JP2017222463A - シート処理装置およびこれを備える画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】シート縁に沿って移動する綴じユニットがシート端縁に沿って移動する際に移動時は綴じ開口を拡開して、ユニット移動によりシートと引っかかってしまいジャムを発生することを低減する。
【解決手段】載置トレイに載置されたシート束の端縁に沿って移動する綴じユニットとからなるシート処理装置であって、上記綴じユニットは、載置されたシート束の一部を受け入れる開口を有する受け入れ部とシートガイド86とを備え、このシートガイドガイド86は、上記開口を狭くしてシートを搬入する案内位置(ML3範囲)とこれよりも広い開口とする拡開位置(ML1範囲)と位置可能であるとともに綴じユニットがシート束端縁に沿って移動する際には前記シートガイドを拡開位置(ML1範囲)に位置させる。
【選択図】図16
【解決手段】載置トレイに載置されたシート束の端縁に沿って移動する綴じユニットとからなるシート処理装置であって、上記綴じユニットは、載置されたシート束の一部を受け入れる開口を有する受け入れ部とシートガイド86とを備え、このシートガイドガイド86は、上記開口を狭くしてシートを搬入する案内位置(ML3範囲)とこれよりも広い開口とする拡開位置(ML1範囲)と位置可能であるとともに綴じユニットがシート束端縁に沿って移動する際には前記シートガイドを拡開位置(ML1範囲)に位置させる。
【選択図】図16
Description
本発明は、シートに処理を施すシート処理装置及び画像形成装置関し、より詳しくは、針を用いてシート束を綴じる針綴じと針綴じを用いることなくシート束を加圧して綴じる圧着綴じに関する。
従来、複写機、レーザービームプリンタ、ファクシミリ及びこれらの複合機等の画像形成装置においては、画像を形成したシートに対し綴じ等の処理を行うシート処理装置を備えたものがある。
このような画像形成装置では、シート処理装置によりシート束を綴じる場合、一般的には金属製の綴じ針を用いてシート束を綴じるようにしている。そして、このような綴じ針を用いたステイプル処理は、複数の出力紙をユーザが指定した位置で確実に綴じることができるため、多くのシート処理装置に採用されている。
しかし、金属製の綴じ針を使うステイプル処理は、確実にシート束を綴じることができるが、一度綴じたものを解除するためには、専用の工具を使わなければならない。これは、比較的綴じ枚数の少ないシート束であってもステイプル処理したシートをシュレッダーにかける際には、綴じ針をはずす作業が必要となり、針綴じされたシート束をリサイクルする場合も綴じ針を取り除き、シートと綴じ針を分別して回収しなければならない。
このため、従来のシート処理装置においては、比較的少数枚(2枚から10枚程度)のシート束はリサイクル性を重視し、綴じ針を使用することなくシートを綴じるようにしたものが提案されている。このようなシート処理装置としては、例えば、山型の上歯と谷型の下歯を備えた綴じ部により、シート束に圧着綴じ処理を施すものがある。
一方、綴じ枚数の比較的多い枚数(11枚以上から50枚)程度のシート束は針綴じが用いられ、枚数が多くても確実に綴じ合わせることができるようになっていて、針綴じユニットと圧着綴じユニットが1つのユニットとして兼用されているものが知られている。
なお、金属や樹脂などの針を用いて束を綴じる場合を針綴じといい、針を用いることなくシートの繊維を加圧することにより綴じる場合を圧着綴じという。
上記の針綴じと圧着綴じが兼用できるものとしては、特許文献1に示す様に、
比較的幅のある圧着綴じユニットとこれよりも幅の狭い針綴じユニット(ステープラ)を併設しこれをシート端縁に沿って一体化して移動し、針綴じと針を用いないたとえば圧着綴じ行うものが示されている(特許文献1の図3参照)。
比較的幅のある圧着綴じユニットとこれよりも幅の狭い針綴じユニット(ステープラ)を併設しこれをシート端縁に沿って一体化して移動し、針綴じと針を用いないたとえば圧着綴じ行うものが示されている(特許文献1の図3参照)。
また、特許文献2に示すものは、針綴じを行う回動する針綴じ部材を覆うように圧着綴じを行う圧着綴じ部材が設けられている。圧着綴じ部材は針綴じ部材とは別の軸を中心に回動するように構成されていて、同一の駆動の切り替えによってなされる(特許文献2の図1参照)
しかしながら、特許文献1のものも針綴じユニットと圧着綴じユニットが併設されてシート端縁に沿って移動することが示されているが、上述したように針綴じするシート枚数と圧着綴じするシート枚数には大きな開きがあり、圧着綴じもシート端縁に沿って移動するようにする場合には、圧着綴じを行う加圧歯と受け歯の間隔を大きくしなければならない。一方この大きな間隔のままであると綴じ枚数の少ない圧着綴じの場合にはシートの先端がばたつき、また大きな距離を移動するため処理に大きな時間を有する。
一方、特許文献2に示される装置は、比較的幅のある針綴じユニットの両側から上方を覆うこの字形状の圧着ユニットが重ねて配置され、特に綴じ枚数の少ない圧着綴じの間口が大きく開いているので、上記同様にシートのばたつきが発生する。
また、この特許文献2に示すものは、この2つの前後位置を取る整合基準により綴じユニットがシート縁に沿って移動することが想定されておらず、針綴じもシートの角への綴じしかできない。仮に、この状態で綴じユニットをシート端縁に沿って移動することを想定すると、綴じ処理する針綴じ位置が狭い間隔になっているので、綴じユニットを移動させる際にシートとの間に引っ掛かりが生じる恐れがある。
そこで、本発明は、シート縁に沿って移動する綴じユニットがシート端縁に沿って移動する際に移動時は綴じ開口を拡開して、ユニット移動によりシートと引っかかってしまいジャムを発生することを低減したシート処理装置及び画像形成装置を提供することを目的とするものである。
本発明は、上記の課題を解決するため、搬送されるシートを束として載置する載置トレイと、この載置トレイに載置されたシート束の端縁に沿って移動する綴じユニットとからなるシート処理装置であって、上記綴じユニットは、載置されたシート束の一部を受け入れる開口を有する受け入れ部と、この受け入れ部に受け入れたシート束を綴じ位置で綴じる綴じ部と、搬入するシート束を綴じ位置に案内する受け入れ部に設けられたシートガイドとを備え、上記シートガイドガイドは、上記開口を狭くしてシートを搬入する案内位置とこれよりも広い開口とする拡開位置とに位置可能であるとともに綴じユニットがシート束端縁に沿って移動する際には前記シートガイドを拡開位置に位置させるシート処理装置である。
この本発明によれば、シート縁に沿って移動する綴じユニットがシート端縁に沿って移動する際に移動時は綴じ開口を拡開して、移動によるシートとの引っ掛かりジャムを発生することを低減したシート処理装置及び画像形成装置を提供することができる。
以下に、添付図面を参照しつつ、本発明の好適な実施形態を詳細に説明する。尚、添付図面において、本明細書全体を通して類似の構成要素には、同様の参照符号を付して表すこととする。
図1は、画像形成システムの全体構成を概略的に示しており、画像形成装置A及び本発明に係わるシート処理装置Bとから構成される。シート処理装置Bは、画像形成装置Aで画像形成された複数のシートを部揃えして集積したシート束を綴じ処理するためのものである。尚、本明細書中において、図1の画像形成装置の手前側、即ち画像形成装置の利用者と対面する側をフロント側、奥側をリア側と称することとする。
[画像形成装置A]
図1に示す画像形成装置Aは、電子写真方式を用いた画像形成部2の下方にシートを収納する3段の給紙カセット1a、1b、1cからなる給紙部1と、シート処理装置Bを装着しないときには、画像形成部2の上方を排紙空間としてその上方に画像読取装置20を配置している。したがって、シート処理装置Bを配置する場合には、図示の様に上記排紙空間を利用する所謂胴内タイプの装置となっている。
図1に示す画像形成装置Aは、電子写真方式を用いた画像形成部2の下方にシートを収納する3段の給紙カセット1a、1b、1cからなる給紙部1と、シート処理装置Bを装着しないときには、画像形成部2の上方を排紙空間としてその上方に画像読取装置20を配置している。したがって、シート処理装置Bを配置する場合には、図示の様に上記排紙空間を利用する所謂胴内タイプの装置となっている。
上記の画像形成部2は中間転写ベルトを用いたタンデム方式を採用している。すなわち、4色の色成分(イエロー2Y、マゼンダ2M、シアン2C、ブラック2BK)を用いており、例えばイエロー2Yにおいては、像担持体としての感光ドラム3aと、この感光ドラム3aを帯電する帯電ローラからなる帯電装置4aと、画像読取装置20で読み取った画像信号を潜像とする露光装置5aを有している。
さらに、感光ドラム3aに形成された潜像をトナー像として形成する現像装置6aと、この現像装置6aで形成された感光ドラム3a上の像を中間転写ベルト9に1次転写する一次転写ローラ7aを備えている。この構成により、色成分ごとに中間転写ベルト9に1次転写される。そして、感光ドラム3aに残った色成分は、感光クリーナ8aによって回収され次の画像形成に備えられる。これらは他の色成分についても同様である。
ところで、中間転写ベルト9の画像は、二次転写ローラ10によって給紙部1から給紙されるシートに転写され、この画像はシートに定着装置12により加圧力と熱量により溶解定着される。この中間転写ベルト9に残った重ね合わされた色成分は中間ベルトクリーナにより、除去されて次の転写に備えられる。
この様に画像形成されたシートは、本体排出ローラ14からシート処理装置Bへと排出されるが、シートの両面に画像形成する場合には、切り換えゲート15により一旦シート処理装置B側に搬送したシートをスイッチバックさせて、循環経路17に搬送して再び画像形成部2に送りシートの裏面側に画像形成する。そして、シートの片面あるいは両面に画像形成されたシートは、また本体排出ローラ14を通じてシート処理装置Bに搬送される。
画像形成部2の上方の排紙空間の上方には、画像読取装置20が配置されている。ここでは原稿スタッカ25に載置した原稿を原稿送り装置24でプラテン21に送り、送られた原稿をスキャンユニット22で照射することにより光電変換素子(例えば、CCD)で順次読み取り、図示していないデータ貯蔵部に画像を蓄積していく。この蓄積された画像を画像形成部2でシートに画像形成することは上述の通りである。
[シート処理装置B]
シート処理装置Bは、画像形成部2の上方にあって、画像読取装置20の下方の排紙空間に配置されている。そして、シート処理装置Bは、図2に示すように、スイッチバック路65と、シート綴じを行うために画像形成部2から順次送られてくる画像形成済みシートを搬送する排紙経路67と、排紙経路67からのシートが一時的に導入されて載置される処理トレイ76と、処理トレイ76に載置されたシート束ST(図3に図示)を綴じるシート綴じ装置80と、このシート綴じ装置80によって綴じられたシート束STや綴じられることなく排出されるシートを集積して昇降する集積トレイ90を有するトレイユニット33とから構成されている。以下、これらの装置について説明する。
