JP2017214291A - 骨髄線維化の抑制剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の主目的は、骨髄線維症に伴う骨髄の線維化を抑制しうる新規な医薬を提供することにある。
【解決手段】本発明として、例えば、(1)JAK2阻害作用を有する化合物若しくはその医薬上許容される塩又はその溶媒和物、及びMEK阻害作用を有する化合物若しくはその医薬上許容される塩又はその溶媒和物を含有する、骨髄線維症に伴う骨髄の線維化を抑制するための医薬、(2)JAK2阻害作用を有する化合物若しくはその医薬上許容される塩又はその溶媒和物を含有する、MEK阻害作用を有する化合物若しくはその医薬上許容される塩又はその溶媒和物を含有する医薬と併用されることを特徴とする、骨髄線維症に伴う骨髄の線維化を抑制するための医薬などを挙げることができる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、JAK2阻害作用を有する化合物若しくはその医薬上許容される塩又はその溶媒和物、及びMEK阻害作用を有する化合物若しくはその医薬上許容される塩又はその溶媒和物を組み合わせてなる、骨髄線維症に伴う骨髄線維化を抑制するための医薬に関するものである。
骨髄線維症は骨髄に広範な線維化をきたす疾患の総称であり、原発性骨髄線維症と他疾患に伴って生じる続発性骨髄線維症に大別される。
原発性骨髄線維症では、造血幹細胞が腫瘍性増殖をきたし、そこで生じた巨核球を中心とした異常クローンからサイトカインが分泌されて線維芽細胞が反応性に増殖することで、骨髄の線維化が進行する。原発性骨髄線維症では、骨髄の線維化のほか、造血不全、脾腫大、全身症状の悪化など様々な臨床症状を示す。二次性骨髄線維症は種々の疾患に続発するが、骨髄異形成症候群、真正多血症、本態性血小板血症に続発することが多い。
原発性骨髄線維症の約半数の症例において、Janus kinase 2(以下、「JAK2」という。)の617番目のアミノ酸がバリンからフェニルアラニンへ置換された遺伝子変異(JAK2V617F変異)が見出されたことから、JAK2の活性化が原発性骨髄線維症発症の原因の一つと考えられている。
このような背景から、JAK2阻害剤の原発性骨髄線維症における臨床試験が進められてきたが、これまでに臨床使用されたJAK2阻害剤は脾腫大の縮小に一定の効果はあるものの、骨髄の線維化にはあまり有効ではないとの報告がある(例えば、非特許文献1、2を参照)。
一方、MAPK/ERK kinase (mitogen−activated protein kinase/extracellular Signal−regulated kinase kinase)(以下、「MEK」という。)は細胞増殖シグナルに関与する因子として知られており、その阻害剤(MEK阻害剤)は腫瘍細胞の増殖抑制剤として主に固形腫瘍患者を対象に臨床使用されている。しかしながら、MEK阻害剤単独ないしJAK2阻害剤との併用が、骨髄線維症に伴う骨髄線維化に有効であることは知られていない(例えば、非特許文献3、4、5を参照)。
WO2007/070514 WO2008/157208 WO2007/053452 WO2007/058627 WO2006/070195 WO2010/074947 WO2008/109943 WO2007/049041 WO2007/089768 WO2011/028864 WO2010/090290 WO2001/042246 WO2002/096909 WO2003/048162 WO2007/058628 WO2011/097525 WO2009/114512 WO2007/058627 WO2005/037800 WO2010/046035 WO2012/030885 WO2010/149769 WO2007/084557 WO2005/023251 WO2005/121142 WO2007/014011 WO2006/045514 WO2005/023251 WO2007/044515 WO2009/085983 WO2006/011466 WO2007/091736 WO2003/076424 WO2005/023792 WO2008/079814 WO1998/037881 WO1999/001426 WO2002/006213 WO1999/052869 WO1996/022985 WO2000/028324
Expert Opinion on Investigational Drugs.、2013年、22巻、687頁−699頁 Blood、2012年、119巻、2721頁−2730頁 Blood、2010年、116巻、Abstract、798頁 Leukemia advance online publication、2014年7月1日、doi:10.1038/leu.2014.176 第75回日本血液学会学術集会演題番号:OS−2−74,2013年10月12日(土) Leukemia、2008年、22巻、87頁−95頁
本発明の主目的は、骨髄線維症に伴う骨髄の線維化を抑制しうる新規な医薬を提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討した結果、JAK2阻害作用を有する化合物若しくはその医薬上許容される塩又はその溶媒和物とMEK阻害作用を有する化合物若しくはその医薬上許容される塩又はその溶媒和物とを組合わせて用いることにより、骨髄線維症に伴う骨髄の線維化を改善しうることを見出し、本発明の完成に至った。
即ち、本発明として、例えば、以下のものを挙げることができる。

