JP2017501967A - 新規なペプチド組成物 - Google Patents

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Abstract

本発明は、とりわけ、提供されるペプチドを含む新規ペプチド組成物、ならびに提供されるペプチドおよび組成物の使用方法を提供する。いくつかの実施形態では、環状ペプチドは、アミノ酸間(例えば、2個のアミノ酸のいずれかの間)の結合を含む。いくつかの実施形態では、本発明は、1つまたはそれを超える式Iのペプチドを含む組成物を提供する。いくつかの実施形態では、提供される組成物は、式Iのペプチドと、薬学的に許容され得る担体とを含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、ポリマー担体、崩壊剤、潤滑剤、溶媒または膨潤剤から選択される1つまたはそれを超える薬理学的に許容され得る賦形剤をさらに含む。

Description

背景
生物学的医薬品は、疾患治療薬の市場のますます一般的なセグメントである。生物学的製品としては、とりわけ、ワクチン、遺伝子治療ならびに天然または組換えタンパク質および/またはペプチドが挙げられる。生物製剤は、糖、タンパク質、核酸またはこれらの物質の複合的な組み合わせを含み得、多種多様な疾患、障害および症状の潜在的な治療薬として使用されている。
本発明は、とりわけ、提供されるペプチドを含む新規ペプチド組成物、ならびに提供されるペプチドおよび組成物の使用方法を提供する。
いくつかの実施形態では、本発明は、式I Ala−Xaa−Xaa−Ser−Xaa−Xaa−Cys(配列番号1)のアミノ酸配列を含むペプチドを提供する。いくつかの実施形態では、Xaa−Xaaはそれぞれ、任意のアミノ酸またはペプチド結合であり得る。いくつかの実施形態では、Xaaは、Arg、Lys、Ala、Cit(シトルリン)、Orn(オルニチン)、アセチル化Ser、Sar、D−ArgおよびD−Lysから選択される。いくつかの実施形態では、Xaaは、Val、Ala、Leu、Nle、Ile、Gly、Lys、Pro、Aib(2−アミノイソ酪酸)、Acpc(1−アミノシクロペンタンカルボン酸)およびTyrから選択される。いくつかの実施形態では、Xaaは、Ile、Ala、Leu、norLeu、ValおよびGlyから選択される。いくつかの実施形態では、Xaaは、His、Argおよび6−NH−Phe(6−アミノフェニルアラニン)から選択される。いくつかの実施形態では、前記ペプチドは、アミノ酸配列Ala−Arg−Val−Ser−Ile−His−Cys(配列番号18)を有する。いくつかの実施形態では、提供されるペプチドは、非環状ペプチドである。
いくつかの実施形態では、提供されるペプチドは、アミノ酸配列Ala−Arg−Val−Tyr−Ile−His−Pro−Phe−His(配列番号2)またはAla−Arg−Val−Ser−Ile−His−Cys−Phe−His(配列番号3)を含む。
いくつかの実施形態では、前記ペプチドは、環状ペプチドである。いくつかの実施形態では、環状ペプチドは、アミノ酸間(例えば、2個のアミノ酸のいずれかの間)の結合を含む。いくつかの実施形態では、結合は、配列番号1の位置SerおよびCysに対応する残基に位置する。いくつかの実施形態では、前記ペプチドは、プロテアーゼ耐性、血清安定性および/またはバイオアベイラビリティを増加させるための1つまたはそれを超える化学修飾を含む。
いくつかの実施形態では、本発明は、1つまたはそれを超える式Iのペプチドを含む組成物を提供する。いくつかの実施形態では、提供される組成物は、式Iのペプチドと、薬学的に許容され得る担体とを含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、ポリマー担体、崩壊剤、潤滑剤、溶媒または膨潤剤から選択される1つまたはそれを超える薬理学的に許容され得る賦形剤をさらに含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、錠剤、丸剤、カプセル、顆粒剤、シロップ、スプレー、エアロゾル、リポソーム組成物、軟膏、坐剤、インプラント、プラスターまたは徐放製剤として製剤化されている。
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、経口投与、筋肉内投与、静脈内投与、皮下投与、局所投与、経皮投与、直腸投与、膣投与、肺投与、鼻腔内投与、口腔内投与または舌下投与のために製剤化されている。
いくつかの実施形態では、本発明は、疾患、症状または障害を処置する方法であって、1つまたはそれを超える式Iのペプチド、または1つまたはそれを超える式Iのペプチドを含む組成物を、それを必要とする被験体に投与することを含む方法を提供する。
本出願で使用される「約」および「およそ」という用語は、同等のものとして使用される。約/およそにかかわらず、本出願で使用される任意の数字は、関連分野の当業者によって認識される任意の通常の変動を含むことを意味する。
本発明の他の特徴、目的および利点は、以下の詳細な説明において明らかである。しかしながら、詳細な説明は、本発明の実施形態を示すが、限定ではなく単なる例示として示されることを理解すべきである。当業者であれば、詳細な説明から、本発明の範囲内の様々な変更および修正が明らかであろう。
図1は、HUVECにおけるアンジオテンシン(1−7)(配列番号4)の用量反応曲線および各用量で刺激したBDNFレベルを示す。
図2は、HUVECにおけるPancyteの用量反応曲線および各用量で刺激したBDNFレベルを示す。
図3は、HUVECにおけるTXA301(配列番号20)の用量反応曲線および各用量で刺激したBDNFレベルを示す。
図4は、対照と比較した、HUVECにおけるアンジオテンシン(1−7)、Pancyte、TXA301(配列番号20)、フォルスコリンまたはイソプロテレノールによるBDNF刺激のグラフを示す。
図5は、HDMECにおけるアンジオテンシン(1−7)の用量反応曲線および各用量で刺激したBDNFレベルを示す。
図6は、HDMECにおけるPancyteの用量反応曲線および各用量で刺激したBDNFレベルを示す。
図7は、HUVECにおけるTXA301(配列番号20)の用量反応曲線および各用量で刺激したBDNFレベルを示す。
図8は、HUVECにおけるアンジオテンシン(1−7)、Pancyte、TXA301(配列番号20)、Ala−Arg−Val−Tyr−Ile−His−Pro(配列番号17)またはAla−Arg−Val−Ser−Ile−His−Cys(配列番号18、TXA302とも称される)を含むいくつかのアンジオテンシン(1−7)ペプチドの用量反応の複合グラフを示す。
図9は、様々な用量のAla−Arg−Val−Ser−Ile−His−Cys(配列番号18)に応じた、HUVECによるcAMP産生を示す例示的なグラフを示す。
図10は、最大7週間にわたって1日1回皮下されるビヒクル、50μg/kg TXA301(配列番号20)または50μg/kg TXA302(配列番号18)の1つに曝露したラットの前肢プレースメントテストからの例示的な結果を示す。
図11は、最大7週間にわたって1日1回皮下されるビヒクル、50μg/kg TXA301(配列番号20)または50μg/kg TXA302(配列番号18)の1つに曝露したラットの足踏み検査からの例示的な結果を示す。
図12は、最大7週間にわたって1日1回皮下されるビヒクル、50μg/kg TXA301(配列番号20)または50μg/kg TXA302(配列番号18)の1つに曝露したラットのボディースイングテストからの例示的な結果を示す。
図13は、最大7週間にわたって1日1回皮下されるビヒクル、50μg/kg TXA301(配列番号20)または50μg/kg TXA302(配列番号18)の1つに曝露したラットの神経学的スコアリングテストからの例示的な結果を示す。
図14は、最大7週間にわたって1日1回皮下されるビヒクル、50μg/kg TXA301(配列番号20)または50μg/kg TXA302(配列番号18)の1つに曝露したラットの血流比(左/右%)および血管径のレーザードップラー評価からの例示的な結果を示す。脳卒中事象の49日後に、測定を行った。
定義
本発明がより容易に理解されるように、最初に、特定の用語を以下に定義する。以下の用語および他の用語のさらなる定義は、本明細書全体を通して記載される。
アゴニスト:本明細書で使用される「アゴニスト」という用語は、目的のタンパク質の機能に対して肯定的な影響を及ぼす任意の分子を指す。いくつかの実施形態では、アゴニストは、目的のタンパク質の活性を直接的または間接的に増強し、強化し、活性化し、および/または増加させる。特定の実施形態では、アゴニストは、目的のタンパク質と直接的に相互作用する。このようなアゴニストは、例えば、タンパク質、化合物、小分子、核酸、抗体、薬物、リガンドまたは他の薬剤であり得る。
動物:本明細書で使用される「動物」という用語は、動物界の任意のメンバーを指す。いくつかの実施形態では、「動物」は、任意の発達段階におけるヒトを指す。いくつかの実施形態では、「動物」は、任意の発達段階における非ヒト動物を指す。特定の実施形態では、非ヒト動物は、哺乳動物(例えば、齧歯類、マウス、ラット、ウサギ、サル、イヌ、ネコ、ヒツジ、ウシ、霊長類および/またはブタ)である。いくつかの実施形態では、動物としては、限定されないが、哺乳動物、鳥類、爬虫類、両生類、魚類、昆虫および/または蠕虫が挙げられる。いくつかの実施形態では、動物は、トランスジェニック動物、遺伝子改変動物および/またはクローンであり得る。
およそまたは約:本明細書で使用される「およそ」または「約」という用語は、1つまたはそれを超える目的の値に適用される場合、記述された参照値と同様の値を指す。特定の実施形態では、「およそ」または「約」という用語は、特に明記しない限り、または文脈から他の点で明らかでない限り(このような数が可能な値の100%を超える場合を除いて)、記述された参照値のいずれかの方向(それを超えるまたはそれ未満)において、25%、20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%またはそれ未満の範囲に入る値の範囲を指す。
生物学的に活性:本明細書で使用される「生物学的に活性」という語句は、生物系、特に生物において活性を有する任意の薬剤の特徴を指す。例えば、生物に投与したとき、その生物に対して生物学的効果を有する薬剤は、生物学的に活性であると考えられる。特定の実施形態では、ペプチドが生物学的に活性である場合、ペプチドの少なくとも1つの生物学的活性を共有するそのペプチドの一部は、典型的には、「生物学的に活性」な一部と称される。特定の実施形態では、ペプチドは内在性の生物学的活性を有しないが、1つまたはそれを超える天然に存在するアンジオテンシン化合物の効果を阻害するペプチドは、生物学的に活性であると考えられる。
担体または賦形剤:本明細書で使用される「担体」および「賦形剤」という用語は、医薬製剤の調製のために有用な薬学的に許容され得る(例えば、ヒトへの投与のために安全および無毒性の)担体または希釈物質を指す。例示的な賦形剤としては、滅菌水、注射用静菌水(BWFI)、pH緩衝化溶液(例えば、リン酸緩衝生理食塩水)、無菌の食塩水、リンゲル液またはデキストロース溶液が挙げられる。
剤形:本明細書で使用される「剤形」および「単位剤形」という用語は、処置される患者のための治療剤の物理的な個別単位を指す。各単位は、所望の治療効果を生じさせるように計算した所定の量の活性材料を含有する。しかしながら、組成物の総投与量は、正しい医学的判断の範囲内で主治医が決定すると理解される。
投与レジメン:「投与レジメン」(または「治療レジメン」)は、その用語が本明細書で使用される場合、被験体に個々に、典型的にはある期間隔てられて投与される単位用量(代表的には、複数)のセットである。いくつかの実施形態では、所定の治療剤は、1つまたはそれを超える用量を必要とし得る推奨された投与レジメンを有する。いくつかの実施形態では、投与レジメンは、複数の用量(そのうちの各々は、同じ長さの期間互いから隔てられている)を含む;いくつかの実施形態では、投与レジメンは、複数の用量および個々の用量を隔てる少なくとも2つの異なる期間を含む。いくつかの実施形態では、治療剤は、所定の期間にわたって連続投与される。いくつかの実施形態では、治療剤は、1日1回(QD)または1日2回(BID)投与される。
機能的等価物または誘導体:本明細書で使用される「機能的等価物」または「機能的誘導体」という用語は、本来の配列の生物学的活性(機能的または構造的)と実質的に同様である生物学的活性(機能的または構造的)を保持する分子を意味する。機能的誘導体または等価物は、天然誘導体であり得るか、または合成的に調製される。例示的な機能的誘導体は、タンパク質の生物学的活性が保存される限り、1つまたはそれを超えるアミノ酸の置換、欠失または付加を有するアミノ酸配列を含む。置換するアミノ酸は、望ましくは、置換されるアミノ酸の物理化学的特性と同様の物理化学的特性を有する。望ましい同様の物理化学的特性は、電荷、かさ高性、疎水性、親水性などにおける類似性を含む。
改善する、増加させる、または減少させる:本明細書で使用される「改善する」、「増加させる」または「減少させる」という用語または文法的等価物は、ベースライン測定、例えば、本明細書に記載される処置の開始前の同じ個体における測定、または本明細書に記載される処置の非存在下での対照個体(または複数の対照個体)における測定と比較した値を示す。「対照個体」は、(処置される個体および対照個体における疾患の段階が確実に比較可能であるために)処置される個体とほぼ同じ年齢の、処置される個体と同じ形態の疾患に罹患している個体である。
インビトロ:本明細書で使用される「インビトロ」という用語は、多細胞生物内ではなく人工環境(例えば、試験管内または反応容器内、細胞培養液中など)で起こる事象を指す。
インビボ:本明細書で使用される「インビボ」という用語は、多細胞生物、例えば、ヒトおよび非ヒト動物内で起こる事象を指す。細胞系との関連において、この用語は、(例えば、インビトロ系とは対照的に)生細胞内で起こる事象を指すために使用され得る。
単離された:本明細書で使用される「単離された」という用語は、(1)(天然および/または実験状況にかかわらず)それが最初に生成された際に結合していた成分の少なくとも一部から分離されており、ならびに/または(2)人の手によって生成、調製および/もしくは製造された物質および/または実体を指す。単離された物質および/または実体は、それらが最初に結合していた他の成分の少なくとも約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約95%、約98%、約99%、実質的に100%または100%から分離され得る。いくつかの実施形態では、単離された作用物質は、約80%超、約85%超、約90%超、約91%超、約92%超、約93%超、約94%超、約95%超、約96%超、約97%超、約98%超、約99%超、実質的に100%または100%純粋である。本明細書で使用される物質は、それが他の成分を実質的に含まない場合に「純粋」である。本明細書で使用される「単離された細胞」という用語は、多細胞生物内に含まれない細胞を指す。
予防する:本明細書で使用される「予防する」または「予防」という用語は、疾患、障害および/または症状の発生に関連して使用される場合、疾患、障害および/または症状を発症するリスクを減少させることを指す。「リスク」の定義を参照のこと。
ポリペプチド:本明細書で使用される「ポリペプチド」という用語は、ペプチド結合を介して互いに連結されたアミノ酸の連続する鎖を指す。この用語は、任意の長さのアミノ酸鎖を指すために使用されるが、当業者であれば、この用語が、長い鎖に限定されず、ペプチド結合を介して互いに連結された2つのアミノ酸を含む最小の鎖を指し得ることを理解するであろう。当業者に公知であるように、ポリペプチドは、プロセシングおよび/または修飾され得る。
