JP2017212494A - 通信制御装置および通信制御方法 - Google Patents

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玲子 櫻田
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浩行 大西
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Abstract

【課題】NWを効率的に利用することで、ユーザに提供する通信サービスを高品質かつ安価にする。
【解決手段】ユーザに所定の通信サービスを提供するための通信を制御する通信制御装置1は、ユーザごとに通信を許可するか否かを管理するユーザ管理部11と、ネットワーク上のトラフィックの空き状況を監視し、ユーザのユーザ端末が所定のデータを送信するときの送信タイミングを管理する送信タイミング管理部12と、送信タイミングをユーザ管理部に通知して、ユーザによる通信を許可する送信タイミング通知部13と、を備え、送信タイミング管理部12は、通信サービスをユーザが利用する必要帯域、および、当該通信サービスの利用時間が決定されると、必要帯域以上となる空き帯域が存在し、利用時間が収まる空き時間帯を検索し、ネットワーク上のトラフィックが時間に関して平準化するように、検索した空き時間帯内で送信タイミングを予約する。
【選択図】図1

Description

本発明は、NW(Network:ネットワーク)上のトラフィックを制御する通信技術に関する。
通信会社などがユーザに所定の通信サービスを提供する場合、NWおよびクラウド設備を効率的に利用して通信サービスを高品質かつ安価にしたいという要望がある。NWを効率的に利用するためには、通信会社などが設計構築する通信設備を必要最小限にするとともに、トラフィックを時間に関して平準化させる(各時間帯のトラフィック量を同じにする)必要がある。クラウド設備を効率的に利用する場合についても同様である。
しかし、一般的に、ネットワーク上のトラフィック量は時間帯や曜日などによって大きく変化するように推移しており、特に、昼間にはトラフィック量が最大になる。トラフィック量が最大になるということは、NWの利用のタイミングが大部分のユーザ間で重なっていることを意味している。通信会社などは、このようなトラフィック量が最大となる状況に対処可能となるように通信設備の設計や構築を行う必要がある。しかし、トラフィック量が最大となる時間帯以外の時間帯では通信設備を持て余してしまい(稼働率が低くなってしまい)、概して設備効率が低い。
また、通信サービスによっては、通話の呼データのようにリアルタイム性を求めるデータがやり取りされるものもあれば、IoT(Internet of Things)などのセンサ・画像情報のようにリアルタイム性を求めない観測データが定期的にやり取りされるものもある。例えば、植物の成長データや、橋の亀裂等のデータは日単位、週単位、月単位でやり取りすれば十分である。NWを効率的に利用する際、このような事情を考慮することが好ましい。
特許文献1には、現在のレートリミットを超えるような急激なトラヒックの増加や、トラヒックの時間的変化に対する追従性に優れた帯域自動調整装置及びプログラムを提供する技術について開示されている。
特開2014−147014号公報
しかし、特許文献1には、トラヒックを予測して帯域を増減する記載がされているに留まり、NWの利用を効率的にするための記載も示唆もされていない。
このような事情に鑑みて、本発明は、NWを効率的に利用することで、ユーザに提供する通信サービスを高品質かつ安価にすることを課題とする。
前記した課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、ユーザに所定の通信サービスを提供するための通信を制御する通信制御装置であって、前記ユーザごとに通信を許可するか否かを管理するユーザ管理部と、ネットワーク上のトラフィックの空き状況を監視し、前記ユーザのユーザ端末が所定のデータを送信するときの送信タイミングを管理する送信タイミング管理部と、前記送信タイミングを前記ユーザ管理部に通知して、前記ユーザによる通信を許可する送信タイミング通知部と、を備え、前記送信タイミング管理部は、前記通信サービスを前記ユーザが利用する必要帯域、および、当該通信サービスの利用時間が決定されると、前記必要帯域以上となる空き帯域が存在し、前記利用時間が収まる空き時間帯を検索し、前記ネットワーク上のトラフィックが時間に関して平準化するように、前記検索した空き時間帯内で前記送信タイミングを予約する、ことを特