣接したノズル38が相互にほぼ等距離の所に位置している正方行列配置100に配列された、四つの高圧ノズル38を含む。例示された実施形態では、高圧ノズルのそれぞれは、全体的に、正方行列配置100の各隅部に位置決めされる。高圧ノズル38の正方行列がマニホルドヘッド16に二つ以上形成されてもよいことが意図されている。例えば、図12は、六つの高圧ノズル38が隣り合った二つの正方行列100(又は、単一の矩形行列)を形成する、一実施形態を示す。マニホルドヘッド16は、1+(x/2)個の隣り合った正方行列100を形成する、等距離の所に位置する4+x個の高圧ノズル38を含み得ることが意図されており、ここで、xは、0よりも大きい偶数の整数である。高圧ノズル38は、直交行列配置、例えば、矩形行列、六角形の行列、八角形の行列、等に配列できることも意図されている。
図11及び図12で明らかなように、正方行列100のそれぞれの中央に、多孔高圧ノズル102を位置決めすることができる。図示された多孔ノズル102のそれぞれは、行列100の隅部に向かって角度を付けられた四つの孔104を含む。高圧ノズル38のそれぞれは、ノズル38からの防蟻剤の吐出流106がマニホルドヘッド16の底面52に対して実質的に直角になるように配向される。マニホルドヘッド16が地面の上に位置決めされると、吐出流106は、地表面に対して実質的に垂直になり、例えば、地表面が実質的に水平である場合には鉛直になる。多孔ノズル102の孔104のそれぞれは、孔からの防蟻剤の吐出流108を高圧ノズル38のうちの一つからの吐出流106と交差させるように構成される。多孔高圧ノズル102の孔104のうちの一つからの吐出流108による、高圧ノズル38のうちの一つからの吐出流106との交差は、地表面下約1インチから12インチで生じ得る。多孔ノズル102の孔104のうちの一つの孔の吐出流108の垂直からの角度110は、所望の交差の深さ及びノズル38間の距離に基づく。吐出流の交差は、注入された防蟻剤の一部を貯留させる可能性がある。例えば、高圧ノズル38が相互に2インチ離間している場合、孔104の吐出流108の垂直からの角度110は、表面下1インチでの交差に対しては約54度であり、表面下6インチでの交差に対しては約9度であり、表面下12インチでの交差に対しては約5度である。
孔104から放出される防蟻剤の吐出流が概ね垂直になるように多孔ノズル102の孔104を構成できること、及び、高圧ノズル38から放出される防蟻剤の吐出流が垂直以外になるように複数の高圧ノズル38のうちの幾つか又は全てを構成できることが意図されている。一つの適切な実施形態では、防蟻剤は、概ね円錐形の吐出流でノズル38から放出される。多孔ノズル102の孔104及び複数の高圧ノズル38は、垂直以外の防蟻剤の吐出流を放出するように構成できることがさらに意図されている。これらの構成のどちらにおいても、制御板の周辺に向かって(即ち、多孔ノズル102から離れる方に)角度を付けられた吐出流を放出してそれにより防蟻剤の分布領域を増大するように、複数の高圧ノズル38のうちの幾つか又は全てを構成することができ、また、内方に角度を付けられた吐出流と、多孔ノズルの孔104から放出された吐出流と交差するように多孔ノズル102に向かって角度を付けられた吐出流とを放出するように、複数の高圧ノズル38のうちの幾つか又は全てを構成することができる。
動作にあたっては、マニホルドヘッド16は、地面上に位置決めされ、操作者は、吐出し弁56を開かせるトリガスイッチ60を作動させ、それにより、所定量の防蟻剤が高圧ノズル38のそれぞれと多孔高圧ノズル102の孔104のそれぞれとに流れてそこから出て行くことを可能にし、それにより、防蟻剤が地中に注入される。高圧ノズル38のそれぞれからの防蟻剤の吐出流106は、実質的に垂直に地中に注入される。孔104からの防蟻剤の吐出流108は、孔104のそれぞれからの吐出流108を高圧ノズル38からのそれぞれの吐出流106と地表面下で交差させる垂直からの角度110で、地中に注入される。
孔104の角度を付けられた吐出流108により、高圧ノズル38だけを使用した場合よりも広い注入領域への防蟻剤の供給が実現される。孔104の角度を付けられた吐出流108は、高圧ノズル38によって注入される防蟻剤によって確定される外側注入ゾーン内に配置する、注入領域の中央注入ゾーン内の土壌中に、防蟻剤を注入する。高圧での防蟻剤の注入により、防蟻剤の吐出流106、108が土壌を通過するにつれて土壌が破壊される。別の実施形態では、孔104のそれぞれは、それらの防蟻剤の吐出流108が高圧ノズル38からのそれぞれの吐出流106と正確に交差することがないように、わずかにオフセットされる。
図12を再度参照すると、別の実施形態では、多孔ノズル102の代わりに、四つの中央高圧ノズル112が使用され得る。四つの中央ノズル112は、行列100の中央にまとめて位置決めされ、それぞれが、正方行列の異なる隅部に向かって角度を付けられる。上述の多孔ノズル102と同様に、中央ノズル112は、それらの吐出流108を高圧ノズル38のうちのそれぞれ一つからの吐出流106と交差させるように構成される。中央高圧ノズル112のうちの一つからの吐出流108による高圧ノズル38のうちの一つからの吐出流106との交差は、土壌表面下約1インチから約12インチで生じ得る。中央ノズル112の吐出流108の垂直からの角度110は、所望の交差の深さ及び高圧ノズル38間の距離に基づく。例えば、各高圧ノズル38が相互に2インチ離間している場合、中央ノズル112からの吐出流108の垂直からの角度110は、表面下1インチでの交差に対しては約54度であり、表面下6インチでの交差に対しては約9度であり、表面下12インチでの交差に対しては約5度である。
図13は、上述された防蟻剤を地中に注入するための高圧注入システムで使用するのに適した、手持ち式可搬型施剤ツール212(概して、「注入装置」)の別の実施形態の概略図である。ツール212の相対的サイズは、開けた空間(例えば、芝地)での使用にも、狭い空間(例えば、這って進むような空間)での使用にも適したものである。図13で明らかなように、施剤ツール212は、ハンドル217、及びハンドルに取り付けられたマニホルドヘッド216を含む。マニホルドヘッド216は、一対の枢動ピン236(図13及び図14には一方の枢動ピンが示されている)を介してハンドル217に枢動可能に取り付けられているが、図1〜図3に示されたマニホルドヘッド16と実質的に同一である。そのため、図13及び図14に示されたマニホルドヘッド216については、詳細には説明しない。
ツール212のハンドル217は、上方部分218及び下方部分219を含む。例示された実施形態では、ツールの上方部分218及び下方部分219の両方が、全体的にU字形のブラケットを含む。ハンドル217の上方部分218は、第1の伸長位置(図13)から第2の圧縮位置(図14)まで、下方部分219に対して移動することができる。一対のばね226などの付勢要素が、ハンドル217の上方部分218を、その第1の伸長位置に向けて、また、下方部分219から離れる方向に付勢する。例示された実施形態では、ばね226のそれぞれは、ボルト223を介してハンドル217に取り付けられている。さらに、下方部分に対する上方部分の移動範囲を限定するために、一対の上方止め具225及び一対の下方止め具227が下方部分219に取り付けられて、上方部分218に形成されたスロット229を貫通する。図13及び図14には、一方の上方止め具225及び一方の下方止め具227が示されている。しかし、任意の公知の付勢要素226を使用できること、及び、他の適切な方法で付勢要素をハンドル217に取り付けられることが理解される。ハンドル217の上方部分218と下方部分219との間の相対運動を制限するために、他のタイプの止め具を使用できることも理解される。
