JP2017212371A - 固体撮像装置及びその製造方法ならびにカメラ - Google Patents
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Abstract
【課題】電荷保持部の遮光性を向上することによって、得られる画像の画質の低下を抑制する技術を提供する。【解決手段】光電変換部と電荷保持部と転送トランジスタとを含む画素が配された画素領域を含む基板と光電変換部の上に配された絶縁体と画素領域の上に配され絶縁体を囲むように配された層間絶縁膜とトランジスタと接続される配線層と遮光部とを含む固体撮像装置であって、層間絶縁膜は基板に最も近い配線層と基板との間に配された第1の層間絶縁膜を含み、絶縁体は層間絶縁膜よりも屈折率が高く第1の層間絶縁膜によって囲まれる第1の絶縁体を含み、遮光部は電荷保持部の上に配される部分と第1の層間絶縁膜と第1の絶縁体の側面との間に配される第1の部分とを含み、基板の表面と平行で転送トランジスタのゲート電極の上面と接する断面において、第1の部分が第1の層間絶縁膜と第1の絶縁体との間に位置する部分を含む。【選択図】図3
Description
本発明は、固体撮像装置及びその製造方法ならびにカメラに関する。
各画素に電荷保持部を配し、光電変換部で生成された信号電荷を電荷保持部に一時、保持する固体撮像装置が知られている。信号電荷が電荷保持部から読み出されるまでの期間、光電変換部以外への光の入射によって生成された電荷などのノイズ成分が信号電荷に混入した場合、画質が低下する可能性がある。
特許文献1には、感度向上のために層間絶縁膜に光導波路を配した固体撮像装置が示されている。また、特許文献1には、配線層を遮光層として用いることが示されている。
特許文献1に示される構造において、光導波路のうち配線層よりも基板に近い部分から漏れ出した光が、光電変換部以外の部分に侵入する可能性がある。漏れ出た光が電荷保持部に侵入した場合、光電変換によって電荷保持部で電荷が生成されノイズの原因となりうる。
本発明は、固体撮像装置において、電荷保持部の遮光性を向上することによって、画質の低下を抑制する技術を提供することを目的とする。
上記課題に鑑みて、本発明の実施形態に係る固体撮像装置は、光電変換部と光電変換部から転送される電荷を保持する電荷保持部と光電変換部から電荷保持部へ電荷を転送する転送トランジスタとが配された画素領域を含む基板と、光電変換部の上に配された絶縁体と、画素領域の上に配され、絶縁体を囲むように配された層間絶縁膜と、層間絶縁膜の中に配される少なくとも1層の配線層と、遮光部と、を含む固体撮像装置であって、層間絶縁膜は、配線層のうち基板に最も近い第1の配線層と基板との間に配された第1の層間絶縁膜を含み、絶縁体は、層間絶縁膜よりも屈折率が高く、第1の層間絶縁膜によって囲まれる第1の絶縁体と、第1の絶縁体の上に配される第2の絶縁体と、を有し、遮光部は、第1の層間絶縁膜と第1の絶縁体の側面との間に配される第1の部分と、基板と第1の層間絶縁膜との間のうち電荷保持部の上に配される第2の部分と、を含み、画素領域が配された基板の表面と平行で転送トランジスタのゲート電極の上面と接する断面において、第1の部分が、第1の層間絶縁膜と第1の絶縁体との間に位置する部分を含むことを特徴とする。
上記手段によって、固体撮像装置において、電荷保持部の遮光性を向上することによって、得られる画像の画質の低下を抑制する技術が提供される。
以下、本発明に係る固体撮像装置の具体的な実施形態を、添付図面を参照して説明する。なお、以下の説明及び図面において、複数の図面に渡って共通の構成については共通の符号を付している。そのため、複数の図面を相互に参照して共通する構成を説明し、共通の符号を付した構成については適宜説明を省略する。
図1〜7を参照して、本発明の実施形態による固体撮像装置の構造について説明する。図1は、本発明の実施形態における固体撮像装置の画素の回路構成例を示す等価回路図である。本実施形態は、図1に示すように、CMOSセンサを用いた複数の画素120が配された画素領域の上に、画素に配されたトランジスタと接続される多層の配線層が設けられる固体撮像装置に適用されうる。