(1)JAK2阻害作用を有する化合物若しくはその医薬上許容される塩又はその溶媒和物、及びMEK阻害作用を有する化合物若しくはその医薬上許容される塩又はその溶媒和物を含有する、骨髄線維症に伴う骨髄の線維化を抑制するための医薬。
(2)JAK2阻害作用を有する化合物若しくはその医薬上許容される塩又はその溶媒和物を含有する医薬、及びMEK阻害作用を有する化合物若しくはその医薬上許容される塩又はその溶媒和物を含有する医薬とを組み合わせてなる、骨髄線維症に伴う骨髄の線維化を抑制するための組合わせ医薬。
(3)JAK2阻害作用を有する化合物若しくはその医薬上許容される塩又はその溶媒和物を含有する医薬であって、MEK阻害作用を有する化合物若しくはその医薬上許容される塩又はその溶媒和物を含有する医薬と併用されることを特徴とする、骨髄線維症に伴う骨髄の線維化を抑制するための医薬。
(4)MEK阻害作用を有する化合物若しくはその医薬上許容される塩又はその溶媒和物を含有する医薬であって、JAK2阻害作用を有する化合物若しくはその医薬上許容される塩又はその溶媒和物を含有する医薬と併用されることを特徴とする、骨髄線維症に伴う骨髄の線維化を抑制するための医薬。

さらに、本発明者らは、MEK阻害作用を有する化合物若しくはその医薬上許容される塩又はその溶媒和物のみを用いることにより、骨髄線維症に伴う骨髄の線維化を改善しうることを見出した。したがって、本発明として、MEK阻害作用を有する化合物若しくはその医薬上許容される塩又はその溶媒和物を含有する、骨髄線維症に伴う骨髄の線維化を抑制するための医薬も挙げることができる。
図1は、0.5%メチルセルロースを投与した後の骨髄線維症マウスにおける骨髄の切片写真(200倍)を示す。 図2は、化合物10のマレイン酸塩を投与した後の骨髄線維症マウスにおける骨髄の切片写真(200倍)を示す。 図3は、化合物Mを投与した後の骨髄線維症マウスにおける骨髄の切片写真(200倍)を示す。 図4は、化合物10のマレイン酸塩と化合物Mを組合わせて投与した後の骨髄線維症マウスにおける骨髄の切片写真(200倍)を示す。 図5は、野生型マウス(WT)、骨髄線維症マウス(TG)、化合物10のマレイン酸塩を投与した後の骨髄線維症マウス(化合物10のマレイン酸塩)、化合物10のマレイン酸塩と化合物Mを組合わせて投与した後の骨髄線維症マウス(化合物10のマレイン酸塩+化合物M)、及び化合物Mを投与した後の骨髄線維症マウス(化合物M)における血漿中IL−1α濃度(pg/ml)を示す。 図6は、野生型マウス(WT)、骨髄線維症マウス(TG)、化合物10のマレイン酸塩を投与した後の骨髄線維症マウス(化合物10のマレイン酸塩)、化合物10のマレイン酸塩と化合物Mを組合わせて投与した後の骨髄線維症モデルマウス(化合物10のマレイン酸塩+化合物M)、及び化合物Mを投与した後の骨髄線維症マウス(化合物M)における脾臓重量(g)を示す。 図7は、0.5%メチルセルロースを投与した後の骨髄線維症マウスにおける脾臓の切片写真(100倍)を示す。 図8は、化合物10のマレイン酸塩を投与した後の骨髄線維症マウスにおける脾臓の切片写真(100倍)を示す。 図9は、化合物Mを投与した後の骨髄線維症マウスにおける脾臓の切片写真(100倍)を示す。 図10は、化合物10のマレイン酸塩と化合物Mを組み合わせて投与した後の骨髄線維症マウスにおける脾臓の切片写真(100倍)を示す。 図11は、0.5%メチルセルロースを投与した後の骨髄線維症マウスにおける脾臓組織の切片写真(100倍)を示す。 図12は、化合物10のマレイン酸塩を投与した後の骨髄線維症マウスにおける脾臓組織の切片写真(100倍)を示す。 図13は、化合物Mを投与した後の骨髄線維症マウスにおける脾臓組織の切片写真(100倍)を示す。 図14は、化合物10のマレイン酸塩と化合物Mを組合わせて投与した後の骨髄線維症マウスにおける脾臓組織の切片写真(100倍)を示す。
本発明は、JAK2阻害作用を有する化合物若しくはその医薬上許容される塩又はその溶媒和物、及びMEK阻害作用を有する化合物若しくはその医薬上許容される塩又はその溶媒和物とを組合わせて用いることにより、骨髄線維症に伴う骨髄の線維化を抑制する医薬に関するものである。

以下に本発明について詳述する。
本明細書中、「JAK2阻害作用を有する化合物」としては、例えば、以下の化合物を挙げることができる。
(1)化合物1: 3(R)−シクロペンチル−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]プロパンニトリル (例えば、特許文献1,特許文献2を参照。)、
(2)化合物2: N−tert−ブチル−3−[5−メチル−2−[4−[2−(1−ピロリジニル)エトキシ]フェニルアミノ]ピリミジン−4−イルアミノ]ベンゼンスルホンアミド (例えば、特許文献3を参照。)、
(3)化合物3: 11−[2−(1−ピロリジニル)エトキシ]−14,19−ジオキサ−5,7,27−トリアザテトラシクロ[19.3.1.1(2,6).1(8,12)]ヘプタコサ−1(25),2(27),3,5,8(26),9,11,16,21,23−デカエン (例えば、特許文献4を参照。)、
(4)化合物4: N−シクロプロピル−N’−[3−[5−(モルホリン−4−イルメチル)−1H−ベンズイミダゾール−2−イル]−1H−ピラゾール−4−イル]ウレア (例えば、特許文献5を参照。)、
(5)化合物5: 3−(4−クロロ−2−フルオロベンジル)−2−メチル−N−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)−8−(モルホリン−4−イルメチル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−アミン (例えば、特許文献6を参照。)、