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、ユーザに所定の通信サービスを提供するための通信を制御する通信制御装置における通信制御方法であって、前記通信制御装置が、ネットワーク上のトラフィックの空き状況を監視するステップと、前記通信サービスを前記ユーザが利用する必要帯域、および、当該通信サービスの利用時間が決定されると、前記必要帯域以上となる空き帯域が存在し、前記利用時間が収まる空き時間帯を検索するステップと、前記ネットワーク上のトラフィックが時間に関して平準化するように、前記検索した空き時間帯内で、前記ユーザのユーザ端末が所定のデータを送信するときの送信タイミングを予約するステップと、前記送信タイミングを迎えると、前記ユーザによる通信を許可するステップと、を実行する、ことを特徴とする。
請求項1,3に記載の発明よれば、トラフィック量が刻々と変化するネットワークに対して、ネットワーク上のトラフィックが時間に関して平準化するように、ユーザからのデータ送信の送信タイミングを予約して、ユーザに通信サービスを利用してもらうようにすることができる。このため、あらゆる時間帯で通信設備を持て余すことを回避することができ、高品質かつ安価な通信サービスを実現することができる。
したがって、NWを効率的に利用することで、ユーザに提供する通信サービスを高品質かつ安価にすることができる。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の通信制御装置であって、前記通信サービスが、センサから取得したセンサデータを通信するサービスであり、前記ユーザ端末が、前記センサから前記センサデータを取得可能な端末である場合、前記送信タイミング管理部は、前記センサデータを用いた通信サービスを前記ユーザが利用する必要帯域、および、当該通信サービスの利用時間が決定されると、前記必要帯域以上となる空き帯域が存在し、前記利用時間が収まる空き時間帯を検索し、前記ネットワーク上のトラフィックが時間に関して平準化するように、前記検索した空き時間帯内で前記送信タイミングを予約する、ことを特徴とする。
請求項2に記載の発明によれば、通信サービスが、IoTなどから得られるセンサデータのうちリアルタイム性を求めないデータがやり取りされるサービスである場合、センサデータを通信するための専用帯域を用意し、ネットワーク上のトラフィックが時間に関して平準化するように、ユーザからのデータ送信の送信タイミングを予約して、ユーザに通信サービスを利用してもらうようにすることができる。このため、ネットワーク上のトラフィック量の変化の推移に依存しない、高品質かつ安価な通信サービスを実現することができる。
本発明によれば、NWを効率的に利用することで、ユーザに提供する通信サービスを高品質かつ安価にすることができる。
本実施形態の通信制御装置の機能構成図である。 IoTの場合(センサデータなどを定期的に送信したい場合)の新規申込み時(デバイス(デバイス上のAPL)に手作業でタイミングを設定)に関するシーケンス図である。 IoTの場合(センサデータなどを定期的に送信したい場合)の新規申込み時(必要時間・利用時間計算)をシステマティックに実施)に関するシーケンス図である。 IoTの場合(センサデータなどを定期的に送信したい場合)にデバイスからNW側にデータ送信(送信タイミング前)することに関するシーケンス図である。 IoTの場合(センサデータなどを定期的に送信したい場合)にデバイスからNW側にデータ送信(送信タイミング時)することに関するシーケンス図である。 IoTの場合(センサデータなどを定期的に送信したい場合)にデバイスからNW側にデータ送信(送信タイミング後)することに関するシーケンス図である。 逐一タイミングを変更する場合に日常的に優先度をつけて送信することに関するシーケンス図である。 逐一タイミングを変更する場合に日常的に優先度をつけて送信(ダイレクトメールを一時的にためて送信)することに関するシーケンス図である。
本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
≪構成≫
図1に示す通信制御装置1は、通信会社などが所持する計算機であって、所定のユーザ端末を所持するユーザに通信サービスを提供する際に発生するNW上のトラフィックを制御する装置である。図1に示すように、本実施形態の通信制御装置1は、ユーザ管理部11と、送信タイミング管理部12と、送信タイミング通知部13と、必要帯域利用時間算出部14と、ユーザDB21と、スケジュールDB22といった機能部を有している。なお、通信制御装置1は、制御部、記憶部、入力部、出力部といったハードウェアを有し、制御部が、記憶部に記憶されているプログラムを記憶部の記憶領域に展開し実行することにより、上記の機能部を実現し、さまざまな処理を実行することができる。本実施形態の通信制御装置1は、このようなソフトウェアとハードウェアの協働を実現することができる。