画素120は、光電変換部101、電荷保持部102、フローティングディフュージョン(FD)部103、オーバーフロードレイン(OFD)部115を含む。また、画素120は、電荷保持部102に保持される電荷(信号)の転送や信号増幅を行うための転送トランジスタ104、転送トランジスタ105、トランジスタ107、トランジスタ109、増幅トランジスタ110、トランジスタ116を更に含む。それぞれのトランジスタは、MOSFETなどによって構成され、ドレイン−ソース間に制御電極として設けられたゲート電極を有する。それぞれの画素120において、入射した光によって生成された信号は、信号線108を介して画素から出力される。
光電変換部101は、入射した光の光量に応じた電荷を発生する。光電変換部101には、例えばフォトダイオードが用いられる。電荷保持部102は、転送トランジスタ104(光電変換部101から電荷保持部102へ電荷を転送する転送トランジスタ。)を介して光電変換部101と接続される。電荷保持部102は、接地容量として機能し、光電変換部101から転送された電荷を一時的に保持、蓄積する。FD部103は、転送トランジスタ105を介して電荷保持部102と接続される。また、FD部103は、トランジスタ109のソース端子、及び、増幅トランジスタ110のゲート電極と接続される。FD部103は、電荷保持部102から転送された電荷を電圧(画素信号)に変換する。FD部103は、後述する半導体基板に配された半導体基板に配された半導体領域を含み構成され、このノードに生じる寄生容量を含めた容量を指す。トランジスタ109のドレイン端子には、電源電圧が供給される。増幅トランジスタ110のソース端子は、トランジスタ107のドレイン端子と接続される。トランジスタ107のソース端子は、信号線108に接続される。
トランジスタ109をオンにすることによって、FD部103の電圧が、電源電圧にリセットされる。このとき、リセット信号の電圧が、増幅トランジスタ110のソース端子に出力される。また、転送トランジスタ105がオンすることによって、電荷保持部102からFD部103に電荷が転送されると、転送された電荷量に応じた画素信号が増幅トランジスタ110のソース端子に出力される。トランジスタ107がオンになると、リセット信号又は画素信号が信号線108に出力される。これによって、画素120から信号が読み出される。
また、光電変換部101は、トランジスタ116を介してOFD部115と接続される。トランジスタ116がオンすると、光電変換部101に蓄積されている電荷がOFD部115に排出される。すべての画素120に対して同時にOFD部115へ電荷を排出し、その後、蓄積された電荷を電荷保持部102に転送することによって、すべての画素に対して同時かつ一定の露光時間を設定する電子シャッタ(グローバルシャッタ)が実現される。これによって、それぞれの画素120から順次、画素信号を読み出すために生じる露光タイミングのずれが抑制され、取得される撮像画像の歪みが低減される。
図2に画素120の平面図、図3に図2のX−X’間における画素120の断面図をそれぞれ示す。光電変換部101と電荷保持部102との間には、転送トランジスタ104のゲート電極202が配される。電荷保持部102とFD部103との間には転送トランジスタ105のゲート電極203が配される。トランジスタ109のゲート電極204が、FD部103と隣り合うように配される。ゲート電極204を挟んでFD部103とは反対側には、トランジスタ109のドレイン領域が配されている。トランジスタ109のドレイン領域は、増幅トランジスタ110のドレイン領域と共通の領域となっている。このドレイン領域に隣接して、増幅トランジスタ110のゲート電極205が配される。ゲート電極205を挟んで、トランジスタ109及び増幅トランジスタ110のドレイン領域の反対側には、増幅トランジスタ110のソース領域が配される。トランジスタ107のゲート電極206を挟んで、増幅トランジスタ110のソース領域の反対側は、画素領域の上に配された配線層のうち信号線108に接続される。
また、光電変換部101に隣接して、トランジスタ109のゲート電極201が配される。ゲート電極201は、光電変換部101に対してゲート電極202が配された側とは異なる側に配される。光電変換部101のゲート電極201を挟んで反対側には、OFD部115の一部を構成する半導体領域が配される。この半導体領域は、トランジスタ116のドレイン領域ともなる。
