JP2017212636A - 画像処理装置、撮像装置および画像処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】映像を切り出す範囲と不要像の位置の変化とに基づいて不要像の補正処理を制御する。【解決手段】画像処理装置104は、撮像により生成された第1の映像のうち切り出し範囲内の第2の映像を切り出す処理を行う。該装置は、第1の映像のうち切り出し範囲の位置を可変に設定する範囲設定手段203と、第1の映像において被写体像とは異なる不要像を検出する検出手段201と、第1の映像に対して不要像を除去または低減する不要像補正処理を行う補正手段202とを有する。補正手段は、切り出し範囲内において不要像が検出されない場合は不要像補正処理を行わず、切り出し範囲内において不要像が検出された場合に不要像補正処理を行う。【選択図】図2
Description
本発明は、デジタルカメラ等の撮像装置により取得された画像に対して画像処理を行う画像処理技術に関する。
全方位360度の視野空間を撮像することが可能な全方位カメラと呼ばれる撮像装置が用いられている。特許文献1には、半球状の視野画像(全方位画像)を視野内における任意のオリエンテーション(方向)および回転位置にて任意の倍率で歪みの少ない通常の遠近画像に変換する技術が開示されている。この技術によれば、機械的なパン/チルト機構を設けることなく半球状の視野空間内の任意の箇所の撮影映像(動画)を取得することができる。
また、撮影映像から一部画角の部分映像を切り出す際に撮像光学系に付着したゴミ等の異物の像(不要像)による画質低下を補正する技術がある。特許文献2には、異物の位置情報を部分映像の切り出し範囲に応じて変換し、変換後の位置情報を用いて切り出した部分映像を補正する技術が開示されている。
特許文献2に開示された技術では、異物の位置が変化せずに固定している前提で該異物により発生する不要像の検出および補正を行う。このため、例えばゴーストのように光源位置やカメラの動きに応じて発生位置が変化する不要像に対しては適切に補正を行えないおそれがある。
本発明は、映像を切り出す範囲と不要像の位置の変化とに基づいて不要像の補正処理を制御することで、処理負荷の増大を抑えながらも画質の低下を防止することができるようにした画像処理装置および撮像装置等を提供する。
本発明の一側面としての画像処理装置は、撮像により生成された第1の映像のうち切り出し範囲内の第2の映像を切り出す処理を行う。該画像処理装置は、第1の映像のうち切り出し範囲の位置を可変に設定する範囲設定手段と、第1の映像において被写体像とは異なる不要像を検出する検出手段と、第1の映像に対して不要像を除去または低減する不要像補正処理を行う補正手段とを有する。そして、補正手段は、切り出し範囲内において不要像が検出されない場合は不要像補正処理を行わず、切り出し範囲内において不要像が検出された場合に不要像補正処理を行うことを特徴とする。
なお、上記画像処理装置を有する撮像装置も、本発明の他の一側面を構成する。
また、本発明の他の一側面としての画像処理方法は、撮像により生成された第1の映像のうち切り出し範囲内の第2の映像を切り出す処理を行う。該画像処理方法は、第1の映像のうち切り出し範囲の位置を可変に設定し、第1の映像において被写体像とは異なる不要像を検出し、第1の映像に対して不要像を除去または低減する不要像補正処理を行う。そして、切り出し範囲内において不要像が検出されない場合は不要像補正処理を行わず、切り出し範囲内において不要像が検出された場合に不要像補正処理を行うことを特徴とする。
本発明によれば、位置が可変な切り出し範囲と不要像の位置の変化とに基づいて適応的に不要像補正処理を制御することができる。これにより、処理負荷の増大を抑えながら画質低下を防止することができる。
以下、本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。
本発明の実施例1では、全方位カメラや魚眼カメラ等の撮像装置を用いた撮像により超広角な映像を生成し、該映像に対して各種補正処理や所定画角の切り出しを行う。本実施例では、撮像において撮像装置を三脚に取り付ける等して撮像画角を固定する場合について説明する。
