JP2017513176A - 三元モリブデンカルコゲニド超電導線を製造するプロセス、およびこのプロセスによって得られた三元モリブデンカルコゲニド超電導線 - Google Patents

三元モリブデンカルコゲニド超電導線を製造するプロセス、およびこのプロセスによって得られた三元モリブデンカルコゲニド超電導線 Download PDF

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Abstract

本発明は、三元モリブデンカルコゲニド(TMC)の単芯または多芯の超電導線、特にSnMo6S8(SMS)およびPbMo6S8(PMS)の製造のための熱間等方加圧(HIP)による100%密度のバルク材料の製造のためのプロセスに関する。この種のワイヤは、現在用いられるNb3Snワイヤの限界である、過剰の24テスラにおける磁場の発生を可能にする。さらに、TMC超電導線は、それらが約4倍高い機械強度、すなわち、降伏力Rp02であるので、Nb3Snに対して補完的である。本発明の本質的な部分は、熱間押し出しおよび熱間伸線による変形プロセスであり、これによって、臨界電流密度の重要な増大に必須である、完全な結晶粒界を有するTMC超電導体の塑性/超塑性変形が可能になり、この方法によって、臨界電流の既存の限界までが乗り越えられる。さらに、少なくとも100の残留抵抗率比(RRR)を有する高純度のモリブデンの使用は、モリブデンが、拡散障壁として働くだけでなく、同時に電気スタビライザーとしても機能するので、追加の進歩性とみなされる。

Description

本発明は、三元モリブデンカルコゲニド(TMC)超電導線、特にSnMoおよびPbMo、またはそれらの混合物を製造するためのプロセスであって、工学的臨界電流密度が長さにわたって均一であり、かつ22テスラを越える磁場では少なくとも100A/mmであるプロセスに関する。
本発明は、さらに三元モリブデンカルコゲニド(TMC)超電導線、特にSnMoおよびPbMo、またはそれらの混合物であって、ここで工学的臨界電流密度が、長さにわたって均一であり、かつ22テスラを超える磁場では少なくとも100A/mmであり、上記のプロセスによって製造されるものに関する。
現在市販の高磁場超電導体は、以下の2つの群:NbTi(ニオブ−チタニウム)およびNbSn(ニオブ−スズ)に分類され得る。1986年末に発見された高温超電導体は、産業規模で製造され得るが、適用は、短い伝導体長(ReBCO)、不十分な機械的長さ(BCCO)およびNbTiの200〜300倍に達する法外な高値のせいで、限られている。
超電導は、臨界温度下まで冷却することによる、その電気的抵抗の喪失によって現れる多くの材料の物理的現象である。この温度は、材料に特異的で、例えば、NbTiおよびNbSnについては、それぞれ9〜18ケルビン(マイナス264℃およびマイナス255℃)である。銅のような従来の電気伝導体と比較して、超電導体は、なんら大きい電流の損失なしで、例えば、通常は100〜200倍大きい電力を保持し得る。主にこの理由によって、超電導体は、高磁場磁石の構築に用いられる。超電導磁石は、医療用磁気共鳴画像化(MRI)および磁気共鳴分光計(MRS)に必須であり、巨大な年間市場に相当する。
磁石は、数kmの導線を必要とし、これは、支持構造上に巻きつけられる。磁場は、この巻線を通じて電流を送ることによって生じ得る。超電導体の場合、通電容量は、磁場、温度および機械的応力に依存する、臨界電流によって制限される。磁石の製造のために、超電導体は、メイヤー(mayor)の要件を満たさなければならない。
− 数kmの長さの利用可能性。
− 超電導特性の悪化のない磁石の巻線。
− 可能であれば、磁石の巻線後に熱処理がない。
− 高い電磁力を支持するための高い機械的強度。
− 名目上の磁場(温度)で100A/mm以上の工学的臨界電流密度。
− 費用効果的な伝導体製造。
NbTi超電導体は、今までのところ、完全な材料である。しかし、達成可能な磁場強度は約11テスラに制限される。最大約24テスラまでの、より高い磁場では、NbSn超電導体が利用可能である。NbSnは、脆弱であって、かつNbTiのように製造できない。今日の製造技術は、押し出し成形および伸線によって伝導体に製造され得る、構成材量のアセンブリを用いる。この厄介な事態のせいで、NbSn超電導体は、さらに高価であって、NbTiの約6〜10倍である。超電導NbSn相は、約100時間の間に650℃の範囲で適切な反応熱処理による磁石の巻線後に形成される。明らかに磁石のどのような熱処理も費用を増大する。
三元カルコゲニドのモリブデン(TMC)超電導線の製造のための多くの試みが世界中で行われた。例えば、特許文献1の明細書では、モリブデンの三元カルコゲニドの超電導線が、モリブデンの三元カルコゲニドの粉末と、より小さい粒度の金属粉末との混合によって得られ、金属チューブ(例えば、モリブデン、ニオブ、タンタル、チタニウムおよびバナジウム)に挿入される。追加の金属粉末の目的は、空隙の除去、および高温での焼結によるそれらの排除である。伸線および冷間加工の後、ワイヤを少なくとも20時間の間約800℃で最終加熱処理にかける。
さらに、特許文献2の明細書では、最初の超電導材料は、モリブデンチューブおよび外側鋼ジャケットに挿入される、1マイクロメートル未満の平均粒径の粉末化された超電導相(それぞれその相の形成のための最初の成分)である。従って、アセンブリ全体を、1000℃〜1600℃の温度で押し出し、その後に上昇した温度での伸線を続けた。特許文献2の明細書では、最初のTMC材料は、粉末化された超電導相またはそれぞれ粉末化された最初の成分であることが強調される。
別の例は、特許文献3に述べられているが、TMC粉末を用いるか、または代わりに、タンタルのチューブに優先的に充填される、その構成要素の粉末を用いる。次いで、そのアセンブリをワイヤに加工して、800℃を超える圧力下で熱処理する。
特に関連するのは、H.Yamasakiらの研究(非特許文献1)であって、彼らは、モリブデン拡散障壁およびステンレス鋼マトリックスを有する単芯のTMCワイヤの製造後に熱間等方加圧(HIP)を適用した。このことは、臨界電流密度が、粒度の良好なコネクティビティ、および各々27cmの長さを有する4つのワイヤサンプルの均一性によって改善され得ることを意味する(1181〜1182頁にまたがる段落、図4)。しかし、当業者にはこれらのデータをとり、かついわゆるクレーマーの外挿によって上部臨界磁場を算出することは明白である(ここでB0.25 0.5は、磁場の一次関数である)(Bは、テスラによる磁場であり、かつJは、A/mmによる臨界電流密度である)。ゼロにJを外挿することによって、H.Yamasakiらの言及した研究では4.2Kで33.5Tという上部臨界磁場が得られる。この値は、51Tというそのバルク値未満であり、このことは、HIP処理後のTMCワイヤが、やはり粒状として挙動することを示している(非特許文献2もまた参照のこと)。この理由で、本発明のプロセスによって製造されたTMCワイヤは、H.Yamasakiらが述べているプロセスから十分に識別できる。
TMCワイヤの製造のための他の方法は、科学論文で述べられており、この論文は、B.Seeberによって、非特許文献3にレビューされている。これまでの全ての研究に共通するのは、特許および刊行物は、臨界電流密度が、実用的適用性には不十分であるということである。磁石の種類次第で、費用という理由のために、磁石の原材料は、公称の磁場で100A/mmという最小工学的臨界電流密度を必要とする。工学的電流密度のもとで、当業者は、非超電導マトリックスおよび安定化材料を含む総伝導体断面で割った臨界電流、ならびに電気絶縁性を理解する。最も進歩したTMCワイヤ製造技術を比較すれば、25テスラで約80A/mmまで収束がある(非特許文献4を参照のこと)。
不十分な工学的電流密度の3つの主な理由が特定されている:
− 伝導体の粉末冶金製造プロセスのせいで粒間コネクティビティが劣る。
− TMC超電導体の粒子挙動。これは、超電導特性、具体的には臨界電流が、その内側の粒子に関して結晶粒界で減少されるということを意味する。
− モリブデン以外の障壁材料、例えば、タンタルまたはニオブは、不適当である。なぜなら、粒子挙動は、高温での結晶粒界にそったイオウの拡散のおかげで好ましいからである。
粒子挙動の理解のために、超電導体のコヒーレンス長の簡潔な考察が有益である。全ての高磁場超電導体に共通なのは、短いコヒーレンス長である。この長さは、材料の特徴であって、クーパー対を形成する電子が相関する距離を示す(非特許文献5)。クーパー対は、超電導体の電荷担体とみなされ得る。コヒーレンス長は、ギンツブルグ−ランダウ(Ginzburg Landau)の関係によって算出され得る(非特許文献6)。
式中、Sc2は、材料特異的な上部臨界磁場であり、Φは、物理定数(磁束粒子)であり、かつξは、コヒーレンス長である。Bc2もξも、温度に依存することに注意のこと。一旦、磁場が、BC2を超えれば、超電導性は破壊される。言い換えれば、必要な磁場強度が高くなるほど、Bc2は高くなければならない。従って、上述の関係によれば、上部臨界磁場を増大するには、コヒーレンス長が低下する。
