JP2017211587A - 調光システム、車両、及び調光フィルムの駆動方法 - Google Patents

調光システム、車両、及び調光フィルムの駆動方法 Download PDF

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Abstract

【課題】調光フィルムを介して外光を観察する場合の「ちらつき」が防止された調光システム、車両、及び調光フィルムの駆動方法を提供する。【解決手段】本発明の調光システムは、液晶層8及び該液晶層8を挟んで配置された2つの電極11,16を有する調光フィルムと、前記電極11,16間に、第1の周波数で極性が反転する駆動電圧を印加する駆動電源S1と、前記調光フィルムの入射光の周波数である第2の周波数が、前記第1の周波数の自然数倍になるように、前記第1の周波数を制御する制御部113と、を備える。【選択図】図7

Description

本発明は、調光システム、車両、及び調光フィルムの駆動方法に関する。
液晶TV等に使用される液晶表示装置において、バックライトとして蛍光灯が用いられているものがある。このような液晶表示装置では、インバータによる蛍光灯の点灯周期と、液晶駆動のためのデータ走査の周期とが干渉して「モワレ(干渉縞)」が発生する場合がある。従来、この「モワレ」を解消するため、インバータによる点灯周期と、データ走査の周期とを同期させている技術がある(特許文献1,2参照)。
同様に液晶を利用したものとして、例えば車両等の窓に貼り付けて外光の透過を制御する調光フィルムがある。調光フィルムは、液晶に印加する電圧を変化させることより液晶の配向を変化させ、外光の透過量を変化させる。
特開平5−341262号公報 特開平6−160804号公報
調光フィルムに入射する外光が、蛍光灯の出射光のように周期的に光量が変化する場合、調光フィルムの透過光に、「ちらつき(フリッカー)」が観察される場合がある。
本発明は、調光フィルムを介して外光を観察する場合の「ちらつき」が防止された調光システム、車両、及び調光フィルムの駆動方法を提供することを目的とする。
調光フィルムに印加される駆動電圧は、所定の周波数で極性が反転されている。この駆動電圧の極性の反転に伴い、調光フィルムの透過率も変動する。本発明者らは鋭意研究を重ね、「ちらつき」が、調光フィルムの透過率の変動の周波数と、外光の周波数との関係により発生することを見出し、本発明を完成させるに至った。
具体的には、本発明では、以下のようなものを提供する。
(1)液晶層及び該液晶層を挟んで配置された2つの電極を有する調光フィルムと、
前記電極間に、第1の周波数で極性が反転する駆動電圧を印加する駆動電源と、
前記調光フィルムの入射光の周波数である第2の周波数が、前記第1の周波数の自然数倍になるように、前記第1の周波数を制御する制御部と、
を備える調光システム。
(1)によれば、前記調光フィルムの入射光の周波数である第2の周波数が、第1の周波数の自然数倍であるので、調光フィルムの透過光において、低周波の干渉波によるちらつきが観察されない。
(2) (1)において、前記第2の周波数≧前記第1の周波数≧30Hzである。
(2)によれば、前記第2の周波数≧前記第1の周波数であるので、極性の切り替え時における、調光フィルムの透過率の落ち込み量が抑えられ、平均透過率の低下量を抑圧することができる。また、前記第1の周波数≧30Hzであるので、調光フィルム自体の透過率の変化に起因するちらつきも視認できないようにすることができる。
(3) (1)又は(2)において、前記調光フィルムの入射光及び又は透過光を受光する受光素子を備え、
前記制御部は、前記受光素子の検出信号を基に、前記第1の周波数を制御する。
(3)によれば、制御部は、外光の受光結果に基づいて、外光の入射前の周波数である第2の周波数が、第1の周波数の自然数倍になるように、第1の周波数を制御するので、ちらつき発生制御を自動的に行うことができる。
(4) (1)から(3)のいずれかにおいて、
前記制御部は、前記外光の光量がピーク値となるタイミングと、前記駆動電圧の極性の反転によって前記調光フィルムの透過率がボトム値となるタイミングとが一致するように、前記駆動電圧を制御する。
(4)によれば、外光の光量がピーク値となるタイミングが、調光フィルムの透過率がボトム値となるタイミングと一致するように制御することにより、調光フィルムの透過率変動を、外光の光量の変動により相殺することができ、ちらつきがより視認できないようにすることができる。