図1には、実施例1である画像処理装置を備えた撮像装置の構成を示す。光学系101は、変倍レンズやフォーカスレンズ等を含むレンズ群と絞りとを備えている。光学系101は、撮像装置に一体に設けられていてもよいし、撮像装置の本体に対して交換可能であってもよい。光学系101は、被写体からの光を結像させて被写体像を形成するとともに、被写体像の倍率や明るさ(光量)を調整する。
撮像部102は、光学系101により形成された被写体像を光電変換(撮像)して電気信号としてのアナログ撮像信号を出力する撮像素子を有する。撮像素子は、CCDセンサやCMOSセンサ等の光電変換素子により構成される。
A/D変換部103は、撮像部102から入力されたアナログ撮像信号をデジタル撮像信号に変換する。画像処理部104は、A/D変換部103からのデジタル撮像信号に対して通常の画像処理を行うとともに後述する階調処理を行い、映像信号(以下、撮影映像という)を出力する。また、画像処理部104は、撮影映像のうち一部画角の部分映像を切り出してこれを出力する切り出し機能を有する。なお、画像処理部104は、A/D変換部103からのデジタル撮像信号に対してのみでなく、後述する記録部107から読み出した撮影映像に対しても同様の画像処理を行うことができる。
露光量制御部105は、適正な明るさの撮影映像を得るための撮像時の露光量を算出し、該露光量を実現するために光学系101と撮像部102を制御して、絞りや撮像素子のゲインを制御する。
表示部106は、画像処理部104から出力された撮影映像をLCD等の表示素子に表示する。撮像を行いながら表示部106に撮影映像を表示することで、表示部106は電子ビューファインダ(EVF)として機能する。
記録部107は、半導体メモリや光ディスク等の記録媒体に対する撮影映像の記録と読み出しを行う。
図2には、画像処理部104のうち上述した切り出し機能に関する部分の構成を示している。検出部(検出手段)201は、第1の映像としての撮影映像において、撮像時に光学系101に付着したゴミ等の異物により又はゴーストとして発生した不要像を検出する。なお、本実施例では、不要像としてゴーストを例として説明する。
補正部(補正手段)202は、検出部201で検出されたゴーストを撮影映像から除去または低減するゴースト補正処理(不要像補正処理)と、撮影映像における歪みを除去または低減する座標変換による歪み補正処理とを行う。
画角決定部(範囲設定手段)203は、撮影映像から第2の映像としての部分映像を切り出す画角範囲(以下、切り出し範囲という)を決定(設定)する。図3には、画角決定部203の構成を示している。指定範囲取得部(範囲指定手段)301は、例えばユーザ(撮影者)がタッチパネルを備えた表示部106上で任意の位置(座標)をタッチすることに応じて、撮影映像のうちタッチされた座標に基づく部分映像範囲としての指定映像範囲を取得する。通常は、指定映像範囲内には、ユーザが着目している被写体像(以下、単に被写体という)が存在する。
被写体追尾部(追尾手段)302は、指定範囲取得部301が取得した指定映像範囲内に存在する被写体の動きをテンプレートマッチング等の既存の動き検出技術を用いて検出し、その被写体に追従するように部分映像範囲を移動(変化)させる処理を行う。
座標算出部303は、指定座標取得部301が出力した指定映像範囲と被写体追尾部302が出力した部分映像範囲のいずれか一方を選択することで切り出し範囲を決定する。このように、切り出し範囲はユーザの指定により又は被写体の追尾に応じてその位置が可変である。
図2において、切り出し部204は、撮影映像(ただし、補正部202での補正処理を受けた補正撮影映像)のうち画角決定部203が決定した切り出し範囲の部分映像(実際には後述するフレーム画像からの切り出し画像)を切り出して出力する。
図4(A),(B)のフローチャートには、撮影映像を構成する各フレーム画像に対する本実施例での画像処理(画像処理方法)の流れを示している。本画像処理は、コンピュータとしての画像処理部104がコンピュータプログラムとしての画像処理プログラムに従って実行する。
図4(A)のステップS401では、画像処理部104は、処理対象であるフレーム画像の全てに対して画像処理が完了したか否かを判定する。画像処理部104は、完了していなければステップS402に進む。