(6)化合物6: N−(シアノメチル)−4−[2−[4−(4−モルホリニル)フェニルアミノ]ピリミジン−4−イル]ベンズアミド (例えば、特許文献7を参照。)、
(7)化合物7: 5−クロロ−N2−[1(S)−(5−フルオロピリミジン−2−イル)エチル]−N4−(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)ピリミジン−2,4−ジアミン (例えば、特許文献8を参照。)、
(8)化合物8: N−[4−(2−[[4−(モルホリン−4−イル)フェニル]アミノ]ピリミジン−4−イル)フェニル]−D−プロリンアミド (例えば、特許文献9を参照。)、
(9)化合物9: N,N−ジシクロプロピル−4−(1,5−ジメチル−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)−6−エチル−1−メチル−1,6−ジヒドロイミダゾ[4,5−d]ピロロ[2,3−b]ピリジン−7−カルボキサミド (例えば、特許文献10を参照。)、
(10)化合物10: N2−[1(S)−(4−フルオロフェニル)エチル]−4−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−N6−(ピラジン−2−イル)ピリジン−2,6−ジアミン (例えば、特許文献11を参照。)、
(11)化合物11: 3−[4(R)−メチル−3(R)−[N−メチル−N−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)アミノ]ピペリジン−1−イル]−3−オキソプロパンニトリル (例えば、特許文献12,特許文献13,特許文献14を参照。)、
(12)化合物12: 14−メチル−20−オキサ−5,7,14,27−テトラアザテトラシクロ[19.3.1.1(2,6).1(8,12)]ヘプタコサ−1(25),2(27),3,5,8(26),9,11,16,21,23−デカエン (例えば、特許文献15,特許文献16を参照。)、
(13)化合物13: 2−[1−(エチルスルホニル)−3−[4−(7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾール−1−イル]アゼチジン−3−イル]アセトニトリル (例えば、特許文献17を参照。)、
(14)化合物14: 15−[2−(1−ピロリジニル)エトキシ]−7,12,26−トリオキサ−19,21,24−トリアザテトラシクロ[18.3.1.1(2,5).1(14,18)]ヘキサコサ−1(24),2,4,9(E),14(25),15,17,20,22−ノナエン (例えば、特許文献18を参照。)、
(15)化合物15: (2R,3R)−3−[[2−[[4−(S−シクロプロピルスルホンイミドイル)フェニル]アミノ]−5−(トリフルオロメチル)ピリミジン−4−イル]オキシ]ブタン−2−オール (例えば、特許文献19,特許文献20を参照。)、
(16)化合物16: (±)−(4−フルオロフェニル)[4−[(5−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)アミノ]キナゾリン−2−イル]メタノール (例えば、特許文献21を参照。)、
(17)化合物17: N−[5−[4−(1,1−ジオキシドチオモルホリン−4−イルメチル)フェニル][1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリジン−2−イル)シクロプロパンカルボキサミド (例えば、特許文献22を参照。)、
(18)化合物18: N2−[2−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−イル)ピリミジン−4−イル]−N−(2,2,2−トリフルオロエチル)−D−イソバリンアミド (例えば、特許文献23を参照。)。
好ましい「JAK2阻害作用を有する化合物」としては、化合物10(N−[(1S)−1−(4−フルオロフェニル)エチル]−4−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−N’−(ピラジン−2−イル)ピリジン−2,6−ジアミン)を挙げることができる。
本明細書中、「MEK阻害作用を有する化合物」としては、例えば、以下の化合物を挙げることができる。
(1)化合物A: 5−(4−ブロモ−2−クロロフェニルアミノ)−4−フルオロ−N−(2−ヒドロキシエトキシ)−1−メチル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−6−カルボキサミド (例えば、特許文献24を参照。)
(2)化合物B: N−[3−[3−シクロプロピル−5−(2−フルオロ−4−ヨードフェニルアミノ)−6,8−ジメチル−2,4,7−トリオキソ−1,2,3,4,6,7−ヘキサヒドロピリド[4,3−d]ピリミジン−1−イル]フェニル]アセトアミド (例えば、特許文献25を参照。)
(3)化合物C: (−)−N−[3,4−ジフルオロ−2−(2−フルオロ−4−ヨードフェニルアミノ)−6−メトキシフェニル]−1−[2(S),3−ジヒドロキシプロピル]シクロプロパンスルホンアミド (例えば、特許文献26を参照。)
(4)化合物D: N−[2(S),3−ジヒドロキシプロピル]−3−(2−フルオロ−4−ヨードフェニルアミノ)ピリジン−4−カルボキサミド (例えば、特許文献27を参照。)
(5)化合物E: 5−[(4−ブロモ−2−フルオロフェニル)アミノ]−4−フルオロ−N−(2−ヒドロキシエトキシ)−1−メチル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−6−カルボキサミド (例えば、特許文献28を参照。)