シート処理装置Bは、画像形成部2の上方にあって、画像読取装置20の下方の排紙空間に配置されている。そして、シート処理装置Bは、図2に示すように、スイッチバック路65と、シート綴じを行うために画像形成部2から順次送られてくる画像形成済みシートを搬送する排紙経路67と、排紙経路67からのシートが一時的に導入されて載置される処理トレイ76と、処理トレイ76に載置されたシート束ST(図3に図示)を綴じるシート綴じ装置80と、このシート綴じ装置80によって綴じられたシート束STや綴じられることなく排出されるシートを集積して昇降する集積トレイ90を有するトレイユニット33とから構成されている。以下、これらの装置について説明する。
[スイッチバック経路]
図2に示すようにスイッチバック路65には、入り口側には搬送ローラ71、出口側には排出ローラ70がそれぞれ配置されて、画像形成部2がシートの裏面にも画像形成する際にシートをスイッチバックする通路として機能する。そして、必要に応じて、厚いシート等両面やシート綴じ装置32での綴じ処理に適さないシートをトレイユニット33の上方に位置するエスケープトレイ34へ排出ローラ70によって排出する。
図2に示すようにスイッチバック路65には、入り口側には搬送ローラ71、出口側には排出ローラ70がそれぞれ配置されて、画像形成部2がシートの裏面にも画像形成する際にシートをスイッチバックする通路として機能する。そして、必要に応じて、厚いシート等両面やシート綴じ装置32での綴じ処理に適さないシートをトレイユニット33の上方に位置するエスケープトレイ34へ排出ローラ70によって排出する。
[トレイユニット]
トレイユニット33は、シート綴じ装置80で綴じられたシート束STや綴じられることなく排出されるシートを集積して昇降する集積トレイ90を有している。集積トレイ90は、移動レールである昇降レール99の一部をなす昇降ラック100に、集積トレイ90の昇降ピニオン98が係合回転して昇降するようになっている。この昇降ピニオン98は、伝達ギア97等を介して集積トレイ90下部の昇降モーター設置部94に配置されている昇降モーター95によって駆動される。
トレイユニット33は、シート綴じ装置80で綴じられたシート束STや綴じられることなく排出されるシートを集積して昇降する集積トレイ90を有している。集積トレイ90は、移動レールである昇降レール99の一部をなす昇降ラック100に、集積トレイ90の昇降ピニオン98が係合回転して昇降するようになっている。この昇降ピニオン98は、伝達ギア97等を介して集積トレイ90下部の昇降モーター設置部94に配置されている昇降モーター95によって駆動される。
[排紙経路]
排紙経路67は略水平方向に直線状に形成されており、入口側には搬入ローラ対72を配置して画像形成部2のシート搬出口と連結させており、出口側には排紙ローラ対74を配置している。そして、図示しない駆動モーターによって駆動されてシートを搬送する。
排紙経路67は略水平方向に直線状に形成されており、入口側には搬入ローラ対72を配置して画像形成部2のシート搬出口と連結させており、出口側には排紙ローラ対74を配置している。そして、図示しない駆動モーターによって駆動されてシートを搬送する。
[処理トレイ(戴置トレイ)]
戴置トレイとしての処理トレイ76には、シートの排紙方向(図2では右から左の方向)での後端部を位置規制する規制ストッパ79を備えている。排紙経路67から排出されるシートは、図示しない搬送手段により、排紙された方向とは反対の方向(図2で右方向)に反転搬送されて、処理トレイ76へと導入される。このように送り込まれてくるシートは、その先端が規制ストッパ79により規制されて、先端位置が揃えられる。
戴置トレイとしての処理トレイ76には、シートの排紙方向(図2では右から左の方向)での後端部を位置規制する規制ストッパ79を備えている。排紙経路67から排出されるシートは、図示しない搬送手段により、排紙された方向とは反対の方向(図2で右方向)に反転搬送されて、処理トレイ76へと導入される。このように送り込まれてくるシートは、その先端が規制ストッパ79により規制されて、先端位置が揃えられる。
図3は処理トレイ76の平面図を示しており、処理トレイ76は、フロント側フレーム38Fとリア側フレーム38Rとで区画形成されている。処理トレイ76には、前記反転搬送により、図2において上方向からシート綴じ装置80に向けて導入されたシートを、その搬送方向と直交する方向に位置決めするための整合装置84を備えている。整合装置84は、それぞれ処理トレイ76のフロント側とリア側に配置されて、前記搬送方向と直交する方向に進退する一対の整合板84a,84bを有する。
整合部材としての整合板84a,84bは、それぞれ処理トレイ76のシート支持面に、シートの搬送方向と直交する方向に形成されているガイド溝50に嵌合し、ガイド溝50をスライドして移動可能に支持されている。整合板84a,84bは、図示しない整合板駆動機構により個別に移動させることができる。例えば、整合板84a,84bを、それぞれフロント側とリア側に配置されたプーリー間に架け渡されたベルトに保持し、前記ベルトをそれぞれフロント側及びリア側の整合モーターで駆動することによって、上述したように移動させることができる。
[シート綴じ装置]
シート綴じ装置80は、図4に示すように、針綴じユニット81と圧着綴じユニット82とを横方向に並置して一体に構成されている。シート綴じ装置80は、図2及び図3に示すように、処理トレイ76の先端側即ち集積トレイ90とは反対側の端縁付近に、針綴じユニット81及び圧着綴じユニット82の綴じ処理を行う受入れ側正面を処理トレイ76側に向けて配置される。
シート綴じ装置80は、図4に示すように、針綴じユニット81と圧着綴じユニット82とを横方向に並置して一体に構成されている。シート綴じ装置80は、図2及び図3に示すように、処理トレイ76の先端側即ち集積トレイ90とは反対側の端縁付近に、針綴じユニット81及び圧着綴じユニット82の綴じ処理を行う受入れ側正面を処理トレイ76側に向けて配置される。
処理トレイ76の先端側端部の下方には、その少なくとも左右方向(即ちフロント側からリア側に向けて)全幅に亘って延在するシート綴じ装置80の移動台77が設けられている。移動台77には、その左右方向略全幅に亘って延長する一組の平行な溝78が形成されている。シート綴じ装置80は、その底部に設けられた一組の突起91をそれぞれ溝78に摺動可能に嵌合させて、移動台77上に設置される。
フレーム38F,38Rには、左右一対のプーリー58a、58bが配置され、前記プーリー間にタイミングベルト54(歯付ベルト)が架け渡されている。一方のプーリー58aには、綴じユニット移動モーター110が連結されている。シート綴じ装置(綴じユニット)80は、タイミングベルト54に連結されており、綴じユニット移動モーター110を駆動することによって、移動台77上を左右方向に往復移動させることができる。
本実施形態において、針綴じユニット81と圧着綴じユニット82とでシート綴じ装置80を構成するが、圧着綴じユニット82の横幅即ちその移動方向の寸法は、針綴じユニット81の横幅より小さく設定される。即ち、図3及び図4において、圧着綴じユニット82の横幅をLm2、針綴じユニット81の横幅をLm1とすると、Lm2<Lm1となるように設定される。実際の長さは、Lm1が15mm程度、Lm2が60mm程度となっている。
これにより、針綴じユニット81として、後述するように従来から使用されている一般的な装置・機構を採用しても、針綴じユニット81と圧着綴じユニット82とを併設したシート綴じ装置80の移動方向寸法を、過大とならないように抑制し、少なくとも同種の従来のシート綴じ装置よりも小型化することができる。それにより、シート処理装置B自体の大型化を抑制すると同時に、従来の一般的な針綴じユニットを用いることによる製造コストの抑制を図ることができる。
[針綴じユニット]
針綴じユニット81には、ステイプル針で綴じ処理する装置として従来から知られた種々のタイプが使用される。例えば、図4に示す針綴じユニット81は、ユニットの外郭を形成しているユニットフレーム83内に針綴じモーター111が収容され、ユニットフレーム83の側面には、針綴じモーター111によって回転駆動される駆動カム85が配置されている。
針綴じユニット81には、ステイプル針で綴じ処理する装置として従来から知られた種々のタイプが使用される。例えば、図4に示す針綴じユニット81は、ユニットの外郭を形成しているユニットフレーム83内に針綴じモーター111が収容され、ユニットフレーム83の側面には、針綴じモーター111によって回転駆動される駆動カム85が配置されている。
ユニットフレーム83の下部には、コ字形に成形されたステイプルを処理トレイ76上のシート束STに向けて打ち出す打込機構部93が、駆動カム85によって駆動されるように設けられている。ユニットフレーム83の上面には、処理トレイ76上のシート束STの綴じ部分を載置するためのテーブル87が形成されている。打込機構部93は、テーブル87上に配置されたシート束STに向けて、ステイプルをテーブル87の下面側から上向きに打ち込む。
ユニットフレーム83の上部には、打込機構部93により打ち込まれて、テーブル87上のシート束STの上面側へ貫通したステイプル脚を、該シート束STの上面に沿って折り曲げるクリンチャ機構部88が設けられている。クリンチャ機構部88は、後端部がユニットフレーム83に対して回動可能に枢着され、テーブル87上に配置されたシート束STを、テーブル87の上面とクリンチャ機構部88との間で挟持する。
更に、クリンチャ機構部88には、シート束STを貫通して上方に突出したステイプル脚の先端部分を切断するカッターユニット(図示せず)が形成されている。このカッタユニットにより、ステイプル脚の先端部分を切断して、そのシート束STから突出する長さを一定にした後、クリンチャ機構部88は、ステイプル脚をシート束STの上面に沿って屈曲させてステイプル綴じを行う。
テーブル87とクリンチャ機構部88との間には、針綴じユニット81により針綴じし得る枚数のシートを載置するのに十分な寸法の開口部が画定されている。従って、針綴じユニット81は、針綴じされる又は針綴じされたシート束をテーブル87上に載置した状態で、該シート束を引っ掛けたり損傷したりすることなく、左右方向にスムーズに移動させることができる。
[圧着綴じユニット]
圧着綴じユニット82は、凹凸面を有する圧着歯の間でシート束STを表裏両面から加圧することにより変形させて結束する圧着綴じを行う。そのために、圧着綴じユニット82は、シート束STの綴じ部を加圧変形させて結束させるプレスバインド機構と、該プレスバインド機構を駆動して圧着綴じを行わせる圧着駆動機構とを備える。
圧着綴じユニット82は、凹凸面を有する圧着歯の間でシート束STを表裏両面から加圧することにより変形させて結束する圧着綴じを行う。そのために、圧着綴じユニット82は、シート束STの綴じ部を加圧変形させて結束させるプレスバインド機構と、該プレスバインド機構を駆動して圧着綴じを行わせる圧着駆動機構とを備える。
