JP2017214507A - 石油精製装置のナフサ脱硫装置における脱硫ナフサ中の塩酸の中和方法 - Google Patents

石油精製装置のナフサ脱硫装置における脱硫ナフサ中の塩酸の中和方法 Download PDF

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Abstract

【課題】原油や重油からLPG(液化石油ガス)、ナフサ、ガソリン、灯油や軽油等の各種石油製品を製造する石油精製装置のナフサ留分の水素化脱硫(ナフサ脱硫装置)で生成した、脱硫ナフサ中の塩酸の中和方法に関する。
【解決手段】有機塩素を含む原油処理工程における石油精製装置のナフサ脱硫装置の水導入配管に、中和剤を添加する。
【選択図】なし

Description

本発明は原油やコンデンセートからLPG(液化石油ガス)、ナフサ、ガソリン、灯油や軽油等の各種石油製品を製造する石油精製装置のナフサ脱硫装置における脱硫ナフサ中の塩酸の中和方法に関する。
製油所における一般的な石油精製工程について説明すると、原油やコンデンセートは産油国や備蓄基地から原油タンカーで製油所に運ばれ、いったん原油タンクに貯められる。
原油は、最初に常圧蒸留装置で蒸留し、蒸気圧の差を利用して、LPG(液化石油ガス)留分、ナフサ留分、灯油留分、軽油留分、残油等の各留分に分けられる。
また、残油は重油の成分とするか、またはさらに減圧蒸留装置で蒸留することにより、潤滑油留分、減圧軽油留分、減圧残油留分(アスファルト)等に分けられる。
これらの各留分は、硫黄分や窒素分等の不純物含有量や、密度やオクタン価等の性状が石油製品の品質規格を満足しないため、そのままでは石油製品となるものはほとんどなく、さらに水素化精製工程、接触改質工程、接触分解工程、重油脱硫/分解工程等で精製され、この精製された留分(基材)を調合することにより、品質規格を満足する石油製品となる。
例えば、石油製品中の硫黄分は、燃焼により亜硫酸ガスとなって大気中に排出され、大気汚染の一因となるため、石油製品別に硫黄濃度の規格が定められている。
各留分からの硫黄分の低減/除去する水素化精製工程では、水素化脱硫装置が使用される。水素化精製は、水素化脱硫や水素脱硫とも呼ばれる。
水素化脱硫は水素を利用した石油留分の精製のことであり、高温・高圧下で石油留分を水素と一緒に水素化脱硫触媒を通すことにより、硫黄、窒素、酸素、金属などの不純物を含む化合物を分解処理するものである。
水素化脱硫によって、不純物の低減/除去はもとより、製品の臭気、色相、貯蔵安定性、その他の性状も改善され、性状の優れた石油製品を生産することができ、結果、燃焼時の大気汚染の排出を大きく抑制することができる。
水素化脱硫装置には、各留分ごとに、ナフサ脱硫装置、灯油脱硫装置、軽油脱硫装置、潤滑油水素化脱硫装置、さらに、間接脱硫装置や直接脱硫装置等の重質油水素化脱硫装置がある。
これら水素化脱硫装置では、処理の対象となる各留分によって、水素化脱硫触媒、反応温度、反応圧力等の条件が異なる。
一般に、原油中に含まれる不純物には硫化水素、有機硫黄化合物、有機窒素化合物、ナフテン酸等の有機酸類、塩化ナトリウムや塩化マグネシウム等の塩類、鉄、鉛や水銀等の金属類、等がある。
近年、石油精製コスト削減の為、不純物濃度が比較的高い、安価な原油を利用して、石油製品を製造する機会が増えている。
通常、これらの不純物は、それぞれの不純物の蒸気圧等の性質によって、LPG(液化石油ガス)留分、ナフサ留分、灯油留分、軽油留分、残油等の各留分に移動する。
つまり、原油の種類、常圧蒸留や減圧蒸留の条件の違いにより、各留分中の不純物濃度は異なる。
次に、ナフサ留分の水素化脱硫を例にとり、ナフサ中に含まれる主な不純物の処理について説明する。ここで、ナフサ留分中の水素化脱硫装置を「ナフサ脱硫装置」、水素化脱硫装置で処理されたナフサ留分を「脱硫ナフサ」と言う。
ナフサ留分中の主な不純物は、有機硫黄化合物、有機窒素化合物、砒素、鉛などの金属である。また、まれであるが、原油、コンデンセートの産出時に使用する薬品由来の有機塩素化合物が混入する場合もある。
ナフサ脱硫触媒において、ナフサ留分中の有機硫黄化合物は分解され、硫黄分は硫化水素に転換される。
