JP2017221422A - 骨膜下インプラント体の製作方法 - Google Patents

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【課題】安全で時間を節約し、精度が高く、痛みを減少し、歯骨の極度な萎縮を解決する骨膜下インプラント体の製作方法を提供すること。【解決手段】歯骨が萎縮した部位の歯骨画像ファイルを、設計ソフトウェアで編集可能な歯骨デジタルファイルに変換し、歯骨デジタルファイルを設計編集して歯骨実体模型ファイルを製作し、3Dプリント設備で歯骨実体模型ファイルから歯骨実体模型を製造し、歯骨実体模型から骨膜下インプラント体蝋型を製作し、骨膜下インプラント体蝋型をスキャンして設計ソフトウェアで編集可能な骨膜下インプラント体蝋型ファイルとして保存し、骨膜下インプラント体蝋型ファイルを編集して、製造設備で読み取り可能な骨膜下インプラント体ファイルを形成し、CNCフライス盤を利用して骨膜下インプラント体ファイルに従い最終製造、研磨、クリーニングを行って実体骨膜下インプラント体を形成する。【選択図】図1

Description

本発明は、歯骨の極度な萎縮を解決する骨膜下インプラント体の製作方法に関する。
歯が欠損した患者は、その口腔歯骨が極度に萎縮した(骨量分類レベル4−歯槽骨がすでに吸収され尽くし、基底骨も吸収されて極めて少量のみ残る)状態では、従来の歯科インプラントによる再建を採用できないが、このケースでは一般に次の2種類の医療的方法による処置が多く採用されている。
1つ目の医療的方法:過去、Branemark(インプラント体のブランド名)は「Zygoma(頬骨)歯科インプラント」処置を提案している。これは、長いインプラント体構造を口腔から頬骨に埋入し、口腔中に延伸された複数本のインプラント体を利用して人工歯で歯を再建するものである。
欠点:口腔の歯槽骨が極度に萎縮している歯の欠損患者はほとんどが年長者で、身体状況が虚弱であるが、Zygoma歯科インプラント法を採用した場合、創傷が比較的大きく、全身麻酔による入院手術が必要となり、年長者がこのような大規模な手術を受ける際リスクも相対して高くなるため、患者及びその家族にとって、生理的、心理的に相当の重い負担となる。
2つ目の医療的方法:約50〜60年前、歯科業界では「骨膜下歯科インプラント」法が採用されたことがある。この方法は2回の手術を経る必要があり、まず患者の歯肉を切開してフラップし、骨の模型を取得して、インプラント体の設計を行う。インプラント体の設計が完了し、患者の1回目の手術の創傷の回復を待った(約1〜2か月)後、再度患者の歯肉に2回目の切開フラップ術を行い、インプラント体を埋入する必要がある。
欠点:骨の模型を取得するとき、血量の制御が難しく、骨の模型の精密度に影響する。歯肉創傷が回復する時間を置き、再び手術の恐怖に直面しなければならず、2回の大きな切開フラップ術が患者に極めて大きい心身の負担を強いる。かつこの方法のインプラント体はチタン合金の人工鋳造方式で製作され、チタン金属は流動性が悪いため、インプラント体を円滑に製造することができず、失敗率が極めて高い。
上述の2種類の医療的方法の欠点により、長い間にわたって、臨床口腔で歯槽骨が極度に萎縮した歯の欠損患者に真に効果的に応用されていない。
本発明が解決しようとする課題は、前述の方法の欠点に鑑み、現代医用画像及びCAD/CAMソフトウェア・ハードウェア、3Dプリント、CNC彫刻設備などのハイテク技術を応用して、真に安全で時間を節約し、精度が高く、痛みを減少した効果の高い医療を達成することができ、歯骨の極度な萎縮を解決する骨膜下インプラント体の製作方法を提供することにある。
