JP2017223600A - 圧力センサ - Google Patents

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政人 嶋貫
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Abstract

【課題】センサ故障に対する更なる信頼性の向上を図ることができる圧力センサを提供する。【解決手段】吸入空気の圧力を受け得るよう半導体部材に形成されたダイヤフラムとしての単結晶シリコン薄膜37の一方の面に第1のセンサ71が、他方の面に第2のセンサ72が、それぞれ形成され、単結晶シリコン薄膜37は、n+高濃度層32に形成された全体形状が直方体状の空洞部36の外部へ臨む一面を成し、第1及び第2のセンサ71,72は、単結晶シリコン薄膜37の変形に応じた電圧変化をそれぞれ出力可能に構成されたものとなっている。【選択図】図3

Description

本発明は、圧力センサに係り、特に、内燃機関の燃料噴射制御装置における吸気圧を検出するに適したセンサの信頼性向上等を図ったものに関する。
自動車両に搭載される内燃機関の動作制御においては、排気ガス中の窒素酸化物の低減や燃費向上を図るため、排気ガス再循環装置が用いられることは、良く知られている通りである。
このような排気ガス再循環装置においては、吸気圧や吸気温度の検出値が制御の安定性、信頼性等に大きな影響を与える重要な要素であるため、その検出には、高い安定性、信頼性が求められ、そのような要請に応えるべく様々な形態の圧力センサや温度センサが提案、実用化されている(例えば、特許文献1等参照)。
例えば、吸気圧などの、燃焼の良否に対する影響の大きい物理量は、その重要度から、より安定性、信頼性のあるセンサによる検出値が所望される。
特開2009−168616号公報
しかしながら、自動車両の動作制御に用いられる吸気圧センサは、通常、一つの検出信号が出力可能に構成されたものである。そのため、センサの故障や断線等により出力が異常となった場合に、その検出信号が即座に正常か否かの判定が難しく、また、確実な次善の策の確保が困難となる可能性があり、故障に対する信頼性、安全性が必ずしも満足できるものとは言い難い。
本発明は、上記実状に鑑みてなされたもので、センサ故障に対する更なる信頼性の向上を図った圧力センサを提供するものである。
上記本発明の目的を達成するため、本発明に係る圧力センサは、
被測定対象からの圧力を受け得るよう半導体部材に形成されたダイヤフラムの一方の面に第1のセンサが、他方の面に第2のセンサが、それぞれ形成され、前記ダイヤフラムは、前記半導体部材に形成されたの空洞部の外部へ臨む一面を成し、
前記第1及び第2のセンサは、前記ダイヤフラムの変形に応じた電圧変化をそれぞれ出力可能に構成されてなるものである。
本発明によれば、ダイヤフラムの変形に応じた電圧変化を、2つのセンサで、それぞれ検出可能とし、それぞれ別個に出力可能としたので、従来に比して、センサの二重化による信頼性の格段の向上を図ることができ、より安定性、信頼性の高い装置を提供することができるという効果を奏するものである。
本発明の実施の形態における圧力センサが取り付けられる排気ガス再循環装置の構成例を示す構成図である。 本発明の実施の形態における圧力センサと吸気温度センサの一体的な取り付けの一構成例を示す主要部の縦断面図である。 本発明の実施のおける圧力センサの縦断面図である。 本発明の実施のおける圧力センサの製造工程の前半部分を模式的に示す模式図である。 本発明の実施のおける圧力センサの製造工程の後半部分を模式的に示す模式図である。 本発明の実施のおける圧力センサの電気的等価回路を示す等価回路図である。
以下、本発明の実施の形態について、図1乃至図6を参照しつつ説明する。
なお、以下に説明する部材、配置等は本発明を限定するものではなく、本発明の趣旨の範囲内で種々改変することができるものである。
最初に、本発明の実施の形態における圧力センサは、例えば、自動車両に搭載された排気ガス再循環装置における吸気圧センサとして用いられるものであり、以下の説明においては、吸気圧センサ26として説明することとする。