(5) (4)において、前記調光フィルムの温度を検出する温度センサを備え、
前記制御部は、前記温度センサの検出結果に基づいて、前記駆動電圧の位相を制御して、温度による前記液晶層の応答速度の変化による前記ボトム値となるタイミングの変化を補正する。
(5)によれば、調光フィルムの特性の温度依存性が大きい場合でも、外光の光量がピーク値となるタイミングが、調光フィルムの透過率がボトム値となるタイミングであるように保持することができる。
(6) 液晶層と、該液晶層を挟んで配置された2つの電極とを有する調光フィルムと、
前記電極間に、第1の周波数で極性が反転する駆動電圧を印加する駆動電源と、
前記駆動電圧と外光との干渉により発生する、前記調光フィルムの透過光における干渉波の周波数が、30Hz以上となるように、前記第1の周波数を制御する制御部と、
を備える調光システム。
(6)によれば、干渉波の周波数が30Hz以上であることにより、ちらつきとして観察されないようにすることができる。
(7) ルーフに設けられた透光部に調光フィルムを配置し、前記調光フィルムの透過率の制御により入射光を制御する車両において、
(1)から(6)のいずれかに記載の調光システムを備える車両。
(7)によれば、車両が上述の調光フィルムを使っているので、周囲の環境光の周波数と同期をさせることで“ちらつき”を防止することができる。
(8)液晶層と、該液晶層を挟んで配置された2つの電極とを有する調光フィルムに入射する入射光の周波数である第2の周波数が、
前記電極間に印加される駆動電圧の第1の周波数の自然数倍になるように、前記第1の周波数を制御する、
調光フィルムの駆動方法。
(8)によれば、調光フィルムに入射する外光の周波数である第2の周波数が、第1の周波数の自然数倍であるので、調光フィルムを透過して入射した透過光において、低周波の干渉波が発生せず、ちらつきが観察されない。
本発明によれば、調光フィルムを介して外光を観察する場合の「ちらつき」が防止された調光システム、車両、及び調光フィルムの駆動方法を提供することができる。
本発明の実施形態に係る調光システムに用いられる調光フィルムの基本構成を説明する断面図である。 調光フィルムにおける、駆動電圧と透過率との関係示すグラフである。 外光の周波数変動を示すグラフである。 100Hzの外光を、透過率周波数43Hzの調光フィルムを透過させたときの、透過光の周波数を示すグラフである。 外光周波数と、透過率周波数の自然数倍とが5%程度異なる場合における、透過光を説明するグラフであり、(a)はそれぞれの周波数を示したグラフであり、(b)は透過光を示すグラフである。 外光周波数と、透過率周波数の自然数倍とが一致する場合における、透過光を説明するグラフであり、(a)はそれぞれの波の周波数を示したグラフであり、(b)は透過光を示すグラフである。 本発明の一実施形態の調光システムを示す図である。 外光の波形と、透過率の波形と、駆動電圧とを示したグラフである。 実施形態の調光システムが用いられる車両を示す図である。
〔調光フィルムの基本構成〕
図1は、本発明の実施形態に係る調光システム100(後述)に用いられる調光フィルム1の基本構成を説明する断面図である。調光フィルム1は、液晶を利用して透過光を制御するフィルム状の部材であり、直線偏光板2,3により調光フィルム用の液晶セル4を挟持して構成される。
〔直線偏光板〕
直線偏光板2,3は、ポリビニルアルコール(PVA)にヨウ素等を含浸させた後、延伸して直線偏光板としての光学的機能を果たす光学機能層が形成され、TAC(トリアセチルセルロース)等の透明フィルム材による基材により光学機能層を挟持して作製される。直線偏光板2,3は、クロスニコル配置により、アクリル系透明粘着樹脂等による接着剤層により液晶セル4に配置される。なお、直線偏光板2,3には、それぞれ液晶セル4側に光学補償のための位相差フィルム2A,3Aが設けられるが、位相差フィルム2A,3Aは、必要に応じて省略してもよい。
〔液晶セル〕
液晶セル4は、フィルム状の下側積層体5D及び上側積層体5Uにより液晶層8を挟持して構成される。
〔下側積層体,上側積層体〕
下側積層体5Dは、透明フィルム材による基材6に、透明電極11、スペーサ12及び配向層13を作製して形成される。上側積層体5Uは、透明フィルム材による基材15に、透明電極16及び配向層17を積層して形成される。
〔基材〕
