JP2017227779A - 光偏向素子、光走査装置及び画像投影装置 - Google Patents

光偏向素子、光走査装置及び画像投影装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 簡易な構成により、ミラー部の揺動に伴う反射面の変形を抑えることができる。【解決手段】 可動装置13は、反射面14を有するミラー部101と、ミラー部101を一軸(回転軸)周りに揺動させる、第1駆動部110a、110bを含む駆動系と、ミラー部101の反射面14とは反対側の面(裏面)の第1の部位に設けられた第1の圧電体と、ミラー部101の裏面の第2の部位に設けられ、ミラー部101の揺動に伴い第1の圧電体で発生した電圧が印加される第2の圧電体と、を備え、電圧が印加されたとき、第2の圧電体の変形方向は第2の部位の変形方向とは逆向きである。【選択図】図19

Description

本発明は、光偏向素子、光走査装置及び画像投影装置に関する。
近年、反射面を有するミラー部を含む光偏向素子の開発が盛んに行われている。
例えば、特許文献1に開示されている光偏向素子では、ミラー部の揺動に伴う反射面の変形(反射面の動的面変形)を抑えるためにミラー部に圧電体が取り付けられている。
しかしながら、特許文献1に開示されている光偏向素子では、圧電体に電圧を印加するための、電源を含む電圧印加手段が別途必要となり、構成が煩雑化することが懸念される。
本発明は、反射面を有するミラー部と、前記ミラー部を一軸周りに揺動させる駆動系と、前記ミラー部の前記反射面とは反対側の面の第1の部位に設けられた第1の圧電体と、前記反対側の面の第2の部位に設けられ、前記揺動に伴い前記第1の圧電体で発生した電圧が印加される第2の圧電体と、を備え、前記電圧が印加されたとき、前記第2の圧電体の変形方向は前記第2の部位の変形方向とは逆向きである光偏向素子である。
本発明によれば、簡易な構成により、ミラー部の揺動に伴う反射面の変形を抑えることができる。
光走査システムの一例の概略図である。 光走査システムの一例のハードウェア構成図である。 制御装置の一例の機能ブロック図である。 光走査システムに係る処理の一例のフローチャートである。 ヘッドアップディスプレイ装置を搭載した自動車の一例の概略図である。 ヘッドアップディスプレイ装置の一例の概略図である。 光書込装置を搭載した画像形成装置の一例の概略図である。 光書込装置の一例の概略図である。 レーザレーダ装置を搭載した自動車の一例の概略図である。 レーザレーダ装置の一例の概略図である。 パッケージングされた可動装置の一例の概略図である。 可動装置の一例を+Z方向から見たときの平面図である。 図12のP−P’断面図である。 図12のQ−Q’断面図である。 図12のR−R’断面図である。 可動装置のミラー部の揺動動作を説明するための図である。 ミラー部の反射面の部位毎の歪み方向を示す図である。 ミラー部にトーションバーが偏心状態で設けられる例を説明するための図である。 ミラー部に対する圧電体の配置例1(実施例1)を説明するための図である。 圧電体の分極方向と歪み方向と電圧の極性の関係を示す図である。 ミラー部に対する圧電体の配置例2(実施例2)を説明するための図である。 ミラー部とトーションバーに対する圧電体の配置例(実施例3)を説明するための図である。 可動装置の変形例1を説明するための図である。 可動装置の変形例2を説明するための図である。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
[光走査システム]
まず、本実施形態の制御装置を適用した光走査システムについて、図1〜図4に基づいて詳細に説明する。
図1には、光走査システムの一例の概略図が示されている。
図1に示すように、光走査システム10は、制御装置11の制御に従って光源装置12から照射された光を可動装置13の有する反射面14により偏向して被走査面15を光走査するシステムである。
光走査システム10は、制御装置11,光源装置12、反射面14を有する可動装置13により構成される。
制御装置11は、例えばCPU(Central Processing Unit)およびFPGA(Field-Programmable Gate Array)等を備えた電子回路ユニットである。可動装置13は、例えば反射面14を有し、反射面14を可動可能なMEMS(Micro Electromechanical Systems)デバイスである。光源装置12は、例えばレーザを照射するレーザ装置である。なお、被走査面15は、例えばスクリーンである。
制御装置11は、取得した光走査情報に基づいて光源装置12および可動装置13の制御命令を生成し、制御命令に基づいて光源装置12および可動装置13に駆動信号を出力する。
光源装置12は、入力された駆動信号に基づいて光源の照射を行う。可動装置13は、入力された駆動信号に基づいて反射面14を1軸方向または2軸方向の少なくともいずれかに可動させる。
これにより、例えば、光走査情報の一例である画像情報に基づいた制御装置11の制御によって、可動装置13の反射面14を所定の範囲で2軸方向に往復可動させ、反射面14に入射する光源装置12からの照射光をある1軸周りに偏向して光走査することにより、被走査面15に任意の画像を投影することができる。
なお、可動装置の詳細および本実施形態の制御装置による制御の詳細については後述する。
次に、光走査システム10一例のハードウェア構成について図2を用いて説明する。
図2は、光走査システム10の一例のハードウェア構成図である。
図2に示すように、光走査システム10は、制御装置11、光源装置12および可動装置13を備え、それぞれが電気的に接続されている。
このうち、制御装置11は、CPU20、RAM21(Random Access Memory)、ROM22(Read Only Memory)、FPGA23、外部I/F24、光源装置ドライバ25、可動装置ドライバ26を備えている。
CPU20は、ROM22等の記憶装置からプログラムやデータをRAM21上に読み出し、処理を実行して、制御装置11の全体の制御や機能を実現する演算装置である。
RAM21は、プログラムやデータを一時保持する揮発性の記憶装置である。
ROM22は、電源を切ってもプログラムやデータを保持することができる不揮発性の記憶装置であり、CPU20が光走査システム10の各機能を制御するために実行する処理用プログラムやデータを記憶している。
FPGA23は、CPU20の処理に従って、光源装置ドライバ25および可動装置ドライバ26に適した制御信号を出力する回路である。
外部I/F24は、例えば外部装置やネットワーク等とのインタフェースである。外部装置には、例えば、PC(Personal Computer)等の上位装置、USBメモリ、SDカード、CD、DVD、HDD、SSD等の記憶装置が含まれる。また、ネットワークは、例えば自動車のCAN(Controller Area Network)やLAN(Local Area Network)、インターネット等である。外部I/F24は、外部装置との接続または通信を可能にする構成であればよく、外部装置ごとに外部I/F24が用意されてもよい。
光源装置トライバは、入力された制御信号に従って光源装置12に駆動電圧等の駆動信号を出力する電気回路である。
可動装置ドライバ26は、入力された制御信号に従って可動装置13に駆動電圧等の駆動信号を出力する電気回路である。
