JP2017512115A - 筋硬直の測定システム、装置、および方法 - Google Patents

筋硬直の測定システム、装置、および方法 Download PDF

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Abstract

個体の所定の関節における筋硬直を測定するシステム、装置および方法が提供される。システムおよび装置は測定部と処理部とを備える。測定部は所定の関節の体節に適用される構成を有する。処理部は、一以上の測定装置より複数のデータセットを取得し、一以上の誘発された伸張反射の兆候のため複数のデータセットを分析し、筋硬直スコアを算出する。筋硬直スコアは、少なくとも第1硬直と第2硬直との差に基づき算出される。第1硬直は第1サブセットから算定し、第2硬直は第2サブセットから算定する。

Description

本発明は、筋硬直の測定、特に脳性麻痺者の筋硬直を測定する方法および装置に関する。
脳性麻痺(CP)は、最もよく見られる幼少期の運動障害である。これは出生前または直後の脳障害が原因である。これは異なるいくつかの症候群からなる「包括的用語」(umbrella term)として表現される。CPは、幼少期における最も深刻な障害の一つであり、家族や子供自身に大きな影響を及ぼす。更に、脳性麻痺は、健康、教育、社会サービスの必要が極めて大きい。脳性麻痺の子供の平均余命は、深刻なレベルの障害を持つ子供であっても世界的に長くなっている。
CPの子供の多くは幼少期の初期に筋痙縮が進行し、これが自発運動の能力に影響与える場合がある。更に、運動の大きな妨げとなる筋肉変化は一般的に初期に進行し、関節が変形したり運動範囲を制限したりすることになるおそれがある。これらの変化は、通常、関節の可動性を改善するために、幼少時代のある時点で外科的な介入を必要とする。
また、痙縮は、脊髄損傷、多発性硬化症、発作、外傷性脳損傷等の障害や損傷に関連するのが一般的である。
筋痙縮を算定するためには、通常、二つの主観的尺度(および方法)を使用する。修正版アシュワース・スケール(MAS)と修正版タルデュー・スケール(MTS)である。いずれも客観的でなく、信頼性が十分でないことが知られている。診断やこれに続く治療は、ほとんどまたは一部がこれらのスケールに基づくため、治療を誤るリスクがある。研究の結果、評価者間のばらつきが小さく信頼性のある定量的尺度を付与できる簡単な器具が必要であることがわかった。
WO2008/121067は、関節を二つの一定の速度(遅いものと速いもの)で受動的に伸長する、可動四肢における痙縮を算定するシステムを開示する。遅い速度での運動は反射の寄与がなく行われ、速い速度の運動は反射の寄与とともに実行される。
WO2006/102764は、手足を多様な角速度で動かす間にEMG信号を記録することによって、患者の痙縮を測定する方法を開示する。
WO2007/027631は、可動四肢における痙縮を算定する装置および方法を開示する。同装置は、力や圧力を定量化するための加速度計、ジャイロスコープ、およびセンサを含む。同方法は、四肢を回転軸中心の運度範囲で動かすことを含む。測定パラメータは、データプロセッサに送信され、データは処理され、緊張過度条件の特性を示す情報を生成する。
本発明は、筋痙縮を示す、客観的且つ再生可能な筋硬直スコアの測定を行うシステム、装置および方法を提供する。更に、本発明は、筋硬直スコアの計算において、筋硬直の受動的および能動的構成要素を区別し、診断ミスや治療ミスのリスクを低減できるシステム、装置および方法を提供する。
したがって、個体の所定の関節における筋硬直を測定するシステムが提供される。同システムは、測定部と処理部とを備える。測定部は所定の関節の体節に適用される構成を有する。測定部は、ハウジングと、力変換器を備える一以上の測定装置とを備える。処理部は、一以上の測定装置より複数のデータセットを取得し、一以上の誘発された伸張反射の兆候のため複数のデータセットを、例えば測定データに基づき分析し、筋硬直スコアを算出する構成を有する。
一以上の誘発された伸張反射の兆候は、筋肉活動の増長、加えられる力の増大、角速度の逆転、あるいはその組み合わせなどの兆候を含んでいてもよい。
複数のデータセットは、複数回の試行などあらゆる回数の試行により測定された測定データを含んでいても良い。試行は体節の動作セットであってもよい。試行は、例えば、検査する者が測定部を介して体節に外力を与えるなど、測定部を介した体節への外力付加によって、一つの角速度および/または複数の角速度で体節を動かすことを含んでいてもよい。測定データは、付加される力のデータを含んでいてもよい。付加される力は、検査する者によって体節に付与される外力を示すものであってもよい。
複数のデータセットのうちの第1サブセットおよび第2サブセットは、例えば、一以上の誘発された伸張反射の兆候のため複数のデータセットを分析することにより決定されてもよい。第1サブセットは、一以上の誘発された伸張反射の兆候が存在するデータセットを含む。第2サブセットは、誘発された伸張反射の兆候が存在しないデータセットを含む。
筋硬直スコアは、少なくとも第1硬直と第2硬直の差に基づくものであってもよい。第1硬直は、付加された力のデータに基づき、第1サブセットから算定されてもよい。第2硬直は、付加された力のデータに基づき、第2サブセットから算定されてもよい。
第1および/または第2硬直は、例えば、各サブセットにおけるデータセットの算出された硬直度の平均値、中央値および/または合計値から算定されてもよい。
測定部が適用される体節は、所定の関節の先端の体節であってもよい。
別の観点において、個体の所定の関節における筋硬直を測定するための筋硬直測定装置が提供される。筋硬直装置は、所定の関節の体節に適用される構成を有する。筋硬直装置は、ハウジングと、力変換器を備える一以上の測定装置と、処理部とを備える。処理部は、一以上の測定装置より複数のデータセットを取得し、一以上の誘発された伸張反射の兆候のため複数のデータセットを、例えば測定データに基づき分析し、筋硬直スコアを算出する構成を有する。
一以上の誘発された伸張反射の兆候は、筋肉活動の増長、加えられる力の増大、角速度の逆転、あるいはその組み合わせなどの兆候を含んでいてもよい。
複数のデータセットは、複数回の試行などあらゆる回数の試行により測定された測定データを含んでいてもよい。試行は体節の動作セットであってもよい。試行は、例えば、検査する者が測定部を介して体節に外力を与えるなど、測定部を介した体節への外力付加によって、一つの角速度および/または複数の角速度で体節を動かすことを含んでいてもよい。測定データは、付加される力のデータを含んでいてもよい。付加される力は、検査する者によって体節に付与される外力を示すものであってもよい。
複数のデータセットのうちの第1サブセットおよび第2サブセットは、例えば、一以上の誘発された伸張反射の兆候のため複数のデータセットを分析することにより決定されてもよい。第1サブセットは、一以上の誘発された伸張反射の兆候が存在するデータセットを含む。第2サブセットは、誘発された伸張反射の兆候が存在しないデータセットを含む。
筋硬直スコアは、少なくとも第1硬直と第2硬直の差に基づくものであってもよい。第1硬直は、付加された力のデータに基づき、第1サブセットから算定されてもよい。第2硬直は、付加された力のデータに基づき、第2サブセットから算定されてもよい。
第1および/または第2硬直は、例えば、各サブセットにおけるデータセットの算出された硬直度の平均値、中央値および/または合計値から算定されてもよい。
筋硬直装置が適用される体節は、所定の関節の先端の体節であってもよい。
別の観点において、筋硬直スコアの測定方法が提供される。同方法は、測定データを含む複数のデータセットを取得し、一以上の誘発された伸張反射の兆候のため複数のデータセットを、例えば測定データに基づき分析し、筋硬直スコアを算出することを含む。