コヒーレンス長が短いほど、局所超電導特性は、コヒーレンス長の順序またはその上の寸法を有する欠損に敏感になる。例えば、結晶粒界は、局所的に臨界温度、およびまた上部臨界磁場も、および従って、超電導体の能力、すなわち臨界電流も低下し得る。超電導体は粒状に挙動するとされ:粒子内側の超電導特性(粒内特性)に関して、それらは、結晶粒界で低下される(粒内特性)。
それぞれ6.1nmおよび4.0nmというコヒーレンス長を有するNbTiおよびNbSnは、ほとんど粒子挙動を示さない。しかし、これは、TMC超電導体(3.3nm〜2.6nm)では生じ得る。具体的には、臨界電流は、粒間特性によって制限される。例えば、H.Yamasakiは、PbMo−TMC超電導体の場合、少量の鉛の沈降が結晶粒界で、臨界電流を1ケタずつ低下することを示す(非特許文献7)。さらに、結晶粒界の物理的特性は、結晶粒界にそったイオウの拡散によるニオブ障壁を有するTMC超電導体中で分解される。この状況は、非特許文献8で詳細に研究された。この研究の結果の1つは、TMCコアとニオブとの間の化学的相互作用が、回収/反応熱処理温度を低下することによって、および密度を増大すること(多孔性の低下)によって顕著でなくなるということであった。同様の状況が、タンタル障壁の場合に予想される。
米国特許第4,594,218号明細書 欧州特許第0181496号明細書 欧州特許出願第0171918号明細書
エイチ・ヤマサキ(H.Yamasaki)らジャーナル・オブ・アプライド・フィジックス(Journal of Applied Physics)72(3),1992年8月1日,1181頁,左側カラム、図1 ビー・ゼーバー(B.Seeber)ハンドブック・オブ・スーパーコンダクティング・マテリアルズ(Handbook of Superconducting Materials),ディー・エー・カードウェル(D.A.Cardwell)およびディー・エス・ギンレー(D.S.Ginley)(編),インスティチュート・オブ・フィジックス・パブリッシング(Institute of Physics Publishing)、2003年,図B3.3.5.2.,687頁。 ビー・ゼーバー(B.Seeber)ハンドブック・オブ・スーパーコンダクティング・マテリアルズ(Handbook of Superconducting Materials),ディー・エー・カードウェル(D.A.Cardwell)およびディー・エス・ギンレー(D.S.Ginley)(編),インスティチュート・オブ・フィジックス・パブリッシング(Institute of Physics Publishing)、2003年,表3.3.5.1.695頁 ビー・ゼーバー(B.Seeber)ハンドブック・オブ・スーパーコンダクティング・マテリアルズ(Handbook of Superconducting Materials),ディー・エー・カードウェル(D.A.Cardwell)およびディー・エス・ギンレー(D.S.Ginley)(編),インスティチュート・オブ・フィジックス・パブリッシング(Institute of Physics Publishing)、2003年,図B3.3.5.10.696頁 エム・ティンカム(M.Tinkham)、イントロダクション・ツー・スーパーコンダクティビティ(Introduction to Superconductivity),マグロー・ヒル(McGraw Hill),1975年,17頁 エム・ティンカム(M.Tinkham)、イントロダクション・ツー・スーパーコンダクティビティ(Introduction to Superconductivity),マグロー・ヒル(McGraw Hill),1975年,129頁。 エイチ・ヤマサキ(H.Yamasaki)ら、ジャーナル・オブ・アプライド・フィジックス(Journal of Applied Physics)、70(3),1991年8月1日、表I,1607頁 ピー・ラビラー(P.Rabiller)ら、ジャーナル・オブ・アロイズ・アンド・コンパウンズ(Journal of Alloys and Compounds).1992年、178,447頁
発明の開示
本発明の目的の1つは、約24テスラの磁場でNbSn伝導体の限界を克服することである。技術的観点から、最も興味深いTMC超電導体は、SnMo(SMS)およびPbMo(PMS)である。これらの材料の主な利点は、達成可能な磁場の上限が、30テスラ(SMS)と50テスラ(PMS)との間にあるということである。さらに、NbSnに関して、TMC超電導体の降伏力(Rp02)は、4の計数で改善される(B.Seeber、Handbook of Applied Superconductivity,B.Seeber(編集),Institute of Physics Publishing,1998,図B9.1.10.p.442を参照のこと)。主にこの理由で、TMC超電導体はまた、NbSnが用いられる磁場範囲を目的とする(11テスラ〜24テスラ)。機械的強度は、特に、医療用磁気共鳴画像化(MRI)、高エネルギー物理学(HEP)用の磁石、または持続可能エネルギーの可能性のある将来的な供給源である熱核融合反応などの大型の磁石のシステムで重要である。
NbSnに関して、本発明の追加的な利点は、TMC超電導体が、巻線の後に熱処理なしで高磁場磁石の構築に用いられ得るということである。
粒間コネクティビティおよび粒子挙動が劣るという問題は、本発明では、100%密度のTMCバルク材料の熱塑性/超塑性変形の適用によって解決される。結果として、工学的臨界電流密度はもはや、粒子コネクティビティおよび粒度では制限されない。障壁材料としてモリブデンは主に、TMC超電導体に対するその不活性のために用いられ、これによって、結晶粒界を分解し得る粒間の拡散が妨げられる。本発明の不可欠な部分は、少なくとも100という残留抵抗率比(RRR)を有する高純度モリブデンの使用である。そのため、モリブデン障壁はまた、NbTiおよびNbSnの場合、銅のような安定化剤の機能を引き継ぐこともできる。
本発明によるプロセスは、上記超電導線が、粉末冶金によって、および熱間等方加圧(HIP)によって、100%密度のバルク材料に生成され、真空気密で高純度モリブデン缶に充填され、次に真空気密で、液体ヘリウムの温度での適用に適したステンレス鋼缶に充填され、その後に1200℃とステンレス鋼によって与えられる限界との間の熱間押し出し、および500℃と1200℃との間の熱間伸線が続いて、TMCフィラメントの塑性/超塑性変形が可能になるという点で特徴付けられる。
有利なことに、熱間押し出しは、1200℃の温度とステンレス鋼によって与えられる温度限界との間で行われ得る。
本発明のプロセスを行うための好ましい方式によれば、熱間伸線は、TMCフィラメントの塑性/超塑性変形を可能にする500℃〜1200℃の温度で行われる。
熱間等方加圧は好ましくは、熱間押し出しの前に導入される。
好ましくは、追加的な拡散障壁、例としては、タンタルまたはニオブは、熱間押し出しおよび熱間伸線プロセスの間にモリブデンの残留抵抗率比を維持するために、ステンレス鋼ジャケットとモリブデン障壁との間に導入される。
有利な実施形態によれば、第一の工程では、円形または六角形の断面に熱間変形される単芯のまたは多芯の超電導基本伝導体が製造され、真っ直ぐなピースに切断され、そして第二の工程では、これは、第二のステンレス鋼押し出し成形ビレットへ真空気密に再スタックされて、熱間変形にかけられる。
有利には、第三の工程で、第二の熱間押し出し成形および熱間伸線の後に製造された多芯の超電導体が、真っ直ぐなピースに切断され、第三のステンレス鋼押し出し成形ビレットへ真空気密に再スタックされて、熱間変形されて超電導体線が生成される。
好ましくは、最初に用いられるTMCは、SnMoおよびPbMo、またはそれらの混合物以外のバルク材料である。
最初に用いられ得るTMCは、超電導特性、具体的には、工学的臨界電流密度または熱間変形プロセスを改善する添加物を有するバルク材料である。
モリブデン障壁は、熱間変形プロセスを改善するが、残留抵抗率比(RRR)を損なわないための添加物とともに用いられることが有利である。
三元モリブデンカルコゲニド(TMC)超電導素子は、上記超電導体素子が、両方の素子がステンレス鋼ジャケットによって囲まれている、モリブデン障壁に囲まれる内部TMCフィラメントを有する少なくとも1つの基本素子を備えるという点で特徴付けられる。
上記超電導体素子は有利には、モリブデン障壁およびステンレス鋼ジャケットによって囲まれる、各々の内部TMCフィラメントを有する多数のTMC単芯超電導体を含む。
好ましくは、上記単芯または多芯超電導体の各々は、六角形または丸い断面形状のステンレス鋼ジャケットによって囲まれる。
本発明は、添付の図面を参照して、ここで例として下に記載する。