図3に示されるように、画素領域に配された画素120の光電変換部101の上には、光電変換部101と少なくとも一部が重なるように、絶縁体320(第1の絶縁体)と絶縁体350(第2の絶縁体)とが配される。本明細書において、画素領域が配された基板300の表面に対して、基板の中の方向を下、絶縁体320などが形成される方向を上とする。絶縁体320、絶縁体350及び後述する遮光部220のうち絶縁体320の側面を覆う部分(第1の部分)によって光導波路が構成される。また、画素領域を覆い、光導波路を囲むように、層間絶縁膜301a〜301eが配される。層間絶縁膜301a〜301eの中には、少なくとも1層の配線層が配される。本実施形態において、3層の配線層303a〜303cが配される。配線層303a〜303cは、画素に配されたトランジスタの何れかと接続されうる。光導波路及び層間絶縁膜の上には、パッシベーション膜305と、例えば樹脂などを用いた平坦化膜310が形成される。平坦化膜310の上には、それぞれ複数の色に対応するカラーフィルタ330及びオンチップレンズ340が配される。
絶縁体320は、基板300と配線層303a〜303cのうち最も基板300に近い配線層303a(第1の配線層)との間に配された層間絶縁膜301a(第1の層間絶縁膜)によって囲まれる部分に配される。絶縁体320は、画素120に入射する光を透過し、例えば窒化シリコンを用いて形成される。このため、絶縁体320は、例えば酸化シリコンを用いて形成される層間絶縁膜301a〜301eよりも高い屈折率を有する。
遮光部220は、基板300と層間絶縁膜301aとの間のうち少なくとも電荷保持部102の上に配される(第2の部分)。また、遮光部220は、絶縁体320の側面と層間絶縁膜301aとの間に配される。また、遮光部220は、画素120に配されるトランジスタのゲート電極201、202、203の上にも配されてもよい。本実施形態において、遮光部220は、図3に示すように基板300と層間絶縁膜301aとの間に配された部分から絶縁体320の側面と層間絶縁膜301aとの間に配された部分まで延在し、一体的に成形される。本実施形態において、電荷保持部102の他、光電変換部101、転送トランジスタ104(ゲート電極202)、転送トランジスタ105(ゲート電極203)、トランジスタ116(ゲート電極201)の全部又は一部が、遮光部220によって覆われる。また、上述のように絶縁体320の側面も、遮光部220によって覆われる。
遮光部220は、電荷保持部102への光の入射を抑制し、入射光によって電荷保持部102で電荷が生成されることによってノイズが発生することを抑制する。更に、絶縁体320の側面を遮光部220が覆うことによって、絶縁体320を含む光導波路に入射した光が、遮光部220内に閉じ込められ、効率よく光電変換部101に集光される。遮光部220は、例えばタングステンやアルミニウムなどの金属、又はそれらの合金などの材料を用いて形成されうる。
配線層303a〜303cは、画素領域に配され、画素120で生成される画素信号や各トランジスタの制御信号の伝達や電源電圧の供給などに用いられ、導電性プラグによって画素120に配されるトランジスタと接続される。配線層303a〜303cは、例えば、アルミニウムや銅などの金属、又はそれらの合金などを材料としうる。本実施形態において、配線層303a〜303cに銅を材料とした合金を用いる。本実施形態において、配線層303a〜303cに銅を用いるため、酸化シリコンを用いた層間絶縁膜301a〜301eの間には、金属の拡散を防止するための拡散防止膜302a〜302dがそれぞれ配される。図3に示すように、配線層のうち基板300に最も近い配線層303aにおいて、配線層303aの基板300の側に接するように拡散防止膜302aが配されてもよい。拡散防止膜302a〜302dには、例えば、炭化シリコンや窒化シリコンが用いられる。
絶縁体320の上には、絶縁体320と共に光導波路を構成する絶縁体350が配される。絶縁体350は、例えば窒化シリコンを用いて形成され、画素120に入射する光を透過し、酸化シリコンを用いて形成される層間絶縁膜301a〜301eよりも屈折率が高い。
