JP2017216107A - 導光板装置及び窓照明装置 - Google Patents
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Description
以下、本発明の実施の形態1に係る導光板装置を用いた窓照明装置について説明する。図1は、実施の形態1に係る導光板装置1を用いた窓照明装置の分解斜視図である。
窓照明装置は、導光板11及び導光板11に複数個配置された導光体12から構成される導光板装置1、点状光源2、反射板31、32、筐体本体41、筐体蓋42から構成される。導光板11の入射面11aは屋外側、出射面11bは室内側として窓枠に設置されるものである。
また、図2は、導光板装置1を用いた窓照明装置の点状光源2付近を拡大した拡大断面図である。
導光板11は、透光性の高い樹脂で形成された厚さが薄い直方体である。導光板11は、外部(屋外)からの光が入射される入射面11a、入射面11aに対向し室内側に配置される出射面11b、片方の反射板31に設置された点状光源2からの光が入射される端面11cを有し、端面11cから入射した光を入射面11aと出射面11bの間で反射して導光するものである。導光板11は、端面11cより導光板11内に光を入射させた場合に、導光板11内を光が伝搬し、伝搬する光が入射面11aと出射面11bで全反射を起こす材質及び形状であればよい。全反射は、屈折率が大きい媒質から小さい媒質に光が入る時に起きる現象である。よって、導光板11の材質は導光板装置1の外部と大きく屈折率が異なる透光性の高い材質が望ましく、例えば空気中で使用する場合には、空気中よりも屈折率が大きい樹脂であるメタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ガラス等を用いることができる。また、導光板11の形状も上述したものに限らず、板を曲面とした形状等でもよい。
なお、図1には、点状光源2の配置面とそれに対向する面に反射板31、32が設けられている状態を図示しているが、これらに直交する端面を覆うように配置される反射板も図示していないが設けられており、導光板11の全ての端面を反射板が覆っている。
ここで、接平面とは、導光体12の側面123に接する平面である。例えば、それぞれの面123a〜123cが図2の切断面で切断された時の切断線を含み切断面に垂直な平面が接平面である。なお、導光体12の側面が、切断面において曲線を有する形状の場合には、その曲線と接する接線を含み切断面と垂直な平面が接平面となる。接平面で定義したが、導光体12の側面123自身でも定義することは可能である。
導光体12は、より具体的には、接合面121、光放射面122、および第一の面123a、第二の面123b、第三の面123cを含む側面123を有する形状である。導光体12の接合面121は直径がaの円形である。光放射面122は、接合面121の中心軸と同じ中心軸を有し、直径がbの円形である。導光体12の高さはcであり、第一の面123a、第二の面123b、第三の面123cのそれぞれの高さは、高さcを3等分した高さ方向の幅h=c/3である。また、それぞれの面123a〜123cと接する接平面と接合面121との成す角度は、90度以下であり、それぞれの角度を接合面121から近い方からα、β、γとすると、この順に大きくなっている。
図3に示すように、導光体12の側面123には、導光板11から接合面121を介して導光体12に入射し、側面123で反射した光が導光体12上部の光出射面122から放出するように、接合面121に対して外側に傾斜させるように構成すればよい。
図2において、矢印は点状光源2が点灯した際に、点状光源2の光が導光板11の端面11cから導光板11に入射し伝搬する伝搬経路を2通り示したものである。
導光板11の端面11cから導光板11内部に入射する光のうち、導光板11の出射面11b側に向かった光は、出射面11bを全反射した後、再び入射面11aを全反射している。このように、光は入射面11aと出射面11bとを全反射することにより導光板11内部を伝搬する。入射面11aと導光体12が設置されていない出射面11bの部分では、空気との間で屈折率が大きく異なるため、全反射させることができる。