この硫化水素は、ナフサ脱硫触媒の後段にある液・ガス分離系で、脱硫ナフサからガスとして分離され、いくつかの装置を経由し最終的には硫黄として回収される。
また、ナフサ留分中の有機窒素化合物、有機塩素化合物は、分解され、それぞれ、アンモニアと塩酸に転換される。
アンモニアは、ナフサ脱硫触媒の後段にある液・ガス分離系にて、硫化水素および塩素と容易に反応し、配管閉塞や腐食を引き起こす原因となる水硫化アンモニウムおよび塩化アンモニウムを生成する。水硫化アンモニウムおよび塩化アンモニウムが水に溶解しやすいことを利用し、液・ガス分離系にて水と接触させることにより、水硫化アンモニウムおよび塩化アンモニウムを除去する。
一方で、塩酸は腐食性が強いため、ナフサ脱硫触媒の後段にある液・ガス分離系にて装置や配管の腐食を起こす。例えば、熱交換器では、塩酸腐食による開孔の発生などが生じることがある。
前述したとおり、原油、コンデンセートの産出時に使用する薬品由来の有機塩素化合物が混入する場合がある。
通常、有機塩素化合物の濃度が高い原油は、ナフサ留分中の有機塩素化合物の濃度も高くなる。結果、ナフサ脱硫で生成する塩酸も多くなる。
しかしながら、ナフサ脱硫装置で生成する塩酸が、アンモニアよりも多くなることで、脱硫ナフサを水と混合処理しても、脱硫ナフサ中の塩酸が残留することとなり、後段で装置や配管腐食を引き起こす。
また、脱硫ナフサを水と混合処理した後の処理水が、塩酸酸性となるため、同様に、装置や配管の腐食を引き起こしやすくなる。
上記、問題を回避すべく、あらかじめ脱硫ナフサと混合処理する水に、中和剤としてアンモニアを添加しておくことで、脱硫ナフサ中の塩酸を塩化アンモニウムに変換することができ、塩酸による装置や配管の腐食を回避できる。
しかし、ナフサ留分中の有機塩素化合物の濃度が高い場合、生成する塩化アンモニウムの量が多くなるため、脱硫ナフサを水と混合処理しても、脱硫ナフサ中から塩化アンモニウムを十分に除去することが困難となり、塩化アンモニウム腐食が起こりやすくなる。また、除去した塩化アンモニウムが水処理設備にてアンモニアを取り除くことにより、排水が酸性となり、塩酸による装置や配管の腐食が問題となる。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、ナフサ留分の水素化脱硫(ナフサ脱硫装置)で生成した、脱硫ナフサ中の塩酸の中和方法に関する。
すなわち、上記周辺技術の問題点に鑑みてなされたもので、前記の水処理設備に持ち込まれ悪影響を及ぼすことが無い中和剤を用いたナフサ脱硫装置で生成した脱硫ナフサ中の塩酸の中和方法を提供するものである。
具体的には、脱硫ナフサを水と混合処理する際、あらかじめ処理水に所定のアミン類を中和剤として所定量添加することにより、脱硫ナフサ中の塩酸を中和、水相に移動させることで、脱硫ナフサ中に含まれる塩酸の中和方法を提供するものである。
本発明者は上記課題を下記の手段により解決した。
(1)有機塩素化合物を含有するナフサ留分を水素化脱硫するナフサ脱硫装置において、脱硫ナフサ中に含まれる塩酸を第二級アミン、第三級アミン、第四級アンモニウムカチオン等のアミン中和剤を含有する水溶液と混合して中和処理することを特徴とする、脱硫ナフサ中に含まれる塩酸の中和方法。
(2)脱硫ナフサから分離された処理水のpHが5.0から7.0の範囲になるようにアミン中和剤の添加量を制御することを特徴とする(1)に記載の脱硫ナフサ中に含まれる塩酸の中和方法。
(3)アミン中和剤が N,N-ジメチルアミノエタノールおよび/またはコリンハイドロオキサイドであることを特徴とする(1)または(2)に記載の脱硫ナフサ中に含まれる塩酸の中和方法。
(4)前記アミン中和剤を洗浄水に対して式(1)による添加量を添加することを特徴とする(1)から(3)のいずれか1に記載の脱硫ナフサ中に含まれる塩酸の中和方法。
式(1)Y=1000×[(a×b×d)÷c]÷e÷f
(式中、Yは水に対する中和剤添加量(単位:volppm)を表し、aは脱硫装置の処理量(単位:kL)を表し、bは原料の密度(単位:kg/L) を表し、cは塩素の原子量35.45(単位:kg/kg-mol)を表し、dは原料中の塩素濃度(単位: massppm)を表し、eは中和剤の塩基濃度(単位:mol/L)を表し、fは洗浄水の量(単位kL)を表す。)