ステップS402では、画像処理部104は、撮像映像としての超広角映像のフレーム画像を1つずつ順次取得する。図5(A)には画像処理部104が順次取得するフレーム画像501〜503の例を示す。図5(A)(および後述する図5(B),(C))において、菱形は光学系101において発生する不要像としてのゴーストを表し、星形はユーザが着目する被写体を表している。この図から、着目被写体には動きがあり、フレーム画像ごとにその位置が変化しているのに対し、ゴーストは位置が変化していないことが分かる。これは、前述したように撮像画角を固定して撮像したことにより、不図示の光源と光学系101との位置関係に変化がないためである。
ステップS403では、画像処理部104は、切り出し範囲の座標を算出する処理を行う。この処理を図4(B)のフローチャートを用いて説明する。
ステップS411では、画像処理部104は、切り出し範囲を決定するための画像(切り出し座標決定用画像)を生成する。具体的には、フレーム画像に対して縮小処理を行って、表示部106に表示したり後述する所定の被写体を追尾するために使用されたりする画像を生成する。図5(B)の画像511は、図5(A)のフレーム画像502に対して縮小処理を行うことにより生成される切り出し座標決定用画像を示している。
次にステップS412は、画像処理部104は、ステップS411で生成した切り出し座標決定用画像に対してその歪みが補正されるように、光学系101の光学情報に基づく座標変換としての歪み補正処理を行う。該歪み補正処理は、この後のステップS413で行う追尾処理においてテンプレートマッチングを行うために画像の歪みを補正しておく必要があるために行う処理である。つまり、被写体の追尾処理は、撮影映像(フレーム画像)から得られる映像(切り出し座標決定用画像)に対して歪み補正処理が行われることで生成された歪み補正映像(歪み補正画像)において行われる。図5(B)中の画像512は、歪み補正処理が行われることで生成された歪み補正画像を示している。
次にステップS413は、画像処理部104は、切り出し範囲の座標を算出する。まず画像処理部104は、着目被写体の位置を取得するための手段を、前述した指定範囲取得部301を介したユーザ指定と被写体追尾部302による被写体追尾のいずれかからユーザが選択することによって決定する。ユーザ指定が選択された場合は、画像処理部104は、前述したようにユーザがタッチした座標を中心とする矩形領域を切り出し範囲として、その4つの頂点の座標を算出する。以下の説明では、被写体追尾によって切り出し範囲を決定するものとする。
図5(B)に示した画像513において、点線で示した小さい矩形領域は、図5(A)に示したフレーム画像501から生成した切り出し座標決定用画像(図示せず)から被写体追尾を行った結果として得られた被写体領域を示している。また、破線で示した大きい矩形領域は、被写体追尾の結果として得られた上記被写体領域を含む領域である。画像処理部104は、この大きい矩形領域をフレーム画像502からの切り出し範囲として決定する。なお、画像処理部104は、被写体追尾の結果として得られた上記被写体領域が中央に位置するように切り出し範囲を決定するようにしてもよい。
なお、ここまでで説明した切り出し範囲の決定方法は例に過ぎず、他の決定方法を用いてもよい。
以上で、画像処理部104は、ステップS403での切り出し範囲の座標の算出処理を完了し、図4(A)に示すステップS404に進む。
ステップS404では、画像処理部104は、ステップS402で取得したフレーム画像に対してゴーストの検出を行い、ゴーストを検出した場合にその位置(座標)を算出する。ゴーストの検出方法については、特開2013−179564号公報にて開示されているように、互いに視差を有する複数の視差画像の位置合わせを行うことで得られる差分情報をゴースト(不要画像成分)として検出する手法を用いることができる。ここで、複数の視差画像の差分には不要画像成分と被写体の視差成分とが含まれているため、閾値処理やスムージング処理等によってそれらを分離することが望ましい。ただし、不要画像成分や被写体の形状によっては不要画像成分と被写体の視差成分とを完全に分離することが困難な場合があり、この場合はゴーストを誤検出するおそれがある。しかし、本実施例では、以下の処理によりゴーストの誤検出による処理負荷の増加や出力映像の画質劣化を抑える。
