JP2017510366A - 皮膚科的欠陥を治療するためのシステムおよび方法 - Google Patents
皮膚科的欠陥を治療するためのシステムおよび方法 Download PDFInfo
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Abstract
組織の目標治療部位の温度を、ある期間、傷害を与える温度よりも低く、また、組織の目標治療部位での熱ショックタンパク質(HSP)の発現を誘導する温度まで上昇させる発熱装置と、発熱装置からの光エネルギーの放出と同時またはほぼ同時に、組織の目標治療部位へ局所剤の適用を行う器具とを含む、皮膚を治療するためのシステムおよび方法であって、局所適用と、発現したHSPとを併用して、コラーゲンの産生および形成を促進する。
Description
本願は、2014年4月1日出願の米国仮特許出願第61/995,024号、および、2015年3月12日出願の米国仮特許出願第62/132,099号の利益を主張する。その各々の内容は全て本明細書に引用して援用する。
本願は、米国特許第8,888,830号として公表された、2013年9月10日出願の米国特許出願第14/022,436号、米国特許第8,974,443号として公表された、2013年9月10日出願の米国特許出願第14/022,372号、および2014年2月14日出願の米国特許出願第29/481,180号に関連する。その各々の内容は全て本明細書に引用して援用する。
本発明概念の実施形態は、一般的に、皮膚科的欠陥を治療するための、局所剤、機器、システム、および方法、より具体的には、局所剤と、ヒトまたは動物の組織を傷つけない熱ショック刺激の発生との併用によってコラーゲン生成を改善するための、皮膚科用局所剤、医療機器、システム、および方法に関する。
人が年を取るにつれ、身体はゆっくりと衰えていく。老化過程の兆候は、皮膚に皺や色素沈着のむらができることで身体に表れてくる。特に皺は、真皮の変性、筋肉収縮、重力が原因となって生じる。色素沈着のむらは、加齢、日光への曝露、その他の環境因子の結果として起こることがある。
老化過程としては典型的に、肌の皮層中のコラーゲンの減少が挙げられ、このため皮膚が薄くなり、皺、たるみ、その他の欠陥が生じる。ヒトの皮膚のおよそ約75%は、I型コラーゲンから成る。ストレスホルモン、UV光、自然発生的な組織の損失など、様々な要因によってコラーゲンが失われる。失われたコラーゲンを取り戻す新しいコラーゲンの発生は、人が年をとるにつれて遅くなる。血行の低下、ホルモン濃度の低下、細胞傷害は共通して、このコラーゲン産生の低下に繋がる要因である。コラーゲンの分解と産生の減少の影響で皮膚内全体のコラーゲンが減り、薄くなって、多くの人が恐れる年老いた容貌となってしまう。
本発明概念の態様に従って、管理された条件下で、最適な波長を放射する光エネルギー源、エネルギー用量、および/または、熱的押し上げ(thermal boost)を統合して、軟組織に非傷害性の熱ショック治療を行う、システム、機器、および方法を提示する。
別の態様に従って、治療時間および使用量の補充ビジネスモデルを組み込むためのシステム、機器、および方法を提示する。
ある態様に従って、皮膚科用医療機器を提示し、この機器は、組織の目標治療部位に最も近い部位に置くための遠位端と、遠位端にある出力ポートと、出力ポートから組織の目標治療部位へ放出される光エネルギーを発生するエネルギー源と、組織の目標治療部位の温度を、ある期間、傷害を与える温度よりも低く、また、組織の目標治療部位での熱ショックタンパク質(HSP)の発現を誘導する温度まで上昇させるよう、組織の目標治療部位での光エネルギーを制御する制御装置と、を含む。
一部の実施形態において、HSPは、組織の目標治療部位でのコラーゲン合成を刺激する。
一部の実施形態において、皮膚科用医療機器は更に、エネルギー源と制御装置を収納するハウジングと、光エネルギー源への電気エネルギー源となる、ハウジング内に納められた電源と、を含む。
一部の実施形態において、光エネルギー源は、皮膚の光学的特性およびその波長に従って、組織の治療部位に非傷害性熱ショック刺激を与える、波長、エネルギー用量、または熱的押し上げの少なくとも1つを持つ光エネルギーを放出する。
一部の実施形態において、組織は、ヒトまたは動物の皮膚を含む。
一部の実施形態において、皮膚科用医療機器は更に、組織の治療部位の温度が所定の許容範囲内にあるかどうかを判断し、制御装置が、レーザーの放射およびエネルギー源への電流の供給を行うことを許可する、少なくとも1つの安全センサを含む。
一部の実施形態において、皮膚科用医療機器は更に、組織との接触を記録するための安全保護装置を含む、接触センサを含んでいる。
一部の実施形態において、皮膚科用医療機器は更に、光エネルギーの空間分布を、遠位端で望ましい分布となるよう修正する、光空間分布系(optical spatial distribution system:OSDS)を含む。
一部の実施形態において、組織の目標治療部位に供給する治療エネルギーの量を、供給エネルギーの時間的プロフィールを制御することによって制御する。
一部の実施形態において、皮膚科用医療機器は更に、皺または組織の折り曲がりによる光学的損失を小さくするための、皮膚延伸機構を含む。
一部の実施形態において、この機器は、治療パルスの終端で熱的押し上げを行うことで、熱曝露時間を延長する。
一部の実施形態では、組織の目標治療部位の温度を、2℃以上、8℃以下まで上昇させる。
一部の実施形態では、組織の治療部位の温度を、8℃、最大20℃まで上昇させる。
一部の実施形態において、組織の目標治療部位での皮膚科用医療機器からのエネルギー出力の曝露は、傷害を与える温度よりも低い1つ以上の温度で、1〜10秒間である。
一部の実施形態において、目標治療組織の温度の時間的プロフィールは、エネルギー源の時間的プロフィールを調節することで制御する。
一部の実施形態において、治療エネルギー用量は、供給エネルギーの時間的プロフィールを制御することで制御し、このとき、望ましい臨床効果が得られるよう、ピーク出力と曝露時間を調節する。
ある態様に従って、ヒトまたは動物組織の非傷害性熱ショック刺激法を提示し、この方法は、手持ち式皮膚科用医療機器の遠位端を、組織の目標治療部位に最も近い部位に置く工程と、手持ち式皮膚科用医療機器から組織の目標治療部位へ光エネルギーを放出する工程と、組織の目標治療部位の温度を、ある期間、傷害を与える温度よりも低く、また、組織の目標治療部位での熱ショックタンパク質(HSP)の発現を誘導する温度まで上昇させるよう、組織の目標治療部位での光エネルギーの出力を制御する工程と、を含む。
一部の実施形態において、光エネルギーの出力を制御する工程は、皮膚の光学的特性およびその波長に従って、組織の治療部位に非傷害性熱ショック刺激を与える、波長、エネルギー用量、または熱的押し上げの少なくとも1つを持つ光エネルギーを放出する工程を含む。
一部の実施形態において、この方法は更に、光エネルギーの空間分布を、手持ち式皮膚科用医療機器の遠位端で望ましい分布となるよう修正する工程を含む。
一部の実施形態において、この方法は更に、組織の目標治療部位へ供給されるエネルギーの時間的プロフィールを制御する工程を含む。
一部の実施形態において、組織の目標治療部位での皮膚科用医療機器からのエネルギー出力の曝露は、傷害を与える温度よりも低い1つ以上の温度で、1〜10秒間である。
一部の実施形態において、光エネルギーのエネルギー源の時間的プロフィールを調節することで、目的治療組織の温度の時間的プロフィールを制御する。
一部の実施形態において、供給エネルギーの時間的プロフィールを制御することで、治療エネルギー用量を制御し、このとき、好ましい臨床効果が得られるよう、ピーク出力と曝露時間を調節する。
ある態様に従って、ヒトまたは動物組織の非傷害性熱ショック刺激法を提示し、この方法は、遠位端に治療端を備えた手持ち式治療機器を準備する工程と、手持ち式治療機器から組織の目標治療部位へ光エネルギーを放出する工程と、を含み、このとき、治療間隔は、最大の平均熱ショックタンパク質発現を生じる。
一部の実施形態において、治療間隔は1.5時間から48時間である。
ある態様に従って、ヒトまたは動物組織の非傷害性熱ショック刺激法を提示し、この方法は、遠位端に治療端を備えた手持ち式治療部材を準備する工程と、手持ち式治療機器の遠位端の治療端から組織の目標治療部位へ光エネルギーを放出する工程と、を含み、このとき、光エネルギー治療の前に、組織の外表面からエネルギー吸収性発色団を除去する。
一部の実施形態において、乾燥力のある水溶液(aqueous desiccating solution)により角質層から水発色団を減少させる。
一部の実施形態において、手持ち式治療部材の適用は、皺取り、にきびの低減、肌の引き締め、組織の加熱、線維組織の治療、血管組織の治療、およびこれらの組合せから成る群より選ばれる。
ある態様に従って、治療時間および使用量の補充ビジネスモデルを組み込むためのシステム、機器、および方法を提示する。
別の態様では、組織の目標治療部位に最も近い部位に置くための遠位端と、遠位端にある出力ポートと、出力ポートから組織の目標治療部位へ放出される光エネルギーを発生するエネルギー源と、機器の運転パラメータを制御する補充データを処理するマイクロコントローラと、を含む皮膚科用医療機器を提示し、この機器は、補充データの受信および処理に応じて、治療操作を行うために起動される。
一部の実施形態において、皮膚科用医療機器は更に、組織の目標治療部位の温度を、所定の期間、非傷害性温度を超えず、一方で、組織の目標治療部位での熱ショックタンパク質(HSP)の発現を誘導する温度まで上昇させるよう、組織の目標治療部位での光エネルギーを制御する制御装置を含む。
一部の実施形態において、皮膚科用医療機器は更に、補充データをマイクロコントローラへ出力する補充カートリッジを含む。
一部の実施形態において、補充カートリッジは、皮膚科用医療機器内に配置されている。
一部の実施形態において、補充カートリッジは、皮膚科用医療機器の外部にあり、電気コネクタによって皮膚科用医療機器と通信している。
一部の実施形態において、皮膚科用医療機器は更に、機器の遠位端に連結する使い捨ての治療用チップを含み、このチップは補充カートリッジを含む。
一部の実施形態において、補充カートリッジは、消耗部品とマイクロコントローラを含む。
一部の実施形態において、補充データは、キーコード補充機構によって供給される。
一部の実施形態において、キーコード補充機構は、バーコードを含む。
一部の実施形態において、バーコードは、手持ち式部材によって検出および読み取られる。
一部の実施形態において、キーコード補充機構は、無線ICタグ(radio frequency identification :RFID)を含む。
一部の実施形態において、補充データは、皮膚科用医療機器と通信している補充サーバーによって供給される。
一部の実施形態において、キーコード補充は、顧客に供給され、手持ち式部材に直接接続しているローカルコンピュータを経由して手動で入力される。
別の態様では、ペイパーユース式(pay-per-use)電子補充法を提示し、この方法は、手持ち式皮膚科用医療機器に使用パラメータをプログラムする工程と、現在の使用データが使用パラメータを超えているかどうかを判断する工程と、現在の使用データが使用パラメータを超えているという判断に応じて、手持ち式皮膚科用医療機器に新しい使用パラメータを補充する工程と、を含む。
一部の実施形態において、使用パラメータは、最大治療時間または使用量に対応するデータを含む。
一部の実施形態において、手持ち式皮膚科用医療機器は、手持ち式皮膚科用医療機器のマイクロコントローラへ新しい使用パラメータを出力する補充カートリッジによって補充される。
一部の実施形態において、この方法は更に、補充カートリッジを皮膚科用医療機器内に配置する工程を含む。
一部の実施形態において、この方法は更に、補充カートリッジを皮膚科用医療機器の外部に配置する工程と、皮膚科用医療機器との通信を確立するため、補充機器と皮膚科用医療機器との間を電気コネクタで接続する工程とを含む。
一部の実施形態において、この方法は更に、機器の遠位端に使い捨ての治療用チップを連結する工程を含み、このチップは補充カートリッジを含んでいる。
一部の実施形態において、新しい使用パラメータは、皮膚科用医療機器と通信している補充サーバーによって供給される。
別の態様に従って、皮膚科用医療システムを提示し、このシステムは、組織の目標治療部位に最も近い部位に置くための遠位端と、遠位端にある出力ポートと、出力ポートから組織の目標治療部位へ局所的に放出される光エネルギーを発生するエネルギー源と、組織の目標治療部位の温度を、ある期間、傷害を与える温度よりも低く、また、組織の目標治療部位での熱ショックタンパク質(HSP)の発現を誘導する温度まで上昇させるよう、組織の目標治療部位での光エネルギーを制御する制御装置と、を含む発熱装置と、発熱装置からの光エネルギーの放出と同時またはほぼ同時に、組織の目標治療部位へ局所剤の適用を行う器具と、を含み、局所適用と発現したHSPとを併用して、コラーゲンの産生および形成が促進する。
一部の実施形態において、組織の目標治療部位はヒトの皮膚を含み、ヒトの皮膚に向けた光エネルギーの局所適用と、ヒトの皮膚への刺激剤の局所適用とを併用して、コラーゲンを刺激し、ヒトの皮膚内でのコラーゲンの産生を促進する。
一部の実施形態において、局所適用は、ビタミンC、または、その溶解性または安定性を変えた、ビタミンCの変異体であって、ビタミンCと同様に、プレコラーゲン分子の生成に−OHヒドロキシル基を供給することのできる、全ての類似化合物を含む。
一部の実施形態において、発熱装置は、皮膚内で熱を発生するフォトニック素子を含み、これを、ビタミンC、または、プレコラーゲン分子に−OHヒドロキシル基を供給する類似物の局所適用と併用し、熱とビタミンCとを共に作用させて組織の目標治療部位内でのコラーゲン生成を高める。
