以下に、本発明の一実施形態に係る遊技機について、図面を用いて具体的に説明する。
[パチスロの機能フロー]
はじめに、図1を参照して、本実施の形態における遊技機(以下、パチスロともいう)の機能フローについて説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るパチスロの機能フローを示す図である。
本実施形態に係るパチスロでは、遊技を行うための遊技媒体としてメダルを用いる。なお、遊技媒体としては、メダル以外にも、コイン、遊技球、遊技用のポイントデータ又はトークン等を適用することもできる。
遊技者によりメダルが投入され、スタートレバーが操作されると、予め定められた数値の範囲(例えば、0〜65535)の乱数から1つの値(以下、乱数値)が抽出される。
内部抽籤手段は、抽出された乱数値に基づいて抽籤を行い、内部当籤役を決定する。内部当籤役の決定により、後述の入賞判定ラインに沿って表示を行うことを許可する図柄の組合せが決定される。尚、図柄の組合せの種別としては、メダルの払い出し、再遊技の作動等といった特典が遊技者に与えられる「入賞」に係るものと、それ以外のいわゆる「ハズレ」に係るものとが設けられている。
続いて、複数のリール(左リール、中リール、及び、右リール)の回転が行われた後で、遊技者によりストップボタンが押されると、リール停止制御手段は、内部当籤役とストップボタンが押されたタイミングとに基づいて、該当するリールの回転を停止する制御を行う。
ここで、パチスロでは、基本的に、ストップボタンが押されたときから規定時間(190msec)内に、該当するリールの回転を停止する制御が行われる。本実施の形態では、上記規定時間内でのリールの回転に伴って移動する図柄の数を「滑り駒数」と呼び、その最大数を図柄4個分に定める。
リール停止制御手段は、入賞に係る図柄の組合せの表示を許可する内部当籤役が決定されているときでは、上記規定時間を利用して、その図柄の組合せが入賞判定ラインに沿って極力表示されるようにリールの回転を停止する。その一方で、内部当籤役によってその表示が許可されていない図柄の組合せについては、上記規定時間を利用して、入賞判定ラインに沿って表示されることがないようにリールの回転を停止する。
こうして、複数のリールの回転がすべて停止されると、入賞判定手段は、入賞判定ラインに沿って表示された図柄の組合せが、入賞に係るものであるか否かの判定を行う。入賞に係るものであるとの判定が行われると、メダルの払い出し等の特典が遊技者に与えられる。以上のような一連の流れがパチスロにおける1回の遊技(単位遊技)として行われる。
なお、本明細書では、全てのリール(左リール、中リール、及び、右リール)が回転しているときに最初に行われるリールの停止操作(ストップボタンの操作)を第1停止操作と呼び、第1停止操作の次に行われる停止操作を第2停止操作と呼び、第2停止操作の次に行われる停止操作を第3停止操作と呼ぶこととする。
また、パチスロでは、前述した一連の流れの中で、液晶表示装置により行う映像の表示、各種ランプにより行う光の出力、スピーカにより行う音の出力、或いはこれらの組合せを利用して様々な演出が行われる。
遊技者によりスタートレバーが操作されると、前述の内部当籤役の決定に用いられた乱数値とは別に、演出用の乱数値(以下、演出用乱数値)が抽出される。演出用乱数値が抽出されると、演出内容決定手段は、内部当籤役に対応づけられた複数種類の演出内容の中から今回実行するものを抽籤により決定する。
演出内容が決定されると、演出実行手段は、リールの回転が開始されるとき、各リールの回転がそれぞれ停止されるとき、入賞の有無の判定が行われたとき等の各契機に連動させて演出の実行を進める。このように、パチスロでは、内部当籤役に対応づけられた演出内容を実行することによって、決定された内部当籤役(言い換えると、狙うべき図柄の組合せ)を知る或いは予想する機会が遊技者に提供され、遊技者の興味の向上が図られる。
[遊技状態(メイン)]
図2を用いて、遊技状態(メイン)について説明する。図2は、本発明の一実施形態に係る遊技状態(メイン)の移行遷移を示す図である。
本実施形態に係るパチスロにおいては、遊技状態(メイン)及び遊技状態(サブ)が設けられている。遊技状態(メイン)は、主制御回路によって制御される遊技状態である。遊技状態(サブ)は、副制御回路によって制御される遊技状態である。図2は、これらの遊技状態のうち遊技状態(メイン)について説明するための図である。
本実施形態に係るパチスロにおいては、遊技状態(メイン)として、RT0遊技状態とRT1遊技状態とRT2遊技状態という3種類の遊技状態が設けられている。RT0遊技状態とRT1遊技状態とRT2遊技状態とでは、内部当籤役としてリプレイ(中段リプ1、下段リプ1〜2、CUリプ1〜3、CDリプ1〜4、上段リプ1〜12、7制御リプ1〜18、上げリプ1〜9、チャンスリプ1〜15、及び、BAR制御リプ1〜7)の決定される確率が互いに異なっている。なお、本明細書では、「リプレイ」を「リプ」と表記することがある。
内部当籤役としてリプレイの決定される確率は、RT0遊技状態及びRT1遊技状態よりもRT2遊技状態の方が高い(図16(a)参照)。
RT0遊技状態、RT1遊技状態、及び、RT2遊技状態には、それぞれ、通常状態、MBフラグ間、及び、MB遊技状態が設けられている。
通常状態において、MB(MB1〜3の何れか、図19参照)が内部当籤役として決定されると(内部当籤すると)、MBフラグ間に移行する。MBは、所謂持越役であり(図31(b)参照)、MBが内部当籤すると、MBに対応する図柄の組合せ(図14参照)が入賞判定ラインに沿って停止表示されるまで(MBが入賞するまで)、MBが内部当籤した状態が持ち越される。MBフラグ間は、MBが内部当籤した状態が持ち越されている状態である。MBフラグ間においてMBが入賞すると、MB遊技状態に移行する。そして、MB遊技状態において単位遊技が所定回数行われると、通常状態に戻る。
遊技状態(メイン)がRT0遊技状態又はRT2遊技状態である場合に、左こぼし目1〜6の何れかに対応する図柄の組合せ(図14参照)が入賞判定ラインに沿って停止表示されると(左こぼし目1〜6の何れかが入賞すると)、遊技状態(メイン)は、RT0遊技状態又はRT2遊技状態からRT1遊技状態へ移行する。左こぼし目1〜6の入賞については後述する。
遊技状態(メイン)がRT1遊技状態である場合に、上げリプ1〜9の何れかに対応する図柄の組合せ(図14参照)が入賞判定ラインに沿って停止表示されると(上げリプ1〜9の何れかが入賞すると)、遊技状態(メイン)は、RT1遊技状態からRT2遊技状態へ移行する。上げリプ1〜9の入賞については後述する。
遊技状態(メイン)がRT1遊技状態又はRT2遊技状態である場合に、CUリプ1〜3の何れかに対応する図柄の組合せ(図14参照)が入賞判定ラインに沿って停止表示されると(CUリプ1〜3の何れかが入賞すると)、遊技状態(メイン)は、RT1遊技状態又はRT2遊技状態からRT0遊技状態へ移行する。CUリプ1〜3の入賞については後述する。
[遊技状態(サブ)]
図3を用いて、遊技状態(サブ)について説明する。図3は、本発明の一実施形態に係る遊技状態(サブ)の移行遷移を示す図である。
本実施形態に係るパチスロにおいては、遊技状態(サブ)として、通常遊技状態及びARTが設けられている。ARTは、AT遊技状態であり、且つ、RT2遊技状態である状態である。
AT遊技状態は、内部当籤役を入賞させるための押し順(ストップボタンの停止順序)が報知される状態である。AT遊技状態において、所定の押し順役(適切な順序でストップボタンが押下されることにより入賞が成立する内部当籤役、図20及び図21参照)が内部当籤した場合、該押し順役に対応する押し順が報知されると、遊技者は、報知された押し順に従ってストップボタンを操作することにより、該押し順役を入賞させることができる。
なお、上述したように、RT2遊技状態は、主制御回路によって制御される遊技状態であるが、遊技状態(メイン)を示す情報は、主制御回路から副制御回路に送信されることにより、副制御回路でも管理されている。
図3に示すように、遊技状態(サブ)が通常遊技状態からARTに移行するルートは、大きく分けて2つある。第1のルートが、前兆演出を介して通常遊技状態からARTに移行するルートであり、第2のルートが、MB中チャレンジ演出を介して通常遊技状態からARTに移行するルートである。第1のルートについては、後に図60及び図61を用いて説明する。第2のルートについては、後に図60及び図68を用いて説明する。
第1のルートにおいても、第2のルートにおいても、ART抽籤に当籤したことを条件として、通常遊技状態からARTに移行する。具体的に、通常遊技状態においてART抽籤に当籤すると、所定のタイミングでART準備中に移行する。ART準備中において、上げリプ1〜9の何れかが内部当籤した場合、遊技状態(メイン)がRT1遊技状態であることを条件として、内部当籤した上げリプを入賞させるための押し順が報知される(図62参照)。上げリプ1〜9は、上述した押し順役であり、遊技者は、報知された押し順に従ってストップボタンを操作することにより、上げリプ1〜9の何れかを入賞させることができる。上述したように、遊技状態(メイン)がRT1遊技状態である場合に、上げリプ1〜9の何れかが入賞すると、遊技状態(メイン)は、RT1遊技状態からRT2遊技状態へ移行する。これにより、遊技状態(サブ)は、AT遊技状態且つRT2遊技状態(ART)に移行することとなる。
ARTにおいて、MBが内部当籤すると、特殊ARTが作動する。特殊ARTは、ARTゲーム数を増加(上乗せ)させるための状態であり、遊技者は、ART中に特殊ARTが作動すること(MBが内部当籤すること)を期待しながら遊技を行うこととなる。
本実施形態では、ARTにおいてMBが内部当籤した場合、すぐに特殊ARTが作動するのではなく、所定期間に亘って、特殊ART前兆演出が実行される(図63及び図64参照)。特殊ART前兆演出は、特殊ARTが作動することを示唆する演出である。
ここで、ARTにおいてMBが内部当籤した場合、同時にチャンスリプレイが内部当籤している(MBとチャンスリプレイとが重複当籤している)場合がある(図16(a)の内部当籤番号52、及び、図17の小役・リプレイ用データポインタ13参照)。この場合には、押し順が報知されることにより、チャンスリプレイが入賞する。逆に言うと、チャンスリプレイが入賞した場合には、MBが内部当籤している可能性、すなわち、特殊ARTが作動する可能性がある。従って、チャンスリプレイに対応する図柄の組合せ(図14参照)が入賞判定ラインに沿って停止表示されたことを視認した遊技者に対して、特殊ARTが作動することへの期待感を抱かせることができる。
一方で、チャンスリプレイが内部当籤しているもののMBが内部当籤していない場合もある(図16(a)の内部当籤番号13、及び、図17の小役・リプレイ用データポインタ13参照)。この場合にも、チャンスリプレイが入賞することとなるが(図20参照)、MBが内部当籤していないため、特殊ARTは作動しない。すなわち、チャンスリプレイが入賞したからと言って、MBが内部当籤している(特殊ARTが作動する)とは限らない。
そして、MBとチャンスリプレイとが重複当籤した場合だけではなく、MBとチャンスリプレイとのうちチャンスリプレイのみが内部当籤した場合にも、特殊ART前兆演出が実行される。MBとチャンスリプレイとが重複当籤した場合には、特殊ART前兆演出の後、特殊ARTが作動することになり、この場合に行われる特殊ART前兆演出は、所謂本前兆演出である。一方、MBとチャンスリプレイとのうちチャンスリプレイのみが内部当籤した場合には、特殊ARTは作動せず、この場合に行われる特殊ART前兆演出は、所謂ガセ前兆演出である。
ここで、本実施形態では、ART中非持越状態(ARTであってMBフラグ間ではない状態)において、第1特定役(中段ベル)と第2特定役(角チェリー)と第3特定役(左特殊役)とが内部当籤した場合(図16(a)の内部当籤番号22〜45、並びに、図17及び図18の小役・リプレイ用データポインタ22〜45参照)、ストップボタンの押し順と入賞役との関係は以下のようになる。
すなわち、第1特定停止操作が行われることにより、第1特定役(中段ベル)が入賞し得る。第1特定停止操作とは、当籤番号が22〜29の場合には「中」→「左」→「右」又は「中」→「右」→「左」の順での停止操作であり、当籤番号が30〜37の場合には「右」→「左」→「中」の順での停止操作であり、当籤番号が38〜45の場合には「右」→「中」→「左」の順での停止操作である(図20参照)。
第2特定停止操作が行われることにより、第3特定役(左特殊役)が入賞し得る。第2特定停止操作とは、「左」→「中」→「右」又は「左」→「右」→「中」の順での停止操作である(図20参照)。
これに対し、ART中持越状態(ARTであってMBフラグ間である状態)において、第1特定役(中段ベル)と第2特定役(角チェリー)と第3特定役(左特殊役)とが内部当籤した場合(図16(a)の内部当籤番号22〜45、及び、図17の小役・リプレイ用データポインタ22〜45参照)、ストップボタンの押し順と入賞役との関係は以下のようになる。
すなわち、第1特定停止操作が行われることにより、第1特定役(中段ベル)が入賞し得る。第1特定停止操作とは、当籤番号が22〜29の場合には「中」→「左」→「右」又は「中」→「右」→「左」の順での停止操作であり、当籤番号が30〜37の場合には「右」→「左」→「中」の順での停止操作であり、当籤番号が38〜45の場合には「右」→「中」→「左」の順での停止操作である(図21参照)。このような押し順と入賞役との関係は、ART中非持越状態(非MBフラグ間)の場合と同じである。
第2特定停止操作が行われることにより、第2特定役(角チェリー)が入賞し得る。第2特定停止操作とは、「左」→「中」→「右」又は「左」→「右」→「中」の順での停止操作である(図21参照)。このような押し順と入賞役との関係は、ART中非持越状態(非MBフラグ間)の場合と異なっている。
このように、ART中非持越状態(非MBフラグ間)とART中持越状態(MBフラグ間)とで(すなわち、MBが内部当籤しているか否かによって)、第2特定停止操作が行われた場合(第1停止操作として左リールに対する停止操作が行われた場合)に入賞する役が異なっている。そして、遊技機に精通していて熟練した遊技者であれば、このことを知っている可能性があり、そのような遊技者は、第2特定停止操作(第1停止操作として左リールに対する停止操作)を意図的に行って、第2特定役(角チェリー)と第3特定役(左特殊役)とのうち何れの役が入賞するのかを確認することにより、MBが内部当籤しているか否か(すなわち、特殊ARTが作動するか否か)を容易に推測することが可能である。これでは、MBとチャンスリプレイとのうちチャンスリプレイのみが内部当籤した場合に特殊ART前兆演出(すなわち、ガセ演出)が実行されることとした意義が失われてしまう。
この点、本実施形態では、特殊ART前兆演出が実行されている期間において、第1特定役(中段ベル)と第2特定役(角チェリー)と第3特定役(左特殊役)とが内部当籤した場合、上記第1特定停止操作に係る押し順が報知される(図64のステップS901参照)。上述したように、第1特定停止操作が行われた場合には、ART中非持越状態(非MBフラグ間)であってもART中持越状態(MBフラグ間)であっても(すなわち、MBが内部当籤しているか否かとは無関係に)、第1特定役(中段ベル)が入賞する。従って、当該報知を通じて、第1特定停止操作を行うことを遊技者に促し(第2特定停止操作が行われることを阻止し)、遊技機に精通していて熟練した遊技者であっても、MBが内部当籤しているか否か(すなわち、特殊ARTが作動するか否か)を推測することが困難な状況を創出することができる。
[特殊ART]
続いて、図4を用いて、特殊ARTについて説明する。図4は、本発明の一実施形態に係る特殊ARTの機能フローを示す図である。なお、図4は、特殊ARTについて説明するための図であって、遊技の流れを示すものではない。
特殊ARTは、MBが内部当籤した場合に作動する状態であり、ART中持越状態(ARTであってMBフラグ間である状態)である。上述したように、ART中持越状態(ARTであってMBフラグ間である状態)では、ART中非持越状態(ARTであってMBフラグ間ではない状態)と比較して、リール停止制御が変更されている。
すなわち、特殊ARTにおいて、第1特定役(中段ベル)と第2特定役(角チェリー)と第3特定役(左特殊役)とが内部当籤した場合(図16(a)の内部当籤番号22〜45、並びに、図17及び図18の小役・リプレイ用データポインタ22〜45参照)、第1特定停止操作が行われることにより、第1特定役(中段ベル)が入賞し、第2特定停止操作が行われることにより、第2特定役(角チェリー)が入賞し得る(図21参照)。ART中非持越状態(ARTであってMBフラグ間ではない状態)と比較して、第2特定停止操作が行われた場合の入賞役が第3特定役(左特殊役)から第2特定役(角チェリー)に変更されている。
上述したように、第1特定停止操作とは、当籤番号が22〜29の場合には「中」→「左」→「右」又は「中」→「右」→「左」の順での停止操作であり、当籤番号が30〜37の場合には「右」→「左」→「中」の順での停止操作であり、当籤番号が38〜45の場合には「右」→「中」→「左」の順での停止操作である(図21参照)。第2特定停止操作とは、「左」→「中」→「右」又は「左」→「右」→「中」の順での停止操作である(図21参照)。
ここで、特殊ART(MBフラグ間)において、第1特定役(中段ベル)と第2特定役(角チェリー)と第3特定役(左特殊役)とが内部当籤した場合、第1特定停止操作に係る押し順、又は、第2特定停止操作に係る押し順が報知される(図65のステップS928参照)。第2特定停止操作に係る押し順が報知された場合、遊技者は、該押し順に従って、第1停止操作として左リールに対する停止操作を行うことにより、第2特定役(角チェリー)を入賞させることができる。
第2特定停止操作に係る押し順(第2特定役(角チェリー)を入賞させるための押し順)を報知するか否かは、発生ナビ決定テーブル(図36参照)に基づいて決定される。図36に示すように、発生ナビ決定テーブルにおいては、当籤番号ごとに、確変レベルと入賞役とが対応付けて規定されている。
図36において、押し順ベルは、第1特定役(中段ベル)に相当する役であり、第1特定停止操作が行われた場合に入賞する。強チェリー及び弱チェリーは、第2特定役(角チェリー)に相当する役であり、第2特定停止操作が行われた場合に入賞する。すなわち、図36は、当籤番号及び確変レベルと対応付けて規定された入賞役が強チェリー又は弱チェリー(角チェリー)である場合に、第2特定停止操作に係る押し順が報知されることを示している。
図36に示すように、確変レベルとしては、確変レベル1、確変レベル2、確変レベル3、及び、確変レベル4という4つのレベル(モード)が設けられている。そして、発生ナビ決定テーブルにおいては、全体的に、確変レベルが高いほど第2特定役(角チェリー)を入賞させるための押し順(第2特定停止操作に係る押し順)が報知される確率が高くなるように、確変レベルと入賞役との対応関係が規定されている。例えば、内部当籤役として当籤番号42〜45の何れかが決定された場合、確変レベル1又は確変レベル2であれば、第1特定役(中段ベル)を入賞させるための押し順(第1特定停止操作に係る押し順)が報知され、確変レベル3又は確変レベル4であれば、第2特定役(角チェリー)を入賞させるための押し順(第2特定停止操作に係る押し順)が報知される。
確変レベルは、確変昇格抽選テーブル(図33〜図35参照)に基づいて、第2特定役(角チェリー)を入賞させるための押し順(第2特定停止操作に係る押し順)が報知される確率が低いレベルから、該確率が高いレベルへと移行(昇格)する。これについては、後述することとする。
特殊ART(MBフラグ間)においてMBが入賞すると、上乗せ特化ゾーン(MB遊技状態)が作動する。上乗せ特化ゾーン(MB遊技状態)では、特殊ART(MBフラグ間)において第2特定役(角チェリー)が入賞した回数に基づいて、ARTゲーム数が加算(上乗せ)される。
図3に示すように、上乗せ特化ゾーン(MB遊技状態)としては、第1上乗せ特化ゾーン(MB遊技状態)と、第2上乗せ特化ゾーン(MB遊技状態)とが設けられており、第1上乗せ特化ゾーン(MB遊技状態)の方が、第2上乗せ特化ゾーン(MB遊技状態)よりも、ARTゲーム数が加算されやすくなっている。上乗せ特化ゾーン(MB遊技状態)については、後に図69を用いて説明する。
このように、本実施形態では、特殊ART(MBフラグ間)において、第1特定役(中段ベル)と第2特定役(角チェリー)と第3特定役(左特殊役)とが内部当籤し、第2特定停止操作に係る押し順(第2特定役(角チェリー)を入賞させるための押し順)が報知された場合、当該報知に従って第2特定停止操作が行われることにより第2特定役(角チェリー)が入賞する。これにより、上乗せ特化ゾーン(MB遊技状態)において、ARTゲーム数が加算される。一方で、第1特定役(中段ベル)が入賞した場合、第2特定役(角チェリー)が入賞した場合よりも多くのメダルが払い出される(図15参照)。
このような状況において、報知に従って第2特定停止操作を行うことにより第2特定役(角チェリー)を入賞させ、ARTゲーム数上乗せの利益を享受するのではなく、報知に従わず第1特定停止操作を行うことにより第1特定役(中段ベル)を入賞させ、多くのメダルを獲得しようとする遊技者が出現する可能性がある。このような停止操作が行われることは、遊技機メーカが推奨するものではなく、遊技機メーカとしては、このような停止操作が行われることにより出玉率が高くなってしまうという事態を避けたいところである。
この点、本実施形態では、第2特定停止操作に係る押し順(第2特定役(角チェリー)を入賞させるための押し順)が報知された場合に、第2特定停止操作ではなく第1特定停止操作が行われると、遊技者に対してペナルティが付与される(図70参照)。また、報知された内容とは異なる停止操作が行われた場合にペナルティ音(警告音)を発生させる(図72参照)ことから、報知に従った停止操作を行うよう、遊技者を促すことができる。これにより、報知に従わないことによって、遊技者が多くのメダルを獲得し、遊技機を攻略してしまうことを防止することができる。
[パチスロの構造]
次に、図5〜図9を参照して、一実施形態におけるパチスロ1の構造について説明する。
<外観構造>
図5は、本発明の一実施形態に係るパチスロの外部構造を示す斜視図である。
パチスロ1の外装体2は、リールや回路基板等を収容するキャビネット2aと、キャビネット2aに対して開閉可能に取り付けられるフロントドア2bとを有している。
キャビネット2aの両側面には、把手7が設けられている。この把手7は、パチスロ1を運搬するときに手をかける凹部である。
キャビネット2aの内部には、3つのリール3L,3C,3Rが横並びに設けられている。以下、各リール3L,3C,3Rを、それぞれ左リール3L、中リール3C、右リール3Rという。各リール3L,3C,3Rは、円筒状に形成されたリール本体と、リール本体の周面に装着された透光性のシート材を有している。シート材の表面には、複数(例えば21個)の図柄が周方向に沿って所定の間隔をあけて描かれている。
フロントドア2bの中央よりも上側には、上パネルユニット10と、液晶表示装置11が設けられている。上パネルユニット10は、フロントドア2bの上部を形成している。この上パネルユニット10は、光源を有しており、光源から出射される光による演出を実行する。液晶表示装置11は、上パネルユニット10の下側に配置されており、映像の表示による演出を実行する。
フロントドア2bの中央には、台座部12が形成されている。この台座部12には、図柄表示領域4と、遊技者による操作の対象となる各種装置が設けられている。
図柄表示領域4は、正面から見て3つのリール3L,3C,3Rに重畳する手前側に配置されており、3つのリール3L,3C,3Rに対応して設けられている。この図柄表示領域4は、表示窓としての機能を果たすものであり、その背後に設けられた各リール3L,3C,3Rを透過することが可能な構成になっている。以下、図柄表示領域4を、リール表示窓4という。
リール表示窓4は、その背後に設けられたリール3L,3C,3Rの回転が停止されたとき、各リール3L,3C,3Rの複数種類の図柄のうち、その枠内における上段、中段及び下段の各領域にそれぞれ1個の図柄(合計で3個)を表示する。本実施の形態では、リール表示窓4の各リール3L,3C,3Rに対向する中段の領域を組み合わせてなる擬似的なライン(中段−中段−中段)、及び、リール3Lに対向する下段の領域とリール3Cに対向する上段の領域とリール3Rに対向する下段の領域とを組み合わせてなる擬似的なライン(下段−上段−下段)を、入賞か否かの判定を行う対象となるライン(入賞判定ライン)として定義する。
リール表示窓4は、台座部12に設けられた枠部材13により形成されている。この枠部材13は、リール表示窓4と、情報表示窓14と、ストップボタン取付部15を有している。
情報表示窓14は、リール表示窓4の下部に連続して設けられており、上方に向かって開口している。すなわち、リール表示窓4と情報表示窓14は、連続する1つの開口部として形成されている。この情報表示窓14及びリール表示窓4は、透明の窓カバー16によって覆われている。
窓カバー16は、枠部材13の内面側に配置されており、フロントドア2bの前面側から取り外し不可能になっている。また、枠部材13は、窓カバー16を挟んで情報表示窓14の開口に対向するシート載置部17を有している。そして、シート載置部17と窓カバー16との間には、遊技に関する情報が記載されたシート部材(情報シート)が配置されている。したがって、情報シートは、凹凸や隙間の無い滑らかな表面を有する窓カバー16により覆われている。
情報シートの取付部を構成する窓カバー16は、フロントドア2bの前面側から取り外し不可能であり、凹凸や隙間の無い滑らかな表面であるため、情報シートの取付部を利用して、パチスロ1の内部にアクセスする不正行為を防ぐことができる。なお、情報シートの交換については、後で図7を参照して説明する。
ストップボタン取付部15は、情報表示窓14の下方に設けられており、正面を向いた平面に形成されている。このストップボタン取付部15には、ストップボタン19L,19C,19Rが貫通する貫通孔が設けられている。ストップボタン19L,19C,19Rは、3つのリール3L,3C,3Rのそれぞれに対応づけられ、対応するリールの回転を停止するために設けられる。以下、ストップボタン19L,19C,19Rを、それぞれ左ストップボタン19L、中ストップボタン19C、右ストップボタン19Rという。
ストップボタン19L,19C,19Rは、遊技者による操作の対象となる各種装置の一例を示す。また、台座部12には、遊技者による操作の対象となる各種装置として、メダル投入口21、BETボタン22、スタートレバー23が設けられている。
メダル投入口21は、遊技者によって外部から投下されるメダルを受け入れるために設けられる。メダル投入口21に受け入れられたメダルは、予め定められた規定数(非MB遊技状態では3枚、MB遊技状態では1枚)が1回の遊技に投入されることとなり、規定数を超えた分はパチスロ1の内部に預けることが可能となる(いわゆるクレジット機能)。
BETボタン22は、パチスロ1の内部に預けられているメダルから1回の遊技を行うのに必要な枚数のメダルを投入するために設けられる。BETボタン22が操作されることにより、上述した入賞判定ラインが有効化される。具体的に、非MB遊技状態において3枚のメダルが投入された場合、上述した入賞判定ライン(中段−中段−中段)が有効化される。また、MB遊技状態において1枚のメダルが投入された場合、上述した入賞判定ライン(下段−上段−下段)が有効化される。有効化された入賞判定ラインを有効ラインと呼ぶ。スタートレバー23は、全てのリール(3L,3C,3R)の回転を開始するために設けられる。
また、正面から見てリール表示窓4の左側方には、7セグメントLED(Light Emitting Diode)からなる7セグ表示器24が設けられている。この7セグ表示器24は、特典として遊技者に対して払い出すメダルの枚数(以下、払出枚数)、パチスロ内部に預けられているメダルの枚数(以下、クレジット枚数)等の情報をデジタル表示する。
台座部12の両側には、サイドパネルユニット26L,26Rが設けられている。このサイドパネルユニット26L,26Rは、それぞれ光源を有しており、光源から出射される光による演出を実行する。また、サイドパネルユニット26Lの下方には、精算ボタン27が設けられている。この精算ボタン27は、パチスロ1の内部に預けられているメダルを外部に引き出すために設けられる。
台座部12の下方には、腰部パネルユニット31が設けられている。腰部パネルユニット31は、任意の画像が描かれた装飾パネルと、この装飾パネルを背面側から照明するための光を出射する光源を有している。