図3に示す構成において、基板300の表面と平行でトランジスタのゲート電極201、202、203の上面と接する断面において、遮光部220の絶縁体320の側面に配された部分が、層間絶縁膜301aと絶縁体320との間に位置する部分を含みうる。また、画素領域が配された基板300の表面に直交する方向において、遮光部220のうち絶縁体320の側壁に配された部分の上端は、遮光部220のトランジスタのゲート電極201、202、203の上に配された部分よりも上に配される。換言すると、遮光部220の絶縁体320の側壁に配された部分の上端と基板300の表面との距離が、トランジスタのゲート電極201、202、203の上に配された遮光部220の上面と基板300との距離以上となりうる。本実施形態において、基板300の表面と平行で転送トランジスタ104のゲート電極202の上面と接する断面において、遮光部220の絶縁体320の側面に配された部分が、層間絶縁膜301aと絶縁体320との間に位置する部分を含む。また、基板300の表面と平行で絶縁体320と、トランジスタのうち絶縁体320に近接する又は最も近いトランジスタのゲート電極(図3に示す構成の場合、例えば、転送トランジスタ104のゲート電極202やトランジスタ116のゲート電極201。)と、を含む断面を考える。この断面において、遮光部220の絶縁体320の側面に配された部分と層間絶縁膜301aとが、絶縁体320とゲート電極201との間に位置する部分を含みうる。
次いで、図4〜6を用いて、本発明の実施形態における固体撮像装置の画素120の製造方法について説明する。図4〜6は、固体撮像装置の画素120の製造方法を示す断面図である。まず、光電変換部101、電荷保持部102、複数のトランジスタを含む画素120が配された画素領域を含む基板300を準備する。図4(a)に示すように、半導体を用いた基板300に光電変換部101、電荷保持部102、FD部103、OFD部115、各トランジスタを形成する。次いで、基板300及び各トランジスタのゲート電極201〜206(ゲート電極204〜206及びゲート絶縁膜は不図示)を覆うように絶縁膜304を形成する。絶縁膜304には、例えば窒化シリコンを用いてもよい。この場合、絶縁膜304は、基板300との間で反射防止膜として機能してもよい。
次に図4(b)に示すように、絶縁体320の材料となる絶縁体材料膜321を形成する。絶縁体材料膜321は、例えばLPCVD法や高密度プラズマCVD法などを用いて成膜された窒化シリコンでありうる。絶縁体材料膜321は、後に形成される配線層303a〜303cのうち、最も基板に近い配線層303aが配される高さよりも下に配されるように膜厚が決定されてもよい。
絶縁体材料膜321を形成した後、図4(c)に示すように、光電変換部101の少なくとも一部と重なる位置に、フォトリソグラフィ法を用いてレジストパターン401を形成する。次いで、例えばドライエッチング法を用いて、絶縁体材料膜321のうちレジストパターン401に覆われていない部分をエッチングする。このエッチング工程によって、図4(d)に示すように、絶縁体材料膜321がエッチングされ絶縁体320が形成される。このエッチング工程において、光電変換部101が絶縁体320や絶縁膜304によって覆われることによってプラズマに曝されないため、光電変換部101に対するエッチングダメージを低減することができる。また、このエッチング工程によって形成される絶縁体320の基板300の表面に平行な断面の面積が、基板300の側よりも基板300から離れた側の方が小さいテーパー構造を有するように形成してもよい。絶縁体320のテーパー構造は、エッチング時に、エッチングに用いるガスの流量比や投入するRFパワーなどを適宜調整することによって形成されうる。また、この工程において、図4(d)に示すように、絶縁体320と同じ窒化シリコンを用いた絶縁膜304も、一部がエッチングされうる。
次に図5(a)に示すように、遮光部220の材料となる遮光部材料膜520を形成する。遮光部材料膜520は、例えばスパッタ法を用いてタングステンを基板300の全面に成膜する。遮光部材料膜520を成膜した後、少なくとも電荷保持部102の上及び絶縁体320の側面に配された遮光部材料膜520が残るようにレジストパターンを形成する。次いで、形成したレジストパターンの開口を介して遮光部材料膜520をエッチングする。この工程によって、図5(b)に示すように、電荷保持部102の上に配された部分から絶縁体320の側面に配された部分まで延在し、一体的に成形された遮光部220が形成される。