ユーザ管理部11は、通信サービスを利用するユーザに関する情報を管理する。具体的には、ユーザ管理部11は、通信サービスの新規申込み時にユーザのユーザ端末から当該ユーザを特定するユーザ情報(例:氏名、ユーザ端末の固有情報(例:SIM情報))を取得してユーザDB21に登録する。また、ユーザ管理部11は、通信サービスの新規申込み時にユーザのユーザ端末から通信サービスの利用形態に関する希望を示す通信希望情報(例:通信サービスの利用期間、データの送信頻度、送信先、利用シーン、データ量、帯域)を取得してユーザDB21に登録する。また、ユーザ管理部11は、ユーザDB21を用いて、ユーザごとに、通信サービスの提供に伴う通信を許可するか否かを管理することができる。例えば、ユーザ管理部11は、HLR(Home Location Register)/HSS(Home Subscriber Server)を用いて実装することができる。
送信タイミング管理部12は、NW上のトラフィックの利用に関するスケジューラとして機能する。具体的には、送信タイミング管理部12は、通信サービスを利用するユーザのユーザ端末が所定のデータを送信するときの送信タイミングを管理する。送信タイミング管理部12は、送信タイミングを管理するためにスケジュールDB22を用いる。また、送信タイミング管理部12は、NW上のトラフィックを受動的にモニタリングしてトラフィックの空き状況を監視することができる。
送信タイミング通知部13は、送信タイミング管理部12からの指示に応じてユーザ端末に送信タイミングを通知する。具体的には、送信タイミング通知部13は、送信タイミングをユーザ管理部11に通知して、対象のユーザによる通信を許可する。このとき、ユーザ管理部11は、通信サービスの提供に伴う通信を許可するようにユーザDB21を更新する。
なお、送信タイミング管理部12および送信タイミング通知部13を1機能部として実現してもよい。
必要帯域利用時間算出部14は、ユーザが利用する通信サービスについて、通信サービスをユーザが利用する必要帯域、および、当該通信サービスの利用時間を決定する。必要帯域および利用時間は、例えば、通信サービスの態様から決定することができる。ただし、利用する時間帯次第では、同じデータ量のデータを送信する場合であっても、必要帯域および利用時間の組み合わせが異なる場合がある。
ユーザDB21は、通信サービスを利用するユーザのユーザ情報、および、通信サービスの利用形態に関する希望を示す通信希望情報を登録するデータベースである。また、ユーザDB21は、ユーザごとに、通信サービスの提供に伴う通信を許可するか否かを管理する。所定の送信タイミングを迎える場合、通信を許可するようにユーザDB21が更新される。
スケジュールDB22は、ユーザごとに、ユーザ端末からデータを送信するときの送信タイミングを登録するデータベースである。所定のタイミングでデータを送信することが決定した場合、そのデータ送信について、送信タイミングが予約され、スケジュールDB22に登録される。
一般的に、ネットワーク上のトラフィック量は時間帯や曜日などによって大きく変化するように推移しており、特に、昼間にはトラフィック量が最大になる。そこで、送信タイミング管理部12は、トラフィックの空き状況を監視し、トラフィック量の小さく、空き帯域の大きい時間帯をリアルタイムで特定し、特定した時間帯に数多くの送信タイミングを予約して、NW利用を許可する。同時に、トラフィック量が大きく、空き帯域の小さい時間帯を特定することもできるので、その時間帯に送信タイミングを予約することは極力避けるようにして、NW利用を許可する。最終的には、送信タイミングを調整して、時間に関してトラフィックを平準化させるようにする。
このように、NWの都合を考慮して、通信サービスの利用可能時間をユーザに通知し、その時間内に利用してもらうように制御することで、あらゆる時間帯で通信設備を持て余すことを回避することができ、高品質(空き帯域の不足した時間帯がほとんど存在しない)かつ安価な(必要最小限の通信設備で済ませて通信事業者の設備コストを低減できるようにし、ユーザに対しても安価となる)通信サービスを実現することができる。
