JP2017506980A - 縫合糸係留システムおよび送達方法 - Google Patents

Abstract

本発明は、種々の実施形態では、外科手術用縫合糸を係留するためのデバイス、方法、およびシステムに関し、より具体的には、選択的に係止可能な縫合糸アンカに関する。種々の限定されたアクセスの外科手術手技において縫合糸を係留するためのシステムおよび方法は、縫合糸の一部を縫合糸アンカに選択的に係止するための変位可能区分を有する、縫合糸アンカを利用する。一連のアンカおよび随意の縫合糸ロックが、用途に応じて、連続または断続縫目パターンにおいて使用されてもよい。

Description

（関連出願の相互参照）
本願は、２０１４年３月５日に出願された米国仮特許出願第６１／９４８，０３０号に対する優先権の利益を主張するものであり、該米国仮特許出願の全体は、参照により本明細書中に援用される。

本発明は、種々の実施形態では、外科手術用縫合糸を係留するためのデバイス、方法、およびシステムに関し、より具体的には、選択的に係止可能な縫合糸アンカに関する。

縫合糸アンカが、限定ではなく例証を目的として、可撓性内視鏡検査、腹腔鏡下およびロボット外科手術、整形外科手術、皮膚閉鎖、ならびに経皮的画像ガイド手技を含むいくつかの有用な臨床用途において採用されてもよい。縫合糸アンカはまた、種々の医療デバイス、例えば、ステント、生理学的センサ、無線カメラ、または外科手術用メッシュを、具体的な解剖学的場所、例えば、胃腸（ＧＩ）管に取り付けるため使用されてもよい。有利なこととして、縫合糸係留に関して、縫合糸は、デバイス除去を促進するために、内視鏡もしくは腹腔鏡下で切断され得る、または吸収性タイプの縫合糸の使用が、遅延性の自発的移行を可能にし得る。

例えば、ＧＩ内視鏡検査に関して、縫合糸アンカは、組織層、単一組織層内の組織の区分、または隣接する管腔の壁を接近させるために使用されてもよい。アンカを用いる組織接近はまた、いくつかのタイプの経皮的医療手技、例えば、栄養管留置または排液手技も促進し得る。経皮的栄養管留置に関して、連続縫合糸を伴うアンカが、例えば、胃または小腸の管腔中に経皮的に留置され得、続いて、縫合糸は、引締され、アンカは、その器官を、例えば、腹壁に対して接近させるように係止され得る。本実践は、例えば、胃または空腸中への直接的な安全な経皮的栄養管挿入を可能にし得る。類似する様式において、結腸または胆嚢中に留置される組織アンカが、閉塞の状況下における排液管の直接挿入を促進し得る。

縫合糸アンカはまた、内瘻の生成を促進するために、２つの別個の管腔も接近させ得る。例えば、胃から空腸のループ中に留置される縫合糸アンカは、これらの２つの器官をより近接近させ、胃幽門部閉塞を迂回するための、または吸収不全性肥満学的手技の一部としての胃空腸吻合の生成を促進するように使用されることができる。十二指腸または胃から胆樹もしくは胆嚢中に留置される縫合糸アンカはまた、胆管圧力および腹痛を緩和するために、胆道消化管吻合を生成することにも役立ち得る。

縫合糸アンカはまた、相対運動を防止するように食道壁および横隔膜筋を通して縫合糸アンカを送達することによって、食道裂孔ヘルニアを修復し、胃食道逆流症の兆候を緩和するためにも使用されてもよい。縫合糸アンカはまた、部分的胃底皺襞形成を接近させる修復のために、食道壁、横隔膜筋、および胃底部を通して送達されてもよい。

加えて、アンカは、欠損を閉鎖するために、ＧＩ管穿孔の周囲に挿入され、続いて、取り付けられた縫合糸が、引締され得る。しかしながら、ＧＩ内視鏡検査では、縫合糸アンカの現在の構成は、いくつかの制限を有する。例えば、具体的モデルに応じて、これらの制限は、（１）各個々のアンカの留置のための内視鏡除去および再挿入の必要性、（２）断続縫合糸留置のみを実施する能力、（３）１セットのみの連続縫合糸を留置する能力、（４）別個の縫合糸引締／係止デバイスの必要性、（５）別個の縫合糸切断機構の必要性、ならびに／もしくは（６）縫合糸の切断後、同一デバイスを用いて付加的な縫合糸を留置できないことを含む。内視鏡用縫合糸を留置するためのいくつかのデバイスは、内視鏡の外側に取り付けられる縫合糸送達機構を伴うが、これらのデバイスは、解剖学的場所に応じて、使用することが非常に煩雑かつ困難であり得る。

腹腔鏡下またはロボット外科手術に関して、連続縫合糸を伴う縫合糸アンカは、外科手術用結び目の手動結束を模倣する現在の低侵襲性技法と比較して、より効率的な外科手術縫合のための方法を提供する。例えば、縫合のための現在の腹腔鏡下およびロボット外科手術技法は、外科手術用ポートを介して留置されるツールの端部において操作される、縫合針を伴う。しかしながら、現在の技法は、通常、本タスクを実施するための２つのアクセスポートを要求し、外科医が両手を使用して行い得ることを模倣する。より具体的には、第１のアクセスポートは、例えば、縫合糸を伴う針を握持するためのツールを導入するために使用され得、第２のアクセスポートは、例えば、縫合を要求する組織を操作するためのツールのために使用され得る。いったん縫合糸が留置されると、外科手術用結び目が、縫合糸を緊締し、縫合糸を定位置に保持するために結束され得る。縫合糸アンカ送達針は、腹腔中へのポートレスの経皮的挿入のために十分な小径であり得るため、有意に改良された外科手術用アクセスが、送達針の単純な再位置付けを通して達成され得る。同様に、経皮的に組織を通して留置される縫合糸アンカが、付加的な腹腔鏡ポートを要求することなく、一時的に内臓を後退させ、腹腔鏡アクセスおよび視覚化を補助するように使用されてもよい。

整形外科手術に関して、連続縫合糸を伴う組織アンカは、２つの損傷した組織、例えば、靱帯、腱、もしくは半月板の断裂を接近させる手段を提供する、または所望される組織に外科手術用インプラントを取り付けることを促進し得る。実際には、連続縫合糸を伴う組織アンカは、皮膚的欠損の閉鎖のための非常に効率的かつ安全な手段を提供し得る。しかしながら、連続縫目を伴う皮膚閉鎖のための現在の方法は、概して、組織平面を前後に横断して、取り付けられた縫合糸を伴う針を貫通させることを伴い、外科手術用結び目の結束および縫合糸切断が続く。結び目結束および縫合糸切断が断続縫目毎に要求され得るため、皮膚閉鎖のための縫合糸断続が、より一層伴う。

現在の外科手術技法およびデバイスの欠点に照らして、縫合糸係留、縫合、および縫合糸切断のための単一プラットフォームデバイスを提供することが所望される。より具体的には、断続または連続縫合糸を生成することを可能にし、現在の皮膚閉鎖技法に優るいくつかの利点を提供する、単一プラットフォームデバイスを提供することが所望される。より具体的には、縫合糸アンカの現在の制限および非常にコンパクトな動作体積におけるロバストかつ使用が容易な縫合プラットフォームの満たされていない臨床必要性に対処する、デバイス、システム、ならびに方法を提供することが所望される。

一実施形態によると、本明細書に説明されるシステムは、全体を通して摺動可能に延在し、同一軸上におよび／または並列に整合され、内視鏡または超音波内視鏡の器具チャネルもしくは管腔内に嵌合し得る、小径送達システム内に配置される、縫合糸を伴う一連のアンカを含有する。送達デバイスの小径は、単一外科手術用ポートを介して他の腹腔鏡下およびロボット外科手術ツールとともにその使用を促進し得、ならびに／もしくは、また、別個の外科手術用ポートを伴わず、経皮的に、または皮膚的用途のために直接使用されてもよい。種々の実施形態による縫合糸アンカおよび関連付けられる送達システムのユニークな構成は、１つまたはそれを上回る所望されるアンカ上での縫合糸の係止、縫合糸切断、および同一デバイスを用いてさらなる縫合糸留置を開始する能力を可能にする。これらの革新的な特性は、送達デバイス除去の必要性なく、複数の縫合糸アンカ留置および多数の断続または連続縫合糸を留置する能力を可能にする。

第１の側面では、縫合糸係留システムが提供される。いくつかの実施形態では、本システムは、アンカの近位端から遠位端に延在する縦方向軸と、縫合糸の一部を係止するための変位可能区分、例えば、縫合糸ループ、縫合糸係止タブ、変形可能接続要素、縫合糸係合スロット、縫合糸係合歯、偏向可能係止突起、ブリッジ要素、変形可能支柱、または片持ちタブとを有し、したがって、係止された縫合糸部分の長さが、縦方向軸の方向に延在する、伸長アンカを含む。いくつかの変形例では、本システムはさらに、縫合糸を含んでもよい。アンカおよび／または縫合糸は、生体吸収性材料から作製されてもよい。種々の実施形態では、変位可能区分は、塑性的に変形可能な材料および／または弾性的に変形可能な材料から作製される。

いくつかの実装では、アンカはさらに、縫合糸に係合するための特徴、例えば、縫合糸係合スロット、縫合糸係合歯、または固定タブを有する、固定区分を含んでもよい。いくつかの変形例では、縫合糸アンカはさらに、複数の組織支持体、別のアンカの対応する回転防止キーと噛合可能な回転防止キー、斜角遠位先端、鋭的遠位先端、遠位先端に近接する鈍的肩部、および／または単一平面におけるアンカの回転を可能にするために、別のアンカの対応するコネクタと相互係止可能なコネクタのうちの１つもしくはそれを上回るものを含んでもよい。いくつかの変形例では、アンカは、縫合糸を摺動可能に受け入れるための管腔を画定してもよい、および／またはアンカは、縫合糸の一部を受け入れるための縫合糸凹部を画定してもよい。

第２の側面では、縫合糸アンカを送達するためのシステムが提供される。いくつかの実施形態では、本システムは、送達針と、送達針内でアンカを縫合糸に係止するために、送達針に結合されるアンビルとを含む。一変形例では、アンカは、アンカの近位端部および遠位端部に係脱肩部を含んでもよい。いくつかの実装では、本システムはさらに、送達針内に位置付けられる、１つまたはそれを上回るアンカ、アンカを通して摺動可能に延在する、縫合糸、各アンカ間の破断可能コネクタ、送達針を通して複数のアンカを前進させるためのプッシュロッド、縫合糸を後退させる、それに張力をかける、および／またはそれを解放するための機構、ならびに／もしくはアンビルを作動させるための、および／または例えば、送達針に対して移動可能な切縁を使用して、縫合糸を切断するための係止管を含んでもよい。いくつかの変形例では、送達針、各アンカ、および縫合糸は、実質的に同軸上に整合されてもよい。いくつかの実装では、送達針は、アンカの突出するタブに係合するための縦方向スロットを画定してもよい、ならびに／もしくは送達針は、鋭的遠位先端および／または縫合糸切断切り欠きを含んでもよい。一変形例では、プッシュロッドは、アンカの対応する回転防止キーと噛合可能な回転防止キーを含む。

第３の側面では、組織を縫合するための方法が教示される。いくつかの実施形態では、本方法は、送達針内でアンカを縫合糸に係止するために、アンビルを使用するステップと、アンカを送達針から組織部位に展開させるステップとを含む。アンビルを使用するステップは、アンビルに対して係止管を変位させることによって、アンビルを作動させるステップおよび／または（例えば、プッシュロッドを用いてアンカを変位させることによって）アンビルをアンカの変位可能区分と機械的に干渉させるステップを含んでもよい。いくつかの実装では、本方法はさらに、縫合糸を切断するために、係止管を変位させるステップ（例えば、送達針の縦方向軸に沿って、係止管を縦方向に移動させるステップおよび／または係止管を回転させるステップ）と、組織層の接近、患者の体内の２つの別個の管腔の接近、組織部位における欠損の閉鎖、および組織部位における医療デバイス、例えば、ステント、生理学的センサ、カメラ、外科手術用メッシュ、または同等物の固着のうちの少なくとも１つを実施するために、アンカおよび縫合糸を使用するステップとのうちの１つまたはそれを上回るものを含んでもよい。いくつかの変形例では、本方法はさらに、送達針を、内視鏡の器具チャネルを通して組織部位に前進させるステップを含んでもよい。