一部の実施形態において、制御装置は、目標治療部位での光エネルギーを制御する内蔵ソフトウェアを備えたマイクロプロセッサを含み、マイクロプロセッサは、その間に、組織の目標治療部位の温度を、そのエネルギー量で、痛み閾値温度、例えば、損傷閾値温度よりも低く、また、組織の目標治療部位での熱ショックタンパク質(HSP)の発現を誘導する温度まで上昇させるよう制御し、マイクロプロセッサは、出力ポートから組織の目標治療部位への光エネルギー出力を、そのエネルギー量で、組織の目標治療部位の温度を損傷閾値温度よりも低いピーク温度まで上昇させるよう制御し、マイクロプロセッサは更に、出力ポートから目標治療部位への光出力を、エネルギー量に関連する1つ以上の第1出力レベルから、組織の部位の温度をピーク温度以下、且つ、損傷閾値温度よりも低い治療温度範囲内に保つための1つ以上の第2出力レベルへ低下させるよう制御し、コントローラのマイクロプロセッサは、600W/cm2までのピーク出力密度を含む光出力の時間的プロフィールに従って、光エネルギーの1つ以上の第1出力レベルを制御し、コントローラは更に、組織温度を治療により損傷が起こる温度よりも低く保つための光出力の時間的プロフィールに従って、光エネルギーの1つ以上の第2出力レベルを制御する。
一部の実施形態において、皮膚科用医療システムは更に、アスコルビン酸テトラヘキシルデシルを含む局所剤で皮膚を治療する工程を含む。
一部の実施形態において、局所剤は、皮膚内でのスーパーオキシドジスムターゼの産生を高める、水溶性マンガン塩を含む。
一部の実施形態において、局所剤は、非水性基剤中に1から5%の微結晶L−アスコルビン酸を含む。
一部の実施形態において、局所剤は、非水性基剤中に5から15%の微結晶L−アスコルビン酸を含む。
一部の実施形態において、局所剤は、非水性基剤中に15から50%の微結晶L−アスコルビン酸を含む。
別の態様に従って、皮膚の治療法を提示し、この方法は、フォトニック素子を用いて、皮膚の表面で、また、皮膚の表皮および真皮層で熱を発生させる工程と、熱の発生に応じて、皮膚の皮膚細胞内で熱ショックタンパク質(HSP)を刺激する工程と、アスコルビン酸、または、−OHヒドロキシル基をプレコラーゲン分子に供給する類似化合物を皮膚に局所適用してプレコラーゲン分子を刺激する工程と、フォトニック素子で発生させた熱により、皮膚でのアスコルビン酸の吸収を高める工程と、を含む。
一部の実施形態では、プレコラーゲン分子を刺激するアスコルビン酸または類似物の局所適用と、プレコラーゲン分子からのコラーゲン鎖の生成を促進するHSPを刺激する、フォトニックデバイスで発生させた熱との複合効果によって、皮膚内のコラーゲンを刺激する。
別の態様では、皮膚の治療法を提示し、この方法は、ビタミンC、または、−OHヒドロキシル基をプレコラーゲン分子に供給することのできる類似化合物を、皮膚の部位へ局所的に適用して、プレコラーゲンを刺激する工程と、ビタミンCを皮膚の部位へ局所的に適用するのと同時またはほぼ同時に皮膚の部位を加熱して、ビタミンCの吸収率を高める工程と、を含む。
一部の実施形態において、皮膚の部位を加熱する工程は、皮膚の部位に向けた光エネルギーの量を制御して、一部の実施形態では、2秒未満の治療パルス幅で、別の実施形態では、5秒未満の治療パルス幅で、その間に、皮膚の目標部位の温度を、そのエネルギー量で、損傷閾値温度よりも低く、また、皮膚の目標部位での熱ショックタンパク質(HSP)の発現を誘導する温度まで上昇させる工程と、出力ポートから組織の目標治療部位への光エネルギー出力を制御して、そのエネルギー量で、皮膚の目標部位の温度を、治療パルス幅内で、損傷閾値温度よりも低いピーク温度まで上昇させる工程と、出力ポートから目標治療部位への光出力を制御して、エネルギー量に関連する1つ以上の第1出力レベルから、治療パルス幅内で、皮膚の目標部位の温度をピーク温度以下、且つ、損傷閾値温度よりも低い治療温度範囲内に保つための1つ以上の第2出力レベルへ低下させる工程と、を含み、コントローラのマイクロプロセッサは、600W/cm2までのピーク出力密度を含む光出力の時間的プロフィールに従って、光エネルギーの1つ以上の第1出力レベルを制御し、コントローラは更に、組織温度を損傷閾値よりも低く保つための光出力の時間的プロフィールに従って、光エネルギーの1つ以上の第2出力レベルを制御する。
一部の実施形態において、HSPは、皮膚の目標部位でのコラーゲン合成を刺激する。
一部の実施形態において、光エネルギーは、皮膚の光学的特性およびその波長に従って、組織の治療部位に非傷害性熱ショック刺激を与える、波長、エネルギー用量、または熱的押し上げの少なくとも1つを持つ出力である。
別の態様では、熱ショックタンパク質(HSP)の産生を刺激する出力およびフルエンスを供給する光源に皮膚の表面を曝露する工程と、静水圧と膠質浸透圧とのバランスによって、皮膚の毛細血管床から組織へリンパ液が実質的に(net)流れ易くなるよう、レーザー曝露された皮膚表面に、スターリング力を化学的に狙った物質を曝露して治療を行う工程と、を含む、皮膚を治療するためのシステムを提示する。
別の態様では、皮膚の部位内で熱を発生する発熱装置と、皮膚内のコラーゲン生成を共同で高める、ビタミンCとヒアルロン酸の局所適用との組合せを含む、皮膚を治療するためのシステムを提示する。
別の態様では、皮膚に熱治療を行う工程と、熱治療後、皮膚に美容液を適用する工程と、を含む皮膚の治療法を提示し、この美容液は、コラーゲンまたはエラスチンの少なくとも1つの生成を特に促す代謝産物を含んでいる。
一部の実施形態において、この方法は更に、皮膚に熱治療を行う前に、皮膚に洗浄剤を適用する工程を含み、洗浄剤と、熱治療で生じた発現HSPとを併用して、コラーゲンの産生および形成を促進する。
添付図面は本明細書に含まれ、その一部を構成している。これらは様々な実施形態を図解しており、また、本記述と併せて、本発明概念の原理の説明に役立つ。
本発明概念の実施形態による、手持ち式皮膚科用医療機器を示すブロック図である。
本発明概念の実施形態による、様々な全体的包装概念を示す正面図である。
本発明概念の実施形態による、様々な全体的包装概念を示す正面図である。
本発明概念の実施形態による、様々な全体的包装概念を示す正面図である。
本発明概念の実施形態による、図1〜2Cの手持ち式皮膚科用医療機器を示す斜視図である。
本発明概念の別の実施形態による、手持ち式皮膚科用医療機器を示すブロック図である。
本発明概念の別の実施形態による、手持ち式皮膚科用医療機器を示すブロック図である。
本発明概念の別の実施形態による、制御電子回路および電源が分かれて包装されている、手持ち式皮膚科用医療機器を示すブロック図である。
本発明概念の実施形態による、治療の温度範囲を示すグラフである。
本発明概念の実施形態による、光出力の連続波時間的プロフィールに対する皮膚温度の時間的プロフィールを示すグラフである。
本発明概念の実施形態による、光出力のパルス状時間的プロフィールに対する皮膚温度の時間的プロフィールを示すグラフである。
本発明概念の実施形態による、治療パルスの終端での熱的押し上げを示すグラフである。
本発明概念の実施形態による、着目した一連の波長範囲を示すグラフである。
図10A及び図10Bは、本発明概念の実施形態による、治療間隔に対する平均熱ショックタンパク質(HSP)発現を示すグラフである。
皮膚の皺の形状を示す図である。
本発明概念の実施形態による、引き伸ばされた皮膚の皺を示す図である。
本発明概念の実施形態による、皮膚の皺に当てた、皮膚延伸機構を示す図である。
本発明概念の実施形態による、ポリマーで実現した皮膚延伸機構を示す図である。
手持ち式部材に組み込んだ、機械式皮膚延伸機構を示す図である。
ある実施形態による、補充カートリッジと通信するよう構成および配置されている、手持ち式皮膚科用医療機器を示すブロック図である。
いくつかの実施形態による、異なる補充カートリッジ接続オプションを示すブロック図である。
いくつかの実施形態による、異なる補充カートリッジ接続オプションを示すブロック図である。
ある実施形態による、治療用チップ内に組み込んだ補充カートリッジを示す図である。
ある実施形態による、キーコード補充プラットフォームを含む、手持ち式皮膚科用医療機器を示すブロック図である。
ある実施形態による、補充システムの通信環境を示すブロック図である。
ある実施形態による、補充プラットフォームを備えたドッキングステーション内に置いた手持ち式皮膚科用医療機器を示すブロック図である。
別の実施形態による、補充プラットフォームを備えたドッキングステーション内に置いた手持ち式皮膚科用医療機器を示すブロック図である。
ある実施形態による、連続使用のため医療機器を補充する方法を示す流れ図である。
ある実施形態による、連続使用のため医療機器を補充する方法を示す流れ図である。
ある実施形態による、連続使用のため医療機器を補充する方法を示す流れ図である。
いくつかの実施形態による、望ましい定常状態の温度上昇を保つために必要な電力供給を示すグラフである。
いくつかの実施形態による、生きているヒトの組織内での熱的押し上げ時間を示すグラフである。
図28Aは、ある実施形態による、光学系を示す上面図である。図28Bは、図28Aの光学系を示す側面図である。
ある実施形態による、 エネルギー源402と、導波管を備えた光空間分布系(OSDS)を示す図である。
ある実施形態による、標準的な導波管と変更を加えた導波管の比較を示す図である。
角度の付いた放出面を持つ、光空間分布系(OSDS)を示す図である。
ヒトの皮膚に接している、図31AのOSDSの出力面を示す図である。
ある実施形態による、全内部反射を行うよう構成および配置されているOSDSを示す様々な図である。
通常のコラーゲン生成プロセスを示す流れ図である。
ある実施形態による、高められたコラーゲン生成プロセスを示す流れ図である。
ある実施形態による、プレコラーゲン合成の促進を示す流れ図である。
図36A及び図36Bは、本発明概念の実施形態による、局所相治療計画に従った、熱ショックタンパク質(HSP)発現を示すグラフである。
本発明概念の別の実施形態による、皮膚科的欠陥の治療法を示す流れ図である。
本発明概念の実施形態に従って治療を受けている皮膚の部位を示す断面図である。
本発明概念の実施形態に従って治療を受けている皮膚の部位を示す断面図である。
本発明概念の実施形態に従って治療を受けている皮膚の部位を示す断面図である。
本発明概念の実施形態に従って治療を受けている皮膚の部位を示す断面図である。
本発明概念の実施形態に従って治療を受けている皮膚の部位を示す断面図である。
本発明概念の実施形態に従って治療を受けている皮膚の部位を示す断面図である。
本発明概念の実施形態に従って治療を受けている皮膚の部位を示す断面図である。
本発明概念の実施形態に従って治療を受けている皮膚の部位を示す断面図である。
本発明概念の実施形態に従って治療を受けている皮膚の部位を示す断面図である。
本発明概念の実施形態に従って治療を受けている皮膚の部位を示す断面図である。
次に、本発明概念の実施形態について詳細に論じることとし、その例を添付図に示す。図中で同じまたは類似の部分について言及する場合、可能な限り同じ参照番号を使用する。
本明細書で使用する用語は、特定の実施形態を記述することを目的としており、本発明の概念を制限しようとするものではない。本明細書で使用する単数形“a”、“an”、および“the”は、文脈が別であることを明示していない限り、複数形も含むものとする。更に、当然のことながら、用語“含む(comprises)”、“含んでいる(comprising)”、“含む(includes)”、および/または“含んでいる(including)”は、本明細書で使用する場合、述べられている特徴、整数、ステップ、操作、要素、および/または、構成要素があることを明示しているが、他の特徴、整数、ステップ、操作、要素、構成要素、および/または、それらの群の1つ以上の存在または追加を排除するものではない。
様々な制限、要素、構成要素、部位、層、および/または、部分を記述するため、本明細書で、第1、第2、第3などの用語が使用できるが、これらの制限、要素、構成要素、部位、層、および/または、部分が、これらの用語で限定されるべきではないことは当然である。これらの用語は、ある1つの制限、要素、構成要素、部位、層、または部分を、別の制限、要素、構成要素、部位、層、または部分と区別するためだけに使用する。従って、以下で論じる、第1の制限、要素、構成要素、部位、層、または部分を、本願の内容から外れることなく、第2の制限、要素、構成要素、部位、層、または部分と呼ぶこともある。
更に、当然のことながら、ある要素が、別の要素“の上にある(on)”、または“に接続している(connected)”、または“連結している(coupled)”と述べられている場合、それは別の要素の直接上に、または上側にあり、あるいは、接続または連結していても良く、あるいは、介在する要素が存在していても良い。一方、ある要素が別の要素の“直接上にある”または“直接接続している”あるいは“直接連結している”と述べられている場合、介在要素は存在しない。要素間の関係を述べるために使用する別の語も同様に解釈すべきである(例えば、“の間(between)”と“直に〜の間(directly between)”、“隣り合った(adjacent)”と“隣接した(directly adjacent)”など)。本明細書で、ある要素が別の要素の“上にある(over)”と述べられている場合、これは別の要素の上または下にあっても、また、別の要素と直接連結していても良く、あるいは、介在要素が存在していても、要素が空間または間隙で隔てられていても良い。
[定義]
理解し易くするため、以下でいくつかの用語を定義する。
理解し易くするため、以下でいくつかの用語を定義する。
本明細書で使用されている用語“対象”および“患者”は、 家畜、ペット、ヒトのような哺乳動物などの全ての動物を指す。“対象”および“患者”の具体例としては、医療的支援を必要としている個人が挙げられる(但し、これらに限定しない)。
本明細書で使用する用語“皮膚”および“組織”は、治療しようとする、または、対象の目標治療部位付近の全ての生物組織を指すことができる。