図1には、吸気圧センサ26が取着される排気ガス再循環装置101の構成例が示されており、以下、同図を参照しつつ、その構成について説明する。
エンジン3のインテークマニホールド14aには、燃料の燃焼のために必要な空気を取り入れる吸気管12が、また、エキゾーストマニホールド14bには、排気ガスを排気するための排気管13が、それぞれ接続されている。
そして、吸気管12と排気管13を連通する連通路15が、吸気管12と排気管13の適宜な位置に設けられると共に、この連通路15の途中には、排気管13側から、通過排気ガスの冷却を行うためのEGRクーラ17と、連通路15の連通状態、換言すれば、排気ガスの還流量を調節するためのEGRバルブ16とが順に配設されている。
また、排気管13において連通路15より下流側に設けられた可変タービン19と、吸気管12において連通路15より上流側に設けられた圧縮機20とを主たる構成要素としてなる公知・周知の構成を有する可変ターボ18が設けられている。そして、可変タービン19により得られた回転力により圧縮機20が回転せしめられて、圧縮された空気が吸入空気としてインテークマニホールド14aへ送出されるようになっている。
さらに、吸気管12には、先に述べた連通路15と可変ターボ18の間の適宜な位置において、吸入空気の冷却を行うインタークーラ21が設けられている。
そして、このインタークーラ21と連通路15との間には、吸入空気の量を調整するためのインテークスロットルバルブ22が設けられている。
また、吸気管12の上流側には、吸入空気を清浄するためのフィルタ23が設けられており、その下流側には、フィルタ23を介して流入する吸入空気量を検出するためのエアマスセンサ24が設けられている。
さらに、吸気管12においては、インタークーラ21とインテークスロットルバルブ22との間に、エンジン3の吸入空気の温度を検出するための吸気温度センサ25が設けられると共に、インテークスロットルバルブ22の下流側には、インテークマニホルド14aの吸気圧を検出する吸気圧センサ26が設けられている。
一方、排気管13においては、可変タービン19の下流側に排気ガスの流れを妨げるエキゾーストブレーキ28(もしくはエキゾーストフラップ)が設けられ、さらにエキゾーストブレーキ28の下流側にラムダセンサ27が設けられている。
これら、エアマスセンサ24、吸気温度センサ25、吸気圧センサ26、及び、ラムダセンサ27の検出信号は、電子制御ユニット(図示せず)に入力されて、燃料噴射制御処理等に供されるようになっている。
吸気圧センサ26は、吸気温度センサ25と共に取り付け具を用いて吸気管12に一体的に取り付けられる場合があり、図2には、その場合の一構成例が示されており、以下、同図について説明する。
図2に例示された取り付け具40は、吸気管12に接続される外観形状が大凡筒状の吸気管接続部41と、この吸気管接続部41に対して、吸気管12に接続される部位と反対側において大凡直交するように設けられたコネクタ接続部42とに大別されて構成されたものとなっている。
図2において白抜き矢印は、吸気管12から流入される吸気の流れを示しており、吸気管接続部41の吸気管12側の端部近傍において、この構成例においては、吸気管接続部41に対して横方向から図示されない通孔を介して吸気が流入されるようになっている。流入した吸気は、吸気管接続部41内部をコネクタ接続部42側へ上昇するようになっており、吸気温度センサ25は、流入した吸気に晒されるように吸気管接続部41の適宜な位置に配設されている。
吸気管接続部41から流入し、コネクタ接続部42へ到達した吸気は、この構成例においては、コネクタ接続部42の頂面42aの内側の面に当たって吸気管接続部41方向へ折り返すようにしてその流れの方向が変えられるようになっており、吸気圧センサ26は、その折り返した吸気が当たる位置に設けられたものとなっている。
なお、吸気管接続部41方向へ折り返した吸気の流れは、図示されない排出孔を介して再び吸気管12の上流側へ戻されるようになっている。