図5(a)〜(c)は、圧着綴じユニット82の構成全体を概略的に示している。圧着綴じユニット82の前記プレスバインド機構は、フロントプレート51、ベースプレート52、3枚の加圧プレート53a,53b,53c、及び、加圧歯55a,55b,55cと受け歯59とからなる圧着歯から構成される。加圧プレート53a、53b、53cは各々加圧歯55a,55b,55cを一体的に支持する支持部材となっている。前記圧着駆動機構は、圧着綴じモーター46、加圧ばね61a,61b,61c、前記加圧プレートを駆動するカム機構、及び、前記圧着綴じモーターと前記カム機構とを駆動力伝達可能に接続する歯車機構から構成される。
[プレスバインド機構]
図5(a)に示すように、プレート部材として3枚の加圧プレート53a〜53cは、互いに圧着綴じユニット82の幅方向に重ね合わせ、更に両側から挟み込むようにフロントプレート51及びベースプレート52を重ね合わせて装着される。加圧プレート53a〜53cは、相互にかつ前記フロントプレート51及びベースプレート52との間で面内方向、特に面内上下方向に摺動可能に設けられる。本実施形態において、前記加圧プレート53a〜53c、フロントプレート51及びベースプレート52の厚さは、せいぜい数mm程度、好ましくは約3mmに設定されるので、圧着綴じユニット82全体の幅寸法Lm2を従来の同種の針無し綴じ装置よりも大幅に小さくすることができる。
[プレスバインド機構]
図5(a)に示すように、プレート部材として3枚の加圧プレート53a〜53cは、互いに圧着綴じユニット82の幅方向に重ね合わせ、更に両側から挟み込むようにフロントプレート51及びベースプレート52を重ね合わせて装着される。加圧プレート53a〜53cは、相互にかつ前記フロントプレート51及びベースプレート52との間で面内方向、特に面内上下方向に摺動可能に設けられる。本実施形態において、前記加圧プレート53a〜53c、フロントプレート51及びベースプレート52の厚さは、せいぜい数mm程度、好ましくは約3mmに設定されるので、圧着綴じユニット82全体の幅寸法Lm2を従来の同種の針無し綴じ装置よりも大幅に小さくすることができる。
加圧プレート53a〜53cは、図8に示すように、それぞれ逆L字形をなす比較的薄肉の板状部材で形成されている。加圧プレート53a〜53cの表裏両面は、隣接する他の前記加圧プレート及びフロントプレート51、ベースプレート52の対向面同士が摺動し得るように、平滑に形成されている。前記各加圧プレートは、それぞれ図中右側の概ね縦長矩形をなす可動基部103a〜103cと、該基部の上部から図中左側に、即ち圧着綴じユニット82の正面側に延出する加圧アーム部104a〜104cとを有する。
可動基部103a〜103cには、それぞれ図中上下方向に延長する1対のガイドスロット67,68が、上下方向同一直線上に貫設されている。可動基部103a〜103cの前記加圧アーム部側の側辺には、それぞれカムフォロワピン56a〜56cが、ピン支持部69a〜69cを介してその先端に突設されている。可動基部103a〜103cの前記加圧アーム部104a〜104cとは反対側の側辺には、その上端近くに、前記各加圧ばねの上端を係着するためのばね係着部62a〜62cが、前記加圧アーム部104a〜104cとは反対向きに突設されている。
図5(b)は、可動基部103a〜103cの上辺及び加圧アーム部104a〜104c側の側辺を揃えて、加圧プレート53a〜53cをベースプレート52に装着した状態を示している。同図に示すように、可動基部103a〜103cは、いずれも図中上下方向の長さ即ち高さ、及びばね係着部62a〜62cを除く左右方向の長さ即ち幅が同じである。フロント側及びリア側の加圧プレート53a、53cのばね係着部62a,62cが同じ幅であるのに対し、中央の加圧プレート53bのばね係着部62bはそれらより少し短く形成されている。そのため、中央のばね係着部62bは、他のばね係着部62a,62cよりも前記加圧アーム部側に凹んだ位置にずらして配置される。
また、各可動基部103a〜103cのガイドスロット67,68は、同じ長さかつ同じ一定幅に形成され、図5(b)の装着状態において互いに完全に重なり合うように配置されている。更に、カムフォロワピン56a〜56cは、同じ断面形状及び寸法に形成され、図5(b)の装着状態において互いに同じ高さとなるように配置されている。
図5(b)及び図8に示すように加圧アーム部104a〜104cは、各先端部の下縁に加圧歯55a〜55cが一体に形成されている。更に加圧アーム部104a〜104cの下縁には、図8に示すように加圧歯55a〜55cの直ぐ前記可動基部側に所定長さの凹部106a〜106cが、前記加圧歯によりシート束の綴じ部を加圧する際に、その周囲のシート束部分と接触しないようにする逃げとして形成されている。
また、加圧アーム部104a〜104cには、隣接する他の加圧アーム部104a〜104cとの対向面に、該加圧アーム部を上下に横断する細溝107a、107b1,107b2,107cが凹設されている。前記対向面同士の細溝107aと107b1、及び107b2と107cは、図5(a)の装着状態において、互いに前記加圧アーム部の長手方向に整合して、それぞれ1つの細い上下貫通孔108a、108bを画定するように配置されている。加圧アーム部104a〜104cの互いの対向面は摺動性をよくするために油が塗布されるが、上記の上下貫通孔108a、108bは、この塗布された油が加圧歯55a,55b,55c側に垂れることを防止する油切りの役目をしている。
図5(b)に示すように、加圧アーム部104a〜104cは、その延出方向の長さが図中手前側よりも奥側が、即ちフロント側よりもリア側が少しずつ長くなるように形成されている。これにより、前記加圧アーム部先端の加圧歯55a〜55cは、図5(a)に示すように、前記延出方向に向けて僅かに重複しながら位置がシフトするように設けられる。他方、加圧アーム部104a〜104cの他の部分は、凹部106a〜106cを含めて、図5(b)の装着状態において重複するように設けられている。
図9に示すように、フロントプレート51とベースプレート52とは、図5の装着状態において互いに面対称をなす1対の概ね平坦な板状部材で形成される。フロントプレート51及びベースプレート52の上部には、圧着綴じユニット82の正面側に延出する固定アーム部115a,115bが形成されている。固定アーム部115a,115bは、図5(b)に示すように、加圧アーム部104a〜104cと略同じ形状に、かつ前記加圧アーム部を覆うようにそれより少し大きく設けられている。
フロントプレート51及びベースプレート52の固定アーム部115a,115bの下側には、それぞれ同一形状の切欠き60a,60bが、圧着綴じユニット82の正面側に大きく開口する略楔形に形成されている。切欠き60a,60bの下辺は、圧着綴じユニット82の正面を処理トレイ76側に配置したとき、該処理トレイのシート載置面と略平行な直線状に形成されている。従って、切欠き60a,60bによって、図10及び図11に示すように圧着綴じされるシート束STの綴じ部を載置するための空間である載置部31が画定される。
切欠き60a,60bの開口高さ、即ち上下方向の寸法は、少なくとも綴じ処理されるシート束が載置され又は通過する範囲において、少なくとも針綴じユニット81により針綴じし得る枚数のシート束の厚さより大きく、好ましくはそれに対して十分な余裕をもたせるように設定する。切欠き60a,60bの奥行きは、綴じ処理されるシート束の側辺部分を載置し又は通過させるのに十分な寸法に設定する。切欠き60a,60bは、例えば、針綴じユニット81のテーブル87とクリンチャ機構部88との間に画定される前記開口部と実質的に同じ寸法に設定することができる。
ベースプレート52には、図7に示すように、フロントプレート51との対向面に、連結ピン63が固定アーム部115bの先端に、それと対角位置の図中右側下端に2つの連結ピン64a,64bが、その上方の図中右側上端に連結ロッド66が、それぞれ同じ高さで突設されている。フロントプレート51を連結ピン63、連結ピン64a,64b及び連結ロッド66の先端に位置合わせして、ボルト等の適当な留め具で一体に固定することにより、ベースプレート52との間に加圧プレート53a〜53cを装着するための一定の隙間が画定される。
更にベースプレート52のフロントプレート51との対向面には、上下2つのガイドピン57,58が突設されている。加圧プレート53a〜53cは、リア側、中央、フロント側の順で、それぞれガイドスロット67,68をガイドピン57,58に嵌合させて、ベースプレート52に装着される。ガイドピン57,58は、ガイドスロット67,68に、その幅方向には実質的に遊び無く、長手方向にのみ摺動可能に嵌合するように設けられる。これにより、加圧プレート53a〜53cは、ベースプレート52とフロントプレート51間の前記隙間に、面内上下方向にのみ摺動可能に保持される。
また、切欠き60bの開口端付近の下辺側には、受け歯59の固定支持部117がベースプレート52に一体に結合されている。固定支持部117の上面には、前記下辺の方向(下辺方向)を長辺とした平面矩形の歯形成領域に、受け歯59が一体に形設されている。受け歯59は、上方に配置される加圧アーム部104a〜104c先端の加圧歯55a〜55cと対向するように配置されている。
固定支持部117には、その切欠き60b開口端とは反対側の端部から斜め下方に延出するように、前記カム機構の軸受支持部118が一体に形成され、同様にベースプレート52に一体に結合されている。更に固定支持部117の下方には、前記加圧ばねを除く前記圧着駆動機構を取り付けるための圧着綴じ駆動部基台35が、ベースプレート52の下辺に沿って一体に結合されている。
ガイドピン57,58、固定支持部117、軸受支持部118、及び圧着綴じ駆動部基台35は、連結ピン63、連結ピン64a,64b及び連結ロッド66と同じ高さを有する。フロントプレート51は、ベースプレート52に取り付ける際に、ガイドピン57,58、固定支持部117、軸受支持部118、及び圧着綴じ駆動部基台35、連結ピン63、64a,64b及び連結ロッド66に、ボルト等の適当な留め具で一体に固定される。このように、フロントプレート51とベースプレート52間の前記隙間には、後述するように前記加圧ばねも含めて、前記圧着駆動機構全体が収納される。
受け歯59には、前記下辺方向と直交する向きを歯の並び方向として、前記下辺方向に延長する複数のリブ形状の上向き突条と、それに適合する形状の凹溝とが交互に形成されている。受け歯59は、本実施形態では直線状の突条と凹溝とで構成されているが、様々な凹凸形状が可能である。また、歯の並び方向も、前記下辺方向と直交する向きに限定されない。
受け歯59と順次に咬合する加圧歯55a〜55cは、フロント側からリア側に連続する3つが1つとなって、受け歯59に対応する加圧歯を構成している。各加圧歯55a〜55cは、加圧アーム部104a〜104cの先端部下面の、該加圧アーム部の延長方向を長辺とした、受け歯59の前記歯形成領域より小さい平面矩形の歯形成領域に一体に形設されている。
加圧歯55a〜55cには、それぞれ加圧アーム部104a〜104cの厚み方向を歯の並び方向として、それと直交する向きに延長する複数のリブ形状の下向き突条と、それに適合する形状の凹溝とが交互に形成されている。加圧歯55a〜55cの前記下向き突条及び凹溝は、受け歯59の前記上向き突条及び凹溝と互いに咬合し得る形状及び寸法を有する。
