JP2017504428A - 衝撃吸収要素を有する回転式アテレクトミーシステムおよび方法 - Google Patents
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Abstract
回転式アテレクトミーシステムは、駆動軸と、モータと、閾値トルクを有するクラッチとを含み得て、クラッチは、モータに回転接続されたモータプレートと、駆動軸に回転接続された駆動軸プレートと、モータプレートおよび駆動軸プレートを回転係合させるように構成された付勢クラッチとを含み得て、閾値トルク未満のトルクは、静摩擦によって回転結合されたままのモータプレートと駆動軸プレートとの間で完全に伝達され、閾値トルクよりも大きなトルクは、モータプレートおよび駆動軸プレートを互いに対して回転させて、残留トルクをモータと駆動軸との間に伝達し、残留トルクは、閾値トルク未満であり、動摩擦係数によって決定される。
Description
発明者
ミネソタ州ミネトンカに居住する米国民であるジョセフ・ヒギンス
ミネソタ州チャンプリンに居住する米国民であるジェフリー・アレン・マクブルーム。
ミネソタ州ミネトンカに居住する米国民であるジョセフ・ヒギンス
ミネソタ州チャンプリンに居住する米国民であるジェフリー・アレン・マクブルーム。
関連出願の相互参照
本願は、2014年3月13日に出願された米国特許出願番号第14/208478号の継続出願であり、米国特許出願番号第14/208478号は、2014年1月28日に出願された「医療機器のための衝撃吸収駆動システムのための装置、システムおよび方法(devices, systems and methods for a shock absorbing drive system for medical devices)」と題される米国仮特許出願番号第61/932409号および2013年3月15日に出願された「付勢クラッチを有する回転式アテレクトミー装置(rotational atherectomy device with biasing clutch)」と題される米国仮特許出願番号第61/787027号の利益を主張し、それらの内容は全文が引用によって本明細書に援用される。
本願は、2014年3月13日に出願された米国特許出願番号第14/208478号の継続出願であり、米国特許出願番号第14/208478号は、2014年1月28日に出願された「医療機器のための衝撃吸収駆動システムのための装置、システムおよび方法(devices, systems and methods for a shock absorbing drive system for medical devices)」と題される米国仮特許出願番号第61/932409号および2013年3月15日に出願された「付勢クラッチを有する回転式アテレクトミー装置(rotational atherectomy device with biasing clutch)」と題される米国仮特許出願番号第61/787027号の利益を主張し、それらの内容は全文が引用によって本明細書に援用される。
連邦政府による資金提供を受けた研究または開発に関する記載
適用せず
発明の背景
発明の分野
本発明は、回転式アテレクトミー装置を利用して、動脈から動脈硬化性プラークを除去するなどの身体通路から組織を除去するための装置および方法に関する。特に、本発明は、付勢クラッチおよび/または衝撃吸収要素を有する回転式アテレクトミー装置の改良に関する。
適用せず
発明の背景
発明の分野
本発明は、回転式アテレクトミー装置を利用して、動脈から動脈硬化性プラークを除去するなどの身体通路から組織を除去するための装置および方法に関する。特に、本発明は、付勢クラッチおよび/または衝撃吸収要素を有する回転式アテレクトミー装置の改良に関する。
関連技術の説明
アテレクトミーは、カテーテルの端部の装置を用いて動脈硬化性プラーク(動脈壁の内膜に蓄積する脂肪および他の物質の堆積物)を切除するまたは削り落とすことによって、閉塞した冠動脈または静脈グラフトを開放するための非外科的処置である。本願では、「研削」という用語は、このようなアテレクトミーヘッドの粉砕および/または削り取り動作を示すために用いられる。
アテレクトミーは、カテーテルの端部の装置を用いて動脈硬化性プラーク(動脈壁の内膜に蓄積する脂肪および他の物質の堆積物)を切除するまたは削り落とすことによって、閉塞した冠動脈または静脈グラフトを開放するための非外科的処置である。本願では、「研削」という用語は、このようなアテレクトミーヘッドの粉砕および/または削り取り動作を示すために用いられる。
アテレクトミーは、心臓への酸素を豊富に含んだ血液の流れを回復させるため、胸痛を緩和するため、および心臓発作を予防するために行われる。アテレクトミーは、他の内科的治療に反応を示さなかった胸痛を患う患者、ならびに、バルーン血管形成術(バルーンカテーテルを用いて動脈壁に対してプラークを平坦化する外科的処置)または冠動脈バイパスグラフト手術の候補者である一定の患者に対してなされ得る。アテレクトミーは、時には、冠動脈バイパスグラフト手術後に蓄積したプラークを除去するために行われる。
アテレクトミーは、カテーテルの遠位端に設置された回転式シェーバまたは他の装置を用いて、プラークをスライスまたは破壊する。処置の開始時に、血圧を制御して冠動脈を膨張させて血栓を予防するための薬剤が投与される。患者は、意識はあるが、鎮静剤を投与される。カテーテルが鼠径部、脚または腕の動脈に挿入され、血管を通して、閉塞した冠動脈に通される。プラークに対して切断ヘッドを位置決めし、切断ヘッドを作動させて、プラークが粉砕または吸引される。
アテレクトミーのタイプは、回転式、方向性および経管吸引式である。回転式アテレクトミーは、高速回転シェーバを用いてプラークを粉砕する。方向性アテレクトミーは、承認された最初のタイプであったが、もはや一般には使用されていない。方向性アテレクトミーは、プラークを削り取ってカテーテルの一方の側の開口に入れる。経管吸引式冠動脈アテレクトミーは、血管壁からプラークを切り離してそれをびんの中に吸い込む装置を用いる。経管吸引式冠動脈アテレクトミーは、バイパスグラフトを取除くために用いられる。
心臓カテーテル検査室において行われると、アテレクトミーは、冠動脈からのプラークの除去とも呼ばれる。それは、バルーン血管形成術の代わりに、またはバルーン血管形成術とともに使用可能である。
回転式アテレクトミーを行ういくつかの装置が開示されてきた。例えば、「方向性回転式アテレクトミーのための研削駆動軸装置(Abrasive drive shaft device for directional rotational atherectomy)」と題される、1994年11月1日にレオニード・シュターマンに対して発行された米国特許第5,360,432号は、動脈から狭窄組織を除去するための研削駆動軸アテレクトミー装置を開示しており、米国特許第5,360,432号は、引用によって全文が本明細書に援用される。当該装置は、中心管腔を有し、かつ、研削セグメントを規定するように研削材料でコーティングされたセグメントを遠位端付近に有する可撓性の細長い駆動軸を有する回転式アテレクトミー装置を含む。十分に速い回転速度では、研削セグメントは径方向に拡張して、その静止時の直径よりも大きな研削直径を削り取ることができる。このように、アテレクトミー装置は、カテーテル自体よりも大きな閉塞を除去することができる。拡張可能なヘッドを用いることは、非拡張ヘッドを用いるアテレクトミー装置に対する改良点である。このような非拡張装置では、一般に、特定の閉塞を段階的に除去する必要があり、各段階では異なるサイズのヘッドが用いられる。