コヒーレンス長を、4.2ケルビンの温度で上部臨界磁場Bc2の関数として示す。 基本的な単芯のTMC超電導体の配置図を図示する。 図3は、7つのフィラメントのTMC超電導体の配置図を示す。
図1は、コヒーレンス長を、NbTi、NbSnおよびTMC超電導体について4.2ケルビンの温度で上部臨界磁場Bc2の関数として示す。SMSおよびPMSは、それぞれSnMoおよびPbMoを表す。TMC超電導体の比較的短いコヒーレンス長に起因して、それらは、結晶粒界の質に特に鋭敏である。主にこの理由によって、ワイヤ製造は、熱間変形技術を必要とする。
モリブデンの熱膨張は小さいので、TMCコア/フィラメントは、引張応力のもとで、製造温度から室温まで、および冷却に必要な液体ヘリウムの温度(マイナス269℃=4.2ケルビン)まで冷却することによってなる(Miragliaら、,Mat.Res.Bull.22(1987),p.795,およびB.Seeberら,IEEE Trans.Mag.23(1987),p.1740)。この理由のために、TMC/モリブデンアセンブリを、高温の膨張を有するステンレス鋼のカバーで被覆する。特定のモリブデン/ステンレス鋼の比をとることで、4.2ケルビンでのTMCフィラメントの加熱予圧を調節してもよい。
多芯TMC伝導体の基本素子10の配置図を図2に示す。次いで、このアセンブリを、ステンレス鋼ジャケットで制限される約1200℃で押し出し、その後に500℃〜1200℃の熱間伸線を続ける。上昇した温度での変形プロセスは、TMC超電導体の塑性/超塑性変形に必須である。基本素子10は、モリブデン障壁12で囲まれる内部TMCフィラメント11を備え、両方の素子が、ステンレス鋼ジャケット13に囲まれる。モリブデン障壁は、100を超える残留抵抗率比を有し、かつ安定化剤として、および拡散障壁として機能する。このステンレス鋼ジャケットは、冷却の際のTMCフィラメントに対する熱誘発性応力を調節するために必要である。アセンブリ全体が、多芯のTMC−超電導体の基本素子である。
本発明は、さらに、以下の実施例によって記載される:
第一の工程では、TMCバルク材料を、粉末冶金法で合成する。必須の工程は、この材料を優先的に熱間等方加圧(HIP)によって100%密度まで圧縮することである。粉末冶金の適用によって、粒径および粒径分布の正確な調節が可能になり、これは、その後の熱間変形プロセスに重要である。さらに、工学的臨界電流密度(ピンニングセンター)を改善するための添加物を導入することが容易である。
100%密度のTMCバルク材料を、円柱の形状に機械加工した後、これを高純度のモリブデン缶に挿入し、次に、これを優先的に電子ビーム溶融によって減圧下で密閉する。モリブデン缶は、電気スタビライザーとして機能するので、これは、少なくとも100という残留抵抗率比(RRR)を有さなければならない。さらに、モリブデン缶は、拡散障壁としての機能を有し得る。次いで、得られたアセンブリを、ステンレス鋼缶に挿入し、これを、優先的に電子ビーム溶融によって減圧下で密閉する。
TMCのビレットの第二の工程では、モリブデンおよびステンレス鋼を、高温、典型的には、約1200℃で押し出し、続いて熱間伸線する。全変形プロセスは、上昇した温度で行われることが必須である。これによって、完全な粒間コネクティビティが可能になり、TMC超電導体の粒子挙動が回避される。その後の工程は、丸または六角の断面を有する必要な寸法への単一コアTMCワイヤ/ロッドの変形、切断、直線化および第二のステンレス鋼押し出し成形ビレットへの再スタックである。
この原理は、図3で図示しており、ここでは両方の素子がステンレス鋼ジャケット13によって囲まれる、六角形の断面を有し、かつモリブデン障壁12で囲まれる内部TMCフィラメント11を有する7つのTMC単芯超電導体10を含む、7つのフィラメントのTMC超電導体20が示される。六角形の断面を有する、TMC基本素子は、改善された充填係数を有するが、その断面は、他の理由で変化されてもよい。上昇した温度での押し出し成形および伸線を含む変形プロセスを繰り返す。TMC超電導体のレイアウト次第で、最終的に第三の押し出し成形ビレットを、組み立てて変形しなければならない。
製造プロセスは実施例1として記載される。
追加の工程では、ビレット(TMC+モリブデン+ステンレス鋼)を、熱間等方加圧(HIP)にかけた後、押し出し成形にかけて、これによって、異なる構成要素の間の完全な結合を確実にする。押し出し成形および伸線は、実施例1に記載のとおりである。
第一の工程では、TMCバルク材料を、粉末冶金法で合成する。必須の工程は、この材料を、優先的に熱間等方加圧(HIP)によって100%密度まで圧縮することである。粉末冶金の適用によって、その後の熱間変形プロセスに重要である、粒径および粒径分布の正確な調節が可能になる。さらに、工学的臨界電流密度(ピンニングセンター)を改善するための添加物を導入することが容易である。100%密度のTMCバルク材料を、円柱の形状に機械加工した後、これを高純度のモリブデン缶に挿入し、次に、これを真空下で優先的に電子ビーム溶融によって密閉する。モリブデン缶は、電気スタビライザーとして機能するので、これは、少なくとも100という残留抵抗率比(RRR)を有さなければならない。さらに、モリブデンは、拡散障壁として機能し得る。次いで、得られたアセンブリを、チタニウムまたはニオブチューブに挿入し、これによって、ステンレス鋼缶からの混入からモリブデン障壁を保護する。このような混入は、モリブデンの残留低効率を低下し得る。ステンレス鋼缶への挿入後、これをまた真空下で優先的に電子ビーム溶融によって密閉し、押し出し成形および伸線は、実施例1に記載のとおりである。
この製造プロセスは実施例3に記載のとおりである。
アセンブリ(TMC、モリブデン、タンタル/ニオブおよびステンレス鋼)を、熱間等方加圧(HIP)にかけた後、押し出し成形にかけて、これによって、異なる構成要素の間の完全な結合を確実にする。押し出し成形および伸線は、実施例1に記載のとおりである。
本発明は、上記の認識には限定されず、添付の特許請求の範囲で規定されるプロセスによって製造される任意の種類のTMC超電導体線に拡張され得る。
本発明は、三元モリブデンカルコゲニド(TMC)超電導線、特にSnMoおよびPbMo、またはそれらの混合物を製造するためのプロセスであって、工学的臨界電流密度が長さにわたって均一であり、かつ磁場では100A/mm であるプロセスに関する。
本発明は、さらに三元モリブデンカルコゲニド(TMC)超電導線、特にSnMoおよびPbMo、またはそれらの混合物であって、ここで工学的臨界電流密度が、長さにわたって均一であり、かつ磁場では100A/mm を超え、上記のプロセスによって製造されるものに関する。
現在市販の高磁場超電導体は、以下の2つの群:NbTi(ニオブ−チタニウム)およびNbSn(ニオブ−スズ)に分類され得る。1986年末に発見された高温超電導体は、産業規模で製造され得るが、適用は、短い伝導体長(BCO)、不十分な機械的長さ(BCCO)およびNbTiの200〜300倍に達する法外な高値のせいで、限られている。
超電導は、臨界温度下まで冷却することによる、その電気的抵抗の喪失によって現れる多くの材料の物理的現象である。この温度は、材料に特異的で、例えば、NbTiおよびNbSnについては、それぞれ9〜18ケルビン(マイナス264℃およびマイナス255℃)である。銅のような従来の電気伝導体と比較して、超電導体は、なんら大きい電流の損失なしで、例えば、通常は100〜200倍大きい電力を保持し得る。主にこの理由によって、超電導体は、高磁場磁石の構築に用いられる。超電導磁石は、医療用磁気共鳴画像化(MRI)および磁気共鳴分光計(MRS)に必須であり、巨大な年間市場に相当する。
磁石は、数kmの導線を必要とし、これは、支持構造上に巻きつけられる。磁場は、この巻線を通じて電流を送ることによって生じ得る。超電導体の場合、通電容量は、磁場、温度および機械的応力に依存する、臨界電流によって制限される。磁石の製造のために、超電導体は、メイヤー(mayor)の要件を満たさなければならない。
− 数kmの長さの利用可能性
− 超電導特性の悪化のない磁石の巻線
− 可能であれば、磁石の巻線後に熱処理がない
巨大な電磁力を支持するための高い機械的強度
− 名目上の磁場(温度)で100A/mm を超える工学的臨界電流密度
− 費用効果的な伝導体製造。
NbTi超電導体は、今までのところ、完全な材料である。しかし、達成可能な磁場強度は約11テスラに制限される。最大約24テスラまでの、より高い磁場では、NbSn超電導体が利用可能である。NbSnは、脆弱であって、かつNbTiのように製造できない。今日の製造技術は、押し出し成形および伸線によって伝導体に製造され得る、構成材量のアセンブリを用いる。この厄介な事態のせいで、NbSn超電導体は、さらに高価であって、NbTiの約6〜10倍である。超電導NbSn相は、約100時間の間に650℃の範囲で適切な反応熱処理による磁石の巻線後に形成される。明らかに磁石のどのような熱処理も費用を増大する。