一以上の誘発された伸張反射の兆候は、筋肉活動の増長、加えられる力の増大、角速度の逆転、あるがその組み合わせなどの兆候を含んでいてもよい。
測定データは、体節に外力を付与し一つの角速度で体節を動かすことにより得られてもよい。
測定データは、複数回の試行により測定されてもよい。複数の試行は、検査する者が測定部を介して体節に外力を与えるなど、体節への外力付加によって、一つの角速度および/または複数の角速度で体節を動かすことを含んでいてもよい。測定データは、付加される力のデータを含んでいてもよい。付加される力は、検査する者によって体節に付与される外力を示すものであってもよい。
複数のデータセットを分析することは、複数のデータセットのうち第1サブセットおよび第2サブセットを決定することを含んでいてもよい。第1サブセットは、一以上の誘発された伸張反射の兆候が存在するデータセットを含む。第2サブセットは、誘発された伸張反射の兆候が存在しないデータセットを含む。
筋硬直スコアの算出は、少なくとも第1硬直と第2硬直の差に基づくものであってもよい。第1硬直は、付加された力のデータに基づき、第1サブセットから算定されてもよい。第2硬直は、付加された力のデータに基づき、第2サブセットから算定されてもよい。
別の観点において、個体の所定の関節における筋硬直スコアの測定方法が提供される。同方法は、所定の関節の体節に一以上の測定装置が適用され、複数回の試行などいくつかの回数の試行が行われることを含む。複数回の試行は、検査する者が測定部を介して体節に外力を与えるなど、体節への外力付加によって、一つの角速度および/または複数の角速度で体節を動かすことを含んでいてもよい。同方法は更に、一以上の測定装置から複数のデータセットを取得し、一以上の誘発された伸張反射の兆候のため複数のデータセットを、例えば測定データに基づき分析し、筋硬直スコアを算出することを含む。
一以上の誘発された伸張反射の兆候は、筋肉活動の増長、加えられる力の増大、角速度の逆転、あるいはその組み合わせなどの兆候を含んでいてもよい。
複数のデータセットは、複数回の試行などいかなる回数の試行により測定された測定データを含んでいてもよい。試行は、体節の動作セットであってもよい。試行は、検査する者が測定部を介して体節に外力を与えるなど、測定部を介した体節への外力付加によって、一つの角速度および/または複数の角速度で体節を動かすことを含んでいてもよい。
複数のデータセットのうちの第1サブセットおよび第2サブセットは、例えば、一以上の誘発された伸張反射の兆候のため複数のデータセットを分析することにより決定されてもよい。第1サブセットは、一以上の誘発された伸張反射の兆候が存在するデータセットを含む。第2サブセットは、誘発された伸張反射の兆候が存在しないデータセットを含む。
筋硬直スコアは、少なくとも第1硬直と第2硬直の差に基づくものであってもよい。第1硬直は、第1サブセットから算定されてもよい。第2硬直は、第2サブセットから算定されてもよい。
一以上の測定装置を適用する体節は、所定の関節の先端の体節であってもよい。
筋硬直スコアが代わりのより良い方法で算定されることは本開示の利点である。よって、不要の可能性のある治療を回避あるいは削減して、初期段階で適正な治療を開始することができる。
さらに、算定された筋硬直スコアが検査する者による主観的な算定に依存する度合いが小さいため、検査の信頼性および一貫性を向上させることができる点は本開示の利点である。さらに、これにより、患者の病状の改善を検知できる可能性が高くなり得る。
さらに、WO2008/121067などにあるように所定の速い動作および遅い動作に依存するのではなく、反射が誘発されたかどうかを判定するために試行が分析される点は本開示の利点である。反射を誘発するための正確な速度のしきい値は、このしきい値が個体間で異なるため、既知である必要はない。
よって、測定データに基づき反射が誘発されたかどうかを判定することにより、速度が速いか遅いという区別なく、変速的な速度など、いかなる速度の動作も利用することができる。よって、よりユーザーフレンドリーな方法および/または装置および/またはシステムが提供される。
さらに、本開示の利点として、定量化可能な筋硬直スコアを提供できる点がある。一方、WO2006/102764などの先行技術は、測定をEMGに依拠しているため、検査する者は関節の硬直性に関する定量化可能な情報を得られない。
さらに、本開示の利点として、携帯型の装置および/またはシステムを提供することができるため、家庭など病院外の環境においても筋硬直の算定を簡単に行うことができる点がある。
さらに、本開示の利点として、本方法、装置、および/またはシステムは、測定するものとしてほぼ剛性部品に依存している点がある。よって、機械の故障の可能性が少ない装置を提供することができ、よりユーザーフレンドリーなものとなる。
筋硬直は関節の動きに反する抵抗を測定するものである。この抵抗は主に関節の筋肉が伸張に抗することによって起こされる。よって、筋硬直は関節を測定してもよい。
さらに、修正版アシュワース・スケール(MAS)と修正版タルデュー・スケール(MTS)などの公知の方法は、主観的であり且つ信頼性が十分でないことのほかに、共通の痙縮のスコアを提供するため、受動的硬直と能動的硬直とを区別していないのに対し、本開示の利点は受動的硬直と能動的硬直とを区別することができる。US2007/027631などに開示された方法は、同様に、伸張反射が誘発された状況と伸張反射が誘発されない状況における硬直を区別しない。
痙縮は、極度の伸張反射によって引きこされる筋緊張の速度依存の増加であり、影響された筋肉が伸張されたときに生じる。この筋緊張(能動的硬直)における反射による増大は、筋肉の弾力性(受動的硬直)における変化と混同され得る。
この受動的硬直は、能動的硬直が通常であるのに対し、筋拘縮症の増加によって非CP患者に比べCP患者においてかなり多い。同様の研究結果は、脊髄損傷、まひ、多発性硬化症の成人にも見られる。
さらに、本開示の利点として、能動的硬直と受動的硬直とを区別することができることによって、抗けいれん剤を使用する必要がなくなる可能性がある点がある。つまり、受動的硬直は、ほとんどの場合、ボツリヌストキシン(Botulium Toxin)、バクロフェン( Baclofen)などの抗けいれん剤で変わることはないためであって、これはかかる薬剤が一般的には神経反射が介在する活動にしか効かないからである。
同方法は、筋硬直を測定するシステムにより実行されてもよいし、同様に提供される筋硬直装置によって実行されてもよい。同方法の少なくとも一部は、筋硬直を測定するシステムの処理部や筋硬直装置の処理部などの処理部において実行されるソフトウエアに組み込まれたものであってもよい。
複数のデータセットは、2、3、4つのサブセットなどに分割されている。なお、典型的には、第1サブセットと第2サブセットなど、二つのサブセットに分割される。複数のデータセットがどのサブセットに割り当てられるかは、一以上の誘発された伸張反射の兆候に基づいて判定される。一以上の誘発された伸張反射の兆候が存在するデータセットは第1サブセットに割り当てられる。第2サブセットは、誘発された伸張反射の兆候が存在しないデータセットを含む。
実際、いくつかのデータセットは、最低限の品質基準を満たすため測定エラーやノイズなどの不具合のため廃棄される。複数のデータセットは、これらの状況下において、廃棄されない複数のデータセットを示す。
複数のデータセットは、一以上の測定装置から取得する。複数のデータセットは、一つずつ取得し、メモリに格納されてもよい。例えば、第1データセットは第1の試行後に取得し、第2データセットは第2の試行後に取得し、第3データセットは第3の試行後に取得するなどである。あるいは、複数のデータセットは一以上の測定装置のメモリに収集された後、一以上の測定装置からまとめて取得するようにしてもよい。