遮光部220の形成の後、図5(c)に示すように、公知の方法によって層間絶縁膜301a〜301e、拡散防止膜302a〜302d、配線層303a〜303cを形成する。配線層303a〜303cは、本実施形態のようにダマシンプロセスを用いて形成された銅、又は銅合金の配線であってもよい。また、配線層303a〜303cは、ダマシンプロセスを用いずに形成された、例えばアルミニウムの配線であってもよい。また、図5(c)に示す構成では、3層構造の多層配線層を示しているが、より多層であってもよいし、1層又は2層であってもよい。画素120や画素120の配される画素領域の構成によって、適宜決定すればよい。また、層間絶縁膜301aを形成する際、上述の工程において絶縁膜304がエッチングされうるため、遮光部220の配されない部分での層間絶縁膜301aの下端が、絶縁体320の下面よりも基板300の表面に近い位置に配されうる。また、基板300の表面に直交する方向において、絶縁体320の上面と基板300の表面との距離が、配線層303aの基板300の側に接するように配された拡散防止膜302aと基板300の表面との距離以下となりうる。
次いで、光電変換部101の上に開口を有するレジストパターンを形成し、このレジストパターンの開口を介して、絶縁体320の上面が露出するように、絶縁体320の上の層間絶縁膜301b〜301e、拡散防止膜302a〜302dをエッチングする。このエッチングによって、図6(a)に示される開口部351が形成される。不図示であるが、絶縁体320の上面であって絶縁体350が形成されない場所に、遮光部材料膜520の一部が残存していてもよい。また、開口部351は、図6(a)に示されるように、基板300の側よりも基板300から離れた側の方が大きいテーパー構造を有するように形成してもよい。
開口部351を形成した後、例えば、高密度プラズマCVDなどのプラズマを用いた成膜装置によって、絶縁体350の材料膜として窒化シリコンを成膜し開口部351を埋め込む。更に、例えば、CMP法などの研磨法を用いて成膜された窒化シリコン膜の上面を研磨する平坦化処理を行い、図6(b)に示すように、絶縁体350を形成する。絶縁体350に用いられる材料は、窒化シリコンに限られることはなく、有機材料を用いて形成してもよい。この場合、有機材料は、例えば、スピン塗布法を用いて形成してもよい。絶縁体350は、絶縁体320と同様に、層間絶縁膜301a〜301eよりも屈折率の高い材料を用いることによって、屈折率差を利用した光導波路として機能する。図6(b)に示すように、絶縁体320の上面の面積よりも、絶縁体320と接する絶縁体350の底面の面積の方が小さくなるように絶縁体350を形成してもよい。このような構成とすることによって、絶縁体350に入射した光を、より確実に絶縁体320に透過させることができる。また、開口部351を基板300の側よりも基板300から離れた側の方が大きいテーパー構造を有するように形成した場合、絶縁体350も同様のテーパー構造を有しうる。絶縁体350が、基板300から離れた側が大きいテーパー構造を有することによって、テーパー構造を有しない場合と比較して、多くの入射光を光電変換部101に透過し、入射光に対する感度を向上させることが可能となる。また、絶縁体350の側面は、本実施形態に示すように、層間絶縁膜301b〜301eと直接接していてもよい。また例えば、開口部351を形成した後、開口部351の表面に金属などを用いた反射層を形成し、その後、絶縁体350を形成してもよい。
絶縁体320と絶縁体350との屈折率は互いに同じであってもよい。絶縁体320と絶縁体350との屈折率が互いに同じ屈折率を有する場合、絶縁体320と絶縁体350との界面での光の反射が抑制され、画素120に入射した光の利用効率が高くなりうる。また、高密度プラズマCVD法などを用いて形成した窒化シリコンは、酸化シリコンと比較して多くの水素を含みうる。このため、絶縁体320、350の水素濃度は、酸化シリコンを用いた層間絶縁膜301a〜301eの水素濃度以上となりうる。この絶縁体320、350を水素供給源として用いて水素シンタを行うことによって、光電変換部101に水素を供給し、光電変換部101のノイズを低減させることが可能である。また、絶縁体350は開口部351に対して埋め込みを行うため、埋め込み性能を満たすためにガス種、ガス流量、RFパワーなどの条件に制限があり、相対的に絶縁体320よりも水素含有量が少ない膜となる可能性がある。一方、絶縁体320となる絶縁体材料膜321を形成する際、埋め込みを行うための制限がないため、水素濃度が絶縁体350に比べて高くなる条件で絶縁体材料膜321を形成することができる。このため、絶縁体材料膜321から形成される絶縁体320の水素濃度が、絶縁体350の水素濃度以上となりうる。光導波路を構成する絶縁体320、350のうち光電変換部101に近い位置に水素濃度が高い絶縁体320を配することができるため、光電変換部101のノイズ低減に効果的である。また、光電変換部101に近い領域に水素濃度の高い絶縁体320を配しつつ、埋め込み性の良好な絶縁体350を用いることによって、よりアスペクトの大きな光導波路構造を形成することも可能である。