図13及び図14に示されるように、トリガスイッチ260(概して、「作動装置」)が、ハンドル217の下方部分219に取り付けられる。トリガスイッチ260は、吐出し弁256に電気的に結合され、トリガスイッチが作動されたときにその吐出し弁を作動させる。図14で明らかなように、トリガスイッチ260は、ハンドル217の上方部分218が手動で押されてトリガスイッチと接触することによって作動される。つまり、トリガスイッチ260は、トリガスイッチ260が作動されるまで上方部分がハンドルの下方部分219に対して下方に摺動するように上方部分に力を加えることでハンドル217の上方部分218をその第1の伸長位置からその第2の圧縮位置まで手動で移動させることによって、作動させることができる。トリガスイッチ260が作動することにより、防蟻剤がマニホルド216を通じて地中に注入される。
次に図15〜図17を参照すると、これらの図は、別の例示的な実施形態による防蟻剤(又は、他の適切な処理剤)を地中に注入するための高圧注入システム310を概略的に示している。図15で明らかなように、注入システム310は、手持ち式可搬型施剤ツール312(概して、「注入装置」)と、供給カート314(概して、「ベースユニット」)とを含む。施剤ツール312は、流体通路を確定する導管313(例えば、ホース)、及び少なくとも一つの電気接続315を介して、カート314に接続される。導管313は、流体(例えば、水及び/又は防蟻剤溶液)がカート314から施剤ツール312へ流れるのを可能にする。電気接続315は、施剤ツール312とカート314との間で様々な制御信号を伝送するために使用される。
図16は、手持ち式可搬型施剤ツール312の正面概略図であり、図17は、施剤ツール312の側面概略図である。手持ち式可搬型施剤ツール312は、ハンドル317、及びハンドルに取り付けられたマニホルドヘッド316を含む。ハンドル317は、上方部分318及び下方部分319を含む。上方部分318は、管状部分320、及び管状部分320の上端部324に取り付けられた握り部分322を含む。結果的に、ハンドル317の上方部分318は、全体的にT字の形状を有する。ハンドル317の下方部分319は、やはり管状であるが、ハンドルの上方部分318の管状部分320に挿入されるサイズとされる。ハンドル317の下方部分319がハンドルの上方部分318の管状部分320に挿入されていると、上方部分は、下方部分に対して、第1の伸長位置から第2の圧縮位置まで移動することができる。ハンドル317の上方部分318をその第1の伸長位置の方へ付勢するために、ばね326などの付勢要素が設けられる。しかし、任意の公知の付勢要素326を使用できることが理解される。ハンドル317の下方部分319が引っ張られるかさもなければ上方部分318から引き抜かれるのを阻止し、それにより下方部分が上方部分に入れ子式に取り付けられたままでいることを確実にするために、フランジ(図示せず)又は他の適切な保持器が設けられ得る。
ハンドル317の下方部分319の下端部328が、逆U字形の取付けブラケット330に取り付けられる。マニホルドヘッド316は、その端部332、334のそれぞれにおいて、一対の枢動ピン336を介して取付けブラケット330に枢着される。マニホルド316に対するハンドル317の枢動を制限するために、一つ以上の止め具(図示せず)が設けられ得ることが意図されている。足用ブラケット331が、U字形の取付けブラケット330に取り付けられる。ツール312の使用時には、使用者はその足を足用ブラケット331の上に置いて、注入中のツールの動きを抑えることができる。
マニホルドヘッド316は、複数の高圧ノズル338に防蟻剤を分配するために少なくとも一つの内部通路を含み、高圧ノズル338は、この内部通路と流体連通している。図17で明らかなように、例示されたマニホルドヘッド316は、二つの主内部通路340、342、及び主内部通路を連結する交差通路344を含む。マニホルドヘッド316は、任意の数の高圧ノズル338を含み得ることが意図されている。例えば、例示的な実施形態のマニホルドヘッド316は、各ノズルが相互にほぼ等距離の所に位置している六つの高圧ノズル338の行列を有する。一つの実施形態では、高圧ノズル338のそれぞれは、約0.002インチから約0.01インチの範囲のオリフィス径を有する。しかし、他の実施形態では各オリフィスの直径が相互に異なり得ることが、理解される。
図16を再度参照すると、高圧ノズル338を保護するために、マニホルドヘッド316の底面352に接触板350が取り付けられる。例示された実施形態では、接触板350は、複数の開口部354を含み、開口部のそれぞれは、複数の高圧ノズル338のうちのそれぞれ一つと概ね位置合わせされている。その結果、高圧ノズル338は、接触板350によって土壌から離間され、したがって、土壌には直接接触しない。さらに、接触板50は、防蟻剤の注入中に「蹴り上げ」られ得る土壌、岩石、及び/又は他の岩屑を遮蔽するか或いは遮断する。図17で明らかなように、接触板350は、ツール312の摺動(例えば、引き摺り)を容易にするために、丸みを帯びた縁部を含む。接触板350は、任意の適切な材料、例えば金属及び/又はプラスチックから作ることができる。
この実施形態では、防蟻剤の注入中に「蹴り上げ」られ得る土壌、岩石、及び/又は他の岩屑をさらに遮蔽するか或いは遮断するために、キックガード398が接触板350上の三つの側面から外方に延在する。例示された実施形態では、接触板及びマニホルドヘッド316を物体及び構造物に接近させて配置し易くするために、接触板350の一つの側面にはキックガード398が存在しない。しかし、キックガード398は接触板350の全周(即ち、四つの側面全て)の周りに延在し得ることが理解される。一つの適切な実施形態では、キックガード398は、適切なゴム材料の三つの片から作られ、各ゴム材料片は、接触板350のそれぞれの側面から外方に延在している。しかし、キックガード398は、他の適切な構成(例えば、ブリストル、帯板、フラップ)を有することができ、また、任意の適切な材料で作られ得ることが理解される。
図16に示されるように、吐出し弁356が、マニホルドヘッド316に取り付けられ、且つ、マニホルドヘッド内の内部通路340、342、344、及び防蟻剤の供給源と流体連通する。吐出し弁356は、開位置と閉位置との間で移動可能である。吐出し弁がその閉位置にあるときには、防蟻剤溶液は、高圧吸入口358を介してマニホルドヘッド内の内部通路340、342、344に流れることを抑制される。吐出し弁356が開かれているときには、防蟻剤溶液は、高圧を受けて吸入口358に流れ込む。加圧された防蟻剤溶液は、吸入口358から、マニホルドヘッド316の内部通路340、342、344内に流れて高圧ノズル338を通り、そこから地中に注入される。防蟻剤溶液は、一つの実施形態では約25psiから約10,000psiの圧力まで加圧され、別の実施形態では約1,000psiから約7,000psiの圧力まで加圧され、さらに別の実施形態では約4,000psiの圧力に加圧される。