一以上の測定装置は、一以上の加速度計を備えてもよい。測定データは、一以上の加速度計からの加速度データなどの加速度データを含んでいてもよい。一以上の測定装置は、一以上のジャイロスコープを備えていてもよい。測定データは、一以上のジャイロスコープからの角速度データなどの角速度データを含んでいてもよい。測定データは、全角変位など角度および/または角変位の情報を含んでいてもよい。角度および/または角変位は、角速度データから算出してもよい。
一以上の加速度計、および/または一以上のジャイロスコープは、測定部の方向および/または動きに関する情報、例えば加速度データおよび/または角速度データを提供するものであってもよい。測定部の方向および/または動きに関する情報は、所定の関節の関節中心を判定するのに用いてもよい。関節中心は所定の関節において回転中心および/または回転軸とみなされる。さらに、測定部の方向および/または動きに関する情報は、体節の動作中に所定の関節における回転の角速度を算定するのに用いてもよい。
ハウジングは、一以上の測定装置を覆い、ハウジングは、ハウジングを固定する手段を備えるため、測定装置は体節に固定される。よって、測定データ、特に加速度および角速度のデータは、実際の体節の動作をより正確に測定したものを提供することができる。
一部の実施形態においては、関節中心から測定部の所定の位置までの距離は、測定部および/または処理部によって自動的に判定される。加えてまたはこの代わりに、関節中心から測定部の所定の位置までの距離は、手動で測定し、処理部に接続されるるユーザインタフェースを介して処理部に入力されてもよい。
第1硬直および/または第2硬直などの硬直度は、距離に基づくものであってもよい。例えば、距離は付加された力のデータに基づきトルクを算定するために用いられ、つまりトルクデータは距離および付加された力のデータに基づくものであってもよい。
第1硬直および/または第2硬直などの硬直度は、角変位など、トルクを角度で割って算出してもよい。
処理部は、例えば所定の関節および/または関節中心などの参照点を基準にして、測定部の加速度や角速度を算出してもよい。この算出は、一以上の加速度計や一以上のジャイロスコープから取得した測定結果、例えば一以上の加速度計からの加速度データや一以上のジャイロスコープからの角速度データに基づいて行われる。
少なくとも一以上の測定装置は、例えば第1加速度計および第2加速度計の二つの加速度計など、複数の加速度計を備えていてもよい。二つの加速度計を設けることにより、関節中心を判定する精度を向上させることができる。
一以上の加速度計および一以上のジャイロスコープを設けることにより、速い動きおよび遅い動き双方の測定精度を向上させることができる。
一以上の測定装置は、一以上の力変換器を備えていてもよい。一以上の力変換器は、体節が動く間体節に印加される外力を測定してもよい。一以上の力変換器は、結果としての外力を測定するなど、三次元的に体節に付加される外力を測定してもよい。
一以上の力変換器は、3軸力変換器であってもよい。代わりに、一以上の力変換器は、2または3つの力変換器など複数の力変換器を備えていてもよい。これらの力変換器は、複数の方向、例えば3つの直交する方向や3次元方向など2または3方向を含む複数の方向に加えられる外力を測定するように適切位置に配置されている。
一以上の測定装置は、一以上のトルク変換器を備えていてもよい。一以上のトルク変換器は、体節の動作中において体節に付加される外部トルクを測定するものであってもよい。一以上のトルク変換器は、二次元または三次元的に体節に付加される外部トルクを測定するものであってもよい。
一以上のトルク変換器は、3軸トルク変換器であってもよい。あるいは、一以上のトルク変換器は、複数のトルク変換器、例えば2または3つのトルク変換器を備え、これらは複数方向、例えば2または3方向、例えば直交する3方向や3次元など、複数方向において付加される外部トルクを測定するような位置に配置されていてもよい。
一以上の測定装置は、トルク変換器と力変換器を組み合わせた変換器、例えば多軸力トルク変換器や、6軸力トルク変換器を備えていてもよい。多軸または6軸力トルク変換器は、3つの方向全てにおける力およびトルクの構成要素を全て測定可能としてもよい。
測定データは、一以上の力変換器および/または一以上のトルク変換器によって測定される、付加される外力などの付加される力のデータを備えていてもよい。
測定部はハンドルを備えていてもよい。ハンドルは、ハウジングの内部から外側に延在していてもよい。一以上の力変換器はハンドルに付加された力を測定するように構成されていてもよい。
測定データは、付加されたトルクデータを含んでいてもよい。付加されたトルクデータは、一以上の力変換器および/または一以上のトルク変換器によって測定された付加された力などの付加された力の測定結果から算出するようにしてもよい。
一以上の測定装置は、一以上の筋肉活動検出部を備えていてもよい。一以上の筋肉活動検出部は、筋電図検査部または筋音図検査部を備えていてもよい。筋肉活動検出部は、所定の関節に近接する筋肉活動を検出する。測定データは、一以上の筋肉活動検出部により測定された筋肉活動データなどのデータを含んでいてもよい。筋肉活動データは、一または複数の筋肉の活動データを含んでいてもよい。
筋肉活動検出部は、活動が検出される筋肉上の皮膚上に配置される表面電極および/またはマイクロフォンを備えていてもよい。表面電極および/またはマイクロフォンは、腹筋上の皮膚上に配置されてもよい。あるいはまたはこれに加えて、筋肉活動検出部は、活動が検出される筋肉内に皮膚を穿孔して配置した筋内電極を備えていてもよい。
一以上の測定装置は、複数の筋肉活動検出部を備えていてもよい。複数の筋肉活動検出部は、複数の筋肉活動を検出することができ、および/または複数の異なる筋肉活動検出方法、例えば筋電図検査法や筋音図検査法を組み込むことができる。複数の筋肉活動検出部はまた、より正確な筋肉活動測定を提供することができる。複数の筋肉活動検出部は一以上の筋電図検査部および/または一以上の筋音図検査部を備えていてもよい。
誘発された伸張反射の兆候は一以上の測定結果において見ることができる。例えば、誘発された伸張反射の兆候は、加えられた力の突発的増加、筋肉活動の突発的増加、および/または突発的減少、場合によっては負の角速度などのうち一以上を含む。よって、複数のデータセットを分析することは、複数のデータセットのうち付加された力のデータを分析することを含んでいてもよい。あるいはまたはこれに加えて、複数のデータセットを分析することは、複数のデータセットの筋肉活動データを分析することを含んでいてもよい。あるいはまたはこれに加えて、複数のデータセットを分析することは、複数のデータセットの角速度データを分析することを含んでいてもよい。
複数のデータセットは、試行データセットを含んでいてもよい。処理部はさらに、試行データセットを取得し、および/または一以上の誘発された伸張反射の兆候のため試行データセットを分析する構成であってもよい。例えば、処理部は第1試行データセットを取得し、第2試行データセットを取得する処理の前に第1試行データセットを分析する。処理部は、同試行データセットの分析により一以上の誘発された伸張反射の兆候がある場合は第1信号を出力する構成であってもよい。この場合、処理部は例えば、同試行データセットが一以上の伸張反射の兆候を含む場合は第1信号を出力する構成であってもよい。よって、筋硬直の測定を実行する検査する者は、実行された試行が一以上の誘発された伸張反射の兆候を含むかどうかを知らされることができる。同様に、処理部は、同試行データセットの分析により誘発された伸張反射の兆候がない場合は第2信号を出力する構成であってもよい。よって、検査する者は、実行された試行が誘発された伸張反射の兆候を含まないことを知らされることができる。