また、通信サービスが、IoTなどから得られるセンサデータのうちリアルタイム性を求めないデータがやり取りされるサービスである場合、通信制御装置1は、IoT用に確保した専用帯域を全時間帯に亘って用意する。また、その専用帯域を所定単位の時間幅に小分けし、各ユーザの送信タイミングを時間に関して平準化して予約するように調整し、送信タイミングが予約されたユーザのトラフィックを主に通信させる。主に、日単位、週単位、月単位などの所定の間隔で取得されるセンサデータは、トラフィックの偏りを解消するように計画的に扱うことが比較的容易であるため、そのようなセンサデータに対して、それほど大きな専用帯域を用意しないように済ませることができ、送信タイミングの予約を上記のように調整することで、ネットワーク上のトラフィック量の変化の推移に依存しない、高品質かつ安価な通信サービスを実現することができる。
また、一般的に、NWは利用時間帯ごとに利用料金が異なるように設定されている。例えば、平日の昼間は、料金が高く、夜間は安くなるように設定されている。IoTから得られるセンサデータを送信する場合、最も安い時間帯で予約がそれほどなされていない時間帯に送信タイミングの予約を割り当てることで、さらに、高品質かつ安価な通信サービスを実現することができる。
<処理>
本実施形態の通信制御装置1が実行する処理の具体例について説明する。
まず、IoTから得られるセンサデータなどを定期的に送信したい場合の処理について、図2〜図6を参照して説明する。
図2には、通信サービスの新規申込み時の処理であって、デバイス(デバイス上のAPL(Application))に手作業で送信タイミングを設定するときの処理の手順が示されている。デバイス3は、IoTとして機能するセンサからセンサデータを取得可能なユーザ端末であり、有線でも無線でも通信することができる。また、図2中のPC2は、デバイス3を操作するユーザが操作するユーザ端末であり、デバイス3と連携したり、通信制御装置1のユーザ管理部11と、送信タイミング管理部12と、送信タイミング通知部13とNWを介して情報を送受信したりすることができる。
まず、PC2は、ユーザが希望する通信サービスの新規申込みに要する情報を、ユーザ管理部11に送信する(ステップA1)。具体的には、PC2は、新規申込みに要する情報として、例えば、通信サービスの利用期間(例:2016年5月1日〜2017年4月30日)と、ユーザの氏名(例:NTT太郎)と、デバイス3の端末情報(SIM情報:例えば、abcdefg12345)と、送信頻度(例:月1回)と、送信先(例:宛先メールアドレス)と、利用シーン(例:レインボーブリッジの亀裂)と、データ量(例:1MB)と、をユーザ管理部11に送信する。
次に、ユーザ管理部11は、送信タイミング管理部12に対して、新規申込みのあった通信サービスに用いるデータの送信タイミングの予約を指示する(ステップA2)。この指示には、ユーザ管理部11が取得した新規申込みに要する情報が含まれている。
次に、送信タイミング管理部12は、ユーザ管理部11からの指示に応じて、新規申込みのあった通信サービスについて、当該通信サービスをユーザが利用する必要帯域、および、当該通信サービスの利用時間を確認する(通信サービスごとに必要帯域および利用時間はすでに求められているとするが、通信サービスの実施の時間帯次第で多少変動する場合はある)。また、送信タイミング管理部12は、当該通信サービスの実施時になされるデータ転送のルートを確認する(ステップA3)。具体的には、VPN(Virtual Private Network)を設定すべき、NW上の通信装置(例:PE(Provider Edge)ルータ)がいずれであるかを確認し、その通信装置についてデータベース化する。
次に、送信タイミング管理部12は、NWトラフィックの空き状況を監視して、新規申込みのあった通信サービスを利用可能とする空き時間帯を検索する。このとき、送信タイミング管理部12は、すでに確認した必要帯域以上となる空き帯域が存在し、すでに確認した利用時間が収まる空き時間帯を検索する。また、送信タイミング管理部12は、NW上のトラフィックが時間に関して平準化するように、検索した空き時間帯内で送信タイミングを予約する(ステップA4)。
次に、送信タイミング管理部12は、検索した空き時間帯をユーザに通知するように、送信タイミング通知部13に空き時間帯通知指示を送信する(ステップA5)。
次に、送信タイミング通知部13は、受信した空き時間帯通知指示に応じて、PC2に対して、検索した空き時間帯を通知する。また、送信タイミング通知部13は、PC2に対して、空き時間帯にデータを送信することで発生する金額も通知する(ステップA6)。例えば1MBのデータをどの時間帯にNW経由で送信するとどれほどの金額がかかるかという料金プランは事前に決定することができる。