米国特許第5,314,438号(シュターマン)は、一部が拡大した直径を有する回転可能な駆動軸を有する別のアテレクトミー装置であって、少なくともこの拡大直径部分のセグメントは、駆動軸の研削セグメントを規定するように研削材料で覆われている、アテレクトミー装置を示している。研削セグメントは、高速で回転させると、動脈から狭窄組織を除去することができる。
一般的なアテレクトミー装置は、非使い捨て式の制御ユニット(コントローラとも称される)に取付けおよび取外し可能な、繰返し使用できない使い捨て部分を含む。使い捨て部分は、ハンドル、カテーテル、回転可能な駆動軸および研削ヘッドなどの、生理食塩水および患者の体液にさらされる要素を含む。ハンドルは、駆動軸を回転させるタービンと、カテーテルに沿って駆動軸を長手方向に進めたり引っ込めたりすることができるノブとを含む。しばしば、当該装置は、ハンドルを始動させる足踏みスイッチを有する。
一般的な公知のアテレクトミー装置は、空気力を用いて駆動軸を駆動させ、コントローラが、ハンドル内のタービンに送達される圧縮空気の量を管理する。圧縮空気がタービンを回転させ、タービンが次いで駆動軸を回転させ、駆動軸に取り付けられた研削クラウンを回転させる。クラウンの周回運動が、狭く閉ざされたまたは閉塞した血管のチャネル開口を拡大させて広げる。
現在のところ、主に圧縮空気の供給源の必要性を置き換えるために、他のタイプの回転式アクチュエータをアテレクトミー装置に組み込むことに多大な努力が捧げられている。モータは、駆動軸に送達されるトルクを制限する方法を必要とする。例えば、駆動軸の遠位端が障害物に遭遇して動きが取れなくなると(すなわち回転を停止させると)、駆動軸が過剰に巻き上がって急に解放することがないように駆動軸に送達されるトルクを制限することが好ましい。このようなエネルギの突然の解放は、患者または装置に対して損傷を引き起こす恐れがあり、回避されるべきである。
したがって、回転式アテレクトミー装置においてモータと駆動軸との間にクラッチが必要である。
発明の簡単な概要
いくつかの実施形態では、回転式アテレクトミーシステムは、患者の血管系に挿入するための遠位端を有する細長い回転可能な可撓性の駆動軸を含み得る。駆動軸は、患者の血管系の外側にとどまる、遠位端とは反対側の近位端を含み得る。当該システムは、駆動軸を回転させるためのモータを含み得て、モータを駆動軸に結合するための衝撃吸収要素が設けられ得る。定常状態条件中は、衝撃吸収要素は、モータから駆動軸に全トルクを伝達し得る。しかし、モータと駆動軸との間の差動トルクの急増中は、衝撃吸収要素は、増大するトルクの一部を吸収し得て、同時に、駆動軸とモータとの間の機械的結合を維持してスリップを防止し得る。
いくつかの実施形態では、回転式アテレクトミーシステムは、患者の血管系に挿入するための遠位端を有する細長い回転可能な可撓性の駆動軸を含み得る。駆動軸は、患者の血管系の外側にとどまる、遠位端とは反対側の近位端を含み得る。当該システムは、駆動軸を回転させるためのモータを含み得て、モータを駆動軸に結合するための衝撃吸収要素が設けられ得る。定常状態条件中は、衝撃吸収要素は、モータから駆動軸に全トルクを伝達し得る。しかし、モータと駆動軸との間の差動トルクの急増中は、衝撃吸収要素は、増大するトルクの一部を吸収し得て、同時に、駆動軸とモータとの間の機械的結合を維持してスリップを防止し得る。
他の実施形態では、回転式アテレクトミーシステムは、特有の閾値トルクを有するクラッチを含み得て、当該クラッチは、モータに回転接続されたモータプレートと、駆動軸に回転接続された駆動軸プレートとを備え、モータプレートおよび駆動軸プレートは、平行かつ同軸であり、互いに直接長手方向に隣接して配設され、それらの間にスペースを有して長手方向に互いに近接して保持され、当該クラッチはさらに、モータプレートおよび駆動軸プレートを回転係合させるように構成された付勢クラッチを備える。
複数の実施形態が開示されているが、本発明の例示的な実施形態を示し説明する以下の詳細な説明から、本開示のその他の実施形態が当業者に明らかになるであろう。認識されるように、本開示のさまざまな実施形態は、全てが本開示の精神および範囲から逸脱することなく、さまざまな自明の局面の修正が可能である。したがって、図面および詳細な説明は、事実上、例示的であるとみなされるべきであり、限定的であるとみなされるべきではない。
明細書は、本開示のさまざまな実施形態を形成するとみなされる主題を具体的に指摘するとともに明らかにクレームする請求項で締めくくられているが、本発明は、以下の説明を添付の図面と併せ読むことによってよりよく理解されるであろう。
発明の詳細な説明
モータと駆動軸との間にクラッチを有するアテレクトミー装置が開示されている。クラッチは、2枚のプレートを含み得て、当該2枚のプレートは、一方のプレートから他方のプレートにトルクを伝達するために摩擦に依拠する。クラッチは、プレートを一緒に保持する磁気吸引垂直抗力を有し得て、または別の実施形態では、付勢機構がプレートを一緒に保持してもよい。通常使用中の場合のようにトルクが比較的低い状態では、静摩擦トルクがプレートを一緒に保持することができ、プレートはスリップなしに一緒に回転する。駆動軸の遠位端が障害物に遭遇して急停止する場合に生じるようなトルクが比較的高い状態では、当該高いトルクが最大可能静摩擦トルクを超えて、プレートがスリップする。スリップすると、プレートは、患者またはアテレクトミー装置に対する損傷を回避するのに十分に低い動摩擦トルクを伝達する。場合によっては、駆動軸の遠位端の停止に関連するトルクレベルは、ガス駆動タービンがクラッチなしに駆動軸に取り付けられる公知のアテレクトミー装置のものをまねるように選択される。他の実施形態では、トルクを伝達するために摩擦力が使用されるのではなく、可変のねじれ強さを有する付勢機構がトルクを伝達するために使用され得る。例えば、ばねがクラッチプレートを接続し得て、ばねのねじり剛性に基づいてトルクを伝達し得る。障害物に遭遇すると、可変のねじり剛性により、ばねが巻くことが可能になり得て、遠位端における過剰なトルクの印加を遅延させることが可能になり得る。したがって、この実施形態における付勢機構は、例えば速度または電流遮断器が駆動軸を停止させることを可能にし得る。
モータと駆動軸との間にクラッチを有するアテレクトミー装置が開示されている。クラッチは、2枚のプレートを含み得て、当該2枚のプレートは、一方のプレートから他方のプレートにトルクを伝達するために摩擦に依拠する。クラッチは、プレートを一緒に保持する磁気吸引垂直抗力を有し得て、または別の実施形態では、付勢機構がプレートを一緒に保持してもよい。通常使用中の場合のようにトルクが比較的低い状態では、静摩擦トルクがプレートを一緒に保持することができ、プレートはスリップなしに一緒に回転する。駆動軸の遠位端が障害物に遭遇して急停止する場合に生じるようなトルクが比較的高い状態では、当該高いトルクが最大可能静摩擦トルクを超えて、プレートがスリップする。スリップすると、プレートは、患者またはアテレクトミー装置に対する損傷を回避するのに十分に低い動摩擦トルクを伝達する。場合によっては、駆動軸の遠位端の停止に関連するトルクレベルは、ガス駆動タービンがクラッチなしに駆動軸に取り付けられる公知のアテレクトミー装置のものをまねるように選択される。他の実施形態では、トルクを伝達するために摩擦力が使用されるのではなく、可変のねじれ強さを有する付勢機構がトルクを伝達するために使用され得る。例えば、ばねがクラッチプレートを接続し得て、ばねのねじり剛性に基づいてトルクを伝達し得る。障害物に遭遇すると、可変のねじり剛性により、ばねが巻くことが可能になり得て、遠位端における過剰なトルクの印加を遅延させることが可能になり得る。したがって、この実施形態における付勢機構は、例えば速度または電流遮断器が駆動軸を停止させることを可能にし得る。
上記の段落は、単なる概要であり、決して限定的に解釈されるべきでない。いくつかの実施形態について以下でより詳細に説明する。