一部の実施形態において、第1信号などの信号は、試行データセットが誘発された伸張反射の兆候を含む場合に提供される。他の実施形態において、第2信号などの信号は、試行データセットが誘発された伸張反射の兆候を含まない場合に提供される。さらに他の実施形態において、第1信号などの信号は、試行データセットが誘発された伸張反射の兆候を含む場合に提供され、かつ第2信号などの信号は、試行データセットが誘発された伸張反射の兆候を含まない場合に提供される。
測定部は、処理部を含む別体の装置と通信可能であってもよい。例えば、別体の装置は、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレットコンピュータなどのコンピュータ装置であってもよい。
処理部と測定部間の通信は、無線または有線の通信、例えばUSBの有線の通信を確立することにより行われてもよい。あるいは、別体の装置はドッキング・ステーションを備え、測定部はドッキング・ステーションに挿入されたときに処理部に連結されるようにしてもよい。あるいは、また補助として、処理部と測定部間の通信は無線であってもよく、例えば測定データは別体の装置に無線で送信されてもよい。よって、測定部は別体の装置と無線で通信する無線送受信機を備えていてもよい。
測定部および/または筋硬直装置は、所定の関節の各サイドの部分間における可動の連結を避けてもよい。測定部および/または筋硬直装置は、所定の関節の体節など、一つの体節のみに適用する構成であってもよい。
測定部および/または筋硬直装置のハウジングは、一以上の測定装置を例えば覆うようにしてもよい。ハウジングは剛性であってもよい。よって、一以上の測定装置は、ヒンジ、スプリングなどの可動部への従属を避けることができる。
測定部は、一以上の測定装置などの測定部の構成要素に電力を付与する電源および/またはバッテリを備えてもよい。
一部の実施形態では、測定部は処理部を含んでいてもよい。例えば、測定部のハウジングは処理部を含んでいてもよい。筋硬直装置のハウジングは処理部を含んでいてもよい。
測定装置および/または筋硬直装置は、携帯の装置であってもよい。測定部および/または筋硬直装置および/またはハウジングは、複数の寸法、例えば長さ、幅、および/または高さであって、30cm未満、例えば20cm未満、例えば15cm未満の寸法であってもよい。
複数回の試行は角速度を変更しながら実行してもよい。例えば、一部の試行においては伸張反射を誘発させ、他の試行においては伸張反射を誘発させないようにする。これにより、角速度は、第1角速度および第2角速度を含む複数の角速度を少なくとも含む。第1角速度は、遅い動き、例えば40deg/s未満、30deg/s未満、20deg/s未満、5deg/s超え40deg/s未満、10deg/s超え30deg/s未満、10deg/s超え20deg/s未満などの角速度であってもよい。第2角速度は、速い動き、例えば160deg/s超え、180deg/s超え、200deg/s超え、160deg/s超え240deg/s未満、180deg/s超え220deg/s未満などの角速度であってもよい。
試行は、遅い動きの試行を第1回数、速い動きの試行を第2回数実行してもよい。あるいは、試行によって角速度を適宜、ランダム、あるいは擬似乱数的に変化させた試行を複数回行ってもよい。
算出した硬直スコアの結果は、検査する者に提供されてもよい。筋硬直装置および/またはシステムは出力部を備えてもよい。出力部は、少なくとも算出された硬直スコアを提示する構成であってもよい。出力部は、画像表示、PCスクリーン、タブレットコンピュータ、スマートフォンなどであってもよい。
筋硬直スコアは、中間の結果であって、他の可能性のある結果と組み合わせることにより検査する者が患者を検査するのを補助できるようにしてもよい。本開示において使用される「筋硬直スコア」(muscle stiffness score)を代替する用語としては、「痙縮スコア」(spasticity score)を用いてもよい。よって、「筋硬直スコア」と「痙縮スコア」同じスコアを言及するものとして代替的に用いる場合がある。
いかなる観点と関連して説明される実施形態または構成要素は、変更すべきところは変更して他のいかなる実施形態と共に利用されるものと考えられる。例えば、システムおよび/または筋硬直装置の処理部は、開示された方法および/または方法の部分として実行される構成であってもよい。
本発明は、添付の図面を参照してより詳細に説明する。同説明では、本発明の例示的実施形態を示す。しかし、本発明は異なる形態に具現化でき、ここで記載される実施形態に限定して解釈されるべきではない。それよりも、これらの実施形態は、本開示が詳細かつ完全であり、本発明の範囲を当業者が全て理解できるように提供される。全体にわたり同様の符号は同様の構成要素を示す。よって、各図面の説明に関して同様の構成要素は詳細に説明しない。
本発明の上記および他の特徴や利点は、以下の例示の実施形態の添付の図面を参照した詳細な説明により当業者はすぐに理解できる。
筋硬直を測定するシステムの一例を概略的に示す。 筋硬直を測定するシステムの一例を概略的に示す。 測定部の一例を概略的に示す。 筋硬直を測定する筋硬直装置の一例を概略的に示す。 筋硬直スコアを算出する方法のフローチャート。 データセットの分析方法のフローチャート。 速い動作時のデータセット例の時間出力を示す。 遅い動作時の他のデータセット例の時間出力を示す。 a〜dは、一例による測定部または筋硬直装置の取り付け例を示す。
図面は概略的であり明確にするために簡略化しており、本発明を理解する上で必要な詳細部分のみを示しており、他の部分は省略している。全体として、同一または対応する部分に対して同じ符号を使用している。
図1aは、対象者(図示省略)における筋硬直を測定するシステム2の一例を示す。システム2は、測定部4と処理部6とを備える。測定部4は、ハウジング8と測定装置10とを備え、測定部4は、対象者の体節、例えば足、下腿、前腕などに適用される構成を有する。図1aに示すように、ハウジングは測定装置10を備えていてもよい。
図1bは、図1aで概略的に示したシステム2の一例の実施形態を示す。
測定部4は、筋硬直が測定される関節の先端である体節に適用される構成を有する。
ひじ関節における筋硬直を測定する例においては、測定部4は、対象者の前腕に適用される。同様に、他の関節における筋硬直を測定してもよい。測定部4の配置や位置決めのいくつかの例は図9に示している。
測定部4は、測定部4を体節に固定する固定手段(図9における符号9)を備えてもよい。例えば、固定手段はベルクロ(登録商標)・ストラップであってもよい。
対象者にリラックスするように促し、試行を複数回実行する。試行は、検査する者が対象者の体節に力を加えることによって関節を中心に体節を動かすことである。同関節の他の体節、例えば関節に近接した体節(ひじの関節を測定する場合の上腕)は、検査する者によって固定されてもよい。関節中心の角速度を変更して複数回の試行を実行する。複数回の試行は、伸張反射が誘発される角速度での試行と伸張反射が誘発されない角速度での試行を含む。一般的に、角速度を上げれば伸張反射が誘発されやすくなる。
試行は、選択された体節を動かす構成を有する装置を使用することにより自動的または半自動的に実行されてもよいと考えられる。
複数回のトライアルを実行する間、測定装置10は処理部6により取得される複数のデータセットを生成する。複数のデータセットのうちの各セットは、一つの特定の試行に関するデータを含む。