第４の側面では、組織に係合するための方法が教示される。いくつかの実施形態では、本方法は、組織部位に近接して組織係合ツールを挿入するステップであって、組織係合ツールは、カテーテルと、カテーテルの遠位端に結合される螺旋コークスクリュ要素とを含む、ステップと、組織部位に係合するように螺旋コークスクリュ要素を回転させるステップと、その後、カテーテルの管腔を通して、組織部位に医療器具、例えば、組織接近デバイス、組織吸引針、生検鉗子、注射針、寒冷療法プローブ、およびＲＦ切除プローブを送達するステップとを含む。いくつかの変形例では、本方法はさらに、カテーテルの遠位端に結合される切縁を使用して、縫合糸を切断するステップを含む。

第５の側面では、組織係合ツールが提供される。いくつかの実施形態では、本ツールは、医療器具を受容するための管腔を有する、カテーテルと、カテーテルの遠位端に結合される、切縁、例えば、半径方向に内向きに斜角をつけられる縁と、カテーテルの遠位端に結合される、螺旋コークスクリュ要素とを含む。一変形例では、螺旋コークスクリュ要素は、組織に係合するための鋭的遠位先端を含む。

本明細書に説明される種々の実施形態の特徴は、相互に排他的ではなく、種々の組み合わせおよび順列において存在し得ることを理解されたい。

本発明のさらなる特徴、実施形態、および利点は、図面を参照して以下の詳細な説明から明白となるであろう。

図１Ａは、本発明による、縫合糸アンカの例証的実施形態の斜視図を示す。

図１Ｂは、本発明による、係止タブおよび固定タブを伴う選択的に係止可能な縫合糸アンカの第１の実施形態の断面図を示す。

図１Ｃは、本発明による、アンビルが係止タブを挟持した後の図１Ｂの選択的に係止可能な縫合糸アンカの断面図を示す。

図１Ｄは、本発明による、固定区分、移動可能区分、および変形可能接続要素を有する、選択的に係止可能な縫合糸アンカの第２の実施形態の斜視図を示す。

図１Ｅは、本発明による、係止機構を有する、選択的に係止可能な縫合糸アンカの第３の実施形態の斜視図を示す。

図１Ｆは、本発明による、係止機構を有する、選択的に係止可能な縫合糸アンカの第４の実施形態の斜視図を示す。

図２Ａは、本発明の実施形態による、送達および展開システムの送達針先端に近接する、選択的に係止可能な縫合糸アンカの斜視図を示す。

図２Ｂは、本発明の実施形態による、送達針内に配置される、選択的に係止可能な縫合糸アンカの断面図を示す。

図２Ｃは、本発明のその実施形態による、ブリッジ要素がアンビルを覆って乗設した、図２Ｂの選択的に係止可能な縫合糸アンカおよび送達針の断面図を示す。

図２Ｄは、本発明のその実施形態による、係止管がアンビルをブリッジ要素に押勢するように前進された、図２Ｂの選択的に係止可能な縫合糸アンカおよび送達針の断面図を示す。

図２Ｅは、本発明の一実施形態による、係止管が抜去された、図２Ｄの選択的に係止可能な縫合糸アンカおよび送達針の断面図を示す。

図２Ｆは、本発明による、図３Ｇの縫合糸アンカを送達するための針送達システムの例証的実施形態の斜視図を示す。

図２Ｇは、本発明の一実施形態による、図３Ｇの縫合糸アンカを展開する、図２Ｆの針送達システムの斜視図を示す。

図２Ｈは、本発明の一実施形態による、図３Ｇの縫合糸アンカを回転させる、図２Ｇの針送達システムの斜視図を示す。

図２Ｉは、本発明による、固定された長さの縫合糸の接続区分に係止された、アンカの対を送達するための針送達システムの例証的実施形態の断面図を示す。

図２Ｊは、本発明の一実施形態による、組織管腔壁に接近する、図２Ｉのアンカの対の断面図を示す。

図３Ａは、本発明による、縫合糸アンカのための二重ウィグル係留機構の例証的実施形態の断面図を示す。

図３Ｂは、本発明による、二重ウィグル縫合糸アンカの例証的実施形態の上面および底面斜視図を示す。

図３Ｃは、本発明による、シリンダ平面スナップロックを有する、縫合糸アンカの例証的実施形態の斜視図を示す。

図３Ｄは、本発明による、図３Ｃのスナップロックの断面を示す。

図３Ｅは、本発明による、角度付きブリッジ要素および２つの下側縫合糸凹部を有する、縫合糸アンカの例証的実施形態の斜視図を示す。

図３Ｆは、本発明による、単一のブリッジにつながる角度付き支柱および単一の下側縫合糸凹部を有する、縫合糸アンカの例証的実施形態の斜視図を示す。

図３Ｇは、本発明による、少なくとも１つの片持ちタブを有する、縫合糸アンカの例証的実施形態の斜視図を示す。

図４は、本発明による、鋭利にされた先端の縫合糸アンカの例証的実施形態の斜視図を示す。

図５Ａは、本発明による、ブリッジおよび歯タイプの縫合糸アンカの例証的実施形態の上面斜視図を示す。

図５Ｂは、本発明による、図５Ａのブリッジおよび歯タイプの縫合糸アンカの底面斜視図を示す。

図６Ａは、本発明による、整合タブを伴う縫合糸アンカの例証的実施形態の斜視図を示す。

図６Ｂは、本発明による、図６Ａの整合可能な縫合糸アンカと使用するための整合スロットを有する、送達針の例証的実施形態の斜視図を示す。

図７Ａは、本発明による、斜角相互係止リンクを有する、複数の縫合糸アンカの例証的実施形態の斜視図を示す。

図７Ｂは、本発明による、図７Ａの縫合糸アンカの斜角相互係止リンク間の相互作用の例証的実施形態の拡大斜視図を示す。

図８Ａは、本発明による、破断可能コネクタを有する、複数の縫合糸アンカの例証的実施形態の斜視図を示す。

図８Ｂは、本発明による、図８Ａの隣接する縫合糸アンカ間の破断可能コネクタの例証的実施形態の拡大上面斜視図を示す。

図８Ｃは、本発明による、図８Ｂの破断可能コネクタの例証的実施形態の拡大底面斜視図を示す。

図８Ｄは、本発明による、図８Ｂの隣接する縫合糸アンカ間の破断可能接続を破壊する例証的実施形態の詳細を示す。

図９は、本発明の実施形態による、係脱肩部を伴う隣接する縫合糸アンカ間の破断可能接続の例証的実施形態の拡大斜視図を示す。

図１０Ａは、本発明による、係止された縫合糸アンカを送達および展開させるための針送達システムの例証的実施形態の斜視図を示す。

図１０Ｂは、本発明による、係止解除された縫合糸アンカを送達および展開させるための針送達システムの例証的実施形態の斜視図を示す。

図１０Ｃは、本発明による、縫合糸アンカを送達および展開させるために組織を貫通する、針送達システムの例証的実施形態の斜視図を示す。

図１０Ｄは、本発明による、縫合糸アンカを展開させる、針送達システムの例証的実施形態の斜視図を示す。

図１０Ｅは、本発明による、縫合糸アンカの展開後、組織から抜去される針送達システムの例証的実施形態の斜視図を示す。

図１０Ｆは、本発明による、第１の縫合糸アンカの展開後、送達および展開のために第２の縫合糸アンカを準備する、針送達システムの例証的実施形態の斜視図を示す。

図１０Ｇは、本発明による、第２の縫合糸アンカを送達および展開させるために準備された、針送達システムの例証的実施形態の斜視図を示す。

図１０Ｈは、本発明による、展開された縫合糸に張力をかけることに備えて、第２の縫合糸アンカ内に縫合糸を係止する、針送達システムの例証的実施形態の斜視図を示す。

図１０Ｉは、本発明による、展開された縫合糸に張力をかけるために準備されている、針送達システムの例証的実施形態の斜視図を示す。

図１０Ｊは、本発明による、係止管が第２の縫合糸アンカ内に縫合糸を係止するように前進される、図１０Ｈの針送達システムの例証的実施形態の斜視図を示す。

図１０Ｋは、本発明による、展開された縫合糸に張力をかける、図１０Ｊの針送達システムの例証的実施形態の斜視図を示す。

図１０Ｌは、本発明による、縫合糸の切断に備える、針送達システムの例証的実施形態の斜視図を示す。

図１０Ｍは、本発明による、係止管が縫合糸の切断に備えて前進される、図１０Ｌの例証的実施形態の斜視図を示す。

図１０Ｎは、本発明による、係止管が縫合糸を切断するように回転される、図１０Ｍの例証的実施形態の斜視図を示す。

図１０Ｏは、本発明による、縫合糸切断切り欠きを含む、針送達システムの例証的実施形態の斜視図を示す。

図１１Ａは、本発明による、縫合糸ロックの例証的実施形態の斜視図を示す。

図１１Ｂは、本発明による、縫合糸アンカおよび縫合糸ロックを含有する、針送達システムの例証的実施形態の斜視図を示す。

図１２Ａ−１２Ｅは、本発明による、針送達システムを使用して、組織平面を接近させるための方法の例証的実施形態を示す。 図１２Ａ−１２Ｅは、本発明による、針送達システムを使用して、組織平面を接近させるための方法の例証的実施形態を示す。 図１２Ａ−１２Ｅは、本発明による、針送達システムを使用して、組織平面を接近させるための方法の例証的実施形態を示す。 図１２Ａ−１２Ｅは、本発明による、針送達システムを使用して、組織平面を接近させるための方法の例証的実施形態を示す。 図１２Ａ−１２Ｅは、本発明による、針送達システムを使用して、組織平面を接近させるための方法の例証的実施形態を示す。

図１３は、本発明による、針送達システムを使用して、半月板軟骨を修復するための方法の例証的実施形態を示す。

図１４は、本発明による、針送達システムと使用するためのハンドヘルドアンカ送達デバイスの例証的実施形態を示す。

図１５Ａは、本発明による、針送達システムと使用するための螺旋組織制御ツールの例証的実施形態を示す。

図１５Ｂは、本発明による、針送達システムと使用するための、第１の組織標的部位に位置付けられる、図１５Ａの螺旋組織制御ツールの例証的実施形態を示す。

図１５Ｃは、本発明による、針送達システムと使用するための、第２の組織標的部位に位置付けられる、図１５Ａの螺旋組織制御ツールの例証的実施形態を示す。

図１５Ｄは、本発明による、図１５Ａの螺旋組織制御ルールのための縫合糸切断デバイスの例証的実施形態の概略図を示す。

図１６は、本発明の種々の実施形態による、代表的システムパラメータの表を提供する。

図１Ａを参照すると、本発明による、選択的に係止可能な縫合糸アンカ１６０の例証的実施形態が示される。いくつかの実装では、縫合糸アンカ１６０は、縫合糸を縫合糸アンカ１６０の管腔１６２内に係止するために、塑性または弾性変形を採用する。したがって、そのような実装では、永続的に移植可能かつ係止可能な縫合糸アンカ１６０は、例えば、金属インプラント等級材料、例えば、ステンレス鋼（３０４等級鋼）、ニッケル−チタン合金、コバルトクロム合金（Ｅｌｇｉｌｏｙ Ｓｐｅｃｉａｌｔｙ Ｍｅｔａｌｓから利用可能）、および同等物、またはインプラント等級ポリマー、例えば、ＰＥＥＫ、ＰＥＫＫ、ポリアミド、自己強化ポリフェニレン、ポリフェニルスルホン、液晶ポリマー、および同等物から作製されてもよい。代替として、いくつかの実装では、縫合糸アンカ１６０は、生体吸収性であるように設計されてもよく、また、生体吸収性金属、例えば、マグネシウム、鉄、亜鉛等、または生体分解性ポリマー、例えば、ポリ−Ｌ−乳酸（ＰＬＬＡ）、ポリグリコール酸（ＰＧＡ）、ポリ（Ｄ，Ｌ−ラクチド／グリコリド）コポリマー（ＰＤＬＡ）、ポリカプロラクトン（ＰＣＬ）、ヒアルロン酸（ＨＡ）、および同等物から作製されてもよい。