制御装置11において、CPU20は、外部I/F24を介して外部装置やネットワークから光走査情報を取得する。なお、CPU20が光走査情報を取得することができる構成であればよく、制御装置11内のROM22やFPGA23に光走査情報を格納する構成としてもよいし、制御装置11内に新たにSSD等の記憶装置を設けて、その記憶装置に光走査情報を格納する構成としてもよい。
ここで、光走査情報とは、被走査面15にどのように光走査させるかを示した情報であり、例えば、光走査により画像を表示する場合は、光走査情報は画像データである。また、例えば、光走査により光書込みを行う場合は、光走査情報は書込み順や書込み箇所を示した書込みデータである。他にも、例えば、光走査により物体認識を行う場合は、光走査情報は物体認識用の光を照射するタイミングと照射範囲を示す照射データである。
本実施形態に係る制御装置11は、CPU20の命令および図2に示したハードウェア構成によって、次に説明する機能構成を実現することができる。
次に、光走査システム10の制御装置11の機能構成について図3を用いて説明する。図3は、光走査システムの制御装置の一例の機能ブロック図である。
図3に示すように、制御装置11は、機能として制御部30と駆動信号出力部31とを有する。
制御部30は、例えばCPU20、FPGA23等により実現され、外部装置から光走査情報を取得し、光走査情報を制御信号に変換して駆動信号出力部31に出力する。例えば、制御部30は、外部装置等から画像データを光走査情報として取得し、所定の処理により画像データから制御信号を生成して駆動信号出力部31に出力する。
駆動信号出力部31は、光源装置12ドライバ25、可動装置13ドライバ26等により実現され、入力された制御信号に基づいて光源装置12または可動装置13に駆動信号を出力する。
駆動信号は、光源装置12または可動装置13の駆動を制御するための信号である。例えば、光源装置12においては、光源の照射タイミングおよび照射強度を制御する駆動電圧である。また、例えば、可動装置13においては、可動装置13の有する反射面14を可動させるタイミングおよび可動範囲を制御する駆動電圧である。
次に、光走査システム10が被走査面15を光走査する処理について図4を用いて説明する。図4は、光走査システムに係る処理の一例のフローチャートである。
ステップS11において、制御部30は、外部装置等から光走査情報を取得する。
ステップS12において、制御部30は、取得した光走査情報から制御信号を生成し、制御信号を駆動信号出力部31に出力する。
ステップS13において、駆動信号出力部31は、入力された制御信号に基づいて駆動信号を光源装置12および可動装置13に出力する。
ステップS14において、光源装置12は、入力された駆動信号に基づいて光照射を行う。また、可動装置13は、入力された駆動信号に基づいて反射面14の可動を行う。光源装置12および可動装置13の駆動により、任意の方向に光が偏向され、光走査される。
なお、上記光走査システム10では、1つの制御装置11が光源装置12および可動装置13を制御する装置および機能を有しているが、光源装置用の制御装置および可動装置用の制御装置と、別体に設けてもよい。
また、上記光走査システム10では、一つの制御装置11に光源装置12および可動装置13の制御部30の機能および駆動信号出力部31の機能を設けているが、これらの機能は別体として存在していてもよく、例えば制御部30を有した制御装置11とは別に駆動信号出力部31を有した駆動信号出力装置を設ける構成としてもよい。なお、上記光走査システム10のうち、反射面14を有した可動装置13と制御装置11により、光偏向を行う光偏向システムを構成してもよい。
[画像投影装置]
次に、本実施形態の制御装置を適用した画像投影装置について、図5および図6を用いて詳細に説明する。
図5は、画像投影装置の一例であるヘッドアップディスプレイ装置500を搭載した自動車400の実施形態に係る概略図である。また、図6はヘッドアップディスプレイ装置500の一例の概略図である。
画像投影装置は、光走査により画像を投影する装置であり、例えばヘッドアップディスプレイ装置である。
図5に示すように、ヘッドアップディスプレイ装置500は、例えば、自動車400のウインドシールド(フロントガラス401等)の付近に設置される。ヘッドアップディスプレイ装置500から発せられる投射光Lがフロントガラス401で反射され、ユーザーである観察者(運転者402)に向かう。これにより、運転者402は、ヘッドアップディスプレイ装置500によって投影された画像等を虚像として視認することができる。なお、ウインドシールドの内壁面にコンバイナを設置し、コンバイナによって反射する投射光によってユーザーに虚像を視認させる構成にしてもよい。
図6に示すように、ヘッドアップディスプレイ装置500は、赤色、緑色、青色のレーザ光源501R,501G,501Bからレーザ光が出射される。出射されたレーザ光は、各レーザ光源に対して設けられるコリメータレンズ502,503,504と、2つのダイクロイックミラー505,506と、光量調整部507と、から構成される入射光学系を経た後、反射面14を有する可動装置13にて偏向される。そして、偏向されたレーザ光は、自由曲面ミラー509と、中間スクリーン510と、投射ミラー511とから構成される投射光学系を経て、スクリーンに投影される。なお、上記ヘッドアップディスプレイ装置500では、レーザ光源501R,501G,501B、コリメータレンズ502,503,504、ダイクロイックミラー505,506は、光源ユニット530として光学ハウジングによってユニット化されている。
上記ヘッドアップディスプレイ装置500は、中間スクリーン510に表示される中間像を自動車400のフロントガラス401に投射することで、その中間像を運転者402に虚像として視認させる。
レーザ光源501R,501G,501Bから発せられる各色レーザ光は、それぞれ、コリメータレンズ502,503,504で略平行光とされ、2つのダイクロイックミラー505,506により合成される。合成されたレーザ光は、光量調整部507で光量が調整された後、反射面14を有する可動装置13によって二次元走査される。可動装置13で二次元走査された投射光Lは、自由曲面ミラー509で反射されて歪みを補正された後、中間スクリーン510に集光され、中間像を表示する。中間スクリーン510は、マイクロレンズが二次元配置されたマイクロレンズアレイで構成されており、中間スクリーン510に入射してくる投射光Lをマイクロレンズ単位で拡大する。
可動装置13は、反射面14を2軸方向に往復可動させ、反射面14に入射する投射光Lを二次元走査する。この可動装置13の駆動制御は、レーザ光源501R,501G,501Bの発光タイミングに同期して行われる。
以上、画像投影装置の一例としてのヘッドアップディスプレイ装置500の説明をしたが、画像投影装置は、反射面14を有した可動装置13により光走査を行うことで画像を投影する装置であればよい。例えば、机等に置かれ、表示スクリーン上に画像を投影するプロジェクタや、観測者の頭部等に装着される装着部材に搭載され、装着部材が有する反射透過スクリーンに投影、または眼球をスクリーンとして画像を投影するヘッドマウントディスプレイ装置等にも、同様に適用することができる。
また、画像投影装置は、車両や装着部材だけでなく、例えば、航空機、船舶、移動式ロボット等の移動体、あるいは、その場から移動せずにマニピュレータ等の駆動対象を操作する作業ロボットなどの非移動体に搭載されてもよい。