(6)化合物F: 1−[3,4−ジフルオロ−2−(2−フルオロ−4−ヨードフェニルアミノ)フェニル]−1−[3−ヒドロキシ−3−[2(S)−ピペリジニル]アゼチジン−1−イル]メタノン (例えば、特許文献29を参照。)
(7)化合物G: 5−(2−フルオロ−4−ヨードフェニルアミノ)−N−(2−ヒドロキシエトキシ)イミダゾ[1,5−a]ピリジン−6−カルボキサミド (例えば、特許文献30を参照。)
(8)化合物H: 3,4−ジフルオロ−2−(2−フルオロ−4−ヨードフェニルアミノ)−N−(2−ヒドロキシエトキシ)−5−(3−オキソ−1,2−オキサジナン−2−イルメチル)ベンズアミド (例えば、特許文献31を参照。)
(9)化合物I: N−[3−フルオロ−4−[4−メチル−2−オキソ−7−(ピリミジン−2−イルオキシ)−2H−1−ベンゾピラン−3−イルメチル]ピリジン−2−イル]−N’−メチルスルファミド (例えば、特許文献32を参照。)
(10)化合物J: (5Z)−14−(エチルアミノ)−8(S),9(S),16−トリヒドロキシ−3(S),4(R)−ジメチル−3,4,7,8,9,10−ヘキサヒドロ−1H−2−ベンゾキサシクロテトラデシン−1,7−ジオン (例えば、特許文献33,特許文献34を参照。)
(11)化合物K: 3−[2(R),3−ジヒドロキシプロピル]−6−フルオロ−5−(2−フルオロ−4−ヨードフェニルアミノ)−8−メチルピリド[2,3−d]ピリミジン−4,7(3H,8H)−ジオン (例えば、特許文献35を参照。)
(12)化合物L: 2−(2−クロロ−4−ヨードフェニルアミノ)−N−(シクロプロピルメトキシ)−3,4−ジフルオロベンズアミド (例えば、特許文献36,特許文献37を参照。)
(13)化合物M: N−[2(R),3−ジヒドロキシプロポキシ]−3,4−ジフルオロ−2−(2−フルオロ−4−ヨードフェニルアミノ)ベンズアミド (例えば、特許文献38を参照。)
(14)化合物N: (3Z)−3−[([3−[(ジメチルアミノ)メチル]フェニル]アミノ)(フェニル)メチリデン]−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−6−カルボキサミド (例えば、特許文献39を参照。)
(15)化合物O: 2−(2−アミノ−3−メトキシフェニル)−4H−1−ベンゾピラン−4−オン (例えば、特許文献40を参照。)
(16)化合物P: 2,3−ビス[(Z)−アミノ(2−アミノフェニルスルファニル)メチレン]スクシノニトリル (例えば、特許文献41を参照。)
好ましい「MEK阻害作用を有する化合物」としては、化合物M(N−[2(R),3−(ジヒドロキシプロピル)オキシ]−3,4−ジフルオロ−2−[(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ]ベンズアミド)を挙げることができる。
本明細書中、「医薬上許容される塩」としては、医薬上許容されるものであれば特に限定されないが、例えば、無機塩基との塩、有機塩基との塩、無機酸との塩、有機酸との塩との塩を挙げることができる。無機塩基との塩としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩、カルシウム塩、マグネシウム塩などのアルカリ土類金属塩、アルミニウム塩、アンモニウム塩を挙げることができる。有機塩基との塩としては、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピコリン、2,6−ルチジン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、シクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミンとの塩を挙げることができる。無機酸との塩としては、例えば、塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸との塩を挙げることができる。有機酸との塩としては、例えば、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、フタル酸、フマル酸、シュウ酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸との塩を挙げることができる。
本明細書中、JAK2阻害作用を有する化合物の医薬上許容される塩として、具体的には、化合物1のリン酸塩、化合物4の塩酸塩、化合物6の二塩酸塩、化合物10のマレイン酸塩、化合物11のクエン酸塩、化合物12のクエン酸塩、化合物16の臭化水素酸塩を挙げることができる。
本明細書中、MEK阻害作用を有する化合物の医薬上許容される塩として、具体的には、化合物Aの硫酸塩、化合物Dの塩酸塩を挙げることができる。
本明細書中、「JAK2阻害作用を有する化合物若しくはその医薬上許容される塩又はその溶媒和物」の“溶媒和物”としては、JAK2阻害作用を有する化合物の溶媒和物や、JAK2阻害作用を有する化合物の医薬上許容される塩の溶媒和物を挙げることができる。
本明細書中、「MEK阻害作用を有する化合物若しくはその医薬上許容される塩又はその溶媒和物」の“溶媒和物”としては、MEK阻害作用を有する化合物の溶媒和物や、MEK阻害作用を有する化合物の医薬上許容される塩の溶媒和物を挙げることができる。
また、溶媒和物としては、例えば、水との溶媒和物(水和物)やアルコールやスルホキシド等の有機溶媒との溶媒和物を挙げることができる。
本明細書中、MEK阻害作用を有する化合物の溶媒和物として、具体的には、化合物Bのジメチルスルホキシド和物を挙げることができる。