コラーゲンの産生を高め、または、別の方法で皺などの皮膚の変性状態に対処するには従来の技術が容易に使用でき、これらは典型的に、切除治療または非切除治療のいずれかを含んでいる。レーザー切除治療は、水への吸収性が高く、高い光ピーク出力を短いパルス持続時間で与えて、皮膚内の水分子を蒸発させるものである。その結果、皮膚の1つ以上の層、特に、表皮と、真皮の一部が除かれる。この結果生じた傷には長い治癒過程が必要である。感染や瘢痕などの副作用が起こることもある。典型的な非切除治療には、熱変性と熱凝固が含まれる。例えば、目標組織の温度を60℃以上に上げると組織変性が起こる。熱凝固は、目標組織の温度を50〜55℃以上に上げると起こすことができる。これらの高温に曝された組織が治癒する間、変性した皮膚コラーゲンがコラーゲン合成を刺激できることは、当業者に良く知られている。レーザーによる温熱治療の安全性と有効性は、目標組織の発色団によるレーザーエネルギーの選択的吸収に左右される。特に関与する発色団としては、水、脂質、ヘモグロビン、およびメラニンが挙げられる。切除および非切除レーザー治療はいずれも、これらの発色団のエネルギー吸収に依存する。
本明細書に開示の実施形態では、ヒトまたは動物の組織に信頼性の高い非傷害性熱ショック刺激を与える、機器、システム、および方法を提示する。特に、組織を加熱して、皺を取り、ニキビを減らし、および/または、その他の皮膚の変性状態に対処する軟組織の治療、および/または、傷の治癒を助け、肌を引き締め、および/または、線維性組織、血管組織、または皮膚組織がコラーゲンを失うことで起こる病気の治療、またはこれらを組合せて行う、皮膚科用医療機器を提示することができる。本明細書に開示されているその他の実施形態では、治療時間および使用量の補充ビジネスモデルを組み込むための機器、システム、および方法を提示する。
操作の間、本明細書に記載されているある実施形態に従って、対象とする組織を加熱する。熱ショックに応じて、曝露された細胞は熱ショックタンパク質(HSP)を産生する。HSPは、タンパク質の成熟および分解などのプロセスにおいて分子シャペロンとして機能し、また、細胞の生物学的機能において保護的役割を持つ。HSPは、熱刺激によって、また潜在的には光化学効果によって、コラーゲン合成を刺激することができる。レーザー技術の進展と共に、費用効果の高い方法でHSP応答を発生させる装置および方法が、より簡単に使用できるようになった。
HSPは、キロドルトンで示したその分子量に従い、10から110の範囲で命名される。皮膚科学に関わるHSPとしては、HSP27、HSP47、およびHSP70が挙げられる(但し、これらに限定しない)。HSP27は抗アポトーシスタンパク質で、細胞死を防ぐ。HSP47は、皮膚の線維芽細胞中でのコラーゲン生合成に重要な役割を果たしている。HSP70は高誘導タンパク質と呼ばれ、変性したタンパク質に結合する。例えば、815nmのダイオードレーザーに曝露した組織は、HSP70発現が起きて傷の治りが良くなることがある。従って、着目した1つ以上のHSPは、細胞の老化を著しく遅らせることに寄与できる。
30分間から最大1時間までの治療持続時間で、39℃から45℃の熱ショックを繰り返すと、1型プロコラーゲンとHSP47の発現を起こすことができる。しかし、治療部位毎の長い曝露時間は現実的でなく、また、組織の損傷や痛みなどの副作用のため行われない。更に、45℃未満に曝露された組織では細胞増殖に有意な変化が表れないため、治癒時間は短くならないと報告されている。もうひとつ考慮すべき点は、典型的な従来の装置では切除治療および非切除治療の両方で、治療の間、しばしば痛みが起きることである。
典型的に、この業界で利用できる製品および治療プロトコルでは、45℃よりもかなり高い、または痛み閾値よりも高い治療温度で細胞傷害を起こす、最終治療目標が必要である。典型的な最終治療目標温度は、コラーゲン凝固では50℃より高く、組織変性では60℃を超える。副作用の痛みの少ない非傷害性治療を行う解決法が求められている。
本発明概念の実施形態では、治療温度の目標を、HSPが生じる39℃以上で、典型的な熱痛閾値の約45℃より低くすることで、非傷害性の治療を行う。本開示内容の目的のために、約45℃の痛み閾値より高い温度を、本明細書では一般的に傷害性温度と呼ぶ。更に、一部の人では痛み閾値が45℃以上である一方、他の人では痛み閾値が45℃より低いこともある。従って、痛みを招くことなくHSPを刺激できることが望ましい。本発明概念の実施形態に従って提示される光エネルギーの送達様式によって、軟組織の治療のため、1つの装置で、高い安全性と効果が得られるような完全な解決法が可能となる。更に、本発明概念により、治療と治療の間に、特定の組織に加熱操作を行った後に組織が冷えるまで十分な時間を取れる限り、より長い期間、例えば、1日を超えるコースで装置を使用することができる。
図1は、本発明概念の実施形態による、手持ち式皮膚科用医療機器1のブロック図である。
機器1には、実施形態に従って非傷害性熱ショック治療を受ける、目標組織、例えば、皮膚の部位に当てる、遠位治療端2がある。遠位治療端2には出力ポート3が含まれ、ここから目標組織に非傷害性熱ショック刺激を与えるのに十分な波長、エネルギー量、および/または、熱的押し上げを持つ光エネルギー4を放出することができる。
遠位治療端2を更に、1つ以上の接触センサ5および/または熱センサ6など、1つ以上の安全センサを含む構造としても良い。
接触センサ5は、治療組織との接触を記録することを目的とした安全保護装置として機能できる。機器が組織と完全に接触したときにのみ、レーザーエネルギーが放射される。接触センサを、電気容量、抵抗、インダクタンス、またはこれらの組合せなど、組織のインピーダンスの測定に使用しても良い。接触センサは、抵抗またはインダクタンスを測定するための露出した導電性接点の形であっても良い。更に、導電性接点が、導電性接点と組織との間に誘電絶縁体を備えられるよう、センサをコンデンサーとしても良い。望ましい実施形態では、出力ポート3の周囲に等間隔に平面状に置いた、少なくとも3個またはそれ以上の接触センサを使用する。一部の実施形態において、機器が組織と完全に接触していることを記録するには、全ての接触センサが接触を検知しなければならない。これにより、レーザーの安全性を図るため、レーザー放射の間、出力ポート3が治療組織に完全に接触して置かれていることを保証する。
治療の安全性と有効性のためには、適量のエネルギーを組織に供給して望ましい温度変化を達成することが重要である。エネルギー用量が十分でないと、組織が目標治療温度に達しないと考えられる。エネルギー用量が多すぎると、組織温度が痛み閾値を超えて上昇し、変性温度まで上がるおそれがある。熱センサ6は、組織温度について機器へ熱フィードバックを行うことを目的としている。1つ以上の熱センサ6は、治療領域に、またはその付近に置いた熱電対、サーミスタなどの、熱的接触技術を利用しても良い。また、熱センサ6は、組織からの熱放射を検知できる赤外検出器などの、非接触技術を利用しても良い。
ある実施形態において、機器1は、光空間分布系(OSDS)7、光エネルギー源8、制御電子回路9、電源10を含んでいても良く、その一部または全てを、ハウジングまたは筐体11内に置くことができる。ハウジングまたは筐体11は、機器1を使用して医療を行う人物が把持するよう構成および配置されており、人間工学的および美観的に快い包装を含むことができる。OSDS7、光エネルギー源8、制御電子回路9、電源10の1つ以上は、筐体11において統合したサブシステムを含むことができる。
一部の実施形態において、OSDS7は、光エネルギーの空間分布を、遠位治療端2で好ましい分布となるよう修正して、目標組織に照射した光エネルギー4で、望ましい治療効果、例えば、本明細書に述べられている様々な皮膚層への熱的効果を生じる。OSDS7は、集光、デフォーカス、ピーク放射照度均一分布、および/または、導波光学(optic)および/または光学(optical)フィルタリングのための、レンズ系を含んでいても良い(但し、これらに限定しない)。
図28Aおよび28Bを参照するならば、OSDS401としての円柱レンズと、エネルギー源402としてのダイオードレーザーを含む、ある実施形態による光線追跡モデルを提示することができる。特に図28Aは、光線追跡モデルに対応した光学系の上面図である。図28Bは光学系の側面図である。ある実施形態において、電磁エネルギー、例えば、レーザーエネルギーは、エネルギー源402からOSDS401へ伝播する。グラフに示すように、治療平面403でのX軸の空間分布404は、OSDS401で修正された、低発散(X軸)でのエネルギー源402の発散および角出力分布(angular power distribution)の結果である。治療平面405での空間分布404は、OSDS401で修正された、高発散(Y軸)でのエネルギー源402の発散および角出力分布の結果である。別の実施形態では、図29に示すように、OSDS406としての導波管と共に、エネルギー源402が示されている。グラフ407、408、409、および410で示す、治療平面411および412での空間分布は、それぞれ、402および404の分布よりもずっと均一である。図29のOSDS406は全内部反射を使用して、エネルギー源402のガウス角出力分布を、407、408、409、および410に示す、より均一で頂部の平らな分布に修正することができる。この実施形態では、OSDS406の長さ(L)を31mm以上にして、一様で頂部の平らな分布408にすることができる。27mmでは、空間分布407の約30%が大きく不均一な分布のままである。長さ(L)は、エネルギー源402の低発散軸(X軸)によって決まる。
図30は、OSDS413内の標準的な導波管と、OSDS414内の修正された導波管との比較を示している。発散レンズ湾曲415をOSDS414内に組み込んで、 エネルギー源402の発散を、場合によっては高発散(Y軸)に匹敵するまで大きくして、治療平面416において一様な空間分布とするために必要な、OSDS414の長さを縮めることができる。
別の実施形態では、図31Aに示すように、OSDS417に角度を付けた出力面421がある。出力面421は、出力面421が空気中などの環境にあって、皮膚表面419に接していない場合に、光漏れ418として示されているように、内部光の80%以上を反射することができる。光漏れ418は、OSDS417の漏れの領域418の表面に反射コーティングを塗布すると更に減らすことができる。光漏れ418は、光吸収領域を使って光エネルギーを熱エネルギーに変換することでも消散させられる。図31Bでは、出力面421が皮膚419に接している。ヒトの表皮の1440nmでの屈折率は約1.41であり、OSDS417に使用する溶融石英の屈折率は1.445である。出力面421が皮膚419に接していると、屈折率が非常に良く合って、OSDS417から皮膚419へ光を繋ぐことができる。
図32A、図32Bは、OSDS422の高さ(H)を小さくして、短くした長さ(L)で全内部反射させている、別の実施形態を示している。一部の実施形態では、出力面423に角度をつけて、ほぼ正方形の治療域としている。
再度、図1を参照するならば、光エネルギー源8は、ある実施形態において、目標組織の細胞内でHSPの発現を誘導する、目標組織への出力である、光などの電磁放射を発生することができる。光エネルギー源8は、レーザーダイオードおよび発光ダイオードを含むことができる(但し、これらに限定しない)。光エネルギー源8は、近赤外線を放射する強力パルス光ランプやフィラメント電球など、他の光源(但し、これらに限定しない)を含んでいても良い。
目標組織の温度の時間的プロフィールは、光エネルギー源8の時間的プロフィールを、例えば、少なくとも、図7および図8に示すように調節することで、設定した要求に応じて制御可能である。従って、OSDS7で空間分布の修正を行う光エネルギー源8は、現在の温度、例えば、ベースライン温度の45℃に対して2℃から8℃の範囲で組織温度を上昇させる、治療処置エネルギーを供給することができる。別の例では、治療処置エネルギーは、現在温度に対して、ベースライン温度の32℃程に対して、7℃から13℃の範囲で(皮膚のタイプなどによってはそれ以上に)組織温度を上昇させることができる。ある実施形態において、光エネルギー源8は、1W/cm2から、一部の実施形態では400W/cm2まで、別の実施形態では600W/cm2までの範囲で求められるピーク出力密度を供給する。ある実施形態において、光エネルギー源は、組織温度を一定に保つため、例えば、0.1W/cm2から0.37W/cm2の間の平均出力密度を供給する。ある実施形態において、操作出力密度は、0.1W/cm2から、一部の実施形態では400W/cm2、別の実施形態では600W/cm2までの間である。
制御電子回路9は、使用者との相互作用および/またはエネルギー用量を制御できる。接触センサ5および熱センサ6は、制御電子回路9と電気的に接続している。接触センサ5および/または熱センサ6の信号を制御電子回路9で読み取って、接触状態と熱状態をそれぞれ判断する。機器1が完全に接触していて、組織温度が許容限界内にあるならば、制御電子回路は、レーザー発光と、光エネルギー源8への電流の供給を許可する。機器が組織に完全に接しておらず、または組織温度が許容限界を外れているならば、制御電子回路9はレーザー発光を抑えると考えられる。制御電子回路9は、ローカルマイクロプロセッサおよび内蔵した制御ソフトウェアを含んでおり、または、別の方法でこれらと通信していても良い。光エネルギー源8に供給される電流の時間的プロフィールは、マイクロプロセッサに内蔵したソフトウェアで制御される。電流の量と持続時間はソフトウェアでプログラムされる。図2Dに示すように、機器1には、電源ボタンや治療ボタンなどの制御ボタンが含まれている。制御ボタンによる使用者との相互作用は制御電子回路9で検知され、ユーザーインターフェースは、マイクロプロセッサに内蔵したソフトウェアを通じて制御される。補充カートリッジおよびローカルコンピュータ64は、本明細書に述べられているように、治療使用量の補充とファームウェアのアップデートのため、マイクロプロセッサと通信することができる。
電源10としては、光エネルギー源8への、および/または、皮膚科用医療機器1の他の要素への電気エネルギー源となる、電源回路および/または電池(但し、これらに限定しない)が挙げられる。
図2A〜2Cは、本発明概念の実施形態による、様々な全体的包装概念の側面図である。