処理部6は、誘発された伸張反射の兆候のため複数のデータセット12を分析し、この分析に基づき、複数のデータセット12を二つのサブセットに配分する。一以上の伸張反射の兆候を有するデータセットを含む第1サブセットと、伸張反射の兆候がないデータセットを含む第2サブセットである。処理部6は最後に各サブセットにおける硬直の差に基づいて筋硬直スコアを算出する。筋硬直スコアの検出および算出の例は、図7および図8に図示する。
第1サブセットおよび/または第2サブセットなどのサブセットは、空のサブセットであってもよい。例えば、誘発された伸張反射の兆候が複数のデータセットのいずれにも存在しない場合、第1サブセットは空のサブセットであってもよいし、および/または、誘発された伸張反射の兆候が複数のデータセットのすべてに存在する場合、第2サブセットは空のサブセットであってもよい。
かかる状況において、測定装置10および/または処理部6は、エラー信号を出す、および/または、例えば筋硬直スコアの算出が可能となるような試行がなされていないことを検査する者に対し示す構成を有していてもよい。
加えてまたはこの代わりとして、測定装置10および/または処理部6は、第1サブセットが空のサブセットである場合、および/または第2サブセットが空のサブセットである場合、第1サブセットおよび/または第2サブセットの情報を提供する構成を有していてもよい。検査する者は、空の第1サブセットおよび/または第2サブセットの情報を理解し、生理学的状況を提示してもよい。
図1bに示す例においては、処理部6は、タブレットコンピュータに設けられ、処理部6および測定部4は無線で通信して、測定部4および処理部6間において複数のデータセット12を無線で送信する。測定部4および処理部6間の無線通信プロトコルは、Bluetooth(登録商標)および/またはWi−Fiなどいかなる無線プロトコルであってもよい。
他の実施形態においては、処理部はデスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、スマートフォンに設けられていてもよい。処理されたデータを提示できる、つまり分析結果および/または分析の測定結果を提示できるように画像ディスプレイを有する装置の処理部を利用する方が便利である。
図2は、対象者における筋硬直を測定するシステム2の例を示す。例示のシステム2は、測定部4と、処理部6を備える別体の装置40とを備える。測定部4および別体の装置40は、ここでは二つの別個の装置として示されている。
測定部4は、ハウジング8と複数の測定装置10とを備える。この例では、測定部4は、加速度計20、ジャイロスコープ22、力変換器24、および筋肉活動検出部26を含む4つの測定装置10を備える。
加速度計20は、測定部4の加速度の加速度データ28を提供する。加速度計20は、3方向における加速度の加速度データ28を提供してもよい。図2には一つの加速度計20を備えた測定部4を示す。代わりの例として、測定部4は、測定部4の内部において異なる位置に配置された複数の加速度計20を備え、測定部4内における複数の位置から加速度データ28を提供するようにしてもよい。
ジャイロスコープ22は、測定部4の角速度データ30を提供する。
力変換器24は、加えられた力のデータ32を提供する。対象者がリラックスした状態で、検査する者がその体節を動かす。力変換器24は検査する者により体節に加えられた力を測定する。
筋肉活動検出部26は、関節に隣接する筋肉における筋肉活動、例えば検査する者によって動かされている間に筋肉が伸張するなどの筋肉活動を示す、筋肉活動データ34を提供する。筋肉活動検出部26は、例えば筋電図検査部や筋音図検査部であってもよい。筋肉活動検出部26は、筋肉上の皮膚に表面電極などを配置することにより筋肉活動を検出する。筋肉活動検出部26は、複数の筋肉の筋肉活動データ34を提供してもよい。
各測定装置10により提供される測定データ28,30,32,34は、測定部4に設けられたメモリ36に格納されるデータセットを形成する。
測定部4はさらに、データセット12を別体の装置40に送信する送信機38を備える。送信機38は、メモリ36に格納されたデータセットを取得し、取得したこれらのデータセットを別体の装置40に送信する。別体の装置40の受信機42は、データセット12を取得し、データセット12は処理部6に取得される。
測定部4は、測定部4のモジュール、例えばメモリ36および/または送信機38などを制御する制御部および/または処理部(図示省略)を備える。
一部の例によるシステム2では、データセット12の送信は試行毎に行われる。よって、データセットは一つずつ送信される。他の例によるシステム2では、複数回の試行を行った後、複数のデータセットが送信される。
送信機38から受信機42へのデータセット12は、ハード・ワイヤード、例えばドケッティング・ステーションを使って送信してもよいし、あるいは送信機38および受信機42はそれぞれ、無線送信機および/または送受信機、無線受信機および/または送受信機であってもよく、データセット12は、Wi−Fi、 Bluetooth(登録商標)、近距離無線通信、NFCなどの無線通信を介して送信されてもよい。
送信機38および/または受信機42は、送受信機であり双方向通信を提供してもよい。別体の装置40から測定部4へのデータの送信は、例えば、測定部4にコマンドおよび/または指示を送信する、つまり別体の装置40により測定部4を制御するのに利用してもよい。
図2において、測定部4は、4つの異なる測定装置10を備えていてもよい。しかし、他の例による測定部4においては、測定装置10の数は、これより少なくても多くてもよい。例えば、一つの測定部4は二つの加速度計20、二つの筋肉活動検出部26を備えていてもよく、または筋肉活動検出部26はなくてもよい。
測定部4は、測定部4の構成要素に電力を供給する電源および/またはバッテリを備えていてもよい。
図3は一例に係る測定部4´を示す。
同例による測定部4´は、加速度計20と、ジャイロスコープ22と、力変換器24とを備える。加速度計20、ジャイロスコープ22、および力変換器24はそれぞれ、第1アナログ・プリプロセッサ、第2アナログ・プリプロセッサ、および第3アナログ・プリプロセッサに接続される。第1、第2および/または第3アナログ・プリプロセッサは、増幅器、および/またはローパスフィルタおよび/またはハイパスフィルタなどのフィルタを備えてもよい。
さらに、一例による測定部4´は、EMG部などの筋肉活動検出部26と、外部電極を筋肉活動検出部26に接続する電極コネクタ27とを備える。筋肉活動検出部は、増幅器、および/またはローパスフィルタおよび/またはハイパスフィルタなどのフィルタなどの前処理手段を備えてもよい。
別の例による測定部においては、第1、第2、および第3プリプロセッサ21、23、25を対応する測定装置10に組み込んでもよい。
第1、第2、および第3プリプロセッサ21,23,25と、筋肉活動検出部26とは、アナログ・デジタル変換器(ADC)35に接続される。ADC35は、各測定装置10のアナログ入力信号をデジタル表現に変換する。ADC35のデジタル出力信号は処理モジュール37に受信される。処理モジュール37は、ADC35のデジタル出力信号など、受信したデジタル入力信号を処理するCPUおよびメモリを備えてもよい。
測定部4´はさらに、図2に関連して説明された別体の装置(図示省略)と通信する送受信機38を備える。送受信機38は、無線送受信機などであってもよい。送受信機38は処理モジュール37に接続される。処理モジュール37は、ADC35からのデジタル信号を受信し、同信号を図2に関連して説明された別体の装置に送受信機38を介して送信する。
測定部4´はさらに、測定部4´のユーザとの相互インタアクションのためのユーザインタフェース39を備える。ユーザインタフェース39は、一以上のボタン、一以上のナビゲーション・キー、画像ディスプレイ、および/または一以上のスピーカを備えてもよい。ユーザインタフェース39は処理モジュール37に接続される。処理モジュールは、ユーザにフィードバックを提供し、ユーザインタフェース39を介してユーザから入力を受け付けてもよい。