腰部パネルユニット31の下方には、メダル払出口32と、スピーカ用孔33L,33Rと、メダルトレイユニット34が設けられている。メダル払出口32は、後述のホッパー装置51の駆動により排出されるメダルを外部に導く。メダル払出口32から排出されたメダルは、メダルトレイユニット34に貯められる。スピーカ用孔33L,33Rは、演出内容に応じた効果音や楽曲等の音を出力するために設けられている。
<内部構造>
図6及び図7は、本発明の一実施形態に係るパチスロの内部構造を示す斜視図である。 また、図8は、本発明の一実施形態に係るパチスロにおけるキャビネットの内部を示す説明図である。図9は、本発明の一実施形態に係るパチスロにおけるフロントドアの裏面側を示す説明図である。
この図6では、フロントドア2bが開放され、フロントドア2bの裏面側に設けられたミドルドア41がフロントドア2bに対して閉じた状態を示している。また、図7では、フロントドア2bが開放され、ミドルドア41がフロントドア2bに対して開いた状態を示している。
キャビネット2aは、上面板20aと、底面板20bと、左右の側面板20c,20dと、背面板20eを有している(図8参照)。キャビネット2a内部の上側には、キャビネット側スピーカ42が配設されている。このキャビネット側スピーカ42は、取付ブラケット43L,43Rを介してキャビネット2aの背面板20eに取り付けられている。キャビネット側スピーカ42は、例えば、効果音を出力するためのスピーカである。
キャビネット2a内部を正面から見て、キャビネット側スピーカ42の左側方には、キャビネット側中継基板44が配設されている。このキャビネット側中継基板44は、キャビネット2aの左側面板20cに取り付けられている。キャビネット側中継基板44は、ミドルドア41(図6及び図7参照)に取り付けられた後述する主制御基板71(図10参照)と、ホッパー装置51、メダル補助収納庫スイッチ(不図示)、メダル払出カウントスイッチ(不図示)とを接続する配線の中継を行う。
キャビネット2a内部の中央部には、キャビネット側スピーカ42による音の出力を制御するアンプ基板45が配設されている。このアンプ基板45は、左右の側面板20c,20dに固定された取付棚46に取り付けられている。
また、キャビネット2a内部を正面から見て、アンプ基板45の右側には、外部集中端子板47が配設されている。この外部集中端子板47は、キャビネット2aの右側面板20dに取り付けられている。外部集中端子板47は、メダル投入信号、メダル払出信号及びセキュリティー信号などの信号をパチスロ1の外部へ出力するために設けられている。
キャビネット2a内部を正面から見て、アンプ基板45の左側には、サブ電源装置48が配設されている。このサブ電源装置48は、キャビネット2aの左側面板20cに取り付けられている。サブ電源装置48は、交流電圧100Vの電力を後述する電源装置53に供給する。また、交流電圧100Vの電力を直流電圧の電力に変換して、アンプ基板45に供給する。
キャビネット2aの内部の下側には、メダル払出装置(以下、ホッパー装置)51と、メダル補助収納庫52と、電源装置53が配設されている。
ホッパー装置51は、キャビネット2aにおける底面板20bの中央部に取り付けられている。このホッパー装置51は、多量のメダルを収容可能であり、それらを1枚ずつ排出可能な構造を有する。ホッパー装置51は、貯留されたメダルが例えば50枚を超えたとき、又は精算ボタンが押圧されてメダルの精算を行うときに、メダルを払い出す。ホッパー装置51によって払い出されたメダルは、メダル払出口32(図5参照)から排出される。
メダル補助収納庫52は、ホッパー装置51から溢れ出たメダルを収納する。このメダル補助収納庫52は、キャビネット2a内部を正面から見て、ホッパー装置51の右側に配置されている。メダル補助収納庫52は、キャビネット2aの底面板20bに係合されており、底面板20bに対して着脱可能に構成されている。
電源装置53は、電源スイッチ53aと、電源基板53bを有している(図10参照)。この電源装置53は、キャビネット2a内部を正面から見て、ホッパー装置51の左側に配置されており、左側面板20cに取り付けられている。電源装置53は、サブ電源装置48から供給された交流電圧100Vの電力を各部で必要な直流電圧の電力に変換して、変換した電力を各部へ供給する。
図6,図7及び図9に示すように、ミドルドア41は、フロントドア2bの裏面における中央部に配置され、リール表示窓4(図7参照)を裏側から開閉可能に構成されている。ミドルドア41の上部と下部には、ドアストッパ41a,41b,41cが設けられている。このドアストッパ41a,41b,41cは、リール表示窓4を裏側から閉じた状態のミドルドア41の開動作を固定(禁止)する。すなわち、ミドルドア41を開くには、ドアストッパ41a,41b,41cを回転させてミドルドア41の固定を解除する必要がある。
ミドルドア41には、主制御基板71(図10参照)を収納した主制御基板ケース55と、3つのリール3L,3C,3Rが取り付けられている。3つのリール3L,3C,3Rには、所定の減速比をもったギアを介してステッピングモータが接続されている。
図7に示すように、ミドルドア41を開くと、窓カバー16の裏面とシート載置部17が露出される。上述したように、窓カバー16の裏面とシート載置部17との間には、遊技に関する情報が記載された情報シートが配置されている。この情報シートは、ミドルドア41を開いて窓カバー16の裏面とシート載置部17を露出させた状態で、窓カバー16の裏面とシート載置部17との間に形成された間隙に挿入される。また、情報シートを交換する場合も、ミドルドア41を開いてから情報シートの交換作業が行われる。
主制御基板ケース55には、設定用鍵型スイッチ56が設けられている。この設定用鍵型スイッチ56は、パチスロ1の設定を変更もしくはパチスロ1の設定の確認を行うときに使用する。
本実施の形態では、主制御基板ケース55と、この主制御基板ケース55に収納された主制御基板71により、主制御基板ユニットが構成されている。
主制御基板ケース55に収納された主制御基板71は、後述する主制御回路91(図11参照)を構成する。主制御回路91は、内部当籤役の決定、リール3L,3C,3Rの回転及び停止、入賞の有無の判定といった、パチスロ1における遊技の主な流れを制御する回路である。主制御回路91の具体的な構成は後述する。
ミドルドア41の上方には、副制御基板72(図10参照)を収容する副制御基板ケース57が配設されている。副制御基板ケース57に収納された副制御基板72は、副制御回路101(図12参照)を構成する。この副制御回路101は、映像の表示等による演出の実行を制御する回路である。副制御回路101の具体的な構成は後述する。
副制御基板ケース57の上方には、センタースピーカ58が配設されている。そして、フロントドア2bを裏面側から見て、センタースピーカ58の左側方には、ファン59が配設されている。つまり、ファン59は、フロントドア2bの裏面側における上部に配設されている。このファン59は、下向きに空気を送風し、パチスロ1の内部を空冷する。
フロントドア2bを裏面側から見て、副制御基板ケース57の右側方には、副中継基板61が配設されている。この副中継基板61は、副制御基板72と主制御基板71とを接続する配線を中継する。また、副制御基板72と副制御基板72の周辺に配設された基板とを接続する配線を中継する基板である。なお、副制御基板72の周辺に配設される基板としては、後述するLED基板62A,62Bが挙げられる。
LED基板62A,62Bは、フロントドア2bの裏面側から見て、副制御基板ケース57の上方に配設されている。これらLED基板62A,62Bは、副制御回路101(図12参照)の制御により実行される演出に応じて、光源の一具体例を示すLED(Light Emitting Diode)85(図10参照)を発光させて、点滅パターンを表示する。なお、本実施の形態のパチスロ1には、LED基板62A,62B以外に複数のLED基板を備えている。
副中継基板61の下方には、24hドア開閉監視ユニット63が配設されている。この24hドア開閉監視ユニット63は、ミドルドア41の開閉の履歴を保存する。また、ミドルドア41を開放したときに、液晶表示装置11にエラー表示を行うための信号を副制御基板72(副制御回路101)に出力する。
ミドルドア41の下方には、ボードスピーカ64と、下部スピーカ65L,65Rが配設されている。ボードスピーカ64は、腰部パネルユニット31(図5参照)に対向しており、下部スピーカ65L,65Rは、それぞれスピーカ用孔33L,33R(図5参照)に対向している。
下部スピーカ65Lの上方には、セレクタ66と、ドア開閉監視スイッチ67が配設されている。セレクタ66は、メダルの材質や形状等が適正であるか否かを選別する装置であり、メダル投入口21に投入された適正なメダルをホッパー装置51へ案内する。セレクタ66内においてメダルが通過する経路上には、適正なメダルが通過したことを検出するメダルセンサ(不図示)が設けられている。
ドア開閉監視スイッチ67は、フロントドア2bを裏面側から見て、セレクタ66の左側方に配置されている。このドア開閉監視スイッチ67は、パチスロ1の外部へ、フロントドア2bの開閉を報知するためのセキュリティー信号を出力する。
また、リール表示窓4の下方であってミドルドア41により開閉される領域には、ドア中継端子板68が配設されている(図7参照)。このドア中継端子板68は、主制御基板ケース55内の主制御基板71(図10参照)と、各種のボタンやスイッチ、副制御基板72(図10参照)、セレクタ66及び遊技動作表示基板81(図10参照)との配線を中継する基板である。なお、各種のボタン及びスイッチとしては、例えば、BETボタン22、精算ボタン27、ドア開閉監視スイッチ67、後述するBETスイッチ77、スタートスイッチ79等を挙げることができる。
[パチスロが備える制御系]
次に、パチスロ1が備える制御系について、図10を参照して説明する。
図10は、本発明の一実施形態に係るパチスロの制御系を示すブロック図である。
パチスロ1は、ミドルドア41に配設された主制御基板71と、フロントドア2bに配設された副制御基板72を有している。
主制御基板71には、リール中継端子板74と、設定用鍵型スイッチ56と、外部集中端子板47と、ホッパー装置51と、メダル補助収納庫スイッチ75と、電源装置53の電源基板53bが接続されている。設定用鍵型スイッチ56、外部集中端子板47、ホッパー装置51及びメダル補助収納庫スイッチ75は、キャビネット側中継基板44を介して主制御基板71に接続されている。外部集中端子板47及びホッパー装置51については、上述したため、説明を省略する。
リール中継端子板74は、各リール3L,3C,3Rのリール本体の内側に配設されている。このリール中継端子板74は、各リール3L,3C,3Rのステッピングモータ(不図示)に電気的に接続されており、主制御基板71からステッピングモータに出力される信号を中継する。
メダル補助収納庫スイッチ75は、メダル補助収納庫52の後述するスイッチ貫通孔を貫通している。このメダル補助収納庫スイッチ75は、メダル補助収納庫52がメダルで満杯になっているか否かを検出する。
電源装置53の電源基板53bには、電源スイッチ53aが接続されている。この電源スイッチ53aは、パチスロ1に必要な電源を供給するときにONにする。
また、主制御基板71には、ドア中継端子板68を介して、セレクタ66、ドア開閉監視スイッチ67、BETスイッチ77、精算スイッチ78、スタートスイッチ79、ストップスイッチ基板80、遊技動作表示基板81及び副中継基板61が接続されている。セレクタ66、ドア開閉監視スイッチ67及び副中継基板61については、上述したため、説明を省略する。
BETスイッチ77は、BETボタン22が遊技者により押されたことを検出する。精算スイッチ78は、精算ボタン27が遊技者により押されたことを検出する。スタートスイッチ79は、スタートレバー23が遊技者により操作されたこと(開始操作)を検出する。
ストップスイッチ基板80は、回転しているリールを停止させるための回路と、停止可能なリールをLEDなどにより表示するための回路を構成する基板である。このストップスイッチ基板80には、ストップスイッチが設けられている。ストップスイッチは、各ストップボタン19L,19C,19Rが遊技者により押されたこと(停止操作)を検出する。
遊技動作表示基板81は、メダルの投入を受け付けるとき、3つのリール3L,3C,3Rが回動可能なとき及び再遊技を行うときに、投入されたメダルの枚数を7セグ表示器24に表示させるための基板である。この遊技動作表示基板81には、7セグ表示器24とLED82が接続されている。LED82は、例えば、遊技の開始を表示するマークや再遊技を行うマークなどを点灯させる。
副制御基板72は、ドア中継端子板68と副中継基板61を介して主制御基板71に接続されている。この副制御基板72には、副中継基板61を介して、サウンドI/O基板84、LED基板62A,62B、24hドア開閉監視ユニット63が接続されている。これらLED基板62A,62B及び24hドア開閉監視ユニット63については、上述したため、説明を省略する。
サウンドI/O基板84は、センタースピーカ58、ボードスピーカ64、下部スピーカ65L,65R及びフロントドア2bに設けられた不図示のスピーカへの音声の出力を行う。
また、副制御基板72には、ロムカートリッジ基板86と、液晶中継基板87が接続されている。これらロムカートリッジ基板86及び液晶中継基板87は、副制御基板72と共に副制御基板ケース57に収納されている。
ロムカートリッジ基板86は、演出用の画像(映像)、音声、LED基板62A,62B及びその他のLED基板(不図示)、通信のデータを管理するための基板である。液晶中継基板87は、副制御基板72と液晶表示装置11とを接続する配線を中継する基板である。
<主制御回路>
次に、主制御基板71により構成される主制御回路91について、図11を参照して説明する。
図11は、本発明の一実施形態に係るパチスロの主制御回路の構成例を示すブロック図である。
主制御回路91は、主制御基板71上に設置されたマイクロコンピュータ92を主たる構成要素としている。マイクロコンピュータ92は、メインCPU93、メインROM94及びメインRAM95により構成される。
メインROM94には、メインCPU93により実行される制御プログラム、データテーブル、副制御回路101に対して各種制御指令(コマンド)を送信するためのデータ等が記憶されている。メインRAM95には、制御プログラムの実行により決定された内部当籤役等の各種データを格納する格納領域が設けられる。
メインCPU93には、クロックパルス発生回路96、分周器97、乱数発生器98及びサンプリング回路99が接続されている。クロックパルス発生回路96及び分周器97は、クロックパルスを発生する。メインCPU93は、発生されたクロックパルスに基づいて、制御プログラムを実行する。乱数発生器98は、予め定められた範囲の乱数(例えば、0〜65535)を発生する。サンプリング回路99は、発生された乱数の中から1つの値を抽出する。
メインCPU93は、リールインデックスを検出してから各リール3L,3C,3Rのステッピングモータに対してパルスを出力した回数をカウントする。これにより、メインCPU93は、各リール3L,3C,3Rの回転角度(主に、リールが図柄何個分だけ回転したか)を管理する。
なお、リールインデックスとは、リールが一回転したことを示す情報である。このリールインデックスは、例えば、発光部及び受光部を有する光センサと、各リール3L,3C,3Rの所定の位置に設けられ、各リール3L,3C,3Rの回転により発光部と受光部との間に介在される検知片を備えたリール位置検出部(不図示)により検出する。
ここで、各リール3L,3C,3Rの回転角度の管理について、具体的に説明する。ステッピングモータに対して出力されたパルスの数は、メインRAM95に設けられたパルスカウンタによって計数される。そして、図柄1つ分の回転に必要な所定回数(例えば16回)のパルスの出力がパルスカウンタで計数される毎に、メインRAM95に設けられた図柄カウンタが1ずつ加算される。図柄カウンタは、各リール3L,3C,3Rに応じて設けられている。図柄カウンタの値は、リール位置検出部(不図示)によってリールインデックスが検出されるとクリアされる。
つまり、本実施の形態では、図柄カウンタを管理することにより、リールインデックスが検出されてから図柄何個分の回転が行われたのかを管理するようになっている。したがって、各リール3L,3C,3Rの各図柄の位置は、リールインデックスが検出される位置を基準として検出される。
上述したように、本実施の形態では、滑り駒数の最大数を図柄4個分に定めている。したがって、左ストップボタン19Lが押されたときにリール表示窓4の中段にある左リール3Lの図柄と、その4個先の図柄までの範囲内にある各図柄が、リール表示窓4の中段に停止可能な図柄となる。
<副制御回路>
次に、副制御基板72により構成される副制御回路101について、図12を参照して説明する。
図12は、本発明の一実施形態に係るパチスロの副制御回路の構成例を示すブロック図である。
副制御回路101は、主制御回路91と電気的に接続されており、主制御回路91から送信されるコマンドに基づいて演出内容の決定や実行等の処理を行う。副制御回路101は、基本的に、サブCPU102、サブRAM103、レンダリングプロセッサ104、描画用RAM105、ドライバ106を含んで構成されている。
サブCPU102は、主制御回路91から送信されたコマンドに応じて、ロムカートリッジ基板86に記憶されている制御プログラムに従い、映像、音、光の出力の制御を行う。ロムカートリッジ基板86は、基本的に、プログラム記憶領域とデータ記憶領域によって構成される。
プログラム記憶領域には、サブCPU102が実行する制御プログラムが記憶されている。例えば、制御プログラムには、主制御回路91との通信を制御するための主基板通信タスクや、演出用乱数値を抽出し、演出内容(演出データ)の決定及び登録を行うための演出登録タスクが含まれる。また、決定した演出内容に基づいて液晶表示装置11(図9参照)による映像の表示を制御する描画制御タスク、LED85等の光源による光の出力を制御するランプ制御タスク、スピーカ58,64,65L,65R等のスピーカによる音の出力を制御する音声制御タスク等が含まれる。
データ記憶領域は、各種データテーブルを記憶する記憶領域、各演出内容を構成する演出データを記憶する記憶領域、映像の作成に関するアニメーションデータを記憶する記憶領域が含まれている。また、BGMや効果音に関するサウンドデータを記憶する記憶領域、光の点消灯のパターンに関するランプデータを記憶する記憶領域等が含まれている。
サブRAM103は、決定された演出内容や演出データを登録する格納領域や、主制御回路91から送信される内部当籤役等の各種データを格納する格納領域が設けられている。
サブCPU102、レンダリングプロセッサ104、描画用RAM(フレームバッファを含む)105及びドライバ106は、演出内容により指定されたアニメーションデータに従って映像を作成し、作成した映像を液晶表示装置11に表示させる。
また、サブCPU102は、演出内容により指定されたサウンドデータに従ってBGMなどの音をスピーカ58,64,65L,65R等のスピーカにより出力させる。また、サブCPU102は、演出内容により指定されたランプデータに従ってLED85等の光源の点灯及び消灯を制御する。
[メイン側の各種のデータテーブル]
図13〜図26を用いて、メインROM94に記憶されている各種のデータテーブルについて説明する。
<図柄配置テーブル>
図13(a)は、本発明の一実施形態に係る図柄配置テーブルを示す図である。図13(a)に示した図柄配置テーブルは、左リール3L、中リール3C及び右リール3Rの各々の表面に配されている図柄の配列をデータによって表している。図柄配置テーブルは、21個の図柄位置「0」〜「20」と、これらの図柄位置の各々に対応する図柄との対応関係を規定する。図柄位置「0」〜「20」は、左リール3L、中リール3C及び右リール3Rの各々において回転方向に沿って配されている図柄の位置を示す。図柄位置「0」〜「20」に対応する図柄は、図柄カウンタの値を用いて図柄配置テーブルを参照することによって特定することができる。図柄の種類としては、「赤7」、「緑7」、「BAR」、「チェリー」、「スイカ1」、「スイカ2」、「スイカ3」、「ベル」、「リプレイ」、及び、「ブランク」を含んでいる。
図13(a)に示す図柄配置テーブルは、リールインデックスが検出されるときに表示窓4L、4C、4Rの中段に位置する図柄(表示窓の中段を通過中の図柄)を図柄位置「0」に割り当てるとともに、リールの回転方向に移動する順に、21個の図柄の各々に対して図柄位置「0」〜「20」を割り当てた対応関係を規定する。このように、表示窓4L、4C、4Rの中段を基準にすることで、表示窓4L、4C、4Rの中段に位置する図柄の種別を、3つのリール3L、3C、3Rごとに特定することができる。
各リール3L、3C、3Rに配された各図柄は、図13(b)に示した図柄コード表によって特定され、1バイト(8ビット)のデータによって区別される。
図13(b)は、本発明の一実施形態に係る図柄コード表を示す図である。図13(b)に示した図柄コード表は、3つのリール3L、3C、3Rの表面に配された図柄を特定するためのコードを表している。本実施の形態によるパチスロ1で用いる図柄は、上述のように「赤7」、「緑7」、「BAR」、「チェリー」、「スイカ1」、「スイカ2」、「スイカ3」、「ベル」、「リプレイ」、及び、「ブランク」の10種類である。
図柄コード表では、「赤7」図柄(図柄コード1)に対して、データとして「00000001」が割り当てられている。「青7」図柄(図柄コード2)に対しては、データとして「00000010」が割り当てられている。「黄7」図柄(図柄コード3)に対しては、データとして「00000011」が割り当てられている。「スイカ」図柄(図柄コード4)に対しては、データとして「00000100」が割り当てられている。「ベル」図柄(図柄コード5)に対しては、データとして「00000101」が割り当てられている。「リプレイ」図柄(図柄コード6)に対しては、データとして「00000110」が割り当てられている。
<図柄組合せテーブル>
図14及び図15は、本発明の一実施形態に係る図柄組合せテーブルを示す図である。図14及び図15に示した図柄組合せテーブルでは、図柄の組合せに対して、入賞作動フラグ及び払出枚数が対応付けられている。
本実施の形態のパチスロ1では、有効化された入賞判定ラインに沿って並んだ図柄組合せが、入賞や作動のための判断の対象となる。すなわち、有効化された入賞判定ラインに沿って並んだ図柄の組合せが、予め定められた所定の図柄の組合せと一致するか否かが判断される。
この予め定められた所定の図柄組合せが、図柄組合せテーブルに規定されている図柄組合せである。有効化された入賞判定ラインに沿って並んだ図柄の組合せが、所定の図柄の組合せと一致する場合には、メダルの払い出し、再遊技の作動又は遊技状態の移行等が行われる。
図柄組合せは、非MB遊技状態においては、左リール3Lの中段の図柄と、中リール3Cの中段の図柄と、右リール3Rの中段の図柄との組合せであり、MB遊技状態においては、左リール3Lの下段の図柄と、中リール3Cの上段の図柄と、右リール3Rの下段の図柄との組合せである。上述したように、図柄組合せテーブルの図柄組合せが、入賞判定ラインに沿って並んだ図柄の組合せと一致するか否か判断される。入賞判定の対象となる役(表示役)としては、リプレイ役、小役、ボーナス役、左こぼし目等がある。
リプレイ役は、遊技を行うために投入したメダルと同数のメダルでの遊技を、新たなメダルの投入を行うことなく行える再遊技の作動役であり、入賞時の払出枚数は0枚である。リプレイ役は、中段リプ1、下段リプ1〜2、CUリプ1〜3、CDリプ1〜4、上段リプ1〜12、BAR制御リプ1〜7、チャンスリプ1〜15、上げリプ1〜9、及び、7制御リプ1〜18を含んでいる。
小役は、入賞時に予め定められた枚数のメダルが払い出される役である。小役は、中段ベル1、上段ベル1〜2、CDベル1〜4、CDスイカ1〜3、上段スイカ1〜2、中段チェリー1〜22、左特殊役1〜8、スイカこぼし役1〜4、変則特殊役1〜7、角チェリー1〜8、及び、MB制御役1〜18を含んでいる。
ボーナス役は、ボーナスの作動役であり、入賞時の払出枚数は0枚である。ボーナス役は、MB1〜3を含んでいる。
入賞作動フラグは、表示役を示すために固有の図柄の組合せに対応して割り当てられたデータであり、1バイト(8ビット)データ及び格納領域種別を含んでいる。格納領域種別は、1バイトデータを区別するためのデータである。1バイトデータは、複数の図柄の組合せに関するデータを含んでいる。各図柄の組合せ(表示役)は、格納領域種別と1バイトデータとによって区別される。
本実施の形態においては、図14及び図15に示すように、図柄の組合せは8種類を超えているため、入賞作動フラグを構成する1バイト(8ビット)のデータのみでは、全ての図柄の組合せを特定したり識別したりすることができない。このため、本実施の形態においては、格納領域種別1〜20を用いて1バイトデータを区別する。このようにすることで、1バイトデータの値が同一であっても、格納領域種別1〜20のうちのいずれか1つを指定することによって、8種類を超える図柄の組合せを異なる図柄の組合せとして扱うことができる。
1バイトデータに関しては、割り当てられた格納領域種別について、各表示役に対応するビットが「1」とされ、残りのビットが「0」とされる。
例えば、格納領域種別の値を「1」とし、かつ、1バイトデータの値を「00000001」とすることで、表示役「左こぼし目1」を指定することができ、格納領域種別の値を「17」とし、かつ、1バイトデータの値を「00100000」とすることで、表示役「角チェリー1」を指定することができる。
払出枚数は、図柄の組合せの各々に対応して、遊技者に払い出すメダルの枚数を示すデータである。入賞判定ラインに沿って並んだ図柄の組合せが、図柄組合せテーブルの「図柄の組合せ」と一致したときには、対応する払出枚数に基づいて、ホッパー装置51の駆動によるメダルの排出や、クレジット枚数をカウントするクレジットカウンタの加算が行われる。なお、払出枚数は、投入枚数(3枚又は1枚)と対応付けて設定されている。
<内部抽籤テーブル>
内部抽籤テーブルとしては、通常遊技状態用内部抽籤テーブルと、MB用内部抽籤テーブルとが設けられている。図16(a)は、本発明の一実施形態に係る通常遊技状態用内部抽籤テーブルを示す図である。図16(b)は、本発明の一実施形態に係るMB用内部抽籤テーブルを示す図である。通常遊技状態用内部抽籤テーブルは、非MB遊技状態において参照される内部抽籤テーブルであり、MB用内部抽籤テーブルは、MB遊技状態において参照される内部抽籤テーブルである。
図16(a)に示す通常遊技状態用内部抽籤テーブルでは、当籤番号(内部当籤番号)に対して、遊技状態(RT0遊技状態、RT1遊技状態、及び、RT2遊技状態)ごとの抽籤値、及び、データポインタ(小役・リプレイ用データポインタ及びボーナス用データポインタ)が対応付けられている。図16(b)に示すMB用内部抽籤テーブルでは、1つの当籤番号のみに対して、遊技状態(RT0遊技状態、RT1遊技状態、及び、RT2遊技状態)とは無関係に抽籤値が対応付けられるとともに、該当籤番号にデータポインタ(小役・リプレイ用データポインタ及びボーナス用データポインタ)が対応付けられている。
本実施の形態では、予め定められた数値の範囲「0〜65535」から抽出される抽籤用乱数値を、各当籤番号に応じた抽籤値で順次減算し、いわゆる「桁かり」が生じたか否かの判定を行うことによって内部的な抽籤が行われる。
桁かりは、減じられる対象の数値の方が小さい場合に行われ、換言すれば減算の結果が負となるときに行われる。例えば、RT0遊技状態において抽出された乱数値が「35000」である場合、初めに、「35000」から当籤番号「1」に対応する抽籤値「33154」が減算される。減算結果は「35000−33154=1846」であり、正である。次いで、この減算後の値「1846」から当籤番号「2」に対応する抽籤値「3218」が減算される。減算結果は「1846−3218=−1372」であり、負である。従って、内部当籤役として当籤番号「2」が決定される。
このような内部抽籤の方法によると、抽籤値として規定されている数値が大きいほど、これが割り当てられたデータ(つまり、データポインタ)が決定される確率が高くなる。減算の結果が負となったか否かの判断処理の回数が、当籤番号の数を超えたときには、内部抽籤処理の結果は「ハズレ」となる。また、各当籤番号の当籤確率は、「各当籤番号に対応する抽籤値/抽出される可能性のある全ての乱数値の個数(65536)」によって表すことができる。
なお、本実施形態において、抽籤値を用いて行う各種抽籤の方法は、内部抽籤の方法と同様であるため、他の抽籤については説明を省略する。
データポインタは、内部抽籤テーブルを参照して行う抽籤の結果として取得されるデータであり、後述する内部当籤役決定テーブルにより規定されている内部当籤役を指定するためのデータである。すなわち、データポインタは、図17〜図19に示す内部当籤役決定テーブルにおいて、格納領域種別及び1バイトデータを決定するために用いられるデータである。データポインタは、各当籤番号に対応して、小役・リプレイ用データポインタ及びボーナス用データポインタが個別に規定されている。