[光書込装置]
次に、本実施形態の制御装置11を適用した光走査装置としての光書込装置について図7および図8を用いて詳細に説明する。
図7は、光書込装置600を組み込んだ画像形成装置の一例である。また、図8は、光書込装置の一例の概略図である。
図7に示すように、上記光書込装置600は、レーザ光によるプリンタ機能を有するレーザプリンタ650等に代表される画像形成装置の構成部材として使用される。画像形成装置において光書込装置600は、1本または複数本のレーザビームで被走査面15である感光体ドラムを光走査することにより、感光体ドラムに光書込を行う。
図8に示すように、光書込装置600において、レーザ素子などの光源装置12からのレーザ光は、コリメータレンズなどの結像光学系601を経た後、反射面14を有する可動装置13により1軸方向または2軸方向に偏向される。そして、可動装置13で偏向されたレーザ光は、その後、第一レンズ602aと第二レンズ602b、反射ミラー部602cからなる走査光学系602を経て、被走査面15(例えば感光体ドラムや感光紙)に照射し、光書込みを行う。走査光学系602は、被走査面15にスポット状に光ビームを結像する。また、光源装置12および反射面14を有する可動装置13は、制御装置11の制御に基づき駆動する。
このように上記光書込装置600は、レーザ光によるプリンタ機能を有する画像形成装置の構成部材として使用することができる。また、走査光学系を異ならせて1軸方向だけでなく2軸方向に光走査可能にすることで、レーザ光をサーマルメディアに偏向して光走査し、加熱することで印字するレーザラベル装置等の画像形成装置の構成部材として使用することができる。
上記光書込装置に適用される反射面14を有した可動装置13は、ポリゴンミラー等を用いた回転多面鏡に比べ駆動のための消費電力が小さいため、光書込装置の省電力化に有利である。また、可動装置13の振動時における風切り音は回転多面鏡に比べ小さいため、光書込装置の静粛性の改善に有利である。光書込装置は回転多面鏡に比べ設置スペースが圧倒的に少なくて済み、また可動装置13の発熱量もわずかであるため、小型化が容易であり、よって画像形成装置の小型化に有利である。
[物体認識装置]
次に、上記本実施形態の制御装置を適用した物体認識装置について、図9および図10を用いて詳細に説明する。
図9は、物体認識装置の一例であるレーザレーダ装置を搭載した自動車の概略図である。また、図10はレーザレーダ装置の一例の概略図である。
物体認識装置は、対象方向の物体を認識する装置であり、例えばレーザレーダ装置である。
図9に示すように、レーザレーダ装置700は、例えば自動車701に搭載され、対象方向を光走査して、対象方向に存在する被対象物702からの反射光を受光することで、被対象物702を認識する。
図10に示すように、光源装置12から出射されたレーザ光は、発散光を略平行光とする光学系であるコリメートレンズ703と、平面ミラー704とから構成される入射光学系を経て、反射面14を有する可動装置13で1軸もしくは2軸方向に走査される。そして、投光光学系である投光レンズ705等を経て装置前方の被対象物702に照射される。光源装置12および可動装置13は、制御装置11により駆動を制御される。被対象物702で反射された反射光は、光検出器709により光検出される。すなわち、反射光は入射光検出受光光学系である集光レンズ706等を経て撮像素子707により受光され、撮像素子707は検出信号を信号処理装置708に出力する。信号処理装置708は、入力された検出信号に2値化やノイズ処理等の所定の処理を行い、結果を測距回路710に出力する。
測距回路710は、光源装置12がレーザ光を発光したタイミングと、光検出器709でレーザ光を受光したタイミングとの時間差、または受光した撮像素子707の画素ごとの位相差によって、被対象物702の有無を認識し、さらに被対象物702との距離情報を算出する。
反射面14を有する可動装置13は多面鏡に比べて破損しづらく、小型であるため、耐久性の高い小型のレーダ装置を提供することができる。このようなレーダレーダ装置は、例えば車両、航空機、船舶、ロボット等に取り付けられ、所定範囲を光走査して障害物の有無や障害物までの距離を認識することができる。
上記物体認識装置では、一例としてのレーザレーダ装置700の説明をしたが、物体認識装置は、反射面14を有した可動装置13を制御装置11で制御することにより光走査を行い、光検出器により反射光を受光することで被対象物702を認識する装置であればよく、上述した実施形態に限定されるものではない。
例えば、手や顔を光走査して得た距離情報から形状等の物体情報を算出し、記録と参照することで対象物を認識する生体認証や、対象範囲への光走査により侵入物を認識するセキュリティセンサ、光走査により得た距離情報から形状等の物体情報を算出して認識し、3次元データとして出力する3次元スキャナの構成部材などにも同様に適用することができる。
[パッケージング]
次に、本実施形態の制御装置により制御される可動装置のパッケージングについて図11を用いて説明する。
図11は、パッケージングされた可動装置の一例の概略図である。
図11に示すように、可動装置13は、パッケージ部材802の内側に配置される取付部材802に取り付けられ、パッケージ部材の一部を透過部材803で覆われて、密閉されることでパッケージングされる。さらに、パッケージ内は窒素等の不活性ガスが密封されている。これにより、可動装置13の酸化による劣化が抑制され、さらに温度等の環境の変化に対する耐久性が向上する。
以上に説明した光偏向システム、光走査システム、画像投射装置、光書込装置、物体認識装置に使用される可動装置の詳細および本実施形態の詳細について、図12〜図 を用いて説明する。
[可動装置の詳細]
まず、可動装置について図12〜図15を用いて詳細に説明する。
図12は、2軸方向に光偏向可能な片持ちタイプの可動装置の平面図である。図13は、図12のP−P’断面図である。図14は図12のQ−Q’断面図である。図15は、図12のR−R´断面図である。
図12に示すように、可動装置13は、入射した光を反射するミラー部101と、ミラー部に接続され、ミラー部をY軸に平行な第1軸周りに駆動する第1駆動部110a、110bと、ミラー部および第1駆動部を支持する第1支持部120と、第1支持部に接続され、ミラー部および第1支持部をX軸に平行な第2軸周りに駆動する第2駆動部130a、130bと、第2駆動部を支持する第2支持部150と、第1駆動部および第2駆動部および制御装置に電気的に接続される電極接続部160と、を有する。
可動装置13は、例えば、1枚のSOI(Silicon On Insulator)基板をエッチング処理等により成形し、成形した基板上に反射面14や第1圧電駆動部112a、112b、第2圧電駆動部131a〜131f、132a〜132f、電極接続部160等を形成することで、各構成部が一体的に形成されている。なお、上記の各構成部の形成は、SOI基板の成形後に行ってもよいし、SOI基板の成形中に行ってもよい。
SOI基板は、単結晶シリコン(Si)からなる第1のシリコン層の上に酸化シリコン層172が設けられ、その酸化シリコン層172の上にさらに単結晶シリコンからなる第2のシリコン層が設けられている基板である。以降、第1のシリコン層をシリコン支持層171、第2のシリコン層をシリコン活性層173とする。