タンパク質:本明細書で使用される「タンパク質」という用語は、個別の単位として機能する1つまたはそれを超えるポリペプチドを指す。単一のポリペプチドが個別の機能単位であり、個別の機能単位を形成するために、他のポリペプチドと永続的なまたは一時的な物理的関連を必要としない場合、「ポリペプチド」および「タンパク質」という用語は、互換的に使用され得る。個別の機能単位が、互いに物理的に関連する複数のポリペプチドから構成される場合、「タンパク質」という用語は、物理的にカップリングされている複数のポリペプチドであって、個別の単位として共に機能する複数のポリペプチドを指す。
リスク:文脈から理解されるように、疾患、障害および/または症状の「リスク」は、特定の個体が疾患、障害および/または症状(例えば、ハンチントン病、レット症候群または脳卒中)を発症する可能性を含む。いくつかの実施形態では、リスクは、パーセンテージとして表される。いくつかの実施形態では、リスクは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、最大100%である。いくつかの実施形態では、リスクは、参照サンプルまたは参照サンプル群に関連するリスクに対する相対リスクとして表される。いくつかの実施形態では、参照サンプルまたは参照サンプル群は、疾患、障害、症状および/または事象(例えば、ハンチントン病、レット症候群または脳卒中)の公知のリスクを有する。いくつかの実施形態では、参照サンプルまたは参照サンプル群は、特定の個体と比較可能な個体に由来する。いくつかの実施形態では、相対リスクは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10またはそれを超える。
安定性:本明細書で使用される「安定」という用語は、治療剤が、その治療有効性(例えば、その意図される生物学的活性および/または生理化学的完全性の全部または大部分)を長期間維持する能力を指す。治療剤の安定性、およびこのような治療剤の安定性を維持する医薬組成物の性能は、長期間(例えば、少なくとも1カ月間、3カ月間、6カ月間、12カ月間、18カ月間、24カ月間、30カ月間、36カ月間またはそれを超える期間)評価され得る。特定の実施形態では、本明細書に記載される医薬組成物は、それと共に製剤化された1つもしくはそれを超える治療剤を安定化するか、またはあるいはこれらの分解を遅延もしくは防止することができるように製剤化されている。製剤との関連において、安定製剤は、その中の治療剤が、保存時およびプロセス(例えば、冷凍/解凍、機械的混合および凍結乾燥)の間にその物理的および/または化学的完全性ならびに生物学的活性を本質的に保持しているものである。
被験体:本明細書で使用される「被験体」という用語は、ヒトまたは任意の非ヒト動物(例えば、マウス、ラット、ウサギ、イヌ、ネコ、ウシ、ブタ、ヒツジ、ウマまたは霊長類)を指す。ヒトは、出生前および出生後の形態を含む。多くの実施形態では、被験体は、ヒトである。被験体は、患者(これは、疾患の診断または処置のために医療提供者に提示されるヒトを指す)であり得る。「被験体」という用語は、本明細書では「個体」または「患者」と互換的に使用される。被験体は、疾患もしくは障害に罹患し得るか、または疾患もしくは障害にかかりやすいが、疾患もしくは障害の症候を示してもよいし、または示さなくてもよい。
実質的に:本明細書で使用される「実質的に」という用語は、目的の特徴または特性の全部またはほぼ全部の程度または度合いを示す定性的状態を指す。生物学分野の当業者であれば、生物学的現象および化学的現象が、仮にあるとしても、ほとんど完結せず、および/または完全に進行せず、または絶対的な結果を達成および回避しないことを理解するであろう。したがって、「実質的に」という用語は、本明細書では、多くの生物学的現象および化学的現象に固有の完全性の潜在的な欠如をとらえるために使用される。
患っている:疾患、障害および/または症状を「患っている」個体は、疾患、障害および/もしくは症状であると診断されているか、または疾患、障害および/もしくは症状の1つまたはそれを超える症候を示す。
かかりやすい:疾患、障害および/または症状に「かかりやすい」個体は、疾患、障害および/または症状であると診断されていない。いくつかの実施形態では、疾患、障害および/または症状にかかりやすい個体は、疾患、障害および/または症状の症候を示し得ない。いくつかの実施形態では、疾患、障害、症状または事象にかかりやすい個体は、以下の1つまたはそれよりも多くを特徴とし得る:(1)疾患、障害および/または症状の発症に関連する遺伝子変異;(2)疾患、障害および/または症状の発症に関連する遺伝子多型;(3)疾患、障害および/または症状に関連するタンパク質の発現および/または活性の増加および/または減少;(4)疾患、障害、症状および/または事象の発症に関連する習慣および/またはライフスタイル;(5)移植を受けており、移植を受ける予定であり、または移植を必要としている。いくつかの実施形態では、疾患、障害および/または症状にかかりやすい個体は、疾患、障害および/または症状を発症するであろう。いくつかの実施形態では、疾患、障害および/または症状にかかりやすい個体は、疾患、障害および/または症状を発症しないであろう。
治療有効量:本明細書で使用される治療剤の「治療有効量」という用語は、疾患、障害および/もしくは症状を患っているか、または疾患、障害および/もしくは症状にかかりやすい被験体に投与した場合に、疾患、障害および/または症状の症候を処置し、診断し、予防し、および/またはその発症を遅延するのに十分な量を意味する。当業者であれば、治療有効量は、典型的には、少なくとも1つの単位用量を含む投与レジメンによって投与されると認識するであろう。
処置すること:本明細書で使用される「処置する」、「処置」または「処置すること」という用語は、特定の疾患、障害および/または症状の1つまたはそれを超える症候または特徴を部分的にまたは完全に軽減し、寛解し、緩和し、阻害し、予防し、その発症を遅延し、その重症度を軽減し、および/または発生率を減少させるために使用される任意の方法を指す。処置は、疾患に関連する病態を発症するリスクを減少させる目的のために、疾患の兆候を示さず、および/または疾患の初期兆候のみを示す被験体に投与され得る。
特定の実施形態の詳細な説明
本発明は、とりわけ、新規ペプチド、これらのペプチドの1つまたはそれよりも多くを含む組成物、ならびに1つもしくはそれを超える疾患、障害および/もしくは症状を処置するための、または1つもしくはそれを超える疾患、障害および/もしくは症状のリスクを減少させるための方法であって、提供されるペプチドおよび/または組成物を投与することを含む方法を提供する。
以下のセクションでは、本発明の様々な態様を詳細に説明する。セクションの用途は、本発明を限定することを意味しない。各セクションは、本発明の任意の態様に適用し得る。本出願では、「または」の使用は、特に断りのない限り、「および/または」を意味する。
提供されるペプチド
本明細書で使用される「ペプチド」および「ポリペプチド」は交換可能な用語であり、ペプチド結合によって互いに結合した2つまたはそれを超えるアミノ酸を指す。本明細書で使用される「ペプチド」および「ポリペプチド」という用語は、非環状(例えば、直鎖状)ペプチドおよび環状ペプチドの両方を含む。
いくつかの実施形態では、本発明は、式I:
Ala−Xaa−Xaa−Ser−Xaa−Xaa−Cys(配列番号1)のアミノ酸配列を含むポリペプチドを提供する。
いくつかの実施形態では、Xaa−Xaaはそれぞれ、任意のアミノ酸またはペプチド結合であり得る。いくつかの実施形態では、Xaaは、Arg、Lys、Ala、Cit(シトルリン)、Orn(オルニチン)、アセチル化Ser、Sar、D−ArgおよびD−Lysから選択され;Xaaは、Val、Ala、Leu、Nle、Ile、Gly、Lys、Pro、Aib(2−アミノイソ酪酸)、Acpc(1−アミノシクロペンタンカルボン酸)およびTyrから選択され;Xaaは、Ile、Ala、Leu、norLeu、ValおよびGlyから選択され;Xaaは、His、Argおよび6−NH2−Phe(6−アミノフェニルアラニン)から選択される。
いくつかの実施形態では、本発明は、アミノ酸配列Ala−Arg−Val−Ser−Ile−His−Cys(配列番号18)を含むペプチドを提供する。
いくつかの実施形態では、提供されるペプチドは、Mas受容体のリガンドである。Mas受容体は、7つの膜貫通領域を含有するGタンパク質共役型受容体である。本明細書で使用される「アンジオテンシン−(1−7)受容体」という用語は、Gタンパク質共役型Mas受容体を包含する。
機能的等価物、類似体または誘導体
いくつかの実施形態では、提供されるペプチドは、式Iのペプチドの機能的等価物である。本明細書で使用される場合、式Iのペプチドの機能的等価物は、式Iのペプチドとアミノ酸配列同一性を共有する任意のペプチドであって、参照ペプチドと実質的に同一または類似の活性を保持する任意のペプチドである。例えば、いくつかの実施形態では、本明細書に記載される式Iのペプチドの機能的等価物は、本明細書に記載される方法または当技術分野で公知の方法を使用して決定した場合に、脳由来神経栄養因子(BDNF)刺激活性を有する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される式Iのペプチドの機能的等価物は、本明細書に記載される様々なアッセイまたは当技術分野で公知の様々なアッセイを使用して決定した場合に、アンジオテンシン−(1−7)受容体(例えば、Gタンパク質共役型Mas受容体)に結合し得るか、またはこれを活性化し得る。いくつかの実施形態では、提供されるペプチドは、非環状ペプチドである。
典型的には、式Iのペプチドの機能的等価物は、参照ペプチドに見られるアミノ酸由来の少なくとも3個(例えば、少なくとも4個、少なくとも5個、少なくとも6個、少なくとも7個)のアミノ酸であって、それらが参照ペプチドに見られるのと同じ相対位置および/または間隔を維持する少なくとも3個(例えば、少なくとも4個、少なくとも5個、少なくとも6個、または少なくとも7個)のアミノ酸を含む配列を含有する。いくつかの実施形態では、参照ペプチドは、天然に存在するAng−(1−7)、Asp−Arg−Val−Tyr−Ile−His−Pro(配列番号4)である。
いくつかの実施形態では、式Iのペプチドの機能的等価物はまた、参照ペプチドのアミノ酸配列と少なくとも50%(例えば、少なくとも60%、70%、80%、または90%)同一の配列を含有する任意のペプチドを包含する。アミノ酸配列同一性の割合は、アミノ酸配列のアラインメントによって決定することができる。アミノ酸配列のアラインメントは、例えば、公的に利用可能なコンピュータソフトウェア、例えば、BLAST、ALIGNまたはMegalign(DNASTAR)ソフトウェアを使用して、当技術分野の範囲内である様々な方法で達成することができる。当業者であれば、比較される配列の完全長にわたり最大アラインメントを達成するのに必要とされる任意のアルゴリズムを含む、アラインメントを測定するための適切なパラメータを決定することができる。好ましくは、WU−BLAST−2ソフトウェアを使用して、アミノ酸配列同一性を決定する(Altschulら、Methods in Enzymology 266,460−480(1996);http://blast.wustl/edu/blast/README.html)。WU−BLAST−2は、いくつかの探索パラメータを使用し、これらの大部分はデフォルト値に設定する。調節可能なパラメータは、以下の値で設定する。オーバーラップスパン=1、オーバーラップフラクション=0.125、ワード閾値(T)=11。HSPスコア(S)およびHSP S2パラメータは動的な値であり、特定の配列の組成によってプログラム自体によって確立されるが、しかしながら、最小値は調節してもよく、上で示したように設定する。
いくつかの実施形態では、式Iのペプチドの機能的等価物、類似体または誘導体は、参照ペプチドの断片である。いくつかの実施形態では、式Iのペプチドの機能的等価物、類似体または誘導体は、参照ペプチドと比較してアミノ酸の置換、欠失および/または挿入を含有する。いくつかの実施形態では、機能的等価物、類似体または誘導体は、置換、付加、および/または欠失によってアミノ酸配列を改変することによって作製することができる。例えば、Ala−Arg−Val−Ser−Ile−His−Cys(配列番号18)の配列内の1つまたはそれを超えるアミノ酸残基は、機能的等価物として作用する同様の極性の別のアミノ酸で置換することができ、サイレント改変がもたらされる。配列内のアミノ酸の置換は、アミノ酸が属するクラスの他のメンバーから選択し得る。例えば、正に荷電した(塩基性)アミノ酸としては、アルギニン、リシン、およびヒスチジンが挙げられる。非極性(疎水性)アミノ酸としては、ロイシン、イソロイシン、アラニン、フェニルアラニン、バリン、プロリン、トリプトファン、およびメチオニンが挙げられる。非荷電極性アミノ酸としては、セリン、トレオニン、システイン、チロシン、アスパラギン、およびグルタミンが挙げられる。負に荷電した(酸)アミノ酸としては、グルタミン酸およびアスパラギン酸が挙げられる。アミノ酸グリシンは、非極性アミノ酸ファミリーまたは非荷電(中性)極性アミノ酸ファミリーに含まれ得る。アミノ酸のファミリー内で行われる置換は一般に、保存的置換であると理解される。例えば、ペプチド阻害剤のアミノ酸配列は、修飾または置換することができる。
式Iのペプチドの機能的等価物、類似体および誘導体の例は、以下の「例示的なペプチド」という表題のセクションに記載されている。
様々な実施形態によれば、提供されるペプチドは、任意の長さのものであり得る。いくつかの実施形態では、本発明のペプチドは、例えば5〜50個または5〜25個のアミノ酸残基、例えば、5〜20個、5〜15個または5〜10個のアミノ酸残基を含有し得る。いくつかの実施形態では、本発明のペプチドは、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、20個、21個、22個、23個、24個、25個、30個、35個、40個、45個または50個の残基を含有する。
いくつかの実施形態では、式Iのペプチドは、プロテアーゼ耐性、血清安定性および/またはバイオアベイラビリティを増加させる1つまたはそれを超える修飾を含有する。いくつかの実施形態では、適切な修飾は、ペグ化、アセチル化、グリコシル化、ビオチン化、D−アミノ酸および/もしくは非天然アミノ酸による置換、ならびに/またはペプチドの環化から選択される。
本明細書で使用されるその最も広い意味での「アミノ酸」という用語は、ポリペプチド鎖中に組み込むことができる任意の化合物および/または物質を指す。特定の実施形態では、アミノ酸は、一般構造HN−C(H)(R)−COOHを有する。特定の実施形態では、アミノ酸は、天然に存在するアミノ酸である。特定の実施形態では、アミノ酸は、合成または非天然アミノ酸(例えば、α,α−二置換アミノ酸、N−アルキルアミノ酸)である;いくつかの実施形態では、アミノ酸は、D−アミノ酸である;特定の実施形態では、アミノ酸は、L−アミノ酸である。「標準アミノ酸」は、両方とも天然でペプチド中に組み込まれているL−アミノ酸およびD−アミノ酸の両方を含む天然に存在するペプチドにおいて一般に見出される20種の標準アミノ酸のいずれかを指す。「非標準」または「非通常アミノ酸」は、これが合成的に調製されるか、または天然源から得られるかにかかわらず、標準アミノ酸以外の任意のアミノ酸を指す。本明細書で使用される「合成または非天然アミノ酸」は、限定されないが、塩、アミノ酸誘導体(例えば、アミド)、および/または置換を含む、化学修飾アミノ酸を包含する。ペプチド中のアミノ酸(カルボキシ末端アミノ酸および/またはアミノ末端アミノ酸を含む)は、メチル化、アミド化、アセチル化、および/またはその活性に悪影響を与えることなくペプチドの循環半減期を変化させることができる他の化学基による置換によって修飾することができる。非通常または非天然アミノ酸の例としては、限定されないが、シトルリン、オルニチン、ノルロイシン、ノルバリン、4−(E)−ブテニル−4(R)−メチル−N−メチルトレオニン(MeBmt)、N−メチル−ロイシン(MeLeu)、アミノイソ酪酸、スタチンおよびN−メチル−アラニン(MeAla)が挙げられる。アミノ酸は、ジスルフィド結合に関与し得る。「アミノ酸」という用語は、「アミノ酸残基」と互換的に使用され、遊離アミノ酸および/またはペプチドのアミノ酸残基を指し得る。これが遊離アミノ酸、またはペプチドの残基を指すかは、この用語が使用されている文脈から明らかである。