<内部当籤役決定テーブル>
内部当籤役決定テーブルとしては、小役・リプレイ用内部当籤役決定テーブルとボーナス用内部当籤役決定テーブル(MB用内部当籤役決定テーブル)とが設けられている。図17及び図18は、本発明の一実施形態に係る小役・リプレイ用内部当籤役決定テーブルを示す図である。図19は、本発明の一実施形態に係るMB用内部当籤役決定テーブルを示す図である。
図17及び図18に示した小役・リプレイ用内部当籤役決定テーブルでは、小役・リプレイ用データポインタに対して、メダルの払い出しに係る図柄の組合せの表示を許容する内部当籤役(小役)、及び再遊技の作動に係る図柄の組合せの表示を許容する内部当籤役(リプレイ役)が対応付けられている。内部当籤役の内容は、小役・リプレイ用データポインタ「0」〜「52」に応じて決定される。図19に示したMB用内部当籤役決定テーブルでは、ボーナス用データポインタに対して、ボーナスの作動に係る図柄の組合せの表示を許容する内部当籤役(ボーナス役)が対応付けられている。内部当籤役の内容は、ボーナス用データポインタ「0」又は「1」に応じて決定される。
「0」〜「52」の小役・リプレイ用データポインタは、それぞれ、20個の1バイトデータに対応している。「0」及び「1」のボーナス用データポインタは、それぞれ、2つの1バイトデータに対応している。これにより、各データポインタに対して、内部当籤役が規定される。例えば、小役・リプレイ用データポインタが「22」の場合には、「左こぼし目1〜6」と「中段ベル1」と「左特殊役1、2」と「角チェリー1〜8」とに重複して内部当籤していることになる。
ここで、以上の説明を前提として、押し順と入賞役との関係について説明する。図20及び図21は、本発明の一実施形態に係るパチスロにおける押し順と入賞役との関係を示す図である。図20は、非MBフラグ間における押し順と入賞役との関係を示しており、図21は、MBフラグ間における押し順と入賞役との関係を示している。
図20及び図21においては、「1」〜「47」の当籤番号ごとに、停止操作の順序(押し順)に応じて、入賞する役が示されている。
例えば、当籤番号が「22」の場合(以下、「23」〜「45」の場合も同様)、図16を参照すると、小役・リプレイ用データポインタは「22」であり、ボーナス用データポインタは「0」である。小役・リプレイ用データポインタが「22」の場合、図17を参照すると、内部当籤役は、「左こぼし目1〜6」、「中段ベル1」、「左特殊役1、2」、及び、「角チェリー1〜8」である。ボーナス用データポインタが「0」の場合、図19を参照すると、内部当籤役は、「ハズレ」である。
非MBフラグ間においては、図20に示すように、第1停止操作として左リール3Lに対する停止操作が行われた場合、「左特殊役1、2」が入賞し得る。第1停止操作として中リール3Cに対する停止操作が行われた場合、「中段ベル1」が入賞し得る。第1停止操作として右リール3Rに対する停止操作が行われた場合、「角チェリー1〜8」が入賞し得る。
これに対し、MBフラグ間においては、図21に示すように、第1停止操作として左リール3Lに対する停止操作が行われた場合、「角チェリー1〜8」が入賞し得る。第1停止操作として中リール3Cに対する停止操作が行われた場合、「中段ベル1」が入賞し得る。第1停止操作として右リール3Rに対する停止操作が行われた場合、「角チェリー1〜8」が入賞し得る。このように、MBフラグ間では、非MBフラグ間と比較して、第1停止操作として左リール3Lに対する停止操作が行われた場合における入賞役が「左特殊役1、2」から「角チェリー1〜8」に変更されている。図4を用いて説明したように、特殊ART(MBフラグ間)において角チェリー1〜8が入賞すると、上乗せ特化ゾーン(MB遊技状態)においてARTゲーム数が加算(上乗せ)される。
図20に示すように、非MBフラグ間において、第1停止操作として左リール3Lに対する停止操作が行われた場合、該停止操作が適切なタイミングで行われないと、「左特殊役1、2」は入賞せず、「左こぼし目1〜6」が入賞する(すなわち、「左特殊役1、2」を取りこぼす)。
本実施形態においては、押し順が報知されない場合、通常、順押し(「左」→「中」→「右」の順での停止操作)が行われる(図72参照)。従って、押し順が報知されないRT0遊技状態又はRT2遊技状態において、内部当籤役として当籤番号22が決定された場合、非MBフラグ間であれば、「左特殊役1、2」又は「左こぼし目1〜6」が入賞する。「左特殊役1、2」を取りこぼすと「左こぼし目1〜6」が入賞し、RT0遊技状態又はRT2遊技状態からRT1遊技状態へと移行する(図2参照)。なお、RT1遊技状態において「左こぼし目1〜6」が入賞しても、RT1遊技状態が維持される。
一方、MBフラグ間では、順押し(「左」→「中」→「右」の順での停止操作)が行われた場合における入賞役が「左特殊役1、2」から「角チェリー1〜8」に変更されるため、内部当籤役として当籤番号22が決定され、順押しが行われたとしても、「左特殊役1、2」及び「左こぼし目1〜6」は入賞しない。
当籤番号が「5」の場合(以下、「6」〜「8」の場合も同様)、図16を参照すると、小役・リプレイ用データポインタは「5」である。小役・リプレイ用データポインタが「5」の場合、図17を参照すると、内部当籤役は、「中段リプ1」、「下段リプ1、2」、「CUリプ1〜3」、「CDリプ1〜4」、「上段リプ1〜12」、及び、「上げリプ1〜9」である。
図20に示すように、第1停止操作として左リール3Lに対する停止操作が行われた場合、「中段リプ1」が入賞し得る。「中」→「左」→「右」の順で停止操作が行われた場合、「上げリプ1〜9」が入賞し得る。第1停止操作として右リール3Rに対する停止操作が行われた場合、又は、「中」→「右」→「左」の順で停止操作が行われた場合、「CUリプ1〜3」が入賞し得る。
RT1遊技状態において「上げリプ1〜9」が入賞した場合、RT1遊技状態からRT2遊技状態へと移行する(図2参照)。ART開始時又はARTに状態復帰させる際、「中」→「左」→「右」の押し順(「上げリプ1〜9」を入賞させるための押し順)が報知される。報知に従うことにより、遊技者は、「上げリプ1〜9」を入賞させることができる。
また、RT1遊技状態又はRT2遊技状態において「CUリプ1〜3」が入賞した場合、RT1遊技状態又はRT2遊技状態からRT0遊技状態へと移行する(図2参照)。なお、順押しが行われた場合には、「中段リプ1」が入賞するため、遊技状態は維持される。
当籤番号が「9」の場合(以下、「10」「11」の場合も同様)、図16を参照すると、小役・リプレイ用データポインタは「9」である。小役・リプレイ用データポインタが「9」の場合、図17を参照すると、内部当籤役は、「中段リプ1」、「下段リプ1、2」、「CUリプ1〜3」、「CDリプ1〜4」、「上段リプ1〜12」、「BAR制御リプ1〜7」、及び、「チャンスリプ1」である。
図20に示すように、第1停止操作として左リール3L若しくは右リール3Rに対する停止操作が行われた場合、又は、「中」→「右」→「左」の順で停止操作が行われた場合、「CUリプ1〜3」が入賞し得る。「中」→「左」→「右」の順で停止操作が行われた場合、「中段リプ1」が入賞し得る。
RT2遊技状態において「CUリプ1〜3」が入賞した場合、RT2遊技状態からRT0遊技状態へと移行する(図2参照)。RT2遊技状態において「中段リプ1」が入賞した場合、RT2遊技状態が維持される。ARTにおいては、RT2遊技状態を維持するため、「中」→「左」→「右」の押し順(「中段リプ1」を入賞させるための押し順)が報知されるが、ARTが終了すると、報知が行われないため、「CUリプ1〜3」が入賞し、RT2遊技状態からRT0遊技状態へ移行することとなる。
なお、ART終了後や、出荷時の初期状態や設定変更時等は、一時的にRT0遊技状態に滞在するが、本実施形態では、「左こぼし目1〜6」が入賞しやすくなっているため、基本的にはRT1遊技状態に滞在することとなる。
また、当籤番号が「1」の場合、図16を参照すると、小役・リプレイ用データポインタは「1」である。小役・リプレイ用データポインタが「1」の場合、図17を参照すると、内部当籤役は、「中段リプ1」、「下段リプ1、2」、「CUリプ1〜3」、及び、「CDリプ1〜4」である。図20に示すように、順押しが行われた場合には、「中段リプ1」が入賞し得る。変則押し(順押しとは異なる順序での停止操作)が行われた場合には、「CUリプ1〜3」が入賞し得る。RT0遊技状態において「CUリプ1〜3」が入賞した場合には、RT0遊技状態が維持される。
当籤番号が「16」の場合(以下、「17」〜「21」の場合も同様)、図16を参照すると、小役・リプレイ用データポインタは「16」である。小役・リプレイ用データポインタが「16」の場合、図17を参照すると、内部当籤役は、「左特殊役1〜8」及び「変則特殊役1、2、5」である。
図21に示すように、MBフラグ間において、第1停止操作として左リール3L又は中リール3Cに対する停止操作が行われた場合、「左特殊役1〜8」が入賞し得る。第1停止操作として右リール3Rに対する停止操作が行われた場合、「変則特殊役1、2、5」又は「MB1」が入賞し得る。すなわち、第1停止操作として右リール3Rに対する停止操作が行われた場合、該停止操作が適切なタイミングで行われると、「変則特殊役1、2、5」が入賞する。該停止操作が適切なタイミングで行われないと、「変則特殊役1、2、5」は入賞せず、「MB1」が入賞する(すなわち、「変則特殊役1、2、5」を取りこぼす)。ここで、当籤番号が「16」の場合、ボーナス用データポインタは「0」であるが、MBフラグ間においては、MBが内部当籤した状態が持ち越されているため、MB1の入賞が許容される。
より具体的に説明すると、変則特殊役1に対応する図柄の組合せは、「ベル」−「ベル」−「BAR」であり、変則特殊役2に対応する図柄の組合せは、「ベル」−「ベル」−「スイカ1」であるが(図15参照)、図13(a)の図柄配列を参照すると、右リール3Rにおいて「BAR」及び「スイカ1」の双方ともが4図柄(滑り駒数の最大値)の範囲内に存在しない箇所が存在する。従って、停止操作のタイミングによっては、右リール3Rにおいて「BAR」及び「スイカ1」の双方ともが引き込まれない場合がある。これに対し、MB1に対応する図柄の組合せは、「ベル」−「ベル」−「リプレイ」であるところ(図14参照)、右リール3Rにおいて「リプレイ」は、4図柄(滑り駒数の最大値)の範囲内に必ず存在するため(図13(a)参照)、停止操作のタイミングにかかわらず必ず引き込まれる。従って、右リール3Rにおいて「BAR」及び「スイカ1」の双方ともが引き込まれないタイミングで停止操作が行われた場合、変則特殊役1及び変則特殊役2を取りこぼし、その場合には、変則特殊役1及び変則特殊役2(小役)の次に優先順位の高いMB1(ボーナス役)が入賞することとなる。変則特殊役5についても同様に、図柄配列(図13(a)参照)との関係上取りこぼす場合があり、その場合にはMB1が入賞する。
図4を用いて説明したように、特殊ART(MBフラグ間)においてMBが入賞すると、特殊ART(MBフラグ間)が終了し、上乗せ特化ゾーン(MB遊技状態)が作動する。
以上、図20及び図21を用いて、押し順と入賞役との関係について説明した。以下、メインROM94に記憶されているデータテーブルの説明に戻る。
<回胴停止用番号選択テーブル>
図22(a)は、本発明の一実施形態に係る回胴停止用番号選択テーブルを示す図である。回胴停止用番号選択テーブルは、当籤番号と回胴停止用番号とを対応付けるものである。回胴停止用番号は、非MBフラグ間(図22(a)中の通常遊技状態)及びMBフラグ間の各々について規定されている。当籤番号が決定されると、回胴停止用番号選択テーブルが参照され、決定された当籤番号に応じた回胴停止用番号が選択される。
<リール停止初期設定テーブル>
図22(b)は、本発明の一実施形態に係るリール停止初期設定テーブルを示す図である。図22(b)に示すリール停止初期設定テーブルでは、回胴停止用番号に対して、引込優先順位テーブル選択テーブル番号又は引込優先順位テーブル番号と、停止テーブル選択データ群とが対応付けられている。これらの各種のデータは、単位遊技の進行の状況に応じてリールの停止制御において選択すべき各種のテーブル番号を示す。
引込優先順位テーブル選択テーブル番号は、後述する図23〜図25に示す引込優先順位テーブル選択テーブルにおいて引込優先順位テーブル番号を選択するための番号である。「引込優先順位テーブル番号」は、後述する図26に示す引込優先順位テーブルにおいて引込優先順位データを選択するための番号である。
「停止テーブル選択データ群」については、詳細を省略するが、停止操作が行われた際の図柄位置データと滑り駒数決定データとを対応付けて記憶する停止テーブルなどを選択するための番号である。「停止テーブル選択データ群」は、単位遊技の進行の状況に応じて、「滑り駒数決定データ」の決定、すなわち、3つのリール3L、3C、3Rを停止する位置をそれぞれ決定するために用いるデータを含む。停止操作が行われた際の図柄位置データとは、停止操作が行われた際にリール表示窓4の中段に表示されている図柄の図柄位置(停止開始位置)を示す情報である。滑り駒数決定データとは、滑り駒数を決定するための情報である。
リール停止初期設定テーブルでは、停止操作の順序により異なる停止制御が行われるデータポインタに対応する回胴停止用番号に対しては、引込優先順位テーブル選択テーブル番号が対応付けられ、停止操作の順序に関わらず停止制御が変わらないデータポインタに対応する回胴停止用番号に対しては、引込優先順位テーブル番号が対応付けられている。
<引込優先順位テーブル選択テーブル>
図23〜図25は、本発明の一実施形態に係る引込優先順位テーブル選択テーブルを示す図である。図23〜図25に示す引込優先順位テーブル選択テーブルでは、引込優先順位テーブル選択テーブル番号ごとに、停止操作の順序に対する引込優先順位テーブル番号が対応付けられている。
例えば、引込優先順位テーブル選択テーブル番号「00」では、第1停止操作時の引込優先順位テーブル番号として、第1停止操作が「左」である場合に、引込優先順位テーブル番号「00」が対応付けられている。また、第2停止操作時の引込優先順位テーブル番号として、第1停止操作が「左」であり第2停止操作が「中」である場合に、引込優先順位テーブル番号「00」が対応付けられている。また、第3停止操作時の引込優先順位テーブル番号として、第1停止操作が「左」であり第2停止操作が「中」であり第3停止操作が「右」である場合に、引込優先順位テーブル番号「00」が対応付けられている。
<引込優先順位テーブル>
図26は、本発明の一実施形態に係る引込優先順位テーブルを示す図である。図26に示す引込優先順位テーブルは、引込み範囲内に表示してよい図柄(内部当籤役として決定されている役に対応する図柄)が複数ある場合に、どの図柄を優先して引込むかを表している。なお、図26では、簡便のために、入賞作動フラグのデータは省略して示した。
引込優先順位テーブルでは、入賞作動フラグ(表示役)に係る図柄の組合せの引込みの優先順位を示す引込優先順位データが表されている。「引込優先順位データ」は、引込みの優先順位をメインCPU93が識別するために設けられた情報である。
ここで、「引込み」とは、最大の滑り駒数の範囲内で内部当籤役に係る図柄の組合せを構成する図柄を入賞判定ラインに沿って表示するように、リール3L、3C、3Rの回転を停止させることをいう。
例えば、引込優先順位テーブル番号「00」では、入賞作動フラグ「中段リプ1」と入賞作動フラグ「上段ベル1」とが入賞する可能性が有ると判定されている場合には、「上段ベル1」より「中段リプ1」の方が優先順位が高いため、「中段リプ1」を優先して引込むようにリール3L、3C、3Rの回転の停止制御が行われる。
[メイン側の各種の格納領域]
続いて、図27〜図32を用いて、メインRAM95に格納される各種の格納領域について説明する。
<内部当籤役格納領域>
図27は、本発明の一実施形態に係る内部当籤役格納領域を示す図である。図27に示した内部当籤役格納領域は、内部当籤役格納領域1〜20の20個の格納領域によって構成される。これらの内部当籤役格納領域1〜20の各々の格納領域の大きさは1バイトである。したがって、内部当籤役格納領域1〜20の全体の大きさは20バイトである。内部当籤役格納領域1〜20には、図17〜図19に示す内部当籤役決定テーブルが規定する内部当籤役のデータ(格納領域種別)に基づいて定まるデータが格納される。
<図柄コード格納領域>
図28は、本発明の一実施形態に係る図柄コード格納領域を示す図である。図28に示した図柄コード格納領域は、図柄コード格納領域1〜20の20個の格納領域によって構成される。これらの図柄コード格納領域1〜20の各々の格納領域の大きさは1バイトである。したがって、図柄コード格納領域1〜20の全体の大きさは20バイトである。図柄コード格納領域には、回転中のリールにおいて入賞可能な役を示すデータが格納される。例えば、リール3L,3C,3Rの全てが回転中の場合には、全ての役が入賞可能であるため、図柄コード格納領域の対応するビットの全てに「1」が格納される。その後、左のリール3Lが停止(リール3C,3Rは回転)した場合には、左のリール3Lの停止に伴い入賞不可能となった役に対応するビットが「0」に更新される。
<表示役格納領域>
図29は、本発明の一実施形態に係る表示役格納領域を示す図である。図29に示した表示役格納領域は、表示役格納領域1〜20の20個の格納領域によって構成される。これらの表示役格納領域1〜20の各々の格納領域の大きさは1バイトである。したがって、表示役格納領域1〜20の全体の大きさは20バイトである。表示役格納領域1〜20には、図14及び図15に示す図柄組合せテーブルが規定する表示役のデータ(格納領域種別)に基づいて定まるデータが格納される。
<作動ストップボタン格納領域>
図30(a)は、本発明の一実施形態に係る作動ストップボタン格納領域を示す図である。図30(a)に示した作動ストップボタン格納領域は、大きさが1バイトである。ビット4〜ビット6は、遊技者による停止操作を検出することが可能であるストップボタン19L、19C、19R、すなわち有効なストップボタン19L、19C、19Rを示す格納領域である。
ビット0〜ビット2は、有効なストップボタン19L、19C、19Rに対応する停止操作が直前に検出されたストップボタン19L、19C、19Rを示す格納領域である。なお、本実施の形態では、ビット3及びビット7は未使用であり、「0」が格納されている。
ビット0は、左ストップボタン19Lに対応する。左ストップボタン19Lが遊技者によって操作されたときには、ビット0に「1」が格納される。ビット1は、中ストップボタン19Cに対応する。中ストップボタン19Cが遊技者によって操作されたときには、ビット1に「1」が格納される。ビット2は、右ストップボタン19Rに対応する。右ストップボタン19Rが遊技者によって操作されたときには、ビット2に「1」が格納される。
ビット4は、左ストップボタン19Lに対応する。左ストップボタン19Lが有効であるときには、ビット4に「1」が格納される。ビット5は、中ストップボタン19Cに対応する。中ストップボタン19Cが有効であるときには、ビット5に「1」が格納される。ビット6は、右ストップボタン19Rに対応する。右ストップボタン19Rが有効であるときには、ビット6に「1」が格納される。本実施の形態で、ストップボタンが有効とは、停止操作を検出することが可能であることを意味する。また、定速回転中のリールに対応するストップボタン19L、19C、19Rであって、停止操作を検出することが可能なストップボタン19L、19C、19Rを有効ストップボタンと称する。
<押下順序格納領域>
図30(b)は、本発明の一実施形態に係る押下順序格納領域を示す図である。図30(b)に示した押下順序格納領域は、3つのストップボタン19L、19C、19Rの押下順序を示す情報を格納するための領域である。この押下順序格納領域は、大きさが1バイトであり、ビット0〜ビット5が使用され、ビット6及びビット7は未使用であり、「0」が格納されている。
ビット0は押下順序が「左→中→右」に対応し、押下順序が「左→中→右」の場合にビット0に「1」が格納(オン)される。同様に、押下順序が「左→右→中」の場合にはビット1に「1」が格納(オン)され、押下順序が「中→左→右」の場合にはビット2に「1」が格納(オン)され、「中→右→左」の場合にはビット3に「1」が格納(オン)され、「右→左→中」の場合にはビット4に「1」が格納(オン)され、「右→中→左」の場合にはビット5に「1」が格納(オン)される。
<遊技状態フラグ格納領域>
図31(a)は、本発明の一実施形態に係る遊技状態フラグ格納領域を示す図である。図31(a)に示した遊技状態フラグ格納領域は、遊技状態がRT0遊技状態、RT1遊技状態、及び、RT2遊技状態の何れであるかを示すためのフラグ、並びに、遊技状態がMB遊技状態であるか否かを示すためのフラグを格納するものであり、大きさが1バイトである。
遊技状態がRT0遊技状態である場合には、ビット0が「1」(オン)とされ、遊技状態がRT1遊技状態である場合には、ビット1が「1」(オン)とされ、遊技状態がRT2遊技状態である場合には、ビット2が「1」(オン)とされる。また、遊技状態がMB遊技状態である場合には、ビット3が「1」(オン)とされる。本実施の形態では、ビット4〜ビット7は未使用になっている。
<持越役格納領域>
図31(b)は、本発明の一実施形態に係る持越役格納領域を示す図である。持越役格納領域には、持越役を表すデータが格納される。持越役格納領域の格納領域の大きさは1バイトである。持越役格納領域のビット0〜2は、MBに対応しており、内部抽籤処理の結果、内部当籤役MBが決定されたときには持越役格納領域のビット0〜2に「1」が格納される。
持越役格納領域に「1」が格納されることにより、MBに当籤している状態であることを判断することができる。持越役格納領域に「1」が格納された状態は、MBに対応する図柄の組合せが入賞判定ラインに表示されるまで保持される。すなわち、MBに当籤したときには、当該ボーナスの図柄の組合せが表示役として入賞判定ラインに表示されるまでの少なくとも1回の単位遊技において、持越役格納領域のビット0〜2に「1」が格納された状態が保持される。MBに当籤した単位遊技から入賞する単位遊技まで、これらのビットに「1」を格納した状態を維持することを、いわゆる「持越し」と呼ぶ。持越役格納領域に格納されるMBを「持越役」と呼ぶ。
<引込優先順位データ格納領域>
図32は、本発明の一実施形態に係る引込優先順位データ格納領域を示す図である。図32に示した引込優先順位データ格納領域は、左リール用引込優先順位データ格納領域、中リール用引込優先順位データ格納領域、及び右リール用引込優先順位データ格納領域を含んでいる。
各引込優先順位データ格納領域は、当該引込優先順位データ格納領域に対応するリール3L、3C、3Rの図柄位置データのそれぞれについて、引込優先順位データを格納する。引込優先順位データは、一の図柄位置データに位置する図柄がセンターラインの位置で表示された場合に、何れの表示役に係る図柄の組合せ又はその一部が入賞判定ラインに沿って表示されるかを示すデータである。
[サブ側の各種のデータテーブル]
続いて、図33〜図36を用いて、ロムカートリッジ基板86に記憶されている各種のデータテーブルについて説明する。
<確変昇格抽選テーブル>
図33〜図35は、本発明の一実施形態に係る確変昇格抽選テーブルを示す図である。
図4を用いて説明したように、本実施形態では、特殊ART(MBフラグ間)において角チェリーが入賞すると、上乗せ特化ゾーン(MB遊技状態)においてARTゲーム数が加算(上乗せ)される。角チェリーは、押し順役(適切な順序でストップボタンが押下されることにより入賞が成立する役)であり、特殊ART(MBフラグ間)では、角チェリーが内部当籤した場合に、発生ナビ決定テーブル(図36参照)に基づいて、角チェリーを入賞させるための押し順を報知するか否かが決定される。
角チェリーを入賞させるための押し順を報知すると決定される確率は、確変レベルに応じて異なっており、確変レベルとしては、確変レベル1、確変レベル2、確変レベル3、及び、確変レベル4という4つのレベルが設けられている。そして、確変レベルが高いほど、角チェリーを入賞させるための押し順が報知される確率が高くなる傾向がある。
確変レベルは、当籤番号2、50、51、49、又は、9〜11が内部当籤役として決定された場合に、角チェリーを入賞させるための押し順が報知される確率が低いレベルから、該確率が高いレベルへと移行(昇格)する可能性がある。その際に参照されるのが確変昇格抽選テーブルである。
確変昇格抽選テーブルにおいては、当籤番号2、50、51、49、及び、9〜11のそれぞれについて、移行先の確変レベルと抽籤値とが対応付けて規定されている。
現在の確変レベルが確変レベル1である場合には、図33の確変昇格抽選テーブルが参照される。より詳細に説明すると、現在の確変レベルが確変レベル1であり、設定値(出玉率を予め定められた6段階のうちの1つに設定する値)が1である場合には、図33(a)の確変昇格抽選テーブルが参照される。現在の確変レベルが確変レベル1であり、設定値が2である場合には、図33(b)の確変昇格抽選テーブルが参照される。現在の確変レベルが確変レベル1であり、設定値が3である場合には、図33(c)の確変昇格抽選テーブルが参照される。現在の確変レベルが確変レベル1であり、設定値が4である場合には、図33(d)の確変昇格抽選テーブルが参照される。現在の確変レベルが確変レベル1であり、設定値が5である場合には、図33(e)の確変昇格抽選テーブルが参照される。現在の確変レベルが確変レベル1であり、設定値が6である場合には、図33(f)の確変昇格抽選テーブルが参照される。
現在の確変レベルが確変レベル2である場合には、図34の確変昇格抽選テーブルが参照される。より詳細に説明すると、現在の確変レベルが確変レベル2であり、設定値が1である場合には、図34(a)の確変昇格抽選テーブルが参照される。現在の確変レベルが確変レベル2であり、設定値が2である場合には、図34(b)の確変昇格抽選テーブルが参照される。現在の確変レベルが確変レベル2であり、設定値が3である場合には、図34(c)の確変昇格抽選テーブルが参照される。現在の確変レベルが確変レベル2であり、設定値が4である場合には、図34(d)の確変昇格抽選テーブルが参照される。現在の確変レベルが確変レベル2であり、設定値が5である場合には、図34(e)の確変昇格抽選テーブルが参照される。現在の確変レベルが確変レベル2であり、設定値が6である場合には、図34(f)の確変昇格抽選テーブルが参照される。
現在の確変レベルが確変レベル3である場合には、図35の確変昇格抽選テーブルが参照される。より詳細に説明すると、現在の確変レベルが確変レベル3であり、設定値が1である場合には、図35(a)の確変昇格抽選テーブルが参照される。現在の確変レベルが確変レベル3であり、設定値が2である場合には、図35(b)の確変昇格抽選テーブルが参照される。現在の確変レベルが確変レベル3であり、設定値が3である場合には、図35(c)の確変昇格抽選テーブルが参照される。現在の確変レベルが確変レベル3であり、設定値が4である場合には、図35(d)の確変昇格抽選テーブルが参照される。現在の確変レベルが確変レベル3であり、設定値が5である場合には、図35(e)の確変昇格抽選テーブルが参照される。現在の確変レベルが確変レベル3であり、設定値が6である場合には、図35(f)の確変昇格抽選テーブルが参照される。
<発生ナビ決定テーブル>
図36は、本発明の一実施形態に係る発生ナビ決定テーブルを示す図である。
特殊ART(MBフラグ間)において、当籤番号47、22〜25、30〜33、38〜41、26〜29、34〜37、又は、42〜45が内部当籤役として決定された場合に、図36に示す発生ナビ決定テーブルに基づいて、角チェリー(強チェリー又は弱チェリー)を入賞させるための押し順と、中段ベル(押し順ベル)を入賞させるための押し順とのうち、何れの押し順を報知するかが決定される。
発生ナビ決定テーブルにおいては、当籤番号47、22〜25、30〜33、38〜41、26〜29、34〜37、及び、42〜45のそれぞれについて、確変レベルと入賞役とが対応付けて規定されている。
具体的に、当籤番号が22〜25の場合には、現在の確変レベルが確変レベル1であれば、中段ベル(押し順ベル)を入賞させるための押し順が報知され、現在の確変レベルが確変レベル2〜4の何れかであれば、角チェリー(弱チェリー)を入賞させるための押し順が報知される。
当籤番号が30〜33の場合には、現在の確変レベルが確変レベル1であれば、中段ベル(押し順ベル)を入賞させるための押し順が報知され、現在の確変レベルが確変レベル2〜4の何れかであれば、角チェリー(弱チェリー)を入賞させるための押し順が報知される。