本発明は、骨髄線維症に伴う骨髄の線維化を抑制するために、JAK2阻害作用を有する化合物若しくはその医薬上許容される塩又はその溶媒和物とMEK阻害作用を有する化合物若しくはその医薬上許容される塩又はその溶媒和物とを組合わせて用いることを挙げることができる。
本発明において、「JAK2阻害作用を有する化合物若しくはその医薬上許容される塩又はその溶媒和物、及びMEK阻害作用を有する化合物若しくはその医薬上許容される塩又はその溶媒和物を含有する、骨髄線維症に伴う骨髄の線維化を抑制するための医薬」とは、骨髄線維症に伴う骨髄の線維化を抑制するために投与される一つの医薬中に、有効成分として、(a)骨髄線維症に伴う骨髄の線維化を抑制するために有効な量のJAK2阻害作用を有する化合物若しくはその医薬上許容される塩又はその溶媒和物、及び(b)骨髄線維症に伴う骨髄の線維化を抑制するために有効な量のMEK阻害作用を有する化合物若しくはその医薬上許容される塩又はその溶媒和物を含有する医薬を意味する。好ましい態様としては、例えば、配合剤を挙げることができる。
有効成分として、JAK2阻害作用を有する化合物若しくはその医薬上許容される塩又はその溶媒和物とMEK阻害作用を有する化合物若しくはその医薬上許容される塩又はその溶媒和物を含有する医薬(例えば、配合剤)は、連日投与、または間歇的に投与しても良く、一日当たりの投与回数は、1回または2〜3回に分けて行うことができる。
本発明において、「JAK2阻害作用を有する化合物若しくはその医薬上許容される塩又はその溶媒和物を含有する医薬、及びMEK阻害作用を有する化合物若しくはその医薬上許容される塩又はその溶媒和物を含有する医薬とを組み合わせてなる、骨髄線維症に伴う骨髄の線維化を抑制するための組合わせ医薬」とは、(a)有効成分として骨髄線維症に伴う骨髄の線維化を抑制するために有効な量のJAK2阻害作用を有する化合物若しくはその医薬上許容される塩又はその溶媒和物を含有する医薬と、(b)有効成分として骨髄線維症に伴う骨髄の線維化を抑制するために有効な量のMEK阻害作用を有する化合物若しくはその医薬上許容される塩又はその溶媒和物を含有する医薬とをひとまとまりの状態にした、骨髄線維症に伴う骨髄の線維化を抑制するための医薬を意味する。例えば、JAK2阻害作用を有する化合物若しくはその医薬上許容される塩又はその溶媒和物を含有する医薬と、MEK阻害作用を有する化合物若しくはその医薬上許容される塩又はその溶媒和物を含有する医薬とを一式として揃えた状態である、キットの形態を挙げることができる。具体的なキットの形態としては、例えば、医薬の製造段階において一連の投与スケジュールに従って特定の期間に相当する両医薬を1つのシートにまとめて包装したブリスターパッケージ(例えば、PTPシート)、又は調剤又は処方段階において1回の使用ごとに両医薬が同一包装に入れられた状態のものを挙げることができる。
本発明において、「JAK2阻害作用を有する化合物若しくはその医薬上許容される塩又はその溶媒和物を含有する医薬であって、MEK阻害作用を有する化合物若しくはその医薬上許容される塩又はその溶媒和物を含有する医薬と併用されることを特徴とする、骨髄線維症に伴う骨髄の線維化を抑制するための医薬」とは、MEK阻害作用を有する化合物若しくはその医薬上許容される塩又はその溶媒和物を含有する医薬と併用するための、骨髄線維症に伴う骨髄の線維化を抑制するために有効な量のJAK2阻害作用を有する化合物若しくはその医薬上許容される塩又はその溶媒和物を有効成分として含有する医薬を意味する。
本発明において、「MEK阻害作用を有する化合物若しくはその医薬上許容される塩又はその溶媒和物を含有する医薬であって、JAK2阻害作用を有する化合物若しくはその医薬上許容される塩又はその溶媒和物を含有する医薬と併用されることを特徴とする、骨髄線維症に伴う骨髄の線維化を抑制するための医薬」とは、JAK2阻害作用を有する化合物若しくはその医薬上許容される塩又はその溶媒和物を含有する医薬と併用するための、骨髄線維症に伴う骨髄の線維化を抑制するために有効な量のMEK阻害作用を有する化合物若しくはその医薬上許容される塩又はその溶媒和物を有効成分として含有する医薬を意味する。
本発明において、骨髄線維症に伴う骨髄の線維化を抑制するために、JAK2阻害作用を有する化合物若しくはその医薬上許容される塩又はその溶媒和物を含有する医薬とMEK阻害作用を有する化合物若しくはその医薬上許容される塩又はその溶媒和物を含有する医薬とを別々の医薬として組合わせて用いるときには、それぞれの医薬を同時に、又は逐次的に投与することができる。それぞれの医薬を逐次的に投与する場合、例えば、それぞれの医薬を異なる投与スケジュールで使用することもできる。例えば、一定の時間間隔をあけてそれぞれの医薬を投与する場合や、一定の期間一方の医薬を投与した後、他方の医薬を投与する場合も含まれる。
「骨髄線維症に伴う骨髄の線維化を抑制するために有効な量」とは、患者の体内に入ったときに、骨髄線維症に伴う骨髄の線維化を抑制又は骨髄線維症に伴う骨髄線維化の状態を改善するために必要な有効成分の量を意味する。例えば、投与量としては、年齢、体重、疾病の種類、程度等の患者の状態、投与経路を考慮した上で調製することが望ましいが、通常は、成人(体重約60kg)に対してJAK2阻害作用を有する化合物若しくはその医薬上許容される塩又はその溶媒和物、又はMEK阻害作用を有する化合物若しくはその医薬上許容される塩又はその溶媒和物の有効成分量として、経口投与の場合、1日あたり、0.01mg〜5g/成人の範囲内、好ましくは、1mg〜500mg/成人の範囲内が適当である。場合によっては、これ以下でも足りるし、また逆にこれ以上の用量を必要とすることもある。