特定の実施形態では、式Iのペプチドは、1つまたはそれを超えるL−アミノ酸、D−アミノ酸および/または非天然アミノ酸を含有する。
天然に存在するアミノ酸のみを含有するペプチドに加えて、ペプチド模倣物またはペプチド類似体も本発明によって包含される。ペプチド類似体は、テンプレートペプチドの特性と類似の特性を有する、医薬品産業における非ペプチド薬物として一般に使用される。非ペプチド化合物は、「ペプチド模倣物」またはペプチド模倣物と称される(Fauchereら、Infect.Immun.54:283−287(1986);Evansら、J.Med.Chem.30:1229−1239(1987))。治療的に有用なペプチドと構造的に関連するペプチド模倣物を使用して、同等なまたは増強された治療効果または予防効果を生成し得る。一般に、ペプチド模倣物は、パラダイムポリペプチド(すなわち、生物学的活性または薬理活性を有するポリペプチド)、例えば、天然に存在する受容体結合ポリペプチドと構造的に同様であるが、当技術分野で周知の方法によって、連結、例えば、−CHNH−、−CHS−、−CH−CH−、−CH=CH−(cisおよびtrans)、−CHSO−、−CH(OH)CH−、−COCH−などによって場合により置換されている1つまたはそれを超えるペプチド結合を有する(Spatola,Peptide Backbone Modifications,Vega Data,1(3):267(1983);Spatolaら、Life Sci.38:1243−1249(1986);Hudsonら、Int.J.Pept.Res.14:177−185(1979);およびWeinstein.B.,1983,Chemistry and Biochemistry,of Amino Acids,Peptides and Proteins,Weinstein eds,Marcel Dekker,New−York,)。このようなペプチド模倣物は、より経済的な生成、より大きな化学的安定性、増強された薬理学的特性(例えば、半減期、吸収、効力、効率など)、抗原性の減少および他を含む、天然に存在するポリペプチドを上回る有意な利点を有し得る。
提供されるペプチドはまた、その誘導体がペプチドの所望の機能的活性を保持する限り、通常ペプチドの一部ではないさらなる化学的部分を含有する他のタイプのペプチド誘導体を含む。このような誘導体の例としては、(1)アミノ末端の、または別の遊離アミノ基のN−アシル誘導体であって、アシル基は、アルカノイル基(例えば、アセチル、ヘキサノイル、オクタノイル)、アロイル基(例えば、ベンゾイル)またはブロック基、例えば、F−moc(フルオレニルメチル−O−CO−)であり得る;(2)カルボキシ末端の、または別の遊離カルボキシもしくはヒドロキシル基のエステル;(3)アンモニアまたは適切なアミンとの反応によって生成される、カルボキシ末端の、または別の遊離カルボキシル基のアミド;(4)リン酸化誘導体;(5)抗体または他の生物学的リガンドにコンジュゲートした誘導体、および他のタイプの誘導体;ならびに(6)ポリエチレングリコール(PEG)鎖とコンジュゲートした誘導体が挙げられる。
提供されるペプチドは、合成(例えば、独占的固相合成、部分的固相合成、断片縮合、古典的な溶液合成、ネイティブ化学的ライゲーション)および組換え技術を含む、当業者には公知のペプチド合成の任意の方法によって得られ得る。例えば、ペプチドまたはペプチド誘導体は、簡潔に言えば、C末端アミノ酸のカルボキシル基を樹脂(例えば、ベンズヒドリルアミン樹脂、クロロメチル化樹脂、ヒドロキシメチル樹脂)にカップリングし、N−α保護されたアミノ酸を連続的に加えることからなる固相ペプチド合成によって得ることができる。保護基は、当技術分野で公知の任意のこのような基であり得る。新たな各アミノ酸を成長中の鎖に付加する前に、鎖に付加された先のアミノ酸の保護基を除去する。このような固相合成は、例えば、Merrifield,J.Am.Chem.Soc.85:2149(1964);Valeら、Science 213:1394−1397(1981)、米国特許第4,305,872号および米国特許第4,316,891号、Bodonskyら、Chem.Ind.(London),38:1597(1966);ならびにPietta and Marshall,Chem.Comm.650(1970)by techniques reviewed in Lubellら、“Peptides”Science of Synthesis 21.11,Chemistry of Amides.Thieme,Stuttgart,713−809(2005)に開示されている。適切な樹脂へのアミノ酸のカップリングはまた当技術分野で周知であり、米国特許第4,244,946号(Houver−Weyl,Methods of Organic Chemistry.Vol E22a.Synthesis of Peptides and Peptidomimetics,Murray Goodman,Editor−in−Chief,Thieme.Stuttgart.New York 2002に概説されている)に開示されている。
他に定義しない限り、本明細書で使用される科学および技術用語ならびに命名法は、本発明が属する当業者が一般に理解するような同じ意味を有する。一般に、細胞培養、感染、分子生物学の方法などの手順は、当技術分野で使用される一般の方法である。このような標準的な技術は、参照マニュアル、例えば、Ausubelら、Current Protocols in Molecular Biology,Wiley Interscience,New York,2001;およびSambrookら、Molecular Cloning:A Laboratory Manual,3rdedition,Cold Spring Harbor Laboratory Press,N.Y.,2001に見られ得る。
提供されるペプチドの任意の調製プロセスの間に、関与している分子のいずれか上の感受性反応性基を保護することが望ましい場合がある。これは、通常の保護基の手段、例えば、Protective Groups In Organic Synthesis by T.W.Greene&P.G.M.Wuts,1991,John Wiley and Sons,New−York;およびPeptides:chemistry and Biology by Sewald and Jakubke,2002,Wiley−VCH,Wheinheim p.142に記載されているものなどによって達成し得る。例えば、αアミノ保護基としては、アシルタイプの保護基(例えば、トリフルオロアセチル、ホルミル、アセチル)、脂肪族ウレタン保護基(例えば、t−ブチルオキシカルボニル(BOC)、シクロヘキシルオキシカルボニル)、芳香族ウレタンタイプの保護基(例えば、フルオレニル−9−メトキシ−カルボニル(Fmoc)、ベンジルオキシカルボニル(Cbz)、Cbz誘導体)およびアルキルタイプの保護基(例えば、トリフェニルメチル、ベンジル)が挙げられる。アミノ酸側鎖保護基としては、ベンジル(ThrおよびSer)、Cbz(Tyr、Thr、Ser、Arg、Lys)、メチルエチル、シクロヘキシル(Asp、His)、Boc(Arg、His、Cys)などが挙げられる。保護基は、当技術分野で公知の方法を使用して、便利な後の段階において除去し得る。
さらに、提供されるペプチドは、FMOCプロトコールによって有機相中で保護基によって合成し得る。望ましくは、ペプチドは、C18クロマトグラフィーカラム上の高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)で70%の収率で精製され、10〜60%のアセトニトリル勾配で溶出される。ペプチドの分子量は、質量分析法によって検証することができる(Fields,G.B.“Solid−Phase Peptide Synthesis”Methods in Enzymology.Vol.289,Academic Press,1997に概説されている)。
あるいは、提供されるペプチドは、例えば、ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を使用して、組換え系において調製し得る。ポリペプチドは、同じポリペプチド内の複数の上記の修飾を含有し得ると理解される。
ペプチドは、インビトロで生物学的活性を誘発するのに有効であり得る一方で、これらのインビボ有効性は、プロテアーゼの存在によって減少し得る。血清プロテアーゼは、特定の基質要求性を有する。基質は、切断のためのL−アミノ酸およびペプチド結合の両方を有しなければならない。さらに、血清中のプロテアーゼ活性の最も顕著な成分を表すエキソペプチダーゼは通常、ペプチドの最初のペプチド結合上に作用し、遊離N末端を必要とする(Powellら、Pharm.Res.10:1268−1273(1993))。これを考慮すると、多くの場合、修飾型ペプチドを使用することが有利である。修飾ペプチドは、式Iのペプチドの所望の生物学的活性を与えるが、有利にプロテアーゼおよび/またはエキソペプチダーゼによる切断の影響を容易に受けやすくない、本来のL−アミノ酸ペプチドの構造的特徴を保持する。
同じタイプのD−アミノ酸による参照配列の1つまたはそれを超えるアミノ酸の系統的置換(例えば、L−リシンの代わりにD−リシン)を使用して、より安定的なペプチドを生じ得る。したがって、本発明のペプチド誘導体またはペプチド模倣物は、順方向または逆方向の順序のすべてL、すべてDまたは混合D、Lペプチドであり得る。N末端またはC末端D−アミノ酸が存在することは、ペプチダーゼがD−アミノ酸を基質として利用することができないため、ペプチドのインビボでの安定性を増加させる(Powellら、Pharm.Res.10:1268−1273(1993))。リバース−Dペプチドは、L−アミノ酸を含有するペプチドに対して逆方向配列で配置されているD−アミノ酸を含有するペプチドである。したがって、L−アミノ酸ペプチドのC末端残基は、D−アミノ酸ペプチドなどについてN末端となる。リバースD−ペプチドは、L−アミノ酸ペプチドと同じ二次的立体構造、したがって同様の活性を保持するが、インビトロおよびインビボでの酵素分解に対してより耐性であり、このように本来のペプチドに比べてより大きな治療有効性を有することができる(Brady and Dodson,Nature 368:692−693(1994);Jamesonら、Nature 368:744−746(1994))。同様に、リバース−Lペプチドは標準的な方法を使用して生じさせてもよく、親ペプチドのC末端はリバース−LペプチドのN末端に取って代わるようになる。有意な二次構造(例えば、短いペプチド)を有しないL−アミノ酸ペプチドのリバースL−ペプチドは、L−アミノ酸ペプチドの側鎖の同じ間隔および立体構造を保持し、したがって本来のL−アミノ酸ペプチドと同様の活性を有することが多いことが意図される。さらに、リバースペプチドは、L−アミノ酸およびD−アミノ酸の組み合わせを含有し得る。アミノ酸間の間隔、および側鎖の立体構造は保持され、本来のL−アミノ酸ペプチドと同様の活性をもたらし得る。
修飾ペプチドはもはやペプチダーゼの基質ではないため、ペプチドのN末端またはC末端残基上に作用するペプチダーゼに対する耐性を与える別の有効なアプローチは、ペプチド末端において化学基を加えることである。1つのこのような化学修飾は、いずれかまたは両方の末端におけるペプチドのグリコシル化である。特定の化学修飾、特に、N末端グリコシル化は、ヒト血清中のペプチドの安定性を増加させることが示された(Powellら、Pharm.Res.10:1268−1273(1993))。血清安定性を増強させる他の化学修飾としては、限定されないが、1〜20個の炭素の低級アルキルからなるN末端アルキル基、例えば、アセチル基の追加、および/またはC末端アミドもしくは置換アミド基の追加が挙げられる。特に、本発明は、N末端アセチル基および/またはC末端アミド基を担持するペプチドからなる修飾ペプチドを含む。
ペプチドのサブ配列において天然アミノ酸を天然に存在しないアミノ酸で置換することはまた、タンパク質分解に対する耐性を与えることができる。このような置換は、例えば、生物学的活性に影響を与えることなく、N末端上に作用するエキソペプチダーゼによるタンパク質分解に対する耐性を与えることができる。天然に存在しないアミノ酸の例としては、α,α−二置換アミノ酸、N−アルキルアミノ酸、C−α−メチルアミノ酸、β−アミノ酸、およびβ−メチルアミノ酸が挙げられる。本発明に有用なアミノ酸類似体としては、限定されないが、β−アラニン、ノルバリン、ノルロイシン、4−アミノ酪酸、オルニチン(orithine)、ヒドロキシプロリン、サルコシン、シトルリン、システイン酸、シクロヘキシルアラニン、2−アミノイソ酪酸、6−アミノヘキサン酸、t−ブチルグリシン、フェニルグリシン、o−ホスホセリン、N−アセチルセリン、N−ホルミルメチオニン、3−メチルヒスチジンおよび他の非通常アミノ酸が含まれてもよい。さらに、天然に存在しないアミノ酸を有するペプチドの合成は、当技術分野で通例である。
さらに、参照配列または実質的に同一な参照配列のバリエーションを含む拘束性ペプチドは、当技術分野で周知の方法によって生じさせ得る(Rizo and Gierasch,Ann.Rev.Biochem.61:387−418(1992))。例えば、拘束性ペプチドは、ジスルフィド架橋を形成することができるシステイン残基を加え、それによって、環状ペプチドをもたらすことによって生じさせ得る。環状ペプチドは、遊離N末端またはC末端を有しないように構成することができる。したがって、環状ペプチドは、ペプチド末端において切断しないエンドペプチダーゼの影響を受けやすくてもよいが、環状ペプチドはエキソペプチダーゼによるタンパク質分解の影響を受けやすくない。N末端またはC末端D−アミノ酸を有するペプチドおよび環状ペプチドのアミノ酸配列は通常、それぞれ、N末端もしくはC末端D−アミノ酸残基、またはこれらの環状構造の存在を除いて、これらが対応するペプチドの配列と同一である。
環状ペプチド
いくつかの実施形態では、式Iのペプチドの機能的等価物、類似体または誘導体は、環状ペプチドである。本明細書で使用される環状ペプチドは、2個の非隣接残基間に分子内共有結合を有する。分子内結合は、骨格と骨格、側鎖と骨格または側鎖と側鎖の結合であり得る(すなわち、直鎖状ペプチドの末端官能基および/または末端もしくは内部残基の側鎖官能基は連結され、環化を達成し得る)。典型的な分子内結合としては、ジスルフィド、アミドおよびチオエーテル結合が挙げられる。ポリペプチドを環化するための様々な手段は、このようなペプチドに対して行うことができる多くの他の修飾のように当技術分野で周知である。一般的考察については、国際公開第01/53331号および国際公開第98/02452号(これらの内容は、参照により本明細書に組み込まれる)を参照のこと。このような環状結合および他の修飾はまた、本発明の環状ペプチドおよび誘導体化合物に適用することができる。