当籤番号が38〜41の場合には、現在の確変レベルが確変レベル1であれば、中段ベル(押し順ベル)を入賞させるための押し順が報知され、現在の確変レベルが確変レベル2〜4の何れかであれば、角チェリー(弱チェリー)を入賞させるための押し順が報知される。
当籤番号が26〜29の場合には、現在の確変レベルが確変レベル1又は2であれば、中段ベル(押し順ベル)を入賞させるための押し順が報知され、現在の確変レベルが確変レベル3又は4であれば、角チェリー(強チェリー)を入賞させるための押し順が報知される。
当籤番号が34〜37の場合には、現在の確変レベルが確変レベル1又は2であれば、中段ベル(押し順ベル)を入賞させるための押し順が報知され、現在の確変レベルが確変レベル3又は4であれば、角チェリー(強チェリー)を入賞させるための押し順が報知される。
当籤番号が42〜45の場合には、現在の確変レベルが確変レベル1又は2であれば、中段ベル(押し順ベル)を入賞させるための押し順が報知され、現在の確変レベルが確変レベル3又は4であれば、角チェリー(強チェリー)を入賞させるための押し順が報知される。
当籤番号が47の場合には、現在の確変レベルが確変レベル1又は2であれば、角チェリー(弱チェリー)を入賞させるための押し順が報知され、現在の確変レベルが確変レベル3又は4であれば、角チェリー(強チェリー)を入賞させるための押し順が報知される。
このように、角チェリーには、強チェリーと弱チェリーとがあるが、本実施形態では、赤7フラグ(図67のステップS970参照)がオンにセットされているか否かに応じて、特殊ART(MBフラグ間)において、強チェリーが入賞した回数と弱チェリーが入賞した回数とが、以下のようにカウントされる(図67参照)。
すなわち、赤7フラグがオンにセットされている場合には、特殊ART(MBフラグ間)において、強チェリーが入賞した回数と弱チェリーが入賞した回数とが、双方ともカウントされる。一方、赤7フラグがオンにセットされていない場合には、特殊ART(MBフラグ間)において、強チェリーが入賞した回数と弱チェリーが入賞した回数とのうち、強チェリーが入賞した回数のみがカウントされる。
そして、特殊ART(MBフラグ間)が終了した後に作動する上乗せ特化ゾーン(MB遊技状態)(図4参照)において、当該強チェリーが入賞した回数と、当該弱チェリーが入賞した回数とに基づいて、ARTゲーム数が加算(上乗せ)される(図69参照)。
具体的に、赤7フラグがオンにセットされていた場合には、強チェリーが入賞した回数及び弱チェリーが入賞した回数の双方に基づいて、ARTゲーム数が加算(上乗せ)される。このようにしてARTゲーム数が上乗せされる上乗せ特化ゾーン(MB遊技状態)が、第1上乗せ特化ゾーン(MB遊技状態)(図3参照)である。
一方、赤7フラグがオンにセットされていなかった場合には、強チェリーが入賞した回数及び弱チェリーが入賞した回数のうち、強チェリーが入賞した回数のみに基づいて、ARTゲーム数が加算(上乗せ)される。このようにしてARTゲーム数が上乗せされる上乗せ特化ゾーン(MB遊技状態)が、第2上乗せ特化ゾーン(MB遊技状態)(図3参照)である。
なお、特殊ART(MBフラグ間)が終了した後に作動する上乗せ特化ゾーン(MB遊技状態)が第1上乗せ特化ゾーン(MB遊技状態)と第2上乗せ特化ゾーン(MB遊技状態)とのうち何れの上乗せ特化ゾーン(MB遊技状態)になるのかは、すなわち、赤7フラグがオンにセットされるか否かは、当該特殊ART(MBフラグ間)が作動する契機となったMBの内部当籤時に決定される(図41及び図66参照)。
[主制御処理]
主制御回路91のメインCPU93は、図37〜図49に示すフローチャートにしたがって各種の処理を実行する。
<メイン制御処理>
図37は、本発明の一実施形態に係るパチスロの主制御回路において行われるメイン制御処理を示すフローチャートである。
最初に、パチスロ1に電源が投入されると、メインCPU93は、電源投入時処理(図38参照)を実行する(ステップS11)。この電源投入時処理では、バックアップが正常であるか、設定変更が適切に行われたかなどが判断され、判断結果に応じた初期化処理が実行される。
次に、メインCPU93は、一遊技(単位遊技)終了時の初期化処理を実行する(ステップS12)。この初期化処理では、例えば、一遊技終了時の初期化の格納領域が初期化される。この初期化処理によって、メインRAM95の内部当籤役格納領域及び表示役格納領域などに格納されたデータがクリアされる。
次に、メインCPU93は、メダル受付・スタートチェック処理(図39参照)を実行する(ステップS13)。このメダル受付・スタートチェック処理では、遊技者により投入されたメダルを検出する処理、及び開始操作を検出する処理が行われる。
次に、メインCPU93は、乱数値を抽出し、メインRAM95に割り当てられた乱数値格納領域に格納する(ステップS14)。次に、メインCPU93は、内部抽籤処理(図40参照)を実行する(ステップS15)。
次に、メインCPU93は、ロック演出決定処理を実行する(ステップS16)。ロック演出決定処理については、後に図41を用いて説明する。
次に、メインCPU93は、リール停止初期設定処理(図42参照)を実行する(ステップS17)。このリール停止初期設定処理により、内部抽籤処理の結果(内部当籤役)に基づいて、リールの停止制御に関する各情報(例えば、停止テーブル番号等)がメインRAM95の該当領域に格納される。
次に、メインCPU93は、スタートコマンドデータを生成し、生成したスタートコマンドデータをメインRAM95の通信データ格納領域に格納する(ステップS18)。通信データ格納領域に格納されたスタートコマンドデータは、コマンドデータ送信処理(図49参照)において主制御回路91から副制御回路101へ送信される。スタートコマンドデータには、演出に必要な各種の情報(内部当籤役、遊技状態等)が含まれる。
次に、メインCPU93は、ウェイト処理を実行する(ステップS19)。このウェイト処理は、前回の遊技開始(前回の単位遊技の開始)から所定時間を経過しているか否かを判断し、所定時間を経過していないと判断した場合には、所定時間を経過するまで待機して待ち時間を消化する処理である。このウェイト処理における所定時間、すなわちウェイト時間は、例えば、前回の単位遊技の開始から4.1秒に設定される。
次に、メインCPU93は、リール回転開始処理を実行する(ステップS20)。リール回転開始処理については、後に図43を用いて説明する。
次に、メインCPU93は、リール回転開始コマンドデータを生成し、生成したリール回転開始コマンドデータをメインRAM95の通信データ格納領域に格納する(ステップS21)。通信データ格納領域に格納されたリール回転開始コマンドデータは、コマンドデータ送信処理(図49参照)において主制御回路91から副制御回路101へ送信される。これにより、副制御回路101では、リール回転開始を認識することができるようになり、各種の演出を実行するタイミング等を決定することができる。
次に、メインCPU93は、引込優先順位格納処理を実行する(ステップS22)。この処理において、メインCPU93は、リール停止初期設定処理(図42参照)のステップS172の処理で取得した情報、並びに、図23〜図25の引込優先順位テーブル選択テーブル及び図26の引込優先順位テーブルに基づいて、回転中の各リールの各図柄位置に対する引込優先順位データを取得し、停止許可の場合には、取得した引込優先順位データを引込優先順位データ格納領域(図32参照)に格納する。これにより、回転しているリール3L、3C、3Rの全ての図柄の引込優先順位が決定される。一方、停止不許可の場合(例えば、当籤していない役が入賞してしまう場合等)、メインCPU93は、停止禁止を格納する。引込優先順位格納処理については、後に図44を用いてより詳細に説明する。
次に、メインCPU93は、リール停止制御処理(図45参照)を実行する(ステップS23)。この処理によって、リール3L、3C、3Rの停止制御が行われる。
次に、メインCPU93は、入賞検索処理を実行する(ステップS24)。この入賞検索処理では、全てのリールが停止した後に、入賞判定ラインに表示された図柄組合せと図柄組合せテーブル(図14及び図15参照)とが照合されて、照合された結果が表示役格納領域(図29参照)に格納される。また、図柄組合せテーブル(図14及び図15参照)に基づいてメダルの払出枚数が求められる。
次に、メインCPU93は、入賞検索処理の結果に基づいて、表示された図柄組合せに応じたメダル枚数の払い出しを実行する(ステップS25)。このメダル払出処理に伴って、払出枚数カウンタに基づいて、ホッパー装置51の駆動制御やクレジット枚数の更新が行われる。
次に、メインCPU93は、表示コマンドデータを生成し、生成した表示コマンドデータをメインRAM95の通信データ格納領域に格納する(ステップS26)。通信データ格納領域に格納された表示コマンドデータは、コマンドデータ送信処理(図49参照)において主制御回路91から副制御回路101へ送信される。これにより、副制御回路101では、入賞判定ラインに沿って表示された図柄組合せを認識することができるようになり、各種の演出を実行するタイミング等を決定することができる。
次に、メインCPU93は、RT制御処理(図46参照)を実行する(ステップS27)。RT制御処理によって、RT0遊技状態、RT1遊技状態、及び、RT2遊技状態の間で遊技状態が更新される。
次に、メインCPU93は、ボーナス終了チェック処理を実行する(ステップS28)。ボーナス終了チェック処理については、後に図47を用いて説明する。
次に、メインCPU93は、ボーナス作動チェック処理を実行する(ステップS29)。ボーナス作動チェック処理については、後に図48を用いて説明する。
ステップS29の処理を実行した後、メインCPU93は、ステップS12に処理を戻す。
<電源投入時処理>
図38を用いて、図37のステップS11で行われる電源投入時処理について説明する。図38は、本発明の一実施形態に係るパチスロの主制御回路において行われる電源投入時処理を示すフローチャートである。
最初に、メインCPU93は、バックアップが正常であるか否かを判断する(ステップS51)。この判断処理では、チェックサム値を用いた誤り検出により、バックアップが正常であるか否かが判断される。例えば、メインCPU93は、電源オフ時にパチスロ1の設定値(出玉率を予め定められた6段階の1つに設定する値)及びその設定値から算出されたチェックサム値をバックアップデータとしてメインRAM95に格納しておき、電源投入時の当該判断処理(ステップS51)において、メインRAM95に格納されている設定値及びチェックサム値を読み出す。そして、メインCPU93は、読み出された設定値から算出したチェックサムと、バックアップされていたチェックサムとを比較し、比較結果が一致していれば、バックアップが正常であると判断する。
メインCPU93は、バックアップが正常であると判断したときには、バックアップされた設定値をセットする(ステップS52)。これにより、バックアップが正常であった場合には、電源オフ前の設定値がセットされることになる。
ステップS52の処理の後、又はステップS51においてバックアップが正常でないと判断したとき、メインCPU93は、設定変更スイッチがオンであるか否かを判断する(ステップS53)。メインCPU93は、設定変更スイッチがオンでないと判断したときには、バックアップが正常であるか否かを判断する(ステップS59)。
ステップS59の処理において、バックアップが正常でないと判断されると、メインCPU93は、電源投入時エラー処理を実行する(ステップS61)。この処理において、メインCPU93は、バックアップが正常ではないことをエラー表示等によって表示する。因みに、メインCPU93は、バックアップが正常でないエラー(バックアップエラー)の状態では、打止解除スイッチ又はリセットスイッチの操作によっては、エラー状態を解除しないようになっており、新たに設定変更が行われた場合にのみ、エラー状態を解除する。
一方、ステップS59においてバックアップが正常であると判断されると、メインCPU93は、メインRAM95に格納されているバックアップデータに基づいて、電断前の状態に復帰させる(ステップS60)。ステップS60の処理を実行した後、メインCPU93は、本サブルーチンを終了する。
ステップS53において、設定変更スイッチがオンであると判断すると、メインCPU93は、設定変更時の初期化処理を実行する(ステップS54)。
この設定変更時の初期化処理において、メインCPU93は、例えば、メインRAM95の内部当籤役格納領域や表示役格納領域に格納されているデータをクリアするとともに、設定値をクリアする。
次に、メインCPU93は、初期化コマンドデータを生成し、生成した初期化コマンドデータをメインRAM95の通信データ格納領域に格納する(ステップS55)。
続いて、メインCPU93は、設定値変更処理を実行する(ステップS56)。設定値変更処理において、メインCPU93は、リセットスイッチの操作結果に応じて、設定値を予め定められている1〜6のうちから選択し、これに続いて操作されるスタートレバー23の操作結果に基づいて設定値を確定させる。
次に、メインCPU93は、設定変更スイッチがオン状態であるか否かを判断し、オン状態でない判断結果が得られるまで、当該処理を繰り返す(ステップS57)。設定変更スイッチがオン状態ではない判断結果が得られた場合には、設定変更スイッチの操作が完了したことを意味しており、メインCPU93は、初期化コマンドデータを生成し、生成した初期化コマンドデータをメインRAM95の通信データ格納領域に格納する(ステップS58)。初期化コマンドデータは、設定値変更の有無、設定値情報等を含む。ステップS58の処理を実行した後、メインCPU93は、本サブルーチンを終了する。
<メダル受付・スタートチェック処理>
図39を用いて、図37のステップS13で行われるメダル受付・スタートチェック処理について説明する。図39は、本発明の一実施形態に係るパチスロの主制御回路において行われるメダル受付・スタートチェック処理を示すフローチャートである。
最初に、メインCPU93は、自動投入要求があるか否かを判断する(ステップS81)。前回の単位遊技でリプレイ役に入賞した場合には、今回の単位遊技では、自動的にメダルが投入される。すなわち、ステップS81の判断処理は、前回の単位遊技でリプレイに入賞したか否か判断するのと等価である。
ステップS81において、自動投入要求があると判断したときには、メインCPU93は、前回の単位遊技で投入されたメダルと同数のメダルを自動投入する自動投入処理を実行する(ステップS82)。具体的には、メインCPU93は、自動投入カウンタを投入枚数カウンタに複写し、自動投入カウンタをクリアする。
次に、メインCPU93は、メダル投入コマンドデータを生成し、生成したメダル投入コマンドデータをメインRAM95の通信データ格納領域に格納する(ステップS83)。メダル投入コマンドデータは、メダルの投入枚数等の情報を含む。
ステップS81において、自動投入要求がないと判断したときには、メインCPU93は、メダル受付許可を実行する(ステップS84)。具体的には、メインCPU93は、セレクタ(図示せず)のソレノイドを駆動し、セレクタ内のメダルの通過を促す。
次に、メインCPU93は、遊技状態に応じて投入枚数の最大値を設定する(ステップS85)。この処理において、メインCPU93は、現在の遊技状態がMB遊技状態ではない場合、投入枚数の最大値を「3」にセットし、現在の遊技状態がMB遊技状態である場合、投入枚数の最大値を「1」にセットする。
次に、メインCPU93は、メダル受付許可があるか否かを判断する(ステップS86)。メダル受付許可があると判断した場合には、メダルを受け付けることが可能であることを意味しており、メインCPU93は、投入されたメダルの枚数をチェックするメダル投入チェック処理を実行する(ステップS87)。メダル投入チェック処理において、メインCPU93は、チェックしたメダルの枚数に応じて、投入枚数カウンタの値を更新する。
次に、メインCPU93は、メダル投入コマンドデータを生成し、生成したメダル投入コマンドデータをメインRAM95の通信データ格納領域に格納する(ステップS88)。メダル投入コマンドデータは、メダルの投入枚数等の情報を含む。
ステップS83若しくはステップS88の処理を実行した後、又はステップS86でメダル受付許可がないと判断した場合には、メインCPU93は、投入されたメダルの枚数が遊技を開始できる枚数(非MB遊技状態では3枚、MB遊技状態では1枚)であるか否かを判断する(ステップS89)。
ステップS89において、投入されたメダルの枚数が遊技を開始できる枚数でないと判断したときには、メインCPU93は、ステップS86に処理を戻す。
一方、投入されたメダルの枚数が遊技を開始できる枚数であると判断したときには、メインCPU93は、スタートスイッチ79がオンであるか否かを判断する(ステップS90)。
ステップS90において、スタートスイッチ79がオンでないと判断したときには、メインCPU93は、ステップS86に処理を戻す。一方、スタートスイッチ79がオンであると判断したときには、メインCPU93は、メダル受付禁止を行う(ステップS91)。具体的には、セレクタ(図示せず)のソレノイドの駆動を行わずに、投入口に投入されたメダルのメダル払出口32からの排出を促す。ステップS91の処理を実行した後、メインCPU93は、本サブルーチンを終了する。
<内部抽籤処理>
図40を用いて、図37のステップS15で行われる内部抽籤処理について説明する。図40は、本発明の一実施形態に係るパチスロの主制御回路において行われる内部抽籤処理を示すフローチャートである。
最初に、メインCPU93は、遊技状態に応じた内部抽籤テーブルをセットする(ステップS111)。本実施の形態では、非MB遊技状態においては、遊技状態がRT0遊技状態、RT1遊技状態、及び、RT2遊技状態の何れである場合にも、メインCPU93は、図16(a)に示した通常遊技状態用内部抽籤テーブルをセットする。MB遊技状態においては、メインCPU93は、図16(b)に示したMB用内部抽籤テーブルをセットする。
次に、メインCPU93は、乱数値格納領域に格納されている乱数値を取得する(ステップS112)。
次に、メインCPU93は、ステップS111でセットされた内部抽籤テーブルの所定領域を用いて、当籤番号に応じた抽籤値を取得し、乱数値から抽籤値を減算する(ステップS113)。すなわち、メインCPU93は、内部当籤役を照合する。
次に、メインCPU93は、ステップS113の処理による減算結果が0より小さいか否かを判断する(ステップS114)。
減算結果が0より小さくないと判断したとき、すなわち、いわゆる桁借りが行われていないと判断したときには、メインCPU93は、乱数値及び当籤番号を更新する(ステップS115)。
次に、メインCPU93は、使用している内部抽籤テーブルの全ての当籤番号をチェックしたか否かを判断する(ステップS116)。
全ての当籤番号をチェックしていないと判断したときには、メインCPU93は、ステップS113に処理を戻す。
一方、全ての当籤番号をチェックしたと判断したときには、メインCPU93は、データポインタの値として0をセットする(ステップS117)。すなわち、メインCPU93は、内部抽籤の結果、表示役をハズレであると判定する。
ステップS114において、減算結果が0より小さいと判断したとき、すなわち、いわゆる桁借りが行われたと判断したときには、メインCPU93は、使用している内部抽籤テーブルを参照して小役・リプレイ用データポインタの値とボーナス用データポインタの値とを取得する(ステップS118)。
次に、メインCPU93は、上述したステップS117又はステップS118の処理を実行した後、図17及び図18に示す小役・リプレイ用内部当籤役決定テーブルを参照して、小役・リプレイ用データポインタの値に基づいて内部当籤役を取得する(ステップS119)。このステップS119の処理は、上述したステップS117又はステップS118の処理で決定した小役・リプレイ用データポインタの値を用いて、小役・リプレイ用内部当籤役決定テーブルを参照して、小役・リプレイ用データポインタの値に対応する内部当籤役を示す2バイトのデータ値を決定する処理である。
次に、メインCPU93は、取得した内部当籤役を、対応する内部当籤役格納領域(図27参照)に格納する(ステップS120)。このステップS120の処理は、ステップS119の処理で決定した内部当籤役を示す2バイトのデータ値を、図27に示す内部当籤役格納領域(格納領域1〜20)に格納する処理である。
次に、メインCPU93は、持越役格納領域(図31(b)参照)の値が0であるか否かを判断する(ステップS121)。この処理は、図31(b)に示す持越役格納領域に格納されているデータ値が0であるか否かを判断する処理である。すなわち、ステップS121の処理は、MBを持ち越していないかを判断する処理である。
次に、メインCPU93は、ステップS121の処理で、持越役格納領域の値が0であると判断した場合、図19に示すMB用内部当籤役決定テーブルを参照し、ボーナス用データポインタの値に基づいて内部当籤役を取得する(ステップS122)。この処理は、上述したステップS117又はステップS118の処理で決定したボーナス用データポインタの値を用いて、図19に示すMB用内部当籤役決定テーブルを参照して、ボーナス用データポインタの値に対応する内部当籤役を示す2バイトのデータ値を決定する処理である。
次に、メインCPU93は、取得した内部当籤役を持越役格納領域(図31(b)参照)に格納する(ステップS123)。この処理は、図31(b)に示す持越役格納領域のビット0〜ビット2のうち、取得した内部当籤役に対応するビットの値を「1」にする処理である。
メインCPU93は、上述したステップS121の処理で、持越役格納領域の値が0ではないと判断した場合、又は、ステップS123の処理を実行した後、持越役格納領域に格納されている内部当籤役に基づいて、内部当籤役格納領域を更新する(ステップS124)。この処理は、図31(b)に示す持越役格納領域に格納されている内部当籤役の種類に基づいて、図27に示す内部当籤役格納領域のデータ値を更新する処理である。
ステップS124の処理を実行した後、メインCPU93は、本サブルーチンを終了する。
<ロック演出決定処理>
図41を用いて、図37のステップS16で行われるロック演出決定処理について説明する。図41は、本発明の一実施形態に係るパチスロの主制御回路において行われるロック演出決定処理を示すフローチャートである。
まず、メインCPU93は、現在の遊技状態がRT2遊技状態であるか否かを判断する(ステップS151)。メインCPU93は、メインRAM95の遊技状態フラグ格納領域(図31(a)参照)を参照することにより、現在の遊技状態を認識することができる。
現在の遊技状態がRT2遊技状態ではないと判断した場合、メインCPU93は、本サブルーチンを終了する。一方、現在の遊技状態がRT2遊技状態であると判断した場合、メインCPU93は、今回の単位遊技においてMBが内部当籤したか否かを判断する(ステップS152)。この処理において、メインCPU93は、図40のステップS118で取得したボーナス用データポインタの値が1であるか否かを判断する。すなわち、メインCPU93は、内部当籤役として決定された当籤番号が49、52、及び、53の何れかであるか否かを判断する(図16(a)参照)。
今回の単位遊技においてMBが内部当籤しなかったと判断した場合、メインCPU93は、本サブルーチンを終了する。一方、今回の単位遊技においてMBが内部当籤したと判断した場合、メインCPU93は、回胴演出番号1及び回胴演出番号2のうちの何れかを抽籤により決定する(ステップS153)。
次に、メインCPU93は、ステップS153で決定した回胴演出番号をメインRAM95に格納する(ステップS154)。
次に、メインCPU93は、ロック演出決定コマンドデータを生成し、生成したロック演出決定コマンドデータをメインRAM95の通信データ格納領域に格納する(ステップS155)。通信データ格納領域に格納されたロック演出決定コマンドデータは、コマンドデータ送信処理(図49参照)において主制御回路91から副制御回路101へ送信される。ロック演出決定コマンドデータには、ステップS153で決定した回胴演出番号を示す情報が含まれる。
ステップS153で決定した回胴演出番号が回胴演出番号1である場合、副制御回路101では、赤7フラグがオンにセットされることとなる(図66のステップS942参照)。図36で説明したように、赤7フラグがオンにセットされた場合、特殊ART(MBフラグ間)が終了した後に作動する上乗せ特化ゾーン(MB遊技状態)が第1上乗せ特化ゾーン(MB遊技状態)となる。すなわち、回胴演出番号1が決定された場合には、第1上乗せ特化ゾーン(MB遊技状態)が作動し、回胴演出番号2が決定された場合には、第2上乗せ特化ゾーン(MB遊技状態)が作動することとなる。
ステップS155の処理を実行した後、メインCPU93は、本サブルーチンを終了する。
<リール停止初期設定処理>
図42を用いて、図37のステップS17で行われるリール停止初期設定処理について説明する。図42は、本発明の一実施形態に係るパチスロの主制御回路において行われるリール停止初期設定処理を示すフローチャートである。
最初に、メインCPU93は、回胴停止用番号選択テーブル(図22(a)参照)を参照し、遊技状態(MBフラグ間又は非MBフラグ間)と当籤番号とに基づいて回胴停止用番号をセットする(ステップS171)。
次に、メインCPU93は、リール停止初期設定テーブル(図22(b)参照)を参照し、回胴停止用番号に基づいて、各情報を取得する(ステップS172)。例えば、メインCPU93は、引込優先順位テーブル選択テーブル番号、引込優先順位テーブル番号、第1〜第3停止操作時に使用する停止テーブルの番号、制御変更処理において制御変更を行うために必要な情報(すなわち、リールが特定の順番で停止される際に、特定の位置で停止(あるいは押下)された場合に再度停止テーブルを選択しなおすために用いられる情報)等を取得する。因みに、停止テーブルには、押下位置に対する滑り駒数の情報が直接的又は間接的に格納されており、これらの情報を使用して、遊技者に不利益を与えず、また、誤入賞を発生させない限度において、開発者の意図する停止位置で停止させるように構成されている。
次に、メインCPU93は、メインRAM95の図柄コード格納領域の各格納領域に回転中の識別子を格納し(ステップS173)、ストップボタン未作動カウンタに3を格納し(ステップS174)、本サブルーチンを終了する。
<リール回転開始処理>
図43を用いて、図37のステップS20で行われるリール回転開始処理について説明する。図43は、本発明の一実施形態に係るパチスロの主制御回路において行われるリール回転開始処理を示すフローチャートである。
まず、メインCPU93は、リールロック発動フラグがオンにセットされているか否かを判断する(ステップS191)。リールロック発動フラグは、メインRAM95に回胴演出番号が格納されている場合(図41のステップS154参照)において、MBが入賞したことを契機としてオンにセットされ(図48のステップS450参照)、次の単位遊技においてオフにセットされる(図43のステップS194参照)。従って、リールロック発動フラグがオンにセットされていることは、当該単位遊技が、RT2遊技状態中に作動したMB遊技状態における1ゲーム目であることを示している。
リールロック発動フラグがオンにセットされていないと判断した場合、メインCPU93は、通常時加速処理を実行する(ステップS196)。この処理において、メインCPU93は、リール3L、3C、3Rの回転の開始を要求する。リール3L、3C、3Rの回転開始が要求されると、一定の周期(1.1172msec)で実行される割込処理(図49参照)によってステッピングモータの駆動が制御され、各リール3L、3C、3Rの回転が開始される。そして、各リール3L、3C、3Rは、その回転が定速に達するまで加速が行われ、その後、定速が維持されるように制御される。
一方、リールロック発動フラグがオンにセットされていると判断した場合、メインCPU93は、ステップS196の通常時加速処理を実行する前に、ステップS192〜ステップS195の処理を実行する。すなわち、ステップS192〜ステップS195の処理が完了するまで、リール3L、3C、3Rの通常の回転が開始されない(リール3L、3C、3Rがロックされる)。
具体的に、ステップS191においてリールロック発動フラグがオンにセットされていると判断した場合、メインCPU93は、ロックコマンドデータを生成し、生成したロックコマンドデータをメインRAM95の通信データ格納領域に格納する(ステップS192)。通信データ格納領域に格納されたロックコマンドデータは、コマンドデータ送信処理(図49参照)において主制御回路91から副制御回路101へ送信される。これにより、副制御回路101では、リールのロックが開始されたことを認識することができるようになり、各種の演出を実行するタイミング等を決定することができる。