本発明において、JAK2阻害作用を有する化合物若しくはその医薬上許容される塩又はその溶媒和物を含有する医薬とMEK阻害作用を有する化合物若しくはその医薬上許容される塩又はその溶媒和物を含有する医薬とがそれぞれ別々の医薬である場合、それぞれの医薬は同じ剤形であっても、異なる剤型であっても構わない。また、それぞれの投与経路は同一であっても、異なっていてもよい。
本発明において、有効成分としてJAK2阻害作用を有する化合物若しくはその医薬上許容される塩又はその溶媒和物とMEK阻害作用を有する化合物若しくはその医薬上許容される塩又はその溶媒和物を含有する医薬(例えば、配合剤)、有効成分としてJAK2阻害作用を有する化合物若しくはその医薬上許容される塩又はその溶媒和物を含有する医薬、又は有効成分としてMEK阻害作用を有する化合物若しくはその医薬上許容される塩又はその溶媒和物を含有する医薬は、JAK2阻害作用を有する化合物若しくはその医薬上許容される塩又はその溶媒和物、及び/又はMEK阻害作用を有する化合物若しくはその医薬上許容される塩又はその溶媒和物を、そのまま又は医薬的に許容される無毒性かつ不活性の担体中に、例えば、0.001%〜99.5%、好ましくは、0.1%〜90%含有する医薬として、人を含む哺乳動物に投与される。
上記担体としては、固形、半固形、又は液状の希釈剤、充填剤、及びその他の処方用の助剤一種以上が用いられる。
本発明に係る医薬は、固形又は液状の用量単位で、末剤、散剤、カプセル剤、錠剤、シロップ剤、懸濁剤、液剤、糖衣剤、顆粒剤、エリキシル剤、トローチ剤等の経口投与製剤、注射剤、軟膏剤、ローション剤、クリーム等の非経口投与製剤のいずれかの形態をもとることができる。徐放性製剤であってもよい。それらの中で、経口投与製剤が好ましい。
本発明に係る医薬の製剤化は、公知の製剤技術を用いることにより行うことができるが、例えば、以下の方法を用いることにより行うことができる。
末剤は、JAK2阻害作用を有する化合物若しくはその医薬上許容される塩又はその溶媒和物、及び/又はMEK阻害作用を有する化合物若しくはその医薬上許容される塩又はその溶媒和物を適当な細かさにすることにより製造することができる。
散剤は、JAK2阻害作用を有する化合物若しくはその医薬上許容される塩又はその溶媒和物、及び/又はMEK阻害作用を有する化合物若しくはその医薬上許容される塩又はその溶媒和物を適当な細かさにし、次いで同様に細かくした医薬用担体、例えば、澱粉、マンニトールのような可食性炭水化物と混合することにより製造することができる。任意に風味剤、保存剤、分散剤、着色剤、香料等を添加することができる。
カプセル剤は、まず上述したように粉末状となった末剤や散剤あるいは錠剤の項で述べるように顆粒化したものを、例えば、ゼラチンカプセルのようなカプセル外皮の中に充填することにより製造することができる。滑沢剤や流動化剤、例えば、コロイド状のシリカ、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、固形のポリエチレングリコールを粉末状となった末剤や散剤と混合し、その後、充填操作を行うことにより製造することもできる。崩壊剤や可溶化剤、例えば、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウムを添加すれば、カプセル剤が摂取されたときの医薬の有効性を改善することができる。また、JAK2阻害作用を有する化合物若しくはその医薬上許容される塩又はその溶媒和物、及び/又はMEK阻害作用を有する化合物若しくはその医薬上許容される塩又はその溶媒和物の微粉末を植物油、ポリエチレングリコール、グリセリン、界面活性剤中に懸濁分散し、これをゼラチンシートで包んで軟カプセル剤とすることもできる。
錠剤は、粉末化されたJAK2阻害作用を有する化合物若しくはその医薬上許容される塩又はその溶媒和物、及び/又はMEK阻害作用を有する化合物若しくはその医薬上許容される塩又はその溶媒和物に賦形剤を加えて粉末混合物を作り、顆粒化若しくはスラグ化し、次いで崩壊剤又は滑沢剤を加えた後、打錠することにより製造することができる。
シロップ剤は、JAK2阻害作用を有する化合物若しくはその医薬上許容される塩又はその溶媒和物、及び/又はMEK阻害作用を有する化合物若しくはその医薬上許容される塩又はその溶媒和物を適当な香味水溶液に溶解して製造することができる。エリキシル剤は、非毒性のアルコール性担体を用いることにより製造することができる。
懸濁剤は、JAK2阻害作用を有する化合物若しくはその医薬上許容される塩又はその溶媒和物、及び/又はMEK阻害作用を有する化合物若しくはその医薬上許容される塩又はその溶媒和物を非毒性担体中に分散させることにより製造することができる。必要に応じて、可溶化剤や乳化剤(例えば、エトキシ化されたイソステアリンアルコール類、ポリオキシエチレンソルビトールエステル類)、保存剤、風味付与剤(例えば、ペパーミント油、サッカリン)等を添加することができる。必要であれば、経口投与のための用量単位処方をマイクロカプセル化することができる。当該処方はまた、被覆をしたり、高分子・ワックス等中に埋め込んだりすることにより作用時間の延長や持続放出をもたらすこともできる。
注射剤は、JAK2阻害作用を有する化合物若しくはその医薬上許容される塩又はその溶媒和物、及び/又はMEK阻害作用を有する化合物若しくはその医薬上許容される塩又はその溶媒和物の一定量を、注射の目的に適合する非毒性の液状担体、例えば、水性又は油性の媒体に懸濁し又は溶解し、次いで当該懸濁液又は溶液を滅菌することにより製造することができる。注射剤を等張にするために非毒性の塩や塩溶液を添加することができる。また、安定剤、保存剤、乳化剤等を添加することもできる。