基材6,15は、種々の透明フィルム材を適用することができるが、光学異方性の小さなフィルム材を適用することが望ましい。本実施形態において、基材6,15は、厚み100μmのポリカーボネートフィルムが適用されるが、種々の厚みのフィルム材を適用することができ、さらにはCOP(シクロオレフィンポリマー)フィルム等を適用してもよい。
〔透明電極〕
透明電極11,16は、この種のフィルム材に適用される各種の電極材料を適用することができ、本実施形態ではITO(Indium Tin Oxide)による透明電極材により形成される。
〔スペーサ〕
スペーサ12は、液晶層8の厚みを規定するために設けられ、各種の樹脂材料を広く適用することができる。本実施形態ではフォトレジストにより作製され、透明電極11を作製してなる基材6の上に、フォトレジストを塗工して露光、現像することにより作製される。スペーサ12は、上側積層体5Uに設けるようにしてもよく、上側積層体5U及び下側積層体5Dの双方に設けるようにしてもよい。また、スペーサ12は、配向層13の上に設けるようにしてもよい。さらに、スペーサは、いわゆるビーズスペーサを適用してもよい。
〔配向層〕
配向層13,17は、光配向層により形成される。この光配向層に適用可能な光配向材料は、光配向の手法を適用可能な各種の材料を広く適用することができるが、本実施形態では、例えば光二量化型の材料を使用する。この光二量化型の材料については、「M.Schadt, K.Schmitt, V. Kozinkov and V. Chigrinov : Jpn. J. Appl.Phys., 31, 2155 (1992)」、「M. Schadt, H. Seiberle and A. Schuster : Nature, 381, 212(1996)」等に開示されている。なお光配向層に代えてラビング処理により配向層を作製してもよく、微細なライン状凹凸形状を賦型処理して配向層を作製してもよい。
〔液晶層〕
液晶層8は、この種の調光フィルム1に適用可能な各種の液晶層材料を広く適用することができる。具体的に、液晶層8には、例えばメルク社製MLC2166等の液晶材料を適用することができる。なお液晶セル4は、液晶層8を囲むように、シール材19が配置され、このシール材19により上側積層体5U、下側積層体5Dが一体に保持され、液晶材料の漏出が防止される。ここでシール材19は、例えばエポキシ樹脂、紫外線硬化性樹脂等を適用することができる。
〔駆動電源〕
駆動電源S1は、調光フィルム10の透明電極11,16間に、一定の時間間隔(第1の周波数)で極性が切り替わる矩形波の駆動電圧を印加する。上側積層体5U及び下側積層体5Dに設けられた透明電極11,16に駆動電圧が加えられると、液晶層8に電界が生じる。液晶層8に生じた電界により、液晶層8に設けられた液晶層材料の配向が制御される。これにより、調光フィルム1の透過光を制御可能となり、調光を図ることができる。
実施形態の調光フィルム1における液晶層8の配向制御には、VA(Virtical Alignment)方式が適用される。VA方式では、駆動電源S1の振幅が0Vの場合(駆動電圧が0Vの場合)である無電界時、液晶層8の液晶分子は垂直配向し、これにより調光フィルム10は、入射光を遮光して遮光状態となる。またこの駆動電源S1の振幅を増大させて駆動電圧を立ち上げると、液晶層8の液晶層は水平配向し、調光フィルム10は、入射光を透過させる。しかし、VA方式に代えて、TN(Twisted Nematic)方式等、種々の駆動方式を適用してよい。なお液晶セル4は、光配向層のパターンニング等によりいわゆるマルチドメイン方式により液晶材料を駆動してもよく、さらにはシングルドメインにより駆動してもよい。
〔透過率の変動〕
図2は、調光フィルム1における、駆動電圧と透過率との関係を示すグラフである。
図示するように、調光フィルム10の透明電極11,16間に、一定の時間間隔で極性が切り替わる矩形波形の駆動電圧が駆動電源S1より印加される。
駆動電圧の極性が反転する際、透明電極11及び16の間の液晶層の静電容量への充放電が実行される。充放電に要する時間は調光フィルムの静電容量と透明電極11,16の抵抗値、電源からの接続方法によって変わるが、図2の例では約1ミリ秒程度の時定数で、充放電する。調光フィルムの面積が大きいほど、静電容量が大きくなり、電極の抵抗値も所定の値より小さくすることは難しく、時定数を極端に短くするのは困難である。