次に、メインCPU93は、メインRAM95に格納されている回胴演出番号(図41のステップS154参照)に基づくリールアクションを作動させる(ステップS193)。この処理において、メインCPU93は、メインRAM95に格納されている回胴演出番号が回胴演出番号1である場合、赤7リールアクションを作動させる。すなわち、メインCPU93は、リール3L、3C、3Rを逆回転させた後、各リール3L、3C、3Rにおいて「赤7」図柄を停止表示させる。また、メインCPU93は、メインRAM95に格納されている回胴演出番号が回胴演出番号2である場合、緑7リールアクションを作動させる。すなわち、メインCPU93は、リール3L、3C、3Rを逆回転させた後、各リール3L、3C、3Rにおいて「緑7」図柄を停止表示させる。
図41で説明したように、回胴演出番号1が決定された場合には、特殊ART(MBフラグ間)が終了した後、第1上乗せ特化ゾーン(MB遊技状態)が作動するため、「赤7」図柄が停止表示された場合には、遊技者に対して、第1上乗せ特化ゾーン(MB遊技状態)が作動することが報知される。また、回胴演出番号2が決定された場合には、特殊ART(MBフラグ間)が終了した後、第2上乗せ特化ゾーン(MB遊技状態)が作動するため、「緑7」図柄が停止表示された場合には、遊技者に対して、第2上乗せ特化ゾーン(MB遊技状態)が作動することが報知される。
次に、メインCPU93は、リールロック発動フラグをオフにセットする(ステップS194)。そして、メインCPU93は、メインRAM95に格納されている回胴演出番号をクリアする(ステップS195)。
その後、メインCPU93は、上述した通常時加速処理を実行し(ステップS196)、本サブルーチンを終了する。
<引込優先順位テーブル選択処理>
図44を用いて、図37のステップS22で行われる引込優先順位格納処理についてより詳細に説明する。引込優先順位格納処理においては、図44に示す引込優先順位テーブル選択処理が行われる。図44は、本発明の一実施形態に係るパチスロの主制御回路において行われる引込優先順位テーブル選択処理を示すフローチャートである。
まず、メインCPU93は、引込優先順位テーブル選択テーブル番号(図22(b)参照)がセットされているか否かを判断する(ステップS231)。引込優先順位テーブル選択テーブル番号がセットされていないと判断した場合、メインCPU93は、格納されている引込優先順位テーブル番号をセットする(ステップS232)。その後、メインCPU93は、本サブルーチンを終了する。
一方、引込優先順位テーブル選択テーブル番号がセットされていると判断した場合、メインCPU93は、引込優先順位テーブル選択テーブル番号に応じた引込優先順位テーブル選択テーブル(図23〜図25参照)をセットする(ステップS233)。そして、メインCPU93は、押下順序格納領域(図30(b)参照)及び作動ストップボタン格納領域(図30(a)参照)を参照し、引込優先順位テーブル選択テーブルから対応する引込優先順位テーブル番号をセットする(ステップS234)。その後、メインCPU93は、本サブルーチンを終了する。
<リール停止制御処理>
図45を用いて、図37のステップS23で行われるリール停止制御処理について説明する。図45は、本発明の一実施形態に係るパチスロの主制御回路において行われるリール停止制御処理を示すフローチャートである。
まず、メインCPU93は、有効なストップボタンが押されたか否かを判断する(ステップS281)。この処理は、ストップスイッチ基板80に設けられたストップスイッチから信号が出力されたか否かを判断する処理である。メインCPU93は、有効なストップボタンが押されていないと判断したときには、ステップS281の処理を繰り返す。
ステップS281の判断処理で、有効なストップボタン19L、19C、19Rが押されたと判断したときには、メインCPU93は、押されたストップボタン19L、19C、19Rに応じて、図30(a)に示す作動ストップボタン格納領域と、図30(b)に示す押下順序格納領域とを更新する(ステップS282)。メインCPU93は、第1停止操作、第2停止操作及び第3停止操作のそれぞれに対応する作動ストップボタンの種別を、図30(b)に示す押下順序格納領域に格納し、押下順序格納領域を参照することで、ストップボタン19L、19C、19Rの押し順を判断することができる。
次に、メインCPU93は、ストップボタン未作動カウンタを1減算し(ステップS283)、作動ストップボタンから検索対象リールを決定し(ステップS284)、図柄カウンタに基づいて停止開始位置を格納する(ステップS285)。停止開始位置は、ストップスイッチによって停止操作が検出されたときの該当リールの図柄カウンタに対応する図柄位置である。
次に、メインCPU93は、滑り駒数決定処理を行う(ステップS286)。この処理において、メインCPU93は、停止テーブル選択データ群から停止テーブルを取得し、停止開始位置に規定された滑り駒数を取得する。
次に、メインCPU93は、滑り駒数補正処理を行う(ステップS287)。この処理において、メインCPU93は、ステップS286で取得した滑り駒数に対応する図柄の引込優先順位データが、最大滑り駒数の範囲(0〜4駒)内で最も高いか否かを判定し、より高い引込優先順位データが存在する場合には、その位置で図柄が停止するように滑り駒数を補正する。すなわち、メインCPU93は、複数の種類の滑り駒数の中から、より優先順位の高い引込みを行うべき内部当籤役に係る図柄の組合せが表示される滑り駒数を決定する。
次に、メインCPU93は、リール停止コマンドデータを生成し、生成したリール停止コマンドデータをメインRAM95の通信データ格納領域に格納する(ステップS288)。リール停止コマンドデータには、作動ストップボタン等についての情報が含まれる。通信データ格納領域に格納されたリール停止コマンドデータは、コマンドデータ送信処理(図49参照)において主制御回路91から副制御回路101へ送信される。これにより、副制御回路101では、停止操作に応じて演出を行うことができる。
次に、メインCPU93は、ステップS285で格納した停止開始位置と、ステップS286で決定した滑り駒数決定データとに基づいて、検索対象リールの停止予定位置を決定し、格納する(ステップS289)。停止予定位置は、滑り駒数として規定されている予め定められた数値「0」〜「4」のうちのいずれかを停止開始位置に加算した図柄位置であり、リールの回転が停止する図柄位置である。
次に、メインCPU93は、検索図柄位置に応じて必要がある場合には、制御変更処理を行う(ステップS290)。この処理において、メインCPU93は、特定の停止位置であった場合に、停止テーブル選択データ群から使用する停止テーブル等を選択し直す。
次に、メインCPU93は、ストップボタン未作動カウンタが0であるか否かを判断する(ステップS291)。
ストップボタン未作動カウンタが0でないと判断した場合には、メインCPU93は、引込優先順位格納処理を実行し(ステップS292)、ステップS281に処理を戻す。ステップS292の引込優先順位格納処理は、図37のステップS22の引込優先順位格納処理と同様の処理であるため、ここでの説明は省略する。
一方、ストップボタン未作動カウンタが0であると判断した場合には、メインCPU93は、本サブルーチンを終了する。
<RT制御処理>
図46を用いて、図37のステップS27で行われるRT制御処理について説明する。図46は、本発明の一実施形態に係るパチスロの主制御回路において行われるRT制御処理を示すフローチャートである。
まず、メインCPU93は、現在の遊技状態がMB遊技状態であるか否かを判断する(ステップS351)。メインCPU93は、メインRAM95の遊技状態フラグ格納領域(図31(a)参照)を参照することにより、現在の遊技状態を認識することができる。現在の遊技状態がMB遊技状態であると判断した場合、メインCPU93は、本サブルーチンを終了する。
一方、現在の遊技状態がMB遊技状態ではないと判断した場合、メインCPU93は、現在の遊技状態がMBフラグ間であるか否かを判断する(ステップS352)。この処理において、メインCPU93は、持越役格納領域(図31(b)参照)に「1」が格納されている場合に現在の遊技状態がMBフラグ間であると判断し、持越役格納領域(図31(b)参照)に「1」が格納されていない場合に現在の遊技状態がMBフラグ間ではないと判断する。現在の遊技状態がMBフラグ間であると判断した場合、メインCPU93は、本サブルーチンを終了する。
一方、現在の遊技状態がMBフラグ間ではないと判断した場合、メインCPU93は、CUリプ1〜3の何れかが入賞したか否かを判断する(ステップS353)。この処理において、メインCPU93は、入賞判定ラインに沿って表示された図柄組合せがCUリプ1〜3の何れかに対応する図柄組合せ(図14参照)であるか否かを判断する。
CUリプ1〜3の何れかが入賞したと判断した場合、メインCPU93は、遊技状態をRT0遊技状態に更新する(ステップS354)。この処理において、メインCPU93は、遊技状態フラグ格納領域(図31(a)参照)のビット0を「1」にし、遊技状態フラグ格納領域(図31(a)参照)のビット1及び2を「0」にする。ステップS354の処理を実行した後、メインCPU93は、本サブルーチンを終了する。
ステップS353においてCUリプ1〜3の何れもが入賞していないと判断した場合、メインCPU93は、左こぼし目1〜6の何れかが入賞したか否かを判断する(ステップS355)。この処理において、メインCPU93は、入賞判定ラインに沿って表示された図柄組合せが左こぼし目1〜6の何れかに対応する図柄組合せ(図14参照)であるか否かを判断する。
左こぼし目1〜6の何れかが入賞したと判断した場合、メインCPU93は、遊技状態をRT1遊技状態に更新する(ステップS356)。この処理において、メインCPU93は、遊技状態フラグ格納領域(図31(a)参照)のビット1を「1」にし、遊技状態フラグ格納領域(図31(a)参照)のビット0及び2を「0」にする。ステップS356の処理を実行した後、メインCPU93は、本サブルーチンを終了する。
ステップS355において左こぼし目1〜6の何れもが入賞していないと判断した場合、メインCPU93は、上げリプ1〜9の何れかが入賞したか否かを判断する(ステップS357)。この処理において、メインCPU93は、入賞判定ラインに沿って表示された図柄組合せが上げリプ1〜9の何れかに対応する図柄組合せ(図14参照)であるか否かを判断する。
上げリプ1〜9の何れかが入賞したと判断した場合、メインCPU93は、遊技状態をRT2遊技状態に更新する(ステップS358)。この処理において、メインCPU93は、遊技状態フラグ格納領域(図31(a)参照)のビット2を「1」にし、遊技状態フラグ格納領域(図31(a)参照)のビット0及び1を「0」にする。ステップS357において上げリプ1〜9の何れもが入賞していないと判断した場合、又は、ステップS358の処理を実行した後、メインCPU93は、本サブルーチンを終了する。
<ボーナス終了チェック処理>
図47を用いて、図37のステップS28で行われるボーナス終了チェック処理について説明する。図47は、本発明の一実施形態に係るパチスロの主制御回路において行われるボーナス終了チェック処理を示すフローチャートである。
まず、メインCPU93は、現在の遊技状態がMB遊技状態であるか否かを判断する(ステップS421)。メインCPU93は、メインRAM95の遊技状態フラグ格納領域(図31(a)参照)を参照することにより、現在の遊技状態を認識することができる。現在の遊技状態がMB遊技状態ではないと判断した場合、メインCPU93は、本サブルーチンを終了する。
一方、現在の遊技状態がMB遊技状態であると判断した場合、メインCPU93は、CB終了処理を行う(ステップS422)。MB遊技状態においては、単位遊技が1回行われるごとにCB遊技状態が終了する。そして、CB終了処理とCB作動処理(図48のステップS445参照)との繰り返しにより、MB遊技状態においては、MB遊技状態が終了するまでCB遊技状態の終了と作動とが繰り返されることになる。
次に、メインCPU93は、ボーナス終了枚数カウンタ(図48のステップS447参照)の値を更新する(ステップS423)。この処理において、メインCPU93は、MB遊技状態において払い出されたメダルの数を、予め設定されている払出枚数から減算することにより、ボーナス終了枚数カウンタの値を更新する。
次に、メインCPU93は、ボーナス終了枚数カウンタの値が0よりも小さいか否かを判断する(ステップS424)。ボーナス終了枚数カウンタの値が0よりも小さくないと判断した場合、メインCPU93は、本サブルーチンを終了する。
一方、ボーナス終了枚数カウンタの値が0よりも小さいと判断した場合、メインCPU93は、MB終了処理を行う(ステップS425)。この処理において、メインCPU93は、遊技状態フラグ格納領域(図31(a)参照)のビット3を「0」に更新する。
次に、メインCPU93は、ボーナス終了コマンドデータを生成し、生成したボーナス終了コマンドデータをメインRAM95の通信データ格納領域に格納する(ステップS426)。通信データ格納領域に格納されたボーナス終了コマンドデータは、コマンドデータ送信処理(図49参照)において主制御回路91から副制御回路101へ送信される。これにより、副制御回路101では、MB遊技状態が終了したことを認識することができるようになる。
ステップS426の処理を実行した後、メインCPU93は、本サブルーチンを終了する。
<ボーナス作動チェック処理>
図48を用いて、図37のステップS29で行われるボーナス作動チェック処理について説明する。図48は、本発明の一実施形態に係るパチスロの主制御回路において行われるボーナス作動チェック処理を示すフローチャートである。
まず、メインCPU93は、現在の遊技状態がMB遊技状態であるか否かを判断する(ステップS441)。メインCPU93は、メインRAM95の遊技状態フラグ格納領域(図31(a)参照)を参照することにより、現在の遊技状態を認識することができる。
現在の遊技状態がMB遊技状態であると判断した場合、メインCPU93は、CB作動処理を行う(ステップS442)。CB作動処理とCB終了処理(図47のステップS422参照)との繰り返しにより、MB遊技状態においては、MB遊技状態が終了するまでCB遊技状態の作動と終了とが繰り返されることになる。ステップS442の処理を実行した後、メインCPU93は、本サブルーチンを終了する。
ステップS441において現在の遊技状態がMB遊技状態ではないと判断した場合、メインCPU93は、MB1〜3の何れかが入賞したか否かを判断する(ステップS443)。この処理において、メインCPU93は、入賞判定ラインに沿って表示された図柄組合せがMB1〜3の何れかに対応する図柄組合せ(図14参照)であるか否かを判断する。
MB1〜3の何れかが入賞したと判断した場合、メインCPU93は、MB作動処理を行う(ステップS444)。この処理において、メインCPU93は、遊技状態フラグ格納領域(図31(a)参照)のビット3を「1」に更新する。そして、メインCPU93は、CB作動処理を行う(ステップS445)。
次に、メインCPU93は、持越役格納領域(図31(b)参照)の値をクリアする(ステップS446)。そして、メインCPU93は、ボーナス終了枚数カウンタに「7」をセットする(ステップS447)。MB遊技状態においてメダルが払い出されるごとに、ボーナス終了枚数カウンタの値が減算され、ボーナス終了枚数カウンタの値が0よりも小さくなった場合に、MB遊技状態が終了することとなる(図47のステップS423〜ステップS425参照)。本実施形態では、MB遊技状態において1回の単位遊技で払い出されるメダルの枚数は1枚であるため、8回の単位遊技が行われることによりMB遊技状態は終了する。
次に、メインCPU93は、ボーナス開始コマンドデータを生成し、生成したボーナス開始コマンドデータをメインRAM95の通信データ格納領域に格納する(ステップS448)。通信データ格納領域に格納されたボーナス開始コマンドデータは、コマンドデータ送信処理(図49参照)において主制御回路91から副制御回路101へ送信される。これにより、副制御回路101では、MB遊技状態が開始したことを認識することができるようになる。
次に、メインCPU93は、メインRAM95に回胴演出番号(図41のステップS153参照)が格納されているか否かを判断する(ステップS449)。メインRAM95に回胴演出番号が格納されていないと判断した場合、メインCPU93は、本サブルーチンを終了する。
一方、メインRAM95に回胴演出番号が格納されていると判断した場合、メインCPU93は、リールロック発動フラグをオンにセットする(ステップS450)。これにより、赤7リールアクション又は緑7リールアクションが行われることとなり(図43のステップS193参照)、第1上乗せ特化ゾーン(MB遊技状態)と第2上乗せ特化ゾーン(MB遊技状態)とのうちの何れの上乗せ特化ゾーン(MB遊技状態)が作動するのかが、遊技者に対して報知される。ステップS450の処理を実行した後、メインCPU93は、本サブルーチンを終了する。
ステップS443においてMB1〜3の何れもが入賞していないと判断した場合、メインCPU93は、リプレイ役(中段リプ1、下段リプ1〜2、CUリプ1〜3、CDリプ1〜4、上段リプ1〜12、7制御リプ1〜18、上げリプ1〜9、チャンスリプ1〜15、又は、BAR制御リプ1〜7)が入賞したか否かを判断する(ステップS451)。この処理において、メインCPU93は、入賞判定ラインに沿って表示された図柄組合せがリプレイ役(中段リプ1、下段リプ1〜2、CUリプ1〜3、CDリプ1〜4、上段リプ1〜12、7制御リプ1〜18、上げリプ1〜9、チャンスリプ1〜15、又は、BAR制御リプ1〜7)に対応する図柄組合せ(図14参照)の何れかであるか否かを判断する。
リプレイ役(中段リプ1、下段リプ1〜2、CUリプ1〜3、CDリプ1〜4、上段リプ1〜12、7制御リプ1〜18、上げリプ1〜9、チャンスリプ1〜15、又は、BAR制御リプ1〜7)が入賞したと判断した場合、メインCPU93は、自動投入要求を行う(ステップS452)。この処理において、メインCPU93は、自動投入カウンタに投入枚数カウンタの値を複写する。
ステップS451においてリプレイ役(中段リプ1、下段リプ1〜2、CUリプ1〜3、CDリプ1〜4、上段リプ1〜12、7制御リプ1〜18、上げリプ1〜9、チャンスリプ1〜15、及び、BAR制御リプ1〜7)が入賞していないと判断した場合、又は、ステップS452の処理を実行した後、メインCPU93は、本サブルーチンを終了する。
<割込処理>
図49は、本発明の一実施形態に係るパチスロの主制御回路において行われる割込処理を示すフローチャートである。この処理は、1.1172ミリ秒ごとに実行される。
最初に、メインCPU93は、レジスタの退避を行う(ステップS461)。続いて、メインCPU93は、入力ポートチェック処理を行う(ステップS462)。この処理では、メインCPU93は、マイクロコンピュータ92へ送信される信号の有無を確認する。例えば、メインCPU93は、スタートスイッチ79、ストップスイッチ等のオンエッジ、オフエッジを割込処理ごとに格納する。また、メインCPU93は、各種スイッチのオンエッジ、オフエッジの情報を含む入力状態コマンドデータをメインRAM95の通信データ格納領域に格納する。格納された入力状態コマンドデータは、後述する割込処理のコマンドデータ送信処理において副制御回路101に送信される。これにより、スタートレバー23やストップボタン19L、19C、19Rといった操作手段を用いて各種演出を実行することができる。
続いて、メインCPU93は、タイマ更新処理を行う(ステップS463)。次に、メインCPU93は、コマンドデータ送信処理を行う(ステップS464)。この処理において、メインCPU93は、通信データ格納領域に格納されたコマンドデータを副制御回路101へ送信する。
続いて、メインCPU93は、リール3L、3C、3Rの回転を制御する処理を行う(ステップS465)。より詳細には、メインCPU93は、リール3L、3C、3Rの回転を開始する旨の要求、すなわち、開始操作に応じて、リール3L、3C、3Rの回転を開始するとともに、一定の速度でリール3L、3C、3Rが回転するように制御を行う。また、停止操作に応じて、停止操作に対応するリール3L、3C、3Rの回転が停止するように制御を行う。
続いて、メインCPU93は、ランプ・7SEG駆動処理を行う(ステップS466)。例えば、メインCPU93は、クレジットされているメダルの数、払出枚数等を各種表示部に表示する。続いて、メインCPU93は、レジスタの復帰を行い(ステップS467)、定期的に発生する割込の処理を終了する。
[副制御処理]
副制御回路101のサブCPU102は、図50〜図72に示すフローチャートにしたがって各種の処理を実行する。
<電源投入時の処理>
図50は、本発明の一実施形態に係るパチスロの副制御回路において電源投入時に行われるサブ制御処理を示すフローチャートである。
最初に、サブCPU102は、初期化処理を実行する(ステップS601)。この処理では、サブCPU102は、サブRAM103等のエラーチェック、タスクシステムの初期化を行う。タスクシステムは、タイマ割込同期のタスクグループであるランプ制御タスク、サウンド制御タスク、及びVSYNC(VerticalSynchronization)割込同期のタスクグループであるマザータスクを含む。
次に、サブCPU102は、ランプ制御タスク(図51参照)を起動する(ステップS602)。ランプ制御タスクは、サブCPU102が、サブCPU102に対して2ミリ秒ごとに送信されるタイマ割込イベントメッセージを受け取るのを待ち、このタイマ割込イベントメッセージを受け取ったことに応じて、各種ランプの点灯状態を制御する処理を実行する処理である。
次に、サブCPU102は、サウンド制御タスク(図52参照)を起動する(ステップS603)。サウンド制御タスクは、サブCPU102が、スピーカ58、64、65L、65R等のスピーカからの出音状態を制御する処理を実行する処理である。
次に、サブCPU102は、マザータスク(図53参照)を起動し(ステップS604)、処理を打ち切る。マザータスクは、VSYNC(垂直同期信号)割込同期のタスクグループであり、液晶表示装置11で1フレームの映像が表示されたときに液晶表示装置11から送られる垂直同期信号(VSYNC割込信号)を用いる。
<ランプ制御タスク>
図51を用いて、図50のステップS602で起動されるランプ制御タスクについて説明する。図51は、本発明の一実施形態に係るパチスロの副制御回路において行われるランプ制御タスクを示すフローチャートである。
最初に、サブCPU102は、タイマ割込初期化処理を実行する(ステップS621)。次に、サブCPU102は、ランプ関連データの初期化処理を実行する(ステップS622)。
次に、サブCPU102は、タイマ割込み待ちを実行する(ステップS623)。この処理では、サブCPU102が2ミリ秒ごとにタイマ割込イベントメッセージを受け取るまでの間、サブCPU102は、タイマ割込同期とは異なるタスクグループを実行する。タイマ割込同期とは異なるタスクグループとして、例えば、コマンド受信割込同期のタスクグループである主基板通信タスクが挙げられる。また、電源割込同期のタスクグループ(図示せず)や、ドア監視ユニット通信同期のタスクグループ(図示せず)が挙げられる。
次に、サブCPU102は、サウンド制御タスク(図52参照)を実行する(ステップS624)。この処理では、ランプ制御タスクと同一グループであるタイマ割込同期のタスクグループの次の優先順位にあるタスクを実行する。本実施の形態において、タイマ割込同期のタスクグループの優先順位は、基本的に、ランプ制御タスク、サウンド制御タスクの順としている。したがって、ステップS624では、ランプ制御タスクの次の優先順位にあるサウンド制御タスクを実行する。なお、ステップS624では、図52に示すサウンド制御タスクのうち、ステップS643及びステップS644の処理が行われる。
次に、サブCPU102は、ランプデータ解析処理を実行し(ステップS625)、ランプ演出実行処理(ランプ点灯制御処理)を実行し(ステップS626)、ステップS623に処理を戻す。
<サウンド制御タスク>
図52を用いて、図50のステップS603で起動されるサウンド制御タスクについて説明する。図52は、本発明の一実施形態に係るパチスロの副制御回路において行われるサウンド制御タスクを示すフローチャートである。
最初に、サブCPU102は、スピーカ58、64、65L、65R等のスピーカからの出音状態に関連するサウンド関連データの初期化処理を実行する(ステップS641)。
次に、サブCPU102は、サウンド制御タスクと同一グループであるタイマ割込同期のタスクグループの次の優先順位にあるタスク、すなわち、ランプ制御タスクを実行する(ステップS642)。
次に、サブCPU102は、サウンドデータの解析処理を実行し(ステップS643)、サウンド演出実行処理を行い(ステップS644)、ステップS642に処理を戻す。
<マザータスク>
図53を用いて、図50のステップS604で起動されるマザータスクについて説明する。図53は、本発明の一実施形態に係るパチスロの副制御回路において行われるマザータスクを示すフローチャートである。
マザータスクでは、サブCPU102は、メインタスクを起動し(ステップS661)、主基板通信タスクを起動し(ステップS662)、アニメタスクを起動し(ステップS663)、処理を打ち切る。
<メインタスク>
図54を用いて、図53のステップS661で起動されるメインタスクについて説明する。図54は、本発明の一実施形態に係るパチスロの副制御回路において行われるメインタスクを示すフローチャートである。
メインタスクにおいて、サブCPU102は、VSYNC割込初期化処理を実行し(ステップS681)、VSYNC割込待ちを実行する(ステップS682)。
次に、サブCPU102は、描画処理を実行し(ステップS683)、ステップS682に処理を戻す。
<主基板通信タスク>
図55を用いて、図53のステップS662で起動される主基板通信タスクについて説明する。図55は、本発明の一実施形態に係るパチスロの副制御回路において行われる主基板通信タスクを示すフローチャートである。
最初に、サブCPU102は、通信メッセージキューの初期化を実行し(ステップS701)、受信コマンドのチェックを実行する(ステップS702)。
次に、サブCPU102は、前回とは異なるコマンドを受信したか否かを判断する(ステップS703)。ここで、前回とは異なるコマンドを受信しなかったと判断した場合には、サブCPU102は、ステップS702に処理を戻す。
一方、前回とは異なるコマンドを受信したと判断した場合には、受信したコマンドが正規のコマンドであると判断して、受信したコマンドから遊技情報を作成し、作成した遊技情報をサブRAM103に格納する(ステップS704)。次いで、サブCPU102は、コマンド解析処理(図56参照)を実行し(ステップS705)、ステップS702に処理を戻す。
<コマンド解析処理>
図56を用いて、図55のステップS705で行われるコマンド解析処理について説明する。図56は、本発明の一実施形態に係るパチスロの副制御回路において行われるコマンド解析処理を示すフローチャートである。
コマンド解析処理において、サブCPU102は、演出内容決定処理(図58参照)を実行し(ステップS711)、ランプデータ決定処理を実行し(ステップS712)、サウンドデータ決定処理を実行し(ステップS713)、決定された各データを登録し(ステップS714)、本サブルーチンを終了する。
<アニメタスク>
図57を用いて、図53のステップS663で起動されるアニメタスクについて説明する。図57は、本発明の一実施形態に係るパチスロの副制御回路において行われるアニメタスクを示すフローチャートである。
最初に、サブCPU102は、前回の遊技情報との変化をチェックする(ステップS731)。具体的には、サブCPU102は、サブRAM103に格納されている遊技情報(図55のステップS704参照)が、前回のアニメタスクの時点でサブRAM103に格納されていた遊技情報とは異なる遊技情報となっているか否かをチェックする。
続いて、サブCPU102は、オブジェクト制御処理を実行する(ステップS732)。具体的には、ステップS731で遊技情報が変化しているチェック結果が得られた場合に、サブCPU102は、当該遊技情報の変化に応じた画像の制御を行う。
続いて、サブCPU102は、アニメタスク管理処理を実行する(ステップS733)。具体的には、サブCPU102は、各種演出において表示される画像の順序等を管理する。サブCPU102は、アニメタスク管理処理を実行すると、ステップS731に処理を戻す。
<演出内容決定処理>
図58を用いて、図56のステップS711で行われる演出内容決定処理について説明する。図58は、本発明の一実施形態に係るパチスロの副制御回路において行われる演出内容決定処理を示すフローチャートである。