また光導波路を構成する絶縁体320を形成する際、絶縁体320を形成する部分以外に成膜した絶縁体材料膜321を適宜、水素供給膜として残してもよい。絶縁体材料膜321を水素供給膜として残すことによって、光電変換部101だけでなく、例えば画素120に配されるトランジスタなどに、水素をより効果的に供給し、ノイズを低減することができる。ここで、水素濃度は、絶縁体320、350、層間絶縁膜301a〜301eそれぞれの一部の水素濃度であってもよいし、平均の水素濃度であってもよい。水素濃度は、例えばフーリエ変換赤外分光光度計(FR−IR)や飛行時間型二次イオン質量分析法(TOF−SIMS法)などを用いて測定することができる。
また、図7に示すように、光導波路を構成する絶縁体320の膜厚が薄く、例えば50nm程度の薄膜であってもよい。絶縁体320が50nm程度の膜厚であっても、絶縁体350を形成するための開口部351を開口する際、光電変換部101へのエッチングダメージを軽減し、ノイズの発生を抑制する効果が得られる。また、絶縁体320の上面のうち絶縁体350の底面と接しない部分と層間絶縁膜301aとの間に遮光部220が配されていてもよい。図7に示す構成のように遮光部220の絶縁体320の上面に位置する部分が、遮光部220の絶縁体320の側面に配された部分から延在して一体的に成形されていてもよい。絶縁体320の上面に遮光部220が配されることによって、電荷保持部102に対する遮光性を更に向上させることができる。また、図7に示す構成においても、基板300の表面と平行で絶縁体320と、トランジスタのうち絶縁体320に近接する又は最も近いトランジスタのゲート電極(例えば、転送トランジスタ104のゲート電極202やトランジスタ116のゲート電極201。)と、を含む断面を考える。この断面において、遮光部220の絶縁体320の側面に配された部分と層間絶縁膜301aとが、絶縁体320とゲート電極201との間に位置する部分を含みうる。
以上、本発明に係る実施形態を示したが、本発明はこれらの実施形態に限定されないことはいうまでもなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、上述した実施形態は適宜変更、組み合わせが可能である。上述の実施形態において、光電変換部101から転送された電荷を一時的に保持、蓄積する電荷保持部102を設けた画素120に遮光部220を配する構成を示した。しかしながら、これに限られることはなく、遮光部220を、例えば、電荷保持部102を設けずに転送トランジスタによって光電変換部101からFD部103に直接、電荷を転送する構成の画素に適用してもよい。遮光部220は、光電変換部101以外への光の入射を抑制し、入射光によって光電変換部101以外で電荷が生成されることによってノイズが発生することを抑制する。また、絶縁体320の側面を遮光部220が覆うことによって、絶縁体320を含む光導波路に入射した光が、遮光部220内に閉じ込められ、効率よく光電変換部101に集光できる。
以下、上記の実施形態に係る固体撮像装置の応用例として、この固体撮像装置が組み込まれたカメラについて例示的に説明する。カメラの概念には、撮影を主目的とする装置のみならず、撮影機能を補助的に有する装置(例えば、パーソナルコンピュータ、携帯端末等)も含まれる。また、カメラはたとえばカメラヘッドなどのモジュール部品であってもよい。カメラは、上記の実施形態として例示された本発明に係る固体撮像装置と、この固体撮像装置から出力される信号を処理する信号処理部とを含む。この信号処理部は、例えば、固体撮像装置で得られた信号に基づくデジタルデータを処理するプロセッサを含みうる。このデジタルデータを生成するためのA/D変換器を、固体撮像装置の半導体基板に設けてもよいし、別の半導体基板に設けてもよい。
101:光電変換部、102:電荷保持部、104、105、107、109、110、116:トランジスタ、120:画素、201〜206:ゲート電極、220:遮光部、300:基板、301a〜301e:層間絶縁膜、303a〜303c:配線層、320、350:絶縁体
Claims (17)