本明細書に述べられている1つ以上のサブシステムを、人間工学的に最も良い形状および配置となるような方法で包装することができる。更に、図1に言及されている手持ち式皮膚科用医療機器1の筐体11は、別の持ち方となるように、および/または、人間工学的に配慮されたものに構成および配置しても良い。図2Aに示すように、ある実施形態では、手持ち式皮膚科用医療機器1は真っ直ぐな円筒形12である。図2Cに示すように、別の実施形態では、遠位端が筐体14の本体に垂直となるよう、手持ち式皮膚科用医療機器1が構成および配置されている。このとき、光エネルギー4は、筐体14の本体に対して垂直方向に放出される。図2Bに示すように、別の実施形態では、光エネルギー4は、筐体13の本体に対して0から90°の角度を成した方向に放出される。筐体11の形状に関係なく、筐体11は、使用者が製造および購入するよりも費用効率の良い、使用者、例えば、消費者にとって完全な熱ショック治療システムとなる解決法を可能とする。
図2Dは、本発明概念の実施形態による、図1〜2Cの手持ち式皮膚科用医療機器1の斜視図である。
機器1は、安全センサ102、治療ボタン104、補充表示部106、出力設定表示部108、電源ボタン110、デバイスコネクタ112、バッテリ表示部114の1つ以上を含む。
安全センサ102は、本明細書に述べられている接触センサ5および/または熱センサ6を含むことができ、また、治療領域に、またはその近くに置くことができる。
治療ボタン104は、例えば、治療領域で行う治療操作を制御するため、機器1を起動または起動停止(inactivate)するよう、構成および配置することができる。
補充表示部106は、機器1に残されている時間の量、使用量などに関する、情報、光源、または他の指標を表示することができる。例えば、表示部106は、それぞれが機器1の使用可能な補充限度の25%に対応した4つの部分を含んでいても良い。操作の間に1つの部分が、例えば、LEDで光っている場合、これにより、機器1が現在の補充サイクルの終わりに近づいたことを示せる。機器1が補充に関する信号(後述)を受信した場合、表示部106の追加の部分を操作の間、光らせることができる。
出力設定表示部108は、出力設定に関する、情報、光、または他の指標、例えば、機器1から放出される光エネルギー4の量を示す指標を表示することができる。電源ボタン110は、使用者が機器1を起動または起動停止するよう構成されている。電源ボタン110を入れると、表示部106、108、114の1つ以上が点灯し、または情報を表示でき、治療ボタン104を押すと、機器1の操作を開始できる。
デバイスコネクタ112は、USB装置、充電器、および/または、電気信号の交換、電源、データ、電気信号などのための他の外部装置に接続することができる。
バッテリ表示部114は、機器1の電源状態に関する、情報、光、または他の指標を表示することができる。例えば、バッテリ表示部114は、機器1に残っている電池寿命の量を表示することができる。バッテリ表示部114は、出力の残量に関連する出力設定表示部108の部分を除き、補充表示部106と同様の、複数の部分を含むことができる。あるいは、表示部114は、機器1が外部電源、例えば、壁コンセントから電力を受けていることを示す情報を点灯で示し、または別の方法で表示できる。
図3Aおよび3Bは、本発明概念の別の実施形態による手持ち式皮膚科用医療機器15のブロック図である。機器15は、図1および図2を参照しながら述べたものと類似または同一のものでも良い。従って、機器15の詳細は、簡潔にするため繰り返さない。
図3Aにおいて、機器15は、低圧電源装置16を機器15に直接接続して、電力を供給しても良い。電源装置16は、AC電源コンセントなどの電源に繋ぐことができる。あるいは、電源16に、バッテリなどの電源を加えても良い。電源装置16は、図1で述べた光エネルギー源8と同じ、光エネルギー源などの機器15の要素へ電力を送ることができる。この場合、機器15は、電源コネクタを経由して電力を受ける必要がある。電源コネクタは、望ましくは、光エネルギーを放出する遠位端とは逆の、機器15の近位端に連結する。電源装置16は、例えば、USBポートを経て、低圧電力を機器15に供給するローカルコンピュータであっても良い。
図3Bでは、機器15を充電用ドックステーション17で充電し、充電用ドックステーション17も電源装置16から電力を受けている。従って、図3Aおよび図3Bの機器15は、直接的接触により、または、当業者に良く知られている誘導充電法で充電することができる。
図4は、本発明概念の別の実施形態による、制御電子回路および電源と分けて包装されている手持ち式皮膚科用医療機器20のブロック図である。
図4に示すように、手持ち式皮膚科用医療機器20は、接触センサ25、熱センサ26、OSDS18、および光エネルギー源19を含むことができ、これらが共通のハウジング内に包装されている。接触センサ25、熱センサ26、OSDS18、および光エネルギー源19は、本明細書に述べられているものと類似または同一のもので良く、従って、簡潔にするため詳細は繰り返さない。図4において、手持ち式皮膚科用医療機器20は、制御電子回路21および電源22の一群とは離れていて、これらは、コンソールハウジング23と呼ばれる別個の筐体中に、または、手持ち式皮膚科用医療機器20から離れた、別の機器内に包装することができる。コンソール23から電気ケーブル24を伸ばし、手持ち式機器20に繋いで、機器20に電気を供給し、また、機器20との電気通信を行うことができる。接触センサ25、熱センサ26、OSDS18、光エネルギー源19、制御電子回路21、および電源22間の相互作用は、少なくとも図1で述べたものと類似または同一のもので良く、従って、簡潔にするため詳細は繰り返さない。手持ち式皮膚科用機器20は、新しい手持ち式機器を接続または交換するために、コンソールハウジング23から外すことができる。空間分布、光強度、波長などの、異なる光学的運転パラメータを備えた、異なるOSDS18および光エネルギー源19を、共通のコンソールハウジング23に容易に接続することができる。
図5は、本発明概念の実施形態に一致する、例示的な治療法の温度範囲を示すグラフである。この治療法には、当業者に知られている皮膚科的処置、例えば、皺の除去や低減を含むことができる。
一部の実施形態では、本明細書に述べられているように、ヒトまたは動物組織の温度が2℃以上上昇するとHSPの形成が起こる。本明細書に更に述べられているように、治療の目的は、痛みを生じず、または少ない痛みで、組織内で非傷害性温度上昇を起こすことである。従来の非切除治療には、60℃以上の温度で起こる熱変性、一部の実施形態では45℃以上、別の実施形態では50℃以上の温度で起こる熱凝固が含まれる。従って、本発明概念に従って行われる治療の目標は、一般的に痛みが起き、傷害が生じる恐れのある約45℃の温度を超えずに、身体の目標組織温度を、一部の実施形態では2℃から8℃、またはそれ以上に上昇させることで達成できる。この方法では、治療を、穏やかな熱ショック治療の範囲内、例えば、望ましい治療範囲28に示すように、37℃から45℃で行うことができる。
痛み閾値は変化することがあり、異なる皮膚の温度も変わることがあることは良く知られている。先に述べたように、痛み閾値は、45℃程度の上限を持つと考えられる。別の例では、短いパルスを与えると、身体の目標組織温度が、2℃から8℃を超えて、例えば、一部の例では13℃まで、あるいは、別の例では、28℃まで、またはそれ以上に上がることがある。そこで、タイプの異なる皮膚は異なる吸収率を持つと考えられるため、個々の皮膚のタイプに対してもダメージを与えず、痛み閾値よりも低く保たれる操作温度は、32℃から60℃の範囲と考えられる。
治療効果を最大に、意図しない副作用を最小とするため、本発明概念の実施形態では、治療を受けている組織部位に与えるエネルギー、例えば、レーザーエネルギーの時間的プロフィールを制御することで、目標組織に与える治療エネルギーの量を調節するシステムおよび方法を提示する。皮膚科用医療機器からのエネルギー出力のピーク出力と曝露時間の両方を調節して、望ましい臨床効果を得ることができる。
更に、図5に示すように、一部の実施形態において、治療には、約45℃を超えない温度で、皮膚科用医療機器から2〜10秒間、エネルギー出力を曝露することが望ましい。組織を2秒間より長く高温に曝すと、HSPを上向き制御することができ、あるいは、組織細胞に対応する1つ以上の遺伝子の発現を増加させ、その結果、これらの遺伝子によって、タンパク質、より具体的にはHSPをエンコードすることができる。しかし、一部の実施形態では、45℃以上、別の実施形態では、50℃以上で、10秒間より長く熱ショックに曝露すると、細胞増殖に損傷効果を与える恐れがある。
従って、ある実施形態において、2〜10秒間の曝露時間の間、組織を2℃を超える温度上昇に曝すと、望ましいHSP発現が起こる。
図6は、本発明概念の実施形態による、光強度の連続波時間的プロフィールに対する、皮膚温度の時間的プロフィールを示すグラフである。皮膚温度の時間的プロフィールを、図5に示したものと同一または類似したものにできる。
図6の光強度の連続波時間的プロフィールに示すように、望ましい時間的温度プロフィールができるよう、光強度の振幅を、治療パルスの間に調節することができる。皮膚温度の時間的プロフィールを表すグラフに示すように、温度上昇率30を大きくするため、パルス開始時の出力を大きく(29(P))するよう配慮しても良い。一例として、実験データから、0.5mmの深さの組織において、1W/cm2で約1℃/秒の温度上昇率が得られることが分かった。切除パラメータよりも低く保つには、20ms以上のパルス幅が必要である。20msで組織温度を8℃上げるために必要な温度上昇率30とするには、400W/cm2のピーク出力密度が必要と考えられる。OSDS7が供給する治療スポットの大きさは、光エネルギー源8の光出力能力に従うと考えられる。直径1mmの治療スポットでは、3.14Wを出力できる光エネルギー源8で、400W/cm2が達成可能である。あるいは、2秒以内で2℃以上の温度上昇をする最小温度上昇率30では、1W/cm2が必要と考えられる。温度を、皮膚温度の時間的プロフィールを表しているグラフに示す、望ましい治療範囲28内に、望ましくは、時間的温度プロフィールグラフに示すように、45℃または約45℃の痛み閾値よりも低く保つために、出力27を、領域PM(温度維持領域という)に低下させても良い。
図6では、パルスの形状を連続波形で示している。別の実施形態では、異なるパルス構造を同様に適用可能である。例えば、図7に示すように、パルス振幅と時間的構造を調節して望ましい目標温度プロフィールとすることができる。温度振幅31は、パルス構造32の結果として調節可能である。制御電子回路9は、変調した電流を光エネルギー源8に供給して、パルス構造32を生じることができる。
上に述べたように、本発明概念の実施形態は、非傷害性熱ショック治療を行う機器を含み、最小目標組織温度上昇は最低限2°であり、45℃の、または約45℃の損傷閾値以下に保たれる。別の実施形態では、温度上昇を8℃より大きくすることができる。ある実施形態において、治療用量は光エネルギー源によって供給され、光エネルギー源は、例えば、本明細書に示されているような制御電子回路9、21によって制御され、また、本明細書に示されているような光エネルギー源8、19によって出力される。
実験データは、生きているヒトの組織内、0.5mmの深さでは、6.8W/cm2の出力密度で、6.8℃/秒の温度上昇を起こせることを示している。更に、実験データは、0.5mmの組織深さで、1W/cm2当たり、1℃/秒の温度上昇率が得られることを示している。ある実施形態において、治療パルス幅は、2秒未満である。一部の実施形態による非切除治療において、パルス幅は一般に、数ミリ秒またはそれ以上である。一部の実施形態において、パルス幅は、0.02から2秒の範囲である。必要なピーク出力密度範囲は、1W/cm2から400W/cm2である。更に、経験的データから、例えば、図26に示すように、2℃の定常状態の温度上昇を維持するには0.1W/cm2が必要であり、8℃の定常状態の温度上昇を維持するには0.37W/cm2が必要であることが分かっている。
ある実施形態において、HSP発現は、曝露された温度、および/または、曝露時間の長さに依存する。治療エネルギーと曝露時間の要求が高まるにつれ、システムの性能要求が上がって、製品の大きさと費用が上昇すると考えられる。ある実施形態では、治療パルスの終端で熱的押し上げを与えることで、熱曝露時間を延ばすシステムおよび方法を提示する。
図8は、本発明概念の実施形態による、治療パルス終端での熱的押し上げ33を示すグラフである。熱的押し上げ33は、制御電子回路9から発生する電流を増した結果、光エネルギー源8からの出力が増えることで発生する。発生した治療パルス34の時間的構造を修正し、パルスの終端に出力の押し上げを追加して、望ましくは、45℃の、または約45℃の痛み閾値温度よりも低い、高めた治療処置温度での組織の曝露時間35を延長しても良い。治療パルスの終端またはその付近での熱的押し上げは、温度曝露時間とHSP産生を最大化する一方で、痛みを最少にすると考えられる。ヒトでの試験の実験結果では、例えば、図27に示すように、治療温度閾値以下に冷えるまでに、6秒の温度曝露時間の延長が示された。
皮膚を通過するレーザー光の伝播は、皮膚の光学的特性とレーザー光の波長に依存する。そのため、到達目標組織深さの有効性を空間分布で決めるよう、機器を構成および配置することができる。レーザーによるコラーゲン合成の非切除的刺激は一般に、676nmから1540nmの領域の範囲であるが、これに限定するものではない。更に、意図した治療部位で光エネルギーを効率良く熱に変換する最適の波長を選択するよう、機器を構成および配置することができる。
図9は、本発明概念の実施形態による、注目される一連の波長範囲を示すグラフである。例えば、図1〜4で述べた手持ち式皮膚科用医療機器の光エネルギー源は、図9に示す1つ以上の波長で電磁エネルギーを発生することができる。狭いスペクトル帯域の波長で光を発するにはレーザーが使用できる。より広いスペクトル帯域とするにはランプが使用できる。