シリコン活性層173は、X軸方向またはY軸方向に対してZ軸方向への厚みが小さいため、シリコン活性層173のみで構成された部材は、弾性を有する弾性部としての機能を備える。
なお、SOI基板は、必ず平面状である必要はなく、曲率等を有していてもよい。また、エッチング処理等により一体的に成形でき、部分的に弾性を持たせることができる基板であれば可動装置13の形成に用いられる部材はSOI基板に限られない。
ミラー部101は、例えば、円形状のミラー部基体102と、ミラー部基体の+Z側の面上に形成された反射面14とから構成される。ミラー部基体102は、例えば、シリコン活性層173から構成される。反射面14は、例えば、アルミニウム、金、銀等を含む金属薄膜で構成される。
第1駆動部110a、110bは、ミラー部基体102に一端が接続し、第1軸方向にそれぞれ延びてミラー部101を可動可能に支持する2つのトーションバー111a、112bと、一端がトーションバーに接続され、他端が第1支持部120の内周部に接続される第1圧電駆動部112a、112bと、から構成される。
図13に示されるように、トーションバー111a、111bはシリコン活性層173から構成される。また、第1圧電駆動部112a、112bは、カンチレバーとして機能する弾性部であるシリコン活性層173の+Z側の面上に下部電極210、圧電部220、上部電極230の順に形成されて構成される。上部電極230および下部電極210は、例えば金(Au)または白金(Pt)等から構成される。圧電部220は、例えば、圧電材料であるPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)からなる。
図12に戻り、第1支持部120は、例えば、シリコン支持層171、酸化シリコン層172、シリコン活性層173から構成され、ミラー部101を囲うように形成された矩形形状の支持体である。
第2駆動部130a、130bは、例えば、折り返すように連結された複数の第2圧電駆動部131a〜131f、132a〜132fから構成されており、第2駆動部130a、130bの一端は第1支持部120の外周部に接続され、他端は第2支持部150の内周部に接続されている。このとき、第2駆動部130aと第1支持部120の接続箇所および第2駆動部130bと第1支持部120の接続箇所、さらに第2駆動部130aと第2支持部150の接続箇所および第2駆動部130bと第2支持部150の接続箇所は、反射面14の中心に対して点対称となっている。
図14に示されるように、第2駆動部130a、130bは、カンチレバーとして機能する弾性部であるシリコン活性層173の+Z側の面上に下部電極210、圧電部220、上部電極230の順に形成されて構成される。上部電極230および下部電極210は、例えば金(Au)または白金(Pt)等から構成される。圧電部220は、例えば、圧電材料であるPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)からなる。
第2圧電駆動部131a〜131f、132a〜132fを折り返し状に接続する連結部141ab〜141ef、142ab〜142efは、図15に示されるように、例えばシリコン活性層173で形成される。なお、シリコン支持層、酸化シリコン層により構成されていてもよい。
図12に戻り、第2支持部150は、例えば、シリコン支持層171、酸化シリコン層172、シリコン活性層173から構成され、ミラー部101、第1駆動部110a、110b、第1支持部120および第2駆動部130a、130bを囲うように形成された矩形の支持体である。
電極接続部160は、例えば、第2支持部150の+Z側の面上に形成され、第1圧電駆動部112a、112b、第2圧電駆動部131a〜131f、132a〜132fの各上部電極230および各下部電極210,および制御装置11にアルミニウム(Al)等の電極配線を介して電気的に接続されている。なお、上部電極230または下部電極210は、それぞれが電極接続部と直接接続されていてもよいし、電極同士を接続する等により間接的に接続されていてもよい。
なお、本実施形態では、圧電部220が弾性部であるシリコン活性層173の一面(+Z側の面)のみに形成された場合を一例として説明したが、弾性部の他の面(例えば−Z側の面)に設けても良いし、弾性部の一面および他面の双方に設けても良い。
また、ミラー部を第1軸周りまたは第2軸周りに駆動可能であれば、各構成部の形状は実施形態の形状に限定されない。例えば、トーションバー111a、111bや第1圧電駆動部112a、112bが曲率を有した形状を有していてもよい。
さらに、第1駆動部110a、110bの上部電極230の+Z側の面上、第1支持部の+Z側の面上、第2駆動部130a、130bの上部電極230の+Z側の面上、第2支持部の+Z側の面上の少なくともいずれかに酸化シリコン膜からなる絶縁層が形成されていてもよい。このとき、絶縁層の上に電極配線を設け、また、上部電極230または下部電極210と電極配線とが接続される接続スポットのみ、開口部として部分的に絶縁層を除去または絶縁層を形成しないことにより、第1駆動部110a、110b、第2駆動部130a、130bおよび電極配線の設計自由度をあげ、さらに電極同士の接触による短絡を抑制することができる。また、酸化シリコン膜は、反射防止材としていの機能も備える。
[制御装置の制御の詳細]
次に、可動装置の第1駆動部および第2駆動部を駆動させる制御装置の制御の詳細について説明する。
第1駆動部110a、110b、第2駆動部130a、130bが有する圧電部220は、分極方向に正または負の電圧が印加されると印加電圧の電位に比例した変形(例えば、伸縮)が生じ、いわゆる逆圧電効果を発揮する。第1駆動部110a,110b,第2駆動部130a、130bは、上記の逆圧電効果を利用してミラー部101を可動させる。
このとき、ミラー部101の反射面14がXY平面に対して+Z方向または−Z方向へ傾いたときのXY平面と反射面14により成す角度を、振れ角とよぶ。このとき、+Z方向を正の振れ角、−Z方向を負の振れ角とする。
まず、第1駆動部を駆動させる制御装置の制御について説明する。
第1駆動部110a、110bでは、第1圧電駆動部112a、112bが有する圧電部220に、上部電極230および下部電極210を介して駆動電圧が並列に印加されると、それぞれの圧電部220が変形する。この圧電部220の変形による作用により、第1圧電駆動部112a、112bが屈曲変形する。その結果、2つのトーションバー111a、111bのねじれを介してミラー部101に第1軸周りの駆動力が作用し、ミラー部101が第1軸周りに可動する。第1駆動部110a、110bに印加される駆動電圧は、制御装置11によって制御される。
そこで、制御装置11によって、第1駆動部110a、110bが有する第1圧電駆動部112a、112bに所定の正弦波形の駆動電圧を並行して印加することで、ミラー部101を、第1軸周りに所定の正弦波形の駆動電圧の周期で可動させることができる。
特に、例えば、正弦波形電圧の周波数がトーションバー111a、111bの共振周波数と同程度である約20kHzに設定された場合、トーションバー111a、111bのねじれによる機械的共振が生じるのを利用して、ミラー部101を約20kHzで共振振動させることができる。
[ミラー部の動的面変形について]
以下に、ミラー部の動的面変形について説明するが、ここでは、便宜上、ミラー部101に動的面変形を抑える対策が講じられていないことを前提とする。