このため、液晶層8に加わっている電圧が一時的に低下し、その結果、液晶分子に作用する電界が一瞬低下する。これにより液晶層の液晶層分子は、この電界の低下に連動して、一時的に、方向が変化した後、元の状態に戻る。これにより、調光フィルム1の透過率が一時的に低下する。すなわち、調光フィルム1の透過率は、一定ではなく、その駆動電圧変化の周波数と同じ第1の周波数(以下、透過率周波数という)で変動する。
〔外光と透過率変動との関係によるちらつき〕
このように、透過率が所定の透過率周波数で変動する調光フィルム1を、第2の周波数(以下、外光周波数という)で光量が変動する外光が透過する場合、透過率周波数と外光周波数との関係により、調光フィルム1を透過した光に、「ちらつき(フリッカー)」が観察される場合がある。ここで、ちらつきは、光の明暗により知覚されることにより、透過光量において光量の変化が小さいと認識されにくい。また、ちらつきは一般的に30Hz以上の周波数であれば認識されにくい。
〔外光周波数〕
図3は、蛍光灯の出射光による外光光量の計測結果である。蛍光灯は、周波数50Hzによる商用電源により駆動する場合、この商用電源の半周期毎に管内放電する。この管内放電により蛍光体が発光して出射光を出射する。これにより、周波数100Hzの、ほぼ正弦波状に光量が変化する出射光が出射される。このように、周波数100Hzにより蛍光灯による外光は光量が変化しているが、30Hz以上の周波数であることにより、ちらつきとしては認識されない。
なお、近年、外光として用いられることの多いLED照明器具などは、パルス幅変調で明るさがコントロールされている。パルス幅変調は光量の変化が大きく、ちらつきとして認識されやすい。LED照明器具等においても、30Hzより高い周波数である周波数100Hz以上により駆動されている。
なおこのような駆動により変化する外光の周波数を、本明細書において外光周波数という。
〔透過率周波数〕
一方、調光フィルム1の駆動電圧の周波数(透過率周波数と同じ周波数)が高いと、極性の切り替えの度に、透過率が低下することにより、平均透過率が低下する。したがって、駆動電圧の周波数(透過率周波数)は、外光周波数ほど高くなく、且つ30Hz以上が好ましい。すなわち、
外光周波数≧透過率周波数≧30Hz
が好ましい。図3において透過率周波数は43Hzである。なお、このように透過率周波数を30Hz以上とすることにより、例えば太陽光等の一定光量による外光が透過する際の、調光フィルム自体の透過率の変化による透過光のちらつきも防止することができる。
図4は、外光周波数100Hzの外光を、透過率周波数43Hzの調光フィルム1を透過させたときの、透過光の周波数を示すグラフである。図示するように、透過光は、微視的にみれば、外光周波数と同じ周波数により光量が変化するが、この外光周波数による各ピークは透過率周波数により脈動することになり、その結果、波長0.075秒(13Hz)という第3の周波数(以下、干渉光周波数という)の干渉波が発生している。この干渉光周波数の13Hzは、ちらつきが認識されにくくなる限界周波数30Hzより低い周波数であるので、ちらつきとして認識されてしまう。
図5は、例えば、外光周波数(100Hz)が、透過率周波数(50Hz±α)の自然数倍(2倍)の周波数より5%程度異なる場合における、透過光を説明するグラフであり、(a)は外光と透過率とを示したグラフであり、(b)は透過光を示すグラフである。グラフに示すように、外光周波数(100Hz)が透過率周波数(50Hz±α)の自然数倍の周波数より5%程度ずれていると、(b)に示すように巨視的に見たときに、このずれ量に対応する6Hz程度の低周波の干渉光周波数を有する干渉波が観測される。6Hzはちらつきが認識されにくくなる限界周波数30Hzより低周波であるので、ちらつきとして認識される。
図6は、外光周波数(100Hz)が、透過率周波数(50Hz)の自然数倍(2倍)である場合における、透過光を説明するグラフであり、(a)は外光と透過率とを示したグラフであり、(b)は透過光を示すグラフである。図示するように、外光周波数(100Hz)が、透過率周波数(50Hz)の自然数倍(2倍)である場合、図5に示したような巨視的に見たときに生じる低周波の干渉光周波数の干渉波は発生せず、これにより上述のちらつきも認識されない。
〔実施形態〕
図7は、上述の図5及び図6で説明したちらつき発生の原理に基づいた本発明の一実施形態の調光システム100を示す図である。調光システム100は、図1で説明した調光フィルム1及び駆動電源S1と、駆動電源S1より発生する電圧の周波数を制御する制御ユニット101と、調光フィルム1を透過して入射する外光を検出する受光素子102と、調光フィルム1の周囲の温度を測定する温度センサ103と、を備える。