ある実施形態において、注目される組織の目標治療部位は、平均3mmの真皮の厚みの少なくとも1/3である。皮膚に関して、吸収の主な発色団は水である。従って、最も効果的な吸収発色団として水を標的とすることで、エネルギーを確実に目標部位へ届ける一方、経済的効果を高めることができる。水の最大吸収率ではない操作波長を選択すると、吸収が桁違いに小さくなり、効果が皆無かそれに近くなってしまうと考えられる。この場合、組織に供給するエネルギーの量を1桁増やして、同程度の有効性を得るのに十分なものとしなければならない。このためには、光エネルギー源8からの出力を大きくする必要があり、これには更に、制御電子回路9からの電力供給を増やす必要がある。例えこのような増加が技術的に可能であっても、製造コストによってこの機器の経済的な効果がなくなってしまう。
一次近似は、減衰式(1)を用いて求めることができる。この式の目的は、望ましい操作波長を求めることである。
[数1]
I = I0e−(ηαx) (1)
式中、x = 距離
η = 吸収濃度百分率
α = 吸収係数
I = 距離xでの強度
I0 = 初期強度
[数1]
I = I0e−(ηαx) (1)
式中、x = 距離
η = 吸収濃度百分率
α = 吸収係数
I = 距離xでの強度
I0 = 初期強度
既知の強度比(I/I0)と必要な深さxから、αが求められるということになる。ある実施形態において、37%の強度レベルでは、吸収長が、0.2mm(表皮層を超えている)から1mmの間であることがわかる。吸収長は距離(x)である。ある実施形態において、その結果得られた全吸収係数は、14cm−1から71cm−1の間である。図9に示すように、注目される波長範囲としては、1400nm〜1530nm、1850nm〜1900nm、および2000nm〜2450nmが挙げられる(但し、これらに限定しない)。
一部の実施形態において、エネルギー源(例えば、ここでは光エネルギー源8または19を指す)は、注目される波長帯域の1つ以上を放射する狭帯域または単色レーザー源である。一部の実施形態において、エネルギー源は、狭帯域発光ダイオード(LED)などである。別の実施形態において、エネルギー源は、近赤外広帯域、例えば、1400nmから1900nmおよび2000nmから2450nmの波長域を放射する、広帯域発光ランプまたはフィラメント電球である。別の例では、レーザー、LED、ランプ、その他の適当なエネルギー源が使用できる。
目標深さへの治療用光エネルギーの効果的な送達は、治療の効果に直接影響を与えることができる。皮膚の角質層中の吸収性発色団を減少または除去して、前段階でのエネルギー損失を小さくすることついてここで述べる。光源から目標治療部位までの機械的距離によって、その他の潜在的な形のエネルギー損失が生じることがある。
従来型の医師が処置を行う、また消費者が使用する機器も同様に、傷害を生じる治療用量を組織に与える。従って、強い痛みや、治癒にかかる時間が長引くなどの副作用もよく見られる。更に、医師が処置する治療様式では、頻繁な使用、例えば、毎日の適用は困難である。技術的および商品化コストが下がるにつれ、レーザーを使用する治療様式が消費者市場で容易に利用できるようになりつつある。しかし、治療コストと上記の副作用が市場での受け入れを制限している。HSP発現は、時間と共に増加した後、通常レベルに戻り、そのピークは1.5時間から48時間の間に起こると考えられる。更に、プロコラーゲンのI型およびIII型の両方の遺伝子発現の最大上向き制御は、熱ショック曝露後24時間または約24時間で起こることがある。
望ましい実施形態では、非傷害性熱ショック治療を、予め定められた基準、例えば、日単位または時間単位での治療計画に従って、手持ち式皮膚科用医療機器で行う。
図10Aおよび図10Bは、本発明概念の実施形態による、治療間隔に対する経時的なHSP発現を示すグラフである。
図10Aでは、第1および第2の熱ショック治療を組織部位に行う。第1熱ショック治療を第1の時間T1に行う。第2ショック治療を第2の時間T2に、または第1の時間T1の所定時間後に行う。例えば、HSP発現は治療T1後に始まって、1.5時間から48時間の間にピークとなると考えられる。第2の治療T2をT1の1週間後に行うと、治療した組織は、5から7日間もHSP発現がなく、コラーゲン合成も少ないと考えられる。
図10Bに示すように、複数回の治療(T1〜T8)の治療間隔、例えば、T1とT2の間の期間を著しく短くすることができる。こうすると、平均HSP発現36を、平均HSP発現36’に上げることができる。HSP発現、即ち、量は、治療後に上昇して、ずっとピークになる。“平均HSP発現”は、この期間に産生されるHSPの平均量である。治療頻度が上がるにつて、平均1型プロコラーゲンおよびHSP発現が増え、より多くのコラーゲンが合成される。従って、実施形態に従ったシステムおよび方法により、費用効果が良くて効き目のある、毎日の治療、または時間単位の治療さえも行うことができる。一方、従来の医師が処置を行う治療法では、毎日の治療は費用の面で難しいと考えられる。
図11は、皮膚の皺38の形状の図である。動物またはヒトの皮膚は、当業者には良く知られているように、3つの主な層、角質層41、表皮40、および真皮37を含む。身体の位置により、角質層37の厚さは10から20μmとなることがある。表皮層40の厚さは50から150μmとなることがある。真皮層37の厚さは300μmから3mmの範囲となることがある。
角質層41内の含水量は、外表面での15%から、角質層41と表皮40との接合部での40%の範囲と考えられる。更に表皮40内に向かうと、含水量は急激に70%に上がり、ここで飽和となると考えられる。ある実施形態において、水は主要な発色団である。角質層41内の発色団が減少すると、角質層41でのエネルギー吸収が減って発熱が少なくなる。自由神経終末は角質層41と表皮40との接点で終わっているため、角質層41内での熱吸収を減らすと痛みも少なくなる。望ましい実施形態では、治療プロトコルの一部として乾燥力のある水溶液を使用し、表面組織の水分を除いて、手持ち式皮膚科用医療機器で発生させたレーザーエネルギーの皮膚表面での損失を少なくする。
角質層41、表皮40、真皮37中の曲がった部分は、皺があることを示している。皺38の形状が、手持ち式皮膚科用医療機器から真皮37内の目標部位へ放射される光39などの電磁放射線の送達を妨げることがある。光39は、折り曲がった表皮40および/または角質層41に沿って更に伝播することができる。図12に示すように、組織を平らにし、または伸ばすよう皺に器械的操作を加えると、光39や他の電磁放射線を効果的に届かせることができ、または、皮膚を手で伸ばしてこれを行っても良く、あるいは、本明細書の実施形態に述べられている手持ち式機器などの機器に機構を組み込んでも良い。このようにして皮膚を伸ばして光路長を短くすることで、機器からのレーザー光などの出力を組織内により深く伝播させることができる。更に、このように皮膚を伸ばすと組織が薄くなって、水や血液などの余分な発色団を治療部位から押しやることができる。
図13は、本発明概念の実施形態による、皮膚の皺に押し当てた皮膚延伸機構42の2次元横断面図である。皮膚延伸機構42は、互いに離れていて独立して動く2つ以上の要素を含むことができる。皮膚延伸機構42のこの要素は、手持ち式皮膚科用医療機器に可動なように付けることができ、例えば、図1に示す機器1または図15に示す機器53の、筐体11の治療端に取り付けて、その付近で蝶番式に旋回するものでも良い。この概念は、機器で皮膚組織43を複数の軸方向に伸ばす、3次元の解決法にも拡大できる。機構42に機械式カム運動を用いて皮膚組織43を伸ばしても良い。機械式延伸機構42の遠位端54に模様をつけて摩擦を大きくしても良い。
望ましい実施形態において、皮膚延伸機構42に下向きの力45を加えると、外向きの力44(延伸力ともいう)で組織43を伸ばし、一時的に皺46が少なくなり、または消失する。このように、それぞれの要素42は互いに反対方向へ動いて組織43を伸ばす。例えば、図13に示すように、最も左の要素42は軸に沿って第1の直線方向へ動くことができ、最も右の要素42は、同じ軸に沿って、第1の直線方向とは逆の第2の直線方向へ動くことができる。
図14は、柔軟なポリマー材料を含む皮膚延伸機構47を示している。望ましい実施形態において、皮膚延伸機構47の2つ以上の要素に下向きの力49を加えると、外向きの力48で組織50を伸ばし、特に、例えば、本明細書に記載の実施形態による機器からの光エネルギーの適用と組み合わせて、組織50に引き延ばし作用を行うと、皺51を減らし、または消失させることができる。
図15は、本発明概念のある実施形態による、手持ち式皮膚科用医療機器53に組み込んだ機械式皮膚延伸機構52の図である。例えば、上記のように、皮膚を伸ばす操作の間に、延伸機構52の要素が、旋回、回転、伸長、または互いに対して別な動きができるよう、要素52を機器52に可動式に付け、例えば、機器53で標的組織に力を加えてこの要素を互いに異なる方向に動かし、これにより目標組織を伸ばして一時的に皺を消失させて、目標組織への光路長を短くすることができる。
美容市場が目標としている消費者は、一般に決まった美容法を持っていて、この美容法を維持するための継続的な費用の負担は厭わない。消費者の典型的な購買習慣は、定期的に、例えば、週または月毎に美容製品を購入することである。従来の美容用レーザー装置の購入価格は、平均的な消費者が買える、または支払いたいと思うよりも一般に高く、その結果、価格がしばしば障害となって市場、即ち、美容に対する意識の高い消費者に広く受け入れられない。消費者の年間総支出は、高価なレーザー装置の小売価格と同じ、またはそれを超えると思われるが、消費者は購入して1度に支払おうとはあまりしたがらない。
従って、一部の実施形態は、目標とする消費者の月々の消費パターンのレベルに小売価格を合わせられるビジネスモデルを含む。解決法の1つは、消費者の全コストを、1度に全て負担する代わりに長期間に分散させることである。一部の実施形態は、補充ビジネスモデルを採用して消費者のコストを分散させる方法を含む。
局所剤などの消耗アイテムは、このような製品が使用によって消費される補充モデルには理想的な候補である。局所剤を使い切ってしまうと、消費者は、引き続き使用するために追加量の局所剤を購入しなければならない。使い捨てまたは使用量の限られた消耗品も、補充ビジネスモデルに合っている。例えば、無菌であることが重要な懸案事項である外科的および医学的用途では、使い捨ての消耗品、例えば、針、ゴム手袋などが使用されている。その他の消耗品の例としては、バッテリ、電球など、寿命のある構成要素が挙げられる。良く知られている例は“かみそり”のそれで、使用者は、使い捨ての替え刃を取り付けるよう構成および配置されているかみそりを単体で購入する。そのため、消費者は、かみそりに取り付け可能で比較的安価な替え刃を必要に応じて購入することができる。
この方針に沿って、本発明概念の一部の実施形態では、ペイパーユースおよび消耗型の製品の補充モデルを利用する。物理的に消費される構成要素を購入する代わりに、本実施形態では、手持ち式皮膚科用医療機器の治療時間または使用量を制限し、続けて使用するには補充データを入手しなければならない、ペイパーユースモデルを採用する。
図16は、ある実施形態による、補充カートリッジ57と通信するよう構成および配置されている手持ち式皮膚科用医療機器56のブロック図である。一部の実施形態による手持ち式皮膚科用医療機器56は、例えば、本明細書に記載の補充法に従って作動するよう構成および配置することができる。この方法では、使用者が、最初の安い小売価格で手持ち式皮膚科用医療機器56などの機器を購入できるようにする一方、目標としている消費者の購買慣習に収まる安い補充コスト(局所剤、クリーム、保湿剤などの消耗する化粧品の購入コストと同程度と考えられる)で、機器56を継続して使うことができる。機器56は、本願の他の実施形態による手持ち式皮膚科用医療機器と同様のものでも良いが、機器56に、使い捨て補充カートリッジ57と通信するマイクロコントローラ55が含まれる点が異なっている。補充カートリッジ57は、機器56に挿入し、あるいは、外部に取り付けても良い。いずれの場合も、電気コネクタを用いて機器56と補充カートリッジ57との間を電気的に接続する。
補充カートリッジ57には、マイクロコントローラ58および/または消耗部品59が含まれる。消耗部品59は、寿命の限られた電子的構成要素を含んでおり、補充カートリッジ57全体を廃棄せずに交換できる。消耗部品59の寿命の限られた構成要素としては、バッテリ、電源回路、光学的構成要素、およびレーザー源または光源が挙げられる(但し、これらに限定しない)。金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)やバイポーラトランジスタなどの電源回路切り替え装置は、限度を超えた運転パラメータに曝されると寿命が短くなる。ランプやレーザーダイオードなどの光源も寿命に限界がある。マイクロコントローラ58は消耗部品59の作動を監視し、消耗部品59の作動または不具合を機器56、例えば、マイクロコントローラ55に伝えることができる。ある実施形態では、マイクロコントローラ58で消耗部品59の最大寿命を決定しても良い。例えば、消耗部品59はヒューズを含み、これが機器の制御電子回路(図示せず)と接続し、機器56の光エネルギー源(図示せず)と電気的に直列になっていて、制御電子回路9から光エネルギー源8への電気回路を完成していても良い。機器56が指定された最大治療回数を超えると、マイクロコントローラ58がヒューズを切って補充カートリッジ57を無効にすることで、光エネルギー源8と制御電子回路9との間の電気的接続を絶つことができる。
図17Aおよび図17Bは、一部の実施形態による、異なる補充カートリッジ接続オプションのブロック図である。
望ましい実施形態において、ペイパーユース式のハードウェアの補充は、手持ち式皮膚科用医療機器と通信しているカートリッジを交換することで行える。図17Bに示すように、補充カートリッジ71を手持ち式皮膚科用医療機器68に直接取り付けることができる。例えば、ハウジング内の手持ち式機器68がカートリッジ71から電子データ、電力などを受けられるよう、機器68に、補充カートリッジ71を取り外しできるように接続するインレットポートなどを加えても良い。別の実施形態において、図17Aに示すように、補充カートリッジ69は、ケーブル70、または当業者に知られているその他の通信媒体を経て、手持ち式皮膚科用医療機器67と通信している。あるいは、補充カートリッジを、図18に示すような、使い捨て治療用チップ80などの機能構成要素に組み込んでも良い。ある実施形態では、補充カートリッジが無効になったら、より詳しくは、治療用チップ80内の補充カートリッジ中のデータに指定してあった所定の使用回数を過ぎたら、使い捨て治療用チップ80を、使い捨てでない手持ち式部材81から取り外して新しいものと交換する。従って、この機器は、治療を受けるそれぞれの人用に別々の治療用チップ80が供給できるため、手持ち式部材81を複数人で使用する場合には、清浄度または衛生的利益がかなり得られる。