測定部4´はさらに、測定部4´の回路に電力供給するための電源部50を備えてもよい。電源部50は、一以上のバッテリ、バッテリ充電回路、パワー・オン・リセット回路、電圧レギュレータ、および/またはオン・オフスイッチなどを備えてもよい。
図4は、対象者の関節における筋硬直を測定する筋硬直装置100の一例を示す。筋硬直装置100は、複数の測定装置10を覆うハウジング102、メモリ36、処理部6、および出力部44を備える。筋硬直装置100は、対象者の足、下腿、または前腕などの体節に適用される構成を有する。筋硬直装置100は、筋硬直が測定される関節の先端の体節に適用される。
筋硬直装置100は、筋硬直100を体節に固定する固定手段(図示省略)を備える。例えば、固定手段はベルクロ(登録商標)・ストラップであってもよい。
図1に関連して説明したように、複数回の試行が実行される。試行が複数回実行される間、測定装置10は処理部6によって取得される複数のデータセット12を生成する。処理部6は、誘発された伸張反射の兆候のため複数のデータセット12を分析し、二つのサブセットを決定する。一以上の伸張反射の兆候を有するデータセットを含む第1サブセットと、伸張反射の兆候がないデータセットを含む別の第2サブセットである。処理部6は、第1サブセットのデータセットから第1硬直を算出し、第2サブセットのデータセットから第2硬直を算出し、各サブセットの硬直の差、例えば第1硬直と第2硬直の差などに基づき、筋硬直スコア14を算出する。
算出された筋硬直スコア14は、出力部44により取得される。画像ディスプレイ、PCスクリーン、タブレットコンピュータ、スマートフォンなどの出力部44は、少なくとも算出された筋硬直スコア14を、検査する者および/または筋硬直装置100のユーザに提示する構成を有する。
筋硬直装置100は、図4に示すように、加速度計20、ジャイロスコープ22、力変換器24、および筋肉活動検出部26を含む複数の測定装置10を備える。
各測定装置10により提供される測定データ28,30,32,34は、メモリ36に格納された後、処理部6により取得されるデータセットを形成する。
図5は、対象者の関節の筋硬直スコアを算出する方法200の一例のフローチャートを示す。方法200は、一以上の測定装置202、例えば、加速度計、ジャイロスコープ、力変換器、または筋肉活動検出部などを、関節の先端の体節に適用または取り付けることを含む。続いて、204において試行が複数回実行される。各試行は、対象者がリラックスした状態で検査する者が関節中心に体節を動かすステップを含む。各試行は、一角速度で関節中心に体節を動かすことを含む。角速度は試行によって変化させ、一部の試行は遅い角速度、例えば20deg/sより遅い角速度で実行し、他の試行は速い角速度、例えば200deg/sより速い角速度で実行する。
方法200はさらに、一以上の測定装置から複数のデータセット206を取得することを含む。取得された複数のデータセットは、試行中に測定された測定データを含む。各データセットは、一つの試行の測定データを含む。206においてデータセットを取得するステップは、206におけるデータセットの取得と204における試行の実行が同時に行われるように、各試行後にデータセットを取得することを含んでもよい。
206において複数のデータセットを取得後、方法200は208において複数のデータセットを分析する。208における複数のデータセットの分析方法は、(もしあれば)いずれのデータセットが一以上の誘発された伸張反射の兆候を有するかを判定するように、各データセットを分析することを含む。208において、複数のデータセットを分析するステップはさらに、複数のデータセットを、二つのサブセット、第1サブセットおよび第2サブセットを判別することを含む。第1サブセットは、複数のデータセットのうち、一以上の誘発された伸張反射の兆候があるデータセットを含む。一方、第2サブセットは、複数のデータセットのうち、誘発された伸張反射の兆候がないデータセットを含む。
測定データに基づき、一以上の誘発された伸張反射の兆候があるかどうかデータセットを分析してもよい。一以上の誘発された伸張反射の兆候は、筋肉活動、加えられる力の増大、角速度の逆転、またはこれらの組み合わせなどの兆候を含む。
第1サブセットおよび第2サブセットを形成するためのデータセットの分析方法は、図6を参照してより詳細に説明する。
208における複数のデータセットの分析に続き、方法200は、210において筋硬直スコアを算出することを含む。210における筋硬直スコアの算出は、第1サブセットの硬直と第2サブセットの硬直との差に基づく。第1硬直は、第1サブセットのデータセットの、例えば第1サブセットのデータセットの算出された硬直度の平均値、中央値、または合計から算定される。同様に、第2硬直は、第2サブセットのデータセットの、例えば第2サブセットのデータセットの算出された硬直度の平均値、中央値、または合計から算定される。筋硬直スコアの結果は、第1硬直と第2硬直との差に基づき算出される。
第1サブセットおよび/または第2サブセットなどのサブセットは、空のサブセットであってもよい。例えば、誘発された伸張反射の兆候が複数のデータセットのいずれにも存在しない場合、第1サブセットは空のサブセットであってもよいし、および/または、誘発された伸張反射の兆候が複数のデータセットのすべてに存在する場合、第2サブセットは空のサブセットであってもよい。
同方法はさらに、エラー信号を出すこと、および/または、検査する者に対し筋硬直スコアの算出ができる試行がなされないことを示すこと、および/または、第1サブセットが空のサブセットである場合および/または第2サブセットが空のサブセットである場合、空の第1サブセットおよび/または第2サブセットの情報を提供することを含んでもよい。
検査する者は、空の第1サブセットおよび/または第2サブセットの情報を理解し、生理学的状況を提示してもよい。
同方法は、筋硬直装置100または測定部4を体節に取り付けることにより実行されてもよい。よって、同方法は、体節に筋硬直装置100または測定部4を取り付けるステップを含んでいてもよい。
図6は、第1サブセットおよび第2サブセットを形成するためのデータセットを分析する方法300の一例を示すフローチャートである。第1サブセットは、一以上の誘発された伸張反射の兆候があるデータセットを含む。第2サブセットは、誘発された伸張反射の兆候がないデータセットを含む。
分析方法300は、データセットを取得するステップ302を含む。データセットは、測定部、測定装置、筋硬直装置などから取得されてもよい。あるいはデータセットはメモリから取得されてもよい。取得されたデータセットは、複数のデータを含む。図示例では、データセットは、少なくとも第1データ、第2データ、および第3データ、例えば角速度データ、加えられた力のデータ、および筋肉活動データを含む。
302におけるデータの取得ステップの後、データセットの第1データは、誘発された伸張反射の兆候を判断するためステップ304において分析される。第1データの分析304が誘発された伸張反射の兆候を示す場合は、ステップ310においてデータセットは第1サブセットに割り当てられる。
第1データの分析304が誘発された伸張反射の兆候を示さない場合は、データセットの第2データは、誘発された伸張反射の兆候を判断するためステップ306において分析される。306において第2データの分析が誘発された伸張反射の兆候を示す場合は、310においてデータセットは第1サブセットに置かれる。