ミラー部101の動き(揺動動作)が図16に示されている。図16に示されるように、ミラー部101は、トーションバーの軸を回転軸として振動(揺動)する。すなわち、ミラー部101は、回転軸周りの所定角度範囲で往復回転運動を行う。このとき、反射面14には、ミラー部101の回転に伴う応力が発生する。
例えば、ミラー部101の回転に伴い、ミラー部101の反射面14の中心を通り回転軸に直交する方向の両端部がそれぞれの振れ方向と逆向きに歪む(変形する)。このときの各端部の歪み量は、回転軸から離れた部分ほど大きくなる。このように、反射面14は、動的面変形する。
図16には、反射面14の中心を通り回転軸に直交する方向の両端部P、Qそれぞれの歪み方向が示されている。図16において、例えばミラー部101の−Z方向に振れる部位Pは+Z方向に歪む。例えばミラー部101の+Z方向に振れる部位Qは−Z方向に歪む。
図17は、ミラー部101が回転しているときの反射面14を+Z方向から見た図である。本来平坦であることが理想な反射面14が図17に示されるように6つの部位P、Q、R、S、T、Uで凹凸変形している。図17において、各部位に対する+Zや−Zの表示は、ミラー部101の回転方向に対する該部位の歪み方向(変形方向)を示す。4つの部位R、S、T、Uは、それぞれの振れ方向と同じ向きに歪む(変形する)。
なお、部位P、Qは、それぞれ反射面14のミラー部101の中心を通り回転軸に直交する方向の一端部及び他端部(回転軸に関して対称な位置)にある。部位R、Tは回転軸に対して部位Pと同じ側の部位Pを挟む位置にあり、部位S、Uは回転軸に対して部位Qと同じ側の部位Qを挟む位置にある。部位R、Sは回転軸に関して対称な位置にあり、部位U、Tは回転軸に関して対称な位置にある。
例えば反射面14の形状が円である場合に、6つの部位P〜Uは、該円に内接する正六角形の頂点近傍の領域となる。
ここでは、トーションバーの軸(回転軸)がミラー部101の中心を通る構造であるため、反射面14の6つの部位P〜Uの凹凸変形は、トーションバーの軸に関して対称となる。すなわち、反射面14において、トーションバーの軸に関して対称な位置にある対応する略同一面積の2つの箇所(PとQ、RとS、TとU)は、歪み量が同じとなり歪み方向が逆となる。
これに対して、図18のようにトーションバーの軸がミラー部の中心から少しずれた位置にある構造(偏心構造)や、ミラー部がトーションバーに対して片持ち状態で支持される構造を採用した場合でも、同様にミラー部の反射面の各部位が振れ方向と逆向き又は同じ向きに歪む。図18において、各部位に対する+Zや−Zの表示は、ミラー部101の回転方向に対する該部位の歪み方向(変形方向)を示す。
この場合も、ミラー部101の反射面14が図18に示されるように6つの部位P´、Q´、R´、S´、T´、U´で凹凸変形するが、該凹凸変形はトーションバーの軸に関して非対称となる。すなわち、反射面14において、トーションバーの軸の両側の対応する2つの部位(P´とQ´、R´とS´、T´とU´)は、面積が異なり歪み量が異なり歪み方向が逆となる。2つの部位P´、Q´は振れ方向と逆向きに歪み(変形し)、4つの部位R´、S´、T´、U´は振れ方向と同じ向きに歪む(変形する)。
[ミラー部の動的面変形の抑制について]
そこで、このようなミラー部の振動に伴う反射面の歪み(動的面変形)を抑えるために、ミラー部の反射面とは反対側の面に補強用リブを設ける技術が提案されている。
しかし、ミラー部に補強用リブを設けると、ミラー部が重くなってしまいトーションバーやカンチレバーが破壊する可能性があった。また、ミラー部が重くなることで共振周波数も下がる。また、ミラー部のリブがない部分(端など)では面変形量が大きいままである。また、リブの製造ばらつきが生じやすいという問題があった。
そこで、発明者らは、このような問題に対処すべく、圧電体を用いた簡易な構成により反射面の動的面変形を抑える技術を開発した。その核となる原理を以下に簡単に説明する。
圧電体は、圧力を加えて変形させることで圧電効果により分極が起き、電圧が発生する。また、圧電体は、電圧をかけることで逆圧電効果により変形する。そこで、圧電効果により一の圧電体に発生した電圧を他の圧電体に印加することで該圧電体を逆圧電効果により変形させることができる。
以下に、この原理を可動装置に応用した幾つかの実施例について説明する。
[実施例1]
実施例1の可動装置では、図19に示されるように、ミラー部101の反射面14とは反対側の面(以下では「裏面」とも呼ぶ)に4つの圧電体A、B、C、Dが設けられている。各圧電体としては、例えばPZTが用いられる。
詳述すると、圧電体Aは、例えば平面視円弧形状の外形を有し、ミラー部101の裏面の、反射面14の部位Pの裏側の部位pの回転軸から最も離れた部分p1(裏面の回転軸に直交する方向の端部)に配置されている。
圧電体Cは、圧電体Aよりも大きい例えば平面視楕円形状の外形を有し、部位pにおける圧電体Aと回転軸の間の部分p2に配置されている。
圧電体Bは、例えば平面視円弧形状の外形を有し、ミラー部101の裏面の、反射面14の部位Qの裏側の部位qの回転軸から最も離れた部分q1(裏面の回転軸に直交する方向の端部)に配置されている。
圧電体Dは、圧電体Bよりも大きい例えば平面視楕円形状の外形を有し、部位qにおける圧電体Bと回転軸の間の部分q2に配置されている。
図19において、6つの部位p、q、r、s、t,uの各部位に対する+Zや−Zの表示は、ミラー部101の回転方向に対する該部位の歪み方向(変形方向)を示す。
ここでは、圧電体Aと圧電体Dが電気的に並列に接続され、圧電体Bと圧電体Cが電気的に並列に接続されている。なお、「電気的に並列に接続」とは、一の圧電体を挟む2つの電極と他の圧電体を挟む2つの電極とを結線することや、一の圧電体を挟む2つの電極の一方と他の圧電体を挟む2つの電極の一方とを結線し、残りの電極をグラウンドやアースに接続することを含む。
ここで、圧電体A、Bがそれぞれ設けられているミラー部101の裏面の部分p1、q1は、ミラー部101の揺動に伴う(トーションバーの捻転に伴う)変形量が、圧電体C、Dがそれぞれ設けられているミラー部101の裏面の部分p2、q2よりも大きい。この場合、部分p1、q1の変形速度は、部分p2、q2の変形速度よりも速い。
ミラー部101が回転すると、部位pと部位qは、互いに逆向きに変形もしくは変形しようとする。
このとき、部分p1に設けられた圧電体Aの電圧が、部分p1よりも変形速度が遅い部分q2に設けられた圧電体Dに印加され、部分q1に設けられた圧電体Bの電圧が、部分q1よりも変形速度が遅い部分p2に設けられた圧電体Cに印加される。
すなわち、圧電体A、Bは、圧電効果により電圧を発生させるための電圧発生用圧電体(以下では「第1圧電体」とも呼ぶ)として機能し、圧電体C、Dは、逆圧電効果により歪みを発生させるための歪み発生用圧電体(以下では「第2圧電体」とも呼ぶ)として機能する。
ここで、図20に示されるように、圧電体は、分極方向が一定(同一)の条件下では、印加電圧の極性が逆になると逆圧電効果による歪み方向も逆になる。また、圧電体は、印加電圧の極性が一定(同一)の条件下では、分極方向(圧電体の向き)を逆にすると逆圧電効果による歪み方向も逆になる。
すなわち、第2圧電体の歪み方向は、第2圧電体の分極方向と印加電圧の極性によって決まる。