軟膏剤は、例えば、JAK2阻害作用を有する化合物若しくはその医薬上許容される塩又はその溶媒和物、及び/又はMEK阻害作用を有する化合物若しくはその医薬上許容される塩又はその溶媒和物と疎水性基剤や親水性基剤等の基剤とを混合することにより製造することができる。また、保存剤、酸化防止剤等を添加することもできる。
ローション剤は、例えば、JAK2阻害作用を有する化合物若しくはその医薬上許容される塩又はその溶媒和物、及び/又はMEK阻害作用を有する化合物若しくはその医薬上許容される塩又はその溶媒和物と溶剤、乳化剤、懸濁化剤等と上水や精製水等の水性の液体に加え、溶解又は分散させることにより製造することができる。また、保存剤等を添加することもできる。
液剤、トローチ剤、エリキシル剤もまたその一定量がJAK2阻害作用を有する化合物若しくはその医薬上許容される塩又はその溶媒和物、及び/又はMEK阻害作用を有する化合物若しくはその医薬上許容される塩又はその溶媒和物の一定量を含有するように用量単位形態にすることができる。
以下に試験例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。

骨髄線維症マウスには、骨髄や脾臓の線維化、脾臓の腫大等を呈するJAK2V617Fトランスジェニックマウスを使用した(例えば、非特許文献6を参照)。本骨髄線維症マウス(4カ月齢、雌)に対しては、(A)0.5%メチルセルロース溶液(和光純薬工業株式会社 CAT.NO.138−05052)、(B)0.5%メチルセルロース溶液で希釈された50mg/kgの化合物10のマレイン酸塩(特許文献11に記載の方法に従って製造)、(C)0.5%メチルセルロース溶液で希釈された5mg/kgの化合物M(LC Laboratories社製)、(D)0.5%メチルセルロース溶液で希釈された50mg/kgの化合物10のマレイン酸塩と5mg/kgの化合物Mを、それぞれ経口投与した。一方、野生型マウス(BDF1マウス、4カ月齢、雌)に対しては、0.5%メチルセルロース溶液を経口投与した。それぞれのマウスに対し、3カ月間投与した後、安楽死させ、大腿骨、脛骨、脾臓、血漿を採取した。
試験例1: 骨髄線維症マウスを用いた骨髄線維化抑制作用の検討
薬物非投与の骨髄線維症マウス、化合物10のマレイン酸塩を投与した骨髄線維症マウス、化合物Mを投与した骨髄線維症マウス、及び化合物10とマレイン酸塩と化合物Mを投与した骨髄線維症マウスより採取した大腿骨及び脛骨をホルマリン固定後パラフィン包埋した(各群5〜6匹)。パラフィン切片を用いて鍍銀染色を行い、線維成分を染色した。代表的な大腿骨の写真を、一例ずつ図1〜4に示す。
試験例2:骨髄線維症マウスを用いた血漿中IL−1α濃度の検討
薬物非投与の野生型マウス、薬物非投与の骨髄線維症マウス、化合物10のマレイン酸塩を投与した骨髄線維症マウス、化合物Mを投与した骨髄線維症マウス、及び化合物10とマレイン酸塩と化合物Mを投与した骨髄線維症マウスより採取した血漿中のIL−1α濃度をELISA法により測定した(R&D Systems社、Quantikine ELISA Mouse IL−1α/IL−1F1 Immunoassay)(各群6〜8匹)。その結果を図5に示す。
試験例3:骨髄線維症マウスを用いた脾臓重量の検討
薬物非投与の野生型マウス、薬物非投与の骨髄線維症マウス、化合物10のマレイン酸塩を投与した骨髄線維症マウス、化合物Mを投与した骨髄線維症マウス、及び化合物10とマレイン酸塩と化合物Mを投与した骨髄線維症マウスより採取した脾臓の重量を測定した(各群10〜16匹)。その結果を図6に示す。
試験例4:骨髄線維症マウスを用いた脾臓の線維化抑制作用の検討
薬物非投与の骨髄線維症マウス、化合物10のマレイン酸塩を投与した骨髄線維症マウス、化合物Mを投与した骨髄線維症マウス、及び化合物10とマレイン酸塩と化合物Mを投与した骨髄線維症マウスより採取した脾臓をホルマリン固定後パラフィン包埋した(各群5〜6匹)。パラフィン切片を用いて鍍銀染色を行い、線維成分を染色した。代表的な写真を、一例ずつ図7〜図10に示す。
試験例5:骨髄線維症マウスを用いた脾臓機能の検討
薬物非投与の骨髄線維症マウス、化合物10のマレイン酸塩を投与した骨髄線維症マウス、化合物Mを投与した骨髄線維症マウス、及び化合物10とマレイン酸塩と化合物Mを投与した骨髄線維症マウスより採取した脾臓をホルマリン固定後パラフィン包埋した(各群5〜6匹)。パラフィン切片を用いてヘマトキシリン・エオジン染色を行った。代表的な写真を、一例ずつ図11〜図14に示す。

Claims (18)

  1. JAK2阻害作用を有する化合物若しくはその医薬上許容される塩又はその溶媒和物、及びMEK阻害作用を有する化合物若しくはその医薬上許容される塩又はその溶媒和物を含有する、骨髄線維症に伴う骨髄の線維化を抑制するための医薬。
  2. 前記医薬が配合剤である、請求項1に記載の医薬。
  3. JAK2阻害作用を有する化合物がN−[(1S)−1−(4−フルオロフェニル)エチル]−4−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−N’−(ピラジン−2−イル)ピリジン−2,6−ジアミンである、請求項1又は2に記載の医薬。
  4. MEK阻害作用を有する化合物がN−[((R)−2,3−ジヒドロキシプロピル)オキシ]−3,4−ジフルオロ−2−[(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ]ベンズアミドである、請求項1又は2に記載の医薬。