図1は、一般的な回転式アテレクトミー装置の概略図である。当該装置は、ハンドル部10と、偏心した拡大した研削ヘッド28を有する細長い可撓性の駆動軸20と、ハンドル部10から遠位に延びる細長いカテーテル13とを含む。駆動軸20は、当該技術分野において公知であるように、らせん状に巻き付けられたワイヤから構築され、研削ヘッド28がそこに固定的に取り付けられている。カテーテル13は、拡大した研削ヘッド28および拡大した研削ヘッド28に遠位の短いセクションを除いて、駆動軸20の長さの大半が配置される管腔を有する。駆動軸20は、駆動軸20がガイドワイヤ15上を進んで回転することを可能にする内腔も含む。冷却および潤滑溶液(一般には、生理食塩水または別の生体適合性の流体)をカテーテル13に導入するための流体供給ライン17が設けられ得る。
ハンドル10は、望ましくは、駆動軸20を高速で回転させるためのタービン(または類似の回転駆動機構)を含む。ハンドル10は、一般に、管16を通して送達される圧縮空気などの動力源に接続され得る。また、タービンおよび駆動軸20の回転速度を監視するために、一対の光ファイバケーブル25が設けられてもよく、代替的には単一の光ファイバケーブルが用いられてもよい。このようなハンドルおよび関連の機器に関する詳細は、業界において周知であり、例えばオースに対して発行された米国特許第5,314,407号に記載されており、米国特許第5,314,407号は、引用によって全文が本明細書に援用される。また、ハンドル10は、望ましくは、カテーテル13およびハンドルの本体に対してタービンおよび駆動軸20を進めたり引っ込めたりするための制御ノブ11も含む。
図1における研削要素28は、駆動軸20の遠位端付近の駆動軸20に取り付けられた、偏心した固体クラウンである。「偏心した」という用語は、本明細書では、クラウンの質量中心が駆動軸20の回転軸から離れるように横方向にずれていることを示すために用いられる。駆動軸が急速に回転すると、クラウンの質量中心がずれていることにより、駆動軸が回転するにつれてクラウンの近傍で径方向外向きに曲がり、その結果、クラウンは、それ自体の静止時の直径よりも大きな直径にわたって研削することができる。偏心した固体クラウンは、例えば2007年6月11日に出願され、2008年12月11日に米国特許出願公開番号第US2008/0306498号として公開された、「高速回転式アテレクトミー装置のための偏心した研削ヘッド(Eccentric abrading head for high-speed rotational atherectomy devices)」という題名のサッチャー等に対する米国特許出願番号第11/761,128号に詳細に開示されており、当該米国特許出願番号第11/761,128号は、引用によって全文が本明細書に援用される。
現在のところ、公知のアテレクトミー装置のガス駆動タービンを電気モータに置き換える努力がなされている。このようなモータは、回転慣性の増大などの、タービンとは異なる機械的特性を有する。本願は、主に、モータを駆動軸に接続するクラッチに向けられる。このようなクラッチは、駆動軸の遠位端が障害物に遭遇して回転を突然停止させた場合に、損害を与える量のトルクが駆動軸に送達されることをクラッチが防止するように、モータによって送達されるトルクを制限することができる。モータとは別に、図1の公知のアテレクトミー装置の他の要素の多くまたは全ては、カテーテル13と、ガイドワイヤ15と、ハンドル10の制御ノブ11と、螺旋状に巻き付けられた駆動軸20と、偏心した固体クラウン28とを含む開示されている本ヘッド構成とともに使用され得る。
図2は、モータ30、駆動軸20、およびそれらを機械的に結合するクラッチ40のブロック図である。この図および以下の図では、「モータ」は、電気モータ、ガス駆動タービン、または制御可能な量の回転を発生させる任意の好適な装置であってもよい。通常使用中は、クラッチ40が係合され、モータ30によって生じた回転は、直接駆動軸20に伝えられる。駆動軸20の遠位端が、その回転を突然停止させる閉塞に捕まるかまたは遭遇した場合には、クラッチの係合が解除され、その結果、モータ30は駆動軸の近位端を回転し続けることはない。このような回転の継続は、駆動軸を過剰に巻き上げることになり、このような巻きに関連するトルクは、場合によっては患者の血管またはアテレクトミー装置自体に損傷を与える可能性があり、これらは両方とも望ましくない結果である。
また、クラッチは、一般的には交換可能なまたは使い捨ての要素である駆動軸と、一般的には繰返し使用されるモータとの間の便利なインターフェースを提供し得る。
図3は、図2のクラッチ40の概略図である。クラッチ40は、磁気吸引力によって一緒に保持される2枚のプレート41および42を含んでいる。プレート41,42は、それらをモータ30および駆動軸20にそれぞれ回転結合するスピンドルに取り付けられている。
回転立ち上がり、一定の回転速度および回転立ち下がりを含む通常動作中は、モータと駆動軸の近位端との間のトルクの差は比較的小さい。これらの小さなトルク差では、磁気吸引力はプレート41および42を一緒に保持するのに十分であり、駆動軸の近位端はモータとともに回転される。
駆動軸の遠位端が障害物に遭遇し、突然回転を停止させると、モータと駆動軸の近位端との間のトルク差が急激に増大し、最終的には、プレートを一緒に保持している静摩擦トルクを超える。これが起こると、プレートは、互いに対して回転スリップし、スリップする際に一方のプレートから他方のプレートに動摩擦トルクを伝達する。これらの摩擦効果については、以下で詳細に説明する。
なお、トルクは、量の回転アナログ、すなわち力である。トルクは、線形の力が線形運動量の変化を生じさせるのと同様に、角運動量の変化を生じさせる。装置部品の回転慣性が動作中ずっとほぼ一定のままであるので、したがって非ゼロトルクは回転速度の変化を生じさせる。
なお、また、磁気的に一緒に保持される2枚のプレート41および42は、交換のための便利なインターフェースを提供し得る。例えば、手順が実行された後、駆動軸および関連の機械部品は、磁気的に引き付けられたプレート41および42を分離させることによって取り外され得る。プレート42は、駆動軸とともに廃棄される一方、プレート41は、モータユニットとともにとどまり、繰返し使用され得る。
図4は、典型的な手順における、駆動軸の回転速度と、駆動軸の遠位端におけるトルクとのプロットである。最初は、駆動軸は静止状態にあり、正味のトルクは存在しない。「回転立ち上がり」局面中に、モータは非ゼロトルクを駆動軸の近位端に印加し、駆動軸の回転速度が増加する。所望の回転速度に達すると、駆動軸を一定の回転速度に保つようにモータのトルクが低減される。なお、駆動軸の近位端と遠位端との間の摩擦効果に打ち勝つために、モータによって駆動軸の近位端に印加される実際のトルクは、小さいがゼロではないであろう。当該プロットは、駆動軸の遠位端におけるトルクが、駆動軸の遠位端が一定の回転速度で回転する場合に真にゼロであることを示している。「回転立ち下がり」局面中は、駆動軸の回転速度をゼロに減少させるために、モータは非ゼロトルクを反対方向に印加する。
使用中によく生じる図4に示される典型的なトルクレベルは、通常は、クラッチ40におけるプレート41,42がスリップし始める閾値未満である。通常使用中は、クラッチは係合されたままであり、プレート間の静摩擦力がプレートを一緒に保持する。駆動軸の遠位端が動きが取れなくなって回転を停止させる時などの変則的な事象時にのみ、プレートがスリップしてクラッチの係合が解除されることが望まれる。しかし、閾値を超える回転立ち上がりおよび/または回転立ち下がりトルクにより、回転立ち上がりおよび/または回転立ち下がり中にプレートがスリップし得ることが起こり得る。
現時点では、クラッチプレートがいつ一緒に保持され、クラッチプレートがいつスリップするかをよりよく理解するために摩擦力の物理的性質を検討することが有益である。