選択的に係止可能な縫合糸アンカ１６０は、金属もしくはポリマー管類からレーザカットされる、板金から打ち抜かれる、射出成型される、金属もしくはポリマー材料からレーザ焼結される、熱溶解造形される、３Ｄプリントされる、または任意の好適な方法を使用して製造されてもよい。

いくつかの実施形態では、選択的に係止可能な縫合糸アンカ１６０は、近位端１６４と、遠位端１６５と、近位端１６４から遠位端１６５に延在する（破線１６６として示される）縦方向軸と、側方組織支持体１６３の対と、中心に位置する縫合糸ループまたはブリッジ１６１と、縫合糸を摺動可能に受け入れるように定寸される管腔１６２とを有する、伸長デバイスである。縫合糸ループ１６１および管腔１６２は、組織支持体１６３と組み合わされ、縫合糸が自由かつ摺動可能に双方向的に進行し得る、通路および機械的クリアランスを提供する。有利なこととして、縫合糸ループ１６１は、係止解除状態において縫合糸を摺動可能に受け入れるが、係止状態において縫合糸に添着されるように構成されてもよい。

管腔１６２は、縫合糸を摺動可能に受け入れるように定寸されるが、その中に含有されるべき縫合糸の直径よりもわずかにだけ直径が大きく、したがって、縫合糸ループ１６１の少規模の変形が、縫合糸をアンカ１６０に係止させるために十分な機械的干渉を生じさせる。より具体的には、管腔直径（Ｄ_ａｌ）は、その中に含有されるべき縫合糸の直径よりもわずかに大きく定寸され、縫合糸が縫合糸ループ１６１を通して、組織支持体１６３のチャネルスロットに沿って容易に摺動するために十分な半径方向クリアランスを管腔１６２内に残す。例えば、０．０１２インチ直径を有する非吸収性２−０縫合糸に関して、アンカ管腔１６２の好適な直径は、約０．０１３〜約０．０２０インチに及び得る。縫合糸ループ１６１は、縫合糸に変形または屈曲されることを意図されるため、いくつかの変形例では、縫合糸ループ１６１は、管腔直径（Ｄ_ａｌ）の約２５〜約５０パーセントに及ぶ量だけ、組織支持体１６３のスロット付き部分の上方に半径方向に突出してもよい。

さらに、いくつかの実装では、組織支持体１６３のスロット付き部分は、ほぼ管腔直径の幅である一方、組織支持体１６３の開放部分は、組織支持体１６３の円周の少なくとも１８０度を構成してもよく、したがって、縫合糸は、スロット付き部分から自由に滑動する。

いくつかの変形例では、係止状態は、機械的クリアランスを排除し、管腔１６２内の縫合糸に衝突するために、縫合糸ループ１６１の一部を圧着する、圧迫する、変形させる、または別様に変位させることによって達成されてもよい。そのような変形は、弾性または塑性、もしくは弾塑性であり得る。代替として、係止は、縫合糸とアンカ１６０との間の摩擦を増加させるように、縫合糸ループ１６１内の緊密な屈曲または蛇行した経路中に縫合糸を押勢することによって達成されてもよい。

例えば、第１の変形例では、図１Ｂを参照すると、縫合糸１１５を伴う伸長縫合糸アンカ１１０が示される。先に説明されるように、縫合糸１１５は、縫合糸ループ１２５の下に、管腔１６２に沿って配索されてもよい。縫合糸アンカ１１０は、縫合糸ループ１２５によって分離される組織支持体１２７を含んでもよく、これは、縫合糸１１５の区分に係合し、アンカ１１０を縫合糸１１５に係止するように選択的に構成されてもよい。いくつかの実装では、縫合糸ループ１２５は、１つまたはそれを上回る塑性的に変形可能な係止タブ１２０を含んでもよい。いくつかの変形例では、縫合糸ループ１２５は、随意に、縫合糸１１５を誘導するためのＶ型またはＵ型の切り出しもしくは架台を有する、少なくとも１つの固定タブ１２１と軸方向に整合され、係止解除状態にあるとき、アンカ１１０の縦方向軸に沿って自由摺動開口１２６を形成してもよい。いくつかの事例では、係止タブ１２０は、係止位置に偏向されると、固定タブ１２１に対して縫合糸１１５を挟持し得るように、固定タブ１２１の両側上で相互に十分に接近して位置付けられてもよい。

図１Ｂおよび１Ｃに示されるように、係止タブ１２０は、十分に摺動を防止し、それによって、アンカ１１０に対して縫合糸１１５を係止するために、係止タブ１２０が係止タブ１２０の遠位および近位端ならびに固定タブ１２１を中心とした蛇行した経路中に縫合糸１１５を押勢し、ならびに／もしくは縫合糸１１５に、例えば、係止タブ１２０の遠位および近位端ならびに固定タブ１２１に対して機械的に係合するように、例えば、移動可能な係止管１４０によって半径方向に内向きに変位される、送達システムのアンビル１３０によって、縫合糸１１５の経路中に選択的に偏向されてもよい。図１Ｃに示されるように、係止された縫合糸部分の長さは、アンカの縦方向軸１６６の方向に延在する。送達システムの特徴および機能性は、以下により詳細に議論される。

いくつかの実施形態では、以下により詳細に説明される、縫合糸ロック７００（図１１Ａ）が、縫合糸アンカ１１０とは別個であってもよく、縫合糸１１５に対してのみ摺動可能である縫合糸アンカ１１０と併用されてもよい。そのような実施形態では、選択的に係合可能な縫合糸ロック７００は、送達システム内の各縫合糸アンカ１１０間に、または種々の間隔で送達システム内の複数の縫合糸アンカ１１０間に含まれてもよい。

図１Ｄに示されるように、別の実施形態では、選択的に係止可能な縫合糸アンカ１３０は、縫合糸ループ１４６と、１つまたはそれを上回る変形可能接続要素１４０と、組織支持を提供する固定区分１３２とを含む。縫合糸ループ１４６は、複数の縫合糸係合特徴１３８、例えば、縫合糸係合スロット、縫合糸係合歯、または他の摩擦増進特徴を有する、移動可能区分１３１を含んでもよい。固定区分１３２もまた、そのような縫合糸係合特徴１３９を含んでもよい。移動可能区分１３１および固定区分１３２は、いったん力が移動可能区分１３１に、例えば、アンビル１３０によって印加されると、縫合糸係合特徴１３８および１３９がともにより近接され、縫合糸１１５に係合するように構築および配列される、１つまたはそれを上回る塑性的に変形可能な接続要素１４０によって接続される。縫合糸係合特徴１３８、１３９は、変形可能要素を含む、連続的円周構造として構成されてもよい、または塑性変形を通した永続的偏向が可能である、非連続的間隙構造として構成されてもよい。再び、図１Ｄに示されるように、係止された縫合糸部分の長さは、アンカの縦方向軸１６６の方向に延在する。

さらに別の実施形態では、図１Ｅに示されるように、選択的に係止可能な縫合糸アンカ１５０が、移動可能（例えば、ヒンジ付き）区分１５１上に複数の弾性的に偏向可能な係止特徴、例えば、突起１５５を有する縫合糸ループ１５３と、係合係止特徴、例えば、歯１５４を有する固定区分１５２とを含む。係止位置では、縫合糸ループ１５３の突起１５５および固定区分１５２の歯１５４は、移動可能区分１５１を固定区分１５２に係止するように係合接触してもよい。そのように係合されると、縫合糸ループ１５３の近位端および遠位端に配置される係止タブ１５８ならびに固定区分１５２上でそれらの間に配置される１つまたはそれを上回る固定タブ１５９は、縫合糸１１５の一部を係止してもよく、したがって、係止された縫合糸部分の長さは、アンカの縦方向軸１６６の方向に延在する。先に説明された実施形態におけるように、選択的に係止可能な縫合糸アンカ１５０は、変形を通した変位に適応することが可能である、連続的円周構造要素を用いて構成されてもよい、および／または選択的に係止可能な縫合糸アンカ１５０は、摺動可能な相互係止要素によってともに保持される、非連続的間隙構造として構成されてもよい。

さらに別の実施形態では、図１Ｆに示されるように、縫合糸アンカ１７４は、最初に、送達針１７５の管腔内に係止解除状態で拘束されてもよい。縫合糸アンカ１７４の係止状態は、弾性的に変形される部分１７０の部分１７３が縫合糸に半径方向に内向きに衝突するように、縫合糸ループ１７１の弾性的に変形される部分１７０を解放することによって達成されてもよい。縫合糸ループ１７１の弾性拘束によって生成される機械的摩擦はまた、アンカ１７４が送達針１７５から早期に滑動することも防止し得る。

選択的に係止可能な縫合糸アンカ１５０は、レーザまたは同等のプロセスによって管類から切断され、係止タブ１５８、１５９が、続いて、所望される位置に形成されてもよい。代替として、縫合糸アンカ１５０は、シート材料から打ち抜かれ、漸進的なダイスタンプ法を介して最終形状に形成されてもよい。

有利なこととして、縫合糸係止機構または構造は、縫合糸ロックの固定および／または移動可能区分が、ロックから軸方向に離れて両方向に延在する突出部を含み、したがって、Ｔ型縫合糸アンカを形成するように、縫合糸アンカ内に含まれてもよい。

二重ウィグルタイプの縫合糸アンカの例証的実施形態が、図３Ａおよび３Ｂに示される。図３Ａでは、最初に、縫合糸アンカ３００の管腔を通して摺動可能に延在する縫合糸３３０が、アンカ管腔中への少なくとも２つのブリッジ要素３１０の偏向によって、アンカ３００に確実に係止されてもよい。ブリッジ要素３１０の内向き偏向は、縫合糸３３０の一部を、下側縫合糸凹部３１６として形成される対応する間隙中に変位させる。隣接するブリッジ要素３１０間の間隙は、上側縫合糸凹部３１５を形成してもよい。下側縫合糸凹部３１６に向かって偏向された複数のブリッジ要素３１０は、縫合糸３３０とアンカ３００との間の摩擦を十分に増加させ、縫合糸３３０をアンカ３００に機能的に係止する、ジグザグまたは波状パターン（例えば、Ｗ型）に縫合糸３３０を押勢する。本構成は、係止する縫合糸ループまたはブリッジ３１０のより大きい、より精密度の低い半径方向変位を可能にすることに有利であり、縫合糸３３０が分断するリスクを低減させ得る。図３Ｂを参照すると、ブリッジ要素３１０の両側上の縦方向開口部は、縫合糸に張力がかけられると、設置されたアンカおよび縫合糸が組織内でＴ型になるように、縫合糸３３０が、例えば、アンカ管腔から、ブリッジ要素３１０の周囲を側方に滑動することを可能にするように定寸され得る、縫合糸スロット３２０を提供する。

図３Ｂに示されるように、縫合糸アンカ３００はまた、相対回転を防止するように実質的にアンカをともに円周方向に係止するように構成され得る、回転防止特徴３０５および３０６を含んでもよい。いくつかの変形例では、メス型回転防止キー３０６が、隣接する縫合糸アンカ３００のオス型回転防止キー３０５を受容するように定寸され得る、アンダーカット特徴３０９を含んでもよい。したがって、回転防止特徴３０５、３０６を相互係止するアンダーカットは、図２Ｂに示されるような軸または縦方向寸法に沿って、相互に当接するアンカ２２０ａ、２２０ｂを、それらが送達針２１０内に拘束される間、機械的に係止してもよい。いったん遠位アンカ２２０ａが実質的に送達針２１０から退出すると、これは、より近位のアンカ２２０ｂから自由に分離し、送達システム２００から展開する。本構成は、アンカ２２０ａ、２２０ｂが相互に離れて滑動し、送達針２１０内で回転整合を失うことを防止することに有利であり得る。回転防止特徴３０５、３０６を相互係止することはまた、遠位アンカ２２０ａが送達針２１０の遠位先端から意図せずに滑動することを防止することにも役立ち得る。