本発明のナフサ脱硫装置における塩酸の中和方法によって、後段の熱交換器等における塩酸腐食、開孔の発生が防止できる。
また、塩化アンモニウムの生成を最小限にできるため、結果として、塩化アンモニウム析出による配管閉塞、機器腐食の発生を防止することもできる。
さらに好ましいことに、本発明におけるアミン類はアンモニア等の揮発性の中和剤と比較して、安全性が高く取り扱いが容易である。
本発明の一実施形態に係るナフサ脱硫装置における脱硫ナフサ中の塩酸の中和方法を説明するための原油や重油から石油製品が製造されるまでの工程における構成を示すブロック図である。 本発明の一実施形態に係るナフサ脱硫装置における中和剤の導入工程における構成を示す図である。
以下、原油から脱硫ナフサが製造されるまでの工程における構成を示すブロック図1、ナフサ脱硫装置における中和剤の導入工程における構成を示す図2に基づいて脱硫ナフサ中の塩酸の中和方法について説明する。
ブロック図1に示すように、原油から脱硫ナフサが製造されるまでの工程における構成は、大きく分けて原油あるいはコンデンセートタンク(以下、原油タンク)1、常圧蒸留装置2、加熱炉3、ナフサ脱硫装置の反応塔4、熱交換器5、6、分離塔7とからなる。
8、9、10はポンプ、11は原油あるいはコンデンセート供給管、12、13、14は、ナフサ留分供給管、15、16、17、18、19、20、21、22、23は、ナフサ留分、脱硫ナフサ、中和剤、水、中和剤水溶液等が供給又は排出される配管で、15は加熱炉燃料供給管、16は中和剤水溶液供給管、17、18は水素供給管、22は中和剤導入管である。
24は前記加熱炉燃料供給管15に設けられた開閉弁、25は水容器、26は水供給管である。
ここで、ナフサ留分を供給するポンプ9から、脱硫ナフサと水素や硫化水素等のガス留分、処理水を分けるための分離塔7までが、本発明におけるナフサ脱硫装置である。
なお、本実施の形態は、ナフサ脱硫装置の一例であり、上記ポンプ9から分離塔7までの構成に限定されるものではない。
図2に示すように、中和剤を導入する工程における構成は、中和剤原液を保存する中和剤容器31、中和剤を調合し保存する中和剤調合容器32、中和剤を中和剤水溶液供給管16に供給するポンプ33、中和剤を中和剤調合容器32に供給する中和剤供給管34、水を中和剤調合容器に供給する水供給管35とからなる。
本発明の実施形態において、前記中和剤としてアミン類を用いる。また、中和剤容器としてドラム缶を用いているがこれに限定されるものではない。
以下図1及び図2に基づいて原油1からナフサが製造されるまでの工程について概略を説明する。
原油タンク1からポンプ8により原油供給管11を通り、原油が常圧蒸留装置2に供給される。
該原油あるいはコンデンセートは上記常圧蒸留装置2において蒸気圧の差で原油が蒸留されて、軽質留分として、ナフサ留分(沸点30℃〜180℃の間)が抜き出され、ポンプ9によりナフサ留分供給管12を通ったナフサ留分供給量が、熱交換器5の前で水素供給管17、18を通り供給される水素ガス(水素純度 約78%程度)と合流後、熱交換器5に供給される。
該熱交換器5で原料を余熱し、余熱されたナフサはナフサ留分供給管13を通り、加熱炉3で脱硫反応に必要な一定温度(300℃程度)まで加熱される。
開閉弁24は加熱炉燃料の供給量を調整する開閉弁であり、加熱炉燃料(オフガス:メタン、エタンの混合ガス等)を加熱炉燃料供給管15から加熱炉3に供給する。
加熱炉3で加熱されたナフサ留分はナフサ留分供給管14を通り水素化脱硫触媒が充填されている反応塔4で水素と触媒により脱硫され、脱硫ナフサとなる。
ナフサの用途により異なるが、このナフサ留分の水素化脱硫処理により、硫黄分の濃度は、約500 massppmからほぼゼロ(検出下限値 0.2 massppm未満)にまで低減される。
その後、脱硫ナフサは熱交換器5で冷却される。
一方、中和剤容器31からポンプ等(図示せず)により中和剤供給管34を通り中和剤調合容器32に供給された中和剤と水供給管35から中和剤調合容器32に供給された水とが混合してナフサ脱硫装置に導入する中和剤水溶液が調合される。