本実施形態において、加圧歯55a〜55cは、それぞれ前記歯の並び方向の寸法が受け歯59の歯の並び方向の寸法の略1/3に設定されている。加圧歯55a〜55cは、受け歯59の前記歯形成領域を歯の並び方向に3分割して考えると、フロント側、中央及びリア側の各受け歯部分にそれぞれ対応する。従って、加圧プレート53a〜53cをそれぞれガイドピン57,58と係合するガイドスロット67,68に沿って下降させると、フロント側、中央及びリア側の加圧歯55a〜55cは受け歯59と、それぞれ対応する前記受け歯部分で互いに咬合する。
更に加圧歯55a〜55cは、上述したように、フロント側からリア側へ順に位置を加圧アーム部104a〜104cの延長方向に向けて、部分的に重複させつつシフトさせて配置されている。従って、加圧歯55a〜55cは、受け歯59上面のフロント側で前記切欠き奥側の角部とリア側で前記切欠き開口側の角部とを結ぶ対角方向の直線上で、受け歯59と咬合する。その結果、圧着綴じユニット82により圧着綴じされるシート束の綴じ部には、前記対角方向に斜行する階段状の圧着痕が形成される。
別の実施形態では、受け歯59と加圧歯55a〜55cとによる圧着痕を、受け歯59上面の別の対角方向に沿って斜行する階段状に、受け歯59上面の長辺方向の位置をフロント側とリア側との間で交互に変える市松模様に、又は受け歯59の歯の並び方向に直線状に形成することができる。これらは、例えば、加圧アーム部104a〜104cの延長方向の長さを変化させることにより、又は各加圧歯55a〜55cの、前記加圧アーム部の延長方向の位置を変えることによって可能である。
また、加圧歯55a〜55cを互いに歯の並び方向及び前記突条の延長方向に不連続に配置し、受け歯59との間で3つの不連続な圧着痕を形成することができる。これは、例えば、加圧歯55a〜55cの歯の並び方向の寸法を加圧プレート53a〜53cの板厚より小さくすることによって、かつ/又は加圧歯55a〜55cの前記加圧アーム部の延長方向の位置を互いに重複しないように設定することによって可能である。
更に、各加圧歯55a〜55cの前記歯形成領域は、同一寸法に限定されるものではない。例えば、各加圧歯55a〜55cは、前記歯形成領域の平面寸法が3つ共互いに異なるように、又はいずれか1つが異なるように設定することができる。
また、加圧プレート53a〜53cの数も、3つに限定されるものでなく、2つ又は4つ以上であっても良い。更に、1つの加圧プレートに2つ又はそれ以上の加圧歯を設けることもできる。その場合、1つの加圧プレートの下辺に沿ってかつ/又は該加圧プレート下辺の厚み方向に、複数の加圧歯を離隔して配置することができる。
当然ながら、受け歯59及び加圧歯55a〜55cの前記突条及び凹溝は、上記実施形態とは異なる様々な形態に形成することができる。例えば、前記突条を、前記波の並び方向に関して斜めの直線リブ形状に形成したり、途中で屈曲したV字形や湾曲した波形に形成したりすることもできる。
ベースプレート52の固定アーム部115bの先端には、図6(a)に示すように、シートガイド86が連結ピン63により揺動自在に設けられている。シートガイド86は、圧着綴じユニット82により圧着綴じされるシート束を、切欠き60a,60b内の載置部31に、該シート束の先端部分を上下にばたつかせることなく、スムーズに案内するために、前記切欠きの開口高さを上側から部分的に制限するように設けられる。
[シートガイド構成]
シートガイド86は、図16によく示されるように所定の離隔距離をもって平行にかつ対称に配置された1対の同一形状・寸法のガイド片86a,86bと、それらを連結する係合板部89を有する。ガイド片86a,86bは、頂角が比較的大きい略2等辺三角形をなす薄板からなる。係合板部89は、前記2等辺三角形の一方の等辺部分を頂点付近から底角部付近まで連続して接続する薄板からなり、前記両ガイド片と一体に形成されている。
シートガイド86は、図16によく示されるように所定の離隔距離をもって平行にかつ対称に配置された1対の同一形状・寸法のガイド片86a,86bと、それらを連結する係合板部89を有する。ガイド片86a,86bは、頂角が比較的大きい略2等辺三角形をなす薄板からなる。係合板部89は、前記2等辺三角形の一方の等辺部分を頂点付近から底角部付近まで連続して接続する薄板からなり、前記両ガイド片と一体に形成されている。
シートガイド86は、前記2等辺三角形の底辺を切欠き60bの開口側にして、係合板部89を設けた側の前記底角部において、連結ピン63に回動自在に枢着されている。シートガイド86は、連結ピン63から自重で自然に吊下した状態で、前前記2等辺三角形の底辺が前記切欠きの奥側に斜め下向きに傾斜するように取り付けられる。これにより、前記切欠き内に入ってくるシートの先端部分は、シートガイド86に当接しても引っ掛かったり損傷したりすることなく、下向きに載置部31に向けて案内される。
シートガイド86は、ガイドスロット67,68及びガイドピン57,58により案内される加圧プレート53a〜53cと当接することにより、この加圧プレート53a〜53cの上下動作に連動して、その揺動状態及び揺動位置が変化するように設けられている。図5(b)は、加圧プレート53a〜53cが上死点位置で待機している状態(拡開位置)、図10は、下死点位置でシート束(図示せず)を圧着綴じする状態(圧着位置)、図11は、前記上死点位置より下方のシート受入位置で待機している状態(案内位置)をそれぞれ示している。なお、シートガイド86は3枚の加圧プレート53a〜53cのいずれかあるいはすべてに当接することにより移動する。
図10及び図16(d)に示すように、加圧プレート53a〜53cの下死点位置で、加圧歯55a〜55cと受け歯59とが咬合する圧着綴じ位置(圧着位置)において、シートガイド86は、揺動自在に自然に吊下した状態にあって、その下端は、加圧プレート53a〜53cの上縁と略同じ高さに位置している。
針綴じユニット81が一度に針綴じし得るシート枚数が数十枚程度であるのに対し、圧着綴じユニット82が一度に圧着綴じし得るシート枚数は数枚程度である。従って、図16(b)〜(d)に示すように、切欠き60a,60bの開口高さをML1、シートガイド86により制限される前記切欠きの開口高さをML2、そのときの前記切欠きの開口高さをML3とすると、ML3は、圧着綴じされる枚数のシートを載置部31にスムーズに搬入し得る寸法に設定される。従って、ML2は、ML1に対してML3を確保し得る大きさに設定される。
図11及び図16(c)に示すように、加圧プレート53a〜53cが前記シート受入位置にあるとき、シートガイド86は、揺動自在に自然に吊下した状態(案内位置)にあり、加圧プレート53a〜53cは、各加圧アーム部104a〜104cの先端部、特に加圧歯55a〜55cのシート搬入側がガイド片86a,86bの間に収納されて、シートガイド86の下端から下方へ突出しない位置にある。従って、圧着綴じされるシートは、その先端が加圧歯55a〜55cに引っ掛かることなく、載置部31にスムーズに案内される。
本実施形態では、前記シート受入位置において、加圧歯55a〜55cそれぞれ一体に形成された支持部材としての加圧プレート53a〜53cが、加圧アーム部104a〜104cの先端部上縁(移動保持部材)で、シートガイド86の係合板部89の後端89aと接して上下方向に移動したり保持したりするように配置される。従って、この位置から加圧プレート53a〜53cが前記上死点位置に向けて移動すると、シートガイド86は、前記加圧プレートの上昇に連動して上記の先端部上縁(移動保持部材)によって上向きに回転し、図16(b)に示すように開口部を拡開する拡開位置に移動して保持される。
図5(a)及び図16(a)に示すように、固定アーム部115a,115bの先端部分には、その内面にシートガイド86のガイド片86a,86bに対応する浅い凹部116a,116bが形成されている。加圧プレート53a〜53cが前記上死点位置に到達すると、シートガイド86のガイド片86a,86bは、凹部116a,116b内に格納される。
図5(b)及び図16(b)に示すように側面から見て、シートガイド86は、ベースプレート52(及びフロントプレート51)の固定アーム部115b(115a)に隠れるように重なり、該固定アーム部の下辺から切欠き60a,60b内に突入しないように保持される。従って、切欠き60a,60bの開口高さは最大(ML1/拡開位置)となるから、図16(b)に示すように、針綴じされるシート束を載置部31に載置した状態で、針なし綴じユニット82を針綴じユニット81と共に前記左右方向(図3、図14.図15におけるフロント側とリア側である図示上下方向)に、該シート束を前記切欠きの内周に引っ掛けさせたりすることなく、スムーズに移動させることができる。
なお、本実施形態では針綴じユニット81に併設した圧着綴じユニット82を一体化した綴じユニット80にあって圧着綴じユニット82の載置部31にシートを戴置状態で、シート幅(フロント側とリア側の移動)方向に移動する装置を示した。 しかし、針綴じユニット81または圧着綴じユニット82の単体で移動するものであっても、シート幅方向に移動するためシートガイドが最も開口を広くする拡開位置、シート束を綴じる綴じ位置、シート受入位置で待機している案内位置に位置移動するものにも上記シートガイド86は採用可能である。
[圧着駆動機構]
圧着綴じ駆動部基台35は、図5に示すように、各1対の上下プレートとサイドプレートとにより矩形箱状に形成されている。上プレート35aの上面には、前記切欠き開口側に圧着綴じモーター46が垂直に、その出力軸を圧着綴じ駆動部基台35内に突入させて固定されている。上プレート35a上面の前記切欠き奥側には、円柱カム40が垂直に圧着綴じモーター46と並列に、回動自在に装着されている。
圧着綴じ駆動部基台35は、図5に示すように、各1対の上下プレートとサイドプレートとにより矩形箱状に形成されている。上プレート35aの上面には、前記切欠き開口側に圧着綴じモーター46が垂直に、その出力軸を圧着綴じ駆動部基台35内に突入させて固定されている。上プレート35a上面の前記切欠き奥側には、円柱カム40が垂直に圧着綴じモーター46と並列に、回動自在に装着されている。
円柱カム40は、図6によく示される様に、それと同軸上に一体に形成された回転軸49を有する。回転軸49の上端には、軸受43が装着され、該軸受と円柱カム40上面との間に、ウェーブワッシャーからなるスプリングワッシャー96が介装されている。軸受43は、軸受支持部18に固定され、円柱カム40の上端側を回動自在に支持する。回転軸49の下部は、その下端を圧着綴じ駆動部基台35内に突入させて、上プレート35aに回動自在に支持されている。このとき、円柱カム40の下面は、上プレート35a上面に直接摺接し又は適当な軸受を介して支持される。
圧着綴じ駆動部基台35は、圧着綴じモーター46の前記出力軸の先端に装着された駆動歯車46aと、円柱カム40の回転軸49の下端に装着された被動歯車37と、それらに噛合する中間歯車44とからなる減速歯車列47が収容されている。圧着綴じモーター46の回転力は、減速歯車列47により減速して円柱カム40に伝達される。