上述の目的を達するため、本発明の歯骨の極度な萎縮を解決する骨膜下インプラント体の製作方法は、その工程が、a:歯骨萎縮部位に対して断層撮影を行い、歯骨の画像ファイルを取得する工程と、b:設計ソフトウェアにより前記歯骨画像ファイルを設計ソフトウェアで編集可能な歯骨デジタルファイルに変換する工程と、c:前記設計ソフトウェアにより前記歯骨デジタルファイルに対して設計編集を行い、歯骨実体模型ファイルを製作する工程と、d:3Dプリント設備を利用して前記歯骨実体模型ファイルから歯骨実体模型を製造する工程と、e:前記歯骨実体模型をベース材として骨膜下インプラント体蝋型を製作する工程と、f:立体スキャン設備を利用して前記骨膜下インプラント体蝋型に対してスキャンを行い、かつ前記設計ソフトウェアで編集可能な骨膜下インプラント体蝋型ファイルとして保存する工程と、g:前記設計ソフトウェアで前記骨膜下インプラント体蝋型ファイルに対して編集を行い、製造設備で読み取り製作に供することができる骨膜下インプラント体ファイルを形成する工程と、h:CNCフライス盤を利用して前記骨膜下インプラント体ファイルに従い最終製造、研磨、クリーニングを実施して実体骨膜下インプラント体を形成する工程と、を含む。
d1:前記歯骨実体模型に対して石膏で複製品模型を製作し、工程e中のベース材の代替として用いる工程を含むことがある。
前記歯骨実体模型はラピッドプロトタイピング技術(Rapid Prototyping、略称「RP」)模型であってもよい。
前記断層撮影は立体X線画像撮影としてもよい。
前記骨膜下インプラント体は64チタン(Ti−6Al−4V、チタン合金)とすることがある。
本発明によれば、患者が旧式の手術、インプラント体の頬骨埋入、歯肉剥離掻爬の2回の痛みと高いリスク等を回避し、精度が低く、失敗率が高いインプラント体の製作フローを排除して、安全に、かつ短時間で、極度に委縮した歯骨に対応した精度の高い骨膜下インプラント体を得ることができる。
本発明の実施例を示す骨膜下インプラント体の製作方法のフローチャートである。 本発明の実施例にかかる石膏複製製作のフローチャートである。 本発明の実施例にかかる設計ソフトウェアで変換して編集した歯骨実体模型ファイルの概略図である。 本発明の実施例にかかる3Dプリントで製造した歯骨実体模型の概略図である。 本発明の実施例にかかる歯骨実体模型をベース材として製作した骨膜下インプラント体蝋型の概略図である。 本発明の実施例にかかるスキャン後ファイル保存された骨膜下インプラント体蝋型ファイルの概略図である。 本発明の実施例にかかるフライス盤で製造された骨膜下インプラント体の概略図である。
以下、図面に基づいて本発明の具体的な実施例を詳細に説明する。
図1及び図1Aに、骨膜下インプラント体の製作方法のフローチャートと石膏複製製作のフローチャートをそれぞれ示す。
本発明の歯骨の極度な萎縮を解決する骨膜下インプラント体の製作方法は、その工程が、a:歯骨萎縮部位に対して断層撮影(立体X線画像撮影)を行い、歯骨の画像ファイルを取得する工程(断層撮影段階と見なす)と、b:設計ソフトウェアにより前記歯骨画像ファイルを設計ソフトウェアで編集可能な歯骨デジタルファイルに変換する工程(データ変換段階と見なす)と、c:前記設計ソフトウェアにより前記歯骨デジタルファイルに対して設計編集を行い、デジタル歯骨模型ファイルを製作する工程(ソフトウェア設計段階と見なす)と、d:3Dプリント設備を利用して前記歯骨実体模型ファイルから歯骨実体模型を製造する工程(ラピッドプロトタイピング、略称「RP」模型、実体模型3Dプリント段階と見なす)と、e:前記歯骨実体模型をベース材として骨膜下インプラント体蝋型を製作する工程(骨膜下インプラント体蝋型製作段階と見なす)と、f:立体スキャン設備を利用して前記骨膜下インプラント体蝋型に対してスキャンを行い、かつ前記設計ソフトウェアで編集可能な骨膜下インプラント体蝋型ファイルとして保存する工程(蝋型スキャンと設計段階と見なす)と、g:前記設計ソフトウェアで前記骨膜下インプラント体蝋型ファイルに対して編集を行い、製造設備で読み取り製作に供することができる骨膜下インプラント体ファイルを形成する工程と、h:CNCフライス盤を利用して前記骨膜下インプラント体ファイルに従い最終製造、研磨、クリーニングを実施して実体骨膜下インプラント体[64チタン(チタン合金)]を形成する工程(CNCフライス盤製作段階と見なす)と、を含む。