なお本実施の形態においては、水を中和剤に対し、1〜8倍に希釈して中和剤水溶液を調合し、脱硫ナフサに投入しているが、これに限定されるものではなく、ナフサ留分の塩素濃度、ナフサ脱硫装置の稼働状況等の条件に応じて適宜変更することができる。
そして中和剤調合容器32で調合された中和剤水溶液(アミン)をポンプ33により脱硫ナフサへの投入量を調整し、前記が中和剤導入管22から中和剤水溶液供給管16に導入し、該中和剤水溶液が混合された水がポンプ10により中和剤水溶液供給管16を通り、配管19において熱交換器5で冷却されたナフサと合流し、熱交換器6で冷却されたあと、分離塔7で水と脱硫ナフサとガス留分に分離される。
分離された水は配管20を通り、排水処理装置で浄化(COD値低減、pH調整等)される。
一方、分離塔7で分離された脱硫ナフサは配管21を通りナフサタンク(図示しない)に供給される。
また、水素や硫化水素等のガス留分は配管23を通り回収される。
以下本発明の実施例について説明する。
本発明者らは中和剤(アミン)について検討した結果、水溶性で、塩酸の中和能力が高く、アミン塩酸塩の腐食性が低いアミン、さらに、これらアミンの投入方法・投入条件について見出すことに成功した。
本実施の形態において使用する中和剤としては第二級アミン、第三級アミン、第四級アンモニウムカチオン等のアミン類が挙げられる。
上記本発明における、好ましい中和剤(アミン類)としては、第三級アミンであるジメチルアミノエタノール、トリエタノールアミン、第二級アミンであるジエチレントリアミン、ジメチルアミン、N-メチルエタノールアミン等が挙げられるがこれに限定される訳では無い。
なかでも、第三級アミンである N,N-ジメチルアミノエタノール、第四級アンモニウムカチオンであるコリンハイドロオキサイド等が特に好ましい。
例えば、第一級アミンであるモノエタノールアミン、エチレンジアミン等のアミンは水溶性で中和能力は高いが、アミン塩酸塩の腐食性が高いために使用できない。
また、N,N-ジメチルアミノエタノール、コリンハイドロオキサイド等のアミンは、揮発性が低く、ビタミンB複合体として広く動植物体内に存在する物質であり、危険物や劇物対象物に該当せず、変異原性等の有害性も無いことから、アンモニア等に比べて安全で取り扱いが容易である。
また、本実施の形態において中和剤を投入する条件として中和剤の添加量をナフサ留分中の塩素量によらず、脱硫ナフサから分離された処理水のpHにより制御する。
具体的には、分離塔7からの排水のpH(管理値)の範囲が好ましくは5.0〜7.0、より好ましくは6.5〜7.0である。
上記範囲を逸脱した場合、5.0以下の場合は中和剤の投入量が少ないため塩酸が除去できず脱硫ナフサ中の塩酸が残留することとなり、ナフサ脱硫装置や配管腐食を引き起こす。
また、7.0を超える場合は中和剤の使いすぎで排水処理装置の活性汚泥の活性低下等の問題が起こる。さらに無駄な費用を費やすことになる。
このように本実施の形態においては、中和剤投入後、分離塔7からの排水のpHがpH管理値(pH5.0〜7.0)以内になるようにポンプ33で中和剤投入量を調整し、pH管理値を超えることがあれば、ポンプ33を停止し、中和剤投入を停止する。
原料油中の塩素分1massppm以上(最高 3 massppm)の場合
本実施の形態においては、アミンとして、N,N-ジメチルアミノエタノール、コリンハイドロオキサイドを用いている。前記アミンを分離塔7からの排水のpH(管理値)を5.0〜7.0の範囲で投入した。
これらのアミンは、揮発度が低く、中和能力が高い。
また、安全性が高い。ビタミンB複合体として、広く動植物体内に存在する生理活性物質であり、変異原性等の問題はなく、危険物には該当しない(引火点無し)、劇物、PRTR制度(Pollutant Release and Transfer Register)の対象物に該当しない。
更に、高い潮解性が高く、流動性が高い。更にまたアミン塩酸塩の腐食性が低い。
事例1:原料中の有機塩素濃度が1 massppmの場合
表1に示す原料の密度(単位:kg/L)、塩素元素量、原料中の塩素濃度、中和剤の塩基濃度 (単位:kg-mol/kL)等の場合について洗浄水量に対するアミンの添加量を式(1)により算出した結果が426 volppmとなった。