- 光電変換部と前記光電変換部から転送される電荷を保持する電荷保持部と前記光電変換部から前記電荷保持部へ電荷を転送する転送トランジスタとが配された画素領域を含む基板と、前記光電変換部の上に配された絶縁体と、前記画素領域の上に配され、前記絶縁体を囲むように配された層間絶縁膜と、前記層間絶縁膜の中に配される少なくとも1層の配線層と、遮光部と、を含む固体撮像装置であって、
前記層間絶縁膜は、前記配線層のうち前記基板に最も近い第1の配線層と前記基板との間に配された第1の層間絶縁膜を含み、
前記絶縁体は、前記層間絶縁膜よりも屈折率が高く、前記第1の層間絶縁膜によって囲まれる第1の絶縁体と、前記第1の絶縁体の上に配される第2の絶縁体と、を有し、
前記遮光部は、前記第1の層間絶縁膜と前記第1の絶縁体の側面との間に配される第1の部分と、前記基板と前記第1の層間絶縁膜との間のうち前記電荷保持部の上に配される第2の部分と、を含み、
前記画素領域が配された前記基板の表面と平行で前記転送トランジスタのゲート電極の上面と接する断面において、前記第1の部分が、前記第1の層間絶縁膜と前記第1の絶縁体との間に位置する部分を含むことを特徴とする固体撮像装置。 - 前記遮光部は、前記基板と前記第1の層間絶縁膜との間のうち、前記転送トランジスタのゲート電極の上に配された第3の部分を更に含み、
前記基板の表面に直交する方向において、前記第1の部分の上端と前記基板の表面との距離が、前記第3の部分の上面と前記基板の表面との距離以上であることを特徴とする請求項1に記載の固体撮像装置。 - 前記第1の絶縁体の上面の面積よりも、前記第1の絶縁体の上面と接する前記第2の絶縁体の底面の面積の方が小さいことを特徴とする請求項1又は2に記載の固体撮像装置。
- 前記第1の部分が、前記第1の絶縁体の上面に位置する部分を更に含むことを特徴とする請求項3に記載の固体撮像装置。
- 光電変換部と前記光電変換部から転送される電荷を保持する電荷保持部と前記光電変換部から前記電荷保持部へ電荷を転送する転送トランジスタとが配された画素領域を含む基板と、前記光電変換部の上に配された絶縁体と、前記画素領域の上に配され、前記絶縁体を囲むように配された層間絶縁膜と、前記層間絶縁膜の中に配される少なくとも1層の配線層と、遮光部と、を含む固体撮像装置であって、
前記層間絶縁膜は、前記配線層のうち前記基板に最も近い第1の配線層と前記基板との間に配された第1の層間絶縁膜を含み、
前記絶縁体は、前記層間絶縁膜よりも屈折率が高く、前記第1の層間絶縁膜によって囲まれる第1の絶縁体と、前記第1の絶縁体の上に配される第2の絶縁体と、を有し、
前記第1の絶縁体の上面の面積よりも、前記第1の絶縁体の上面と接する前記第2の絶縁体の底面の面積の方が小さく、
前記遮光部は、前記第1の層間絶縁膜と前記第1の絶縁体の側面との間に配される第1の部分と、前記基板と前記第1の層間絶縁膜との間のうち少なくとも前記電荷保持部の上に配される第2の部分と、を含み、
前記第1の部分が、前記第1の絶縁体の上面に位置する部分を含むことを特徴とする固体撮像装置。 - 前記第1の絶縁体の前記基板の表面に平行な断面の面積が、前記基板の側よりも前記基板から離れた側の方が小さいことを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の固体撮像装置。
- 前記第1の絶縁体および前記第2の絶縁体が、窒化シリコンを含むことを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の固体撮像装置。
- 前記遮光部は金属を含むことを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項に記載の固体撮像装置。
- 前記固体撮像装置は、前記第1の配線層のうち前記基板の側に接するように配された拡散防止膜を更に含み、
前記基板の表面に直交する方向において、前記第1の絶縁体の上面と前記基板の表面との距離が、前記拡散防止膜と前記基板の表面との距離以下であることを特徴とする請求項1乃至8の何れか1項に記載の固体撮像装置。 - 前記基板の表面に直交する方向において、前記層間絶縁膜の下端が、前記第1の絶縁体よりも前記基板の表面に近い位置に配されることを特徴とする請求項1乃至9の何れか1項に記載の固体撮像装置。
- 前記第2の絶縁体の側面が、前記層間絶縁膜と直接接することを特徴とする請求項1乃至10の何れか1項に記載の固体撮像装置。