一方、第1圧電体の歪み方向は、該第1圧電体が取り付けられたミラー部101の裏面の部位(以下では「第1圧電体取り付け部位」とも呼ぶ)の歪み方向と同じである。そして、第1圧電体は、分極方向(圧電体の向き)が一定(同一)の条件下では、ミラー部101の回転方向が逆になって歪み方向が逆になると、圧電効果により発生する電圧の極性も逆になる。
従って、第1圧電体が発生する電圧(印加電圧)の極性は、第1圧電体の分極方向と第1圧電体取り付け部位の歪み方向によって決まる。
結果として、第2圧電体(圧電体C、D)の歪み方向は、第2圧電体(圧電体C、D)の分極方向と対応する第1圧電体(圧電体A、B)の分極方向と第1圧電体取り付け部位の歪み方向によって決まる。以下では、第2圧電体が取り付けられたミラー部101の裏面の部位を「第2圧電体取り付け部位」とも呼ぶ。
そこで、反射面14の動的面変形を抑えるためには、第2圧電体の歪み方向を第2圧電体取り付け部位の歪み方向と逆にすれば良い。
ここでは、電気的に並列接続されている第1及び第2圧電体にそれぞれ対応する第1及び第2圧電体取り付け部位の歪み方向は逆方向なので、第1圧電体の分極方向と第2圧電体の分極方向を同じにすれば良い。
結果として、反射面14の動的面変形を抑えることが可能となる。
実施例1によれば、ミラー部101の裏面の歪み量が最大となる箇所に電圧発生用圧電体である圧電体A、Bを設けているので、極めて効率良く電圧(印加電圧)を発生させることができる。また、歪み発生用圧電体である圧電体C、Dの大きさを圧電体A、Bよりも大きくしているので、反射面14の広範囲の動的面変形を抑制することができる。
なお、第2圧電体の変形量が大き過ぎると反射面14を動的面変形の向きとは逆向きに過剰に変形(過変形)させることになるので、第1圧電体の大きさ(設置面積)や第1圧電体取り付け部位の位置を調整したり、第2圧電体の大きさ(設置面積)や第2圧電体取り付け部位の位置を調整することにより、第2圧電体の変形量を調整し、過変形を抑制することが好ましい。
また、実施例1では、圧電体A(第1圧電体)と圧電体D(第2圧電体)を電気的に並列接続し、圧電体B(第1圧電体)と圧電体C(第2圧電体)を電気的に並列に接続しているが、これに限られない。
例えば、圧電体A(第1圧電体)と圧電体C(第2圧電体)を電気的に並列接続し、圧電体B(第1圧電体)と圧電体D(第2圧電体)を電気的に並列に接続しても良い。
この場合、反射面14の動的面変形を抑えるために、電気的に並列接続されている第1及び第2圧電体にそれぞれ対応する第1及び第2圧電体取り付け部位の歪み方向は同じ方向なので、第1圧電体の分極方向と第2圧電体の分極方向を逆にする必要がある。
[実施例2]
実施例2の可動装置では、図21に示されるように、ミラー部101の裏面の、反射面14の6つの部位P、Q、R、S、T、Uに対応する6つの部位p、q、r、s、t、uに6つの圧電体A1、B1、C1、D1、E1、F1が設けられている。部位r、s、t、uはミラー部101の裏面の縁部であり、部位p、qは、ミラー部101の裏面の縁部と回転軸の間の部位である。図21において、6つの部位p、q、r、s、t,uの各部位に対する+Zや−Zの表示は、ミラー部101の回転方向に対する該部位の歪み方向を示す。
詳述すると、部位r、s、t、uには、電圧発生用圧電体(第1圧電体)である圧電体C1、D1、E1、F1が設けられ、部位p、qにはそれぞれ歪み発生用圧電体(第2圧電体)である圧電体A1、B1が設けられている。第1及び第2圧電体の形状は、上記実施例1と同様である。
そして、圧電体C1、E1と圧電体A1とが電気的に並列接続され、圧電体D1、F1と圧電体B1とが電気的に並列に接続されている。
この場合、電気的に並列に接続された第1及び第2圧電体にそれぞれ対応する第1及び第2圧電体取り付け部位の歪み方向が逆になるので、第1圧電体(圧電体C1、D1、E1、F1)と第2圧電体(圧電体A1、B1)の分極方向を同じにする必要がある。
なお、圧電体C1、E1と圧電体B1とを電気的に並列接続し、圧電体D1、F1と圧電体A1とに電気的に並列に接続しても良い。
この場合、電気的に並列に接続された第1及び第2圧電体にそれぞれ対応する第1及び第2圧電体取り付け部位の歪み方向が同じになるので、第1圧電体(圧電体C1、D1、E1、F1)と第2圧電体(圧電体A1、B1)の分極方向を逆にする必要がある。
実施例2によれば、ミラー部101の裏面の歪み応力が発生する全ての部位を有効利用して、反射面14の動的面変形を抑制できる。
[実施例3]
実施例3の可動装置では、図22に示されるように、ミラー部101の裏面の、反射面14の2つの部位P、Qに対応する2つの部位p、qに2つの圧電体A2、B2が設けられ、2つのトーションバー111a、111bのミラー部101側の端部v、wに圧電体C2、D2が設けられている。ここでは、圧電体A2、B2の平面形状は、それぞれ部位p、qよりも幾分横長の楕円形状となっている。図22において、6つの部位p、q、r、s、t,uの各部位に対する+Zや−Zの表示は、ミラー部101の回転方向に対する該部位の歪み方向を示す。
そして、圧電体A2は圧電体C2、D2に電気的に並列に接続され、圧電体B2は圧電体C2、D2に電気的に並列に接続されている。
ミラー部101の回転時の端部v、wの変形量は、部位p、qの変形量よりも大きい。すなわち、ミラー部101の揺動時の端部v、wの変形速度は、部位p、qの変形速度よりも速い。
そこで、ミラー部101の回転時には、端部vに設けられた圧電体C2の電圧が、端部vよりも変形速度が遅い部位p、qに設けられた圧電体A2、B2に印加され、端部wに設けられた圧電体D2の電圧が、端部wよりも変形速度が遅い部位p、qに設けられた圧電体A2、B2に印加される。
この際、ミラー部101の揺動方向が逆になると、圧電体C2、D2の歪み方向が逆向きになり、圧電体A2、B2に印加される電圧(印加電圧)の極性も逆になる。
実施例3でも、反射面14の動的面変形を抑えるために、圧電体A2の歪み方向が部位pの歪方向と逆向きになるよう圧電体A2、C2、D2の分極方向が設定され、圧電体B2の歪み方向が部位qの歪み方向と逆向きになるよう圧電体B2、C2、D2の分極方向が設定されている。なお、圧電体A2、B2がそれぞれ設けられた部位p、qの歪み方向は逆向きなので、圧電体C2、D2の分極方向を同じにし、圧電体A2、B2の分極方向を逆にする必要がある。
実施例3によれば、変形量が大きいトーションバーに電圧発生用圧電体(圧電体C2、D2)を設けているので、印加電圧を極めて効率良く発生させることができる。
また、圧電体C2、D2をトーションバーのミラー部101側の端部に設けているので、圧電体同士を接続する配線の長さを極力短くでき、配線の断線等のトラブルを抑制できる。
なお、上記実施例1〜3における第1及び第2の圧電体の配置例や配線接続例は、適宜変更可能である。いずれにしても、事前にシミュレーションを行い、第2圧電体の変形量と第2圧電体取り付け部位の変形量が互いに相殺するように第1及び第2圧電体の数、配置、大きさ、形状、配線接続(どの第1圧電体とどの第2圧電体を配線で接続するか)等を設定することが好ましい。
以上説明した本実施形態の光偏向素子としての可動装置13(実施例1、2の可動装置)は、第1の観点からすると、反射面14を有するミラー部101と、ミラー部101を一軸(回転軸)周りに揺動させる、第1駆動部110a、110bを含む駆動系と、ミラー部101の反射面14とは反対側の面(裏面)の第1の部位に設けられた第1の圧電体と、ミラー部101の裏面の第2の部位に設けられ、ミラー部101の揺動に伴い第1の圧電体で発生した電圧が印加される第2の圧電体と、を備え、電圧が印加されたとき、第2の圧電体の変形方向は第2の部位の変形方向とは逆向きである。ここで、「第2の圧電体や第2部位の変形方向」は、第2の圧電体や第2部位が実際に変形しているときの方向のみならず、変形しようとする方向も含む。「変形方向」は、歪み方向や撓み方向や湾曲方向と言い換えることもできる。