最初に、サブCPU102は、初期化コマンドデータ(図38のステップS55及びステップS58参照)を受信したか否かを判断する(ステップS751)。
ステップS751において、初期化コマンドデータを受信したと判断した場合には、サブCPU102は、初期化コマンド受信時処理を実行し(ステップS752)、本サブルーチンを終了する。初期化コマンド受信時処理では、例えば、サブCPU102は、パチスロ1のキャビネット2a内に設けられている設定変更スイッチがオン状態のときに電源が投入されたことを契機として主制御回路91から送信される初期化コマンドデータに応じたホールメニュータスクの実行要求を行う。これにより、液晶表示装置11に、ホールメニューが表示される。また、初期化コマンドデータとして送信された情報(設定値変更の有無、設定値情報等)に基づいた演出データがセットされる。
一方、ステップS751において、初期化コマンドデータを受信しなかったと判断した場合には、サブCPU102は、メダル投入コマンドデータ(図39のステップS83及びステップS88参照)を受信したか否かを判断する(ステップS753)。
ステップS753において、メダル投入コマンドデータを受信したと判断した場合には、サブCPU102は、メダル投入コマンド受信時処理を実行し(ステップS754)、本サブルーチンを終了する。メダル投入コマンド受信時処理では、例えば、メダル投入コマンドデータとして送信された情報(メダル投入の有無、投入枚数カウンタやクレジットカウンタの値等を示す情報)に基づいた演出データがセットされる。
一方、ステップS753において、メダル投入コマンドデータを受信しなかったと判断した場合には、サブCPU102は、スタートコマンドデータ(図37のステップS18参照)を受信したか否かを判断する(ステップS755)。
ステップS755において、スタートコマンドデータを受信したと判断した場合には、サブCPU102は、スタートコマンド受信時処理(図59参照)を実行し(ステップS756)、本サブルーチンを終了する。スタートコマンド受信時処理では、例えば、スタートコマンドデータとして送信された情報(遊技状態フラグの種別、内部当籤役の種別(当籤番号)等を示す情報)に基づいた演出データがセットされる。
一方、ステップS755において、スタートコマンドデータを受信しなかったと判断した場合には、サブCPU102は、ロック演出決定コマンドデータ(図41のステップS155参照)を受信したか否かを判断する(ステップS757)。
ステップS757において、ロック演出決定コマンドデータを受信したと判断した場合には、サブCPU102は、ロック演出決定コマンド受信時処理を実行し(ステップS758)、本サブルーチンを終了する。ロック演出決定コマンド受信時処理については、後に図66を用いて説明する。
一方、ステップS757において、ロック演出決定コマンドデータを受信しなかったと判断した場合には、サブCPU102は、リール回転開始コマンドデータ(図37のステップS21参照)を受信したか否かを判断する(ステップS759)。
ステップS759において、リール回転開始コマンドデータを受信したと判断した場合には、サブCPU102は、リール回転開始コマンド受信時処理を実行し(ステップS760)、本サブルーチンを終了する。リール回転開始コマンド受信時処理では、例えば、リール回転開始コマンドデータとして送信された情報(リールの回転が開始された旨を示す情報等)に基づいた演出データがセットされる。
一方、ステップS759において、リール回転開始コマンドデータを受信しなかったと判断した場合には、サブCPU102は、ロックコマンドデータ(図43のステップS192参照)を受信したか否かを判断する(ステップS761)。
ステップS761において、ロックコマンドデータを受信したと判断した場合には、サブCPU102は、ロックコマンド受信時処理を実行し(ステップS762)、本サブルーチンを終了する。ロックコマンド受信時処理では、例えば、ロックコマンドデータとして送信された情報(リールのロックが開始された旨を示す情報等)に基づいた演出データがセットされる。
一方、ステップS761において、ロックコマンドデータを受信しなかったと判断した場合には、サブCPU102は、リール停止コマンドデータ(図45のステップS288参照)を受信したか否かを判断する(ステップS763)。
ステップS763において、リール停止コマンドデータを受信したと判断した場合には、サブCPU102は、リール停止コマンド受信時処理を実行し(ステップS764)、本サブルーチンを終了する。リール停止コマンド受信時処理では、例えば、リール停止コマンドデータとして送信された情報(停止リールの種別、停止開始位置及び滑り駒数(又は停止予定位置)等を示す情報)に基づいた演出データがセットされる。リール停止コマンド受信時処理については、後に図71を用いて説明する。
一方、ステップS763において、リール停止コマンドデータを受信しなかったと判断した場合には、サブCPU102は、表示コマンドデータ(図37のステップS26参照)を受信したか否かを判断する(ステップS765)。
ステップS765において、表示コマンドデータを受信したと判断した場合には、サブCPU102は、表示コマンド受信時処理(図67参照)を実行し(ステップS766)、本サブルーチンを終了する。表示コマンド受信時処理では、例えば、表示コマンドデータとして送信された情報(表示役等を示す情報)に基づいた演出データがセットされる。
一方、ステップS765において、表示コマンドデータを受信しなかったと判断した場合には、サブCPU102は、ボーナス開始コマンドデータ(図48のステップS448参照)を受信したか否かを判断する(ステップS767)。
ステップS767において、ボーナス開始コマンドデータを受信したと判断した場合には、サブCPU102は、ボーナス開始コマンド受信時処理を実行し(ステップS768)、本サブルーチンを終了する。ボーナス開始コマンド受信時処理では、例えば、ボーナス開始コマンドデータとして送信された情報(MB遊技状態が開始した旨を示す情報等)に基づいた演出データがセットされる。
一方、ステップS767において、ボーナス開始コマンドデータを受信しなかったと判断した場合には、サブCPU102は、ボーナス終了コマンドデータ(図47のステップS426参照)を受信したか否かを判断する(ステップS769)。
ステップS769において、ボーナス終了コマンドデータを受信したと判断した場合には、サブCPU102は、ボーナス終了コマンド受信時処理を実行し(ステップS770)、本サブルーチンを終了する。ボーナス終了コマンド受信時処理では、例えば、ボーナス終了コマンドデータとして送信された情報(MB遊技状態が終了した旨を示す情報等)に基づいた演出データがセットされる。
一方、ステップS769において、ボーナス終了コマンドデータを受信しなかったと判断した場合には、サブCPU102は、本サブルーチンを終了する。
<スタートコマンド受信時処理>
図59を用いて、図58のステップS756で行われるスタートコマンド受信時処理について説明する。図59は、本発明の一実施形態に係るパチスロの副制御回路において行われるスタートコマンド受信時処理を示すフローチャートである。
まず、サブCPU102は、ART準備中フラグがオンにセットされているか否かを判断する(ステップS801)。ART準備中フラグは、ART準備中であることを示すフラグであり、ART抽籤に当籤したことを契機としてセットされる(図61のステップS845及び図68のステップS986参照)。
ART準備中フラグがオンにセットされていると判断した場合、サブCPU102は、ART準備中処理を実行する(ステップS802)。ART準備中処理については、後に図62を用いて説明する。ステップS802の処理を実行した後、サブCPU102は、本サブルーチンを終了する。
一方、ART準備中フラグがオンにセットされていないと判断した場合、サブCPU102は、現在の遊技状態がMB遊技状態であるか否かを判断する(ステップS803)。図58のステップS755で受信するスタートコマンドデータに、メインRAM95の遊技状態フラグ格納領域(図31(a)参照)に格納されている遊技状態フラグを示す情報が含まれるため、スタートコマンドデータを受信することにより、サブCPU102は、現在の遊技状態を認識することができる。
現在の遊技状態がMB遊技状態であると判断した場合、サブCPU102は、MB中処理を実行する(ステップS804)。MB中処理については、後に図68を用いて説明する。ステップS804の処理を実行した後、サブCPU102は、本サブルーチンを終了する。
一方、現在の遊技状態がMB遊技状態ではないと判断した場合、サブCPU102は、ART中フラグがオンにセットされているか否かを判断する(ステップS805)。ART中フラグは、ART中であることを示すフラグであり、ART準備中に上げリプ1〜9の何れかが入賞したことを契機としてセットされる(図67のステップS964参照)。
ART中フラグがオンにセットされていると判断した場合、サブCPU102は、ART中処理を実行する(ステップS806)。ART中処理については、後に図63を用いて説明する。ステップS806の処理を実行した後、サブCPU102は、本サブルーチンを終了する。
一方、ART中フラグがオンにセットされていないと判断した場合、サブCPU102は、前兆演出フラグがオンにセットされているか否かを判断する(ステップS807)。前兆演出フラグは、ARTに移行することを示唆する演出(本前兆演出及びガセ前兆演出)が行われる期間であることを示すフラグである(図60のステップS828参照)。
前兆演出フラグがオンにセットされていると判断した場合、サブCPU102は、前兆演出処理を実行する(ステップS808)。前兆演出処理については、後に図61を用いて説明する。ステップS808の処理を実行した後、サブCPU102は、本サブルーチンを終了する。
一方、前兆演出フラグがオンにセットされていないと判断した場合、サブCPU102は、通常時処理を実行する(ステップS809)。通常時処理については、後に図60を用いて説明する。ステップS809の処理を実行した後、サブCPU102は、本サブルーチンを終了する。
<通常時処理>
図60を用いて、図59のステップS809で行われる通常時処理について説明する。図60は、本発明の一実施形態に係るパチスロの副制御回路において行われる通常時処理を示すフローチャートである。
まず、サブCPU102は、スタートコマンドデータ(図58のステップS755参照)に含まれる内部当籤役の種別(当籤番号)を示す情報に基づいて、当籤番号が12、47、48、及び、51の何れかであるか否かを判断する(ステップS821)。
当籤番号が12、47、48、及び、51の何れかであると判断した場合、サブCPU102は、ART抽籤を実行する(ステップS822)。この処理において、サブCPU102は、乱数値に基づいて抽籤を行うことにより、当籤又は非当籤を決定する。該ART抽籤に当籤した場合、前兆演出(図61のステップS842参照)を介して通常遊技状態からARTに移行することとなる。このようにして通常遊技状態からARTに移行するルートは、図3を用いて説明した第1のルートである。
次に、サブCPU102は、ステップS822で行われるART抽籤に当籤したか否かを判断する(ステップS823)。
ステップS822で行われるART抽籤に当籤していないと判断した場合、サブCPU102は、前兆演出移行抽籤を実行する(ステップS824)。すなわち、サブCPU102は、ガセ前兆演出に移行させるか否かを抽籤により決定する。
次に、サブCPU102は、ガセ前兆演出に移行させると決定されたか否かを判断する(ステップS825)。
ガセ前兆演出に移行させると決定されたと判断した場合、サブCPU102は、ガセ前兆演出に応じた演出データをセットする(ステップS826)。この処理において、サブCPU102は、ロムカートリッジ基板86に記憶されている演出データのなかから、ガセ前兆演出に応じた演出データを、今回の演出に用いられるデータに決定する。
ステップS823においてART抽籤に当籤したと判断した場合、サブCPU102は、本前兆演出に応じた演出データをセットする(ステップS827)。この処理において、サブCPU102は、ロムカートリッジ基板86に記憶されている演出データのなかから、本前兆演出に応じた演出データを、今回の演出に用いられるデータに決定する。
ステップS826又はステップS827の処理を実行した後、サブCPU102は、前兆演出フラグをオンにセットする(ステップS828)。これにより、次回の単位遊技から、本前兆演出又はガセ前兆演出が実行されることとなる(図61のステップS842参照)。
次に、サブCPU102は、前兆演出ゲーム数カウンタに「7」をセットする(ステップS829)。前兆演出ゲーム数カウンタの値は、前兆演出が実行される単位遊技の残り回数を示し、サブRAM103に記憶されている。ステップS829の処理を実行した後、サブCPU102は、本サブルーチンを終了する。
ステップS821において当籤番号が12、47、48、及び、51の何れでもないと判断した場合、又は、ステップS825においてガセ前兆演出に移行させると決定されなかったと判断した場合、サブCPU102は、スタートコマンドデータ(図58のステップS755参照)に含まれる内部当籤役の種別(当籤番号)を示す情報に基づいて、当籤番号が49、52、及び、53の何れかであるか否かを判断する(ステップS830)。すなわち、サブCPU102は、MBが内部当籤したか否かを判断する。
当籤番号が49、52、及び、53の何れでもないと判断した場合、サブCPU102は、本サブルーチンを終了する。
一方、当籤番号が49、52、及び、53の何れかであると判断した場合、サブCPU102は、ART抽籤を実行する(ステップS831)。この処理において、サブCPU102は、乱数値に基づいて抽籤を行うことにより、当籤又は非当籤を決定する。該ART抽籤に当籤した場合、MB中チャレンジ演出(図68のステップS984参照)を介して通常遊技状態からARTに移行することとなる。このようにして通常遊技状態からARTに移行するルートは、図3を用いて説明した第2のルートである。
次に、サブCPU102は、ステップS831で行われるART抽籤に当籤したか否かを判断する(ステップS832)。
ステップS831で行われるART抽籤に当籤したと判断した場合、サブCPU102は、本MB中チャレンジ演出に応じた演出データをセットする(ステップS833)。この処理において、サブCPU102は、ロムカートリッジ基板86に記憶されている演出データのなかから、本MB中チャレンジ演出に応じた演出データを、今回の演出に用いられるデータに決定する。
一方、ステップS831で行われるART抽籤に当籤していないと判断した場合、サブCPU102は、ガセMB中チャレンジ演出に応じた演出データをセットする(ステップS834)。この処理において、サブCPU102は、ロムカートリッジ基板86に記憶されている演出データのなかから、ガセMB中チャレンジ演出に応じた演出データを、今回の演出に用いられるデータに決定する。
このように、ステップS833又はステップS834で本MB中チャレンジ演出又はガセMB中チャレンジ演出に応じた演出データがセットされるが、前兆演出と異なり、MB中チャレンジ演出は、次回の単位遊技ではまだ行われない。MB中チャレンジ演出は、MBが入賞して初めて実行されることとなる(図68のステップS983及びステップS984参照)。
ステップS833又はステップS834の処理を実行した後、サブCPU102は、本サブルーチンを終了する。
<前兆演出処理>
図61を用いて、図59のステップS808で行われる前兆演出処理について説明する。図61は、本発明の一実施形態に係るパチスロの副制御回路において行われる前兆演出処理を示すフローチャートである。
まず、サブCPU102は、前兆演出ゲーム数カウンタ(図60のステップS829参照)の値を1減算する(ステップS841)。この処理において、サブCPU102は、サブRAM103に記憶されている前兆演出ゲーム数カウンタの値から1を減じた値を、新たな前兆演出ゲーム数カウンタの値としてサブRAM103に記憶させる。
次に、サブCPU102は、図60のステップS826又はステップS827でセットした演出データに基づいて、本前兆演出又はガセ前兆演出を実行する(ステップS842)。
次に、サブCPU102は、前兆演出ゲーム数カウンタの値が0であるか否かを判断する(ステップS843)。前兆演出ゲーム数カウンタの値が0ではないと判断した場合、サブCPU102は、本サブルーチンを終了する。
一方、前兆演出ゲーム数カウンタの値が0であると判断した場合、サブCPU102は、図60のステップS822で行われたART抽籤に当籤したか否かを判断する(ステップS844)。
図60のステップS822で行われたART抽籤に当籤したと判断した場合、サブCPU102は、ART準備中フラグをオンにセットする(ステップS845)。これにより、上げリプ1〜9を入賞させるための押し順が報知され(図62のステップS862参照)、上げリプ1〜9が入賞することにより、ARTに移行することとなる(図67のステップS964参照)。
次に、サブCPU102は、ARTゲーム数カウンタに「50」をセットする(ステップS846)。ARTゲーム数カウンタの値は、ART(内部当籤役を入賞させるための押し順が報知されるAT遊技状態、且つ、RT2遊技状態)において実行される単位遊技の残り回数を示し、サブRAM103に記憶されている。
ステップS844においてART抽籤に当籤しなかったと判断した場合、又は、ステップS846の処理を実行した後、サブCPU102は、前兆演出ゲーム数カウンタをクリアする(ステップS847)。そして、サブCPU102は、前兆演出フラグをオフにセットする(ステップS848)。その後、サブCPU102は、本サブルーチンを終了する。
<ART準備中処理>
図62を用いて、図59のステップS802で行われるART準備中処理について説明する。図62は、本発明の一実施形態に係るパチスロの副制御回路において行われるART準備中処理を示すフローチャートである。
まず、サブCPU102は、現在の遊技状態がRT1遊技状態であるか否かを判断する(ステップS861)。図58のステップS755で受信するスタートコマンドデータに、メインRAM95の遊技状態フラグ格納領域(図31(a)参照)に格納されている遊技状態フラグを示す情報が含まれるため、スタートコマンドデータを受信することにより、サブCPU102は、現在の遊技状態を認識することができる。現在の遊技状態がRT1遊技状態ではないと判断した場合、サブCPU102は、本サブルーチンを終了する。
一方、現在の遊技状態がRT1遊技状態であると判断した場合、サブCPU102は、上げリプ1〜9が内部当籤した場合に、上げリプ1〜9を入賞させるための押し順ナビ演出を実行する(ステップS862)。
押し順ナビ演出は、押し順ナビ画像を液晶表示装置11に表示させる演出である。押し順ナビ画像は、内部抽籤により決定された内部当籤役を入賞させるための押し順(左ストップボタン19L、中ストップボタン19C、右ストップボタン19Rの押下順序)を報知するための画像である。ロムカートリッジ基板86には、複数の押し順ナビ画像データが記憶されている。各押し順ナビ画像データは、一の内部当籤役を入賞させるための押し順を報知するための画像に対応している。
ステップS862の処理において、サブCPU102は、当籤番号が5〜8の何れかである場合、ロムカートリッジ基板86に記憶されている複数の押し順ナビ画像データのなかから、上げリプ1〜9を入賞させるための押し順に対応する押し順ナビ画像データを、今回の演出に用いられるデータに決定する。その結果、例えば、当籤番号が5の場合、「中」→「左」→「右」の順(図20参照)で停止操作を行うことを示唆するような画像が、押し順ナビ画像として液晶表示装置11に表示されることとなる。
遊技者は、当該ナビに従って、「中」→「左」→「右」の順で停止操作を行うことにより、上げリプ1〜9を入賞させることができる。これにより、遊技者は、ARTに移行させることができる(図67のステップS964参照)。ステップS862の処理を実行した後、サブCPU102は、本サブルーチンを終了する。
<ART中処理>
図63を用いて、図59のステップS806で行われるART中処理について説明する。図63は、本発明の一実施形態に係るパチスロの副制御回路において行われるART中処理を示すフローチャートである。
まず、サブCPU102は、特殊ART中フラグがオンにセットされているか否かを判断する(ステップS881)。特殊ART中フラグは、特殊ART中であることを示すフラグであり、ART中にMBが内部当籤したことを契機としてセットされる(図64のステップS906及びステップS909参照)。
特殊ART中フラグがオンにセットされていると判断した場合、サブCPU102は、特殊ART中処理を実行する(ステップS882)。特殊ART中処理については、後に図65を用いて説明する。ステップS882の処理を実行した後、サブCPU102は、本サブルーチンを終了する。
一方、特殊ART中フラグがオンにセットされていないと判断した場合、サブCPU102は、ARTゲーム数カウンタ(図61のステップS846参照)の値を1減算する(ステップS883)。この処理において、サブCPU102は、サブRAM103に記憶されているARTゲーム数カウンタの値から1を減じた値を、新たなARTゲーム数カウンタの値としてサブRAM103に記憶させる。
次に、サブCPU102は、ARTゲーム数カウンタの値が0であるか否かを判断する(ステップS884)。ARTゲーム数カウンタの値が0であると判断した場合、サブCPU102は、ART中フラグをオフにセットする(ステップS885)。これにより、ARTが終了する。ステップS885の処理を実行した後、サブCPU102は、本サブルーチンを終了する。
ARTゲーム数カウンタの値が0ではないと判断した場合、サブCPU102は、特殊ART前兆中フラグがオンにセットされているか否かを判断する(ステップS886)。特殊ART前兆中フラグは、特殊ARTが作動することを示唆する演出(特殊ART前兆演出)が行われる期間であることを示すフラグであり、当籤番号49(MB+F_中段チェリー)、当籤番号52(MB+F_MBリプ)、当籤番号13(F_MBリプ)、当籤番号53(MB+F_リプ2)、又は、当籤番号2(F_リプ2)が内部当籤役として決定されたことを契機としてセットされる(ステップS891及びステップS894参照)。
特殊ART前兆中フラグがオンにセットされていると判断した場合、サブCPU102は、特殊ART前兆中処理を実行する(ステップS887)。特殊ART前兆中処理については、後に図64を用いて説明する。ステップS887の処理を実行した後、サブCPU102は、本サブルーチンを終了する。
一方、特殊ART前兆中フラグがオンにセットされていないと判断した場合、サブCPU102は、スタートコマンドデータ(図58のステップS755参照)に含まれる内部当籤役の種別(当籤番号)を示す情報に基づいて、当籤番号が49(MB+F_中段チェリー)であるか否かを判断する(ステップS888)。
当籤番号が49(MB+F_中段チェリー)ではないと判断した場合、サブCPU102は、スタートコマンドデータ(図58のステップS755参照)に含まれる内部当籤役の種別(当籤番号)を示す情報に基づいて、当籤番号が52(MB+F_MBリプ)、13(F_MBリプ)、53(MB+F_リプ2)、及び、2(F_リプ2)の何れかであるか否かを判断する(ステップS892)。
当籤番号が52(MB+F_MBリプ)、13(F_MBリプ)、53(MB+F_リプ2)、及び、2(F_リプ2)の何れでもないと判断した場合、サブCPU102は、本サブルーチンを終了する。
一方、当籤番号が52(MB+F_MBリプ)、13(F_MBリプ)、53(MB+F_リプ2)、及び、2(F_リプ2)の何れかであると判断した場合、サブCPU102は、ARTゲーム数に10ゲーム上乗せする(ステップS893)。この処理において、サブCPU102は、サブRAM103に記憶されているARTゲーム数カウンタの値に10を加えた値を、新たなARTゲーム数カウンタの値としてサブRAM103に記憶させる。
次に、サブCPU102は、特殊ART前兆中フラグをオンにセットする(ステップS894)。これにより、次回の単位遊技から、特殊ART前兆演出が実行されることとなる(図64参照)。当籤番号が52(MB+F_MBリプ)又は53(MB+F_リプ2)である場合には、MBが内部当籤しているため、この場合に行われる特殊ART前兆演出は、本特殊ART前兆演出となる。一方、当籤番号が13(F_MBリプ)又は2(F_リプ2)である場合には、MBが内部当籤していないため、この場合に行われる特殊ART前兆演出は、ガセ特殊ART前兆演出となる。
ステップS894の処理を実行した後、サブCPU102は、本サブルーチンを終了する。
ステップS888において当籤番号が49(MB+F_中段チェリー)であると判断した場合、サブCPU102は、ARTゲーム数に10ゲーム上乗せする(ステップS889)。この処理において、サブCPU102は、サブRAM103に記憶されているARTゲーム数カウンタの値に10を加えた値を、新たなARTゲーム数カウンタの値としてサブRAM103に記憶させる。
次に、サブCPU102は、特殊ART確定フラグをオンにセットする(ステップS890)。そして、サブCPU102は、特殊ART前兆中フラグをオンにセットする(ステップS891)。これにより、次回の単位遊技から、特殊ART前兆演出が実行されることとなる(図64参照)。当籤番号が49(MB+F_中段チェリー)である場合には、MBが内部当籤しており、ステップS891で特殊ART前兆中フラグがオンにセットされる場合には、ステップS894で特殊ART前兆中フラグがオンにセットされる場合とは異なり、MBが必ず内部当籤しているため、この場合に行われる特殊ART前兆演出は、必ず本特殊ART前兆演出となる。従って、特殊ART確定フラグ(ステップS890参照)がオンにセットされる場合には、特殊ARTが作動することが確定する(図64のステップS906参照)。
ステップS891の処理を実行した後、サブCPU102は、本サブルーチンを終了する。
<特殊ART前兆中処理>
図64を用いて、図63のステップS887で行われる特殊ART前兆中処理について説明する。図64は、本発明の一実施形態に係るパチスロの副制御回路において行われる特殊ART前兆中処理を示すフローチャートである。
まず、サブCPU102は、当籤番号22〜45の何れかが内部当籤役として決定された場合、中段ベル1を入賞させるための押し順ナビ演出を実行する(ステップS901)。この処理において、サブCPU102は、当籤番号が22〜45の何れかである場合、ロムカートリッジ基板86に記憶されている複数の押し順ナビ画像データのなかから、中段ベル1を入賞させるための押し順に対応する押し順ナビ画像データを、今回の演出に用いられるデータに決定する。その結果、例えば、当籤番号が22の場合、第1停止操作として中リール3Cに対する停止操作(図20及び図21参照)を行うことを示唆するような画像が、押し順ナビ画像として液晶表示装置11に表示されることとなる。これにより、第1停止操作として中リール3Cに対する停止操作が行われれば、中段ベル1が入賞する。
図20及び図21を用いて説明したように、当籤番号が22〜45の場合、MBフラグ間では、非MBフラグ間と比較して、第1停止操作として左リール3Lに対する停止操作が行われた場合における入賞役が左特殊役から角チェリーに変更されている。従って、第1停止操作として左リール3Lに対する停止操作が行われると、入賞役の違い(非MBフラグ間では左特殊役が入賞するのに対し、MBフラグ間では角チェリーが入賞するいう点)から、MBが内部当籤しているか否かが容易に判別されてしまう。本実施形態では、中段ベル1を入賞させるための押し順を報知し、当該押し順で停止操作(第1停止操作として左リール3L以外のリールに対する停止操作)を行うことを遊技者に促しているため、第1停止操作として左リール3Lに対する停止操作が行われた場合の入賞役の違いから、MBの内部当籤の有無が判別されてしまうという事態を回避している。
ステップS901の処理を実行した後、サブCPU102は、特殊ART前兆中ゲームが10ゲーム目であるか否か(現在行われている単位遊技が、特殊ART前兆演出が開始されてから10回目の単位遊技であるか否か)を判断する(ステップS902)。
特殊ART前兆中ゲームが10ゲーム目ではないと判断した場合、サブCPU102は、本サブルーチンを終了する。
一方、特殊ART前兆中ゲームが10ゲーム目であると判断した場合、サブCPU102は、特殊ART前兆中フラグをオフにセットする(ステップS903)。これにより、特殊ART前兆演出が終了する。
次に、サブCPU102は、特殊ART確定フラグ(図63のステップS890参照)がオンにセットされているか否かを判断する(ステップS904)。
特殊ART確定フラグがオンにセットされていると判断した場合、サブCPU102は、特殊ART確定フラグをオフにセットする(ステップS905)。