- 光電変換部と前記光電変換部で蓄積された電荷を転送する転送トランジスタとが配された画素領域を含む基板と、前記光電変換部の上に配された絶縁体と、前記画素領域の上に配され、前記絶縁体を囲むように配された層間絶縁膜と、前記層間絶縁膜の中に配される少なくとも1層の配線層と、遮光部と、を含む固体撮像装置であって、
前記層間絶縁膜は、前記配線層のうち前記基板に最も近い第1の配線層と前記基板との間に配された第1の層間絶縁膜を含み、
前記絶縁体は、前記層間絶縁膜よりも屈折率が高く、前記第1の層間絶縁膜によって囲まれる第1の絶縁体と、前記第1の絶縁体の上に配される第2の絶縁体と、を有し、
前記遮光部は、前記第1の層間絶縁膜と前記第1の絶縁体の側面との間に配される第1の部分を含み、
前記画素領域が配された前記基板の表面と平行で前記転送トランジスタのゲート電極の上面と接する断面において、前記第1の部分が、前記第1の層間絶縁膜と前記第1の絶縁体との間に位置する部分を含むことを特徴とする固体撮像装置。 - 請求項1乃至12の何れか1項に記載の固体撮像装置と、
前記固体撮像装置によって得られた信号を処理する信号処理部と、
を備えることを特徴とするカメラ。 - 固体撮像装置の製造方法であって、
光電変換部と前記光電変換部から転送される電荷を保持する電荷保持部と前記光電変換部から前記電荷保持部へ電荷を転送する転送トランジスタとが配された画素領域を含む基板を準備する工程と、
前記光電変換部の上に第1の絶縁体を形成する工程と、
前記基板及び前記第1の絶縁体を覆うように、遮光部材料膜を形成する工程と、
前記遮光部材料膜のうち、少なくとも前記電荷保持部の上、及び、前記第1の絶縁体の側面に配された部分が残るように前記遮光部材料膜をエッチングし、遮光部を形成する工程と、
前記画素領域、前記第1の絶縁体及び前記遮光部を覆うように前記第1の絶縁体よりも低い屈折率を有する層間絶縁膜と、前記層間絶縁膜の中に配される少なくとも1層の配線層と、を形成する工程と、
前記第1の絶縁体の上面が露出するように、前記第1の絶縁体の上の前記層間絶縁膜に開口部を形成する工程と、
前記開口部に前記層間絶縁膜よりも高い屈折率を有する第2の絶縁体を形成する工程と、
を含むことを特徴とする固体撮像装置の製造方法。 - 前記第1の絶縁体を形成する工程は、
前記基板を覆うように第1の絶縁体材料膜を形成する工程と、
前記第1の絶縁体材料膜のうち前記光電変換部の上に配された部分が残るように前記第1の絶縁体材料膜をエッチングする工程と、を含むことを特徴とする請求項14に記載の固体撮像装置の製造方法。 - 前記第1の絶縁体材料膜が、プラズマCVD法を用いて形成されることを特徴とする請求項15に記載の固体撮像装置の製造方法。
- 前記第2の絶縁体を形成する工程は、
前記開口部及び前記層間絶縁膜を覆うように第2の絶縁体材料膜を形成する工程と、
前記第2の絶縁体材料膜のうち前記開口部に配された部分が残るように前記第2の絶縁体材料膜の上面を平坦化する工程と、を含むことを特徴とする請求項14乃至16の何れか1項に記載の固体撮像装置の製造方法。
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JP2016105445A JP2017212371A (ja) | 2016-05-26 | 2016-05-26 | 固体撮像装置及びその製造方法ならびにカメラ |
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CN112768482A (zh) * | 2021-01-20 | 2021-05-07 | 联合微电子中心有限责任公司 | 一种背照式全局快门像素结构及其制造方法 |
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2016
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CN112768482A (zh) * | 2021-01-20 | 2021-05-07 | 联合微电子中心有限责任公司 | 一种背照式全局快门像素结构及其制造方法 |
CN112768482B (zh) * | 2021-01-20 | 2023-03-24 | 联合微电子中心有限责任公司 | 一种背照式全局快门像素结构及其制造方法 |
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