一方、導光板11の端面11cから導光板11内部に入射する光のうち、導光板11の入射面11a側に向かった光は、入射面11aを反射する。その後、導光板11の出射面11bと導光体12の接合面121が接合している部分に入射すると、その部分では反射せずに透過して導光体12内部に入射する。導光体12が導光板11と同じ材質で形成されているため、出射面11bと導光体12の接合面121と接合している部分において、空気との間でみられるような屈折率が大きく異なる境界が存在しない。このため、全反射の現象が起こらずに導光板11の出射面11bから導光体12の接合面121へ光が直進する。導光体12内部に入射した光は、導光体12の側面を反射した後、導光体12の光放射面122から外部に放出される。
図5は、実施の形態1に係る導光板装置1の導光体12に入射した光の伝搬経路を示す拡大断面図である。図5において、3つの矢印は導光板11内部の光が導光板11の出射面11bと導光体12の接合面121が接合している部分に入射した光の伝搬経路を3通り示したものである。図5に示すように、導光板11内の光は接合面121から導光体12内に入射した場合、入射する位置や角度に応じて、第一の面123a、第二の面123b、第三の面123cにあたる。この時、それぞれの面に対して接合面121から入射してくる光の入射角度は、臨界角よりも大きくなるため全反射する。全反射した光は、光放射面122に入射するが、光放射面122に対する入射光の入射角度は臨界角よりも小さいため全反射せずに透過する。よって、点状光源2の光は光放射面122から放出されることとなる。
まず、導光板装置1の端面11cから光を入射した場合の入射面11aと出射面11bからの光放出量のシミュレーション結果について述べる。導光板装置1は、端面11cから光源を入射した場合に光源光量の90%近くを出射面11bから出射し、2.5%を入射面11aから出射する結果となった。わずかに入射面11aから光が出射するのは、光放射面122を透過するときに発生する界面反射光である。
広がり角90度の光とは90度の範囲のどの方向に対しても同じ光量となるように拡散された光であり、広がり角が0度の光は、垂直な方向に向かう光のみのことである。入射面11a側から光が入射された場合、図6の黒い丸で示すように、広がり角が0度の垂直な光が入射されると90%近くが透過し、広がり角が40°まで広がった光に対しても70%以上が透過しており、外光の多くを取り入れられることがわかる。一方、出射面11b側から光が入射された場合の透過率は、図6の白い四角で示すように、どの広がり角の光でも50%台の透過率となっており、ほぼ半分の光が反射していることがわかる。つまり、室内からの光を室内に反射して有効利用できるものである。
比較例として、平板の天窓の透過率と広がり角の関係を図7に示す。平板の場合は、屋外から屋内、および屋内から屋外への双方とも同じ光の広がり角依存性を示し、どの光の広がり角に対しても透過率は85〜90%と高い。これに比べ、本実施の形態1の導光板装置1では、屋内すなわち出射面11b側からの光の透過率は、ほぼどの広がり角の光でも50%台の透過率となり、室内からの光を室内すなわち出射面11bに反射して戻すことで室内側で有効利用できることがわかる。
よって、本実施の形態に係る窓照明装置を天窓として使用すると、平板の採光窓に比べ、南中時の採光は平板の採光窓と同等の性能を有し、また夜間は屋内光の半分は反射し、その分部屋の明るさを明るく維持することが可能となる。
例えば、導光板装置1の導光板11と導光体12とは3Dプリンタを用いた高解像プリントにより一体形成される。また、量産する場合は導光板11と導光体12とを図10に示すような構造体として製造することが可能である。導光体12は導光体支持板13の表面に射出成形やプレス成形を用いて一体形成されている。この状態で導光体12の光放射面122は導光体支持板13に接合されている。これを別に成形しておいた導光板11に接合することで、導光板11と導光体12とを持つ構造体を製造できる。このような構造の場合、導光体12が2枚の平板に挟まれた構造となるため、導光体12が破壊されにくくなるばかりでなく、断熱効果も向上させることができる。上述した導光体12の開口比率b/aが大きい場合にも、ガラス材料によるプレス成形が可能となり、より耐光性の高い材料を用いることができるようになる。
また、点状光源2を点灯した際には、導光板11の端面11cから入射した点状光源2の光は、導光板11内の入射面11aと出射面11bを全反射しながら伝搬し、導光体12の接合面121と導光板11の出射面11bが接合している部分に入射した場合に導光体12内部に入射し、導光体12の光放射面122から放射される構造となっているので、導光板装置1の出射面11b側のみに点状光源2の光を出射することができる。