三元カルコゲニドのモリブデン(TMC)超電導線の製造のための多くの試みが世界中で行われた。例えば、特許文献1の明細書では、モリブデンの三元カルコゲニドの超電導線が、モリブデンの三元カルコゲニドの粉末と、より小さい粒度の金属粉末との混合によって得られ、金属チューブ(例えば、モリブデン、ニオブ、タンタル、チタニウムおよびバナジウム)に挿入される。追加の金属粉末の目的は、空隙の除去、および高温での焼結によるそれらの排除である。伸線および冷間加工の後、ワイヤを少なくとも20時間の間約800℃で最終加熱処理にかける。
さらに、特許文献2の明細書では、最初の超電導材料は、モリブデンチューブおよび外側鋼ジャケットに挿入される、1マイクロメートル未満の平均粒径の粉末化された超電導相(それぞれその相の形成のための最初の成分)である。従って、アセンブリ全体を、1000℃〜1600℃の温度で押し出し、その後に上昇した温度での伸線を続けた。特許文献2の明細書では、最初のTMC材料は、粉末化された超電導相またはそれぞれ粉末化された最初の成分であることが強調される。
別の例は、特許文献3に述べられているが、TMC粉末を用いるか、または代わりに、タンタルのチューブに優先的に充填される、その構成要素の粉末を用いる。次いで、そのアセンブリをワイヤに加工して、800℃を超える圧力下で熱処理する。
TMCワイヤの製造のための他の方法は、科学論文で述べられており、この論文は、B.Seeberによって、非特許文献にレビューされている。これまでの全ての研究に共通するのは、特許および刊行物は、臨界電流密度が、実用的適用性には不十分であるということである。磁石の種類次第で、費用という理由のために、磁石の原材料は、公称の磁場で100A/mmという最小工学的臨界電流密度を必要とする。工学的電流密度のもとで、当業者は、非超電導マトリックスおよび安定化材料を含む総伝導体断面で割った臨界電流、ならびに電気絶縁性を理解する。最も進歩したTMCワイヤ製造技術を比較すれば、25テスラで約80A/mmまで収束がある(非特許文献を参照のこと)。
不十分な工学的電流密度の3つの主な理由が特定されている:
− 伝導体の粉末冶金製造プロセスのせいで粒間コネクティビティが劣る
− TMC超電導体の粒子挙動。これは、超電導特性、具体的には臨界電流が、その内側の粒子に関して結晶粒界で減少されるということを意味する。
− モリブデン以外の障壁材料、例えば、タンタルまたはニオブは、不適当である。なぜなら、粒子挙動は、高温での結晶粒界にそったイオウの拡散のおかげで好ましいからである。
粒子挙動の理解のために、超電導体のコヒーレンス長の簡潔な考察が有益である。全ての高磁場超電導体に共通なのは、短いコヒーレンス長である。この長さは、材料の特徴であって、クーパー対を形成する電子が相関する距離を示す(非特許文献3)。クーパー対は、超電導体の電荷担体とみなされ得る。コヒーレンス長は、ギンツブルグ−ランダウ(Ginzburg Landau)の関係によって算出され得る(非特許文献)。
式中、Sc2は、材料特異的な上部臨界磁場であり、Φは、物理定数(磁束粒子)であり、かつξは、コヒーレンス長である。Bc2もξも、温度に依存することに注意のこと。一旦、磁場が、BC2を超えれば、超電導性は破壊される。言い換えれば、必要な磁場強度が高くなるほど、Bc2は高くなければならない。従って、上述の関係によれば、上部臨界磁場を増大するには、コヒーレンス長が低下する。
コヒーレンス長が短いほど、局所超電導特性は、コヒーレンス長の順序またはその上の寸法を有する欠損に敏感になる。例えば、結晶粒界は、局所的に臨界温度、およびまた上部臨界磁場も、および従って、超電導体の能力、すなわち臨界電流も低下し得る。超電導体は粒状に挙動するとされ:粒子内側の超電導特性(粒内特性)に関して、それらは、結晶粒界で低下される(粒内特性)。
それぞれ6.1nmおよび4.0nmというコヒーレンス長を有するNbTiおよびNbSnは、ほとんど粒子挙動を示さない。しかし、これは、TMC超電導体(3.3nm〜2.6nm)では生じ得る。具体的には、臨界電流は、粒間特性によって制限される。例えば、H.amasakiの研究では、PbMo−TMC超電導体の場合、少量の鉛の沈降が結晶粒界で、臨界電流を1ケタずつ低下することが示される(非特許文献)。さらに、結晶粒界の物理的特性は、結晶粒界にそったイオウの拡散によるニオブ障壁を有するTMC超電導体中で分解される。この状況は、非特許文献で詳細に研究された。この研究の結果の1つは、TMCコアとニオブとの間の化学的相互作用が、回収/反応熱処理温度を低下することによって、および密度を増大すること(多孔性の低下)によって顕著でなくなるということであった。同様の状況が、タンタル障壁の場合に予想される。
米国特許第4,594,218号明細書 欧州特許第0181496号明細書 欧州特許出願第0171918号明細書
ハンドブック・オブ・スーパーコンダクティング・マテリアルズ(Handbook of Superconducting Materials)、ディー・エー・カードウェル(D.A.Cardwell)およびディー・エス・ギンレー(D.S.Ginley)(編)、インスティチュート・オブ・フィジックス・パブリッシング(Institute of Physics Publishing),2003年,表3.3.5.1.695頁 ビー・ゼーバー(B.Seeber)ハンドブック・オブ・スーパーコンダクティング・マテリアルズ(Handbook of Superconducting Materials),ディー・エー・カードウェル(D.A.Cardwell)およびディー・エス・ギンレー(D.S.Ginley)(編),インスティチュート・オブ・フィジックス・パブリッシング(Institute of Physics Publishing)、2003年,図B3.3.5.10.696頁 エム・ティンカム(M.Tinkham)、イントロダクション・ツー・スーパーコンダクティビティ(Introduction to Superconductivity),マグロー・ヒル(McGraw Hill),1975年,17頁) エム・ティンカム(M.Tinkham)、イントロダクション・ツー・スーパーコンダクティビティ(Introduction to Superconductivity),マグロー・ヒル(McGraw Hill),1975年,129頁)。 エイチ・ハマサキ(H.Hamasaki)ら、ジャーナル・オブ・アプライド・フィジックス(Journal of Applied Physics)、70(3),1991年8月1日、表I,1607頁。 ピー・ラビラー(P.Rabiller)ら、ジャーナル・オブ・アロイズ・アンド・コンパウンズ(Journal of Alloys and Compounds).1992年、178,447頁。
本発明の目的の1つは、約24テスラの磁場でNbSn伝導体の限界を克服することである。技術的観点から、最も興味深いTMC超電導体は、SnMo(SMS)およびPbMo(PMS)である。これらの材料の主な利点は、達成可能な磁場の上限が、30テスラ(SMS)と50テスラ(PMS)との間にあるということである。さらに、NbSnに関して、TMC超電導体の降伏力(Rp02)は、4の計数で改善される(B.Seeber、Handbook of Applied Superconductivity,B.Seeber(編集),Institute of Physics Publishing,1998,図B9.1.10.p.442を参照のこと)。主にこの理由で、TMC超電導体はまた、NbSnが用いられる磁場範囲を目的とする(11テスラ〜24テスラ)。機械的強度は、特に、医療用磁気共鳴画像化(MRI)、高エネルギー物理学(HEP)用の磁石、または持続可能エネルギーの可能性のある将来的な供給源である熱核融合反応などの大型の磁石のシステムで重要である。
NbSnに関して、本発明の追加的な利点は、TMC超電導体が、巻線の後に熱処理なしで高磁場磁石の構築に用いられ得るということである。
粒間コネクティビティおよび粒子挙動が劣るという問題は、本発明では、100%密度のTMCバルク材料の熱塑性/超塑性変形の適用によって解決される。結果として、工学的臨界電流密度はもはや、粒子コネクティビティおよび粒度では制限されない。障壁材料としてモリブデンは主に、TMC超電導体に対するその不活性のために用いられ、これによって、結晶粒界を分解し得る粒間の拡散が妨げられる。本発明の不可欠な部分は、少なくとも100という残留抵抗率比(RRR)を有する高純度モリブデンの使用である。そのため、モリブデン障壁はまた、NbTiおよびNbSnの場合、銅のような安定化剤の機能を引き継ぐこともできる。
本発明によるプロセスは、上記超電導線が、粉末冶金によって、および熱間等方加圧(HIP)によって、100%密度のバルク材料に生成され、真空気密で高純度モリブデン缶に充填され、次に真空気密で、液体ヘリウムの温度での適用に適したステンレス鋼缶に充填され、その後に1200℃とステンレス鋼によって与えられる限界との間の熱間押し出し、および500℃と1200℃との間の熱間伸線が続いて、TMCフィラメントの塑性/超塑性変形が可能になるという点で特徴付けられる。