詳述すると、ミラー部101の裏面の変形する部位に第1及び第2の圧電体を配置する。具体的には、変位を電圧に変える役割の第1の圧電体と印加電圧を変位に変える役割の第2の圧電体とを配線でつなぐ。第1の圧電体が反射面14の動的面変形を受けて電圧を生成し、その電圧を利用して第2の圧電体を動的面変形を妨げる方向に変形させる。これによって、外部から電圧を供給することなく、反射面14の動的面変形を低減できる。
すなわち、圧電体を変形させるための、電源を含む電圧印加手段を設ける必要がない。なお、このような電圧印加手段を設ける場合には、例えば電源と圧電体を接続する配線を捻転動作するトーションバー、振動するカンチレバー等に這わせる必要があり、断線等の配線トラブルの発生確率が高くなることが懸念される。
結果として、本実施形態の可動装置13によれば、簡易な構成により、ミラー部の揺動に伴う反射面の変形(反射面の動的面変形)を抑えることができる。
また、第1の部位は、ミラー部101の揺動に伴う変形量が第2の部位よりも大きいことが好ましい。
この場合、第1の部位の変形速度が第2の部位の変形速度よりも速いため、圧電効果により第1の圧電体で電圧を発生させ第2の圧電体を逆圧電効果により歪ませることを確実に実現することができる。
また、第1の部位はミラー部101の裏面の縁部にあり、第2の部位はミラー部101の裏面の縁部と一軸の間にあることが好ましい。
この場合、第1の圧電体を変形させ第2圧電体へ電圧を印加して第2の圧電体を変形させることを高効率で行うことができる。すなわち、反射面14の動的面変形を効率良く抑制することができる。
また、第2の圧電体は、設置面積が第1の圧電体よりも大きいことが好ましい。
この場合、反射面14の動的面変形をより広範囲に抑制することができる。
また、本実施形態の光偏向素子としての可動装置13(実施例3の可動装置)は、第1の観点からすると、反射面14を有するミラー部101と、ミラー部101に接続されたトーションバー及び該トーションバーに接続された第1圧電駆動部を含み、ミラー部101をトージョンバーの軸である一軸周りに揺動させる駆動系と、トーションバーに設けられた第1の圧電体と、ミラー部の反射面14とは反対側の面(裏面)の所定部位に設けられ、トーションバーの捻れ(捻転)に伴い第1の圧電体で発生した電圧が印加される第2の圧電体と、を備え、電圧が印加されたときの第2の圧電体の変形方向は所定部位の変形方向とは逆向きである。ここで、「第2の圧電体や第2部位の変形方向」は、第2の圧電体や第2部位が実際に変形しているときの方向のみならず、変形しようとする方向も含む。「変形方向」は、歪み方向や撓み方向や湾曲方向と言い換えることもできる。
この場合、圧電体を変形させるための、電源を含む電圧印加手段を設ける必要がない。なお、このような電圧印加手段を設ける場合には、例えば電源と圧電体を接続する配線を捻転動作するトーションバーに加えて、振動するカンチレバー等にも這わせる必要があり、断線等の配線トラブルの発生確率がさらに高まることが懸念される。
結果として、本実施形態の可動装置13によれば、簡易な構成により、ミラー部の揺動に伴う反射面の変形(反射面の動的面変形)を抑えることができる。
また、トーションバーの変形量は、ミラー部101の裏面の第2の圧電体が設けられた部位(所定部位)の変形量よりも大きい。
この場合、トーションバーの変形速度がミラー部101の裏面の所定部位の変形速度よりも速いため、圧電効果により第1の圧電体で電圧を発生させ第2の圧電体を逆圧電効果により歪ませることを確実に実現することができる。
また、裏面変形部位は、ミラー部101の裏面の縁部又は該縁部とトーションバーの軸の間にあることが好ましい。
この場合、第1の圧電体を変形させ第2圧電体へ電圧を印加して第2の圧電体を変形させることを高効率で行うことができる。すなわち、反射面14の動的面変形を効率良く抑制することができる。
また、本実施形態の可動装置13(実施例1〜3の可動装置)ミラー部101及び駆動系を、一軸に直交する他軸周りに揺動させる、第2駆動部130a、130b及び第2支持部150を含む別の駆動系を更に備えることが好ましい。
また、本実施形態の光偏向素子としての可動装置13(実施例1〜3の可動装置)は、第2の観点からすると、反射面を有するミラー部101と、ミラー部101に接続されたトーションバーと、該トーションバーに接続されたカンチレバーと、ミラー部101の反射面14とは反対側の面(裏面)又はトーションバーに設けられた第1の圧電体と、ミラー部101の裏面に設けられ、第1の圧電体と電気的に並列に接続された第2の圧電体と、を備えている。
この場合、圧電体を変形させるための、電源を含む電圧印加手段を設ける必要がない。なお、このような電圧印加手段を設ける場合には、例えば電源と圧電体を接続する配線を捻転動作するトーションバーに加えて、振動するカンチレバー等にも這わせる必要があり、断線等の配線トラブルの発生確率がさらに高まることが懸念される。
結果として、本実施形態の可動装置13によれば、簡易な構成により、ミラー部の揺動に伴う反射面の変形を抑えることができる。
また、本実施形態の光走査装置(例えば光書込装置600)は、光により対象物を走査する光走査装置であって、光源装置12と、該光源装置12からの光を偏向する光偏向素子としての可動装置13と、を備えている。
この場合、光により対象物を安定して精度良く走査することができる。
また、本実施形態の画像形成装置としてのレーザプリンタ650は、感光体ドラム(像担持体)と、該感光体ドラムの表面である被走査面15を光により走査する光書込装置600と、を備えている。
この場合、被走査面15に形成される画像の品質を向上できる。
なお、上記光書込装置600は、感光体ドラムを複数備えるカラープリンタやカラー複写機等の画像形成装置にも適用可能である。このようなカラー対応の画像形成装置には、例えば複数の感光体ドラムに対応して複数の可動装置13を設けても良い。
また、本実施形態の画像投影装置としてのヘッドアップディスプレイ装置500は、光源装置12及び可動装置13を含む光走査装置からの光が照射され画像が形成される中間スクリーン510と、該中間スクリーン510を介した画像を形成する光を投射する投射ミラー511(光学系)と、を備えている。
この場合、投影画像の品質を向上できる。
また、本実施形態の物体認識装置(レーザレーダ装置)は、光源装置12及び可動装置13を有する光走査装置を含む投光系と、該投光系から投光され被対象物702(物体)で反射もしくは散乱された光を受光する受光系と、を備えている。
この場合、被対象物702を安定して精度良く認識できる。
また、本実施形態の画像投影装置及び物体認識装置の少なくとも一方と、該少なくとも一方が搭載される移動体と、を備える移動体装置を実現することもできる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上述した実施形態は本発明の一適用例を示したものである。本発明は、上述した実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で様々な変形や変更を加えて具体化することができる。