図3の実際のクラッチに見られるような2枚の回転するプレートではなく、2枚の線形のプレートについて少しの間検討する。線形のプレートは、図3のクラッチの場合のように磁気的に生成され得るか、または外部で生成され得る垂直抗力によって一緒に保持される。接触面に平行な比較的小さな力では、プレートは一緒に保持される。言い換えれば、接触面に平行に一方のプレートを軽く押すと、他方のプレートはそれに持ちこたえ、スリップはない。ハンマで打つなど、接触面に平行な比較的大きな力では、プレートはもはや一緒に保持されず、接触面に沿って互いに通り過ぎてしまう。
スリップが生じ始める閾値は、垂直抗力(すなわち磁気的または他の態様で生成される、プレートを一緒に保持する力)と静摩擦係数との積によって示される。静摩擦係数は、典型的には1未満の無次元量である。この閾値未満の力では、プレートは一緒に保持されている。この閾値よりも大きな力では、プレートはスリップする。
一例として、ゴムタイヤと路面との間のインターフェースについて検討する。タイヤがそれ自体の重力重量の影響下で単に道路上に載っている場合のような小さな垂直抗力では、路面に沿ってタイヤを引っ張ることは容易である。タイヤが車の重量を支持する場合のような大きな垂直抗力では、タイヤを道路と接触した状態に保つ摩擦力に打ち勝つことは相当困難である。実際には、大きな力では、運転状態中のブレーキに対するスラミングなどの滑りが生じるのみである。
この例から、垂直抗力(すなわちプレートを互いに引き付ける磁気的に生成される力)が、プレート間のスリップが生じ始める閾値を決定するという、我々のクラッチについての第1の一般的原理を提示することができる。
このような垂直抗力は、クラッチの設計局面において制御可能であり、プレートにおける磁性材料の横方向分布およびそれらの材料の縦方向分布によって制御され得る。例えば、磁性粒子間の長手方向の間隔が増大するにつれて垂直抗力は減少し、このような間隔は、磁性粒子を非磁性層でコーティングするなどの多くの方法で達成可能である。
2枚の線形のプレートの例に戻って、プレートが既に互いに通り過ぎてしまっている場合についてここで検討する。接触面では抵抗力が発生し、他の力が作用していなければ、当該抵抗力は、スリップ動作を減速させて、最終的には停止させるであろう。同様に、抵抗力に等しい力で、摺動するプレートを面に平行に押すと、プレート上では正味の力がなくなり、プレートはプレート間に一定の速度を維持するであろう。
抵抗力は、垂直抗力と動摩擦係数との積に等しい。動摩擦係数も、やはり典型的には1未満の無次元量である。さらに、動摩擦係数は、通常は、静摩擦係数未満である。これは、関与する滑りがない場合により大きな停止力を伝えることができる自動車のアンチロックブレーキの有効性の背後にある理由である。
重要なことに、抵抗力は、プレート間の速度に左右されることはない。プレート間にスリップがある限り、抵抗力は、プレート間の垂直抗力のみに左右される。
垂直抗力(すなわちプレートを互いに引き付ける磁気的に生成される力)が、プレートがスリップしている時に一方のプレートから他方のプレートに伝達されるトルクを決定するという、我々のクラッチについての第2の一般的原理を提示することができる。
これらの2つの一般的原理は、図5に要約されており、図5は、モータのトルク(横軸)に対する駆動軸の近位端に伝達されるトルク(縦軸)のプロットである。
クラッチが存在せず、駆動軸が直接モータに回転可能に取り付けられていれば、図5における「スリップなし」曲線は、1:1の関係でプロットの原点から右上端まで増加するであろう。言い換えれば、クラッチレス接続では、全てのモータトルクが常に駆動軸に伝達される。
クラッチが係合され、プレートが接触して互いに対してスリップしない比較的低いトルクでは、当該1:1の関係が見られる。アテレクトミーサイクルの回転立ち上がりおよび回転立ち下がり部分の最中などの通常使用の際には、モータによって生成されるトルクは、比較的低いと考えられ、そのため、クラッチは、手順の間中ずっと係合されたままである。図5におけるプロット上で、これは、(「スリップなし」と表記される)原点から右上に延びる45度分岐線に対応する。
患者および装置自体に対する損傷を防止するために、ある特定のトルク閾値においてスリップを開始させたい。この閾値は、「スリップなし」曲線の右最上点において生じ、垂直抗力に比例する。モータのトルクがこの閾値に等しくなるかまたはこの閾値を超えると、スリップが発生する。
クラッチにおけるプレート間にスリップがあると、モータの実際のトルクの大きさにかかわらず、駆動軸に伝達されるトルクは、特定の「スリップ」値を超えることはない。これは、駆動軸に伝達され得る最大トルクを制限し、患者および装置自体に対する損傷も防止する。また、この「スリップ」トルク値は、垂直抗力に比例し、本明細書では「残留」トルクと称され得る。
なお、動摩擦係数は概して静摩擦係数未満であるので、2つの曲線は、図5に示されるように交差し、「スリップなし」部分は、交点を越えて右上に延びている。
一般に、図5における曲線は、垂直抗力に比例して拡大縮小可能である。垂直抗力が例えば2倍にされると、「スリップなし」曲線は、右最上部まで延びる距離が2倍になり、「スリップ」トルク値は2倍になる。プレートにおける磁性材料の選択ならびにそれらの材料の横方向および縦方向の配置により、クラッチの設計局面中は垂直抗力は制御可能である。
図5の曲線は、トルク対トルクとしてプロットされている。駆動軸の遠位端が急停止された際にこれらのトルクがいかに遅れずに発生するかを確認するために、2つの例が図6および図7に示されている。図6は、駆動軸がガスタービンに接続され、クラッチを使用しない公知のシステムに関するものである。ガスタービンの回転慣性は、関連のトルクが患者または装置に対していかなる損傷も引き起こさないほどに十分に小さい。図7は、損傷を防止するためにクラッチを使用する電気モータなどの高回転慣性モータを使用するシステムに関するものである。特に、図7におけるピークおよび定常状態トルク値は、実際に許容可能であると決定された図6におけるものをまねるように選択される。
最初に図6を参照する。図6は、公知のガスタービンシステムの、遠位端停止事象についての時間に対する駆動軸の遠位端におけるトルクのプロットである。公知のガスタービンシステムは、クラッチを有していない。
最初は、モータも駆動軸も一緒に回転している。回転は、一定の回転速度であると想定され、そのため、駆動軸の遠位端には正味のトルクは存在しない。
次に、駆動軸の遠位端が動きが取れなくなるか、または血管内の障害物に遭遇する場合に起こるように、駆動軸の遠位端が急停止される。
急停止に続いて、駆動軸は、巻き上がり始めるか、または回転圧縮し始める。このような圧縮は、線形ばねに類似しており、圧縮されればされるほど、さらなる圧縮を伝えることが困難になる。この局面では、ドラフト軸は、基本的には回転しながらモータを「押し返し」、モータは減速する。
全ての回転エネルギがばねを回転圧縮し、ばねおよびモータがばねの最大圧縮点において停止される時点が来る。この時点で、駆動軸の遠位端は、その最大トルクを受ける。
最大圧縮に続いて、駆動軸は、「跳ね返り」、少しだけ巻きがほどける。この巻きがほどける間、モータおよび駆動軸の近位端は逆に動作する。実際には、システム内のエネルギが動的な(運動)と起こり得る(駆動軸の回転圧縮)との間で変動するので、この曲線にはいくらかの「リンギング」があり得る。「リンギング」の大半は摩擦により抑えられ、システムが静止定常状態に落ち着くにつれて当該変動はますます小さくなる。「リンギング」は、図6からは省略されている。
この定常状態において、モータは停止されるが、依然としてトルクを印加している。駆動軸も静止しているが、モータトルクにより、回転圧縮された位置で静止している。