ブリッジ３７０を半径方向に外向きまたは半径方向に内向きのいずれかの位置に保持するために、摺動表面および弾性変形を採用する機械的縫合糸係止機構を含む、縫合糸アンカ３００Ａの例証的実施形態が、図３Ｃおよび３Ｄに示される。機械的縫合糸係止は、圧着縫合糸係止または他の塑性変形ベースの縫合糸係止と比較して、比較的低い係止力を伴う、堅固（かつ随意に可逆的）な縫合糸ロックを生成することに有利であり得る。そのような機械的縫合糸係止機構は、撓曲開口部の半径方向内縁３７１が、ブリッジ３７０の半径方向外縁３７２よりも小さいように定寸される、楔型断面区分を有する偏向可能ブリッジ３７０を含んでもよい。その結果、係止撓曲３７５の同様の楔型表面に対して半径方向に内向きに力を加えて移動されると、ブリッジ３７０ａは、係止撓曲３７５の端部に弾性的に拡散し、いったん端部がブリッジ３７０ａの周囲に跳ね返ると、撓曲３７５によって捕捉された状態になり得る。いくつかの変形例では、いったん半径方向に内向きの位置に係止されると、２つのブリッジ要素３７０間の間隙は、上側縫合糸凹部３７７を形成してもよく、ブリッジ３７０ｂは、摩擦を増加させ、縫合糸をアンカ３００Ａに係止するために、下側縫合糸凹部３７６中への縫合糸の一部の偏向を維持してもよい。いくつかの実装では、下側凹部３７６はまた、縦方向摩擦を増加させるために、比較的鋭利にされた特徴、例えば、図５Ｂに示されるような歯状スロット５２０を含んでもよく、これは、以下により詳細に議論されるであろう。

一変形例では、図３Ｅに示されるように、ブリッジ３８０要素は、縫合糸アンカ３００Ｂの縦方向軸に対して角度を付けられてもよい。本構成は、これが縫合糸の区分を下側縫合糸凹部３８６中に変位させ得るように、ブリッジ３８０を半径方向に内向きに変形させるために要求される半径方向機械的力の量を低減させることに有利であり得る。さらに別の変形例では、図３Ｆに示されるように、係止可能な縫合糸アンカ３９０が、単一のブリッジ３９１と、単一の縫合糸凹部３９２とを含んでもよい。例えば、ブリッジ３９１は、これが縫合糸の一部を下側縫合糸凹部３９２中に押動し得るように、ブリッジ３９１が半径方向に内向きに移動することを可能にするように構成される、塑性的に変形可能な角度付き支柱３９３によって支持されてもよい。

さらに別の変形例では、鋭的先端縫合糸アンカ１３００が、採用されてもよい。例えば、図４に示されるように、縫合糸アンカ１３００の例証的実施形態が、鋭利にされた遠位先端１３１０を含んでもよい。有利なこととして、本構成では、縫合糸アンカ１３００は、最初に、縫合糸アンカ１３００を所望される組織中に、またはそれを通して留置するために、組織穿通を補助し、次いで、回転することによって進入孔に対する広い表面積Ｔ位置中に縫合糸を係留するように機能してもよい。縫合糸アンカ１３００は、鋭的遠位先端１３１０の近位に位置する、比較的鈍的な、例えば、丸形またはＲを設けられた肩部１３２０を含んでもよい。本肩部１３２０は、鋭的遠位先端１３１０を保護しながら、送達針内の一連のアンカ間に軸方向の力を伝達するように使用されてもよい。丸形肩部１３２０は、鋭的先端１３１０に近接するアンカの部分が貫通部位中に通過する際に、抵抗を最小限にする。隣接するアンカの後端を用いてアンカ先端１３１０を相互に調和させることはまた、アンカ間の相対回転を制限する役割も果たし得る。アンカ１３００の鋭的先端構成は、より大きい送達針ではなく、縫合糸アンカ１３００が、その独自の貫通を形成することを可能にすることによって、組織貫通の全体的サイズを最小限にすることに有利であり得、薄いまたは繊細な組織において特定の有用性を見出し得る。

さらに別の変形例では、図５Ａおよび５Ｂに示されるように、縫合糸アンカ５００が、歯状スロット５２０と組み合わせて、弾性的に変形可能な支柱５１５によって支持される、ブリッジ５１０を含んでもよい。使用時、ブリッジ５１０は、支柱５１５を塑性的に変形させることによって、縫合糸アンカの中心管腔中に変位され、縫合糸のある部分を、いくつかの実装では、縫合糸直径よりも狭く定寸され得る歯状スロット５２０中に押勢してもよい。ブリッジ５１０は、随意に、描写されるように、縫合糸対面歯状部分を含んでもよい。比較的硬質の歯状スロット５２０中への比較的軟質の縫合糸の区分の変形はさらに、縫合糸がアンカ５００に係止することを確実にする。

さらに別の変形例では、図３Ｇに示されるように、縫合糸アンカ３００Ｃが、例えば、アンビルによって変形されると、中心管腔５２３内に縫合糸の一部を係止するように構成される、１つまたはそれを上回る片持ちタブ５２１を含んでもよい。図３Ｇは２つの片持ちタブ５２１を示しているが、これは、限定ではなく、例証を目的として示されている。実際には、当業者は、片持ちタブ５２１の数が２つを上回る、または下回り得ることを理解するであろう。縫合糸アンカ３００Ｃの側壁５２４から各片持ちタブ５２１の遠位（すなわち、片持ち）端を分離する間隙５２２は、片持ちタブ５２１が、（すなわち、縫合糸の一部を圧迫および係止するために、例えば、アンビルによって、タブ５２１が半径方向に内向きに屈曲されるに先立って）変形されない間、縫合糸が管腔５２３から滑動することを防止するように定寸されてもよい。いくつかの変形例では、間隙５２２はさらに、屈曲または変形された片持ちタブ５２１が、タブ５２１が屈曲または変形された後にアンカ３００Ｃの側壁５２４と機械的に干渉しないように定寸される。

例えば、送達針内に配置される複数のアンカが存在するいくつかの用途では、送達システム内の縫合糸アンカの回転整合を維持することが、有利となり得る。故に、１つまたはそれを上回る構造的特徴が、アンカを送達システムの縦方向長に沿って他のアンカと整合させることを補助するために、縫合糸アンカ中に統合されてもよい。一実施形態では、図６Ａおよび６Ｂに示されるように、１つまたはそれを上回る縫合糸アンカ９００が、送達針９２０の壁において形成される整合スロット９３０に係合するように構成される、突出するタブ９１０を含んでもよい。突出するタブ９１０は、縫合糸ループ９０５の中心または組織支持体９０６の一方または両方に沿った任意の場所を含む、アンカ９００上の任意の場所に位置してもよい。整合スロット９３０は、送達針９２０の円周上の任意の場所に位置してもよいが、いくつかの実施形態では、これは、送達針９２０の遠位先端の鋭利にされない尾部９２１内に位置する。いくつかの実施形態では、整合スロット９３０は、突出するタブ９１０が必ず半径方向に内向きに偏向され、送達針９２０から退出するように、針斜角に近接して終端してもよい。

別の実施形態では、スロット９３０縁は、各アンカの一部に係合し、回転整合を維持するように内転または外転されてもよい。種々の他の実施形態では、送達針およびアンカは、回転を防止する、非円筒形部分、例えば、Ｄ型または他の平坦面を含み得る、非対称断面を有してもよい。代替として、送達針およびアンカは、アンカ整合を維持するために、対称切断面、例えば、四角形、六角形、または同等物を有してもよい。加えて、各アンカは、近位端に、次の近位アンカの遠位端における対応する半径方向隆起に直接係合し、これと噛合する、半径方向隆起を有してもよい。

別の変形例では、図７Ａおよび７Ｂを参照すると、送達針中への装填を促進するように端から端に配列される、選択的に係止可能な縫合糸アンカ１０１が、例えば、各縫合糸アンカ１０１の遠位端１６５および近位端１６４に配置される、相互係止リンク１０２によって、相互接続されてもよい。加えて、その遠位端１６５において、各アンカ１０１は、角度付き面１０３（すなわち、斜角遠位先端）を含み、回転のために十分なクリアランスが、（例えば、単一平面における）隣接するアンカ１０１ａ、１０１ｂ間に生じることを可能にしてもよい。リンク特徴１０２ａ、１０２ｂは、各アンカの縦方向軸から半径方向に位置する。アンカの中心管腔１０４を通して延在する縫合糸に印加された張力は、モーメントを生成し、相互係止特徴１０２の接合点において（例えば、単一平面における）アンカ１０１ａを枢動させ、係脱を促進する傾向がある。

別の変形例では、図８Ａ−８Ｄに示されるように、一連の縫合糸アンカ２０１が、単一材料片、例えば、ステンレス鋼ハイポ管類、生体侵食性材料（マグネシウム等）、生体吸収性材料（ヒアルロン酸等）、および同等物から形成されてもよい。アンカ２０１は、回転ヒンジとしても作用するように構成される、１つまたはそれを上回る破断可能コネクタ２０２を含んでもよい。いくつかの実装では、コネクタ２０２は、ヒンジ回転がコネクタ２０２を破断点まで機械的に歪ませ、ひいては、隣接するアンカ２０１ａ、２０１ｂ間の接続を分断し得るように構成されてもよい。

いくつかの実施形態では、コネクタ２０２は、コネクタが隣接するアンカ２０１ａ、２０１ｂの相対回転に応じて捩じれるように、相対的に円周方向に配向され、アンカ２０１ａ、２０１ｂ間にヒンジを形成してもよい。コネクタ２０２は、機械的歪みがコネクタ自体に集中し、回転に応じて、加工硬化と、図８Ｄに示されるように、破断２０４とを助長し得るように、比較的短く、狭くてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、コネクタ２０２は、中心管腔内の縫合糸上の張力が、コネクタ２０２の周囲の隣接するアンカ２０１ａ、２０１ｂを回転させる傾向があるトルクモーメントを生成し得るように、縫合糸アンカ２０１の線または列の中心軸の同一側上に実質的に側方に位置してもよい。

いくつかの実装では、図９を参照すると、破断可能縫合糸アンカ４００が、例えば、ある角度変位が生じ、コネクタがまだ分離していないが完全に破断した後、接触点４０３に機械的に当接するように構成される、係脱肩部４０１および４０２を含むように構築および配列されてもよい。肩部４０１、４０２は、接触点４０３が、回転が継続するにつれて破断されたコネクタの残余物が相互に離れるように偏移させる傾向がある梃子支点を形成し、したがって、新しく分断されたアンカ４００ａ、４００ｂを相互に自由にするように構成されてもよい。例えば、接触は、アンカ間の約９０度〜約１６０度の範囲内、例えば、約１１０度における相対回転角度Ａにおいて生じてもよい。

種々の係止機構を伴う選択的に係止可能な縫合糸アンカのいくつかの実施形態を説明したが、縫合糸アンカおよび／または他の医療デバイスを展開および送達するためのシステムが、ここで、詳細に説明される。再び図２Ａを参照すると、同一平面内の二重ウィグルタイプのアンカ展開および送達システム２００の例証的実施形態が示される。いくつかの実装では、システム２００は、係止管２６０内に封入され、それと同軸であり得る、送達針２１０を含んでもよい。送達針２１０は、円筒形または略円筒形形状を伴う中空であり、アンカおよび縫合糸を受容するための管腔を形成してもよい。送達針２１０の形状は、円筒形または略円筒形として説明されているが、これは、例証のみを目的としている。当業者は、形状が、送達針２１０が係止管２６０の管腔内に嵌合し、外科手術手技中にその目的を果たすことを可能にする限り、送達針２１０およびその管腔が任意の形状を有し得ることを理解するであろう。