本明細書に記載される環状ペプチドは、L−アミノ酸、D−アミノ酸、または任意のこれらの組み合わせの残基を含み得る。アミノ酸は、天然源または非天然源由来であってよいが、ただし、少なくとも1個のアミノ基および少なくとも1個のカルボキシル基が分子中に存在する。α−アミノ酸およびβ−アミノ酸が一般に好ましい。環状ペプチドはまた、多種多様の側鎖修飾および/または置換(例えば、メチル化、ベンジル化、t−ブチル化、トシル化、アルコキシカルボニル化など)のいずれかにかかわらず、1つまたはそれを超える希少アミノ酸(例えば、4−ヒドロキシプロリンもしくはヒドロキシリシン)、有機酸もしくはアミド、および/または一般のアミノ酸の誘導体、例えば、エステル化(例えば、ベンジル、メチルもしくはエチルエステル)またはアミド化されたC末端カルボキシレートを有し、および/またはN末端アミノ基の修飾(例えば、アセチル化もしくはアルコキシカルボニル化)を有するアミノ酸を含有し得る。適切な誘導体は、N−アセチル基(環化前の直鎖状ペプチドのN末端を表すアミノ基がアセチル化されているような)および/またはC末端アミド基(すなわち、環化の前の直鎖状ペプチドのカルボキシ末端はアミド化される)を有するアミノ酸を含む。環状ペプチドと共に存在し得る一般のアミノ酸以外の残基としては、限定されないが、ペニシラミン、β,β−テトラメチレンシステイン、β,β−ペンタメチレンシステイン、β−メルカプトプロピオン酸、β,β−ペンタメチレン−β−メルカプトプロピオン酸、2−メルカプトベンゼン、2−メルカプトアニリン、2−メルカプトプロリン、オルニチン、ジアミノ酪酸、α−アミノアジピン酸、m−アミノメチル安息香酸およびα,β−ジアミノプロピオン酸が挙げられる。
N−アセチル化および/またはC−アミド化にかかわらず、直鎖状ペプチドの合成に続いて、環化は、当技術分野で周知の様々な技術のいずれかによって達成し得る。一実施形態では、結合は、反応性アミノ酸側鎖の間で生じ得る。例えば、ジスルフィド架橋は、様々な方法のいずれかを使用して、ペプチドを酸化することによって、2個のチオール含有残基を含む直鎖状ペプチドから形成し得る。1つのこのような方法において、チオールの空気酸化は、塩基性または中性の水性媒体を使用して、数日の期間にわたりジスルフィド連結を生じさせることができる。ペプチドを高希釈度で使用し、凝集および分子間の副反応を最小化する。あるいは、強力な酸化剤、例えば、IおよびKFe(CN)を使用して、ジスルフィド連結を形成することができる。当業者であれば、Met、Tyr、TrpまたはHisの感受性側鎖が酸化しないように慎重さが必要であることを認識するであろう。さらなる実施形態では、環化は、アミド結合形成によって達成し得る。例えば、ペプチド結合は、末端官能基(すなわち、環化の前の直鎖状ペプチドのアミノおよびカルボキシ末端)の間で形成し得る。別のこのような実施形態では、直鎖状ペプチドは、D−アミノ酸を含む。あるいは、環化は、N末端アセチル基および/またはC末端アミドにかかわらず、1個の末端および残基側鎖を連結することによって、または2個の側鎖を使用して達成し得る。ラクタム結合を形成することができる残基としては、リシン、オルニチン(Orn)、α−アミノアジピン酸、m−アミノメチル安息香酸、α,β−ジアミノプロピオン酸、グルタメートまたはアスパルテートが挙げられる。アミド結合を形成するための方法は一般に、当技術分野で周知である。1つのこのような方法において、カルボジイミドが媒介するラクタム形成は、カルボン酸とDCC、DIC、ED ACまたはDCCIとを反応させることによって達成することができ、O−アシル尿素の形成がもたらされ、これは遊離アミノ基と直ちに反応して、環化を完了することができる。あるいは、環化は、アジド法を使用して行うことができ、ここでは反応性アジド中間体は、ヒドラジドを介してアルキルエステルから生じる。あるいは、活性化エステルを使用して、環化を達成することができる。エステルのアルコキシ炭素上の電子求引性置換基の存在は、アミノリシスに対するエステルの影響の受けやすさを増加させる。p−ニトロフェノール、N−ヒドロキシ化合物およびポリハロゲン化フェノールのエステルの高い反応性は、これらの「活性エステル」を、アミド結合の合成において有用なものとしてきた。さらなる実施形態では、チオエーテル連結は、チオール含有残基の側鎖および適切に誘導体化されたα−アミノ酸の間に形成し得る。例として、リシン側鎖は、カルボジイミドカップリング方法(DCC、EDAC)によってブロモ酢酸にカップリングすることができ、次いで、上記のチオール含有残基のいずれかの側鎖と反応させて、チオエーテル連結を形成させる。ジチオエーテルを形成するために、任意の2個のチオール含有側鎖は、DMF中のジブロモエタンおよびジイソプロピルアミンと反応させることができる。
例示的なペプチド
直鎖状ペプチド
特定の態様では、本発明は、非環状(例えば、直鎖状)ペプチドを提供する。上記のように、様々な実施形態では、提供されるペプチドは、式I:
Ala−Xaa−Xaa−Ser−Xaa−Xaa−Cys(配列番号1)
(式中、Xaaは、任意のアミノ酸またはその薬学的に許容され得る塩であり得る)のアミノ酸を含む。
いくつかの実施形態では、Xaaは、Arg、Lys、Ala、Cit(シトルリン)、Orn(オルニチン)、アセチル化Ser、Sar、D−ArgおよびD−Lysである。特定の実施形態では、Xaaは、正に荷電したアミノ酸、例えばArgまたはLys、典型的にはArgである。
いくつかの実施形態では、Xaaは、Val、Ala、Leu、Nle(ノルロイシン)、Ile、Gly、Lys、Pro、ヒドロキシPro(ヒドロキシプロリン)、Aib(2−アミノイソ酪酸)、AcpcまたはTyrである。特定の実施形態では、Xaaは、脂肪族アミノ酸、例えばVal、Leu、IleまたはNle、典型的にはValまたはNleである。
いくつかの実施形態では、Xaaは、Ile、Ala、Leu、norLeu、ValまたはGlyである。特定の実施形態では、Xaaは、脂肪族アミノ酸、例えばVal、Leu、IleまたはNle、典型的にはIleである。
いくつかの実施形態では、Xaaは、His、Argまたは6−NH−Phe(6−アミノフェニルアラニン)である。特定の実施形態では、Xaaは、完全または部分的に正に荷電したアミノ酸、例えばArgまたはHisである。
特定の実施形態では、Xaa−Xaaの1つまたはそれよりも多くは、天然に存在するAng−(1−7)(すなわち、Asp−Arg−Val−Tyr−Ile−His−Pro(配列番号4))の対応するアミノ酸と同一である。特定のこのような実施形態では、Xaa−Xaaのすべてではないが1つまたは2つは、天然に存在するAng−(1−7)の対応するアミノ酸と同一である。他の実施形態では、Xaa−Xaaのすべてが、天然に存在するAng−(1−7)の対応するアミノ酸と同一である。
特定の実施形態では、Xaaは、Nleである。XaaがNleである場合、XaaおよびXaa5−6の1つまたはそれよりも多くは、天然に存在するAng−(1−7)の対応するアミノ酸と場合により同一である。特定のこのような実施形態では、XaaおよびXaa5−6のすべてではないが1つまたは2つは、天然に存在するAng−(1−7)の対応するアミノ酸と同一である。他の実施形態では、XaaおよびXaa5−6はそれぞれ、天然に存在するAng−(1−7)の対応するアミノ酸と同一であり、その結果、アミノ酸配列は、Ala−Arg−Nle−Ser−Ile−His−Cys(配列番号5)となる。いくつかの実施形態では、記載される直鎖状ペプチドは、アミノ酸配列Ala−Arg−Val−Tyr−Ile−His−Pro(配列番号17)を含む。
いくつかの実施形態では、記載される直鎖状アンジオテンシンペプチドは、Asp−Arg−Val−Tyr−Ile−His−Pro−Phe−His(配列番号19)(これは、Ang−(1−9)の配列と同一である)に対する1つまたはそれを超えるアミノ酸の置換、欠失または付加を含む。特定の実施形態では、前記ペプチドは、アミノ酸配列Ala−Arg−Val−Ser−Ile−His−Cys−Phe−His(配列番号3)を有する。いくつかの実施形態では、前記ペプチドは、アミノ酸配列Ala−Arg−Val−Tyr−Ile−His−Pro−Phe−His(配列番号2)を有する。
いくつかの実施形態では、提供される直線状のペプチドは、下記環状ペプチドのいずれかのアミノ酸配列(すなわち、環化を有しない直線状型環状ペプチドのアミノ酸配列)を含み得る。
環状ペプチド
特定の態様では、本発明は、式IにおけるSer位およびCys位に対応するアミノ酸の側鎖の間などの連結を含む式Iの環状ペプチド類似体を提供する。これらのペプチド類似体は、典型的には、7個のアミノ酸残基を含むが、また切断可能な配列を含み得る。以下でさらに詳細に考察するように、本発明は、断片および類似体を含み、1つまたはそれを超えるアミノ酸は、別のアミノ酸(断片を含む)、例えばAla−Arg−Val−Ser−Ile−His−Cys(配列番号18)(SerとCysとの間で連結が形成されている)で置換されている。
以下のセクションは、4位および7位の残基を連結するチオエーテル結合に関して本発明の態様を記載するが、(上記のような)他の連結は、チオエーテル架橋を置き換えることができ、他の残基を環化することができることを理解すべきである。チオエーテル架橋は、モノスルフィド架橋とも称され、またはAla−S−Alaの場合にはランチオニン架橋とも称される。チオエーテル架橋含有ペプチドは、以下の式:
の1つを有する2個のアミノ酸によって形成することができる。
これらの式において、R、R、R、R、RおよびRは独立して、−H、アルキル(例えば、C−Cアルキル、C−Cアルキル)またはアラルキル基であり、アルキルおよびアラルキル基は、1つまたはそれを超えるハロゲン、−OHまたは−NRR’基(RおよびR’は独立して、−HまたはC−Cアルキルである)で場合により置換されている。特定の実施形態では、R、R、R、R、RおよびRはそれぞれ独立して、−Hまたは−CHであり、例えば、すべてが−Hである。いくつかの実施形態では、提供される環状ペプチドは、チオエーテル架橋を含まない。いくつかの実施形態では、提供される環状ペプチドは、4,7チオエーテル架橋を含まない。
特定の実施形態では、本発明は、式(II)のチオエーテル架橋を含む式Iのペプチドまたはその類似体もしくは誘導体を提供する。典型的には、R、R、RおよびRは、−Hおよび−CHから独立して選択される。式(II)のチオエーテル架橋を含むペプチドは、例えば、ランチビオティック酵素によって、またはジスルフィドの硫黄の脱離によって生成することができる。一例において、硫黄が脱離されるジスルフィドは、4位のD−システインおよび7位のL−システインによって、または4位のD−システインおよび7位のL−ペニシラミンによって形成することができる(例えば、Galande,Trent and Spatola(2003)Biopolymers 71,534−551を参照のこと)。
他の実施形態では、2個のアミノ酸の連結は、式(III)または式(IV)に示される架橋であり得る。式(III)のチオエーテル架橋を含むペプチドは、例えば、4位のD−ホモシステインおよび7位のL−システインによって形成されるジスルフィドの硫黄の脱離によって作製することができる。同様に、式(IV)のようにチオエーテル架橋を含むペプチドは、例えば、4位のD−システインおよび7位のL−ホモシステインによって形成されるジスルフィドの硫黄の脱離によって作製することができる。
上記のように、本発明のペプチドならびにその類似体および誘導体は、長さおよびアミノ酸組成が変動する。いくつかの実施形態では、本発明のペプチドは好ましくは生物学的活性を有し、またはタンパク分解性に活性化することができる不活性な前駆体分子である(例えば、10個のアミノ酸を有するアンジオテンシン(I)が、2個のアミノ酸の切断によって活性断片にどのように変換されるか)。提供されるペプチドまたはその類似体もしくは誘導体のサイズは変動することができるが、3〜7チオエーテル環状構造を含む「コア」五量体セグメントが包含される限り、典型的には約5〜10個のアミノ酸である。本発明の類似体または誘導体のアミノ酸配列は、変動することができるが、典型的にはただし、本発明の類似体または誘導体は生物学的活性があり、またはタンパク分解性に活性化されることができる。類似体または誘導体の生物学的活性は、放射性リガンド結合研究、インビトロでの細胞活性化アッセイおよびインビボでの実験を含む当技術分野で公知の方法を使用して決定することができる。例えば、Godeny and Sayeski,(2006)Am.J.Physiol.Cell.Physiol.291:C1297−1307;Sarrら、Cardiovasc.Res.(2006)71:794−802;およびKoziarzら、(1933)Gen.Pharmacol.24:705−713を参照のこと。
ペプチドの長さが変化した提供されるペプチドまたはその類似体および誘導体としては、以下のものが挙げられる:
Ala−Arg−Val−Cyc−Ile−His−Cyc配列番号6を含むアミノ酸配列を有する4,7−環化類似体([Cyc4−7]と称される)。
Ala−Arg−Nle−Cyc−Ile−His−Cyc−Phe−His−Leu10配列番号7を含むアミノ酸配列を有する4,7−環化類似体([Nle、Cyc4−7](1−10)と称される);
Ala−Arg−Nle−Cyc−Ile−His−Cyc−Phe配列番号8を含むアミノ酸配列を有する4,7−環化類似体([Nle、Cyc4−7](1−8)と称される);
Arg−Nle−Cyc−Ile−His−Cyc−Phe配列番号9を含むアミノ酸配列を有する4,7−環化類似体([Nle、Cyc4−7](2−8)と称される);
Nle−Cyc−Ile−His−Cyc−Phe配列番号10を含むアミノ酸配列を有する4,7−環化類似体([Nle、Cyc4−7](3−8)と称される);
Ala−Arg−Nle−Cyc−Ile−His−Cyc配列番号11を含むアミノ酸配列を有する4,7−環化類似体([Nle、Cyc4−7](1−7)と称される);および
Ala−Arg−Nle−Cyc−Ile−His−Cyc−Phe−His配列番号12を含むアミノ酸配列を有する4,7−環化類似体([Nle、Cyc4−7](1−9)と称される)。
これらの類似体は、Cyc4−7部分のように、式(II)〜(IV)に示されるチオエーテル架橋の1つを有し得、例えば、CycおよびCycは、式(II)によって表され、例えば、R−Rはそれぞれ、−Hまたは−CH、典型的には−Hである。
特定の実施形態では、本発明のペプチドは、式(V):
Ala−Xaa−Xaa−Cyc−Xaa−Xaa−Cyc(IV、配列番号13)によって表される。
Xaaは、正に荷電したアミノ酸、例えばArgまたはLys、典型的にはArgである。
Xaaは、脂肪族アミノ酸、例えばLeu、IleまたはVal、典型的にはValである。
Cycは、Cycと一緒にチオエーテル架橋を形成する。Cycは、D−立体異性体および/またはL−立体異性体、典型的にはD−立体異性体であり得る。(Cycと共に)Cycの例は、式(II)、(III)および(IV)に示される。典型的には、式(II)、(III)および(IV)におけるR基は、−Hまたは−CH、特に−Hである。
Xaaは、脂肪族アミノ酸、例えばLeu、IleまたはVal、典型的にはIleである。
Xaaは、Hisである。
例えば、式(II)、(III)または(IV)において、Cycは、Cycと一緒にチオエーテル架橋を形成する。Cycは、D−立体異性体および/またはL−立体異性体、典型的にはL−立体異性体であり得る。(Cycと共に)Cycの例は、式(II)、(III)および(IV)に示される。典型的には、式(II)、(III)および(IV)におけるR基は、−Hまたは−CH、特に−Hである。
特定の実施形態では、Xaa−Xaaの1つまたはそれよりも多く(CycおよびCycを除く)は、天然に存在するAng−(1−7)の対応するアミノ酸と同一である。特定のこのような実施形態では、Xaa−Xaaのすべてではないが1つまたは2つは、天然に存在するAng−(1−7)の対応するアミノ酸と同一である。他の実施形態では、Xaa−Xaaのすべてが、天然に存在するAng−(1−7)の対応するアミノ酸と同一である。
特定の実施形態では、CycおよびCycは独立して、Abu(2−アミノ酪酸)およびAla(アラニン)から選択され、Alaは、少なくとも1つの位置に存在する。したがって、環状類似体は、−Ala−S−Ala−(式(II)、式中、R−Rはそれぞれ−Hである);−Ala−S−Abu−(式(II):R−Rは−Hであり、Rは−CHである)または−Abu−S−Ala−(式(II):R、RおよびRは−Hであり、Rは−CHである)によって形成されるチオエーテル結合を有し得る。環状類似体の具体例は、−Abu−S−Ala−または−Ala−S−Ala−結合を含む。