式(1) Y=1000×[(a×b×d)÷c]÷e÷f
(式中、Yは洗浄水量に対する中和剤添加量(単位:volppm)を表し、aは脱硫装置の処理量(単位:kL/h)を表し、bは原料の密度(単位:kg/L) を表し、cは塩素元素量 35.45(単位:kg/kg-mol)を表し、dは原料中の塩素濃度(単位:massppm)を表し、eは中和剤の塩基濃度 (単位:kg-mol/kL)を表し、fは洗浄水の量(単位 kL/h)を表す。)
Figure 2017214507
原料中の有機塩素濃度が 3 massppmの場合
表2に示す原料の密度(単位:kg/L)、塩素元素量、原料中の塩素濃度、中和剤の塩基濃度 (単位:mol/L)等の場合について洗浄水量に対するアミンの添加量を式(1)により算出した結果が1279 volppmとなった。
Figure 2017214507
ここで、水の量を約3vol%としているのは、この値を遵守しないと以下記載の通り製品スペック、塩化アンモニウム析出など問題が発生するためである。
水を約3vol%以上とした場合はナフサの製品品質が遵守出来なくなること、約3vol%以下とした場合は塩化アンモニウムが析出してしまう為、配管閉塞など問題が発生するためである。
なお、原料油中の塩素分1massppm以下の場合は、中和剤を用いなくても開孔の発生が確認できなかった。また、最高 3 massppmを超える場合は、中和設備の能力を上回り、急激な腐食が見込まれるため、中和剤の投入ではなく運転変更(処理量減等)での対処が必要となる。
中和剤としてアンモニアを使用する場合と異なり、排水性状など他装置への影響を与えることなくナフサ製造に使用する脱硫装置における熱交換器の塩酸腐食による開孔の発生が防止できる。
本発明は主にナフサ脱硫装置における脱硫ナフサ中の塩酸の中和方法であるが、これに限られることなく、灯油、軽油、ガソリンの脱硫装置においても使用できる。
1:原油タンク
2:常圧蒸溜装置
3:加熱炉
4:ナフサ脱硫装置(反応塔)
5、6:熱交換器
7:分離塔
8、9、10、33:ポンプ
11:原油あるいはコンデンセート供給管
12、13、14:ナフサ留分供給管
15、16、17、18、19、20、21、22、23:ナフサ留分、脱硫ナフサ 、中和剤、水、中和剤水溶液等が供給又は排出される配管
24:開閉弁
25:水容器
26:水供給管
31:中和剤容器
32:中和剤調合容器
34:中和剤供給管
35:水供給管

Claims (4)

  1. 有機塩素化合物を含有するナフサ留分を水素化脱硫するナフサ脱硫装置において、脱硫ナフサ中に含まれる塩酸を第二級アミン、第三級アミン、第四級アンモニウムカチオン等のアミン中和剤を含有する水溶液と混合して中和処理することを特徴とする、脱硫ナフサ中に含まれる塩酸の中和方法。
  2. 脱硫ナフサから分離された処理水のpHが5.0から7.0の範囲になるようにアミン中和剤の添加量を制御することを特徴とする、請求項1に記載の脱硫ナフサ中に含まれる塩酸の中和方法。
  3. アミン中和剤が N,N-ジメチルアミノエタノールおよび/またはコリンハイドロオキサイドであることを特徴とする請求項1または2に記載の脱硫ナフサ中に含まれる塩酸の中和方法。
  4. 前記アミン中和剤を洗浄水に対して式(1)による添加量を添加することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の脱硫ナフサ中に含まれる塩酸の中和方法。
    式(1)Y=1000×[(a×b×d)÷c]÷e÷f12
    (式中、Yは水に対する中和剤添加量(単位:volppm)を表し、aは脱硫装置の処理量(単位:kL/h)を表し、bは原料の密度(単位:kg/L) を表し、cは塩素の原子量 35.45(単位:kg/kg-mol)を表し、dは原料中の塩素濃度(単位:massppm)を表し、eは中和剤の塩基濃度 (単位:mol/L)を表し、fは洗浄水の量(単位 kL/h)を表す。)
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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