一つの適切な実施形態では、吐出し弁356は、使用時の圧力に基づいた正確な土壌浸透深さと特定の用途のための正確な防蟻剤溶液の量とを可能にするための所望の時間パラメータの範囲内で吐出し弁356を開閉させるのに十分に迅速に動作することが可能な、電磁ポペット弁である。油圧駆動弁を使用することもできるが、そのような弁のサイズ及び重量の制約は、別の面では手持ち式施剤ツール312の有用性を制限する可能性がある。
図16に示されるように、トリガスイッチ360(概して、「作動装置」)が、ハンドル317の下方部分319に取り付けられ、また、トリガスイッチ作動装置362が、上方部分318に取り付けられる。トリガスイッチ360は、吐出し弁356に電気的に結合されるが、トリガスイッチ作動装置362がトリガスイッチ360と係合したときに、吐出し弁356を作動させる。例示された実施形態では、また、図16で明らかなように、トリガスイッチ作動装置362は、ハンドル317の上方部分318がその第2の圧縮位置まで移動されたときに、トリガスイッチと係合される。したがって、トリガスイッチ360は、トリガスイッチ作動装置がトリガスイッチ360と係合するまで、上方部分がハンドルの下方部分319に対して下方に摺動するように上方部分に力を加えることにより、ハンドル317の上方部分318をその第1の伸長位置からその第2の圧縮位置まで移動させることによって、作動させることができる。
一つの適切な実施形態では、システム310を迅速且つ容易に止めるために、ハンドル317の上方部分318の握り部分322上の操作者が作動させることができる位置に、緊急停止スイッチ(図示せず)が配置され得る。緊急停止スイッチは、ハンドル317の握り部分322以外のツール312の他の部分に配置され得ることが意図されている。また、ツール312に配置される緊急停止スイッチに加えて又はその代わりに、カート314に緊急停止スイッチが設けられ得ることが意図されている。さらに、緊急停止スイッチは、システム(即ち、制御装置)に組み込むことができ、それにより、吐出し弁356が指定された時間間隔内で開かない場合には、緊急停止スイッチがクラッチを圧力マニホルドから係脱させ且つ/又は機関を停止させることが意図されている。
この実施形態では、第1の防蟻剤濃縮物タンク384’及び投与デバイス385が、ツール312のハンドル317に取り付けられる。投与デバイス385は、防蟻剤濃縮物タンク384’と流体連通し、且つ、トリガスイッチ360が作動されるたびに所定量(即ち、1回分の投与量)の濃縮防蟻剤を適切な第1の混合デバイス386’に送達するように構成される。一つの適切な実施形態では、投与デバイス385は、濃縮防蟻剤の所定量を調節することができるように調節可能である。別の適切な実施形態では、投与デバイス385は、調節不可能である。つまり、トリガスイッチ360が作動されるたびに混合デバイス386’に送達される濃縮防蟻剤の量は、投与デバイスを交換しなければ変更することができない。一つの適切な投与デバイス385は、アメリカ、インディアナ州、インディアナポリス(Indianapolis)のSMCコーポレーションから、製品番号NCMB075−0125として入手可能である。例示された実施形態では、混合デバイス386’はマニホルドヘッド316の頂部に取り付けられているが、混合デバイスは別のやり方で取り付けられてもよいことが理解される。例えば、混合デバイス386’は、ハンドル317の下方部分319に取り付けることができる。
なおも図16を参照すると、蓄圧器387がハンドル317に取り付けられている。蓄圧器387は、カート314からの加圧水(又は、他の適切な搬送液体)を、それらが混合デバイス386’に送達される前に蓄えるように構成される。蓄圧器387は、カート314と混合デバイス386’との間の圧力降下の影響を最小限に抑える。したがって、蓄圧器387は、加圧水がカートから混合デバイスに直接送達される場合に比べて、より高圧でカート314から混合デバイス386’に加圧水を提供する。
図15に示された実施形態では、カート314は、水タンク380と、高圧ポンプ382と、第2の防蟻剤濃縮物タンク384と、防蟻剤溶液を形成するために適量の水と混合される適量の防蟻剤濃縮物を供給することが可能な第2の混合デバイス386とを含む。外部の水源(例えば、標準的な住宅用の蛇口)から水を受け取るための吸水口381も設けられる。水タンク380又は吸水口381のどちらかを省略できることが意図されている。
供給カート314はまた、圧力ポンプ382を動作させる動力を生成し、且つ、システム310に関連付けられた制御装置392を作動させる電力を生成するための、発電機390を備えたガソリン機関388を含む。別の実施形態では、電力は、施剤現場に設置された電気コンセントに接続することによって供給され得る。高圧ポンプ382によって押し進められる加圧水を冷却するために、放熱器191が設けられる。例示された実施形態では、カート314と施剤ツール312との間に延在するホース313を巻き取るために、ホースリール193がカート314に取り付けられている。蓄圧器387の前に加圧水を吐出することができるように、ツール312のハンドル317に加圧水バイパス389が設けられている。バイパス389は、高圧ポンプ382の呼び水入れ、及びホース313からの防蟻剤溶液の洗い流しを促進するために使用することができる。
制御装置392により、システム310の操作者は、防蟻剤注入のためのパルス持続時間及び圧力レベルを選択的に設定することができる。制御装置392は、混合デバイス386を通じた投与の適切な制御、又は注入回数の追跡、等が可能になるように、操作者に、オリフィスの数及びそのサイズを決定することなどによる使用される特定のマニホルドヘッド316に関連したパラメータの入力、使用される防蟻剤溶液に関連したパラメータの入力等を可能とするように、プログラム可能とされ得る。
地中に防蟻剤を注入するためには、操作者は、接触板350が地表面と接触するように手持ち式可搬型施剤ツール312を位置決めする。上方部分318をその第1の位置からその第2の位置まで移動させ、それにより上方部分に取り付けられたトリガスイッチ作動装置362を下方部分319に取り付けられたトリガスイッチ360と係合させるために、操作者により約15ポンドから20ポンドの下向きの力がハンドル317の上方部分318に加えられる。トリガスイッチ作動装置362とトリガスイッチ360とが係合することにより、吐出し弁356が作動される。より具体的には、電気信号がトリガスイッチ360から吐出し弁356に送られて、吐出し弁をプログラムされた時間にわたってその閉位置からその開位置まで移動させる。
さらに、下方部分319に対するハンドル317の上方部分318の運動により、所定量の防蟻剤濃縮物が、投与デバイス385により第1の防蟻剤濃縮物タンク384’から混合デバイス386’へ送達される。吐出し弁356を開くことにより、蓄圧器387が、その中に蓄えられた加圧水のうちの少なくとも一部を混合デバイス386’へ解放する。防蟻剤濃縮物及び加圧水は、混合デバイス386’内で混ざり合って、防蟻剤溶液を形成する。次いで、防蟻剤溶液は、マニホルドヘッド316へと押し進められ、そこから地中に注入するための高圧ノズル338へ流れて、高圧ノズル338から出て行く。