特定の実施形態では、本発明のペプチドは、式(VI):
Ala−Xaa−Nle−Cyc−Xaa−Xaa−Cyc−Xaa−Xaa−Xaa10(VI、配列番号14)によって表される。
上記のように、Xaa、Xaa、XaaおよびXaa10の1つまたはそれよりも多くは、特定の実施形態では存在しない。例えば、(1)Xaa10は存在せず、(2)XaaおよびXaa10は存在せず、(3)Xaa、XaaおよびXaa10は存在せず、(4)Xaaは存在せず、(5)XaaおよびXaa10は存在せず、(5)Xaa、XaaおよびXaa10は存在せず、または(6)Xaa、Xaa、XaaおよびXaa10は存在しない。これらの各実施形態では、残りのアミノ酸は、下記値を有する。
Xaaは、存在する場合には、正に荷電したアミノ酸、例えばArgまたはLys、典型的にはArgである。
Nleは、ノルロイシンである。
Cycは、Cycと一緒にチオエーテル架橋を形成する。Cycは、D−立体異性体および/またはL−立体異性体、典型的にはD−立体異性体であり得る。(Cycと共に)Cycの例は、式(II)、(III)および(IV)に示される。典型的には、式(II)、(III)および(IV)におけるR基は、−Hまたは−CH、特に−Hである。
Xaaは、脂肪族アミノ酸、例えばLeu、Nle、IleまたはVal、典型的にはIleである。
Xaaは、Hisである。
例えば、式(II)、(III)または(IV)において、Cycは、Cycと一緒にチオエーテル架橋を形成する。Cycは、D−立体異性体および/またはL−立体異性体、典型的にはL−立体異性体であり得る。(Cycと共に)Cycの例は、式(II)、(III)および(IV)に示される。典型的には、式(II)、(III)および(IV)におけるR基は、−Hまたは−CH、特に−Hである。
Xaaは、存在する場合には、Pro以外のアミノ酸、典型的にはPheまたはIleである。特定の実施形態では、Ileは、Ang(1−8)の阻害剤をもたらす。特定の実施形態では、Pheは、Ang(1−8)またはAng(1−10)の生物学的活性を維持する。
Xaaは、存在する場合には、Hisである。
Xaa10は、存在する場合には、脂肪族残基、例えばIle、ValまたはLeu、典型的にはLeuである。
特定の実施形態では、Xaa−Xaa10の1つまたはそれよりも多く(Nle、CycおよびCycを除く)は、天然に存在するAng(Ang−(1−7)、Ang(1−8)、Ang(1−9)、Ang(1−10)、Ang(2−7)、Ang(2−8)、Ang(2−9)、Ang(2−10)、Ang(3−8)、Ang(3−9)およびAng(3−10)を含む)の対応するアミノ酸と同一である。特定のこのような実施形態では、(存在するものについて)Xaa−Xaa10のすべてではないが1つまたは2つは、天然に存在するAngの対応するアミノ酸と同一である。他の実施形態では、(存在するものについて)Xaa−Xaa10のすべてが、天然に存在するAngの対応するアミノ酸と同一である。
特定の実施形態では、CycおよびCycは独立して、Abu(2−アミノ酪酸)およびAla(アラニン)から選択され、Alaは、少なくとも1つの位置に存在する。したがって、−Ala−S−Ala−(式(II)、式中、R−Rはそれぞれ−Hである);−Ala−S−Abu−(式(II):R−Rは−Hであり、Rは−CHである)または−Abu−S−Ala−(式(II):R、RおよびRは−Hであり、Rは−CHである)によって形成されるチオエーテル結合を含む環状類似体が包含される。特定の環状類似体は、−Abu−S−Ala−または−Ala−S−Ala−結合を含む。
いくつかの実施形態では、本発明は、4位と7位との間にチオエーテル架橋を有するペプチドまたはその類似体もしくは誘導体であって、アミノ酸配列Ala−Arg−Nle−Abu−Ile−His−Ala(配列番号15)またはアミノ酸配列Ala−Arg−Nle−Ala−Ile−His−Ala(配列番号16)を有するものを提供する。
いくつかの実施形態では、提供される環状ペプチドは、上記直鎖状ペプチドのいずれかの環状型であり得る。
医薬組成物
本発明の方法にしたがって、提供されるペプチドまたはその類似体もしくは誘導体は、本明細書に記載されるように、単独で(例えば、精製ペプチドまたは化合物として)、または組成物もしくは医薬の成分として(例えば、疾患を処置するための医薬の製造において)被験体に投与され得る。生理学的に許容され得る担体または賦形剤と共に組成物を製剤化して、医薬組成物を調製し得る。担体および組成物は、無菌であり得る。製剤は、投与様式に適合すべきである。組成物を製剤化する方法は、当技術分野で公知である(例えば、Remington’s Pharmaceuticals Sciences,17thEdition,Mack Publishing Co.,(Alfonso R.Gennaro,editor)(1989)を参照のこと)。
適切な薬学的に許容され得る担体としては、限定されないが、水、塩溶液(例えば、NaCl)、生理食塩水、緩衝化生理食塩水、アルコール、グリセロール、エタノール、アラビアガム、植物油、ベンジルアルコール、ポリエチレングリコール、ゼラチン、ラクトース、アミロースまたはデンプンなどの炭水化物、マンニトール、スクロースまたはその他などの糖、ブドウ糖、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ケイ酸、粘稠性パラフィン、芳香油、脂肪酸エステル、ヒドロキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドンなど、ならびにその組み合わせが挙げられる。医薬調製物は、所望であれば、活性化合物と有害に反応せず、またはその活性を妨げない補助薬剤、例えば、潤滑剤、保存剤、安定剤、湿潤剤、乳化剤、浸透圧に影響する塩、緩衝液、着色剤、香味料および/または芳香族物質などを混合することができる。好ましい実施形態では、静脈内投与に適切な水溶性担体が使用される。
組成物または医薬は、所望であれば、少量の湿潤剤または乳化剤、またはpH緩衝化剤も含み得る。組成物は、液体溶液、懸濁物、エマルジョン、タブレット、ピル、カプセル、持続放出製剤、または粉体であり得る。組成物はまた、伝統的な結合剤およびトリグリセリドなどの担体を有する坐薬として製剤化され得る。経口製剤は、医薬グレードのマンニトール、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、サッカリンナトリウム、セルロース、炭酸マグネシウムなどの標準的な担体を含み得る。
組成物または医薬は、ヒトへの投与に適切な医薬組成物として日常的な手順にしたがって製剤化され得る。例えば、好ましい実施形態では、代表的な静脈内投与のための組成物は、無菌等張水性緩衝液中の溶液である。必要であれば、組成物はまた、注射の部位の痛みを和らげるために可溶性薬剤および局所麻酔薬を含み得る。一般に、成分は、別々にまたは例えば、活性薬剤の量を示すアンプルまたはサシェなどの密閉にして測定される容器中に凍結乾燥粉体または水非含有濃縮物として単位剤形で一緒に混合されるかのいずれかで供給される。組成物が輸液で投与される場合、無菌医薬グレード水、生理食塩水またはブドウ糖/水を含有する注入ボトルに分配され得る。組成物が注射で投与される場合、注射のための無菌水または生理食塩水のアンプルは、投与の前に成分が混合され得るように提供され得る。
いくつかの実施形態では、提供される組成物(医薬製剤として提供されるものを含む)は、限定されないが、水、生理食塩水、リン酸緩衝生理食塩水、リンゲル液、デキストロース溶液、血清含有溶液、ハンクス溶液、他の生理学的平衡水溶液、油、エステルおよびグリコールなどの液体担体を含む。
提供されるペプチド、またはその類似体または誘導体は、本明細書に記載されるように、中性または塩の形態として製剤化され得る。薬学的に許容され得る塩としては、塩酸、リン酸、酢酸、シュウ酸、酒石酸などに由来する遊離アミノ基を使用して形成されるもの、およびナトリウム、カリウム、アンモニウム、カルシウム、水酸化第2鉄、イソプロピルアミン、トリエチルアミン、2−エチルアミノエタノール、ヒスチジン、プロカインなどに由来するものなどの遊離カルボキシル基を使用して形成されるものが挙げられる。
経口製剤
いくつかの実施形態では、適切な医薬組成物は、経口製剤である。任意の医学的に許容され得る経口製剤を本発明の範囲内で使用し得ると企図される。
いくつかの実施形態では、提供される組成物は、少なくとも1つのpH降下剤を含む。本発明のいくつかの実施形態では、使用するのに適切なpH降下剤は、a)消化管に対して毒性でない、b)水素イオンを送達することができるか、または局所環境からより高い水素イオン含有量を誘導することができるかのいずれかである、および/またはc)そこで見出されるプロテアーゼに最適なpHを下回るように局所腸内pHを降下させるのに十分な量で経口投与することができる、任意の薬学的に許容され得るpH降下剤、またはpH降下剤の組み合わせを含むことが企図される。pH降下剤が本発明に適切であるか、および適切な量を決定するために、様々な試験が使用され得る。例えば、pH降下剤またはpH降下剤の組み合わせは、10ミリリットルの0.1M重炭酸ナトリウム溶液に付加されるときの特定の量が、溶液のpHを5.5、4.7、または3.5以下に降下させる場合、本発明に適切である。いくつかの実施形態では、ある量のpH降下剤または薬剤の量を、10ミリリットルの0.1M重炭酸ナトリウム溶液に付加し、pHを3.4、3.2、3.0、または2.8以下に降下させ得る。
いくつかの実施形態では、適切なpH降下剤または薬剤は、4.2を超えない(例えば、4.0、3.8、3.6、3.4、3.2、3.0、または2.8以下の)pKaを有する少なくとも1つのpH降下剤を含む。本発明に適切な例示的pH降下剤としては、限定されないが、アセチルサリチル酸、酢酸、アスコルビン酸、クエン酸、フマル酸、グルクロン酸、グルタル酸、グリセリン酸、グリココール酸、グリオキシル酸、イソクエン酸、イソ吉草酸、乳酸、マレイン酸、オキサロ酢酸、オキサロコハクサン、プロピオン酸、ピルビン酸、コハク酸、酒石酸、および吉草酸などのカルボン酸;塩化アルミニウム;塩化亜鉛;アセチルグルタミン酸、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、ベタイン、カルニチン、カルノシン、シトルリン、クレアチン、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、ヒドロキシリジン、ヒドロキシプロリン、ヒポタウリン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチルヒスチジン、ノルロイシン、オルニチン、フェニルアラニン、プロリン、サルコシン、セリン、タウリン、トレオニン、トリプトファン、チロシン、およびバリンの酸塩を含むアミノ酸の酸塩(またはその誘導体)が挙げられ、フラクトース1,6二リン酸およびグルコース1,6二リン酸を含む特定のリン酸エステルは、特定の実施形態では、適切なpH降下剤でもあり得る。特定の実施形態では、クエン酸または酒石酸が、pH降下剤として使用される。
任意の特定のpH降下剤またはpH降下剤の組み合わせの必要量は、異なり得る。典型的には、適切な量は、当技術分野で公知であり、本明細書に記載される様々な試験を使用して決定され得る(例えば、上記の10ミリリットルの0.1M重炭酸ナトリウム溶液中でpH降下試験を使用する)。非限定例として、本発明の製剤に使用されるpH降下剤の適切な量は、約100mg、200mg、250mg、300mg、350mg、400mg、425mg、450mg、475mg、500mg、525mg、550mg、575mg、600mg、625mg、650mg、675mg、700mg、725mg、750mg、775mg、800mg、825mg、850mg、875mg、900mg、925mg、950mg、975mgまたは1,000mgまたはそれを超える量であり得る。他の実施形態では、使用されるクエン酸の量は、1,000mgを超え得る。
いくつかの実施形態では、使用されるpH降下剤(例えば、クエン酸または酒石酸)の適切な量は、特定の剤形の総重量の割合として測定され得る。非限定例として、使用されるpH降下剤の適切な量は、固体剤形の総重量の約10%またはそれを超える(例えば、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、または95%またはそれを超える)量であり得る。
様々な実施形態では、本発明の組成物は、1つまたはそれを超える吸収促進剤を含む。本明細書で使用される吸収促進剤は、他の構成成分が放出される水性または親油性環境のいずれかにおけるそれらの溶解度を増加させる、および/または腸壁全体で活性ペプチド(例えば、式Iの直鎖状ペプチドまたは環状ペプチド)の取り込みを促進する薬剤を指す。いくつかの実施形態では、吸収促進剤は、溶解度促進剤および/または取り込み促進剤と称される。
いくつかの実施形態では、吸収促進剤の混合物を有することが可能であり、促進された溶解度を提供するものもあれば、促進された取り込みを提供するものもあれば、両方を提供するものもある。所定の実施形態では、様々な数の吸収促進剤を有することが可能であり、限定されないが、1種、2種、3種、4種、5種、6種、7種、8種、9種または10種の吸収促進剤を含む。
界面活性剤は、溶解度促進剤および取り込み促進剤の両方の特性を有する有用な吸収促進剤の例である。いくつかの実施形態では、界面活性剤が吸収促進剤として使用されるとき、それらは、製造プロセス中にカプセルの混合および充填を促進するための自由流動性粉末であり得る。他の実施形態では、提供されるペプチドのバイオアベイラビリティを増加させるために界面活性剤が使用されるとき、その界面活性剤は、(a)コレステロール誘導体(例えば、胆汁酸)などのアニオン性界面活性剤、(b)カチオン性界面活性剤(例えば、アシルカルニチン、リン脂質など)、(c)非イオン性界面活性剤、および(d)アニオン性界面活性剤と負電荷中和剤との混合物、およびそれらの組み合わせからなる群より選択され得る。負電荷中和剤としては、限定されないが、アシルカルニチン、セチル塩化ピリジニウムなどが挙げられる。
いくつかの実施形態では、酸可溶性胆汁酸およびカチオン性界面活性剤は、一緒に吸収促進剤として使用される。アシルカルニチン(例えば、ラウロイルカルニチン)、リン脂質、および胆汁酸は、いくつかの実施形態では特に効果的な吸収促進剤であり得る。
様々な吸収促進剤が、様々な実施形態における使用に適切であるが、以下の例示的な列挙は、本発明のいくつかの実施形態を説明することが意図される。限定されないが、いくつかの適切な吸収促進剤としては、(a)サリチル酸ナトリウム、3−メトキシサリチル酸塩、5−メトキシサリチル酸塩、およびホモバニリン酸塩などのサリチル酸塩;(b)タウロコール酸、タウロデオキシコール酸、デオキシコール酸、コール酸、グリコール酸、リトコール酸塩、ケノデオキシコール酸、ウルソデオキシコール酸、ウルソコール酸、デヒドロコール酸、フシジン酸などの胆汁酸;(c)ポリオキシエチレンエーテル(例えば、Brij36T、Brij52、Brij56、Brij76、Brij96、TexaphorA6、TexaphorA14、TexaphorA60など)、p−t−オクチルフェノールポリオキシエチレン(TritonX−45、TritonX−100、TritonX−114、TritonX−305など)、ノニルフェノキシポロキシエチレン(例えば、Igepal COシリーズ)、ポリオキシエチレンソルビタンエステル(例えば、Tween−20、Tween−80など)などの非イオン性界面活性剤;(d)ジオクチルスルホコハク酸ナトリウムなどのアニオン性界面活性剤;(e)リゾレシチンおよびリゾホスファチジルエタノールアミンなどのリゾリン脂質;(f)アシルカルニチン、アシルコリン、およびアシルアミノ酸、例えば、ラウロイルカルニチン、ミリストイルカルニチン、パルミトイルカルニチン、ラウロイルコリン、ミリストイルコリン、パルミトイルコリン、ヘキサデシルリジン、N−アシルフェニルアラニン、N−アシルグリシンなど;g)ジヘプタノイルホスファチジルコリン、ジオクチルホスファチジルコリンなどの水溶性リン脂質;(h)中鎖長脂肪酸(カプリル酸、カプリン酸、およびラウリン酸)を含有するモノ−、ジ−、およびトリグリセリドの混合物である中鎖グリセリド;(i)エチレン−ジアミン四酢酸;(j)塩化セチルピリジニウムなどのカチオン性界面活性剤;(k)Labrasol、Labrafacなどのポリエチレングリコールの脂肪酸誘導体;および(l)ラウロイルマルトシド、ラウロイルスクロース、ミリストイルスクロース、パルミトイルスクロースなどのアルキルサッカリドが挙げられる。