前述において、さらにd1:前記歯骨実体模型に対して石膏で複製品模型を製作し、工程e中のベース材の代替として用いる工程を含むことがある。
前述の工程aで採用するハードウェアは、(米国のGE Healthcare社製)GE Light Speed VCT 64 Slice CTであり、その規格はSlice 0.625mm、Time 60sec、Mx 240 8.0MHU Tube、Oil/Air Tube Cooling、3000 Image Series (Direct 3D)である。
前述の工程bとcで採用するソフトウェアは、(ベルギーのMaterialise社製)(1)Analyze PC 3.0 Mayo Foundation、(2)Mimics 6.3 Materialise、(3)Power Solution Delcam、(4)Projet 3510 SD&HD及び(5) 3D Systems(RP)である。
前述の工程dで採用するハードウェアは、(米国の3D Systems社製)(1) SLA−5000 3D System及び(2)Thermojet 3D Printer、3D Systemである。
前述の工程fで採用するハードウェアは(中国のShining 3D社製)Dental Scanner(DS200)であり、工程gで採用するソフトウェアは(ドイツのEXOCAD社製)EXOCADである。
前述の工程hで採用するハードウェアは、TDSデジタル5軸歯型模型加工機(ME−300HP)である。
図2、図3、図4、図5、図6に、本発明の設計ソフトウェアで変換して編集した歯骨実体模型ファイルの概略図、3Dプリントで製造した歯骨実体模型の概略図、歯骨実体模型をベース材として製作した骨膜下インプラント体蝋型の概略図、スキャンしてファイル保存された骨膜下インプラント体蝋型ファイルの概略図、フライス盤で製造された骨膜下インプラント体の概略図をそれぞれ示す。
歯骨が萎縮した患者に対して骨膜下インプラント体を製作する前に、先に歯骨が萎縮した部分に対して立体X線画像撮影で断層撮影を行い、歯骨画像ファイルを取得する必要がある。
この歯骨画像ファイルは画像ファイルで、歯骨デジタルファイル1に変換する必要がある。この歯骨デジタルファイル1を設計ソフトウェアで読み取り、設計編集に供することができる(図2参照)。また、この編集後の歯骨デジタルファイル1は、その編集された関連コードとパスを実体模型の製作設備(3Dプリント設備)に読み取らせることができ、3Dプリント設備はこのパスを介して歯骨デジタルファイル1の関連コードを読み取り、歯骨実体模型2(ラピッドプロトタイピング技術(Rapid Prototyping、略称「RP」)模型)を製作する(図3参照)。
製作が完了した歯骨実体模型からは患者の歯骨の実際の萎縮状態をはっきりと理解することができ、このとき骨膜下インプラント体を実体歯骨に完全に固定することができるように、歯骨の実体模型をベース材として骨膜下インプラント体蝋型3を製作する必要がある(図4参照)。
この骨膜下インプラント体蝋型3は最終的に製作を行うことができる型ではなく、さらに立体スキャン設備を利用して骨膜下インプラント体蝋型3のスキャンを行う必要がある。その工程は、製作した骨膜下インプラント体蝋型3を立体スキャン設備でスキャンして設計ソフトウェアが編集可能な骨膜下インプラント体蝋型ファイル4とした後、設計編集を行い、製造設備に読み取らせることが可能な骨膜下インプラント体蝋型ファイル4として保存する(図5参照)。
さらに、設計ソフトウェアを通じて骨膜下インプラント体蝋型ファイル4に各角度、湾曲度、長さ、幅等の異なるパラメータの編集と修正を行い、製造設備で製作のために読み取り可能な骨膜下インプラント体ファイルを形成した上で骨膜下インプラント体の完成品を製作し、かつ患者の実際の歯骨に応用したときによりフィットして、患者に不快感を与えないようにする。