次に、サブCPU102は、特殊ART中フラグをオンにセットする(ステップS906)。これにより、特殊ARTが作動することとなる(図63のステップS882参照)。
次に、サブCPU102は、特殊ART中ゲーム数カウンタに「10」をセットする(ステップS907)。特殊ART中ゲーム数カウンタの値は、特殊ARTにおいて単位遊技が行われるごとに減算される値であり、サブRAM103に記憶されている。ステップS907の処理を実行した後、サブCPU102は、本サブルーチンを終了する。
ステップS904において特殊ART確定フラグがオンにセットされていないと判断した場合、サブCPU102は、MBが内部当籤しているか否かを判断する(ステップS908)。すなわち、サブCPU102は、当籤番号が52(MB+F_MBリプ)及び53(MB+F_リプ2)の何れかであるか否かを判断する。MBが内部当籤していないと判断した場合、サブCPU102は、本サブルーチンを終了する。
一方、MBが内部当籤していると判断した場合、サブCPU102は、特殊ART中フラグをオンにセットする(ステップS909)。これにより、特殊ARTが作動することとなる(図63のステップS882参照)。
次に、サブCPU102は、特殊ART中ゲーム数カウンタに「10」をセットする(ステップS910)。その後、サブCPU102は、本サブルーチンを終了する。
<特殊ART中処理>
図65を用いて、図63のステップS882で行われる特殊ART中処理について説明する。図65は、本発明の一実施形態に係るパチスロの副制御回路において行われる特殊ART中処理を示すフローチャートである。
まず、サブCPU102は、特殊ART中ゲーム数カウンタ(図64のステップS907及びステップS910参照)の値が0であるか否かを判断する(ステップS921)。
特殊ART中ゲーム数カウンタの値が0であると判断した場合、サブCPU102は、スタートコマンドデータ(図58のステップS755参照)に含まれる内部当籤役の種別(当籤番号)を示す情報に基づいて、当籤番号が16〜21の何れかであるか否かを判断する(ステップS922)。
当籤番号が16〜21の何れかであると判断した場合、サブCPU102は、変則特殊役を入賞させるための押し順ナビ演出を実行する(ステップS923)。この処理において、サブCPU102は、ロムカートリッジ基板86に記憶されている複数の押し順ナビ画像データのなかから、変則特殊役を入賞させるための押し順に対応する押し順ナビ画像データを、今回の演出に用いられるデータに決定する。その結果、例えば、当籤番号が16の場合、第1停止操作として右リール3Rに対する停止操作(図21参照)を行うことを示唆するような画像が、押し順ナビ画像として液晶表示装置11に表示されることとなる。第1停止操作として右リール3Rに対する停止操作が行われた場合、該停止操作が適切なタイミングで行われると、変則特殊役1、2、又は、5が入賞する。一方、該停止操作が適切なタイミングで行われないと(変則特殊役を取りこぼすと)、MB1が入賞する(図21参照)。
MB1が入賞することにより、特殊ART(MBフラグ間)が終了し(図67のステップS968参照)、上乗せ特化ゾーン(MB遊技状態)が作動することとなる(図68のステップS988参照)。ステップS923の処理を実行した後、サブCPU102は、本サブルーチンを終了する。
ステップS921において特殊ART中ゲーム数カウンタの値が0ではないと判断した場合、又は、ステップS922において当籤番号が16〜21の何れでもないと判断した場合、サブCPU102は、スタートコマンドデータ(図58のステップS755参照)に含まれる内部当籤役の種別(当籤番号)を示す情報に基づいて、当籤番号が2、50、51、49、及び、9〜11の何れかであるか否かを判断する(ステップS924)。
当籤番号が2、50、51、49、及び、9〜11の何れかであると判断した場合、サブCPU102は、図33〜図35に示す確変昇格抽選テーブルのうち、現在の確変レベル及び設定値に応じた確変昇格抽選テーブルを参照し、抽籤を行うことにより、当籤番号に基づいて、移行先の確変レベルを決定する(ステップS925)。
次に、サブCPU102は、現在の確変レベルから、ステップS925で移行先の確変レベルとして決定された確変レベルへと、確変レベルを変更する(ステップS926)。
ステップS924において当籤番号が2、50、51、49、及び、9〜11の何れでもないと判断した場合、又は、ステップS926の処理を実行した後、サブCPU102は、当籤番号が47、22〜25、30〜33、38〜41、26〜29、34〜37、及び、42〜45の何れかである場合に、図36に示す発生ナビ決定テーブルを参照し、当籤番号及び現在の確変レベルに基づいて、角チェリー(強チェリー又は弱チェリー)を入賞させるための押し順と、中段ベル(押し順ベル)を入賞させるための押し順とのうち、何れの押し順を報知するかを決定する(ステップS927)。
次に、サブCPU102は、角チェリー(強チェリー又は弱チェリー)と中段ベル(押し順ベル)とのうち、ステップS927で押し順を報知すると決定された役を入賞させるための押し順ナビ演出を実行する(ステップS928)。この処理において、サブCPU102は、ロムカートリッジ基板86に記憶されている複数の押し順ナビ画像データのなかから、ステップS927で押し順を報知すると決定された役を入賞させるための押し順に対応する押し順ナビ画像データを、今回の演出に用いられるデータに決定する。その結果、例えば、当籤番号が26の場合に角チェリー(強チェリー)を入賞させるための押し順を報知すると決定された場合、第1停止操作として左リール3Lに対する停止操作(図21参照)を行うことを示唆するような画像が、押し順ナビ画像として液晶表示装置11に表示されることとなる。第1停止操作として左リール3Lに対する停止操作が行われた場合、角チェリー(強チェリー)が入賞する。これにより、ARTゲーム数の上乗せが行われることとなる(図67のステップS974及び図69のステップS1006参照)。
ステップS928の処理を実行した後、サブCPU102は、特殊ART中ゲーム数カウンタの値を1減算する(ステップS929)。この処理において、サブCPU102は、サブRAM103に記憶されている特殊ART中ゲーム数カウンタの値から1を減じた値を、新たな特殊ART中ゲーム数カウンタの値としてサブRAM103に記憶させる。
ステップS929の処理を実行した後、サブCPU102は、本サブルーチンを終了する。なお、特殊ART中処理においては、ARTゲーム数カウンタの値が減算されない(図63のステップS883参照)。
<ロック演出決定コマンド受信時処理>
図66を用いて、図58のステップS758で行われるロック演出決定コマンド受信時処理について説明する。図66は、本発明の一実施形態に係るパチスロの副制御回路において行われるロック演出決定コマンド受信時処理を示すフローチャートである。
まず、サブCPU102は、ロック演出決定コマンドデータ(図58のステップS757参照)に含まれる回胴演出番号を示す情報に基づいて、図41のステップS153で決定された回胴演出番号が回胴演出番号1であるか否かを判断する(ステップS941)。
図41のステップS153で決定された回胴演出番号が回胴演出番号1であると判断した場合、サブCPU102は、赤7フラグをオンにセットする(ステップS942)。赤7フラグがオンにセットされた場合、特殊ART(MBフラグ間)が終了した後に作動する上乗せ特化ゾーン(MB遊技状態)が第1上乗せ特化ゾーン(MB遊技状態)となる(図67のステップS972及びステップS974、並びに、図69のステップS1006及びステップS1008参照)。一方、赤7フラグがオンにセットされなかった場合には、特殊ART(MBフラグ間)が終了した後に作動する上乗せ特化ゾーン(MB遊技状態)が第2上乗せ特化ゾーン(MB遊技状態)となる(図67のステップS974及び図69のステップS1006参照)。
次に、サブCPU102は、最終上乗せゲーム数を、100ゲーム、200ゲーム、及び、300ゲームのなかから、抽籤により決定する(ステップS943)。最終上乗せゲーム数は、上乗せ特化ゾーン(MB遊技状態)の最終ゲームに上乗せされるARTゲーム数である(図69のステップS1003参照)。ステップS943の処理を実行した後、サブCPU102は、本サブルーチンを終了する。
ステップS941において、図41のステップS153で決定された回胴演出番号が回胴演出番号1ではないと判断した場合、サブCPU102は、最終上乗せゲーム数を、0ゲーム、50ゲーム、及び、100ゲームのなかから、抽籤により決定する(ステップS944)。その後、サブCPU102は、本サブルーチンを終了する。
<表示コマンド受信時処理>
図67を用いて、図58のステップS766で行われる表示コマンド受信時処理について説明する。図67は、本発明の一実施形態に係るパチスロの副制御回路において行われる表示コマンド受信時処理を示すフローチャートである。
まず、サブCPU102は、ART準備中フラグ(図61のステップS845及び図68のステップS986参照)がオンにセットされているか否かを判断する(ステップS961)。
ART準備中フラグがオンにセットされていると判断した場合、サブCPU102は、上げリプ1〜9の何れかが入賞したか否かを判断する(ステップS962)。図58のステップS765で受信する表示コマンドデータに表示役を示す情報が含まれるため、表示コマンドデータを受信することにより、サブCPU102は、入賞判定ラインに沿って表示された図柄組合せを認識することができる。
上げリプ1〜9の何れかが入賞したと判断した場合、サブCPU102は、ART準備中フラグをオフにセットする(ステップS963)。そして、サブCPU102は、ART中フラグをオンにセットする(ステップS964)。これにより、ARTに移行する(図59のステップS806参照)。
ステップS961においてART準備中フラグがオンにセットされていないと判断した場合、ステップS962において上げリプ1〜9の何れもが入賞していないと判断した場合、又は、ステップS964の処理を実行した後、サブCPU102は、特殊ART中フラグ(図64のステップS906及びステップS909参照)がオンにセットされているか否かを判断する(ステップS965)。特殊ART中フラグがオンにセットされていないと判断した場合、サブCPU102は、本サブルーチンを終了する。
一方、特殊ART中フラグがオンにセットされていると判断した場合、サブCPU102は、図58のステップS765で受信する表示コマンドデータに含まれる表示役を示す情報に基づいて、MB1〜3の何れかが入賞したか否かを判断する(ステップS966)。
MB1〜3の何れかが入賞したと判断した場合、サブCPU102は、特殊ART中ゲーム数カウンタ(図64のステップS907及びステップS910参照)をクリアする(ステップS967)。そして、サブCPU102は、特殊ART中フラグをオフにセットし(ステップS968)、赤7フラグをオフにセットする(ステップS969)。その後、サブCPU102は、本サブルーチンを終了する。
ステップS966においてMB1〜3の何れもが入賞していないと判断した場合、サブCPU102は、赤7フラグ(図66のステップS942参照)がオンにセットされているか否かを判断する(ステップS970)。
赤7フラグがオンにセットされていると判断した場合、サブCPU102は、図58のステップS765で受信する表示コマンドデータに含まれる表示役を示す情報に基づいて、弱チェリーが入賞したか否かを判断する(ステップS971)。
弱チェリーが入賞したと判断した場合、サブCPU102は、弱チェリーストックカウンタの値を1加算する(ステップS972)。この処理において、サブCPU102は、サブRAM103に記憶されている弱チェリーストックカウンタの値に1を加えた値を、新たな弱チェリーストックカウンタの値としてサブRAM103に記憶させる。弱チェリーストックカウンタの値は、特殊ARTにおいて弱チェリーが入賞した回数を示す。本実施形態において、弱チェリーが入賞した回数は、赤7フラグがオンにセットされていることを条件としてカウントされる。
ステップS970において赤7フラグがオンにセットされていないと判断した場合、ステップS971において弱チェリーが入賞していないと判断した場合、又は、ステップS972の処理を実行した後、サブCPU102は、図58のステップS765で受信する表示コマンドデータに含まれる表示役を示す情報に基づいて、強チェリーが入賞したか否かを判断する(ステップS973)。
強チェリーが入賞したと判断した場合、サブCPU102は、強チェリーストックカウンタの値を1加算する(ステップS974)。この処理において、サブCPU102は、サブRAM103に記憶されている強チェリーストックカウンタの値に1を加えた値を、新たな強チェリーストックカウンタの値としてサブRAM103に記憶させる。強チェリーストックカウンタの値は、特殊ARTにおいて強チェリーが入賞した回数を示す。本実施形態において、強チェリーが入賞した回数は、赤7フラグがオンにセットされているか否かとは無関係にカウントされる。
ステップS973において強チェリーが入賞していないと判断した場合、又は、ステップS974の処理を実行した後、サブCPU102は、図58のステップS765で受信する表示コマンドデータに含まれる表示役を示す情報に基づいて、BAR制御リプ1が入賞したか否かを判断する(ステップS975)。
BAR制御リプ1が入賞したと判断した場合、サブCPU102は、ARTゲーム数カウンタ(図61のステップS846及び図68のステップS987参照)の値を10加算する(ステップS976)。この処理において、サブCPU102は、サブRAM103に記憶されているARTゲーム数カウンタの値に10を加えた値を、新たなARTゲーム数カウンタの値としてサブRAM103に記憶させる。
ステップS975においてBAR制御リプ1が入賞していないと判断した場合、又は、ステップS976の処理を実行した後、サブCPU102は、ペナルティ処理を実行する(ステップS977)。ペナルティ処理については、後に図70を用いて説明する。ステップS977の処理を実行した後、サブCPU102は、本サブルーチンを終了する。
<MB中処理>
図68を用いて、図59のステップS804で行われるMB中処理について説明する。図68は、本発明の一実施形態に係るパチスロの副制御回路において行われるMB中処理を示すフローチャートである。
まず、サブCPU102は、現在の遊技状態がRT2遊技状態であるか否かを判断する(ステップS981)。図58のステップS755で受信するスタートコマンドデータに、メインRAM95の遊技状態フラグ格納領域(図31(a)参照)に格納されている遊技状態フラグを示す情報が含まれるため、スタートコマンドデータを受信することにより、サブCPU102は、現在の遊技状態を認識することができる。
現在の遊技状態がRT2遊技状態であると判断した場合、サブCPU102は、上乗せ特化ゾーン中処理を実行する(ステップS988)。上乗せ特化ゾーン中処理については、後に図69を用いて説明する。上乗せ特化ゾーン中処理が実行されることにより、ARTゲーム数が上乗せされることとなる。ステップS988の処理を実行した後、サブCPU102は、本サブルーチンを終了する。
ステップS981において現在の遊技状態がRT2遊技状態ではないと判断した場合、サブCPU102は、図60のステップS831で行われたART抽籤に当籤したか否かを判断する(ステップS982)。
図60のステップS831で行われたART抽籤に当籤しなかったと判断した場合、サブCPU102は、図60のステップS834でセットした演出データに基づいて、ガセMB中チャレンジ演出を実行する(ステップS983)。その後、サブCPU102は、本サブルーチンを終了する。
一方、図60のステップS831で行われたART抽籤に当籤したと判断した場合、サブCPU102は、図60のステップS833でセットした演出データに基づいて、本MB中チャレンジ演出を実行する(ステップS984)。
次に、サブCPU102は、MB遊技状態において行われる単位遊技が8ゲーム目であるか否か(現在行われている単位遊技がMB遊技状態における最終ゲームであるか否か)を判断する(ステップS985)。MB遊技状態において行われる単位遊技が8ゲーム目ではないと判断した場合、サブCPU102は、本サブルーチンを終了する。
一方、MB遊技状態において行われる単位遊技が8ゲーム目であると判断した場合、サブCPU102は、ART準備中フラグをオンにセットする(ステップS986)。このように、本MB中チャレンジ演出が行われた場合、MB遊技状態の最終ゲームにART準備中に移行する。そして、上げリプ1〜9を入賞させるための押し順が報知され(図62のステップS862参照)、上げリプ1〜9が入賞することにより、ARTに移行することとなる(図67のステップS964参照)。
次に、サブCPU102は、ARTゲーム数カウンタに「50」をセットする(ステップS987)。その後、サブCPU102は、本サブルーチンを終了する。
<上乗せ特化ゾーン中処理>
図69を用いて、図68のステップS988で行われる上乗せ特化ゾーン中処理について説明する。図69は、本発明の一実施形態に係るパチスロの副制御回路において行われる上乗せ特化ゾーン中処理を示すフローチャートである。
まず、サブCPU102は、MB遊技状態において行われる単位遊技が8ゲーム目であるか否か(現在行われている単位遊技がMB遊技状態における最終ゲームであるか否か)を判断する(ステップS1001)。
MB遊技状態において行われる単位遊技が8ゲーム目であると判断した場合、サブCPU102は、最終上乗せゲーム数を報知する(ステップS1002)。この処理において、サブCPU102は、図66のステップS943又はステップS944で決定した最終上乗せゲーム数を液晶表示装置11に表示させる。
次に、サブCPU102は、ARTゲーム数カウンタ(図61のステップS846及び図68のステップS987参照)の値に最終上乗せゲーム数を加算する(ステップS1003)。この処理において、サブCPU102は、サブRAM103に記憶されているARTゲーム数カウンタの値に、図66のステップS943又はステップS944で決定した最終上乗せゲーム数を加えた値を、新たなARTゲーム数カウンタの値としてサブRAM103に記憶させる。ステップS1003の処理を実行した後、サブCPU102は、本サブルーチンを終了する。
ステップS1001において、MB遊技状態において行われる単位遊技が8ゲーム目ではないと判断した場合、サブCPU102は、MB遊技状態において行われる単位遊技が1ゲーム目であるか否かを判断する(ステップS1004)。MB遊技状態において行われる単位遊技が1ゲーム目ではないと判断した場合、サブCPU102は、本サブルーチンを終了する。
一方、MB遊技状態において行われる単位遊技が1ゲーム目であると判断した場合、サブCPU102は、強チェリーストックカウンタ(図67のステップS974参照)の値が0であるか否かを判断する(ステップS1005)。
強チェリーストックカウンタの値が0ではないと判断した場合、サブCPU102は、強チェリーストックカウンタの値を1減算するとともに、ARTゲーム数の上乗せを行う(ステップS1006)。この処理において、サブCPU102は、サブRAM103に記憶されている強チェリーストックカウンタの値から1を減じた値を、新たな強チェリーストックカウンタの値としてサブRAM103に記憶させる。また、サブCPU102は、上乗せゲーム数を、10ゲーム、30ゲーム、及び、50ゲームのなかから、抽籤により決定する。そして、サブCPU102は、ARTゲーム数カウンタ(図61のステップS846及び図68のステップS987参照)の値に、抽籤により決定された上乗せゲーム数を加えた値を、新たなARTゲーム数カウンタの値としてサブRAM103に記憶させる。
ステップS1006の処理を実行した後、サブCPU102は、ステップS1005に処理を戻す。これにより、強チェリーストックカウンタの値(特殊ARTにおいて強チェリーが入賞した回数)に相当する回数だけ、ステップS1006においてARTゲーム数の上乗せが行われる。
ステップS1005において強チェリーストックカウンタの値が0であると判断した場合、サブCPU102は、弱チェリーストックカウンタ(図67のステップS972参照)の値が0であるか否かを判断する(ステップS1007)。
弱チェリーストックカウンタの値が0ではないと判断した場合、サブCPU102は、弱チェリーストックカウンタの値を1減算するとともに、ARTゲーム数の上乗せを行う(ステップS1008)。この処理において、サブCPU102は、サブRAM103に記憶されている弱チェリーストックカウンタの値から1を減じた値を、新たな弱チェリーストックカウンタの値としてサブRAM103に記憶させる。また、サブCPU102は、上乗せゲーム数を、5ゲーム、10ゲーム、及び、20ゲームのなかから、抽籤により決定する。そして、サブCPU102は、ARTゲーム数カウンタ(図61のステップS846及び図68のステップS987参照)の値に、抽籤により決定された上乗せゲーム数を加えた値を、新たなARTゲーム数カウンタの値としてサブRAM103に記憶させる。
ステップS1008の処理を実行した後、サブCPU102は、ステップS1007に処理を戻す。これにより、弱チェリーストックカウンタの値(特殊ARTにおいて弱チェリーが入賞した回数)に相当する回数だけ、ARTゲーム数の上乗せが行われる。弱チェリーが1回入賞したことに基づいて上乗せされるARTゲーム数は、強チェリーが1回入賞したことに基づいて上乗せされるARTゲーム数と比較すると、その期待値は低くなる。
ステップS1007において弱チェリーストックカウンタの値が0であると判断した場合、サブCPU102は、合計上乗せゲーム数を報知する(ステップS1009)。この処理において、サブCPU102は、ステップS1006で上乗せされたARTゲーム数とステップS1008で上乗せされたARTゲーム数との合計値を、液晶表示装置11に表示させる。ステップS1009の処理を実行した後、サブCPU102は、本サブルーチンを終了する。
<ペナルティ処理>
図70を用いて、図67のステップS977で行われるペナルティ処理について説明する。図70は、本発明の一実施形態に係るパチスロの副制御回路において行われるペナルティ処理を示すフローチャートである。
まず、サブCPU102は、現在の遊技状態がMBフラグ間であるか否かを判断する(ステップS1021)。図58のステップS755で受信するスタートコマンドデータに、メインRAM95の持越役格納領域(図31(b)参照)に格納されている情報が含まれるため、スタートコマンドデータを受信することにより、サブCPU102は、現在の遊技状態を認識することができる。現在の遊技状態がMBフラグ間ではないと判断した場合、サブCPU102は、本サブルーチンを終了する。
一方、現在の遊技状態がMBフラグ間であると判断した場合、サブCPU102は、中段ベルを入賞させるための押し順ナビ演出(図21の当籤番号22〜45参照)が実行されたか否かを判断する(ステップS1022)。中段ベルを入賞させるための押し順ナビ演出が実行されたと判断した場合、サブCPU102は、本サブルーチンを終了する。
一方、中段ベルを入賞させるための押し順ナビ演出が実行されていないと判断した場合、サブCPU102は、中段ベルが入賞したか否かを判断する(ステップS1023)。図58のステップS765で受信する表示コマンドデータに表示役を示す情報が含まれるため、表示コマンドデータを受信することにより、サブCPU102は、入賞判定ラインに沿って表示された図柄組合せを認識することができる。中段ベルが入賞していないと判断した場合、サブCPU102は、本サブルーチンを終了する。
一方、中段ベルが入賞したと判断した場合、サブCPU102は、ペナルティを発生させる(ステップS1024)。この処理において、サブCPU102は、ペナルティフラグをオンにセットするとともに、ペナルティゲームカウンタ数を所定数(10)にセットする。ペナルティフラグは、ペナルティが発生している期間であることを示すフラグである。図示しないが、ペナルティフラグがオンにセットされている場合には、ARTにおいて押し順ナビ演出が実行されない。ペナルティゲームカウンタ数は、ARTにおいて押し順ナビ演出が実行されない単位遊技(ペナルティゲーム)の残り回数を示し、サブRAM103に記憶されている。ペナルティゲームカウンタ数は、単位遊技が行われるごとに減算され、ペナルティゲームカウンタ数が0になると、ペナルティフラグがオフにセットされる。ステップS1024の処理を実行した後、サブCPU102は、本サブルーチンを終了する。
ARTにおいては通常、中段ベルを入賞させるための押し順ナビ演出(図20参照)が実行され、遊技者は、ナビに従って停止操作を行い、中段ベルを入賞させることにより、他の役が入賞した場合よりも多く(10枚)のメダルを獲得することができる(図15参照)。しかし、ペナルティゲームにおいては、押し順ナビ演出が実行されないため、遊技者は、中段ベルを入賞させることが困難になり、本来獲得することができた10枚のメダルの払出を受けることができなくなってしまう。
図4で説明したように、特殊ART(MBフラグ間)において、ナビに従って角チェリーを入賞させることにより、ARTゲーム数上乗せの利益を享受するのではなく、ナビに従わず中段ベルを入賞させることにより、多く(10枚)のメダルを獲得しようとする遊技者が出現する可能性がある。本実施形態では、このように、ナビに従わず中段ベルを入賞させることにより10枚のメダルを獲得した遊技者に対して、獲得した分(10枚)のメダルが使用されるまで、ARTにおいてナビを行わないというペナルティを課している。
<リール停止コマンド受信時処理>
図71を用いて、図58のステップS764で行われるリール停止コマンド受信時処理について説明する。図71は、本発明の一実施形態に係るパチスロの副制御回路において行われるリール停止コマンド受信時処理を示すフローチャートである。
まず、サブCPU102は、ART中フラグ(図67のステップS964参照)がオンにセットされているか否かを判断する(ステップS1041)。
ART中フラグがオンにセットされていると判断した場合、サブCPU102は、ペナルティ音設定処理を実行する(ステップS1042)。ペナルティ音設定処理については、後に図72を用いて説明する。
ステップS1041においてART中フラグがオンにセットされていないと判断した場合、又は、ステップS1042の処理を実行した後、サブCPU102は、本サブルーチンを終了する。
<ペナルティ音設定処理>
図72を用いて、図71のステップS1042で行われるペナルティ音設定処理について説明する。図72は、本発明の一実施形態に係るパチスロの副制御回路において行われるペナルティ音設定処理を示すフローチャートである。
まず、サブCPU102は、押し順ナビ演出が実行されたか否かを判断する(ステップS1061)。
押し順ナビ演出が実行されていないと判断した場合、サブCPU102は、変則押し(「左」→「中」→「右」とは異なる順序での停止操作)が行われたか否かを判断する(ステップS1062)。図58のステップS763で受信するリール停止コマンドデータに停止リールの種別を示す情報が含まれるため、リール停止コマンドデータを受信することにより、サブCPU102は、ストップボタンの操作された順序(押し順)を認識することができる。
変則押しが行われたと判断した場合、サブCPU102は、ペナルティ音を発生させる(ステップS1063)。この処理において、サブCPU102は、変則押しを行うことが禁止されていることを示唆する音をスピーカから発生させる。これにより、遊技者が変則押しを行うことを抑止することができる。
ステップS1061において押し順ナビ演出が実行されたと判断した場合、ステップS1062において変則押しが行われていないと判断した場合、又は、ステップS1063の処理を実行した後、サブCPU102は、押し順ナビが無視されたか否かを判断する(ステップS1064)。この処理において、サブCPU102は、押し順ナビ演出により報知される押し順とは異なる押し順で、ストップボタンが操作されたか否かを判断する(ステップS1064)。
押し順ナビが無視されたと判断した場合、サブCPU102は、ペナルティ音を発生させる(ステップS1065)。この処理において、サブCPU102は、押し順ナビを無視することが禁止されていることを示唆する音をスピーカから発生させる。これにより、遊技者が押し順ナビを無視することを抑止することができる。
ステップS1064において押し順ナビが無視されていないと判断した場合、又は、ステップS1065の処理を実行した後、サブCPU102は、本サブルーチンを終了する。
以上、図1〜図72を用いて、本発明の実施形態について説明した。
上述した実施形態によれば、遊技状態(サブ)として、通常遊技状態及びARTが設けられている。ARTは、AT遊技状態であり、且つ、RT2遊技状態である状態である。