図6の横軸全体は、およそ数ミリ秒にわたって続き得る。公知のガスタービンは、その回転速度がいつ閾値を下回るか、またはいつゼロになるかを検出し、その後モータを止める制御システムを有し得る。このような制御システムは、反応するのに特定の時間、典型的にはおよそ数秒を必要とし得る。しかし、これらの制御システムは、図6の曲線の部分に直接反応することはない。なぜなら、一般に、制御システムが反応し得るよりもはるかに急速にスパイクおよび定常状態への落ち着きが生じるからである。
図6の曲線上には、注目すべき2つのトルク値がある。第1の値は、駆動軸が最も堅く巻かれてモータが停止される時に生じるピーク値である。第2の値は、定常状態値である。これらのトルク値は両方とも、公知のガスタービン駆動アテレクトミーシステムでの使用に安全であると考えられてきた。その結果、クラッチ40は、これらの安全なトルク値のうちの一方または両方をまねるように設計され得る。
図7は、図3のクラッチを有する本発明のモータ駆動システムの、遠位端停止事象についての時間に対する駆動軸の遠位端におけるトルクのプロットである。図6と図7との間の1つの相違点は、このクラッチの構成では、クラッチの係合解除の間中ずっとモータが回転し続け、図6の公知のガスタービンでは、駆動軸とともにタービンが停止する、という点である。このモータのこのような停止は、モータの回転慣性が比較的大きいので、実現不可能である。
最初は、モータも駆動軸も一緒に回転している。回転は、一定の回転速度であると想定され、そのため、駆動軸の遠位端には正味のトルクは存在しない。クラッチが係合され、クラッチのプレート間にスリップはない。
次に、駆動軸の遠位端が急停止される。図6と同様に、遠位端の停止に関連するスパイクトルクは、図7からは省略されている。
急停止に続いて、駆動軸は、巻き上がり始めるか、または回転圧縮し始める。この局面では、ドラフト軸は、基本的には回転しながらモータを「押し返し」、モータは減速し得る。実際には、このモータの減速は、非常にわずかであり得る。なぜなら、モータの回転慣性は、特に上記のガスタービンのものと比較して相当大きい可能性があるからである。
最終的に、駆動軸の遠位端が固定されたままになり、駆動軸の近位端が巻き続けると、モータと駆動軸の近位端との間のトルク差が、超えるとクラッチプレートがスリップし始める閾値トルクに等しくなる時点に達することになる。この閾値点は、図7における曲線のピークに対応する。
ここまでの経過を図5で辿ることができる。最初に、モータおよび駆動軸が一緒に回転している間は、システムは原点にある。遠位端が停止された後、システムは、「スリップなし」曲線に沿って右上に上昇する。図7における曲線のピークである閾値点は、図5における「スリップなし」曲線の最も右上の端にある。
プレートがスリップし始めると、クラッチの係合が解除される。クラッチ40のプレート41とともに、モータは回転し続ける。しかし、他方のプレート42は、プレート41よりもゆっくりと回転し、最終的に駆動軸の近位端とともに停止して、巻きがほどける。いかなるリンギング効果もなくなり、定常状態に達すると、駆動軸は静止してわずかに巻かれ、駆動軸の近位端が静止し、プレート42が静止し、プレート41がモータとともに回転したままになり、回転しているプレート42が、駆動軸をわずかに巻かれた状態に保つのに十分なトルクを静止しているプレート41に伝達する。
本質的には、スリップモードにおいてクラッチ40によって伝達されるトルクは、ガスタービンが静止している時の図6のガスタービンのトルクに類似している。実際、クラッチ40の設計局面中に、図7の定常状態トルクが図6のものに一致するようにプレート間の磁気吸引垂直抗力が設定され得る。なぜなら、ガスタービンの定常状態トルクは、使用に安全であると考えられていたからである。代替的に、プレート間の磁気吸引垂直抗力は、ピークトルク、すなわちプレートがスリップし始めるトルク閾値(図7におけるピーク)が図6のものに一致するように設定されてもよい。さらなる代替例としては、クラッチの一方または両方の面にテクスチャリングすることによって、接触面の直径を調整することによって、および/または、クラッチにおける対向する面上の材料を調整することによって、ピークおよび定常状態トルク値が両方とも満たされてもよい。
プレート41および42は、図3では同軸および円形であるように描かれているが、他の好適な形状および向きが使用されてもよい。一方または両方の面は、任意にテクスチャ化されてもよく、これは、接触する表面積を調整することができ、インターフェースの摩擦性能に影響を及ぼし得る。また、プレート41および42は、任意に湾曲していてもよく、互いに嵌合する嵌め合い曲率を有していてもよい。例えば、一方のプレートは、特定の曲率半径を有する凸状であってもよく、他方のプレートは、同一の曲率半径を有する凹状であってもよい。
ここで図8Aを参照して、クラッチ140のさらなる実施形態が示されている。この実施形態では、クラッチ140は、互いに固定され、モータに回転結合(例えば連動)された1対のロフトフランジによって形成される境界要素141によって形成される。クラッチは、駆動軸を回転させるために使用されるハイポチューブなどの管139に固定された別のロフトフランジによって形成される境界要素142も含み得る。示されているように、境界要素141,142を介してモータから駆動軸にトルクを伝達するために、境界要素141と142との間に付勢機構144が配置され得る。境界要素141,142はロフトフランジとして記載されているが、これらの要素は、円板状のプレート、正方形のプレート、中空または中実の円筒形シリンダなどの他の形態をとってもよく、または他の形状の境界要素141,142が設けられてもよい、ということが理解されるべきである。
ここで図8Bを参照して、第1の付勢機構144Aの概略図が示されている。この実施形態では、クラッチ140の機能は、上記の磁気クラッチ40のものに非常に類似し得る。すなわち、ばね148Aまたは他の付勢機構144Aが、ロフトフランジ142Aのうちの1つの1つの面から延びていてもよく、ばね148Aが取り付けられている、フランジ142Aとは反対側のばね148Aの一端に、プレート146Aが設けられていてもよい。プレート146Aは、対向するロフトフランジ141Aの面を摩擦係合させ得る。ばね148Aは、ロフトフランジ141Aと142Aとの間の距離よりも長い弛緩長さを有し得て、したがって、ばね148Aは、ロフトフランジ141A,142A内に収まるように圧縮され得て、それによって、ロフトフランジ141Aに対してプレート146Aを押す長手方向の垂直抗力を生じさせる。上記の磁気クラッチのように、プレート146Aとロフトフランジ141Aとの間の摩擦は、プレート間の閾値トルクの伝達をサポートするのに十分であり得るが、閾値トルクを超えると(例えば駆動軸が障害物にぶつかると)、プレート146Aおよびロフトフランジ141Aはスリップし得て、それによって、トルク伝達を静摩擦の代わりに動摩擦に基づくトルクに減少させる。なお、しかし、プレート146Aおよびロフトフランジ141Aのスリップに加えて、プレートを付勢するためのばね148Aの使用は、いくらかの量のさらなるねじりの遊びをシステムにもたらし得る。したがって、駆動軸が障害物にぶつかると、いくつかの実施形態では、ばね148Aのねじり剛性が、摩擦面のスリップに先立ってハイポチューブおよびモータのいくらかの相対的回転を引き起こす可能性がある。ばね148Aはハイポチューブ139Aのロフトフランジ142Aに取り付けられるように示され、プレート146Aはモータに結合されたロフトフランジ141Aを摩擦係合させるように示されているが、逆にされてもよいということが理解されるべきである。