図19は、ある実施形態による、キーコード補充プラットフォーム73を含む、手持ち式皮膚科用医療機器72のブロック図である。手持ち式皮膚科用医療機器72は、本願に述べられている1つ以上の他の手持ち式皮膚科用医療機器と同様のものでも良いため、手持ち式皮膚科用医療機器72の詳細については、簡潔にするため繰り返さない。
機器72のキーコード補充プラットフォーム73は、RFIDなどの補充キーコード74を読み取るためのカメラまたはRFID送受信機など、バーコードリーダー、WiFi送受信装置、マイクロUSBポート、および/または、補充キーコード74に関するデータを受信できるその他の電子機器を含んでいる。補充プラットフォーム73は、補充キーコード74を受信および処理し、使用のために機器72を起動させるよう、機器72の制御電子回路へ信号を送るプロセッサを含んでいる。補充キーコード74は、使用回数、その間に無制限に使用できる時間枠、または、機器72の制限または非制限使用を定めたその他のパラメータを設定するデータを含むことができる。
図20に、ある実施形態による、補充システムの通信環境のブロック図を示す。
ペイパーユースの電子的補充は、補充サーバー60と手持ち式皮膚科用医療機器65との間を直接電子通信させて行うことができる。手持ち式皮膚科用医療機器65は、本明細書に記載の1つ以上の他の手持ち式皮膚科用医療機器と同様のものでも良いため、手持ち式皮膚科用医療機器65の詳細については、簡潔にするため繰り返さない。
補充サーバー60は、使用についての、手持ち式皮膚科用医療機器65のプログラミングおよび起動/起動停止に関するデータを含んでいる。例えば、補充サーバー60は、機器65を30日間、無制限に使用できると定めたデータを送信し、これを機器65が受信することができる。別の例では、補充サーバー60は、所定の時間の長さの治療、例えば、10時間の治療の事前設定した回数を定めたデータを送信し、これを機器65が受信することができる。
遠隔の補充サーバー60と手持ち式皮膚科用医療機器65との間の通信は、ローカルエリアネットワーク、広域ネットワーク、無線ネットワーク、インターネット、またはこれらの組合せなどのネットワーク61を通じて確立できる。例えば、ローカルコンピュータ64は、接続63を経て、ネットワーク61との通信を確立しているルーターまたは他の機器に接続させることができる。
操作の間、eメールまたは他の通信手段で、補充サーバー60から顧客のコンピュータ64へキーコード補充を送ることができる。消費者が、キーコードをローカルコンピュータ64に入力しても良い。ローカルコンピュータ64は、USBケーブル66またはその他周知の電気コネクタを通じて、手持ち式皮膚科用医療機器65と、専売権付きソフトウェアプログラムを経由して接続することができる。
ある実施形態において、手持ち式皮膚科用医療機器65は、電力や、例えば、本明細書に記載の補充データ、および/または、その他の電子データを受けるため、例えば、本明細書に記載のドッキングステーションと通信している。
図21に、ある実施形態による、補充プラットフォームを備えたドッキングステーション75に載せた手持ち式皮膚科用医療機器77のブロック図を示す。ドッキングステーション75は、手持ち式皮膚科用医療機器77のほかに補充カートリッジ76も載せられるよう構成および配置することができる。
手持ち式皮膚科用医療機器77は、本明細書に記載の1つ以上の他の手持ち式皮膚科用医療機器と同様のものでも良い。このため、手持ち式皮膚科用医療機器77の詳細については、簡潔にするため繰り返さない。
一部の実施形態では、例えば、本明細書に記載されている他の実施形態と区別されるように、機器77の代わりに、補充カートリッジ76がドッキングステーション75内に差し込まれている。
ドッキングステーション75は、コンピュータインターフェース、例えば、USBポート、充電器、および/または、外部装置と通信するためのコネクタを含んでいても良い。コンピュータインターフェースは、電子的補充、ソフトウェアのアップデート、および/または、その他のデータの電子交換、電力などを供給することができる。
補充プラットフォームは、RFIDなどの補充キーコード74を読み取るためのカメラやRFID送受信機など、バーコードリーダー、WiFi送受信装置、マイクロUSBポート、および/または、補充カートリッジ76に関するデータを受信できる他の電子機器を含むことができる。例えば、カートリッジ76が取り外せるようにドッキングステーション75と接続している場合、補充プラットフォームは、補充データを受信および処理し、使用のために手持ち式機器77を起動させるよう、機器77の制御電子回路へ信号を送ることができる。
ドッキングステーション75は、手持ち式機器77の状態を視覚的に表示する、液晶表示装置(LCD)などのディスプレーを含むことができる。例えば、LCDディスプレーは、補充が必要になるまでに、使用可能な回数を表示することができる。
図22に、別の実施形態による、補充プラットフォームを備えたドッキングステーション79に載せた手持ち式皮膚科用医療機器77のブロック図を示す。
ある実施形態において、ドッキングステーション79は、バーコードやRFIDなどの補充キーコード82を含む、局所的製品78などの消耗品を受け取るよう構成されている。局所的製品78は、治療の間、皮膚科用機器と共に補助的に使用することができる。この局所的製品78は専売権を持つものでも良い。ドッキングステーション79は、局所的製品78を認証するためのキーコード、バーコード、またはRFIDを読み取ることができる。バーコード情報には、製品モデル、補充値、および/または、独自の識別子を含むことができる。偽造品が出現した場合に、手持ち式皮膚科用医療機器77の使用が阻止される。更に、局所的製品78は使用の間に消費される。手持ち式皮膚科用医療機器77は、予め定められた使用回数、使用時間の長さ、または、局所的製品78のキーコードに基づいた、その他の運転パラメータを超えると機能を停止すると考えられる。新しい局所的製品78のボトルを購入して取り付け、局所的製品78を補充した後でのみ、手持ち式皮膚科用医療機器77が完全に作動すると考えられる。
手持ち式皮膚科用医療機器77の連続使用を、補充流通経路の利用可能度とアクセス権によって制限することができる。連続使用は、消費者が、レーザー機器が時間切れになる、または消耗品を使い切ってしまう前に確実に補充するよう努めるかどうかによっても決めることができる。望ましい実施形態において、このビジネスモデルは、使用が中断されないよう、前もって自動的に補充が行われるような定期購入を提案している。
図23は、ある実施形態による、連続使用のため医療機器を補充する方法200を示す流れ図である。図23について述べる上で、本願の他の図の要素を参照することができる。
ブロック202で、手持ち式皮膚科用医療機器をプログラムして使用パラメータを加える。使用パラメータには、“詰め替え”特性値、例えば、使用許諾回数、使用時間の長さ、または、その他の限定された補充値を含むことができる。
判断菱形204で、現在の使用値がプログラム可能な使用パラメータを超えているかどうかを判断する。現在の使用値が使用パラメータを超えていると判断されたら、方法200はブロック206へ進み、ここで、機器に新しい使用パラメータをプログラムする、例えば、所定の連続使用量を補充することができる。
現在の使用値が使用者のパラメータを超えていないと判断されたら、これは、十分な治療使用分、即ち、使用回数、または連続使用に使える時間があることを示しており、方法200はブロック208へ進むことができ、ここで、連続使用するには機器を補充しなければならないと判断されるまで、機器は使える状態にある。
図24は、ある実施形態による、連続使用のため医療機器を補充する方法300を示すワークフローおよび機能の流れ図である。医療機器には、例えば、本明細書に記載の手持ち式皮膚科用医療機器を含むことができる。方法300の一部または全てを、手持ち式皮膚科用医療機器、補充サーバーまたはプラットフォーム、および/または、少なくともプロセッサと記憶装置、例えば、メモリを備えた、別の電子機器で行っても良い。
ブロック302で、消費者は、限定された使用寿命を持った医療機器を購入する。医療機器は、望ましくは、少なくともプロセッサおよび/またはデータを保存するためのメモリを含む、電子的構成要素を含んでいる。医療機器の限定された使用寿命は、予め定められた治療使用分の回数または機器の使用時間の長さを含むことができる。機器は、最終使用寿命が0ならば作動を停止し、使用寿命が0より大きければ作動するよう構成および配置することができる。ある実施形態において、この製品には初めに、少なくとも1回の無料補充分が設定されている。
ブロック304で、ブロック302で与えられた補充分を受けるため、医療機器を補充サーバーに登録する。登録の間、例えば、図24に示すように、医療機器に、自動補充のための予約購入を付けることができる。
ブロック306で、医療機器を使用可能にできる。ある実施形態では、本明細書に記載の補充データで医療機器をプログラムすると、医療機器が起動する。医療機器に補充データがない場合、医療機器は起動を中止する。
判断菱形308で、医療機器に補充データが必要であるかどうかを判断する。イエスならば、方法300は判断菱形310へ進み、ここで、補充の形が、例えば、本明細書に記載のハードウェア補充であるか、判断菱形312へ進むかを判断する。判断菱形312では、医療機器が、例えば、図20に記載の補充サーバーと通信しているかどうかを判断する。判断菱形308で、医療機器が補充データを必要としていないと判断されたら、方法300はブロック306へ進む。
判断菱形310で、補充の形がハードウェア補充であると判断されたら、方法300は判断菱形314ヘ進み、ここで、医療機器が補充データ、例えば、予め定めた使用回数、使用時間などを含む補充データを受け取るかどうかを判断する。イエスならば、方法300はブロック306へ進む。ノーならば、方法はブロック316へ進み、医療機器は起動を中止し、機能を停止する。
判断菱形312で、医療機器が補充サーバーと通信していると判断されたら、方法300は判断菱形318へ進み、ここで、予約購入者であるかどうかを判断する。ノーであれば、方法300はブロック316へ進み、医療機器は起動を中止して、機能を停止する。イエスならば、方法300はブロック306へ進む。判断菱形312で、医療機器が補充サーバーと通信していないと判断されたら、方法はブロック320へ進み、医療機器は起動を中止して、機能を停止する。
図25は、ある実施形態による、連続使用のため医療機器を補充する方法350を示す流れ図である。医療機器は、例えば、本明細書に記載の手持ち式皮膚科用医療機器を含むことができる。方法300の一部または全てを、手持ち式皮膚科用医療機器、補充サーバーまたはプラットフォーム、および/または、少なくともプロセッサと記憶装置、例えば、メモリを備えた、別の電子機器で行っても良い。
ブロック352で、消費者は、無料の補充分を受けるための登録を行う。特に、手持ち式皮膚科用医療機器には、例えば、本明細書に記載の補充サーバー、機器、またはプラットフォームとの電子通信が確立されている。
ブロック354で、補充サーバーは、消費者情報、製品のシリアルナンバー、および/または、その他の関連情報などのデータを受信し、これを記憶域に保存する。
ブロック356で、自動的補充のための予約購入を提示する。予約購入に関する情報は、補充サーバーで、あるいは、補充サーバーとは離れているが通信しているコンピュータサーバーまたは他の電子機器で電子的に発生させても良い。予約購入情報は、使用者に見えるよう、LCDディスプレーなどに表示することができる。
判断菱形358で、予約購入の提供を受諾するかどうかを判断する。使用者が、購入を決め、または、予約購入を受けることを別の方法で受諾したら、方法350はブロック360へ進み、ここで、例えば、手持ち式皮膚科用医療機器、および/または、離れた所にあるコンピュータプロセッサから受諾信号を発生させて、補充サーバーへ送信する。受諾信号には、例えば、本明細書に記載の消費者情報が含まれていて、補充サーバーに保存される。あるいは、方法350はブロック362へ進み、ここで、補充サーバーは、連続使用のために手持ち式皮膚科用医療機器を補充することを喚起するデータを含む電子信号を発生する。
図33は、通常のコラーゲン生成プロセス500を示す流れ図である。
コラーゲン(特に、I型)の産生において、コラーゲンは、図33のプロセスに従って、皮膚の少なくとも真皮および表皮中の線維芽細胞内で作られる。
プロセス500は、線維芽細胞の小胞体中でのプレコラーゲン分子の産生から始まる。デオキシリボ核酸(DNA)は、プレコラーゲンのアミノ酸配列の翻訳に特異的な、複数のメッセンジャーリボ核酸(mRNA)鎖などを産生する。コラーゲンの形成に関わる、リシン、プロリンなどのアミノ酸は、特定配列に転写されて(502)、プレコラーゲンの前駆物質を産生する。mRMAは、粗面小胞体(RER)膜上で、プレプロ−αポリペプチド鎖に翻訳され(504)、これはRERの内腔内に押し出され、ここでシグナル配列を除くことができる。次に、プロリンおよびリシン分子がヒドロキシル化され(506)、または、それらの−H原子がヒドロキシル−OHで置換される。このヒドロキシル化(hydrolation)は、最終的にアミノ酸鎖を互いに連結させるために必要である。選択したヒドロキシリシン(hydroxlysine)残基を、グルコース、ガラクトースなどでグリコシル化(508)しても良い。1度に3本のアミノ酸の鎖がヒドロキシル化(510)し、次に、整列して集合する。集合後、これらは巻き付いて三重らせんとなる(512)。このらせん配向の鎖をプロコラーゲン分子と呼ぶ。プロコラーゲン分子はゴルジ小胞などから細胞外マトリックスへ分泌される(514)。プロコラーゲン分子は小胞体の外へ輸送され(516)、鎖が開裂してトロポコラーゲンが生成する。次に、鎖は線維芽細胞から出て、それ自体で集合し、より長い最終形態のコラーゲン鎖、非常に強くて弾性のある物質となる。