次いで操作者は、ハンドル317から圧力を解放し、それにより、トリガスイッチ360、投与デバイス385、及び蓄圧器387がリセットされる。より具体的には、ばね326が、ハンドル317の上方部分318をその第1の伸長位置まで後退させる。例示されたトリガスイッチ360は、ハンドル317がリセットされるまでに吐出し弁356が繰り返し開くのを防ぐために、ハンドル317の1回の圧縮中に1回だけ動作するように構成される。
地中への防蟻剤溶液の浸透深さは、防蟻剤溶液がツール312から吐き出されるときの圧力と、吐出し弁356が開いたままでいる継続時間と、防蟻剤が注入される土壌のタイプとの関数である。一つの適切な実施形態では、地中への防蟻剤の浸透力は、約12インチから16インチの間である。
カート314に取り付けられた、第2の防蟻剤濃縮物タンク384及び第2の混合デバイス386は、カートを低圧での施剤のために使用できるようにする。防蟻剤の低圧施剤は、本明細書で例示された施剤ツール312を使用して、又は従来のロッジング技法を使用して行うことができる。第2の防蟻剤濃縮物タンク384及び第2の混合デバイス386は省略され得ることが理解される。
次に図18〜図22を参照すると、これらの図は、全体が510で示された、さらに別の例示的な実施形態による防蟻剤(又は、他の適切な土壌処理剤)を地中に注入するための高圧注入システムを示している。図18で明らかなように、注入システム510は、手持ち式可搬型施剤ツール512(概して、「注入装置」)と、供給カート514(概して、「ベースユニット」)とを含む。施剤ツール512は、流体通路を確定する導管513(例えば、ホース)、及び少なくとも一つの電気接続515を介して、カート514に接続される。導管513は、流体(例えば、水及び/又は防蟻剤溶液)がカート514から施剤ツール512へ流れるのを可能にする。電気接続515は、施剤ツール512とカート514との間で様々な制御信号を伝送するために使用される。
次に図19〜図21を参照すると、手持ち式可搬型施剤ツール512は、ハンドル517、及びハンドルに取り付けられたマニホルドヘッド516を含む。ハンドル517は、上方部分518及び下方部分519を含む。上方部分518は、管状部分520、管状部分の上端部524に取り付けられた第1の握り部分522、及び管状部分の下端部525に取り付けられた第2の握り部分523を含む。一対の握り527が、第1の握り部分522と第2の握り部分523との間で選択的に移動可能である。例えば、例示された実施形態では、第1の握り部分522及び第2の握り部分523の両方が、握り527のうちの一つを受け入れるための一対のねじ込みソケットを含み、握り527もまた、ねじが切られている。その結果、使用者は、背の高い使用者に適合するように設計された第1の握り部分522と、背の低い使用者に適合するように設計された第2の握り部分523との間で、握り527を選択的に移動させることができる。上方部分518はまた、第2の握り部分523から下方に延在している二本の離間した管状軸529を含む。
ハンドル517の下方部分519は、ハンドルの上方部分518の管状軸529に挿入されるように構成された二本の離間した管状軸533を有する。下方部分519の二本の管状軸533が上方部分518の二本の管状軸529に挿入されていると、上方部分は、下方部分に対して、第1の伸長位置から第2の圧縮位置まで移動することができる。ハンドル517の上方部分518及び下方部分519は、幾つかの実施形態では三本以上の管状軸529、533を有し得ることが理解される。ハンドル517の上方部分518をその第1の伸長位置の方へ付勢するために、一対のばね526などの付勢要素が設けられる。例示された実施形態では、一方のばね526が、ハンドル517の上方部分518の管状軸529のうちの一方の軸内に配置され、もう一方のばねが、上方部分の管状軸のうちのもう一方の軸内に配置される。しかし、任意の適切な付勢要素526を使用できることが理解される。ハンドル517の下方部分519が引っ張られるかさもなければ上方部分518から引き抜かれるのを阻止し、それにより下方部分が上方部分に入れ子式に取り付けられたままでいることを確実にするために、フランジ(図示せず)又は他の適切な保持器が設けられ得る。
ハンドル517の下方部分519の二本の管状軸533は、逆U字形の取付けブラケット530に取り付けられる。図20で明らかなように、逆U字形の取付けブラケット530は、構造物(例えば、建物、植生、フェンス)の隣及びすぐ下へのマニホルドヘッド516の配置を容易にするために、ハンドル517に対して角度を付けられている。例示された実施形態では、ブラケット530は、ハンドル517に対して約10度の角度を付けられている。しかし、ブラケット530は、ハンドル517に対して任意の適切な角度(例えば、約0度から約45度の間の任意の角度)で配列できることが理解される。U字形の取付けブラケット530は省略することができ、また、マニホルドヘッド516は下方部分519の二本の管状軸533に取り付けられることが理解される。
一つの適切な実施形態では、マニホルドヘッド516は、その端部のそれぞれにおいて、一対の枢動ピン536を介して取付けブラケット530に枢着される。その結果、ハンドル517をマニホルドヘッド516に対して移動させることができる。マニホルド516に対するハンドル517の枢動を制限するために、一対の止め具537が設けられる。止め具537は、ハンドル517が所定の可動域を越えてマニホルドヘッド516に対して枢動するのを阻止する。適切には、止め具537は、ハンドル517が枢動して導管513に接触するのを阻止する。足用ブラケット531が、U字形の取付けブラケット530に取り付けられる。ツール512の使用時には、使用者はその足を足用ブラケット531の上に置いて、注入中のツールの動きを抑えることができる。
マニホルドヘッド516は、複数の高圧ノズル538に防蟻剤を分配するために少なくとも一つの内部通路を含み、高圧ノズル538は、この内部通路と流体連通している。マニホルドヘッド516は、任意の数の高圧ノズル538を含み得ることが意図されている。例えば、図示された例示的な実施形態のマニホルドヘッド516は、各ノズルが相互にほぼ等距離の所に位置している六つの高圧ノズル538の行列を有する。
高圧ノズル538を保護するために、マニホルドヘッド516の底面552に接触板550が取り付けられる。例示された実施形態では、接触板550は、複数の開口部554を含み、開口部のそれぞれは、複数の高圧ノズル538のうちのそれぞれ一つと概ね位置合わせされている。その結果、高圧ノズル538は、接触板550によって土壌から離間され、したがって、土壌には直接接触しない。さらに、接触板550は、防蟻剤の注入中に「蹴り上げ」られ得る土壌、岩石、及び/又は他の岩屑を遮蔽するか或いは遮断する。接触板550は、ツール512の摺動(例えば、引き摺り)を容易にするために、丸みを帯びた縁部を少なくとも一つ含む。接触板550は、任意の適切な材料、例えば金属及び/又はプラスチックから作ることができる。