ここで図8Cを参照して、第2の付勢機構144Bの概略図が示されている。この実施形態では、クラッチ140の機能は、磁気クラッチのものに類似したままであり得る。この実施形態では、ロフトフランジ141Bと142Bとの間にばね148Bおよびプレート146Bを設置するのではなく、チューブ139Bに対するプレート146Bの長手方向移動を防止するために、プレート146Bがチューブ139Bに位置決めされ、固定され得る。チューブ139Bのロフトフランジ142Bは、長手方向に摺動可能であり得るが、鍵型もしくは正方形の駆動取付け具または他の相対的回転抵抗接続を介してハイポチューブ139Bに回転結合され得る。図8Bの実施形態のように、システムで利用可能なスペースよりも長い弛緩長さを有するばね148Bが設けられ得る。したがって、ばね148Bは、プレート146Bとハイポチューブ139Bのロフトフランジとの間で圧縮され得て、それによって、モータに結合されたロフトフランジ141Bに対してチューブ139Bのロフトフランジ142Bを付勢して、摩擦ベースのトルク伝達接続を生じさせる。この実施形態も、例えばクラッチのモータ側にプレート146Bおよびばね148Bを設置することによって逆にされてもよい。図8Bの実施形態のように、閾値トルクはサポートされ得るが、障害物に遭遇すると閾値トルクに打ち勝つ場合がある。しかし、図8Bの実施形態とは異なって、この実施形態ではばね148Bがトルクを伝えていないので、図8Bに設けられる遊びが利用できない。しかし、ばね138Bがトルクをロフトフランジ142Bに伝達するように回転移動および長手方向移動の両方の移動を可能にするために、プレート146Bおよびばね148Bがチューブ139Bに回転結合され得て、チューブ139Bのロフトフランジ142Bがチューブ139Bに位置決めされ得る、ということが理解される。この後者の状況では、ばね148Bからの遊びを設けることができる。
ここで図8Dを参照して、さらに別の付勢機構144Cの概略図が示されている。この実施形態では、クラッチの2つの境界要素141C,142Cは、例えばばね148Cなどの付勢機構144Cにより互いに直接固定され得る。ばね148Cは、ロフトフランジ141Cと142Cとの間に設けられたスペースに等しいか、当該スペースよりも大きいか、または当該スペースよりも小さい弛緩長さを有し得る。ばね144Cは、所定の位置では、ばね148Cがどれぐらい堅く巻かれているかに基づいて変化し得るねじれ抵抗を有し得る。したがって、駆動軸を作動させると、駆動軸を回転させるために必要なトルクとばね148Cによって供給されるねじれ抵抗との間に平衡が見つけられるまで、ばね148Cは堅く巻き上がり得る。この実施形態では、障害物に遭遇すると、ばね148Cに印加される追加のトルクにより、ばね148Cがさらに巻く可能性があり、クラッチのロフトフランジ141C,142Cが互いに対して回転することが可能になり、したがってモータからトルクを十分に伝えない。この実施形態では、クラッチによってスリップがもたらされないので、システムは、障害物に遭遇した時にモータをオフにするための速度または電流制限スイッチをさらに備え得る。しかし、駆動軸の遠位端と障害物との間の初期衝突時に、クラッチは、システム内にいくらかの遊びを可能にし、比較的高いトルクが実現されることを回避することができる。トルク、電流、電圧、減速などに基づいてモータによって与えられるトルクを解放するためのシステムについては、米国特許出願番号第12/713,558号に記載されており、その内容は全文が引用によって本明細書に援用される。
ここで図9Aを参照して、図8Dの実施形態を反映し得るブロック図およびトルクグラフが示されている。すなわち、図8Dの実施形態では、例えばスリップタイプのクラッチは設けられておらず、その代わりに、モータ30を駆動軸20に弾性結合するために衝撃吸収ばね144Cが設けられている。図9Aのブロック図は、これをブロック形式で示しており、モータ30が第1の方向に回転すると、衝撃吸収要素240がトルクを駆動軸20に直接伝達し得ることを示している。すなわち、例えば初期始動時には、駆動軸20が遭遇するねじれ摩擦/抵抗との平衡を衝撃吸収装置の弾性が見つけるまでは、衝撃吸収要素240は、初期量だけ弾性的に伸びているか、または圧縮しているか、またはせん断変形し得る。当該時点を越えると、駆動軸20が直面するねじれ抵抗が変化する状況とは別に、回転速度が任意のギアの変化によって異なるがその他の点では一致したままである平衡状態で、モータ30、衝撃吸収装置240および駆動軸20が回転し得る。
ここで図9Bを参照して、時間に対する遠位端トルクの図を検討することができる。示されているように、グラフの左側では、駆動軸20は回転しており、駆動軸20の遠位端におけるトルクはごくわずかであり得る。すなわち、先端回転に対するいくらかの抵抗が存在し得るが、我々の目的として、定常状態条件がおよそゼロの先端抵抗をもたらすものとすることができる。
駆動軸20の先端が急停止すると、駆動軸20の遠位端に印加されるトルクが増大し始め得る。すなわち、モータの回転を中断するように遮断器がすぐに作動されないと想定すると、駆動軸20の遠位端が停止するとモータ30は回転し続け得る。回転していない遠位先端および回転しているモータ30により生成されるこのさらなるトルクは、駆動軸の遠位端におけるトルクを増大させ得る。すなわち、回転しているモータ30は、衝撃吸収要素240に作用し続け得て、衝撃吸収要素240も、わずかであり得るが、当該さらなるトルクのうちのいくらかを駆動軸20に伝達することになる。モータ30が回転し続けると、さらなるトルクが衝撃吸収要素240に印加され得て、衝撃吸収要素240は、当該トルクのうちのいくらかを吸収し得るが、いくらかのさらなるトルクを駆動軸20に伝達することもし得る。その結果、駆動軸20の遠位端における衝撃吸収トルクは、図9Bにおける破線に示される慣性トルクよりも低くなり、達するのに時間がかかり得る。すなわち、非衝撃吸収状態では、駆動軸20がその完全に巻かれた非弾性状態に達して、短時間モータ30を停止させ、その運動量の損失に加えてモータの全トルクを駆動軸20を介して伝達するまで、モータ30は回転し得る。対照的に、衝撃吸収の実施形態(図8D、図10〜図13を参照)では、モータ30が停止するためにより多くの時間が与えられる。なぜなら、衝撃吸収装置240は、モータ30が停止する前により多くの回転量回転することを可能にするからである。モータ30の運動量によるトルクは、モータ30がどれぐらい急に停止するかに左右されるので、この衝撃吸収効果はピークトルクを減少させる。したがって、モータが中断されなければ、遠位先端における最終トルクは、モータ30によって印加されるトルクと同程度に高い可能性があるが、ピークにおけるトルクは、印加されるトルクよりもわずかに高いだけであり得る。
ここで図10Aを参照して、衝撃吸収システムの第1の実施形態が示され得る。示されているように、モータ30は、駆動歯車244に回転結合される回転式駆動装置242を含み得る。駆動歯車244は、テイクオフ歯車246と回転係合され得て、当該テイクオフ歯車246は、テイクオフ歯車246の回転がアテレクトミー装置の駆動軸20の回転を伝えるように駆動軸20に連動されるか、またはそうでなければ結合され得る。したがって、モータ30は駆動軸20に直接噛み合わせられてもよく、スリップクラッチは省略することができる。しかし、示されているように、駆動歯車244は、衝撃吸収駆動歯車244であってもよく、そのため、モータの回転により駆動軸20におけるトルクを増大させる前に、駆動歯車244が駆動軸20における回転に対する抵抗をわずかに吸収することができる。