図33に示す、この極めて複雑な連続過程が起こるには、多くの因子が存在する必要がある。本発明概念は、存在しないとコラーゲンの生成が抑制され、刺激されるとコラーゲンの産生が増加する、2つの主要要素に焦点を当てる。コラーゲン産生の第1の主要要素は、アスコルビン酸またはビタミンCの存在である。ビタミンCの欠乏は歴史書の有名な病気、壊血病を引き起こす。これには、体内でのコラーゲン合成の不全が関係している。図33のプロセス500では、ビタミンCが、−OHヒドロキシル基をアミノ酸に与える。ビタミンCは、その−OH基をアミノ酸に引き渡すと消費され、これがないとプレコラーゲン分子を作ることができない。第2の主要要素は、先に言及したHSPに関するもので、特にその機能の中でも、HSPはプロコラーゲン分子に結合し、正しくフォールディングしてらせんを作る。次に、HSPは、小胞体の外へのこの分子の輸送を助ける。HSP、特に、HSP47がないと、安定なコラーゲン原線維が細胞の外で形成されない。
本発明概念の実施形態は、コラーゲン産生において最も重要で律速的な2つの要素、1)プレコラーゲン分子の産生、および、2)プロコラーゲンの形成を刺激する、局所的治療法に関する。取り組みの1つは、2つの異なる治療要素を併用し、共に作用させてこの目的を達成することである。従って、例えば、本明細書に記載の実施形態に従って、皮膚のある部位に、局所剤の適用と、熱の適用とを組み合わせると、従来の皮膚治療法に比べて、より速い効果が得られる。
図34は、ある実施形態による、高められたコラーゲン生成プロセス600の流れ図である。プロセス600の記述では、図1〜図33の1つ以上の要素を参照することができる。例えば、プロセス600の一部または全部を、図1〜図4に示す手持ち式皮膚科用医療機器1で行っても良い。
治療法の第1の要素は、HSP47の産生を刺激するため、本明細書の一部の実施形態におけるレーザーなどの、発熱装置を使用することである。HSP47の産生を、皮膚内での特定の熱プロフィールに従って刺激する。レーザーなどでこの熱発生を行うには、線維芽細胞を含むヒト組織の部位に届かせるため、特異的に皮膚に吸収されて必要な深さまで浸透する波長に、発熱装置を調整する。一部の実施形態において、熱プロフィールは、図1〜図12について先に述べた熱プロフィールと同じまたは類似している。別の実施形態において、他のフォトニックデバイスでも同様の結果が得られ、ラジオ周波数(RF)を出す機器などでも同様の結果が得られると考えられる。正確な熱プロフィールを必要な期間保てると、細胞内のHSP47産生が増加し、より多くのプロコラーゲン分子を産生する細胞の能力が得られる。
第2の要素は、プレコラーゲン分子の産生が、HSPによって増加したプロコラーゲンの産生に対応できるよう、プレコラーゲン分子の産生を刺激することである。これを行うため、アスコルビン酸、ビタミンCなど、またはその全ての変異体を含む、あるいは、本質的にこれらから成る局所的液剤を作ることができる。変異体は、例えば、その溶解性または安定性を変えた類似化合物であり、ビタミンCと同様に、−OHヒドロキシル基をプレコラーゲン分子の形成に供給することができる。ビタミンCなどを経口摂取して局所液剤を線維芽細胞に送るのでは、僅かにしか利用できない。一方、局所適用では、より効果的な方法で線維芽細胞へ送ることができる。局所的に適用すると、ビタミンCは皮膚に直接吸収され、これを満たすことで、プレコラーゲンの産生が最大まで増加する。
先の2つの要素は、図35に示すように、2つの方法で共に作用する。まず、図34のステップ602を参照すると、局所的ビタミンCはプレコラーゲンを刺激し、HSPがそのフォールディングを助けると考えられる分子の生成を助ける。図35の矢印612に示すように、ビタミンCは、プレコラーゲン鎖の合成を促進して供給を増やす。更に、ステップ604に示すようにレーザーまたは他の機器で発生させた熱は、ビタミンCの吸収率を高め、または刺激する。これは、図35の矢印614でも示されている。研究によって、基準(nominal)を超えた熱の使用で、ビタミンCの吸収効率が最大で8倍まで上がることが分かった。レーザーなどからの熱は、プロコラーゲンをフォールディングするHSPを刺激し、これが更にコラーゲン原線維の形成に続く。特に、プレコラーゲン分子を刺激するアスコルビン酸の局所適用と、プレコラーゲン分子からのコラーゲン鎖の生成を促進するHSPを刺激する、フォトニックデバイスで発生させた熱との複合効果によって、皮膚中のコラーゲンを刺激する。従って、図34のステップ602と604、図35の矢印612と614にそれぞれ示す各要素は、互いに補完しあう。両方の要素を、同じ場所、同じ治療法で同時またはほぼ同時に併用し、相乗効果を生むことで、全体的な反応を最大限まで高める。
図36AおよびBは、本発明概念の実施形態による、局所相治療計画に従った熱ショックタンパク質(HSP)発現を示すグラフである。
治療全体を特定の相に合わせた局所治療計画を適用して、効果を高めることができる。図36Bは、それぞれの相で特定の利点が得られるよう調整した多相型の治療法を表している。レーザー治療の前に、第1相では、例えば、本明細書に記載の局所液剤を用いて皮膚の状態を整える。前処理調整の一例では、ピーリング剤、スクラブ洗顔料などを用いて角質層を薄くし、後の相でのビタミンCの吸収を良くする。更に、第1相の前処理を用いて皮膚表面を清浄化し、レーザー吸収に干渉するおそれのある全ての成分を除去する。第2相、第3相、および第4相は、複数相または単一相の構造にすることができる。第2相は、レーザーを用いた治療を含む。第3相および第4相は、追加的レーザー治療の導入、および/または、ビタミンCなどを供給する局所的要素、および治療効果を高めると考えられる追加的構成要素の適用と呼ばれる。このようにして、平均HSP発現636を、平均HSP発現636’に上昇させることができる。
更に、日内の治療計画および複数日の治療計画を最適化するため、毎日の治療を複数のステージで構成することもできる。治療計画は、毎日でなく、1日に複数回、または、複数日に亘るスケジュールで行っても良い。更に、ある種の局所的要素を、毎日ではなく、1日2回以上、または複数日毎に1回だけのスケジュールで用いても良い。
コラーゲン産生プロセスを増幅させる一部の実施形態に従って、その他の化学的、生化学的、および生理学的な方法も利用できる。慢性炎症は、一般に好ましくない病気の経過と考えられ、抗炎症薬療法で治療されることが多い。しかし、急性の皮膚炎、特に、急性局所浮腫は極めて有益な現象となり得る。例えば、急性皮膚炎は、傷の修復および感染対策に必要であり、機械的な支えになることもある。前述の皮膚科用医療機器の実施形態を用いて、HSP70および抗酸化酵素MnSODの発現など、炎症反応の少なくとも一部を誘導しても良い。例えば、その内容を全て本明細書に引用して援用する、Mustafiほか、標題“Heat stress upregulates chaperone heat shock protein 70 and antioxidant manganese superoxidedismutase through reactive oxygen species (ROS), p38MAPK, and Akt,” Cell Stress and Chaperones (2009) 14:579-589 は、培養中の単離肺線維芽細胞に隔日で4週間、15分間の熱ストレスを与えた後、これらの物質が過剰発現し、不良な結果となることがあると述べている。従って、多少の熱ショックタンパク質の上向き制御は有益であるが、多過ぎるのは良くない。
穏やかで有益な非紅斑性の炎症性浮腫は局所用製剤でも誘導できる。一例として、一般的な市販の(OTC)関節炎局所用薬剤は、クリーム基剤中に0.025%のヒスタミンを使用している(例えば、Australian Dream Arthritis Pain Relief Cream)。このような局所剤は、血管拡張と軽度の炎症によって、適用部位またはその付近の局部血流量を増やして熱感を生じ、これが軽度の痛覚消失を起こすことがある。しかし、より巧妙な効果を与えることのできる、その他多くの化合物および組合せがある。
従って、本発明概念の実施形態の特徴は、静水圧と膠質浸透圧とのバランスによって、紅斑を併発せずに、毛細血管床から組織へリンパ液が実質的に流れ易くなるようにするため、化学的にスターリング力を狙うことである。
このことを念頭に置いて、軽度の炎症を誘導する局所系を、本明細書に記載の実施形態による皮膚科用医療機器と併用すると、多くの利益があると考えられる。
図37は、本発明概念の別の実施形態による、皮膚科的欠陥を治療するための方法700を示す流れ図である。
ブロック702で、前処理用洗浄剤を適用して、治療する皮膚から、化粧、マスカラ、日焼け止め剤、および/または、減光フィルターとして作用して、皮膚科用医療機器から表皮および/またはより深い構造に向けて放出されるレーザービームなどの電磁放射線のフルエンスを低減する、その他の物質を全て取り除くことができる。洗浄剤は、軽度に浮腫を発生させるものでも良いが、紅斑は最小限である。これにより、細胞が動き回るためのリンパ液の量がこの部位で多くなるため、表皮中の細胞の運動性が高まると考えられる。これによって、その後のレーザー治療がより効果的になると考えられる。その結果、血清が栄養に富み、また、抗酸化物質、およびHSP70およびMnSODの過剰発現の防止に役立つと考えられる代謝産物を含むことができる。洗浄剤は皮膚上に一時的に存在するだけであるため、その影響は全て穏やかである。しかし、適切な局所用製剤を正しく使うことで、従来法では、望む効果を得るために数分または数時間かかったものを、数秒で得ることができる。
例証のみを目的とした前処理製剤の例は、水、ブチレングリコール、コカミドプロピルベタイン(非刺激性界面活性剤および発泡促進剤)、C14〜16オレフィンスルホン酸ナトリウム、ポリソルベート20、ココ硫酸ナトリウム、エトキシジグリコール、リノールアミドプロピルPGジモニウムクロリドリン酸(体内で自然に生じる、皮膚上に必須脂肪酸を堆積させる天然リン脂質の類似物)、pH調整剤、および標準防腐剤パッケージ(standard preservative package)(メチルクロロイソチアゾリノン、メチルイソチアゾリノン、またはその類似物)、および/または、コカミドプロピルベタイン(非刺激性界面活性剤)の1つ以上、またはこれらの組合せを含むことができる(但し、これらに限定されない)。別の実施形態では、この方法のブロック702に述べられているステップは任意で、行わなくても良い。
ブロック704で、前処理した皮膚に熱治療を行う。ブロック702で皮膚を前処理しない実施形態では、未処置の、または前処理を行っていない皮膚に熱治療を行う。熱治療は、本明細書に記載の皮膚科用医療機器で、または、皮膚に熱を加える別の方法、例えば、熱を発するラジオ周波数(RF)発生器を含む装置を用いて行うことができる。一部の実施形態において、発熱装置は、皮膚内で熱を発生するフォトニック素子を含み、これを、成長因子、幹細胞、および栄養素の局所適用と併用すると、HSPが誘導したコラーゲン成長を促進する。
ブロック706では、前処理した清浄な皮膚に熱治療を行った後に、治療後の美容液を適用する。軽度の炎症には、外用アスピリンなど、および、ごく低濃度のヒスタミンなどを供給することができる。一部の実施形態において、ビタミンCは、水溶性の変異体、アスコルビン酸テトラヘキシルデシル、または、その代わりに、親油性基剤に加えた微結晶L−アスコルビン酸として供給できる。一部の実施形態において、局所剤は、非水性基剤中に1から5%の微結晶L−アスコルビン酸を含んでいる。一部の実施形態において、局所剤は、非水性基剤中に5から15%の微結晶L−アスコルビン酸を含んでいる。一部の実施形態において、局所剤は、非水性基剤中に15から50%の微結晶L−アスコルビン酸を含んでいる。
ビタミンAは、パルミチン酸レチニルなどと共に供給することができる。美容液の主な役割の1つは、コラーゲンの、場合によりエラスチンの生成を特に支援する更なる代謝産物を供給することである。適用した美容液は皮膚上に数時間も残存することができる。この間、美容液は、分子量が500を超える物質は、角質層の上層を殆ど通り抜けないと主張する“500ドルトンルール”に近い分子を含んでいることがある。コラーゲンは皮膚に浸透しないとは言われていない。しかし、皮膚内でのコラーゲン合成を刺激する組織成長因子(TGF−β)を活性化できる浸透性ペプチドであるパルミトイルトリペプチド−5はこれを行う。
美容液は、数時間のうちに小皺と皺の出現を一時的に減らすが、同時に、例えば、本明細書の実施形態に述べられているように、HSPを誘導する場合には、皮膚科用医療機器または関連する熱治療器具の永続的な作用をより効果的にすると期待される。
例証のみを目的とした、治療後の美容液製剤の例は、水、ブチレングリコール、ジメチコーン/ジビニルジメチコーン/シルセスキオキサンクロスポリマー、シクロペンタシロキサン、アクリル酸ヒドロキシエチル/ナトリウム=アクリロイルジメチル=タウラート共重合体、PEG−40ステアリン酸エステル、スクアラン、スキンコンディショナー、フィチン酸、DNA修復の補因子、ナイアシナミド、ビタミンB3、ジメチコノール、キサンタンゴム、乳酸メンチル(メントールの臭いがせずに冷却感を与える)、グリセリン、カフェイン、穏やかな抗炎症薬、くまを目立たなくするもの、アセチルサリチル酸、穏やかな炎症薬、スーパーオキシドジスムターゼ、抗酸化物質、ヒアルロン酸(haluronic acid)、炎症過程を促進と同時に和らげるもの、パルミトイル(halmitoyl)トリペプチド−5(皮膚内でのコラーゲン合成を刺激する組織成長因子を活性化できる浸透性ペプチド)、アスコルビン酸テトラヘキシルデシル、水溶性型ビタミンC、ポリソルベート60、ソルビン酸カリウム、グルコン酸マンガン(MnSOD発現を補助すると考えられる穏やかな抗酸化物質)、パルミチン酸レチニル、ビタミンA、ヒスタミン二塩酸塩(穏やかな炎症薬)、および/または、pH調整剤、および標準防腐剤パッケージ(メチルクロロイソチアゾリノン、メチルイソチアゾリノンなど)の1つ以上、またはこれらの組合せを含むことができる(但し、これらに限定されない)。