遠位端２０３において、送達針２１０は、例えば、患者の表皮、組織等を貫通するための鋭利にされた遠位先端と、縫合糸アンカ２２０、縫合糸２３０、医療デバイス等が送達針２１０から退出し得る開口部とを有してもよい。送達針２１０によって形成される管腔は、縫合糸アンカ２２０、縫合糸２３０、医療デバイス等が摺動可能に通過し得る空間を提供する。縫合糸アンカ２２０は、縫合糸２３０が、各縫合糸アンカ２２０内を、およびそれを通して摺動することを可能にするためだけではなく、送達針２１０の管腔内の近接摺動嵌合を促進するために十分な半径方向クリアランスとともに定寸されてもよい。

いくつかの用途では、送達針２１０は、円筒形壁において送達針２０１の遠位針先端に縦方向に延在する、少なくとも２つのスロット２１５を含んでもよい。スロット２１５は、その遠位端が、アンカ係止特徴の構成に応じて、送達針２０１の円筒形壁よりも（半径方向において）厚く、随意に、輪郭を付けられ得る、アンビル２４０である片持ち梁２１６を提供するように構成されてもよい。片持ち梁２１６は、半径方向の力がアンビル２４０に印加されると、アンビル２４０が、送達針２１０内で半径方向に変位することを可能にする。その結果、片持ち梁２１６は、アンビル２４０が外向きまたは内向きのいずれかに半径方向に変位されるにつれて、塑性的に変形するように構成されてもよい。例えば、縫合糸ロックの係止タブ１２０（または上記に説明される種々の係止機構の他の変位可能区分）を圧着または挟持することに加えて、アンビル２４０はまた、次の縫合糸アンカ２２０が送達針２１０から滑動することを防止するために、送達針２１０の中心管腔中および遠位アンカ２２０ａの一部の経路中に突出する止め具として構成されてもよい。

より具体的には、図２Ｂに示されるように、アンビル２４０および片持ち梁２１６がそれらの通常動作位置にあるとき、アンビル２４０のより厚い半径方向寸法は、遠位縫合糸アンカ２２０ａ上の１つまたはそれを上回るアンカブリッジ２２１（または上記に説明される種々の係止機構の他の変位可能区分）と干渉するように適合される。展開中、アンビル２４０は、アンカブリッジ２２１がアンビル２４０に対して押圧し、それにわたって乗設し、アンビル２４０を半径方向に外向きに変位させるように、例えば、遠位縫合糸アンカ２２０ａを遠位に前進させることによって、半径方向に外向きに変位されてもよい。縫合糸係止シーケンス中、アンビル２４０は、例えば、アンビル２４０および送達針２１０にわたって近接嵌合係止管２６０を前進させることによって、半径方向に内向きに変位されてもよい。アンカ係止管２６０は、これが組織貫通のための針先端を暴露するように、送達針２１０に沿って近位に抜去される、またはアンビル２４０をアンカ２２０ａ中に半径方向に内向きに圧接し、縫合糸アンカ２２０ａを縫合糸２３０に係止するように、針先端に向かって遠位に前進されてもよい。

システム２００はまた、送達針２１０を通して１つまたはそれを上回る縫合糸アンカ２２０を軸方向または縦方向に前進させるために、ならびにアンカ２２０が送達針２１０から戻るように摺動することを防止するために、プッシュロッド２５０を含んでもよい。図２Ｃに示されるように、プッシュロッド２５０は、遠位アンカブリッジ２２１がアンビル２４０の内向きに面する表面に沿って摺動し、それにわたって乗設するように、縫合糸アンカ２２０ａを遠位に前進させてもよい。プッシュロッド２５０によって十分な力がアンカ２２０ａに印加されると、ブリッジ２２１は、アンビル２４０を半径方向に外向きに変位させ、送達針２１０の外面から半径方向に突出するアンビル２４０の一部をもたらす。有利なこととして、いくつかの変形例では、プッシュロッド２５０は、送達針２１０の管腔内のアンカ２２０ａ、２２０ｂの相対回転を防止するために、近位縫合糸アンカ２２０ｂ中に統合される対応する回転防止特徴と噛合するように適合される、回転防止キー２５５を含んでもよい。

プッシュロッド２５０は、溝付きまたは中空であってもよく、したがって、縫合糸２３０は、縫合糸アンカ２２０および送達針２１０を通してだけではなく、プッシュロッド２５０を通して摺動可能に延在してもよい。一実施形態では、図２Ｃに例証されるように、送達針２１０、各アンカ２２０、および縫合糸２３０は、実質的に同軸上に整合される。いくつかの実施形態では、縫合糸２３０の一方の端部が、これが外科医または他の医療人員に手動でアクセス可能であり得るように、例えば、縫合糸縫目が引締され得るように、送達針２１０および係止管２６０の近位端から延在してもよい。他の実施形態では、縫合糸２３０の近位区分が、機械的に把持されてもよく、縫目が、以下により詳細に説明されるツール等の外科手術ツール内に含まれる引動機構を介して引締されてもよい。

ある状況では、例えば、組織層を通した展開のためのアンカを準備するとき、図２Ｃに示されるように、縫合糸アンカ２２０ａを送達針２１０内に完全に保定しながら、遠位縫合糸アンカ２２０ａを、アンビル２４０が半径方向に偏向するために十分な距離を前進させることが好ましくあり得る。図２Ｄに示されるように、いったん遠位縫合糸アンカ２２０ａが送達針２１０の開口部に近接して押動されると、係止管２６０は、係止管２６０が送達針２１０の遠位端に接近するにつれて、係止管２６０の内面が突出するアンビル２４０を半径方向に内向きに押勢し、それによって、１つまたはそれを上回るアンカブリッジ２２１を変形させ、有利なこととして、遠位アンカ２２０ａを縫合糸２３０に係止するように、遠位に前進されてもよい。図２Ｅに示されるように、遠位縫合糸アンカ２２０ａ内に縫合糸２３０を係止した後、係止管２６０は、例えば、これを近位に戻すように引き込むことによって抜去されてもよい。必然的に、他のアンカ係止機構も、プッシュロッド２５０、アンビル２４０、および係止管２６０の協働によって、同様に作動されることができる。

図２Ｆから２Ｈを参照すると、係止管を含まない針送達システムの代替実施形態が示される。針送達システムは、送達針２１０と、アンビル２４０とを含む。複数の縫合糸アンカ２２０ａおよび２２０ｂ（例えば、図３Ｇに描写される縫合糸アンカ３００Ｃ）が、送達針２１０の中心管腔内で、例えば、端から端に配置されてもよい。アンビル２４０は、各縫合糸アンカ２２０ａ、２２０ｂの片持ちタブ５２１と機械的に干渉し、アンカ２２０ａ、２２０ｂが、送達針２１０の開放端部から滑動することを防止するように構築および配列される。いくつかの用途では、アンビル２４０は、形状が円筒形または略円筒形であり、アンカ３００Ｃの側壁５２４（図３Ｇ参照）と機械的に干渉しないように定寸される外径を有する。より具体的には、図２Ｇに示されるように、最遠位縫合糸アンカ２２０ａが、例えば、プッシュロッド２５０によって遠位に付勢されると、アンビル２４０は、屈曲または変形されたタブ５２１が縫合糸をアンカ２２０ａに係止するように、片持ちタブ５２１を縫合糸の一部に半径方向に内向きに屈曲または変形させる。

いくつかの実装では、アンビル２４０およびアンカ２２０ａはさらに、最遠位アンカ２２０ａを１つのアンカの長さ分だけ前進させることによって、送達針２１０の針斜角２９９内の隣接する縫合糸アンカ２２０ａ、２２０ｂ間に、接合点５９９を載置するように定寸される。図２Ｈに示されるように、いったん縫合糸が最遠位アンカ２２０ａに係止され、アンカ２２０ａが展開されると、展開されたアンカ２２０ａは、例えば、縫合糸の両端部に張力を印加することによって、本システムの縦方向軸から回転されてもよい。縫合糸に張力を印加することによって、展開されたアンカ２２０ａは、針斜角２９９内の接合点５９９を中心として回転する。

いくつかの外科手術手技では、固定された所定の長さの縫合糸によって接続される、複数、例えば、対の係止された縫合糸アンカが、好ましくあり得る。当業者は、そのような係留される縫合糸システムが、特定の長さを有するロットで事前加工され得る、または外科手術手技時に、かつその一部として個別に生産され得ることを理解するであろう。

図２Ｉを参照すると、そのような用途のためのアンカ送達システムの実施形態が示される。送達システムは、送達針２１０と、プッシュロッド２５０とを含む。針２１０の縦方向の中心管腔内に配置されるものは、固定された長さの縫合糸２７５によって相互に接続される、係止された縫合糸アンカ２７０、２８０の対である。対の遠位アンカ２７０および近位アンカ２８０はまた、例えば、破断可能コネクタ、例えば、上記により詳細に議論されるタイプのものを使用して、相互にさらに機械的に結合されてもよい。

縫合糸アンカ２７０、２８０の単一対のみが図２Ｉに示されているが、これは、限定ではなく、例証を目的として示されている。アンカの複数の対が、送達針２１０内に、例えば、列において含まれてもよい。いくつかの実装では、単一送達針２１０内にアンカ２７０、２８０の複数の対が存在するとき、隣接するアンカ対は、結合されたアンカ対が単一のより制御可能なユニットとして前進または抜去され得るように、例えば、破断可能コネクタ２８８、例えば、上記により詳細に議論されるタイプのものを使用して結合されてもよい。アンカの近位対もまた、破断可能コネクタ２８８によってプッシュロッド２５０に結合されてもよい。

図２Ｊは、組織を接近させるアンカ２７０、２８０の対を示す。いくつかの用途では、第１のアンカ２７０が、組織壁８０５ａ、８０５ｂの対を通して送達され、遠位管腔中に展開される一方、第２のアンカ２８０が、近位管腔内に展開される。アンカ２７０、２８０の対を接続する固定された長さの縫合糸２７５は、いったん第２のアンカ２８０が展開されると、縫合糸２７５における張力が、アンカ２７０、２８０を組織壁８０５ａ、８０５ｂにともに圧迫させるように定寸される。

送達システムの特徴およびそれらの機能は、ここで、外科手術手技の一部として、哺乳動物対象において縫合糸アンカおよび縫合糸を送達するための方法の例証的実施形態を説明することと併せて説明される。図１０Ａおよび１０Ｂを参照すると、組織穿通、アンカ送達、およびアンカ展開が、アンカ６２０、８００の送達／展開に先立って、縫合糸アンカ６２０、８００内に係止される縫合糸６３０、８３０、または縫合糸アンカ６２０、８００内で係止解除される縫合糸６３０、８３０のいずれかを用いて実施されてもよい。アンカ６２０、８００が送達され得る組織８０５（図１０Ｃ）は、ＧＩ管（例えば、胃および腸）の部分、筋肉（例えば、腹筋）の層、腱、靱帯、軟骨等の比較的軟質の組織を含んでもよい。代替として、組織８０５は、硬質組織、例えば、皮質骨であってもよく、縫合糸アンカ６２０、８００は、比較的軟質の組織、例えば、海綿骨内で展開するように構成されてもよい。事前開孔された孔を通して、硬質組織８０５の層を過ぎてアンカ６２０、８００を送達するために構成される、送達針６１０、８１０の実施形態は、送達に応じてアンカ６２０、８００が管腔から半径方向に外向きに押勢されるように、針管腔中に突出する遠位区分を伴う鋭利にされていない先端を含んでもよい。組織部位８０５にアクセスするステップは、内視鏡の器具チャネルを通して送達針６１０、８１０を前進させるステップを伴ってもよい。