図10Bにより詳細に示されているように、駆動歯車244は、モータ30の回転式駆動装置242に固定するための内部ハブ248を含み得る。歯車244は、周囲リング250も含み得て、当該周囲リング250は、好適な歯車比を提供するようにテイクオフ歯車246の歯の数とともに選択された複数の歯252を有し、駆動軸速度に対する効率的なモータ速度を可能にする。駆動歯車244のハブ248は、弾性または衝撃吸収システムによって駆動歯車244の周囲リング250に固定され得る。すなわち、例えば、示されているように、衝撃吸収システムは、ハブ248から周囲リング250の内面に概して径方向外向きに延びる複数の径方向に延びる要素254を含み得る。本実施形態では、径方向に延びる要素254は、実質的にはS字型であり得て、これらの形状が4つ存在し得る。その他の形状および数の径方向に延びる要素254が設けられてもよい。例えば、一連のスポーク、支柱、または実質的に平坦な隔壁が設けられてもよい。ハブ248を周囲リング250に弾性接続するために、その他の弾性衝撃吸収要素が設けられてもよい。
いくつかの実施形態では、駆動244歯車は、成形された形状を調整および/または変化させることによって調節可能な成形品であってもよい。他の実施形態では、歯車244の衝撃吸収部は、別の構成要素であってもよく、システムの弾性の調節または調整は、衝撃吸収部を取り外して、弾性がより高いものまたはより低いものと置換することを含み得る。
径方向に延びる要素254のS字型部分は、ハブ248から実質的に直接径方向外向きに延びる軸を有するベース256を有し得る。S字型部分は、ベース256からおよそ90度回転する湾曲部258を含み得て、そして、およそ180度Uターン部260が設けられ得る。中央横断部材202は、当該形状を横断してわずかにベース256を通り越して別のUターン部264に達し得る。さらなる90度部分266が設けられ得て、ハブ248の対応するベース256と実質的に径方向に整列される、周囲リング250の内面上の対向するベース268が設けられ得る。径方向に延びる部分254のための特定の形状について説明してきたが、径方向に延びる部分254のためのその他の形状が設けられてもよいということが理解されるべきである。
理解できるように、駆動244歯車の弾性の径方向に延びる部分254は、負荷がかかった状態で偏向し得て、ハブ248が周囲リング250に対して回転することを可能にし、それによって、停止状態においてモータ30に可能な回転を増大させる。この回転の増大は、モータ30を停止させる時間および距離を延ばすことができ、それによって、停止により駆動軸20に伝達される慣性トルクの量を減少させる。
ここで図11Aを参照して、衝撃吸収システムの別の実施形態が示されている。この実施形態では、図10Aのものと同様に、モータ30は、駆動歯車270に結合された回転式駆動装置242を含んでいる。駆動歯車は、テイクオフ歯車272と係合される。しかし、図10Aの実施形態とは異なって、このテイクオフ歯車242は、駆動軸20に連動されず、その代わりに、弾性または衝撃吸収要素274によって駆動軸20に結合され得る。したがって、モータ30の回転が駆動軸20におけるトルクを増大させようとすると、駆動軸20が受ける回転に対する抵抗を衝撃吸収要素274がわずかに吸収することができる。
図11Bにより詳細に示されているように、テイクオフ歯車272は、例えば駆動軸20上に同軸に配置され得るが、駆動軸20に対して自由に回転し得る。しかし、テイクオフ歯車272の1つの面は、コイル、ばねまたは他の付勢機構などの弾性部材274の一端と係合され得る。テイクオフ歯車272と弾性部材272との間の遷移部は、例えば座金プレートを含み得る。弾性部材274は、駆動軸20の周りに位置決めされ得て、テイクオフ歯車272から離れて自由端まで延び得る。テイクオフ歯車272に対向する弾性部材の自由端では、別の座金プレートなどの結合要素が、駆動軸をこの反対側の端部に固定し得る。弾性部材274の2つの端部は、テイクオフ歯車272および駆動軸20に溶着されてもよく、テイクオフ歯車272および駆動軸20に連動されてもよく、テイクオフ歯車272および駆動軸20にピン留めされてもよく、または例えばテイクオフ歯車272および駆動軸20に通されてもよく、または他の態様でテイクオフ歯車272および駆動軸20に固定されてもよい。したがって、駆動歯車270によるテイクオフ歯車272の回転は、弾性部材274の回転を引き起こし得て、それによって、駆動軸20の回転を引き起こす。しかし、駆動軸20が回転に対する抵抗を受ける場合、弾性部材274は、このようなトルクを駆動軸20に伝達する前にモータ30のトルクのうちのいくらかを吸収し得る。したがって、回転しているモータ30による駆動軸20に対する慣性力の影響を減少させることができる。この実施形態における弾性部材274はコイルまたはばねであるとして説明してきたが、弾性部材274は、テイクオフ歯車272と駆動軸20との間のトルク伝達の制御を可能にする弾性材料、メッシュ材料または別の材料からなる弾性の円筒形ブッシングを含んでいてもよい、ということが理解されるべきである。
ここで図12Aを参照して、さらに別の衝撃吸収装置が提供され得る。この実施形態では、図10Aおよび図11Aの実施形態とは異なって、本実施形態はベルト駆動システムであり得る。したがって、当該システムは、回転式駆動装置242を有するモータ30を含み得る。回転式駆動装置242は、回転式駆動装置242と駆動プーリ276との間で回転運動を伝達するように回転式駆動装置242に配置および連動されるか、またはそうでなければ回転式駆動装置242に結合される駆動プーリ276を有し得る。当該システムは、概して駆動プーリ276と同一面内に配置され、駆動軸20に回転結合されたテイクオフプーリ278も含み得る。この実施形態では、駆動プーリ276は、弾性ベルト280によりテイクオフプーリ278に回転結合され得る。
より詳細に、図12Bでは、ベルト280は、駆動プーリ276およびテイクオフプーリ278の周りに延びるように配置され得る。ベルト280は、2つのプーリ276,278上に比較的ぴんと張って配置され得て、それによって、各プーリの表面上のベルト280の摩擦に基づいてモータ30から駆動軸20にトルクを伝達する。駆動プーリ276が例えば図12Bにおいて時計回りに回転している時には、ベルト280の左側は、右側よりも張力レベルが高くなり得て、これは、駆動軸20またはシステムの他の下流部分に存在し得る回転に対する任意の抵抗に由来する、ということが理解されるべきである。駆動軸20が回転に対する抵抗に遭遇すると、弾性ベルト280は、システムの高張力側で伸びる可能性があり、差動トルクの増大により、システムの他方の側の張力をわずかに軽減することができる。したがって、ベルト280は、駆動軸20が回転に対する抵抗に遭遇した際にモータ30からのトルクのうちのいくらかを吸収するのに効果的であり得る。いくつかの異なるベルトの外形または断面が与えられてもよいということが理解されるべきである。いくつかの実施形態では、円形のベルト、三角形のベルト、長方形のベルト、台形のベルト、または他の形状の断面が与えられてもよい。いくつかの実施形態では、ベルト280の断面形状は、特に、内部せん断力に基づく変形によって差動トルクを吸収する能力により選択されてもよい。
ここで図13Aを参照して、衝撃吸収装置のさらに別の実施形態が提供され得る。この実施形態では、図12Aの実施形態のように、当該システムはベルト駆動システムであり得る。しかし、この特定のシステムは、鎖駆動であり得て、またはそうでなければより剛性のタイプのベルトで駆動され得る、ということが理解されるであろう。この実施形態では、モータ30の回転式駆動装置242は、例えばベルト280により駆動軸20のテイクオフプーリ278に回転結合される駆動プーリ276を含み得る。しかし、さらなるアイドラプーリが設けられてもよく、示されているように、2つのアイドラプーリ282A,282Bが設けられてもよい。図12A/図12Bのシステムのように、このシステムは、差動トルクのうちのいくらかを吸収するためにベルトに依拠し得るが、アイドラプーリ282A,282Bも弾性であってもよく、システムにおける衝撃吸収のレベルをより制御することができる。