円柱カム40の外周面には、カム溝41が凹設されている。カム溝41は、円柱カム40を左周りの螺旋状に概ね2周旋回している。カム溝41には、加圧プレート53a〜53cのカムフォロワピン56a〜56cが、円柱カム40の回転方向に連続して係合している。そのため、フォロワピン支持部69a〜69cは、回転軸49に関してカムフォロワピン56a〜56cの角度位置を少しずつずらすように形成されている。
本実施形態において、中央の加圧プレート53bのフォロワピン支持部69bは、該加圧プレートと同一平面上に延長し、カムフォロワピン56bが、図5(a)に示す線Mに沿って円柱カム40外周面と正面で対向するように設けられている。これに対し、フロント側及びリア側の加圧プレート53a,53cは、フォロワピン支持部69a、69cがそれぞれ面外方向に、中央のフォロワピン支持部69bに関して外向きに突出する山形に屈曲されている。これにより、フロント側及びリア側のカムフォロワピン56a,56cは、それぞれ図5(a)に示す線L,Mに沿って円柱カム40の回転中心軸を向くように設けられている。これにより、カムフォロワピン56a〜56cをカム溝41と確実に係合させることができる。
更に、それぞれ同じ引張強さを有する引張ばねからなる3本の加圧ばね61a〜61cが、加圧プレート53a〜53cとフロントプレート51及びベースプレート52との間に装着されている。これにより、加圧プレート53a〜53cは、常時下方に加圧歯55a〜55cを受け歯59に加圧する向きに付勢されている。
図5(b)及び図8からわかるように、中央の加圧ばね61bは、その上端が中央の加圧プレート53b上端のばね係着部62bに、下端が連結ピン64bに係着されている。フロント側及びリア側の加圧ばね61a、61cは、それぞれ上端がフロント側及びリア側の加圧プレート53a、53c上端のばね係着部62a、62cに、下端が連結ピン64aに係着されている。上述したように、中央のばね係着部62b及び連結ピン64bは、他のばね係着部62a、62c及び連結ピン64aよりも前記切欠き開口側に位置を少しずらして配置されている。これにより、フロントプレート51とベースプレート52間を拡大することなく、その狭い隙間に3本の加圧ばね61a〜61cを配置可能にしている。
圧着綴じモーター46を回転させて円柱カム40を図中時計周りに回転させると、加圧プレート53a〜53cは、載置部31のシートを圧着する方向に下降する。このとき、加圧プレート53a〜53cには、円柱カム40を介して圧着綴じモーター46の回転駆動力と加圧ばね61a〜61cの引張力の双方が下向きに作用する。このように、受け歯59に対する加圧歯55a〜55cの加圧力の一部が、加圧ばね61a〜61cから得られるようにすることによって、圧着綴じモーター46自体の出力を小さくし、フロントプレート51とベースプレート52間の狭い隙間に収納し得るように、小型化を実現することができる。
圧着綴じモーター46により円柱カム40を図中反時計周りに回転させると、加圧プレート53a〜53cは、載置部31から離反する方向に上昇する。このとき、圧着綴じモーター46には、加圧ばね61a〜61cの付勢力が抵抗として作用する。従って、圧着綴じモーター46には、少なくとも加圧ばね61a〜61cの付勢力に抗して加圧プレート53a〜53cをスムーズに上昇させ得る出力が必要である。
[制御構成]
図18は、本実施形態による画像形成システムの制御装置101の構成を示している。制御装置101は、画像形成装置Aにおいてその画像形成動作を制御する画像形成制御部200と、シート処理装置Bにおける後処理動作を制御するシート処理制御部205とで構成されている。
図18は、本実施形態による画像形成システムの制御装置101の構成を示している。制御装置101は、画像形成装置Aにおいてその画像形成動作を制御する画像形成制御部200と、シート処理装置Bにおける後処理動作を制御するシート処理制御部205とで構成されている。
画像形成制御部200には、画像形成モードと仕上げモードを設定するモード設定手段201が備えられている。仕上げモードには、画像形成されたシートを部揃え集積して綴じ処理する綴じ処理モードと、綴じ処理することなく集積トレイ90に収納するプリントアウトモードとがあり、画像形成装置の利用者によって何れかに設定される。
画像形成装置には、図示しないコントロールパネルを有する入力部203をフロント側に配置しており、画像形成装置の利用者は、この入力部203から所望の仕上げモード、シートサイズ、綴じモードを入力し指定する。これらの設定が行われると、画像形成制御部200は、その設定内容を仕上げモード指示信号S1,シートサイズ信号S2,綴じモード指示信号S3等でシート処理制御部205に伝達する。
シート処理制御部205は、画像形成装置Aで画像形成されて送られてくるシートに対して行う後処理動作の制御を行なう。シート処理制御部205は、CPUにより構成されており、ROM206に記憶している制御プログラムを実行することで、シート搬送制御部210、処理トレイ制御部212、綴じユニット制御部213及び集積トレイ昇降制御部214の各機能が実現されて後処理動作が行われる。RAM207には制御プログラムの実行に必要なデータが記憶される。そして、シート処理制御部205は、センサー入力部208を介して、シート処理装置Bの各部に配置された各センサーからの検知信号が入力される。
シート搬送制御部210は、画像形成装置Aで画像形成されて本体排出ローラ14からシートが送られてくるのを搬入センサー208aが検知したとき、画像形成制御部200から出力される仕上げモード指示信号S1,シートサイズ信号S2,綴じモード指示信号S3が示す内容に応じて所定の後処理が行われるよう、シート処理装置Bにおける各搬送系のローラ等の動作を制御して、送られてくるシートを受け入れる。
処理トレイ制御部212は、綴じ処理モードの実行時に、画像形成装置Aから搬送されてくるシートを処理トレイ76に部揃え集積するために、整合板84a,84bを移動させてシートの搬送直交方向の位置合わせを行うフロント側及びリア側のそれぞれの整合モーター112,113の回転制御を行なう。
綴じユニット制御部213は、シートサイズ信号S2及び綴じモード指示信号S3に基づいて、送られてくるシートのサイズに応じて針綴じ又は圧着綴じの動作を制御する。このとき綴じユニット制御部213は、綴じユニット位置センサー208bにより綴じユニット81が移動して停止するよう綴じユニット移動モーター110を制御する。針綴じのときには、針綴じ位置センサー208cからの検知信号に基づいて、所定の針綴じ位置にあるシート束STに針綴じを行うよう針綴じモーター111の駆動を制御する。圧着綴じのときには、圧着綴じ位置センサー208dからの検知信号に基づいて、所定の圧着綴じ位置にあるシート束STに圧着綴じを行うよう圧着綴じモーター46の駆動を制御する。
集積トレイ昇降制御部214は、シート高さ位置センサー208eからの検知信号に基づいて、集積トレイ90に集積したシートの高さ位置が所定の高さ位置に保持されるよう昇降モーター95の駆動を制御する。
[円柱カム圧着綴じの動作]
圧着綴じユニット82は、円柱カム40が略2回転することで、加圧プレート53a〜53cは下降して、加圧歯55a,55b,55cが順次シート束STを挟んで受け歯59を加圧して圧着を行う。図12及び図13の展開図は、円柱カム40が2回転する間にカム溝41に沿って移動するカムフォロワピン56a〜56cの軌跡と、そのときの加圧プレート53a〜53cの高さ位置に応じた各加圧歯55a〜55cの受け歯59との位置関係を示している。
圧着綴じユニット82は、円柱カム40が略2回転することで、加圧プレート53a〜53cは下降して、加圧歯55a,55b,55cが順次シート束STを挟んで受け歯59を加圧して圧着を行う。図12及び図13の展開図は、円柱カム40が2回転する間にカム溝41に沿って移動するカムフォロワピン56a〜56cの軌跡と、そのときの加圧プレート53a〜53cの高さ位置に応じた各加圧歯55a〜55cの受け歯59との位置関係を示している。
カム溝41は、図12(a)に示すように、円柱カム40の周方向に沿って、その軸線方向の最上位置の水平な領域S1と、そこから下方に概ね一定の角度で傾斜する領域S2と、領域S1から概ね360°回転した位置の水平な領域S3と、そこから下方に概ね一定の角度で傾斜する領域S4と、最後の領域S5とから構成される。図13に関連して後述するように、領域S5において、加圧歯55a〜55cによる圧着動作が行われる。
先ず、カムフォロワピン56a〜56cは、領域S1のホームポジションHPで待機している。図12(b)は、各加圧プレート53a〜53cが上死点位置にある状態を示している。このとき、ベースプレート52のガイドピン57,58と、各加圧プレート53a〜53cのガイドスロット67,68の下端との間には、僅かな隙間が形成される。これにより、加圧プレート53a〜53cが上死点位置に到達したとき、ガイドピン57,58がガイドスロット67,68下端に衝突して打音を発生したり、それらが損傷したりすることを防止している。
この状態で、画像形成部2から順次送られてくるシートのシート束STの圧着綴じ動作となると、シート処理制御部205の綴じユニット制御部213は、綴じユニット移動モーター110を制御して、圧着綴じユニット82をシート束STの圧着綴じ箇所まで移動させる。そして、綴じユニット制御部213は、圧着綴じモーター46を駆動させて円柱カム40を図中時計方向に回転させる。これにより、カムフォロワピン56a〜56cは、相対的にカム溝41に沿って移動していくが、カム溝41と領域S1で係合している間では、各加圧プレート53a〜53cの高さ位置には変化が無く図12(b)に示す状態に保持されている。
カムフォロワピン56a〜56cがカム溝41の領域S1から領域S2に移行すると、領域S2の傾斜に沿って、カムフォロワピン56a〜56cの位置が順次低くなっていき、それに伴い加圧ばね61a〜61cの引っ張り力と相俟って、各加圧プレート53a〜53cは、下方向に相互に隣接して摺動しながら移動していく。これが図12(c)に示す状態である。
さらに、円柱カム40の回転が進み、ホームポジションHPから約1周回転すると、カムフォロワピン56a〜56cは、カム溝41の領域S2から領域S3に移行する。領域S3は、図11及び図16(c)のシート受入れ位置に対応し、カム溝が水平に形成されているために、加圧プレート53a〜53cは、図12(d)で示すように、初期状態での受け歯59との間の距離の約2/3〜1/2の高さ位置で揃えられている。この状態において、圧着綴じユニット82は、シートが載置部31まで搬送されるのを待機するもので、シートガイド86は、下方に垂下して載置部31の入口開口を狭くして、送られてくるシートをガイドする。この場合、綴じ処理を行う枚数あるいは厚さによって円柱カム40の回転する位置を制御して、シートガイド86の入り口開口の範囲を枚数あるいは厚さに応じて調整することもできる。