吸気圧センサ26が配されるコネクタ接続部42の長手軸方向の端部と反対側の端部42bには、図示されない電子制御ユニットとの電気的接続のためのコネクタ(図示せず)が接続されるようになっており、吸気温度センサ25及び吸気圧センサ26の出力信号が、車両の動作制御を実行する電子制御ユニットに入力されるようになっている。
次に、本発明の実施の形態における吸気圧センサ26のより具体的な構成、製造手順について、図3乃至図5を参照しつつ説明する。
最初に、図3を参照しつつ本発明の実施の形態における吸気圧センサ26について概括的について説明する。
本発明の実施の形態における吸気圧センサ26は、シリコン基板31を母材として、詳細は後述するように半導体製造技術に基づいて、そのシリコン基板31上に、ダイヤフラムとしての単結晶シリコン薄膜37を挟んで第1及び第2のセンサ71,72が形成されて、全体として、いわゆる半導体チップ化されたものとなっている(図3参照)。
さらに、第1及び第2のセンサ71,72と共に、これら第1及び第2のセンサ71,72の出力信号に対して、波形成形や信号レベルの変換等の機能を果たす電子回路としてのASIC(Application Specific Integrated Circuit)73が形成されたものとなっている(図3参照)。
次に、本発明の実施の形態における吸気圧センサ26の半導体製造技術に基づく製造手順について、図4及び図5を参照しつつ説明する。
最初に、母材としてp型のシリコン基板31を用いる(図4(A)参照)。
このシリコン基板31の一面上において、例えば、その長手軸方向(図4において紙面左右方向)の両端部近傍において、それぞれn型不純物、及び、p型不純物をドーピングし、n型不純物濃度が高いn+高濃度層32a,32bを得る(図4(B)参照)。
次いで、n+高濃度層32a,32bの表面に窒化珪素を堆積させて窒化珪素保護膜33a,33bの形成を行う(図4(C)参照)。
次いで、全体をフッ酸溶液に浸した状態で2段階の陽極エッチングを行う。
すなわち、最初に、メソポーラスを45%含み、層厚が1μmのメソポーラス層34を陽極エッチングにより形成し、次いで、その上に、ナノ多孔質を70%含み、層厚が4μmのナノ多孔質層35を形成する(図4(D)参照)。
水素の作用により窒化珪素保護膜33a,33bは、焼結されると共にメソポーラス層34は溶解する結果、ナノ多孔質層35による空洞部36が画成されることとなる(図4(E)参照)。空洞部36を画成する周囲の六面は気密状態に維持されているため、空洞部36内部は真空状態となる。
次いで、第1のセンサ71を形成する。
すなわち、本発明の実施の形態において、第1のセンサ71及び第2のセンサ72は、先に述べたように、いわゆるひずみゲージを用いたブリッジ回路を用いてなるものであるが、かかるひずみゲージは、良く知られているように、例えば、Cr(クロム)−N(窒素)薄膜等のいわゆる金属膜が用いられ、この製造工程においては、その金属膜によるブリッジ回路がプリント配線技術により、空洞部36の上面に形成されることとなる(図4(F)参照)。
次いで、第1のセンサ71を覆うように単結晶シリコンの膜を気相成長(エピタキシャル成長)させると共に(図5(A)参照)、所望するASIC73の形成と、先の第1のセンサ71の形成方法と同様にして第2のセンサ72の形成を行う(図5(B)参照)。この際、第2のセンサ72は、水平方向(図5において紙面左右方向)で第1のセンサ71とほぼ同一の位置に形成される。
そして、この工程においては、先の気相成長の結果、第1のセンサ71の空洞部36側の面は、空洞部36の内部へ臨む状態となる(図5(B)参照)。
その結果、第1のセンサ71と第2のセンサ72は、単結晶シリコンの薄膜(以下、「単結晶シリコン薄膜」と称する)37を挟んで、水平方向でほぼ同一の位置で相対するように設けられることとなり、単結晶シリコン薄膜37は、ダイアフラムとして機能するものとなっている。