〔受光素子〕
受光素子102は調光フィルム1を透過した光を受光し、受光した光の強度を電気信号に変換する。なお受光素子102は、調光フィルムを介することなく、直接、調光フィルムに入射する外光を受光するようにしてもよい。
〔制御ユニット〕
制御ユニット101は、表示部111と制御部113とを備える。
〔表示部〕
外部の光源120からの光である外光は、調光フィルム1を透過して受光素子102に入射すると、表示部111は、受光素子102が受光した透過光の波形、駆動電圧の波形より求めた調光フィルム1の透過率の波形、及び透過光から駆動電圧の波形を減算して求めた外光の波形等を表示する。なお表示部111は、この調光システム100の調整が完了すると取り外され、これにより調光システム100は、表示部111を備えていない状態で使用される。
〔制御部〕
制御部113は、受光素子102より、外光の透過光の波形信号を受信する。ここで、透過光の波形信号は、例えば図5(b)のような波形であり、干渉光周波数の干渉光が発生している。制御部113は、駆動電圧の周波数を変更することにより透過率周波数を変更し、外光周波数の自然数倍にする。これにより、透過光の波形信号は、図6(b)のような、巨視的な波が発生していない形になる。
なお、本実施形態では制御部113が自動的に透過率周波数を変更するが、これに限らず、例えば制御ユニットに操作部を備え、ユーザーが操作部より変更するようにしてもよい。
図8は、外光の波形と、透過率の波形と、駆動電圧とを示したグラフである。図示するように、駆動電圧の極性が反転する際、その極性反転から透過率の極小値(ボトム値)を示すまでに時間差tがある。この時間差tは、制御部113において予め把握可能である。
透過率周波数を変更し、透過率周波数を外光周波数の自然数倍にする際に、その自然数が1である場合、この時間差tも考慮して、図8に示すように外光の光量がピーク値となるタイミングと、調光フィルム1の透過率がボトム値となるタイミングとが一致するように調光フィルム1に印加する駆動電圧の周波数と位相を調整することが好ましい。
〔温度〕
実施形態の調光システム100は、調光フィルム1の温度を検出する温度センサ103を備えている。上述の時間差tは、調光フィルム1の特性の温度依存性が大きい場合、温度によって異なる場合がある。制御部113は、温度センサ103により検出された温度をモニタし、各温度における時間差tを考慮して、駆動電圧の周波数と位相を調整する。
(1)以上、本実施形態によると、調光フィルム1を透過して入射する外光の入射前の外光周波数を、透過率周波数の自然数倍とする。したがって、調光フィルム1の透過光において、低周波の干渉波によるちらつきが観察されない。
(2)外光周波数≧透過率周波数であるので、極性の切り替え時における、調光フィルム1の透過率の落ち込み量が抑えられ、平均透過率の低下量を抑圧することができる。また、透過率周波数≧30Hzであるので、調光フィルム1自体の透過率の変化に起因するちらつきも視認できないようにすることができる。
(3)調光フィルム1の入射光及び又は透過光を受光する受光素子102を備え、制御部113は、受光素子102の検出信号を基に、透過率周波数を制御する。
制御部113は、外光の受光結果に基づいて、外光周波数が、透過率周波数の自然数倍になるように透過率周波数を制御するので、ちらつき発生制御を自動的に行うことができる。
(4)制御部113は、自然数が1の場合、外光の光量がピーク値となるタイミングと、駆動電圧の極性の反転によって調光フィルムの透過率がボトム値となるタイミングとが一致するように、駆動電圧を制御する。
これによれば、外光の光量がピーク値となるタイミングが、調光フィルム1の透過率がボトム値となるタイミングと一致するように制御することにより、調光フィルムの透過率変動を、外光の光量の変動により相殺することができ、ちらつきがより視認できないようにすることができる。
(5)調光フィルム1の温度を検出する温度センサ103を備え、制御部113は、温度センサ103の検出結果に基づいて、駆動電圧の位相を制御して、温度による液晶層8の応答速度の変化によるボトム値となるタイミングの変化を補正する。
調光フィルム1の特性の温度依存性が大きい場合でも、外光の光量がピーク値となるタイミングが、調光フィルム1の透過率がボトム値となるタイミングであるように保持することができる。