有利なことに、熱間押し出しは、1200℃の温度とステンレス鋼によって与えられる温度限界との間で行われ得る。
本発明のプロセスを行うための好ましい方式によれば、熱間伸線は、TMCフィラメントの塑性/超塑性変形を可能にする500℃〜1200℃の温度で行われる。
熱間等方加圧は好ましくは、熱間押し出しの前に導入される。
好ましくは、追加的な拡散障壁、例としては、タンタルまたはニオブは、熱間押し出しおよび伸線プロセスの間にモリブデンの残留抵抗率比を維持するために、ステンレス鋼ジャケットとモリブデン障壁との間に導入される。
有利な実施形態によれば、第一の工程では、円形または六角形の断面に熱間変形される単芯のまたは多芯の超電導基本伝導体が製造され、真っ直ぐなピースに切断され、そして第二の工程では、これは、第二のステンレス鋼押し出し成形ビレットへ真空気密に再スタックされて、熱間変形にかけられる。
有利には、第三の工程で、第二の熱間押し出し成形および熱間伸線の後に製造された多芯の超電導体が、真っ直ぐなピースに切断され、第三のステンレス鋼押し出し成形ビレットへ真空気密に再スタックされて、熱間変形されて超電導体線が生成される。
最初に用いられるTMCは、SnMoおよびPbMo、またはそれらの混合物以外のバルク材料である。
最初に用いられ得るTMCは、超電導特性、具体的には、工学的臨界電流密度または熱間変形プロセスを改善する添加物を有するバルク材料である。
モリブデン障壁は、熱間変形プロセスを改善するが、残留抵抗率比(RRR)を損なわないための添加物とともに用いられることが有利である。
三元モリブデンカルコゲニド(TMC)超電導素子は、上記超電導体素子が、両方の素子がステンレス鋼ジャケットによって囲まれている、モリブデン障壁に囲まれる内部TMCフィラメントを有する少なくとも1つの基本素子を備えるという点で特徴付けられる。
上記超電導体素子は有利には、モリブデン障壁およびステンレス鋼ジャケットによって囲まれる、各々の内部TMCフィラメントを有する多数のTMC単芯超電導体を含む。
好ましくは、上記単芯または多芯超電導体の各々は、六角形または丸い断面形状のステンレス鋼ジャケットによって囲まれる。
本発明は、添付の図面を参照して、ここで例として下に記載する。
コヒーレンス長を、4.2ケルビンの温度で上部臨界磁場Bc2の関数として示す。 基本的な単芯のTMC超電導体の配置図を図示する。 図3は、7つのフィラメントのTMC超電導体の配置図を示す。
図1は、コヒーレンス長を、NbTi、NbSnおよびTMC超電導体について4.2ケルビンの温度で上部臨界磁場Bc2の関数として示す。SMSおよびPMSは、それぞれSnMoおよびPbMoを表す。TMC超電導体の比較的短いコヒーレンス長に起因して、それらは、結晶粒界の質に特に鋭敏である。主にこの理由によって、ワイヤ製造は、熱間変形技術を必要とする。
モリブデンの熱膨張は小さいので、TMCコア/フィラメントは、引張応力のもとで、製造温度から室温まで、および冷却に必要な液体ヘリウムの温度(マイナス269℃=4.2ケルビン)まで冷却することによってなる(Miragliaら、,Mat.Res.Bull.22(1987),p.795,およびB.Seeberら,IEEE Trans.Mag.23(1987),p.1740)。この理由のために、TMC/モリブデンアセンブリを、高温の膨張を有するステンレス鋼のカバーで被覆する。特定のモリブデン/ステンレス鋼の比をとることで、4.2ケルビンでのTMCフィラメントの加熱予圧を調節してもよい。
多芯TMC伝導体の基本素子10の配置図を図2に示す。次いで、このアセンブリを、ステンレス鋼ジャケットで制限される約1200℃で押し出し、その後に500℃〜1200℃の熱間伸線を続ける。上昇した温度での変形プロセスは、TMC超電導体の塑性/超塑性変形に必須である。基本素子10は、モリブデン障壁12で囲まれる内部TMCフィラメント11を備え、両方の素子が、ステンレス鋼ジャケット13に囲まれる。モリブデン障壁は、100を超える残留抵抗率比を有し、かつ安定化剤として、および拡散障壁として機能する。このステンレス鋼ジャケットは、冷却の際のTMCフィラメントに対する熱誘発性応力を調節するために必要である。アセンブリ全体が、多芯のTMC−超電導体の基本素子である。
本発明は、さらに、以下の実施例によって記載される
第一の工程では、TMCバルク材料を、粉末冶金法で合成する。必須の工程は、この材料を優先的に熱間等方加圧(HIP)によって100%密度まで圧縮することである。粉末冶金の適用によって、粒径および粒径分布の正確な調節が可能になり、これは、その後の熱間変形プロセスに重要である。さらに、工学的臨界電流密度(ピンニングセンター)を改善するための添加物を導入することが容易である。
100%密度のTMCバルク材料を、円柱の形状に機械加工した後、これを高純度のモリブデン缶に挿入し、次に、これを優先的に電子ビーム溶融によって減圧下で密閉する。モリブデン缶は、電気スタビライザーとして機能するので、これは、少なくとも100という残留抵抗率比(RRR)を有さなければならない。さらに、モリブデン缶は、拡散障壁としての機能を有し得る。次いで、得られたアセンブリを、ステンレス鋼缶に挿入し、これを、優先的に電子ビーム溶融によって減圧下で密閉する。
TMCのビレットの第二の工程では、モリブデンおよびステンレス鋼を、高温、典型的には、約1200℃で押し出し、続いて熱間伸線する。全変形プロセスは、上昇した温度で行われることが必須である。これによって、完全な粒間コネクティビティが可能になり、TMC超電導体の粒子挙動が回避される。その後の工程は、丸または六角の断面を有する必要な寸法への単一コアTMCワイヤ/ロッドの変形、切断、直線化および第二のステンレス鋼押し出し成形ビレットへの再スタックである。
この原理は、図3で図示しており、ここでは両方の素子がステンレス鋼ジャケット13によって囲まれる、六角形の断面を有し、かつモリブデン障壁12で囲まれる内部TMCフィラメント11を有する7つのTMC単芯超電導体10を含む、7つのフィラメントのTMC超電導体20が示される。六角形の断面を有する、TMC基本素子は、改善された充填係数を有するが、その断面は、他の理由で変化されてもよい。上昇した温度での押し出し成形および伸線を含む変形プロセスを繰り返す。TMC超電導体のレイアウト次第で、最終的に第三の押し出し成形ビレットを、組み立てて変形しなければならない。
製造プロセスは実施例1として記載される。
追加の工程では、ビレット(TMC+モリブデン+ステンレス鋼)を、熱間等方加圧(HIP)にかけた後、押し出し成形にかけて、これによって、異なる構成要素の間の完全な結合を確実にする。押し出し成形および伸線は、実施例1に記載のとおりである。
第一の工程では、TMCバルク材料を、粉末冶金法で合成する。必須の工程は、この材料を、優先的に熱間等方加圧(HIP)によって100%密度まで圧縮することである。粉末冶金の適用によって、その後の熱間変形プロセスに重要である、粒径および粒径分布の正確な調節が可能になる。さらに、工学的臨界電流密度(ピンニングセンター)を改善するための添加物を導入することが容易である。100%密度のTMCバルク材料を、円柱の形状に機械加工した後、これを高純度のモリブデン缶に挿入し、次に、これを真空下で優先的に電子ビーム溶融によって密閉する。モリブデン缶は、電気スタビライザーとして機能するので、これは、少なくとも100という残留抵抗率比(RRR)を有さなければならない。さらに、モリブデンは、拡散障壁として機能し得る。次いで、得られたアセンブリを、チタニウムまたはニオブチューブに挿入し、これによって、ステンレス鋼缶からの混入からモリブデン障壁を保護する。このような混入は、モリブデンの残留低効率を低下し得る。ステンレス鋼缶への挿入後、これをまた真空下で優先的に電子ビーム溶融によって密閉し、押し出し成形および伸線は、実施例1に記載のとおりである。
この製造プロセスは実施例3に記載のとおりである。
アセンブリ(TMC、モリブデン、タンタル/ニオブおよびステンレス鋼)を、熱間等方加圧(HIP)にかけた後、押し出し成形にかけて、これによって、異なる構成要素の間の完全な結合を確実にする。押し出し成形および伸線は、実施例1に記載のとおりである。
本発明は、上記の認識には限定されず、添付の特許請求の範囲で規定されるプロセスによって製造される任意の種類のTMC超電導体線に拡張され得る。
本発明は、三元モリブデンカルコゲニド(TMC)超電導線、特にSnMoおよびPbMo、またはそれらの混合物を製造するためのプロセスであって、工学的臨界電流密度が長さにわたって均一であり、かつ22テスラを越える磁場では少なくとも100A/mm であるプロセスに関する。
本発明は、さらに三元モリブデンカルコゲニド(TMC)超電導線、特にSnMoおよびPbMo、またはそれらの混合物であって、ここで工学的臨界電流密度が、長さにわたって均一であり、かつ22テスラを超える磁場では少なくとも100A/mm であり、上記のプロセスによって製造されるものに関する。