したがって、上述した構成を有する本発明の実施の形態の吸気圧センサ26は、吸気圧の変化に応じて単結晶シリコン薄膜37の部分が変形し、その変形の大きさに応じて、第1及び第2のセンサ71,72を構成するひずみゲージに歪みが生じ、その歪みに応じた電圧変化が、吸気圧の変化として出力可能なものとなっている。
図6には、第1のセンサ71の電気的等価回路が示されており、以下、同図について説明する。なお、第2のセンサ72についても電気的等価回路は基本的に同一であるので、この第1のセンサ71の電気的等価回路の説明を以って第2のセンサ72の電気的等価回路の説明に代えることとする。
第1のセンサ71は、ひずみゲージとしての第1乃至第4の抵抗体41a〜41dによりブリッジ回路が構成されたものと電気的に等価であり、4つの接続端子42a〜42dを介して、外部の回路との電気的接続が可能となっている。
これら4つの接続端子42a〜42dは、電源電圧の印加、圧力変化に対応した電圧出力に用いられ、いずれの端子を如何に用いるかは任意であるが、例えば、第1の接続端子42aには、所定の電源電圧Vccが印加され、第3の接続端子42cは、グランド(GND)に接続される一方、第2及び第4の接続端子42b,42dは、電圧出力ΔVの出力端子とする如くの使用例が考えられる。
上述の構成を有する吸気圧センサ26を構成する第1及び第2のセンサ71,72の出力は、エンジンの燃料噴射制御等を行う電子制御ユニット(図示せず)に入力されて、燃料噴射制御等に供されるものとなっている。
本発明の実施の形態における吸気圧センサ26は、先に述べたように2つの出力を得ることができるため、電子制御ユニット(図示せず)においては、次述するような使用が可能となり、コモンレール式燃料噴射制御装置における燃料噴射制御等の動作制御のさらなる信頼性、安定性の確保が可能となっている。
例えば、図示されない電子制御ユニットにおいては、吸気圧センサ26により得られた2つの出力の内、一方の出力を燃料噴射制御等に用いる一方、他方の出力を故障検出に用いるようにすると好適である。この場合、故障検出は、例えば、2つの出力の比較を行い、故障検出用の出力が変化しているにも関わらず、燃料噴射制御等に用いられる出力の変化が小さい、又は、停滞している等の場合に、燃料噴射制御等に用いられる側のセンサ素子が故障であるとして、暫定的に故障検出用のセンサ素子の出力を燃料噴射制御等に供するようにすることで、吸気圧センサ26の故障による燃料噴射制御等における制御動作の不安定さ等を招くことなく動作の安定性が確保可能となる。
従来に比してさらなる信頼性の向上が所望される圧力センサに適用できる。
26…吸気圧センサ
71…第1のセンサ
72…第2のセンサ

Claims (3)

  1. 被測定対象からの圧力を受け得るよう半導体部材に形成されたダイヤフラムの一方の面に第1のセンサが、他方の面に第2のセンサが、それぞれ形成され、前記ダイヤフラムは、前記半導体部材に形成された空洞部の外部へ臨む一面を成し、
    前記第1及び第2のセンサは、前記ダイヤフラムの変形に応じた電圧変化をそれぞれ出力可能に構成されてなることを特徴とする圧力センサ。
  2. 前記第1及び第2のセンサは、半導体部材により形成されたひずみゲージを用いてなることを特徴とする請求項1記載の圧力センサ。
  3. 前記被測定対象は、自動車の吸気管における吸入空気であって、前記吸気管に取着されて吸気圧の検出に用いられることを特徴とする請求項2記載の圧力センサ。
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KR20200106745A (ko) * 2019-03-05 2020-09-15 김병곤 용이한 압력 분포 확인 구조를 갖는 압저항형 압력센서

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KR20200106745A (ko) * 2019-03-05 2020-09-15 김병곤 용이한 압력 분포 확인 구조를 갖는 압저항형 압력센서
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