次に、PC2は、デバイス3に対して、通知された空き時間帯に応じて、通信サービスに用いるデータを送信する時間を設定する(ステップA7)。
以上の手順によって、新規申込みによって、デバイス3のAPLに、通信サービスに用いるデータの送信タイミングを設定することができる。
図3には、通信サービスの新規申込み時の処理であって、必要帯域および利用時間計算をシステマティックに実施して、送信タイミングを設定するときの処理の手順が示されている。図3中のステップA1,ステップA4〜ステップA7は、図2のステップA1,ステップA4〜ステップA7と同じであり、図2の処理との相違点(ステップB1〜ステップB6として明示)について主に説明する。
PC2は、新規申込みに要する情報を送信した(ステップA1)後、通信サービスの必要帯域および利用時間の計算に要するテストデータの送信開始の要求をテスト送信開始要求として、ユーザ管理部11に送信する(ステップB1)。ユーザ管理部11は、必要帯域利用時間算出部14に対して、通信サービスの必要帯域および利用時間の計算を指示する(ステップB2)。必要帯域利用時間算出部14は、ユーザ管理部11を介してPC2に対して、計算指示に対応するレスポンス(OK)を返す(ステップB3)。
PC2と連携しているデバイス3は、新規申込みをした通信サービス用のテストデータを必要帯域利用時間算出部14に送信する(ステップB4)。必要帯域利用時間算出部14は、受信したテストデータを用いて、通信サービスの必要帯域および利用時間を計算する(ステップB5)。この計算に伴う具体的な演算は周知のものでよく、説明を省略する。
次に、必要帯域利用時間算出部14は、送信タイミング管理部12に対して、新規申込みのあった通信サービスに用いるデータの送信タイミングの予約を指示する(ステップB6)。指示には、計算した、必要帯域および利用時間が含まれている。その後、すでに説明したステップA4〜ステップA7(図2)が実行される。
以上の手順によって、新規申込みによって、デバイス3のAPLに、通信サービスに用いるデータの送信タイミングをシステマティックに設定することができる。
図4には、デバイス3からNW側にデータを送信する送信タイミングの少し前における処理の手順が示されている。
デバイス3は、IoTとしてのセンサ4に定常的にセンシングして、このセンサ4からセンサデータを取得している(ステップC1)。
送信タイミングの開始前(例:数秒前)になると、送信タイミング管理部12は、ユーザ管理部11に対して、送信タイミングを通知する(ステップC2)。図4の処理の例では、ユーザBが所持するデバイス3によるデータ送信の送信タイミングを通知するものとする。
次に、ユーザ管理部11は、通知のあった送信タイミングに基づいて、ユーザDB21を更新する(ステップC3)。具体的には、ユーザ管理部11は、ユーザDB21内のユーザBについて、通信を許可する状態に更新する(「−」→「○」)。「−」は通信不許可、「○」は通信許可を意味する。
ユーザBのデバイス3から送信されるデータについてVPNを利用して通信を行う場合、送信タイミング管理部12は、コントローラ6に対して、VPN設定要求を送信する(ステップC4)。コントローラ6は、通信装置7(PEルータ等)を制御する機器であって、通信会社等が所持する。このコントローラ6は、VPN設定要求に応じて、ユーザBについて事前に定められているデータ転送のルート(図2のステップA3参照)に基づいて、該当の通信装置7に対してVPNを設定する(ステップC5)。
図5には、デバイスからNW側にデータを送信する送信タイミングの時点における処理の手順が示されている。
通信装置7に対してVPNが設定(図4のステップC5)され、送信タイミング(の開始)を迎えると、デバイス3のAPLは、まず、ユーザBを認証するための認証データ(周知であり、詳細な説明は省略)を、基地局5を介してユーザ管理部11に送信する(ステップC6)。基地局5は、デバイス3からの電波を受信する機器であり、通信会社等が所持する。ユーザ管理部11は、認証データを用いた認証処理を行い認証が成功したこと(OK)を、基地局5を介してデバイス3に返す(ステップC7)。
デバイス3は、送信タイミングに合わせて、センサデータなどのデータを、基地局5を介して、通信装置7に送信する(ステップC8)。通信装置7は、事前に定められているデータ転送のルート(図2のステップA3参照)に基づいて、受信したデータを、NWを経由するなどして、クラウドに送信する(ステップC9)。最終的に、データは、ユーザDB21に登録されていた送信先(図2のステップA1参照)に送信され、送信タイミングが終了する。
図6には、デバイス3からNW側にデータを送信する送信タイミングが終了した後における処理の手順が示されている。