圧着綴じするシートが全て載置部31まで搬送されると、円柱カム40の2周目の回転が開始されて、加圧歯55a〜55cと受け歯59とのシート束STの挟持による圧着が行われる。従って、圧着綴じが指示されたとき、圧着綴じユニット82は、いち早く円柱カム40を1周回転させて、シートが載置部31まで搬送されるのを待機し、全てのシートが搬送されてきたとき2周回転目の回転で圧着を行うために、圧着綴じを短時間で行うことができる。
円柱カム40の回転2周目では、カムフォロワピン56a〜56cのカム溝41との係合する領域がS3からS4に切り換わる。S4は、再び溝を傾斜させた領域であり、図12(e)で示すように、カムフォロワピン56a〜56cの位置が低くなっていく。
円柱カム40が、ホームポジションHPから2周近く回転すると、カムフォロワピン56a〜56cは、カム溝41の領域S4から領域S5に移行する。この領域S5が加圧歯55a〜55cでシート束STを挟み、受け歯59を順次加圧していくことで、圧着綴じが形成される領域である。
図13は、カムフォロワピン56a〜56cがカム溝41の領域S5で係合して行われる圧着動作を説明している。図13(a)に示すように、カム溝41の領域S5は、最下点LPを境に、領域S4に連続するS51領域と、カム溝41の下側端部に至るS52領域とに分けられている。S51領域は緩やかに下方に傾斜している溝であり、加圧歯55a,55b,55cの高さ位置は、図13(b)に示すように、最下点LPに向けて進むに連れて、加圧歯55aから順に少しずつ低くなり、受け歯59と噛み合っていく。
カムフォロワピン56a〜56cが1つずつ順にカム溝41の最下点LPを通過する毎に、図13(c)乃至(e)に示すように、加圧歯55a〜55cが受け歯59に強圧で、即ち、領域S51におけるよりも大きい加圧力で打ち込むように加圧される。上述したように3つの加圧歯に分割されているので、1つの加圧歯による加圧面積は、全加圧面積の1/3でしかない。従って、全加圧面積を1つの加圧歯で一度に加圧する場合よりも小さい加圧荷重で、シート束STを強く圧着することができる。
このとき、各加圧プレート53a〜53cは、図10及び図16(d)に示すように、下死点位置にあるが、ベースプレート52のガイドピン57,58と、各加圧プレート53a〜53cのガイドスロット67,68上端との間には、僅かな隙間が形成される。これにより、加圧プレート53a〜53cが下死点位置に到達したとき、ガイドピン57,58がガイドスロット67,68上端に衝突して打音を発生したり、それらが損傷したりすることを防止している。
このとき、加圧歯55a〜55cは、各加圧ばね61a〜61cの引張力が受け歯59への加圧力となる。上述したように、各加圧歯55a〜55cに必要な加圧荷重が小さくて済むので、各加圧ばね61a〜61cも、その分ばね力が弱いもので十分であり、その寸法も小さくすることができる。従って、装置全体の小型化を図ることができる。また、加圧後は、ガイドピン57,58が各加圧プレート53a〜53cのガイドスロット67,68の上端側に位置しても互いに離間しているので加圧を確実に行える。
図6(b)に示すように、軸受43と円柱カム40との間に設けたスプリングワッシャー96は、加圧歯55a〜55cがシート束STを挟み受け歯59に当接したとき、シート束STの厚みで円柱カム40の軸方向に生じたスラスト荷重でカム溝41とカムフォロワピン56a〜56cがロックする虞があるのを、スラスト荷重を円周で平均して受けることで防止している。
カムフォロワピン56a〜56cが最下点LPを通過すると、カム溝41のS52領域は上方に傾斜している溝であるため、加圧歯55a〜55cの受け歯59との噛合いは、加圧歯55aから順に少しずつ浅くなっていき、図13(f)に示す状態となる。このとき、各加圧プレート53a〜53cは、図10に示すように、上下で2通り設けたガイドスロット67,68にガイドピン57,58が嵌合しているために、加圧プレート53a〜53cは、加圧ばね61a〜61cの引っ張り力によって回転することなく、円柱カム40の回転で確実に上方へ移動する。尚、図10で示すように、加圧プレート53a〜53cがシートガイド86との当接を解除しているときには、シートガイド86は、シート束STの載置部31の入口側を狭く開口しており、後続するシートの導入をガイドする。
円柱カム40が時計方向に約2周回転して加圧歯55a〜55cによる受け歯59への順次の加圧が終了すると、次に綴じユニット制御部213は、圧着綴じモーター46を逆転させて、加圧プレート53a〜53cをホームポジションHPまで戻す制御を行なう。したがって、カムフォロワピン56a〜56cは、円柱カム40が図中反時計方向に回転して、カム溝41の領域S52から領域S51へと移動する際に、最下点LPを再び順次通過する。その際、今度は加圧歯55cを先頭に加圧歯55b及び加圧歯55aが最下点LPの強圧位置を順次通過して、加圧ばね61c〜61aの引っ張り力で受け歯59の2回目の加圧を行っていく。
そして、円柱カム40が反時計方向に約2周回転し、カムフォロワピン56a〜56cはカム溝41を逆に辿って、ホームポジションHPに復帰する。これに伴い、ベースプレート52のスライドガイド57,58は、相対的に長穴67,68を上端から下端へと移動していくために、加圧プレート53a〜53cは、加圧ばね61a〜61cの引っ張り力で垂直方向に移動していく。したがって、円柱カム40のカム溝41とカムフォロワピン56a〜56cとの係合によるカム機構は、加圧ばね61a〜61cの引っ張り力を制御しつつ、加圧するときだけ、その引っ張り力を利用してシート束STの圧着に利用することを可能にしている。
[圧着綴じ動作]
図14は、処理トレイ76上のシート束を圧着綴じユニット82により圧着綴じする場合に、移動台77に沿ったシート綴じ装置80の位置を示している。同図では、シート束STが、その左右方向中心位置を処理トレイ76のセンター位置に整合させて載置されている。このとき、シート綴じ装置80を、予め移動台77上のリア側の最外位置よりも少し手前の位置で待機させる。
図14は、処理トレイ76上のシート束を圧着綴じユニット82により圧着綴じする場合に、移動台77に沿ったシート綴じ装置80の位置を示している。同図では、シート束STが、その左右方向中心位置を処理トレイ76のセンター位置に整合させて載置されている。このとき、シート綴じ装置80を、予め移動台77上のリア側の最外位置よりも少し手前の位置で待機させる。
この状態で、処理トレイ76上にシートを搬送し、搬送のつど左右両側の整合板84a,84bを駆動して、処理トレイ76のセンター位置に整合させてシート束STを形成する。この状態でシート束STの側辺部分は、圧着綴じユニット82の載置部31及び針綴じユニット81の前記開口部内に位置している。これにより、シート束STのリア側角部が圧着綴じユニット82の載置部31を位置合わされ、該角部を圧着綴じすることができる。
また、圧着綴じユニット82は、図14の待機状態で、加圧プレート53a〜53cが前記シート受入れ位置に移動している。これにより、圧着綴じに要する前記加圧プレートの上下移動距離を短くし、その処理時間を抑制することができる。
別の実施形態では、図14のシート束位置で、シート綴じ装置80をフロント側に移動させることにより、シート束STの側辺部分の異なる位置を圧着綴じすることができる。また、シート綴じ装置80の位置を固定したまま、シート束STの左右方向位置を整合板84a,84bにより変えることによって、同様に圧着綴じによるシート束の綴じ位置を変えることができる。
[針綴じ動作]
図15は、処理トレイ76上のシート束のリア側角部を針綴じユニット81により針綴じする場合に、移動台77に沿ったシート綴じ装置80の位置を示している。同図では、シート綴じ装置80が、移動台77上のリア側の最外位置に配置されている。本実施形態の針綴じユニット81は、リア側に圧着綴じユニット82を併設しているので、その位置は、針綴じユニット単体の場合よりもフロント側にシフトしている。
図15は、処理トレイ76上のシート束のリア側角部を針綴じユニット81により針綴じする場合に、移動台77に沿ったシート綴じ装置80の位置を示している。同図では、シート綴じ装置80が、移動台77上のリア側の最外位置に配置されている。本実施形態の針綴じユニット81は、リア側に圧着綴じユニット82を併設しているので、その位置は、針綴じユニット単体の場合よりもフロント側にシフトしている。
そこで、本実施形態では、左右両側の整合板84a,84bにより処理トレイ76上に部揃えしたシート束を、再び前記整合板によりフロント側に移動させ、そのリア側角部を針綴じユニット81の綴じ位置即ちテーブル87に位置させる。このとき、圧着綴じユニット82は、加圧プレート53a〜53cが図5(b)、図16(b)に示す上死点位置にあり、シートガイド86もフロントプレート51及びベースプレート52の固定アーム部内に格納されている。従って、載置部31が上下方向に最大に拡開され、加圧歯55a〜55cと受け歯59との間に開放される空隙が上下方向に最大となる。その結果、針綴じユニット81のテーブル87に配置されたシート束を、加圧歯55a〜55c及び/又は圧着綴じユニット82の他の部分に引っ掛けることなく、スムーズに移動させることができる。
特に、多数枚のシート束を複数の位置で針綴じする場合でも、本実施形態の圧着綴じユニット82は、図5(b)及び図16(b)に示すように、針綴じユニット81の前記開口部と同様に、載置部31を上下方向に大きく拡開する範囲(ML1)とするができる。従って、針綴じユニット81のスムーズな移動が確保される。なお、本実施例にあっては、針綴じユニット81のシート幅方向への移動時に載置部31を上下方向に大きく拡開する範囲(ML1)としたが、圧着綴じユニット82のシートを綴じる前の移動の際も、この大きく拡開する範囲(ML1)としてもよい。
[円柱カムのカム溝変形例]
図17(a)は、円柱カム40に形成するカム溝41の変形例を示している。カム溝121は、最下点LPに達するまではカム溝41と同様であるが、これ以降はカム周面の同じ高さ位置で上下に蛇行させる形状の溝部121Lを連続して設けている。この場合、円柱カム40の回転で蛇行している溝部121Lが、溝部121Lに至る上の溝部121Hと交差する箇所には、一方向に開閉するゲート122を設けて、円柱カム40の回転に沿った方向でのみカムフォロワピン56a,56b,56cが移動できるようにしている。
図17(a)は、円柱カム40に形成するカム溝41の変形例を示している。カム溝121は、最下点LPに達するまではカム溝41と同様であるが、これ以降はカム周面の同じ高さ位置で上下に蛇行させる形状の溝部121Lを連続して設けている。この場合、円柱カム40の回転で蛇行している溝部121Lが、溝部121Lに至る上の溝部121Hと交差する箇所には、一方向に開閉するゲート122を設けて、円柱カム40の回転に沿った方向でのみカムフォロワピン56a,56b,56cが移動できるようにしている。
このようなカム溝121を備える円柱カム40を回転させたとき、カム溝41の場合と同様に、ホームポジションHPに位置しているカムフォロワピン56a,56b,56cは、カム溝121を辿って円柱カム40の下方へ移動していく。しかし、カムフォロワピン56a,56b,56cは、溝部121Lに到達すると、溝部121Lの形状に沿って蛇行して水平方向に移動する。よって、カムフォロワピン56a,56b,56cが蛇行の谷部を通過する度に、加圧歯55a,55b,55cは、順次加圧ばね61a,61b,61cの引っ張り力により受け歯59を複数回加圧することになる。