なお、上述において、透過率周波数を変更して外光周波数の自然数倍にしたが、これに限らず、透過率周波数を変更して干渉光の干渉光周波数が、30Hz以上となるようにしてもよい。
〔車両〕
図9は、実施形態の調光システム100が用いられる車両130を示す図である。なお、本実施形態の調光システム100は、図9の車両130に用いられるが、これに限定されず、建築物の窓ガラス、ショーケース、屋内の透明パーテーション等に用いてもよい。
車両130は、搭乗者の頭上を覆うようにサンルーフに係る開口121が設けられ、この開口121に、調光フィルム1の積層体が配置されて天窓(サンルーフ)が形成される。なおここでサンルーフは、車両130のルーフに設けられる外光入射用の透光部である。
ここで、この調光フィルム1の積層体は、板ガラス等による透明板材に、粘着剤、接着剤等により調光フィルム1を積層して形成されている。
車両130には、調光フィルム1以外に、図7に示した駆動電源S1と、駆動電源S1より発生する電圧の周波数を制御する制御ユニット101と、調光フィルム1を透過して入射する外光を検出する受光素子102と、調光フィルム1の周囲の温度を測定する温度センサ103と、を備える。
そして、受光素子102は走行中に外部の光源120から入射する透過光を受光し、制御部113は、受光素子102より、外光の透過光の波形信号を受信する。制御部113は、駆動電圧の周波数を変更することにより透過率周波数を変更し、外光周波数の自然数倍にする。これにより、透過光の波形信号は、図6(b)のような、干渉波成分が重畳されていない波形になる。
走行中、入射する外光は変化するが、制御部113は、透過率周波数の変更を継続するので、継続したちらつき防止が可能となる。
1 調光フィルム
2 直線偏光板
8 液晶層
10 調光フィルム
11 透明電極
16 透明電極
100 調光システム
101 制御ユニット
102 受光素子
103 温度センサ
111 表示部
113 制御部
130 車両

Claims (8)

  1. 液晶層及び該液晶層を挟んで配置された2つの電極を有する調光フィルムと、
    前記電極間に、第1の周波数で極性が反転する駆動電圧を印加する駆動電源と、
    前記調光フィルムの入射光の周波数である第2の周波数が、前記第1の周波数の自然数倍になるように、前記第1の周波数を制御する制御部と、
    を備える調光システム。
  2. 前記第2の周波数≧前記第1の周波数≧30Hzである、
    請求項1に記載の調光システム。
  3. 前記調光フィルムの入射光及び又は透過光を受光する受光素子を備え、
    前記制御部は、前記受光素子の検出信号を基に、前記第1の周波数を制御する、
    請求項1又は2に記載の調光システム。
  4. 前記制御部は、前記外光の光量がピーク値となるタイミングと、前記駆動電圧の極性の反転によって前記調光フィルムの透過率がボトム値となるタイミングとが一致するように、前記駆動電圧を制御する、
    請求項1から3のいずれか1項に記載の調光システム。
  5. 前記調光フィルムの温度を検出する温度センサを備え、
    前記制御部は、前記温度センサの検出結果に基づいて、前記駆動電圧の位相を制御して、温度による前記液晶層の応答速度の変化による前記ボトム値となるタイミングの変化を補正する、
    請求項4に記載の調光システム。
  6. 液晶層と、該液晶層を挟んで配置された2つの電極とを有する調光フィルムと、
    前記電極間に、第1の周波数で極性が反転する駆動電圧を印加する駆動電源と、
    前記駆動電圧と外光との干渉により発生する、前記調光フィルムの透過光における干渉波の周波数が、30Hz以上となるように、前記第1の周波数を制御する制御部と、
    を備える調光システム。
  7. ルーフに設けられた透光部に調光フィルムを配置し、前記調光フィルムの透過率の制御により入射光を制御する車両において、
    請求項1から6のいずれか1項に記載の調光システムを備える車両。
  8. 液晶層と、該液晶層を挟んで配置された2つの電極とを有する調光フィルムに入射する入射光の周波数である第2の周波数が、
    前記電極間に印加される駆動電圧の第1の周波数の自然数倍になるように、前記第1の周波数を制御する、
    調光フィルムの駆動方法。
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