次にステップS405では、画像処理部104は、ステップS403で算出した切り出し範囲内にステップS404で検出されたゴーストの座標が含まれているか否かを判定する。すなわち、切り出し範囲内においてゴーストが検出されたか否かを判定する。切り出し範囲にゴーストが含まれている場合には画像処理部104はステップS406に進み、ゴーストが含まれていない場合にはステップS407に進む。このとき、ゴーストの座標は、前述した縮小処理や歪み補正処理がなされていないフレーム画像内での値である。このため、検出されたゴーストの座標を縮小処理での縮小率や歪み補正処理での座標変換に応じて変換し、その変換後のゴーストの座標と切り出し範囲との比較を行う。図5(B)に示す画像513では、破線で示す切り出し範囲内に菱形で表すゴーストが含まれない。このため、画像処理部104はステップS407に進む。
ステップS406では、画像処理部104は、ステップS404で検出したゴーストを補正(除去または低減)するゴースト補正処理を行う。これにより、ゴースト補正画像(つまりは不要像補正映像)が得られる。ゴースト補正処理は、前述した特開2013−179564号公報で開示されているように、2つのサブ画素により構成された画素ごとに不要画像成分が含まれていないサブ画素を選択して、該選択したサブ画素に対するゲイン調整をすることで行ってもよい。また、同公報に開示されているように、視差画像を合成した再構成画像から不要画像成分を差し引くことでゴースト補正処理を行ってもよい。
ここで、ゴーストの発生しやすさは、光学系101の焦点距離や絞り値等の撮像条件に応じて異なるが、本実施例では撮像条件だけでなく、超広角画像からの切り出し範囲とゴーストの発生位置の変化とに応じてゴースト補正処理を行うか否かを制御する。すなわち、ステップS405〜S406の処理を行う。これは、切り出し範囲内にゴーストが存在していない場合にはゴースト補正処理を行わないことで、無用な処理負荷の増加を抑え、さらにステップS404にて述べたような誤検出による処理負荷の増加や画質の劣化をできるだけ回避することができるためである。
ステップS407は、画像処理部104は、光学系101の光学情報に基づいて、ゴースト補正処理がなされたゴースト補正画像又はゴースト補正処理がなされなかったフレーム画像に対してその歪みを補正する歪み補正処理(座標変換)を行う。これにより、歪み補正画像(つまりは歪み補正映像)が得られる。
次にステップS408では、画像処理部104は、ステップS403で算出した切り出し範囲の座標に基づいて、ステップS407で得られた歪み補正画像から切り出し範囲内の部分画像(切り出し画像)の切り出し処理を行う。例として、図5(A)に示したフレーム画像502に対してステップS403〜S408の処理を行った結果として得られる切り出し画像を、図5(C)に画像521として示す。この画像521は、フレーム画像502に対してゴーストおよび歪みが補正され、かつ着目被写体を含んだ画像である。また、ゴーストの誤検出および誤補正による劣化成分も含まない画像である。
ステップS408からステップS401に戻った画像処理部104は、全てのフレーム画像に対して処理が完了したと判定するとステップS409に進む。
ステップS409では、画像処理部104は、これまでの処理で順次生成される複数の切り出し画像をフレーム画像とする出力映像を生成し、これを表示部106に表示したり記録部107にて記録したりする。
本実施例によれば、撮像時に撮像画角が固定されている場合において、撮影映像において位置が可変な切り出し範囲と不要像の位置の変化とに基づいて適応的に不要像に対する補正処理を制御することができる。これにより、処理負荷の増大を抑えながら画質低下を防止することができる。
本発明の実施例2では、実施例1と同様に全方位カメラや魚眼カメラ等の撮像装置を用いた撮像により超広角な映像を生成し、該映像に対して各種補正処理や所定画角の切り出しを行う。ただし、本実施例では、撮像において撮像装置をパンニング等することで撮像画角が変化する場合について説明する。本実施例における撮像装置の構成は実施例1と同様であり、実施例1と共通する又は類似する構成要素には実施例1と同符号を付す。また、本実施例では、実施例1と同様の処理や公知の処理については詳細な説明を省略する。