送信タイミングの終了後(例:数秒後)になると、送信タイミング管理部12は、ユーザ管理部11に対して、送信タイミング終了通知を送信する(ステップC10)。
次に、ユーザ管理部11は、受信した送信タイミング終了通知に基づいて、ユーザDB21を更新する(ステップC11)。具体的には、ユーザ管理部11は、ユーザDB21内のユーザBについて、通信の許可を解除する状態に更新する(「○」→「−」)。
ユーザBのデバイス3から送信されるデータについてVPNを利用して通信を行う場合、送信タイミング管理部12は、コントローラ6に対して、VPN設定解除要求を送信する(ステップC12)。このコントローラ6は、VPN設定解除要求に応じて、VPNが設定された通信装置7に対してVPNの設定を解除する(ステップC13)。
図4〜図6に示す処理のように、IoTから得られるセンサデータなどを定期的に送信したい場合、デバイス3に対して時限的な通信を設定することによって、NWの利用を効率的にすることができる。
次に、データを送信するタイミングを逐一変更したい場合の処理について、図7,図8を参照して説明する。
図7には、送信タイミングが変更されるデータに対して日常的に優先度をつけて送信するときの処理の手順が示されている。図7の例では、PC2を、データを送信するユーザ端末として説明する。
例えば、PC2が緊急メールを送信したい場合には、PC2に対して事前に決定した送信タイミングにかかわらず、以下のステップD1〜ステップD3が実行される。
まず、PC2は、ユーザ管理部11に対して、緊急メールに関する送信リクエストを送信する(ステップD1)。この送信リクエストには、送信しようとするデータ(緊急メール)の優先度(例:至急)およびデータ量(例:1MB)を示す値が付されている。ユーザ管理部11は、PC2に対して、受信した送信リクエストに対するレスポンス(OK)を返す(ステップD2)。この際、ユーザ管理部11は、PC2のユーザについて通信を許可するようにユーザDB21を更新してもよい。
次に、PC2は、緊急メールのデータを、NWを経由するなどして、クラウドに送信する(ステップD3)。最終的に、データは、メールの宛先に送信される。
このように、送信タイミングを制限されては不都合となる通信サービスについては、送信リクエストに所定の優先度を設定することにより、送信タイミングの制限を適用しないように済ませることができる。
また、例えば、PC2が、緊急メールよりも優先度が低いダイレクトメールを送信したい場合には、PC2に対して事前に決定した送信タイミングにかかわらず、以下のステップD4〜ステップD8が実行される。
まず、PC2は、ユーザ管理部11を介して送信タイミング管理部12に対して、ダイレクトメールに関する送信リクエストを送信する(ステップD4)。この送信リクエストには、送信しようとするデータ(ダイレクトメール)の優先度(例:24時間以内(に送信完了))およびデータ量(例:5MB)を示す値が付されている。
次に、送信タイミング管理部12は、ダイレクトメールの通信サービスをユーザが利用する必要帯域、および、当該通信サービスの利用時間を確認するとともに、当該通信サービスの実施時になされるデータ転送のルートを確認する(ステップD5)。ステップD5の処理は、図2のステップA3の処理と同じである。
次に、送信タイミング管理部12は、NWトラフィックの空き状況を監視して、ダイレクトメールの通信サービスを利用可能とする空き時間帯を検索する。また、送信タイミング管理部12は、NW上のトラフィックが時間に関して平準化するように、検索した空き時間帯内で送信タイミングを予約する(ステップD6)。ステップD6の処理は、図2のステップA4の処理と同じである。また、ステップD4〜ステップD8でのダイレクトメールの送信の処理において、現時点が空き時間帯に含まれているとする。
次に、送信タイミング管理部12は、ユーザ管理部11を介して、PC2に対して、受信した送信リクエスト(ステップD4)に対するレスポンス(OK)を返す(ステップD7)。このレスポンスには、検索した(24時間以内に存在する)空き時間帯を示す情報が含まれている。この際、ユーザ管理部11は、PC2のユーザについて通信を許可するようにユーザDB21を更新してもよい。
次に、PC2は、ダイレクトメールのデータを、NWを経由するなどして、クラウドに送信する(ステップD8)。最終的に、データは、メールの宛先に送信される。
このように、送信リクエストに設定される優先度次第では(緊急性が多少緩和されている場合には)、送信タイミングの制限は適用しないが、ダイレクトメールを送信する際、あらかじめ設定した帯域やルートを利用することができる。