この実施形態では、防蟻剤の注入中に「蹴り上げ」られ得る土壌、岩石、及び/又は他の岩屑をさらに遮蔽するか或いは遮断するために、キックガード598が接触板550上の一つの側面(例えば、後側面)から外方に延在する。より具体的には、キックガード598は、岩屑が、注入された防蟻剤によって「蹴り上げ」られて、先の注入によって生成された土壌の開口部を通って出てくるのを抑制する。したがって、例示されたキックガード598は、全体的に先の注入地点の上に乗るようなサイズ及び形状とされる。一つの適切な実施形態では、キックガード598は、適切なゴム材料の単一片から作られる。しかし、キックガード598は、他の適切な構成(例えば、ブリストル、帯板、フラップ)を有することができ、また、任意の適切な材料から作られることが理解される。
図19に示されるように、吐出し弁556が、マニホルドヘッド516に取り付けられ、且つ、マニホルドヘッド内の内部通路及び防蟻剤の供給源と流体連通する。吐出し弁556は、開位置と閉位置との間で移動可能である。吐出し弁がその閉位置にあるときには、防蟻剤溶液は、マニホルドヘッド内の内部通路に流れることを抑制される。吐出し弁556が開かれているときには、防蟻剤溶液は、高圧を受けてマニホルドヘッド内の内部通路に流れ込み、高圧ノズル538を通り、そこから地中に注入される。防蟻剤溶液は、一つの実施形態では約25psiから約10,000psiの圧力まで加圧され、別の実施形態では約1,000psiから約7,000psiの圧力まで加圧され、さらに別の実施形態では約4,000psiの圧力に加圧される。
一つの適切な実施形態では、吐出し弁556は、使用時の圧力に基づいた正確な土壌浸透深さと特定の用途のための正確な防蟻剤溶液の量とを可能にするための所望の時間パラメータの範囲内で吐出し弁556を開閉させるのに十分に迅速に動作することが可能な、電磁ポペット弁である。油圧駆動弁を使用することもできるが、そのような弁のサイズ及び重量の制約は、別の面では手持ち式施剤ツール512の有用性を制限する可能性がある。
図19及び図21に示されるように、トリガスイッチ作動装置562が、ハンドル517の下方部分519に取り付けられ、また、トリガスイッチ560(概して、「作動装置」)が、トリガスイッチ作動装置に下向きに面し且つハンドルの上方部分の管状軸529と下方部分の管状軸533との間に配置されるように、上方部分518に取り付けられる。トリガスイッチ560は、吐出し弁556に電気的に結合されるが、トリガスイッチ作動装置562がトリガスイッチ560と係合したときに、吐出し弁556を作動させる。例示された実施形態では、トリガスイッチ作動装置562は、ハンドル517の上方部分518がその第2の圧縮位置まで移動されたときに、トリガスイッチによって係合される。したがって、トリガスイッチ560は、トリガスイッチがトリガスイッチ作動装置と係合するまで、上方部分がハンドルの下方部分519に対して下方に摺動するように上方部分に力を加えることにより、ハンドル517の上方部分518をその第1の伸長位置からその第2の圧縮位置まで移動させることによって、作動させることができる。トリガスイッチ560が下を向き且つ上方部分の管状軸529の間に配置されるようにして、トリガスイッチ560をハンドル517の上方部分518に取り付けることにより、トリガスイッチ560の不注意な作動が阻止される。
この実施形態では、第1の防蟻剤濃縮物タンク584’及び投与デバイス585が、ツール512のハンドル517に取り付けられる。図19で明らかなように、第1の防蟻剤濃縮物タンク584’は、概ねツール512の長手軸に沿って位置合わせされるようにして、ハンドルの上方部分518の管状軸529のそれぞれに取り付けられる。その結果、第1の防蟻剤濃縮物タンク584’の重量は、上方部分518の二本の管状軸529の間にほぼ均等に分散される。やはり図19で明らかなように、投与デバイス585は、下方部分の二本の管状軸533の間に配置されるようにして、ハンドル517の下方部分519に取り付けられる。その結果、ハンドル517の下方部分519の管状軸533は、投与デバイス585に対するある程度の保護又は投与デバイス585の遮蔽を提供する。
投与デバイス585は、防蟻剤濃縮物タンク584’と流体連通し、且つ、トリガスイッチ560が作動されるたびに所定量(即ち、1回分の投与量)の濃縮防蟻剤を適切な第1の混合デバイス586’に送達するように構成される。一つの適切な実施形態では、投与デバイス585は、濃縮防蟻剤の所定量を調節することができるように調節可能である。別の適切な実施形態では、投与デバイス585は、調節不可能である。つまり、トリガスイッチ560が作動されるたびに混合デバイス586’に送達される濃縮防蟻剤の量は、投与デバイスを交換しなければ変更することができない。一つの適切な投与デバイス585は、アメリカ、インディアナ州、インディアナポリス(Indianapolis)のSMCコーポレーションから、製品番号NCMB075−0125として入手可能である。例示された実施形態では、混合デバイス586’はマニホルドヘッド516の頂部に取り付けられているが、混合デバイスは別のやり方で取り付けられてもよいことが理解される。例えば、混合デバイス586’は、ハンドル517の下方部分519に取り付けることができる。
蓄圧器587が、ハンドル517に取り付けられる。より具体的には、蓄圧器587は、概ねツール512の長手軸に沿って位置合わせされるようにして、ハンドル517の下方部分519の二本の管状軸533の間に取り付けられる。その結果、蓄圧器の重量は、下方部分519の二本の管状軸533の間にほぼ均等に分散される。蓄圧器587は、カート514からの加圧水(又は、他の適切な搬送液体)を、それらが混合デバイス586’に送達される前に蓄えるように構成される。蓄圧器587は、カート514と混合デバイス586’との間の圧力降下の影響を最小限に抑える。したがって、蓄圧器587は、加圧水がカートから混合デバイスに直接送達される場合に比べて、より高圧でカート514から混合デバイス586’に加圧水を提供する。
図18に示された実施形態では、カート514は、水タンク580と、高圧ポンプ582と、第2の防蟻剤濃縮物タンク584と、防蟻剤溶液を形成するために適量の水と混合される適量の防蟻剤濃縮物を供給することが可能な第2の混合デバイス586とを含む。外部の水源(例えば、標準的な住宅用の蛇口)から水を受け取るための吸水口581も設けられる。水タンク580又は吸水口581のどちらかを省略できることが意図されている。
供給カート514はまた、圧力ポンプ582を動作させる動力を生成し、且つ、システム510に関連付けられた制御装置592を動作させる電力を生成するための、発電機590を備えたガソリン機関588を含む。別の実施形態では、電力は、施剤現場に設置された電気コンセントに接続することによって供給され得る。注入と注入の間で(又は、所定の時間間隔の後で)高圧ポンプ582を係脱させ、それにより高圧ポンプによって押し進められる水が加熱されるのを抑えるために、クラッチ機構591が設けられる。例示された実施形態では、カート514と施剤ツール512との間に延在する導管513を巻き取るために、ホースリール593がカート514に取り付けられている。蓄圧器587の前に加圧水を吐出することができるように、ツール512のハンドル517に加圧水バイパス589が設けられている。バイパス589は、高圧ポンプ582の呼び水入れ、及び導管513からの防蟻剤溶液の洗い流しを促進するために使用することができる。一つの適切な実施形態では、バイパス589は、バイパスを通過する液体(例えば、水、防蟻剤溶液)、気体(例えば、空気)、又はそれらの組合せをマニホルドヘッドの下に吐出することができるように、マニホルドヘッド516に流体的に接続される。