図6のフローチャートには、撮影映像を構成する各フレーム画像に対する本実施例での画像処理(画像処理方法)の流れを示している。本画像処理も、コンピュータとしての画像処理部104がコンピュータプログラムとしての画像処理プログラムに従って実行する。
ステップS601〜S603の処理は、実施例1の図4(A)に示したステップS401〜S403の処理と同様である。ステップS603で行われる切り出し範囲の座標を算出する処理は、実施例1において図4(B)に示した処理と同じである。図7(A)には、画像処理部104が順次取得するフレーム画像701〜703の例を示す。図7(A)(および後述する図7(B),(C))において、菱形は光学系101において発生する不要像としてのゴーストを表し、星形はユーザが着目する被写体を表している。また、丸形は光学系101に付着したゴミ等の異物の像(影)であり、不要像である。異物には、例えば撮像素子の直前に配置された光学ローパスフィルタに付着するゴミが含まれる。以下の説明において、異物の不要像をゴミという。
この図から、撮像装置のパンニングにより着目被写体とゴーストの位置はフレーム画像ごとに変化している一方、ゴミの位置は変化していない(撮影映像内において常に同じ位置に現れる)ことが分かる。
ステップS604では、画像処理部104は、ステップS602で取得した超広角映像のフレーム画像に対してゴーストとゴミの検出を行い、ゴーストおよびゴミのうち少なくとも一方を検出した場合にその位置(座標)を算出する。ゴーストの検出方法については実施例1にて説明した通りである。一方、ゴミの検出方法については、特許文献2にて開示されているような公知の方法を用いればよい。すなわち、ゴミ検出用に別途撮像により生成された画像からゴミの位置および大きさの情報を取得し、それらの情報を用いて検出対象であるフレーム画像においてゴミの検出を行えばよい。
次にステップS605では、画像処理部104は、ステップS603で算出した切り出し範囲内にステップS604で検出されたゴミの座標が含まれているか否かを判定する。ゴミが含まれている場合には画像処理部104はステップS606に進み、ゴミが含まれていない場合にはステップS607に進む。
ステップS606では、画像処理部104は、ステップS604で検出したゴミを補正(除去または低減)するゴミ補正処理を行う。これにより、ゴミ補正画像(不要像補正画像)が得られる。ゴミ補正処理は、例えば特開2007−189467号公報にて開示されているような補間処理等の公知の方法を用いることができる。ステップS605〜S606において、切り出し範囲内にゴミが含まれる場合にのみゴミ補正処理が行われるため、処理負荷の無用な増加を抑えることができる。
ステップS607では、画像処理部104は、ゴースト補正処理を制御する処理(ゴースト補正制御処理)を行う。図8のフローチャートには、ゴースト補正制御処理の流れを示している。
ステップS631は、画像処理部104は、ステップS603で算出した切り出し範囲(の座標)の変化履歴の情報、すなわち切り出し範囲がどのように変化したかの情報を取得する。図7(B)に示す画像711は、切り出し範囲の変化履歴の例を示している。画像711においてそれぞれ点線で示す矩形領域は、順次取得されるフレーム画像のそれぞれでの切り出し範囲を示す。この例は、撮像中に着目被写体が撮像装置に対して左から右へ移動し、それをパンニングにより追尾した結果、切り出し範囲が矢印で示すように変化したことを示している。なお、図7(B)においては着目被写体、ゴーストおよびゴミの図示は省略している。
次にステップS632では、画像処理部104は、ステップS604で検出したゴーストの座標の変化履歴の情報、すなわちゴーストの座標がどのように変化したかの情報を取得する。図7(C)に示す画像721は、ゴーストの座標の変化履歴の例を示している。画像721において最も左側の点線の菱形が最初のフレーム画像上でのゴーストの座標を示し、それよりも右側の点線および最も右側の実線の菱形がその後に順次取得されるフレーム画像のそれぞれでのゴーストの座標を示す。この例は、撮像中に撮像装置をパンニングしたために、不図示の光源と光学系101との位置関係の変化に応じてゴーストの座標が変化したことを示している。なお、図7(C)においては着目被写体およびゴミの図示は省略している。