図8には、送信タイミングが変更されるデータに対して日常的に優先度をつけて送信するときの処理の手順の他の例が示されている。
例えば、PC2がダイレクトメールを送信したい場合において、通信会社等が一次保存サーバ8を有している場合には、PC2に対して事前に決定した送信タイミングを利用して、以下のステップE1〜ステップE7が実行される。一次保存サーバ8は、所定のデータを専用の記憶装置に一時的にためておく(一次保存)ことが可能なサーバである。
まず、PC2は、ユーザ管理部11を介して送信タイミング管理部12に対して、ダイレクトメールに関する送信リクエストを送信する(ステップE1)。ステップE1の処理は、ステップD4(図7)の処理と同じである。
次に、PC2は、ダイレクトメールのデータを一次保存サーバ8に送信する(ステップE2)。一次保存サーバ8は、受信したデータを一次保存すると、送信タイミング管理部12に対して一次保存通知をする(ステップE3)。
次に、送信タイミング管理部12は、ダイレクトメールの通信サービスをユーザが利用する必要帯域、および、当該通信サービスの利用時間を確認するとともに、当該通信サービスの実施時になされるデータ転送のルートを確認する(ステップE4)。ステップE4の処理は、図2のステップA3の処理と同じである。
次に、送信タイミング管理部12は、NWトラフィックの空き状況を監視して、ダイレクトメールの通信サービスを利用可能とする空き時間帯を検索する。また、送信タイミング管理部12は、NW上のトラフィックが時間に関して平準化するように、検索した空き時間帯内で送信タイミングを予約する(ステップE5)。ステップE5の処理は、図2のステップA4の処理と同じである。
予約した送信タイミングを迎えると、送信タイミング管理部12は、一次保存サーバ8に対して、ダイレクトメールのデータの送信指示を送信する(ステップE6)。一次保存サーバ8は、ダイレクトメールのデータを、NWを経由するなどして、クラウドに送信する(ステップE7)。最終的に、データは、メールの宛先に送信される。
このように、一次保存サーバ8を用いて、ユーザ側ではなく通信会社側で送信タイミングを制御することによって、優先度が設定されたデータ送信についても送信タイミングの制限をかけることができ、NW上のトラフィックの平準化を実現することができる。
≪まとめ≫
本実施形態によれば、トラフィック量が刻々と変化するネットワークに対して、ネットワーク上のトラフィックが時間に関して平準化するように、ユーザからのデータ送信の送信タイミングを予約して、ユーザに通信サービスを利用してもらうようにすることができる。このため、あらゆる時間帯で通信設備を持て余すことを回避することができ、高品質かつ安価な通信サービスを実現することができる。
したがって、NWを効率的に利用することで、ユーザに提供する通信サービスを高品質かつ安価にすることができる。
また、通信サービスが、IoTなどから得られるセンサデータのうちリアルタイム性を求めないデータがやり取りされるサービスである場合、センサデータを通信するための専用帯域を用意し、ネットワーク上のトラフィックが時間に関して平準化するように、ユーザからのデータ送信の送信タイミングを予約して、ユーザに通信サービスを利用してもらうようにすることができる。このため、ネットワーク上のトラフィック量の変化の推移に依存しない、高品質かつ安価な通信サービスを実現することができる。
本発明は、上記実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、変更実施が可能であり、例えば、次の(a)〜(e)のようなものがある。
(a):本実施形態では、NWの利用を効率的にするという観点から、ユーザからのデータ送信の送信タイミングを制限するようにした。しかし、これまでに説明した方法と同様の方法をとることで、クラウド設備を効率的にするという観点から、ユーザからのデータ送信の送信タイミングを制限することもできる。よって、NWのみならず、クラウド設備も考慮した総合的なICT(Information and Communication Technology)機能を利用して、高品質かつ安価な通信サービスを実現することもできる。
なお、クラウド設備の利用を監視する場合、クラウド設備のCPU使用率をモニタリングするとよい。
(b):本実施形態では、ユーザがPC2およびデバイス3を用いて送信タイミングの予約に必要な情報の送受信を行うようにした(例えば、図2参照)。しかし、例えば、PC2が行う処理もデバイス3が行う処理も行う1つの機器をユーザが所持し、その機器によって送信タイミングの予約に必要な情報の送受信を行うようにすることもできる。