前述において、さらにd1:前記歯骨実体模型に対して石膏で複製品模型を製作し、工程e中のベース材の代替として用いる工程を含むことに注目することができる。
上述の各工程に従って完了した断層撮影段階、データ変換段階、ソフトウェア設計段階、3Dプリント実体模型段階、骨膜下インプラント体蝋型製作段階、蝋型スキャンと設計段階の後、最終的な骨膜下インプラント体の型を確定することができ、最後に工程hでCNCフライス盤製作段階を完了し、CNCフライス盤(CNC「五軸精密彫刻機」)を利用してパスを介して設計ソフトウェアが作成した骨膜下インプラント体ファイル中の関連コードを読み取り、コードの指令に従って、医療用64チタン(Ti−6Al−4V、チタン合金)を彫刻し、骨膜下インプラント体5とする(図6参照)。
最後に、完成した骨膜下インプラント体は、患者が1度の骨膜下歯科インプラント手術のみを受けることで、口腔骨膜下に埋入される。
この骨膜下インプラント体の製作方法は、患者が旧式の手術、インプラント体の頬骨埋入、歯肉剥離掻爬の2回の痛みと高いリスクを回避し、精度が低く、失敗率が高いインプラント体の製作フローを排除して、真に安全で時間を節約し、痛みを減少した効果の高い医療を実現することができる。
なお、上述の実施例は、本発明の権利範囲を制限するものではなく、特許請求の範囲を逸脱しない変更を加えることが可能である。
1 歯骨デジタルファイル
2 歯骨実体模型
3 骨膜下インプラント体蝋型
4 骨膜下インプラント体蝋型ファイル
5 骨膜下インプラント体

Claims (5)

  1. 歯骨の極度な萎縮を解決する骨膜下インプラント体の製作方法であって、
    a:歯骨が萎縮した部位に対して断層撮影を行い、歯骨画像ファイルを取得する工程と、
    b:設計ソフトウェアにより前記歯骨画像ファイルを設計ソフトウェアで編集可能な歯骨デジタルファイルに変換する工程と、
    c:前記設計ソフトウェアで前記歯骨デジタルファイルに対して設計編集を行い、歯骨実体模型ファイルを製作する工程と、
    d:3Dプリント設備を利用して前記歯骨実体模型ファイルから歯骨実体模型を製造する工程と、
    e:前記歯骨実体模型をベース材として骨膜下インプラント体蝋型を製作する工程と、
    f:立体スキャン設備を利用して前記骨膜下インプラント体蝋型に対してスキャンを行い、前記設計ソフトウェアで編集可能な骨膜下インプラント体蝋型ファイルとして保存する工程と、
    g:前記設計ソフトウェアで前記骨膜下インプラント体蝋型ファイルに対して編集を行い、製造設備で製作のために読み取り可能な骨膜下インプラント体ファイルを形成する工程と、
    h:CNCフライス盤を利用して前記骨膜下インプラント体ファイルに従い最終製造、研磨、クリーニングを行って実体骨膜下インプラント体を形成する工程と、
    を含むことを特徴とする、骨膜下インプラント体の製作方法。
  2. さらにd1:前記歯骨実体模型に対して石膏で複製品模型を製作し、工程e中のベース材の代替として用いる工程を含むことを特徴とする、請求項1に記載の骨膜下インプラント体の製作方法。
  3. 前記歯骨実体模型がラピッドプロトタイピング技術(Rapid Prototyping、略称「RP」)模型であることを特徴とする、請求項1に記載の骨膜下インプラント体の製作方法。
  4. 前記断層撮影が立体X線画像撮影であることを特徴とする、請求項1に記載の骨膜下インプラント体の製作方法。
  5. 前記骨膜下インプラント体が64チタン(Ti−6Al−4V、チタン合金)であることを特徴とする、請求項1に記載の骨膜下インプラント体の製作方法。
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