つまり、本発明に係る窓照明装置は、昼間は外光を室内に取り入れ、夜間は室内側のみを照明し、かつ、室内の光を屋外へ透過させないので、光を有効に利用することができる。
次に、本実施の形態2に係る導光板装置1について説明する。実施の形態2では、導光体12の側面の形状が実施の形態1と異なる。
本実施の形態2に係る導光板装置1の導光体12の形状の詳細について述べる。図11は、実施の形態2に係る導光板装置の導光体12の断面図である。導光体12は、導光板11の出射面11bに接合される円形の接合面121、接合面121と対向する円形の光放射面122を有する。また、導光体12は、接合面121と光放射面122とをつなぐ側面123を有する。導光体12の側面123は、側面123の任意の位置における接平面と接合面121とで成す角度が90度以下であり、接合面121から近い方の面における接平面と接合面121とで成す角度より大きい形状である。
点Oを基準として、図11における導光体の側面上の点の座標(x、y)を前記接合面の端部である点Oから側面123に伸ばした線の長さr、およびこの線と接合面121との成す角度θを用いて表すと次のようになる。
次に、本実施の形態3に係る導光板装置1について説明する。実施の形態1では1つの導光板装置1を用いて窓照明装置としたが、実施の形態3では2つの導光板装置1を組み合わせて窓照明装置とする。
図13は、本実施の形態3係る導光板装置1を用いた窓照明装置の分解斜視図である。筐体本体41と筐体蓋42に、2つの導光板装置1、点状光源2、反射板31、32が収納されている。
導光板装置1は、透光性の高いガラス樹脂で形成されているがわずかに光を吸収するため、長距離を伝搬させると光は減衰する。よって、点状光源2の光の利用効率を高く維持するには、点状光源2の配列方向に直交する導光板11の幅は短い方がよく、そのためには図13に示すような2分割、あるいはそれ以上に複数に分割すれば幅を短くできる。
点状光源2の配列方向に直交する導光板装置1の幅は、導光板11の厚さに依存し、例えば厚さ2.5mmの導光板11であれば、150〜250mmとするのが良い。この幅を超える面光源が必要な場合は、導光板装置1及び点状光源2、反射板31、32を継ぎ足すことにより、大面積化することが可能である。
11.導光板
11a.入射面
11b.出射面
12.導光体
121.接合面
122.光放射面
123.側面
123a.第一の面
123b.第二の面
123c.第三の面
2.点状光源
31.32.反射板
41.筐体本体
42.筐体蓋
Claims (5)
- 外部からの光が入射される入射面、
前記入射面に対向する出射面、
光源からの光が入射される端面を有し、
前記端面から入射した光を前記入射面と前記出射面の間で反射して導光する導光板と、
前記導光板の前記出射面に接合される接合面、
前記接合面と対向する光放射面、
前記接合面と前記光放射面とをつなぐ側面
を有する導光体とを備えた導光板装置において、
前記導光体の前記側面は、
前記側面に接する接平面と前記接合面とで成す角度が90度以下であることを特徴とする導光板装置。 - 前記導光体の前記側面は、
前記接平面と前記接合面とで成す角度が異なる角度となる複数の面を含み、かつ、前記複数の面のうち前記接合面から遠い方の面における前記接平面と前記接合面とで成す角度の方が、前記複数の面のうち前記接合面から近い方の面における前記接平面と前記接合面とで成す角度より大きい形状であることを特徴とする請求項1に記載の導光板装置。 - 前記導光体の前記側面は、
前記導光体の臨界角がθCである場合に、
前記接合面の端部から前記側面に伸ばした線の長さrと前記線と前記接合面との成す角度θがln(r)=θtanθC+Constを満たす形状であることを特徴とする請求項1に記載の導光板装置。 - 請求項1から3いずれかに記載の導光板装置と、前記光源とを備えた窓照明装置。
- 前記導光板は、
前記入射面から入射した光を前記入射面に対向する前記出射面に導光して前記出射面から出射し、
前記出射面から入射した光を前記導光体の前記光放射面に導光して前記出射面から出射し、
前記導光体は、
前記導光板の前記出射面から前記導光体の前記接合面へ入射した光を前記光放射面から放出する請求項4に記載の窓照明装置。
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- 2016-05-31 JP JP2016108481A patent/JP6733317B2/ja active Active
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