いくつかの実施形態では、吸収促進剤は、医薬組成物の全体重量(典型的に腸溶コーティングを除く)に対する重量%として測定された量で存在する。さらなる非限定例として、実施形態に存在する吸収促進剤の量は、0.1〜20重量%;0.5〜20重量%;1.0〜20重量%、2.0〜20重量%、3.0〜20重量%、4.0〜20重量%、5.0〜20重量%、5.0〜15重量%、5.0〜14重量%、5.0〜13重量%、5.0〜12重量%、5.0〜12重量%、5.0〜11重量%、5.0〜10重量%、6.0〜10重量%、7.0〜10重量%、8.0〜10重量%、9.0〜10重量%、5.0〜9.0重量%、5.0〜8.0重量%、5.0〜7.0重量%、および5.0〜6.0重量%の範囲であり得る。
いくつかの実施形態では、pH降下剤の吸収促進剤に対する重量比は、約3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1、11:1、12:1、13:1、14:1、15:1、16:1、17:1、18:1、19:1、20:1、または上記例示的な比のうちのいずれか2つの間であり得る。所定の医薬組成物中のすべてのpH降下剤の総重量およびすべての吸収促進剤の総重量は、上記例示的な比で含まれる。例えば、医薬組成物が2つのpH降下剤および3つの吸収促進剤を含む場合、上記比は、両方のpH降下剤の総合重量および3つの吸収促進剤すべての総合重量に基づいて計算される。
いくつかの実施形態では、吸収促進剤は、例えばpH5.5未満、および特にpH3.0〜pH5.0の酸性pHで可溶性である。
いくつかの実施形態では、提供される組成物は、1つまたはそれを超える保護ビヒクルを含む。本明細書で使用される保護ビヒクルは、活性ペプチド(例えば、式Iの直鎖状ペプチドまたは環状ペプチド)を胃プロテアーゼから保護する担体、層、コーティング、または他のビヒクルなどの任意の保護成分および/または構造を指す。典型的には、保護ビヒクルは、最終的に特定剤形中の活性成分および他の成分が放出され得るように溶解する。保護ビヒクルの一般的な形態は、腸溶コーティングである。いくつかの実施形態では、適切な腸溶コーティング(costing)は、0.1N HCl中の本発明の医薬組成物の分解を少なくとも2時間防ぎ、次に該組成物が100rpmで回転する溶解槽中のpHが6.3に増加した後30分以内に、医薬組成物のすべての含有物の完全な放出を可能にすることができる。
多くの腸溶コーティングが当技術分野で公知であり、1つまたはそれを超える実施形態では有用である。腸溶コーティングの非限定例としては、セルロース酢酸フタル酸塩、ヒドロキシプロピルメチルエチルセルロースコハク酸塩、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタル酸塩、カルボキシルメチルエチルセルロース、およびメタクリル酸−メチルメタクリル酸塩コポリマーが挙げられる。いくつかの実施形態では、吸収促進剤(例えば、溶解度および/または取り込み促進剤)、およびpH降下剤が、実施形態の構成成分が保護された状態で胃を通過するのを可能にするために、十分に粘性の保護シロップに含まれる。
適切な腸溶コーティングが、例えば、本発明の活性成分および他の構成成分がカプセル内に充填された後、カプセルに適用され得る。他の実施形態では、腸溶コーティングは、錠剤の外側にコーティングされるか、または活性成分の粒子の外面にコーティングされ、次に錠剤形態に圧搾されるか、またはカプセルに充填される。
いくつかの実施形態では、本発明のすべての構成成分が担体またはビヒクルから放出され、可能な限り同時に腸内環境で可溶化されることが望ましい場合がある。いくつかの実施形態では、ビヒクルまたは担体が、小腸内で活性成分を放出することが好ましい場合もあり、経細胞または傍細胞輸送を増加させる取り込み促進剤は、望ましくない副作用を引き起こす可能性が、同じ取り込み促進剤が結腸内で後に放出された場合よりも低い。しかしながら、本発明は、結腸内と同様に小腸内で効果的であると認識されよう。上記のものに加えて、多数のビヒクルまたは担体が当技術分野で公知である。
いくつかの実施形態では、腸溶コーティングの量を低く保つことが望ましい場合がある(特に、本発明の構成成分がどれ程同時に放出されるかを最適化する際)。いくつかの実施形態では、腸溶コーティングは、固体剤形などの医薬組成物の残りの重量に30%を超えない重量を付加する(「残り」は腸溶コーティング自体を除く医薬組成物である)。他の実施形態では、腸溶コーティングは、20%未満、19%未満、18%未満、17%未満、16%未満、15%未満、14%未満、13%未満、12%未満、11%未満、または10%未満を付加する。いくつかの実施形態では、腸溶コーティングなどの保護ビヒクルは、医薬組成物(例えば、固体剤形)の総重量の約25%、24%、23%、22%、21%、20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%またはそれ未満の量を占める。
投薬
いくつかの実施形態では、組成物は、治療有効量で、および/または特定の所望の転帰(例えば、疾患の処置、または疾患のリスクの減少)と相関する投与レジメンにしたがって投与される。
本明細書に記載される式Iの任意のペプチド(または、本明細書に記載される式Iのペプチドを含有する組成物もしくは医薬)は、任意の適切な経路によって投与され得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される式Iのペプチドは、皮下投与される。本明細書で使用される「皮下組織」という用語は、皮膚直下の不規則な疎性結合組織の層と定義される。例えば、皮下投与は、組成物を領域(限定されないが、大腿部、腹部、臀部または肩甲部を含む)に注射することによって実施され得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される式Iのペプチドは、静脈内投与される。他の実施形態では、本明細書に記載される式Iのペプチドは、標的組織、例えば心臓または筋肉(例えば、筋肉内)、腫瘍(腫瘍内)、神経系(例えば、脳への直接注射;脳室内;髄腔内)に直接投与により投与される。あるいは、本明細書に記載される式Iのペプチド(または、本明細書に記載されるペプチドを含有する組成物もしくは医薬)は、吸入投与、非経口投与、皮内投与、経皮投与または経粘膜(例えば、経口または経鼻)投与され得る。所望により、複数の経路を同時に使用し得る。
いくつかの実施形態では、本明細書の式Iのペプチドは、経口投与される。いくつかの実施形態では、本発明は、本明細書に記載される式Iのペプチドの固体剤形であって、(a)式Iのペプチド、(b)少なくとも1つの薬学的に許容され得るpH降下剤、(c)式Iのペプチドのバイオアベイラビリティを促進するのに有効な少なくとも1つの吸収促進剤、および(d)保護ビヒクルを含む経口投与用の固体剤形を提供する。いくつかの実施形態では、固体剤形は、カプセルまたは錠剤である。経口製剤を作製するための様々な方法および成分は当技術分野で公知であり、当業者であれば、本明細書および/または2013年9月17日に出願された国際特許出願第PCT/US13/60139号(この開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)に記載されるように、どの方法および成分が本発明に適合しているかを決定することができるであろう。このような方法および成分も、本発明の範囲内であると企図される。
いくつかの実施形態では、組成物は、治療有効量で、および/または特定の所望の転帰(例えば、疾患の処置、または疾患のリスクの減少)と相関する投与レジメンにしたがって投与される。
本発明にしたがって投与すべき特定の用量または量は、例えば、所望の転帰の性状および/もしくは程度に、投与経路および/もしくはタイミングの特徴に、ならびに/または1つもしくはそれを超える特性(例えば、体重、年齢、既往歴、遺伝的特徴、生活習慣パラメータ、心欠損の重症度および/もしくは心欠損のリスクのレベルなど、またはこれらの組み合わせ)に依存して変化し得る。このような用量または量は、当業者によって決定されることができる。いくつかの実施形態では、適切な用量または量は、標準的診断技術にしたがって決定される。例えば、いくつかの実施形態では、適切な用量または量は、1つまたはそれを超える症候を1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100%またはそれを超えて軽減するのに十分な用量または量である。あるいはまたは加えて、いくつかの実施形態では、適切な用量または量は、投与すべき望ましいまたは最適な用量範囲または量を特定する助けとなるために、1つまたはそれを超えるインビボまたはインビトロアッセイ法の使用を通して決定される。
様々な実施形態では、式Iのペプチドは、治療有効量で投与される。本明細書で使用される「治療有効量」という用語は、本発明の医薬組成物に含まれる治療剤の総量に基づいて主に決定される。一般に、治療有効量は、被験体に対して有意な利益を達成する(例えば、基礎疾患または症状を処置、調節、治癒、予防および/または軽減する)のに十分なものである。いくつかの特定の実施形態では、投与すべき適切な用量または量は、インビトロまたは動物モデル試験システム由来の用量反応曲線から推定され得る。
様々な実施形態では、式Iのペプチド(誘導体、類似体および/または塩を含む)の治療有効投与量は、様々な量で存在し得る。いくつかの実施形態では、治療有効投与量は、例えば、約1〜10,000μg/kg、約5〜1,500μg/kg、約100〜1,000μg/kgまたは50〜500μg/kgであり得る。いくつかの実施形態では、治療有効投与量は、例えば、約1μg/kg、2.5μg/kg、5μg/kg、10μg/kg、20μg/kg、30μg/kg、40μg/kg、50μg/kg、60μg/kg、70μg/kg、80μg/kg、90μg/kg、100μg/kg、150μg/kg、200μg/kg、250μg/kg、300μg/kg、400μg/kg、500μg/kg、600μg/kg、700μg/kg、800μg/kg、900μg/kg、1000μg/kgまたは1500μg/kgであり得る。特定の個体のための有効用量は、個体の要求に応じて、時間と共に変化(例えば、増加または減少)され得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される治療有効量は、1回用量で提供される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される治療有効量は、1日で提供される。
他の実施形態では、治療有効投与量は、例えば、約0.001mg/kg体重〜500mg/kg体重、例えば約0.001mg/kg体重〜400mg/kg体重、約0.001mg/kg体重〜300mg/kg体重、約0.001mg/kg体重〜200mg/kg体重、約0.001mg/kg体重〜100mg/kg体重、約0.001mg/kg体重〜90mg/kg体重、約0.001mg/kg体重〜80mg/kg体重、約0.001mg/kg体重〜70mg/kg体重、約0.001mg/kg体重〜60mg/kg体重、約0.001mg/kg体重〜50mg/kg体重、約0.001mg/kg体重〜40mg/kg体重、約0.001mg/kg体重〜30mg/kg体重、約0.001mg/kg体重〜25mg/kg体重、約0.001mg/kg体重〜20mg/kg体重、約0.001mg/kg体重〜15mg/kg体重、約0.001mg/kg体重〜10mg/kg体重であり得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される治療有効量は、1回用量で提供される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される治療有効量は、1日で提供される。
さらに他の実施形態では、治療有効投与量は、例えば、約0.001mg/kg体重〜約1mg/kg体重、例えば約0.001mg/kg体重〜約0.9mg/kg体重、約0.001mg/kg体重〜約0.8mg/kg体重、約0.001mg/kg体重〜約0.8mg/kg体重、約0.001mg/kg体重〜約0.7mg/kg体重、約0.001mg/kg体重〜約0.6mg/kg体重、約0.001mg/kg体重〜約0.5mg/kg体重、約0.01mg/kg体重〜約1mg/kg体重、約0.01mg/kg体重〜約0.9mg/kg体重、約0.01mg/kg体重〜約0.8mg/kg体重、約0.01mg/kg体重〜約0.7mg/kg体重、約0.01mg/kg体重〜約0.6mg/kg体重、約0.01mg/kg体重〜約0.5mg/kg体重、約0.02mg/kg体重〜約1mg/kg体重、約0.02mg/kg体重〜約0.9mg/kg体重、約0.02mg/kg体重〜約0.8mg/kg体重、約0.02mg/kg体重〜約0.7mg/kg体重、約0.02mg/kg体重〜約0.6mg/kg体重、約0.02mg/kg体重〜約0.5mg/kg体重、約0.03mg/kg体重〜約1mg/kg体重、約0.03mg/kg体重〜約0.9mg/kg体重、約0.03mg/kg体重〜約0.8mg/kg体重、約0.03mg/kg体重〜約0.7mg/kg体重、約0.03mg/kg体重〜約0.6mg/kg体重、約0.03mg/kg体重〜約0.5mg/kg体重、約0.04mg/kg体重〜約1mg/kg体重、約0.04mg/kg体重〜約0.9mg/kg体重、約0.04mg/kg体重〜約0.8mg/kg体重、約0.04mg/kg体重〜約0.7mg/kg体重、約0.04mg/kg体重〜約0.6mg/kg体重、約0.04mg/kg体重〜約0.5mg/kg体重、約0.05mg/kg体重〜約1mg/kg体重、約0.05mg/kg体重〜約0.9mg/kg体重、約0.05mg/kg体重〜約0.8mg/kg体重、約0.05mg/kg体重〜約0.7mg/kg体重、約0.05mg/kg体重〜約0.6mg/kg体重、約0.05mg/kg体重〜約0.5mg/kg体重であり得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される治療有効量は、1回用量で提供される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される治療有効量は、1日で提供される。