図１０Ａは、送達針６１０を含む縫合糸アンカ送達システム６００が、係止された縫合糸アンカ６２０を組織８０５を通して縦方向に送達するために構成される、前者の事例の例証的実施形態を描写する。縫合糸アンカ６２０は、１つまたはそれを上回るアンカブリッジがアンビル６４０の下にある間、アンカ６２０の本体が縫合糸６３０への係止に備えて、送達針６１０の管腔内に完全に留まる、封入された係止位置において示される。先に説明されるように、送達針６１０は、アンビル６４０が片持ち梁６１６の端部に支持され得る、アンビルスロット６１５を含んでもよい。いくつかの変形例では、アンビル６４０は、針先端、例えば、針斜角６１６の近位に配置され、縫合糸６３０が折畳し得る遠位空間をスロット６１５内に残し、組織穿通を補助し、（以下に説明される）縫合糸切断のための側方支持を提供してもよい。図２Ｄに示されるように、組織８０５を穿通する前に、係止管２６０は、送達針２１０にわたって遠位に平行移動され、アンカ２２０ａのブリッジ２２１中にアンビル２４０を圧接し、縫合糸アンカ２２０ａを縫合糸２３０に係止してもよい（ステップ１）。

代替として、図１０Ｂは、送達針８１０を含む縫合糸アンカ送達システム８５０が、封入され、係止解除された縫合糸アンカ８００を組織８０５を通して送達するために構成される、後者の事例の例証的実施形態を示す。図１０Ｂに示されるように、係止解除された縫合糸アンカ８００を送達するとき、縫合糸アンカ８００は、送達針８１０の管腔内に完全に、針斜角６１６における開口部からある距離離れて留まる。いくつかの変形例では、アンビル６４０は、針先端、例えば、針斜角６１６の近位に配置され、縫合糸８３０が折畳し得る遠位空間をスロット６１５内に残し、組織穿通を補助し、縫合糸切断のための側方支持を提供してもよい。

１つまたはそれを上回る縫合糸アンカ６２０、８００の送達および展開が、縫合糸アンカ内に係止される縫合糸の有無にかかわらず、図１０Ｃから１０Ｇに例証的に示される。最初に、送達針６１０、８１０は、組織８０５を通して所望される深度まで挿入されてもよい（ステップ２）。いくつかの実装では、送達（ステップ２）中、縫合糸６３０、８３０が、アンカ６２０、８００内を近位に、ならびに送達針６１０、８１０の外側を遠位に延在してもよい。いったん送達針６１０、８１０が所望される深度まで前進される（ステップ２）と、第１の縫合糸アンカ６２０、８００が、例えば、プッシュロッド２５０を用いて縫合糸アンカ６２０、８００を付勢することによって、送達針６１０、８１０の管腔から付勢され、組織層８０５の後方に展開されてもよい（ステップ３）（図１０Ｄ）。いくつかの用途では、縫合糸アンカ６２０、８００は、より厚い組織８０５の一部内に展開されてもよい。

いったん第１または任意の後続縫合糸アンカ６２０、８００が展開される（ステップ３）（図１０Ｄ）と、図１０Ｅに示されるように、送達針６１０、８１０は、組織８０５の後方から抜去されてもよい（ステップ４）。当業者は、第１の縫合糸アンカ６２０、８００が展開されている間、特に、プッシュロッド２５０によって付勢されているとき、随意の係止動作（ステップ１）および送達動作（ステップ２）が実施されるに先立って、第２の縫合糸アンカ８０１が、第１の縫合糸アンカ６２０、８００があった位置に変位されることを理解するであろう。故に、組織８０５の後方からの本デバイスの抜去後、図１０Ｆおよび１０Ｇに示されるように、第２の縫合糸アンカ８０１はすでに、針６１０、８１０の鋭的部分に重複してもよく、第２の縫合糸アンカ８０１のアンカブリッジはすでに、アンビル８１５と機械的に干渉し、アンビル８１５を半径方向に外向きに押勢してもよい。何らかの理由から、本デバイスが元々複数の縫合糸アンカで充填されない、または縫合糸アンカが続けて追加される必要がある場合、第２のまたは後続縫合糸アンカ８０１は、縫合糸アンカ８０１が針６１０、８１０の鋭的部分に重複し、縫合糸アンカ８０１のアンカブリッジがアンビル８１５と機械的に干渉し、アンビル８１５を半径方向に外向きに押勢するまで、送達針６１０、８１０の管腔内に前進されてもよい。この時点において、縫合糸６３０、８３０は、前進される縫合糸アンカ８０１中に係止される場合もあり、係止されない場合もあり、これは、ステップ２から４と併せて説明されるものと同一の様式で送達および展開されることができる状態である。

いくつかの実装では、選択的に係止可能な縫合糸アンカ６２０、８００は、縫合糸アンカ６２０、８００と類似し得るが、側方組織支持体を伴わない、１つまたはそれを上回る縫合糸ロック７００を用いて増強されてもよい。図１１Ａおよび１１Ｂを参照すると、縫合糸ロック７００は、変形可能ブリッジ７０３および１つもしくはそれを上回る縫合糸凹部７０４等の係止特徴、歯状スロット、または種々のアンカ構成に関して先に説明されるような縫合糸係止特徴の任意の組み合わせを含んでもよい。縫合糸ロック７００はまた、管腔７０５を形成してもよい。アンカブリッジ７０３および管腔７０５は、縫合糸が自由かつ摺動可能に双方向的に進行し得る、通路および機械的クリアランスを提供する。有利なこととして、ブリッジ７０３は、係止解除状態において縫合糸を摺動可能に受け入れ、係止状態において縫合糸に添着されるように構成されてもよい。縫合糸ロック７００はまた、縫合糸アンカ６２０、８００および／またはプッシュロッド２５０中に統合される対応する回転防止特徴と噛合するように構成される、オス型回転防止キー７０１およびメス型回転防止キー７０２を含んでもよい。

縫合糸ロック７００は、係止された縫合糸アンカ６２０と類似する様式で送達および展開されてもよい。例えば、いくつかの用途では、係止解除された縫合糸アンカ８００が組織８０５の遠位側上に送達および展開された後、縫合糸ロック７００は、縫合糸７３０が縫合糸ロック７００内に係止された後、組織８０５の同一側上に展開されてもよい。有利なこととして、組織層８０５の同一、例えば、遠位側上で縫合糸ロック７００を係止解除された縫合糸アンカ８００と組み合わせることは、外科医または他の医療人員が、最初に、係止解除された縫合糸アンカ８００を展開し（縫合糸７３０は自由に移動する）、次いで、縫合糸ロック７００および縫合糸７３０が相互に添着される前に、縫合糸７３０に張力をかけることを可能にする。図１１Ｂに示されるように、一連の縫合糸アンカ７２０ａ、７２０ｂおよび縫合糸ロック７００が、送達針７１０内に、縫合糸７３０の同軸部分とともに、例えば、列において含有されてもよい。図１１Ｂは、第１の縫合糸アンカ７２０ａと第２の縫合糸アンカ７２０ｂとの間に配置される縫合糸ロック７００を示しているが、これは、例証のみを目的として示されている。有利なこととして、本デバイスを使用する外科医は、医療手技が要求するように、縫合糸アンカ７２０ａ、７２０ｂ間に、０個を含む、任意の数の縫合糸ロック７００を含んでもよい。

いくつかの用途では、本手技の性質は、縫合糸に張力をかけることを要求し得、これは、例えば、組織８０５を針斜角６１６の平坦面に向かって引き込むことを要求し得る。図１０Ｈから１０Ｋに示されるように、縫合糸８３０は、組織層８０５を第２の縫合糸アンカ８０１と接触させるように、送達針８１０を通して縫合糸８３０を近位に後退させることによって、張力をかけられてもよい（図１０Ｉ）。図１０Ｊおよび１０Ｋに示されるように、第２の縫合糸アンカ８０１は、アンカのブリッジがアンビル８１５の下に留まる間、アンカ８００の遠位部分が送達針８１０の鋭的部分に重複するように、送達針８１０内のより遠位の位置に載置されてもよい。本構成では、組織８０５が、アンカ８０１の重複部分によって保護される、針斜角６１６に対して同時に引動されている間、縫合糸８３０は、針８１０およびアンカ８０１を通して抜去され、縫目に張力をかけてもよい。いったん適切な量の張力が追加されると、係止管８４０は、送達針８１０にわたって遠位に前進され、アンビル８１５と機械的に干渉し、これを半径方向に内向きに押勢し、それによって、第２の縫合糸アンカ８０１を縫合糸８３０に係止してもよい。第２の縫合糸アンカ８０１は、次いで、ステップ２から４と併せて説明されるものと同一の様式で展開されてもよい。

いったん所望される数のアンカが展開されると、縫合糸は、（本手技が要求し得るように）切断されてもよい（ステップ５）。図１０Ｌから１０Ｎを参照すると、係止管６６０は、陥凹切縁６６５を含んでもよく、これは、これが縫合糸６３０を切断することを可能にする（ステップ５）。例えば、いくつかの実施形態では、切縁６６５は、係止管６６０が遠位に前進され、次いで、その縦方向軸を中心として回転されると、円周方向に縫合糸６３０を切断するために構成されてもよい。代替実施形態では、切縁６６５は、縦方向に沿って、または縦方向および円周方向の両方に縫合糸６３０を切断するために構成されてもよい。縫合糸６３０は、切断中、円周支持のためにアンビルスロット６１５から突出してもよい、またはこれは、針斜角６１６から突出し、斜角６１６の一部によって支持されてもよい。送達針内のアンカ６２０を係止し、次いで、縫合糸６３０を切断することは、縫目を終了し、別のものを開始するために準備するとき、有利である。

代替縫合糸切断構造が、図１０Ｏに示される。本実施形態に関して、係止管６６０は、切縁６６５を含んでもよく、これは、これが送達針６１０の縫合糸切断切り欠き６６３内に配置される縫合糸６３０を切断することを可能にする（ステップ５）。有利なこととして、切縁６６５は、係止管６６０が遠位に前進されると、回転を伴わずに縦方向に縫合糸６３０を切断するために構成される。より具体的には、縫合糸６３０は、送達針６１０および／または針斜角６１６内に形成される、縫合糸切断切り欠き６６３から突出してもよい。縫合糸切断切り欠き６６３もまた、縫合糸６３０を切断することを補助するために、鋭的であってもよい。

図１０Ａから１０Ｏに詳述される縫合糸アンカおよび送達システムの実施形態は、本発明の範囲内の、可撓性内視鏡検査用途のために好適な、より長く、より可撓性の形式において実装されてもよい。より短い剛性システムが、種々の腹腔鏡下手技等のより直接的なアクセスを伴う手技において、有利に採用されてもよい。

本デバイスの例証的使用が、ここで、説明される。当業者は、例示的使用が限定ではなく、例証を目的としていることを理解するであろう。当業者はまた、本デバイスの無数の用途を理解するであろう。有利なこととして、本デバイスは、断続および連続縫合糸留置の両方のために使用され、同一デバイスが、１つまたはそれを上回る断続もしくは連続縫合糸を留置することを可能にしてもよい。

図１０Ａに描写される針送達システム６００を使用して、組織平面を接近させるための第１の例示的使用が、図１２Ａから１２Ｅに描写される。身体構造内の近位管腔８０４から、針送達システム６００は、身体構造内の第２の遠位管腔８０６中に、例えば、胃から空腸中に貫通される。管腔壁８０５ａおよび８０５ｂの所望される組織平面を横断する貫通の前後、送達システム６００内の最遠位縫合糸アンカ６２０と関連付けられる縫合糸係止構造が、送達針６１０の遠位端６１９に向かって位置するアンビル６４０によって、選択的に係合、すなわち、係止されてもよい（ステップ１および２）（図１２Ａ）。これは、縫合糸６３０を本特定の縫合糸アンカ６２０に係止する。縫合糸アンカ６２０は、係止された縫合糸とともに、次いで、針送達システム６００から前進、すなわち、展開される（ステップ３）（図１２Ｂ）。針送達システム６００は、次いで、近位管腔８０４に戻るように抜去され（ステップ４）（図１２Ｃ）、第２の遠位管腔８０６内に遠位縫合糸アンカ６２０を残してもよい。送達システム６００内の展開されないアンカ６０１、６０２の長さに沿って延設される縫合糸６３０は、張力をかけられず、針先端抜去中に送達システム６００から自由に延在する。