図13Bのより詳細な図を参照して、いくつかのプーリおよびベルトが示されている。示されているように、より広い直径の駆動プーリ276のベルト外面をより小さなテイクオフプーリ278のベルト外面に接続する接線に沿って、概して当該接線に近接して、アイドラプーリ272A,272Bが配置され得る。ベルト280は、アイドラプーリ282A,282Bのそれぞれの内面の周りに引き回され得て、実質的に逆涙形のベルト経路を形成する。システムの一方の側の張力の増大によりアイドラプーリ282Aのうちの1つが所定の位置から外れ得る一方、対向する側の張力の減少によりそれぞれのアイドラプーリ282Bがベルト280で生じるいかなるゆるみも吸収し得るように、アイドラプーリ282A,282Bは、弾性的に固定された中心軸284A,284Bに位置決めされ得る。例えば、図13Bにおけるベルトが駆動プーリ276の周りを時計回りに回転している場合、ベルト280の左側部分には特定の量の張力が存在し得る一方、ベルト280の右側部分にはわずかに少ない量の張力が存在し得る。駆動軸20が障害物に遭遇すると、駆動軸20の回転に対する抵抗が増大し得て、ベルト280の左側部分の張力を増大させ、左側のアイドラプーリ282Aが外向きに引っ張られる。同様に、ベルト280の右側部分の張力が減少し得て、右側のプーリ282Bが内向きに移動していかなるゆるみも吸収することが可能になる。左側の張力の増大の量が、右側の張力の減少の量と同様であり得るので、2つのアイドラプーリ282A,282Bは、いくつかの実施形態では、共通の枠に配置され得て、その結果、左側のプーリが外向きに移動する量に等しいかまたは類似の量だけ右側のプーリが内向きに移動する。
この衝撃吸収システムは、医療機器の駆動軸に損傷を与えることなく比較的高いねじり負荷を吸収することに有利であり得る。当該装置は、駆動システム全体を停止させることなく、軸およびクラウンが回転を停止させることを可能にする負荷を吸収するための手段を提供し得る。このようなシステムがない場合には、駆動軸が衝撃吸収要素であってもよく、駆動軸は、衝撃吸収技術を使用するものよりも大幅に頑丈である必要があり得る。衝撃吸収技術を用いると、駆動軸は、衝撃負荷による強度の追加なしに、研磨部材またはクラウンを回転させる機能を実行するよう設計可能である。記載されているように、衝撃吸収部材は、モータ側に(すなわち図10A/図10Bのように)配置されてもよく、駆動ラインの駆動側に(すなわち図11A/図11Bのように)配置されてもよく、または当該部材は、駆動ラインの駆動側と被駆動側との間に(すなわち図12A/図12Bおよび図13A/図13Bのように)設置されてもよい。
本明細書に記載された本発明およびその適用例の説明は、例示的なものであり、本発明の範囲を限定することを意図したものではない。本明細書に開示されている実施形態の変更および変形が可能であり、本特許文献を検討すると、実施形態のさまざまな要素の実際的な代替例および等価物が当業者に理解されるであろう。本明細書に開示されている実施形態のこれらのおよび他の変更および変形は、本発明の範囲および精神から逸脱することなくなされることができる。
Claims (15)
- 回転式アテレクトミーシステムであって、
モータと、
前記モータと作動的に接続される駆動軸とを備え、前記モータは、前記駆動軸を回転させることができ、前記回転式アテレクトミーシステムはさらに、
前記モータおよび前記駆動軸と作動的に接続され、弾性変形できる弾性要素を備える衝撃吸収要素を備える、回転式アテレクトミーシステム。 - 前記衝撃吸収要素は、
前記モータと作動的に接続される駆動歯車を備え、前記駆動歯車は、
駆動歯車ハブと、
複数の歯を有する周囲リングと、
複数の弾性の径方向に延びる要素とを備え、前記複数の弾性の径方向に延びる要素は、前記駆動歯車ハブに作動的に接続され、前記周囲リングまで径方向に延び、負荷がかかった状態で偏向することができて前記駆動歯車ハブが前記周囲リングに対して回転することを可能にし、前記駆動歯車はさらに、
前記駆動歯車および前記駆動軸と作動的に通信するテイクオフ歯車を備える、請求項1に記載の回転式アテレクトミーシステム。 - 前記複数の弾性の径方向に延びる要素は、
前記駆動歯車ハブと接続され、前記駆動歯車ハブから実質的に直接径方向外向きに延びる軸を有するベースと、
前記周囲リングに接続され、前記ベースと実質的に径方向に整列される対向ベースと、
前記ベースと前記対向ベースとの間に接続される実質的にS字型の部分とを備える、請求項2に記載の回転式アテレクトミーシステム。 - 前記複数の弾性の径方向に延びる要素は、前記ベースおよび前記対向ベースと接続される一連のスポークまたは支柱を備える、請求項2に記載の回転式アテレクトミーシステム。
- 前記複数の弾性の径方向に延びる要素は、前記ベースおよび前記対向ベースと接続される実質的に平坦な隔壁を備える、請求項2に記載の回転式アテレクトミーシステム。
- 前記テイクオフ歯車が前記駆動軸に連動されることをさらに備える、請求項2に記載の回転式アテレクトミーシステム。
- 前記テイクオフ歯車が前記駆動軸に連動されないことをさらに備え、
前記衝撃吸収要素は、前記テイクオフ歯車と作動的に係合され、前記駆動軸と作動的に係合される弾性部材をさらに備える、請求項2に記載の回転式アテレクトミーシステム。 - 前記弾性部材は、対向する端部を備え、第1の端部は、前記テイクオフ歯車と作動的に接続され、前記対向する端部は、前記駆動軸と作動的に接続される、請求項7に記載の回転式アテレクトミーシステム。
- 前記弾性部材は、コイルまたはばねを備える、請求項7に記載の回転式アテレクトミーシステム。
- 前記弾性部材は、弾性の円筒形ブッシングを備える、請求項7に記載の回転式アテレクトミーシステム。
- 前記衝撃吸収要素は、
前記モータと作動的に接続される駆動プーリと、
前記駆動プーリおよび前記駆動軸と作動的に通信するテイクオフプーリと、
前記駆動プーリおよび前記テイクオフプーリと作動的に係合される弾性の伸縮性ベルトとを備える、請求項1に記載の回転式アテレクトミーシステム。 - 前記衝撃吸収要素は、
前記モータと作動的に接続される駆動プーリと、
前記駆動プーリおよび前記駆動軸と作動的に通信するテイクオフプーリと、
前記駆動プーリおよび前記テイクオフプーリと作動的に係合されるベルトまたはチェーンと、
前記駆動プーリとテイクオフプーリとの間に配設される少なくとも1つのアイドラプーリとを備え、前記少なくとも1つのアイドラプーリは、内面を有し、前記内面は、前記非弾性ベルトまたはチェーンと作動的に係合し、前記少なくとも1つのアイドラプーリは、弾性的に固定された軸に位置決めされ、ベルトまたはチェーンの張力の増大により所定の位置から外向きに外れるように配置される、請求項1に記載の回転式アテレクトミーシステム。 - 外面を有する前記駆動プーリと2つのアイドラプーリとをさらに備え、各アイドラプーリは、実質的に前記駆動プーリの外面と前記アイドラプーリの前記内面とを接続する接線に沿って配置され、前記非弾性ベルトまたはチェーンの形状は、逆涙形状を備える、請求項12に記載の回転式アテレクトミーシステム。
- 回転式アテレクトミー駆動軸の閉塞中に前記駆動軸の遠位端において遭遇するトルクを減少させるための方法であって、
モータを設けるステップと、
前記モータと作動的に通信し、前記モータによって高回転速度で回転されることができる駆動軸を設けるステップと、
前記モータおよび前記駆動軸と作動的に接続され、弾性変形できる弾性要素を備える衝撃吸収要素を設けるステップとを備える、方法。 - 前記衝撃吸収要素と作動的に係合されるクラッチを設けるステップをさらに備える、請求項14に記載の方法。
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