図22で明らかなように、ホースリール593は、スプール594と、スプールを供給カート514に取り付けるための取付けブラケット595と、スプールを取付けブラケットに対して手動で回転させるためのハンドル596とを含む。したがって、スプール594は、スプールの周りで導管513を巻き取ったり繰り出したりするために、ハンドル596を使用して、取付けブラケット595に対して選択的に回転させることができる。水タンク580及び/又は外部の水源からの水は、回転式連結器597を通じて導管513に供給される。回転式連結器597により、スプール594を、したがってスプールに巻き付けられた導管513を、回転式連結器597と水タンク580及び/又は外部の水源とを接続する吸入ライン(図示せず)に対して回転させることが可能になる。回転式連結器597は、吸入ラインのねじれを抑制する。なおも図22を参照すると、ハンドル596は、スプール594の周りに巻き取られた導管513に電気接続515を供給するために、その自由端に回転式電気コネクタ599を含む。回転式電気コネクタ599は、導管513がスプール594の周りで巻き取られたり繰り出されたりするときに、電気接続515がねじれるのを抑制する。
図18を再度参照すると、制御装置592により、システム510の操作者は、防蟻剤注入のためのパルス持続時間及び圧力レベルを選択的に設定することができる。制御装置592は、混合デバイス586を通じた投与の適切な制御、又は注入回数の追跡、等が可能になるように、操作者に、オリフィスの数及びそのサイズを決定することなどによる使用される特定のマニホルドヘッド516に関連したパラメータの入力、使用される防蟻剤溶液に関連したパラメータの入力等を可能とするように、プログラム可能とされ得る。制御装置592は、カート514に取り付けられた制御装置に加えて又はその代わりに、ツール512に取り付けられ得ることが理解される。
地中に防蟻剤を注入するためには、操作者は、接触板550が地表面と接触するように手持ち式可搬型施剤ツール512を位置決めする。上方部分518をその第1の位置からその第2の位置まで移動させ、それにより上方部分に取り付けられたトリガスイッチ560を下方部分519に取り付けられたトリガスイッチ作動装置562と係合させるために、操作者により約15ポンドから20ポンドの下向きの力がハンドル517の上方部分518に加えられる。トリガスイッチ作動装置562とトリガスイッチ560とが係合することにより、吐出し弁556が作動される。より具体的には、電気信号がトリガスイッチ560から吐出し弁556に送られて、吐出し弁を所定の時間にわたってその閉位置からその開位置まで移動させる。
さらに、下方部分519に対するハンドル517の上方部分518の運動により、所定量の防蟻剤濃縮物が、投与デバイス585により第1の防蟻剤濃縮物タンク584’から混合デバイス586’へ送達される。吐出し弁556を開くことにより、蓄圧器587が、その中に蓄えられた加圧水のうちの少なくとも一部を混合デバイス586’へ解放する。防蟻剤濃縮物及び加圧水は、混合デバイス586’内で混ざり合って、防蟻剤溶液を形成する。次いで、防蟻剤溶液は、マニホルドヘッド516へと押し進められ、そこから地中に注入するための高圧ノズル538へ流れて、高圧ノズル538から出て行く。
次いで操作者は、ハンドル517から圧力を解放し、それにより、トリガスイッチ560、投与デバイス585、及び蓄圧器587がリセットされる。より具体的には、ばね526が、ハンドル517の上方部分518をその第1の伸長位置まで後退させる。例示されたトリガスイッチ560は、ハンドル517がリセットされるまで吐出し弁556が繰り返し開くのを防ぐために、ハンドル517の1回の圧縮中に1回だけ作動するように構成される。
地中への防蟻剤溶液の浸透深さは、防蟻剤溶液がツール512から吐き出されるときの圧力と、吐出し弁556が開いたままでいる継続時間と、防蟻剤が注入される土壌のタイプとの関数である。一つの適切な実施形態では、地中への防蟻剤の浸透力は、約12インチから16インチの間である。
カート514に取り付けられた、第2の防蟻剤濃縮物タンク584及び第2の混合デバイス586は、カートを低圧での施剤のために使用できるようにする。防蟻剤の低圧施剤は、本明細書で例示された施剤ツール512を使用して、又は従来のロッジング技法を使用して行うことができる。幾つかの実施形態では、第2の防蟻剤濃縮物タンク584及び第2の混合デバイス586は省略され得ることが理解される。
次に図23を参照すると、別の実施形態では、マニホルドヘッド616は、様々な出力容量の複数の別個の高圧ノズル636、637、638、639を有する。例えば、示された図23の実施形態では、高圧ノズル636、637、638、639は、四種の異なるオリフィスサイズの高圧ノズルである。例えば、各高圧ノズル636は、直径D1の全体的に円形のオリフィス641を有し、各高圧ノズル637は、直径D1とは異なり直径D1よりも適当に大きい直径D2の、全体的に円形のオリフィス642を有し、各高圧ノズル638は、直径D1及びD2とは異なりそれらの直径よりも適当に大きい直径D3の、全体的に円形のオリフィス643を有し、各高圧ノズル639は、直径D1、D2及びD3とは異なりそれらの直径よりも適当に大きい直径D4の、全体的に円形のオリフィス644を有する。他の実施形態では、オリフィスがわずかに二種の異なる直径のオリフィス、又は三種の異なるサイズのオリフィス、又は四種を超える異なるサイズのオリフィスである複数のオリフィスをマニホルドヘッド616が有し得ることが、理解される。ノズル636、637、638、639は、実質的に同じ圧力で動作するが、異なるサイズのオリフィス641、642、643、644は、動作中に異なる量の土壌処理剤を放出する。例えば、約4,000psiの施剤圧力で装置が作動する一つの実施形態では、径D4のノズル639は、おおよそ8gal./min.を出力し、直径D3のノズル638は、おおよそ6gal./min.を出力し、直径D2のノズル637は、おおよそ4gal./min.を出力し、ノズル636は、おおよそ2gal./min.を出力する。
この実施形態では、同じ圧力で放出される異なる量の土壌処理剤はまた、図24に示されるように、土壌中の異なる深さへの土壌処理剤の浸透をもたらすことになる。いかなる特定の理論にも束縛されるものではないが、土壌の特性及び土壌液状化の過程により、同じ継続時間にわたって同じ圧力で放出される異なる量の土壌処理剤が土壌中の異なる深さに浸透することが可能になると考えられる。他の実施形態では、高圧ノズル636、637、638、639によって放出される土壌処理剤の量及び/又は浸透深さを変化させるための任意の適切な手段が、本発明の幾つかの特徴から逸脱することなく使用され得る。例えば、図示されていない第1及び第2のノズルが、同じサイズ及び形状のオリフィスをそれぞれ有し得る。図示されていない第1のノズルは、より少ないオリフィスを有する図示されていない第2のノズルよりも多量の土壌処理剤を注入するために、より多くのオリフィスを有し得る。或いは、図示されていない、同じマニホルド上に取り付けられた複数の高圧ノズルが、同じ量の土壌処理剤を、しかし異なる高圧で放出し得る。