そして、カムフォロワピン56a,56b,56cは、溝部121Lを辿ってゲート122に達すると、ゲート122を押し退けて再び溝部121Lの先頭に戻り、以後、円柱カム40の回転が継続されている間は、カムフォロワピン56a,56b,56cは溝部121Lを進行し続けて、加圧歯55a,55b,55cは、蛇行の谷部に到達する度に加圧を行う。よって、溝部121Lは、加圧歯55a,55b,55cが離間位置と圧接位置との移動を繰り返すことで、複数回に亘りシート束STを加圧する形状に設定している。これによりシート束STは、強固に圧着綴じされる。
続いて、円柱カム40を逆転させると、カムフォロワピン56a,56b,56cは溝部121Lを逆方向に辿り、溝部121Lの先頭に達するとゲート122により溝部121Hに導かれ、カム溝121を逆に辿ってホームポジションHPに復帰する。尚、円柱カム40を逆転させて円柱カム40を逆転させたとき、カムフォロワピン56a,56b,56cがカム溝121の溝部121Lを移動している間は、蛇行の谷部を通過するごとに加圧歯55a,55b,55cによる受け歯59への加圧が行われる。
図17(b)は、円柱カム40の周面に、上方から下方へ、下方から上方へとエンドレスで繰り返す螺旋状のカム溝131を形成した実施例を示している。この場合のカム溝131は、同図で(イ)−(ロ)−(ハ)−(ニ)−(ホ)−(ヘ)−(ト)−(チ)−(イ)と示すように閉ループで繋がっている。エンドレスなカム溝131であると、円柱カム40が正逆転して回転方向に違いがあっても、カムフォロワピン56a,56b,56cが辿る軌跡は同一となる。よって、カム溝131には、回転に沿った方向に応じて2方向に切り換わるゲート132を溝が交差する各箇所に設けている。
このような形状のカム溝131によれば、圧着綴じモーター46の回転が一方向(例えば時計周り)であっても、カムフォロワピン56a,56b,56cが円柱カム40の最上位の山部に位置しているときが、加圧プレート53a,53b,53cがホームポジションHPにあり、円柱カム40の最上位の谷部に位置しているときが、加圧プレート53a,53b,53cの下降によって加圧歯55a,55b,55cによる受け歯59への順次の加圧が行われる。この場合、カム溝131を辿るカムフォロワピン56a,56b,56cは、ゲート132が閉止している場合にはこれを押し退けて切り換える。したがって、圧着綴じモーター46の一方向への回転により、加圧歯55a,55b,55cは、圧着位置と離間位置とを移動して、シート束STを繰り返し圧着する。勿論、ゲートを図示の点線で示す配置とすれば、圧着綴じモーター46の逆回転(例えば反時計周り)でも同じ動作となる。
[駆動系の変形例]
シート綴じ装置80は、針綴じユニット81及び圧着綴じユニット82の駆動源を1つの駆動モーターで共用化することにより、より小型化、軽量化を図ることができる。本発明の第2実施形態におけるシート処理装置は、針綴じユニット81の針綴じモーター111を圧着綴じユニット82に選択的に接続可能に構成している。
シート綴じ装置80は、針綴じユニット81及び圧着綴じユニット82の駆動源を1つの駆動モーターで共用化することにより、より小型化、軽量化を図ることができる。本発明の第2実施形態におけるシート処理装置は、針綴じユニット81の針綴じモーター111を圧着綴じユニット82に選択的に接続可能に構成している。
図19,図20は、針綴じユニット81の針綴じモーター111を圧着綴じユニット82に接続するためのクラッチ機構140を示している。クラッチ機構140は、針綴じモーター111の出力軸111aを針綴じユニット81の駆動カム85に接続するための第1クラッチ部141と、圧着綴じユニット82の円柱カム40に接続するための第2クラッチ部142とを備える。
[第1クラッチ部]
第1クラッチ部141は、針綴じモーター111の出力軸111aに装着された駆動歯車143に常時噛合する第1伝達歯車144と、該第1伝達歯車の針綴じユニット81側の側面に同軸に摺動可能に配置された第2伝達歯車145とを備える。第2伝達歯車145は、駆動カム85の回転軸146に装着された被動歯車147に常時噛合している。
第1クラッチ部141は、針綴じモーター111の出力軸111aに装着された駆動歯車143に常時噛合する第1伝達歯車144と、該第1伝達歯車の針綴じユニット81側の側面に同軸に摺動可能に配置された第2伝達歯車145とを備える。第2伝達歯車145は、駆動カム85の回転軸146に装着された被動歯車147に常時噛合している。
第1伝達歯車144及び第2伝達歯車145は、それらの対向摺接面に複数対の同一径のピン穴148,149が、それらの回転中心軸と同一半径の同心円上の対応する位置にそれぞれ形成されている。各対のピン穴148,149には、それぞれ1個の係合ピン150が、互いに位置を整合させた前記両ピン穴間を円滑に移動可能に装着されている。
第2伝達歯車145のピン穴149は有底穴で、その底部には、係合ピン150との間に圧縮ばね151が配置され、係合ピン150を第1伝達歯車144側に常時付勢している。第1伝達歯車144のピン穴148は貫通孔で、その第2伝達歯車145とは反対側の開口から第1移動ピン152が、係合ピン150を第2伝達歯車145側に押し込む向きに挿脱自在に挿入されている。
各ピン穴148の第1移動ピン152は、第1伝達歯車144の外側で共通の第1押込部材153に一体に結合している。第1押込部材153と第1伝達歯車144間には、圧縮ばね154が介装され、該第1押込部材を常時外向きに、第1伝達歯車144から離反する向きに付勢している。
[第2クラッチ部]
第2クラッチ部142は、第1伝達歯車144に常時噛合する第3伝達歯車156と、該第2伝達歯車の針綴じユニット81側の側面に同軸に摺動可能に配置された第4伝達歯車157とを備える。第4伝達歯車157は、針綴じモーター111の回転駆動力を圧着綴じユニット82の円柱カム40に伝達する出力軸158との間に接続された中間歯車列159に常時噛合している。
第2クラッチ部142は、第1伝達歯車144に常時噛合する第3伝達歯車156と、該第2伝達歯車の針綴じユニット81側の側面に同軸に摺動可能に配置された第4伝達歯車157とを備える。第4伝達歯車157は、針綴じモーター111の回転駆動力を圧着綴じユニット82の円柱カム40に伝達する出力軸158との間に接続された中間歯車列159に常時噛合している。
第3伝達歯車156及び第4伝達歯車157は、それらの対向摺接面に複数対の同一径のピン穴160,161が、それらの回転中心軸と同一半径の同心円上の対応する位置にそれぞれ形成されている。第4伝達歯車157のピン穴161は有底穴である。第3伝達歯車156のピン穴160は貫通孔で、その第4伝達歯車157とは反対側の開口から第2移動ピン162が、第4伝達歯車157側に向けて挿脱自在に挿入されている。
各ピン穴160の第2移動ピン162は、第3伝達歯車156の外側で共通の第2押込部材163に一体に結合している。第2押込部材163と第3伝達歯車156間には、圧縮ばね164が介装され、該第2押込部材を常時外向きに、第3伝達歯車156から離反する向きに付勢している。
圧着綴じユニット82への出力軸158は、その先端にウォーム165が装着されている。これに対応して、圧着綴じユニット82には、図23に示すように、ウォーム165に常時噛合するウォームホイール166が、円柱カム40の回転軸48と一体に回動するように装着されている。ウォームホイール166は、スプリングワッシャー96と、ベースプレート52の軸受支持部118に固定支持される軸受43’との間に介装されている。円柱カム40の下面は、ベースプレート52に固設された支持台35’に軸受37’を介して摺動自在に支持されている。
[クラッチ機構]
クラッチ機構140は、針綴じユニット81の装置フレーム170に回動自在に装着されたクラッチ切り替えロッド171を有する。クラッチ切り替えロッド171は、図19に示すように、第1押込部材153及び第2押込部材163の上方で、針綴じモーター111の出力軸111aと直交する向きに延長している。クラッチ切り替えロッド171には、それと直交して下向きに延長する第1及び第2切り替えアーム172,173が一体に設けられている。第1及び第2切り替えアーム172,173の先端部は、それぞれ第1及び第2押込部材153,163の外面に当接して、それぞれ圧縮ばね154、164により外向きに付勢された第1及び第2押込部材153,163の、ピン穴148、160の軸線方向の位置を規制している。
クラッチ機構140は、針綴じユニット81の装置フレーム170に回動自在に装着されたクラッチ切り替えロッド171を有する。クラッチ切り替えロッド171は、図19に示すように、第1押込部材153及び第2押込部材163の上方で、針綴じモーター111の出力軸111aと直交する向きに延長している。クラッチ切り替えロッド171には、それと直交して下向きに延長する第1及び第2切り替えアーム172,173が一体に設けられている。第1及び第2切り替えアーム172,173の先端部は、それぞれ第1及び第2押込部材153,163の外面に当接して、それぞれ圧縮ばね154、164により外向きに付勢された第1及び第2押込部材153,163の、ピン穴148、160の軸線方向の位置を規制している。
[針綴じ駆動]
クラッチ切り替えロッド171が、図19,図20に示す第1回転位置にあるとき、第1切り替えアーム172は、第1クラッチ部141の各第1移動ピン152が、係合ピン150を各対のピン穴148,149を跨がる位置まで押し込むように、第1押込部材153を第1伝達歯車144側に押し込む。このとき、第2切り替えアーム173は、第2クラッチ部142の第2移動ピン162が第3伝達歯車156のピン穴160内に維持されるように、第2押込部材163の位置を規制する。
クラッチ切り替えロッド171が、図19,図20に示す第1回転位置にあるとき、第1切り替えアーム172は、第1クラッチ部141の各第1移動ピン152が、係合ピン150を各対のピン穴148,149を跨がる位置まで押し込むように、第1押込部材153を第1伝達歯車144側に押し込む。このとき、第2切り替えアーム173は、第2クラッチ部142の第2移動ピン162が第3伝達歯車156のピン穴160内に維持されるように、第2押込部材163の位置を規制する。
これにより、第1クラッチ部141の第1伝達歯車144と第2伝達歯車145とが、駆動力伝達可能に連結される。他方、第2クラッチ部142は、第3伝達歯車156と第4伝達歯車157とが切り離される。従って、針綴じモーター111の回転駆動力は、針綴じユニット81の駆動カム85に伝達され、針綴じ処理が行われる。
[圧着綴じ駆動]