送達システム６００内にある次のシーケンスの縫合糸アンカ６０１は、次いで、送達針６１０の遠位先端６１９に向かって、本アンカ６０１の遠位端が送達システム６００から完全に前進されることなく（図１２Ｃ）、針先端の鋭的縁を被覆するように延在するような位置に前進されてもよい。そのような位置では、張力が、針先端に関連する外傷を引き起こすことなく、２つの管腔壁８０５ａ、８０５ｂ（図１２Ｄ）を接近させるように、送達システム６００へのある前方または安定した力とともに、摺動可能縫合糸６３０の近位側面に印加されることができる。縫合糸６３０上の張力は、オペレータによって手動で、または機械的後退機構、例えば、定力ばね搭載スプール、フィードバック制御下の電気モータ、送達システムのハンドルに取り付けられる手動動作縫合糸リール（図１４）、もしくは任意の好適な縫合糸後退機構を介して印加されてもよい。

２つの管腔壁８０５ａ、８０５ｂが所望される近接状態になるように、いったん縫合糸６３０が十分に引締されると、次のシーケンスの縫合糸アンカ６０１上またはその近傍の縫合糸係止構造は、例えば、送達システム６００の遠位端に向かって位置するアンビル６４０によって係合されてもよい（図１２Ｄ）。本係止機構は、近位管腔壁８０５ａ内またはその近傍の本第２のアンカ６０１に縫合糸６３０を係止し、それによって、２つの管腔８０４、８０６間の縫合糸張力および組織の並置を維持してもよい。第２のアンカ６０１が、次いで、展開され、縫合糸６３０は、第２の縫合糸アンカ６０１の近傍の係止位置に近接して切断されてもよい（ステップ５）。次のシーケンスの選択的に係合可能な縫合糸アンカ６０２を使用する、新しい縫合糸の留置が、次いで、上記に説明されるものと同一のステップを使用して開始されてもよい。

代替として、別の断続縫合糸が、図１２Ｅに示されるような縫合糸６３０を切断することなく開始されてもよい。有利なこととして、本手技は、複数の面積において２つの管腔壁８０５ａ、８０５ｂを接近させる、別個の緊締および係止された縫合糸アンカ間の縫合糸６３０のループ状形成を可能にしてもよい。張力が、次いで、そのようなループ状縫合糸形成に印加され、例えば、トロカールまたは他のそのようなデバイスを、近位管腔８０４から遠位管腔８０６に、接近させられた管腔壁８０５ａ、８０５ｂを通して前進させることを補助してもよい。

針送達システム６００の第２の使用は、例えば、組織欠損または穿孔を閉鎖する際に使用するための断続縫合糸を伴ってもよい。いくつかの実装では、針送達システム６００は、欠損の一方の側上の組織平面を横断して貫通される。遠位縫合糸アンカ６２０の縫合糸係止構造が、送達針６１０の遠位端６１９に向かってアンビル６４０と係合される。係止機構は、縫合糸６３０を本特定の縫合糸アンカ６２０に係止してもよい。アンカ６２０は、係止された縫合糸６３０とともに、次いで、送達針６１０から前進され、所望される場所に展開されてもよい。針６１０は、次いで、組織平面から抜去され、貫通部位を横断して、組織平面の遠位側面に係止された縫合糸６３０を伴うアンカ６２０を残してもよい。送達針６１０は、次いで、欠損の対向する側上の組織平面を横断して貫通されてもよい。次のシーケンスの（第２の）アンカ６０１は、次いで、縫合糸係止構造に係合することなく、針送達システム６００から前進されてもよく、すなわち、アンカ６０１は、係止解除されたままである。送達針６１０は、次いで、抜去され、欠損の対向する側上の、組織平面の上の遠位側面に、摺動可能縫合糸６３０を伴う本係止解除されたアンカ６０１を残してもよい。

送達システム６００内の次のシーケンスの（第３の）縫合糸アンカ６０２は、次いで、送達針６１０の遠位先端に向かって前進されてもよく、したがって、本アンカ６０２の遠位端は、送達システム６００から完全に前進されることなく、針先端の鋭的縁を被覆するように延在する。そのような位置では、張力が、針先端に関連する外傷を引き起こすことなく、欠損の２つの側面を接近させるように、摺動可能縫合糸６３０の近位側面に印加されることができる。縫合糸係止構造は、次いで、例えば、送達システム６００の遠位端６１９に向かって位置するアンビル６４０によって係合されてもよい。これは、縫合糸６３０を本アンカ６０２に係止し、それによって、アンカ６２０、６０１、および６０２間の縫合糸張力を維持し、組織欠損または穿孔の２つの側面をともに合わせ得る。第３のアンカ６０２が、次いで、展開され、縫合糸６３０は、本（第３の）アンカ６０２の係止位置に近接して切断されてもよい。新しい縫合糸６３０の留置が、次いで、開始されてもよい。

上記の方法の特定の用途が、半月板軟骨の断裂の関節鏡視下修復を伴う。図１３に示されるように、縫合糸アンカ１００４、１００５は、垂直ジグザグ構成において展開され、それぞれ、半月板軟骨１０１０内の断裂１０１１の上方に、またはそれを通して展開され、連続縫合糸１０１５を使用して連続ｚ縫目修復を形成してもよい。一連のアンカ１００４、１００５は、それらが軟骨の外面１０１２上に静止し、展開される初期アンカ１００１が係止され、展開される中間アンカ１００２が係止解除され、終端アンカ１００３の展開に先立って、ｚ縫目が引締され得るように、軟骨を通して展開されてもよい。代替として、各アンカは、係止されてもよく、縫合糸は、各アンカが展開されるにつれて引締されてもよい。

代替縫合糸構成では、縫合糸アンカ１０２１が、一連の断続縫目１０２０において展開されてもよく、両方のアンカ１０２１、例えば、断裂の上方またはそれを通したアンカは、係止される。これら両方の縫合糸構成に関して、軟骨は、半月板表面１０１２上の縫合糸のみを残し、内視鏡下で断裂の完全な閉鎖を確認するために、半月板表面からアプローチされてもよい。

別の例示的実施形態では、図１０Ａに描写される針送達システム６００は、連続縫合糸の使用を促進する。縫合糸係止構造は、針送達システム６００の遠位端に向かってアンビル６４０と係合されてもよい。本係止機構は、縫合糸６３０を最遠位アンカ６２０に係止する。針送達システム６００は、次いで、１つまたはそれを上回る組織平面８０５を横断して貫通してもよい。アンカ６２０は、係止された縫合糸６３０とともに、送達針６１０から前進、すなわち、展開され、縫合糸６３０のための第１の係留点としての役割を果たしてもよい。送達針６１０は、次いで、抜去され、貫通された組織平面を横断する係止された縫合糸６３０を伴うアンカ６２０を残してもよい。

針送達システム６００は、次いで、組織平面の別の側面を横断して貫通してもよい。次のシーケンスのアンカ６０１が、縫合糸係止機構に係合することなく、送達針６１０から前進される、すなわち、係止解除される。送達針６１０は、次いで、抜去され、組織平面の遠位側面に、第２の貫通部位を横断して、摺動可能縫合糸６３０を伴う本アンカ６０１を残してもよい。組織平面の種々の側面を横断する付加的な貫通が、必要であると見なされるとき、同一様式で成されてもよい。連続摺動可能縫合糸６３０を伴う縫合糸アンカの留置を伴う貫通が、所望に応じて、巾着、十字、ｚ型、または任意の類似するパターンにおいて成されることができる。

所望される長さおよびパターンの連続縫合糸が完成されると、最終アンカが、展開されることができる。いくつかの用途では、これは、組織平面の近位側面に位置する針送達システム６００を用いて行われてもよい。次のシーケンスの（最終）アンカは、送達針６１０の遠位先端に向かって、本アンカの遠位端が送達システム６００から完全に前進されることなく、針先端の鋭的縁を被覆するように延在するような位置に前進されてもよい。そのような位置では、張力が、針先端に関連する外傷を引き起こすことなく、縫合糸アンカ間の連続縫合糸６３０を緊締するように、摺動可能縫合糸６３０の近位側面に印加されることができる。最終アンカの縫合糸係止構造は、次いで、送達システム６００の遠位端に向かって位置するアンビル６４０と係合されてもよい。本機構は、縫合糸６３０を最終アンカに係止し、それによって、アンカ間の縫合糸張力を維持し、複数の縫合糸アンカを用いて貫通された組織平面をともに保つ。最終アンカは、次いで、展開され、縫合糸６３０は、最終アンカの係止位置に近接して切断されてもよい。新しい縫合糸６３０の留置が、次いで、開始されてもよい。

本発明の別の用途が、交互の縫合糸アンカおよび縫合糸ロックを含んでもよい。例えば、図１１Ｂを参照すると、いくつかの実施形態では、針送達システムは、各縫合糸アンカ７２０ａ、７２０ｂに続く、それらの間の単一縫合糸ロック７００を伴う、一連の交互の係止解除された縫合糸アンカ７２０ａ、７２０ｂおよび縫合糸ロック７００を特徴とする。使用時、縫合糸ロック７００は、縫合糸７３０に添着されてもよい、または係止が所望されない場合、縫合糸７３０にわたって摺動可能に取り付けられたままでもよい。係止可能な縫合糸アンカのみを採用する実施形態よりも複雑であるが、本構成は、縫合糸７３０に張力がかけられ、縫合糸ロック７００が縫合糸７３０に添着される前に、終端縫合糸アンカが送達針７１０から完全に退出することを可能にすることに有利であり得る。さらに、張力下の縫合糸アンカ７２０ａ、７２０ｂは、縫合されている組織８０５の近位または遠位いずれかの表面に、任意で留置され得る。

図１４は、縫合糸１１３０が、送達針１１１０内に少なくとも部分的に含有される一連の縫合糸アンカ１１４０、随意の縫合糸ロック、およびプッシュロッド１１２０のそれぞれの管腔を通して摺動可能に延在し得る、ハンドヘルドかつ手動で作動可能な縫合糸アンカ送達システム１１００の実施形態を描写する。いくつかの変形例では、縫合糸リール１１３５と支持ハンドル１１５０との間の引摺摩擦が、例えば、縫合糸１１３０が活発に引動されないとき、縫合糸リール１１３５が自由に急回転することを防止するために所望され得る。送達針１１１０を通して延在する縫合糸１１３０、縫合糸アンカ１１４０、随意の縫合糸ロック、およびプッシュロッド１１２０は、示されるように、利用可能な縫合糸１１３０のリザーバとしての役割を果たす縫合糸リール１１３５を、例えば、反時計回りに回転させることによって、後退されてもよい、および／または張力をかけられてもよい。縫合糸リール１１３５は、送達システム１１００を支持するユーザの手の親指による容易なアクセスのために、特に、縫合糸１１３０を後退させる、および／またはそれに張力をかけるためのリール１１３５の回転のために構成される、刻み付きサムホイール１１３６を含んでもよい。

いくつかの実装では、縫合糸１１３０上の張力は、その一部が縫合糸リール１１３５内の歯特徴に係合するための歯止めとして作用し得る、ばね装填ラチェッティングリールロック１１３７によって維持されてもよい。使用中、いくつかの用途では、縫合糸１１３０における張力は、リールロック１１３７のレバー部分を押下することによって解放され、縫合糸歯輪からリールロック１１３７の歯止め部分を係脱させ得る。有利なこととして、これは、ユーザが、送達システム１１００を抜去するとき、送達針１１１０の遠位端から弛緩した縫合糸１１３０を解放することを可能にする。

使用中、縫合糸アンカ１１４０および／または縫合糸ロックは、送達システム１１００の遠位端に向かってプッシュロッドスライダ１１２１およびプッシュロッド歯止め１１２２を前進または推進させるように構築および配列される、アンカ前進レバー１１２５、例えば、指引動ループを作動させることによって、送達針１１１０内で遠位に前進されてもよい。いくつかの実施形態では、プッシュロッドスライダ１１２１は、歯止め１１２２によって、例えば、プッシュロッド１１２０上の縦方向に離間される歯特徴に係合することによって、プッシュロッド１１２０に動作的に結合される。いくつかの変形例では、プッシュロッド１１２０は、使用および取扱中にプッシュロッド１１２０を保護するために、ハンドル１１５０の一部内に封入されてもよい。