  5. MEK阻害作用を有する化合物がN−[2(R),3−(ジヒドロキシプロピル)オキシ]−3,4−ジフルオロ−2−[(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ]ベンズアミドであり、JAK2阻害作用を有する化合物がN−[(1S)−1−(4−フルオロフェニル)エチル]−4−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−N’−(ピラジン−2−イル)ピリジン−2,6−ジアミンである、請求項1又は2に記載の医薬。
  6. JAK2阻害作用を有する化合物若しくはその医薬上許容される塩又はその溶媒和物を含有する医薬、及びMEK阻害作用を有する化合物若しくはその医薬上許容される塩又はその溶媒和物を含有する医薬とを組み合わせてなる、骨髄線維症に伴う骨髄の線維化を抑制するための組合わせ医薬。
  7. JAK2阻害作用を有する化合物若しくはその医薬上許容される塩又はその溶媒和物を含有する医薬とMEK阻害作用を有する化合物若しくはその医薬上許容される塩又はその溶媒和物を含有する医薬とが併用されることを特徴とする、請求項6に記載の組合わせ医薬。
  8. JAK2阻害作用を有する化合物がN−[(1S)−1−(4−フルオロフェニル)エチル]−4−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−N’−(ピラジン−2−イル)ピリジン−2,6−ジアミンである、請求項6又は7に記載の組合わせ医薬。
  9. MEK阻害作用を有する化合物がN−[2(R),3−(ジヒドロキシプロピル)オキシ]−3,4−ジフルオロ−2−[(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ]ベンズアミドである、請求項6又は7に記載の組合わせ医薬。
  10. MEK阻害作用を有する化合物がN−[2(R),3−(ジヒドロキシプロピル)オキシ]−3,4−ジフルオロ−2−[(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ]ベンズアミドであり、JAK2阻害作用を有する化合物がN−[(1S)−1−(4−フルオロフェニル)エチル]−4−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−N’−(ピラジン−2−イル)ピリジン−2,6−ジアミンである、請求項6又は7に記載の組合わせ医薬。
  11. JAK2阻害作用を有する化合物若しくはその医薬上許容される塩又はその溶媒和物を含有する医薬であって、MEK阻害作用を有する化合物若しくはその医薬上許容される塩又はその溶媒和物を含有する医薬と併用されることを特徴とする、骨髄線維症に伴う骨髄の線維化を抑制するための医薬。
  12. MEK阻害作用を有する化合物がN−[2(R),3−(ジヒドロキシプロピル)オキシ]−3,4−ジフルオロ−2−[(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ]ベンズアミドである、請求項11に記載の医薬。
  13. JAK2阻害作用を有する化合物がN−[(1S)−1−(4−フルオロフェニル)エチル]−4−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−N’−(ピラジン−2−イル)ピリジン−2,6−ジアミンである、請求項11に記載の医薬。
  14. MEK阻害作用を有する化合物がN−[2(R),3−(ジヒドロキシプロピル)オキシ]−3,4−ジフルオロ−2−[(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ]ベンズアミドであり、JAK2阻害作用を有する化合物がN−[(1S)−1−(4−フルオロフェニル)エチル]−4−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−N’−(ピラジン−2−イル)ピリジン−2,6−ジアミンである、請求項11に記載の医薬。
  15. MEK阻害作用を有する化合物若しくはその医薬上許容される塩又はその溶媒和物を含有する医薬であって、JAK2阻害作用を有する化合物若しくはその医薬上許容される塩又はその溶媒和物を含有する医薬と併用されることを特徴とする、骨髄線維症に伴う骨髄の線維化を抑制するための医薬。
  16. JAK2阻害作用を有する化合物がN−[(1S)−1−(4−フルオロフェニル)エチル]−4−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−N’−(ピラジン−2−イル)ピリジン−2,6−ジアミンである、請求項15に記載の医薬。
  17. MEK阻害作用を有する化合物がN−[2(R),3−(ジヒドロキシプロピル)オキシ]−3,4−ジフルオロ−2−[(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ]ベンズアミドである、請求項15に記載の医薬。
  18. MEK阻害作用を有する化合物がN−[2(R),3−(ジヒドロキシプロピル)オキシ]−3,4−ジフルオロ−2−[(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ]ベンズアミドであり、JAK2阻害作用を有する化合物がN−[(1S)−1−(4−フルオロフェニル)エチル]−4−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−N’−(ピラジン−2−イル)ピリジン−2,6−ジアミンである、請求項15に記載の医薬。
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