クラッチ切り替えロッド171が、図21,図22に示す第2回転位置にあるとき、第1切り替えアーム172は、第1クラッチ部141の各第1移動ピン152が、各係合ピン150をピン穴148からピン穴149に完全に移動した位置まで押し込むように、第1押込部材153を第1伝達歯車144側に押し込む。これに対し、第2切り替えアーム173は、第2クラッチ部142の第2移動ピン162が第3伝達歯車156のピン穴160からピン穴161内に突入するように、第2押込部材163を第4伝達歯車157側に押し込む。
クラッチ切り替えロッド171が、図21,図22に示す第2回転位置にあるとき、第1切り替えアーム172は、第1クラッチ部141の各第1移動ピン152が、各係合ピン150をピン穴148からピン穴149に完全に移動した位置まで押し込むように、第1押込部材153を第1伝達歯車144側に押し込む。これに対し、第2切り替えアーム173は、第2クラッチ部142の第2移動ピン162が第3伝達歯車156のピン穴160からピン穴161内に突入するように、第2押込部材163を第4伝達歯車157側に押し込む。
これにより、第1クラッチ部141の第1伝達歯車144と第2伝達歯車145との連結は解除される。他方、第2クラッチ部142は、第3伝達歯車156と第4伝達歯車157とが駆動力伝達可能に連結される。従って、針綴じモーター111の回転駆動力は、圧着綴じユニット82への出力軸158に伝達され、円柱カム40が回転して圧着綴じ処理が行われる。
図19及び図21に示すように、クラッチ切り替えロッド171には、それを前記第1回転位置と第2回転位置との間で回転させるために、下向きに延長する駆動アーム175が一体に回動するように設けられている。針綴じユニット81の装置フレーム170には、駆動アーム175の針綴じユニット81とは反対側に、上下方向に延長する概ね直線状の連動バー176が、上下方向にのみ移動可能に取り付けられている。
円形二点鎖線で示す図19B及び図21Bに示すように、連動バー176の上端は、駆動アーム175の先端175aから離反する向きに屈曲され、針綴じユニット81から遠い第1面177と、段差を介してそれより下方の該針綴じユニットに近い第2面178とが設けられている。駆動アーム175の先端175aは、第1及び第2切り替えアーム172,173が第1及び第2押込部材153,163を介して圧縮ばね154、164により外向きに常時付勢されることによって、連動バー176の第1面177、第2面178又は前記段差に常に当接するように配置されている。
図19Bに示すように、連動バー176が下降すると、駆動アーム175は、図中時計周りに針綴じユニット81から離れる向きに回転する。図21Bに示すように、連動バー176が上昇すると、駆動アーム175は、図中反時計周りに針綴じユニット81に近付く向きに回転する。
針綴じユニット81の下側には、シート綴じ装置80の移動方向に沿って延長するレール部材180が設けられている。レール部材180の上面には、段差を介して上面部180aと、それより少し低い下面部180bとが、該レール部材の延長方向に沿って形成されている。連動バー176は、その下端が図示しないばね等により常にレール部材180上面に当接するように配置されている。
従って、針綴じユニット81とレール部材180とがシート綴じ装置80の移動方向に相対的に移動すると、連動バー176は、レール部材180との当接位置によって上下動する。本実施形態では、針綴じユニット81による針綴じ処理を行うとき、連動バー176の下端がレール部材180の下面部180bに当接するように、針綴じユニット81又はレール部材180を移動させる。逆に圧着綴じユニット82による圧着綴じを行うとき、連動バー176の下端がレール部材180の上面部180aに当接するように、針綴じユニット81又はレール部材180を移動させる。
本実施形態では、圧着綴じユニット82が図14に示す実線のリア側位置にあるとき、圧着綴じの駆動が伝達されて圧着綴じを行う。一方、これ以外の位置では針綴じの駆動が伝達されて針綴じが可能となる。従って、予めレール部材180を移動台77に沿って配置しておくことにより、シート綴じ装置80の移動位置に応じて、自動的にクラッチ機構140の接続を切り替えることができる。
図24は、上記第2実施形態を適用した画像形成装置の制御装置101’の構成を示している。制御装置101’は、図18の制御装置101と同様に、画像形成装置Aにおいてその画像形成動作を制御する画像形成制御部200と、シート処理装置Bにおける後処理動作を制御するシート処理制御部205とで構成されている。制御装置101’では、綴じユニット制御部213による綴じユニット移動モーター110での綴じユニット80の位置設定により針綴じユニット81の針綴じモーター111を、圧着綴じユニット82の共用モーターとして、その動作を制御する。
上記第2実施形態の変形例では、上述した機械式のクラッチ機構140に代えて、電磁クラッチを用いることができる。この場合、針綴じモーター111の出力軸を針綴じユニット81の駆動カム85に伝達するために、第1クラッチ部141に代わる第1電磁クラッチ141’と、圧着綴じユニット82の円柱カム40に接続するために、第2クラッチ部142に代わる第2電磁クラッチ142’とが設けられる。
図25は、上記第2実施形態の変形例を適用した画像形成装置の制御装置101”の構成を示している。制御装置101”は、上記各制御装置101、101’と同様に、画像形成システムにおいてその画像形成動作を制御する画像形成制御部200と、シート処理装置Bにおける後処理動作を制御するシート処理制御部205とで構成されている。制御装置101”では、綴じユニット制御部213が、圧着綴じユニット82の共用モーターである針綴じユニット81の針綴じモーター111の動作を制御することに加えて、第1電磁クラッチ141’及び第2電磁クラッチ142’の動作を制御する。
以上、本発明を好適な実施態様に関連して説明したが、本発明は上記実施態様に限定されるものでなく、その技術的範囲において、様々な変更又は変形を加えて実施し得ることは言うまでもない。
A 画像形成装置
B シート処理装置
ST シート束
40 円柱カム
53a,53b,53c 加圧プレート(支持部材/移動保持部材)
55a,55b,55c 加圧歯
59 受け歯
76 処理トレイ(戴置トレイ)
80 綴じユニット
81 針綴じユニット
82 圧着綴じユニット(針無し綴じユニット)
84a、84b 整合板(整合部材)
86 シートガイド
140 クラッチ機構
B シート処理装置
ST シート束
40 円柱カム
53a,53b,53c 加圧プレート(支持部材/移動保持部材)
55a,55b,55c 加圧歯
59 受け歯
76 処理トレイ(戴置トレイ)
80 綴じユニット
81 針綴じユニット
82 圧着綴じユニット(針無し綴じユニット)
84a、84b 整合板(整合部材)
86 シートガイド
140 クラッチ機構
Claims (8)
- 搬送されるシートを束として載置する載置トレイと、
この載置トレイに載置されたシート束の端縁に沿って移動する綴じユニットとからなるシート処理装置であって、
上記綴じユニットは、
載置されたシート束の一部を受け入れる開口を有する受け入れ部と、
この受け入れ部に受け入れたシート束を綴じ位置で綴じる綴じ部と、
搬入するシート束を綴じ位置に案内する受け入れ部に設けられたシートガイドとを備え、
上記シートガイドガイドは、上記開口を狭くしてシートを搬入する案内位置とこれよりも広い開口とする拡開位置とに位置可能であるとともに綴じユニットがシート束端縁に沿って移動する際には前記シートガイドを拡開位置に位置させることを特徴とするシート処理装置。 - 上記綴じユニットは、シート束に針を貫通して針綴じする針綴じユニットと針を用いることなく加圧歯によりシート束を圧着して綴じる圧着綴じユニットとが併設して構成され、シート束を選択的に綴じることを特徴とする請求項1に記載のシート処理装置。
- 上記シートガイドは、上記圧着綴じユニットの受け入れ部に配置されていることを特徴とする請求項2に記載のシート処理装置。
- 上記圧着綴じユニットでシート束の圧着綴じを行う場合には、あらかじめ綴じユニットを圧着する綴じ位置に移動するとともに、シートガイドを案内位置に位置させてからシートを受け入れ部に受け入れることを特徴とする請求項3に記載のシート処理装置。
- 上記圧着綴じユニットでの上記綴じ位置は、加圧歯による圧着がシート束の端縁とこれと交差する側部を斜めに横切る方向でなされることを特徴とする請求項4に記載のシート処理装置。
- 前記針綴じユニットでシート束の針綴じを行う場合には、シートガイドを拡開位置に位置させてシートを受け入れ部に搬入させ、その後綴じユニットを移動して綴じ位置で針綴じを行うことを特徴とする請求項3に記載のシート処理装置。
- 前記針綴じユニットでシート束の針綴じを行う場合に、後綴じユニットの移動とこれに反対の方向にシート束をシフトして綴じ位置で針綴じを行うことを特徴とする請求項6に記載のシート処理装置。
- シートに画像形成を行う画像形成部と、
この画像形成部から搬送されるシートに対して綴じを行う上記請求項1ないし7に記載の構成を備えるシート処理装置を有することを特徴とする画像形成装置。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016118642A JP2017222463A (ja) | 2016-06-15 | 2016-06-15 | シート処理装置およびこれを備える画像形成装置 |
US15/620,342 US10981747B2 (en) | 2016-06-15 | 2017-06-12 | Apparatus for processing sheets and apparatus for forming images provided with the apparatus |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2016118642A JP2017222463A (ja) | 2016-06-15 | 2016-06-15 | シート処理装置およびこれを備える画像形成装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2017222463A true JP2017222463A (ja) | 2017-12-21 |
Family
ID=60686747
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2016118642A Pending JP2017222463A (ja) | 2016-06-15 | 2016-06-15 | シート処理装置およびこれを備える画像形成装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2017222463A (ja) |
-
2016
- 2016-06-15 JP JP2016118642A patent/JP2017222463A/ja active Pending
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Date | Code | Title | Description |
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