現在市販の高磁場超電導体は、以下の2つの群:NbTi(ニオブ−チタニウム)およびNbSn(ニオブ−スズ)に分類され得る。1986年末に発見された高温超電導体は、産業規模で製造され得るが、適用は、短い伝導体長(ReBCO)、不十分な機械的長さ(BCCO)およびNbTiの200〜300倍に達する法外な高値のせいで、限られている。
超電導は、臨界温度下まで冷却することによる、その電気的抵抗の喪失によって現れる多くの材料の物理的現象である。この温度は、材料に特異的で、例えば、NbTiおよびNbSnについては、それぞれ9〜18ケルビン(マイナス264℃およびマイナス255℃)である。銅のような従来の電気伝導体と比較して、超電導体は、なんら大きい電流の損失がなく、例えば、通常は100〜200倍大きい電力を保持し得る。主にこの理由によって、超電導体は、高磁場磁石の構築に用いられる。超電導磁石は、医療用磁気共鳴画像化(MRI)および磁気共鳴分光計(MRS)に必須であり、巨大な年間市場に相当する。
磁石は、数kmの導線を必要とし、これは、支持構造上に巻きつけられる。磁場は、この巻線を通じて電流を送ることによって生じ得る。超電導体の場合、通電容量は、磁場、温度および機械的応力に依存する、臨界電流によって制限される。磁石の製造のために、超電導体は、メイヤー(mayor)の要件を満たさなければならない。
− 数kmの長さの利用可能性。
− 超電導特性の悪化のない磁石の巻線。
− 可能であれば、磁石の巻線後に熱処理がない。
高い電磁力を支持するための高い機械的強度。
− 名目上の磁場(温度)で100A/mm 以上の工学的臨界電流密度。
− 費用効果的な伝導体製造。
NbTi超電導体は、今までのところ、完全な材料である。しかし、達成可能な磁場強度は約11テスラに制限される。最大約24テスラまでの、より高い磁場では、NbSn超電導体が利用可能である。NbSnは、脆弱であって、かつNbTiのように製造できない。今日の製造技術は、押し出し成形および伸線によって伝導体に製造され得る、構成材量のアセンブリを用いる。この厄介な事態のせいで、NbSn超電導体は、さらに高価であって、NbTiの約6〜10倍である。超電導NbSn相は、約100時間の間に650℃の範囲で適切な反応熱処理による磁石の巻線後に形成される。明らかに磁石のどのような熱処理も費用を増大する。
三元カルコゲニドのモリブデン(TMC)超電導線の製造のための多くの試みが世界中で行われた。例えば、特許文献1の明細書では、モリブデンの三元カルコゲニドの超電導線が、モリブデンの三元カルコゲニドの粉末と、より小さい粒度の金属粉末との混合によって得られ、金属チューブ(例えば、モリブデン、ニオブ、タンタル、チタニウムおよびバナジウム)に挿入される。追加の金属粉末の目的は、空隙の除去、および高温での焼結によるそれらの排除である。伸線および冷間加工の後、ワイヤを少なくとも20時間の間約800℃で最終加熱処理にかける。
さらに、特許文献2の明細書では、最初の超電導材料は、モリブデンチューブおよび外側鋼ジャケットに挿入される、1マイクロメートル未満の平均粒径の粉末化された超電導相(それぞれその相の形成のための最初の成分)である。従って、アセンブリ全体を、1000℃〜1600℃の温度で押し出し、その後に上昇した温度での伸線を続けた。特許文献2の明細書では、最初のTMC材料は、粉末化された超電導相またはそれぞれ粉末化された最初の成分であることが強調される。
別の例は、特許文献3に述べられているが、TMC粉末を用いるか、または代わりに、タンタルのチューブに優先的に充填される、その構成要素の粉末を用いる。次いで、そのアセンブリをワイヤに加工して、800℃を超える圧力下で熱処理する。
特に関連するのは、H.Yamasakiらの研究(非特許文献1)であって、彼らは、モリブデン拡散障壁およびステンレス鋼マトリックスを有する単芯のTMCワイヤの製造後に熱間等方加圧(HIP)を適用した。このことは、臨界電流密度が、粒度の良好なコネクティビティ、および各々27cmの長さを有する4つのワイヤサンプルの均一性によって改善され得ることを意味する(1181〜1182頁にまたがる段落、図4)。しかし、当業者にはこれらのデータをとり、かついわゆるクレーマーの外挿によって上部臨界磁場を算出することは明白である(ここでB 0.25 0.5 は、磁場の一次関数である)(Bは、テスラによる磁場であり、かつJ は、A/mm による臨界電流密度である)。ゼロにJ を外挿することによって、H.Yamasakiらの言及した研究では4.2Kで33.5Tという上部臨界磁場が得られる。この値は、51Tというそのバルク値未満であり、このことは、HIP処理後のTMCワイヤが、やはり粒状として挙動することを示している(非特許文献2もまた参照のこと)。この理由で、本発明のプロセスによって製造されたTMCワイヤは、H.Yamasakiらが述べているプロセスから十分に識別できる。
TMCワイヤの製造のための他の方法は、科学論文で述べられており、この論文は、B.Seeberによって、非特許文献にレビューされている。これまでの全ての研究に共通するのは、特許および刊行物は、臨界電流密度が、実用的適用性には不十分であるということである。磁石の種類次第で、費用という理由のために、磁石の原材料は、公称の磁場で100A/mmという最小工学的臨界電流密度を必要とする。工学的電流密度のもとで、当業者は、非超電導マトリックスおよび安定化材料を含む総伝導体断面で割った臨界電流、ならびに電気絶縁性を理解する。最も進歩したTMCワイヤ製造技術を比較すれば、25テスラで約80A/mmまで収束がある(非特許文献を参照のこと)。
不十分な工学的電流密度の3つの主な理由が特定されている:
− 伝導体の粉末冶金製造プロセスのせいで粒間コネクティビティが劣る。
− TMC超電導体の粒子挙動。これは、超電導特性、具体的には臨界電流が、その内側の粒子に関して結晶粒界で減少されるということを意味する。
− モリブデン以外の障壁材料、例えば、タンタルまたはニオブは、不適当である。なぜなら、粒子挙動は、高温での結晶粒界にそったイオウの拡散のおかげで好ましいからである。
粒子挙動の理解のために、超電導体のコヒーレンス長の簡潔な考察が有益である。全ての高磁場超電導体に共通なのは、短いコヒーレンス長である。この長さは、材料の特徴であって、クーパー対を形成する電子が相関する距離を示す(非特許文献5)。クーパー対は、超電導体の電荷担体とみなされ得る。コヒーレンス長は、ギンツブルグ−ランダウ(Ginzburg Landau)の関係によって算出され得る(非特許文献)。

式中、Sc2は、材料特異的な上部臨界磁場であり、Φは、物理定数(磁束粒子)であり、かつξは、コヒーレンス長である。Bc2もξも、温度に依存することに注意のこと。一旦、磁場が、BC2を超えれば、超電導性は破壊される。言い換えれば、必要な磁場強度が高くなるほど、Bc2は高くなければならない。従って、上述の関係によれば、上部臨界磁場を増大するには、コヒーレンス長が低下する。
コヒーレンス長が短いほど、局所超電導特性は、コヒーレンス長の順序またはその上の寸法を有する欠損に敏感になる。例えば、結晶粒界は、局所的に臨界温度、およびまた上部臨界磁場も、および従って、超電導体の能力、すなわち臨界電流も低下し得る。超電導体は粒状に挙動するとされ:粒子内側の超電導特性(粒内特性)に関して、それらは、結晶粒界で低下される(粒内特性)。
それぞれ6.1nmおよび4.0nmというコヒーレンス長を有するNbTiおよびNbSnは、ほとんど粒子挙動を示さない。しかし、これは、TMC超電導体(3.3nm〜2.6nm)では生じ得る。具体的には、臨界電流は、粒間特性によって制限される。例えば、H.Yamasakiは、PbMo−TMC超電導体の場合、少量の鉛の沈降が結晶粒界で、臨界電流を1ケタずつ低下することが示される(非特許文献)。さらに、結晶粒界の物理的特性は、結晶粒界にそったイオウの拡散によるニオブ障壁を有するTMC超電導体中で分解される。この状況は、非特許文献で詳細に研究された。この研究の結果の1つは、TMCコアとニオブとの間の化学的相互作用が、回収/反応熱処理温度を低下することによって、および密度を増大すること(多孔性の低下)によって顕著でなくなるということであった。同様の状況が、タンタル障壁の場合に予想される。
米国特許第4,594,218号明細書 欧州特許第0181496号明細書 欧州特許出願第0171918号明細書