次にステップS633では、画像処理部104は、ステップS631で算出した切り出し範囲にステップS632で算出したゴーストの座標が含まれているか否かを判定する。全ての切り出し範囲にゴーストの座標が含まれていない場合には、画像処理部104はステップS637に進み、ゴーストの補正を行わない。一方、ゴーストの座標が含まれている切り出し範囲がある場合には、画像処理部104はステップS634に進む。
ステップS634では、画像処理部104は、ステップS631およびS632で取得した2つの変化履歴情報を比較してそれらの差分を算出する。具体的には、以下の式(1)により変動ベクトルの差分絶対値和Dif_Vを算出する。
ここで、Vt[i][x]はi番目のフレーム画像に対する切り出し範囲の位置(座標)の変化の水平成分を示し、Vt[i][y]はその垂直成分を示す。また、Vg[i][x]はi番目のフレーム画像に対するゴーストの位置(座標)の変化の水平成分を示し、Vg[i][y]はその垂直成分を示す。Nは撮像により取得したフレーム画像の総数を示す。Dif_Vは、切り出し範囲の位置の変化に対するゴーストの位置の変化の大きさを示す評価値に相当する。
次にステップS635では、画像処理部104は、ステップS634で算出したDif_Vが所定値以下か否か、すなわち位置が変化していく切り出し範囲に対するゴーストの位置の変化が小さいか否かを判定する。Dif_Vが所定値以下であれば(所定値より小さければ)、画像処理部104はステップS637に進み、ゴースト補正処理を行わないと決定する。一方、Dif_Vが所定値よりも大きければ、すなわち位置が変化していく切り出し範囲に対してゴーストの位置の変化が大きい場合は、画像処理部104はステップS636に進み、ゴースト補正処理を行うと決定する。
以上で、ステップS607におけるゴースト補正制御処理を完了し、画像処理部104は図6のステップS608に進む。
ステップS608では、画像処理部104は、処理対象であるフレーム画像の全てに対して画像処理が完了したか否かを判定する。画像処理部104は、完了していなければステップS609に進む。
ステップS609では、画像処理部104は、ステップS607で行ったゴースト補正制御処理の結果においてゴースト補正処理を行うと決定されたときにのみ、実施例1におけるステップS406と同様にゴースト補正処理を行う。
これは、位置が変化していく切り出し範囲に対するゴーストの位置の変化が小さい場合には、ゴースト補正処理を行わなくてもゴーストを含んだ出力映像が不自然に見えることはないためである。また、実施例1で説明したゴーストの誤検出による画質劣化や処理負荷の増加を防止することもできるためである。一方、位置が変化していく切り出し範囲に対してゴーストの位置の変化が大きい場合には、ゴーストの見え方(動き)が不自然となるため、ゴースト補正処理を行う必要がある。
なお、本実施例では、Dif_Vが所定値より大きいか否かでゴースト補正処理を行うか行わないかを単純に切り替える場合について説明したが、Dif_Vの値の大きさに応じてゴースト補正処理の強度を徐々に増減させるようにしてもよい。例えば、Dif_Vの値が大きいほど、実施例1のステップS406で説明したように視差画像を合成した画像から差し引く不要画像成分に大きなゲインをかけることで、ゴースト補正処理の強度を強くしてもよい。これにより、撮影映像に対するゴースト補正処理の有無の敏感度を抑えることができる。
ステップS610〜S612の処理は、実施例1におけるS407〜S409と同じである。
本実施例によれば、撮像時に撮像画角が変化する場合においても、撮影映像において位置が可変な切り出し範囲と不要像の位置の変化とに基づいて適応的に不要像に対する補正処理を制御することができる。これにより、処理負荷の増大を抑えながら画質低下を防止することができる。
なお、上記各実施例では、超広角映像から部分映像を切り出して歪み補正処理を行う場合に不要像を除去または低減する補正処理を行う場合ついて説明した。しかし、超広角映像ではない広角映像等の通常画角映像から部分映像を切り出して歪み補正処理を行わない場合でも、各実施例で説明した補正処理を行うことが可能である。
また、上記各実施例では、撮像装置に画像処理部104として内蔵された画像処理装置について説明したが、撮像装置とは別のパーソナルコンピュータ等により画像処理装置を構成してもよい。