306において、第2データの分析により誘発された伸張反射の兆候が示されていない場合、308においてデータセットの第3データが、誘発された伸張反射の兆候を判断するため308において分析される。第3データの分析308が誘発された伸張反射の兆候を示す場合は、ステップ310においてデータセットは第1サブセットに置く。
第3データの分析308により誘発された伸張反射の兆候が示されていない場合、例えば、第1、第2、第3データ304,306,308の分析がいずれも誘発された伸張反射の兆候を示さなかった場合、データセットは312において第2サブセットに割り当てられる。よって、例えば特定のデータセットの角速度、加えられた力のデータ、あるいは筋肉活動データがいずれも誘発された伸張反射の兆候を示さない場合、その特定のデータセットは第2サブセットに割り当てられる。
他の例によるデータの分析方法(図示省略)は、誘発された伸張反射の兆候を検出するため、データを組み合わせて分析することを盛り込んでもよい。
図7は、体節の速い動き、例えば200deg/sを超える角速度の動きを含むデータセットの一例の時間出力を示す。このため、図7は、早い動きをしている間の、筋肉活動400の出力、角度402の出力、加えられたトルク404の出力、算出された硬直度406の出力を示す。
図示例においては、筋肉活動400はEMG信号であり、角度402は開始位置に対して測定され、トルク404は関節の回転中心に対し垂直で、回転中心への距離に応じて増大する加えられた力として算定され、硬直度はトルク404を角度402で割って算定される。
図7の出力によって例示された早い動きは、伸張反射が誘発されていることを示す。誘発された伸張反射は、筋肉活動の出力400上で突発的な活動414として明らかに見られる。この例ではまた、突発的な筋肉反応により、角度出力416、トルク出力420、硬直度出力422において兆候を起こすのが見られる。例えば筋肉活動出力400から伸張反射を検出した後、硬直度が分析され、検出された伸張反射に続く所定のインターバル、例えば検出された伸張反射後100から300msの間で、最大点を決定する。決定された最大点424は硬直度合計としてもよい。硬直最大点424は、通常は、筋肉活動414から伸張反射を検出した後200ms付近で見られる。
硬直度合計は、判定された硬直度最大点424の所定のウインドウ内の平均値としてもよい。例えば、硬直度合計は、判定された硬直度最大点のプラスマイナス50ms内の硬直度の平均値であってもよい。
決定された硬直度最大点424と一致する角度418は、遅い動きの際の対応する硬直度を判定するのに使用する。
図8は、体節の遅い動き、例えば20deg/s未満の角速度の動きを含むデータセットの一例の時間出力を示す。図8は、遅い動きをしている間の、筋肉活動400の出力、角度402の出力、加えられたトルク404の出力、算出された硬直度406の出力を示す。図8に関連した関節の測定は、図7の測定と同様である。本例では、遅い動きは伸張反射を誘発させない。伸張反射がないことは、出力400,402,404,406から明らかであり、例えば筋肉活動出力400は突発的な筋肉活動の兆候を示さず、トルク出力404もトルクにおける突発的な増加を示していない。
角度426は、図7を参照して説明した早い動きの間に決定される角度418に対応する角度として決定される。角度426と一致するあるいは対応する硬直度428は、受動的硬直とすることができる硬直である。最終的に、筋硬直スコアは、硬直度合計424と受動的硬直428との差に基づいて算出される。例えば、筋硬直スコアは、以下の式により算出できる。
筋硬直スコア=硬直度合計−受動的硬直
受動的硬直428は、測定された硬直度の数値の平均値としてもよい。測定された硬直度の数値の平均値は、低い方の境界角度に一致する硬直度の数値と、高い方の境界角度に一致する硬直度との数値間における、測定された硬直度の数値の平均値であってもよい。例えば、低い方の境界と高い方の境界は、角度426に対し、所定の上下のしきい値をそれぞれプラスマイナスしたもの、例えばプラスマイナス3度やプラスマイナス2度としてもよい。上下のしきい値は異なっても同じであってもよい。
図9aから図9dは、一例による測定部4または筋硬直装置100の取り付け例を示す。
図9aは、対象者の下腿に適用された測定部4または筋硬直装置100を示す。筋硬直スコアが測定される関節は、膝関節504である。よって、測定部/筋硬直装置4,100は、膝関節の先端の体節、つまり脛500に適用される。測定部/筋硬直装置4,100は、固定手段9により脛500に取り付けられる。膝関節504に近接した他の体節、つまり大腿部508は検査する者によって固定されてもよい。
この後、測定部/筋硬直装置4,100が、加速度データ、加えられた力のデータ、および/または角速度データなどの測定データを収集する間に、検査する者は、引っ張ったり押したりすることにより、測定部/筋硬直装置4,100上の脛500を膝関節504中心に方向506のいずれかに動かすことができる。
図9bは、対象者の手510に適用される測定部4または筋硬直装置100を示す。筋硬直スコアを測定するための関節は手首514である。よって、測定部/筋硬直装置4,100は、手首514の先端の体節、つまり手510に適用される。測定部/筋硬直装置4,100は、固定手段9により手510に取り付けられる。手首514に近接した他の体節、つまり前腕518は検査する者によって固定されてもよい。
この後、測定部/筋硬直装置4,100が、加速度データ、加えられた力のデータ、および/または角速度データなどの測定データを収集する間に、検査する者は、引っ張ったり押したりすることにより、測定部/筋硬直装置4,100上の手510を、手首514中心に方向516のいずれかに動かすことができる。
図9cは、対象者の足520に適用された測定部4または筋硬直装置100を示す。筋硬直スコアが測定される関節は、くるぶし524である。よって、測定部/筋硬直装置4,100は、くるぶし524の先端の体節、つまり足520に適用される。測定部/筋硬直装置4,100は、固定手段9により足520に取り付けられる。くるぶし524に近接した他の体節、つまり脛528は検査する者によって固定されてもよい。
この後、測定部/筋硬直装置4,100が、加速度データ、加えられた力のデータ、および/または角速度データなどの測定データを収集する間に、検査する者は、引っ張ったり押したりすることにより、測定部/筋硬直装置4,100上の足520をくるぶし524中心に方向526のいずれかに動かすことができる。
図9dは、対象者の前腕530に適用された測定部4または筋硬直装置100を示す。筋硬直スコアが測定される関節は、肘関節534である。よって、測定部/筋硬直装置4,100は、肘関節534の先端の体節、つまり前腕530に適用される。測定部/筋硬直装置4,100は、固定手段9により前腕530に取り付けられる。肘関節534に近接した他の体節、つまり上腕538は検査する者によって固定されてもよい。
この後、測定部/筋硬直装置4,100が、加速度データ、加えられた力のデータ、および/または角速度データなどの測定データを収集する間に、検査する者は、引っ張ったり押したりすることにより、測定部/筋硬直装置4,100上の前腕530を肘関節534中心に方向536のいずれかに動かすことができる。
測定される関節に近接した他の体節を固定するのは、ベルトやストラップによって行ってもよいし、検査する者が基面に対して同体節を押さえてもよい。膝のように大きな筋肉に関係する関節を検査する場合、ベルトやストラップを利用すれば便利である。一方、その他の場合は、検査する者は自身の体重や力で他の体節を固定するようにしてもよい。
2 システム
4 測定部
6 処理部
8 ハウジング
9 固定部
10 測定装置
12 データセット
14 筋硬直スコア
20 加速度計
21 第1アナログ・プリプロセッサ
22 ジャイロスコープ
23 第2アナログ・プリプロセッサ