同じく図24で明らかなように、高圧ノズル636、637、638、639から注入される土壌処理剤は、土壌侵入地点から下向きに、土壌中に細い流れを形成し、次いで、概ね土壌処理剤が土壌中に浸透する深さにおいて、土壌処理剤の拡大されたポケットを形成する。各ポケットは、それぞれの幅を有する。土壌ポケットの幅は、土壌処理剤の量、したがって土壌中への土壌処理剤の浸透深さとともに増大することが分かっている。したがって、例えば、直径D4のノズル639から放出される土壌処理剤によって形成される土壌ポケットは、それぞれの直径D1、D2、及びD3のノズル636、637、及び638から放出される土壌処理剤によって形成される土壌ポケットよりも幅広になる。
高圧ノズル636、637、638、639から放出される土壌処理剤の浸透深さを−図24に示されるように−変化させることにより、浅い深さまで浸透する土壌処理剤流によって形成される拡大されたポケットが、より深い深さまで浸透する土壌処理剤流によって形成される流れの細い部分間の土壌の領域を埋める。これにより、処理すべきシロアリ又は他の虫が土壌処理剤の注入によって処理される土壌のゾーンを移動している間に土壌処理剤に接触する可能性が高まる。
実験
本明細書で説明される注入装置に実質的に類似し、且つ、マニホルドの長さにわたって相互に(おおよそ4.5cm)離間した関係で単一の列に位置合わせされた三つのノズルを含むマニホルドを備えている、注入装置を使用して、実験を行った。他の全ての要因を一定に保ちながら4,000p.s.i.で処理液を注入した。土壌のタイプは、埴壌土等級に含まれる、適度なざらつきのある土壌であった。結果として、各注入事象が、三つの独立した土壌浸透をもたらした。各注入事象に対して、ノズルのオリフィスは、2gal./min、4gal./min、6gal./min、又は8gal./minの処理剤液を4,000p.s.iの作動圧力で送達するように構成されていた。
本明細書で説明される注入装置に実質的に類似し、且つ、マニホルドの長さにわたって相互に(おおよそ4.5cm)離間した関係で単一の列に位置合わせされた三つのノズルを含むマニホルドを備えている、注入装置を使用して、実験を行った。他の全ての要因を一定に保ちながら4,000p.s.i.で処理液を注入した。土壌のタイプは、埴壌土等級に含まれる、適度なざらつきのある土壌であった。結果として、各注入事象が、三つの独立した土壌浸透をもたらした。各注入事象に対して、ノズルのオリフィスは、2gal./min、4gal./min、6gal./min、又は8gal./minの処理剤液を4,000p.s.iの作動圧力で送達するように構成されていた。
各注入事象に続いて、平坦な刃先を有する鋤を使用して、処理剤液を注入した土壌を掘削した。外側の位置を発端として、液体の経路を測定することができるまで、おおよそ1.25cm刻みで土壌を切除した。掘削平面に沿った目に見える最大幅の地点で、土壌ポケットの幅を測定した。掘削平面に対して垂直でない平面においてポケットが最大幅であったことも考えられるが、サンプリング方法の制限により、これを判定することはできなかった。得られたデータの統計的分析は、異なるノズルの浸透深さと処理剤液出力との間に著しい違いが存在したことを示す。図25は、異なるノズルに対する平均注入深さと平均土壌ポケット幅とを概略的に示すグラフである。容易に分かるように、注入深さ及び土壌ポケット幅は、種々のノズルの処理剤液出力とともに増大した。
図23に示されるように、マニホルドヘッド616は、底面652を有し、この底面652は、本明細書において外側領域又は周辺領域601及び内側領域又は内部領域602と呼ばれるものを含む、矩形の境界線600によって区切られた二つの領域を有することを特徴とし得る。周辺領域601は、外側ではマニホルドヘッド616の底面652の外縁603によって境界され、内側では矩形の境界線600によって境界される。内部領域602は、矩形の境界線600によって完全に囲まれている。最大直径D4のオリフィス644を有するノズル639は、マニホルドヘッド底面652の周辺領域601内に配置される。直径D4よりも小さい直径D1、D2、D3のオリフィス641、642、643を有するノズル636、637、638は、マニホルドヘッド底面652の内部領域620内に位置決めされる。ノズル636、637、638、639の全ては、それらから放出される吐出流606が相互に影響を与えないように、相互に離間されている。図23に示されたノズル636、637、638、639の間隔及び配置は、図24に示された注入断面を作り出す。示された形で高出力のノズル639を低出力のノズル638の周囲に位置決めすることにより、最も効果的な注入断面が作られる。しかし、ノズル636、637、638、639の他の適切な配置が本発明の幾つかの態様から逸脱することなく使用され得ることが、理解される。
土壌中への土壌処理剤の浸透深さ、及び土壌ポケットの幅を変化させることにより、異なるサイズのノズル636、637、638、639から放出される土壌処理剤は、実質的に先の注入領域内ににじみ出ることなく、マニホルドヘッド616の下の注入領域全体を効果的にカバーする。高圧ノズル636、637、638、639のそれぞれは、吐出流606が図24に示されるようにマニホルドヘッド616の底面652に対して実質的に直角になるように、配向される。実質的に水平の地面の上にマニホルドヘッド616が位置決めされると、吐出流606は、地表面に対して実質的に垂直に、例えば鉛直になる。しかし、本発明の範囲から逸脱することなしに、マニホルドヘッド616上の高圧ノズル636、637、638、639のうちの幾つか又は全てが角度を付けられてもよいことが、理解される。
ノズル636、637、638、639によって作られる注入断面により、ノズルは、吐出流を貯留させるために角度を付けられる必要はなく、他の実施形態と同様に注入領域全体を効果的にカバーする。貯留は、土壌処理剤を制御不能に他の領域に移動させるので望ましくなく、吐出流606の浸透深さの違いを利用することによって回避される。したがって、マニホルドヘッド616上での高圧ノズル636、637、638、639の位置決めにより、土壌処理剤が先の注入領域内に移動することが防がれると同時に、高圧ノズルによって放出される土壌処理剤の様々な浸透深さにより、土壌処理剤が実質的にマニホルドヘッドの下の領域全てをなおもカバーする。
本明細書は、最良の形態を含めて本発明を開示するため、また、任意のデバイス又はシステムを製造及び使用すること並びに任意の組み込まれた方法を行うことを含めて、いかなる当業者にも本発明を実践することを可能とするために、実施例を使用している。本発明の特許可能な範囲は、特許請求の範囲によって定義されるものであり、当業者に思い浮かぶ他の実施例を含み得る。そのような他の実施例は、それらが特許請求の範囲に記載の文言と異ならない構成要素を有する場合、又は、それらが特許請求の範囲に記載の文言と実質的な差異のない均等な構成要素を含む場合には、特許請求の範囲内にあると意図される。
Claims (16)
- 土壌中に土壌処理剤を注入するための装置であって、