例えば、光源装置12及び可動装置13を含む光走査装置からの光を熱可逆記録媒体(例えばリライタブルラベル)に照射することにより該熱可逆記録媒体を光走査して画像の記録及び消去の少なくとも一方を行っても良い。
このような画像の記録や消去を行う装置は、熱可逆記録媒体を対象物とする画像書換装置や画像記録装置や画像消去装置として用いることができる。
この場合、熱可逆記録媒体に対して安定して精度良く画像の記録や消去を行うことができる。
また、光源装置12及び可動装置13を含む光走査装置からの光を眼底に照射することにより該眼底を光走査し、該眼底で反射もしくは散乱された光を解析手段で解析しても良い。
このように眼底に光(例えば弱い赤外線)を照射し戻ってきた光を解析することで、網膜の断層を描き出すことができる。このような装置は「光干渉断層計」と呼ばれ、加齢黄斑変性症や黄斑浮腫、黄斑円孔の診断や、緑内障における視神経繊維の状態を調べる際に用いられる。
また、上記実施形態では、光偏向器としての可動装置13は図12に示されるように、トーションバー111a、111bから+X方向に向かって第1圧電駆動部112a、112bが延びる片持ちタイプの可動装置を用いているが、電圧印加された圧電部を可動させる構成であれば、これに限られない。例えば、図23に示す変形例1のように、トーションバー211a、211bからそれぞれ+X方向に向かって延びる駆動部241a、241bおよびそれぞれ−X方向に向かって延びる駆動部241c、241dを有する両持ちタイプの可動装置を用いてもよい。また、図24に示す変形例2のように、ミラー部101、第1駆動部110a、110b、支持部120によって1軸方向のみに反射面14を可動させる可動装置を用いても良い。
また、上記実施形態に記載した具体的な数値、形状等は、一例であって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更である。
以下に、発明者らが、上記実施形態を発案するに至った思考プロセスを説明する。運転者が少ない視線移動で警報・情報を認知できるアプリケーションとして市場の期待が高まっており、車両に搭載するHuD(ヘッドアップディスプレイ)の技術開発が進んでいる。特に、ADAS(Advanced Driving Assistance System)という言葉に代表される車載センシング技術の進展に伴い、車両はさまざまな走行環境情報および車内乗員の情報を取り込むことができるようになっており、それらの情報を運転者に伝える「ADASの出口」としてもHuDが注目されている。HuDの投射方式は、液晶及びDMDのようなイメージングデバイスで中間像を表現する「パネル方式」と、レーザダイオードから射出したレーザビームを2次元走査デバイスで走査し中間像を形成する「レーザ走査方式」がある。特に後者のレーザ走査方式は、全画面発光の部分的遮光で画像を形成するパネル方式とは違い、各画素に対して発光/非発光を割り当てることができるため、一般に高コントラストの画像を形成することができる。
2次元走査デバイスで画像を表示するためにはミラー部を振動させることになるため、デバイス駆動によりミラー部の反射面が変形する。本来反射面は凹凸無く平坦であることが望まれるが、ミラー部の動的面変形によって、レーザ光が照射される反射面が波打ち、焦点がずれてしまったり、散乱光が生じたりする。それにより表示画像にモアレが発生したり、解像度が低下したりする。そのため、ミラー部の動的面変形を抑えるために、ミラー部の裏面(反射面とは反対側の面)に補強用リブなどをつけることが既に知られている。
しかし、従来のミラー部の裏面に補強用リブをつけるなどの方式では、ミラー部が重くなってしまいミラー部を支持する構造材が破壊する可能性があった。また、ミラー部が重くなることで共振周波数も下がる。また、リブがない部分(端など)では面変形量が大きいままである。また、リブの製造ばらつきが生じやすいという問題があった。
そこで、補強用リブに頼らずに反射面の動的面変形を低減する技術が特許文献1(特許4446345号公報)に開示されている。
特許文献1では、反射面の動的面変形を低減するために、ミラー部に圧電体を配置している。
しかし、特許文献1では、電源を含む電圧印加手段が必要であり、構成が煩雑化することが懸念される。
そこで、発明者らは、この問題を解決すべく上記実施形態を発案した。
11…光源装置、13…可動装置(光偏向素子)、101…ミラー部、110a、110b…第1駆動部(駆動系)、111a、111b…トーションバー(駆動系の一部)、112a、112b…第1圧電駆動部(駆動系の一部)、500…ヘッドアップディスプレイ装置(画像投影装置)、510…中間スクリーン(スクリーン)、511…投射ミラー(光学系)、600…光書込装置(光走査装置)、レーザプリンタ650(画像形成装置)、700…レーザレーダ装置(物体認識装置)。
特許4446345号公報

Claims (9)

  1. 反射面を有するミラー部と、
    前記ミラー部を一軸周りに揺動させる駆動系と、
    前記ミラー部の前記反射面とは反対側の面の第1の部位に設けられた第1の圧電体と、
    前記反対側の面の第2の部位に設けられ、前記揺動に伴い前記第1の圧電体で発生した電圧が印加される第2の圧電体と、を備え、
    前記電圧が印加されたとき、前記第2の圧電体の変形方向は前記第2の部位の変形方向とは逆向きである光偏向素子。
  2. 前記第1の部位は、前記揺動に伴う変形量が前記第2の部位よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の光偏向素子。
  3. 前記第1の部位は、前記反対側の面の縁部にあり、
    前記第2の部位は、前記反対側の面の縁部と前記一軸の間にあることを特徴とする請求項1又は2に記載の光偏向素子。
  4. 前記第2の圧電体は、前記第1の圧電体よりも大きいことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の光偏向素子。
  5. 反射面を有するミラー部と、
    前記ミラー部に接続されたトーションバーを含み、前記ミラー部を前記トーションバーの軸である一軸周りに揺動させる駆動系と、
    前記トーションバーに設けられた第1の圧電体と、
    前記ミラー部の前記反射面とは反対側の面の所定部位に設けられ、前記トーションバーの捻れに伴い前記第1の圧電体で発生した電圧が印加される第2の圧電体と、を備え、
    前記電圧が印加されたとき、前記第2の圧電体の変形方向は前記所定部位の変形方向とは逆向きである光偏向素子。
  6. 前記トーションバーは、前記捻れに伴う変形量が前記所定部位よりも大きいことを特徴とする請求項5に記載の光偏向素子。
  7. 前記所定部位は、前記反対側の面の縁部又は該縁部と前記一軸の間にあることを特徴とする請求項5又は6に記載の光偏向素子。
  8. 光により対象物を走査する光走査装置であって、
    光源装置と、
    前記光源装置からの光を偏向する請求項1〜7のいずれか一項に記載の光偏向素子と、を備える光走査装置。
  9. 請求項8に記載の光走査装置と、
    前記光走査装置からの光が照射され画像が形成されるスクリーンと、
    前記スクリーンを介した前記画像を形成する光を投射する光学系と、を備える画像投影装置。
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