24 力変換器
25 第3アナログ・プリプロセッサ
26 筋肉活動検出部
27 電極コネクタ
28 加速度データ
30 角速度データ
32 加えられた力のデータ
34 筋肉活動データ
35 アナログ・デジタル変換器(ADC)
36 メモリ
37 処理モジュール
38 送信機/送受信機
39 ユーザインタフェース
40 別体の装置
42 受信機/送受信機
44 出力部
50 電源部
100 筋硬直装置
102 ハウジング
200 筋硬直スコア算出方法
202 測定装置の適用
204 複数回の試行の実行
206 複数のデータセットの取得
208 複数のデータセットの分析
210 筋硬直スコアの算出
300 データセットの分析方法
302 データセットの取得
304 第1データの分析
306 第2データの分析
308 第3データの分析
310 データセットを第1サブセットに置く
312 データセットを第2サブセットに置く
400 筋肉活動の出力の例
402 角度の出力の例
404 トルクの出力の例
406 硬直度の出力の例
414 筋肉活動の出力に見られる伸張反射
416 角度の出力に見られる伸張反射
418 最大硬直の角度
420 トルクの出力に見られる伸張反射
422 硬直度の出力に見られる伸張反射
424 最大硬直度/硬直度合計
426 最大硬直度の角度に対応する角度
428 受動的硬直
500,510,520,530 先端部分
504,514,524,534 関節
506,516,526,536 動き
508,518,528,538 近接部分

Claims (16)

  1. 個体の所定の関節における筋硬直を測定するシステムであって、
    測定部と処理部とを備え、
    前記測定部は、前記所定の関節の体節に適用される構成を有し、ハウジングと力変換器を有する一以上の測定装置とを有し、
    前記処理部は、
    前記一以上の測定装置より複数のデータセットを取得し、前記複数のデータセットは、複数回の試行の間に測定される測定データを含み、前記複数回の試行は、検査する者が測定部を介して前記体節に外力を与えることにより複数の角速度で前記体節を動かすことを含み、前記測定データは加えられた力のデータを含み、
    一以上の誘発された伸張反射の兆候のため前記複数のデータセットを前記測定データに基づき分析し、前記複数のデータセットのうち第1サブセットと第2サブセットを決定し、前記第1サブセットは一以上の誘発された伸張反射の兆候が存在するデータセットを含み、前記第2サブセットは誘発された伸張反射の兆候がないデータセットを含み、
    少なくとも第1硬直と第2硬直との差に基づき筋硬直スコアを算出し、前記第1硬直は加えられた力に基づくものであって前記第1サブセットから算定し、前記第2硬直は加えられた力に基づくものであって前記第2サブセットから算定する
    構成を有する、システム。
  2. 前記一以上の測定装置はジャイロスコープを備え、前記測定データは角速度データを含む、
    請求項1に記載のシステム。
  3. 前記一以上の測定装置は加速度計を備え、前記測定データは加速度データを含む、
    請求項1または2に記載のシステム。
  4. 前記処理部は、前記ジャイロスコープから取得する角速度データと、前記加速度計から取得する加速度データとに基づき、前記測定部の加速度および加速度を計算する、請求項2に従属する請求項3に記載のシステム。
  5. 前記測定部はハンドルを含み、前記力変換器は、前記ハンドルに付加される力を測定する構成を有する、
    請求項1から4のいずれかに記載のシステム。
  6. 前記複数のデータセットを分析することは、前記複数のデータセットのうち加えられた力のデータを分析することを含む、
    請求項1から5のいずれかに記載のシステム。
  7. 前記一以上の測定装置は、筋肉活動検出部を備え、前記測定データは筋肉活動データを含む、
    請求項1から6のいずれかに記載のシステム。
  8. 前記複数のデータセットを分析することは、前記複数のデータセットのうち筋肉活動データを分析することを含む、
    請求項7に記載のシステム。
  9. 前記複数のデータセットは試行データセットを含み、前記処理部は、一以上の誘発された伸張反射の兆候のため前記試行データセットを分析する構成を有し、前記処理部は、試行データセットが一以上の誘発された伸張反射の兆候を含む場合は第1信号を出力する構成を有する、
    請求項1から8のいずれかに記載のシステム。
  10. 前記処理部はさらに、前記所定の関節の関節中心から前記測定部の位置までの距離を判定する構成を有し、前記第1硬直と前記第2硬直は前記距離に基づく、
    請求項1から9のいずれかに記載のシステム。
  11. 前記ハウジングは前記一以上の測定装置を含み、前記ハウジングは剛性のハウジングである、
    請求項1から10のいずれかに記載のシステム。
  12. 前記測定部は、別体の装置と無線通信可能な無線送受信機を備え、前記別体の装置は前記処理部を備える、
    請求項1から11のいずれかに記載のシステム。
  13. 前記ハウジングは、前記処理部を備える、
    請求項1から11のいずれかに記載のシステム。
  14. 筋硬直スコアを算出する方法であって、
    複数回の試行の間に測定される測定データを含む複数のデータセットを取得し、前記複数回の試行は、検査する者が測定部を介して体節に外力を与えることにより複数の角速度で体節を動かすことを含み、前記測定データは加えられた力のデータを含み、
    一以上の誘発された伸張反射の兆候のため前記複数のデータセットを前記測定データに基づき分析し、前記複数のデータセットのうち第1サブセットと第2サブセットを決定し、前記第1サブセットは一以上の誘発された伸張反射の兆候が存在するデータセットを含み、前記第2サブセットは誘発された伸張反射の兆候がないデータセットを含み、
    少なくとも第1硬直と第2硬直との差に基づき筋硬直スコアを算出し、前記第1硬直は加えられた力に基づくものであって前記第1サブセットから算定し、前記第2硬直は加えられた力に基づくものであって前記第2サブセットから算定する、
    方法。
  15. 前記複数のデータセットを分析することは、前記複数のデータセットのうち少なくとも加えられた力のデータおよび/または筋肉活動データを分析することを含む、
    請求項14に記載の方法。
  16. 個体の所定の関節の体節に適用される構成を有し、前記所定の関節における筋硬直を測定する筋硬直装置であって、
    ハウジング、
    力変換器を備える一以上の測定装置、および
    処理部を備え、
    前記処理部は、
    前記一以上の測定装置より複数のデータセットを取得し、前記複数のデータセットは、複数回の試行の間に測定される測定データを含み、前記複数回の試行は、検査する者が筋硬直装置を介して前記体節に外力を与えることにより複数の角速度で前記体節を動かすことを含み、前記測定データは加えられた力のデータを含み、
    一以上の誘発された伸張反射の兆候のため前記複数のデータセットを前記測定データに基づき分析し、前記複数のデータセットのうち第1サブセットと第2サブセットを決定し、前記第1サブセットは一以上の誘発された伸張反射の兆候が存在するデータセットを含み、前記第2サブセットは誘発された伸張反射の兆候がないデータセットを含み、
    少なくとも第1硬直と第2硬直との差に基づき筋硬直スコアを算出し、前記第1硬直は加えられた力に基づくものであって前記第1サブセットから算定し、前記第2硬直は加えられた力に基づくものであって前記第2サブセットから算定する
    構成を有する、筋硬直装置。
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