さらに他の実施形態では、治療有効投与量は、例えば、約0.0001mg/kg体重〜0.1mg/kg体重、例えば約0.0001mg/kg体重〜0.09mg/kg体重、約0.0001mg/kg体重〜0.08mg/kg体重、約0.0001mg/kg体重〜0.07mg/kg体重、約0.0001mg/kg体重〜0.06mg/kg体重、約0.0001mg/kg体重〜0.05mg/kg体重、約0.0001mg/kg体重〜約0.04mg/kg体重、約0.0001mg/kg体重〜0.03mg/kg体重、約0.0001mg/kg体重〜0.02mg/kg体重、約0.0001mg/kg体重〜0.019mg/kg体重、約0.0001mg/kg体重〜0.018mg/kg体重、約0.0001mg/kg体重〜0.017mg/kg体重、約0.0001mg/kg体重〜0.016mg/kg体重、約0.0001mg/kg体重〜0.015mg/kg体重、約0.0001mg/kg体重〜0.014mg/kg体重、約0.0001mg/kg体重〜0.013mg/kg体重、約0.0001mg/kg体重〜0.012mg/kg体重、約0.0001mg/kg体重〜0.011mg/kg体重、約0.0001mg/kg体重〜0.01mg/kg体重、約0.0001mg/kg体重〜0.009mg/kg体重、約0.0001mg/kg体重〜0.008mg/kg体重、約0.0001mg/kg体重〜0.007mg/kg体重、約0.0001mg/kg体重〜0.006mg/kg体重、約0.0001mg/kg体重〜0.005mg/kg体重、約0.0001mg/kg体重〜0.004mg/kg体重、約0.0001mg/kg体重〜0.003mg/kg体重、約0.0001mg/kg体重〜0.002mg/kg体重であり得る。いくつかの実施形態では、治療有効用量は、0.0001mg/kg体重、0.0002mg/kg体重、0.0003mg/kg体重、0.0004mg/kg体重、0.0005mg/kg体重、0.0006mg/kg体重、0.0007mg/kg体重、0.0008mg/kg体重、0.0009mg/kg体重、0.001mg/kg体重、0.002mg/kg体重、0.003mg/kg体重、0.004mg/kg体重、0.005mg/kg体重、0.006mg/kg体重、0.007mg/kg体重、0.008mg/kg体重、0.009mg/kg体重、0.01mg/kg体重、0.02mg/kg体重、0.03mg/kg体重、0.04mg/kg体重、0.05mg/kg体重、0.06mg/kg体重、0.07mg/kg体重、0.08mg/kg体重、0.09mg/kg体重または0.1mg/kg体重であり得る。特定の個体のための有効用量は、個体の要求に応じて、時間と共に変化(例えば、増加または減少)され得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される治療有効量は、1回用量で提供される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される治療有効量は、1日で提供される。
いくつかの実施形態では、式Iのペプチドは、約1〜1,000μg/kg/日の範囲(例えば、約1〜900μg/kg/日、1〜800μg/kg/日、1〜700μg/kg/日、1〜600μg/kg/日、1〜500μg/kg/日、1〜400μg/kg/日、1〜300μg/kg/日、1〜200μg/kg/日、1〜100μg/kg/日、1〜90μg/kg/日、1〜80μg/kg/日、1〜70μg/kg/日、1〜60μg/kg/日、1〜50μg/kg/日、1〜40μg/kg/日、1〜30μg/kg/日、1〜20μg/kg/日、1〜10μg/kg/日の範囲)の有効用量で投与される。いくつかの実施形態では、式Iのペプチドは、約1〜500μg/kg/日の範囲の有効用量で投与される。いくつかの実施形態では、式Iのペプチドは、約50〜500μg/kg/日の範囲の有効用量で投与される。いくつかの実施形態では、式Iのペプチドは、約1〜100μg/kg/日の範囲の有効用量で投与される。いくつかの実施形態では、式Iのペプチドは、約1〜60μg/kg/日の範囲の有効用量で投与される。いくつかの実施形態では、式Iのペプチドは、約1、2、4、6、8、10、15、20、25、30、35、40、45、50、75、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950または1,000μg/kg/日から選択される有効用量で投与される。特定の個体のための有効用量は、個体の要求に応じて、時間と共に変化(例えば、増加または減少)され得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される治療有効量は、1回用量で提供される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される治療有効量は、1日で提供される。
いくつかの実施形態では、式Iのペプチドは、約1〜1,000pg/kg/日(例えば、約1〜900pg/kg/日、1〜800pg/kg/日、1〜700pg/kg/日、1〜600pg/kg/日、1〜500pg/kg/日、1〜400pg/kg/日、1〜300pg/kg/日、1〜200pg/kg/日、1〜100pg/kg/日、1〜90pg/kg/日、1〜80pg/kg/日、1〜70pg/kg/日、1〜60pg/kg/日、1〜50pg/kg/日、1〜40pg/kg/日、1〜30pg/kg/日、1〜20pg/kg/日、1〜10pg/kg/日の範囲)の有効用量で投与される。いくつかの実施形態では、アンジオテンシン(1−7)ペプチドは、約1〜60μg/kg/日の範囲の有効用量で投与される。いくつかの実施形態では、アンジオテンシン(1−7)ペプチドは、約1、2、4、6、8、10、15、20、25、30、35、40、45、50、75、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950または1,000pg/kg/日から選択される有効用量で投与される。特定の個体のための有効用量は、個体の要求に応じて、時間と共に変化(例えば、増加または減少)され得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される治療有効量は、1回用量で提供される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される治療有効量は、1日で提供される。
いくつかの実施形態では、提供される組成物は、医薬製剤として提供される。いくつかの実施形態では、医薬製剤は、疾患の発生率またはリスクの低下の達成と相関する投与レジメンにしたがって投与する単位用量であるか、またはこれを含む。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される式Iのペプチドを含む製剤は、単回用量として投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される式Iのペプチドを含む製剤は、規則的な間隔で投与される。本明細書で使用される「間隔」での投与は、治療有効量が定期的に(1回投与とは区別されて)投与されることを示す。間隔は、標準的な診療技術によって決定され得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される式Iのペプチドを含む製剤は、隔月、毎月、月2回、3週間毎、隔週、毎週、週2回、週3回、毎日、1日2回、または6時間毎に投与される。1つの個体に対する投与間隔は、一定間隔である必要はないが、個体の要求に応じて経時的に変化し得る。
本明細書で使用される用語「隔月」は、2カ月に1回(すなわち、2カ月毎に1回)の投与を意味し、用語「毎月」は、1カ月に1回の投与を意味し、用語「3週間毎」は、3週に1回(すなわち、3週間毎に1回)の投与を意味し、用語「週2回」は、2週に1回(すなわち、2週間毎に1回)の投与を意味し、用語「毎週」は、1週に1回の投与を意味し、用語「毎日」は、1日に1回の投与を意味する。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される式Iのペプチドを含む製剤は、規則的な間隔で無期限に投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される式Iのペプチドを含む製剤は、規則的な間隔で所定の期間にわたって投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される式Iのペプチドを含む製剤は、5年間、4年間、3年間、2年間、1年間、11カ月間、10カ月間、9カ月間、8カ月間、7カ月間、6カ月間、5カ月間、4カ月間、3カ月間、2カ月間、1カ月間、3週間、2週間、1週間、6日間、5日間、4日間、3日間、2日間または1日間の規則的な間隔で投与される。
キット
本発明はさらに、式Iのペプチドを含有するキットまたは他の製品を提供し、その再構成(凍結乾燥の場合)および/または使用説明書を提供する。キットまたは他の製品は、投与(例えば、皮下、経口、吸入による)において有用な容器、注射器、バイアル、および任意の他の商品、デバイス、または機器を含み得る。適切な容器としては、例えば、ボトル、バイアル、注射器(例えば、プレフィルドシリンジ)、アンプル、カートリッジ、リザーバーまたはlyo−jectが挙げられる。容器は、ガラスまたはプラスチックなどのような様々な物質から形成され得る。いくつかの実施形態では、容器は、プレフィルドシリンジである。適切な、プレフィルドシリンジとしては、限定されないが、焼付シリコーンコーティングを有するホウケイ酸ガラス注射器、吹付シリコーンを有するホウケイ酸ガラス注射器、またはシリコーンを有しないプラスチック樹脂注射器が挙げられる。
典型的には、容器は、製剤ならびに再構成および/または使用のための使用法を示し得る、容器上のまたはそれに関連するラベルを保持する。例えば、ラベルは、製剤が上記に記載される濃度に再構成されることを示し得る。ラベルは、製剤が、例えば皮下投与に有用であるまたはそれが意図されることをさらに示し得る。いくつかの実施形態では、容器は、式Iのペプチドを含有する、単一の用量の安定性の製剤を含有してもよい。様々な実施形態では、単一の用量の安定性の製剤は、約15ml、10ml、5.0ml、4.0ml、3.5ml、3.0ml、2.5ml、2.0ml、1.5ml、1.0mlまたは0.5ml未満の容積で存在する。あるいは、製剤を保持する容器は、製剤の繰り返し投与(例えば、2〜6回の投与)を可能にする、多目的のバイアルであり得る。キットまたは他の製品は、適切な希釈剤(例えば、BWFI、食塩水、緩衝食塩水)を含む第2の容器をさらに含み得る。希釈剤および製剤の混合により、再構成された製剤における最終タンパク質濃度は、一般に、少なくとも1mg/mlであろう(例えば、少なくとも5mg/ml、少なくとも10mg/ml、少なくとも20mg/ml、少なくとも30mg/ml、少なくとも40mg/ml、少なくとも50mg/ml、少なくとも75mg/ml、少なくとも100mg/ml)。キットまたは他の製品は、使用説明書と共に、他の緩衝液、希釈剤、フィルタ、針、注射器、および添付文書を含む、商業上のおよび使用者の見地から望ましい他の物品をさらに含み得る。いくつかの実施形態では、キットまたは他の製品は、自己投与のための説明書を含み得る。
本発明は、以下の実施例を参照することによってより良く理解されるであろう。しかしながら、これらは、本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。すべての引用文献は、参照により組み込まれる。
用途
いくつかの実施形態では、提供されるペプチドは、1つまたはそれを超える疾患、障害または症状を処置するために使用され得る。いくつかの実施形態では、本発明は、疾患、障害または症状を処置する方法であって、式Iのペプチド、または1つまたはそれを超えるこのようなペプチドを含む組成物をそれを必要とする被験体に投与することを含む方法を提供する。いくつかの実施形態では、1つまたはそれを超える式Iのペプチドは、疾患、障害または症状の少なくとも1つの症候または特徴が、強度、重症度、持続時間もしくは頻度の点において軽減されるか、または発症の点において遅延するような投与期間によって、有効用量で定期的に投与される。
例証
実施例1−インビトロBDNF産生の刺激
本実施例では、アンジオテンシン(1−7)ペプチドの投与が、複数の細胞型におけるBDNF産生の増加をもたらすことを示す。
細胞培養条件
刺激前に、滅菌PBSで細胞を2回洗浄し、次いで、各無血清細胞培地と共に提供した。無血清培地中で、細胞を1時間インキュベートし、その後、24時間刺激した。用量反応測定では、ペプチドを10−14M〜10−6Mの範囲で使用した。他のすべての実験では、ペプチドを10−7Mの濃度を使用したのに対して、イソプロテレノールおよびフォルスコリンを10−6Mの濃度を使用した。物質の濃度を24時間維持するために、12時間後にそれらを培地中に再度追加した。刺激後、細胞培地中でBDNF濃度を測定した。サンプルを直接使用し、または−80℃で保存した。
アッセイ条件
BDNF濃度の決定では、PromegaのBDNF Emax(登録商標)イムノアッセイシステムを使用した。最初に、抗BDNFで96ウェルプレートを4℃で一晩コーティングした。翌日、TBSTでプレートを洗浄し、ブロッキング緩衝液と共に室温で1時間インキュベートした。その後、TBSTでプレートを再度洗浄し、1ウェル当たり100μlのサンプルを適用した。振盪機(約400rpm)上でプレートを室温で2時間インキュベートし、その後、TBSTで5回洗浄した。100μlのpAb抗ヒトBDNFを各ウェルに追加し、プレートを連続振盪しながら室温で再度2時間インキュベートした。その後、TBSTでプレートを5回洗浄し、100μlの抗IgY−HRPコンジュゲートを各ウェルに適用し、振盪しながら室温で1時間インキュベートした。次いで、TBSTでプレートを5回洗浄し、振盪機上でTMB One溶液と共に室温で10分間インキュベートした。1M塩酸で反応を停止し、吸光度を450nmで直ぐに測定した。標準曲線からBDNF濃度を決定した。
試験した各アンジオテンシン(1−7)ペプチドは、有意なBDNF発現を刺激することができた。図1および図5に示されているように、Ang(1−7)の投与は、1×10−8M程度の低用量で、ヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)およびヒト皮膚微小胞内皮細胞(HDMEC)における有意なBDNF発現を刺激することができた。
図2に示されているように、Pancyteは、1×10−11M程度の低用量で、HUVECにおける有意なBDNF発現を刺激することができた。興味深いことに、BDNF発現の最大刺激は、1×10−11M〜1×10−9MのPancyte用量で起こった。図6は、Pancyteが、1×10−11M程度の低用量で、HDMECにおけるBDNF発現を刺激することができたこと、および発現の最強刺激が1×10−11M〜1×10−9Mにあったことを示している。
TXA301もまた、HUVECおよびHDMECの両方における有意なBDNF発現を刺激することができた。図3および7は、1×10−11M程度の低用量のTXA301が、有意なレベルのBDNF発現を刺激することができたこと、および興味深いことに、1×10−11よりも100,000倍多い用量が、HUVECおよびHDMECの両方における統計的に同様の発現レベルをもたらしたことを示している。
完全(血清含有)培地中のHUVECに対するAng(1−7)、PancyteおよびTXA301のそれぞれの効果も調査した。加えて、フォルスコリンおよびイソプロテレノールを陽性対照として使用した。図4に示されているように、血清含有培地中であっても、Pancyteは依然として、BDNFを対照レベル以上に刺激することができた。
図8は、図1、2、3、5および6のデータを示す複合グラフ、ならびにHUVECにおけるAla−Arg−Val−Tyr−Ile−His−Pro(配列番号17)およびAla−Arg−Val−Ser−Ile−His−Cys(配列番号18)の用量反応を示している。図8に示されているように、1×10−11M〜1×10−10Mの用量のAla−Arg−Val−Ser−Ile−His−Cys(配列番号18)および1×10−12M〜1×10−11Mの用量のAla−Arg−Val−Tyr−Ile−His−Pro(配列番号17)は、すべての他の試験ペプチドと比較して非常に高いBDNF発現を刺激することができた。
実施例2−インビトロcAMP産生の刺激