AT遊技状態は、内部当籤役を入賞させるための押し順(ストップボタンの停止順序)が報知される状態である。AT遊技状態において、所定の押し順役(適切な順序でストップボタンが押下されることにより入賞が成立する内部当籤役、図20及び図21参照)が内部当籤した場合、該押し順役に対応する押し順が報知されると、遊技者は、報知された押し順に従ってストップボタンを操作することにより、該押し順役を入賞させることができる。
上述した実施形態では、AT遊技状態において、内部当籤役として押し順役が決定された場合、該押し順役を入賞させるために必要な押し順を報知するための画像(押し順ナビ画像)が液晶表示装置11に表示されることとして説明した。しかし、AT遊技状態における押し順の報知は、画像による報知に限定されず、音や光を用いて報知を行うこととしてもよい。
また、AT遊技状態において報知されるものは、押し順役を入賞させるために必要な押し順に限定されない。AT遊技状態においては、所定の役を入賞させるために必要な何らかの情報が報知されればよい。例えば、押し順役として複数の内部当籤役が設定されており、内部当籤役ごとに上記適切な順序が予め定められている場合、内部抽籤により決定された内部当籤役を報知することとしてもよい。内部当籤役ごとの上記適切な順序を把握している遊技者は、内部抽籤により決定された内部当籤役を知ることができれば、上記適切な順序で停止操作を行うことができる。また、適切なタイミングで停止操作が行われた場合に入賞が成立することとし、AT遊技状態では、当該適切なタイミングを報知することとしてもよい。
上述した実施形態によれば、遊技状態(サブ)が通常遊技状態からARTに移行するルートとして、第1のルートと第2のルートとが設けられている。第1のルートが、前兆演出を介して通常遊技状態からARTに移行するルートであり、第2のルートが、MB中チャレンジ演出を介して通常遊技状態からARTに移行するルートである。
本発明において、上記第1のルートに係る前兆演出の内容は、特に限定されない。例えば、リールの下に設けられた台座ライトの色によって、ART抽籤に当籤したか否かを示唆してもよい。また、所定のミッションを発生させることとし、ミッションがクリアされた場合にARTに移行させることとしてもよい。例えば、指定した小役が所定回数入賞した場合にARTに移行させることとしてもよい。この場合、例えば、「10ゲーム以内にリプレイ又はベルを入賞させる」というミッション、「8ゲーム以内にリプレイを入賞させる」というミッション、及び、「8ゲーム以内にベルを入賞させる」というミッションが段階的に設定されており、一のミッションをクリアすることにより次のミッションに移行し、全てのミッションがクリアされた場合にARTに移行させることとしてもよい。ミッションの内容は、液晶表示装置に表示することによって、遊技者に報知されることとすればよい。また、所定の押し順(逆押し)で所定の図柄(赤7図柄)が揃った場合にARTに移行させることとしてもよい。さらに、BETボタンを連打することを遊技者に促し、液晶表示装置の上部に設置された役物が落下した場合にARTに移行させることとしてもよい。
また、本発明において、上記第2のルートに係るMB中チャレンジ演出の内容は、特に限定されない。例えば、BETボタンの操作に応じて、液晶表示装置に表示されたキャラクタ(敵)に向かって役物によって攻撃する演出を行うこととしてもよい。また、MB遊技状態における最終ゲームにおいて、本MB中チャレンジ演出(図68のステップS984参照)が終了した後、所定の抽籤を行い、該抽籤に当籤した場合には、(図68のステップS987におけるARTゲーム数の付与とは別途)ARTゲーム数を上乗せしてもよい。この場合には、所定の演出(例えば、フリーズを発生させる演出)を行うことにより、ARTゲーム数が上乗せされたことを報知してもよい。フリーズを発生させる演出とは、スタートレバーが操作された後ストップボタンの操作が無効となる時間が通常よりも長くなる演出である。
上述した実施形態によれば、ARTにおいて、MBが内部当籤すると、特殊ARTが作動する。特殊ARTは、ARTゲーム数を増加(上乗せ)させるための状態であり、遊技者は、ART中に特殊ARTが作動すること(MBが内部当籤すること)を期待しながら遊技を行うこととなる。
上述した実施形態では、ARTにおいてMBが内部当籤した場合、すぐに特殊ARTが作動するのではなく、所定期間に亘って、特殊ART前兆演出が実行される(図63及び図64参照)。特殊ART前兆演出は、特殊ARTが作動することを示唆する演出である。
ここで、ARTにおいてMBが内部当籤した場合、同時にチャンスリプレイが内部当籤している(MBとチャンスリプレイとが重複当籤している)場合がある(図16(a)の内部当籤番号52、及び、図17の小役・リプレイ用データポインタ13参照)。この場合には、押し順が報知されることにより、基本的にチャンスリプレイが入賞する。逆に言うと、チャンスリプレイが入賞した場合には、MBが内部当籤している可能性、すなわち、特殊ARTが作動する可能性がある。従って、チャンスリプレイに対応する図柄の組合せ(図14参照)が入賞判定ラインに沿って停止表示されたことを視認した遊技者に対して、特殊ARTが作動することへの期待感を抱かせることができる。
一方で、チャンスリプレイが内部当籤しているもののMBが内部当籤していない場合もある(図16(a)の内部当籤番号13、及び、図17の小役・リプレイ用データポインタ13参照)。この場合にも、基本的にチャンスリプレイが入賞することとなるが(図20参照)、MBが内部当籤していないため、特殊ARTは作動しない。すなわち、チャンスリプレイが入賞したからと言って、MBが内部当籤している(特殊ARTが作動する)とは限らない。
そして、MBとチャンスリプレイとが重複当籤した場合だけではなく、MBとチャンスリプレイとのうちチャンスリプレイのみが内部当籤した場合にも、特殊ART前兆演出が実行される。MBとチャンスリプレイとが重複当籤した場合には、特殊ART前兆演出の後、特殊ARTが作動することになり、この場合に行われる特殊ART前兆演出は、所謂本前兆演出である。一方、MBとチャンスリプレイとのうちチャンスリプレイのみが内部当籤した場合には、特殊ARTは作動せず、この場合に行われる特殊ART前兆演出は、所謂ガセ前兆演出である。
ここで、上述した実施形態では、ART中非持越状態(ARTであってMBフラグ間ではない状態)において、第1特定役(中段ベル)と第2特定役(角チェリー)と第3特定役(左特殊役)とが内部当籤した場合(図16(a)の内部当籤番号22〜45、並びに、図17及び図18の小役・リプレイ用データポインタ22〜45参照)、ストップボタンの押し順と入賞役との関係は以下のようになる。
すなわち、第1特定停止操作が行われることにより、第1特定役(中段ベル)が入賞し得る。第1特定停止操作とは、当籤番号が22〜29の場合には「中」→「左」→「右」又は「中」→「右」→「左」の順での停止操作であり、当籤番号が30〜37の場合には「右」→「左」→「中」の順での停止操作であり、当籤番号が38〜45の場合には「右」→「中」→「左」の順での停止操作である(図20参照)。
第2特定停止操作が行われることにより、第3特定役(左特殊役)が入賞し得る。第2特定停止操作とは、「左」→「中」→「右」又は「左」→「右」→「中」の順での停止操作である(図20参照)。
これに対し、ART中持越状態(ARTであってMBフラグ間である状態)において、第1特定役(中段ベル)と第2特定役(角チェリー)と第3特定役(左特殊役)とが内部当籤した場合(図16(a)の内部当籤番号22〜45、及び、図17の小役・リプレイ用データポインタ22〜45参照)、ストップボタンの押し順と入賞役との関係は以下のようになる。
すなわち、第1特定停止操作が行われることにより、第1特定役(中段ベル)が入賞し得る。第1特定停止操作とは、当籤番号が22〜29の場合には「中」→「左」→「右」又は「中」→「右」→「左」の順での停止操作であり、当籤番号が30〜37の場合には「右」→「左」→「中」の順での停止操作であり、当籤番号が38〜45の場合には「右」→「中」→「左」の順での停止操作である(図21参照)。このような押し順と入賞役との関係は、ART中非持越状態(非MBフラグ間)の場合と同じである。
第2特定停止操作が行われることにより、第2特定役(角チェリー)が入賞し得る。第2特定停止操作とは、「左」→「中」→「右」又は「左」→「右」→「中」の順での停止操作である(図21参照)。このような押し順と入賞役との関係は、ART中非持越状態(非MBフラグ間)の場合と異なっている。
このように、ART中非持越状態(非MBフラグ間)とART中持越状態(MBフラグ間)とで(すなわち、MBが内部当籤しているか否かによって)、第2特定停止操作が行われた場合(第1停止操作として左リールに対する停止操作が行われた場合)に入賞する役が異なっている。そして、遊技機に精通していて熟練した遊技者であれば、このことを知っている可能性があり、そのような遊技者は、第2特定停止操作(第1停止操作として左リールに対する停止操作)を意図的に行って、第2特定役(角チェリー)と第3特定役(左特殊役)とのうち何れの役が入賞するのかを確認することにより、MBが内部当籤しているか否か(すなわち、特殊ARTが作動するか否か)を容易に推測することが可能である。これでは、MBとチャンスリプレイとのうちチャンスリプレイのみが内部当籤した場合に特殊ART前兆演出(すなわち、ガセ演出)が実行されることとした意義が失われてしまう。
この点、上述した実施形態では、特殊ART前兆演出が実行されている期間において、第1特定役(中段ベル)と第2特定役(角チェリー)と第3特定役(左特殊役)とが内部当籤した場合、上記第1特定停止操作に係る押し順が報知される(図64のステップS901参照)。上述したように、第1特定停止操作が行われた場合には、ART中非持越状態(非MBフラグ間)であってもART中持越状態(MBフラグ間)であっても(すなわち、MBが内部当籤しているか否かとは無関係に)、第1特定役(中段ベル)が入賞する。従って、当該報知を通じて、第1特定停止操作を行うことを遊技者に促し(第2特定停止操作が行われることを阻止し)、遊技機に精通していて熟練した遊技者であっても、MBが内部当籤しているか否か(すなわち、特殊ARTが作動するか否か)を推測することが困難な状況を創出することができる。
このように、特殊ART前兆演出が実行されている期間において、第1特定役(中段ベル)と第2特定役(角チェリー)と第3特定役(左特殊役)とが内部当籤した場合に、上記第1特定停止操作に係る押し順が報知されることとした意義に鑑みれば、本特殊ART前兆演出とガセ特殊ART前兆演出とは同一の演出であることが望ましい。すなわち、特殊ART前兆演出が実行されている期間においては、MBが内部当籤している場合とMBが内部当籤していない場合とで、ロムカートリッジ基板に記憶されている演出データのなかから、同一の演出データをセットするように構成されていることが望ましい。
また、上述した実施形態では、ART中持越状態(MBフラグ間)において、ART中非持越状態(非MBフラグ間)と比較して、第1特定役(中段ベル)と第2特定役(角チェリー)と第3特定役(左特殊役)とが内部当籤した場合(図16(a)の内部当籤番号22〜45、及び、図17の小役・リプレイ用データポインタ22〜45参照)に、第2特定停止操作が行われた場合(第1停止操作として左リールに対する停止操作が行われた場合)に入賞する役が、第3特定役(左特殊役)から第2特定役(角チェリー)に変更されていることとして説明した。しかし、本発明において、ART中非持越状態中に第1特定役と第2特定役と第3特定役とが内部当籤した場合であって、第2特定停止操作が行われた場合に入賞する役は、第3特定役ではなく第1特定役であってもよい。この場合、第3特定役は、第1特定役及び第2特定役と重複当籤しないように構成されていてもよい。
上述した実施形態によれば、ART中持越状態(ARTであってMBフラグ間である状態)において、第1特定役(中段ベル)と第2特定役(角チェリー)とが内部当籤役として決定された場合、第1特定停止操作が行われると第1特定役(中段ベル)が入賞し、第2特定停止操作が行われると第2特定役(角チェリー)が入賞する。そして、ART中持越状態(特殊ART)において第2特定役(角チェリー)が入賞したことに基づいて、ARTゲーム数が増加する。
ここで、上述した実施形態によれば、ART中持越状態(特殊ART)において、第1特定役(中段ベル)と第2特定役(角チェリー)とが内部当籤役として決定された場合、第1特定停止操作に係る押し順、又は、第2特定停止操作に係る押し順が報知される。第2特定停止操作に係る押し順が報知された場合、遊技者は、該押し順に従って第2特定停止操作を行うことにより、第2特定役(角チェリー)を入賞させることができる。これにより、ARTゲーム数が増加するという利益を遊技者が享受しやすい状況を創出することができる。
また、上述した実施形態によれば、ARTにおいて特別役(MB)が内部当籤役として決定された場合、リプレイの当籤確率が変動することはなく、リプレイ高確率遊技状態(RT2遊技状態)が維持される。すなわち、ART中持越状態(特殊ART)を発生させるに当たり、RT状態を変動させていない。上述した実施形態によれば、RT状態を変動させるのではなく、第2特定停止操作に係る押し順を報知して第2特定役(角チェリー)の入賞確率を高めることにより、ARTゲーム数が増加するという利益を遊技者に享受させているのである。従って、遊技状態の管理を簡易にすることが可能となり、ARTゲーム数を増加させるための状態を発生させるに当たり、主制御回路におけるデータ領域を圧迫させてしまうことを防止することができる。
また、上述した実施形態によれば、ART中非持越状態(非MBフラグ間)において、第1特定役(中段ベル)と第2特定役(角チェリー)と第3特定役(左特殊役)とが内部当籤役として決定された場合、第1特定停止操作が行われると第1特定役(中段ベル)が入賞し、第2特定停止操作が行われると第3特定役(左特殊役)が入賞する。一方、ART中持越状態(MBフラグ間)において、第1特定役(中段ベル)と第2特定役(角チェリー)と第3特定役(左特殊役)とが内部当籤役として決定された場合、第1特定停止操作が行われると第1特定役(中段ベル)が入賞し、第2特定停止操作が行われると第2特定役(角チェリー)が入賞する。
すなわち、ART中非持越状態(非MBフラグ間)とART中持越状態(MBフラグ間)とでは、停止制御が異なっており、ART中非持越状態(非MBフラグ間)では第2特定停止操作が行われても第2特定役(角チェリー)は入賞しないが、ART中持越状態(MBフラグ間)では第2特定停止操作が行われると第2特定役(角チェリー)が入賞する。このように、ARTゲーム数を増加させる契機となる第2特定役(角チェリー)は、ART中非持越状態(非MBフラグ間)からART中持越状態(MBフラグ間)に移行して、停止制御が変更されることにより初めて入賞可能となるため、第2特定役(角チェリー)に対する遊技者の関心を高めることができる。
また、上述した実施形態によれば、確変レベルが高いほど、第2特定停止操作に係る押し順を報知すると決定される確率が高い。従って、確変レベルが高いほど、第2特定役(角チェリー)が入賞しやすく、その結果、ARTゲーム数も増加しやすい。このように、第2特定停止操作に係る押し順を報知すると決定される確率が互いに異なるモード(レベル)を設けることにより、ARTゲーム数の増加のしやすさにバリエーションを持たせることができ、これにより、遊技の興趣を向上させることができる。そして、より高い確変レベルに移行することに期待感を抱きながら、遊技者に遊技を行ってもらうことができる。
上述した実施形態では、上乗せ特化ゾーン(MB遊技状態)が作動するのを待って、特殊ART(MBフラグ間)において第2特定役(角チェリー)が入賞した回数に基づいて、ARTゲーム数が加算(上乗せ)されることとして説明した(図69のステップS1006及びステップS1008参照)。しかし、本発明において、ARTゲーム数が上乗せされるタイミングは特に限定されず、特殊ARTにおいて第2特定役が入賞した場合、特殊ART中にARTゲーム数を上乗せすることとしてもよい。例えば、特殊ARTにおいて第2特定役が入賞した場合、BAR制御リプ1が入賞した場合(図67のステップS976参照)のように、すぐにARTゲーム数を上乗せすることとしてもよい。
本発明においては、ARTゲーム数の上乗せに関し、他の態様を適宜採用してもよい。例えば、特殊ARTにおける第2特定役の入賞に基づいて算出された上乗せゲーム数(例えば、図69のステップS1006で上乗せされたARTゲーム数とステップS1008で上乗せされたARTゲーム数との合計値)が所定ゲーム数に満たない場合、所定ゲーム数に対して不足しているゲーム数をさらに上乗せしてもよい。すなわち、第2特定役の入賞に基づいて上乗せされるARTゲーム数の最小値(最低保障ゲーム数)を設定することとしてもよい。この場合、第1上乗せ特化ゾーンにおいて上乗せされる最低保障ゲーム数(例えば、50ゲーム)を、第2上乗せ特化ゾーンにおいて上乗せされる最低保障ゲーム数(例えば、30ゲーム)よりも多くしてもよい。
上述した実施形態では、特殊ART(MBフラグ間)において、角チェリー(強チェリー又は弱チェリー)を入賞させるための押し順が報知されない場合には、中段ベル(押し順ベル)を入賞させるための押し順が報知されることとして説明した(図36参照)。すなわち、角チェリー(強チェリー又は弱チェリー)を入賞させるための押し順と、中段ベル(押し順ベル)を入賞させるための押し順とのうち、何れかの押し順が必ず報知されることとして説明した。しかし、本発明においては、第2特定停止操作を行うために必要な停止操作情報(例えば、角チェリーを入賞させるための押し順)を報知すると決定されなかった場合、他の役を入賞させるために必要な停止操作情報は報知されないこととしてもよい。なお、第2特定停止操作を行うために必要な停止操作情報(例えば、角チェリーを入賞させるための押し順)を報知するか否かを決定する方法は、図36の発生ナビ決定テーブルを用いた方法に限定されず、任意の抽籤による方法を採用することができる。
上述した実施形態によれば、ART中持越状態(特殊ART)において、押し順ナビ演出が実行された場合であって、ナビが無視された場合(遊技者が当該ナビに従わなかった場合)、遊技者に対してペナルティが課される。一方で、ART中非持越状態(特殊ARTではない通常のART)において、そのような停止操作が行われた場合、ペナルティは課されないが、ペナルティが発生することを示唆する音が出力される。
ART中非持越状態(特殊ARTではない通常のART)において、このような出力(警告)が行われることにより、ART中持越状態(すなわち、遊技者がナビに従わなかった場合に、実際にペナルティが課される状態)に移行するのに先立ち、ナビが行われた場合に当該ナビに従った停止操作を行うよう、遊技者に対して事前の注意喚起を行うことができる。また、ナビが行われた場合には当該ナビに従うよう、遊技者を条件付けることができる。これにより、ART中持越状態(特殊ART)において、操作ミス等により、報知された内容とは異なる停止操作を遊技者が行ってしまう可能性を低減させることが可能となり、ペナルティが課されることにより遊技者の意欲を減退させてしまうことを防止することができる。
また、上述した実施形態によれば、上述したように、ART中持越状態(特殊ART)において、第1特定役(中段ベル)と第2特定役(角チェリー)とが内部当籤役として決定され、第2特定停止操作に係る押し順が報知された場合、当該報知に従って第2特定停止操作が行われることにより、第2特定役(角チェリー)が入賞する。これにより、ARTゲーム数が増加する。一方で、上述した実施形態によれば、第1特定役(中段ベル)が入賞した場合に、第2特定役(角チェリー)が入賞した場合よりも多くのメダルが払い出される。
このような状況において、報知に従って第2特定停止操作を行うことにより第2特定役(角チェリー)を入賞させ、ARTゲーム数増加の利益を享受するのではなく、報知に従わず第1特定停止操作を行うことにより第1特定役(中段ベル)を入賞させ、多くのメダルを獲得しようとする遊技者が出現する可能性がある。このような停止操作が行われることは、遊技機メーカが推奨するものではなく、遊技機メーカとしては、このような停止操作が行われることにより出玉率が高くなってしまうという事態を避けたいところである。
この点、上述した実施形態によれば、第2特定停止操作に係る押し順が報知された場合に、第2特定停止操作ではなく第1特定停止操作が行われると(第1特定役(中段ベル)を入賞させるための押し順により停止操作が行われると)、遊技者に対してペナルティが課される。また、上述したように、報知された内容とは異なる停止操作が行われた場合にペナルティ音による警告が行われることから、報知に従った停止操作を行うよう、遊技者を促すことができる。これにより、報知に従わないことによって、遊技者が多くのメダルを獲得し、遊技機を攻略してしまうことを防止することができる。
上述した実施形態では、ナビに従わず中段ベルを入賞させることにより10枚のメダルを獲得した遊技者に対して、ARTにおいてナビを行わないというペナルティを課すこととして説明した(図70参照)。本発明における不利益の内容は、特に限定されず、このように、遊技者にとって有利な制御を行わないようにするための構成を適宜採用することができる。例えば、ART中持越状態(特殊ART)において第2特定役(例えば、角チェリー)が入賞しても、ARTゲーム数を増加させないように構成されていてもよい。具体的には、ペナルティフラグがオンにセットされている場合には、ARTゲーム数の上乗せに係る処理(例えば、図67のステップS972及びステップS974の処理、図69のステップS1003、ステップS1006、ステップS1008の処理等)を実行しないように構成されていてもよい。また、ARTへの移行に係る処理(例えば、図60のステップS822、ステップS831の処理等)を実行しないように構成されていてもよい。
また、上述した実施形態では、押し順ナビが無視された場合、押し順ナビを無視することが禁止されていることを示唆する音(ペナルティ音)をスピーカから発生させることとして説明した(図72参照)。本発明において、不利益が発生することを示唆する出力は、音によるもの(スピーカを用いた出力)に限定されず、画像(液晶表示装置を用いた出力)や光(LEDを用いた出力)によるものであってもよい。また、ストップボタンを振動させることにより、当該示唆を行ってもよい。
以下、変形例について説明する。
上述した実施形態では、当籤番号12、47、48、及び、51の何れかが内部当籤役として決定された場合に、第1のルートに係るART抽籤が行われることとして説明した(図60のステップS821参照)。また、当籤番号49、52、及び、53の何れかが内部当籤役として決定された場合に、第2のルートに係るART抽籤が行われることとして説明した(図60のステップS830参照)。しかし、本発明において、第1のルートに係るART抽籤が行われる契機、及び、第2のルートに係るART抽籤が行われる契機は特に限定されない。例えば、決定された内部当籤役の種別にかかわらず、毎回の単位遊技においてART抽籤が行われることとしてもよい。また、上述した実施形態とは異なる所定の役(例えば、弱チェリー、強チェリー、スイカ等)が内部当籤した場合や、当該役がテンパイとなったものの入賞しなかった場合に、前兆演出やMB中チャレンジ演出に移行させることとしてもよい。
また、遊技状態(サブ)が通常遊技状態からARTに移行するルートは、上述した第1のルート及び第2のルートに限定されない。例えば、所定回数(例えば、1000回)の単位遊技に亘ってARTに移行しない状態が継続した場合(例えば、前回のARTが終了した後に行われた単位遊技の回数が天井ゲーム数に到達した場合)に、ART抽籤が行われることとしてもよい。この場合、例えば、リールの横に設けられたミニ液晶表示装置において、単位遊技が1回行われるごとにキャラクタがビルを1階ずつ登っていく様子を表示し、キャラクタが屋上に到達したときにART抽籤が行われることとしてもよい。キャラクタがビルを登っていく間、所定のタイミングで、キャラクタが屋上に到達するまでの残りゲーム数を示唆する台詞を出力してもよい。なお、キャラクタが屋上に到達したときに行われるART抽籤を契機としてARTに移行する場合、上述した第1のルート及び第2のルートによりARTに移行する場合よりも、ARTゲーム数を多くしてもよい。
また、本発明においては、ARTゲーム数の上乗せが行われる状態(ゾーン)として、下記第1上乗せゾーン及び第2上乗せゾーンを設けてもよい。
第1上乗せゾーンでは、所定回数(例えば、10回)の単位遊技を1つのセットとして、1セットの間に所定数のポイント(例えば、50ポイント)を獲得することにより、ARTゲーム数の上乗せが行われる。例えば、入賞役ごとにポイントの数が設定されており、一の単位遊技において何らかの役が入賞した場合、該役に対して設定された数のポイントを獲得することができる。例えば、ベルに対して10ポイント、スイカに対して30ポイント、リプレイに対して20ポイントが設定されている場合、1セットの間に、ベルとスイカとリプレイとが1回ずつ入賞した場合には、合計60ポイント(50ポイント以上)を獲得することができるため、ARTゲーム数の上乗せが行われる。
一のセットにおいて所定数のポイントを獲得することができなかった場合には、その時点で第1上乗せゾーンは終了する。一方、一のセットにおいて所定数のポイントを獲得することができた場合には、該一のセットの終了時にARTゲーム数の上乗せが行われ、その後、別のセットが発生する。これにより、第1上乗せゾーンは継続する。当該別のセットにおいて所定数のポイントを獲得することができた場合には、該セットの終了時にさらにARTゲーム数の上乗せが行われる。その後、さらに別のセットが発生し、第1上乗せゾーンが継続する。これにより、所定数のポイントを獲得し続ける限り、セットが次々と継続され、各セットの終了時にARTゲーム数の上乗せが行われることとなる(「セット+ARTゲーム数上乗せ」が継続する)。1セットの間に所定数以上のポイントを獲得した場合、所定数を超過した分のポイントは、次回のセットに繰り越される。上記の例では、1セットの間に60ポイントを獲得しており、超過分の10ポイントが次回のセットに繰り越されることとなる。
また、1セットの間に所定数のポイントを獲得することができる確率が互いに異なるモードが複数設けられている。上記所定数(1セットの間に獲得すべきポイントの数)及び各役が入賞した際に獲得可能なポイントの数は、モードに基づいて抽籤により決定される。1セットの間に所定数のポイントを獲得することができる確率が高いモードほど、上記所定数(1セットの間に獲得すべきポイントの数)として小さな値が決定されやすく、各役が入賞した際に獲得可能なポイントの数として大きな値が決定されやすい。そのため、上記確率が高いモードほど、第1上乗せゾーンの継続率が高くなる。第1上乗せゾーンが開始するときに、複数のモードのなかから一のモードが決定される。
第2上乗せゾーンは、所定回数(例えば、7回)の単位遊技が行われる間継続する。第2上乗せゾーンでは、毎回の単位遊技において必ず、ARTゲーム数の上乗せが行われる。上乗せゲーム数は、第2上乗せゾーンにおいて入賞した役によって異なっている。ART中に入賞した役に基づいて、第2上乗せゾーンへ移行させるか否かの抽籤が行われ、該抽籤に当籤したことを契機として、第2上乗せゾーンへ移行する。第2上乗せゾーンにおいて所定の役(例えば、ベルやリプレイ)が内部当籤すると、当該所定の役が内部当籤した単位遊技の次の単位遊技において、特殊ARTに移行するチャンス(特殊ARTチャンス)が発生し、成功すれば特殊ARTに移行する。特殊ARTチャンスは、1ゲームのチャレンジゲームであり、当該ゲームにおいて入賞した役によって、特殊ARTに移行するか否かの確率が変動する。
第2上乗せゾーンを経由して移行する特殊ARTにおいては、レア役(例えば、強チェリーや強スイカ)が入賞した場合にARTゲーム数の上乗せが行われる。一方で、当該特殊ARTにおいては、リールロック演出が行われる。リールロック演出では、遊技者からは、リールが停止したように見えるが、実際にはリールは停止していない。そのため、リールロック演出が行われることにより、複数回の疑似遊技が行われる可能性がある。このような疑似遊技においてARTゲーム数の上乗せが行われる。
また、本発明においては、ARTが終了した後、ARTを継続するためのチャレンジゲームを発生させてもよい。当該チャレンジゲームは、所定回数(例えば、2回)の単位遊技から構成され、所定回数の単位遊技全てで所定の役(例えば、ベル)が入賞した場合に、ARTが継続する。所定の役を入賞させるのに失敗した時点で、チャレンジゲームは終了する。レア役(例えば、強チェリーや強スイカ)又は特定の役が入賞すると、単位遊技が所定回数行われるのを待たずに、その時点でARTの継続が確定する。
以上、本発明の実施形態を説明したが、具体例を例示したに過ぎず、特に本発明を限定するものではなく、各手段等の具体的構成は、適宜設計変更可能である。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。