例証のみを目的とした、治療後の美容液製剤のその他の例は、アスコルビン酸テトラヘキシルデシル、パルミトイルトリペプチド−5、ヒスタミン二塩酸塩、カフェイン、アセチルサリチル酸、ステアリン酸、セチルアルコール、PEG−100ステアリン酸エステル、ホホバシードオイル(Simmondsia Chinensis)、スクアラン、トコフェロール、レチノール、フィチン酸、DNA修復の補因子、ナイアシナミド、ビタミンB3、乳酸メンチル、グルコン酸マンガン、および/または、パルミチン酸レチニル、またはビタミンAの1つ以上、またはこれらの組合せを含むことができる(但し、これらに限定されない)。
小皺および皺を目立たなくするため、少ない随伴浮腫で軽度の局所浮腫を誘導し、局所組織環境を、コラーゲンおよび関連する生化学物質(エラスチンなど)が生成し易いものにすることを明確な目的として、エタノール、イソプロパノールなどの軽質アルコールを製剤に加えても良い。
図38〜図47は、本発明概念の実施形態に従って治療を受けている皮膚の部位の断面図である。
図38で、皮膚表面710は、一部または全体が1つ以上の物質20で覆われており、この物質は、皮膚の皺730、小皺740、加齢に関連した窪み750、またはその他の欠陥の中に浸透していることがある。この物質は一般に、美容化粧品、日焼け止め剤などを含み、これらは意図せずに、二酸化チタンや酸化亜鉛など、広帯域の電磁反射材を含んでいる。このような反射材および吸収材は、1つの例として、コラーゲンの産生を刺激する熱誘導手段である、1470nmの光を妨げることが良く知られている。角質層760、表皮770、および真皮−表皮接合部780は、皮膚表面710の物理的状態によって同じように影響を受ける。
図39に、電磁波790が、皮膚表面710の物質720で反射されている様子を示す。電磁波800が、一方で、物質720に吸収されている様子も示している。
これに対し、図40に示すように、新たに清浄化した皮膚表面810では、適用した際に、日焼け防止剤、化粧品、同様の物質を除去するよう配合した物質で清浄化されたことにより、これらが相対的に少ない皮膚が可能となる。こうすると、集合体830に示すように皮膚の関連する層に電磁波820が浸透して、皮膚840の多くの部分の加熱(bulk heating)が起こると考えられる。発色団密度の変動は、その場での局所的加熱には影響するが、この例で解釈されているように、全体的効果は多くの部分の加熱であることは当然である。
図41において、無傷核855を持つ活性線維芽細胞850は、熱的手段および化学的手段の両方で刺激しても良い。化学受容体850および870(説明するための例として示しているのであって、決して他の例を制限するものではない)が、皮膚表面845を通り抜けて真皮まで移動する物質と出会うならば、化学受容体をこの細胞発現の手段として利用できる。また、これは多くの例の1つである。
図42において、線維芽細胞920に当たっている放射線880は、線維芽細胞910の細胞の壁890での指数変化による散乱および吸収900によって、また、当業者に明らかな関連する光学的手段によって失われ、あるいはまた、線維芽細胞自体920によって有益に吸収されると考えられる。全体として、線維芽細胞920の加熱は、前記線維芽細胞920を上向き制御してコラーゲン産生プロセスを開始する。これは本願では請求されていないが、十分理解された明白なプロセスである。
加熱は、線維芽細胞からのコラーゲン産生を誘導する生化学的手段であるだけではない。一部の実施形態では、化学受容体860および870を、ヒト線維芽細胞の最も外側の表面に存在する無数の受容体として、図41に図式的に示している。
図43では、物質930および940は、それぞれ受容体860および870と、完全に結合し、または、部分的ではあるが綿密に選択して結合し、活性化した線維芽細胞220からのコラーゲンの産生を上向き制御する。線維芽細胞から細孔950を通って、既に組み立てられているコラーゲン3重らせん960が放出される(図44)。このような目立たないが有益な物質には、リチウムの酸化物が含まれることがある。
完全に形成されたコラーゲン980は、図45に描かれているように、物理的細胞構造体970の間にはめ込まれる。重大なことに、コラーゲン980は細胞構造体の間にはめ込まれると、収縮および安定化して細胞足場990を形成し(図46)、これが皮膚の内部構造と外見を改善して、より若々しい外見を呈する。
更に重大なことに、本明細書に記載のプロセス1000は、異なる時間領域において有益な効果がある。コラーゲン産生を刺激するための、線維芽細胞の熱的な上向き制御は、数週間から数ヶ月の間に直接的な恩恵がある。第2の相乗的に有益なプロセスは、数分間から数時間の間に直接的な恩恵がある。両者は互いに協力して作用する。図10は、これらの恩恵を示している。ここで、毛細血管1010は、この技術に精通している者に良く理解されているように、スターリング力の影響を受けている。物質1005または1006、あるいは明らかでない多数の試薬のいずれかを皮膚に適用し、毛細血管1010が一般的により浸透し易くなるようにして、その細胞の壁および内在する細孔1015を通って、リンパ液や他の水性物質1020を、真皮、表皮、および角質層へ送ることができる。
コラーゲン拘縮990に連動する流体流入1030によって、ヒトの皮膚の通常の老化経過に典型的に付随する、小皺740、皺730、および加齢による窪み750(図38参照)の物理的程度が小さくなる。
従って、この組み合わせた本発明概念の実施形態には、有益な放射線を妨害する物質の除去と、物理的手段によるコラーゲン産生の刺激と、付随して短期間の美的恩恵を誘導する、化学的手段によるコラーゲン産生の増強が含まれる。
本発明の典型的な実施形態を参照しながら、本発明概念を詳しく示し、また記述してきたが、本発明概念の精神および範囲から外れることなく、形状および詳細の様々な変更が行えることは、当業者には当然である。
Claims (20)
- 皮膚科用医療システムであって、
前記システムは、
組織の目標治療部位に最も近い部位に置くための遠位端と、
前記遠位端にある出力ポートと、
前記出力ポートから組織の目標治療部位へ局所的に放出される光エネルギーを発生するエネルギー源と、
組織の目標治療部位の温度を、ある期間、傷害を与える温度よりも低く、また、組織の目標治療部位での熱ショックタンパク質(HSP)の発現を誘導する温度まで上昇させるよう、組織の目標治療部位での前記光エネルギーを制御する制御装置と、
を含む発熱装置、および、
前記発熱装置からの光エネルギーの放出と同時またははぼ同時に、組織の目標治療部位へ局所剤の適用を行う器具、を含み、
前記局所適用と、発現したHSPとを併用して、コラーゲンの産生および形成を促進することを特徴とする、皮膚科用医療システム。 - 組織の前記目標治療部位がヒトの皮膚を含み、ヒトの皮膚に向けた光エネルギーの前記局所適用と、ヒトの皮膚への刺激剤(stimulant)の局所適用とを併用して、コラーゲンを刺激し、ヒトの皮膚内でのコラーゲンの産生を促進することを特徴とする、請求項1に記載の皮膚科用医療システム。
- 前記局所適用が、ビタミンC、または、その溶解性または安定性を変えた、ビタミンCの変異体であって、ビタミンCと同様に、プレコラーゲン分子の生成に−OHヒドロキシル基を供給することのできる、全ての類似化合物を含むことを特徴とする、請求項1に記載の皮膚科用医療システム。
- 前記発熱装置が、皮膚内で熱を発生するフォトニック素子を含み、前記フォトニック素子を、ビタミンC、または、プレコラーゲン分子に−OHヒドロキシル基を供給する類似物の局所適用と併用し、熱とビタミンCとを共に作用させて組織の目標治療部位内でのコラーゲン生成を高めることを特徴とする、請求項3に記載の皮膚科用医療システム。
- 前記制御装置が、目標治療部位での光エネルギーを制御する内蔵ソフトウェアを備えたマイクロプロセッサを含み、前記マイクロプロセッサは、その間に、組織の目標治療部位の温度を、そのエネルギー量で、損傷閾値温度よりも低く、また、組織の目標治療部位での熱ショックタンパク質(HSP)の発現を誘導する温度まで上昇させるよう制御し、前記マイクロプロセッサは、出力ポートから組織の目標治療部位への光エネルギー出力を、そのエネルギー量で、組織の目標治療部位の温度を損傷閾値温度よりも低いピーク温度まで上昇させるよう制御し、前記マイクロプロセッサは更に、出力ポートから目標治療部位への光出力を、エネルギー量に関連する1つ以上の第1出力レベルから、組織の部位の温度をピーク温度以下に、また、損傷閾値温度よりも低い治療温度範囲内に保つための1つ以上の第2出力レベルへ低下させるよう制御し、前記コントローラのマイクロプロセッサは、600W/cm2までのピーク出力密度を含む光出力の時間的プロフィールに従って、光エネルギーの1つ以上の第1出力レベルを制御し、前記コントローラは更に、組織温度を損傷閾値よりも低く保つための光出力の時間的プロフィールに従って、光エネルギーの1つ以上の第2出力レベルを制御することを特徴とする、請求項1に記載の皮膚科用医療システム。
- アスコルビン酸テトラヘキシルデシルを含む局所剤で皮膚を治療する工程を更に含むことを特徴とする、請求項1に記載の皮膚科用医療システム。
- 前記局所剤が、皮膚内でのスーパーオキシドジスムターゼの産生を高める、水溶性マンガン塩を含むことを特徴とする、請求項1に記載の皮膚科用医療システム。
- 前記局所剤が、非水性基剤中に1から5%の微結晶L−アスコルビン酸を含むことを特徴とする、請求項1に記載の皮膚科用医療システム。
- 前記局所剤が、非水性基剤中に5から15%の微結晶L−アスコルビン酸を含むことを特徴とする、請求項1に記載の皮膚科用医療システム。
- 前記局所剤が、非水性基剤中に15から50%の微結晶L−アスコルビン酸を含むことを特徴とする、請求項1に記載の皮膚科用医療システム。
- 皮膚の治療法であって、
前記治療法は、
フォトニック素子を使用して、皮膚の表面で、また、皮膚の表皮および真皮層で熱を発生させる工程と、
熱の発生に応じて、皮膚の皮膚細胞内で熱ショックタンパク質(HSP)を刺激する工程と、
アスコルビン酸、または、−OHヒドロキシル基をプレコラーゲン分子に供給する類似化合物を皮膚に局所適用してプレコラーゲン分子を刺激する工程と、
前記フォトニック素子で発生させた熱により、皮膚でのアスコルビン酸の吸収を高める工程と、
を含むことを特徴とする皮膚の治療法。 - プレコラーゲン分子を刺激するアスコルビン酸などの局所適用と、プレコラーゲン分子からのコラーゲン鎖の生成を促進するHSPを刺激する、フォトニックデバイスで発生させた熱との複合効果によって、皮膚内のコラーゲンを刺激することを特徴とする、請求項11に記載の皮膚の治療法。
- 皮膚の治療法であって、
前記治療法は、
ビタミンC、または、−OHヒドロキシル基をプレコラーゲン分子に供給することのできる類似化合物を、皮膚の部位へ局所的に適用して、プレコラーゲンを刺激する工程と、
ビタミンCを皮膚の部位へ局所的に適用するのと同時またはほぼ同時に皮膚の部位を加熱して、ビタミンCの吸収率を高める工程と、
を含むことを特徴とする皮膚の治療法。 - 皮膚の部位の前記加熱工程が、
前記目標部位に向けた光エネルギーの量を制御して、その間に、皮膚の目標部位の温度を、そのエネルギー量で、損傷閾値温度よりも低く、また、皮膚の目標部位での熱ショックタンパク質(HSP)の発現を誘導する温度まで上昇させる工程と、
出力ポートから組織の目標治療部位への光エネルギー出力を制御して、そのエネルギー量で、皮膚の目標部位の温度を、損傷閾値温度よりも低いピーク温度まで上昇させる工程と、
出力ポートから目標治療部位への光出力を制御して、エネルギー量に関連する1つ以上の第1出力レベルから、皮膚の目標部位の温度をピーク温度以下に、また、損傷閾値温度よりも低い治療温度範囲内に保つための1つ以上の第2出力レベルへ低下させる工程と、
を含み、
前記コントローラのマイクロプロセッサは、600W/cm2までのピーク出力密度を含む光出力の時間的プロフィールに従って、光エネルギーの1つ以上の第1出力レベルを制御し、前記コントローラは更に、組織温度を損傷閾値よりも低く保つための光出力の時間的プロフィールに従って、光エネルギーの1つ以上の第2出力レベルを制御することを特徴とする、請求項13に記載の皮膚の治療法。 - 前記HSPが、皮膚の目標部位でのコラーゲン合成を刺激することを特徴とする、請求項13に記載の皮膚の治療法。
- 前記光エネルギーが、皮膚の光学的特性およびその波長に従って、組織の治療部位に非傷害性熱ショック刺激を与える、波長、エネルギー用量、または熱的押し上げ(thermal boost)の少なくとも1つを持つ出力であることを特徴とする、請求項13に記載の皮膚の治療法。
- 皮膚を治療するためのシステムであって、
前記システムは、
熱ショックタンパク質(HSP)の産生を刺激する出力およびフルエンスを供給する光源に皮膚の表面を曝露する工程と、
静水圧と膠質浸透圧とのバランスによって、皮膚の毛細血管床から組織へリンパ液が実質的に(net)流れ易くなるよう、レーザー曝露された皮膚表面に、スターリング力を化学的に狙った物質を曝露して治療を行う工程と、
を含むことを特徴とする皮膚を治療するためのシステム。 - 皮膚の部位内で熱を発生する発熱装置と、皮膚内のコラーゲン生成を共同で高める、ビタミンCとヒアルロン酸の局所適用との組合せを含むことを特徴とする、皮膚を治療するためのシステム。
- 皮膚の治療法であって、
前記治療法は、
皮膚に熱治療を行う工程と、
熱治療後、皮膚に美容液を適用する工程と、
を含み、
前記美容液は、コラーゲンまたはエラスチンの少なくとも1つの生成を特に促す代謝産物を含むことを特徴とする皮膚の治療法。 - 皮膚に熱治療を行う前に、皮膚に洗浄剤を適用する工程を更に含み、前記洗浄剤と、前記熱治療で生じた発現HSPとを併用して、コラーゲンの産生および形成を促進することを特徴とする、請求項19に記載の皮膚の治療法。
Applications Claiming Priority (5)
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