ハンドルと、
土壌中に土壌処理剤を送達するために前記ハンドルによって携行されるマニホルドヘッドであって、或る注入期間にわたって或る動作圧力で前記土壌中に土壌処理剤の第1の量を送達するようにそれぞれが構成された第1の高圧ノズルのセット、及び、前記注入期間にわたって前記動作圧力で前記土壌中に土壌処理剤の第2の量を送達するようにそれぞれが構成された第2の高圧ノズルのセットを有しており、前記土壌処理剤の第2の量が前記土壌処理剤の第1の量よりも多いマニホルドヘッドと、
を備えている、装置。 - 前記ハンドルが、上方部分及び下方部分を有しており、前記下方部分が、土壌接触板を有しており、前記マニホルドヘッドが、前記ハンドルの前記下方部分上に配置されており、前記第1及び第2の高圧ノズルのセットが、前記接触板を通して土壌処理剤を注入するために前記マニホルドヘッド上に位置決めされている、請求項1に記載の装置。
- 前記第1の高圧ノズルのセットが、第1のオリフィスサイズを有しており、前記第2の高圧ノズルのセットが、前記第1のオリフィスサイズとは異なる第2のオリフィスサイズを有している、請求項1に記載の装置。
- 前記第2のオリフィスサイズが、前記第1のオリフィスサイズよりも大きい、請求項3に記載の装置。
- 前記マニホルドヘッドが、周辺部分及び内部部分を含む外側表面を有しており、前記第2の高圧ノズルのセットが、前記マニホルドヘッドの前記外側表面の前記周辺部分内に位置決めされており、前記第1の高圧ノズルのセットが、前記マニホルドヘッドの前記外側表面の前記内部部分内に位置決めされている、請求項3に記載の装置。
- 前記マニホルドヘッドが、前記注入期間にわたって前記動作圧力で前記土壌中に土壌処理剤の第3の量を送達するようにそれぞれが構成された第3の高圧ノズルのセットをさらに有しており、前記土壌処理剤の第3の量が、前記土壌処理剤の第1の量及び前記土壌処理剤の第2の量とは異なる、請求項1に記載の装置。
- 前記土壌処理剤の第3の量が、前記土壌処理剤の第1の量及び前記土壌処理剤の第2の量よりも多い、請求項6に記載の装置。
- 土壌中に土壌処理剤を注入するための方法であって、
マニホルドヘッド上に位置決めされた少なくとも一つの第1の高圧ノズル及び前記マニホルドヘッド上に位置決めされた少なくとも一つの第2の高圧ノズルを含む注入装置を、第1の注入地点上に位置決めすることと、
前記マニホルドヘッドに取り付けられた、少なくとも一つの第1の高圧ノズルのそれぞれ及び少なくとも一つの第2の高圧ノズルのそれぞれに対応する個別の開口部を有している接触板を、前記土壌の上面に接触させることと、
前記マニホルドヘッドに加圧処理剤液を供給することと、
前記少なくとも一つの第1の高圧ノズル及び前記少なくとも一つの第2の高圧ノズルを通して加圧処理剤液を送達して前記第1の注入地点において前記土壌中に注入するように、前記注入装置を作動させることであって、前記少なくとも一つの第1の高圧ノズルが、前記少なくとも一つの第2の高圧ノズルによって送達される処理剤液の量とは異なる処理剤液の量を送達するように、前記注入装置を作動させることと、
を含み、
前記注入装置を作動させることが、前記第1の注入地点において事前に前記土壌を乱すことなく行われ、
前記方法がさらに、
前記第1の注入地点とは少なくとも部分的に異なる第2の注入地点上に前記注入装置を移動させることと、
前記少なくとも一つの第1の高圧ノズル及び前記少なくとも一つの第2の高圧ノズルを通して加圧処理剤液を送達して前記第2の注入地点において前記土壌中に注入するように、前記注入装置を作動させることであって、前記少なくとも一つの第1の高圧ノズルが、前記少なくとも一つの第2の高圧ノズルによって送達される処理剤液の量とは異なる処理剤液の量を送達するように、前記注入装置を作動させることと、
を含み、
前記注入装置を作動させることが、前記第2の注入地点において事前に前記土壌を乱すことなく行われる、方法。 - 前記少なくとも一つの第2の高圧ノズルが、前記少なくとも一つの第2の高圧ノズルよりも深い深さに処理剤液を注入する、請求項8に記載の方法。
- 前記マニホルドヘッドが、周辺部分及び内部部分を有しており、前記少なくとも一つの第2の高圧ノズルが、前記マニホルドヘッドの前記周辺部分内に位置決めされている、請求項9に記載の方法。
- 前記少なくとも一つの第1の高圧ノズルが、前記マニホルドヘッドの前記内部部分内に位置決めされている、請求項10に記載の方法。
- 前記少なくとも一つの第1の高圧ノズルが、第1の直径のオリフィスを有しており、前記少なくとも一つの第2の高圧ノズルが、前記第1の直径とは異なる第2の直径のオリフィスを有している、請求項8に記載の方法。
- 土壌中に土壌処理剤を注入するための方法であって、
第1の注入地点上に注入装置を位置決めすることであって、前記注入装置がマニホルドヘッドを備え、前記マニホルドヘッドが、それに取り付けられた接触板と、土壌処理剤に前記接触板を通過させるように前記マニホルドヘッド上に位置決めされた複数の高圧ノズルとを含むことと、
前記接触板を前記土壌の上面に接触させることと、
前記マニホルドヘッドに加圧処理剤液を供給することと、
処理剤液の第1の量が第1の深さまで前記土壌中に注入されるように前記複数の高圧ノズルのうちの少なくとも一つの高圧ノズルを通して加圧処理剤液を送達するように、及び、処理剤液の第2の量が前記第1の深さとは異なる第2の深さまで前記土壌中に注入されるように前記複数の高圧ノズルのうちの他の少なくとも一つの高圧ノズルを通して前記加圧処理剤液を送達するように、前記注入装置を作動させることと、
を含み、
前記注入装置を作動させることが、前記第1の注入地点において事前に前記土壌を乱すことなく行われ、
前記方法がさらに、
前記第1の注入地点とは少なくとも部分的に異なる第2の注入地点上に前記注入装置を移動させることと、
処理剤液の第1の量が第1の深さまで前記土壌中に注入されるように前記複数の高圧ノズルのうちの少なくとも一つを通して加圧処理剤液を送達するように、及び、処理剤液の第2の量が前記第1の深さとは異なる第2の深さまで前記土壌中に注入されるように前記複数の高圧ノズルのうちの他の少なくとも一つの高圧ノズルを通して前記加圧処理剤液を送達するように、前記注入装置を作動させることと、
を含み、
前記注入装置を作動させることが、前記第2の注入地点において事前に前記土壌を乱すことなく行われる、方法。 - 前記マニホルドヘッドが、内部部分、及び前記内部部分を取り囲む周辺部を有しており、前記処理剤液の第1の量を第1の深さまで前記土壌中に注入する前記少なくとも一つの高圧ノズルが、前記内部部分内に配置されており、前記処理剤液の第2の量を第2の深さまで前記土壌中に注入する前記少なくとも一つの他の高圧ノズルが、前記周辺部分内に配置されている、請求項13に記載の方法。
- 前記第2の深さが前記第1の深さよりも深い、請求項14に記載の方法。
- 前記注入装置を作動させる前記ステップが、前記第1の深さ及び前記第2の深さとは異なる第3の深さまで前記土壌中に処理剤液の第3の量が注入されるように、前記複数の高圧ノズルのうちの少なくとも一つの別の高圧ノズルを通して加圧処理剤液を送達するように前記注入装置を作動させることをさらに含む、請求項13に記載の方法。
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