エイチ・ヤマサキ(H.Yamasaki)らジャーナル・オブ・アプライド・フィジックス(Journal of Applied Physics)72(3),1992年8月1日,1181頁,左側カラム、図1 ビー・ゼーバー(B.Seeber)ハンドブック・オブ・スーパーコンダクティング・マテリアルズ(Handbook of Superconducting Materials),ディー・エー・カードウェル(D.A.Cardwell)およびディー・エス・ギンレー(D.S.Ginley)(編),インスティチュート・オブ・フィジックス・パブリッシング(Institute of Physics Publishing)、2003年,図B3.3.5.2.,687頁。 ビー・ゼーバー(B.Seeber)ハンドブック・オブ・スーパーコンダクティング・マテリアルズ(Handbook of Superconducting Materials),ディー・エー・カードウェル(D.A.Cardwell)およびディー・エス・ギンレー(D.S.Ginley)(編),インスティチュート・オブ・フィジックス・パブリッシング(Institute of Physics Publishing)、2003年,表3.3.5.1.695頁 ビー・ゼーバー(B.Seeber)ハンドブック・オブ・スーパーコンダクティング・マテリアルズ(Handbook of Superconducting Materials),ディー・エー・カードウェル(D.A.Cardwell)およびディー・エス・ギンレー(D.S.Ginley)(編),インスティチュート・オブ・フィジックス・パブリッシング(Institute of Physics Publishing)、2003年,図B3.3.5.10.696頁 エム・ティンカム(M.Tinkham)、イントロダクション・ツー・スーパーコンダクティビティ(Introduction to Superconductivity),マグロー・ヒル(McGraw Hill),1975年,17頁 エム・ティンカム(M.Tinkham)、イントロダクション・ツー・スーパーコンダクティビティ(Introduction to Superconductivity),マグロー・ヒル(McGraw Hill),1975年,129頁。 エイチ・ヤマサキ(H.Yamasaki)ら、ジャーナル・オブ・アプライド・フィジックス(Journal of Applied Physics)、70(3),1991年8月1日、表I,1607頁 ピー・ラビラー(P.Rabiller)ら、ジャーナル・オブ・アロイズ・アンド・コンパウンズ(Journal of Alloys and Compounds).1992年、178,447頁
発明の開示
本発明の目的の1つは、約24テスラの磁場でNbSn伝導体の限界を克服することである。技術的観点から、最も興味深いTMC超電導体は、SnMo(SMS)およびPbMo(PMS)である。これらの材料の主な利点は、達成可能な磁場の上限が、30テスラ(SMS)と50テスラ(PMS)との間にあるということである。さらに、NbSnに関して、TMC超電導体の降伏力(Rp02)は、4の計数で改善される(B.Seeber、Handbook of Applied Superconductivity,B.Seeber(編集),Institute of Physics Publishing,1998,図B9.1.10.p.442を参照のこと)。主にこの理由で、TMC超電導体はまた、NbSnが用いられる磁場範囲を目的とする(11テスラ〜24テスラ)。機械的強度は、特に、医療用磁気共鳴画像化(MRI)、高エネルギー物理学(HEP)用の磁石、または持続可能エネルギーの可能性のある将来的な供給源である熱核融合反応などの大型の磁石のシステムで重要である。
NbSnに関して、本発明の追加的な利点は、TMC超電導体が、巻線の後に熱処理なしで高磁場磁石の構築に用いられ得るということである。
粒間コネクティビティおよび粒子挙動が劣るという問題は、本発明では、100%密度のTMCバルク材料の熱塑性/超塑性変形の適用によって解決される。結果として、工学的臨界電流密度はもはや、粒子コネクティビティおよび粒度では制限されない。障壁材料としてモリブデンは主に、TMC超電導体に対するその不活性のために用いられ、これによって、結晶粒界を分解し得る粒間の拡散が妨げられる。本発明の不可欠な部分は、少なくとも100という残留抵抗率比(RRR)を有する高純度モリブデンの使用である。そのため、モリブデン障壁はまた、NbTiおよびNbSnの場合、銅のような安定化剤の機能を引き継ぐこともできる。
本発明によるプロセスは、上記超電導線が、粉末冶金によって、および熱間等方加圧(HIP)によって、100%密度のバルク材料に生成され、真空気密で高純度モリブデン缶に充填され、次に真空気密で、液体ヘリウムの温度での適用に適したステンレス鋼缶に充填され、その後に1200℃とステンレス鋼によって与えられる限界との間の熱間押し出し、および500℃と1200℃との間の熱間伸線が続いて、TMCフィラメントの塑性/超塑性変形が可能になるという点で特徴付けられる。
有利なことに、熱間押し出しは、1200℃の温度とステンレス鋼によって与えられる温度限界との間で行われ得る。
本発明のプロセスを行うための好ましい方式によれば、熱間伸線は、TMCフィラメントの塑性/超塑性変形を可能にする500℃〜1200℃の温度で行われる。
熱間等方加圧は好ましくは、熱間押し出しの前に導入される。
好ましくは、追加的な拡散障壁、例としては、タンタルまたはニオブは、熱間押し出しおよび熱間伸線プロセスの間にモリブデンの残留抵抗率比を維持するために、ステンレス鋼ジャケットとモリブデン障壁との間に導入される。
有利な実施形態によれば、第一の工程では、円形または六角形の断面に熱間変形される単芯のまたは多芯の超電導基本伝導体が製造され、真っ直ぐなピースに切断され、そして第二の工程では、これは、第二のステンレス鋼押し出し成形ビレットへ真空気密に再スタックされて、熱間変形にかけられる。
有利には、第三の工程で、第二の熱間押し出し成形および熱間伸線の後に製造された多芯の超電導体が、真っ直ぐなピースに切断され、第三のステンレス鋼押し出し成形ビレットへ真空気密に再スタックされて、熱間変形されて超電導体線が生成される。
好ましくは、最初に用いられるTMCは、SnMoおよびPbMo、またはそれらの混合物以外のバルク材料である。
最初に用いられ得るTMCは、超電導特性、具体的には、工学的臨界電流密度または熱間変形プロセスを改善する添加物を有するバルク材料である。
モリブデン障壁は、熱間変形プロセスを改善するが残留抵抗率比(RRR)を損なわないための添加物とともに用いられることが有利である。
三元モリブデンカルコゲニド(TMC)超電導素子は、上記超電導体素子が、両方の素子がステンレス鋼ジャケットによって囲まれている、モリブデン障壁に囲まれる内部TMCフィラメントを有する少なくとも1つの基本素子を備えるという点で特徴付けられる。
上記超電導体素子は有利には、モリブデン障壁およびステンレス鋼ジャケットによって囲まれる、各々の内部TMCフィラメントを有する多数のTMC単芯超電導体を含む。
好ましくは、上記単芯または多芯超電導体の各々は、六角形または丸い断面形状のステンレス鋼ジャケットによって囲まれる。
本発明は、添付の図面を参照して、ここで例として下に記載する。
コヒーレンス長を、4.2ケルビンの温度で上部臨界磁場Bc2の関数として示す。 基本的な単芯のTMC超電導体の配置図を図示する。 図3は、7つのフィラメントのTMC超電導体の配置図を示す。
図1は、コヒーレンス長を、NbTi、NbSnおよびTMC超電導体について4.2ケルビンの温度で上部臨界磁場Bc2の関数として示す。SMSおよびPMSは、それぞれSnMoおよびPbMoを表す。TMC超電導体の比較的短いコヒーレンス長に起因して、それらは、結晶粒界の質に特に鋭敏である。主にこの理由によって、ワイヤ製造は、熱間変形技術を必要とする。
モリブデンの熱膨張は小さいので、TMCコア/フィラメントは、引張応力のもとで、製造温度から室温まで、および冷却に必要な液体ヘリウムの温度(マイナス269℃=4.2ケルビン)まで冷却することによってなる(Miragliaら、,Mat.Res.Bull.22(1987),p.795,およびB.Seeberら,IEEE Trans.Mag.23(1987),p.1740)。この理由のために、TMC/モリブデンアセンブリを、高温の膨張を有するステンレス鋼のカバーで被覆する。特定のモリブデン/ステンレス鋼の比をとることで、4.2ケルビンでのTMCフィラメントの加熱予圧を調節してもよい。
多芯TMC伝導体の基本素子10の配置図を図2に示す。次いで、このアセンブリを、ステンレス鋼ジャケットで制限される約1200℃で押し出し、その後に500℃〜1200℃の熱間伸線を続ける。上昇した温度での変形プロセスは、TMC超電導体の塑性/超塑性変形に必須である。基本素子10は、モリブデン障壁12で囲まれる内部TMCフィラメント11を備え、両方の素子が、ステンレス鋼ジャケット13に囲まれる。モリブデン障壁は、100を超える残留抵抗率比を有し、かつ安定化剤として、および拡散障壁として機能する。このステンレス鋼ジャケットは、冷却の際のTMCフィラメントに対する熱誘発性応力を調節するために必要である。アセンブリ全体が、多芯のTMC−超電導体の基本素子である。
本発明は、さらに、以下の実施例によって記載される:
第一の工程では、TMCバルク材料を、粉末冶金法で合成する。必須の工程は、この材料を優先的に熱間等方加圧(HIP)によって100%密度まで圧縮することである。粉末冶金の適用によって、粒径および粒径分布の正確な調節が可能になり、これは、その後の熱間変形プロセスに重要である。さらに、工学的臨界電流密度(ピンニングセンター)を改善するための添加物を導入することが容易である。
100%密度のTMCバルク材料を、円柱の形状に機械加工した後、これを高純度のモリブデン缶に挿入し、次に、これを優先的に電子ビーム溶融によって減圧下で密閉する。モリブデン缶は、電気スタビライザーとして機能するので、これは、少なくとも100という残留抵抗率比(RRR)を有さなければならない。さらに、モリブデン缶は、拡散障壁としての機能を有し得る。次いで、得られたアセンブリを、ステンレス鋼缶に挿入し、これを、優先的に電子ビーム溶融によって減圧下で密閉する。
TMCのビレットの第二の工程では、モリブデンおよびステンレス鋼を、高温、典型的には、約1200℃で押し出し、続いて熱間伸線する。全変形プロセスは、上昇した温度で行われることが必須である。これによって、完全な粒間コネクティビティが可能になり、TMC超電導体の粒子挙動が回避される。その後の工程は、丸または六角の断面を有する必要な寸法への単一コアTMCワイヤ/ロッドの変形、切断、直線化および第二のステンレス鋼押し出し成形ビレットへの再スタックである。
この原理は、図3で図示しており、ここでは両方の素子がステンレス鋼ジャケット13によって囲まれる、六角形の断面を有し、かつモリブデン障壁12で囲まれる内部TMCフィラメント11を有する7つのTMC単芯超電導体10を含む、7つのフィラメントのTMC超電導体20が示される。六角形の断面を有する、TMC基本素子は、改善された充填係数を有するが、その断面は、他の理由で変化されてもよい。上昇した温度での押し出し成形および伸線を含む変形プロセスを繰り返す。TMC超電導体のレイアウト次第で、最終的に第三の押し出し成形ビレットを、組み立てて変形しなければならない。
製造プロセスは実施例1として記載される。
追加の工程では、ビレット(TMC+モリブデン+ステンレス鋼)を、熱間等方加圧(HIP)にかけた後、押し出し成形にかけて、これによって、異なる構成要素の間の完全な結合を確実にする。押し出し成形および伸線は、実施例1に記載のとおりである。
第一の工程では、TMCバルク材料を、粉末冶金法で合成する。必須の工程は、この材料を、優先的に熱間等方加圧(HIP)によって100%密度まで圧縮することである。粉末冶金の適用によって、その後の熱間変形プロセスに重要である、粒径および粒径分布の正確な調節が可能になる。さらに、工学的臨界電流密度(ピンニングセンター)を改善するための添加物を導入することが容易である。100%密度のTMCバルク材料を、円柱の形状に機械加工した後、これを高純度のモリブデン缶に挿入し、次に、これを真空下で優先的に電子ビーム溶融によって密閉する。モリブデン缶は、電気スタビライザーとして機能するので、これは、少なくとも100という残留抵抗率比(RRR)を有さなければならない。さらに、モリブデンは、拡散障壁として機能し得る。次いで、得られたアセンブリを、チタニウムまたはニオブチューブに挿入し、これによって、ステンレス鋼缶からの混入からモリブデン障壁を保護する。このような混入は、モリブデンの残留低効率を低下し得る。ステンレス鋼缶への挿入後、これをまた真空下で優先的に電子ビーム溶融によって密閉し、押し出し成形および伸線は、実施例1に記載のとおりである。
この製造プロセスは実施例3に記載のとおりである。
アセンブリ(TMC、モリブデン、タンタル/ニオブおよびステンレス鋼)を、熱間等方加圧(HIP)にかけた後、押し出し成形にかけて、これによって、異なる構成要素の間の完全な結合を確実にする。押し出し成形および伸線は、実施例1に記載のとおりである。
本発明は、上記の認識には限定されず、添付の特許請求の範囲で規定されるプロセスによって製造される任意の種類のTMC超電導体線に拡張され得る。

Claims (13)

  1. 三元モリブデンカルコゲニド(TMC)超電導線、特にSnMoおよびPbMo、またはそれらの混合物を製造するためのプロセスであって、ここで工学的臨界電流密度が長さにわたって均一であり、かつ22Tを超える磁場では少なくとも100A/mmであり:
    前記超電導線が粉末冶金によって、および熱間等方加圧(HIP)によって、100%密度のバルク材料に生成され、真空気密で高純度モリブデン缶に充填され、次に真空気密で、液体ヘリウムの温度での適用に適したステンレス鋼缶に充填され、その後に1200℃とステンレス鋼によって与えられる限界との間の熱間押し出し、および500℃と1200℃との間の熱間伸線が続いて、TMCフィラメントの塑性/超塑性変形が可能になるという点で特徴付けられる、プロセス。
  2. 請求項1に記載のプロセスであって:
    熱間押し出しが、1200℃の温度とステンレス鋼によって与えられる温度との間で行われる、
    という点で特徴付けられる、プロセス。
  3. 請求項1に記載のプロセスであって:
    熱間伸線が、TMCフィラメントの塑性/超塑性変形を可能にする500℃と1200℃との間の温度で行われる、
    という点で特徴付けられる、プロセス。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のプロセスであって、
    熱間等方加圧が熱間押し出しの前に導入される、
    という点で特徴付けられる、プロセス。
  5. 請求項1に記載のプロセスであって、
    追加的な拡散障壁、例としては、タンタルまたはニオブが、熱間押し出しおよび伸線プロセスの間、モリブデンの残留抵抗率比を維持するために、ステンレス鋼ジャケットとモリブデン障壁との間に導入されるという点で特徴付けられる、プロセス。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のプロセスであって、
    第一の工程では、円形または六角形の断面に熱間変形される単芯のまたは多芯の超電導基本伝導体が製造され、真っ直ぐなピースに切断され、そして第二の工程では、これは、第二のステンレス鋼押し出し成形ビレットへ真空気密に再スタックされて、熱間変形にかけられる、
    という点で特徴付けられる、プロセス。
  7. 請求項6に記載のプロセスであって
    第三の工程で、第二の熱間押し出し成形および熱間伸線の後に製造された多芯の超電導体が、真っ直ぐなピースに切断され、第三のステンレス鋼押し出し成形ビレットへ真空気密に再スタックされて、熱間変形されて超電導体線が生成される、
    という点で特徴付けられる、プロセス。
  8. 請求項1に記載のプロセスであって、
    最初に用いられるTMCが、SnMoおよびPbMo、またはそれらの混合物以外のバルク材料である、
    という点で特徴付けられる、プロセス。
  9. 請求項8に記載のプロセスであって、
    最初に用いられるTMCが、超電導特性、具体的には、工学的臨界電流密度および/または熱間変形プロセスを改善する添加物を有するバルク材料である、
    という点で特徴付けられる、プロセス。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載のプロセスであって、
    モリブデン障壁が、熱間変形プロセスを改善するが残留抵抗率比(RRR)を損なうことがないための添加物とともに用いられる、
    という点で特徴付けられる、プロセス。
  11. 三元モリブデンカルコゲニド(TMC)超電導線、特にSnMoおよびPbMo、またはそれらの混合物であって、工学的臨界電流密度が長さにわたって均一であり、かつ22Tを超える磁場では少なくとも100A/mmであり、請求項1〜10のいずれかに記載のプロセスによって製造され、
    前記超電導体素子が、両方の素子がステンレス鋼ジャケット(13)によって囲まれている、少なくとも100という残留抵抗率比(RRR)を有するモリブデン障壁(12)に囲まれる内部TMCフィラメント(11)を有する少なくとも1つの基本素子(10)を備えるという点で特徴付けられる。
  12. 請求項11に記載の三元モリブデンカルコゲニド(TMC)超電導体素子であって、
    前記超電導体素子(20)が、少なくとも100という残留抵抗率比(RRR)を有するモリブデン障壁(12)およびステンレス鋼ジャケット(13)によって囲まれる、各々の内部TMCフィラメント(11)を有する多数のTMC単芯超電導体(10)を含むという点で特徴付けられる。
  13. 請求項12に記載の三元モリブデンカルコゲニド(TMC)超電導体素子であって、
    前記単芯超電導体(10)の各々が、六角形または丸い断面形状のステンレス鋼ジャケット(13)によって囲まれる、という点で特徴付けられる。
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