いくつかの実装では、ハンドル１１５０はまた、プッシュロッド１１２０の近位端に遠位に位置し得る、縫合糸１１３０をプッシュロッド１１２０から縫合糸リール１１３５に指向させるように構築および配列される、縫合糸ガイド１１２３を含んでもよい。

いったん送達針１１１０内の最遠位縫合糸アンカ１１４０が、アンビル１１０５を半径方向に外向きに押勢するように十分に遠位に前進されると、縫合糸アンカ１１４０は、例えば、アンカ係止レバー１１１６によって作動される係止管１１１５を遠位に前進させることによって、縫合糸１１３０に係止されてもよい。いくつかの変形例では、係止レバー１１１６の作動は、上記の本明細書により詳細に説明されるように、係止管１１１５がアンビル１１０５を半径方向に内向きに押勢し、縫合糸１１３０を送達針１１１０内の最遠位アンカ内に係止するように、係止管１１１５に結合される係止管スライダ１１１８を遠位に前進または推進させる。触覚フィードバックによって区切られ得る、アンカ係止レバー作動の第２段階では、係止管１１１５は、切縁１１１７が縫合糸１１３０に圧接し、これを両断するように、その軸上で回転されてもよい。本発明の他の実施形態は、手動で作動される要素のそれぞれの代わりに、ロボット作動を含んでもよい。縫合糸リールのフィードバック制御、特に、触感フィードバックが、送達システムのロボット実施形態において有利であり得る。

図１５Ａから１５Ｃを参照すると、組織後退および制御のための螺旋組織制御ツール５００が、上記に説明される針送達システムと併せて示される。いくつかの実施形態では、組織制御ツール５００は、器具５０５、例えば、針送達システム６００が挿入および抜去され得る中心管腔５０４を有するカテーテル５０３に添着され、鋭利にされた遠位先端５０２を有する、螺旋コークスクリュ要素５０１を含む。そのような器具５０５はまた、組織吸引針、生検鉗子、注射針、組織接近デバイス、および寒冷療法またはＲＦ切除プローブを含んでもよい。いくつかの変形例では、螺旋先端５０２は、例えば、カテーテル５０３の近位端に印加される回転力またはトルクを用いて組織平面に係合し、反対の回転移動を用いて組織を係脱させるように構成されてもよい。

デバイス５００のシャフトは、金属、ポリマー、繊維補強合成物、または他の好適な材料から作製され得る、（腹腔鏡のための）剛性または（内視鏡のための）可撓性材料から成ってもよい。図１５Ｂに示されるような縫合糸アンカ組織並置ツール５１０を用いた使用の実施例として、螺旋コークスクリュ要素５０１の先端５０２は、第１の標的部位５０８に対して圧接され、組織欠損５０６の一方の縁中に穿通するように、例えば、時計回りに回転されてもよい。螺旋コークスクリュ要素５０１によって支持される組織を用いて、医療器具、例えば、組織並置ツール５１０が、その後、中心管腔５０４を通して、および支持される組織層を通して前進されてもよい。先に説明される技法および方法を使用して、１つまたはそれを上回る縫合糸アンカが、次いで、螺旋コークスクリュ要素５０１が組織から、例えば、反時計回りに外側に回転される前に、アンカ内に係止される縫合糸を選択的に伴ってまたは伴わずに、組織層の遠位側上に送達および展開されてもよい。

図１５Ｃに示されるように、縫合糸５０７が依然として取り付けられている、デバイス５００および組織並置ツール５１０は、次いで、組織欠損５０６の反対側上の第２の標的部位５０９に再配置されてもよい。最初に展開された縫合糸アンカから延在する縫合糸５０７を用いて、１つまたはそれを上回る付加的な縫合糸アンカまたはロックが、組織内の所望される場所に送達および展開されてもよい。

図１５Ｄを参照すると、組織制御ツール５００の代替実施形態が示される。切縁５１１が、例えば、１つまたはそれを上回る縫合糸アンカが展開された後、ツール５００が針穿通中に組織を制御することと、縫合糸５３０を分断することの両方を行い得るように、組織制御ツール５００中に統合される。いくつかの実装では、切縁５１１は、螺旋コークスクリュ要素５０１が添着される、例えば、金属の基部５１２の一部上に形成される。いくつかの変形例では、切縁５１１は、半径方向に内向きに斜角をつけられ、したがって、切縁５１１は、螺旋コークスクリュ要素５０１から防護される。

図１６は、アンカ、縫合糸ロック、縫合糸、および送達針の種々の実施形態に関する幾何学および他のパラメータの表を描写する。数量および値は、必ずしも限定ではなく、典型的な実施形態の例証であると見なされるべきである。種々の用途が、より大きいまたはより小さい構成要素および送達システムを要求し得、これらは、本発明の範囲内である。

当業者は、本発明がその精神または本質的な特性から逸脱することなく、他の特定の形態において具現化され得ることを理解するであろう。前述の実施形態は、したがって、添付される図面とともに、あらゆる点で本明細書に説明される本発明の限定ではなく、例証と見なされるべきである。

Claims (41)

1. 縫合糸係留システムであって、
   アンカの近位端から遠位端に延在する縦方向軸と、縫合糸の一部を係止するための変位可能区分とを備え、前記係止された縫合糸部分の長さが、前記縦方向軸の方向に延在する、伸長アンカ
   を備える、縫合糸係留システム。
2. 前記変位可能区分は、塑性的に変形可能な材料および弾性的に変形可能な材料のうちの少なくとも１つを含む、請求項１に記載のシステム。
3. 前記変位可能区分は、縫合糸ループと、縫合糸係止タブと、変形可能接続要素と、縫合糸係合スロットと、縫合糸係合歯と、偏向可能係止突起と、ブリッジ要素と、変形可能支柱と、片持ちタブとから成る群から選択される構造を備える、請求項１に記載のシステム。
4. 前記アンカはさらに、前記縫合糸に係合するための少なくとも１つの特徴を備える、固定区分を備える、請求項１に記載のシステム。
5. 前記少なくとも１つの特徴は、縫合糸係合スロットと、縫合糸係合歯と、固定タブとから成る群から選択される、摩擦増進特徴を備える、請求項４に記載のシステム。
6. 前記アンカはさらに、複数の組織支持体を備える、請求項１に記載のシステム。
7. 前記アンカはさらに、別のアンカの対応する回転防止キーと噛合可能な回転防止キーを備える、請求項１に記載のシステム。
8. 前記アンカはさらに、単一平面における前記アンカの回転を可能にするために、斜角遠位先端と、別のアンカの対応するコネクタと相互係止可能なコネクタとを備える、請求項１に記載のシステム。
9. 前記アンカはさらに、鋭的遠位先端および前記遠位先端に近接する鈍的肩部のうちの少なくとも１つを備える、請求項１に記載のシステム。
10. 前記アンカは、前記縫合糸を摺動可能に受け入れるための管腔を画定する、請求項１に記載のシステム。
11. 前記アンカは、前記縫合糸の一部を受け入れるための少なくとも１つの縫合糸凹部を画定する、請求項１に記載のシステム。
12. 前記縫合糸をさらに備える、請求項１に記載のシステム。
13. 前記アンカおよび前記縫合糸のうちの少なくとも１つは、生体吸収性材料を含む、請求項１２に記載のシステム。
14. 縫合糸アンカを送達するためのシステムであって、
    送達針と、
    前記送達針内でアンカを縫合糸に係止するために、前記送達針に結合される、アンビルと、
    を備える、システム。
15. 前記送達針内に位置付けられる、複数のアンカと、
    前記複数のアンカを通して摺動可能に延在する、前記縫合糸と、
    をさらに備える、請求項１４に記載のシステム。
16. 前記送達針、各アンカ、および前記縫合糸は、実質的に同軸上に整合される、請求項１５に記載のシステム。
17. 各アンカ間に破断可能コネクタをさらに備える、請求項１５に記載のシステム。
18. 各アンカは、前記アンカの近位端部および遠位端部に係脱肩部を備える、請求項１７に記載のシステム。
19. 前記送達針を通して前記複数のアンカを前進させるために、プッシュロッドをさらに備える、請求項１５に記載のシステム。
20. 前記プッシュロッドは、アンカの対応する回転防止キーと噛合可能な回転防止キーを備える、請求項１９に記載のシステム。
21. 前記縫合糸を後退させること、それに張力をかけること、およびそれを解放することのうちの少なくとも１つのための機構をさらに備える、請求項１５に記載のシステム。
22. 前記アンビルを作動させるために、前記送達針に対して移動可能な係止管をさらに備える、請求項１４に記載のシステム。
23. 前記係止管は、切縁を備える、請求項２２に記載のシステム。
24. 前記送達針は、アンカの突出するタブに係合するための縦方向スロットを画定する、請求項１４に記載のシステム。
25. 前記送達針は、鋭的遠位先端を備える、請求項１４に記載のシステム。
26. 前記送達針は、縫合糸切断切り欠きを備える、請求項１４に記載のシステム。
27. 組織を縫合するための方法であって、
    送達針内でアンカを縫合糸に係止するために、アンビルを使用するステップと、
    前記アンカを前記送達針から組織部位に展開させるステップと、
    を含む、方法。
28. 前記アンビルを使用するステップは、前記アンビルに対して係止管を変位させることによって、前記アンビルを作動させるステップを含む、請求項２７に記載の方法。
29. 前記アンビルを使用するステップは、前記アンビルを前記アンカの変位可能区分と機械的に干渉させるステップを含む、請求項２７に記載の方法。
30. 前記アンビルを前記アンカの変位可能区分と機械的に干渉させるステップは、プッシュロッドを用いて前記アンカを変位させるステップを含む、請求項２９に記載の方法。
31. 前記縫合糸を切断するために、前記係止管を変位させるステップをさらに含む、請求項２７に記載の方法。
32. 前記縫合糸を切断するために、前記係止管を変位させるステップは、前記送達針の縦方向軸に沿って、前記係止管を縦方向に移動させるステップと、前記係止管を回転させるステップとのうちの少なくとも１つを含む、請求項３１に記載の方法。
33. 前記送達針を、内視鏡の器具チャネルを通して前記組織部位に前進させるステップをさらに含む、請求項２７に記載の方法。
34. 組織層の接近、患者の体内の２つの別個の管腔の接近、前記組織部位における欠損の閉鎖、および前記組織部位における医療デバイスの固着のうちの少なくとも１つを実施するために、前記アンカおよび前記縫合糸を使用するステップをさらに含む、請求項２７に記載の方法。
35. 前記医療デバイスは、ステントと、生理学的センサと、カメラと、外科手術用メッシュとから成る群から選択される、請求項３４に記載の方法。
36. 組織係合ツールであって、
    医療器具を受容するための管腔を備える、カテーテルと、
    前記カテーテルの遠位端に結合される、切縁と、
    前記カテーテルの遠位端に結合される、螺旋コークスクリュ要素と、
    を備える、組織係合ツール。
37. 前記切縁は、半径方向に内向きに斜角をつけられる、請求項３６に記載の組織係合ツール。
38. 前記螺旋コークスクリュ要素は、組織に係合するための鋭的遠位先端を備える、請求項３６に記載の組織係合ツール。
39. 組織に係合するための方法であって、
    組織部位に近接して組織係合ツールを挿入するステップであって、前記組織係合ツールは、カテーテルと、前記カテーテルの遠位端に結合される螺旋コークスクリュ要素とを備える、ステップと、
    前記組織部位に係合するように前記螺旋コークスクリュ要素を回転させるステップと、
    その後、前記カテーテルの管腔を通して、前記組織部位に医療器具を送達するステップと、
    を含む、方法。
40. 前記カテーテルの遠位端に結合される切縁を使用して、縫合糸を切断するステップをさらに含む、請求項３９に記載の方法。
41. 前記医療器具は、組織接近デバイスと、組織吸引針と、生検鉗子と、注射針と、寒冷療法プローブと、ＲＦ切除プローブとから成る群から選択されるデバイスである、請求項３９に記載の方法。