Ala−Arg−Val−Ser−Ile−His−Cys(配列番号18)による刺激前に、PBSでHUVEC細胞を2回洗浄し、次いで、無血清培地中で1時間インキュベートした。本実施例では、用量反応曲線を作成するために、ペプチド濃度は、1×10−13〜1×10−6Mの範囲であった。15分間刺激した後、ペプチドを含有する培地を除去し、細胞を溶解した(0.1M HCl、0.1%TritonX−100)。透明な溶解物を回収し、25μlをタンパク質濃度の決定(Pierce BCA Protein Assay Kit,Thermo Scientific,Rockford,USA)に使用し、後の分析のために、残りの画分を−80℃で保存した。
Sigma−Aldrich(St.Louis,MO,USA)のcAMP Enzyme Immunoassay Kit,Directを使用して、細胞溶解物中のcAMP濃度を決定した。簡潔に言えば、(ヤギ抗ウサギIgGでプレコーティングした)96ウェルプレートのウェルを50μlの中和試薬で中和した。次に、100μlのアセチル化サイクリックAMP標準または細胞溶解物を追加し、続いて、50μlの青色cAMP−アルカリホスファターゼコンジュゲートおよび50μlの黄色EIAのウサギ抗cAMP抗体を追加した。次いで、振盪機(約500rpm)上で、プレートを室温で2時間インキュベートした。次に、ウェルを吸引し、洗浄緩衝液(洗剤およびアジ化ナトリウムの脱イオン水を含有する1:10トリス緩衝生理食塩水)で3回リンスした。最後の洗浄後、クリーンペーパータオルに対してプレートをタッピングして、残った洗浄緩衝液を除去した。200μlのp−ニトロフェニルリン酸基質溶液を各ウェルに追加し、プレートを室温で1時間インキュベートした。50μlの停止溶液を追加することによって酵素反応を停止し、405nmの吸光度を直ぐに測定した。GraphPad Prism 5.0ソフトウェアを使用して、非線形標準曲線からcAMP濃度を決定した。最終cAMP濃度を総タンパク質濃度に対して補正した。
図9に示されているように、配列番号18のペプチドの投与は、1×10−11M程度の低用量で、cAMPの有意な増加をもたらし、本実施例で観察された最大は、約1×10−9Mであった。
実施例3−脳卒中後の機能感覚運動の回復
本実施例では、十分に認められている脳卒中の一過性中大脳動脈閉塞(tMCAO)ラットモデルを使用して、特定の提供されるペプチドが、脳卒中の1つまたはそれを超える機能感覚運動症候を処置および/または改善するインビボ能力を評価した。また、本実施例では、血流および血管径に対する提供されるペプチドの効果を評価する。下記のように、提供されるペプチド(TXA302(配列番号18)を含む)の投与は、脳卒中後の感覚運動機能および血管構造の両方の驚くほど顕著な改善をもたらす。
National Institute of Health(NIH)およびAssociation for Assessment and Accreditation of Laboratory Animal Care(AAALAC)のガイドラインにしたがって、動物の取り扱いを実施した。ペレット状食品およびペットボトル内の飲料水を容易にするステンレス鋼トップグリル;寝具を備えるポリエチレンケージ(5/ケージ)(寸法35×30×15cm)で動物を飼育した:steam sterilized clean paddy husk(Harlan,Sani−chip cat#:2018SC+F)を使用し、ケージと一緒に寝具材料を少なくとも週2回交換した。本実施例では、合計60匹のラットを使用し、各ラットは、研究開始時の体重が約300グラムであった。
市販の齧歯類用飼料(Teklad Certified Global 18%Protein Diet cat #:106S8216)を動物に不断給餌した。動物は、PharmaSeed’s SOP No.214(Water System)にしたがって、自治体の供給から得られる酸性飲料水(pH2.5〜3.5)に自由にアクセス可能であった。標準的な実験室条件下で動物を飼育し、適切な外気供給(最低15回の換気/時間)によって空調およびろ過(HEPA F6/6)した。動物を気候制御環境で維持した。30〜70%の相対湿度範囲および12時間の明暗サイクルで、動物を約20〜24℃の温度範囲内で維持した。到着時に動物を検査し、罹患率または死亡率の兆候について毎日検査した。瀕死状態に見られる動物、ならびに重度の疼痛を示し、重度の苦痛の兆候(例えば、呼吸困難、横臥位、痙攣、麻痺、または食物もしくは水への到達不能)に耐える動物を安楽死させた。
本実施例の目的のために、一過性中大脳動脈閉塞(tMCAO)手術の日を本研究の「1日目」と定義する。手術の日に、70%NOおよび30%O混合物中の4%イソフルランで麻酔を誘導し、1.5〜2%イソフルランで維持した。
R.Schmid−Elsaesserら、A critical reevaluation of the intraluminal thread model of focal cerebral ischemia:evidence of inadvertent premature reperfusion and subarachnoid hemorrhage in rats by laser−doppler flowmetry,Stroke,1998,29(10):2162−2170に記載されている方法にしたがって、tMCAO手術を実施した。簡潔に言えば、正中頸部切開によって右CCA(総頸動脈)を露出させ、周囲の神経および筋膜から(頭蓋底に対するその分岐部から)慎重に切除した。次いで、ECA(外頸動脈)の後頭動脈枝を単離し、これらの枝を切除および凝固した。ECAをさらに遠位切除し、末端の舌枝および顎動脈枝と共に凝固し、次いで、これを分割した。ICA(内頸動脈)を単離し、隣接する迷走神経から慎重に切除し、5−0ナイロン縫合糸(SMI,Belgium)を用いて、翼口蓋動脈をその起始部の近くに結紮した。次に、4−0絹縫合糸を結集ECA断端の付近に緩く結び、近位ECAを介して、長さ4cmの4−0モノフィラメントナイロン縫合糸(炎を使用することによって縫合糸の先端をブラントし、挿入前にポリリジンで縫合糸をコーティングした)をICAおよびそこからウィリス動脈輪に挿入して、MCAを効果的に閉塞させた。手術創を閉じ、動物をケージに戻して麻酔から回復させた。閉塞の1時間半後、ラットを再麻酔し、モノフィラメントを回収して再灌流し、手術創を閉じ、ラットをケージに戻した。
再灌流の24時間後に、動物を改良された改良神経学的評価尺度(mNRS)に供した。10以上の全体スコアを有する動物のみを本研究に含めた。群間のラット成績分布を同様にするために、2日目に、mNRSの結果にしたがって、動物を試験群に割り振った。2日目、手術後24時間から、皮下(SC)投与によって、50μg/kg TXA301(配列番号20)もしくはTXA302(配列番号18)のいずれか、または25mg/ml PBS溶液の1つを各動物に投与した。群の割り振りについては、表1を参照のこと:
四肢プレーシングテストを前肢テストおよび後肢テストに分けた。前肢プレーシングテストでは、検査官は、ラットを天板付近に固定し、ラットが、髭、視覚、触覚または固有受容刺激に応じて前肢を天板上に置く能力をスコア化した。同様に、後肢プレーシングテストでは、検査官は、ラットが、触覚および固有受容刺激に応じて前肢を天板上に置く能力を評価した。各感覚入力モードについて、個別のサブスコアを求め、追加して総スコアを得た(前肢プレーシングテスト:0=正常、12=最大障害;後肢プレーシングテスト:0=正常;6=最大障害)。以下のように、スコアをハーフポイント単位で示した:髭プレーシング(0〜2)、視覚プレーシング−前(0〜2)、−横(0〜2);触感プレーシング−背面(0〜2)、−側面(0〜2);固有受容プレーシング(0〜2);合計0〜12。
図10は、TXA302の投与が、ビヒクル対照動物と比較して、15日目(最も早い測定時点)から成績の有意な改善をもたらすことを示している。TXA301の投与は15日目までに改善傾向をもたらしたが、この群では、22日目までに、統計的に有意な効果が達成されなかった。50日目までに、TXA302群のスコアは、ビヒクル対照動物と比較して7ポイント超(約78%)改善したことに注目すべきである。比較によれば、TXA301群のスコアは、同じ期間内に4ポイント(約44%)改善した。
足踏み検査(実施前および15日目、22日目、29日目、36日目、43日目および50日目に投与)
足踏み検査において、前肢無動症について、動物を試験した。後肢を一方で固定し、モニタリングしない前肢を他方で固定して動物を固定した一方、拘束していない前肢はテーブルに触れる。両前肢についてフォアハンド方向およびバックハンド方向に動物がテーブルの表面に沿って横に移動する間に(約5秒間に85cm)、調整足踏みの数をカウントした。
図11に示されているように、TXA301またはTXA302のいずれかを投与したラットは、ビヒクル対照動物と比較して、15日目において統計的に有意な効果を示した。統計的に有意な効果は、研究期間にわたって維持された。
ボディースイングテスト(実施前および15日目、22日目、29日目、36日目、43日目および50日目に投与)
ラットをその尾基部から約1インチに固定した。次いで、それをテーブルの表面よりも1インチ上げた。ラットを垂直軸(左側または右側のいずれかに対して10°を超えないと定義する)に固定した。両側に対する垂直軸の外に、ラットがその頭を動かすたびに、スイングを記録した。次のスイングをカウントする場合、別のスイングを試みる前に、ラットは垂直位置に戻らねばならなかった。合計二十回(20回)のスイングをカウントした。通常、正常ラットは、両側に対するスイングが同数である。局所虚血の後、ラットは、反対側(本実施例では左側)にスイングする傾向がある。ボディースイングスコアは、全スイングに対する右方向の割合として表す。
図12は、TXA302の投与が、ビヒクル対照動物と比較して、15日目(本研究の最も早い評価時点)までに統計的に有意な成績改善をもたらすことを示している。TXA302群のラットのこの成績改善は、研究の残りの期間にわたって維持された。TXA301の投与もまた、22日目からではあるが、統計的に有意な成績改善をもたらした。
mNRS評価(実施前および2日目、15日目、22日目、29日目、36日目、43日目および50日目に投与)
投与する薬物/用量を把握していない者が、改良神経学的評価尺度(mNRS)を行った(盲検試験)。行うmNRSは、0〜18の可能なポイントの尺度による神経スコアリングを可能にする。より高いスコアを有する動物は、より低いスコアのラットよりも重度の症候および障害を示した。
図13に示されているように、TXA301またはTXA302のいずれかを投与したラットは、ビヒクル対照動物と比較して、15日目頃に有意な成績上昇を示した。これらの改善は、研究期間にわたって維持された。
脳血流および血管径測定(50日目)
Flow−R Laser Doppler systemを使用して、大脳皮質における血流および血管収縮の評価を行い、頭蓋内血流および血管径(収縮/拡張)をモニタリングした。脳卒中後50日目に、ドップラー法を行い、動物がイソフルラン麻酔下にある間に実施した。
図14は、50μg/kgのTXA301またはTXA302のいずれかで処置したラットにおいて、50日目までに、血流量比および血管径の両方の統計的に有意な改善が観察されたことを示している。驚くべきことに、TXA302を投与したラットは、ビヒクル対照だけではなく、TXA301を投与したラットとも比較して、血流の顕著な改善および血管径の増加を示した。
本実施例は、とりわけ、いくつかの周知のおよび認められている機能感覚運動試験、ならびに血流および血管径の評価によって測定した場合に、提供されるペプチド(特に、TXA302(配列番号18))の投与が、脳卒中からの回復の改善をもたらすことを示している。
均等物および範囲
当業者であれば、単に通例の実験を使用して、本明細書に記載される本発明の特定の実施形態の多くの均等物を認識し、または確認することができるであろう。本発明の範囲は上記説明に限定されるものではなく、以下の特許請求の範囲に記載される:

Claims (18)

  1. 式I:
    Ala−Xaa−Xaa−Ser−Xaa−Xaa−Cys(配列番号1)
    (式中、
    Xaaは、Arg、Lys、Ala、Cit(シトルリン)、Orn(オルニチン)、アセチル化Ser、Sar、D−ArgおよびD−Lysから選択され;
    Xaaは、Val、Ala、Leu、Nle、Ile、Gly、Lys、Pro、Aib(2−アミノイソ酪酸)、Acpc(1−アミノシクロペンタンカルボン酸)およびTyrから選択され;
    Xaaは、Ile、Ala、Leu、norLeu、ValおよびGlyから選択され;そして
    Xaaは、His、Argおよび6−NH2−Phe(6−アミノフェニルアラニン)から選択される)のアミノ酸配列を含む、ペプチド。
  2. 7〜25個(7個および25個を含めて)のアミノ酸を含有する、請求項1に記載のペプチド。
  3. プロテアーゼ耐性、血清安定性および/またはバイオアベイラビリティを増加させるための1つまたはそれを超える化学修飾を含む、請求項1に記載のペプチド。
  4. 請求項1に記載のペプチドと、薬学的に許容され得る担体とを含む、医薬組成物。
  5. 経口投与、筋肉内投与、静脈内投与、皮下投与、局所投与、経皮投与、直腸投与、膣投与、肺投与、鼻腔内投与、口腔内投与または舌下投与のために製剤化されている、請求項4に記載の医薬組成物。
  6. ポリマー担体、崩壊剤、潤滑剤、溶媒または膨潤剤から選択される1つまたはそれを超える薬理学的に許容され得る賦形剤をさらに含む、請求項4に記載の医薬組成物。
  7. 錠剤、丸剤、カプセル、顆粒剤、シロップ、スプレー、エアロゾル、リポソーム組成物、軟膏、坐剤、インプラント、プラスターまたは徐放製剤として製剤化されている、請求項4〜6のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  8. 疾患、症状または障害を処置する方法であって、
    請求項1〜7のいずれか一項に記載のペプチドまたは組成物を、それを必要とする被験体に投与することを含む、方法。
  9. アミノ酸配列Ala−Arg−Val−Ser−Ile−His−Cys(配列番号18)を含む、ペプチド。
  10. プロテアーゼ耐性、血清安定性および/またはバイオアベイラビリティを増加させるための1つまたはそれを超える化学修飾を含む、請求項9に記載のペプチド。
  11. 請求項9に記載のペプチドと、薬学的に許容され得る担体とを含む、医薬組成物。
  12. 経口投与、筋肉内投与、静脈内投与、皮下投与、局所投与、経皮投与、直腸投与、膣投与、肺投与、鼻腔内投与、口腔内投与または舌下投与のために製剤化されている、請求項11に記載の医薬組成物。
  13. ポリマー担体、崩壊剤、潤滑剤、溶媒または膨潤剤から選択される1つまたはそれを超える薬理学的に許容され得る賦形剤をさらに含む、請求項11に記載の医薬組成物。
  14. 錠剤、丸剤、カプセル、顆粒剤、シロップ、スプレー、エアロゾル、リポソーム組成物、軟膏、坐剤、インプラント、プラスターまたは徐放製剤として製剤化されている、請求項11〜13のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  15. 疾患、症状または障害を処置する方法であって、
    請求項9〜14のいずれか一項に記載のペプチドまたは組成物を、それを必要とする被験体に投与することを含む、方法。
  16. ヒトの処置における、ペプチドAla−Arg−Val−Ser−Ile−His−Cys(配列番号18)の使用。
  17. 前記疾患、症状または障害が脳卒中である、請求項15に記載の方法。
  18. 前記ペプチドまたは組成物が、アミノ酸配列Ala−Arg−Val−Ser−Ile−His−Cys(配列番号18)を有するペプチドを含む、請求項17に記載の方法。

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