(その他の実施例)
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
(その他の実施例)
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
以上説明した各実施例は代表的な例にすぎず、本発明の実施に際しては、各実施例に対して種々の変形や変更が可能である。
102 撮像部
104 画像処理部
201 検出部
202 補正部
203 画角決定部
104 画像処理部
201 検出部
202 補正部
203 画角決定部
Claims (11)
- 撮像により生成された第1の映像のうち切り出し範囲内の第2の映像を切り出す処理を行う画像処理装置であって、
前記第1の映像のうち前記切り出し範囲の位置を可変に設定する範囲設定手段と、
前記第1の映像において被写体像とは異なる不要像を検出する検出手段と、
前記第1の映像に対して前記不要像を除去または低減する不要像補正処理を行う補正手段とを有し、
前記補正手段は、前記切り出し範囲内において前記不要像が検出されない場合は前記不要像補正処理を行わず、前記切り出し範囲内において前記不要像が検出された場合に前記不要像補正処理を行うことを特徴とする画像処理装置。 - 前記範囲設定手段は、ユーザ指定に応じて前記切り出し範囲の位置を設定することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
- 前記範囲設定手段は、前記第1の映像における前記被写体像の動きを検出し、該被写体像を追尾するように前記切り出し範囲の位置を変化させることを特徴とする請求項1または2に記載の画像処理装置。
- 前記補正手段は、前記切り出し範囲内において前記不要像が検出された場合において、
前記切り出し範囲の位置の変化に対する前記不要像の位置の変化の大きさを示す評価値に応じて前記不要像補正処理を行うか否かを制御することを特徴とする請求項1から3に記載のいずれか一項に記載の画像処理装置。 - 前記所定値は、前記切り出し範囲の位置の変化に対する前記不要像の位置の変化の大きさが小さいほど小さな値となり、
前記補正手段は、前記評価値が所定値より小さいときは前記不要像補正処理を行わず、前記評価値が前記所定値より大きいときは前記不要像補正処理を行うことを特徴とする請求項4に記載の画像処理装置。 - 前記不要像は、撮像において用いられる光学系にて発生するゴーストおよび前記光学系に付着した異物の像のうち少なくとも一方であることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の画像処理装置。
- 前記範囲設定手段は、前記第1の映像から得られる映像であって、歪みを除去または低減する歪み補正処理を行うことで得られた歪み補正映像において前記被写体像を追尾することを特徴とする請求項3に記載の画像処理装置。
- 前記補正手段は、前記不要像補正処理を行うことで得られた不要像補正映像に対して、歪みを除去または低減する歪み補正処理を行うことを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の画像処理装置。
- 前記不要像補正処理および歪みを除去または低減する歪み補正処理を行うことで得られた補正映像から前記部分映像を切り出すことを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の画像処理装置。
- 被写体を撮像する撮像部と、
請求項1から9のいずれか一項に記載の画像処理装置とを有することを特徴とする撮像装置。 - 撮像により生成された第1の映像のうち切り出し範囲内の第2の映像を切り出す処理を行う画像処理方法であって、
前記第1の映像のうち前記切り出し範囲の位置を可変に設定し、
前記第1の映像において被写体像とは異なる不要像を検出し、
前記第1の映像に対して前記不要像を除去または低減する不要像補正処理を行い、
前記切り出し範囲内において前記不要像が検出されない場合は前記不要像補正処理を行わず、前記切り出し範囲内において前記不要像が検出された場合に前記不要像補正処理を行うことを特徴とする画像処理方法。
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