(c):通信制御装置1がNW上のトラフィックを監視して、空き帯域をリアルタイムで判断し、ユーザ端末にその空き帯域を通知してNWの利用を許可するようにしてもよい。
(d):本実施形態では、IoTなどから得られるセンサデータのうちリアルタイム性を求めないデータがやり取りされる通信サービスについては、通信制御装置1は、IoT用に確保した専用帯域を全時間帯に亘って用意して、各ユーザの送信タイミングを時間に関して平準化して予約するように調整した。しかし、例えば、このような専用帯域は用意せず、既存のNWに対して、相対的に大きな空き帯域が存在すると見込まれる時間帯(例:平日の夜間から明け方)に着目し、通信制御装置1が、その時間帯の空き帯域を利用して取得されるセンサデータを送信することができるように、各ユーザの送信タイミングを予約してもよい。
(e):また、(d)と同様にして専用帯域は用意せず、通信制御装置1が、既存のNW上のトラフィックを常時監視して所定量以上の空き帯域が存在する時間帯を探索し、探索した時間帯の空き帯域を利用して取得されるセンサデータを送信することができるように、ユーザの通信を逐一許可したり不許可にしたりしてもよい。
また、本実施形態で説明した種々の技術を適宜組み合わせた技術を実現することもできる。
また、本実施形態で説明したソフトウェアをハードウェアとして実現することもでき、ハードウェアをソフトウェアとして実現することもできる。
その他、ハードウェア、ソフトウェア、処理手順などについて、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。
1 通信制御装置
2 PC
3 デバイス
4 センサ
5 基地局
6 コントローラ
7 通信装置
8 一次保存サーバ
11 ユーザ管理部
12 送信タイミング管理部
13 送信タイミング通知部
14 必要帯域利用時間算出部
21 ユーザDB
22 スケジュールDB

Claims (3)

  1. ユーザに所定の通信サービスを提供するための通信を制御する通信制御装置であって、
    前記ユーザごとに通信を許可するか否かを管理するユーザ管理部と、
    ネットワーク上のトラフィックの空き状況を監視し、前記ユーザのユーザ端末が所定のデータを送信するときの送信タイミングを管理する送信タイミング管理部と、
    前記送信タイミングを前記ユーザ管理部に通知して、前記ユーザによる通信を許可する送信タイミング通知部と、を備え、
    前記送信タイミング管理部は、
    前記通信サービスを前記ユーザが利用する必要帯域、および、当該通信サービスの利用時間が決定されると、前記必要帯域以上となる空き帯域が存在し、前記利用時間が収まる空き時間帯を検索し、
    前記ネットワーク上のトラフィックが時間に関して平準化するように、前記検索した空き時間帯内で前記送信タイミングを予約する、
    ことを特徴とする通信制御装置。
  2. 前記通信サービスが、センサから取得したセンサデータを通信するサービスであり、前記ユーザ端末が、前記センサから前記センサデータを取得可能な端末である場合、
    前記送信タイミング管理部は、
    前記センサデータを用いた通信サービスを前記ユーザが利用する必要帯域、および、当該通信サービスの利用時間が決定されると、前記必要帯域以上となる空き帯域が存在し、前記利用時間が収まる空き時間帯を検索し、
    前記ネットワーク上のトラフィックが時間に関して平準化するように、前記検索した空き時間帯内で前記送信タイミングを予約する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の通信制御装置。
  3. ユーザに所定の通信サービスを提供するための通信を制御する通信制御装置における通信制御方法であって、
    前記通信制御装置が、
    ネットワーク上のトラフィックの空き状況を監視するステップと、
    前記通信サービスを前記ユーザが利用する必要帯域、および、当該通信サービスの利用時間が決定されると、前記必要帯域以上となる空き帯域が存在し、前記利用時間が収まる空き時間帯を検索するステップと、
    前記ネットワーク上のトラフィックが時間に関して平準化するように、前記検索した空き時間帯内で、前記ユーザのユーザ端末が所定のデータを送信するときの送信タイミングを予約するステップと、
    前記送信タイミングを迎えると、前記ユーザによる通信を許可するステップと、を実行する、
    ことを特徴とする通信制御方法。
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